説明

卵黄に基づく機能性食物製品の生産方法およびこれによって得られる製品

本発明は食物製品、特に、製品を定期的にたとえば毎日消費する人に、栄養摂取という基本的機能を超えた健康上の利益を提供する製品の分野に関する。本発明に従えば、1つ以上の薬理学的に有効な栄養分を高めた卵、特に鶏卵が生産される。前述の卵から得られる卵黄は、機能性食物製品に通常必要とされるすべての特徴を有する機能性食物製品の成分として、多量に使用するのに好適である。本発明に従う食物製品の好ましい例は、100mlという小さい体積中に全卵黄約1個を含有する、すぐに飲める飲料である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食物製品、特に、製品を定期的に、たとえば毎日、消費する人に、栄養摂取という基本的機能を超えた健康上の利益を提供するように特別に設計された食物製品の分野に関する。特に、本発明は、有意な量の薬理学的に有効な栄養分を数種含む食物製品であって、消化管における前記栄養分の吸収にとって優れたマトリクスを提供する食物製品を生産する方法に関わる。本発明の食物製品は、さらに、かなりの期間、たとえば数ヶ月あるいは数年にわたる定期的な使用に適するように調製されている。本発明は、したがって、機能性食物または栄養補給食品とも呼ばれるこれらの食物製品を生産する方法、および、該方法によって得られる機能性食物製品を提供する。また、本発明は、栄養分の必要な人に栄養分を補給する方法を包含し、該方法は、前記栄養分の必要な人による本発明の食物製品の消費を含む。
【背景技術】
【0002】
社会においては、食物を機能の観点から考慮する傾向が高まりつつある。機能性食物または栄養補給食品は、栄養摂取としての食物の基本的機能を超えた健康上の利益を提供する食物製品と定義することができる。機能性食物に対する関心は、食餌と健康との関係を明らかにする圧倒的な科学的証拠のおかげで、過去十年間に向上した。この領域における関心の結果、特に、加齢に関連する慢性疾患、および、いわゆる現代西洋食に関連する健康状態に関する、特定の健康問題に対処するよう設計された、多くの新たな食物が市場において出現している。全食物市場の約1.5%は、機能性食物市場として分類することが可能である。近年の10%を超える成長率は、この特定の市場の動態を示している。
【0003】
この領域で関心をもたれているいくつかの機能性食物成分には、オメガ−3脂肪酸、特に、DHAおよびEPA;ビタミンD;ビタミンE;葉酸;キサントフィル;ヨウ素ならびにセレンが含まれる。
【0004】
中でも魚油からのオメガ−3脂肪酸は、種々の自己免疫疾患において抗炎症作用を有し、循環器疾患および発作の危険を軽減すると標榜されている。日本においては、これらの製品が、能力増強のために市販されている。パン、卵および朝食穀物食品に加えて、オメガ−3脂肪酸を含有する機能性食物飲料も市販されている。ドコサヘキサエン酸(DHA)は、オメガ−3脂肪酸である。食餌DHAは、ヒトにおける血中トリグリセライドのレベルを低下させることができ、これは心疾患の危険性を低減する。DHAが低レベルであることは、脳セロトニンのレベル低下を招き、ADHD、アルツハイマー症および抑鬱と関連付けられており、DHAの補給が、そのような疾患または少なくともそれらのいくつかの兆候の、治療または予防に有効であることを示す多くの証拠がある。
【0005】
ビタミンDは、一群の脂溶性プロホルモンであり、臓器系の維持において重要な役割を果たす。ビタミンDの欠乏は、骨石灰化を低下させる結果となり、骨軟化症を招き、おそらく骨粗鬆症の一因となる。ビタミンDに本来富んでいる食物は非常に少なく、今日のビタミンD摂取のほとんどは、強化したミルク、豆乳および穀物の形態でなされている。ビタミンDをいくらか含有する天然の食物には、魚肝油、脂肪性魚類、キノコおよび卵が含まれる。
【0006】
ビタミンEすなわちトコフェロールは、脂溶性の抗酸化物質である一連のメチル化されたフェノールを指す。アルファトコフェロールは、最も重要な生物学的抗酸化物質として、古くから認識されている。食餌において最も重要なビタミンE源には、野菜油、ナッツ、ヒマワリ種、ある種の果実および野菜、ならびに麦芽がある。いくつかの場合にはその証拠にはいまだに議論の余地があるものの、研究は、ビタミンEの充分な摂取が、冠動脈性心臓病を救済または予防し、癌の進行に対する保護に寄与し、白内障進行の遅延または予防に寄与し、加齢性黄斑変性症に対する保護作用を有し、緑内障損傷からの網膜の保護に寄与し、アルツハイマー症の発病の軽減に寄与し、パーキンソン病に対する保護に寄与し、海馬においてTHCによって引き起こされる神経死の阻止に寄与し得る、という広く支持されている確信に至っている。
【0007】
葉酸は、水溶性ビタミンB9の一形態である。ホウレンソウおよびカブなどの葉物野菜、乾燥した豆およびエンドウ豆、ヒマワリ種、ある種の果実、ならびに強化した穀物製品が、葉酸の最も重要な食餌源である。食餌葉酸摂取における最大の関心事は、妊娠中のいくつかの先天性奇形に対する保護作用に関している。いまだに議論の余地はあるが、葉酸塩の血中レベルが低いことは、癌の大きな危険性、心疾患および発作の大きな危険性、抑鬱、ならびに、短期記憶、精神的機敏性および言葉の流暢さの低下に関連するという証拠がある。
【0008】
キサントフィル、特にゼアキサンチンおよびルテインは、天然に産するカロテノイドである。これらは、ヒトの食餌においては、主として、果実および野菜、特にホウレンソウなどの緑色野菜、ならびに卵に見られる。一方でルテインおよびゼアキサンチンの低血漿濃度と、他方で加齢性黄斑変性症(AMD)との関係の、疫学的証拠がある。ルテインおよび/またはゼアキサンチンの補給がAMDに対して実際に保護するというのが、今日の一般な確信である。皮膚の健康の増進もまた、キサントフィルの食餌消費の利益である。さらに、キサントフィルの血漿濃度が低いことと、白内障、アテローム性動脈硬化症、ならびに乳癌および結腸癌の発生率とに、相関があるかもしれないと示唆されている。
【0009】
ヨウ素は、必須の微量元素である。米国食品医薬品局は、甲状腺ホルモンの適切な産生のために、男性と女性の両方に、食餌を通じてのヨウ素の摂取を推奨している。ヨウ素の欠乏は、極度の疲労、甲状腺腫、精神機能低下、抑鬱、体重減少、および低基礎体温を兆候とする甲状腺機能減退を引き起こす。ヨウ素の欠乏は、乳児および幼児がこの元素の欠乏によって甲状腺機能減退になったときに主として生じる結果である、予防可能な知能発育不全の主因でもある。天然のヨウ素源には、ある種の海産食品、およびヨウ素の豊富な土壌で育成された野菜がある。食卓塩にヨウ素を添加することが、西欧諸国におけるヨウ素欠乏に関連する問題を、大きく解消してきた。
【0010】
セレンも、動物にとって必須の微量栄養分である。ヒトにおいて、セレンは、グルタチオン過酸化酵素およびチオレドキシン還元酵素などの抗酸化酵素の還元のための、補因子として機能する微量元素栄養分である。セレンは、甲状腺の機能発現においても、甲状腺ホルモン脱ヨウ素酵素の補因子として関与することで、役割を果たす。食餌セレンは、ナッツ、穀物、肉、魚および卵に由来する。
【0011】
これらの栄養分を供給する天然源が通常の食餌から除外されることが多くなりつつあるという理由で、一般に、多数の人がこれらの栄養分の適当な量を摂取できずにいることを、多くの研究が示している。これらすべての栄養分は、タブレットまたはカプセルの形態で入手することが可能であるが、それらの供給をより魅力的な食物製品の形態で行うことが、これらの栄養分の補給における価値ある選択肢であると一般に考えられている。
【0012】
上記より理解できるように、これらのおよび/または他の薬理学的に有効な栄養分の1つ以上の適切な食餌源を提供し得る機能性食品の開発に、公共のおよび商業的関心がある。
【0013】
したがって、これらのおよび/または他の薬理学的に有効な栄養分を含有する適切な機能性食物製品を提供することが、本発明の目的である。
【0014】
特に、消化管においてこれらの薬理学的に有効な栄養分が効率よく吸収されて、それらの充分なバイオアベイラビリティを保証するマトリクスを提供するように調製された、そのような機能性食物製品を提供することが、本発明の目的である。
【0015】
特に、機能性食物製品を摂取する人による高いコンプライアンスを達成する目的で調製された、そのような機能性食物製品を提供することも、本発明の目的である。これは、一般に、栄養物の推奨される量を供給するために必要な期間にわたって、およびそのために必要な頻度で、消費者が製品を喜んで摂取すること、つまり、消費者が関心を失い、あるいは製品を嫌いになったりさらには嫌悪したりして、非コンプライアンスになることがないということを意味しており、その頻度および期間は、一般的には、1日1回、数ヶ月間または数年間である。これについての関心の要素には、一般に、外観、口への合い易さ、歯ごたえ、味および風味、ならびに使用の容易さなどがある。
【発明の概要】
【0016】
本発明に従えば、オメガ−3脂肪酸、特にDHA;ビタミンD;ビタミンE;葉酸;キサントフィル;ヨウ素およびセレンから選択される栄養分などの、1つ以上の薬理学的に有効な栄養分を高めた卵、特に鶏卵を提供することが、産業上および商業上の魅力ある方法においても、実行可能であることが明らかになった。そのような薬理学的に有効な栄養分のかなりの部分が、これらの栄養分を高めた飼料で育てられた家禽によって産生される卵の黄身に、効率よく蓄えられることが判明した。
【0017】
先行技術によれば、この概念自体は、以前に調査されて、特に米国特許出願第2006/0171995号および欧州特許出願第1591018号に、記載されている。
【0018】
米国特許出願第2006/0171995号は、カロテノイドを高めた食餌を与えられた家禽の卵におけるカロテノイドの吸収および蓄積を記載している。この方法によって、卵の可食部分のグラム当たり1.0mgを超えるカロテノイドを含有する卵を産生し得たことが、記載されている。
【0019】
欧州特許出願第1591018号は、微量栄養分を、その微量栄養分に富む卵を得るのに充分な量で含む、レイヤー種雌鶏に与えるための組成物に関している。欧州特許出願第1591018号は、セレン、ヨウ素、ビタミンE、ビタミンD3、ビタミンB1、ビタミンB6、葉酸、および/またはゼアキサンチンなどのカロテノイド、ならびにアルファ−リノレン酸および/またはドコサヘキサエン酸を含む組成物の使用を示唆しており、また、それに応じて産生され得る卵における、これらの微量栄養分の各々の量を記載している。
【0020】
個人の食餌においてこれらの卵を実際に使用することは、実際には、これらの先行技術文献には開示されていない。さらに、それらの卵が、卵を消費する個人に、その特定の栄養分を供与し得ることは示唆されているが、これらの卵を、その栄養分の主たる食餌源として使用することが、(飼料組成物に対する調節の制約を考慮した上での)卵黄に蓄積され得る栄養分の最大量、卵からの栄養分のバイオアベイラビリティ、および、そのために食餌に必要とされるであろう卵の量に鑑みて、実際に可能であるか否かは不明である。これらの先行技術文献は、卵以外の食物製品については、述べておらず、示唆もしていない。
【0021】
本発明者は、前述の卵から得られる卵黄が、これまで述べてきたすべての要件を満たす機能性食物製品の成分として、大量に使用するのに適していることを見出した。
【0022】
また特に、後に詳述する臨床試験は、本発明に従う機能性食物製品が、薬理学的に有効な栄養分のかなりの量を、充分なバイオアベイラビリティで供給するのに適していることを示している。さらに、予期せぬことに、本発明に従って卵黄と水分散物とを組み合わせることによって得られる組成物が、優秀な担持マトリクスを提供し、このマトリクスから、高度に脂溶性のものを含む栄養分が、非常に効率よく吸収され得ることが見出された。何らかの特定の理論に束縛されるのを望むわけではないが、これは、乳化剤および/または安定剤として作用する卵黄リン脂質が存在するためである、という仮説が立てられる。したがって、機能性食物製品が、脂溶性の薬理学的有効栄養分の充分なバイオアベイラビリティを確保するために、さらなる乳化剤の組み込みを必要としないことも、本発明の利点である。
【0023】
さらに、充分な量の卵黄が、この種の製品に対して一般に望まれる毎日の「服用」向きの調製に充分な小ささの、機能性食物製品の体積中に含まれることが見出された。
【0024】
卵黄のこのように高い相対量が、ヨーグルト、果実飲料、乳飲料またはプリンとして調製された製品などの本発明に従う製品の、外観、歯ごたえ、味および/または風味に悪影響を及ぼさないことも、見出された。
【0025】
これらの試験において、本発明に従う卵黄と水分散物との組み合わせを本質的に含む機能的食物製品が、3ヶ月という全試験期間中に被験者によく受け容れられたことも、示された。
【0026】
本発明に従う機能性食物製品は、微生物的損傷および乳液または懸濁液安定性の両方の観点において、この種の製品には充分であると一般に考えられる保存安定性を有するように、調製することが可能である。
【0027】
最後に、本発明に従う機能性食物製品は、定期的にたとえば毎日使用しても、対応する量の卵で食餌を補給する個人において見られることとは対照的に、血漿コレステロールレベルの有意な増大を生じさせないことが、見出された。
【0028】
本発明のこれらのおよび他の利点は、以下の詳細な説明および実施例から、当業者にとって一層明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0029】
第1の側面に従えば、本発明は、したがって、機能性食物製品を生産する方法であって、i)水と1つ以上の他の食品等級材料との組み合わせであって、好ましくはその材料の水分散物または水溶液の形態での組み合わせと、ii)卵黄とを、2〜7の範囲内の比率で混合することを含み、その卵黄は、少なくとも1つの薬理学的に有効な栄養分を高めた食餌を家禽に与え、その家禽が産んだ卵を収集し、その卵から卵黄を取り出すことによって得る、方法を提供する。
【0030】
ここで使用する表現「機能性食物製品」とは、身体に栄養分を供給するという食物の基本的機能を超えて、良好なまたは改善された健康を促進し、病気などを防ぐことを標榜する加工食品の種類を言う。これは、典型的には、本発明に従って得られる卵黄の充分な量を食物製品に含有させることによって達成される。
【0031】
現在の機能性食物製品は、一般に、いわゆる「すぐに使える」製品であり、これは、その製品が、消費に適するようになるまでに、煮る、焼く、または他の材料と混合するなどの、さらなる処理を一切必要としないことを意味している。
【0032】
本発明の好ましい実施形態に従えば、機能性食物製品は、果実風味付け飲料または乳飲料などの飲料;および、プリン、カスタードまたはスプーンで掬えるヨーグルトなどのデザートの群から選択される製品である。
【0033】
さらに、機能性食物製品は単位用量形態で提供されるのが特に好ましい。単位用量形態とは、その通常の意味のとおり、1回当たりの飲食で摂取される量に相当する製品の所定の分量が、個別のパッケージに入れて提供される形態をいう。特に好ましい例には、毎日の用量に相当する分量を収容した個別のパッケージが含まれる。さらに具体的には、「一飲」、「一片」、「一服」または「一口」として消費される単一の分量を収容した個別のパッケージが提供されるのが、好ましい。
【0034】
上記に従い、本発明の特に好ましい実施形態は、50〜150ml、好ましくは75〜125mlの量の、上記に規定する機能性食物製品を収容した、閉じられたまたは密閉されたパッケージを提供する。
【0035】
しかし、別の実施形態では、本発明は、機能性食物製品のそのような用量または分量の複数分、つまり、個別の単位用量パッケージには入らない量を収容したパッケージを提供することを含む。一般に、このようなパッケージは、250〜1000ml、好ましくは500〜1000mlの量の製品を収容する。
【0036】
ここで使用する用語「含む」は、順次述べられている要素に限定されるという意味ではなく、機能的重要度が高くても低くても明示されない要素も含むという意味である。換言すれば、掲載されたステップ、要素または選択肢は、網羅的である必要がない。用語「含有する」、「包含する」または「有する」が使用されるときは常に、これらの用語は上記で規定した「含む」と同等の意味である。
【0037】
ここで使用する用語「卵黄」は、卵殻を壊した後に卵白から分離された、処理されていない卵黄を単にいうほか、加熱滅菌された卵黄、解凍された凍結卵黄、乾燥粉末化卵黄に通常の卵黄の程度にまで水を加えることによって得られる再水和卵黄、および、溶解−変換(lyso-conversion)、脱コレステロール、溶解−脱コレステロールなどの種々の処理に付した卵黄をいう。用語「卵黄固形物」は、天然卵黄中、または、食品産業において材料として通常使用されるものなどの乾燥卵黄製品中に存在する固形物を意味している。鶏卵からの卵黄中の、および乾燥卵黄製品中の固形物の量は、既知の方法を用いて測定することが可能であり、通常、それぞれ約46%および約96%である。
【0038】
この分野で家禽は、肉および卵を得るために飼育される家畜化された鳥の範疇である。最も典型的なのは、キジ目のメンバである(鶏および七面鳥を含む)。好ましくは、本発明に従えば、用語「家禽」は鶏を指す。用語「薬理学的に有効な栄養分」は、食物製品中に見出され、通常の健康的な食餌の一部を成し、普通、少量または微量存在し、治療上または予防上の有効性を有するという意味で薬理学的効果を有する、あらゆる物質を指す。用語「薬理学的に有効な栄養分」は、したがって、ヒトまたは動物の身体の通常の代謝過程におけるエネルギ源および/または構成要素として機能する、バルク食物材料を含まない。このような薬理学的に有効な栄養分の好適な例には、オメガ−3脂肪酸、特にDHA(ドコサヘキサエン酸)およびEPA(エイコサペンタエン酸)、ビタミンD、葉酸、ビタミンE、キサントフィル、ヨウ素、セレンおよび亜鉛が含まれる。本発明の好ましい実施形態において、薬理学的に有効な成分は、EPA、ビタミンD、葉酸、ビタミンE、キサントフィル、ヨウ素およびセレンから選択され、より好ましくは、ビタミンD、葉酸、ビタミンE、キサントフィル、ヨウ素およびセレンから選択される。本発明の特に好ましい実施形態に従えば、薬理学的に有効な栄養分は、上述の理由により、脂溶性の薬理学的に有効な栄養分である。
【0039】
前述のように、本発明に従えば、卵黄は、少なくとも1つの薬理学的に有効な栄養分を高めた食餌を家禽に与え、その家禽が産んだ卵を収集し、その卵から卵黄を取り出すことによって得られる。ここで使用する「高める」は、標準的な家禽の食餌と比べて、付加的量の前記薬理学的に有効な栄養分を含有するという意味を有する。通常、本発明に従う食餌は、前記家禽によってたとえば毎日正常に消費される前記栄養分の量の、125%、好ましくは150%、より好ましくは200%、最も好ましくは300%を含有する程度にまで、前記薬理学的に有効な栄養分が高められる。
【0040】
本発明の好ましい実施形態に従えば、家禽は、少なくとも2つの、好ましくは少なくとも3つの、より好ましくは少なくとも4つの、最も好ましくは少なくとも5つの、本発明に従う薬理学的に有効な栄養分を高められた食餌を与えられる。
【0041】
さらに、本発明の特に好ましい実施形態に従えば、家禽に与える食餌は、オメガ−3脂肪酸を、食餌のkg当たり、少なくとも5gの量で、より好ましくは10〜50g/kgの範囲内の量で含み、および/またはビタミンDを、少なくとも1500IUの量で、より好ましくは2000〜5000IUの範囲内の量で含み、および/または葉酸を、少なくとも10mg/kgの量で、より好ましくは20〜100mg/kgの範囲内の量で含み、および/またはビタミンEを、少なくとも20mg/kgの量で、より好ましくは100〜500mg/kgの範囲内の量で含み、および/またはキサントフィルを、少なくとも10mg/kgの量で、より好ましくは20〜100ppmの範囲内の量で含み、および/またはヨウ素を、少なくとも0.75mg/kgの量で、より好ましくは1〜5mg/kgの範囲内の量で含み、および/またはセレンを、少なくとも0.2mg/kgの量で、より好ましくは0.2〜0.3mg/kgの範囲内の量で含み、および/または亜鉛を、少なくとも30mg/kgの量で、好ましくは少なくとも50mg/kgの量で含む。
【0042】
ここで使用する表現「IU」は、国際単位を表し、たとえばビタミンを生物学的活性の量で表現するために、この分野では普通に使用されている。
【0043】
通常、ここで述べるように1つ以上の栄養分を高めた食餌を家禽に与えることは、オメガ−3脂肪酸を、少なくとも100mg/100gの量で、好ましくは少なくとも150mg/100gの量で含み、および/またはビタミンDを、少なくとも1μg/100gの量で、好ましくは少なくとも1.5μg/100gの量で含み、および/または葉酸を、少なくとも150μg/100gの量で、好ましくは少なくとも250μg/100gの量で含み、および/またはビタミンEを、少なくとも2mg/100gの量で、好ましくは少なくとも3mg/100gの量で含み、および/またはキサントフィルを、少なくとも500μg/100gの量で、好ましくは少なくとも700μg/100gの量で含み、および/またはヨウ素を、少なくとも60μg/100gの量で、好ましくは少なくとも90μg/100gの量で含み、および/またはセレンを、少なくとも10μg/100gの量で、好ましくは少なくとも15μg/100gの量で含み、および/または亜鉛を、少なくとも2.5mg/100gの量で、好ましくは少なくとも3mg/100gの量で含む、卵を家禽が産むという結果になる。
【0044】
前述のように、これらの卵は収集され、その卵から卵黄が取り出される。通常、卵黄は自動化された処理を用いて卵白から分離される。ただし、これは本発明の必須の特徴ではない。この種の処理を行う装置の非限定の例は、欧州特許出願公開第1205140号に記載されている。
【0045】
本発明の好ましい実施形態に従えば、上述のように、一方の水と少なくとも1つの食品等級材料との組み合わせ、および他方の卵黄が、3〜6の範囲内の、最も好ましくは3.5〜5の範囲内の、比率で混合される方法が提供される。
【0046】
本発明に従う食品等級材料は、通常、炭水化物、たんぱく質および脂質の群から選択される少なくとも1つの材料を含む。炭水化物、たんぱく質および脂質の好適な例は、後記のものである。
【0047】
本発明の好ましい実施形態に従えば、水と少なくとも1つの食品等級材料との組み合わせは、卵黄との混合前において、水分散物または水溶液の形態である。通常、前記分散物または溶液は、少なくとも、溶解したまたは分散した炭水化物、たんぱく質または脂質を含む。通常、前記食品等級材料は、少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも2重量%、最も好ましくは少なくとも5重量%の量で、前記溶液または分散物に含まれる。通常、前記量は80重量%と高くてよい。好ましくは、前記量は50重量%を超えず、最も好ましくは、前記量は25重量%を超えない。
【0048】
本発明の特に好ましい実施形態に従えば、卵黄が、脱脂乳、半脱脂乳、バターミルク、発酵乳、特にヨーグルト、大豆飲料または豆乳、発酵豆乳、果実ジュース、果実裏ごし物、シロップ、野菜ジュース、野菜裏ごし物、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される水分散物と組み合わされる、上記に規定される方法が提供される。
【0049】
驚いたことに、卵黄とバターミルクとを組み合わせた本発明に従う製品の毎日の使用が、血漿コレステロールレベルの有意な上昇を引き起こさないのに対して、薬理学的に有効な成分を高めた卵の対応する量の(毎日の)摂取が、血漿コレステロールの有意な上昇を引き起こすことが判った。これらの知見については、実施例においてより詳細に説明する。何らかの特定の理論に束縛されるのを望むわけではないが、血漿コレステロール上昇の作用がないことは、極性の脂質、特に、バターミルクなどの乳製品において天然に見られるスフィンゴ脂質に起因するのかもしれない、という仮説が立てられる。
【0050】
したがって、本発明の特に好ましい実施形態において、水と1つ以上の他の食品等級材料との組み合わせが、バターミルク、脱脂乳、半脱脂乳、発酵乳、特にヨーグルト、それらの画分、およびそれらの混合物を含む、上記に規定される方法が提供される。最も好ましくは、上記組み合わせは、バターミルク全体またはバターミルクの画分を含む。
【0051】
本発明の他の好ましい実施形態において、水と1つ以上の他の食品等級材料の組み合わせが、極性乳脂質を、特に、スフィンゴ脂質およびリン脂質の群から、好ましくは、たとえばセラミドおよび/またはスフィンゴミエリンなどのスフィンゴ脂質の群から選択される極性乳脂質を含む、上記に規定される方法が提供される。好ましくは、水と少なくとも1つのさらなる食品等級材料との組み合わせは、機能性食物製品の総重量を基準として、少なくとも0.05重量%、より好ましくは少なくとも0.08重量%の、前記極性乳脂質を含む。
【0052】
ヨーグルトおよびバターミルクに存在するバクテリアが、血漿脂質およびコレステロールに対する悪影響が観察されないことについて、原因となりまたは寄与するのかもしれない、という仮説も立てられる。したがって、本発明の他の好ましい実施形態は、たとえば、10cfu/ml以上の、好ましくは10cfu/ml以上の、最も好ましくは10cfu/ml以上の、有効量の乳酸菌、より好ましくは、LactobacillusおよびLactococccusから、さらに好ましくは、L. Lactis,L. Acidophilus,L. Casei,L. Reuteri,L. GasseriおよびL. Delbrueckiiから、最も好ましくは、L. Acidophilus,L. DelbrueckiiおよびL. Caseiから選択される菌を含む、上記に規定される製品に関する。
【0053】
随意的に、要望に応じてさらなる成分を加えてもよい。よって、本発明の好ましい実施形態において、着色剤、香味剤、甘味剤、防腐剤、抗酸化剤、粘度調節剤、乳化剤、食品酸およびこれらの混合物から成る群から選択される1つ以上の追加の成分を加える、上記に規定される方法が提供される。好ましくは、本発明の方法は、さらに、上記の方法に従って得られる混合物の、たとえばせん断を用いる混合、および/または滅菌または消毒を行う工程を含む。
【0054】
本発明の好ましい実施形態に従えば、この方法は、製品にエタノールを加える工程、または、製品を処理してリキュールまたはアルコール飲料にする工程を含まない。
【0055】
本発明の特に好ましい実施形態において、機能性食物製品をパッケージ好ましくは前述のパッケージに充填し、そのパッケージを閉じるまたは密閉する前また後に、そのパッケージを消毒または滅菌することを含む、上記に規定される方法が提供される。
【0056】
本発明の第2の態様は、上記に規定される方法のいずれかの実施形態によって得られる機能性食物製品に関する。
【0057】
本発明の機能性食物製品は、上記に規定されるように、卵黄と、水と少なくとも1つのさらなる食品等級材料との組み合わせとの混合物を含む。
【0058】
本発明の特に好ましい実施形態に従えば、水と少なくとも1つのさらなる食品等級材料との組み合わせが、脱脂乳、半脱脂乳、バターミルク、発酵乳、特にヨーグルト、大豆飲料または豆乳、発酵豆乳、果実ジュース、果実裏ごし物、シロップ、野菜ジュース、野菜裏ごし物、およびこれらの組み合わせの群から選択される分散物である、食物製品が提供される。先に説明したように、本発明の特に好ましい実施形態は、バターミルク、脱脂乳、半脱脂乳、発酵乳、特にヨーグルト、それらの画分、およびそれらの混合物を含む製品に関する。本発明の他の好ましい実施形態は、極性乳脂質を、特に、スフィンゴ脂質およびリン脂質の群から、好ましくはスフィンゴ脂質の群から選択される極性乳脂質を含む、上記に規定される製品に関する。前記脂質は、少なくとも0.05重量%、より好ましくは少なくとも0.08重量%の総量で、存在するのが好ましい。本発明の他の好ましい実施形態は、たとえば、10cfu/ml以上の、好ましくは10cfu/ml以上の、最も好ましくは10cfu/ml以上の、有効量の乳酸菌、より好ましくは、LactobacillusおよびLactococccusから、さらに好ましくは、L. Lactis,L. Acidophilus,L. Casei,L. Reuteri,L. GasseriおよびL. Delbrueckiiから、最も好ましくは、L. Acidophilus,L. DelbrueckiiおよびL. Caseiから選択される菌を含む、上記に規定される製品に関する。
【0059】
本発明の特に好ましい実施形態において、機能性食物製品は、卵黄、水、少なくとも1つの食品等級材料の組み合わせを含み、食品等級材料は、炭水化物、たんぱく質および脂質、ならびに随意的に、着色剤、香味剤、防腐剤、抗酸化剤、でんぷんまたはゼラチンなどの粘度調節剤、乳化剤、食品酸などの1つ以上の追加の成分の群から選択される。本発明の機能性食物製品は、卵黄リン脂質の存在により、乳化剤の追加を必要としないが、いかなる目的のためであれ、追加の乳化剤を含有する製品も、本発明に含まれる。
【0060】
本発明の好ましい実施形態に従えば、卵黄固形物の量が、機能性補供物製品のml当たり、0.025〜0.4gの範囲内である、上記に規定する機能性食物製品が提供される。本発明のさらに好ましい実施形態において、卵黄固形物の量が、0.035〜0.3g/ml、より好ましくは、最も好ましくは0.05〜0.2g/mlの範囲内である機能性食物製品が提供される。以下の記載から明らかになるように、これは、50〜150ml、好ましくは75〜125ml当たりに1個の鶏卵の全卵黄を含有する製品に、おおよそ相当する。本明細書において、卵黄の量は、機能性食物製品のミリリットル当たりの、乾燥固形物重量として表される。当業者には理解されるように、これは、卵黄が乾燥固形物の形態で加えられることを必ずしも意味するものではない。ただし、そのような実施形態も請求項に記載した発明に含まれる。
【0061】
さらに、好ましい実施形態に従えば、オメガ−3脂肪酸を、機能性食物製品の100ml当たり、少なくとも50mgの量で、好ましくは、機能性食物製品の100ml当たり、少なくとも75mgの量で含有し;および/またはビタミンDを、機能性食物製品の100ml当たり、少なくとも0.5μgの量で、好ましくは、機能性食物製品の100ml当たり、少なくとも0.75μgの量で含有し;および/または葉酸を、機能性食物製品の100ml当たり、少なくとも75μgの量で、好ましくは、機能性食物製品の100ml当たり、少なくとも125μgの量で含有し;および/またはビタミンEを、機能性食物製品の100ml当たり、少なくとも1mgの量で、好ましくは、機能性食物製品の100ml当たり、少なくとも1.5mgの量で含有し;および/またはキサントフィルを、機能性食物製品の100ml当たり、少なくとも250μgの量で、好ましくは、卵黄の100g当たり、少なくとも350μgの量で含有し;および/またはヨウ素を、機能性食物製品の100ml当たり、少なくとも30μgの量で、好ましくは、機能性食物製品の100ml当たり、少なくとも45μgの量で含有し;および/またはセレンを、機能性食物製品の100ml当たり、少なくとも5μgの量で、好ましくは、機能性食物製品の100ml当たり、少なくとも7.5μgの量で含有し;および/または亜鉛を、少なくとも1.5mg/100ml、好ましくは2.5mg/100mlの量で含有する、上記に規定される機能性食物製品が提供される。
【0062】
本発明の実施形態において、前記機能性食物製品は、したがって、モノ、ジ、および/またはトリサッカライド、ならびにオリゴサッカライドおよび/またはポリサッカライドなどの炭水化物を含有する。好ましくは、前記機能性食物製品は、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、蔗糖、ガラクトースおよび乳糖の群から選択される1つ以上のモノ、ジ、および/またはトリサッカライドを、製品の総重量に基づき、0.5〜10重量%、より好ましくは1〜7.5重量%、最も好ましくは2〜6重量%の範囲内の量で、含有する。また、本発明の好ましい実施形態において、機能性食物製品は、好ましくは、アルギン酸塩、ペクチン(アミド化ペクチンを含む)、カラギーナン、キサンタン、ジェラン(gellans)、フルセララン(furcellarans)、カラヤゴム、ラムサン(rhamsan)、ウェラン(welan)、ガッチゴム(gum ghatti)、アラビアゴムおよび塩を含むイオン性非でんぷんポリサッカライド、ガラクトマンナン、グアーゴム、ローカストビーンゴム、タラゴム(tara gum)、イスパギュラ(ispaghula)(=シリアム(psyllium))、β−グルカン、コンニャクマンナン、メチルセルロース、トラガカントゴム(gum tragacanth)、デタリウム(detarium)、タマリンド(tamarind)を含む中性非でんぷんポリサッカライド、果糖オリゴサッカライド(FOS)、ガラクトオリゴサッカライド(GOS)、イヌリン、セルロース、化学修飾セルロースならびに野菜繊維および/または果実繊維の群から選択される1つ以上の繊維を含有する。好ましくは、食物製品に含有される繊維の量は、0.1〜20重量%の範囲内であり、より好ましくは0.2〜10重量%の範囲内、最も好ましくは0.5〜7.5重量%の範囲内である。
【0063】
さらに、本発明の実施形態において、機能性食物製品は、好ましくは、乳たんぱく;野菜たんぱく;肉由来たんぱく;魚由来たんぱく、およびそれらの部分加水分解物の群から、特に、乳清たんぱく、カゼイン塩、大豆たんぱく、エンドウたんぱく、トウモロコシたんぱく、小麦たんぱく、ゼラチン、アルブミン、それらの部分加水分解物およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、卵黄たんぱく以外のたんぱく質および/またはペプチドを、製品の総重量に基づき0.1〜20重量%、より好ましくは0.2〜10重量%、最も好ましくは0.5〜7.5重量%の量で、含有する。
【0064】
好ましい一実施形態において、機能性食物製品は、5重量%未満の、より好ましくは3.5重量%未満の、さらに好ましくは2.0重量%未満の、最も好ましくは1.0重量%未満の、卵白アルブミンを含有する。
【0065】
さらに、本発明の実施形態において、機能性食物製品は、好ましくは、乳脂肪、バター脂肪ならびに野菜油、動物脂および魚油の群から、好ましくは、乳脂肪、およびバター脂肪の群からから選択される、卵黄脂質以外の脂質物質を、製品の総重量に基づき0.05〜7.5重量%、より好ましくは0.1〜5重量%、最も好ましくは1.5〜3重量%の量で、を含有する。
【0066】
加えて、本発明の機能性食物製品は、着色剤、香味剤、防腐剤、抗酸化剤、粘度調節剤、乳化剤、食品酸などの追加の成分を含んでもよく、これらは当業者にとって周知の量で使用される。
【0067】
本発明の特に好ましい実施形態に従えば、機能性食物製品は、エタノールをほとんどまたは全く含まない。好ましくは、機能性食物製品中のエタノールの量は、機能性食物製品の総重量に基づいて5重量%未満であり、より好ましくは1重量%未満、さらに好ましくは0.5重量%未満である。最も好ましくは、機能性食物製品はエタノールを含有しない。
【0068】
本発明の他の態様は、薬剤として使用するための、上記に規定される機能性食物製品に関する。これまでに説明したように、本発明の薬理学的に有効な栄養分の各々は、様々な健康状態および障害に関連している。本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1つの薬理学的に有効な栄養分はオメガ−3脂肪酸であり、この機能性食物製品は、AMD、循環器疾患、発作、ADHD、アルツハイマー症または抑鬱の発生率および/または重症度を低減することを意図したものである。本発明の他の実施形態において、少なくとも1つの薬理学的に有効な栄養分はビタミンDであり、この機能性食物製品は、骨軟化症、骨粗鬆症またはビタミンD欠乏の発生率および/または重症度を低減することを意図したものである。本発明の他の実施形態において、少なくとも1つの薬理学的に有効な栄養分はビタミンEであり、この機能性食物製品は、循環器疾患、白内障進行、加齢性黄斑変性症、網膜の緑内障損傷、アルツハイマー症、パーキンソン病またはビタミンE欠乏の発生率および/または重症度を低減することを意図したものである。本発明の他の実施形態において、少なくとも1つの薬理学的に有効な栄養分は葉酸であり、この機能性食物製品は、循環器疾患、抑鬱、または、短期記憶、精神的機敏性および/もしくは言葉の流暢さの低下の発生率および/または重症度を低減することを意図したものである。本発明の他の実施形態において、少なくとも1つの薬理学的に有効な栄養分はキサントフィル、特にルテインおよびゼアキサンチンであり、この機能性食物製品は、加齢性黄斑変性症、白内障、アテローム性動脈硬化症の発生率および/もしくは重症度を低減すること、ならびに/または、皮膚の健康の増進を意図したものである。本発明の他の実施形態において、少なくとも1つの薬理学的に有効な栄養分はヨウ素であり、この機能性食物製品は、甲状腺機能減退またはヨウ素欠乏の発生率および/または重症化を低減することを意図したものである。最後に、本発明の他の実施形態において、少なくとも1つの薬理学的に有効な栄養分はセレンであり、この機能性食物製品は、セレン欠乏の発生率および/または重症度を低減することを意図したものである。
【0069】
本発明のさらに他の態様は、人における上記の健康状態または障害のいずれかを、その人に充分な量の機能性食物製品を投与することによって治療または予防する方法に関し、本発明の少なくとも1つの薬理学的に有効な栄養分は、その健康状態または障害に関連するものである。
【0070】
本発明の他の態様は、少なくとも1つの薬理学的に有効な栄養分、好ましくは、オメガ−3脂肪酸、特にDHAおよびEPA;ビタミンD;葉酸;ビタミンE;キサントフィル、特にルテインおよびゼアキサンチン;ヨウ素;セレン;および亜鉛から成る群から選択される薬理学的に有効な栄養分を高めた食餌を家禽に与え、その家禽が産んだ卵を収集し、その卵から取り出すことによって得られる卵黄の、特に上記で説明した事項に本質的に従う機能性食物製品の製造のための、使用に関する。好ましい実施形態において、本発明は、機能性食物製品が、オメガ−3脂肪酸、特にDHAおよびEPA;ビタミンD;葉酸;ビタミンE;キサントフィル、特にルテインおよびゼアキサンチン;ヨウ素;セレン;および亜鉛のうちの1つ以上の補給から恩恵をもたらして、障害または健康状態を治療および/または予防する方法における使用のための製品である、上記に規定される使用を提供する。本発明のさらに他の態様は、卵黄固形物と乳固形物、特にバターミルク固形物との組み合わせに関する。本出願中で提供される情報に基づき、特に以下の実施例から、当業者に判るように、そのような組み合わせは、薬理学的に有効な物質、特に脂溶性の薬理学的有効物質の、人への(頻繁な)経口投与のための、非常に好適なマトリクスを構成する。そのようなマトリクスは、主として卵黄の何らかの構成成分のおかげで、卵黄消費の結果として通常観察される血漿コレステロールレベルに対する悪影響を伴うことなく、薬理学的に有効な物質の高いバイオアベイラビリティを提供する。
【0071】
本発明のこの態様に従う特に好適なマトリクスは、乾燥固形物重量に基づき、少なくとも10重量%、より好ましくは15〜99.9重量%、最も好ましくは25〜95重量%の、卵黄固形物と乳固形物との組み合わせを含む。前記組み合わせは、卵黄固形物および乳固形物を、0.1〜100、好ましくは1〜10、最も好ましくは2.5〜10の範囲内の比率で、含有する。
【0072】
本発明の特に好ましい実施形態において、前記卵黄固形物は、卵黄リン脂質から選択される。他の実施形態において、組み合わせは全卵黄固形物を含む。前記乳固形物は、バターミルク固形物、脱脂乳固形物、半脱脂乳固形物、発酵乳固形物、特にヨーグルト固形物、それらの画分、およびそれらの混合物から選択されるのが、さらに特に好ましい。本発明の実施形態において、組み合わせは全バターミルク固形物を含む。本発明の他の実施形態において、組み合わせは、好ましくはリン脂質およびスフィンゴ脂質の群から、最も好ましくはスフィンゴ脂質から選択される、1つ以上の乳脂質を含む。好ましくは、前記脂質は、製品の総重量に基づき、少なくとも0.05重量%、より好ましくは少なくとも0.075重量%の量で、存在する。
【0073】
本発明の他の好ましい実施形態は、さらに、たとえば、10cfu/ml以上の、好ましくは10cfu/ml以上の、最も好ましくは10cfu/ml以上の、有効量の乳酸産生菌、より好ましくは、LactobacillusまたはLactococccusから、さらに好ましくは、L. Lactis,L. Acidophilus,L. Casei,L. Reuteri,L. GasseriおよびL. Delbrueckiiから、最も好ましくは、L. Acidophilus,L. DelbrueckiiおよびL. Caseiから選択される菌を含む、上記に規定される組み合わせに関する。
【0074】
好ましくは、前記組み合わせは、少なくとも1つの薬理学的に有効な物質、好ましくは少なくとも1つの脂溶性(または新油性)の薬理学的有効物質を、通常、少なくとも0.01重量%、より好ましくは0.05〜10重量%、最も好ましくは0.1〜5重量%の量で、含む。
【0075】
上述の卵黄固形物とバターミルク固形物との組み合わせは、i)1つ以上の脂溶性の薬理学的有効物質の経口投与のためのマトリクスとしての使用に、ii)1つ以上の脂溶性の薬理学的有効物質の経口バイオアベイラビリティを高めるために、iii)治療を必要とする人を治療する方法であって、卵黄固形物とバターミルク固形物との前記組み合わせ中に分散した脂溶性の薬理学的有効物質の投与を含む方法における使用に、および/または、iv)脂溶性の薬理学的有効物質の経口バイオアベイラビリティを高めるための薬剤処方または栄養強化処方の製造における使用に、特に好適である。これらの使用もまた、これらの使用のために提供されまたはパッケージ化される前記の組み合わせと同様に、本発明の範囲に入る。
【実施例】
【0076】
実施例1:ルテイン、ゼアキサンチンまたはオメガ−3脂肪酸を高めた卵黄の生産
成分を高めた卵の生産のための飼料を、動物飼料についての法規制の範囲内で、策定し調製した。ルテインおよびゼアキサンチンの使用は、EU規則1831/2003によって制限されている。飼料におけるルテインおよびゼアキサンチンの用量は、動物飼料における80ppmという合法的限度を超えなかった。オメガ−3脂肪酸としては、アマニ粕および魚油のようないくつかの材料の成分が充てられる。これらの産物は、飼料成分としての使用について制限されていない。
【0077】
試験は、ルテインまたはゼアキサンチンを高めた飼料を与えた家禽によって産生された卵について、次の濃度を示した。
【0078】
【表1】

【0079】
オメガ−3を高めた飼料を与えた家禽によって産生された卵におけるオメガ−3濃度は、約200±10mgである。
【0080】
実施例2:機能性食物製品の生産
実施例1に従って生産された卵黄を含有する2種類の製品を調製した。第1の製品は、毎日の使用(いわゆる「一飲」)を意図した100ml飲料である。このような飲料の異なる種類の組成を表2に示す。
【0081】
【表2】

【0082】
これらの飲料はすべて、直接の消費(つまり、すぐに使える)に適していた。保存安定性は、この種の製品に充分であることが判明した。
【0083】
本実施例で調製した第2の製品は、毎日の使用を意図した150mlデサート(プリン)である。このデサートの組成を下記の表3に示す。
【0084】
【表3】

【0085】
このデザートは、直接の消費(つまり、すぐに使える)に適していた。
保存安定性は、この種の製品に充分であった。
【0086】
実施例3:機能性食物製品の使用
本発明に従う卵およびそれから生産した製品を使用して、無作為プラシーボ対照試験を計画する。ここで、卵は、ルテイン、ゼアキサンチンおよびオメガ−3脂肪酸を高めたものである。
【0087】
被験者の集団を、それぞれ、卵を消費しない群、通常の卵(ルテイン:0,168±0.08、ゼアキサンチン:0.085±0.0017)を消費する群、ルテインを高めた卵(ルテイン:0.921±0.016、ゼアキサンチン:0.137±0.014)を消費する群、または、ゼアキサンチンを高めた卵(ルテイン:0.174±0.014、ゼアキサンチン:0.487±0.031)を消費する群、ルテインを高めた卵から生産した卵製品を消費する群、の5つの群に分けた。オメガ−3濃度は、すべての卵について同じであり、200±10mgである。
【0088】
ゆで卵を調製して木またはプラスチックの容器に詰め、被験者に分配した。また、成分を高めた卵の卵黄を含有するバターミルク飲料を調製して100ml瓶に詰め、被験者に分配した。バターミルク飲料は、実施例2の製品番号2と同一の組成を有するものであった。卵の消費期限は28日である。冷蔵庫に保管したゆで卵を使用することによって、この保存期間は8週間にまで延ばし得る。滅菌したバターミルク製品を、6週間の冷蔵保存、および4週間の室温保存の試験に付した。
【0089】
各被験者に、90日の期間にわたって、毎日1つの卵または卵製品を消費するよう、依頼した。これらは、修飾した卵もしくは対照卵、または、本発明に従うバターミルク飲料もしくは対照バターミルク飲料製品の、いずれかである。製品は昼食時に消費した。
【0090】
この期間中、試験計画を順守する被験者の意欲、つまり卵または本発明の製品を毎日摂取する意欲を明らかにすることを目的とした質問表に記入するよう、被験者に依頼した。これは、製品に対する無関心または嫌悪感が被験者に生じたか否かを明確にすることを特に目的とするものである。
【0091】
調査は3ヶ月間の実際の試験の後の追跡を含み、全調査期間は2年になった。3ヶ月の期間中、所定の間隔で3測定点を設けた。各測定点(第1日、第45日および第90日)において、被験者は、侵襲的および非侵襲的測定を受けた。
【0092】
調査の侵襲的な部分として、血液サンプルを採取し、コレステロール、ルテイン、ゼアキサンチン、トリグリセライドおよびリポたんぱくの血清レベルを決定した。表4に5群の説明を示す。合計96名の被験者が全体の調査を完成させた。年齢(p=0.434)および性別(p=0.993)の両方について、群間に統計的有意差はなかった。
【0093】
【表4】

【0094】
脂質
脂質に関して、3つの群、つまり、対照群、飲料群および卵群−通常卵、ルテイン卵、ゼアキサンチン卵−を比較した。ANOVA分析は、ベースラインにおいては、総コレステロール(p=0.951)、LDLコレステロール(p=0.969)、HDLコレステロール(p=0.877)またはトリグリセライド(p=0.542)に差がないことを示した。
【0095】
総コレステロール
総コレステロールレベルに対する卵消費の影響の分析は、3群の間のベースラインと終点との間で、総コレステロールの有意な変化を示さなかった(p=0.163)。しかし、性別についての階層化は、女性集団における有意な影響を示した(p=0.018)。
【0096】
LDL
ANOVA比較は、3群の間でLDLの有意な変化を示さず(p=0.300)、性別についての階層化は、女性集団における卵の有意な寄与を示した(p=0.025)。
【0097】
HDL
血漿HDL濃度の変化の分析は、群間の有意な変化を示さなかった(p=0.257)。
【0098】
トリグリセライド
3群の間でトリグリセライド変化に有意な差はなかった(p=0.170)。
【0099】
ルテイン
ベースラインで、ルテイン飲料群と比較したルテイン卵群において、統計的に有意に高いルテインの血漿レベルがあったが(p=0.036)、対照群に対してはなかった(p=0.058、表4)。性別についての階層化は、ベースラインでの有意な差にならなかった。ゼアキサンチンについては、5群の間で差はなかった。対照群と比較したときのルテイン飲料およびルテイン卵群について、ベースラインと終点との間で、血漿ルテインレベルに有意な変化があった(両方ともp<0.001)。反復測定モデルは、対照群と比較したときのルテイン飲料およびルテイン卵群について、p<0.001という同じ結果を示した。被験者数を群化要因、血漿ルテインレベルを依存性(dependent)、食餌を要因、および週を共変量とする測定の混合モデル分析は、対照群との比較において、週ならびにルテイン飲料およびルテイン卵群の有意な影響を明らかにし(p<0.001)、ゼアキサンチン群は有意には達しなかった(p=0.080)。
【0100】
ゼアキサンチン
ベースラインでは、5群の間で、ゼアキサンチンの血漿レベルに差はなかった(p=0.482)。90日後の変化は、対照群と比較したゼアキサンチン卵群について、有意に差があった(p<0.001)。反復測定モデルは、対照群と比較したときのゼアキサンチン卵の両方について、有意な差となった(それぞれp<0.001)。被験者数を群化要因、血漿ゼアキサンチンレベルをディペンダント、食餌を要因、および週を共変量とする測定の混合モデル分析は、対照群との比較において、週および全食餌の有意な影響を明らかにした:通常卵群(p=0.050)、ルテイン飲料(p=0.042)、ルテイン卵(p=0,006)、およびゼアキサンチン卵群(p<0.001)。
【0101】
5試験群の被験者の血清分析の全結果を、以下の表5および表6に示す。
【表5】

【0102】
【表6】

【0103】
調査の非侵襲的な部分として、被験者は次の試験を受けた:早期糖尿病治療網膜試験(ETDRS)チャートを用いる平均視力検査、ペリ−ロブソン・チャートを用いるコントラスト感受性、走査レーザ検眼鏡(SLO)、光コヒーレンス・トモグラフィ(OCT)、 異色交照測光法(HFP)を用いるMPOD、黄斑光凝固試験(Macular Photocoagulation Study:MPS)および黄斑色素反射測定(Macular Pigment Reflectometry:MPR)。
【0104】
黄斑色素
ベースラインでは、どの測定装置によっても、5群の間で有意な差はなかった(p>0.356)。しかし、反復測定分析は、女性集団におけるMPR−ルテイン測定について、通常卵およびルテイン卵食餌の両方の有意な寄与を示した(それぞれp=0.025およびp=0.041)。
【0105】
MPS
被験者数を群化要因、MPSをディペンダント、食餌を要因、および週を共変量とする測定の混合モデル分析は、対照群との比較において、週および食餌の有意な影響を示さなかった(p>0.237)。
【0106】
MPR ルテイン
中間点で、MPR−ルテイン測定について、ルテイン卵群と対照群との間で有意な差があった(p=0.046)が、これは終点では消滅した。性別についての階層化は、女性集団において、中間点で、MPR−ルテインについて差があることを示した(p=0,023)。被験者数を群化要因、MPR ルテイン−MPODをディペンダント、食餌を要因、および週を共変量とする測定の混合モデル分析は、対照群との比較において、週およびルテイン卵群の有意な影響を明らかにした(p=0.006)。性別についての階層化は、男性集団において、対照群と比較して、MPODのルテイン画分に対する週およびルテイン飲料の有意な影響を示した(p=0.039)。ルテイン卵群は、有意には達しなかった(p=0.109)。女性集団では、対照群との比較において、ルテイン飲料およびルテイン卵群の双方に統計的に有意な変化があった(それぞれp=0.024およびp=0.016)。
【0107】
MPR ゼアキサンチン
被験者数を群化要因、MPR ゼアキサンチン−MPODをディペンダント、食餌を要因、および週を共変量とする測定の混合モデル分析は、対照群との比較において、週および食餌の有意な影響を明らかにしなかった(p>0.291)。 性別についての階層化は、男性集団において、対照群と比較して、MPODのゼアキサンチン画分に対する週およびルテイン飲料の有意な影響を示した(p=0.007)。通常卵群およびルテイン卵群は共に、女性集団において、有意に達した(それぞれp=0.031およびp=0.026)。
【0108】
MPR MPOD
被験者数を群化要因、MPR−MPODをディペンダント、食餌を要因、および週を共変量とする測定の混合モデル分析は、対照群との比較において、週および食餌の有意な影響を明らかにしなかった(p=0.091)。性別についての階層化は、男性集団において、対照群と比較して、MPODに対する週およびルテイン飲料の有意な影響を示した(p=0.003)。女性集団においても、対照群と比較して、通常卵群とルテイン卵群との間で有意な変化があった(それぞれp=0.032およびp=0.015)。
【0109】
SLO
被験者数を群化要因、SLOをディペンダント、食餌を要因、および週を共変量とする測定の混合モデル分析は、対照群との比較において、週およびゼアキサンチンの有意な影響を明らかにしたが(p=0.009)、ルテイン群は有意には達しなかった(p=0.057)。性別についての階層化は、女性集団において、対照群と比較して、MPODに対する週ならびにルテイン飲料(p=0.013)、ルテイン卵(0.036)およびゼアキサンチン卵(p=0.007)の有意な影響を示した。男性集団においては有意な変化はなかった。
【0110】
5試験群の被験者の非侵襲的分析の総合的な結果を、以下の表7に示す。
【表7】

【0111】
最初の3ヶ月の試験期間は、血液サンプルの結果に証明されるように、本発明の製品がルテインおよびゼアキサンチンの供給のための好適な輸送手段であることを示した。さらに、黄斑色素のレベルが試験全体を通じて上昇することが確立された。現在の確信は、黄斑領域に蓄積されるルテインおよびゼアキサンチンが、この青色光を吸収することによってAMDの防止に寄与し、フリーラジカルを中和することによって酸化的ストレスから網膜を保護することに寄与し得るということである。オメガ−3の可能な保護的性質は、網膜における炎症および免疫反応を調節し、損傷細胞を修復し、内皮細胞機能を改善することによって、作用すると考えられる。さらに、臨床試験結果は、試験計画が数ヶ月ないし数年の期間にわたる毎日の摂取を含むときに、本発明の製品を摂取する被験者の服薬順守性が、卵を摂取する被験者の順守性よりも大幅に高くなるであろうことを、示唆している。最後に、臨床試験の結果は、バターミルクを含有する卵黄製品の毎日の摂取が、血漿のコレステロールレベル、トリグリセライドレベルおよびリポたんぱくに、有意な悪い変化を生じさせなかったことを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能性食物製品を生産する方法であって、
i)水と1つ以上の他の食品等級材料との、好ましくはその材料の水分散物または水溶液の形態での組み合わせと、
ii)EPA;ビタミンD;葉酸;ビタミンE;キサントフィル;ヨウ素;セレン;および亜鉛の群から選択される、少なくとも1つの薬理学的に有効な栄養分を高めた食餌を家禽に与え、その家禽が産んだ卵を収集し、その卵から卵黄を取り出すことによって得られる卵黄と、
を2〜7の範囲内の比率で混合することを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
水と1つ以上の他の食品等級材料との組み合わせが、脱脂乳、半脱脂乳、バターミルク、発酵乳、特にヨーグルト、大豆飲料または豆乳、発酵豆乳、果実ジュース、果実裏ごし物、シロップ、野菜ジュース、野菜裏ごし物、およびこれらの組み合わせから選択される、水分散物であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
製品にエタノールを加える工程、または、製品を処理してリキュールまたはアルコール飲料にする工程を含まないことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
1つ以上のさらなる食品等級材料が、炭水化物、たんぱく質、ペプチドおよび脂質から成る群から選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの薬理学的に有効な栄養分が、ビタミンD;葉酸;ビタミンE;ルテインおよびゼアキサンチン;ヨウ素;ならびにセレンから成る群から選択されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
機能性食物製品をパッケージに充填し、パッケージを消毒または滅菌することをさらに含むこと特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法に従って得られることを特徴とする機能性食物製品。
【請求項9】
薬剤として使用されることを特徴とする請求項8に記載の機能性食物製品。
【請求項10】
卵黄固形物の量が0.025〜0.4g/mlの範囲内にあることを特徴とする請求項8または9に記載の機能性食物製品。
【請求項11】
卵白アルブミンの量が、機能性食物製品の総重量に基づき、5重量%未満であることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の機能性食物製品。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか1項に記載の機能性食物製品を、50〜150mlの量で収容することを特徴とする閉じられたまたは密閉されたパッケージ。
【請求項13】
少なくとも1つの薬理学的に有効な栄養分、好ましくは、EPA;ビタミンD;葉酸;ビタミンE;キサントフィル;ヨウ素およびセレンから成る群から選択される、少なくとも1つの薬理学的に有効な栄養分を高めた食餌を家禽に与え、その家禽が産んだ卵を収集し、その卵から卵黄を取り出すことによって得られることを特徴とする卵黄の、機能性食物製品の製造のための使用。
【請求項14】
乾燥固形物重量に基づき、1〜10の範囲内の比率の卵黄固形物と乳固形物との組み合わせの少なくとも10重量%を含むことを特徴とする組成物。
【請求項15】
極性乳脂質および/または有効量の乳酸菌を含むことを特徴とする請求項14に記載の組成物。

【公表番号】特表2011−505870(P2011−505870A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539328(P2010−539328)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【国際出願番号】PCT/NL2008/050810
【国際公開番号】WO2009/078716
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(510168597)
【氏名又は名称原語表記】Newtricious B.V.
【住所又は居所原語表記】Rotven 8,Oirlo,The Netherlands
【Fターム(参考)】