説明

原稿搬送装置および画像形成装置

【課題】イオン発生器のイオン発生効率を高く維持することで、画像形成装置本体の周囲の空気を効率よく浄化することができる原稿搬送装置を提供する。
【解決手段】原稿搬送装置は、原稿トレイ、ダクト221〜223、送風部227およびイオン発生器229を備える。原稿トレイ220は、読み取り前の原稿を収納するための部材であって、原稿載置面および原稿載置面の裏面を連通する開口部201〜203および開口部211〜213を有する部材である。ダクト221〜223は、原稿トレイに配置され、原稿載置面の裏面における開口部225等に連設する。送風部227は、ダクト221〜223の開口部225等に向けて画像形成装置外の空気を送り込む。イオン発生器229は、ダクト221〜223内に配置され、送風部227からダクト221〜223内に送り込まれた空気を浄化するためのイオンを発生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気を浄化するためのイオン発生器を有する原稿搬送装置およびこの原稿搬送装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機やプリンタ、ファクシミリ装置等、画像形成を可能とした電子写真式の画像形成装置が開発されている。これらの画像形成装置は、例えば、静電潜像を感光体ドラム表面に形成し、トナーにより現像して感光体ドラム表面にトナー像を形成し、このトナー像を感光体ドラムから記録用紙に転写し、この記録用紙を加熱および加圧してトナー像を記録用紙上に定着させる、いわゆる、記録用紙に対する画像形成処理を行う装置である。
【0003】
このような画像形成装置においては、記録用紙に対する画像形成処理中に、排出ガスが生じることがある。この排出ガスは、記録用紙から発生するロンギフォレン、オゾン、トナー臭等であり、異臭がすることが知られている。
【0004】
しかし、画像形成装置は、オフィス等においては必要不可欠なOA機器であって、ほとんどのオフィスに設置され、さらには家庭や病院にも普及しつつある。そのため、画像形成装置から排出される排出ガスは、多くの利用者に不快感を与える。
【0005】
そこで、画像形成装置におけるこのような排出ガスの浄化を図るべく、各種の提案がなされている。例えば、送風ファン、マイナスイオン発生器およびプラス帯電したフィルターをダクト内に収容し、これらを画像形成装置の内部に設けて、装置外部の空気をダクトの吸入口から取り入れ、マイナスイオン発生器およびプラス帯電したフィルターによって取り入れた空気の有害物質を低減した後に、装置外部に排出する画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−004144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載されている画像形成装置は、外部の空気を画像形成装置内部の空気と混合した後にマイナスイオン発生器およびプラス帯電したフィルターによって当該空気を浄化して排気する構成を採用している。この構成では、定着部から発生するシリコン等のイオン発生妨害物質が外部の空気と混合するため、シリコン等の作用によってマイナスイオン発生器のイオン発生効率が低下していた。したがって、画像形成装置本体の周囲の空気を効率よく浄化することができなかった。
【0008】
そこで本発明の目的は、上記課題に鑑み、イオン発生器のイオン発生効率を高く維持することで、画像形成装置本体の周囲の空気を効率よく浄化することができる原稿搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の原稿搬送装置は、画像形成装置本体において画像形成装置本体の一部として配置される。また、本発明の原稿搬送装置は、原稿トレイ、ダクト、送風部およびイオン発生器を備える。
【0010】
原稿トレイは、読み取り前の原稿を収納するための部材であって、原稿載置面および原稿載置面の裏面を連通する開口部を有する部材である。ダクトは、原稿トレイに配置され、原稿載置面の裏面における開口部に連設する。送風部は、ダクトの開口部から内部に向けて画像形成装置本体外の空気を送り込む。イオン発生器は、ダクト内に配置され、送風部からダクト内に送り込まれた空気を浄化するためのイオンを発生する。
【0011】
この構成では、原稿搬送装置に配置された送風部によって原稿搬送装置周辺の空気をダクト内のイオン発生器を通過させるため、画像形成装置内部のイオン発生妨害物質がダクト内に混入することがない。したがって、イオン発生器のイオン発生効率を高く維持することができるため、画像形成装置本体の周囲の空気を効率よく浄化することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明における原稿搬送装置は、イオン発生器のイオン発生効率を高く維持することで、画像形成装置本体の周囲の空気を効率よく浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る原稿搬送装置を備える画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る原稿搬送装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る原稿搬送装置における原稿トレイの構成を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る原稿搬送装置におけるダクトの構成を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る原稿搬送装置における原稿トレイの断面の一部を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る原稿搬送装置の構成を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る原稿搬送装置における原稿トレイの構成を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る原稿搬送装置におけるダクトの構成を示す図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る原稿搬送装置における排紙トレイの構成を示す図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係る原稿搬送装置の構成の一部を示すブロック図である。
【図11】本発明の第5実施形態に係る原稿搬送装置における原稿トレイの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係る原稿搬送装置を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0015】
まず、第1実施形態について説明する。
【0016】
図1は、本発明の第1実施形態に係る原稿搬送装置200を備える画像形成装置100の構成を示す図である。
【0017】
画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色または単色の画像を形成するものである。画像形成装置100は、原稿処理装置120、給紙部80、画像形成部110および排紙部90から構成されている。
【0018】
原稿処理装置120は、原稿載置台121、原稿搬送装置200および原稿読取部123を有する。原稿載置台121は、透明ガラスからなり、原稿が載置可能な構成となっている。原稿搬送装置200は、原稿トレイ220に積載された原稿を1枚ずつ搬送する。また、原稿搬送装置200は、矢印124方向に回動自在に構成され、原稿載置台121の上を開放することにより原稿載置台121に原稿を置くことができるようになっている。原稿読取部123は、原稿搬送装置200で搬送中の原稿または原稿載置台122に載置された原稿を読み取る。
【0019】
給紙部80は、給紙カセット81、手差し給紙カセット82、ピックアップローラ83およびピックアップローラ84が設けられている。給紙カセット81は、定形シートを蓄積しておくためのトレイである。手差し給紙カセット82は、不定形シートを載置することができるトレイである。ピックアップローラ83は、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路101に供給する。同様にピックアップローラ84は、手差し給紙カセット82の端部近傍に設けられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路101に供給する。
【0020】
画像形成部110は、画像形成ステーション31,32,33,34、露光ユニット30、中間転写ベルトユニット50および定着ユニット70から構成されている。画像形成ステーション31,32,33,34は、それぞれ感光体ドラム10、帯電器20、現像器40およびクリーナユニット60が設けられており、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。本実施形態では、画像形成ステーション31について説明する。
【0021】
感光体ドラム10は、画像形成時に回転し、現像剤像を担持するためのものである。感光体ドラム10の周囲には、回転方向上流から帯電器20、露光ユニット30、現像器40、中間転写ベルトユニット50、クリーナユニット60の順に配置されている。定着ユニット70は、搬送路101上において画像形成部110の最も下流に位置する。
【0022】
帯電器20は、感光体ドラム10の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
【0023】
露光ユニット30は、帯電された感光体ドラム10を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。露光ユニット30は、レーザ射出部および反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット30は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム10に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。露光ユニット30としては、この他発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書き込みヘッドを用いる手法も採用できる。
【0024】
現像器40は、感光体ドラム10上に形成された静電潜像をトナーにより顕像化するものである。
【0025】
中間転写ベルトユニット50は、中間転写ベルト51、中間転写ベルト駆動ローラ52、中間転写ベルト従動ローラ53、中間転写ローラ54および中間転写ベルトクリーニングユニット55を備えている。
【0026】
中間転写ベルト駆動ローラ52、中間転写ベルト従動ローラ53および中間転写ローラ54は、中間転写ベルト51を張架して回転駆動させる。また、中間転写ローラ54は、感光体ドラム10のトナー像を、中間転写ベルト51上に転写するための転写バイアスを与える。
【0027】
中間転写ベルト51は、感光体ドラム10に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム10に形成されたトナー像を中間転写ベルト51に転写することによって、中間転写ベルト51上にトナー像を形成する機能を有している。中間転写ベルト51は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0028】
感光体ドラム10から中間転写ベルト51へのトナー像の転写は、中間転写ベルト51の裏側に接触している中間転写ローラ54によって行われる。中間転写ローラ54には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ54は、直径8mm〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM、発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト51に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0029】
上述のように感光体ドラム10上で顕像化された静電像は中間転写ベルト51で積層される。このように積層された画像情報は、中間転写ベルト51の回転によって、用紙と中間転写ベルト51との接触位置に配置される転写ローラ56によって用紙上に転写される。
【0030】
このとき、中間転写ベルト51と転写ローラ56は所定ニップで圧接されるとともに、転写ローラ56にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ56は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ56もしくは中間転写ベルト駆動ローラ52のいずれか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラまたは発泡性樹脂ローラ等)としている。
【0031】
また、上記のように、感光体ドラム10に接触することにより中間転写ベルト51に付着したトナーもしくは転写ローラ56によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト51上に残存したトナーは、中間転写ベルトクリーニングユニット55によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット55には、中間転写ベルト51に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト51は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ53で支持されている。
【0032】
クリーナユニット60は、現像・画像転写後における感光体ドラム10上の表面に残留したトナーを除去・回収する。
【0033】
定着ユニット70は、加熱ローラ71および加圧ローラ72を備えており、加熱ローラ71および加圧ローラ72は、シートを挟んで回転するようになっている。また加熱ローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ72とともにトナーをシートに熱圧着することにより、シートに転写されたトナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。また、加熱ローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
【0034】
排紙部90は、排紙トレイ91および排紙ローラ92を有する。定着ユニット70を通過した用紙は、排紙ローラ92を経て排紙トレイ91に排出される。排紙トレイ91は、印刷済みのシートを集積するためのトレイである。
【0035】
また、両面印字要求のときは、上記のように片面印字が終了し定着ユニット70を通過したシートの後端が排紙ローラ92で把持されたときに、排紙ローラ92が逆回転することによってシートを搬送ローラ102,103に導く。そしてその後レジストローラ104を経てシート裏面に印字が行われた後にシートが排紙トレイ91に排出される。
【0036】
図2は、本発明の第1実施形態に係る原稿搬送装置200の構成を示す図である。
【0037】
原稿搬送装置200は、原稿トレイ220および排紙トレイ240を備える。原稿トレイ220は、読み取り前の原稿を収納するためのトレイである。また、原稿トレイ220は、原稿載置面に開口部211,212,213を有し、原稿載置面の裏面に開口部201,202,203を有する。開口部201と開口部211、開口部202と開口部212、開口部203と開口部213とは、それぞれ原稿載置面および原稿載置面の裏面を連通する。排紙トレイ240は、読み取り後の原稿を収納するためのトレイである。
【0038】
図3は、本発明の第1実施形態に係る原稿搬送装置200における原稿トレイ220の構成を示す図である。
【0039】
原稿トレイ220には、ダクト221,222,223が配置されている。ダクト221は、原稿載置面の裏面における開口部201に連設している。ダクト222は、原稿載置面の裏面における開口部202に連設している。ダクト223は、原稿載置面の裏面における開口部203に連設している。
【0040】
図4は、本発明の第1実施形態に係る原稿搬送装置200におけるダクト221の構成を示す図である。
【0041】
ここでは、3つのダクトのうちダクト221について説明する。ダクト221は、開口部225から開口部201、開口部211へと空気の流路を形成している。ダクト221は、その内部に送風部227およびイオン発生器229を有する。送風部227は、ダクト221の開口部225から内部に向けて画像形成装置100外の空気を送り込む。すなわち、送風部227は、開口部225から画像形成装置100外の空気を吸引し、その空気を開口部201に送り込んで開口部211から排気させる。その際、その空気はイオン発生器229を通過する。
【0042】
イオン発生器229は、ダクト221内に配置され、送風部227からダクト221内に送り込まれた空気を浄化するためのイオンを発生する。したがって、ダクト221内を通過する空気は、イオン発生器229から発生するイオンによって浄化されて開口部211から排気される。開口部211から排気された空気は、イオン発生器229から発生したイオンを含んでいるため、画像形成装置100周囲の空気をさらに浄化することができる。
【0043】
この構成では、送風部227からダクト221に向けて送り込まれた空気が画像形成装置100内の空気と混合することがないため、画像形成装置100内に存在するシリコン等のイオン発生妨害物質がイオン発生器229を通過することがない。したがって、イオン発生器229からのイオン発生を効率よく行うことができる。
【0044】
図5は、本発明の第1実施形態に係る原稿搬送装置200における原稿トレイ220の断面の一部を示す図である。
【0045】
原稿トレイ220における原稿載置面と反対側の面には、図1〜図4では図示していないが、リブ231,232,233,234が設けられている。そして、リブ231とリブ232との間にダクト221が配置され、リブ232とリブ233との間にダクト222が配置され、リブ233とリブ234との間にダクト223が配置されている。
【0046】
図5に示すように、ダクト221,222,223は、各リブの間に収まるように設計されている。したがって、ダクト221,222,223が各リブよりも突出することがないため、原稿トレイ220と排紙トレイ240との間のスペースを十分に確保できる。よって、読み取り後の原稿が排紙トレイ240に排紙される際に、当該原稿が各ダクトに引っかかることがない。
【0047】
次に、第2実施形態について説明する。
【0048】
図6は、本発明の第2実施形態に係る原稿搬送装置200の構成を示す図である。図7は、本発明の第2実施形態に係る原稿搬送装置200における原稿トレイ220の構成を示す図である。図8は、本発明の第2実施形態に係る原稿搬送装置200におけるダクト221の構成を示す図である。
【0049】
図6に示すように、本実施形態では、開口部201,202,203が原稿トレイ220における原稿載置面に配置されており、開口部211,212,213が原稿トレイ220における原稿載置面の裏面に配置されている。
【0050】
また、本実施形態においても、図7に示すように、原稿トレイ220には、ダクト221,222,223が配置されている。ダクト221は、ダクト221は、原稿載置面の裏面における開口部211に連設している。ダクト222は、原稿載置面の裏面における開口部212に連設している。ダクト223は、原稿載置面の裏面における開口部213に連設している。
【0051】
さらに、図8に示すように、本実施形態におけるダクト221の構成は第1実施形態と同様であるが、送風部227によって発生する空気の流れる向きが逆である。すなわち、空気が開口部201から開口部211に向かって流れた後、開口部211からダクト221の開口部225に向かって流れる。
【0052】
つまり、本実施形態では、イオン発生器229によって浄化された空気が原稿トレイ220の下部から排気される。したがって、この構成では、画像形成装置100周辺にいるユーザに対して直接空気が当たることがないため、ユーザに不快な思いをさせることがない。
【0053】
次に、第3実施形態について説明する。
【0054】
図9は、本発明の第3実施形態に係る原稿搬送装置200における排紙トレイ240の構成を示す図である。
【0055】
図9では、説明の便宜上原稿トレイ220の構成を省略している。本実施形態では、排紙トレイ240において、原稿トレイ220に配置されたダクト221,222,223の開口部225等に向けて空気を送風できる位置に送風部242が設けられている。この場合、ダクト221,222,223内には送風部が設けられる必要はない。
【0056】
本実施形態では、送風部242によって排紙トレイ240から原稿トレイ220へ空気が送風される。そして、原稿トレイ220に配置されたダクト221,222,223の開口部から空気が流入し、それぞれのダクト内に配置されたイオン発生器を通過して開口部から空気が排気される。
【0057】
この構成では、ダクト221,222,223の内部に空気を送風するための送風部が1つで済むため、ダクト221,222,223の内部に送風部を設けることに比べて部品点数を削減することができる。また、送風部242は排紙トレイ240に埋め込まれているため、排紙トレイ240に排紙される読み取り後の原稿が送風部242に引っかかることがない。
【0058】
次に、第4実施形態について説明する。
【0059】
図10は、本発明の第4実施形態に係る原稿搬送装置200の構成の一部を示すブロック図である。
【0060】
原稿搬送装置200は、CPU300、ROM310、RAM320、原稿検知センサ330,340、送風部350およびイオン発生器360を備える。CPU300は、ROM310に記録されたデータを読み出して実行し、各部を総括的に制御する。RAM320は、CPU300のワーキングエリアとして活用される。原稿検知センサ330は、原稿トレイ220に設けられ、原稿トレイ220に原稿が載置されていることを検知する。原稿検知センサ340は、排紙トレイ240に設けられ、排紙トレイ240に原稿が載置されていることを検知する。
【0061】
ここで、CPU300は、原稿検知センサ330,340からの検知信号を監視し、原稿トレイ220および排紙トレイ240に原稿が存在しないと判断すると、送風部350およびイオン発生器360を駆動するように制御し、原稿トレイ220または排紙トレイ240に原稿が存在すると判断すると、送風部350およびイオン発生器360を駆動しないように制御する。すなわち、CPU300は、原稿トレイ220および排紙トレイ240における原稿の有無によって原稿搬送装置200が使用中か否かを判断し、原稿搬送装置200の未使用時に送風部350を駆動するように制御する。
【0062】
この構成では、原稿トレイ220および排紙トレイ240に原稿が存在しない場合にのみ送風部350を駆動させるため、原稿トレイ220および排紙トレイ240に載置された原稿の整合性が送風部350による空気の送風によって乱されることがない。
【0063】
次に、第5実施形態について説明する。
【0064】
図11は、本発明の第5実施形態に係る原稿搬送装置200における原稿トレイ220の構成を示す図である。
【0065】
ここでは、原稿トレイ220に配置されたダクト221を例に挙げて説明する。本実施形態における原稿トレイ220は、イオン発生器229を通過した空気が上方に向けて排気されるような傾斜面を形成している。すなわち、ダクト221の開口部225が斜め上方を向いているため、イオン発生器229を通過した空気が斜め上方に飛び出す。
【0066】
この構成では、イオン発生器229から発生したイオンを含む空気が、原稿トレイ220から斜め上方に飛び出し、ユーザの顔までイオンを含む空気が届くため、画像形成装置100周辺の空気を浄化しやすい。
【0067】
なお、これまで、第1実施形態〜第5実施形態について説明したが、これらの実施形態を任意に組み合わせて適用してもよい。
【0068】
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0069】
100−画像形成装置
110−画像形成部
200−原稿搬送装置
201−開口部
202−開口部
203−開口部
211−開口部
212−開口部
213−開口部
220−原稿トレイ
221−ダクト
222−ダクト
223−ダクト
225−開口部
227−送風部
229−イオン発生器
300−CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体において前記画像形成装置本体の一部として配置される原稿搬送装置であって、
読み取り前の原稿を収納するための原稿トレイであって原稿載置面および原稿載置面の裏面を連通する開口部を有する原稿トレイと、
前記原稿トレイに配置されるダクトであって前記原稿載置面の裏面における開口部に連設するダクトと、
前記ダクトの開口部から内部に向けて前記画像形成装置本体外の空気を送り込む送風部と、
前記ダクト内に配置されるイオン発生器であって前記送風部から前記ダクト内に送り込まれた空気を浄化するためのイオンを発生するイオン発生器と、
を備える原稿搬送装置。
【請求項2】
原稿搬送装置本体の未使用時に前記送風部および前記イオン発生器を駆動するように制御する制御部をさらに備える請求項1に記載の原稿搬送装置。
【請求項3】
前記原稿トレイは、前記イオン発生器を通過した空気が上方に向けて排気されるような傾斜面を形成する請求項1または2に記載の原稿搬送装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の原稿搬送装置と、
前記原稿搬送装置から供給された原稿データに基づいて電子写真式の画像形成処理を実行する画像形成部と、
を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−154190(P2011−154190A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15647(P2010−15647)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】