説明

反射戻り光の処理構造体およびレーザ装置

【課題】光コネクタの破損を防止できる反射戻り光の処理構造体およびこれを用いたレーザ装置を提供する。
【解決手段】光コネクタ30と光アイソレータ50との間に接続され、前記光アイソレータからの反射戻り光を処理する反射戻り光の処理構造体40であって、前記光アイソレータの入力側に入力される光を通過させるとともに、前記光の進行方向に対して傾斜した方向に進行する前記光アイソレータからの反射戻り光の光線の少なくとも一部を遮って該反射戻り光を吸収する突起部41aを有する処理部材41を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光アイソレータからの反射戻り光の処理構造体およびレーザ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
たとえばレーザ加工用のレーザ装置において、加工対象からの反射戻り光によってデリバリ光ファイバの出射端部が焼損する場合がある。これを防止するために、デリバリ光ファイバの光出射端部に設けられたレンズ光学系内に、開口を持つ遮蔽体を配置する技術が開示されている(特許文献1参照)。この遮蔽体が反射戻り光を遮ることによって、反射戻り光がデリバリ光ファイバの出射端部に到達しないようにすることができる。
【0003】
また、近年はレーザ加工用のレーザ装置の出力レーザ光強度がますます増大している。そのため、加工対象からの高強度の反射戻り光がデリバリ光ファイバを逆行してレーザ光源に到達し、レーザ光源を焼損する場合がある。これを防止するためには、デリバリ光ファイバの光出射端側に光アイソレータを設けることが有効である。
【0004】
なお、インライン型の光アイソレータにおいては、反射戻り光が光アイソレータ内部で放出され、問題となる場合がある。これを解消するために、光アイソレータ内部において反射戻り光を熱に変換して処理する技術が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63−163307号公報
【特許文献2】特開2007−183419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、光アイソレータによって反射戻り光によるレーザ光源の焼損が防止されるので、レーザ加工用のレーザ装置における反射戻り光の問題は解決されたものと考えられていた。
【0007】
しかしながら、レーザ装置の出力レーザ光強度がきわめて高い場合に、デリバリ光ファイバの先端に設けられた光コネクタの温度がきわめて高温となり、破損するおそれがあるという問題が、本発明者らの鋭意検討によって見出された。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光コネクタの破損を防止できる反射戻り光の処理構造体およびこれを用いたレーザ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る反射戻り光の処理構造体は、光コネクタと光アイソレータとの間に接続され、前記光アイソレータからの反射戻り光を処理する反射戻り光の処理構造体であって、前記光アイソレータの入力側に入力される光を通過させるとともに、前記光の進行方向に対して傾斜した方向に進行する前記光アイソレータからの反射戻り光の光線の少なくとも一部を遮って該反射戻り光を吸収する突起部を有する処理部材を備える。
【0010】
また、本発明に係る反射戻り光の処理構造体は、上記発明において、前記突起部は、管状の前記処理部材の内周に沿って形成されている。
【0011】
また、本発明に係る反射戻り光の処理構造体は、上記発明において、前記光アイソレータの入力側に入力される光の進行方向に沿って連結された複数の前記処理部材を備える。
【0012】
また、本発明に係る反射戻り光の処理構造体は、上記発明において、前記処理部材は黒アルマイト処理されたアルミニウムからなる。
【0013】
また、本発明に係る反射戻り光の処理構造体は、上記発明において、前記光アイソレータと前記処理部材との間に設けられた延長部材を備える。
【0014】
また、本発明に係る反射戻り光の処理構造体は、上記発明において、前記光コネクタ側の前記処理部材に設けられた放熱部材を備える。
【0015】
また、本発明に係る反射戻り光の処理構造体は、上記発明において、前記処理部材を取り囲むように設けられた放熱部材を備える。
【0016】
また、本発明に係るレーザ装置は、レーザ光を出力するレーザ光源と、前記レーザ光源に接続し、前記レーザ光を伝送するデリバリ光ファイバと、前記デリバリ光ファイバに接続し、前記デリバリ光ファイバを伝送した前記レーザ光を出力する光コネクタと、前記光コネクタに接続した、上記発明の反射戻り光の処理構造体と、前記反射戻り光の処理構造体に接続した光アイソレータと、を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、光コネクタの破損を防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、実施の形態1に係る処理構造体を適用したレーザ装置の模式的な構成図である。
【図2】図2は、図1に示す処理構造体の模式的な断面図である。
【図3】図3は、実施の形態2に係る処理構造体の模式的な断面図である。
【図4】図4は、実施例および比較例での、光コネクタの温度の時間変化を示す図である。
【図5】図5は、実施の形態3に係る処理構造体の模式的な断面図である。
【図6】図6は、実施の形態4に係る処理構造体の模式的な断面図である。
【図7】図7は、実施の形態5に係る処理構造体の模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照して本発明に係る反射戻り光の処理構造体およびレーザ装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。なお、図面において、同一または対応する要素には適宜同一の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、各層の厚みや厚みの比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。したがって、具体的な寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る処理構造体を適用したレーザ装置の模式的な構成図である。図1に示すように、レーザ装置100は、レーザ光源10と、デリバリ光ファイバ20と、光コネクタ30と、反射戻り光の処理構造体(以下、処理構造体)40と、光アイソレータ50とを備えている。
【0021】
レーザ光源10は、たとえば希土類金属元素であるイッテルビウム(Yb)が添加されダブルクラッド型光ファイバを用いた光ファイバレーザである。このレーザ光源10は、たとえば波長が約1080nmで強度が100W以上、たとえば300Wのレーザ光を出力する。なお、レーザ光源10は、光ファイバレーザに限らず、固体レーザやガスレーザ等でもよい。
【0022】
デリバリ光ファイバ20は、レーザ光源10に接続されており、レーザ光源が出力するレーザ光をシングルモードまたはマルチモードで伝送するものである。
【0023】
光コネクタ30は、デリバリ光ファイバ20の先端に接続している。光コネクタ30は、金属からなる筐体内に光学系を備えており、デリバリ光ファイバ20を伝送したレーザ光をコリメート光または集光して出力する。
【0024】
処理構造体40は、光コネクタ30に接続している。処理構造体40は光コネクタ30から出力したレーザ光を通過させる。処理構造体40については後に詳述する。
【0025】
光アイソレータ50は、処理構造体40に接続している。光アイソレータ50は、使用時には、レーザ加工を行う加工対象である、例えば金属からなる板材Pに対向して配置される。光アイソレータ50は、処理構造体40を通過したレーザ光を透過し、レーザ光L1として出力する。出力されたレーザ光L1は、板材Pに到達してたとえば板材Pを溶断する。これによって板材Pは加工される。
【0026】
ここで、板材Pに到達したレーザ光L1が板材Pによって反射し、反射戻り光RL1として光アイソレータ50に戻る場合がある。反射戻り光RL1の強度はレーザ光L1の強度の略100%に達する場合がある。この場合、光アイソレータ50の作用によって、反射戻り光RL1が光コネクタ30およびデリバリ光ファイバ20を介してレーザ光源10に戻ることが防止される。
【0027】
つぎに、処理構造体40の構成と作用とについて具体的に説明する。図2は、図1に示す処理構造体の模式的な断面図である。図2に示すように、処理構造体40は、複数の処理部材41と、接合部42とを備えている。本実施の形態1に係る処理構造体40では処理部材41の数は19である。
【0028】
処理部材41は管状であって、内側に突起部41aが形成されている。この突起部41aは各処理部材41の内周に沿って内周の全周にわたって形成されている。各処理部材41は互いに嵌合しながら、レーザ光L1の進行方向に沿って連結して処理構造体40を構成している。各突起部41aの内径はいずれも略同一であり、少なくとも光コネクタ30から出力されるレーザ光L1と干渉しないような内径に設定されている。したがって、レーザ光L1はほとんど減衰することなく、たとえばその光強度の99%以上が処理構造体40を通過することができる。
【0029】
接合部42は、連結した処理部材41と光コネクタ30との間に配置され、かつ処理部材41および光コネクタ30のそれぞれと嵌合するように構成されている。処理部材41および接合部42は、表面に光吸収のための黒色アルマイト処理を施したアルミニウム等の金属からなる。黒色アルマイト処理によって、レーザ光L1の波長においてたとえば約80%以上の光吸収率を実現できる。
【0030】
つぎに、処理構造体40の作用について具体的に説明する。まず、光コネクタ30から出力されたレーザ光L1は、処理構造体40の中心軸Xに沿って処理構造体40内を通過する。レーザ光L1はさらに光アイソレータ50の光学部50aを透過して出力し、図1に示す板材Pに到達する。
【0031】
板材Pから反射された反射戻り光RL1が光アイソレータ50に戻ると、光アイソレータ50の作用によって、反射戻り光RL1が光コネクタ30およびデリバリ光ファイバ20を介してレーザ光源10に戻ることが防止される。
【0032】
ところが、光アイソレータ50の光学部50aは、通常複屈折性結晶を用いて構成され、複屈折性結晶のウォークオフ(walk-off)効果を利用し光アイソレータの機能を実現している。そのため、光アイソレータ50に戻ってきた反射戻り光RL1は、光アイソレータ50の光学部50aを通過した後に、レーザ光L1が伝搬してきた方向(中心軸Xの方向)には戻らないものの、中心軸Xに対して傾斜した方向に進行することになる。上述したように、この反射戻り光RL1はレーザ光L1の強度の略100%の強度、たとえば300Wとなる場合がある。したがって、この反射戻り光RL1は、中心軸Xに対して傾斜した方向に進行して光コネクタ30まで到達すると、光コネクタ30の筐体に当たってこれを温度上昇させ、光コネクタ30を損傷する場合がある。
【0033】
これに対して、このレーザ装置100では、光アイソレータ50と光コネクタ30との間に本実施の形態1に係る処理構造体40を設けている。その結果、中心軸Xに対して傾斜した方向に進行する反射戻り光RL1は、処理部材41の突起部41aによってその光線の一部が遮られて乱反射および吸収され、徐々にその強度が減衰する。その結果、仮に反射戻り光RL1が光コネクタ30の筐体に当たったとしても、その強度は十分に減衰されるので、光コネクタ30の温度上昇が抑制され、損傷が防止される。
【0034】
また、この処理構造体40では、各処理部材41の突起部41aの内径はいずれも略同一である。したがって、図2にも示すように、光アイソレータ50側の処理部材41の突起部41aは、反射戻り光RL1の光線を遮る面積が小さく、光コネクタ30側の処理部材41の突起部41aになるにつれて、反射戻り光RL1の光線を遮る面積が大きくなっていく。逆に、反射戻り光RL1は光アイソレータ50側では強度が高く、光コネクタ30側に進行するにつれて強度が低くなっていく。このように、反射戻り光RL1の強度と突起部41aによって遮られる面積との大小関係が、反射戻り光RL1の進行方向に沿って逆になっていることによって、各処理部材41において吸収される光量およびそれに伴う温度上昇の差が小さくなる。その結果、処理構造体40内での温度分布の差もより小さくなる。これによって、処理構造体40の光処理能力の低下が抑制される。
【0035】
以上説明したように、このレーザ装置100では、光アイソレータ50と光コネクタ30との間に本実施の形態1に係る処理構造体40を設けているので、光コネクタ30の温度上昇が抑制され、損傷が防止される。
【0036】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る処理構造体40Aの模式的な断面図である。図3に示すように、処理構造体40Aは、図2に示した処理部材41と接合部42とを備えた処理構造体40において、延長部材43をさらに備えたものである。延長部材43は、連結した処理部材41と光アイソレータとの間に設けられている。延長部材43は例えば円管形状を有している。
【0037】
この処理構造体40Aでは、光アイソレータ50の光学部50aを通過した反射戻り光RL1の、レーザ光L1の進行方向(すなわち中心軸X)に対する傾斜角度は処理構造体40の場合と同様である。しかしながら、この処理構造体40Aでは、延長部材43を備えることによって、各処理部材41の突起部41aが反射戻り光RL1の光線を遮る面積が、処理構造体40の場合よりも大きくなる。したがって、反射戻り光RL1をより一層吸収し、処理することができる。また、延長部材43をアルミニウムなどの熱伝導性の高い材料で構成すれば、反射戻り光RL1の吸収に伴って発生する各処理部材41の熱が延長部材43によって放熱されるので、処理構造体40Aの光処理能力はより向上する。これによって、より高強度のレーザ光L1をより長時間にわたって使用することができる。
【0038】
つぎに、本発明の実施例として、実施の形態2の構成の処理構造体を作製し、これを光アイソレータと光コネクタとの間に接続した。そして、光アイソレータの出力側から反射戻り光を模擬したレーザ光を入力しながら、光コネクタの筐体の温度を測定した。一方、比較例として、光アイソレータと光コネクタとを、接続部材によって直接的に接続し、光アイソレータの出力側からレーザ光を入力しながら、光コネクタの筐体の温度を測定した。
【0039】
なお、光アイソレータとしてEOT(Electro-Optics Technology)社製の光アイソレータを使用した。また、デリバリ光ファイバおよび光コネクタとしてオプトスカンド社の光コネクタ付のQCS光ファイバケーブルを使用した。また、処理構造体として、黒色アルマイト処理を施したアルミニウムからなる処理部材、接合部、延長部材を備えたものを使用した。処理部材の外径は40mm、内径は28mm、突起部の内径は9mmとした。処理部材の厚さは15mmとした。27個の処理部材を連結し、延長部材の長さを300mmとした。また、レーザ光の波長は約1080nm、強度は約22Wとした。
【0040】
図4は、実施例および比較例での、光コネクタの温度の時間変化を示す図である。なお、横軸の時間はレーザ光の入力開始時間をゼロ秒としている。また、縦軸は、強度が22Wのレーザ光の入力による温度を、300Wのレーザ光を入力した場合に換算して示している。図4に示すように、比較例の場合はレーザ光の入力開始後に光コネクタの温度が急激に上昇し、100秒経過より前に320℃以上に達すると換算された。一方、実施例の場合はレーザ光の入力開始後も、光コネクタの温度は殆ど上昇せず、800秒経過後でも50℃以下であると換算された。
【0041】
通常、レーザ加工の場合は、レーザ光を出力する時間は数十秒〜数百秒である。また、光コネクタは50℃以下の温度に保つことが好ましい。したがって、図4の結果から、実施例の場合は、光アイソレータの出力側から反射戻り光として強度300Wのレーザ光が入力したとしても、処理構造体によって光コネクタの温度上昇を好適に抑制することができることが確認された。
【0042】
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3に係る処理構造体40Bの模式的な断面図である。図5に示すように、処理構造体40Bは、図3に示した処理部材41、接合部42、および延長部材43を備えた処理構造体40Aにおいて、放熱部材44をさらに備えたものである。放熱部材44は、連結した処理部材41の光コネクタ30側に設けられている。放熱部材44はたとえば円管形状を有しており、アルミニウムなどの熱伝導性の高い材料で構成されている。
【0043】
この処理構造体40Bでは、さらに放熱部材44が光コネクタ30側に設けられているので、処理構造体40Aの効果に加え、光コネクタ30の温度上昇を一層抑制することができる。これによって、より高強度のレーザ光L1をより長時間にわたって使用することができる。
【0044】
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4に係る処理構造体40Cの模式的な断面図である。図6に示すように、処理構造体40Cは、図3に示した処理部材41、接合部42、および延長部材43を備えた処理構造体40Aにおいて、放熱部材45をさらに備えたものである。放熱部材45は、連結した処理部材41を取り囲む管形状を有しており、アルミニウムなどの熱伝導性の高い材料で構成されている。
【0045】
この処理構造体40Cでは、さらに放熱部材45によって各処理部材41の熱が放熱されるので、処理構造体40Aの効果に加え、処理構造体40Cの光処理能力はより向上する。これによって、より高強度のレーザ光L1をより長時間にわたって使用することができる。
【0046】
(実施の形態5)
図7は、本発明の実施の形態5に係る処理構造体40Dの模式的な断面図である。図7に示すように、処理構造体40Dは、1つの処理部材41、接合部42、および延長部材43を備えたものである。
【0047】
この処理構造体40Dのように、内側に突起部41aが形成された1つの処理部材41を備える構成でもよい。処理構造体に備えられる処理部材41の数は、特に限定されず、レーザ光L1の強度、想定される反射戻り光RL1の強度、レーザ加工の時間、延長部材43や放熱部材44、45の放熱能力、および光コネクタ30の温度の上限値等に応じて、光コネクタ30が温度上昇して損傷しない程度に反射戻り光RL1が減衰されるように設定することができる。
【0048】
なお、上記実施の形態では、突起部が処理部材の内周の全周にわたって形成されているが、突起部は反射戻り光を遮ることができるような内周上の位置に形成されていればよいので、必ずしも内周の全周にわたって形成されていなくてもよく、たとえば一部に形成されていてもよい。
【0049】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上記各実施形態の各構成要素を適宜組み替えて構成したものも本発明に含まれる。たとえば、実施の形態4において、実施の形態3の放熱部材44を備えるようにしてもよい。または、実施の形態3〜5から延長部材43を削除してもよい。その他、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の代替実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
10 レーザ光源
20 デリバリ光ファイバ
30 光コネクタ
40、40A、40B、40C、40D 処理構造体
41 処理部材
41a 突起部
42 接合部
43 延長部材
44、45 放熱部材
50 光アイソレータ
50a 光学部
100 レーザ装置
L1 レーザ光
P 板材
RL1 反射戻り光
X 中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光コネクタと光アイソレータとの間に接続され、前記光アイソレータからの反射戻り光を処理する反射戻り光の処理構造体であって、
前記光アイソレータの入力側に入力される光を通過させるとともに、前記光の進行方向に対して傾斜した方向に進行する前記光アイソレータからの反射戻り光の光線の少なくとも一部を遮って該反射戻り光を吸収する突起部を有する処理部材を備えることを特徴とする反射戻り光の処理構造体。
【請求項2】
前記突起部は、管状の前記処理部材の内周に沿って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の反射戻り光の処理構造体。
【請求項3】
前記光アイソレータの入力側に入力される光の進行方向に沿って連結された複数の前記処理部材を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の反射戻り光の処理構造体。
【請求項4】
前記処理部材は黒アルマイト処理されたアルミニウムからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の反射戻り光の処理構造体。
【請求項5】
前記光アイソレータと前記処理部材との間に設けられた延長部材を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の反射戻り光の処理構造体。
【請求項6】
前記光コネクタ側の前記処理部材に設けられた放熱部材を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の反射戻り光の処理構造体。
【請求項7】
前記処理部材を取り囲むように設けられた放熱部材を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の反射戻り光の処理構造体。
【請求項8】
レーザ光を出力するレーザ光源と、
前記レーザ光源に接続し、前記レーザ光を伝送するデリバリ光ファイバと、
前記デリバリ光ファイバに接続し、前記デリバリ光ファイバを伝送した前記レーザ光を出力する光コネクタと、
前記光コネクタに接続した、請求項1〜7のいずれか一つに記載の反射戻り光の処理構造体と、
前記反射戻り光の処理構造体に接続した光アイソレータと、
を備えることを特徴とするレーザ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−25044(P2013−25044A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159255(P2011−159255)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】