説明

収容容器および画像形成装置

【課題】現像剤が排出される開口を塞ぎ部材により塞ぎ、この塞ぎ部材を覆い部材により覆う際に要するユーザの操作の簡易化を図る。
【解決手段】トナーカートリッジ80は、内部にトナーを収容し画像形成装置に挿入される筒状部材300を有している。また、筒状部材300の先端部且つ下部に、トナーの排出に用いられる排出口が形成されている。さらに、筒状部材300の長手方向に沿って移動可能に設けられ、上記排出口を閉鎖する第1シャッタ302が設けられている。また、筒状部材300の長手方向に沿って移動可能に設けられ、第1シャッタ302を覆う第2シャッタ303が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容容器および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第1シャッタと、この第1シャッタにより覆われる第2シャッタとが設けられ、トナー筒を周方向に回転させると、第2シャッタの動きが干渉されてトナー筒のみが回転し、第2シャッタがトナー筒に対して相対的に移動しトナー流出口が開放又は閉鎖されるカートリッジが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−4146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、現像剤が排出される開口を塞ぎ部材により塞ぎ、この塞ぎ部材を覆い部材により覆う際に要するユーザの操作の簡易化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、現像剤を収容するとともに当該現像剤が排出される開口を備え、画像形成装置に対し一方向に沿って挿入され当該画像形成装置に装着される現像剤収容部と、前記現像剤収容部に対する移動が可能に設けられ、前記一方向に沿って当該現像剤収容部が前記画像形成装置から引き抜かれる際に当該現像剤収容部に対する移動であって当該一方向に沿った移動を行い、前記開口が設けられている箇所まで移動し当該開口を塞ぐ塞ぎ部材と、前記現像剤収容部に対する移動が可能に設けられ、前記一方向に沿って当該現像剤収容部が前記画像形成装置から引き抜かれる際に当該現像剤収容部に対する移動であって当該一方向に沿った移動を行い、前記開口が設けられている箇所まで移動し当該開口を塞いだ前記塞ぎ部材を覆う覆い部材と、を備える収容容器である。
請求項2に記載の発明は、前記覆い部材は、当該覆い部材を前記開口が設けられている側に向けて付勢する付勢部材によって当該開口が設けられている前記箇所まで移動することを特徴とする請求項1記載の収容容器である。
請求項3に記載の発明は、前記塞ぎ部材は、第1の移動経路に沿った移動が可能に設けられ、前記覆い部材は、前記第1の移動経路よりも前記現像剤収容部から離れた側に位置する第2の移動経路に沿った移動が可能に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の収容容器である。
請求項4に記載の発明は、前記覆い部材は、前記塞ぎ部材に対向する対向片と、当該対向片の一端部から前記現像剤収容部の外面に向かって延びる第1の片部と、当該対向片の他端部から当該現像剤収容部の当該外面に向かって延びる第2の片部とを有していることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の収容容器である。
請求項5に記載の発明は、前記対向片のうちの前記塞ぎ部材に対向する対向面には、複数の突出部が形成されていることを特徴とする請求項4記載の収容容器である。
請求項6に記載の発明は、複数の前記突出部の各々は、前記第1の片部が設けられている側から前記第2の片部が設けられている側に向かうように形成されていることを特徴とする請求項5記載の収容容器である。
請求項7に記載の発明は、前記覆い部材は、付勢部材によって前記開口が設けられている箇所に向けて付勢され、前記現像剤収容部が前記画像形成装置に挿入される際には当該画像形成装置に設けられた第1の突き当て部に突き当てられ、当該第1の突き当て部に突き当てられた後、当該付勢部材から作用する付勢力に抗して当該現像剤収容部に対する移動であって当該開口から離れる方向への移動を行い、前記塞ぎ部材は、前記現像剤収容部が前記画像形成装置に挿入される際には当該画像形成装置に設けられた第2の突き当て部に突き当てられ、当該第2の突き当て部に突き当てられた後、当該現像剤収容部から摺動抵抗を受けながら、当該現像剤収容部に対する移動であって前記開口から離れる方向への移動を行い、前記覆い部材に作用する前記付勢力の方が、前記塞ぎ部材が受ける前記摺動抵抗よりも小さく設定されており、前記現像剤収容部を前記画像形成装置に挿入する際に要するユーザの操作力であって前記覆い部材が前記開口から離れる方向に前記移動する際に要するユーザの操作力の方が、当該現像剤収容部を当該画像形成装置に挿入する際に要するユーザの操作力であって前記塞ぎ部材が当該開口から離れる方向に前記移動する際に要するユーザの操作力よりも、小さいことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の収容容器である。
請求項8に記載の発明は、前記塞ぎ部材と前記現像剤収容部との間に弾性部材が設けられ、当該塞ぎ部材は、当該弾性部材によって当該現像剤収容部から離れる方向に付勢され、前記弾性部材によって前記離れる方向に付勢される前記塞ぎ部材には、前記現像収容部に接触し当該現像収容部からの当該塞ぎ部材の離脱を防止する離脱防止部が設けられ、前記付勢部材によって前記離脱防止部が前記現像剤収容部に押し付けられることで、前記塞ぎ部材が受ける前記摺動抵抗の方が前記覆い部材に作用する前記付勢力よりも大きくなっていることを特徴とする請求項7記載の収容容器である。
請求項9に記載の発明は、前記現像剤収容部の外表面の色と前記覆い部材の外表面の色とが異なっていることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の収容容器である。
【0006】
請求項10に記載の発明は、現像剤を用いて記録材に画像を形成する画像形成部を備えた装置本体と、前記現像剤を収容するとともに当該現像剤が排出される開口を備え、前記装置本体に対し一方向に沿って挿入され当該装置本体に装着された現像剤収容部と、前記現像剤収容部に対する移動が可能に設けられ、前記一方向に沿って当該現像剤収容部が前記装置本体から引き抜かれる際に当該現像剤収容部に対する移動であって当該一方向に沿った移動を行い、前記開口が設けられている箇所まで移動し当該開口を塞ぐ塞ぎ部材と、前記現像剤収容部に対する移動が可能に設けられ、前記一方向に沿って当該現像剤収容部が前記装置本体から引き抜かれる際に当該現像剤収容部に対する移動であって当該一方向に沿った移動を行い、前記開口が設けられている箇所まで移動し当該開口を塞いだ前記塞ぎ部材を覆う覆い部材と、を備える画像形成装置である。
請求項11に記載の発明は、前記覆い部材は、前記塞ぎ部材よりも下方に配置され、前記塞ぎ部材は、前記開口を塞いだ後、引き抜かれる前記現像剤収容部に付随して当該現像剤収容部とともに移動し、前記覆い部材は、付勢部材によって前記現像剤収容部の引き抜き方向とは反対の方向に付勢され前記装置本体に設けられた突き当て部に突き当てられ、当該現像剤収容部が引き抜かれる際には当該突き当て部に突き当てられた状態で当該現像剤収容部に対する前記移動を行い、当該現像剤収容部に対する当該移動を行った後、引き抜かれる当該現像剤収容部に付随して移動することで当該突き当て部から離間し、前記突き当て部の上方を前記塞ぎ部材が通過した後に、当該突き当て部から前記覆い部材が離間するように構成された請求項10記載の画像形成装置である。
請求項12に記載の発明は、前記塞ぎ部材は、前記現像剤収容部が前記装置本体から引き抜かれる際に当該装置本体側に設けられた突き当て部に突き当たることで移動が規制され、引き抜かれる当該現像剤収容部に対する前記移動を行い、前記現像剤収容部の外面から突出して設けられ、当該現像剤収容部の前記引き抜きに伴い移動し、前記装置本体側の予め定められた部位に接触し前記突き当て部を前記塞ぎ部材の移動経路上から退避させる退避部が更に設けられ、前記現像剤収容部の前記装置本体からの引き抜きが終了した際、前記退避部が前記覆い部材により覆われていることを特徴とする請求項10又は11に記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、現像剤が排出される開口を塞ぎ部材により塞ぎ、この塞ぎ部材を覆い部材により覆う際に要するユーザの操作が簡易化される。
請求項2の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、簡易な構成で覆い部材を移動させることが可能となる。
請求項3の発明によれば、塞ぎ部材と覆い部材の干渉を避けることができる。
請求項4の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、覆い部材と現像剤収容部との間から現像剤が落下等することが抑制される。
請求項5の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、対向片に載っている現像剤が移動しにくくなる。
請求項6の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、第1の片部、第2の片部が設けられている箇所以外への現像剤の移動が起こりにくくなる。
請求項7の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、塞ぎ部材を移動させるのに要する操作力よりも小さい操作力で覆い部材を移動させることが可能になる。
請求項8の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、塞ぎ部材に作用する摺動抵抗を簡易に大きくすることが可能になる。
請求項9の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、覆い部材の存在をユーザがより確実に認識するようになる。
【0008】
請求項10の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、現像剤が排出される開口を塞ぎ部材により塞ぎ、この塞ぎ部材を覆い部材により覆う際に要するユーザの操作が簡易化される。
請求項11の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、突き当て部と覆い部材との間に形成される間隙へトナーが入り込むことが抑制される。
請求項12の発明によれば、退避部が覆い部材により覆われない場合に比べ、退避部の破損等が生じにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態が適用された画像形成装置の概略構成を示した図である。
【図2】トナーカートリッジの一方側からトナーカートリッジを眺めた場合の図である。
【図3】トナーカートリッジの側面を示した図である。
【図4】第2シャッタがトナーカートリッジの後端部側に移動した後のトナーカートリッジの状態を示した図である。
【図5】第1シャッタおよび第2シャッタがトナーカートリッジの後端部側に移動した後のトナーカートリッジの状態を示した図である。
【図6】図5のVI−VI線におけるトナーカートリッジの断面図である。
【図7】本体部が設けられている側から操作部材を眺めた場合の図である。
【図8】挿入部を説明するための図である。
【図9】画像形成装置のうちトナーカートリッジが装着される箇所を示した斜視図である。
【図10】トナーカートリッジを収容する収容部材の正面図である。
【図11】保持部材の拡大図である。
【図12】挿入口を説明するための図である。
【図13】挿入部に設けられた規制部を説明するための図である。
【図14】収容部材の上方から収容部材を眺めた場合の斜視図である。
【図15】収容部材の上面図である。
【図16】トナーカートリッジの挿入が終了した後における収容部材の内部の状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用された画像形成装置1の概略構成を示した図である。この画像形成装置1には、プロセスカートリッジ100が設けられ用紙Pに対してトナー像を形成する画像形成部10が設けられている。また、画像形成部10により用紙Pに形成されたトナー像を加熱および加圧し定着する定着部20、および画像形成部10に用紙Pを供給する用紙供給部30が設けられている。
【0011】
ここで、プロセスカートリッジ100は、画像形成装置1のフロント側(図中手前側)に引き抜くことで画像形成装置1の本体部(装置本体)から取り外しできるようになっている。また本実施形態では、プロセスカートリッジ100を取り外すことにより、他のプロセスカートリッジ100を装着可能となっている。ここで、プロセスカートリッジ100には、感光体ドラム11、帯電装置12、現像装置14、およびクリーニング装置16が設けられている。また本実施形態における画像形成装置1には、露光装置13および転写装置15が設けられている。
【0012】
また本画像形成装置1には、画像形成装置1の装置本体に対して着脱可能に設けられ、上記プロセスカートリッジ100に供給されるトナーを収容したトナーカートリッジ80が設けられている。ここで収容容器の一例としてのこのトナーカートリッジ80には、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)などにより構成される記憶媒体17が取り付けられている。この記憶媒体17には、トナーカートリッジ80の種類を示す情報や、トナーカートリッジ80の内部に設けられた回転部材(トナーの搬送に用いられる回転部材)の回転数などトナーカートリッジ80の使用状況に関する情報が格納される。
【0013】
ここで、プロセスカートリッジ100に設けられた感光体ドラム11は、その外周面に感光層を備えており図中矢印方向に回転する。帯電装置12は、感光体ドラム11に接触する帯電ロールを有し感光体ドラム11を予め定められた電位に帯電する。露光装置13は、レーザを感光体ドラム11に照射し帯電装置12により帯電した感光体ドラム11を選択的に露光して感光体ドラム11に静電潜像を形成する。また現像装置14は、現像ロールを有し感光体ドラム11上にトナー像を形成する。
【0014】
より具体的に説明すると、現像装置14には、例えば、負極性に帯電するトナー及び正極性に帯電するキャリアからなる2成分現像剤が収容されている。そしてこの現像装置14は、感光体ドラム11上に形成された静電潜像をトナーで現像して感光体ドラム11上にトナー像を形成する。転写装置15は、ロール状部材を有し転写装置15と感光体ドラム11との間(転写部Tp)に電界を形成することにより、感光体ドラム11上のトナー像を用紙Pに転写する。またクリーニング装置16は、感光体ドラム11に接触するクリーニングブレードを有しこのクリーニングブレードを用いて感光体ドラム11上に残留するトナー等を除去する。
【0015】
一方、用紙供給部30は、図1に示すように、異なるサイズの用紙Pを画像形成部10に対して供給可能なように第1給紙部31〜第3給紙部33を備えている。ここで第1給紙部31〜第3給紙部33は同様に構成されている。第1給紙部31を一例に説明すると、第1給紙部31は、用紙Pを収容する用紙収容部41、引き込みロール43、および捌き機構44を備える。用紙収容部41は、上部に開口を有するとともに直方体状の形状を有しておりその内部に用紙Pを複数枚収容する。引き込みロール43は、用紙収容部41に収容される用紙束のうち最上位の用紙Pに接触しこの最上位の用紙Pを捌き機構44に向けて送り出す。捌き機構44は、例えば回転可能なフィードロールと回転が制限されたリタードロールとによって構成され、引き込みロール43により送り出された用紙Pを一枚ずつに捌く。
【0016】
また用紙供給部30には、レジストレーションロール(レジロール)852が設けられている。このレジロール852は、回転を停止した状態で用紙Pの搬送を一時的に止め、予め定められたタイミングにて回転を行うことにより、転写部Tpに対してレジストレーション調整を施しながら用紙Pを供給する。また用紙供給部30には、第2給紙部32から搬送されてきた用紙Pをレジロール852に向けて搬送する第1搬送ロール55と、第3給紙部33から搬送されてきた用紙Pを第1搬送ロール55に向けて搬送する第2搬送ロール65が設けられている。
【0017】
また本実施形態における画像形成装置1には、定着部20を通過した用紙Pが積載される用紙積載部YSが設けられている。さらに画像形成装置1には、用紙Pが搬送される用紙搬送経路YRが設けられている。また本実施形態における画像形成装置1では、定着部20を通過した用紙Pの表裏を反転させてこの用紙Pを転写部Tpに再度供給する用紙反転機構40が設けられている。この用紙反転機構40には、定着部20の下流側にて用紙搬送経路YRに接続され且つレジロール852の上流側にて用紙搬送経路YRに合流する反転用搬送経路SRが設けられている。また用紙反転機構40には、反転用搬送経路SR上の用紙Pを搬送する搬送ロール48が設けられている。
【0018】
また画像形成装置1には、画像形成装置1の上部に設けられたスキャナ200(画像読み取り装置)や不図示のパーソナルコンピュータ(PC)等からの画像データを受信する受信部400が設けられている。また、画像形成部10、定着部20、および用紙供給部30の動作全般を制御する制御部500、受信部400にて受信された画像データに画像処理を施した後に露光装置13に画像データを出力する画像処理部600が設けられている。
【0019】
さらに画像形成装置1には、表示パネルにより構成されユーザからの指示を受け付けるとともにユーザに対してメッセージ等を表示するユーザインタフェース(UI)700が設けられている。なお、制御部500は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、およびHDD(Hard Disk Drive)(何れも不図示)により構成されている。CPUでは、処理プログラムが実行される。ROMには、各種プログラム、各種テーブル、パラメータ等が記憶されている。RAMは、CPUによる各種プログラムの実行時におけるワークエリア等として用いられる。
【0020】
ここで用紙Pに画像が形成される際には、図示しないパーソナルコンピュータ等にて形成された画像データが受信部400にて受信され、受信部400から画像処理部600へこの画像データが出力される。そして画像処理部600にて、画像データに対して画像処理が施される。そして画像処理が施された画像データは、露光装置13に出力される。画像データを取得した露光装置13は、帯電装置12により帯電した感光体ドラム11を選択的に露光して静電潜像を形成する。そして、形成された静電潜像は、現像装置14により例えば黒(K)のトナー像として現像される。
【0021】
一方、用紙供給部30では、画像形成のタイミングに合わせて引き込みロール43が回転し、用紙収容部41から用紙Pが供給される。そして、捌き機構44により一枚ずつに捌かれた用紙Pは、レジロール852まで搬送され、一旦、停止される。その後、感光体ドラム11の回転タイミングに合わせてレジロール852が回転し、用紙Pが転写部Tpに供給される。そして、この転写部Tpにおいて感光体ドラム11に形成されたトナー像が用紙Pに転写される。
【0022】
その後、トナー像が転写された用紙Pは、定着部20にて定着処理を受け、排出ロール75によってスキャナ200の下部に位置する用紙積載部YSに排出される。なお用紙Pの第1面のみならず第2面にも画像が形成(用紙Pの両面に画像が形成)される際には、定着部20を通過した用紙Pは、用紙反転機構40により表裏が反転されたうえで転写部Tpに再度供給される。そしてこの転写部Tpにて、感光体ドラム11に形成されたトナー像が用紙Pの第2面に転写される。そして、第2面にトナー像が転写された用紙Pは、定着部20によって定着処理を受ける。そしてこの用紙Pは用紙積載部YSに排出される。
【0023】
ここでトナーカートリッジ80について詳細に説明する。
図2は、トナーカートリッジ80の一方側(ユーザにより操作される側とは反対側、画像形成装置1に挿入される際に先頭となる先頭部側)からトナーカートリッジ80を眺めた場合の図である。付言すると、画像形成装置1のリア側から眺めた際のトナーカートリッジ80の状態を示した図である。また図3は、トナーカートリッジ80の側面を示した図である。付言すると、図2の矢印III方向からトナーカートリッジ80を眺めた場合の図である。
【0024】
図2に示すように、本実施形態のトナーカートリッジ80は、内部にトナーを収容し画像形成装置1に挿入される筒状部材300(現像剤収容部の一例)を有している。またトナーカートリッジ80には、筒状部材300の長手方向における一端部に取り付けられユーザにより操作される操作部材360が設けられている。ここで筒状部材300には、操作部材360が取り付けられている一端部側とは反対の他端部側に、回転部材301が設けられている。さらに、この回転部材301に接続して設けられるとともに筒状部材300の内部に収容され、回転部材301から駆動力を受けることで回転し、トナーカートリッジ80の内部のトナーを搬送する搬送部材(不図示)が設けられている。ここで本実施形態では、トナーカートリッジ80が画像形成装置1に挿入された際に、回転部材301が、画像形成装置1に設けられている回転部材(後述)に連結される。これにより、回転部材301が回転し上記搬送部材が回転する。
【0025】
また本実施形態のトナーカートリッジ80では、筒状部材300の先端部且つ下部に、トナーの排出に用いられる排出口(後述)が形成されている。さらに筒状部材300には、図2に示すように、筒状部材300の長手方向(軸方向)に沿って移動可能に設けられ上記排出口を塞ぐ第1シャッタ302が設けられている。ここで第1シャッタ302は現像剤が排出される開口を塞ぐ塞ぎ部材として捉えることができる。また図2および図3に示すように、筒状部材300の長手方向に沿って移動可能に設けられるとともに第1シャッタ302よりも下方に配置され、第1シャッタ302を覆う第2シャッタ303(覆い部材の一例)が設けられている。また図3に示すように、一端部が第2シャッタ303に取り付けられ他端部が案内部304(後述)に取り付けられ、第2シャッタ303がトナーカートリッジ80の先端部側に移動するように第2シャッタ303を引っ張るコイルスプリングSP(付勢部材の一例)が設けられている。なお本実施形態では、第1シャッタ302の移動経路(第1の移動経路)よりも筒状部材300から離れた側に、第2シャッタ303の移動経路(第2の移動経路)が設けられている。これにより、第1シャッタ302と第2シャッタ303との干渉が避けられる。
【0026】
一方で、操作部材360は、筒状に形成され、図3に示すように、筒状部材300の一端部側に被せられた状態で筒状部材300に装着されている。ここで本実施形態では、この操作部材360の外周面に対し、上記にて説明した記憶媒体17が装着されている。ここでこの記憶媒体17は、同図に示すように4つの端子17Aを有している。
【0027】
図4は、第2シャッタ303がトナーカートリッジ80の後端部側に移動した後のトナーカートリッジ80の状態を示した図である。上記にて説明した通り、本実施形態では、筒状部材300の長手方向に沿って移動可能に設けられ、第1シャッタ302を覆う第2シャッタ303が設けられている。第2シャッタ303がコイルスプリングSPによる引っ張り力に抗して筒状部材300の長手方向に沿って移動した場合、図4に示すように、第2シャッタ303に覆われていた第1シャッタ302が露出するようになる。なお上記では説明を省略したが、図4に示すように、筒状部材300の両側面(図4では一方の側面のみを図示)には、筒状部材300の長手方向に沿って設けられ、第2シャッタ303を案内する案内部304が設けられている。
【0028】
図5は、第1シャッタ302および第2シャッタ303がトナーカートリッジ80の後端部側に移動した後のトナーカートリッジ80の状態を示した図である。上記にて説明したとおり、筒状部材300の先端部且つ下部には、トナーカートリッジ80の内部に収容されたトナーの排出に用いられる排出口305が形成されている。そして本実施形態では、第1シャッタ302がこの排出口305を覆うとともに、第1シャッタ302が筒状部材300の長手方向に沿って移動することで排出口305が露出するようになっている。そしてこのように排出口305が露出することで、トナーカートリッジ80の内部のトナーが排出可能となっている。なお、排出口305の周囲には、トナーの漏れ出しを抑制するためにシール部材として機能する弾性部材306が設けられている。
【0029】
なお上記では説明を省略したが、第2シャッタ303は、筒状部材300の底部と対向する対向片3031と、側片3032とから構成されている。付言すると、平板状に形成され第1シャッタ302に対向する対向片3031と、同じく平板状に形成された側片3032とから構成されている。ここで、側片3032は、2つ設けられており、一方の側片303B(第1の片部の一例)は、対向片3031の一方の端部に接続して設けられるとともに対向片3031との接続部からトナーカートリッジ80の上部側に向かうように設けられている。付言すると、一方の側片303Bは、対向片3031の一方の端部に接続して設けられるとともに対向片3031との接続部からトナーカートリッジ80の外面に向かうように設けられている。また他方の側片303C(第2の片部の一例)は、対向片3031の他方の端部に接続して設けられるとともに、上記と同様、対向片3031との接続部からトナーカートリッジ80の上部側に向かうように設けられている。さらに説明すると、他方の側片303Cは、対向片3031の一方の端部に接続して設けられるとともに対向片3031との接続部からトナーカートリッジ80の外面に向かうように設けられている。
【0030】
また本実施形態におけるトナーカートリッジ80では、排出口305よりもトナーカートリッジ80の後端部側に、後述する変位突起954(図15参照)を押圧する押圧突起307が設けられている。なお本実施形態におけるトナーカートリッジ80では、第2シャッタ303により第1シャッタ302が覆われている際(トナーカートリッジ80の引き抜き(後述)が終了した後)、この押圧突起307も第2シャッタ303により覆われるようになっている。このような構成の場合、押圧突起307の破損が生じにくくなる。なお図5では、図中の右側に向かって突出する一つの押圧突起307のみが示されているが、図中の左側に向かって突出する押圧突起307も設けられている(不図示)。
【0031】
図6は、図5のVI−VI線におけるトナーカートリッジ80の断面図である。
同図に示すようにトナーカートリッジ80の筒状部材300には、筒状部材300の外表面から筒状部材300の径方向に向かって突出する第1突出部371と第2突出部372とが設けられている。なお上記排出口305は、この第1突出部371と第2突出部372との間に形成されている。また本実施形態では、第1突出部371の上端部に接続され、第2突出部372から離れる方向に向かって突出するとともに、筒状部材300の外表面に対向して配置される第1対向片373が設けられている。さらに、第2突出部372の上端部に接続され、第1突出部371から離れる方向に向かって突出するとともに、筒状部材300の外表面に対向して配置される第2対向片374が設けられている。
【0032】
一方で、第1シャッタ302にも、板状に形成されたシャッタ本体部302Aの一端部側に接続されこのシャッタ本体部302Aに対向する第1対向片302Bと、シャッタ本体部302Aの他端部側に接続されシャッタ本体部302Aに対向する第2対向片302Cとが設けられている。ここで本実施形態では、筒状部材300の外表面と第1対向片373との間に形成された間隙に、第1シャッタ302の第1対向片302Bが位置している。また、筒状部材300の外表面と第2対向片374との間に形成された間隙に、第1シャッタ302の第2対向片302Cが位置している。これにより第1シャッタ302の脱落が防止されるとともにトナーカートリッジ80の長手方向における第1シャッタ302の移動が可能になっている。なお本実施形態では、第1シャッタ302と筒状部材300との間に弾性部材306が設けられており、第1シャッタ302は、この弾性部材306によって筒状部材300から離れる方向に付勢されている。そして本実施形態では、離脱防止部として機能する第1対向片302Bおよび第2対向片302Cを筒状部材300側に接触させることで、第1シャッタ302の筒状部材300から離脱を防止している。なお本実施形態では、弾性部材306によって、第1対向片302Bおよび第2対向片302Cを筒状部材300側に押し付けることで、第1シャッタ302から筒状部材300に対し作用する摺動抵抗(詳細は後述)を大きくしている。
【0033】
次に操作部材360について詳細に説明する。
図7は、筒状部材300が設けられている側から操作部材360を眺めた場合の図である。同図に示すように、操作部材360は、筒状に形成され、外周面に上記記憶媒体17が装着されている。また操作部材360には、トナーカートリッジ80が画像形成装置1に装着される際に画像形成装置1の本体側に設けられた挿入口(後述)に挿入される2つの挿入部361が設けられている。ここで本実施形態では、トナーカートリッジ80が画像形成装置1に装着される際に画像形成装置1の挿入口(後述)にこの挿入部361が入り込む。これにより、トナーカートリッジ80の移動が規制されトナーカートリッジ80の位置決めが行われる。そしてこれにより本実施形態では、記憶媒体17の端子17A(図3参照)と画像形成装置1側に設けられた端子(後述)との接触が維持されやすくなっている。
【0034】
図8は、挿入部361を説明するための図である。詳細には、同図(A)は図7の矢印VIIIA方向から眺めた場合の挿入部361を示し、同図(B)は図7の矢印VIIIB方向から眺めた場合の挿入部361を示し、同図(C)は図7の矢印VIIIC方向から眺めた場合の挿入部361を示している。
【0035】
挿入部361は、同図(B)に示すように、筒状部材300が設けられている側から眺めた場合の断面形状がT字状となっている。付言すると、トナーカートリッジ80の挿入方向における下流側から眺めた場合の断面形状がT字状となっている。このようにT字状に形成されている場合、挿入部361が単に平板状に形成される場合に比べ、挿入部361の剛性が高まる。
【0036】
挿入部361についてさらに具体的に説明すると、挿入部361は、トナーカートリッジ80の長手方向に沿うように設けられた平板状の基部361Aを有している。また挿入部361は、基部361Aから突出した状態で設けられるとともに基部361Aと直交する関係で配置され、且つ、トナーカートリッジ80の長手方向に沿うように設けられた突出部361Bを有している。さらに挿入部361の先端には面とりが施されており、同図(A)に示すように、基部361Aの先端に位置する2つの角部(基部361Aの幅方向における両端に位置する2つの角部)には傾斜面361Cが形成されている。また、同図(C)に示すように、突出部361Bの先端に位置する1つの角部にも傾斜面361Dが形成されている。また同図(C)に示すように、基部361Aの厚み方向における一端部に位置する角部にも面とりが施されており、この部位にも傾斜面361Eが形成されている。
【0037】
次に、画像形成装置1のうちのトナーカートリッジ80が装着される箇所について説明する。ここで図9は、画像形成装置1のうちトナーカートリッジ80が装着される箇所を示した斜視図である。また図10は、トナーカートリッジ80を収容する収容部材900の正面図である。
【0038】
図9に示すように、画像形成装置1のうちトナーカートリッジ80が装着される箇所には、樋状に形成されトナーカートリッジ80を収容する収容部材900が設けられている。さらに本実施形態では、この収容部材900のうちのトナーカートリッジ80の挿入が開始される入口部側に、記憶媒体17に形成された端子17A(図3参照)に接触する端子911(図14参照)を保持した保持部材910が設けられている。ここで保持部材910は、図10に示すように、上述した挿入部361が挿入される挿入口921が形成されるとともに板状且つ矩形状に形成され挿入部361の位置決めを行う位置決め部920を有している。なお図10、図11では、端子911(図14参照)の図示を省略している。
【0039】
ここで位置決め部920に形成された挿入口921は、図11(保持部材の拡大図)に示すように、2つの挿入部361に対応して2つ設けられている。ここで挿入口921の各々は、同図に示すように正面視にてT字状に形成され、挿入部361の断面形状に倣う形状を有している。より具体的に説明すると、挿入口921には、断面形状が矩形の第1貫通孔921A、同じく矩形状に形成され第1貫通孔921Aに接続して設けられるとともにこの第1貫通孔921Aと直交する関係で配置された第2貫通孔921Bが設けられている。そして本実施形態では、トナーカートリッジ80の挿入がなされる際、第1貫通孔921Aを上記基部361A(図8参照)が通過し、第2貫通孔921Bを上記突出部361Bが通過する。
【0040】
図12は、挿入口921を説明するための図である。詳細には、同図(A)は図11のXIIA−XIIA線における断面を示し、同図(B)は図11のXIIB−XIIB線における断面を示している。
【0041】
ここで本実施形態では、挿入口921のうち挿入部361の挿入が開始される入口部側に面とりが施されている。より具体的に説明すると、同図(A)、(B)に示すように、第1貫通孔921Aの内壁面921Cと位置決め部920の外表面920Aとが交差する箇所に対して面取りが施されており、この交差する箇所には傾斜面921Dが形成されている。より具体的には、挿入部361の挿入方向における下流側に進むに従い第1貫通孔921Aの中心部側に接近する傾斜面921Dが形成されている。この傾斜面921Dが形成されていることで、本実施形態では、挿入口921に対し挿入部361が入り込みやすくなっている。なお、挿入部361の先端部にも、上記の通り面取りが形成されているため、挿入口921に対し挿入部361が更に入り込みやすくなっている。
【0042】
なお上記では説明を省略したが、本実施形態では、記憶媒体17および記憶媒体17に接触する端子911(図14参照)を有した保持部材910を、いずれも、トナーカートリッジ80の挿入方向における下流側(奥側)でなく、挿入方向における上流側(手前側)に設けている。より具体的には、記憶媒体17を、トナーカートリッジ80の後端部側に設け、保持部材910を、収容部材900のうちのトナーカートリッジ80の挿入が開示される入口部側に設けている。
【0043】
ここでトナーカートリッジ80が画像形成装置1に挿入される際、ユーザの操作の仕方によっては、トナーカートリッジ80の挿入位置が一定とならず、画像形成装置1の奥側にて位置ずれが発生した状態で、トナーカートリッジ80の挿入がなされるおそれがある。付言すると、予め定められた経路に沿って真っすぐにトナーカートリッジ80が挿入されずこの経路から外れた状態でトナーカートリッジ80の挿入がなされるおそれがある。このような場合において、トナーカートリッジ80の先端部側に記憶媒体17が設けられ、また、画像形成装置1の奥側に端子911が設けられていると、記憶媒体17と端子911との接触がなされなくなるおそれがある。このため本実施形態では、上記のような位置ずれが発生しにくいトナーカートリッジ80の後端部側に記憶媒体17を設けるとともに、画像形成装置1の手前側に記憶媒体17に接触する端子911を設けるようにしている。
【0044】
ところで本実施形態では、トナーカートリッジ80の内部に設けられた回転部材(トナーの搬送に用いられる回転部材)の回転により、振動が発生する。そしてこのように振動が発生すると、保持部材910に設けられた端子911に対して記憶媒体17の端子17Aが移動するようになり、保持部材910の端子911と記憶媒体17の端子17Aとが非接触となるおそれがある。このため本実施形態では、挿入部361および挿入口921を設けることで、端子911に対する端子17Aの移動を抑制し、端子911と端子17Aとの接触が維持されるようにしている。
【0045】
なお端子911は、図14にも示すように、金属片に対し曲げ加工を施すことにより形成され、トナーカートリッジ80が位置する側に向かって突出するように設けられている。そしてこの端子911は、トナーカートリッジ80の挿入がなされた際に、記憶媒体17の端子17Aにより押圧され弾性変形するとともに、端子17Aを押圧する状態となる。このような構成とした場合、記憶媒体17の端子17Aが端子911から離れる方向に移動したとしても、この端子17Aに追従して端子911が移動するようになり、端子17Aと端子911との接触が維持されやすくなる。
【0046】
また本実施形態では、挿入部361が設けられている部材(操作部材360)に対して記憶媒体17を装着している。付言すると、挿入部361および記憶媒体17が共通の部材(部品)に設けられている。ここで、挿入部361および記憶媒体17の各々を異なる部材(部品)に設けることもできるが、この場合、共通の部材に設ける場合に比べ、記憶媒体17が挿入部361に対して動きやすくなってしまう。そしてこのように動きやすくなると、記憶媒体17の変位が生じやすくなり、保持部材910の端子911に対し記憶媒体17の端子17Aがより動きやすくなってしまう。このため本実施形態では、一つ(共通の)の部材(操作部材360)に対して、挿入部361および記憶媒体17を設けている。
【0047】
また本実施形態では、図3に示すように、挿入部361と記憶媒体17とを接近させた状態で、挿入部361および記憶媒体17を配置している。このように、挿入部361と記憶媒体17とを接近させて配置した場合、挿入部361と記憶媒体17とを離して配置した場合に比べ、挿入部361に対する記憶媒体17の変位が生じにくくなる。また本実施形態では、図3に示すように、2つの挿入部361の間に位置する領域3A内に、記憶媒体17が配置されている。このように挿入部361を複数設け、且つ、挿入部361間に記憶媒体17を設ける場合、挿入部361が単数である場合や、挿入部361間に記憶媒体17が位置していない場合に比べ、挿入部361に対する記憶媒体17の変位が生じにくくなる。
【0048】
また図7に示すように、挿入部361および記憶媒体17は、操作部材360(トナーカートリッジ80)のうちの一方の側面側に設けられている。付言すると、挿入部361および記憶媒体17の両者は、操作部材360に設けられている複数の面のうちの同じ面に対して設けられている。ここで例えば、挿入部361を図7における第1側面368側に設け、記憶媒体17を図7における第2側面369(第1側面368とは反対側に位置する側面)側に設けることもできるが、この場合、一方の側面側に挿入部361および記憶媒体17の両者が設けられている場合に比べ、挿入部361に対する記憶媒体17の変位が生じやすくなる。このため本実施形態では、操作部材360のうちの一方の側面側(同じ側面側)に挿入部361および記憶媒体17を設けている。
【0049】
またトナーカートリッジ80の長手方向における一端部側に記憶媒体17を設けトナーカートリッジ80の長手方向における他端部側に挿入部361を設けることもできるが、この場合、記憶媒体17と挿入部361との距離が大きくなる。そしてこのような場合、上記と同様、挿入部361に対する記憶媒体17の変位が生じやすくなる。このため本実施形態では、2つの端部のうちの同じ端部側に、記憶媒体17および挿入部361を設ける構成としている。
【0050】
さらに本実施形態では、記憶媒体17および挿入部361を、トナーカートリッジ80のうちの回転部材301(図2参照)が設けられている側とは反対側に設けている。本トナーカートリッジ80では、回転部材301が設けられている側(駆動力を受ける側)にて振動が大きくなる傾向にある。このため本実施形態では、トナーカートリッジ80のうちの回転部材301が設けられている側とは反対側に、記憶媒体17および挿入部361を設けるようにしている。なお上記では、挿入部361の断面形状をT字状としたが、T字状に限らず、矩形、三角形、楕円、円などの形状とすることもできる。また上記では、トナーカートリッジ80に記憶媒体17が設けられている場合を説明したが、これは一例であり、記憶媒体17はプロセスカートリッジ100などに設けられる場合もある。付言すると、上記にて示した構成は、プロセスカートリッジ100などの他の着脱体に対しても適用可能である。
【0051】
また、挿入部361に、位置決め部920に対する挿入部361の移動を規制する規制部を設けることもできる。付言すると、挿入口921から挿入部361が抜ける方向への挿入部361の移動を規制する規制部を挿入部361に対して設けることができる。
図13は、挿入部361に設けられた規制部を説明するための図である。
挿入部361には、同図(A)に示すように、トナーカートリッジ80の長手方向に沿うように設けられた第1基部361Gと、この第1基部361Gとの間に間隙を有した状態で配置され同じくトナーカートリッジ80の長手方向に沿うように設けられた第2基部361Hと、が設けられている。
【0052】
また、第1基部361Gに接続して設けられるとともにトナーカートリッジ80の挿入方向における下流側に向かうに従い第2基部361H側から離れる第1片部361J、第2基部361Hに接続して設けられるとともにトナーカートリッジ80の挿入方向における下流側に向かうに従い第1基部361G側から離れる第2片部361Kが設けられている。さらに、第1片部361Jに接続して設けられ、トナーカートリッジ80の挿入方向における下流側に向かうに従い第2基部361Hが設けられている側に接近する第3片部361L、第2片部361Kに接続して設けられ、トナーカートリッジ80の挿入方向における下流側に向かうに従い第1基部361Gが設けられている側に接近する第4片部361Mが設けられている。ここで本実施形態では、第3片部361Lの先端部と第4片部361Mの先端部とが接続されている。
【0053】
ここで本実施形態では、第1片部361Jと第3片部361Lとの接続部に位置する第1頂部361Nと、第2片部361Kと第4片部361Mとの接続部に位置する第2頂部361Pとの離間距離が、挿入口921の幅Lよりも大きくなっている。このため、挿入口921に挿入された挿入部361が引き抜かれる方向に移動する際には、頂部361N,361Pが位置決め部920に突き当たるようになる。これにより、挿入部361が抜ける方向への挿入部361の移動が規制される。
【0054】
なお、ユーザによりトナーカートリッジ80が装着される際には、挿入部361が位置決め部920に接触した際に、第1基部361G、第2基部361H、第1片部361J〜第4片部361Mが弾性変形し、第1頂部361Nと第2頂部361Pとが接近する。これにより、挿入口921を挿入部361が通過する。またユーザによりトナーカートリッジ80が取り外される際も、挿入部361が位置決め部920に接触した際に、第1基部361G、第2基部361H、第1片部361J〜第4片部361Mが弾性変形し、第1頂部361Nと第2頂部361Pとが接近する。これにより、挿入口921を挿入部361が通過するようになる。なお上記では、第3片部361Lの先端部と第4片部361Mの先端部とが接続されている場合を例示したが、同図(B)に示すように、第3片部361Lの先端部と第4片部361Mの先端部とを離間させるようにしてもよい。
【0055】
図14は、収容部材900の上方から収容部材900を眺めた場合の斜視図である。また図15は、収容部材900の上面図である。
図14に示すようにまた上記のとおり、収容部材900のうちのトナーカートリッジ80の挿入が開始される入口部側には、保持部材910が設けられている。そしてこの保持部材910には、上記にて説明したとおり、記憶媒体17に形成された端子17A(図3参照)に接触する端子911が設けられている。なお図14では、不図示のモータにより回転駆動し、トナーカートリッジ80に設けられた上記回転部材301(図2参照)を回転させる回転部材990も表示している。
【0056】
また本実施形態では、図14、図15に示すように、収容部材900の奥側(トナーカートリッジ80の挿入方向における奥側)、且つ、収容部材900の底部に、第1平坦面941が形成されている。さらにこの第1平坦面941に、開口942が形成されている。ここで本実施形態では、この開口942を通じ、トナーカートリッジ80から排出されたトナーが、収容部材900の下方に設けられたトナー搬送機構(不図示)に供給されるようになっている。
【0057】
また第1平坦面941よりもトナーカートリッジ80の挿入方向における上流側には、この第1平坦面941よりも低い箇所に位置する第2平坦面943が設けられている。また、第2平坦面943よりもトナーカートリッジ80の挿入方向における上流側には、この第2平坦面943よりも低い箇所に位置する第3平坦面944が設けられている。また上下方向に沿って設けられ第1平坦面941と第2平坦面943とを接続する第1接続面945、同じく上下方向に沿って設けられ第2平坦面943と第3平坦面944とを接続する第2接続面946が設けられている。
【0058】
また収容部材900には、第1平坦面941との間に間隙を有して配置され第1平坦面941と対向する第1対向片947、第2対向片948が設けられている。ここで第1対向片947および第2対向片948は、トナーカートリッジ80の挿入方向(収容部材900の長手方向)に沿うように設けられている。なお上記開口942は、この第1対向片947と第2対向片948との間に配置されている。
【0059】
さらに本実施形態では、第1接続面945からトナーカートリッジ80の挿入方向における上流側に向かって突出した第1突出片951および第2突出片952が設けられている。ここで第1突出片951および第2突出片952は、弾性変形可能に設けられておりトナーカートリッジ80の挿入方向と直交する方向に撓むことが可能となっている。また、第1突出片951および第2突出片952は、第2接続面946よりもトナーカートリッジ80の挿入方向における上流側に、その先端部が位置するように設けられている。また本実施形態では、第1突出片951と第3平坦面944との間に間隙が形成されている。また第2突出片952と第3平坦面944との間に間隙が形成されている。
【0060】
また第1突出片951および第2突出片952の各々は、図15に示すように、その先端部に、第1シャッタ302(図5参照)の移動経路上に突出し第1シャッタ302の移動(後退)を規制(後述)する規制突起953を備えている。また、第1突出片951および第2突出片952の各々には、トナーカートリッジ80に設けられた押圧突起307(図5参照)により押圧されることで移動し、第1突出片951および第2突出片952を変位させる変位突起954が設けられている。
【0061】
ここで上記変位突起954は、トナーカートリッジ80の挿入方向における上流側に向かうに従い収容部材900の中央部側に接近する傾斜面954Aを有しており、この傾斜面954Aが上記押圧突起307により押圧されることで移動し、第1突出片951および第2突出片952を変位させる。より具体的には、第1突出片951および第2突出片952が互いに離れるように第1突出片951および第2突出片952を変位させる。
【0062】
次に、収容部材900にトナーカートリッジ80が挿入される際の各部の動きを図14を参照しながら説明する。収容部材900へトナーカートリッジ80の挿入が開始されると、トナーカートリッジ80の移動に伴い、第2シャッタ303が収容部材900の奥側に向かって移動していく。そしてこの第2シャッタ303は、第1突出片951と第3平坦面944との間に形成された間隙、および、第2突出片952と第3平坦面944との間に形成された間隙に進入するとともに、第2接続面946に突き当たる。
【0063】
これにより、第2シャッタ303は、移動が規制され第3平坦面944の上に留まるようになる。なお第2シャッタ303が第2接続面946に突き当たった後、伸長するコイルスプリングSP(図4参照)からトナーカートリッジ80の筒状部材300に対し荷重が作用するようになる。このため、第2シャッタ303が第2接続面946に突き当たった後、ユーザは、この荷重よりも大きい荷重でトナーカートリッジ80を画像形成装置1の奥側に向けて押し込むこととなる。なお本実施形態では、コイルスプリングSPのばね定数が小さく設定されており、コイルスプリングSPからトナーカートリッジ80の筒状部材300に対して作用する荷重(付勢力)は小さくなっている。このため本実施形態では、コイルスプリングSPからの荷重をユーザがほとんど感じないようになっている。付言するとユーザが感じる操作感に変化が生じないようになっている。
【0064】
その後、トナーカートリッジ80の更なる移動に伴い第1シャッタ302が収容部材900の奥側に向かって移動していく。そして、第1シャッタ302が、第1突出片951と第2突出片952との間に入り込むとともに、第1シャッタ302が第1接続面945(第2の突き当て部の一例)に突き当たるようになる。これにより、第1シャッタ302は、その移動が規制され、第2平坦面943上に、且つ、第1突出片951と第2突出片952との間に留まるようになる。その後、本実施形態では、トナーカートリッジ80の更なる移動によって、排出口305が移動し、排出口305が開口942上に位置するようになる。これにより、トナーカートリッジ80の内部のトナーが画像形成装置1の本体側に供給される状態となる。
【0065】
なお、第1シャッタ302が第1接続面945に突き当たり第1シャッタ302が停止した後は、筒状部材300が第1シャッタ302に対して移動することとなる。この際、第1シャッタ302と第1対向片373(図6参照)等との間で摩擦(摺動)が生じるようになる。このため、第1シャッタ302が第1接続面945に突き当たった後は、筒状部材300に対して第1シャッタ302から摺動抵抗が作用するようになり、トナーカートリッジ80の挿入に要する操作荷重が大きくなる。なお本実施形態では、第1シャッタ302から筒状部材300に対して作用する摺動抵抗の方が、コイルスプリングSPからトナーカートリッジ80の筒状部材300に対して作用する荷重(付勢力)よりも大きくなっている。
【0066】
ここで図16は、トナーカートリッジ80の挿入が終了した後における収容部材900の内部の状態を示した図である。なお本図では、トナーカートリッジ80に設けられた第1シャッタ302、第2シャッタ303も併せて表示している。
【0067】
上記のとおり、トナーカートリッジ80の挿入がなされると、第1突出片951と第3平坦面944との間に形成された間隙、および、第2突出片952と第3平坦面944との間に形成された間隙に第2シャッタ303が進入する。また、第2接続面946に対し第2シャッタ303が突き当たる。これにより、第2シャッタ303の移動が規制され、図16に示すように、第2シャッタ303は、第2接続面946の手前側に留まるようになる。また上記のとおり、トナーカートリッジ80のさらなる挿入によって、第1シャッタ302が、第1接続面945に突き当たるようになる。これにより、第1シャッタ302は、移動が規制され、図16に示すように、第1接続面945の手前側に留まるようになる。
【0068】
なお図16に示すように、トナーカートリッジ80の挿入方向と直交する方向において、第2シャッタ303の側片303Bと第1突出片951との間には間隙が形成されている。また、第2シャッタ303の側片303Cと第2突出片952との間にも間隙が形成されている。ここで、トナーカートリッジ80が画像形成装置1から引き抜かれる際、第1突出片951および第2突出片952は互いに離れる方向に移動する(後述)。ところでこの場合に、側片303Bと第1突出片951との間、側片303Cと第2突出片952との間に、上記のように間隙が形成されていないと、第1突出片951および第2突出片952と、第2シャッタ303とが干渉してしまう。そしてこの場合、第1シャッタ302の後退が困難となり、トナーカートリッジ80の引き抜きが困難となる。このため本実施形態では、上記のような間隙を形成している。
【0069】
なお上記では説明を省略したが、トナーカートリッジ80が収容部材900に挿入される際、第1対向片947(図14参照)と第1平坦面941との間に形成された間隙に、トナーカートリッジ80に形成された第1対向片373(図6参照)が進入する。また、この間隙には、弾性部材306(図6参照)も進入する。また、トナーカートリッジ80が収容部材900に挿入される際、第2対向片948(図14参照)と第1平坦面941との間に形成された間隙に、トナーカートリッジ80に形成された第2対向片374(図6参照)が進入する。またこの間隙には、弾性部材306も進入する。
【0070】
そして本実施形態では、第1対向片947と第1平坦面941との間に形成された上記間隙に対して、上記第1対向片373と弾性部材306とが進入することにより弾性部材306が圧縮されるようになっている。また、第2対向片948と第1平坦面941との間に形成された上記間隙に対して、上記第2対向片374と弾性部材306とが進入することにより弾性部材306が圧縮されるようになっている。そして本実施形態では、このように弾性部材306が圧縮されることで、排出口305(図5参照)、開口942(図14参照)のまわりがシールされた状態となり、収容部材900内へのトナーの漏れ出しが抑制されるようになっている。
【0071】
次に図16を参照しながらトナーカートリッジ80が引き抜かれる際の各部の動きを説明する。
トナーカートリッジ80の引き抜きが開始されると、図6にて示した第1対向片373、第2対向片374、および弾性部材306が、トナーカートリッジ80の引き抜き方向における上流側に向かって移動する。そして、第1対向片373、第2対向片374、および弾性部材306が、停止している第1シャッタ302まで到達すると、第1対向片373、第2対向片374、および弾性部材306は、第1シャッタ302の内部に進入する。より具体的には、シャッタ本体部302A(図6参照)と第1対向片302Bとの間、シャッタ本体部302Aと第2対向片302Cとの間に進入するようになる。またトナーカートリッジ80に設けられた排出口305も第1シャッタ302に向かって移動し、排出口305が第1シャッタ302により覆われる状態となる。
【0072】
なお、排出口305が第1シャッタ302により覆われるまでは、第1突出片951および第2突出片952に形成された規制突起953(図15参照)により、第1シャッタ302の移動が規制されるようになっている。付言すると、排出口305が第1シャッタ302により覆われるまでは、規制突起953(突き当て部の一例)に対し第1シャッタ302が突き当たり、第1シャッタ302の移動が規制されるようになっている。そして本実施形態では、排出口305が第1シャッタ302により覆われた後に、変位突起954(図15参照)に対してトナーカートリッジ80に設けられた押圧突起307(図5参照)が突き当たる。これにより、第1突出片951および第2突出片952が互いに離れる方向に移動し、第1シャッタ302の移動の規制が解除される。これにより第1シャッタ302の後退が開始される。付言すると、後退する筒状部材300に付随して第1シャッタ302が移動するようになる。なお上記押圧突起307は、突き当て部として機能する上記規制突起953を第1シャッタ302の移動経路上から退避させる退避部として捉えることができる。
【0073】
そして第1シャッタ302の後退が開始されると、第1シャッタ302が第2シャッタ303により覆われた状態となる。付言すると、第2シャッタ303はコイルスプリングSPにより引っ張られることで第2接続面946に向けて押圧されており、一定の位置に留まっている。さらに説明すると、第2シャッタ303はコイルスプリングSPにより引っ張られることで突き当て部、第1の突き当て部として機能する第2接続面946に突き当てられた状態となっており、一定の位置に留まっている。このため、第1シャッタ302が第2シャッタ303に対して相対的に移動し、第1シャッタ302が第2シャッタ303により覆われるようになる。その後、トナーカートリッジ80の更なる移動に伴い、第2シャッタ303が筒状部材300に付随して移動するようになり、第2シャッタ303が第2接続面946から離れるようになる。その後、第2シャッタ303により第1シャッタ302が覆われた状態で、トナーカートリッジ80の引き抜きが更に行われる。
【0074】
ここで本実施形態では、上記のように、第1シャッタ302が第2シャッタ303により覆われた後に、第2シャッタ303が第2接続面946から離れるようになっている。付言すると、第2シャッタ303と第2接続面946との接合部(図16の符号16A参照)の上方を第1シャッタ302の端部302G(トナーカートリッジ80の引き抜き方向において上流側に位置する端部)が通過した後に、第2シャッタ303が第2接続面946から離れるようになっている。
【0075】
ここで、第1シャッタ302が第2シャッタ303により覆われる前に(上記接合部の上方を上記端部302Gが通過する前に)、第2シャッタ303が第2接続面946から離れてしまうと、第1シャッタ302などから落下するトナーが、第2シャッタ303と第2接続面946との間に形成される間隙内に進入してしまうおそれがある。付言すると、収容部材900の内部にトナーが排出されてしまうおそれがある。このため、本実施形態では、第1シャッタ302が第2シャッタ303により覆われた後に第2シャッタ303が第2接続面946から離れる構成としている。
【0076】
また上記では説明を省略したが、図16に示すように、第2シャッタ303の内面には、トナーカートリッジ80の長手方向と直交する方向(交差する方向)に沿って設けられた線状の突出部303Tが設けられている。付言すると、第2シャッタ303の対向片3031(図5参照)の裏面(第1シャッタ302に対向する対向面)には、トナーカートリッジ80の長手方向と直交する方向に延びる突出部303Tが設けられている。付言すると、第2シャッタ303の対向片3031の裏面には、一方の側片303Bが設けられている側から他方の側片303Cが設けられている側に向かうように形成された突出部303Tが形成されている。なおこの突出部303Tは、トナーカートリッジ80の長手方向において並んだ状態で複数設けられている。ここで、第2シャッタ303の内面にトナーが付着することがあるが、第2シャッタ303の内面が平滑であると、トナーが移動しやすくなり、第2シャッタ303の前端部(図2も参照)からトナーが落下等しやすくなる。このため、本実施形態では、複数の突出部303Tを設けることでトナーの移動を規制している。
【0077】
また上記では説明を省略したが、本実施形態では、トナーカートリッジ80の先端部の形状を、収容部材900のうちのトナーカートリッジ80の挿入が開始される入口部側の形状に倣うようにしている。より具体的には、図9に示すように、収容部材900の底板970と一方の側板971とを直交させ、また、底板970と他方の側板972とを直交させ、収容部材900のうちのトナーカートリッジ80の挿入が開始される入口部側に2つの角部974,975を形成している。
【0078】
またトナーカートリッジ80の先端部に位置する第2シャッタ303にも、図2に示すように、対向片3031と一方の側片303Bとを直交させ、対向片3031と他方の側片303Cとを直交させることで、トナーカートリッジ80の先端部に2つの角部308,309(図2参照)を形成している。このような形状で収容部材900およびトナーカートリッジ80を形成した場合、トナーカートリッジ80の挿入誤りが起きにくくなる。より具体的には、例えば上下が反転した状態でトナーカートリッジ80の挿入がなされることが起きにくくなる。
【0079】
ここで画像形成装置1に装着されるトナーカートリッジ80では、上記のように、トナーの排出口を覆うシャッタが設けられることが多いが、このシャッタにトナーが付着することが多く、ユーザの衣服など周辺のものにトナーが付着しやすくなる。またトナーカートリッジ80の使用前などに、ユーザによってトナーカートリッジ80が振られることもある。そしてこの際に、シャッタの部分が把持された状態でトナーカートリッジ80が振られると、シャッタが開き内部のトナーが漏れ出すおそれがある。
【0080】
このため本実施形態では、トナーが排出される排出口305を覆う第1シャッタ302の他に、この第1シャッタ302を覆う第2シャッタ303を設ける構成としている。なお、第2シャッタ303の外表面の色と、筒状部材300の外表面の色とを異ならせることが好ましい。この場合、第2シャッタ303がユーザにより認識される可能性が高まり、第2シャッタ303の意図しない操作がなされることが抑制されるようになる。また本実施形態では、上記のようにトナーカートリッジ80を構成することで、一方向に直線的にトナーカートリッジ80を挿入するだけで第1シャッタ302および第2シャッタ303が開くようになっている。また同じく、一方向に直線的にトナーカートリッジ80を引き抜くだけで、第1シャッタ302および第2シャッタ303が閉じるようになっている。付言すると本実施形態におけるトナーカートリッジ80では、トナーカートリッジ80を周方向に回転させるなどの複雑な操作を行わずに2つのシャッタの開閉がなされるようになっている。
【符号の説明】
【0081】
1…画像形成装置、10…画像形成部、300…筒状部材、302…第1シャッタ、303…第2シャッタ、303B…側片、303C…側片、303T…突出部、305…排出口、307…押圧突起、946…第2接続面、953…規制突起、3031…対向片、SP…コイルスプリング、80…トナーカートリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を収容するとともに当該現像剤が排出される開口を備え、画像形成装置に対し一方向に沿って挿入され当該画像形成装置に装着される現像剤収容部と、
前記現像剤収容部に対する移動が可能に設けられ、前記一方向に沿って当該現像剤収容部が前記画像形成装置から引き抜かれる際に当該現像剤収容部に対する移動であって当該一方向に沿った移動を行い、前記開口が設けられている箇所まで移動し当該開口を塞ぐ塞ぎ部材と、
前記現像剤収容部に対する移動が可能に設けられ、前記一方向に沿って当該現像剤収容部が前記画像形成装置から引き抜かれる際に当該現像剤収容部に対する移動であって当該一方向に沿った移動を行い、前記開口が設けられている箇所まで移動し当該開口を塞いだ前記塞ぎ部材を覆う覆い部材と、
を備える収容容器。
【請求項2】
前記覆い部材は、当該覆い部材を前記開口が設けられている側に向けて付勢する付勢部材によって当該開口が設けられている前記箇所まで移動することを特徴とする請求項1記載の収容容器。
【請求項3】
前記塞ぎ部材は、第1の移動経路に沿った移動が可能に設けられ、
前記覆い部材は、前記第1の移動経路よりも前記現像剤収容部から離れた側に位置する第2の移動経路に沿った移動が可能に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の収容容器。
【請求項4】
前記覆い部材は、前記塞ぎ部材に対向する対向片と、当該対向片の一端部から前記現像剤収容部の外面に向かって延びる第1の片部と、当該対向片の他端部から当該現像剤収容部の当該外面に向かって延びる第2の片部とを有していることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の収容容器。
【請求項5】
前記対向片のうちの前記塞ぎ部材に対向する対向面には、複数の突出部が形成されていることを特徴とする請求項4記載の収容容器。
【請求項6】
複数の前記突出部の各々は、前記第1の片部が設けられている側から前記第2の片部が設けられている側に向かうように形成されていることを特徴とする請求項5記載の収容容器。
【請求項7】
前記覆い部材は、付勢部材によって前記開口が設けられている箇所に向けて付勢され、前記現像剤収容部が前記画像形成装置に挿入される際には当該画像形成装置に設けられた第1の突き当て部に突き当てられ、当該第1の突き当て部に突き当てられた後、当該付勢部材から作用する付勢力に抗して当該現像剤収容部に対する移動であって当該開口から離れる方向への移動を行い、
前記塞ぎ部材は、前記現像剤収容部が前記画像形成装置に挿入される際には当該画像形成装置に設けられた第2の突き当て部に突き当てられ、当該第2の突き当て部に突き当てられた後、当該現像剤収容部から摺動抵抗を受けながら、当該現像剤収容部に対する移動であって前記開口から離れる方向への移動を行い、
前記覆い部材に作用する前記付勢力の方が、前記塞ぎ部材が受ける前記摺動抵抗よりも小さく設定されており、
前記現像剤収容部を前記画像形成装置に挿入する際に要するユーザの操作力であって前記覆い部材が前記開口から離れる方向に前記移動する際に要するユーザの操作力の方が、当該現像剤収容部を当該画像形成装置に挿入する際に要するユーザの操作力であって前記塞ぎ部材が当該開口から離れる方向に前記移動する際に要するユーザの操作力よりも、小さいことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の収容容器。
【請求項8】
前記塞ぎ部材と前記現像剤収容部との間に弾性部材が設けられ、当該塞ぎ部材は、当該弾性部材によって当該現像剤収容部から離れる方向に付勢され、
前記弾性部材によって前記離れる方向に付勢される前記塞ぎ部材には、前記現像収容部に接触し当該現像収容部からの当該塞ぎ部材の離脱を防止する離脱防止部が設けられ、
前記付勢部材によって前記離脱防止部が前記現像剤収容部に押し付けられることで、前記塞ぎ部材が受ける前記摺動抵抗の方が前記覆い部材に作用する前記付勢力よりも大きくなっていることを特徴とする請求項7記載の収容容器。
【請求項9】
前記現像剤収容部の外表面の色と前記覆い部材の外表面の色とが異なっていることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の収容容器。
【請求項10】
現像剤を用いて記録材に画像を形成する画像形成部を備えた装置本体と、
前記現像剤を収容するとともに当該現像剤が排出される開口を備え、前記装置本体に対し一方向に沿って挿入され当該装置本体に装着された現像剤収容部と、
前記現像剤収容部に対する移動が可能に設けられ、前記一方向に沿って当該現像剤収容部が前記装置本体から引き抜かれる際に当該現像剤収容部に対する移動であって当該一方向に沿った移動を行い、前記開口が設けられている箇所まで移動し当該開口を塞ぐ塞ぎ部材と、
前記現像剤収容部に対する移動が可能に設けられ、前記一方向に沿って当該現像剤収容部が前記装置本体から引き抜かれる際に当該現像剤収容部に対する移動であって当該一方向に沿った移動を行い、前記開口が設けられている箇所まで移動し当該開口を塞いだ前記塞ぎ部材を覆う覆い部材と、
を備える画像形成装置。
【請求項11】
前記覆い部材は、前記塞ぎ部材よりも下方に配置され、
前記塞ぎ部材は、前記開口を塞いだ後、引き抜かれる前記現像剤収容部に付随して当該現像剤収容部とともに移動し、
前記覆い部材は、付勢部材によって前記現像剤収容部の引き抜き方向とは反対の方向に付勢され前記装置本体に設けられた突き当て部に突き当てられ、当該現像剤収容部が引き抜かれる際には当該突き当て部に突き当てられた状態で当該現像剤収容部に対する前記移動を行い、当該現像剤収容部に対する当該移動を行った後、引き抜かれる当該現像剤収容部に付随して移動することで当該突き当て部から離間し、
前記突き当て部の上方を前記塞ぎ部材が通過した後に、当該突き当て部から前記覆い部材が離間するように構成された請求項10記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記塞ぎ部材は、前記現像剤収容部が前記装置本体から引き抜かれる際に当該装置本体側に設けられた突き当て部に突き当たることで移動が規制され、引き抜かれる当該現像剤収容部に対する前記移動を行い、
前記現像剤収容部の外面から突出して設けられ、当該現像剤収容部の前記引き抜きに伴い移動し、前記装置本体側の予め定められた部位に接触し前記突き当て部を前記塞ぎ部材の移動経路上から退避させる退避部が更に設けられ、
前記現像剤収容部の前記装置本体からの引き抜きが終了した際、前記退避部が前記覆い部材により覆われていることを特徴とする請求項10又は11に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−98489(P2012−98489A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245819(P2010−245819)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】