説明

取り外し可能な内部作動機構を有するバルブ

内部バルブ装置について説明する。例示的な内部バルブは、入口(206)と出口(208)との間に配置されたバルブシート(202)を有する本体(102)を含む。本体に動作可能に結合される流れ制御部材(110)は、流れ制御部材が、バルブを通る流体の流れを制限するために、バルブシートと係合する第1の位置と、流れ制御部材が、バルブを通る流体の流れを可能にするために、バルブシートから離間されている第2の位置との間を移動する。例示的な内部バルブは、さらに、流れ制御部材を、第1の位置と第2の位置との間で移動させるために、本体内に配置され、かつ、流体圧力に反応する、取り外し可能な作動部材(114)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、バルブに関し、より詳細には、取り外し可能な内部作動機構を有するバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に内部バルブと称される、自動閉鎖停止バルブは、第1の場所と第2の場所との間の危険物の運搬時の両側の危険物、圧縮液、および/または例えば、プロパン、ブタン、NH3(無水アンモニア)等のガスの排出に対する保護を提供する。内部バルブは、例えば、破損された、切断された、または欠陥のある流路による突然の過流の状態に反応して閉鎖する、流れ制御機構を利用している。かかる流れ制御機構は、一般的に、潜在的に危険な(例えば可燃性の、有害な)流体の潜在的な漏れ、流出等に対応した流体の流れの自動的な安全な遮断を必要とする用途でよく使用される、過流防止バルブと称される。
【0003】
過流防止バルブは、典型的には、バルブの両側の圧力差に基づいて動作する。例えば、入口圧力が出口圧力とほぼ等しい場合に、バルブが開く。バルブの両側の圧力を均一化するために、内部バルブは、典型的には、流れ制御部材の両側の圧力を均一化または平衡化するために作動される、均一化部材を利用する。内部バルブは、多くの場合、例えば、レバー、ケーブル制御、および/または動力アクチュエータシステム等の作動機構またはシステムの使用を必要とする。典型的には、利用される作動機構は、均一化部材が、完全に閉じた位置と完全に開いた位置との間を移動できるようにする。
【0004】
一実施例において、例えば、外部空気圧式アクチュエータ等のアクチュエータは、内部バルブを遠隔で操作するように使用されてもよい。かかる外部空気圧式アクチュエータは、大きな全体的な設置面積を有し、より大きい空間を必要とする。しかしながら、かかる公知の内部バルブは、多くの場合、小さいまたは空間的に厳しい制約を有する特定の用途で使用されているため、かかる外部空気圧式アクチュエータをバルブとともに設置することを困難にしている。かかる外部空気圧式アクチュエータは、さらに、バルブを設置する場合に、さらなる支持部材を必要とする場合がある。
【0005】
さらに、または代替的に、多くの公知の作動方法は相互に排他的であり、そのために、多くの製造業者は、それぞれ、異なる顧客の特定のニーズに適合するように、特別に構成される、多数の異なる設計の内部バルブ製品系列を提供する。かかるアプローチにより、製造業者は、多種多様な多数の製品を製造およびサポートしなければならず、これは物流の観点からいって容易ではなく、また、コストがかさむ。
【発明の概要】
【0006】
一実施例において、例示的な内部バルブは、入口と出口との間に配置されたバルブシートを有する本体を含む。本体に動作可能に結合された流れ制御部材は、流れ制御部材が、バルブを通る流体の流れを制限するために、バルブシートと係合する第1の位置と、流れ制御部材が、バルブを通る流体の流れを可能にするために、バルブシートから離間されている第2の位置との間を移動する。作動部材は、流れ制御部材を、第1の位置と第2の位置との間で移動させるために、本体内に配置され、かつ、流体圧力に対応する。
【0007】
別の実施例において、流体制御装置は、第1の動作位置と第2の動作位置との間を移動可能な第1の流れ制御部材と、バルブを第1の動作位置と第2の動作位置との間で移動させるために、バルブと取り外し可能に結合される作動機構とを含む。作動機構は、複数の作動機構から選択され、複数の機構から選択された第2の作動機構と交換可能である。作動機構は、バルブの入口と出口との間のバルブの本体内に配置される。
【0008】
さらに別の実施例において、バルブは、第1の動作位置と第2の動作位置との間でバルブを動作させるための手段を含む。バルブは、さらに、第1の動作位置と第2の動作位置との間でバルブを動作させるための手段、および圧力を均一化するための手段を位置付けるための手段を作動させるために、バルブの両側の圧力差を均一化するための手段も含む。位置付けるための手段は、圧力を均一化するための手段を、少なくとも第3の位置と第4の位置との間で移動させるために、バルブ本体内に配置され、流体圧力に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】例示的な内部アクチュエータと共に実施される、本明細書に記載される例示的なバルブである。
【図2】図1の例示的なバルブの断面図である。
【図3】図1および図2の例示的なバルブの一部分の部分切り欠き図である。
【図4】図1、図2および図3の例示的なバルブの一部分の別の部分切り欠き図である。
【図5】図1〜図4の例示的なバルブであるが、例示的なレバーと共に実施されるバルブである。
【図6】図5の例示的なバルブの一部分の部分切り欠き図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
典型的には、内部バルブの過流防止バルブは、内部バルブが結合または設置されたシステムの圧力および/または流体の流速に基づいて開閉する。このため、一体化された過流防止バルブを有する内部バルブを利用するシステムの動作時において、一般的に、流体がバルブを通ってポンプ送出される前に、バルブの入口と出口との間の圧力を均一化することが必要である。多くの場合、内部バルブは、内部バルブの1次流れ制御部材の両側の圧力を均一化または平衡化するために、作動機構を介して作動される均一化部材を利用する。かかる作動機構は、例えば、レバー、ケーブル制御、動力アクチュエータシステム等を含んでもよい。作動機構は、典型的には、少なくとも第1の位置(例えば、dx完全に閉じた位置)と第2の位置(例えば、流体が排出路を通って流れることが可能な完全に開いた位置)との間で均一化部材を移動させる。
【0011】
外部空気圧式アクチュエータは、多くの場合、均一化部材の動作を制御するために使用される。典型的には、かかる外部空気圧式アクチュエータは、カム部材を介して、均一化部材に動作可能に結合される、内部バルブのレバーに動作可能に結合される。かかるレバーおよびカムアセンブリは、レバー機構を通る望ましくない漏れを防ぐために、パッキングシステムを必要とする。さらに、内部バルブは、多くの場合、内部バルブ、そのレバーアセンブリ等にアクセスすることを困難にしている空間的な制約を有する、特定の用途に使用される。しかしながら、かかる外部空気圧式アクチュエータは、空気的に動作される内部バルブの用途を制限しかねないより大きな空間を必要とする、大きな全体的な設置面積を有する。外部空気圧式アクチュエータは、さらに、バルブを設置する場合に、さらなる支持部材を必要とする場合もある。しかしながら、バルブが、システムに取り付けられている間に、空気圧式アクチュエータのメンテナンス、修理、および/または交換のために、外部空気圧式アクチュエータは、バルブから容易に取り外しできる。
【0012】
本明細書に記載された例示的なバルブは、よりコンパクトな内部バルブを提供する取り外し可能な内部作動機構を含む。ある例示的な内部作動機構は、内部空気圧式アクチュエータを含む。該アクチュエータはバルブに取り外し可能に結合されるため、例示的な内部空気圧式アクチュエータは、技術者、サービス人員、メンテナンス人員等によって、容易に交換および/または現場サービスを行うことが可能である。一実施例において、アクチュエータは、ねじによる固定具を介して、バルブ本体に取り外し可能に結合される。他の実施例において、アクチュエータは、クランプおよび/または任意の他の適した固定機構を介して、バルブ本体に結合されてもよい。
【0013】
かかる構成は、バルブがシステムに接続されたままの間に、内部空気圧式アクチュエータのメンテナンス、修理、および/または交換を可能にする。さらに、内部空気圧式アクチュエータはバルブ内に配置されるため、例示的な内部空気圧式アクチュエータは、バルブパッキングが不要であり、そのため、パーツ数を少なくすることができ、また、パッキングを通した潜在的な望ましくない漏れは生じない。さらに、または代替的に、本明細書に記載される例示的なバルブは、システムからバルブを取り除かずに(つまり、バルブがシステムと協調しながら)、手動(例えばレバー)で操作されるバルブと動力(例えば空気圧式アクチュエータ)で操作されるバルブとの間で、任意選択で変換される場合がある。
【0014】
さらに、本明細書に開示される例示的な内部バルブは、互いに排他的ではない(例えば、この機構と交換可能に装着、またはこの機構と共に構成される)異なる作動機構を受容することが可能である。このため、多くの製造業者は、種々の顧客の用途のニーズに適するように、複数の異なる作動機構を受容するように構成されたモジュール式の本体を有する、多数の異なる構成の内部バルブ製品を提供できる。かかるアプローチは、製造業者が、より少ない数の多種多様な製品を柔軟に製造およびサポートするようにすることができ、それにより、全体的な製造コスト、在庫コスト等を削減できる。
【0015】
本明細書中に記載された例示的な内部バルブは、バルブ本体に取り外し可能に結合された内部空気圧式アクチュエータを含む。内部空気圧式アクチュエータは、バルブの入口と出口との間に、内部バルブの内部本体内に配置され、流れ制御部材がバルブを通る流体の流れを制限する第1の位置と、流れ制御部材がバルブを通る流体の流れを可能にする第2の位置との間に、流れ制御部材を移動させるために、流体圧力に対応する。さらに、例示的な作動機構は、複数の作動機構から選択されてもよく、複数の機構から選択された第2の異なる作動機構と交換可能であってもよい。上記のように、作動機構は、レバー、ケーブル制御、空気圧式アクチュエータ、および/またはいずれか他の適した作動機構を含んでもよい。
【0016】
図1は、本明細書中に記載される例示的なバルブ100を示す。例示的なバルブ100は、例えば、内部バルブ等の自動閉鎖停止バルブとして示される。バルブ100の本体102は、相対的に高い圧力のプロセス流体が存在する、第1または上流圧力源(例えばパイプライン、ボブテイルトラック、タンク等)と流体連通するように構成された、第1または上部部分104と、例示的なバルブ100が流体を提供する、第2または下流圧力源(例えばポンプ、パイプライン、ホース、ボブテイルトラック等)と流体連通するように構成された、第2または下部の部分106とを有する。例えば、第1の圧力源は、例えばバルブ100を介して目的の場所に送達される加圧ガスまたは液体を含むタンクを含んでもよい。言い換えると、バルブ100の第1の部分104は、相対的に高い圧力の流体に浸漬される、またはこの流体によって包囲されてもよい。バルブ100の第2の部分106は、ホース、パイプ、または任意の他の適した流体運搬コンポーネントを受容するために、第1の圧力源の外側に配置されてもよい。こうして、流体は、バルブ100を介して、移送コンポーネント(例えばホース)へ、そして目的の場所(例えば別の貯蔵タンクおよび/またはさらなるプロセス制御要素)へ、第1の圧力源から流れる。
【0017】
本体102は、第1の部分104と第2の部分106との間の外ねじが付いた部分108を有する。ねじ付きの部分106は、例えば、タンクまたは他の適した貯蔵容器等の第1の圧力源の対応するねじ付きの開口部とねじにより係合してもよく、これにより、第1の圧力源内に、バルブ100の第1の部分104を配置する。他の実施例において、バルブ100は、配管システム、貯蔵タンク、ボブテイルトラックシステム、または任意の他の適した流体分散システムへ、例示的なバルブ100を結合または取り付けるための、フランジ部分またはダブルフランジ部分を有する本体を含んでもよい。さらに、内部バルブとして例示的なバルブ100が示されているが、本明細書中に記載された実施例は、任意の他の適した流れ制御装置および/またはバルブと共に実施されてもよい。
【0018】
例示的なバルブ100は、1次または第1の流れ制御部材または、バルブ100が、それぞれ、閉じている、および、開いている第1の動作位置および第2の動作位置の間を動作する主ポペット110を含む。主ポペット110は、以下に詳述するように、例示的なバルブ100の両側の圧力差に対応して、第1動作位置と第2の動作位置との間で動作する。例示的なバルブ100の両側の圧力差を制御またはこれに作用するために、例示的なバルブ100は、第2の流れ制御部材または均一化部材112を含む。均一化部材112は、均一化部材112が閉じている、少なくとも第1の動作位置と、均一化部材が開いている、第2の動作位置との間で動作する。図示された実施例において、均一化部材112はさらに、第1および第2の動作位置の間の第3の動作位置または流出位置を含む。
【0019】
バルブ100の動作位置は、以下に詳述される作動機構114によって選択されてもよい。作動機構114は、システムからバルブ100を除去する必要なしに(つまり、内部バルブ100がシステムに接続された状態の間に)、作動機構114を、本体102(例えばフィールド内)から除去し得るように、本体102に取り外し可能に結合される。例えば、作動機構114は、作動機構114を修理または取替えるための、メンテナンスサービスのために除去してもよく、かつ/または、複数の交換可能な作動機構から選択された第2の(例えば、異なる)作動機構で、作動機構114を交換してもよい。作動機構114は、ケーブル制御、リンケージ機構、アクチュエータ(例えば空気圧式アクチュエータ)、または任意の他の適した作動機構として実施されてもよい。さらに、公知の内部バルブとは対照的に、作動機構114は、バルブ100の本体102内(例えば内側)に配置されるため、外部作動機構を有する公知の内部バルブと比較して、よりコンパクトなバルブを必要とするシステムで使用され得る、より小さい設置面積を有する、よりコンパクトなバルブ100が提供される。
【0020】
図1に示されるように、作動機構114は、フランジ付きの端部118を有する筐体116を含む。フランジ付きの端部118は、作動機構114を本体102に取り外し可能に結合するための本体102のそれぞれの孔122と係合する、固定具120を受容するために、取り付け開口部(例えばねじ付きの開口部)を含む。筐体116は、固定具120またはいずれか他の適した固定機構を介して、本体102に取り付けられてもよい。
【0021】
図2は、図1の例示的なバルブ100の断面図を示す。主ポペット110が、本体102に動作可能に結合され、バルブ100の本体102を通る流体の流れを制御するために、第1の動作位置と第2の動作位置との間を移動する。本体102は、バルブ100の主要な圧力境界であり、主ポペット110がシート表面202と離間されている場合に、入口206と出口208との間の連通を確立するために、流体の流れの通路を提供するオリフィス204を画定する、シート表面202またはバルブシートを支持または画定する。
【0022】
図示された実施例において、主ポペット110は、バルブ100を通る流体の流れを制限するために、シート表面202と係合するディスク210(例えば、金属製ディスク、ゴム製ディスク等)を含む、ディスクタイプのバルブアセンブリとして示されている。ディスクリテーナ212は、例えば、固定具215を介してディスク210をディスクホルダ214に結合する。ディスクホルダ214は、流出流れ通路216および流出ポートまたはオリフィス218を画定する開口部を含む。実施例に示されるように、流出ポート218は、主ポペット110と一体的に形成され、入口206と出口208との間の流体の流れ通路を提供する。
【0023】
均一化部材112は、主ポペット110と動作可能に結合され、少なくとも、流出流れ通路216を通る流体の流れを防止または制限するために、流出ポート218と係合するための第1の位置と、流出ポート218を通る流体の流れを可能にするための流出ポート218から離間された第2の位置との間を移動する。図示された実施例において、均一化部材112は、さらに、第1の動作位置と第2の動作位置との間の第3の位置または急速流出位置に移動できる。均一化部材112は、流出流れ通路216を通る流体の流れを防止または制限するために、流出ポート218と係合するディスク部材220を含む。
【0024】
均一化部材112は、バルブステム222を介して、作動機構114と動作可能に結合される。図示された実施例において、バルブステム222は、均一化部材112が第3の位置にある場合に、バルブステム222と流出流れ通路216との間により大きいギャップを形成するために、より小さい直径または凹部分224を含んでもよい。このようにして、均一化部材112は、入口206と出口208との間の、例示的なバルブ100の両側の、より高速な圧力均一化を可能にするために、流出通路216を通るより大きいまたはより速い流体の流れ速度を可能にする。
【0025】
図示された実施例において、作動機構114は、内部空気圧式アクチュエータ226である。内部空気圧式アクチュエータ226は、均一化部材112を、少なくとも第1の位置と第2の位置との間を移動させるために、入口206と出口208との間の本体102内に配置され、流体圧力に対応する。空気圧式アクチュエータ226は本体102内に配置されるため、例示的なバルブ100は、サイズ的な制約を有するシステム構成のために、よりコンパクトまたはより小さい設置面積を必要とする流体システムに対する使用において特に有用である、よりコンパクトな全体的な設置面積を提供する。
【0026】
空気圧式アクチュエータ226は、外部圧力源と流体連通する第1の流体チャンバ232と大気圧と流体連通する第2の流体チャンバ234との間に配置されたピストン230を有する筐体228を含む。筐体228は、例えば、外部流体圧力源に結合されたホースを受容するためのノズル236を含む。その通路を通って、ピストン230を、第1のまたは上部位置へ移動させるために加圧流体が提供され、かつ、その通路を通って、ピストン230を第2のまたは下部位置に移動させるために、第1の流体チャンバ232から加圧流体が除去される、筐体228の第1の通路238は、外部流体圧力源へ第1の流体チャンバ232を流体結合する。第2の通路240は、ピストン230が上部位置に移動する場合に、第2の流体チャンバ234から大気へと流体(例えば空気)を排出させるための排出孔を提供する。
【0027】
アクチュエータステム242は、アクチュエータステム242の第1の端部244においてピストン230に結合され、結合部材246を介して、バルブステム222に動作可能に結合される。筐体228にねじにより結合されるキャップ248は、アクチュエータステム242を支持する。さらに、空気圧式アクチュエータ226は、本体102と筐体228との間の望ましくない漏れを防ぐための密封シールを提供するために、筐体228と本体102との間に配置されたシール部材250(例えばOリング)を含んでもよい。
【0028】
さらに、または代替的に、例示的な空気圧式アクチュエータ226はバルブパッキングを必要としないため、コンポーネントの数を減らすことができ、バルブパッキングによる潜在的な望ましくない漏れを排除できる。さらに、例示的な空気圧式アクチュエータ226を置換および/または修理する場合に、バルブ100をシステムと接続したまま、内部空気圧式アクチュエータ226を本体102から除去してもよい。かかる構成により、バルブ100を現場サービスすることが可能である。さらに、または代替的に、空気圧式アクチュエータ226は、図5および6に関して後述されるように、バルブ100を手動で操作されるバルブ100に変換するために、手動の作動機構に置き換えてもよい。
【0029】
例示的なバルブ100は、さらに、バルブステム222を支持するために、ガイド252を含んでもよい。ピストン230が下部位置にある場合に、流出ポート218を通る流体の流れを制限するために、流出ポート218(つまり閉じた位置)に対して均一化部材112を付勢するために、第1の付勢要素または閉鎖スプリング254を、ガイド252と結合部材246との間に配置する。さらに、例示的なバルブ100は、バルブ100を通る流れ速度が、既定または所定の流れ速度(例えば過流の制限または速度)を越える場合に、オリフィス204を通る流体の流れを制限するために、シート表面202に対して主ポペット110を付勢するために、主ポペット110とスプリングシート258との間に配置された第2の付勢要素または過流防止スプリング256を含んでもよい。スプリングシート258は、バルブステム222のより小さい直径部分224によって形成されたバルブステム222の段付き部分または肩部260によって支持される。
【0030】
図3は、第1の動作位置(例えば閉じた動作位置)における例示的なバルブ100を示し、図4は、第2の動作位置(例えば開いた動作位置)における例示的なバルブ100を示す。動作時において、主ポペット110および均一化部材112は、バルブ100の入口206における付勢要素254および第1の圧力流体源の圧力によって、閉じた位置に対して付勢される。主ポペット110は、オリフィス204を通る流体の流れを阻止するために、シート表面202と係合し、均一化部材112は、流出通路216を通る流体の流れを阻止するために、流出オリフィス218と係合する。均一化部材112および主ポペット110は、システムの安全性を維持する過流防止機能を提供する。より詳細には、過流防止機能は、流れ速度が速くなりすぎる場合に、入口206からの流体の流れを自動的に制限することにより、システムを保護する。言い換えると、付勢要素256は、バルブ100を通る流れ速度が、規定または所定の流れ速度を超える場合に、主ポペット110をシート表面202に対して移動させる、過流防止のスプリング定格を有する。
【0031】
主ポペット110は、例示的なバルブ100の入口圧力と出口圧力との間の圧力差に基づいて動作する。入口圧力が出口圧力よりも実質的に大きい場合、主ポペット110は、閉じた位置において、シート表面202に対して付勢されたままである(図3)。一方で、入口圧力が出口圧力とほぼ等しい場合、流体が、比較的速い速度で例示的なバルブ100を通って流れることを可能にするために、主ポペット110が開く(図4)。均一化部材112は、入口206と出口208との間の圧力を均一化または平衡化するために使用される。例えば、均一化部材112は、バルブ100の両側の圧力を均一化するように特定の量の流体が流れることができるようにする流出状態に、バルブ100を設定し、ひいては、バルブ100を通る流れを提供するために、主ポペット110が開く(図3)ことを可能にしてもよい。バルブ100の両側の圧力が均一化されると、付勢部材256は、主ポペット110を開いた動作位置に移動させる。
【0032】
図4を参照すると、バルブ100の両側の圧力を均一化し、従って、流体の流れを可能にするためにバルブ100を開くために、空気圧式アクチュエータ226は、均一化部材112を、第2の位置に移動させるように作動される。特に、外部流体圧力源からの流体(例えば空気)は、ピストン230を上部位置に移動させるために、第1の通路238を通して、第1のチャンバ232に提供される。ピストン230が上部位置に移動すると、第2のチャンバ234内の流体(例えば空気)は、第2の通路240を通って大気に排出される。さらに、流出通路216を通る流体の流れを可能にするために、均一化部材112が流出オリフィス218から離間されるように、ピストン230は、バルブステム222を上部部分104へ向けて移動させる。図示された実施例において、ピストン230は、流出通路216を通る高速の均一化を可能にするために、バルブステム222の高速均一化部分224が流出通路216内に配置されるように、第3の位置へ均一化部材112を変位させてもよい。
【0033】
バルブ100の両側の圧力が均一化する場合、主ポペット110は、入口206と出口208との間のバルブ100を通る流体の流れを可能にするために、付勢要素256を介して、シート表面202から離れるように移動する。図示された実施例において、空気圧式アクチュエータ226は、主ポペット110が開いた動作位置にある場合に、均一化部材112を第2の位置に移動させる。開いた動作位置において、均一化部材112は、図4に示されるように、主ポペット110と係合する。
【0034】
第1の通路238を介した、第1のチャンバ232からの流体の除去により、ピストン230を下部位置に移動させる。下部位置において、ピストン230および付勢要素254(例えば閉鎖スプリング)は、主ポペット110および均一化部材112を、図3に示されるように、閉じた位置に移動させる。
【0035】
さらに、または代替的に、例示的なバルブ100は、動力内部バルブ(例えば内部空気圧式アクチュエータ226)から、手動操作バルブ(例えばレバー)へ、容易に変換されてもよい。図5は、図1〜図4の例示的なバルブ100を示すが、これは、図1〜図4の作動機構114とは異なる第2の作動機構500によって実施または交換されている。図5に示されるように、作動機構500は、フランジ付きの端部504を有する筐体502を含む。フランジ付きの端部504は、作動機構500を本体102に取り外し可能に結合させるために、本体102のそれぞれの孔122と係合する固定具506を受容するための、取り付け開口部(例えばねじ付きの開口部)を含む。筐体502は、固定具506または任意の他の適した固定機構を介して、本体102に取り付けられてもよい。
【0036】
図6は、図5の例示的なバルブ100の一部および作動機構500の部分切り欠き図を示す。例示的な作動機構500は、レバーで操作されるデバイス600である。しかしながら、他の実施例において、作動機構500は、内部空気圧式アクチュエータ、ケーブル制御アクチュエータ、リンケージ機構、または任意の他の適した作動機構にしてもよい。
【0037】
レバー600は、シャフト606の第1の端部610においてカム608と、およびシャフト606の第2の端部614においてハンドル612と動作可能に結合されるシャフト606を受容するための、孔604を有する筐体602を含む。ハンドル612は、ピン、固定具、または任意の他の適した固定機構を介して、シャフト606に結合される。孔604は、シャフト606に沿って筐体602の孔604を通る望ましくない漏れを防ぐために、パッキング616を受容するようにサイズ決定されてもよい。さらに、または代替的に、シール部材618(例えばOリング)は、密封シールを提供し、本体102と筐体602との間の望ましくない漏れを防ぐために、本体102と筐体602との間に配置されてもよい。
【0038】
動作時において、バルブ100が閉じた動作位置にある場合、レバー600は、カム608が、結合部材246およびバルブステム222から離間するように、第1の位置にある。この位置において、付勢要素254は、バルブ100を通って流れる流体を防ぐために、それぞれ、流出ポート218およびシート表面202に対し、均一化部材112および主ポペット110を付勢する。第1の位置と第2の位置との間のハンドル612の回転は、カム608を、本体102の第1の部分104へ向かう第1の方向に、バルブステム222を変位させるために、結合部材246を回転および係合させる。第1の部分104へ向かってのバルブステム222の変位は、入口206から出口208への、流出通路216を通る流体の流れを可能にするために、均一化部材112を、流出ポート218から離れた方向に移動させる。いくつかの実施例において、レバー600は、均一化部材112の第1の位置(例えば閉じた位置)と第2の位置(例えば開いた位置)との間の第3のまたは中間位置に、配置されてもよい。第3の位置において、レバー600は、入口206と出口208との間の、例示的なバルブ100の両側の、より高速な圧力均一化を可能にするために、流出ポート218を通るより速い流出流れ速度を可能にするために、流出通路216内にバルブステム222の高速流出部分224を配置する。
【0039】
流出ポート218を通って入口206から出口208へ流体が流れる際に、バルブ100(例えば主ポペット)の両側の圧力差は、実質的に均一化する。主ポペット110の両側の圧力の均一化により、主ポペット110を、付勢要素256を介して、シート表面202から開いた動作位置へと移動させる。
【0040】
例示的なバルブ100を閉鎖するために、レバー600は、カム608をバルブステム222から係脱するように、ハンドル612を介して、第1の位置に復帰し、これにより、バルブ100を通る流体の流れを防止または制限するために、付勢要素254は、主ポペット110および均一化部材112を、それぞれ、シート表面202および流出ポート118に対して付勢させる。
【0041】
特定の例示的な装置および製造品について本明細書に記載したが、本発明の範囲は、これらに限定されない。それとは逆に、本発明は、文字通り、または均等論の下で、添付の特許請求の範囲の範囲内に適正に含まれる全ての装置および製造物を対象とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部バルブであって、
入口と出口との間に配置されたバルブシートを有する本体と、
前記本体に動作可能に結合された流れ制御部材であって、前記流れ制御部材は、前記流れ制御部材が、前記バルブを通る流体の流れを制限するために、前記バルブシートと係合する第1の位置と、前記流れ制御部材が、前記バルブを通る前記流体の流れを可能にするために、前記バルブシートから離間されている第2の位置との間を移動する、流れ制御部材と、
前記流れ制御部材を、前記第1の位置と第2の位置との間に移動させるために、前記本体内に配置され、かつ、流体圧に対応する、取り外し可能な作動部材と、
を備える、内部バルブ。
【請求項2】
前記作動部材は、前記入口と前記出口との間の、前記本体内に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記作動部材は、ねじが付けられた固定具を介して、前記本体に取り外し可能に結合される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記作動部材は、第2の複数の作動部材から選択された第2の作動部材と交換可能な第1の複数の作動部材から選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の複数の作動部材から選択された前記作動部材は、内部空気圧式アクチュエータを備え、
前記第2の複数の作動部材から選択された前記第2の作動部材は、カム機構を備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記流れ制御部材と一体的に形成された流出ポートと係合するための均一化部材をさらに備え、
前記均一化部材は、少なくとも、前記均一化部材が前記流出ポートを通る前記流体の流れを制限するために前記流出ポートと係合する第3の位置と、前記均一化部材が前記流出ポートを通る前記流体の流れを可能にするために前記流出ポートから離間される第4の位置との間を移動する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記均一化部材に動作可能に結合されたバルブステムをさらに含み、
前記作動部材は、前記少なくとも第4の位置へ前記均一化部材を配置するために、前記バルブステムと係合する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記均一化部材は、前記流出ポートを通る増加した流体の流れを可能にする、第5の位置に移動可能である、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記作動部材は、
圧力源と流体連通する第1のチャンバと、
大気圧と流体連通する第2のチャンバとの間に配置されたピストンを有する筐体であって、前記第1のチャンバ内の増加した圧力は前記ピストンを第6の位置に移動させ、前記第1のチャンバ内の低下した圧力は前記ピストンを第7の位置の位置に移動させる、筐体と、
前記第6の位置において、前記ピストンが、前記均一化部材を前記少なくとも第4の位置に移動させるように、前記アクチュエータステムの第1の端部において前記ピストンに結合され、かつ、前記アクチュエータステムの第2の端部において前記バルブステムに動作可能に結合されたアクチュエータステムと、
を備える、内部空気圧式アクチュエータを備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記ピストンが前記第7の位置にある場合に、前記均一化部材を前記少なくとも第3の位置に移動させるために、付勢要素をさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記作動部材は、前記均一化部材を前記第5の位置に移動させるためのものである、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記流れ制御部材の前記第1の位置は前記バルブの開いた動作位置を含み、前記第2の位置は前記バルブの閉じた動作位置を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
流体制御装置であって、
第1の動作位置と第2の動作位置との間を移動可能な第1の流れ制御部材と、
バルブを前記第1の動作位置と前記第2の動作位置との間で移動させるために、前記バルブに取り外し可能に結合された作動機構であって、前記作動機構は、複数の作動機構から選択され、前記複数の機構から選択された第2の作動機構と交換可能であり、かつ、前記作動機構は、前記バルブの入口と出口の間の前記バルブの本体内に配置される、作動機構と、
を備える、流体制御装置。
【請求項14】
前記作動機構は、内部空気圧式アクチュエータを備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第2の作動機構は、カム機構を備える、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記第2の作動機構は、前記均一化部材を前記少なくとも第1の位置と第2の位置との間に位置付けるために、前記バルブステムと係合するように、カムに動作可能に結合されたハンドルを備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記カムは、前記均一化部材を第3の位置に移動させるためのものである、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
バルブであって、
第1の動作位置と第2の動作位置との間で前記バルブを操作するための手段と、
前記第1の動作位置と前記第2の動作位置との間で前記バルブを操作するための前記手段を作動させるために、前記バルブの両側の圧力差を均一化するための手段と、
前記圧力を均一化するための前記手段を位置付けるための手段であって、前記位置付けるための手段は、前記圧力を均一化するための前記手段を、少なくとも第3の位置と第4の位置との間に移動させるために、前記バルブの本体内に配置され、かつ、流体圧力に対応する、手段と、
を備える、バルブ。
【請求項19】
前記バルブの前記第1の動作位置は開いた位置を含み、前記第2の動作位置は閉じた位置を含む、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記第1の動作位置と第2の動作位置との間で、前記バルブを動作させるための前記手段は、前記バルブを通る流体の流れを制限し、かつ、前記バルブを通る前記流体の流れを可能にするためにバルブシートから離れた方向に移動するように、前記バルブの入口と出口との間の前記本体に結合された前記バルブシートと係合する、第1の流れ制御部材を含む、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記バルブの両側の前記圧力を均一化するための前記手段は、前記入口と前記出口との間の前記流体の流れを制限するように、前記第1の流れ制御部材と一体的に形成された流出ポートと係合するために、第2の流れ制御部材を含み、かつ、前記流出ポートを通る前記流体の流れを可能にするように前記流出ポートから離間される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記圧力を均一化するための前記手段を位置付けるための前記手段は、内部空気圧式アクチュエータを備え、前記内部空気圧式アクチュエータは、前記バルブの両側の前記圧力を均一化するために、前記流出ポートを通る前記流体の流れを可能にするために、前記流出ポートと離れるように前記第2の流れ制御部材を移動させるために、前記第2の流れ制御部材に動作可能に結合されたステムと係合する、請求項21に記載の装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2012−505359(P2012−505359A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531045(P2011−531045)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/054624
【国際公開番号】WO2010/042277
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(510279033)エマーソン プロセス マネージメント レギュレーター テクノロジーズ インコーポレイテッド (15)
【Fターム(参考)】