説明

受信装置及び、受信方式

【課題】 複数の送信源がランダムアクセスで同一のパルス位置変調方式を用いて信号を送信する場合に生じる干渉の問題を、簡単な構成かつ処理方法で解決可能な受信装置及び、受信方式を提供する。
【解決手段】 少なくともパルス位置変調方式で変調されたパルス系列信号を同期検波して得られた検波信号に対して、当該パルス系列信号をオン・オフキーイングで送信されたパルス列として観測し、該オン・オフキーイングの時間間隔と該オン・オフ値で特徴付けられるトレリス状態遷移を使用した最尤系列推定法を適用することにより、受信したパルス列のオン・オフ値を決定するパルスデコード手段19と、パルス列に対しパルス位置変調方式で送信した情報データをデコードするデータデコード手段20と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルス位置変調方式を用いて送信されるパルス系列信号を受信するための受信装置及び、受信方式に関する。
【背景技術】
【0002】
航空管制用二次レーダ(SSR:Secondary Surveilliance Radar)モードSは、機上トランスポンダと受信局間にて、1対1でデータをやり取りできるレーダである。ここで使用される信号には、各種の質問信号や応答信号の他、機上のトランスポンダ、機上の位置情報や速度などの情報をランダムアクセスで放送するための拡張スキッタと呼ばれる信号がある。
【0003】
拡張スキッタ信号は、ランダムアクセスで使用されるという特性上、他機が送信するモードS信号に対する非同期混信妨害(FRUIT:False Replies Unsynchronized to Interrogator Transmission)となる。
【0004】
FRUITが生じた場合の解決技術として非特許文献1においては、受信信号の包絡線からパルスの重なりを推定し、パルスの値を判定する方法、また異なる送信源から同一周波数の搬送波で送信された信号の周波数誤差に着目してパルスを分離する方法が開示されている。また、振幅の違いに着目する方法として、立ち上がりエッジを検出し、パルスのレベルに応じてパルスがオン(ビットの値として’1’)であるのか、オフ(ビットの値として’0’)であるのかを判断する技術が開示されている。
【0005】
また、非特許文献2にかかる方法では、アレー信号処理を使って、信号の到来方向の推定精度を高めることで、パルスを分離する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】ANALISYS OF SSR SIGNALS BY SUPER RESOLUTION ALGORITHMS,GASPARE GALATI,SIMONE BARTOLINI,LUCA MENE;SIGNAL PROCESSING AND INFORMATION TECHNOLOGY,2004. PROCEEDINGS OF THE FOURTH IEEE INTERNATIONAL SYMPOSIUM
【非特許文献2】1090MHZ CHANNEL CAPACITY IMPROVEMENT IN THEAIR TRAFFIC CONTROL CONTEXT,G.GLALATI,E.G.PIRACCI,N.PETROCHILOS,F.FIORI;PROCEEDINGS OF ESAV’08-SEPTEMVER 3-5-CAPRI,ITALY
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、非特許文献1の受信信号の包絡線にかかる方法では、スレッショルドや条件判断要素が多く、処理が複雑となる問題がある。また、周波数の違いに着目する方法では、各パルスの搬送波周波数に大きな誤差がないとあまり効果が得られない問題がある。
【0008】
また、非特許文献2にかかる方法では、複数のアレー素子が必要となり、さらに送信源と各アレー間の伝搬路情報の計算が必要となるなど処理や装置が複雑化する問題がある。また、分解能を超える干渉には対応できない問題がある。
【0009】
本発明は上記したような従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、複数の送信源がランダムアクセスで同一のパルス位置変調方式を用いて信号を送信する場合に生じる干渉の問題を、簡単な構成かつ処理方法で解決可能な受信装置及び、受信方式を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、受信装置は、少なくともパルス位置変調方式で変調されたパルス系列信号を同期検波方法により得られた検波信号に対して、当該パルス系列信号をオン・オフキーイングで送信されたパルス列として観測し、該オン・オフキーイングの時間間隔と該オン・オフ値で特徴付けられるトレリス状態遷移を使用した最尤系列推定法を適用することにより、受信したパルス列のオン・オフ値を決定するパルスデコード手段と、パルス列に対しパルス位置変調方式で送信した情報データをデコードするデータデコード手段と、を備える。
【0011】
また、受信方式は、少なくともパルス位置変調方式で変調されたパルス系列信号を同期検波により得られた検波信号に対して、当該パルス系列信号をオン・オフキーイングで送信されたパルス列として観測し、該オン・オフキーイングの時間間隔と該オン・オフ値で特徴付けられるトレリス状態遷移を使用した最尤系列推定法を適用することにより、受信した前記パルス列のオン・オフ値を決定するパルスデコード手順と、前記パルス列に対しパルス位置変調方式で送信した情報データをデコードするデータデコード手順と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に依れば、パルス系列信号をオン・オフキーイングで送信されたパルス列として観測することで、該オン・オフキーイングの時間間隔と該オン・オフ値で特徴付けられるトレリス状態遷移を使用した最尤系列推定法を適用することが可能となり、受信したパルス列のオン・オフ値を決定した後に、パルス位置変調によるデータをデコードするために、受信信号の包絡線に関わる条件判断などの処理を入れることなく、また異なる送信源からの信号の搬送波周波数の誤差の大小に依存することのなく、簡単な構成、かつ、処理方法で、信号間に干渉が発生した場合でもデータを復号できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態の説明に適用される受信装置のブロック図である。
【図2】第1の実施形態にかかるサンプリング回路の詳細ブロック図である。
【図3】第1の実施形態にかかるプリアンブル回路の詳細ブロック図である。
【図4】第1の実施形態にかかる伝搬路情報生成回路の詳細ブロック図である。
【図5】第1の実施形態にかかるデコーダ回路の詳細ブロック図である。
【図6】第1の実施形態にかかるタイミングチャートを示す図で、(a)はSSRモードのフォーマットのタイミングチャート、(b)はデータ転送例としてのデータデコード列のタイミングチャート、(c)はオン・オフキーイングとして見た場合のパルスデコード列のタイミングチャートである。
【図7】第1の実施形態にかかるタイミングチャートを示す図で、(a)はパルス系列U1のタイミングチャート、(b)はパルス系列U2のタイミングチャート、(c)はサンプリング回路における相関部の起動タイミング、(d)はサンプリング回路におけるカウンタの起動タイミング、(e)はプリアンブル同期回路における起動タイミング、(f)はサンプル値メモリ回路の起動タイミングである。
【図8】第1の実施形態にかかるタイミングチャートを示す図で、(a)は3つのパルス系列の到着タイミング、(b)はサンプル値メモリ回路の動作タイミング、(c)は伝搬路情報生成回路の動作タイミング、(d)はパルスデコード回路の動作タイミングである。
【図9】第1の実施形態にかかるパルスデコード回路におけるトレリス状態を説明する図で、(a)は2つの干渉し合うパルス系列の各チップ値及び状態数、(b)は2つのパルス系列が時間的に重なるチップ値を利用してできる4つの状態を持つトレリス状態遷移を示している。
【図10】第1の実施形態にかかるパルスデコード回路及びデータデコード回路の手順を説明するフローチャートである。
【図11】第1の実施形態にかかるパルス系列U1とU2とにおけるパルスデコード結果であるパルスオン・オフ値及びデータデコード結果を示す図である。
【図12】第1の実施形態にかかるビット区間内に1チップのみパルスを送信するタイプの多値パルス位置変調方式の拡張方法を例示する図で、(a)は1チップで1ビット送信する場合、(b)は1チップで2ビット送信する場合、(c)は1チップで3ビット送信する場合の図である。
【図13】第2の実施の形態にかかる複数の受信局を用いたシステムのブロック図である。
【図14】第2の実施の形態にかかる中央処理局のブロック図である。
【図15】第2の実施の形態にかかる中央処理局の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、パルス位置変調方式を用いて複数送信源がランダムアクセスでパルス系列信号を送信する環境において、信号間に干渉が発生した場合における受信信号の復号方法についての受信装置及び受信方式に関する。
【0015】
本発明では、受信信号に対して同期検波を行って得られる伝搬路情報を利用して、受信パルス系列信号のレプリカを作成する。一方、各送信源から送信されるパルス系列をオン・オフキーイングによるパルス列とみなし、各送信源のパルス列のオン・オフ値を状態としたトレリス状態遷移を考える。そして、受信信号のレプリカと受信信号の測定値との二乗誤差をメトリックとして、最尤系列推定の手法を用いてパルス列の推定を行い、各送信源からの情報を同時にデコードする。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態にかかる受信装置のブロック図である。受信装置2は、RF処理回路12、同期検波回路13、AD変換回路14、サンプリング回路15、プリアンブル同期回路16、サンプル値メモリ回路17、伝搬路情報生成回路18、パルスデコード回路19、データデコード回路20を備える。そして、送信源からのパルス系列がアンテナ11で受信されて、当該受信装置2で処理される。
【0016】
RF処理回路12は、アンテナ11で受信された信号に対して増幅、ダウンコンバート、帯域制限フィルタリング等を行う。同期検波回路13は、受信信号を同期検波して得られる複素信号(IQ信号)を出力する。AD変換回路14には、同期検波回路13からの信号が入力されて、この信号を高速の周波数(以下、ADタイミングと呼ぶ)でサンプリングし、サンプル値として出力する。
【0017】
サンプリング回路15にはAD変換回路14からのサンプル値が入力されて、パルスのオン・オフを決定するタイミングであるサンプリングタイミング(以下、パルスタイミングと呼ぶ)を生成し、このパルスタイミングにおけるサンプル値が出力される。
【0018】
プリアンブル同期回路16には、サンプリング回路15からのサンプル値が入力されて、既知のパルス列プリアンブルとの相関を取る。得た相関値の絶対値もしくは2乗値をモニターすることでパルス系列(パルスの列によるプリアンブルとデータで構成されるパケット)の同期を確立させ、パルス系列の開始タイミングを出力する。
【0019】
サンプル値メモリ回路17にはサンプリング回路15からサンプル値が入力されると共に、プリアンブル同期回路16から開始タイミングが入力され、開始タイミングに基づきサンプル値及び開始タイミングを出力する。
【0020】
伝搬路情報生成回路18にはサンプリング回路15からサンプル値及びその開始タイミングが入力され、パルスの搬送波振幅や位相である伝搬路情報を生成して、出力する。
【0021】
パルスデコード回路19には、サンプリング回路15からサンプル値が、また伝搬路情報生成回路18から伝搬路情報が入力され、受信信号をパルスデコードし、パルスデコード結果としてパルス列を出力する。
【0022】
データデコード回路20は、パルスデコード回路19からのパルスデコード結果を入力として、パルス位置変調により送信されたデータをデコードして出力する。
【0023】
次に、サンプリング回路15の詳細構成を説明する。図2は、サンプリング回路15のブロック図である。サンプリング回路15は、相関部15a、ピーク値検出部15b、カウンタ15dを含むADサンプルメモリ部15cを備える。
【0024】
相関部15aは、AD変換回路14からADタイミングで入力される複素数のサンプル値r(t)と複素数の既知波形値信号(a0,a1,…,aNs−1)との相関値Rs(t)を式1に従い算出する。なお、既知波形値信号(a0,a1,…,aNs−1)は予め設定された既知のパルス波形信号をADタイミングでサンプリングして得られた信号である。


【0025】
ここで、NsはAD変換回路14のサンプリング周波数と1パルス時間幅とにより決定される整数である。また、r(t)はサンプル値r(t)の複素共役を示している。以下、複素共役を示す場合には、同様に上付きの「*」で示す。この相関値Rs(t)は、ピーク値検出部15bに出力される。
【0026】
ピーク値検出部15bは相関部15aからの出力値の二乗値もしくは絶対値をモニターし、ピーク値を検出したところでタイミング信号を出力する。
【0027】
ADサンプルメモリ部15cは、AD変換回路14からADタイミングで入力されたサンプル値r(t)を記憶して、ピーク検出部15bからタイミング信号が入力されると、このタイミング信号に基づいたパルスタイミングに相当するサンプル値r(t)を出力する。
【0028】
このとき、ADサンプルメモリ部15cは、パルス系列の先頭のパルスのみピーク検出部15bからのタイミング信号を利用し、その後は内部に有するカウンタ15dを使用してパルス時間幅、パルス送信間隔など予め定められている規定のパルスタイミングでサンプル値r(t)を出力する。
【0029】
次に、プリアンブル同期回路16について説明する。図3は、プリアンブル同期回路16のブロック図である。プリアンブル同期回路16は、相関部16a、ピーク値検出部16bを備える。
【0030】
相関部16aは、サンプリング回路15からパルスタイミングごとにサンプル値r(t)が入力して、予め規定されているプリアンブル系列(P0,P1,…,PNP-1)(複素数)との相関値R(t)を式2に従い計算する。ただし、|P|=0,1(i=0,1,…,Np−1)。Npはプリアンブル系列長を示す。


【0031】
このPはオン・オフキーイングによりパルスの振幅に情報が重畳されており、さらにパルスがオンの場合、パルスに位相シフトキーイングで情報が重畳されているパルスの等価低域信号Ainf0・ejθinf0で与えられる複素数(以下、プリアンブルのみでなく、同様の変調がなされているデータ部分のパルスも含めて、この形式で示される値をパルスのシンボル値と称す)を示す。Ainf0は1か0の値でパルスのオン・オフを示し、θinf0は情報による位相シフト量、jは虚数単位を示している。
【0032】
次に、伝搬路情報生成回路18を説明する。図4は、伝搬路情報生成回路18のブロック図である。伝搬路情報生成回路18は、レプリカ演算部18a、誤差演算部18b、伝搬路情報演算部18c及びレジスタ18dを備える。なお、この伝搬路情報生成回路18はLMS(Least Mean Square)フィルタを基に構成され、2つの送信源からのパルス系列が干渉しあっている場合を例に説明する。送信源0、1が送信するシンボル値をS0(t)、S1(t)、また送信源0,1と受信装置間の伝搬路情報推定値をそれぞれh_est_0(t)、h_est_1(t)(複素数)とする。
【0033】
レプリカ演算部18aは、パルスのシンボル値(ここではシンボル値の候補値となる)S0(t)、S1(t)(ただし、|S0(t)|=|S1(t)|=0,1)及び伝搬路情報推定値h_est_0(t)、h_est_1(t)(複素数)を用いて、受信信号のレプリカr_est(t)を式3に従い計算する。シンボル候補値、伝搬路情報推定値に付されたインデックス0,1は送信源を示す。


【0034】
なお、候補値S0(t)、S1(t)に対する値として既知の系列がレジスタ18dに格納されている。
【0035】
誤差演算部18b、サンプリング回路15から入力される受信信号のサンプル値r(t)とレプリカ演算部18aから入力される受信信号のレプリカr_est(t)との誤差eを式4に従い計算する。


【0036】
伝搬路情報演算部18cには誤差演算部18bからの出力である誤差e、設定パラメータである定数k、パルスのシンボル候補値S0(t)、S1(t)が入力される。そして、式5に従い推定値h_est_0(t)、h_est_1(t)を逐次算出する。


【0037】
プリアンブル同期回路16により、各送信源からのプリアンブル系列のシンボル受信時刻tがわかるため、受信信号のサンプル値r(t)とタイミングをあわせながらS0(t)、S1(t)にプリアンブル系列のシンボル値であるP0,P1,…,PNP-1をそれぞれのタイミングで入力し、プリアンブル系列が終了するまで伝搬路情報の演算が行われる。
【0038】
次に、パルスデコード回路19を説明する。図5は、パルスデコード回路19のブロック図である。パルスデコード回路19は、レプリカ生成部19a、ブランチメトリック生成部19b、パスメトリック候補生成部19c、パスメトリック選択部19d、パスメモリ部19eを備える。
【0039】
そして、パルスデコード回路19は、最尤系列推定(MLSE:Maximum−Likelihood Sequence Estimation)を基に構成され、2つの送信源から送信されるパルスのシンボル候補値S0(t)、S1(t)の値を状態としたトレリス状態遷移に対して、ビタビアルゴリズムで特定した最尤パスに基づいて2つの送信源から送信されたパルス列をデコードする。
【0040】
トレリス状態遷移図の状態数は、1パルスで伝送可能な最大情報ビット数によって決定される。例えば、オン・オフキーイングに加え、オンのパルスにBPSK変調が重畳されていた場合、1パルスで2ビットの情報ビット数となるため、シンボル候補値S0(t)、S1(t)はそれぞれ{00,01,10,11}の4通りの状態を持つことになる。
【0041】
したがって、2つの送信源のそれぞれの状態を考慮すると、トレリス状態遷移図の状態数は4×4=16状態となる。以下、説明を簡単にするため、パルスにはオン・オフキーイングによる情報のみが重畳されているものとし(S0(t)、S1(t)はそれぞれ0、1の値を取る)、トレリス状態遷移図の状態数は2×2=4の場合について示す。
【0042】
レプリカ生成部19aには、着目している状態x(S0(t)S1(t)={00,01,10,11})におけるパルスの値S0(x,t)、S1(x,t)に対して、伝搬路情報生成回路18からの推定値h_est_0(t)、h_est_1(t)が入力されて、式6に従いサンプル値r(t)のレプリカr_est(x、t)を計算する。


【0043】
ブランチメトリック生成部19bは、受信信号のサンプル値r(t)と、そのレプリカr_est(x、t)を用いて、二乗誤差に相当するブランチメトリックを式7に従い計算する。


【0044】
パスメトリック候補生成部19cは、式8に従い、ビタビアルゴリズムのACS(ADD、COMPARE、SELECT)のうちのADDに相当する処理を行いパスメトリックの候補を生成する。


【0045】
パスメトリック選択部19dは、式9に従いCOMPARE、SELECTに相当する処理を行い、パスメトリックの複数候補を比較し、もっとも小さな値を持つ1つのパスメトリックを選択する。


【0046】
パスメモリ部19eは、時刻tにおける各状態xにおける1時点前の状態をメモリし、かつ、着目するパルス列の最終時刻のタイミングでS_est(t)をパルスデコード結果として出力する。
【0047】
以下、本発明の実施形態における動作をパルス位置変調方式が使用される航空管制用2次監視レーダ(SSR:SecondarySurveillianceRadar)モードSのフォーマットを使用して説明する。
【0048】
図6(a)はSSRモードのフォーマットのタイミングチャート、図6(b)はデータ転送例としてのデータデコード列のタイミングチャート、図6(c)はオン・オフキーイングとして見た場合のパルスデコード列のタイミングチャートを示している。
【0049】
図6(a)に示されるように、SSRモードSのパルス列は、プリアンブル部とデータ部とに分けられる。プリアンブル部では0.5マイクロ秒(以降、μsと示す)時間幅のパルスが、図6(a)に示される時間間隔で4つ送信される。4つ目のパルスの後、8μs後からパルス位置変調方式によるデータ部が始まる。図6(b)に示すように、データ部においても0.5μsのパルスが使用されるが、1μsのBit時間区間を半分に分割し、情報ビット1を送信する場合は前半0.5μsに、情報ビット0を送信する場合は後半0.5μsにパルスを送信する。
【0050】
データ部、プリアンブル部ともにパルス時間幅とパルス送信間隔は全て0.5μsの倍数となっており、見方を変えると本パルス送信系列は0.5μsのオン・オフキーイングと見ることができる。この場合のチップ(以下、パルス位置変調のビットと区別するためチップと呼ぶ)は、図6(c)に示すように、プリアンブル部は16チップ、データ部(56パルスの場合)は112チップで全128チップとなる。
【0051】
以下において、2つ送信源からのパルス系列U1,U2が干渉し合う場合を例に説明する。図7(a)、図7(b)は、パルス系列U1、U2のタイミングチャートを示し、パルス系列U1の3チップ時間後にパルス系列U2が到着している。
【0052】
また図7(c)〜図7(f)は、パルス系列U1、U2におけるデータのデコードを行う際のサンプリング回路15の相関部15a及びカウンタ15d、プリアンブル同期回路16、サンプル値メモリ回路17の起動タイミングを例示した図である。
【0053】
サンプリング回路15の相関部15aでパルス系列U1の1番目のチップが検知され、さらにそのパルスタイミングが特定される。その後、サンプリング回路15はカウンタ15dを用いてパルス系列U1の2番目以降のチップのタイミング(パルスタイミング)を計算する。そして、パルスタイミングごとにそのタイミング時刻tに相当する受信信号のサンプル値r(t)が出力される。これらはプリアンブル同期回路16、サンプル値メモリ回路17に入力される。
【0054】
プリアンブル同期回路16では、受信信号r(t)とプリアンブルとの相関値が算出され、その相関値のピーク値の絶対値もしくは2乗値がモニターされる。プリアンブル同期回路16は、パルス系列U2のデータが終了するまで起動し続け、時間内に発生した他送信源からの開始タイミングを検出する。検出された開始タイミングは、サンプル値メモリ回路17に出力される。
【0055】
3つのパルス系列U1、U2、U3を受信した場合を例に、伝搬路情報生成回路18、パルスデコード回路19及びデータデコード回路20の動作を説明する。図8(a)は、3つのパルス系列の到着タイミングを示している。また、図8(b)はサンプル値メモリ回路17、図8(c)は伝搬路情報生成回路18、図8(d)はパルスデコード回路19の動作タイミングを示している。
【0056】
図8(b)は、サンプル値メモリ回路17にパルス系列U1、U2、U3のデータが入力された場合の伝搬路情報回路18とパルスデコード回路19の動作を示す。伝搬路情報生成回路18にパルスシンボル値、開始タイミングが時刻順に入力され、伝搬路情報の生成が行なわれる。上述した式5は、重なるパルス系列が2つの場合を示している。
【0057】
しかし、パルス系列U1、U2、U3からのデータの重なり方によってパルス系列数は1、2、3と変わり、パルス系列数の変化に応じて伝搬路情報の数も変わる。このため、伝搬路情報数が変化すると、推定値hの数を変えて計算が行われる。なお、サンプル値メモリ回路17にパルスシンボル値、開始タイミングのデータが入力された後の処理は、リアルタイムでなくてもよい。
【0058】
伝搬路情報生成回路18によって伝搬路情報値が確定した後、データデコード回路20が起動され、プリアンブル以下のパルスデコードが開始される。図8(b)に示すようにパルスデコーダ回路におけるトレリス状態数はパルス系列に応じて2、4、8と変化する。
【0059】
データデコード回路20の動作を説明するために、2つの干渉し合うパルス系列の各チップ値の例を状態x(S01={00,10,11,01})が4つの場合について、図9を参照して説明する。図9(a)は、2つの干渉し合うパルス系列の各チップ値及び状態を示している。図9(b)は、2つのパルス系列が時間的に重なるチップ値を利用してできる4つの状態を持つトレリス状態遷移を示している。
【0060】
このトレリスに対して、ビタビアルゴリズムを使って最尤パスを推定しパルス値をパルスデコードする。状態遷移図内の太点線の状態遷移は、図9(a)に示す状態に対応したトレリス状態遷移を示しているが、ビタビアルゴリズムの目的はトレリス内の多数ある状態遷移の中から、この太点線を探すことにある。ビタビアルゴリズムに基づいた最尤系列推定の手順を図10のフローチャートを参照して説明する。
【0061】
ステップSA1: レプリカ生成部19aは、時刻tの各状態xに対し、伝搬路情報値を使って受信信号のレプリカr_est(x,t)を式10に従い作成する。


【0062】
ただし、S0(x,t)、S1(x,t)は、それぞれ時刻t状態xにおけるパルス系列U1、U2に対するビット値(0,1)を示す。また、ここではパルス系列U1、U2に対する伝搬路情報値h_est_0、h_est_1はデータデコード前に確定しており、かつ、データ終了まで不変とするために時刻tが省略されている。
【0063】
ステップSA2:ブランチメトリック生成部19bは、時刻tの各状態xに対し、レプリカ生成部19aで作成した受信信号のレプリカr_est(x,t)及び受信信号のサンプル値r(t)を用いて、ブランチメトリックM(x,t)を式11に従い作成する。


【0064】
ステップSA3: パスメトリック候補生成部19cは、時刻tの各状態xに対し、1チップ前の時刻t−1のパスメトリックM(j,t−1)を利用して、状態遷移後の状態xに対するパスメトリック候補M(x←j,t)を式12に従い作成する。jは遷移前t−1における状態を示す。


【0065】
ステップSA4: パスメトリック選択部19dは、時刻tの各状態xにおいて、複数のM(x←j,t)から式13に従い最小値を選択し、時刻tにおけるパスメトリックM(x,t)として、選択されたM(x←j,t)の状態jをパスメモリ部19eに出力する。


【0066】
ステップSA5: そして、時刻t=t+1として、データの最終時刻に到達したか否かを判断して、達していない場合にはステップSA1に戻る。
【0067】
ステップSA6: パスメモリ部19eは、データの最終時刻tendにおいて、4つの状態xのパスメトリックM(x,tend)を比較し、最小値を持つ状態を選択する。選択された状態から時刻を遡りかつパスメモリにある状態をたどりながらパルスの値を出力していく(トレースバックと呼ばれる)。データの先頭時刻までたどって出力された1本の状態遷移のパスが最終選択パス(最尤パス)となる。パルスデコードしたパルス値をデータデコード回路へ出力する。
【0068】
ステップSA7: パルスデコード回路から入力されたパルス値に対して、情報ビットをデータデコードする。図11にパルス系列U1とU2とにおけるパルスオン・オフ値及びデータデコード結果の関係を示す。図11に示すように、パルス系列U1とU2とではパルス位置変調方式によるビット時刻が一致しない場合がある。そのタイミングの違いに留意しながらパルス系列U1、U2の情報ビットのデータデコードを行い、処理は終了する。
【0069】
さらに、最尤系列推定で用いるパスメトリックの増減を観測することでパルス系列長が推定できるため、パルス系列長の違い(データ部の長さのみが異なる場合)を意識せずにデコードができる。
【0070】
なお、上記説明では、同一のパルス位置変調で変調されたパルス系列の重なりが2で、1パルスの情報ビット数が1の場合について示したが、重なりが3以上の場合にも、1パルスの情報ビット数T、重なり数Nに従い、トレリスの状態数を2TNと増やすことで拡張が可能である。
【0071】
2値のパルス位置変調方式の場合を示したが、図12(a)〜(c)に示すようにビット区間内に1チップのみパルスを送信するタイプの多値パルス位置変調方式の場合に拡張が可能である。図12(a)は、これまで説明した1ビット区間内を2つに分割した場合、図12(b)は4つに分割した場合、図12(c)は8つに分割した場合における多値パルス位置変調方式を示している。このような多値パルス位置変調方式でも、上述した方法が適用できる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
【0072】
SSRモードSを用いたシステムでは、複数の地上の受信局がネットワークを介して接続されて、各受信局が機上トランスポンダからのパルス系列を受信することがある。なお、以下の説明では、パルス変調はオン・オフキーイングのみが行われているとする。
【0073】
図13は、SSRモードSを用いたシステムの図である。パルス系列を送信する機上トランスポンダからパルス系列U1、パルス系列U2、パルス系列U3を受信局B1〜B3が受信し、さらに各受信局B1〜B3から情報を中央処理局30が収集する。
【0074】
受信局B1〜B3は、第1の実施形態において説明した受信装置2を搭載する。図14は、中央処理局30のブロック図である。中央処理局30は、メモリ部31,演算比較回路32を含む。
【0075】
メモリ部31は、各受信局B1〜B3から送信される情報を記憶する。演算比較回路32は、記憶した情報を用いて演算、比較を行い、トランスポンダU1〜U3が送信した情報を出力する。この中央処理局30は、以下のような演算・比較処理を行う。この処理を図15に示すフローチャートに従い説明する。
【0076】
ステップSB1: 受信局B1〜B3の受信装置2で受信信号に対する処理が行われる。この処理としては、パルスデコード結果を出力する処理やデータデコード結果を出力するが例示できる。
【0077】
ステップSB2: 中央処理局30は、受信局B1〜B3からの処理結果を受信する。
【0078】
ステップSB3: 中央処理局30は、受信局B1〜B3からの処理結果を用いて、パルス系列U1、パルス系列U2、パルス系列U3の送信情報を決定する。この送信情報の決定方法の例として、各受信局B1〜B3からの処理結果がデータデコード(ビット値)の場合には、それぞれのデータデコードに対して多数決を取る方法がある。また、各受信局B1〜B3からの処理結果がパルスデコードの場合には、パルスオン・オフ値に対して多数決を取った後に、ビット値を決定する方法がある。また、各受信局B1〜B3における受信レベルや希望信号対干渉信号比(S/I)を用いて各受信局B1〜B3からの情報に信頼性を示す情報を付加した結果を得る方法がある。
【0079】
パルス系列U1が、時刻t=0及びt=1に送信したパルスオン・オフ値に対するデコード値をSU1(0)、SU1(1)とし、これら2パルスで1ビットD1が構成されるものとする。また、中央処理局30でデコードした最終結果をS_est_U1(0)、S_est_U1(1)とする。表1に示すような各受信局B1〜B3からの処理結果(デコード結果)が中央処理局30に集まったとする。


【0080】
この場合に中央処理局30が、以下の(1)〜(4)の方法により上述した多数決法を用いてデータデコード結果のビットD1の値を決定する。無論、この方法は例示である。なお、ここでは受信局B2からのパルスオン・オフ値のみがデコードを間違えて逆になっているものとしている。
(1)各受信局B1〜B3からのデータデコード結果に対して多数決方法を適用する場合
この場合は、各受信局B1〜B3からのデータデコード結果(1,0,1)に対して多数決関数majを適用してビットD1を求める。この場合、「1」が多数であるので、ビットD1は、D1=maj(1,0,1)=1となる。
(2)各受信局B1〜B3からのパルスオン・オフ値のパルスデコード結果に対して多数決方法を適用する場合
この場合は、各受信局B1〜B3からの処理結果はパルスデコード結果である。中央処理局30は、各パルスデコード結果に対して多数決関数を適用する。この多数決関数の結果をSU1(0)、SU1(1)とする。パルスデコード結果が、(1,0,1)、(0,1,0)の場合、SU1(0)=maj(1,0,1)=1、SU1(1)=maj(0,1,0)=0となる。従って、ビットD1は、D1=1となる。
(3)各受信局B1〜B3における希望波信号のレベルを考慮する場合
この場合はパルスのオン・オフ値を用いた方法のみとなる。各受信局B1〜B3からのパルスオン・オフ値に対して、式14、式15に従いレベルhで重み付け加算したMSU1(0)、MSU1(1)を算出する。




【0081】
ただし、S_est_U1_Bj(0)は受信局Bj(j=1,2,3)からのパルスデコード結果を示す。
【0082】
そして、MSU1(0)、MSU1(1)が「0」以上のときはパルスオン・オフ値を「1」とし、「0」未満のときは「0」とする。
【0083】
次に、MSU1(0)、MSU1(1)の値に応じて、パルスオン・オフ値S_est_U1(0)、S_est_U1(1)を決定する。即ち、MSU1(0)≧0のときは、S_est_U1(0)=1とし、MSU1(0)<0のときは、S_est_U1(0)=0とする。
【0084】
また、MSU1(1)≧0のときは、S_est_U1(1)=1とし、MSU1(1)<0のときは、S_est_U1(1)=0とする。
【0085】
このようにして決定されたS_est_U1(0)、S_est_U1(1)から情報ビットD1を決定する。即ち、(S_est_U1(0)、S_est_U1(1))=(1,0)のときは、情報ビットD1を「1」と決定する。また、(S_est_U1(0)、S_est_U1(1))=(1,0)のときは、情報ビットD1を「0」と決定する。
(4)各基地局の希望信号対干渉信号Iの比を考慮する場合
上述した(3)の方法における各受信局に対するレベルhを下記の式9〜式11で置き換えて、(3)の方法を適用する。
【0086】
B1:=hB1*(|hB12/|IB12) … (16)
B2:=hB2*(|hB22/|IB22) … (17)
B3:=hB3*(|hB32/|IB32) … (18)
ただし、Iは各受信局B1〜B3における希望信号に対する干渉信号全体のレベル値とする。ここで、「:=」は右辺の値を左辺に置き換えることを意味する。
【符号の説明】
【0087】
2 受信装置
11 アンテナ
13 同期検波回路
15 サンプリング回路
15a 相関部
15b ピーク値検出部
15b ピーク検出部
15c ADサンプルメモリ部
15d カウンタ
16 プリアンブル同期回路
16a 相関部
16b ピーク値検出部
17 サンプル値メモリ回路
18 伝搬路情報生成回路
18a レプリカ演算部
18b 誤差演算部
18c 伝搬路情報演算部
18d レジスタ
19 パルスデコード回路
19a レプリカ生成部
19b ブランチメトリック生成部
19c パスメトリック候補生成部
19d パスメトリック選択部
19e パスメモリ部
20 データデコード回路
30 中央処理局
31 メモリ部
32 演算比較回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともパルス位置変調方式で変調されたパルス系列信号を同期検波して得られた検波信号に対して、当該パルス系列信号をオン・オフキーイングで送信されたパルス列として観測し、該オン・オフキーイングの時間間隔と該オン・オフ値で特徴付けられるトレリス状態遷移を使用した最尤系列推定法を適用することにより、受信した前記パルス列のオン・オフ値を決定するパルスデコード手段と、
前記パルス列に対しパルス位置変調方式で送信した情報データをデコードするデータデコード手段と、を含むことを特徴とする受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の受信装置であって、
少なくともN個(Nは1以上の整数)以上の送信源から送信される前記パルス系列信号を受信した場合には、2のN乗個の状態を持つ前記トレリス状態遷移に対して復号処理する手段を含むことを特徴とする受信装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の受信装置であって、
前記パルス系列信号が、既知のパルス列であるプリアンブルを含む場合に、前記パルス系列信号と前記プリアンブルのパルス列との相関値を算出する相関値算出手段と、
算出された前記相関値のピーク値に基づいて前記パルス系列信号の受信タイミングを算出するタイミング算出手段と、を含み、
前記パルスデコード手段が、前記タイミング信号を用いて前記パルス列のオン・オフ値を決定することを特徴とする受信装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の受信装置であって、
前記パルスデコード手段は、受信した前記パルス系列信号が前記パルス位置変調方式に加えパルス位相変調方式により変調されている信号の場合に、当該パルス系列信号に対して、パルス位置変調によるパルスのオン・オフ値と位相変調による位相情報とにより特徴付けられる複素シンボル値を用いて、パルス位置変調によるパルスのオン・オフ値と位相変調による情報とにより特徴付けられるトレリス状態遷移に対してパルスデコード処理を行うことを特徴とする受信装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の受信装置であって、
前記プリアンブルを含む前記パルス系列信号は、航空管制用2次レーダのモードSで規定された信号であることを特徴とする受信装置。
【請求項6】
少なくともパルス位置変調方式で変調されたパルス系列信号を同期検波して得られた検波信号に対して、当該パルス系列信号をオン・オフキーイングで送信されたパルス列として観測し、該オン・オフキーイングの時間間隔と該オン・オフ値で特徴付けられるトレリス状態遷移を使用した最尤系列推定法を適用することにより、受信した前記パルス列のオン・オフ値を決定するパルスデコード手順と、前記パルス列に対しパルス位置変調方式で送信した情報データをデコードするデータデコード手順と、を含むことを特徴とする受信方式。
【請求項7】
請求項6に記載の受信方式であって、
少なくともN個(Nは1以上の整数)以上の送信源から送信される前記パルス系列信号を受信した場合には、2のN乗個の状態を持つ前記トレリス状態遷移に対して復号処理する手順を含むことを特徴とする受信方式。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の受信方式であって、
前記パルス系列信号が、既知のパルス列であるプリアンブルを含む場合に、前記パルス系列信号と前記プリアンブルのパルス列との相関値を算出する相関値算出手順と、
算出された前記相関値のピーク値に基づいて前記パルス系列信号の受信タイミングを算出するタイミング算出手順と、を含み、
前記パルスデコード手順が、前記タイミング信号を用いて前記パルス列のオン・オフ値を決定することを特徴とする受信方式。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか1項に記載の受信方式であって、
前記パルスデコード手順は、受信した前記パルス系列信号が前記パルス位置変調方式に加えパルス位相変調方式により変調されている信号の場合に、当該パルス系列信号に対して、パルス位置変調によるパルスのオン・オフ値と位相変調による位相情報とにより特徴付けられる複素シンボル値を用いて、パルス位置変調によるパルスのオン・オフ値と位相変調による情報とにより特徴付けられるトレリス状態遷移に対してパルスデコード処理を行うことを特徴とする受信方式。
【請求項10】
請求項6乃至9のいずれか1項に記載の受信方式であって、
前記プリアンブルを含む前記パルス系列信号は、航空管制用2次レーダのモードSで規定された信号であることを特徴とする受信方式。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−204858(P2012−204858A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64548(P2011−64548)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】