説明

可変容量性チューナおよびフィードバック回路を有する物理的気相堆積

ペデスタル上に支持されたウエハにプラズマ処理を行うための装置および方法を提供する。本装置は、ウエハを支持することができるペデスタル、可変容量を有する可変コンデンサ、可変コンデンサのキャパシタンスを変える可変コンデンサに取り付けられたモータ、モータを回転させてモータに接続されたモータコントローラ、およびペデスタルに接続された可変コンデンサからの出力部を含むことができる。可変コンデンサの所望の状態は、プロセスコントローラにおける処理方策に関連づけられている。処理方策が実行されると、可変コンデンサは所望の状態に置かれる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
プラズマ処理は、例えば、集積回路、集積回路のフォトリソグラフィプロセスで使用するマスク、プラズマディスプレイ、およびソーラー技術の製造に用いられる。集積回路の製造において、半導体ウエハは、プラズマチャンバ内で処理される。この処理は、例えば、反応性イオンエッチ(RIE)処理、プラズマ化学気相堆積(PECVD)処理、またはプラズマ物理的気相堆積(PEPVD)処理でありうる。集積回路における最近の技術的進歩により、フィーチャサイズが32ナノメートル未満にまで縮小されている。さらなる縮小には、プラズマイオンエネルギースペクトル、プラズマイオンエネルギー半径方向分布(均一性)、プラズマイオン密度、およびプラズマイオン密度半径方向分布(均一性)を含む、ウエハ表面におけるプロセスパラメータ全体にわたってより精密な制御が必要とされる。加えて、同一設計のリアクタ間で、そうしたパラメータのよりよい一致が必要とされる。例えば、イオン密度は、ウエハ表面におけるイオン密度が、堆積速度および競合するエッチ速度を決定するため、PEPVD処理において重要である。ターゲット表面において、ターゲットの消費(スパッタリング)速度は、ターゲット表面におけるイオン密度およびターゲット表面におけるイオンエネルギーによって影響を受ける。
【0002】
ウエハ表面全体にわたるイオン密度半径方向分布およびイオンエネルギー半径方向分布は、スパッタリング周波数依存性電源のインピーダンスチューニングによって制御されうる。測定されたプロセスパラメータに基づいて、繰り返し可能なやり方でインピーダンス制御のために少なくとも1つのチューニングパラメータを設定する必要がある。
【発明の概要】
【0003】
プラズマリアクタは、半導体ウエハなどの加工物上で物理的気相堆積を行うために提供される。リアクタは、側壁および天井部を有するチャンバを備え、側壁はRFグラウンドに結合されている。
【0004】
加工物支持体は、天井部に面する支持体表面および支持体表面の下にあるバイアス電極を有するチャンバ内部に設けられる。スパッタターゲットは、スパッタターゲットに結合する周波数fのRFソース電源を有する天井部に設けられる。周波数fのRFバイアス電源は、バイアス電極に結合される。第1のマルチ周波数インピーダンスコントローラは、RFグラウンドと(a)バイアス電極および(b)スパッタターゲットのうちの1つとの間に結合され、このコントローラは第1の組の周波数において調節可能なインピーダンスを提供し、この第1の組の周波数が、阻止されるべき第1の組の周波数および許可されるべき第1の組の周波数を有する。第1のマルチ周波数インピーダンスコントローラは、並列に接続され、許可されるべき第1の組の周波数にチューニングされた一組のバンドパスフィルタ、および直列に接続され、阻止されるべき第1の組の周波数にチューニングされた一組のノッチフィルタを有する。
【0005】
一実施形態において、バンドパスフィルタは、直列に接続された誘導性および容量性の素子を備え、ノッチフィルタは、並列に接続された誘導性および容量性の素子を備える。バンドパスフィルタおよびノッチフィルタの容量性素子は、一実施形態によれば可変である。
【0006】
リアクタは、バイアス電極とRFグラウンドとの間に結合され、第2の組の周波数において調節可能なインピーダンスを提供する第2のマルチ周波数インピーダンスコントローラをさらに有することができ、第1の組の周波数が少なくとも電源周波数fを備える。第1の組の周波数は、一実施形態において、fの高調波、fの高調波、およびfとfの相互変調積を有する一組の周波数から選択される。
【0007】
本発明のさらなる態様によれば、プラズマ処理装置用の自動、モータ駆動、可変容量性チューナ回路が提供される。この回路は、所与の設定点(電圧、電流、位置などの)に対してウエハ上でイオンエネルギーをチューニングし適合させるために設けられたプロセッサ制御されるフィードバック回路を有することができ、これによって処理結果をチャンバ間で一致させることが可能となり、結果としてウエハ処理が改善される。
【0008】
本発明の別の態様によれば、側壁および天井部を有し、側壁がRFグラウンドに結合するチャンバと、天井部に面する支持体表面および支持体表面の下にあるバイアス電極を有するチャンバ内部の加工物支持体と、天井部にあるスパッタターゲットと、スパッタターゲットに結合する第1の周波数のRFソース電源、およびバイアス電極に結合する第2の周波数のRFバイアス電源と、RFグラウンドと(a)バイアス電極および(b)スパッタターゲットのうちの1つとの間に結合され、第1の組の周波数において少なくとも第1の調節可能なインピーダンスを提供するマルチ周波数インピーダンスコントローラであって、モータによって2つの状態のうちの少なくとも1つに配置することが可能な可変コンデンサを備え、可変コンデンサの少なくとも2つの状態が異なるキャパシタンスを有する、マルチ周波数インピーダンスコントローラとを備える物理的気相堆積プラズマリアクタが提供される。
【0009】
本発明のさらに別の態様によれば、マルチ周波数インピーダンスコントローラが、可変コンデンサと直列に接続される誘導性素子をさらに備える物理的気相堆積プラズマリアクタが提供される。
【0010】
本発明のさらに別の態様によれば、マルチ周波数インピーダンスコントローラが、可変コンデンサのモータを制御するためのプロセッサをさらに備える物理的気相堆積プラズマリアクタが提供される。
【0011】
本発明のさらに別の態様によれば、マルチ周波数インピーダンスコントローラが、可変コンデンサのモータを制御するための電流センサをさらに備える物理的気相堆積プラズマリアクタが提供される。
【0012】
本発明のさらに別の態様によれば、マルチ周波数インピーダンスコントローラが、可変コンデンサのモータを制御するための電圧センサをさらに備える物理的気相堆積プラズマリアクタが提供される。
【0013】
本発明のさらに別の態様によれば、可変コンデンサの状態が、プロセスコントローラ内の処理方策に関連づけられている物理的気相堆積プラズマリアクタが提供される。
【0014】
本発明のさらに別の態様によれば、可変コンデンサ用のハウジングをさらに備える物理的気相堆積プラズマリアクタが提供される。
【0015】
本発明のさらに別の態様によれば、可変コンデンサの出力部がハウジングに接続される物理的気相堆積プラズマリアクタが提供される。
【0016】
本発明のさらに別の態様によれば、ハウジングがグラウンドに接続される物理的気相堆積プラズマリアクタが提供される。
【0017】
本発明のさらに別の態様によれば、処理方策がチャンバ間のばらつきに対してチューニングされる共通の処理方策である物理的気相堆積プラズマリアクタが提供される。
【0018】
本発明のさらなる態様によれば、側壁および天井部を有し、側壁がRFグラウンドに結合し、材料堆積のためのプラズマを維持するチャンバと、天井部に面する支持体表面および支持体表面の下にあるバイアス電極を有するチャンバ内部の加工物支持体と、天井部にあるソース電力アプリケータと、ソース電力アプリケータに結合する第1の周波数のRFソース電源、およびバイアス電極に結合する第2の周波数のRFバイアス電源と、RFグラウンドとバイアス電極との間に結合され、第1の組の周波数において少なくとも第1の調節可能なインピーダンスを提供するマルチ周波数インピーダンスコントローラであって、モータによって2つの状態のうちの少なくとも1つに配置することが可能な可変コンデンサを備え、可変コンデンサの少なくとも2つの状態が異なるキャパシタンスを有する、マルチ周波数インピーダンスコントローラとを備えるプラズマリアクタが提供される。
【0019】
本発明のさらなる態様によれば、マルチ周波数インピーダンスコントローラが、可変コンデンサと直列に接続される誘導性素子をさらに備えるプラズマリアクタが提供される。
【0020】
本発明のさらなる態様によれば、マルチ周波数インピーダンスコントローラが、可変コンデンサのモータを制御するためのプロセッサをさらに備えるプラズマリアクタが提供される。
【0021】
本発明のさらなる態様によれば、マルチ周波数インピーダンスコントローラが、可変コンデンサのモータを制御するための電流センサをさらに備えるプラズマリアクタが提供される。
【0022】
本発明のさらなる態様によれば、マルチ周波数インピーダンスコントローラが、可変コンデンサのモータを制御するための電圧センサをさらに備えるプラズマリアクタが提供される。
【0023】
本発明のさらなる態様によれば、可変コンデンサの状態が、プロセスコントローラ内の処理方策に関連づけられているプラズマリアクタが提供される。
【0024】
本発明のさらなる態様によれば、可変コンデンサ用のハウジングをさらに備えるプラズマリアクタが提供される。
【0025】
本発明のさらなる態様によれば、可変コンデンサの出力部がハウジングに接続されるプラズマリアクタが提供される。
【0026】
本発明のさらなる態様によれば、ハウジングがグラウンドに接続されるプラズマリアクタが提供される。
【0027】
本発明のさらなる態様によれば、処理方策がチャンバ間のばらつきに対してチューニングされる共通の処理方策であるプラズマリアクタが提供される。
【0028】
本発明の例示的な実施形態が得られ、詳細に理解されうるように、上記で簡潔にまとめた本発明のより具体的な説明が添付図面に示す本発明の実施形態を参照してなされうる。ある一定のよく知られたプロセスは、本発明を曖昧にしないために本明細書では議論されないことを理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1の実施形態によるプラズマリアクタを示す図である。
【図2】図1のリアクタにおけるマルチ周波数インピーダンスコントローラの構成を示す図である。
【図3】図2のターゲットのマルチ周波数インピーダンスコントローラを実現する回路を示す図である。
【図4】図2のペデスタルのマルチ周波数インピーダンスコントローラを実現する回路を示す図である。
【図5】ターゲットおよびペデスタルのマルチ周波数インピーダンスコントローラの一実施形態を示す図である。
【図6】一実施形態による第1の方法を示すブロック図である。
【図7】図1のリアクタにおけるターゲットのマルチ周波数インピーダンスコントローラによって制御されるRFバイアス電力に対する様々なグラウンドリターン経路を示す図である。
【図8】図1のリアクタにおけるカソードのマルチ周波数インピーダンスコントローラによって制御されるRFソース電力に対する様々なグラウンドリターン経路を示す図である。
【図9】図1のリアクタにおけるマルチ周波数インピーダンスコントローラを調節することによって生成することのできる、ウエハまたはターゲット表面全体にわたるイオンエネルギーの様々な半径方向分布を示すグラフである。
【図10】図1のリアクタにおけるマルチ周波数インピーダンスコントローラを調節することによって生成することのできる、ウエハまたはターゲット表面全体にわたるイオン密度の様々な半径方向分布を示すグラフである。
【図11】一実施形態による別の方法を示すブロック図である。
【図12】本発明の一態様によるフィードバック回路を有する可変コンデンサチューニング回路を示す図である。
【図13】本発明のさらなる態様による選択可能な出力部を有する出力回路を示す図である。
【図14】可変コンデンサを制御するステッパモータの様々な位置に対する可変コンデンサの電圧出力および電流出力を示す図である。
【図15】本発明の様々な態様による可変容量性チューナを使用して50のウエハを処理した結果を示す図である。
【図16】本発明の様々な態様による可変容量性チューナを使用して50のウエハを処理した結果を示す図である。
【図17】本発明の様々な態様による可変容量性チューナを使用して50のウエハを処理した結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
理解を容易にするために、各図に共通の同一の要素を指定するため、可能な場合は同一の参照数値を使用した。一実施形態の要素および特徴は、さらなる説明なしに他の実施形態に都合よく組み込まれうることが意図されている。しかし、本発明は、他の等しく効果的な実施形態を許容しうるので、添付図面は、単に本発明の例示的な実施形態を示すに過ぎず、したがって本発明の範囲を限定していると考えられるべきではないことに留意されたい。
【0031】
一実施形態において、第1のマルチ周波数インピーダンスコントローラは、PVDリアクタのスパッタターゲットとRFグラウンドとの間に結合される。任意で、および追加で、第2のマルチ周波数インピーダンスコントローラが、ウエハサセプタまたはカソードとRFグラウンドとの間に結合される。
【0032】
(天井部またはスパッタターゲットに接続される)第1のマルチ周波数インピーダンスコントローラは、天井部(スパッタターゲット)を経由する対グラウンド間インピーダンスと側壁を経由する対グラウンド間インピーダンスの割合を支配する。低い周波数では、この割合は、ウエハ全体にわたるイオンエネルギーの半径方向分布に影響を与える。非常に高い周波数では、この割合は、ウエハ全体にわたるイオン密度の半径方向分布に影響を与える。
【0033】
(カソードまたはウエハサセプタに接続される)第2のマルチ周波数インピーダンスコントローラは、カソードを経由する対グラウンド間インピーダンスと側壁を経由する対グラウンド間インピーダンスの割合を支配する。低い周波数では、この割合は、天井部またはスパッタターゲット全体にわたるイオンエネルギーの半径方向分布に影響を与える。非常に高い周波数では、この割合は、天井部またはスパッタターゲット全体にわたるイオン密度の半径方向分布に影響を与える。
【0034】
各マルチ周波数インピーダンスコントローラは、例えば、バイアス電力周波数の高調波、ソース電力周波数の高調波、ソース電力周波数とバイス電力周波数の相互変調積、およびそれらの高調波を含む、プラズマ中に存在する様々な周波数の、天井部を経由する(第1のコントローラの場合)またはカソードを経由する(第2のコントローラの場合)対グラウンド間インピーダンスを支配する。高調波および相互変調積は、同一設計のリアクタ間での性能の不一致を最小限に抑えるために、マルチ周波数インピーダンスコントローラによってプラズマから選択的に抑制されてよい。これらの高調波および相互変調積の一部が、同一設計のリアクタ間でのリアクタ性能の不一致に対する原因であると考えられる。
【0035】
非常に高い周波数に対して、第1のマルチ周波数インピーダンスコントローラの、天井部またはターゲットからグラウンドまでのインピーダンス(接地された側壁からのインピーダンスを基準として)は、ウエハ表面全体にわたるイオン密度の半径方向分布を制御し、微調節のために変更される。低い周波数に対して、第1のマルチ周波数インピーダンスコントローラの、天井部またはターゲットを経由する対グラウンド間インピーダンス(接地された側壁を経由するインピーダンスを基準として)は、ウエハ表面全体にわたるイオンエネルギーの半径方向分布を制御し、微調節するために変更される。
【0036】
非常に高い周波数に対して、第2のマルチ周波数インピーダンスコントローラの、ウエハまたはカソードを経由する対グラウンド間インピーダンス(接地された側壁を経由するインピーダンスを基準として)は、天井部またはスパッタターゲット全体にわたるイオン密度の半径方向分布を制御する。低い周波数に対して、第2のマルチ周波数インピーダンスコントローラの、ウエハまたはカソードを経由する対グラウンド間インピーダンス(接地された側壁を経由するインピーダンスを基準として)は、スパッタターゲットまたは天井部全体にわたるイオンエネルギーの半径方向分布を制御する。上記の特徴により、リアクタの性能および均一性を規定するプロセス制御メカニズムが実現される。
【0037】
また、ウエハ表面全体にわたっておよび天井部(ターゲット)表面全体にわたって、イオンエネルギーおよび/またはイオン密度の分布を支配することに加えて、マルチ周波数インピーダンスコントローラは、適切な周波数(例えば、イオンエネルギーに対しては低い周波数、およびイオン密度に対しては非常に高い周波数)で対グラウンド間インピーダンスを支配することによって、これらの表面における複合的な(全体の)イオン密度およびイオンエネルギーを支配する。したがって、コントローラは、ウエハおよびターゲット表面における処理速度を決定する。選択される高調波は、所望の効果に応じて、プラズマ中に高調波が存在することを促進するか、または高調波を抑制するようにチューニングされる。高調波のチューニングは、ウエハにおけるイオンエネルギーに影響を与え、したがって処理の均一性に影響を与える。PVDリアクタにおいて、イオンエネルギーのチューニングは、ステップカバレッジ、オーバハングの形状寸法、および結晶粒度、結晶配向、膜密度、粗さ、膜組成などの物理的な膜特性に影響を与える。各マルチ周波数インピーダンスコントローラは、本明細書で詳細に説明するように、選択された周波数に対して対グラウンド間インピーダンスを適切に調節することによって、ターゲットもしくはウエハ、または両方の堆積、エッチングまたはスパッタリングを可能にし、またはそれらを防止するためにさらに用いられうる。例えば、一形態において、ターゲットはスパッタされ、一方でウエハ上では堆積が実施される。別の形態では、例えば、ウエハはエッチングされ、一方でターゲットのスパッタリングが防止される。
【0038】
図1は、第1の実施形態によるPEPVDプラズマリアクタを示す。このリアクタは、円筒状の側壁102によって密閉された真空チャンバ100、天井部104、および床部106を有する。チャンバ100内部の加工物支持体ペデスタル108は、半導体ウエハ110などの加工物を支持するための支持体表面108aを有する。支持体ペデスタル108は、絶縁性(例えば、セラミック)最上層112および絶縁性最上層112を支持する導電性基部114から構成されうる。
【0039】
平面の導電性グリッド116は、絶縁性最上層112内部に封入されて、静電クランプ(ESC)電極として働きうる。D.C.クランプ電源118は、ESC電極116に接続される。バイアス周波数fのRFプラズマバイアス電力ジェネレータ120は、インピーダンス整合器122を介して、ESC電極116または導電性基部114のいずれかに結合されうる。導電性基部114は、例えば、内部冷媒チャネル(図示せず)などのある一定のユーティリティを収容しうる。バイアスインピーダンス整合器122およびバイアスジェネレータ120が、導電性基部114の代わりにESC電極116に接続される場合、任意選択のコンデンサ119が、インピーダンス整合器122およびRFバイアスジェネレータ120をD.C.チャック用電源118から分離するために設けられうる。
【0040】
プロセスガスは、好適なガス分散装置によってチャンバ100内に導入される。例えば、図1の実施形態において、ガス分散装置は、側壁102内のガス注入器124から構成され、このガス注入器は、様々なプロセスガスの種々の供給源(図示せず)を有するガス分配パネル128に結合するリング状連結管126によって供給される。ガス分配パネル128は、連結管126に供給されるプロセスガスの混合、およびチャンバ100内へのガス流量を制御する。チャンバ100内のガス圧は、床部106の排出口132を介してチャンバ100に結合する真空ポンプ130によって制御される。
【0041】
PVDスパッタターゲット140は、天井部104の内部表面上に支持される。誘電体リング105は、天井部104を接地された側壁102から絶縁する。スパッタターゲット140は、典型的には、ウエハ110の表面に堆積される金属などの材料である。高電圧D.C.電源142は、プラズマスパッタリングを促進するためにターゲット140に結合されうる。RFプラズマソース電力は、インピーダンス整合器146を介して周波数fのRFプラズマソース電力ジェネレータ144からターゲット140に印加されうる。コンデンサ143は、RFインピーダンス整合器146をD.C.電源142から分離する。ターゲット140は、チャンバ100内のプラズマにRFソース電力を容量的に結合する電極として機能する。
【0042】
第1(または「ターゲット」)のマルチ周波数インピーダンスコントローラ150は、ターゲット140とRFグラウンド間に接続される。任意で、第2(または「バイアス」)のマルチ周波数インピーダンスコントローラ170が、バイアス整合器122の出力部との間に(すなわち、バイアスジェネレータ120によってどちらが駆動されているかに応じて、導電性基部114またはグリッド電極116のいずれかに)接続される。プロセスコントローラ101は、2つのインピーダンスコントローラ150、170を制御する。プロセスコントローラは、ユーザの指示に応答して、第1および第2のマルチ周波数インピーダンスコントローラ150、170のいずれかを介して、選択された周波数の対グラウンド間インピーダンスを増加または減少させることができる。
【0043】
図2を参照すると、第1のマルチ周波数インピーダンスコントローラ150は、可変バンドリジェクト(「ノッチ」)フィルタのアレイ152および可変バンドパス(「通過」)フィルタのアレイ154を有する。ノッチフィルタアレイ152は、多数のノッチフィルタから構成され、各ノッチフィルタは、狭い周波数帯を阻止し、対象とする各周波数に対して1つのノッチフィルタが設けられている。各ノッチフィルタによって提示されるインピーダンスは、対象とする各周波数に対して完全なインピーダンス制御が実現されるように、可変とすることができる。対象とする周波数には、バイアス周波数f、ソース周波数f、fの高調波、fの高調波、fとfの相互変調積、および相互変調積の高調波が含まれる。パスフィルタアレイ154は、多数のパスフィルタから構成され、各パスフィルタは、狭い周波数帯を通過(狭い周波数帯に対し低インピーダンスを提示)し、対象とする各周波数に対して1つのパスフィルタが設けられている。各ノッチフィルタによって提示されるインピーダンスは、対象とする各周波数に対して完全なインピーダンス制御が実現されるように、可変とすることができる。対象とする周波数には、バイアス周波数f、ソース周波数f、fの高調波、fの高調波、fとfの相互変調積、および相互変調積の高調波が含まれる。
【0044】
さらに図2を参照すると、第2のマルチ周波数インピーダンスコントローラ170は、可変バンドリジェクト(「ノッチ」)フィルタのアレイ172および可変バンドパス(「通過」)フィルタのアレイ174を有する。ノッチフィルタアレイ172は、多数のノッチフィルタから構成され、各ノッチフィルタは、狭い周波数帯を阻止し、対象とする各周波数に対して1つのノッチフィルタが設けられている。各ノッチフィルタによって提示されるインピーダンスは、対象とする各周波数に対して完全なインピーダンス制御が実現されるように、可変とすることができる。対象とする周波数には、バイアス周波数f、ソース周波数f、fおよびfの高調波、ならびにfとfの相互変調積が含まれる。パスフィルタアレイ174は、多数のパスフィルタから構成され、各パスフィルタは、狭い周波数帯を通過(狭い周波数帯に対し低インピーダンスを提示)し、対象とする各周波数に対して1つのパスフィルタが設けられている。各ノッチフィルタによって提示されるインピーダンスは、対象とする各周波数に対して完全なインピーダンス制御が実現されるように、可変とすることができる。対象とする周波数には、バイアス周波数f、ソース周波数f、fおよびfの高調波、ならびにfとfの相互変調積が含まれる。
【0045】
図3は、ノッチフィルタアレイ152およびパスフィルタアレイ154の一実施形態を有するターゲットのマルチ周波数コントローラを示す。ノッチフィルタアレイ152は、一組の直列に接続されたm個(ここに、mは整数である)の個別のノッチフィルタ156−1〜156−mを有する。各個別のノッチフィルタ156は、キャパシタンスCの可変コンデンサ158およびインダクタンスLのインダクタ160から構成され、個別のノッチフィルタは、共振周波数f=1/[2π(LC)1/2]を有する。各ノッチフィルタ156のリアクタンスLおよびCは、異なり、特定のノッチフィルタの共振周波数fが、対象とする周波数の1つに相当し、各ノッチフィルタ156が、異なる共振周波数を有するように選択される。各ノッチフィルタ156の共振周波数は、ノッチフィルタ156が阻止する狭い周波数帯の中心値である。図3のパスフィルタ154は、一組の並列に接続されたn個(ここに、nは整数である)の個別のパスフィルタ162−1〜162−nを有する。各個別のパスフィルタ162は、キャパシタンスCの可変コンデンサ164およびインダクタンスLのインダクタ166から構成され、パスフィルタ162は、共振周波数f=1/[2π(LC)1/2]を有する。任意で、各パスフィルタ162は、所望の場合はいつでもパスフィルタを無効にすることができる直列のスイッチ163をさらに備えうる。各パスフィルタ162のリアクタンスLおよびCは、異なり、共振周波数fが、対象とする周波数の1つに相当し、各パスフィルタ162が、異なる共振周波数を有するように選択される。各パスフィルタ162の共振周波数は、パスフィルタ162が通過する、または許可する狭い周波数帯の中心値である。図3の実現形態において、パスフィルタアレイ154にはn個のパスフィルタ162、およびノッチフィルタアレイ152にはm個のノッチフィルタがある。
【0046】
第2のマルチ周波数インピーダンスコントローラ170に対するノッチフィルタアレイ172およびパスフィルタアレイ174は、図4に示すように、同様のやり方で実現されうる。ノッチフィルタアレイ172は、一組の直列に接続されたm個(ここに、mは整数である)の個別のノッチフィルタ176−1〜176−mを有する。各個別のノッチフィルタ176は、キャパシタンスCの可変コンデンサ178およびインダクタンスLのインダクタ180から構成され、個別のノッチフィルタは、共振周波数f=1/[2π(LC)1/2]を有する。各ノッチフィルタ176のリアクタンスLおよびCは、異なり、特定のノッチフィルタの共振周波数fが、対象とする周波数の1つに相当し、各ノッチフィルタ176が、異なる共振周波数を有するように選択される。各ノッチフィルタ176の共振周波数は、ノッチフィルタ176が阻止する狭い周波数帯の中心値である。
【0047】
図4のパスフィルタアレイ174は、一組の並列に接続されたn個(ここに、nは整数である)の個別のパスフィルタ182−1〜182−nを有する。各個別のパスフィルタ182は、キャパシタンスCの可変コンデンサ184およびインダクタンスLのインダクタ186から構成され、パスフィルタ182は、共振周波数f=1/[2π(LC)1/2]を有する。任意で、各パスフィルタ182は、所望の場合はいつでもパスフィルタを無効にすることができる直列のスイッチ183をさらに備えうる。各パスフィルタ182のリアクタンスLおよびCは、異なり、共振周波数fが、対象とする周波数の1つに相当し、各パスフィルタ182が、異なる共振周波数を有するように選択される。各パスフィルタ182の共振周波数は、パスフィルタ182が通過する、または許可する狭い周波数帯の中心値である。図4の実現形態において、パスフィルタアレイ174にはn個のパスフィルタ182、およびノッチフィルタアレイ172にはm個のノッチフィルタ176がある。
【0048】
選択された周波数において、マルチ周波数インピーダンスコントローラのそれぞれを介するRFグラウンドリターン経路の精密な制御は、第1のマルチ周波数インピーダンスコントローラ150の各可変コンデンサ158、164、および第2のマルチ周波数インピーダンスコントローラ170の各可変コンデンサ178、184を個別に支配するプロセスコントローラ101によって実現される。
【0049】
ここで、図5を参照すると、第1の(ターゲットの)マルチ周波数インピーダンスコントローラ150のパスフィルタアレイ154内のn個のパスフィルタ162−1〜162−11の共振周波数は、高調波であり、ソースおよびバイアス電力の周波数fおよびfの相互変調積は、以下の周波数を含みうる。2f、3f、f、2f、3f、f+f、2(f+f)、3(f+f)、f−f、2(f−f)、3(f−f)。
【0050】
本例では、n=11である。第1のマルチ周波数インピーダンスコントローラのノッチフィルタアレイ152内のm個のノッチフィルタ156−1〜156−12の共振周波数も高調波であり、ソースと、バイアス電力の周波数fおよびfとの相互変調積は、以下の周波数、すなわち、f、2f、3f、f、2f、3f、f+f、2(f+f)、3(f+f)、f−f、2(f−f)、3(f−f)を含みうる。本例では、m=12である。共振周波数fを有するノッチフィルタ156−1は、ソース電力ジェネレータ144の基本周波数を阻止して、この基本周波数がインピーダンスコントローラ150を介して短絡するのを防止する。
【0051】
さらに図5を参照すると、第2の(バイアスの)マルチ周波数インピーダンスコントローラ170のパスフィルタアレイ174内のn個のパスフィルタ182−1〜182−11の共振周波数は、高調波であり、ソースおよびバイアス電力の周波数fおよびfの相互変調積は、以下の周波数を含みうる。2f、3f、f、2f、3f、f+f、2(f+f)、3(f+f)、f−f、2(f−f)、3(f−f)であり、この場合、n=11である。第2の(バイアスの)マルチ周波数インピーダンスコントローラ170のノッチフィルタアレイ172内のm個のノッチフィルタ176−1〜176−12の共振周波数も、高調波であり、ソースおよびバイアス電力の周波数fおよびfの相互変調積は、以下の周波数を含みうる。f、2f、3f、f、2f、3f、f+f、2(f+f)、3(f+f)、f−f、2(f−f)、3(f−f)。本例では、m=12である。共振周波数fを有するノッチフィルタ176−1は、バイアス電力ジェネレータ120の基本周波数を阻止して、この基本周波数がインピーダンスコントローラ170を介して短絡するのを防止する。
【0052】
上記したように、各パスフィルタ(162、182)は、その共振周波数がノッチフィルタによって阻止されるべき場合にパスフィルタを無効にする任意選択のスイッチ(それぞれ163、183)を有することができる。例えば、図3の各パスフィルタ162は、直列のスイッチ163を有することがあり、図4の各パスフィルタ182は、直列のスイッチ183を有することがある。しかし、それぞれのコントローラによって、どの周波数が阻止されるべきか、かつどの周波数が許可されるべきかが予めわかった状態で、マルチ周波数インピーダンスコントローラ150、170を実現する場合は、特定のコントローラ内部で、ノッチフィルタが、このコントローラによって阻止されるべき各周波数に対して設けられ、パスフィルタは、この阻止される周波数に対して、このコントローラ内では設けられない。そうした実現形態において、個別のコントローラ内部では、ノッチフィルタは、阻止されるべき周波数に対してのみチューニングされるが、パスフィルタは、許可されるべき周波数に対してのみチューニングされ、この二組の周波数は、一実施形態において相互に排他的である。本実現形態によって、パスフィルタの直列のスイッチ163、183が必要なくなる。
【0053】
図6は、図1〜3のリアクタを動作させる方法を示す。本方法において、ウエハからのバイアス電力の電流は、図7に示すように、ターゲットへの中央経路Iと側壁へのエッジ経路Iとの間で配分される。また、ターゲットからのソース電力の電流は、図8に示すように、ウエハへの中央経路iと側壁へのエッジ経路iとの間で配分される。したがって、ターゲットからのソース電力周波数fにおけるRFソース電力に対しては、本方法は、バイアスのインピーダンスコントローラ170を介する、ウエハを経由する中央のRFグラウンドリターン経路、および側壁を経由するエッジのRFグラウンドリターン経路を確立するステップを含む(図6のブロック200)。ウエハペデスタルからのfにおけるRFバイアス電力に対しては、本方法は、ターゲットのインピーダンスコントローラ150を介する、ターゲットを経由する中央のRFグラウンドリターン経路、および側壁を経由するエッジのRFグラウンドリターン経路を確立するステップを含む(図6のブロック210)。
【0054】
本方法の一態様において、側壁を経由するソース電力周波数fにおける対グラウンド間インピーダンスに対して、バイアスのマルチ周波数インピーダンスコントローラ170を介してfにおける対グラウンド間インピーダンスを減少させることによって、ウエハ中心上のイオン密度が増加し、ウエハエッジ上でのイオン密度が減少する(図6のブロック215)。これにより、図9の実線で示す中央が高いイオン密度分布に向かう傾向が強まる。本ステップは、パスフィルタ182−3の共振周波数をソース周波数fに近づけるように調節することによって実施することができる。
【0055】
別の態様において、側壁を経由するfにおける対グラウンド間インピーダンスに対して、バイアスのマルチ周波数インピーダンスコントローラ170を介してfにおける対グラウンド間インピーダンスを増加させることによって、イオン密度がウエハ中心上で減少し、ウエハエッジ上でのイオン密度が増加する(図6のブロック220)。これにより、図9の点線で示す中央が低くエッジが高いイオン密度分布に向かう傾向が強まる。本ステップは、パスフィルタ182−3の共振周波数をソース周波数fからより遠くなるように(離すように)調節することによって実施することができる。
【0056】
さらなる態様において、側壁を経由するバイアス電力周波数fにおける対グラウンド間インピーダンスに対して、ターゲットのマルチ周波数インピーダンスコントローラ150を介してfにおける対グラウンド間インピーダンスを減少させることによって、ウエハ中心上のイオンエネルギーが増加し、ウエハエッジ上でのイオンエネルギーが減少する(図6のブロック225)。これにより、図10の実線で示す中央が高いイオンエネルギー分布に向かう傾向が強まる。本ステップは、パスフィルタ162−3の共振周波数をバイアス周波数fに近づけるように調節することによって実施することができる。
【0057】
さらなる態様において、側壁を経由するfにおける対グラウンド間インピーダンスに対して、ターゲットのマルチ周波数インピーダンスコントローラ150を介してfにおける対グラウンド間インピーダンスを増加させることによって、ウエハ中心上のイオンエネルギーが減少し、ウエハエッジ上でのイオンエネルギーが増加する(図6のブロック230)。これにより、図10の点線で示す中央が低くエッジが高いイオンエネルギー分布に向かう傾向が強まる。本ステップは、パスフィルタ162−3の共振周波数をバイアス周波数fからより遠く離すように調節することによって実施することができる。
【0058】
図11は、ウエハ表面またはターゲット表面のいずれか選ばれた一方において、高調波および/または相互変調積、もしくはそれらの高調波を抑制する方法を示す。様々な周波数が、様々な表面において抑制されうる。これは、一応用例では、例えば、同一設計のリアクタ間でチャンバの一致を最適化するために実施することができる。ウエハ表面上で、ある高調波または相互変調積に相当する特定の周波数成分を抑制するために(図11のブロック300)、この周波数におけるプラズマ電流成分を、側壁または天井部もしくはターゲットなどのウエハ表面以外の表面に方向転換させる。望ましくない周波数成分をウエハから天井部に方向転換させるために、ペデスタルのマルチ周波数インピーダンスコントローラ170を介してこの特定の周波数における対グラウンド間インピーダンスを増加させる(図11のブロック305)。これは、もしある場合には、この周波数に最も近い関係にあるパスフィルタアレイ174内の1つのパスフィルタを離調するか無効にするかによって達成されうる(ブロック310)。加えて、ノッチフィルタアレイ172内の対応するノッチフィルタは、この特定の周波数に近づけるようにチューニングされうる(ブロック315)。任意で、または追加で、望ましくない周波数成分は、望ましくない周波数成分をターゲット140に方向転換させることによって、ウエハ表面から取り去られる。これは、望ましくない成分を、ターゲット140を介してグラウンドに方向転換し、ウエハから離れるように、ターゲットのマルチ周波数インピーダンスコントローラ150を介して特定の周波数における対グラウンド間インピーダンスを減少させることによって達成されうる(ブロック320)。この後者のステップは、望ましくない成分の周波数により近い対応する共振周波数を有するパスフィルタ156の1つをチューニングすることによって達成されうる(ブロック325)。
【0059】
ターゲット表面において、ある高調波または相互変調積に対応する特定の周波数成分を抑制するために(ブロック330)、ターゲットのマルチ周波数インピーダンスコントローラ150を介してこの特定の周波数における対グラウンド間インピーダンスを増加させる(ブロック335)。これは、この周波数に最も近い関係にあるパスフィルタアレイ154内の1つのパスフィルタを離調する(または、切断する)ことによって達成されうる(ブロック340)。加えて、ノッチフィルタアレイ152内の対応するノッチフィルタは、この特定の周波数に近づけるようにチューニングされうる(ブロック345)。任意で、および加えて、ペデスタルのマルチ周波数インピーダンスコントローラ170を介してこの同じ周波数における対グラウンド間インピーダンスを減少させ、これらの成分をターゲットから離して、グラウンドに方向転換させる(ブロック350)。この後者のステップは、パスフィルタアレイ174の1つのパスフィルタをこの特定の周波数にチューニングすることによって達成されうる(ブロック355)。
【0060】
前記のステップの一部は、ウエハ表面またはターゲット表面において所望の周波数成分を促進するために用いられうる。プラズマ電流周波数成分は、スパッタリング、または堆積、もしくはエッチングなどのプラズマの特定の働きを促進または向上させる周波数成分となるように選ばれうる。例えば、選ばれたプラズマ電流周波数成分は、そうした目的のために、ターゲットに向けられるか、または方向転換される。この方向付け、または方向転換は、ブロック325のステップを実施することによって達成することができ、このステップにおいて、選ばれたプラズマ電流周波数成分は、ターゲット140に方向転換される。方向転換は、ウエハ表面から、選ばれた周波数成分を跳ね返すようにブロック315のステップをさらに実施することによって、より完璧になりうる。
【0061】
別の選ばれたプラズマ電流周波数成分は、同様のまたは他の目的(例えば、ウエハ表面でのエッチ速度、堆積速度、スパッタ速度を向上させる)のために、ウエハ表面に方向転換されうる。この方向転換は、ブロック355のステップを実施することによって達成することができ、このステップにおいて、選ばれたプラズマ電流成分がウエハ表面に方向転換される。この方向転換は、ターゲット表面から、選ばれた周波数成分を跳ね返すようにブロック345のステップをさらに実施することによって、より完璧になりうる。一例として、選ばれた周波数成分は、スパッタリングなどの特定のプラズマの働きを促進する周波数(基本周波数または高調波、もしくは相互変調積)である。ターゲットにスパッタせずに、ウエハにスパッタすることが望まれる場合は、この周波数成分は、ターゲットのインピーダンスコントローラ150を介してこの周波数におけるインピーダンスを増加させ、同時にバイアスのインピーダンスコントローラ170を介する同一の周波数におけるインピーダンスを減少させることによって、ターゲットから離れるように方向転換され、ウエハに向けられる。逆に、ウエハにスパッタせずに、ターゲットにスパッタすることが望まれる場合は、この周波数成分は、ターゲットのインピーダンスコントローラ150を介してこの周波数におけるインピーダンスを減少させ、同時にバイアスのインピーダンスコントローラ170を介して同一の周波数におけるインピーダンスを増加させることによって、ウエハから離れるように方向転換され、ターゲットに向けられる。所望のプラズマの効果は、特定の一組の複数の周波数成分を用いて得ることができる。そうした場合、複数の周波数成分は、上記に従って同時に動作する複数のノッチおよび/またはパスフィルタを使用して、上記のやり方で制御される。
【0062】
上記の特徴は、スパッタターゲットのないプラズマリアクタ、例えば、物理的気相堆積以外の処理に適合したプラズマリアクタ内で実施されてよい。そうしたリアクタでは、例えば、図1のターゲット140およびDC電源142はなく、RFソース電力ジェネレータ144および整合器146が天井部104に結合されうる。そうした場合の天井部104は、プラズマソース電力をチャンバ100内に容量的に結合させるための電極の形態で、プラズマソース電力アプリケータとして機能する。代替の実施形態において、ソース電力ジェネレータ144および整合器146は、天井部において、例えば、コイルアンテナなどの他のRFソース電力アプリケータに結合されてもよい。
【0063】
本発明のさらなる実施形態では、ペデスタル上の基板のターゲットに対する容量性および誘導性結合のチューニングは、ステッピングモータなどのモータによってある設定値に定められる可変コンデンサを適用することによって達成される。この可変コンデンサは、基板インピーダンスを調節し、それによって基板上に構築されるバイアス量を調節する。
【0064】
インピーダンスコントローラ170のインピーダンスが、インピーダンスコントローラ170内の可変コンデンサ178および/または184によって調節されうることを上で示した。同様の製品または基板を処理するための特定の共通設計の反応チャンバは、同一の動作状態か、または同一の動作状態に近い動作状態に定められうることが望ましい。これは、オペレータもしくはプロセッサ、または両方の連携によって、コントローラに同一の設定値または同一の設定値に近い設定値が提供されることによって達成されうる。これらの設定値には、電源などに対する動作設定値が含まれうる。処理チャンバの一実施形態におけるインピーダンスコントローラ内の共通のインピーダンス設定値は、少なくとも2つの処理チャンバにとって同一の動作状態または同一の動作状態に近い動作状態を達成するための共通の設定値である。さらなる実施形態におけるインピーダンス設定値は、ペデスタルとグラウンド間の可変インピーダンスのインピーダンス設定値に関連する。さらなる実施形態において、インピーダンスは、いくつかの電子的なキャパシタンスまたはある範囲の電子的なキャパシタンスのうちの1つを有するように動作させることが可能な可変コンデンサによって可変とすることができる。
【0065】
そうした可変コンデンサは既知であり、例えば、Comet North America’s Office in San Jose、CAから入手可能である。
【0066】
たとえ処理チャンバが同じ設計であっても、チャンバ間にばらつきがあることがあり、個々のパラメータ設定値が、同一の処理結果または同一の処理結果に近い処理結果を達成するために変わりうる。チャンバは、所望の結果のために特定の(共通の)方策を備えることができる。チャンバのコントローラは、標準的な方策における少なくとも1つのパラメータを調節して、既知のばらつきに対する所定の設定値を調節し所望の結果を達成しうる。
【0067】
一実施形態において、チャンバにおける可変コンデンサの設定値は、所望の処理結果に関連する最適なイオンエネルギー分布またはイオン密度分布のために所望のインピーダンス調節を実現するように、標準的な方策と比較してあるばらつきを有するように決定されうる。さらなる実施形態において、所望のキャパシタンスまたはキャパシタンス設定値は、チャンバのコントローラ内でプログラムされうる。可変コンデンサは、所望のキャパシタンスために特定の位置に設定されうる。所望の設定点に基づいて、プロセッサは、ステッパモータなどのモータを制御して、可変コンデンサを所望の設定値に定めうる。可変コンデンサの所望の設定点は、この設定点における電圧または電流の値によって決定されうる。プロセッサは、この電圧および電流の値が達成されるまで、コンデンサのキャパシタンスを変化させるようにプログラムされる。この場合の可変コンデンサは、プロセッサにフィードバックを行い、感知された電圧または電流について所望の値が達成されるまで可変コンデンサのキャパシタンスを調節し続ける電圧または電流センサと関連づけられている。
【0068】
上記により、例えば特定の方策に関連する所望の共通の結果のために、可変コンデンサの設定値がチャンバ間のばらつきに対して調節されるが、それでもなお所望の結果を達成することが可能となる。また、チャンバは、メニュー方式の自動コントローラを備えることが可能であって、同様のチャンバが、あるメニュー選択肢が選択されたとき、パラメータ設定値を手動で調節する必要なしに、同一のまたは同一に近い製品を処理し、供給するためにプログラムされ、制御される。一実施形態において、所定の結果を達成するために、どの程度、可変コンデンサの設定値などの設定値を調節しなければならないのかを決める較正ステップを行わなければならないことがある。一旦較正が行われれば、プロセスコントローラをプログラムして、可変コンデンサを所定の位置に定めることができる。さならなる実施形態において、可変コンデンサの位置は、最適な設定値が達成されるように印加される電流または電圧に関連づけられてよい。センサはプロセッサと共同して、可変コンデンサを所望の電圧または電流値に対応する位置に定める。
【0069】
次に、上記により、チャンバ間のばらつきを考慮して、所望のおよび所定の結果に基づいてチャンバのインピーダンスのチューニングが実現される。
【0070】
ここで図12を参照し、可変コンデンサを使用する本発明の1つまたは複数の態様を説明する。
【0071】
図12は、本発明の一態様によるフィードバック回路を有する可変コンデンサチューニング回路を示す。この回路は、様々なRF物理的気相堆積タイプのチャンバにおいて使用されうる。例えば、可変コンデンサ10は、図1、2、および4の箱170において使用されうる。したがって、処理を改善するために、知られているように、他の構成要素を含みうることがわかる。しかし、本発明の一態様によれば、図12に示すように、モータ制御可変コンデンサ10が含まれている。
【0072】
この回路によって、ウエハ/基板上に金属または非金属の層を堆積させることができる。以下に議論するように、可変容量性チューニング回路は、所与の設定点に対して自動化されうる。設定点は、電流、電圧、または可変コンデンサのキャパシタンスのフルスケールの割合であってよい。設定点は、所望の処理に依存しうる。
【0073】
図12を参照すると、本発明の適応チューナコンデンサ回路1は、可変コンデンサ10,グラウンドに接続されうる出力部16、任意選択のセンサ18、任意選択のインダクタ20、インターフェース22、プロセッサ24、モータコントローラ26,およびモータ28を有することができる。回路は、ペデスタルに接続する接続点27を有する。任意選択のインダクタ20は、可変インダクタであってよい。モータ28は、可変コンデンサ10のキャパシタンスを変えることができる方法で可変コンデンサ10に取り付けられるステッパモータであることが好ましい。センサ18は、例えば、コンデンサを通る電流を感知するため回路内に配置されてよい。
【0074】
可変コンデンサ10を通る電流は、インダクタ20を介して供給され、センサ18を通過しうる。インダクタ20は任意である。インダクタ20は、あるバンドパス特性を有する本発明のチューナ回路を生成するために設けられることがある。センサ18も、任意であって、使用する場合は、回路内の点27、12、または14に配置されてよい。
【0075】
可変コンデンサは、ハウジング29内に設置することができる。ハウジングは、任意のグラウンド接続部31を介して設置されうる。可変コンデンサ10の出力部16は、接続部32を通ってハウジング29に接続され、したがって16はハウジングと同じポテンシャルを有する。ハウジングが接地され、接続部32が存在する場合、16もグラウンドの電位を有する。
【0076】
本発明の様々な態様によると、他の構成要素が図12の回路1内に設けられうることが意図されている。センサ回路18は任意であり、可変コンデンサ10の出力を決めるセンサを含みうる。センサは、電圧センサまたは電流センサであってよい。これらのセンサは、以下に説明するように、モータを制御し、可変コンデンサ10の動作設定点を制御するためのフィードバックを提供するために使用される。
【0077】
センサ回路18は、もし含まれる場合は、インターフェース22にフィードバック信号を供給する。インターフェース22は、このフィードバック信号をプロセッサ24に供給する。プロセッサ24は、専用の電子回路であってよく、またはマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラをベースとする回路であってもよい。インターフェース22は、任意である。インターフェース22は、可変コンデンサの位置を設定するため手動のインターフェースを提供しうる。また、インターフェース22は、可変コンデンサのキャパシタンス設定値を反映する信号を供給しうる。インターフェース22は、可変コンデンサの実際の設定値を可視的に示す可動目盛りを提供するためモータに接続されうる。
【0078】
プロセッサ24は、モード制御信号およびセンサの出力に従ってモータ28を制御するモータコントローラ26を制御する。モータコントローラ26によって、好ましくはステッパモータであるモータ28は、モード制御信号およびセンサの出力に応じて可変コンデンサ10のキャパシタンスを変化させるように、その位置をステップしていく。したがって、可変コンデンサは、ある範囲のキャパシタンス値、少なくとも異なるキャパシタンスである第1のキャパシタンスおよび第2のキャパシタンスに定められうる。ある範囲のキャパシタンスにある可変コンデンサの各キャパシタンスは、可変コンデンサの状態に対応する。可変コンデンサの状態は、ある周波数におけるインピーダンス値に相当する。一実施形態において、可変コンデンサは、第1の周波数におけるインピーダンスを実現するため第1の状態に定められる。
【0079】
一実施形態における可変コンデンサ10の状態は、インターフェース22の位置として、またはモータ28の位置として、もしくはセンサ18によって測定された電流または電圧として、あるいは可変コンデンサの状態を定義する他の全ての現象において定義されうる。さらなる実施形態における可変コンデンサの状態は、チャンバを処理稼働させたときに所望される結果に関する方策のために、プロセスコントローラにおいてコード化される。可変コンデンサの状態は、所望の結果に関連するチャンバ間のばらつきに対して調節されることが好ましい。したがって、プロセスコントローラがチャンバ内での所定の処理を実施するように開始されたとき、可変コンデンサの所望の状態が、例えば処理方策を格納するメモリから取り出され、例えばモータコンローラ26からモータ28を通じて可変コンデンサ10を所望の位置に置くようにプロセッサ24に指示する。所望の位置は電流または電圧などの変動する要因に左右されうることを理解されたい。チャンバ処理の間、電流は変化しうる。プロセッサ24によって、可変コンデンサは、処理期間中、電流もしくは電圧における変動に追従することができ、または所定の制御命令に従って電流もしくは電圧における変動に順応することができる。
【0080】
さらなる実施形態において、可変コンデンサの状態は、チャンバ内の処理の段階に関連している。プロセスコントローラは、可変コンデンサの状態を、例えば、処理の段階に基づいて新しい状態に変更するように指示を与えることができる。
【0081】
図13は、本発明の一態様によるセンサ回路18の一実施形態を示す。本実施形態において、センサ回路18は、電流センサ60、電圧センサ62、およびスイッチ64を有する。スイッチ64は、可変コンデンサ10から直接的に、または間接的に入力を受け取る。スイッチ64への入力は、出力部16にも供給される。
【0082】
スイッチ64は、制御入力70の信号の値に応じて、スイッチ64の入力部において受け取る電力をスイッチ64の出力部の1つに選択的に供給する。図12に示すように、制御入力70は、モード制御入力信号に応じてプロセッサ24によって供給される。
【0083】
プロセッサ24は、図12のライン30の入力に基づいて、どの設定点が望ましいか、スイッチ64をどのように制御すべきかを決める。設定点は、一定電圧が望ましい場合は電圧であってもよい。モード制御入力が電圧制御モードを指定する場合、プロセッサ24は、スイッチ64が電圧センサ62を可変コンデンサ10の出力部に接続するようにさせ、さらにプロセッサ24は、電圧センサ62の出力に基づいてモータコントローラ26を制御して、可変コンデンサ10の出力部で一定電圧を維持する。
【0084】
モード制御入力信号が電流制御モードを指定する場合、プロセッサ24は、スイッチ64が電流センサ60を可変コンデンサ10の出力部に接続するようにさせ、さらに電流センサ60の出力に基づいてモータコントローラ26を制御して、可変コンデンサ10の出力部で一定電流を維持する。
【0085】
モード制御入力信号が設定点モードを指定する場合、プロセッサ24は、モード制御入力信号によって指定された設定点に基づいてモータコントローラを制御して、指定された設定点に従ってモータに可変コンデンサのキャパシタンスを変えさせる。
【0086】
プロセッサ24は、専用のインターフェース回路であってもよい。インターフェース回路またはプロセッサ24の主な目的は、今し方述べたように、モード制御入力、電圧センサ出力、および電流センサ出力に応じて、モータコントローラを制御することである。モード制御入力が設定点を指定する場合、モータコントローラ26は、この入力によって指定されるキャパシタンスを生成するように制御される。モード制御入力が電圧モードを指定する場合、モータコントローラ26は、電圧センサ62の出力に応じてモータ28を制御して、コンデンサ10において一定電圧を維持する。モード制御入力が電流モードを指定する場合、モータコントローラ26は、モータ28を制御して、コンデンサ10において一定電流を維持する。
【0087】
上記したように、図13の制御回路は任意選択である。選択可能な設定点のみが所望される場合、プロセッサ24は、その所望される設定点を受け取り、モータコントローラ26を介してモータ28を制御して、その所望される設定点に達することができる。この設定点は、所望される処理に基づいて選択されうる。一定電圧の設定点が所望される場合、電圧センサも供給されうる。一定電流の設定点が所望される場合、電流センサが供給されうる。
【0088】
よく知られたいずれのタイプの電圧センサも本発明の様々な態様により使用されうる。同様に、よく知られたいずれのタイプの電流センサも本発明の様々な態様により使用されうる。電圧センサおよび電流センサは、両方とも当技術分野ではよく知られている。
【0089】
図14は、モータコントローラ26によってモータ28がその様々な位置をステップしたときの可変コンデンサ10の電圧出力Vおよび電流出力Iを示す。見てわかるように、可変コンデンサ10は、本発明の様々な態様に従ってモータ28およびモータコントローラ26によって十分におよび正確に制御されている。
【0090】
図15〜17は、物理的気相堆積処理において本発明の様々な態様によるフィードバックを有する可変容量性チューナを使用した50のウエハにわたる処理結果を示す。Rはシート抵抗である。これは当技術分野でよく知られている用語である。これは面積で規格化した抵抗であって、その結果このシート抵抗は材料の抵抗および厚さのみに依存する。図15は、50のウエハ全てにわたるRを示す。この図は、本発明の可変容量性チューナを使用するRにおける許容可能なばらつきを示す。
【0091】
図16は、物理的気相堆積処理において本発明の可変容量性チューナ回路を使用した50のウエハ全体にわたって得られた厚さのばらつきを示す。再度、図16は、本発明の可変チューナ回路を使用するウエハの厚さにおける許容可能なばらつきを示す。
【0092】
図17は、物理的気相堆積処理において本発明の可変容量性チューナ回路を使用した50のウエハ全体にわたって得られた抵抗のばらつきを示す。再度、図17は、本発明の可変チューナ回路を使用するウエハの抵抗における許容可能なばらつきを示す。
【0093】
また、ペデスタル上に支持されたウエハへの物理的気相堆積またはエッチングなどのプラズマ処理を行う新規な方法が提供される。本方法は、ペデスタル上にウエハを支持するステップ、およびペデスタルに、可変コンデンサのキャパシタンスに基づいてある周波数範囲において電力を供給するステップを含む。
【0094】
入力信号は、可変コンデンサに対するキャパシタンスを指定する回路に対して動作設定点を指定する。また、本方法は、センサを用いて電圧または電流を感知するステップ、およびセンサの出力を、可変コンデンサを所望の位置に配置するモータコントローラを制御するフィードバック回路に供給するステップを含む。
【0095】
上記したように、センサは電圧センサであってよく、フィードバック回路は、可変コンデンサの出力部において電圧を監視し、モータコントローラを制御して、可変コンデンサの出力部における電圧を一定値に維持する。また、センサは、電流センサであってよく、フィードバック回路は可変コンデンサの出力部において電流を監視し、モータコントローラを制御して、可変コンデンサの出力部における電流を一定値に維持する。
【0096】
上記したことは、本発明の実施形態を対象としているが、本発明には他の実施形態およびさらなる実施形態が、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく考案可能であり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁および天井部を有し、前記側壁がRFグラウンドに結合するチャンバと、
前記天井部に面する支持体表面および前記支持体表面の下にあるバイアス電極を有するチャンバ内部の加工物支持体と、
前記天井部にあるスパッタターゲットと、
前記スパッタターゲットに結合する第1の周波数のRFソース電源、および前記バイアス電極に結合する第2の周波数のRFバイアス電源と、
第1の組の周波数において少なくとも第1の調節可能なインピーダンスを提供するマルチ周波数インピーダンスコントローラであって、モータによって2つの状態のうちの少なくとも1つに配置することが可能な可変コンデンサを備え、前記可変コンデンサの前記少なくとも2つの状態が異なるキャパシタンスを有する、マルチ周波数インピーダンスコントローラと
を備える物理的気相堆積プラズマリアクタ。
【請求項2】
前記マルチ周波数インピーダンスコントローラが、前記可変コンデンサと直列に接続された誘導性素子をさらに備える、請求項1に記載の物理的気相堆積プラズマリアクタ。
【請求項3】
前記マルチ周波数インピーダンスコントローラが、前記可変コンデンサの前記モータを制御するためのプロセッサをさらに備える、請求項1に記載の物理的気相堆積プラズマリアクタ。
【請求項4】
前記マルチ周波数インピーダンスコントローラが、前記可変コンデンサの前記モータを制御するための電流センサをさらに備える、請求項3に記載の物理的気相堆積プラズマリアクタ。
【請求項5】
前記マルチ周波数インピーダンスコントローラが、前記可変コンデンサの前記モータを制御するための電圧センサをさらに備える、請求項3に記載の物理的気相堆積プラズマリアクタ。
【請求項6】
前記可変コンデンサの状態が、プロセスコントローラにおける処理方策と関連づけられている、請求項1に記載の物理的気相堆積プラズマリアクタ。
【請求項7】
前記可変コンデンサ用のハウジングをさらに備える、請求項1に記載の物理的気相堆積プラズマリアクタ。
【請求項8】
前記処理方策が、チャンバ間のばらつきに対して調節された共通の処理方策である、請求項6に記載の物理的気相堆積プラズマリアクタ。
【請求項9】
RFグラウンドに結合している側壁および天井部を有するチャンバであって、材料堆積のためのプラズマを維持するチャンバと、
前記天井部に面する支持体表面および前記支持体表面の下にあるバイアス電極を有するチャンバ内部の加工物支持体と、
前記天井部にあるソース電力アプリケータと、
前記ソース電力アプリケータに結合する第1の周波数のRFソース電源、および前記バイス電極に結合する結合する第2の周波数のRFバイアス電源と、
第1の組の周波数において少なくとも第1の調節可能なインピーダンスを提供するマルチ周波数インピーダンスコントローラであって、モータによって2つの状態のうちの少なくとも1つに配置することが可能な可変コンデンサを備え、前記可変コンデンサの前記少なくとも2つの状態が異なるキャパシタンスを有する、マルチ周波数インピーダンスコントローラと
を備えるプラズマリアクタ。
【請求項10】
前記マルチ周波数インピーダンスコントローラが、前記可変コンデンサと直列に接続された誘導性素子をさらに備える、請求項9に記載のプラズマリアクタ。
【請求項11】
前記マルチ周波数インピーダンスコントローラが、前記可変コンデンサの前記モータを制御するためのプロセッサをさらに備える、請求項9に記載のプラズマリアクタ。
【請求項12】
前記マルチ周波数インピーダンスコントローラが、前記可変コンデンサの前記モータを制御するための電流センサをさらに備える、請求項9に記載のプラズマリアクタ。
【請求項13】
前記マルチ周波数インピーダンスコントローラが、前記可変コンデンサの前記モータを制御するための電圧センサをさらに備える、請求項9に記載のプラズマリアクタ。
【請求項14】
前記可変コンデンサの状態が、プロセスコントローラにおける処理方策に関連づけられている、請求項9に記載のプラズマリアクタ。
【請求項15】
前記処理方策が、チャンバ間のばらつきに対して調節された共通の処理方策である、請求項9に記載のプラズマリアクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2013−521410(P2013−521410A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556155(P2012−556155)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【国際出願番号】PCT/US2011/026601
【国際公開番号】WO2011/109337
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】