説明

可溶性アデニレートシクラーゼ阻害剤

本発明は、一般式(I)の化合物、それらの製造及び医薬としてのそれらの使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可溶性アデニレートシクラーゼ阻害剤、その製造及び避妊用の医薬品の製造のためのそれの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
婦人の現代的避妊方法は多数利用可能であるが、男性の生殖能制御にはごく少数の方法しか利用可能でない(コンドーム及び断種手術)。男性の生殖能制御の信頼できる新規手法の開発が急務である。「男性用ピル」によりもたらされる不妊症は、可変性であり、婦人に利用可能な現存の方法とちょうど同じ位有効であるべきである。不妊症は比較的迅速に発生させ、そしてできるだけ長く持続すべきである。そのような避妊方法は副作用があってはならず、製剤は非ホルモン性並びにホルモン性であることができる。可能な出発点は、卵子の受精において重要な役割を果たす酵素である、可溶性アデニレートシクラーゼ(sAC)の活性の調節である。この酵素は主に精巣幹細胞において発現され、成熟精子中に存在する。
【0003】
1999年、著者Levin及びBuckはラット精巣からsACのイソ型を精製しそしてクローニングすることに成功した(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96(1): 79-84)。
【0004】
組換えラット酵素は炭酸水素塩により刺激されうる。抗体を用いて、該酵素の触媒領域が精巣、精子、腎臓及び脈絡叢に局在化されることが証明された。それらの開示は国際出願WO 01/85753号明細書の主題であり、該出願は米国において特許付与された(US6544768)。
【0005】
WO 01/21829(Conti他)は、sACのヒトイソ型をコードする単離されたポリヌクレオチド配列、単離されたsACポリペプチド及び試験系を記載しており、それを使ってsACの活性を阻害する物質を同定することが可能である。運動性精子数の可逆的減少を達成するためにそれらの物質を利用する可能性、及び男性生殖能力を抑制する手段としてのそれらの物質の使用が開示されている。
【0006】
John Herrの研究グループは、精子からのsACのヒトイソ型の単離及び特徴づけを記載している。WO 02/20745は、sACをコードする核酸に加えて、ヒトsACの発現もしくは活性を調節する物質を同定するための試験法も開示している。そのような化合物は、例えば、精子が卵子を受精させる能力を喪失する結果として、sACの活性を選択的に阻害するだろう。従って、それらのsAC阻害剤は、非ホルモン性避妊用医薬品として働くことができるだろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、既知であるsAC阻害剤は特定の問題点がある:カテコールエストロゲン類(T. Braun, Proc. Soc. Exp. Biol. Med. 1990, 194(1):58ff)及びゴシポール(KL. Olgiati, Arch. Biochem. Biophys. 1984, 231(2): 411ff)は本質的に毒性であり、一方アデノシン類似体は非常に弱い阻害作用しか示さない(MA. Brown & ER. Casillas, J. Androl. 1984, 5:361ff)。Zippin他により記載された組換えヒトsACの阻害剤は幾分有効である(IC50≦10μM)(JH. Zippin他、J. Cell Biol. 2004, 164(4): 527ff)。
【0008】
男性生殖能力抑制の手段を提供するために、迅速に、可逆的に且つ好結果に、不妊症を誘導する物質への要望が増加している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、一般式Iの化合物の提供により解決される:
【0010】
【化1】

【0011】
〔式中、次の表記法が用いられる:
1は水素、ハロゲン、CF3、場合により複数個所飽和されることがあり且つ場合により多置換されることがあるC3〜C6シクロアルキル、又はC1〜C6アルキル、C1〜C6アリール、C1〜C6アシル、ハロ−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アシル、C1〜C6アシル−C1〜C6アシル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アリール、C1〜C6アリール−C1〜C6アルキルもしくはCF3基であり、ここで前記C1〜C6アルキル、C1〜C6アリール、C1〜C6アシル、ハロ−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アシル、C1〜C6アシル−C1〜C6アシル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アリールもしくはC1〜C6アリール−C1〜C6アルキルは、場合により一箇所又は、同一にもしくは異なるように複数個所、酸素、硫黄もしくは窒素により中断されることがあり、又は
スルホニル−C1〜C6アルキル、スルホンアミドもしくはシアノ基であり、
【0012】
2はハロゲン、CF3又は場合により複数個所飽和されることがありそして場合により多置換されることがある、C3〜C6シクロアルキルであり、あるいは
1〜C6アルキル、C1〜C6アリール、C1〜C6アシル、ハロ−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アシル、C1〜C6アシル−C1〜C6アシル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アリール、C1〜C6アリール−C1〜C6アルキルもしくはCF3基であり、ここで前記C1〜C6アルキル、C1〜C6アリール、C1〜C6アシル、ハロ−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アシル、C1〜C6アシル−C1〜C6アシル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アリールもしくはC1〜C6アリール−C1〜C6アルキル基は、場合により一箇所又は、同一にもしくは異なるように複数個所、酸素、硫黄もしくは窒素により中断されることがあり、又は
スルホニル−C1〜C6アルキル、スルホンアミドもしくはシアノ基であり、
【0013】
3は、C6〜C12アリールであって、ハロゲン、C1〜C6アルキルもしくはC1〜C6アシル(これらは場合により一置換もしくは多置換されることがある)により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがあり、又はC1〜C6アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、CO2−(C1〜C6アルキル)、N−(C1〜C6アルキル)2、CO−NR45もしくはCF3により置換されることがある、C6〜C12アリール、あるいは
5〜C12ヘテロアリールであって、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、CO2−(C1〜C6アルキル)、N−(C1〜C6アルキル)2、CO−NR45もしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C12ヘテロアリール、あるいは
3〜C6シクロアルキルであって、ハロゲン、CF3、ヒドロキシ、シアノ、CO2−(C1〜C6アルキル)、C1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、N−(C1〜C6アルキル)2、CO−NR45もしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C3〜C6シクロアルキルであり、
【0014】
4は水素、C3〜C6シクロアルキルであって、C1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシもしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C3〜C6シクロアルキル、
6〜C12アリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシ、N−C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがあるC6〜C12アリール、又は
5〜C12ヘテロアリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシ、N−C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C12ヘテロアリール、又は
適宜置換され得るC1〜C6アルキルであり、
【0015】
5は水素、C1〜C6アルキル−C3〜C6シクロアルキルであって、場合によりC1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシもしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C1〜C6アルキル−C3〜C6シクロアルキル、又は
3〜C6シクロアルキルであって、場合によりC1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシもしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C6シクロアルキル、又は
6〜C12アリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシ、N−C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C6〜C12アリール、又は
5〜C12ヘテロアリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシ、N−C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C12ヘテロアリール、又は
適宜置換され得るC1〜C6アルキルであり、そして
【0016】
4とR5は一緒になって、更にヘテロ原子を含むことができる5〜8員環を形成し、そして
【0017】
6はC1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルキルシクロ−C3〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C6〜C12アリール基であって、前記C1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルキルシクロ−C3〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C6〜C12アリール基は場合によりヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、塩素、臭素、フッ素、シアノ、メチルスルホニルもしくはアミノスルホニルにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある〕
並びにそれらの異性体、ジアスレテオマー、鏡像体及び塩は、既知の欠点を克服し且つ改良された性質を示し、即ち良好な効能、良好な溶解性及び良好な安定性を示す。
【0018】
本発明化合物は可溶性アデニレートシクラーゼを阻害し、そのため精子受精能獲得を防止し、かくして男性の生殖能力抑制を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
アルキルは、各場合に直鎖状又は分枝状アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル及びヘキシルを意味する。
【0020】
アルコキシは、各場合に直鎖状又は分枝状アルコキシ基、例えばメトキシ−、エトキシ−、n−プロポキシ−、イソプロポキシ−、n−ブトキシ−、sec−ブトキシ−、イソブトキシ−、tert−ブチルオキシ−、ペントキシ−、イソペントキシ−及びヘキソキシ−を意味する。
【0021】
アシルは、各場合に直鎖状又は分枝状基、例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチロイル、イソブチロイル、バレロイル及びベンゾイルを意味する。
【0022】
シクロアルキルは、単環式アルキル環、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを意味する。
【0023】
シクロアルキル基は、炭素原子の代わりに1又は複数のヘテロ原子、例えば酸素、硫黄及び/又は窒素を含むことができる。3〜6個の環原子を有するそのようなヘテロシクロアルキルが好ましい。場合により環中に1又は複数の可能な二重結合が含まれ得る環系は、例えば、シクロアルケニル、例えばシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニルを意味し、その場合カップリングは二重結合上と単結合上の両方で起こることができる。
【0024】
ハロゲンは各場合にフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。
【0025】
各場合にアリール基は6〜12個の炭素原子を含んで成り、そして例えばベンゾ縮合されることができる。例として次のものを挙げることができる:フェニル、トロピル、シクロオクタジエニル、インデニル、ナフチル、ビフェニル、フロレニル、アントラセニル等。
【0026】
各場合にヘテロアリール基は5〜16個の環原子を含んで成り、そして炭素の代わりに環中に1又は複数の、同一又は異なるヘテロ原子、例えば酸素、硫黄又は窒素を含むことができ、単環式、二環式又は三環式であることができ、そして各場合に更にベンゾ縮合され得る。
【0027】
例として次のものを挙げることができる:
チエニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル等及びそれらのベンゾ誘導体、例えばベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル等;又はピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル等及びそれらのベンゾ誘導体、例えばキノリル、イソキノリル等;又はアゾジニル、インドリジニル、プリニル等及びそれらのベンゾ誘導体;又はキノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、キサンテニル、オキセピニル等。
【0028】
ヘテロアリール基は各場合にベンゾ縮合され得る。例えば、5員のヘテロ芳香族基として次のもの:チオフェン、フラン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール及びそれらのベンゾ誘導体を挙げることができ、そして6員のヘテロ芳香族基としてピリジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン及びベンゾ誘導体を挙げることができる。
【0029】
ヘテロ原子は酸素、窒素又は硫黄原子を意味するものとして解釈すべきである。
【0030】
酸機能が存在する場合、有機及び無機塩基の生理学的に許容される塩が塩として適当であり、例えば易溶性アルカリ及びアルカリ土類塩及びN−メチルグルカミン、ジメチルグルカミン、エチルグルカミン、リジン、1,6−ヘキサジアミン、エタノールアミン、グルコサミン、サルコシン、セリノール、トリス−ヒドロキシメチルアミノメタン、アミノプロパンジオール、Sovak塩基、1−アミノ−2,3,4−ブタントリオールが適当である。
【0031】
塩基性機能が存在する場合、有機及び無機酸の生理学的に許容される塩、例えば塩酸、硫酸、リン酸、クエン酸、酒石酸等が適当である。
【0032】
記号が次の意味を有する一般式Iの化合物、並びにそれらの異性体、ジアステレオマー、鏡像体及び塩が特に好ましい。:
1が水素、ハロゲン、CF3、C3〜C6シクロアルキル、又はC1〜C6アルキル、C1〜C6アリール、C1〜C6アシル、ハロ−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アシル、C1〜C6アシル−C1〜C6アシル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アリール、C1〜C6アリール−C1〜C6アルキルもしくはCF3基であり、ここで前記C1〜C6アルキル、C1〜C6アリール、C1〜C6アシル、ハロ−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アシル、C1〜C6アシル−C1〜C6アシル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アリールもしくはC1〜C6アリール−C1〜C6アルキルは、場合により一箇所又は、同一にもしくは異なるように複数個所、酸素、硫黄もしくは窒素により中断されることがあり、又は
スルホニル−C1〜C6アルキル、スルホンアミドもしくはシアノ基であり、
【0033】
2がハロゲン、CF3、C3〜C6シクロアルキルであり、あるいは
1〜C6アルキル、C1〜C6アリール、C1〜C6アシル、ハロ−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アシル、C1〜C6アシル−C1〜C6アシル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アリール、C1〜C6アリール−C1〜C6アルキルもしくはCF3基であり、ここで前記C1〜C6アルキル、C1〜C6アリール、C1〜C6アシル、ハロ−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アシル、C1〜C6アシル−C1〜C6アシル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アリールもしくはC1〜C6アリール−C1〜C6アルキルは、場合により一箇所又は、同一にもしくは異なるように複数個所、酸素、硫黄もしくは窒素により中断されることがあり、又は
スルホニル−C1〜C6アルキル、スルホンアミドもしくはシアノ基であり、
【0034】
3が、C6〜C12アリールであって、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C3アルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、N-(CH3)2、CO2−(C1〜C3アルキル)、CO−NR45もしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C6〜C12アリール、
5〜C12ヘテロアリールであって、場合により塩素及び/又はフッ素、C1〜C6アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、N-(CH3)2、CO2−(C1〜C3アルキル)、CO-NR45もしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C12ヘテロアリール、あるいは
3〜C6シクロアルキルであって、塩素及び/又は臭素、CF3、シアノ、C1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、ヒドロキシ、N−(CH3)2、CO2−(C1〜C3アルキル)、CO-NR45もしくはC1〜C3アルコキシにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C3〜C6シクロアルキルであり、
【0035】
4が水素、場合によりC1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシもしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C3〜C6シクロアルキル、
6〜C12アリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシ、N−C1〜C3アルキル−C1〜C3アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがあるC6〜C12アリール、又は
5〜C12ヘテロアリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシ、N−C1〜C3アルキル−C1〜C3アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C12ヘテロアリール、又は
適宜置換され得るC1〜C6アルキルであり、
【0036】
5が水素、C1〜C6アルキル−C3〜C6シクロアルキルであって、場合によりC1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシもしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C1〜C6アルキル−C3〜C6シクロアルキル、
3〜C6シクロアルキルであって、場合によりC1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシもしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C6シクロアルキル、又は
6〜C12アリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシ、N−C1〜C3アルキル−C1〜C3アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C6〜C12アリール、又は
5〜C12ヘテロアリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシ、N−C1〜C3アルキル−C1〜C3アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C12ヘテロアリール、又は
適宜置換され得るC1〜C6アルキルであり、そして
【0037】
4とR5が一緒になって、更にヘテロ原子を含むことができる5〜8員環を形成し、そして
6がC1〜C6アルキル、C1〜C6アルキルシクロ−C3〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C6〜C12アリール基であって、場合によりヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、塩素、臭素、フッ素、シアノ、メチルスルホニルもしくはアミノスルホニルにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがあるC1〜C6アルキル、C1〜C6アルキルシクロ−C3〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C6〜C12アリール基であること。
【0038】
1が水素であり、
2がC3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルキル、CF3、シアノ、臭素、又は基−OCF3、−SO2−CH3であり、
3がC6〜C12アリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、N−(CH3)2、CO2−(C1〜C3アルキル)、CO−NR45もしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C6〜C12アリール、又は
5〜C12ヘテロアリールであって、場合により塩素及び/又はフッ素、C1〜C6アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、N-(CH3)2、CO2−(C1〜C3アルキル)、CO-NR45もしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C12ヘテロアリール、又は
3〜C6シクロアルキルであって、塩素及び/又は臭素、CF3、シアノ、C1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、ヒドロキシ、N−(CH3)2、CO2−(C1〜C3アルキル)、CO-NR45もしくはC1〜C3アルコキシにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C3〜C6シクロアルキルであり、
【0039】
4が水素であり、
5が水素、C1〜C6アルキル−C3〜C6シクロアルキルであって、場合によりC1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシもしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C1〜C6アルキル−C3〜C6シクロアルキル、
3〜C6シクロアルキルであって、場合によりC1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシもしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C3〜C6シクロアルキル、又は
6〜C12アリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシ、N−C1〜C3アルキル−C1〜C3アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C6〜C12アリール、又は
5〜C12ヘテロアリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシ、N−C1〜C3アルキル−C1〜C3アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C12ヘテロアリール、又は
適宜置換され得るC1〜C6アルキルであり、そして
【0040】
6がC1〜C4アルキル、CH2−シクロ−C3〜C6アルキル、CH2−C6〜C12アリール基であって、前記C1〜C4アルキル、CH2−シクロ−C3〜C6アルキル、CH2−C6〜C12アリール基は場合によりヒドロキシ、メトキシ、塩素、フッ素、シアノもしくはアミノスルホニルにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある
一般式Iの化合物、並びにそれらの異性体、ジアステレオマー、鏡像体及び塩も好ましい。
【0041】
1が水素であり、
2がパラ位のC3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルキル、CF3、シアノ、臭素、又は−OCF3、−SO2-CH3基であり、
3が、C6〜C12アリールであって、ハロゲン、C1〜C3アルキル、アセチル、メトキシ、エトキシ、シアノ、ヒドロキシ、N-(CH3)2、CO2−(C1〜C3アルキル)、CO−NHR5もしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように二置換されることがある、C6〜C12アリール、
5〜C12ヘテロアリールであって、場合により塩素及び/又はフッ素、C1〜C3アルキル、アセチル、メトキシ、エトキシ、シアノ、ヒドロキシ、N-(CH3)2、CO2−(C1〜C3アルキル)、CO-NHR5もしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C12ヘテロアリール、あるいは
3〜C6シクロアルキルであり、
4が水素であり、
5が水素、C1〜C6アルキル−C3〜C6シクロアルキルであって、場合によりC1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシもしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C1〜C6アルキル−C3〜C6シクロアルキル、
3〜C6シクロアルキルであって、場合によりC1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシもしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C3〜C6シクロアルキル、又は
6〜C12アリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシ、N−C1〜C3アルキル−C1〜C3アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C6〜C12アリール、又は
5〜C12ヘテロアリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシ、N−C1〜C3アルキル−C1〜C3アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C12ヘテロアリール、又は
適宜置換され得るC1〜C6アルキルであり、そして
6がC1〜C4アルキル、CH2−シクロ−C3〜C6アルキル、CH2−C6〜C12アリール基であって、場合によりヒドロキシ、メトキシ、塩素、フッ素、シアノもしくはアミノスルホニルにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがあるC1〜C4アルキル、CH2−シクロ−C3〜C6アルキル、CH2−C6〜C12アリール基、である、
一般式Iの化合物、並びにそれらの異性体、ジアステレオマー、鏡像体及び塩も好ましい。
【0042】
1が水素であり、
2がパラ位のtert−ブチル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、シアノ、臭素、又は−O−CF3、−SO2−CH3基であり、
3が次の基
【0043】
【化2】

であり、
【0044】
4が水素であり、
5が水素又は-(CH2)m-N-(CH3)2, -(CH2)2-CH3, -(CH2)2-NH-COCH3, -(CH2)-CHCH3-OH, -(CH2)2-O-CH3, -(CH2)2-OH, -CHCH3-CH2-OH、ここでm=1〜3であり、又は次の基:
【化3】

であり、
【0045】
6がメチル、エチル、プロピル、2−メトキシエチル、−CH2-CF3−、−(CH2)2-CF3及びベンジルである
一般式Iの化合物、並びにそれらの異性体、ジアステレオマー、鏡像体及び塩も好ましい。
【0046】
1が水素であり、
2がパラ位のtert-ブチル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、シアノ、臭素又は−O−CF3、−SO2−CH3基であり、
【0047】
3が次の基:
【化4】

であり、
4が水素であり、
【0048】
5が水素、基-(CH2)-CHCH3-OH, -(CH2)2-O-CH3, -CHCH3-CH2-OH,
【化5】

であり、
6がメチル、エチル、プロピル、2−メトキシエチル、-CH2-CF3、-(CH2)2-CF3及びベンジルである
一般式Iの化合物、並びにそれらの異性体、ジアステレオマー、鏡像体及び塩も好ましい。
【0049】
本発明に係る次の化合物が特に非常に好ましい:
1. 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(テトラヒドロピラン−4−イル)アミド
2. 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(2−モルホリン−4−イルエチル)アミド
3. (±)−5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミド
4. (±)−5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(2−ヒドロキシプロピル)アミド
5. 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(ピリジン−4−イル)アミド
【0050】
6. 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ベンジルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(テトラヒドロピラン−4−イル)アミド
7. 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ベンジルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(2−モルホリン−4−イルエチル)アミド
8. (±)−5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ベンジルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミド
9. (±)−5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ベンジルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(2−ヒドロキシプロピル)アミド
10. 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)−(2−メトキシエチル)アミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(テトラヒドロピラン−4−イル)アミド
【0051】
11. 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)−(2−メトキシエチル)アミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(2−モルホリン−4−イルエチル)アミド
12. (±)−5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)−(2−メトキシエチル)アミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミド
13. (±)−5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)−(2−メトキシエチル)アミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(2−ヒドロキシプロピル)アミド
14. 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−(3−フルオロフェニル)−1H−インドール−2−カルボン酸(テトラヒドロピラン−4−イル)アミド
【0052】
15. 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−(3−フルオロフェニル)−1H−インドール−2−カルボン酸(2−モルホリン−4−イルエチル)アミド
16. 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−(3−メトキシフェニル)−1H−インドール−2−カルボン酸(テトラヒドロピラン−4−イル)アミド
17. 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−(3−メトキシフェニル)−1H−インドール−2−カルボン酸(2−モルホリン−4−イルエチル)アミド。
【0053】
本発明は、本発明に係る一般式Iの化合物の調製方法であって、当業者に周知である方法に従って、一般式IIの化合物
【化6】

(式中、R1,R2,R3及びR6は各々上記に定義した通りであり、そしてR7は水素又はC1〜C6アルキル、好ましくは水素、メチル又はエチルであることができる)
を一般式IIIのアミン
【化7】

(式中、R4及びR5は各々上記に定義した通りである)
と反応させ、続いていずれかの必要な保護基を開裂せしめることを特徴とする方法も提供する。
【0054】
7が水素である時、反応は、例えば最初に第三級アミン、例えばトリエチルアミンの存在下で、クロロ蟻酸イソブチルを用いて一般式IIのカルボン酸を混合無水物へと変換することにより、酸機能の活性化を行うことができる。この混合無水物と対応するアミンのアルカリ金属塩との反応は、不活性溶媒又は溶媒混合物、例えばテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド中で、−20℃〜+60℃の温度で、好ましくは0℃〜30℃の温度で実施される。
【0055】
別の可能性は、一般式IIのカルボン酸を、例えばHOBt又はHATUのような試薬を使って活性化することにある。前記カルボン酸とHATUとの反応は、例えば不活性溶媒、例えばDMF中で一般式IIIの対応するアミン及び第三級アミン、例えばエチルジイソプロピルアミンの存在下で、−50℃〜+60℃、好ましくは0℃〜30℃の温度で実施される。
【0056】
6がC1〜C6アルキルである時、例えば、アルミニウムトリアルキル試薬、好ましくはアルミニウムトリメチルの助けを伴って又は伴わずに、対応するアミンによるエステルの直接アミドリシスを行うことも可能である。
【0057】
出発物質として働く一般式IIの化合物は、例えば、水素雰囲気中で又は例えばパラジウム触媒の存在下での蟻酸アンモニウムのような水素供給源中で、常法により、既知のインドールエステルIV
【化8】

(式中、R7はC1〜C6アルキル、好ましくはメチルまたはエチルである)
のニトロ基をアミノ機能に還元し、次いでこのアミンを、塩基、例えばピリミジン、ジイソプロピルアミン、トリエチルアミンまたは炭酸カリウムの存在下で、一般式Vのハロゲン化物
【化9】

(式中、R1とR2は各々上記に定義した通りであり、そしてHalはハロゲン、好ましくはフッ素、塩素又は臭素を表す)
と反応させて、一般式VIの化合物
【化10】

を形成させることにより得られる。
【0058】
次いで式VIのエステルを例えばヨウ素、NBI、NBS又はCuBr2を用いて3位にてハロゲン化すると、一般式VIIの化合物
【化11】

(式中、R1,R2及びR7は各々上記に定義した通りである)
が得られる。
【0059】
それらのエステルを次いで塩基、例えばジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム又は炭酸セシウムの存在下で、アセトンまたはテトラヒドロフラン中、一般式VIIIのハロゲン化物
【化12】

(式中、R6は上記に定義した通りであり、そしてHalはハロゲン、好ましくはヨウ素、塩素又は臭素を表す)
と反応させると、一般式IXの化合物
【化13】

が得られる。
【0060】
次いで一般式IXのエステルを、Pd-触媒反応において一般式Xのボロン酸誘導体
【化14】

(式中、R3は上記に定義した通りである)
を用いてその3位を変換せしめ、適当であれば、R6中の必要な保護基を脱離し、適当であれば続いて例えば水酸化ナトリウムを用いて、一般式IIの化合物
【化15】

へとけん化する。
【0061】
或いは、最初に一般式VIIのエステルを3位において、一般式Xのボロン酸誘導体
【化16】

(式中、R3は上記に定義した通りである)
を用いたPd触媒反応により、一般式XIの化合物
【化17】

(式中、R1,R2,R3及びR7は各々上記に定義した通りである)
へと変換し、続いて塩基、例えばジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム又は炭酸セシウムの存在下で、アセトン又はテトラヒドロフラン、及び一般式VIIIのハロゲン化物
【化18】

(式中、R6は上記に定義した通りであり、そしてHalはハロゲン、好ましくはヨウ素、塩素又は臭素を表す)
中でN−アルキル化工程を実施し、適当であればR6中の必要な保護基を脱離し、適当であればその後例えば水酸化ナトリウム溶液を用いたけん化により、一般式IIの化合物が得られる。
【0062】
本発明化合物は、可溶性アデニレートシクラーゼを阻害し、これは例えば男性生殖能力抑制に対するそれらの作用の基礎でもある。
【0063】
アデニレートシクラーゼは、最も利用されるシグナル伝達経路の1つのためのエフェクター分子であり、それらはピロリン酸(PP)の開裂によるアデノシン三リン酸(ATP)から第二メッセンジャー分子である環状アデノシン一リン酸(cAMP)を合成する。cAMPは、多数の神経伝達物質やホルモンに対する無数の細胞性応答を媒介する。可溶性精子特異的アデニレートシクラーゼ(sAC、ヒトmRNA配列(GenBank)nm 018417、ヒト遺伝子ADCY X)は、ヒトゲノムにおいて記載されている10種のアデニレートシクラーゼのうちの1つである。
【0064】
sACは、それを別のアデニレートシクラーゼから区別する幾つかの特異的な性質を示す。他の全てのアデニレートシクラーゼに対比して、sACは周囲の媒体中の炭酸水素塩の濃度により刺激され、Gタンパク質によっては刺激されない。sACはそのアミノ酸配列中に膜貫通領域を持たず、それはホルスコリンにより阻害することができず、マグネシウムよりもマンガンによりずっと強力に刺激することができ、そして別のアデニレートシクラーゼに対してわずかな配列相同性しか示さない(アミノ酸レベルでの別のアデニレートシクラーゼとsACの触媒領域I及びIIとの一致は≦26%)。
【0065】
sACの特異的マンガン依存活性は、T. Braun他(1975, PNAS 73:1097ff)によりラット精巣及び精子において最初に記載された。N. Okamura他(1985, J. Biol. Chem. 260(17):9699ff)は、雄豚精液中のsACの活性を刺激する物質が炭酸水素塩であることを示した。炭酸水素塩により刺激することができるAC活性がラット精巣及び精子中にのみ検出され、別の組織中には検出されないことも示された。sACはBuck & Levinグループ(J. Buck他, 1999, PNAS 96:79ff, WO 01/85753)により初めてラット精巣から精製され配列決定された。予想される性質(例えば炭酸水素塩及びマグネシウムにより刺激される性質)が組換え発現されたタンパク質において確認された(Y. Chen他、2000, Science 289:625ff)。
【0066】
該酵素の精巣特異的及び精子特異的発現は、sAC mRNAの分布に対するデータと酸水素塩により刺激することができるsAC活性に対するデータから結論付けることができる(ML Sinclair他、2000, Mol. Reprod. Develop. 56:6ff ; N. Okamura他、1985, J. Biol. Chem. 260(17):9699ff ; J. Buck他、1999, PNAS 96:79ff)。精巣では、sAC mRNAは精子へと成熟する配偶子の後期段階においてのみ発現され、体細胞においては発現されない(ML Sinclair他、2000, Mol. Develop. 56:6ff)。
【0067】
哺乳類の精子におけるsACの機能には多数の薬理学的研究がなされてきた。精子が卵子の透明帯を貫通し次いで卵子の卵細胞膜と融合する前に、精子はこの機能性の準備をしなければならない。この過程、精子受精能獲得は、徹底的に研究されている。受精能獲得精子は、運動パターンの変化と、適当に刺激した時に先体反応過程を通過する能力(おそらく精子による透明帯の貫通のために働く溶解酵素の放出)により特徴付けられる。精子受精能獲得は生体内と試験管内で起こり、とりわけ媒体中の高められた炭酸水素濃度に関係なく起こる(PE. Visconti & GS Kopf (1998), Biol. Reprod. 59:1ff ; E. de Lamirande他、1997, Mol. Hum. Reprod. 3(3):175ff)。精子受精能獲得は、適当な膜貫通cAMP類似体、例えばdb-cAMP、及びそれらの分解を防止する阻害剤(例えばIBMX)を添加することにより刺激することもできる。sACに対する精子機能の推定依存性は、ごく最近になって遺伝子欠損モデル、いわゆるノックアウトマウスにより確認された。sAC遺伝子を欠く雄マウスは、正常に進行する精子形成を示すが、不稔性である。その精子は運動能欠損を有し、卵子を受精させる能力がない。該動物は他の欠損や異常な結果は何ら示さず、このことはsACの別の仮定される機能と矛盾する(JH Zippin他、2003, FASEB 17:82ff)。
【0068】
sACはユニーク配列を有し、且つ別の体細胞性アデニレートシクラーゼに対してわずかな相同性しか示さない。それは哺乳動物の精子中の唯一のアデニレートシクラーゼであり、その活性は精子の運動性及び受精能獲得にとって不可欠である。従って、特異的sAC阻害剤は雄の生殖能力を抑制するための重要な可能性を意味する。
【0069】
従って、本発明は請求項1〜7に記載の化合物の少なくとも1つを含有する医薬品に関する。
【0070】
本発明は、請求項1〜7に記載の化合物の使用にも関する。
【0071】
本発明に係る化合物の医薬品としての使用のために、それらは活性物質に加えて、腸内又は非経口投与に適当である有機又は無機の不活性医薬賦形剤、例えば水、ゼラチン、アラビアガム、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物油、ポリアルキレングリコール等を含有する、医薬製剤の形に変換される。医薬製剤は固形、例えば錠剤、糖衣錠、座剤又はカプセル剤、又は液体形、例えば溶液、懸濁液又は乳液の形であることができる。必要であれば、それらは賦形剤、例えば保存剤、安定剤、湿潤剤又は乳化剤;浸透圧を変更する塩もしくは緩衝剤を含有することもできる。
【0072】
注射液剤又は懸濁液剤、特にポリヒドロキシエトキシル化ヒマシ油中の活性化合物の水性液剤が、非経口投与に特に適当である。
【0073】
界面活性賦形剤、例えば胆汁酸の塩又は動物もしくは植物リン脂質、並びにそれらの混合物、並びにリポソーム又はそれらの構成成分をキャリヤー系として使用することもできる。
【0074】
特に、タルク及び/又は炭化水素賦形剤または結合剤、例えばラクトース、トウモロコシデンプン又はジャガイモデンプンを含有する錠剤、糖衣錠又はカプセル剤が経口投与に適当である。投与は液体形、例えば必要ならば甘味剤が添加された、ジュースの形であることもできる。
【0075】
膣内投与には、例えば座剤が適当であり且つ便利である。
【0076】
本発明は、腸内、非経口、膣内及び経口投与にも関する。
【0077】
活性物質の用量は、投与の経路、患者の年齢及び体重、治療すべき病気の性質及び重症度並びに同様な要因に依存する。日用量は0.5〜1000 mg、好ましくは50〜200 mgであり、その容量は一度に投与すべきである単一量であることができ、又は2以上の日用量に分割することができる。
【0078】
一般式Iの本発明に係る化合物は、とりわけ、可溶性アデニレートシクラーゼの優れた阻害剤である。可溶性アデニレートシクラーゼの阻害剤はcAMPシグナルの抑制をもたらす。cAMPレベルは、細胞増殖、細胞分化及びアポトーシスにおいて重要な役割を果たす過程の抑制にとって決定的である。cAMPレベルの抑制が決定的である疾患、例えば癌は、可溶性アデニレートシクラーゼの阻害剤により活性調節することができる。この活性調節は、そのような疾患を患っている患者に予防効果及び治療効果を有することができる。現在、癌のように、増加した細胞に関連付けられる疾患は、例えば放射線療法や化学療法により治療される。それらの方法は非特異的であり、副作用を有する可能性が高い。従って、特定の標的部位に対して直接作用する新規物質の提供が有利である。本発明は、可溶性アデニレートシクラーゼの阻害によりcAMP産生を調節する物質に関する。例えば、cAMP産生の調節又は阻害により、異常な細胞増殖を減少又は防止することができる。本発明に係る物質の使用により可溶性アデニレートシクラーゼを阻害することができ、結果として細胞増殖を減少させる。本発明は、一般式Iに示される少なくとも1つの化合物を含有する疾患の治療用医薬品、及び適当な賦形剤及び助剤を有する医薬品に関する。該疾患は、それらが第二メッセンジャーcAMPの代謝の妨害によって引き起こされることを特徴とする。
【0079】
可溶性アデニレートシクラーゼの阻害によるcAMP濃度の低下は、精子受精能獲得の活性調節の手段を提供する。本発明は、可溶性アデニレートシクラーゼ活性の低下又は阻害により媒介される雄生殖能力の、従って精子受精能獲得の、減少及び/又は阻害のための本発明に係る物質の使用に関する。
【0080】
卵子の受精は、cAMP産生の阻害をもたらす物質の有効量を投与することにより抑制することができる。本発明は、非ホルモン性避妊用医薬品の製造のための一般式Iの化合物の使用にも関する。
【0081】
出発化合物の製造が記載されない場合、それらは既知であるか又は本明細書に記載の方法もしくは既知化合物と同様にして製造することができる。本明細書に記載の反応はパラレル反応器中で又はコンビナトリアル技術を使って実施することも可能である。
【0082】
異性体の混合物は、常法により、例えば晶出、クロマトグラフィー又は塩形成により、鏡像体又はE/Z異性体に分離することができる。
【0083】
塩は、常法により、等量又は過剰量の塩基又は酸を、必要であれば溶液にして、式Iの化合物の溶液に添加し、そして常用のやり方で沈澱を分離するか又は溶液を処理することにより製造される。
【実施例】
【0084】
本発明化合物の製造
次の実施例は、本発明化合物の範囲をそれらの実施例に限定することなく、本発明に係る一般式Iの化合物の製造を説明する。
【0085】
本発明に係る一般式Iの化合物は後述のように製造される。
【0086】
実施例1:5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(テトラヒドロピラン−4−イル)アミド
【化19】

【0087】
実施例1f)において調製された酸45 mgの0.75 mlジメチルホルムアミド溶液を、40.3 mgのN−〔(ジメチルアミノ)−1H−1,2,3−トリアゾロ〔4,5−b〕ピリジン−1−イルメチレン〕−N−メチルメタナミニウムヘキサフルオロリン酸N−オキシド(HATU)と9.84 mgの4−アミノテトラヒドロピランと混合する。次いで18.0μlのエチルジイソプロピルアミンを0℃で滴下添加した後、室温で20時間攪拌する。この後、25 mlの水を加え、30分攪拌し、そして吸引濾過する。こうして得られた残渣を、ヘキサン/0〜70%酢酸エチルを用いたシリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製すると、49.7 mgの表題化合物が得られる。
【0088】
NMR(300 MHz, DMSO-d6):δ=1.22 (2H), 1.26 (s,9H), 1.65 (2H), 3.07 (3H), 3.32 (2H), 3.68 (2H), 3.89 (1H), 6.91 (1H), 6.99 (1H), 7.26-7.33 (4H), 7.34-7.41 (5H), 7.54 (2H), 11.85 (1H)。
【0089】
表題化合物の出発材料は次のようにして調製される:
1a) 5−アミノ−1H−インドール−2−カルボン酸エチル
【化20】

【0090】
170 mlのメタノールと0.5 mlの水中に5 gの5−ニトロ−1H−インドール−2−カルボン酸エチルを投入し、6.73 gの蟻酸アンモニウム及び50 mgのPd/C(10%)と混合し、90℃で1時間還流させる。この後、セライトを通して吸引濾過し、温メタノールで洗浄する。溶媒除去後、残渣を100 mlの水と混合し、10分間攪拌し、沈澱した固体物質を減圧下で乾燥すると、4.12 gの表題化合物が得られる。
NMR(300 MHz, DMSO-d6):δ=1.28 (3H), 4.25 (2H), 4.63 (2H), 6.62-6.68 (2H), 6.79 (1H), 7.12 (1H), 11.35 (1H)。
【0091】
1b) 5−(4−tert−ブチルフェニルスルホニルアミノ)−1H−インドール−2−カルボン酸エチル
【化21】

【0092】
195 ml DMF中の実施例1a)にて調製したアミン4.12 gの溶液を、0℃において、5.18 mlのエチルジイソプロピルアミン及び4.69gの4−tert−ブチルフェニルスルホニルクロリドと混合し、室温で2時間攪拌する。溶媒を減圧留去し、残渣をヘキサン/0〜80%酢酸エチルを用いたシリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製すると、7.56gの表題化合物が得られる。
NMR(300 MHz, DMSO-d6):δ=1.20 (9H), 1.27 (3H), 4.27 (2H), 6.97-7.03 (2H), 7.25 (1H), 7.31 (1H), 7.48 (2H), 7.59 (2H), 9.93 (1H), 11.80 (1H)。
【0093】
1c) 3−ブロモ−5−(4−tert−ブチルフェニルスルホニルアミノ)−1H−インドール−2−カルボン酸エチル
【化22】

【0094】
217 mlのテトラヒドロフラン中の実施例1b)にて調製したスルホンアミド 7.56 gの溶液を、3.36gのN−ブロモスクシンイミドと混合し、室温で40分間攪拌する。300 mlの酢酸エチルで希釈した後、50 mlの水で1回そして各回50 mlの飽和塩化ナトリウム溶液で2回洗浄し、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥する。減圧下での濾過及び濃縮後、こうして得られた残渣をヘキサン/酢酸エチルから再結晶すると、8.11gの表題化合物が得られる。
NMR(300 MHz, DMSO-d6):δ=1.20 (9H), 1.30 (3H), 4.31 (2H), 7.08-7.15 (2H), 7.33 (1H), 7.50 (2H), 7.60 (2H), 10.08 (1H), 12.16 (1H)。
【0095】
1d) 3−ブロモ−5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−1H−インドール−2−カルボン酸エチル
【化23】

【0096】
10 mlアセトン中の実施例1c)にて調製した臭化物1gの懸濁液を、375 mgの炭酸カリウム及び0.13 mlのヨウ化メチルと混合し、室温で24時間攪拌する。混合物を300 mlの酢酸エチルで希釈し、50 mlの水で1回そして50 mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄する。硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した後、減圧下で濃縮する。こうして得られた残渣を、ヘキサン/酢酸エチルを7:3の比で用いたシリカゲル上での中圧クロマトグラフィーにより精製すると、670 mgの表題化合物が得られる。
NMR(300 MHz, DMSO-d6):δ=1.27 (9H), 1.32 (3H), 3.14 (3H), 4.34 (2H), 6.92 (1H), 7.08 (1H), 7.39 (1H), 7.41 (2H), 7.56 (2H), 12.33 (1H)。
【0097】
1e) 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸エチル
【化24】

【0098】
25.5 mlエタノールと25.5 mlトルエンの混合物中の実施例1d)にて調製したエステル666 mgの溶液を、239 mgのフェニルボロン酸及び3.37 mlの1M水性炭酸ナトリウム溶液及び更に160 mgの塩化リチウムと混合する。125 mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの添加後、反応混合物を20時間還流させる。室温に冷却後、反応混合物をセライトを通して吸引濾過し、濾過残渣を酢酸エチルで洗浄する。こうして得られた有機相を10 mlの飽和炭酸水素ナトリウムと飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥する。減圧濃縮後、こうして得られた残渣をヘキサン/0〜60%酢酸エチルを用いたシリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製すると、626 mgの表題化合物が得られる。
NMR(300 MHz, DMSO-d6):δ=1.13 (3H), 1.27 (9H), 3.06 (3H), 4.18 (2H), 6.90 (1H), 7.07 (1H), 7.25-7.36 (5H), 7.39 (2H), 7.43 (1H), 7.55 (2H), 10.24 (1H)。
【0099】
1f) 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸
【化25】

【0100】
14.5 mlのエタノール中の実施例1e)にて調製したエステル600 mgと7.25 mlのエタノールの混合物を、905 mgの水酸化ナトリウムと混合し、そして室温で20時間攪拌する。次いで該混合物を100 mlの水で希釈し、5%硫酸で酸性化する。沈澱を濾取し、乾燥すると205 mgの表題化合物が得られ、それを更に精製することなく更に反応させる。
NMR(300 MHz, DMSO-d6):δ=1.26 (9H), 3.06 (3H), 6.88 (1H), 7.04 (1H), 7.24-7.35 (5H), 7.36-7.43 (3H), 7.55 (2H), 11.94 (1H), 12.93 (1H)。
【0101】
実施例2:5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(2−モルホリン−4−イルエチル)アミド
【化26】

【0102】
実施例1f)の酸 45 mgと2−(モルホリン−4−イル)エチルアミン 12.8μlを用いて実施例1を繰り返すと、36.2 mgの表題化合物が得られる。
NMR(300 MHz, DMSO-d6):δ=1.27 (9H), 2.18 (4H), 2.25 (2H), 3.06 (3H), 3.25 (2H), 3.38 (4H), 6.85 (1H), 6.98 (1H), 7.27-7.42 (9H), 7.55 (2H), 11.85 (1H)。
【0103】
実施例3:(±)−5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミド
【化27】

【0104】
実施例1f)の酸 45 mgと2−アミノ−1−プロパノール7.75μlを用いて実施例1を繰り返すと、42.6 mgの表題化合物が得られる。
NMR(300 MHz, DMSO-d6):δ=0.94 (3H), 1.26 (9H), 3.07 (3H), 3.13-3.30 (2H), 3.89 (1H), 4.62 (1H), 6.89 (1H), 6.96 (1H), 6.99 (1H), 7.26-7.41 (8H), 7.54 (2H), 11.83 (1H)。
【0105】
実施例4:(±)−5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(2−ヒドロキシプロピル)アミド
【化28】

【0106】
実施例1f)の酸 45 mgと1−アミノ−2−プロパノール7.31 mgを用いて実施例1を繰り返すと、45.4 mgの表題化合物が得られる。
NMR(300 MHz, DMSO-d6):δ=0.91 (3H), 1.27 (9H), 3.00-3.17 (2H), 3.06 (3H), 3.58 (1H), 4.59 (1H), 6.87 (1H), 6.99 (1H), 7.15 (1H), 7.26-7.41 (8H), 7.54 (2H), 11.84 (1H)。
【0107】
生物学的実験:
例1:sACアッセイ
適当な緩衝液系において、可溶性精子特異的アデニルシクラーゼはアデノシン三リン酸(ATP)から環状アデノシン一リン酸(cAMP)とピロリン酸への変換を触媒する。この過程で生じた遊離cAMPは、次いで競合的検出技術において使用され、該方法ではcAMP分子で標識された修飾アロフィコシアニン−1分子(cAMP−XL665)へのユーロピウムクリプテートEu[K]標識抗cAMP抗体(抗cAMP−Eu[K]−AB)の結合が阻害される。外因性cAMPの欠損下では、335 nmでの励起後、抗cAMP−Eu[K]−AB(FRET供与体)とcAMP−XL665分子(FRET受容体)の間に蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が生じる。この過程は、FRET受容体XL665の発光に基づいて(665 nmと620 nm)定量され時間分解される。シグナルの減少(Well Ratioとして測定される;式〔(E665 nm/E620 nm)×10000〕から算出される)は、cAMPの存在に帰することができ、従ってsACの活性に帰することができる。最初に、試験物質1.5μl(30%DMSO中)を384ウエルの試験プレート(ポリスチレン;384, NV)の各ウエルに置き、そして溶剤対照には30%DMSOのみを入れる。次いで10μlの希sAC酵素溶液を適用する(300 mM NaCl, 10%グリセロール, pH 7.6中の酵素原液;酵素中間体、及び最終希釈度a) 1:10及び b) 1:2000、各場合に水中1.0 mM MnCl2, 0.2%BSA, 50 mM Tris pH 7.5中に希釈)。5μlのATP基質溶液(H2O中200μl ATP)を添加することにより酵素反応を開始させ、そしてインキュベーション(室温で25分間)後、5μlの停止溶液(PBS中200μM EDTA)を添加することにより反応を終止させる。最後に、70μlのPBSを添加することにより全反応液を91.5μlの全容量に調整する。
【0108】
次に、8μlの検出溶液1を384ウエルの測定プレートのウエルに入れる(測定プレート:ポリスチレン;384, SV-黒;検出溶液1:50μl cAMP-XL665;950μl再構成緩衝液;2200μl PBS;cAMP-XL665:Cis bio Kit #62AMPPEC中の説明書に従って凍結製品に5 mlのH2Oを添加することにより調製した;貯蔵:−80℃でアリコートに分けて)。次いで、91.5μlからの3μlを試験プレートの対応するウエルに添加する。最後に、8μlの検出溶液2を添加する(検出溶液2:50μlの抗cAMP−Eu[K]−AB;950μlの再構成緩衝液;2200μlのPBS;抗cAMP−Eu[K]−ABはCis bio Kit #62AMPPEC中の説明書に従って調製したもの;貯蔵:−80℃にてアリコートに分けて)。
【0109】
室温で90分間更にインキュベートした後、HTRF結果をPackard Discovery上で測定するか又はRubiStar HTRF測定装置を使って測定する(遅延:50μs;積分時間:400μs)。
【0110】
例2:精巣からのヒト精子の単離及び受精能獲得
2.1 精子の単離
射精液からのヒト精子は、コロイド状シリカ粒子(商品名:Percoll又はISorate)に基づいた二層勾配法において精製する。
【0111】
精液あたり、2.5 mlの予熱した下層(Irvine社の“ISolate lower layer”)を15 mlの遠心管(円錐形、プラスチック製)中に入れそして2.5 mlの予熱した上層(Irvine社の“ISolate upper layer”)をその上に注意深く積層し、湯浴上に37℃で<1時間維持する。この勾配に最大3mlの正常(精子数、運動性及び液化に関して)精液を注意深く積層する。室温で1000×gで25分間精子の沈降を実施する。ガラス毛細管を使って、精子ペレットのすぐ上まで吸引することにより、二層を除去する。Isolate勾配の水簸は、各々約200μl中に再懸濁した精子ペレットを、12 mlのmHTF媒質(4 mM NaHCO3 ; 0.01 % BSA ; 37℃)の入った15 mlのプラスチック管に移し、そして1000×gで20分間精子を沈降させる。ペレットのすぐ上部までの吸引により媒質を除去し、mHTF媒質(4 mM NaHCO3 ; 0.01 % BSA ; 37℃)により1000μlに調整する。Neubauerカウンター中で精子数を計測し、必要であればその後の受精能獲得のために、mHTF媒質(4 mM NaHCO3 ; 0.01 % BSA ; 37℃)により4×106精子数/150μlに調整する。
【0112】
2.2 受精能獲得
先体反応に対する試験物質の影響を調べるつもりであれば、精子を該試験物質と共に予備インキュベートしなければならない。この予備インキュベーション(37℃の加熱キャビネット中で15分間)は、受精能獲得の開始前に、精子中への試験物質の浸透を可能にする、即ち、特に膜を容易に通過しないような物質の場合に、精子中の結合部位の予備飽和を達成させることが可能である。それはまた、BSAの脂質結合のために受精能獲得中に起こるBSA濃度の増加が、試料中の試験物質の有効濃度の減少を引き起こし得るために必要である。
【0113】
試験物質をDMSO中に溶解し、そしてmHTF媒質(4 mM NaHCO3 ; 0.01 % BSA ; 37℃)を用いて、最終の400μl受精能獲得試料中のDMSO濃度が0.5%になるように希釈する。各場合に、ピペットにより精子懸濁液150μlを上述の試験物質の温度制御溶液150μlに添加し、次いで37℃にて15分間予備インキュベートする。100μlのmHTF媒質(88 mM NaHCO3 ; 4 % BSA ; 37℃)を添加することにより精子の受精能獲得を開始させる。最終400μl受精能獲得試料中、精子の濃度は10×106/mlであり、炭酸水素塩濃度は4 mMであり、そしてBSA濃度は1%である。受精能獲得は、加熱キャビネット中で37℃にて3時間実施される。
【0114】
受精能獲得を終止させるためには、試料(各400μl)をそれぞれ1.5 ml mHTF(4 mM NaHCO3 ; 37℃)を用いて15 ml試験管に完全に移し、1000×gで5分間遠心分離し、そして上清を除去する。この段階は大量のタンパク質と試験物質の両方を除去する。
【0115】
例3:先体反応のフローサイトメトリー測定
3.1 イオノフォア処理による先体反応の開始及び同時CD46−FITC染色
精子の先体反応(AR)は透明帯(ZP)への精子の結合により触発される。これは先体(アクロソーム)から酵素を放出させ、精子がZPを貫通しそして卵子に到達できるようにする。ARでは、精子において、外側先体膜(OAM)と原形質膜との部分的融合が起こる。末端では精子頭部はまだ内側先体膜(IAM)により制限されている。CD46抗原はIAMの所でのみ検出可能である。試験管内では、先体反応は、受精能獲得精子上のカルシウムイオノフォアA23187の最適濃度によってのみ誘導することができ、受精能未獲得の精子又は受精能獲得が試験物質により阻害された精子においては誘導できない。IAMに対するFITC標識抗CD46抗体(Pharmingenより入手)によって、先体反応した精子は、IAMが暴露されていないことから、フローサイトメーターにより、先体がそのままの精子から識別することができる。欠損DNA膜を有する細胞、即ち死細胞、のみを染色するDNA染色剤エチジウムホモ二量体(EhD)による精子の同時染色を用いて、致死精子を生存精子から識別することが可能である。
【0116】
ARを開始させるためのイオノフォア希釈液が非常に不安定であり、同時染色にはCD46−FITC溶液と混合しなければならないので、該溶液を試験開始前に調製することはできないが、受精能獲得試料の後処理の最中に調製すべきである。
【0117】
精子ペレットを上清の残りに再懸濁し、そして湯浴(37℃)上で450μlのmHTF(4 mM NaHCO3; 0.01% BSA; 37℃)で希釈する。精子懸濁液の100μlアリコートをピペットで移し、試料FACSフロー管(湯浴上)を調製する。イオノフォアとFITC標識抗CD46抗体を含む溶液150μlをピペットで前記精子懸濁液に添加する。最終濃度はmHTF(4 mM NaHCO3; 0.01% BSA; 37℃)中、800ナノモル(nm)イオノフォア及び1:125希釈度の抗CD46抗体である。精子をその中で、37℃の湯浴上で遮光下で30分間インキュベートする。
【0118】
3.5 mlのPBS〔0.1%BSA〕/試料を添加することによりインキュベーションを停止し、次いで700×g(室温)で5分間遠心し、上清を吸引除去する。遠心分離後、測定まで試料をホットプレート上で温めておく。
【0119】
3.2 EhD染色(致死/生存先体反応精子の識別のため)
500μlの新しく調製したEhD溶液(PBS中150 nm EhD [w/o BSA] ; 37℃)を、吸引除去後の前記精子ペレットの各々に添加する。次いで試料をフローサイトメーター(BD FacsCalibur)中で測定することができる。測定は、1回当たり10000個の精子を検出する488 nmのレーザー励起波長において行われる。先体反応済精子はCD46−FITCを介して530 nmのFL-1フィルターで測定される。致死精子はEhD-DNA染色によって634 nmのFL-2フィルターで測定される。測定チャンネルは事前に互いに関して対応するように補正される。
【0120】
3.3 評価
精子は、FSC-H(前方散乱)対SSC-H(斜方散乱)ドットブロットにおいて非常に均一な細胞集団として選択される。二色蛍光染色を用いる場合、評価は、FL-1(EhD;X軸)対FL-2(FITC-CD46;Y軸)ドットプロットにおいて、FSC対SSCドットブロットから選択された精子集団による象限分析により実施される。
【0121】
【表1】

【0122】
誘導された先体反応精子の%(=IAR[%])を算出するために、Q3とQ4からの生存精子のみを取り、それらの全カウントを100%に設定する。次いでIARを次のように算出する:
【0123】
【数1】

【0124】
精子の一部分はイオノフォア添加無しで自発的に先体反応を受ける(=“SAR[%]”)。従って、イオノフォア添加無しで同等に処理した精子に対して常に対照測定を実施する。SARの算出はIARの算出と同様である。イオノフォアにより実際に誘導された先体反応(=“ARIC[%]”)は、次の差により算出する:
ARIC=IAR−SAR
【0125】
sAC媒介受精能獲得に対する本発明者らの阻害剤の影響のその後の分析(イオノフォア誘導先体反応に対する精子の受容能として測定される)については、正の受精能獲得対照(=試験物質非存在下で25 mM NaHCO3 : 1 % BSAを含有するmHTF培地を用いたインキュベーション)における先体反応した精子の割合を=100%に設定する。試験物質が加えられている場合の精子の先体反応の受容能は、この最大先体反応に比較して示される。
【0126】
使用する材料
mHTF=改変ヒト尿細管液(Irvine Scientificより);ダルベッコのリン酸塩緩衝化塩溶液(Gibcoより)(Ca2+, Mg2+, 1 g/L D-グルコース, 36 mg/L ピルビン酸Na, w/oフェノールレッド, w/o NaHCO3);ウシ血清アルブミン第V画分(Flukaより);無水ジメチルスルホキシド(DMSO)(Merckより);炭酸水素ナトリウム7.5%溶液(893 mM)(Irvine Scientificより);Isolate勾配(Irvine Scientificより);イオノフォアA23187遊離酸(Calbiochemより);エチジウムホモ二量体(EhD)(Molecular Probeより);マウス抗ヒトCD46:FITC(Pharmingenより)。
【0127】
参考文献:
J.W. Carver-Ward, Human Reproduction 第11巻, 第9号, 1923頁, 1996年
“High fertilization prediction by flow cytometric analysis of the CD46 antigen on the inner acrosomal membrane of spermatozoa”
O.J. D’Cruz, G.G. Haas, Fertility and Sterility 第65巻, 第4号, 843頁, 1996年
“Fluorescence-labeled fucolectins are superior markers for flow cytometric quantitation of the sperm acrosome reaction”
E. Nieschlag, H.M. Behre, Andrology, Springer Verlag 1996
【0128】
【表2】

【0129】
上記表から、IC50値により表わされる可溶性アデニレートシクラーゼの阻害に関して、本発明に係る化合物が既知のカテコールエストロゲン(OH−エストラジオール)よりも約10倍高い活性を示すことが理解できる。カテコールエストロゲンは毒性であり、従って本発明化合物は既知化合物よりもすっと優れている。本発明に係る化合物はまた、Zippinにより発表された化合物よりも約10倍強力である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物
【化1】

〔式中、
1は水素、ハロゲン、CF3、場合により複数個所飽和されることがあり且つ場合により多置換されることがあるC3〜C6シクロアルキル、又はC1〜C6アルキル、C1〜C6アリール、C1〜C6アシル、ハロ−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アシル、C1〜C6アシル−C1〜C6アシル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アリール、C1〜C6アリール−C1〜C6アルキルもしくはCF3基であり、ここで前記C1〜C6アルキル、C1〜C6アリール、C1〜C6アシル、ハロ−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アシル、C1〜C6アシル−C1〜C6アシル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アリールもしくはC1〜C6アリール−C1〜C6アルキルは、場合により一箇所又は、同一にもしくは異なるように複数個所、酸素、硫黄もしくは窒素により中断されることがあり、又は
スルホニル−C1〜C6アルキル、スルホンアミドもしくはシアノ基であり、
2はハロゲン、CF3、又は場合により複数個所飽和されることがありそして場合により多置換されることがあるC3〜C6シクロアルキルであり、あるいは
1〜C6アルキル、C1〜C6アリール、C1〜C6アシル、ハロ−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アシル、C1〜C6アシル−C1〜C6アシル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アリール、C1〜C6アリール−C1〜C6アルキルもしくはCF3基であり、ここで前記C1〜C6アルキル、C1〜C6アリール、C1〜C6アシル、ハロ−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アシル、C1〜C6アシル−C1〜C6アシル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アリールもしくはC1〜C6アリール−C1〜C6アルキル基は、場合により一箇所又は、同一にもしくは異なるように複数個所、酸素、硫黄もしくは窒素により中断されることがあり、又は
スルホニル−C1〜C6アルキル、スルホンアミドもしくはシアノ基であり、
3は、C6〜C12アリールであって、ハロゲン、C1〜C6アルキルもしくはC1〜C6アシル(これらは場合により一置換もしくは多置換されることがある)により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがあり、又はC1〜C6アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、CO2−(C1〜C6アルキル)、N−(C1〜C6アルキル)2、CO−NR45もしくはCF3により置換されることがあるC6〜C12アリール、あるいは
5〜C12ヘテロアリールであって、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、CO2−(C1〜C6アルキル)、N−(C1〜C6アルキル)2、CO−NR45もしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C12ヘテロアリール、あるいは
3〜C6シクロアルキルであって、ハロゲン、CF3、ヒドロキシ、シアノ、CO2−(C1〜C6アルキル)、C1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、N−(C1〜C6アルキル)2、CO−NR45もしくはC1〜C6アルコキシにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C3〜C6シクロアルキルであり、
4は水素、C3〜C6シクロアルキルであって、C1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシもしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C3〜C6シクロアルキル、
6〜C12アリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシ、N−C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがあるC6〜C12アリール、又は
5〜C12ヘテロアリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシ、N−C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C12ヘテロアリール、又は
適宜置換され得るC1〜C6アルキルであり、
5は水素、C1〜C6アルキル−C3〜C6シクロアルキルであって、場合によりC1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシもしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C1〜C6アルキル−C3〜C6シクロアルキル、又は
3〜C6シクロアルキルであって、場合によりC1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシもしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C6シクロアルキル、又は
6〜C12アリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシ、N−C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C6〜C12アリール、又は
5〜C12ヘテロアリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシ、N−C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C12ヘテロアリール、又は
適宜置換され得るC1〜C6アルキルであり、そして
4とR5は一緒になって、更にヘテロ原子を含むことができる5〜8員環を形成し、そして
6はC1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルキルシクロ−C3〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C6〜C12アリール基であって、場合によりヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、塩素、臭素、フッ素、シアノ、メチルスルホニルもしくはアミノスルホニルにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがあるC1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルキルシクロ−C3〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C6〜C12アリール基である〕
並びにそれらの異性体、ジアスレテオマー、鏡像体及び塩。
【請求項2】
1が水素、ハロゲン、CF3、C3〜C6シクロアルキル、又はC1〜C6アルキル、C1〜C6アリール、C1〜C6アシル、ハロ−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アシル、C1〜C6アシル−C1〜C6アシル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アリール、C1〜C6アリール−C1〜C6アルキルもしくはCF3基であり、ここで前記C1〜C6アルキル、C1〜C6アリール、C1〜C6アシル、ハロ−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アシル、C1〜C6アシル−C1〜C6アシル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アリールもしくはC1〜C6アリール−C1〜C6アルキル基は、場合により一箇所又は、同一にもしくは異なるように複数個所、酸素、硫黄もしくは窒素により中断されることがあり、又は
スルホニル−C1〜C6アルキル、スルホンアミドもしくはシアノ基であり、
2がハロゲン、CF3、C3〜C6シクロアルキルであり、あるいはC1〜C6アルキル、C1〜C6アリール、C1〜C6アシル、ハロ−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アシル、C1〜C6アシル−C1〜C6アシル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アリール、C1〜C6アリール−C1〜C6アルキルもしくはCF3基であり、ここで前記C1〜C6アルキル、C1〜C6アリール、C1〜C6アシル、ハロ−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アシル、C1〜C6アシル−C1〜C6アシル、C1〜C6アルキル−C1〜C6アリールもしくはC1〜C6アリール−C1〜C6アルキル基は、場合により一箇所又は、同一にもしくは異なるように複数個所、酸素、硫黄もしくは窒素により中断されることがあり、又は
スルホニル−C1〜C6アルキル、スルホンアミドもしくはシアノ基であり、
3が、C6〜C12アリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、N-(CH3)2、CO2−(C1〜C3アルキル)、CO−NR45もしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C6〜C12アリール、
5〜C12ヘテロアリールであって、場合により塩素及び/又はフッ素、C1〜C6アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、N-(CH3)2、CO2−(C1〜C3アルキル)、CO-NR45もしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C12ヘテロアリール、あるいは
3〜C6シクロアルキルであって、場合により塩素及び/又は臭素、CF3、シアノ、C1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、ヒドロキシ、N−(CH3)2、CO2−(C1〜C3アルキル)、CO-NR45もしくはC1〜C3アルコキシにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C3〜C6シクロアルキルであり、
4が水素、C3〜C6シクロアルキルであって、場合によりC1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシもしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがあるC3〜C6シクロアルキル、
6〜C12アリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシ、N−C1〜C3アルキル−C1〜C3アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがあるC6〜C12アリール、又は
5〜C12ヘテロアリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシ、N−C1〜C3アルキル−C1〜C3アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C12ヘテロアリール、又は
適宜置換され得るC1〜C6アルキルであり、
5が水素、C1〜C6アルキル−C3〜C6シクロアルキルであって、場合によりC1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシもしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C1〜C6アルキル−C3〜C6シクロアルキル、
3〜C6シクロアルキルであって、場合によりC1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシもしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C3〜C6シクロアルキル、
6〜C12アリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシ、N−C1〜C3アルキル−C1〜C3アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C6〜C12アリール、又は
5〜C12ヘテロアリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシ、N−C1〜C3アルキル−C1〜C3アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C12ヘテロアリール、又は
適宜置換され得るC1〜C6アルキルであり、そして
4とR5が一緒になって、更にヘテロ原子を含むことができる5〜8員環を形成し、そして
6がC1〜C6アルキル、C1〜C6アルキルシクロ−C3〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C6〜C12アリール基であって、場合によりヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、塩素、臭素、フッ素、シアノ、メチルスルホニルもしくはアミノスルホニルにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがあるC1〜C6アルキル、C1〜C6アルキルシクロ−C3〜C6アルキル、C1〜C6アルキル−C6〜C12アリール基である、
請求項1に記載の化合物、並びにそれらの異性体、ジアステレオマー、鏡像体及び塩。
【請求項3】
1が水素であり、
2がC3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルキル、CF3、シアノ、臭素、又は基−OCF3、−SO2−CH3であり、
3がC6〜C12アリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、N−(CH3)2、CO2−(C1〜C3アルキル)、CO−NR45もしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C6〜C12アリール、又は
5〜C12ヘテロアリールであって、場合により塩素及び/又はフッ素、C1〜C6アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、N-(CH3)2、CO2−(C1〜C3アルキル)、CO-NR45もしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C12ヘテロアリール、又は
3〜C6シクロアルキルであって、塩素及び/又は臭素、CF3、シアノ、C1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、ヒドロキシ、N−(CH3)2、CO2−(C1〜C3アルキル)、CO-NR45もしくはC1〜C3アルコキシにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C3〜C6シクロアルキルであり、
4が水素であり、
5が水素、C1〜C6アルキル−C3〜C6シクロアルキルであって、場合によりC1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシもしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C1〜C6アルキル−C3〜C6シクロアルキル、
3〜C6シクロアルキルであって、場合によりC1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシもしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C3〜C6シクロアルキル、又は
6〜C12アリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシ、N−C1〜C3アルキル−C1〜C3アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C6〜C12アリール、又は
5〜C12ヘテロアリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシ、N−C1〜C3アルキル−C1〜C3アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C12ヘテロアリール、又は
適宜置換され得るC1〜C6アルキルであり、そして
6がC1〜C4アルキル、CH2−シクロ−C3〜C6アシル、CH2−C6〜C12アリール基であって、場合によりヒドロキシ、メトキシ、塩素、フッ素、シアノもしくはアミノスルホニルにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがあるCH2−シクロ−C3〜C6アルキル、CH2−C6〜C12アリール基である、
請求項1又は2に記載の化合物、並びにそれらの異性体、ジアステレオマー、鏡像体及び塩。
【請求項4】
1が水素であり、
2がパラ位のC3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルキル、CF3、シアノ、臭素、又は−OCF3、−SO2-CH3基であり、
3が、C6〜C12アリールであって、ハロゲン、C1〜C3アルキル、アセチル、メトキシ、エトキシ、シアノ、ヒドロキシ、N-(CH3)2、CO2−(C1〜C3アルキル)、CO−NHR5もしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように二置換されることがある、C6〜C12アリール、
5〜C12ヘテロアリールであって、場合により塩素及び/又はフッ素、C1〜C3アルキル、アセチル、メトキシ、エトキシ、シアノ、ヒドロキシ、N-(CH3)2、CO2−(C1〜C3アルキル)、CO-NHR5もしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように二置換されることがある、C5〜C12ヘテロアリール、あるいは
3〜C6シクロアルキルであり、
4が水素であり、
5が水素、C1〜C6アルキル−C3〜C6シクロアルキルであって、場合によりC1〜C6アルキル、C1〜C6アシル、C1〜C6アルコキシもしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C1〜C6アルキル−C3〜C6シクロアルキル、
3〜C6シクロアルキルであって、場合によりC1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシもしくはCF3により一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C6シクロアルキル、又は
6〜C12アリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシ、N−C1〜C3アルキル−C1〜C3アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C6〜C12アリール、又は
5〜C12ヘテロアリールであって、場合によりハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アシル、C1〜C3アルコキシ、N−C1〜C3アルキル−C1〜C3アルキル、CF3もしくはシアノにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがある、C5〜C12ヘテロアリール、又は
適宜置換され得るC1〜C6アルキルであり、そして
6がC1〜C4アルキル、CH2−シクロ−C3〜C6アルキル、CH2−C6〜C12アリール基であって、場合によりヒドロキシ、メトキシ、塩素、フッ素、シアノもしくはアミノスルホニルにより一置換、又は同一にもしくは異なるように多置換されることがあるC1〜C4アルキル、CH2−シクロ−C3〜C6アルキル、CH2−C6〜C12アリール基である、
請求項1〜3に記載の化合物、並びにそれらの異性体、ジアステレオマー、鏡像体及び塩。
【請求項5】
1が水素であり、
2がパラ位のtert−ブチル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、シアノ、臭素、又は−O−CF3、−SO2−CH3基であり、
3が次の基
【化2】

であり、
4が水素であり、
5が水素又は基-(CH2)m-N-(CH3)2, -(CH2)2-CH3, -(CH2)2-NH-COCH3, -(CH2)-CHCH3-OH, -(CH2)2-O-CH3, -(CH2)2-OH, -CHCH3-CH2-OH(m=1〜3)であり、又は次の基:
【化3】

であり、
6がメチル、エチル、プロピル、2−メトキシエチル、−CH2-CF3、−(CH2)2-CF3及びベンジルである
請求項1〜4に記載の化合物、並びにそれらの異性体、ジアステレオマー、鏡像体及び塩。
【請求項6】
1が水素であり、
2がパラ位のtert−ブチル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、シアノ、臭素又は−O−CF3、−SO2−CH3基であり、
3が次の基:
【化4】

であり、
4が水素であり、
5が水素、基-(CH2)-CHCH3-OH, -(CH2)2-O-CH3, -CHCH3-CH2-OH,
【化5】

であり、
6がメチル、エチル、プロピル、2−メトキシエチル、-CH2-CF3、-(CH2)2-CF3及びベンジルである
請求項1〜6に記載の化合物、並びにそれらの異性体、ジアステレオマー、鏡像体及び塩。
【請求項7】
次の化合物:
1. 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(テトラヒドロピラン−4−イル)アミド
2. 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(2−モルホリン−4−イルエチル)アミド
3. (±)−5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミド
4. (±)−5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(2−ヒドロキシプロピル)アミド
5. 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(ピリジン−4−イル)アミド
6. 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ベンジルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(テトラヒドロピラン−4−イル)アミド
7. 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ベンジルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(2−モルホリン−4−イルエチル)アミド
8. (±)−5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ベンジルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミド
9. (±)−5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ベンジルアミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(2−ヒドロキシプロピル)アミド
10. 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)−(2−メトキシエチル)アミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(テトラヒドロピラン−4−イル)アミド
11. 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)−(2−メトキシエチル)アミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(2−モルホリン−4−イルエチル)アミド
12. (±)−5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)−(2−メトキシエチル)アミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミド
13. (±)−5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)−(2−メトキシエチル)アミノ〕−3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(2−ヒドロキシプロピル)アミド
14. 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−(3−フルオロフェニル)−1H−インドール−2−カルボン酸(テトラヒドロピラン−4−イル)アミド
15. 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−(3−フルオロフェニル)−1H−インドール−2−カルボン酸(2−モルホリン−4−イルエチル)アミド
16. 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−(3−メトキシフェニル)−1H−インドール−2−カルボン酸(テトラヒドロピラン−4−イル)アミド
17. 5−〔(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)メチルアミノ〕−3−(3−メトキシフェニル)−1H−インドール−2−カルボン酸(2−モルホリン−4−イルエチル)アミド
を含んで成る群より選択される、請求項1〜6に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1〜7に記載の化合物を少なくとも1つ含有する医薬品。
【請求項9】
有効量の一般式Iの化合物を含有する、請求項8に記載の医薬品。
【請求項10】
医薬品の製造のための請求項1〜7に記載の一般式Iの化合物。
【請求項11】
疾病の治療のための請求項10に記載の医薬品。
【請求項12】
前記疾病がcAMP代謝の妨害により引き起こされる、請求項11に記載の医薬品。
【請求項13】
避妊のための請求項10に記載の医薬品。
【請求項14】
可溶性アデニレートシクラーゼの阻害のための請求項10に記載の医薬品。
【請求項15】
適当なビヒクル及び賦形剤を含有する、請求項10〜14に記載の医薬品。
【請求項16】
腸内、非経口、膣内及び経口投与用の医薬製剤の形での請求項1〜7に記載の一般式Iの化合物の使用。
【請求項17】
一般式(I)の化合物の調製方法であって、一般式(II)の化合物
【化6】

(式中、R1,R2,R3及びR6は各々上記に定義した通りであり、そしてR7は水素又はC1〜C6アルキルであり、この場合好ましくは水素であり、C1〜C6アルキルは好ましくはメチル又はエチルである)
を一般式(III)のアミン
【化7】

と反応させ、続いていずれかの必要な保護基の開裂後、一般式(I)の化合物を形成させることを特徴とする方法。
【請求項18】
一般式(II)の中間体
【化8】

(式中、R1,R2,R3及びR6は各々上記に定義した通りでありそしてR7は水素又はC1〜C6アルキルであることができる)
又は一般式(VII)の中間体
【化9】

(式中、R1,R2及びR7は各々上記に定義した通りである)
又は一般式(IX)の中間体
【化10】

(式中、R1,R2,R6及びR7は各々上記に定義した通りである)。

【公表番号】特表2009−531319(P2009−531319A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500787(P2009−500787)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際出願番号】PCT/EP2007/002708
【国際公開番号】WO2007/107385
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】