説明

台車

【課題】操作性が著しく向上された台車を提供する。
【解決手段】車台1の下部の四隅にはそれぞれ車輪が設けられている。すなわち、一方の
対角方向に、走行モータ4および操舵モータ5が取り付けられた走行操舵輪6が設けられ
、他方の対角方向に、上記と同じ操舵モータ5が取り付けられた操舵輪7が設けられる。
ハンドル12は、ハンドル支柱10および軸受け18を介して水平面内で回動可能な構成
となっている。板ばね17の所定位置に前後操作力検出器21が取り付けられており、ハ
ンドル支柱10の所定位置にトルク検出器22が取り付けられている。ハンドル12には
、Lレバー13およびRレバー14がそれぞれ所定範囲で移動可能となるよう取り付けら
れている。作業者により上記Lレバー13およびRレバー14が握られないと台車100
は走行可能な状態とならない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷役対象物を搬送する台車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業者が荷役対象物を搬送する際に用いるアシスト装置を備えた電動アシスト台
車が提案されている(例えば、特許文献1参照)。当該電動アシスト台車は、一つの駆動
輪と二対の走行輪とを備える。進行方向前方の一対の走行輪は旋回可能な構成となってい
る。
【0003】
【特許文献1】特開平10−109647号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の電動アシスト台車はその操作性に課題がある。すなわち、約
5000kgのロール材を搬送する場合で、その載置の位置決めの要求度が高い場合に、
作業者は一度で位置決めができない場合が多い。その結果、台車の方向の切り返しを何度
も行う必要が生じる。また、搬送するロール材の重量が大きいので、作業者は台車の方向
の切り返しを行うことが困難である。その結果、作業の効率化を図ることができない。
【0005】
上記の課題に鑑みて、本発明の目的は、操作性が著しく向上された台車を提供すること
である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る台車の要旨とするところは、荷役対象物が載置される車台と、該車台の下
部の四隅に設けられた複数の車輪と、該複数の車輪のうち少なくとも2つの車輪をそれぞ
れ操舵させる操舵モータと、該操舵モータにより操舵される2つの車輪をそれぞれ回転さ
せる走行モータと、水平面内で回動可能であり、所望位置で固定されるハンドルと、該ハ
ンドルの角度を検出するハンドル角度検出器と、該ハンドルを支持する支柱と、前記ハン
ドルが固定された状態で当該ハンドルに前記回動の方向の圧力を加えた場合における前記
支柱のねじり歪みを検出するトルク検出器と、前記支柱に取り付けられた弾性部材と、前
記ハンドルが固定された状態で当該ハンドルに一方向またはその逆方向の圧力を加えた場
合における前記弾性部材の曲げ歪みを検出する前後操作力検出器と、前記ハンドル角度検
出器により検出された前記ハンドルの角度ならびに前記トルク検出器および前記前後操作
力検出器による検出結果に基づいて、前記操舵モータおよび前記走行モータを駆動制御す
る制御部と、を備えることにある。
【0007】
前記台車は、前記ハンドルの近傍に配された左レバーおよび右レバー、ならびに前記ハ
ンドルを固定する第1電磁ブレーキをさらに備え、前記制御部は、前記左レバーの移動に
基づいて前記第1電磁ブレーキが前記ハンドルを固定するよう当該第1電磁ブレーキを制
御し、前記左レバーが移動された後、前記右レバーの移動に基づいて前記走行モータを駆
動可能な状態としてもよい。
【0008】
前記台車は、前記ハンドルが回動可能となるように、固定の状態が解除された場合に、
前記走行モータが駆動しないようにする第2電磁ブレーキをさらに備えてもよい。つまり
、前記ハンドルを回動可能な状態にしたとき(アンロック状態にしたとき)に、前記走行
モータを駆動可能な状態から駆動ロックされる状態としてもよい。
【0009】
前記2つの車輪をそれぞれ回転させる前記走行モータの各々は、前記車台の下部におい
て対角方向に配されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る台車においては、各車輪は操舵モータにより操舵可能な構成となっている
。それにより、例えば約5000kgのロール材を搬送する場合で、その載置の位置決め
の要求度が高い場合に、作業者は位置決めを一度でできなくても、台車の方向の切り返し
を何度も行うことなく、各車輪を操舵モータにより操舵させることによって、台車の方向
の切り返しを短時間で行うことが可能となる。これにより、台車の操作性が著しく向上し
、作業効率も向上する。
【0011】
また、作業者はハンドルに圧力を加えるだけで、台車を所望の方向に走行および旋回さ
せることができる。これにより、台車を走行または旋回させるための複数の操作部を設け
る必要がない。したがって、作業者は、複雑な操作を行うことなく台車を移動させること
ができる。
【0012】
また、走行モータを一方の対角方向に配された2つの車輪に取り付けることによって、
台車を横方向(図1の左右方向)に走行させた場合に、遠心力の影響を受けることなく、
当該台車を安定して停止させることが可能となる。
【0013】
さらに、本発明に係る台車においては、作業者により第1のレバーおよび第2のレバー
が握られないと台車が走行可能な状態とならないので、急な発進による事故等を防止する
ことができ、安全性を高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態に係る台車の詳細について図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態に係る台車100の構成を示す概略的模式図である。図1の上部
には台車100の上面図が示されており、その下部の左側には台車100の背面図が示さ
れており、その下部の右側には台車100の一側面図が示されている。
【0016】
図1に示すように、本実施の形態に係る台車100は図示しない荷役対象物が載置され
る箱状の車台1を有する。この箱状の車台1の内部には、台車100の各構成部の動作を
制御する制御部2、当該台車100の電源となるバッテリー3、車輪を走行させる走行モ
ータ4、および車輪を操舵させる操舵モータ5が収納されている。
【0017】
車台1の下部の四隅にはそれぞれ車輪が設けられている。すなわち、本実施の形態にお
いては、一方の対角方向に、走行モータ4および操舵モータ5が取り付けられた車輪(以
下、走行操舵輪と称する)6が設けられ、他方の対角方向に、上記と同じ操舵モータ5が
取り付けられた車輪(以下、操舵輪と称する)7が設けられる。なお、本実施の形態では
、当該操舵輪7は2つの車輪で構成されているが、これに限定されるものではなく、1つ
の車輪で構成してもよい。また、上記の走行操舵輪6が一方の対角方向に設けられ、走行
および操舵しないキャスタ輪(自由輪)が他方の対角方向に設けられる構成を採用しても
よい。なお、この場合、上記キャスタ輪は水平方向に回転自在に支持される。
【0018】
車台1の背面側には、当該車台1の端面から突出するように操作部土台8が設けられて
いる。この操作部土台8上にハンドル支柱支持部9が設けられている。ハンドル支柱支持
部9は、ハンドル支柱10(支柱)の一端を支持する。また、ハンドル支柱10の他端に
は、スイッチボックス11が取り付けられている。
【0019】
スイッチボックス11は、作業者が操作するための棒状のハンドル12を支持する。ハ
ンドル12は、ハンドル支柱10および後述の軸受け18を介して水平面内で回動可能な
構成となっている。ハンドル12には、Lレバー13(左レバー)およびRレバー14(
右レバー)がそれぞれ所定範囲で移動可能となるよう取り付けられている。
【0020】
操作部土台8内には、作業者によりハンドル12が所望位置まで回動された後、当該ハ
ンドル12を固定する電磁ブレーキ8a(第1電磁ブレーキ)が設けられている。
【0021】
スイッチボックス11内には、作業者によりLレバー13が移動操作された場合に、当
該Lレバー13の位置を検出し、検出結果に基づいて制御部2に信号を与えるLスイッチ
15(後述の図2)が設けられている。また、スイッチボックス11内には、作業者によ
りRレバー14が移動操作された場合に、当該Rレバー14の位置を検出し、検出結果に
基づいて制御部2に信号を与えるRスイッチ16(後述の図2)が設けられている。
【0022】
ハンドル支柱支持部9内で、ハンドル支柱10には板ばね17(弾性部材)が取り付け
られている。ハンドル支柱10は、操作部土台8内に設けられた軸受け18により支持さ
れている。また、操作部土台8内には、ハンドル12の水平の回動角度を検出するポテン
ショ(ポテンショメータ:ハンドル角度検出器)19が設けられている。なお、操作部土台8内におい
て、上記軸受け18はフレーム20により支持されている。
【0023】
ここで、上記板ばね17の所定位置に前後操作力検出器21(後述の図2)が取り付け
られており、また、ハンドル支柱10の所定位置にトルク検出器22(後述の図2)が取
り付けられている。前後操作力検出器21およびトルク検出器22は歪みゲージにより構
成される。
【0024】
前後操作力検出器21は、ハンドル12が固定された状態で作業者により当該ハンドル
12に対して一方向またはその逆方向の圧力が加えられた場合における上記板ばね17の
曲げ歪みを検出する。また、トルク検出器22は、ハンドル12が固定された状態で作業
者により当該ハンドル12に対してハンドル12の回動方向の圧力が加えられた場合にお
けるハンドル支柱10のねじり歪みを検出する。詳細については後述する。
【0025】
次に、台車100の制御系について図面を参照しながら説明するとともに、作業者によ
る台車100の操作方法について説明する。図2は、台車100の制御系を示すブロック
図である。
【0026】
最初に、作業者は、台車100を進めたい方向にハンドル12を回動させる。ハンドル
12が回動された後、作業者によりLレバー13が握られた場合、換言すると、Lレバー
13が所定位置まで移動された場合、Lスイッチ15はオン状態となり、上述のように制
御部2に信号を与える。それにより、制御部2は、与えられた信号に基づいて電磁ブレー
キ8aを作動する。これにより、ハンドル12は回動しないよう固定される。これに対し
て、ハンドル12が回動可能となるように、当該ハンドル12の固定状態が上記電磁ブレ
ーキ8aにより解除された場合には、走行モータ4に内蔵される図示しない電磁ブレーキ
(第2電磁ブレーキ)により当該走行モータ4の駆動がロックされる。これにより、安全
性を向上することが可能となる。
【0027】
これに伴って、ポテンショ19はハンドル12の回動角度を検出し、当該検出結果を制
御部2に与える。与えられた検出結果に基づいて、制御部2は、操舵モータ5を駆動制御
し、上記進めたい方向に走行操舵輪6および操舵輪7を操舵させる。
【0028】
続いて、作業者はRレバー14を握ることにより所定位置まで移動させる。それにより
、Rスイッチ16はオン状態となり、上述のように制御部2に信号を与える。与えられた
信号に基づいて、制御部2は、走行モータ4に内蔵される図示しない上記の電磁ブレーキ
(第2電磁ブレーキ)を解除する。これにより、台車100は走行可能な状態となる。
【0029】
作業者は、Lレバー13およびRレバー14を握った状態で、進みたい方向すなわち一
方向またはその逆方向の圧力をハンドル12に加える。このとき、板ばね17には曲げ歪
みが発生し、当該曲げ歪みは前後操作力検出器21により検出される。そして、前後操作
力検出器21は、検出結果を制御部2に与える。
【0030】
制御部2は、与えられた上記検出結果に基づいて走行モータ4を駆動制御する。つまり
、作業者によりハンドル12に加えられる圧力の大小によって、走行モータ4の回転数が
制御される。これにより、台車100の走行速度が調節される。例えば、作業者は、ハン
ドル12に加える圧力を大きくした場合、走行モータ4に大きな電力が供給されるので、
その回転数が上昇し、台車100の走行速度を上げることが可能となる。
【0031】
一方、作業者は台車100を旋回させたい場合には、固定された状態のハンドル12に
対して、当該ハンドル12の回動方向の圧力を加える。このとき、ハンドル支柱10には
ねじり歪みが発生し、当該ねじり歪みはトルク検出器22により検出される。そして、ト
ルク検出器22は、検出結果を制御部2に与える。
【0032】
制御部2は、与えられた上記検出結果に基づいて操舵モータ5を駆動制御する。つまり
、作業者によりハンドル12に加えられる圧力の大小によって、操舵モータ5の回転数が
制御される。これにより、台車100の旋回速度が調節される。例えば、作業者は、ハン
ドル12に加える圧力を大きくした場合、操舵モータ5に大きな電力が供給されるので、
その回転数が上昇し、台車100の旋回速度を上げることが可能となる。この場合、台車
100の旋回半径は小さくなり、当該台車100は小さく旋回される。なお、前後操作力
検出器21およびトルク検出器22による上記各検出結果と、走行モータ4および操舵モ
ータ5に与える電力との関係は、制御部2のゲイン調整により決定される。
【0033】
台車100を旋回させるには、当該台車100の旋回中心が、ハンドル12の向きと平
行で台車100の中心を通る線上にあるように制御される。また、台車100の旋回半径
が、一方の対角方向に配された各車輪の旋回中心を結ぶ線の長さの1/2よりも小さく、
かつ、一定時間(例えば、0.5秒)継続して小さくなる場合には、片側の走行モータ4
の回転を逆転させるよう制御する。これにより、台車100をその地点で旋回(その場旋
回)させることができる。
【0034】
続いて、前後操作力検出器21およびトルク検出器22の構成の詳細について図面を参
照しながら説明する。図3は前後操作力検出器21の構成を示す説明図であり、図4はト
ルク検出器22の構成を示す説明図である。
【0035】
図3(a)に示すように、板ばね17の一面に歪みゲージ21aが取り付けられ、その
他面に歪みゲージ21bが取り付けられる。そして、図3(b)に示すようなブリッジ回
路を組む。すなわち、上記歪みゲージ21a、歪みゲージ21b、固定抵抗30および固
定抵抗31をこの順で環を形成するようにそれぞれ接続する。
【0036】
上記ブリッジ回路において、歪みゲージ21aと固定抵抗31との間に端子部32を設
け、歪みゲージ21bと固定抵抗30との間に端子部33を設ける。また、当該ブリッジ
回路において、歪みゲージ21aと歪みゲージ21bとの間に端子部34を設け、固定抵
抗30と固定抵抗31との間に端子部35を設ける。
【0037】
ここで、上述のように、作業者によりハンドル12に圧力が加えられた場合、すなわち
矢印Hの方向の圧力が加えられた場合で、端子部32および端子部33間に電圧Eを与え
た場合、端子部34および端子部35間における出力電圧は、e=E・K・ε
/2により表される。なお、Kはゲージ率を示し、εは歪みゲージ21a,21b
における歪みの絶対値を示す。
【0038】
次に、図4(a)に示すように、ハンドル支柱10の曲面の所定位置に歪みゲージ22
aおよび歪みゲージ22bが取り付けられる。また、当該歪みゲージ22aに対向する位
置に歪みゲージ22cが取り付けられ、歪みゲージ22bに対向する位置に歪みゲージ2
dが取り付けられる。そして、図4(b)に示すようなブリッジ回路を組む。すなわち、
上記歪みゲージ22a、歪みゲージ22b、歪みゲージ22cおよび歪みゲージ22dを
この順で環を形成するようにそれぞれ接続する。
【0039】
上記ブリッジ回路において、歪みゲージ22aと歪みゲージ22dとの間に端子部36
を設け、歪みゲージ22bと歪みゲージ22cとの間に端子部37を設ける。また、当該
ブリッジ回路において、歪みゲージ22aと歪みゲージ22bとの間に端子部38を設け
、歪みゲージ22cと歪みゲージ22dとの間に端子部39を設ける。
【0040】
ここで、上述のように、作業者によりハンドル12に圧力が加えられた場合、すなわち
矢印Iの方向の圧力が加えられた場合で、端子部36および端子部37間に電圧Eを与え
た場合、端子部38および端子部39間における出力電圧は、e=E・K・ε
により表される。なお、Kはゲージ率を示し、εは歪みゲージ22a,22b,
22c,22dにおける歪みの絶対値を示す。
【0041】
(本実施の形態における効果)
【0042】
本実施の形態に係る台車100においては、各車輪は操舵モータ5により操舵可能な構
成となっている。それにより、例えば約5000kgのロール材を搬送する場合で、その
載置の位置決めの要求度が高い場合に、作業者は位置決めを一度でできなくても、台車1
00の方向の切り返しを何度も行うことなく、各車輪を操舵モータ5により操舵させるこ
とによって、台車100の方向の切り返しを短時間で行うことが可能となる。これにより
、台車100の操作性が著しく向上し、作業効率も向上する。
【0043】
また、作業者はハンドル12に圧力を加えるだけで、台車100を所望の方向に走行お
よび旋回させることができる。これにより、台車100を走行または旋回させるための複
数の操作部を設ける必要がない。したがって、作業者は、複雑な操作を行うことなく台車
100を移動させることができる。
【0044】
また、走行モータ4を一方の対角方向に配された車輪(走行操舵輪6)に取り付けるこ
とによって、台車100を横方向(図1の左右方向)に走行させた場合に、遠心力の影響
を受けることなく、当該台車100を安定して停止させることが可能となる。また、この
ように構成することによって、台車100が偏心荷重の影響を受けることなく走行可能と
なる。すなわち、荷役対象物の載置位置が偏っていることで台車100の荷重が偏心して
いる場合でも、台車100は安定して走行することが可能となる。
【0045】
さらに、本実施の形態に係る台車100においては、作業者によりLレバー13および
Lレバー14が握られないと台車100が走行可能な状態とならないので、急な発進によ
る事故等を防止することができ、安全性を高めることが可能となる。
【0046】
(他の実施の形態)
【0047】
上記実施の形態においては、ハンドル12の回動を固定するために電磁ブレーキ8aを
用いたが、これに限定されるものではなく、クラッチ(ツースクラッチ)または足踏み式
のロック機構を採用してもよい。
【0048】
また、上記実施の形態では、台車100に設ける車輪を4つとしたが、3つでもよい。
この場合、3つの車輪のうち少なくとも2つの車輪に走行モータ4および操舵モータ5を
設ける。それにより、上記少なくとも2つの車輪を走行および操舵させることができる。
これにより、台車100の方向の切り返しを短時間で行うことが可能となる。
【0049】
以上、本発明に係る台車の態様を説明したが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で
、当業者の知識に基づき種々の改良、修正又は変形を加えた態様で実施し得るものであり
、これらの態様はいずれも本発明の技術的範囲に属するものである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明に係る台車は、特に重量の大きい荷役対象物を搬送する場合において有効に利用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本実施の形態に係る台車の構成を示す概略的模式図である。
【図2】台車の制御系を示すブロック図である。
【図3】前後操作力検出器の構成を示す説明図である。
【図4】トルク検出器の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0052】
1 車台
2 制御部
4 走行モータ
5 操舵モータ
6 走行操舵輪
7 操舵輪
8a 電磁ブレーキ
10 ハンドル支柱
11 スイッチボックス
12 ハンドル
13 Lレバー
14 Rレバー
15 Lスイッチ
16 Rスイッチ
17 板ばね
18 軸受け
19 ポテンショ(ポテンショメータ)
21 前後操作力検出器
22 トルク検出器
100 台車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷役対象物が載置される車台と、
該車台の下部の四隅に設けられた複数の車輪と、
該複数の車輪のうち少なくとも2つの車輪をそれぞれ操舵させる操舵モータと、
該操舵モータにより操舵される2つの車輪をそれぞれ回転させる走行モータと、
水平面内で回動可能であり、所望位置で固定されるハンドルと、
該ハンドルの角度を検出するハンドル角度検出器と、
前記ハンドルを支持する支柱と、
前記ハンドルが固定された状態で当該ハンドルに前記回動の方向の圧力を加えた場合に
おける前記支柱のねじり歪みを検出するトルク検出器と、
前記支柱に取り付けられた弾性部材と、
前記ハンドルが固定された状態で当該ハンドルに一方向またはその逆方向の圧力を加え
た場合における前記弾性部材の曲げ歪みを検出する前後操作力検出器と、
前記ハンドル角度検出器により検出された前記ハンドルの角度ならびに前記トルク検出
器および前記前後操作力検出器による検出結果に基づいて、前記操舵モータおよび前記走
行モータを駆動制御する制御部と、を備えたことを特徴とする台車。
【請求項2】
前記ハンドルの近傍に配された左レバーおよび右レバー、ならびに前記ハンドルを固定す
る第1電磁ブレーキをさらに備え、
前記制御部は、前記左レバーの移動に基づいて前記第1電磁ブレーキが前記ハンドルを
固定するよう当該第1電磁ブレーキを制御し、前記左レバーが移動された後、前記右レバ
ーの移動に基づいて前記走行モータを駆動可能な状態とすることを特徴とする請求項1に
記載の台車。
【請求項3】
前記ハンドルが回動可能となるように、固定の状態が解除された場合に、前記走行モータ
が駆動しないようにする第2電磁ブレーキをさらに備えたことを特徴とする請求項1また
は2に記載の台車。
【請求項4】
前記2つの車輪をそれぞれ回転させる前記走行モータの各々は、前記車台の下部において
対角方向に配されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の台車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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