説明

合体玩具

【課題】 合体による形状変化に基づき合体玩具を性能変化させるとともに、ユーザーのオリジナルな商品に変化させる。
【解決手段】 主体部と複数の副体部からなる合体玩具であって、主体部は副体部と合体するための接合部と、副体部との合体により性能変化を受けるための認識部および表示部とを備え、一方、副体部は主体部と接合するための接合部と、主体部に性能変化を与える情報手段とを有し、合体により主体部に性能変化が表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主体部と副体部とを合体させてその変化を楽しむ合体玩具に関し、特に、副体部の合体により玩具の形状変化と性能変化を可能とした合体玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
合体玩具は主体部と複数の副体部とを組み合わせ結合して所定の合体物に組み立てて遊ぶ玩具であるが、従来の合体玩具は単に合体物を組み立てて形状変化を楽しむことに止まり、遊びのバリエーションに乏しかった。
【0003】
例えば、特開平6−23153号公報(特許文献1)には、合体玩具を構成する基体部または付属部材に、該基体部と付属部材とを合体させたときに作動する音声発生装置および/または発光装置を設けた合体玩具が開示されている。当該公報には、この合体玩具によれば意外性のある面白い遊びを楽しむことができるとされているが、音声発生装置や発光装置を設け、多種の音声や多種の発光を組み合せたとしても、音の出る光線銃玩具と対比しても斬新さに乏しく、ユーザーの満足度にも限界がある。
【0004】
また、外観形状、動力または音響などの付加および変化、さらに主プログラムの交換を目的とした合体玩具も公知であるが、さらに高度な仕組みを持つ商品が望まれている。
【特許文献1】特開平6−23153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の観点に鑑みてなされたものであって、特に、合体による形状変化に基づき、合体玩具の本体が初期状態から持つ性能に対し大小様々な性能変化を享受できるとともに、量販製品にも関わらず、ユーザーのオリジナルな商品に変化させることのできる製品を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は主体部と複数の副体部からなる合体玩具であって、主体部は副体部と合体するための接合部と、副体部との合体により性能変化を受けるための認識部および表示部とを備え、一方、副体部は主体部と接合するための接合部と、主体部に性能変化を与える情報手段とを有し、合体により主体部に性能変化が表示されることを特徴とするものである。
【0007】
前記一の副体部が合体すべき主体部の接合部が複数あり、該接合部毎に前記表示部に表示される内容が異なるようにすることが好ましい。
前記一の副体部が合体すべき主体部の接合部が複数あり、該接合部と該副体部との並び順および/または組合せ毎に前記表示部に表示される内容が異なるようにすることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の合体玩具は副体部を追加購入することにより、合体玩具を構成する主体部と副体部共に量販商品にも関わらず、玩具の形状変化に加えて性能変化させ、ユーザーのオリジナルな商品に進化させることが可能となる。本発明の合体玩具は、同時に、複数の副体部の追加購入意欲を促進させるという顕著な効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明に係る合体玩具について、立体パズル(組立パズル)および合体ロボットの実施形態を例にとり、図面を参照しながら説明する。
図1は、立体パズルに本発明を適用した実施形態の全体イメージ図であり、同図の上半部には、主体部と副体部を合体させる前の状態10が示され、同図の下半部にはこれらの合体後の状態11が示されている。
【0010】
合体前状態10には、主体部12と主体部12に内蔵された表示部13、14が図示されている。また、副体部15、16が図示され、それぞれの接合部位が異なった形状の組み合わせであることが判る。尚、同図には、副体部16に示されるような不合理な接合部形状が表示されているが、本発明を簡潔かつ適切に説明するための工夫である。
また、該接合部は、単数、複数のいずれでも良いし、複数の場合には、副体部(または主体部)1つに異形状または異方式な接合部が混在しても良い。ここで、異形状な接合部とは、凹凸部等の形状、大きさや数を云い、異方式な接合部とは、USB、HDMI等の電気的な接続形式等を含む。
【0011】
副体部15〜16は単数、複数のいずれでも良いが、複数の場合、それぞれの副体部15〜16に識別可能な表示がされていることが好ましい。
この立体パズルでは、主体部12と合体する副体部15、16の接続位置および/または接合順によって、その主体部12の表示部13、14に表示される内容(点数、メッセージ、その他)が異なるようになっている。
即ち、図1には合計14個の副体部15、16が表示されているが、合体する主体部12の接合個所および隣接する副体部15、16の並び順、組み合わせにより、表示結果が異なってくる。
【0012】
図2は、合体ロボットに本発明を適用した実施形態の全体イメージ図である。
図2において合体ロボットは、主体部12と副体部としてのオプション商品群21〜27とで構成されている。
副体部21と22(頭部)、副体部23と24(腕部)、副体部25と26(脚部)、副体部27(エネルギータンク)は、それぞれ主体部12の特定個所に指定された副体部(オプション商品群)である。
【0013】
この合体ロボットでは前記立体パズルと同様に、主体部12と副体部21〜27との合体により表示部に表示変化させることができる。
即ち、副体部21〜27のいずれかが主体部12と合体すれば、主体部12に付加価値が与えられて合体ロボットは性能変化する。また、副体部21〜27のいずれかが主体部12から取り外された場合には、合体前の状態に戻っても良いし、元来の性能より減退するように構成しても良い。
さらに、この合体ロボットでは、主体部12の接合部位と、該部位に固有の副体部21〜27とを予め定めておき、特定された接合部位または副体部21〜27でないときには、両者を合体不能とするか、または表示部に異常表示が現れるようにしても良い。
【0014】
続いて、本発明の合体玩具の構造を具体的に説明する。
図3は、合体玩具の主体部12の内部構造を示すブロック図であり、前記した立体パズルと合体ロボットの両方に共通している。
【0015】
主体部12は、前記副体部(15、16または21〜27、以下同じ。)との接合部位に取り付けられたコネクター30群と、合体の際、副体部からコネクター30群を経てやり取りされる信号を仲介するインターフェース31と、インターフェース31を経て受信された情報を、主体部12の外観部位に装備された表示部13、14に文字、数字、グラフィク等として表示する際、該表示を生成、判定する判定手段32と、該信号を表示部13、14に表示させるための表示手段34と、生成、判定の際の諸条件を蓄積し、生成条件を提供する条件蓄積手段33と、これらのインターフェース31、判定手段32、表示手段34をコントロールし、一連動作させる為の制御手段35と、によって構成されている。
判定手段32と条件蓄積手段33とが、前記した性能変化を受けるための認識部に相当する。
【0016】
このブロック図の動作を説明する。
先ず、副体部が主体部に合体され、コネクター30群のいずれかに副体部のコネクターが接続されたことを検知したインターフェース31は、その検知情報を制御手段35に報告する。報告を受けた制御手段35は、インターフェース31に対し、副体部からの情報を受け取ることを指示し、インターフェース31はその指示に従い副体部からの情報を受け取る。
【0017】
次にインターフェース31は、制御手段35の指示によって、受け取った情報を判定手段32に送信する。これを受信した判定手段32は、制御手段35の指示によりその情報の解析を、予め用意された条件を蓄積する条件蓄積手段33に問い合わせ、その条件に基き解析し、表示情報を生成する。
【0018】
この際の条件は、立体パズルの場合は、合体された副体部15、16からの情報により抽出されるが、副体部15、16の並び順および/または組合せも加味される。したがって、コネクター30群のどのコネクター30に、どの情報を持った副体部15、16が合体したかと云う点も同時に判定手段32により判定され、該当する情報条件が条件蓄積手段33から参照される。
また、合体ロボットの場合は、合体された(または、合体されるべき)副体部21〜27が、主体部12のコネクター30に許可されたものであるかどうかが、先ず判定される。この際、双方の接合部位の形状により判定する方法でも良い。
前記条件設定は、副体部の購入後に設定変更しても良い。
【0019】
前記した通り、表示部13、14に表示される情報は、図1に図示された文字、数字だけでなく、画像、映像など、表示部13、14に表示されるもの全てを対象とする。
インターフェース31は、合体する副体部の情報蓄積装置が、ICタグなどの無線ICチップの場合には無線型となる。
【0020】
次に、図4に示す合体玩具の副体部の内部構造を示すブロック図により、副体部を説明する。
図4の左側には、主体部12の接合部Aの近辺40が示され、図4の右側には、副体部の接合部Bおよび内部構造がブロック41として図示されている。このブロック図も前記した立体パズルと合体ロボットの両方に共通している。
【0021】
主体部12の接合部A(43)は主体部筐体の外側部42に設けられ、前記したインターフェース31に接続されている。また、副体部の接合部B(45)も副体部筐体の外側部44に設けられている。副体部は、主体部12に対して情報をやり取りする信号を仲介するインターフェース46と、副体部固有の情報を保持する記憶装置48と、インターフェース46と記憶装置48の信号のやり取りを制御する制御部47と、により構成される。
ここで、記憶装置48および制御部47が、主体部に性能変化を与える前記情報手段に相当する。
【0022】
図4のブロック図において、主体部12と副体部の合体により、接合部Aと接合部Bが接合され、主体部12側から副体部固有の情報を引き出す信号が送られる。その求めに応じインターフェース46を経て、制御部47のコントロールにより記憶装置48内の情報が引き出される。
この副体部固有の情報は、製品番号、識別番号などの単純な情報でも良いし、暗号化情報などの複雑な情報でも良い。
【0023】
また、副体部はこれ以外の情報を蓄積していても良く、例えば、主プログラムやサブルーチンプログラムを蓄積し、主体部側プログラムと合体によって連動するように構成しても良い。さらに、主体部側の条件により、引き出される引数、変数、文字などであっても良い。
【0024】
本発明の副体部は、この副体部自体が主体部12の補助具として、無線LAN、LANアダプタ、アンテナ、赤外線送受信機器、LED発光機器、超音波送受信機器、などの電子的周辺機器機能を持つようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】立体パズルの全体イメージ図である。
【図2】合体ロボットの全体イメージ図である。
【図3】合体玩具の主体部12の内部構造を示すブロック図である。
【図4】合体玩具の副体部の内部構造を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0026】
12 主体部
13、14 表示部
15、16、21〜27 副体部
32 主体部の判定手段
33 主体部の条件蓄積手段
34 主体部の表示手段
35 主体部の制御手段
47 副体部の制御部
48 副体部の記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主体部と複数の副体部からなる合体玩具であって、主体部は副体部と合体するための接合部と、副体部との合体により性能変化を受けるための認識部および表示部とを備え、一方、副体部は主体部と接合するための接合部と、主体部に性能変化を与える情報手段とを有し、合体により主体部に性能変化が表示されることを特徴とする合体玩具。
【請求項2】
前記一の副体部が合体すべき主体部の接合部が複数あり、該接合部毎に前記表示部に表示される内容が異なる請求項1記載の合体玩具。
【請求項3】
前記一の副体部が合体すべき主体部の接合部が複数あり、該接合部と該副体部との並び順および/または組合せ毎に前記表示部に表示される内容が異なる請求項1記載の合体玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−28438(P2009−28438A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−197706(P2007−197706)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(599143058)株式会社エイティング (6)
【Fターム(参考)】