説明

合材の漏れ止め及び堆積防止構造を持つコンベヤ装置

【課題】フィーダフレームからのアスファルト合材のこぼれ落ちを防ぐことにより、施工への悪影響を防止して、より質の高い舗装の施工を可能とし、また下部カバーへのアスファルト合材の付着・成長を食い止めてフライトバーがフィーダフレームに干渉する不具合を防止する合材の漏れ止め及び堆積防止構造を持つコンベヤ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は上記目的を達成するために、ホッパ3に収容されたアスファルト合材を自走車両2の後部側に搬送するチェーンコンベヤ4における戻り行程側部分の下側を覆う下部カバー21を設け、さらに該下部カバー21側にはチェーンコンベヤ4の戻り行程側部分を当該下部カバー21側に押さえるための上がり止めガイド23を列設した合材の漏れ止め及び堆積防止構造を持つコンベヤ装置を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合材の漏れ止め及び堆積防止構造を持つコンベヤ装置に関するものであり、特に、質の高い舗装の施工が可能な合材の漏れ止め及び堆積防止構造を持つコンベヤ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の道路舗装機械としては、例えば、図3の(a)、(b)に示すようなアスファルトフィニッシャ(タックペーバ)がある。図3の(a)、(b)において、アスファルトフィニッシャ1は、車輪走行式の自走車両2の前部に設けられてアスファルト合材を収容するためのホッパ3と、該ホッパ3からチェーンコンベヤ4で送られてきたアスファルト合材を左右に広げるスプレッディングスクリュー5と、該スプレッディングスクリュー5の直ぐ前方に設けられ乳剤タンク6から供給されるアスファルト乳剤を路盤上に散布する図示しない乳剤散布機構と、該アスファルト乳剤が散布された路盤上に左右に広げられたアスファルト合材を敷均すスクリード7とが備えられている。該スクリード7はレベリングアーム8に支持されて自走車両2の幅方向に伸縮自在とされている。
【0003】
前記チェーンコンベヤ4は、2基の単位チェーンコンベヤ4A,4Bが並列された並列式チェーンコンベヤで構成されている。前記自走車両2の下方側には、下部カバーの取付けが省略されたフィーダフレーム9が設けられ、該フィーダフレーム9内の前端側と後端側に前端側回転軸10と後端側回転軸11が設けられている。該前端側回転軸10には、各単位チェーンコンベヤ4A,4B用の各1対の前端側スプロケット12aと12b,12cと12dが取付けられ、後端側回転軸11には、各1対の後端側スプロケット13aと13b,13cと13dが取付けられている。1対の前端側スプロケット12a,12bと、1対の後端側スプロケット13a,13bとの間に、1対のドラグチェーン14a,14bが並行して張設され、他の1対の前端側スプロケット12c,12dと、1対の後端側スプロケット13c,13dとの間に、他の1対のドラグチェーン14c,14dが並行して張設されている。
【0004】
各1対のドラグチェーン14aと14b,14cと14d間には、それぞれ多数のフライトバー15が所定の間隔で架設され、該多数のフライトバー15と各1対のドラグチェーン14aと14b,14cと14dによりチェーンコンベヤ4構成用の各単位チェーンコンベヤ4A,4Bが構成されている。チェーンコンベヤ4は後端側回転軸11がローラチェーン16を介して図示しないモータで駆動されることにより回動し、ホッパ3内で積載されたアスファルト合材を、フライトバー15がコンベヤプレート17を擦りながら前記スプレッディングスクリュー5側に搬送する。
【0005】
また、他の従来技術として、例えば、次のような舗装材の積込装置及び敷均機械が知られている。この敷均機械は、自走車両に下層(前側)ホッパと上層(後側)ホッパとが設けられ、下層ホッパからバーフィーダで送られてきた下層アスファルト合材を左右に広げる前側スプレッディングスクリューと、上層ホッパから排出された上層アスファルト合材を左右に広げる後側スプレッディングスクリューと、前側スプレッディングスクリューで広げられた下層アスファルト合材を敷均す前側スクリードと、後側スプレッディングスクリューで広げられた上層アスファルト合材を敷均す後側スクリードとが備えられている。そして、1回の舗装作業で上層と下層の2種類のアスファルト合材を上下に重ねて同時に路面に敷均すようにしている。
【0006】
前記積込装置は、積込フィーダと受入ホッパとを主体として構成されている。積込フィ
ーダを構成している断面方形状で密閉構造の積込フレームの下端は、受入ホッパ内に斜め方向から臨んで該受入ホッパに連結され、該積込フレームにおける前側ホッパに対応した部位には、開閉自在とされた排出口が設けられ、後側ホッパに対応した上端には排出端が開口されている。
【0007】
積込フレーム内の下端と上端には下端側回転軸と上端側回転軸が設けられ、該両回転軸にそれぞれ取付けられた下端側スプロケットと上端側スプロケット間に、多数のフライトが所定の間隔で架設された無端チェーンが張設されている。該無端チェーンは、上端側回転軸に結合された駆動モータの作動により回転し、フライトで舗装材を積込フレームの下端から後側ホッパの真上に形成された排出端に向けて移送する。
【0008】
そして、通常の舗装材を前側ホッパに入れる場合は、前記排出口を開き、前記駆動モータを作動させることにより無端チェーンを回転させ、フライトで通常の舗装材を運んで前記排出口から前側ホッパ内に落下させる。また耐摩耗性の大きい舗装材を後側ホッパに入れるときは、前記排出口を閉じ、無端チェーンを回転させてフライトで耐摩耗性の大きい舗装材を運んで排出端から後側ホッパ内に落下させている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3471597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図3の(a)、(b)に示した従来技術においては、フィーダフレームの下方側、即ちチェーンコンベヤの下方には、軽量化及び構造の単純化の観点から下部カバーが付いていなかった。しかしながら、チェーンコンベヤによるスプレッディングスクリュー側へのアスファルト合材の搬送時に、一部のアスファルト合材が戻りのフライトバーやドラグチェーンに付着したまま前方に戻され、その途中でこぼれ落ちてしまう。このため、こぼれ落ちたアスファルト合材で既設路面を汚してしまう懸念がある。特に、切削オーバレイ施工、即ち傷んだ既設路面の一定長さを切削機で削り取り、路面が凹状になった個所へ通常のアスファルトフィニッシャを入れて舗装する施工においては、図4に示すように、凹状部18a(切削面)の終端では、アスファルトフィニッシャ1の前輪19(及び後輪も同様)が既設路面18cに乗り上げる際に、ショックと、回転するコンベヤチェーンの振動とによりアスファルト合材がふるい落とされてしまう。
【0011】
また、乳剤散布機能付きのアスファルトフィニッシャにおいては、スプレッディングスクリューの手前でアスファルト乳剤を散布するようになっているため、アスファルト合材がこぼれ落ちた部分のみ十分なアスファルト乳剤の散布ができず、部分的にアスファルト合材と路盤との接着性が低下してしまうことも考えられる。さらには、遮水性舗装においては、遮水層に空隙を生じさせてしまう虞もある。
【0012】
特許文献1に記載の従来技術においては、積込フィーダが断面方形状で密閉構造の積込フレームに内装されている。このような密閉構造のフィーダフレームにチェーンコンベヤを内装すれば、上記のような、フライトバーやドラグチェーンに付着したまま前方に戻されるアスファルト合材がこぼれ落ちてしまうという問題は解決される。しかしながら、単にフィーダフレームを密閉構造にしただけでは、フライトバーに付着したまま前方に戻されるアスファルト合材の一部がフレーム下カバーに付着して成長し、この成長したアスファルト合材によりフライトバーが押し上げられてフィーダフレームに干渉する等の不具合が発生する。
【0013】
そこで、フィーダフレームからのアスファルト合材のこぼれ落ちを防ぐことにより、施工への悪影響を防止して、より質の高い舗装の施工を可能とし、また下部カバーへのアスファルト合材の付着・成長を食い止めてフライトバーがフィーダフレームに干渉する不具合を防止するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、自走車両の前部に備えられたホッパに収容されたアスファルト合材をチェーンコンベヤで前記自走車両の後部側に搬送し、該搬送したアスファルト合材をスプレッディングスクリューで前記自走車両の幅方向に撒き広げながらスクリードで路盤に敷均すようにした合材の漏れ止め及び堆積防止構造を持つコンベヤ装置であって、前記チェーンコンベヤにおける戻り行程側部分の下側を覆う下部カバーを設けるとともに該下部カバー側には前記チェーンコンベヤの戻り行程側部分を当該下部カバー側に押さえるための上がり止めガイドを列設した合材の漏れ止め及び堆積防止構造を持つコンベヤ装置を提供する。
【0015】
この構成によれば、下部カバーを設けたことで、チェーンコンベヤによるスプレッディングスクリュー側へのアスファルト合材の搬送時に、戻りのフライトバーやドラグチェーンに付着するアスファルト合材量が想定以上に多くなっても、この付着したアスファルト合材は外部にこぼれ落ちることがなくホッパに戻される。特に、切削オーバレイ施工時等において、路面の凹状部終端等でアスファルトフィニッシャの前輪19(及び後輪も同様)が既設路面18cに乗り上げる際に、ショックと、回転するコンベヤチェーンの振動とによりアスファルト合材がふるい落とされてしまうことがない。また、下部カバーを設けても、チェーンコンベヤの戻り行程側部分を当該下部カバー側に押さえるための上がり止めガイドを列設したことで、チェーンコンベヤの戻り行程側部分は下部カバーからの浮上がりが抑えられる。この結果、戻りのフライトバーに付着して戻ってきたアスファルト合材が下部カバーに付着して成長することが食い止められる。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記チェーンコンベヤは、1対のドラグチェーンの間に、上記下部カバーにこぼれ落ちたアスファルト合材を掻き運ぶ板状体が凸設されたフライトバーの多数が所定の間隔で架設されて構成されている合材の漏れ止め及び堆積防止構造を持つコンベヤ装置を提供する。
【0017】
この構成によれば、チェーンコンベヤを構成しているフライトバーには下部カバーにこぼれ落ちたアスファルト合材を掻き運ぶ板状体を凸設したことで、下部カバーにこぼれ落ちたアスファルト合材は確実にホッパに戻される。したがって、下部カバーにこぼれ落ちたアスファルト合材が、その下部カバーに付着して成長することが確実に食い止められる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の発明は、下部カバーを設けたことで、戻りのフライトバーに付着したアスファルト合材が外部にこぼれ落ちるのを防止することができてアスファルト合材の無駄がなくなるとともに、こぼれ落ちるアスファルト合材で既設路面を汚してしまうということがない。さらには、乳剤散布機能付きのアスファルトフィニッシャでは、スプレッディングスクリューの手前でアスファルト乳剤が散布されるようになっているため、アスファルト合材がこぼれ落ちた部分のみ十分なアスファルト乳剤の散布ができず、部分的にアスファルト合材と路盤との接着性が低下してしまうこともない。したがって、より質の高い舗装を施工することができる。下部カバー側に上がり止めガイドを列設したことで、チェーンコンベヤの戻り行程側部分の下部カバーからの浮上がりを抑えることができる。これにより、下部カバーへのアスファルト合材の付着・成長を食い止めることができて、フラ
イトバーがフィーダフレーム等に干渉する不具合を防止することができるという利点がある。
【0019】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えてさらに、フライトバーには下部カバーにこぼれ落ちたアスファルト合材を掻き運ぶ板状体を凸設したことで、下部カバーにこぼれ落ちたアスファルト合材を確実にホッパに戻すことができる。これにより、下部カバーへのアスファルト合材の付着・成長を一層確実に食い止めることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例に係る合材の漏れ止め及び堆積防止構造を持つコンベヤ装置を搭載したアスファルトフィニッシャの側面図。
【図2】図1中のX−X線に沿う部分の片側拡大断面に相当する図であり、(a)は下部カバー、上がり止めガイド並びに往き及び戻り状態のフライトバーの部分を示す図、(b)は図(a)中のフライトバーを取り出して示す正面図及び側面図、(c)は図(a)の比較例としての従来技術におけるフライトバー等を示す図。
【図3】従来のアスファルトフィニッシャを示す図であり、(a)は自走車両の後部側部分を省略して示す平面図、(b)は図(a)中のY−Y線に沿う断面に相当する側面図。
【図4】図3の従来のアスファルトフィニッシャの問題点を説明するための部分側面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、フィーダフレームからのアスファルト合材のこぼれ落ちを防ぐことにより、施工への悪影響を防止して、より質の高い舗装の施工を可能とし、また下部カバーへのアスファルト合材の付着・成長を食い止めてフライトバーがフィーダフレームに干渉する不具合を防止するという目的を達成するために、自走車両の前部に備えられたホッパに収容されたアスファルト合材をチェーンコンベヤで前記自走車両の後部側に搬送し、該搬送したアスファルト合材をスプレッディングスクリューで前記自走車両の幅方向に撒き広げながらスクリードで路盤に敷均すようにした合材の漏れ止め及び堆積防止構造を持つコンベヤ装置であって、前記チェーンコンベヤにおける戻り行程側部分の下側を覆う下部カバーを設けるとともに該下部カバー側には前記チェーンコンベヤの戻り行程側部分を当該下部カバー側に押さえるための上がり止めガイドを列設したことことにより実現した。
【実施例1】
【0022】
以下、本発明の好適な実施例を図1及び図2の(a)、(b)、(c)を参照して説明する。なお、図1及び図2の(a)、(b)、(c)において、前記図3の(a)、(b)における構成要素と同一ないし均等のものは、前記と同一符号を以って示し、重複した説明を省略する。
【0023】
まず、本実施例に係る合材の漏れ止め及び堆積防止構造を持つコンベヤ装置の構成を図1及び図2の(a)、(b)、(c)を用いて説明する。本実施例では、チェーンコンベヤ4における戻り行程側部分の下側を完全に覆うように下部カバー21が設けられている。即ち、本実施例におけるチェーンコンベヤ4のフィーダフレーム9は、前記図3(b)に示した従来技術におけるフィーダフレームでは下方がオープンになっていたのとは異なり、下方に下部カバー21が取付けられてフルカバー構造(合材漏れ止め構造)となっている。
【0024】
このように、チェーンコンベヤ4における戻り行程側部分の下側に下部カバー21を設けると、戻りのフライトバー22に付着して戻ってきたアスファルト合材が該下部カバー
21に付着して堆積するという不具合傾向が生じる。これに対しては、図2(a)に示すように、ドラグチェーン14a〜14dの各ローラ部分を上から押さえることで、チェーンコンベヤ4の戻り行程側部分を当該下部カバー21側に押さえるための上がり止めガイド(堆積防止ガイド)23が列設されている。
【0025】
図2(b)は、前記フライトバー22の構成の詳細を示している。該フライトバー22には板状体22aが凸設されている。同図に示すように、フライトバー22は、戻り時には往きの時と上下が逆になり、前記板状体22aは戻り時に下向きとなる方向に凸設されている。このため、板状体22aは、フライトバー22の戻り時に下向きとなって下部カバー21にこぼれ落ちたアスファルト合材をホッパ3側に掻き運ぶように機能する。
【0026】
次に、上述のように構成された合材の漏れ止め及び堆積防止構造を持つコンベヤ装置の作用を説明する。チェーンコンベヤ4における戻り行程側部分の下側に下部カバー21を設けたことで、チェーンコンベヤ4によるスプレッディングスクリュー5側へのアスファルト合材の搬送時に、戻りのフライトバー22やドラグチェーン14a〜14dに付着するアスファルト合材量が想定以上に多くなっても、この付着したアスファルト合材は外部にこぼれ落ちることがなくホッパ3に戻される。
【0027】
特に、前記図4を用いて説明したように、切削オーバレイ施工時等において、路面の凹状部終端等でアスファルトフィニッシャ20がショックを受けたような場合でも、前方に戻されるアスファルト合材は外部にこぼれ落ちることがない。また、下部カバー21を設けても、チェーンコンベヤ4の戻り行程側部分を当該下部カバー21側に押さえるための上がり止めガイド23を列設したことで、チェーンコンベヤ4の戻りにたるみ傾向が生じても、該チェーンコンベヤ4の戻り行程側部分は下部カバー21からの浮上がりが抑えられる。この結果、戻りのフライトバー22に付着して戻ってきたアスファルト合材が下部カバー21に付着して成長することが食い止められる。
【0028】
チェーンコンベヤ4を構成しているフライトバー22には、戻り時に下向きとなって下部カバー21にこぼれ落ちたアスファルト合材を掻き運ぶための板状体22aを凸設したことで、下部カバー21にこぼれ落ちたアスファルト合材は、該板状体22aにより掻き剥がされて確実にホッパ3に戻される。したがって、下部カバー21にこぼれ落ちたアスファルト合材が、その下部カバー21に付着して成長することが確実に食い止められる。これに対し、図2(c)の比較例に示すように、従来技術におけるフライトバー15を用いると、チェーンコンベヤ4の戻りのときに下部カバー21との間に大きな隙間ができる。このため、下部カバー21に付着したアスファルト合材を掻き剥すことはできない。
【0029】
上述したように、本実施例に係る合材の漏れ止め及び堆積防止構造を持つコンベヤ装置においては、チェーンコンベヤ4における戻り行程側部分の下側に下部カバー21を設けたことで、戻りのフライトバー22に付着したアスファルト合材が外部にこぼれ落ちるのを防止することができてアスファルト合材の無駄がなくなるとともに、こぼれ落ちるアスファルト合材で既設路面を汚してしまうということがない。
【0030】
乳剤散布機能付きのアスファルトフィニッシャ20では、スプレッディングスクリュー5の手前でアスファルト乳剤が散布されるようになっているため、アスファルト合材がこぼれ落ちた部分のみ十分なアスファルト乳剤の散布ができずに、部分的にアスファルト合材と路盤との接着性が低下してしまうということがなく、また、遮水性舗装においては、むらのない遮水層の形成が可能となる。したがって、より質の高い舗装を施工することができる。
【0031】
下部カバー21側に上がり止めガイド23を列設したことで、チェーンコンベヤ4の戻
り行程側部分の下部カバー21からの浮上がりを抑えることができる。これにより、下部カバー21へのアスファルト合材の付着・成長を食い止めることができて、フライトバー22がフィーダフレーム9等に干渉する不具合を防止することができる。
【0032】
フライトバー22には、下部カバー21にこぼれ落ちたアスファルト合材を掻き運ぶ板状体22aを凸設したことで、下部カバー21にこぼれ落ちたアスファルト合材を確実にホッパ3に戻すことができる。これにより、下部カバー21へのアスファルト合材の付着・成長を一層確実に食い止めることができる。
【0033】
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができ、そして、本発明が該改変されたものにも及ぶことは当然である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
フィーダフレームからのアスファルト合材のこぼれ落ちを防ぐことにより、施工への悪影響を防止して、より質の高い舗装の施工を可能とし、また下部カバーへのアスファルト合材の付着・成長を食い止めてフライトバーがフィーダフレームに干渉する不具合を防止することが不可欠な乳剤散布機能付き及びなしのアスファルトフィニッシャを含む敷均機械に広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0035】
2 自走車両
3 ホッパ
4 チェーンコンベヤ
4A,4B 単位チェーンコンベヤ
5 スプレッディングスクリュー
6 乳剤タンク
7 スクリード
8 レベリングアーム
9 フィーダフレーム
10 前端側回転軸
11 後端側回転軸
12a〜12d 前端側スプロケット
13a〜13d 後端側スプロケット
14a〜14d ドラグチェーン
16 ローラチェーン
17 コンベヤプレート
19 前輪
20 アスファルトフィニッシャ
21 下部カバー
22 フライトバー
22a 板状体
23 上がり止めガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走車両の前部に備えられたホッパに収容されたアスファルト合材をチェーンコンベヤで前記自走車両の後部側に搬送し、該搬送したアスファルト合材をスプレッディングスクリューで前記自走車両の幅方向に撒き広げながらスクリードで路盤に敷均すようにした合材の漏れ止め及び堆積防止構造を持つコンベヤ装置であって、
前記チェーンコンベヤにおける戻り行程側部分の下側を覆う下部カバーを設けるとともに該下部カバー側には前記チェーンコンベヤの戻り行程側部分を当該下部カバー側に押さえるための上がり止めガイドを列設したことを特徴とする合材の漏れ止め及び堆積防止構造を持つコンベヤ装置。
【請求項2】
上記チェーンコンベヤは、1対のドラグチェーンの間に、上記下部カバーにこぼれ落ちたアスファルト合材を掻き運ぶ板状体が凸設されたフライトバーの多数が所定の間隔で架設されて構成されていることを特徴とする請求項1記載の合材の漏れ止め及び堆積防止構造を持つコンベヤ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−12785(P2012−12785A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147756(P2010−147756)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(502246528)住友建機株式会社 (346)
【出願人】(000208204)大林道路株式会社 (31)
【出願人】(000194516)世紀東急工業株式会社 (17)
【出願人】(390002185)大成ロテック株式会社 (90)
【出願人】(390019998)東亜道路工業株式会社 (42)
【出願人】(000239437)福田道路株式会社 (24)
【出願人】(000201515)前田道路株式会社 (61)
【Fターム(参考)】