説明

呼吸器用ボンベの組み立て方法

【課題】 呼吸器ボンベを装着した状態で、そく止弁と巻き込みラベルの位置関係が一定になるように組み立て可能な呼吸器用ボンベの組み立て方法を提案する。
【解決手段】 高圧ガスボンベの平面図において、前記口金部のネジ切り開始位置(A)と前記固定表示部の周方向の中心点(B)とが前記口金部の中心(C)に対して作る角度が一定になるように調整された高圧ガスボンベ群と、前記口金部に装着したとき、前記平面図において、前記固定表示部の周方向の中心点(B)と前記前記口金部の中心(C)を結ぶ線分(L)とそく止弁のハンドルの軸線(M)とが作る角度が一定になるように調整されたそく止弁群とを準備し、高圧ガスボンベ群から選んだ任意の高圧ガスボンベに対して前記そく止弁群から選んだ任意のそく止弁をネジ結合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口金バルブ付きボンベ、典型的には、消防士やレスキュー隊員などがハーネスに装着して使用する呼吸器用ボンベの組み立て方法に関する。また、本発明はかかる呼吸器用ボンベの組み立て方法に使用する高圧ガスボンベ群及びそく止弁群の準備方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消防士が消火活動を行うに当たっては、酸素濃度が希薄になった建物や有害ガスが充満している建物に侵入することを強いられるため、呼吸器用ボンベを背負い、これに接続された空気呼吸器を装着して消火作業や人命救出作業等に当たっている。
【0003】
このような呼吸器用ボンベは、一般にハーネスに装着されており、消防士には、各人の手の届くところにそく止弁が配置されたものが宛がわれるようになっている。また、この呼吸器用ボンベは消防士の命に関わる重要な機材であるので、高圧ガス保安法により容器の製造時から3年ごとに所定の検査所において再検査を行い、それに合格したもののみを継続使用可能としている。この再検査等を確実に行うためには、ハーネスに装着した状態で製造年月日や製造番号等を記載したボンベ固有情報を固定して表示する固定表示部をボンベに設け、これによってボンベ固有情報を確認できるようにすることが望ましい。一般に、かかる固定表示部は、高圧ガスボンベを製造する際、後に改竄されたり、剥がれたりすることのないようにするため、例えばFRP製ボンベの場合には、アルミライナーにフィラメントワインディングを施す際にFRP被覆層中に巻き込むいわゆる巻き込みラベルによって形成されている。
【0004】
このような呼吸器用ボンベに関し、特許文献1には、圧縮空気を充填可能な耐圧容器の外表面の少なくとも一部に、蓄光性を有する被覆材を着脱自在に装着した空気呼吸器用ボンベが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−310394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示される空気呼吸器用ボンベは、上記の問題を解決しない。一般に、呼吸器用ボンベを組み立てるに当たっては、上記表示部として巻き込みラベルが巻き込まれたFRP製ボンベの口金部にそく止弁をネジ結合によって装着して製造されるが、従来の組み立て方法では、例えば、FRP製ボンベの口金部のネジ切り開始位置と高圧ガスボンベの巻き込みラベルの位置関係が統一されていないため、そく止弁を螺着したとき、そく止弁ハンドルの前記巻き込みラベルに対する位置がまちまちになっている。このような呼吸器用ボンベをハーネスに装着すると、例えば、巻き込みラベルがハーネスの側面側や背面側に位置することがあり、そのため巻き込みラベルに記載された製造年月日等の固有情報を容易に確認できないという問題を生ずる。この問題は、特に、そく止弁を高圧ガスボンベから取外し、検査後再取付する際に顕著に現れる。
【0007】
本発明は、このような呼吸器用ボンベの管理上の問題に着目し、呼吸器用ボンベを装着した状態で、そく止弁と巻き込みラベルの位置関係が一定になるように、例えば、そく止弁ハンドルの軸線が巻き込みラベルから見て左巻き方向にほぼ90°回転した位置(右利き用、左利き用の場合は右巻き方向に90°回転した位置)になるように組み立て可能な呼吸器用ボンベの組み立て方法を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の呼吸器用ボンベの組み立て方法は、ボンベ固有情報の固定表示部を本体部に有する高圧ガスボンベの口金部にそく止弁をネジ結合して呼吸器用ボンベを組み立てるに当たり、前記高圧ガスボンベの平面図において、前記口金部のネジ切り開始位置(A)と前記固定表示部の周方向の中心点(B)とが前記口金部の中心(C)に対して作る角度が一定になるように調整された高圧ガスボンベ群を準備する段階と、前記口金部に装着したとき、前記平面図において、前記固定表示部の周方向の中心点(B)と前記口金部の中心(C)を結ぶ線分(L)とそく止弁のハンドルの軸線(M)とが作る角度が一定になるように調整されたそく止弁群を準備する段階と、前記高圧ガスボンベ群から選んだ任意の高圧ガスボンベに対して前記そく止弁群から選んだ任意のそく止弁をネジ結合する段階と、からなる。
【0009】
前記発明において、高圧ボンベ本体をFRP製とし、表示部を巻き込みラベルとするのが好ましい。
【0010】
上記各発明におけるボンベ本体群は、口金部にネジ切り加工が施されている複数のアルミライナーに対して同時にフィラメントワインディングによるFRP被覆層を施すに当たり、前記複数のアルミライナーに対して、任意の一のそく止弁と同一のネジ切り部を備え、かつ該そく止弁のハンドル位置に対応する個所にマーキング部を備えたアーバーを、前記任意の一のそく止弁が装着された状態と同一の状態を再現するように装着する段階と、
前記アーバーの装着されたアルミライナーをフィラメントワインディング装置にセットしてフィラメントワインディングを施すとともに、前記アーバーを装着した状態で、アルミライナーの断面側から見て、前記マーキング部の周方向中心と巻き込みラベルの周方向中心とが前記口金部の中心に対して作る角度が一定になるように巻き込みラベルの貼付を行う段階と、を行うことによって準備することができる。
【0011】
また、上記発明におけるいるそく止弁群は、複数のそく止弁にネジ切り加工を施すに当たり、前記高圧ガスボンベ群の準備方法において使用したアーバーのマーキング部をそく止弁の操作ハンドル位置と一致させるとともに、該アーバーに刻設されたネジを前記複数のそく止弁のための共通の模範ネジとして使用することによって準備することができる。
【発明の効果】
【0012】
上記発明によって準備されたとおりの、高圧ガスボンベの平面図において、口金部のネジ切り開始位置(A)とボンベ本体部におけるボンベ固有情報の固定表示部の周方向の中心点(B)とが前記口金部の中心(C)に対して作る角度が一定になるように調整された高圧ガスボンベ群と、前記高圧ガスボンベの口金部に装着したとき、前記平面図において、前記固定表示部の周方向の中心点(B)と前記口金部の中心(C)を結ぶ線分(L)とそく止弁のハンドルの軸線(M)とが作る角度が一定になるように調整されたそく止弁群と、からなる呼吸器用ボンベの組み立て用部材を利用することにより、そく止弁付きのボンベをハーネスに装着した状態で巻き込みラベルの位置が常に視認できるようになり、呼吸器用ボンベの管理を確実に行えるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を、高圧ガスボンベをFRP製とし、表示部をその製造時に巻き込みラベルとして固定する場合を例にとって説明する。
【0014】
本発明の適用対象である呼吸器用ボンベ10は、図1に示すように、FRP製の高圧ガスボンベ11にそく止弁20を装着して組み立てられており、図2に示すようにハーネス30に装着して使用される。高圧ガスボンベ11は本体部18と口金部12によって構成されている。口金部12には、図3に示すように、ネジ切り部25が設けられており、そこにそく止弁20の脚部22がOリング26を挟んで螺着されるようになっている(図4参照)。また、ボンベ本体部18には、ボンベ管理上の便宜のため、商品名(商標等)を表示するラベル14(「ABC」と表示されているもの)、製造番号、製造年月日、容器の内容積、重量など法定事項などボンベ本体の固有情報を記載した巻き込みラベル13及びボンベの所有者、管理番号などを刻印した刻印マーク15(「NP561」と表示されたもの)が付されている。これらのうちラベル14及び刻印マーク15は、呼吸器用ボンベ10にそく止弁20を装着した段階でボンベ本体11の外面に貼付されるが、巻き込みラベル13は、ボンベ管理上重要なボンベ本体の固有情報を記載したラベルであるため、ボンベの製造時にFRP被覆層中に巻き込むことが義務付けられている。
【0015】
ハーネス30は、図2に示すように、呼吸器用ボンベ10をそく止弁20が下側になるように背板31に搭載され、ボンベ本体11の周囲に掛け回したバンド33で背板31に対して固定されている。この背板31には左右一対の肩ベルト34及び腰ベルト35が取り付けられている。呼吸器用ボンベ10に装着したそく止弁20には空気供給用ホース36の一端が接続され、この空気供給用ホース36の他端に消防士に空気を供給するための呼吸器マスク37が取り付けられている。この呼吸器マスク37への空気の送給は、消防士自身がそく止弁20の操作ハンドル21を操作することにより行われるようになっている。そのため、消防士が右利きのときは操作ハンドル21が背面側から見て右側に位置するものが、左利きのときには左側に位置するものがあてがわれるようになっている。
【0016】
そく止弁20は、図4に示すように、脚部22を有する本体23に操作ハンドル21及び使用時には空気流出口となる空気充填口24を備えている。脚部22には高圧ガスボンベ11の口金部12との螺着により結合関係におかれるネジ切り部28が設けられている。このそく止弁20の本体23は空気充填口24から前記ハーネス30の空気供給用ホース36に接続できるようになっており、消防士が操作ハンドル21を操作することにより必要なときに空気の供給が受けられるようになっている。
【0017】
本発明においては、上記のように構成される呼吸器用ボンベ10を組み立てたとき、図1に示すように、ボンベ平面図(図1の下面図)において、ボンベ本体の中心Cボンベ本体部18に巻き込んだ巻き込みラベル13の周方向中心点Bとを結ぶ線分Lとそく止弁ハンドル21の軸線Mとがなす角度αが一定になるように、例えば、線分Lから右方向にほぼ90°の位置に軸線Mが位置するようにする。
【0018】
そのため、本発明においては、まず、図5に示す高圧ガスボンベの平面図(下面図)において、口金部のネジ切り開始位置Aと固定表示部の周方向の中心点Bとが口金部の中心Cに対して作る角度βが一定になるように調整された高圧ガスボンベ群を準備する。ここに「口金部のネジ切り開始位置A」とは、図3(b)を参照して分かるように、口金部12に切られた雌ネジが口金部の先端まで達したと想定したときの仮想ネジ切り込み開始箇所Aをいう。
【0019】
上記のようにするために、まず、口金部12にネジきり加工が施されている複数のアルミライナーに対して下記のアーバー40を用いて、同時にフィラメントワインディングによるFRP被覆層を施す。この工程は、例えば、多段同時ワインディング方式のフィラメントワインディング装置を用いることによって実現できる。
【0020】
図6は、フィラメントワインディングの際に用いるアーバー40の正面図である。アーバー40は、任意に選んだそく止弁20と同一のネジ切り部41を備え、かつ、そのそく止弁20の操作ハンドル21に対応する周方向の位置にマーキング部材44を備え、識別面43が明示されるようになっている。
【0021】
具体的には、上記アーバー40は、図6に示すように、先端にアルミライナーの口金部12に螺合されるネジ切り部41を有し、基部42はフィラメントワインディング装置にコレットチャックによってセットされるようになっている。また、そのネジ切り部41は、アルミライナーの口金部に対して螺合されるようになっており、かつ、螺合されたとき、そのフランジ部でアルミライナーに対してメタルコンタクトによって固定されるようになっている。
【0022】
また、上記アーバー40の軸部にはマーキング部材44がはめ込まれて固定されている。この例では、マーキング部材44は、アーバーの軸部に、ラチェット機構などの回り止めを有してはめ込まれるリング状部材45によって構成されており、その周面に円弧の一部の面を削り取った識別面43が形成されている。このマーキング部材44の識別面43は、上記アーバー40をアルミライナーに螺合・結合したときの状態に置き換えると、アルミライナーにそく止弁20の脚部22を螺合・結合したときの操作ハンドル21に対応する位置にとってある。
【0023】
このアーバー40を利用してアルミライナーにフィラメントワインディング加工を行う工程は以下のとおりである。まず、アーバー40を複数準備し、これを口金部に同一のネジが切られた複数のアルミライナーに装着する。この際、アーバー40は同一のものが複数作成され、また、アルミライナーも複数準備され、前記のように多段同時ワインディングが行われるので、これらアーバー40を装着したアルミライナーにおいては、マーキング部材44とネジ切り部41との関係がすべて同一状態となることになり、同一のアーバー40が同一の状態に装着された同一のアルミライナーが複数準備されることになる。これにより、そく止弁20が装着された状態と同一の状態が得られることになる。なお、「そく止弁20が装着された状態と同一の状態」とは、アルミライナーの口金部12にそく止弁20の脚部22を完全に螺着した状態が再現された状態をいう。
【0024】
ついで、上記アーバー40の羅着されたアルミライナーを複数のフィラメントワインディング装置にセットして同時にフィラメントワインディング加工を開始し、フィラメントの積層量が巻き込みラベルを貼り付けるための所定の量に達したとき、一旦積層加工を中断し、アーバー40の識別面43を基準として、それから所定の角度だけ周方向に振れた位置をアルミライナーの面上に取り、そこに巻き込みラベル13を貼付する。上記巻き込みラベル13の貼付後、フィラメントワインディング加工を再開し、ガラス繊維層を形成する。これにより巻き込みラベルがFRP層の中に巻き込まれたFRPボンベが完成する。なお、前記アーバーには、識別面の他に、巻き込みラベル貼り付け位置を指示する別の識別面を設け、これを基準に巻き込みラベルの貼り付けを行ってもよい。
【0025】
上記工程により、アルミライナーに対する巻き込みラベル13の貼付は、そく止弁20と同一のネジ切り部を備え、かつ、かつそく止弁のハンドル位置に対応する個所に識別面43を備えたアーバー40を基準に行われているから、製造されたFRP巻き込みラベル13の貼付位置はその口金部のネジ切り状態に対して常に一定に維持されることになる。
【0026】
ついで、上記のように準備された一群のボンベ群に対して装着されるそく止弁群を準備する。この工程は、前記のボンベ本体群の準備方法において使用したアーバーをそく止弁のための共通の模範ネジとして使用して行う。具体的には、例えばNC旋盤を利用して、前記アーバー40のうちの一つをネジ切り部41の模範ネジとし、アーバー40の識別面43の位置にそく止弁の操作ハンドルが位置するようにそく止弁20の脚部22をセットしてネジ切り加工を行えばよい。
【0027】
本発明では、このようにして、巻き込みラベルの貼付位置を指示するアーバー40を取り付けた状態で、一群のアルミライナーに対して巻き込みラベルの貼付を伴うフィラメントワインディング加工を行ってFRPボンベ群が準備され、また、そのアーバー40を模範ネジとしてそく止弁群が準備される。したがって、上記一群のFRPボンベ群及びそく止弁群は、どれをとってもすべて同一のアーバーを基準としてねじ切り加工されたものであるために、互いに任意のFRPボンベとそく止弁を組み合わせたとき、同一の螺合・締結状態が得られることになる。これにより、呼吸器用ボンベをそく止弁付きのボンベをハーネスに装着した状態で巻き込みラベルの位置を常に一定の位置において視認できるようになり、その管理を確実に行えるようになる。
【0028】
なお、上記例では、基本的に右利き用の呼吸器用ボンベの組み立て方法について説明したが、上記組み立て法を左利き用の呼吸器用ボンベの組み立て方法に適用することができ、また、必要に応じて、ボンベ本体の巻き込みラベルのボンベ軸線方向中心線とそく止弁のネジ切り開始位置とが前記口金部の中心線に対して作る角度を任意に取ることも可能である。
【0029】
さらに、上記例では、巻き込みラベルを有するFRP製ボンベを例にとって説明したが、本発明の適用範囲はこれに限られるものではなく、例えば高圧ガスボンベを鋼製ガスボンベとし、その製造段階でボンベ固有情報を刻印するような場合にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】呼吸器用ボンベの概略説明図である。(a)は正面図、(b)は下面図である。
【図2】ハーネスに呼吸器用ボンベを搭載した状態の概略説明図である。
【図3】呼吸器用FRPボンベの口金部近傍の説明図である。
【図4】呼吸器用FRPボンベのそく止弁の説明図である。(a)は正面図、(b)は下面図である。
【図5】巻き込みラベルとそく止弁ハンドル軸線との位置関係を示す説明図である。
【図6】本発明に用いるアーバーとマーキング部の関係の説明図である。
【符号の説明】
【0031】
10:呼吸器用ボンベ,11:高圧ボンベ,12:(ボンベ)口金部,13:巻き込みラベル,14:ラベル,15:刻印マーク,16:ボンベ本体の中心点,18:(ボンベ)本体部
20:そく止弁,21:操作ハンドル(そく止弁ハンドル),22:脚部,23:本体,24:空気充填口,25:ネジ切り部,26:Oリング,27:そく止弁ハンドルの軸線,28:ネジ切り部
30:ハーネス,31:背板,33:バンド,34:肩ベルト,35:腰ベルト,36:空気供給用ホース,37:呼吸器マスク
40:アーバー,41:ネジ切り部,42:基部,43:識別面,44:マーキング部材,45:リング状部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボンベ固有情報の固定表示部を本体部に有する高圧ガスボンベの口金部にそく止弁をネジ結合して呼吸器用ボンベを組み立てるに当たり、
前記高圧ガスボンベの平面図において、前記口金部のネジ切り開始位置(A)と前記固定表示部の周方向の中心点(B)とが前記口金部の中心(C)に対して作る角度が一定になるように調整された高圧ガスボンベ群を準備する段階と、
前記口金部に装着したとき、前記平面図において、前記固定表示部の周方向の中心点(B)と前記口金部の中心(C)を結ぶ線分(L)とそく止弁のハンドルの軸線(M)とが作る角度が一定になるように調整されたそく止弁群を準備する段階と、
前記高圧ガスボンベ群から選んだ任意の高圧ガスボンベに対して前記そく止弁群から選んだ任意のそく止弁をネジ結合する段階と、からなる呼吸器用ボンベの組み立て方法。
【請求項2】
高圧ガスボンベがFRP製であり、表示部が巻き込みラベルであることを特徴とする請求項1記載の呼吸器用ボンベの組み立て方法。
【請求項3】
口金部にネジ切り加工が施されている複数のアルミライナーに対して同時にフィラメントワインディングによるFRP被覆層を施すに当たり、
前記複数のアルミライナーに対して、任意の一のそく止弁と同一のネジ切り部を備え、かつ該そく止弁のハンドル位置に対応する個所にマーキング部を備えたアーバーを、前記任意の一のそく止弁が装着された状態と同一の状態を再現するように装着する段階と、
前記アーバーの装着されたアルミライナーをフィラメントワインディング装置にセットしてフィラメントワインディングを施すとともに、前記アーバーを装着した状態で、アルミライナーの断面側から見て、前記マーキング部の周方向中心と巻き込みラベルの周方向中心とが前記口金部の中心に対して作る角度が一定になるように巻き込みラベルの貼付を行う段階と、を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の呼吸器用ボンベの組み立て方法に用いる高圧ガスボンベ群の準備方法。
【請求項4】
複数のそく止弁にネジ切り加工を施すに当たり、前記請求項3に記載の高圧ガスボンベ群の準備方法において使用したアーバーのマーキング部をそく止弁の操作ハンドル位置と一致させるとともに、該アーバーに刻設されたネジを前記複数のそく止弁のための共通の模範ネジとして使用することを特徴とする請求項3に記載の呼吸器用ボンベの組み立て方法に用いるそく止弁群の準備方法。
【請求項5】
高圧ガスボンベの平面図において、口金部のネジ切り開始位置(A)とボンベ本体部におけるボンベ固有情報の固定表示部の周方向の中心点(B)とが前記口金部の中心(C)に対して作る角度が一定になるように調整された高圧ガスボンベ群と、
前記高圧ガスボンベの口金部に装着したとき、前記平面図において、前記固定表示部の周方向の中心点(B)と前記口金部の中心(C)を結ぶ線分(L)とそく止弁のハンドルの軸線(M)とが作る角度が一定になるように調整されたそく止弁群と、からなる呼吸器用ボンベの組み立て用部材。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−250387(P2009−250387A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−100713(P2008−100713)
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【出願人】(000145507)株式会社重松製作所 (17)
【出願人】(390010342)エア・ウォーター防災株式会社 (56)
【出願人】(391030099)株式会社旭製作所 (15)
【Fターム(参考)】