説明

呼吸器系病原体ワクチンのためのアルファウイルスベクター

本明細書中に記載されているのは、1つ以上の呼吸器系病原体に由来する1つ以上のタンパク質に対する免疫反応を刺激するための、組成物および方法である。具体的には、本発明は、1つ以上の呼吸器系病原体に由来する1つ以上の抗原を発現する、アルファウイルスレプリコン、アルファウイルスベクター構築物、およびアルファウイルスレプリコン粒子に関する。また、本発明は、これら免疫原性組成物を作製し使用する方法にも関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
免疫原性組成物であって、該組成物は、以下:
(a)第1のアルファウイルスレプリコンベクター、ベクター構築物、またはレプリコン粒子であって、以下:
(i)呼吸器系病原体に由来する少なくとも1つの免疫原性タンパク質をコードする第1の異種核酸、および
(ii)呼吸器系病原体に由来する少なくとも1つの免疫原性タンパク質をコードする第2の異種核酸
を含み、該第1および第2の異種核酸が、ともに同一のパラインフルエンザウイルス(PIV)、同一のRSウイルス(RSV)、または同一のSARSウイルスに由来する免疫原性タンパク質をコードする場合には、該組成物は、該第2の異種核酸を含む第2のアルファウイルスレプリコンベクター、ベクター構築物、またはレプリコン粒子をさらに含む、第1のアルファウイルスレプリコンベクター、ベクター構築物、またはレプリコン粒子;ならびに
(b)薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、または賦形剤
を含む、免疫原性組成物。
【請求項2】
前記第1のアルファウイルスレプリコンベクター、ベクター構築物、またはレプリコン粒子が、前記第1および第2の異種核酸をコードする、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項3】
第2のアルファウイルスレプリコンベクター、ベクター構築物、またはレプリコン粒子をさらに含む、請求項1に記載の免疫原性組成物であって、前記第1のアルファウイルスレプリコンベクター、ベクター構築物、またはレプリコン粒子が、前記第1の異種核酸配列を含み、該第2のアルファウイルスレプリコンベクター、ベクター構築物、またはレプリコン粒子が、前記第2の異種核酸を含む、免疫原性組成物。
【請求項4】
前記呼吸器系病原体が、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、およびSARSウイルスからなる群から選択されるウイルスである、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項5】
前記呼吸器系病原体が、Mycobacterium tuberculosis、Corynebacterium diphtheriae、Bordatella pertussis、Streptococcus pneumoniae、型別不能Haemophilus influenzae、Moraxella catarrhalis、Pseudomonas aeruginosa、Bacillus anthracis(炭疽菌)、およびLegionella pneumophila(レジオネラ症)からなる群から選択される細菌である、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項6】
前記第1の異種核酸が、N1、N2、N3、N4、N5、N6、N7、N8、およびN9からなる群から選択されるインフルエンザウイルス亜型に由来する、インフルエンザウイルスノイラミニダーゼタンパク質をコードする、請求項4に記載の免疫原性組成物。
【請求項7】
前記第1の異種核酸が、インフルエンザウイルスノイラミニダーゼタンパク質をコードし、前記アルファウイルスレプリコンベクター、ベクター構築物、またはレプリコン粒子が、インフルエンザウイルス赤血球凝集素タンパク質をコードする第2の異種核酸をさらに含む、請求項4または請求項6に記載の免疫原性組成物。
【請求項8】
前記第2の異種核酸が、H1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、およびH15からなる群から選択されるインフルエンザウイルス亜型に由来する赤血球凝集素タンパク質をコードする、請求項7に記載の免疫原性組成物。
【請求項9】
前記第1の異種核酸が、第1のアルファウイルスサブゲノム接合部プロモーターと作動可能に連結していて、前記第2の異種核酸が、第2のアルファウイルスサブゲノム接合部プロモーターと作動可能に連結している、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項10】
前記第1または第2の異種核酸が、配列内リボソーム進入部位(IRES)に相当する核酸をさらに含む、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項11】
前記第1の異種核酸が、インフルエンザウイルスのタンパク質をコードし、前記第2の異種核酸が、SARSコロナウイルスのタンパク質をコードする、請求項1、請求項2、請求項3、および請求項4のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項12】
前記第1の異種核酸が、パラインフルエンザウイルスのタンパク質をコードし、前記第2の異種核酸が、RSウイルスのタンパク質をコードする、請求項1、請求項2、請求項3、および請求項4のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項13】
前記第1の異種核酸が、RSウイルスのタンパク質をコードし、前記第2の異種核酸が、ヒトメタニューモウイルスのタンパク質をコードする、請求項1、請求項2、請求項3、および請求項4のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項14】
アジュバントをさらに含む、請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項15】
インフルエンザウイルスのタンパク質をコードする前記第1または第2の異種核酸が、赤血球凝集素タンパク質をコードする配列、ノイラミニダーゼタンパク質をコードする配列、ヌクレオカプシドタンパク質をコードする配列、およびマトリックスタンパク質をコードする配列からなる群から選択される、請求項1、請求項2、請求項3、および請求項4のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項16】
SARSコロナウイルスのタンパク質をコードする前記第1または第2の異種核酸が、スパイクタンパク質をコードする核酸、エンベロープタンパク質をコードする核酸、ヌクレオカプシドタンパク質をコードする核酸、およびマトリックスタンパク質をコードする核酸からなる群から選択される、請求項1、請求項2、請求項3、および請求項4のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項17】
ヒトメタニューモウイルスのタンパク質をコードする前記第1または第2の異種核酸が、糖タンパク質Gをコードする核酸、融合タンパク質をコードする核酸、ヌクレオカプシドタンパク質をコードする核酸、およびマトリックスタンパク質をコードする核酸からなる群から選択される、請求項1、請求項2、請求項3、および請求項4のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項18】
パラインフルエンザウイルスのタンパク質をコードする前記第1または第2の異種核酸が、赤血球凝集素−ノイラミニダーゼタンパク質をコードする核酸、融合タンパク質をコードする核酸、ヌクレオカプシドタンパク質をコードする核酸、およびマトリックスタンパク質をコードする核酸からなる群から選択される、請求項1、請求項2、請求項3、および請求項4のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項19】
RSウイルスのタンパク質をコードする前記第1または第2の異種核酸が、糖タンパク質Gをコードする核酸、融合タンパク質をコードする核酸、ヌクレオカプシドタンパク質をコードする核酸、およびマトリックスタンパク質をコードする核酸からなる群から選択される、請求項1、請求項2、請求項3、および請求項4のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項20】
前記第1のアルファウイルスレプリコンベクター、ベクター構築物、またはレプリコン粒子が、シンドビスウイルス、セムリキ森林熱ウイルス、ベネズエラ馬脳炎ウイルス、およびロス川ウイルスからなる群から選択される1つ以上のアルファウイルスに由来するものである、請求項1〜請求項19のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項21】
前記第2のアルファウイルスレプリコンベクター、ベクター構築物、またはレプリコン粒子が、シンドビスウイルス、セムリキ森林熱ウイルス、ベネズエラ馬脳炎ウイルス、およびロス川ウイルスからなる群から選択される1つ以上のアルファウイルスに由来するものである、請求項1〜請求項19のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項22】
前記免疫原性組成物が凍結乾燥されている、請求項1〜請求項21のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項23】
哺乳動物において免疫反応を刺激する方法であって、請求項1〜請求項22のいずれか1項に記載の免疫原性組成物を該哺乳動物に投与して免疫反応を生じさせることを含む方法。
【請求項24】
第2の免疫原性組成物を哺乳動物に投与する工程をさらに含む、請求項23に記載の方法であって、該第2の免疫原性組成物が
a)前記異種核酸と実質的に同じ源に由来するタンパク質、ポリペプチド、または該タンパク質もしくは該ポリペプチドの一部、および
b)薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、または賦形剤
を含む、方法。
【請求項25】
第2の免疫原性組成物を投与する前記工程が、アジュバントを投与することをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の免疫原性組成物が、さらにアジュバントを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記第1または第2の免疫原性組成物が、筋肉内、鼻腔内、皮下、皮内、気管内、および経口からなる群から選択される経路によって投与される、請求項23〜請求項26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
第2の免疫原性組成物を投与する第2の工程をさらに含む、請求項23に記載の免疫反応を刺激する方法であって、該第2の免疫原性組成物が
a)前記異種核酸と実質的に同じ源に由来するタンパク質、ポリペプチド、または該タンパク質もしくは該ポリペプチドの一部をコードする、非アルファウイルス由来のウイルスベクター、および
b)薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、または賦形剤
を含む、方法。
【請求項29】
第2の免疫原性組成物を投与する第2の工程をさらに含む、請求項23に記載の免疫反応を刺激する方法であって、該第2の免疫原性組成物が
a)前記異種核酸と実質的に同じ源に由来するタンパク質、ポリペプチド、または該タンパク質もしくは該ポリペプチドの一部をコードする、弱毒化ウイルス、および
b)薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、または賦形剤
を含む、方法。
【請求項30】
請求項1〜請求項22のいずれか1項に記載の免疫原性組成物を含むワクチン。
【請求項31】
a)実質的に精製された不活化パラインフルエンザウイルスの調製物、
b)薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、または賦形剤、および
c)MF59またはLTK63から選択されるアジュバント
を含む、免疫原性組成物。
【請求項32】
前記アジュバントがMF59である、請求項31に記載の免疫原性組成物。
【請求項33】
哺乳動物において免疫反応を刺激する方法であって、請求項31または請求項32に記載の免疫原性組成物を該哺乳動物に投与して免疫反応を生じさせることを含む方法。
【請求項34】
前記免疫原性組成物が、筋肉内、鼻腔内、皮下、皮内、気管内、および経口からなる群から選択される経路によって投与される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
免疫原性組成物であって、該組成物は、以下:
(a)インフルエンザウイルスに由来する第1の免疫原性ノイラミニダーゼタンパク質をコードする第1の異種核酸を含む第1のアルファウイルスレプリコンベクター、ベクター構築物、またはレプリコン粒子、および
(b)薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、または賦形剤
を含む、免疫原性組成物。
【請求項36】
赤血球凝集素タンパク質、ヌクレオカプシド、マトリックスタンパク質、および第2のノイラミニダーゼタンパク質からなる群から選択される、インフルエンザウイルス由来の第2の免疫原性タンパク質をコードする第2の異種核酸をさらに含む、請求項35に記載の免疫原性組成物。
【請求項37】
前記第2の免疫原性タンパク質が、1つ以上のパンデミックなインフルエンザウイルス株またはパンデミックである可能性があるインフルエンザウイルス株に由来する赤血球凝集素タンパク質である、請求項36に記載の免疫原性組成物。
【請求項38】
前記第2の免疫原性タンパク質が、1つ以上のインターパンデミックなインフルエンザウイルス株に由来する赤血球凝集素タンパク質である、請求項36に記載の免疫原性組成物。
【請求項39】
前記第2の免疫原性タンパク質が、1つ以上のパンデミックなインフルエンザウイルス株またはパンデミックである可能性があるインフルエンザウイルス株と、1つ以上のインターパンデミックなインフルエンザウイルス株との組み合わせに由来する赤血球凝集素タンパク質である、請求項36に記載の免疫原性組成物。
【請求項40】
前記第1のアルファウイルスレプリコンベクター、ベクター構築物、またはレプリコン粒子が、前記第2の異種核酸を含む、請求項36〜請求項39のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項41】
第2のアルファウイルスレプリコンベクター、ベクター構築物、またはレプリコン粒子が、前記第2の異種核酸を含む、請求項36〜請求項39のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項42】
前記呼吸器系病原体がインフルエンザウイルスであり、前記第1の異種核酸が、第1のインフルエンザウイルス株に由来する赤血球凝集素タンパク質をコードし、前記第2の異種核酸が、第2のインフルエンザウイルス株に由来する赤血球凝集素タンパク質をコードする、請求項4に記載の免疫原性組成物。
【請求項43】
1つ以上の更なるインフルエンザウイルス株に由来する1つ以上の更なる免疫原性タンパク質をコードする1つ以上の更なる異種核酸をさらに含む、請求項42に記載の免疫原性組成物。
【請求項44】
前記赤血球凝集素タンパク質が、1つ以上のパンデミックなインフルエンザウイルス株またはパンデミックである可能性があるインフルエンザウイルス株に由来する、請求項42または請求項43に記載の免疫原性組成物。
【請求項45】
前記赤血球凝集素タンパク質が、1つ以上のインターパンデミックなインフルエンザウイルス株に由来する、請求項42または請求項43に記載の免疫原性組成物。
【請求項46】
前記赤血球凝集素タンパク質が、1つ以上のパンデミックなインフルエンザウイルス株またはパンデミックである可能性があるインフルエンザウイルス株と、1つ以上のインターパンデミックなインフルエンザウイルス株との組み合わせに由来する、請求項42または請求項43に記載の免疫原性組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公表番号】特表2008−500399(P2008−500399A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527564(P2007−527564)
【出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【国際出願番号】PCT/US2005/018225
【国際公開番号】WO2006/078294
【国際公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(506361100)ノバルティス ヴァクシンズ アンド ダイアグノスティクス, インコーポレイテッド (44)
【Fターム(参考)】