説明

呼吸障害の検知

呼吸障害を検知する装置および方法が、患者が睡眠中であることを判定すること、および患者が睡眠中に、睡眠時呼吸障害を示す1または複数の信号を感知することを含む。睡眠時呼吸障害に関連した感知信号を用いて、睡眠時呼吸障害が検知される。呼吸障害に関連した感知信号はまた、1または複数の呼吸サイクルの呼吸パターンを取得するためにも用いられうる。呼吸パターンの特徴が判定される。呼吸パターンの特徴に基づいて、呼吸パターンが呼吸障害症状として分類される。呼吸障害の検知に含まれる1または複数の処理が、埋め込み型の装置を用いて行われる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、一般的には睡眠時および非睡眠時の呼吸障害を含む呼吸障害を検知することに関する。
【0002】
睡眠は一般に、患者にとって有益であり元気を回復させるものであり、生活の質に多大な影響を及ぼす。正常な人間の通常の夜間睡眠は、低周波脳波図活動(EEG)を特徴とする徐波睡眠(SWS)として知られた睡眠の段階から始まる。人間が睡眠に入ると、脳の活動が低下し、睡眠の深さが漸進的に増す。ほぼ90分の間隔で、睡眠が軽くなり、レム(REM)睡眠として知られている睡眠の段階が始まる。REM睡眠は、高周波EEG活動、急速眼球運動の突発的発生、骨格筋肉弛緩、および自律神経活動の高まりのような高周波EEG活動を特徴とする。
【0003】
通常は毎晩4〜6のレム周期があり、朝に向かうにつれてその存続期間は長くなり、強度が増大する。夢はREM睡眠またはSWS睡眠の何れかの間に現れるが、夢の性質は睡眠の種類に応じて変化する。REM睡眠での夢は、SWS睡眠での夢よりも鮮明でかつ情緒的に強烈である。さらに、自律神経システムの活動は、REM睡眠が始まると劇的に変化する。
【0004】
呼吸器疾患や心臓疾患のある患者の場合には、睡眠時の脳は、呼吸障害、心筋虚血、あるいは不整脈を引き起こす恐れがある。REM睡眠は正常な睡眠の必要な要素であるが、例えば、自律神経活動の増加と循環器疾患または呼吸器疾患のある患者における夢見を伴う極端な情動反応との両方に重大な結果が関連するおそれがある。
【0005】
睡眠時における呼吸系統の乱れは、睡眠時無呼吸や睡眠時低呼吸の状態を含む。睡眠時無呼吸は、閉塞性睡眠時無呼吸と称せられる気道閉塞、または中枢性睡眠時無呼吸症と称せられる呼吸の中枢神経系コントロールの異常によって起こる重大な呼吸障害である。無呼吸のタイプに関係なく、睡眠時無呼吸の人たちは、睡眠時に、一晩に何百回も、そして多くは1分以上も呼吸を停止することを繰り返す。睡眠時無呼吸とは睡眠の停止のことを言うが、低呼吸は異常に遅いまたは浅い呼吸の期間に関連する。各無呼吸または低呼吸事象では、人は一般に短時間目覚めて正常な呼吸を開始する。従って、睡眠時無呼吸または低呼吸の人たちは、頻繁な目覚めによって分断された睡眠を経験することになろう。
【0006】
生理的恒常性を維持するためには、睡眠の十分な質と量が要求される。非常に分断された睡眠の長時間睡眠喪失または期間が究極的に重大な健康上の結果を有するであろう。睡眠の慢性的不足は、患者の健康と生活の質に影響を及ぼす種々の心臓または呼吸器疾患に関連する可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の種々の実施形態は、睡眠時無呼吸または低呼吸を含む呼吸障害を検知することを含む。本発明の1つの実施形態では、呼吸障害を検知する方法が、患者が睡眠中であることを判定し、そして患者が睡眠中の間に呼吸障害を示す1または複数の信号を感知することを含む。呼吸障害は、1または複数の感知信号を持ちいれ検知される。患者が睡眠中であると判定すること、患者が睡眠中に信号を感知すること、および呼吸障害を検知することのうちの少なくとも1つが、少なくとも部分的に植え込み型で行われる。
【0008】
本発明の他の実施態様では、睡眠時呼吸障害を検知する方法が、1または複数の呼吸サイクルの呼吸パターンを検知することを含む。それらの呼吸パターンの1または複数の特徴が判定される。呼吸パターンは、その呼吸パターンに基づいて呼吸障害として分類される。
【0009】
本発明の他の実施形態は、呼吸障害を示す1または複数の信号を感知するようになされたセンサ・システムを具備した睡眠時呼吸障害を検知する装置を含む。この装置は、患者が睡眠中であることを判定するようになされた睡眠検知器をも含んでいる。この装置はさらに、センサ・システムおよび睡眠検知器に接続された呼吸障害検知器を含んでいる。この呼吸障害検知器は、睡眠検知器の出力と、睡眠時呼吸障害を示す1または複数の信号に基づいて呼吸障害を検知するようになされている。センサ・システム、睡眠検知器、および呼吸障害検知器のうちの少なくとも1つは、植え込み型装置を用いる。
【0010】
本発明の他の実施形態は、1または複数の呼吸サイクルの呼吸パターンを検知するようになされたセンサ・システムを具備した睡眠時呼吸障害検知装置を含んでいる。その装置はさらに、センサ・システムに接続された検知システムを含んでいる。検知器システムは、呼吸パターンの1または複数の特徴を判定しかつその呼吸パターンの1または複数の特徴を用いてその呼吸パターンを呼吸障害として分類するようになされている。センサ・システムと検知器システムのうちの少なくとも1つが、植え込み型の装置を用いる。
【0011】
本発明の他の実施形態は、患者が睡眠中であることを判定する手段と、患者が睡眠中に、呼吸障害を示す1または複数の信号を感知する手段と、1または複数の感知信号に基づいて呼吸障害を検知する手段を具備しており、判定する手段、感知する手段および検知する手段のうちの少なくとも1つが埋め込み型の装置を用いている、呼吸障害を検知するシステムを含む。
【0012】
本発明の他の実施形態では、睡眠時呼吸障害検知システムが、1または複数の呼吸サイクルの呼吸パターンを検知する手段と、呼吸パターンの1または複数の特徴を判定する手段と、呼吸パターンの1または複数の特徴に基づいて呼吸パターンを睡眠時呼吸障害として分類する手段とを含んでおり、検知する手段、判定する手段、および分類する手段のうちの少なくとも1つが、植え込み可能型の装置を用いる。
【0013】
本発明の1つの実施形態による患者の呼吸障害を検知する他の方法は、1または複数の呼吸サイクルの呼吸パターンを検知することを含む。呼吸パターンの特徴が判定され、そして呼吸パターンがその特徴に基づいて呼吸障害として分類される。検知、判定および分類のうちの少なくとも1つが、少なくとも部分的に植え込み可能に行われる。
【0014】
本発明の他の実施形態は、1または複数の呼吸サイクルの呼吸パターンを検知するようになされたセンサ・システムを具備した呼吸障害検知装置を含む。この装置はさらに、センサ・システムに接続された検知器システムを含んでいる。検知器システムは、呼吸パターンの1または複数の特徴を判定しかつ呼吸パターンの1または複数の特徴を用いて呼吸パターンを呼吸障害として分類するようになされている。センサ・システムおよび検知器システテムのうちの少なくとも1つが、植え込み型の構成要素を用いる。
【0015】
本発明の他の実施形態では、呼吸障害検知システムが、1または複数の呼吸サイクルの呼吸パターンを検知する手段と、呼吸パターンの1または複数の特徴を判定する手段と、呼吸パターンの1または複数の特徴に基づいて呼吸パターンを呼吸障害として分類する手段を含んでおり、検知する手段、判定する手段、および分類する手段のうちの少なくとも1つが、植え込み型構成要素を用いている。
【0016】
本発明の上記概要は、本発明の各実施形態または全ての実施例を記述することを意図したものではない。本発明の利点および功績については、本発明についてのさらに完全な理解とともに、添付図面に関連してなされる下記の詳細な説明および請求項を参照することによって明らかとなりかつ理解されるであろう。
【0017】
本発明は種々の修正や代替的形態が可能であるが、それらの詳細は図面に例示として示されており、かつ下記に詳細に説明されるであろう。しかし、本発明を記述された特定の実施形態に限定する意図はないことを理解すべきである。それどころか、本発明は、添付特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲内に入る全ての修正、均等、および代替を包含するものである。
【0018】
例示された実施形態についての下記の説明では、その説明の一部をなす添付図面を参照し、図面には、本発明が実施されうる種々の実施形態が例示的に示されている。他の実施形態も利用することができ、構造的および機能的な変更が本発明の範囲から逸脱することなしになされうることを理解すべきである。
【0019】
生理的恒常性を維持するために、睡眠の十分な持続期間と質が要求される。長時間にわたる睡眠喪失や長期間の質の悪い睡眠は、究極的には重大な健康上の結果となる。睡眠時無呼吸や低呼吸のような呼吸障害は、睡眠中断の大きな原因である。睡眠時無呼吸の人たちは、睡眠時に繰り返し呼吸を停止する。低呼吸は、異常に遅いまたは浅い呼吸を特徴とする関連状態である。
【0020】
睡眠時無呼吸/低呼吸は、閉塞性、中枢性、またはそれら2つのタイプの混合でありうる。閉塞性睡眠時無呼吸は最も一般的なタイプであり、通常は睡眠時に喉の柔らかい組織が崩壊して閉鎖する場合に、気道の閉塞によって起こるのが典型的である。中枢睡眠時時無呼吸/低呼吸では、気道は閉塞されないが、脳がコントロールする呼吸からの信号が中断される。各時無呼吸/低呼吸では、人は呼吸を再開するめに短時間目覚めることがありうる。睡眠時に頻繁に中断されると、極端に分断された質の悪い睡眠となる。治療されない睡眠時無呼吸/低呼吸は、高血圧や他の循環器疾患から記憶障害、頭痛、および社会的活動や仕事に関連した活動の低下にわたって、健康と生活の質に多くの悪影響を及ぼす。
【0021】
呼吸障害を含む睡眠障害を起こす状態を診断するのには、睡眠障害のある人たちが睡眠研究所で一晩以上過ごす必要がある。睡眠研究室設定では、患者は、訓練を受けた要員によってテータ取得のために測定されかつ観察される。睡眠時無呼吸/低呼吸の重症度を診断して判定するために、睡眠ポリグラフ計を使用できる。この処置時には、脳内の電気的活動、眼球運動、筋肉活動、心拍数、呼吸努力、および血液酸素レベルのような種々の生理的機能が、睡眠時に、外部的に検知されて記録される。これらの生理的機能の手評価が技術者によって行われ、睡眠時無呼吸/低呼吸を診断するため、および可能な治療的介入を評価するために用いられる。
【0022】
睡眠研究室設定におけるテストには、患者の典型的な睡眠パターンの正確な実態を取得するのには、多くの障害がある。例えば、研究室で一夜を過ごすことで、患者は、慣れない倍所での最初の数晩の間は、途切れがちな睡眠を含む「ファースト・ナイト・シンドローム」として知られている状態を経験させられる。さらに、測定されかつ観察されながらの睡眠では、患者の通常の睡眠パターンの現実的な見解は得られない。
【0023】
呼吸障害のタイプ、開始、終了、頻度、持続期間、および重症度についての正確な検知は、睡眠障害に罹っている患者に対する適切な治療法を調整するのに有益であろう。睡眠時無呼吸/低呼吸は、例えば、心調律管理療法(CRM)および/または舌下神経刺激を含む電気刺激療法のような多くの方法で治療することができる。睡眠時無呼吸/低呼吸のための呼吸治療法は、持続的気道陽圧法(CPAP)のような技術を含みうる。下顎を再配置する歯科装置から、喉の後部における過剰な組織を除去する方法である口蓋垂咽頭肥大(UPPP)のような外科的技術に及ぶ機械的治療法を用いることもできる。これら各方法、ならびに呼吸障害を治療する他の方法は、睡眠時無呼吸/低呼吸のタイプと重症度の信頼できる検知によって改善することができる。
【0024】
本発明の種々の実施形態は、1または複数の感知信号に基づいて呼吸障害を検知することを含む。本発明の1つの実施形態は、患者が睡眠中であることを判定し、呼吸障害を示す信号を感知し、そして感知信号に基づいて呼吸障害を検知することを含む。睡眠検知の方法が、「調節可能な閾値を用いた睡眠検知」というタイトルで、アトーニ・ドケット番号GUID 064PAで識別され、2002年12月4日にこの出願と同時に出願され、本願明細書に参考として取り入れている、本願出願人所有の米国特許出願に記載されている。
【0025】
本発明のある実施形態によれば、睡眠を判定するステップ、呼吸障害に関連した信号を感知するステップ、および呼吸障害を検知するステップのうちの少なくとも1つが、植え込み型の装置を用いて実行される。例えば、呼吸障害に関連した信号は、植え込み型センサを用いて感知し、そして外部の呼吸障害検知器によって分析することができる。1つの構成では、センサのうちの幾つかまたは全部が、無線ブルートウース通信リンクのような遠隔通信機能を有しうる。その無線通信リンクは、1または複数の内部センサを外部呼吸障害検知器に結合する。感知信号は、無線通信リンクによって、内部センサから外部呼吸障害検知器に伝送される。
【0026】
他の例では、呼吸障害検知器は植え込み型の装置であり、センサの1つまたは全部が外から患者の上にまたは近くに配置される。感知信号は、無線通信リンクによって外部センサから植え込まれた呼吸障害検知器に伝送される。
【0027】
本発明の他の実施形態は、1または複数の呼吸サイクルの呼吸パターンを検知すること、およびその呼吸パターンの特徴を判定することを含む。呼吸パターンは、呼吸パターンの特徴に基づいて、呼吸障害として分類される。呼吸パターンを検知すること、呼吸パターンの特徴を判定すること、および呼吸パターンを分類することのうちの少なくとも1つが、少なくとも部分的に植え込み型で行われる。
【0028】
1つの構成では、呼吸障害検知器は、心臓ペースメーカーまたは除細動機能のような他の機能をも行う装置の構成要素である。センサの1つまたは全部は、例えば、植え込み型装置に無線で接続することができる。呼吸パターンは、吸気、呼気および無呼吸間隔を判定することによって分類できる。呼吸パターンの特徴は、呼吸数、呼吸1回換気量、および呼吸サイクル間隔の持続期間および/または呼吸パターンの持続期間を含む。呼吸パターンの各特徴は、例えば、中央値、移動平均または加重平均として表現できる。
【0029】
呼吸障害状態に関連した指標が設定される。その指標は、呼吸障害が生じていることを示す、呼吸障害に関連した感知信号の値または特徴を表わす。それらの指標は、同様の状況にある患者のグループから、または呼吸障害を検知すべき患者から取得された臨床データを用いて設定できる。さらに、特定の患者に対して設定される無呼吸または低呼吸指標は、循環器疾患、例えば、心臓麻痺および/または慢性閉塞性肺疾患症のような患者の除隊の存在を考慮することができる。
【0030】
1または複数の呼吸障害指標を呼吸障害に関連した感知信号と比較することによって、呼吸障害を検知できる。1つの例では、呼吸障害指標を本発明の原理に従って分類された呼吸パターンの特徴と比較することによって判定される。
【0031】
本発明の他の実施形態は、過剰な持続期間または不十分な容量の1または複数の呼吸に基づいて呼吸障害症状を検知することを含む。この実施形態によれば、呼吸間隔が持続期間閾値を超えれば、無呼吸症状が検知される。一連の呼吸の1回換気量が持続期間閾値を超えた期間のあいだ1回換気量閾値少ない状態にあれば、低呼吸症状が検知される。無呼吸/低呼吸混合症状が生ずることもあり、その場合には、呼吸障害の期間は浅い呼吸および無呼吸間隔を特徴とする。無呼吸/低呼吸混合症状時には、各呼吸の1回換気量は1回換気量閾値よりも少ない状態にあり、1または複数の呼吸間隔が、持続閾値を超えた期間を超える。
【0032】
本発明の1つの実施形態によれば、呼吸障害検知の方法は、技術的に公知の多数のペーシング・モードで動作できるデユアル・チャンバー式ペースメーカー装置として構成された植え込み型の心調律管理(CRM)システムで実施される。本発明のシステムおよび方法は、例えば、睡眠ポリグラフ装置、呼吸モニタ、心臓モニタを含む種々のタイプの埋め込み型または外部型の診断用医療装置で実施することもできる。さらに、本発明の方法は、連続気道陽圧(CPAP)装置または舌下神経刺激器のような多数の植え込み型または外部型の治療用医療装置で実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1は、本発明の種々の実施形態に従って呼吸障害を検知するために使用できる呼吸障害検知装置100のブロック図である。この呼吸障害検知装置100は、睡眠および/または呼吸障害に関連した信号を感知する複数のセンサ101、102、103、104を含んでいる。これらの信号は、処理されて睡眠および/または呼吸障害に関連した信号パラメータを生成しうる。例えば、電気的心臓信号が感知され、そして心拍数およびQT期間を含む心臓信号パラメータがその電気的心臓信号から判定されうる。本発明では、感知信号または生成信号パラメータは一般的に、信号という用語に関連している。
【0034】
睡眠および/または呼吸障害に関連する代表的な組の信号は、身体運動、心拍数、QT間隔、眼球運動、呼吸数、経胸腔インピーダンス、1回換気量、換気量、身体の姿勢、脳波図(EEG)、心電図(ECG)、眼電図(EOG)、筋電図(EMG)、筋緊張、体温、パルス酸素測定、血圧、時刻、および過去の睡眠時間を含む。
【0035】
種々の実施形態によれば、1つの組の睡眠に関連した信号は、睡眠検知のために使用されうるものであり、また別個のあるいは重複した組の呼吸障害に関連した信号は呼吸障害検知のために使用されうるものである。睡眠検知は、睡眠検知センサ101から得られた睡眠検知信号を睡眠閾値または指標と比較して、睡眠の始めと終わりを検知することを含む。睡眠閾値は、睡眠検知信号の特定の値またはその信号の他の特徴でありうる。閾値調節センサ102から得られた第2の睡眠関連信号は、睡眠閾値または指標を調節するために使用されうる。1つの睡眠検知センサと1つの閾値調節センサとが図1に示されているが、睡眠検知センサの個数に対応した任意の数の睡眠閾値を用いてもよい。さらに、任意の個数の閾値調節センサからの信号は、複数の睡眠検知信号に関連した睡眠閾値の値または特徴を調節するために使用できる。1または複数の睡眠確認センサ103から得られた付加的な睡眠関連信号は、睡眠状態の開始および/または終了を確認するために用いることができる。
【0036】
上述した睡眠検知センサの外に、1または複数の睡眠障害センサ104を用いて、例えば睡眠の無呼吸や低呼吸のような呼吸障害の症状を検知することができる。ある場合には、睡眠検知器101、閾値調節器102および/または確認センサ103から得られた信号はまたは、呼吸障害検知のためにも使用できる。他の場合には、1または複数の睡眠障害センサが、睡眠関連信号とは異なる組の信号を感知してもよい。
【0037】
センサ101、102、103、104の出力は、例えば、各センサ出力に対して増幅器、信号処理回路、タイマー、および/またはA/D変換回路を含みうる検知回路121、122、123、124を有したセンサ駆動/検知システム110によって受信される。駆動/検知システム110は、センサ101、102、103、104を動作させるために必要とされるセンサ駆動回路111、112、113、114をさらに含んでいてもよい。
【0038】
1つの実施形態による呼吸障害検知器130が、駆動回路111、112、113、114に制御信号を送信し、そして検知回路121、122、123、124から信号を受信する。呼吸障害検知器130は、睡眠状態の開始および終了を判定するための睡眠検知器134を含んでいてもよい。呼吸障害検知器130はまた、本発明の呼吸障害検知方法を実施するために睡眠検知器134およびメモリ回路132と協働するマイクロプロッセサ・コントローラを含んでいてもよい。メモリ回路132は、呼吸障害検知を実施するためのプログラムコードおよび/またはデータを格納するため、および睡眠閾値、および睡眠時無呼吸または低呼吸のような睡眠検知および呼吸障害検知に関連した閾値または指標を格納するために使用されうる。メモリ回路132はまた、呼吸障害の症状に関する過去のデータを格納するためにも使用することができる。
【0039】
呼吸障害検知の1つの実施例では、睡眠検知器13は、患者が睡眠中であることを判定するために用いられる。睡眠検知器134は、睡眠検知センサ101から得られた第1の睡眠関連信号を、閾値調節センサ102から得られた第2の睡眠関連信号と比較するようになされうる。睡眠の開始または終了は、第1の睡眠関連信号の値と睡眠閾値との比較に基づいて、睡眠検知器134で判定されうる。睡眠検知器134は、複数のセンサから得られた1または複数の睡眠関連信号と関連された1または複数の睡眠閾値を用いてもよい。さらに、睡眠検知器134は、睡眠閾値を調節するために1または複数の睡眠関連信号を用いてもよい。さらに、睡眠検知器134は、付加的な数の睡眠関連信号を用いて、睡眠の開始または終了を確認することができる。
【0040】
種々の実施形態によれば、呼吸障害検知器130は、呼吸障害に関連した信号を感知するための1または複数のセンサを含む。呼吸障害に関連した信号は、心臓の電気的活動のような心臓の活動に関連した信号、および/または経胸腔インピーダンスを含む呼吸に関連した信号を含む。心臓の活動に関連した信号は、心拍数およびQT期間のようなパラメータを得るために使用できる。呼吸に、例えば、経胸腔インピーダンスに関連した信号は、呼吸数、1回換気量、および換気量を含むパラメータを得るために用いることができる。
【0041】
呼吸障害検知の1つの方法は、1または複数の呼吸信号を用いて呼吸パターンを検知することを含む。例えば、経胸腔インピーダンスを感知して、呼吸のパターンを得るために用いてもよい。睡眠時無呼吸および低呼吸のような呼吸障害は、1回換気量、呼吸数、呼吸パターンの持続期間、および呼吸パターン内の1または複数の呼吸期間の持続期間のような特徴を含む呼吸パターンの特徴に基づいて検知することができる。
【0042】
呼吸障害検知器130は、呼吸障害の検知および解析に関連した出力信号を、他の診断装置または治療装置、呼吸障害検知装置の他の構成要素、データ格納装置または表示装置に送るための出力回路133を含んでいてもよい。出力信号は、例えば、1または複数の呼吸障害症状の重症度と持続期間を与えるデータを含む、呼吸障害の症状に関するデータとともに、睡眠時無呼吸および低呼吸が検知されたことを示す睡眠時無呼吸または睡眠時低呼吸検知信号を含む。呼吸障害検知器は、例えば、有線または無線の通信チャンネルによって他の装置を通信することができる。
【0043】
センサ101、102、103、104は、植え込み型センサおよび/または外部センサで構成されうる。1つの実施形態では、センサ101、102、103、104は、配線接続を通じてドライバ/検知器に、したがって検知器30に接続される。他の実施形態では、1つまたは複数のセンサ101、102、103、104と、それらに関連したドライバ/検知器回路110は、無線通信機能、例えば、ブルートウース送信機またはトランシーバを含みかつ無線リンクで検知器130に接続されうる感知装置に組み込まれる。検知器130およびドライバ/検知器回路110は、植え込み型装置または外部装置に組み込むことができる。
【0044】
図2は、本発明の原理による呼吸障害検知において使用可能な植え込み型医療装置の1つの実施例の部分的な図である。図2に示されている植え込み型装置は、心内誘導システム202に電気的および物理的に接続された植え込み型ペースメーカ200を含んだ心調律管理(CRM)システムである。心内誘導システム202は、それの複数の部分を心臓201に挿入して人体に植え込まれる。心内誘導システム202は、心臓201によって発生された電気信号を検知して解析するため、および心臓201の心臓不整脈を処理するために所定の条件で心臓201に電気的エネルギーを与えるために用いられる。
【0045】
図2に示されているCRM200は、右心房および右心室からの信号を感知しかつ右心房および右心室にペーシングパルスを与えることができるデユアル・チャンバー装置である。例えば、心臓鼓動を規制するために、またはより低速の心臓鼓動を維持するために低エネルギー・ペーシングパルスが供給されうる。電気的徐細動/徐細動機能を含む構成では、電気的徐細動または徐細動を必要とする不整脈が検知された場合には、高エネルギー・パルスを心臓に送ることができる。
【0046】
心内誘導システム202は、右心室誘導システム204と右心房システムを含んでいる。右心室誘導システム204は、RVチップ・ペース/感知電極212と、経胸腔インピーダンスを測定するのに適した1または複数のインピーダンス電極213、214、216を含んでいる。1つの構成では、インピーダンス感知および駆動電極216、214、213は、リング電極として構成することができる。
【0047】
図2に示された右心室誘導システム204は、右心室218内に配置されたインピーダンス駆動電極213を含んでいる。右心室誘導システム204はまた、右心房220に配置されうるインピーダンス感知電極214を含んでいる。あるいは、もしくはさらに、インピーダンス感知電極216は、上右心房220内に、または上大静脈222内の右心房の近くに配置してもよい。
【0048】
二電極インピーダンス感知構成も可能であり、その場合には、右心室誘導システムは、インピーダンス駆動電極213と、チップ電極212を含む。この構成では、チップ電極212がインピーダンス感知電極して用いられる。
インピーダンス感知および駆動電極の他の配置および組み合わせも可能である。
【0049】
図2の構成では、心内誘導システム202は心臓201内に位置決めされ、心房誘導システム205の複数の部分が右心房220内に延長しており、そして右心室誘導システム204の複数の部分が右心房220を通じて右心室218内に延長している。Aチップ電極256は、右心房220をペーシングしかつ右心房内での心臓活動を感知するために右心房220内の適切な場所に配置される。RVチップ電極212は、右心室をペーシングしかつ右心室内の心臓活動を感知するために右心室内の適切な場所に配置される。
【0050】
多心腔の種々の感知、ペーシングおよび徐細動機能を許容するために、感知、ペーシングおよび徐細動電極の他の構成が心内誘導システム内に含まれうる。1つの構成では、右心室および右心房誘導が、例えば、双極感知および/ペーシングのための付加的な電極を含んでいてもよい。さらに、右心室および右心房誘導は、電気的徐細動または徐細動のための付加的な電極を含んでいてもよい。
【0051】
他の構成では、心内誘導システムは、呼吸障害検知と単一室心臓ペーシングおよび感知を実施するために右心房または右心室内に電極を配置して、単一の誘導のみを有するものであってもよい。さらに他の実施例では、誘導システムが、遠位電極を左心室または左心房に隣接して配置するために、冠状静脈洞および冠状静脈に進入される静脈誘導を含むことができる。技術的に公知の他の誘導および電極配置および構成も可能であり、本システムの範囲内であると考えられる。
【0052】
図3を参照すると、ペースメーカーとして構成されかつ本発明の呼吸障害検知方法を実施するのに適したCRMシステム300の実施例のブロック図が示されている。図3は、CRM300を複数の機能ブロックに分割して示している。これらの機能ブロックが配置されかつ実施されうる多くの可能な構成が存在することが当業者には理解されるであろう。図3に示された例は、1つの可能な機能的構成である。このCRM300は、睡眠障害および/または呼吸障害に関連した信号を受信しかつ本発明の原理に従って呼吸障害を検知するために、呼吸障害検知回路320を含んでいる。
【0053】
1つの実施形態では、呼吸障害検知回路320が、人体に植え込むのに適したハウジング390内に収納されかつ気密シールされたCRM回路310の一部として組み込まれる。CRM300に対する電力は、そのCRM300内に収納された電気化学電池電源312によって供給される。CRM回路310に対する心内誘導システム導体の物理的および電気的装着を可能にするために、CRMハウイジング390にコネクタ・ブロック(図示せず)が付加的に付着される。
【0054】
CRM回路310は、プログラム可能なマイクロプロセッサ・ベースのシステムとして構成することができ、呼吸障害を検知するとともに心臓にペーシング治療を提供する回路を有している。心臓信号は、検知回路360によって検知して、ペースメーカー制御システム350に送ることができる。ペースメーカー制御器350によって制御されかつパルス発生器340によって発生されたペース・パルスは、心臓の種々の不整脈を治療するために心臓に送られる。
【0055】
メモリ回路316は、呼吸障害検知および/または心臓ペーシングおよび感知を含む種々の装置動作のためのパラメータを格納することができる。メモリ回路316はまた、インピーダンス駆動および/または感知回路330、心臓信号検知システム310、加速度計、および外部のおよび/または埋め込み型のセンサに関連した他の回路336、337のようなCRM回路の構成要素によって受信される生理的または他の信号に関連したデータをも格納する。
【0056】
呼吸障害検知回路320は、心臓信号検知システム360、インピーダンス駆動および/または検知回路330、および加速度計335から得られた信号を受信する。呼吸障害検知回路320は必要に応じて、1または複数の付加的な埋め込み型センサ217に誘導システムを通じて接続された付加的なセンサ・ドライバおよび/または検知器回路336からの呼吸障害に関連した信号を受信する。呼吸障害検知回路320は必要に応じて、無線通信リンクを経由して1または複数の埋め込み型または外部型のセンサ215に接続されたセンサ受信器回路337からの呼吸障害に関連した信号を受信する。呼吸障害の検知は、本発明の原理に従って睡眠検知回路321で行われる睡眠開始および終了の検知を含むことができる。
【0057】
履歴データ記憶器318は、呼吸障害に関連した履歴データを格納する呼吸障害検知回路320に接続することができる。このデータは、外部プログラマー回路380に送られて、必要または所望に応じて、種々の診断または他の目的のために用いられる。
【0058】
テレメトリー回路314は、CRM300が外部プログラマー・ユニット380と通信できるようにするために、CRM回路310に接続されている。1つの実施形態では、テレメトリー回路314とプログラマー・ユニット380は、そのプログラマー・ユニット380とテレメトリー回路314との間で信号とデータを受信および送信するためにワイヤループアンテナと高周波テレメータ・リンクを用いる。このようにして、埋め込み時および埋め込み後に、CRM回路310とプログラマー・ユニット380との間で、プログラミング命令およびデータが転送される。このプログラミング命令は、CRMによって使用される種々のパラメータを医者が設定したり修正したりできるようにする。これらのパラメータは、睡眠閾値、呼吸障害指標およびパラメータ、および無呼吸および低呼吸指標のような、呼吸障害検知時に使用するための閾値または指標を含んでいてもよい。さらに、CRMシステム300は、例えば、持続期間、重症度、症状呼吸信号、および症状の頻度を含む呼吸障害症状に関する格納データをプログラマー・ユニット380にダウンロードすることができる。
【0059】
CRM300のハウジング390内に配置されうる加速度計335を使用して、患者の行動に関連した信号を検知できる。この加速度計は患者の行動に応答し、加速度計信号は行動のレベル、仕事量、および/または姿勢に関係している。加速度計から得られた信号は、呼吸障害検知回路320に結合され、そして例えば、心拍感応ペーシング処方計画を実行するためにペースメーカー回路350で使用することもできる。
【0060】
インピーダンス感知電極214、インピーダンス駆動電極213、およびインピーダンス駆動/検知回路330は、経胸腔インピーダンスを測定するために用いられる。経胸腔インピーダンス測定値は、呼吸に関連した種々のパラメータを計算するために用いることができる。呼吸障害検知回路320の制御の下で、インピーダンス駆動回路332は、インピーダンス駆動回路213とキャン電極309との間の血液中を流れる電流を生成する。キャン電極309に対するインピーダンス感知電極214のける電圧は、経胸腔インピーダンスが変化するにつれて変化する。インピーダンス感知電極214とキャン電極309との間に発生した電圧信号は、インピーダンス駆動/検知回路330内に配置されたインピーダンス感知増幅器334によって検知される。この信号はさらに、インピーダンス駆動/検知回路330内でろ波され、またはデジタル化され、あるいは他の態様で処理されて、呼吸障害検知回路320に送られる。
【0061】
図4に示されているインピーダンス感知電極214に発生された電圧信号は、経胸腔インピーダンスに比例しており、この場合、そのインピーダンスは呼吸の吸気時には増加し、呼吸の呼気時には減少する。インピーダンス測定値のピーク・ツー・ピーク遷移は、1回の呼吸で吸い込まれる空気の量に比例し、図4にこれも示されている1回換気量を表わす。インピーダンス測定値は、毎分当たりに移動する空気の容積に比例した換気量を決定するためにさらに処理されうる。
【0062】
例えば、心拍数、心拍数規則性、およびQT期間を含んだ心臓パラメータは、呼吸障害に関連して使用できる。図3を参照すると、心臓信号は、RVチップおよびRAチップ感知電極212,256を用いて感知される。さらに詳細には、右心室信号が、RVチップ電極212とキャン電極309の間に発生した電圧として検知できる。右心室心臓信号は、検知システム360に配置された右心室V感知増幅器362によって感知されかつ増幅される。右心室V感知増幅器362の出力は、例えば、検知システム360内の信号プロセッサおよびA/Dに結合できる。処理された右心室信号は、ペースメーカー制御器350および呼吸障害検知回路320に送ることができる。
【0063】
右心房心臓信号は、検知システム360に配置された右心房A感知増幅器364によって感知されかつ増幅される。右心房A感知増幅器364の出力は、信号処理回路によって処理され、ペースメーカー制御器350と呼吸障害検知回路320によって受信することができる。
【0064】
ペースメーカー制御器350は、適切な条件のもとで予め設定されたペーシング処方計画に従って、ペーシング刺激パルスをRVチップ電極212とRAチップ電極にそれぞれ送るために、ペーシング制御信号をパルス発生回路340に送る。
【0065】
上述した心臓信号、呼吸信号および活動信号に加えて、呼吸障害の検知に有用な付加的なまたは代替的な信号が、外部センサおよび/または植え込み型センサ215、217を用いて感知され、そして駆動/検知器および/またはセンサ受信器回路336、337を介して呼吸障害検知回路320に結合されうる。この付加的なまたは代替的な信号は、本発明の原理に従って呼吸障害検知を実行しまたは確認するために用いることができる。
【0066】
図5Aは、本発明の1つの実施形態による患者の呼吸障害を検知する方法を示すフローチャートである。この方法によれば、まず患者が睡眠状態にあることを判定すること510によって、呼吸障害を検知できる。睡眠を判定する1つの方法は、第1の睡眠関連信号に関連した睡眠閾値を設定することを含む。例えば、睡眠閾値は、1つのグループの被検者を用いて睡眠閾値を示す臨床データを解析することによって設定できる。代替的にまたは付加的に、睡眠閾値は、睡眠状態を判定されるべき特定の患者から得られた履歴データを用いて設定することができる。
【0067】
睡眠は、第1の睡眠関連信号と設定された閾値との比較に基づいて判定することができる。例えば、第1の睡眠関連信号が睡眠閾値よりも低い場合には、睡眠開始が判定される。第1の睡眠関連信号が睡眠閾値より高くなった場合には、睡眠の終了が判定される。睡眠の開始または終了は、第1の睡眠関連信号と睡眠閾値との性質に依存して信号が睡眠閾値より高くかるか、あるいは低くなるかに基づいて判定できることが分かるであろう。
【0068】
睡眠閾値を調節するためには、1または複数の付加的な睡眠関連信号を用いることができる。例えば、睡眠閾値を調節するために用いられる睡眠関連信号が、例えば、高い活動レベルのような睡眠とは矛盾する状態を示す場合には、睡眠状態が検知される前に第1の睡眠関連信号の低下したレベルを感知することを必要とするように、睡眠閾値を下方向に調節すればよい。
【0069】
代替的にまたは付加的に、睡眠は時刻に基づいて確証できる。ほとんどの患者の睡眠パターンは適度に一貫しているので、時刻に基づいて睡眠を確証することは、ある種の状況では受け入れ可能な技法である。また、患者が経験する睡眠・呼吸障害のレベルの受け入れ可能な測定値は、患者の睡眠期間の一部を用いて判定できる。したがって、患者が眠っている可能性の高い時刻、例えば12時から4時だけを、呼吸障害の症状を検知するために使用する必要があるであろう。
【0070】
呼吸障害に関連した信号は、患者が眠っている間に感知される520。例えば、種々の心臓信号と心拍数やQT期間のような導出パラメータが呼吸障害を表示しうる。また、呼吸信号と呼吸サイクル、換気量、および1回換気量のような信号から導出されたパラメータが呼吸障害を表示しうる。呼吸障害に関連した信号および/または導出パラメータは、本発明の原理に従って睡眠時呼吸障害を検知する530ために使用できる。
【0071】
前述のように、睡眠および/または呼吸障害に関連した信号は、例えば、患者に植え込まれた、あるいは患者に外から装着された、もしくは患者の近くに配置されたセンサを用いて感知できる。これらの信号は、上記に挙げた代表的な組の信号およびパラメータのうちの幾つかまたは全部を含んでいてもよい。
【0072】
図5Bは、本発明の原理による睡眠時無呼吸または低呼吸を検知するための方法のさらに詳細なフローチャートを示している。呼吸障害症状の検知の前に、睡眠閾値540と睡眠障害指標545が設定される。睡眠閾値と呼吸障害指標は、上記に挙げた睡眠および/または呼吸障害を表わす信号または導出パラメータと関連されうる。例えば、睡眠閾値は、患者の心拍数で表わされる患者の活動または患者に中にまたは上に配置された加速度計によって感知される患者の動きに関係づけることができる。呼吸障害指標は、呼吸障害に関連した信号、および例えば心拍数、呼吸数、および/または1回換気量を含む呼吸障害と関連した信号から導出されたパラメータを用いて設定することができる。呼吸障害指標は、睡眠時無呼吸または低呼吸を検知するために使用できる。ある状況では、睡眠の判定と呼吸障害の検知は、同じ信号および/またはパラメータあるいは異なる組の信号および/またはパラメータを用いて実行することができる。
【0073】
睡眠状態を判定するために使用される第1の睡眠関連信号を含む睡眠関連信号と、1または複数の閾値調節睡眠関連信号が感知される550。に設定された睡眠閾値は、1または複数の閾値調節信号を用いて調節できる555。第1の睡眠関連信号が睡眠閾値を超えた状態では560、患者は覚醒状態であると判定され、第1の睡眠関連信号と閾値調節信号がモニタされ続ける550。第1の睡眠関連信号が睡眠閾値より低くなると560、睡眠状態の開始が検知される565。
【0074】
呼吸障害に関連した1または複数の信号が、患者が眠っている間に、感知される575。前述のように、これらの信号は、例えば、心拍数、呼吸数、1回換気量、および換気量のような心臓または呼吸パラメータに対応するであろう。呼吸障害に関連された信号は、睡眠時無呼吸に対応する、前に設定された指標と比較される580。その信号が睡眠時無呼吸に一致している場合には、睡眠時無呼吸状態が検知される585。無呼吸および/または低呼吸指標のうちの1または複数が、検知された無呼吸症状に基づいて調節されうる587、595。
【0075】
呼吸障害を表わす信号が、低呼吸に対応する、前に設定された指標と比較される590。その信号が低呼吸と一致している場合には、低呼吸状態が検知だれる595。検知された低呼吸症状に基づいて、無呼吸および/または低呼吸の1または複数が調節されうる597、587。
【0076】
無呼吸または低呼吸指標のうちの1または複数の検出感度は、例えば、前に検知された呼吸障害症状のタイプ、持続期間、重症度、および/または頻度を含む呼吸障害症状のうちの1または複数の特徴に基づいて適合されうる587、597。例えば、選択された期間内における所定の数の呼吸障害症状を検知すると、付加的な呼吸障害症状が起こりうることを示すことになる。従って、呼吸障害指標のうちの1または複数が、呼吸障害の次の症状をより早く検知するように修正されうる。これらの指標の検出感度はまた、患者の心肺の状態に基づいて適応されうる。
【0077】
図6は、本発明の1つの実施形態による睡眠検知方法を示すフローチャートである。図6に関連して説明される睡眠検知の目的のためには、加速度計と換気量センサを用いた信号が、睡眠判定のあめに使用される睡眠関連信号として使用される。この実施形態によれば、加速度計信号に対して予備睡眠閾値が判定される610。例えば、その予備睡眠閾値は、ある期間にわたって1つのグループの被検者から採った臨床データまたは患者から採取した履歴データから判定されうる。
【0078】
患者の活動レベルは、上述したように植え込み型心臓ペースメーカーに組み込みうる加速度計620を用いてモニタされる。あるいは、この加速度計は、患者に外から装着してもよい。患者の換気量(MV)信号がモニタされる625。MV信号は、例えば、上述のようにして得られる経胸腔インピーダンス測定値を用いて得ることができる。胸腔インピーダンスは、植え込み型センサで感知でき、MV信号は植え込み型心臓装置によって計算される。MV信号を判定する他の方法も可能であり、本発明の範囲ないであると認められる。
【0079】
この実施例では、加速度信号は第1の睡眠関連信号を表わし、睡眠を検知するために睡眠閾値と比較される。MV信号は、睡眠閾値を調節するために用いられる閾値調節信号である。心拍数および/または姿勢のような付加的な睡眠関連信号が、睡眠を確認するためにモニタされうる630。
【0080】
閾値調節は、加速度計信号の睡眠閾値を調節するために患者のMV信号を用いて行われる。患者のMV信号が睡眠に関連した予測MVレベルに対して低ければ、加速度計ベースの睡眠閾値が増大される。同様に、患者のMV信号が睡眠に関連した予測MVレベルに対して高ければ、加速度計ベースの睡眠閾値が減少される。従って、患者のMVレベルが高い場合には、患者が睡眠中であるという判定をするためには、低下した活動レベルが要求される。逆に、患者のMVレベルが比較的低い場合には、睡眠判定のためには、より高いレベルが要求される。睡眠状態を判定するために2つの睡眠関連信号を用いることによって、患者が睡眠中であると判定するために1つの生理的信号だけを用いる従来の方法よりも、睡眠検知の精度が高くなる。
【0081】
生のセンサ信号を処理するためには、種々の信号処理技術を用いることができる。例えば、各信号の複数の標本の移動平均を計算して、信号として用いてもよい。さらに、呼吸障害に関連した信号をろ波しかつ/またはデジタル化してもよい。MV信号が睡眠に関連した予測MVレベルに対して高ければ635、加速度計睡眠閾値は減少される640。MV信号が睡眠に関連した予測MVレベルに対して低ければ635、加速度計睡眠閾値は増大される645。
【0082】
加速度信号が調節された睡眠閾値以下であり650、かつ患者が現在睡眠状態にない場合には665、睡眠状態を確認するために患者の心拍数がチェックされる680。患者の心拍数が睡眠と適合している場合には680、睡眠開始が判定される。患者の心拍数が睡眠と適合していない場合には680、患者の睡眠関連信号がモニタされ続ける。
【0083】
加速度信号が調節された睡眠閾値以下であり650、かつ患者が現在睡眠状態にある場合には665、連続睡眠状態が判定され675かつ呼吸障害に関連した患者の信号が、睡眠終了となるまでモニタされ続ける。睡眠状態の継続を判定するために、例えば、心拍数または体位のような他の信号を必要に応じてモニタしてもよい。
【0084】
加速度計信号が調節された睡眠閾値よりも大きく650かつ患者が現在睡眠状態にない場合には660、睡眠開始が検知される690まで、患者の睡眠関連信号がモニタされ続ける。加速度計信号が調節された睡眠閾値よりも大きく650かつ患者が現在睡眠状態にある場合には660、睡眠終了が検知される670。
【0085】
図7−9のグラフは、MV信号を用いた加速度計ベースの睡眠閾値の調節を示している。睡眠状態に関連した相対的信号レベルを決定するために、患者の活動と加速度計信号およびMV信号との間の関係が所定の期間にわたってトレンド(trended)される。図7Aは加速度計信号に表示される活動を示している。同じ期間の患者の心拍数が図7Bのグラフである。加速度信号は、23:00より少し前に始まって6:00まで継続する比較的低いレベルの活動に関連した睡眠の期間を表示する。心拍数は、睡眠に対応した低い心拍数の同様の期間を表示する加速度計により表示された活動レベルをほぼ追跡する。加速度計トレンデイング(trending)は、睡眠検知のための予備閾値を設定するために用いられる。
【0086】
図8はMV信号に対するベースライン・トレンデイング(baseline trending)のグラフである。患者の換気量の履歴データが8個月の期間にわたってグラフ化されている。MV信号トレンデイング・データが、睡眠に関連したMV信号レベルを判定するために用いられる。この例では、履歴データを用いた複合MV信号が、ほぼ21:00から8:00までの期間に比較的低いMVレベルが生じたほぼ正弦波形状を表示している。この低いMVレベルが睡眠の期間に関連している。
【0087】
図9は、MV信号を用いた加速度計ベースの睡眠閾値910の調節を示している。図9は、加速度計信号に重畳された加速度計ベースの睡眠閾値910を示している。前述のように、患者のMV信号が睡眠に関連した予測MVレベルに対して低ければ、加速度計ベースの睡眠閾値910が増加される920。患者のMV信号レベルが睡眠に関連した予測MVレベルに対して高ければ、加速度計ベースの睡眠閾値が減少される930。従って、患者のMVレベルが高い場合には、患者が睡眠中であるとい判定うぃするためには、加速度計で検知されるより小さい活動が要求される。患者のMVレベルが比較的低ければ、より高い活動レベルが睡眠の検知を生ずることになりうる。
【0088】
上述した睡眠検知機構を改善するために、他の睡眠関連信号を検知して用いることができる。例えば、姿勢センサをペースメーカー・ケース内に組み込んで、患者の姿勢を検知するために使用できる。姿勢センサが垂直姿勢を表示する場合には、加速度計信号およびMV信号を用いた睡眠の判定を無効にするために、姿勢表示器を用いることができる。睡眠検知の確認に関連して他の信号を用いてもよい。
【0089】
本発明の他の実施形態による呼吸障害を検知する方法が図10のフローチャートに示されている。この方法によれば、呼吸パターンを検知するために1010、呼吸に関連した信号が感知され用いられる。呼吸パターンの特徴が判定される1020。呼吸パターンが、呼吸パターンの特徴に基づいて、睡眠時呼吸障害として分類される。呼吸パターンを検知すること、呼吸パターンの特徴を判定すること、および呼吸パターンの特徴に基づいて呼吸障害を検知することのうちの少なくとも1つが、少なくとも一部植え込み可能に行われる。
【0090】
1つの構成では、呼吸パターンの特徴を判定することは、患者の呼吸サイクルの期間を判定することを含む。図11Aおよび11Bは、上記に詳細に述べたように取得された経胸腔インピーダンス測定値を用いて検出された呼吸パターンの複数の部分を示している。
【0091】
図11Aは、本発明の1つの実施形態による睡眠時無呼吸検知のために用いられる呼吸間隔を示している。呼吸サイクルは、患者が息を吸い込んでいるのに対応した吸気期間と、患者が息を吐きだしているのに対応した呼気期間とに分けられ、息を吸い込んでいるのと息を吐き出しているのとの間に無呼吸期間が生ずる。呼吸間隔は、吸気閾値1110と呼気閾値1120を用いて設定される。吸気閾値1110は吸気期間1130の始まりをマークし、経胸腔インピーダンス信号が吸気閾値1110より高くなることによって判定される。吸気期間は、経胸腔インピーダンス信号が最大のとき1140に終了する。最大経胸腔インピーダンス信号は、吸気間隔1130の終わりと呼気間隔1150の始めとの両方に対応する。呼気間隔1150は、経胸腔インピーダンスが呼気閾値以下になるまで継続する。無呼吸間隔1160は呼気期間の終わりから始まって、次の吸気期間1170の始めまで継続する。
【0092】
本発明の原理による睡眠時無呼吸と重症の睡眠時無呼吸の検知が図11Bに示されている。患者の呼吸信号がモニタされ、そして図11Aに関して説明したように、呼吸サイクルが、吸気1130、呼気1150、および無呼吸1160間隔に従って画定される。睡眠時無呼吸の状態は、無呼吸期間1160が、睡眠時無呼吸間隔で示された第1の所定間隔1190を超えるときに検知される。重症の睡眠時無呼吸の状態は、無呼吸期間1160が、重症睡眠時無呼吸間隔で示された第2の所定間隔1195を超えたときに、検知される。例えば、睡眠時無呼吸は、無呼吸間隔が約10を超えたときに検知でき、また重症睡眠時無呼吸は、無呼吸間隔が約20秒を超えたときに検知できる。
【0093】
無呼吸は、異常に浅い呼吸を特徴とする呼吸障害の状態である。図12A−Bは、正常な呼吸サイクルの1回換気量を低呼吸症状の1回換気量を比較する経胸腔インピーダンスから得られた1回換気量のグラフである。図12Aは、正常な呼吸1回換気量と呼吸数を示している。図12Bに示されているように、睡眠低下は、正常な呼吸数での非常に浅い呼吸の期間を含む。
【0094】
本発明の1つの実施形態によれば、低呼吸は、患者の呼吸の1回換気量を低呼吸の1回換気量指標と比較して検知される。各呼吸サイクルに対する1回換気量は、上述した態様で取得された経胸腔インピーダンス測定値から得られる。低呼吸の1回換気量指標は、代表的な1回換気量を与える臨床結果と低呼吸事象の持続期間を用いて設定できる。1つの構成では、低呼吸は、選択された時間間隔にわたって採った患者の呼吸の1回換気量が低呼吸の1回換気量指標より低くなった場合に検知される。さらに、無呼吸間隔が上述のようにして判定された場合には、低呼吸を検知するために低呼吸サイクルと無呼吸間隔との種々の組み合わせを用いることができる。
【0095】
図13は、本発明の原理による無呼吸および/または低呼吸検知の方法を示すフローチャートである。例えば、吸気および呼気閾値、睡眠時無呼吸間隔、重症睡眠時無呼吸間隔、および低呼吸1回換気量指標を含む呼吸障害症状に対して患者の呼吸を解析する前に、種々のパラメータが設定される1301。
【0096】
患者の経胸腔インピーダンスは、詳細に上述したように測定される1305。経胸腔インピーダンスが吸気閾値を超えると1310、吸気期間の開始が検知される1315。経胸腔インピーダンスが吸気閾値より低いままであれば1310、吸気1315が生ずるまで、インピーダンス信号が周期的にチェックされる1305。
【0097】
吸気間隔の間に、経胸腔インピーダンスの最大値が検知される1320まで、患者の経胸腔インピーダンスがモニタされる。最大値の検知が、吸気期間の終わりと呼気期間の始まりを知らせる。
【0098】
呼気間隔は経胸腔インピーダンスを増大することが特徴である。経胸腔インピーダンスが呼気閾値より低くなると1340、無呼吸間隔が検知される1355。
【0099】
経胸腔インピーダンスが、睡眠時無呼吸間隔と表示された第1の所定間隔内で吸気閾値を超えない場合には1360、睡眠時無呼吸の状態が検知される1370。無呼吸期間が重症睡眠時無呼吸間隔と表示された第2の所定間隔1375より長くなると、重症睡眠時無呼吸が検知される1380。
【0100】
経胸腔インピーダンスが吸気閾値を越えると1360、ピーク・ツー・ピーク経胸腔インピーダンスからの1回換気量が、過去の1回換気量の移動平均とともに計算される。このピーク・ツー・ピーク経胸腔インピーダンスが、呼吸サイクルの1回換気量に比例した値を与える。この値が低呼吸1回換気量指標と比較される1390。ピーク・ツー・ピーク経胸腔インピーダンスが低呼吸1回換気量と一致しておれば、低呼吸サイクルが検知される1395。一連の低呼吸サイクルが検知されると、低呼吸症状が検知される。
【0101】
睡眠時無呼吸または低呼吸の検知を確認または立証するために、体動センサおよび/または体位センサのような付加的なセンサを使用できる。この付加的なセンサは、体位および/または体動に関連したアーチファクトに起因した睡眠時無呼吸/低呼吸の誤ったまたは失敗した検知を防止するために使用することができる。
【0102】
本発明の他の実施形態は、呼吸パターン内の1または複数の呼吸サイクルの呼吸間隔および/または1回換気量に基づいて、呼吸パターンを呼吸障害症状として分類することを含む。この実施形態によれば、1つの呼吸パターンに関連した持続期間および1回換気量が、持続期間閾値および1回換気量閾値と比較される。呼吸パターンが、その比較に基づいて、呼吸障害症状として検知される。
【0103】
本発明の原理によれば、各呼吸サイクルに対して呼吸間隔1430が設定される。呼吸間隔は、図14に示されているように、一連の呼吸間の時間間隔を表す。呼吸間隔1430は、種々の方法で、例えば、インピーダンス信号波形の一連の最大値1410、1420間の時間間隔として定義できる。
【0104】
本発明の方法による呼吸障害の検知は、持続期間閾値と1回換気量閾値の設定を含む。呼吸間隔が持続期間閾値を超えると、無呼吸事象が検知される。この実施形態による睡眠時無呼吸が図14のグラフに示されている。無呼吸は無呼吸の期間を表す。持続期間閾値1440を超えた呼吸間隔1430は無呼吸症状を構成する。
【0105】
低呼吸は、持続期間閾値と1回換気量閾値を用いて検知できる。低呼吸事象は浅い呼吸の期間を表す。低呼吸事象における各呼吸サイクルは、1回換気量閾値より小さい1回換気量を特徴とする。さらに、低呼吸事象は、持続期間閾値より大きい浅い呼吸の期間を含む。
【0106】
本発明の1つの実施形態による低呼吸検知が図15に示されている。浅い呼吸は、1または複数の呼吸の1回換気量が1回換気量閾値より低い場合に、検知される。浅い呼吸が持続期間閾値1520より大きい間隔の間継続すると、浅い呼吸サイクルのシーケンスによって表される呼吸パターンが低呼吸事象として分類される。
【0107】
呼吸障害事象は、無呼吸および低呼吸呼吸サイクルの混合で構成されうる。図16A−Eに示されているように、呼吸障害症状として検知される呼吸パターンは、無呼吸・呼吸サイクル1610(図16A)だけ、低呼吸呼吸サイクル1650(図16D)だけ、あるいは低呼吸および無呼吸・呼吸サイクル1620(図16B)、1630(図16C)、1660(図16E)の混合を含んでいてもよい。呼吸障害事象1620は、無呼吸・呼吸サイクルで始まり、1または複数の低呼吸サイクルで終わる。他のパターンでは、呼吸障害事象1630は、低呼吸サイクルで始まり、無呼吸サイクルで終わりうる。他のパターンでは、呼吸障害事象1660は、低呼吸サイクルで始まり、低呼吸サイクル間の無呼吸サイクルで終りうる。
【0108】
図17は、図14−16に関して上述したように1回換気量および持続期間閾値に関連して呼吸間隔を用いて呼吸パターンを分類することによって呼吸障害を検知する方法のフローチャートである。この例では、無呼吸および低呼吸呼吸間隔の両方を決定するために、持続期間閾値と1回換気量閾値が設定される。呼吸間隔が持続期間閾値を超えると、無呼吸症状が検知される。一連の呼吸の1回換気量が持続期間閾値を超えた期間の間の1回換気量より少ないままであれば、低呼吸症状が検知される。無呼吸/低呼吸の混合症状も生じうる。これの場合には、呼吸障害の期間は、浅い呼吸または無呼吸間隔を特徴とする。この無呼吸/低呼吸の混合症状時には、各呼吸の1回換気量は、持続期間閾値を超えた期間の間の1回換気量より少ないままである。
【0109】
患者の呼吸サイクルを決定するために、経胸腔インピーダンスが感知されて使用される。各呼吸1710は、呼吸間隔、すなわち、2つのインピーダンス信号最大値間の時間間隔と1回換気量とで特徴づけられる。
【0110】
呼吸間隔が持続期間閾値を超えると、呼吸パターンが無呼吸事象と一致し、無呼吸事象トリガーがオンされる1720.呼吸間隔の1回換気量が1回換気量閾値を超えると1725、呼吸パターンは、無呼吸間隔によって分離された通常の容積の2つの呼吸サイクルによって特徴づけられる。このパターンは純粋に無呼吸の呼吸障害事象を表し、無呼吸が検知される1730。呼吸間隔の最終呼吸が正常であったら、無呼吸事象トリガーがオフされ1732、呼吸障害症状の終わりを知らせる。しかし、呼吸間隔の1回換気量が1回換気量閾値を超えていなければ1725、呼吸障害期間が継続し、次の呼吸がチェックされる1710。
【0111】
呼吸間隔が持続期間閾値を超えていなければ1715、呼吸の1回換気量がチェックされる1735。1回換気量が1回換気量閾値を超えていなければ1735、呼吸パターンが低呼吸サイクルと一致し、低呼吸事象トリガーがセットオンさせる1740。1回換気量が1回換気量を超えていれば、呼吸は正常である。
【0112】
呼吸障害の期間が進行中であれば、正常呼吸の検知が呼吸障害の終わりを知らせる。呼吸障害が前もって検知され1745、かつ呼吸障害事象持続期間が持続期間閾値を超えた期間だけ延長していて現在の呼吸が正常であれば、呼吸障害トリガーがオフされる1760。この状況では、呼吸障害症状の持続期間は、呼吸障害症状として分類されるのに十分な持続期間であった。無呼吸事象が前もってトリガーされていたならば1765、無呼吸事象が宣告される1770。低呼吸が前もってトリガーされていたならば1765、低呼吸事象が宣告される1770。
【0113】
呼吸障害が前もって検知されたが、呼吸障害の持続期間が持続期間閾値を超えた期間1750だけ延長しなかった場合には、呼吸障害の期間が、呼吸障害症状1755として分類されるのに十分な持続期間ではなかった。
【0114】
上述した呼吸障害の特定の例は、人間が眠っている間に一般に生ずる呼吸障害のタイプを含むが、呼吸障害は人間が目覚めているときにも生じることがある。覚醒中の呼吸障害は、鬱血性心不全によって起こる心肺機能低下と関連することが多い人間が覚醒している時に生じうる呼吸障害のタイプの例は、例えば、周期呼吸およびチェーン・ストークス呼吸を含む。
【0115】
周期呼吸は、無呼吸周期が後に来る規則的な呼吸の一連の周期を含む。周期呼吸は睡眠時により頻繁に起こるが、患者が覚醒しているときにも起こりうる。チェーン・ストークス呼吸は、覚醒中呼吸障害状態の他の例である。チェーン・ストークス呼吸は、呼吸の1回換気量と呼吸周波数との律動的な増加および減少を特徴とする。チェーン・ストークス呼吸は、鬱血性心不全のような心臓の問題や、脳卒中によって起きたような神経障害を有する患者に特に影響する。
【0116】
ここに記載された本発明の方法、装置およびシステムは、無呼吸や低呼吸のような睡眠時呼吸障害を検知するのに特に適している。しかし、本発明の原理は、患者が覚醒しているときに起こる呼吸障害症状の検知を行うためにも適用できる。検知された呼吸パターンの特徴は、チェーン・ストークス呼吸や周期呼吸のような覚醒時呼吸障害症状を検知するために判定し使用することができる。本発明の方法によれば、覚醒時呼吸障害を示す1または複数の呼吸障害指標が設定し、呼吸信号と比較して、覚醒時呼吸障害の症状を検知することができる。
【0117】
上述した好ましい実施形態に対しては、本発明の範囲から逸脱することなしに、種々の修正および追加がなされうる。従って、本発明の範囲は上述した特定の実施形態によって限定されるべきではなく、下記の請求項およびそれの均等物によってのみ定義されるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の実施形態による呼吸障害検知器のブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に従って呼吸障害を検知するために使用できる植え込み型医療装置の1つの実施例の部分図である。
【図3】本発明の実施形態に従って呼吸障害の検知を実行できる植え込み型医療装置のシステムブロック図である。
【図4】本発明の実施形態による呼吸障害検知に関連しれ使用される経胸腔インピーダンスのグラフである。
【図5A】本発明の実施形態による呼吸障害を検知する方法を示すフローチャートである。
【図5B】本発明の実施形態による呼吸障害を検知する方法を示すフローグチャートである。
【図6】本発明の実施形態による呼吸障害の検知に関連して用いられる睡眠検知の方法を示すフローチャートである。
【図7A】本発明の実施形態による呼吸障害検知方法を実施するために使用できる、患者の活動を時間に関して示す加速度計信号のグラフである。
【図7B】本発明の実施形態による呼吸障害検知方法を実施するために使用できる、患者の活動を時間に関して示す心拍数信号のグラフである。
【図8】本発明の実施形態による呼吸障害検知方法を実施するために使用できる、患者の呼吸を示す換気量信号のグラフである。
【図9】本発明の実施形態によるMV信号を用いた加速度計睡眠閾値の調節を示すグラフである。
【図10】本発明の方法による呼吸障害を検知する方法のフローグラフである。
【図11A】本発明の方法による呼吸サイクル間隔を示す部分的な呼吸パターンのグラフである。
【図11B】本発明の方法による呼吸サイクル間隔を示す部分的な呼吸パターンのグラフである。
【図12A】正常な呼吸パターンを示すグラフである。
【図12B】障害のある呼吸パターンを示すグラフである。
【図13】本発明の方法によって呼吸障害を検知する方法のフローチャートである。
【図14】本発明の実施形態による呼吸間隔および持続期間閾値を示す呼吸信号のグラフである。
【図15】本発明の実施形態による持続期間閾値および1回換気量を示す呼吸信号のグラフである。
【図16A】本発明の実施形態のよる呼吸障害症状として分類されうる呼吸パターンを示す図である。
【図16B】本発明の実施形態のよる呼吸障害症状として分類されうる呼吸パターンを示す図である。
【図16C】本発明の実施形態のよる呼吸障害症状として分類されうる呼吸パターンを示す図である。
【図16D】本発明の実施形態のよる呼吸障害症状として分類されうる呼吸パターンを示す図である。
【図16E】本発明の実施形態のよる呼吸障害症状として分類されうる呼吸パターンを示す図である。
【図17】本発明の実施形態による呼吸障害を検知する方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0119】
100 呼吸障害検知装置
130 センサ・ドライバ/検知器システム
200 植え込み型ペースペーカー
300 心調律管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の睡眠時呼吸障害を検知する方法であって、
患者が睡眠中であることを判定すること、
患者が睡眠中に、睡眠時呼吸障害に関連した1または複数の信号を感知すること、および
前記1または複数の感知信号を用いて、睡眠時呼吸障害を検知することを含み、判定することおよび感知することおよび検知することのうちの少なくとも1つが少なくとも部分的に埋め込み型で行われる、睡眠時呼吸障害を検知する方法。
【請求項2】
判定すること、感知することおよび検知することのうちの少なくとも2つが少なくとも部分的に埋め込み式で行われる請求項1の方法。
【請求項3】
判定すること、感知することおよび検知することのそれぞれが少なくとも部分的に埋め込み型で行われる請求項1の方法。
【請求項4】
患者が睡眠中であることを判定することが、
1または複数の睡眠関連信号を感知すること、および
その1または複数の睡眠関連信号を用いて、患者が睡眠中であることを判定することをさらに含む、請求項1の方法。
【請求項5】
患者が睡眠中であることを判定することが、時刻に基づいて、患者が睡眠中であることを判定することよりなる、請求項1の方法。
【請求項6】
患者が睡眠中であることを判定することが、前の睡眠期間からの所定の時間間隔に基づいて、患者が睡眠中であることを判定することよりなる請求項1の方法。
【請求項7】
患者が睡眠中であることを判定することが、患者の活動信号を用いて、患者が睡眠中であることを判定することよりなる請求項1の方法。
【請求項8】
患者が睡眠中であることを判定することが、呼吸信号を用いて、患者が睡眠中であることを判定することよりなる請求項1の方法。
【請求項9】
患者が睡眠中であることを判定することが、患者の体姿勢信号を用いて患者が睡眠中であることを判定することよりなる請求項1の方法。
【請求項10】
患者が睡眠中であることを判定することが、
第1の睡眠関連信号に関連した睡眠閾値を、第2の睡眠関連信号を用いて、調節すること、
第1の睡眠関連信号を調節された閾値と比較すること、および
その比較に基づいて睡眠を検知することをさらに含む、請求項1の方法。
【請求項11】
第1の睡眠関連信号と関連した睡眠閾値を設定することをさらに含む請求項10の方法。
【請求項12】
第1の睡眠関連信号に関連した睡眠閾値を設定することをさらに含む請求項10の方法。
【請求項13】
第2の睡眠関連信号が患者の呼吸に関連している、請求項10の方法。
【請求項14】
睡眠を検知することが、第3の睡眠関連信号を用いて睡眠を確認することをさらに含む、請求項10の方法。
【請求項15】
呼吸障害に関連した1または複数の信号を感知することが、呼吸に関連した信号を感知することを含む請求項1の方法。
【請求項16】
呼吸障害に関連した1または複数の信号を感知することが、経胸腔インピーダンスに関連した信号を感知することを含む、請求項1の方法。
【請求項17】
睡眠時呼吸障害を検知することが、睡眠時無呼吸を検知することを含む、請求項1の方法。
【請求項18】
睡眠時呼吸障害を検知することが、低呼吸を検知することを含む、請求項1の方法。
【請求項19】
爾後回収するために、睡眠時呼吸障害に関する情報を格納することをさらに含む、請求項1の方法。
【請求項20】
睡眠時呼吸障害に関する情報を表示することをさらに含む、請求項1の方法。
【請求項21】
患者の睡眠時呼吸障害を検知する方法であって、
患者が睡眠中であることを判定すること、
患者が睡眠中に、睡眠時呼吸障害に関連した1または複数の信号を感知すること、
睡眠時呼吸障害に関連した1または複数の睡眠時呼吸障害指標を設定すること、
1または複数の指標を1または複数の感知信号と比較すること、および
その比較に基づいて、睡眠時呼吸障害を検知することを含み、判定すること、感知すること、設定すること、比較すること、および検知することのうちの少なくとも1つが少なくとも部分的に植え込み型で行われる、睡眠時呼吸障害を検知する方法。
【請求項22】
1または複数の睡眠時呼吸障害指標を設定することが、患者の状態に基づいて睡眠時呼吸障害指標を修正することを含む、請求項21の方法。
【請求項23】
患者の状態が循環器疾患状態を含む、請求項22の方法。
【請求項24】
睡眠時呼吸障害の1または複数の前に検知された症状に基づいて特定の睡眠時呼吸障害指標の感応度を適合させることをさらに含む、請求項21の方法。
【請求項25】
特定の睡眠時呼吸障害指標の感応度を適合させることが、睡眠時呼吸障害の1または複数の前に検知された症状の頻度に基づいて感応度を適合されることを含む、請求項24の方法。
【請求項26】
睡眠時呼吸障害指標の感応度を適合させることが、睡眠時呼吸障害の1または複数の前に検知された症状の重症度に基づいて感応度を適合させることを含む、請求項24の方法。
【請求項27】
睡眠時呼吸障害指標の感応度を適合させることが、睡眠時呼吸障害の2またはそれより多い前に検知された症状の間の間隔に基づいて感応度を適合させることを含む、請求項24の方法。
【請求項28】
患者の睡眠時呼吸障害を検知する方法であって、
1または複数の呼吸サイクルの呼吸パターンを検知すること、
その呼吸パターンの1または複数の特徴を判定すること、
呼吸パターンの1または複数の特徴に基づいて呼吸パターンを睡眠時呼吸障害として分類することを含み、検知すること、判定すること、および分類することのうちの少なくとも1つが少なくとも部分的に植え込み型で行われる、睡眠時呼吸障害を検知する方法。
【請求項29】
患者が睡眠中であることを判定することをさらに含む、請求項28の方法。
【請求項30】
検知すること、判定すること、および分類することのうちの少なくとも2つが少なくとも部分的に植え込み型で行われる、請求項28の方法。
【請求項31】
検知すること、判定すること、および分類することのそれぞれが少なくとも部分的に植え込み型で行われる、請求項28の方法。
【請求項32】
呼吸パターンを検知することが、経胸腔インピーダンスを測定することを含む、請求項26の方法。
【請求項33】
呼吸パターンを睡眠時呼吸障害として分類することが、
睡眠時呼吸障害指標を設定すること、
呼吸パターンの特徴のうちの1または複数を睡眠時呼吸障害指標と比較すること、
その比較に基づいて睡眠時呼吸障害を検知することを含む、請求項28の方法。
【請求項34】
睡眠時呼吸障害指標を設定することが、患者の状態に基づいて睡眠時呼吸障害指標を修正することを含む、請求項33の方法。
【請求項35】
患者の状態が、循環器疾患状態を含む、請求項34の方法。
【請求項36】
睡眠時呼吸障害の1または複数の前に検知された症状に基づいて、睡眠時呼吸障害指標の感応度を適合させることをさらに含む、請求項33の方法。
【請求項37】
睡眠時呼吸障害の感応度を適合させることが、睡眠時呼吸障害の1または複数の前に検知された症状の頻度に基づいて感応度を適合させることを含む、請求項36の方法。
【請求項38】
睡眠時呼吸障害の感応度を適合させることが、睡眠時呼吸障害の1または複数の前に検知された症状の重症度に基づいて感応度を適合させることを含む、請求項36の方法。
【請求項39】
睡眠時呼吸障害の感応度を適合させることが、睡眠時呼吸障害の2または複数の前に検知された症状の間の間隔に基づいて感応度を適合させることを含む、請求項38の方法。
【請求項40】
呼吸パターンの1または複数の特徴を判定することが、
無呼吸間隔を判定することを含み、かつ
呼吸パターンを睡眠時呼吸障害として分類することが、無呼吸間隔を睡眠時無呼吸間隔と比較することによって呼吸パターンを無呼吸として分類することを含む、請求項28の方法。
【請求項41】
呼吸パターンの1または複数の特徴を判定することが、
無呼吸間隔を判定することを含み、かつ
呼吸パターンを睡眠時呼吸障害として分類することが、無呼吸間隔を所定の重症睡眠時無呼吸間隔と比較することによって呼吸パターンを重症睡眠時無呼吸として分類することを含む、請求項28の方法。
【請求項42】
呼吸パターンの1または複数の特徴を判定することが、各呼吸サイクルの1回換気量および呼吸パターンの持続期間を判定することを含み、かつ
呼吸パターンを睡眠時呼吸障害として分類することが、各呼吸サイクルの1回換気量を1回換気量指標と比較することおよび呼吸パターンの持続期間を所定の持続期間閾値と比較することによって、呼吸パターンを低呼吸として分類することを含む、請求項28の方法。
【請求項43】
呼吸パターンの1または複数の特徴を判定することが、呼吸間隔を判定することを含み、かつ
呼吸パターンを睡眠時呼吸障害として分類することが、呼吸間隔を所定の持続期間閾値と比較することによって呼吸パターンを無呼吸として判定することを含む、請求項28の方法。
【請求項44】
睡眠時呼吸障害に関する情報を格納することをさらに含む、請求項28の方法。
【請求項45】
睡眠時呼吸障害に関する情報を表示することをさらに含む、請求項28の方法。
【請求項46】
患者の呼吸障害を検知する方法であって、
1または複数の呼吸サイクルの呼吸パターンを検知すること、
呼吸パターンの1または複数の特徴を判定すること、
呼吸パターンの1または複数の特徴に基づいて呼吸パターンを呼吸障害として分類することを含み、検知すること、判定すること、および分類することのうちの少なくとも1つが、少なくとも部分的に植え込み型として行われる、呼吸障害を検知する方法。
【請求項47】
呼吸パターンを検知することが、患者が覚醒しているあいだに呼吸パターンを検知することを含む、請求項46の方法。
【請求項48】
呼吸パターンを検知することが経胸腔インピーダンスを測定することを含む、請求項46の方法。
【請求項49】
呼吸パターンを呼吸障害として分類することが、
呼吸障害指標を設定すること、
呼吸パターンの特徴の1または複数を呼吸障害指標と比較すること、および
その比較に基づいて呼吸障害を検知することを含む、請求項46の方法。
【請求項50】
呼吸障害の1または複数の前に検知された症状に基づいて、呼吸障害指標の感応度を適合させることをさらに含む、請求項49の方法。
【請求項51】
呼吸パターンを呼吸障害として分類することが、呼吸パターンを周期的呼吸として分類することを含む、請求項46の方法。
【請求項52】
呼吸パターンを呼吸障害として分類することが、呼吸パターンをチェーン・ストークス呼吸として分類することを含む、請求項46の方法。
【請求項53】
睡眠時呼吸障害の検知装置であって、
睡眠時呼吸障害を示す1または複数の信号を感知するように構成されたセンサ・システムと、
患者が睡眠中であることを判定する睡眠検知器と、
センサ・システムおよび睡眠検知器に結合された睡眠時呼吸障害検知器とを含み、睡眠時呼吸障害検知器は睡眠検知器の出力と睡眠時呼吸障害を示す1または複数の信号に基づいて睡眠時呼吸障害を検知するようになされており、センサ・システム、睡眠検知器および睡眠時呼吸障害検知器のうちの少なくとも1つが植え込み型の構成要素を用いている、睡眠時呼吸障害の検知装置。
【請求項54】
センサ・システム、睡眠検知器および睡眠時呼吸障害検知器のうちの少なくとも2つが植え込み型の構成要素を用いている、請求項53の装置。
【請求項55】
センサ・システム、睡眠検知器および睡眠時呼吸障害検知器のそれぞれが植え込み型の構成要素を用いている、請求項53の装置。
【請求項56】
睡眠検知器が、第1の睡眠関連信号に関連した睡眠閾値を、第2の睡眠関連信号を用いて、調節し、第1の睡眠関連信号を調節された閾値と比較し、そしてその比較に基づいて睡眠を検知するようになされている、請求項53の装置。
【請求項57】
第1の睡眠関連信号は患者の体動に関連している、請求項53の装置。
【請求項58】
睡眠検知器が加速度計を含み、かつ第1の睡眠関連信号が加速度計によって生成された加速度計信号を含む、請求項56の装置。
【請求項59】
第2の睡眠関連信号が患者の呼吸に関連している、請求項56の装置。
【請求項60】
第2の睡眠関連信号が、経胸腔インピーダンス信号を含む、請求項56の装置。
【請求項61】
睡眠検知器が、第3の睡眠関連信号を用いて睡眠を確認するように構成されている、請求項56の装置。
【請求項62】
睡眠時呼吸障害検知器が無呼吸を検知するように構成されている、請求項53の装置。
【請求項63】
睡眠時呼吸障害検知器が低呼吸を検知するように構成されている、請求項53の装置。
【請求項64】
睡眠時呼吸障害検知器が、無呼吸と低呼吸との両方を含む睡眠時呼吸障害の症状を検知するように構成されている、請求項53の装置。
【請求項65】
睡眠時呼吸障害検知器が、睡眠時呼吸障害に関連した1または複数の睡眠時呼吸障害指標を設定し、1または複数の指標を1または複数の感知信号と比較し、そしてその比較に基づいて睡眠時呼吸障害を検知するように構成されている、請求項53の装置。
【請求項66】
睡眠時呼吸障害検知器が、睡眠時呼吸障害の1または複数の前に検知された症状に基づいて睡眠時呼吸障害指標の感応度を適合させるように構成されている、請求項65の装置。
【請求項67】
患者の睡眠時呼吸障害を検知する装置であって、
1または複数の呼吸サイクルの呼吸パターンを検知するように構成されたセンサ・システムと、
センサ・システムに連結され、呼吸パターンの1または複数の特徴を判定しかつ呼吸パターンの1または複数の特徴を用いて呼吸パターンを睡眠時呼吸障害として分類するように構成された検知器システムとを含み、センサ・システムおよび検知器システムのうちの少なくとも1つが植え込み型の構成要素を用いている、睡眠時呼吸障害を検知する装置。
【請求項68】
センサ・システムおよび検知器システムのうちのそれぞれが植え込み型の構成要素を用いている、請求項67の装置。
【請求項69】
センサ・システムが、経胸腔インピーダンスを測定することによって呼吸パターンを検知するように構成されている、請求項67の装置。
【請求項70】
検知器システムが、睡眠時呼吸障害指標を設定し、1または複数の特徴を睡眠時呼吸障害指標と比較し、そしてその比較に基づいて呼吸パターンを睡眠時呼吸障害として分類するように構成されている、請求項67の装置。
【請求項71】
検知器システムが、患者の状態に基づいて睡眠時呼吸障害指標を修正するように構成されている、請求項70の装置。
【請求項72】
検知器システムが、睡眠時呼吸障害の1または複数の前に検知された症状に基づいて睡眠時呼吸障害指標の感応度を適合させるように構成されている、請求項67の装置。
【請求項73】
検知器システムが、無呼吸間隔を判定するように構成されている、請求項67の装置。
【請求項74】
検知器システムが、無呼吸間隔を所定の睡眠時無呼吸間隔と比較しかつその比較に基づいて呼吸パターンを睡眠時無呼吸として分類するように構成されている、請求項73の装置。
【請求項75】
検知器システムが、無呼吸間隔を所定の重症睡眠時無呼吸間隔と比較し、かつその比較に基づいて呼吸パターンを重症睡眠時無呼吸として分類するように構成されている、請求項73の装置。
【請求項76】
検知器システムが、各呼吸サイクルの1回換気量および呼吸パターンの持続期間を判定するように構成されている、請求項67の装置。
【請求項77】
検知器システムが、各呼吸サイクルの1回換気量を1回換気量閾値と比較し、呼吸パターンの持続期間を所定の持続期間閾値と比較し、そしてその比較に基づいて、呼吸パターンを低呼吸として分類するように構成されている、請求項76の装置。
【請求項78】
検知器システムが、呼吸パターンの呼吸数を判定するように構成されている、請求項67の装置。
【請求項79】
検知器システムが、呼吸パターンの呼吸数を所定の呼吸数指標と比較し、その比較に基づいて呼吸パターンを睡眠時呼吸障害として判定するように構成されている、請求項78の装置。
【請求項80】
検知器システムが、各呼吸サイクルの呼吸間隔を判定するように構成されている、請求項67の装置。
【請求項81】
検知器システムが、各呼吸サイクルの呼吸間隔を所定の持続期間閾値と比較し、その比較に基づいて呼吸パターンを無呼吸として分類するように構成されている、請求項80の装置。
【請求項82】
患者の呼吸障害を検知する装置であって、
1または複数の呼吸サイクルの呼吸パターンを検知するように構成されたセンサ・システムと、
センサ・システムに結合され、呼吸パターンの1または複数の特徴を判定しかつ呼吸パターンの1または複数の特徴を用いて呼吸パターンを呼吸障害として分類するように構成されており、センサ・システムおよび検知器システムのうちの少なくとも1つが植え込み型の構成要素を用いている、呼吸障害を検知する装置。
【請求項83】
センサ・システムが、経胸腔インピーダンスを測定することによって呼吸パターンを検知するように構成されている、請求項82の装置。
【請求項84】
検知器が、呼吸障害指標を設定し、1または複数の特徴を睡眠時呼吸障害指標と比較し、その比較に基づいて呼吸パターンを呼吸障害として分類するように構成されている、請求項82の装置。
【請求項85】
検知器システムが、患者の状態に基づいて呼吸障害指標を修正するように構成されている、請求項84の装置。
【請求項86】
検知器システムが、呼吸障害の1または複数の前に検知された症状に基づいて呼吸障害指標の感応度を適合させるように構成されている、請求項84の装置。
【請求項87】
睡眠時呼吸障害を検知するシステムであって、
患者が睡眠中であることを判定する手段と、
患者が睡眠時に、睡眠時呼吸障害を示す1または複数の信号を感知する手段と、
呼吸障害に関連した1または複数の感知信号に基づいて睡眠時呼吸障害を検知する手段とを含んでおり、判定する手段、感知する手段および検知する手段のうちの少なくとも1つが埋め込み型の構成要素を用いている、睡眠時呼吸障害を検知するシステム。
【請求項88】
睡眠障害の検知システムであって、
1または複数の呼吸サイクルの呼吸パターンを検知する手段と、
呼吸パターンの1または複数の特徴を判定する手段と、
呼吸パターンの1または複数の特徴に基づいて呼吸パターンを呼吸障害として分類する手段とを含んでおり、検知する手段、判定する手段および分類する手段のうちの少なくとも1つが、植え込み型の構成要素を用いている、睡眠障害の検知システム。
【請求項89】
呼吸パターンを検知する手段が、患者が覚醒しているあいだに呼吸パターンを検知する手段を含む、請求項88のシステム。
【請求項90】
呼吸パターンを検知する手段が、患者が睡眠中に呼吸パターンを検知する手段を含む、請求項88のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図16E】
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【図17】
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【公表番号】特表2006−508742(P2006−508742A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−557545(P2004−557545)
【出願日】平成15年12月4日(2003.12.4)
【国際出願番号】PCT/US2003/038438
【国際公開番号】WO2004/049930
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(592245720)カーディアック ペースメーカーズ,インコーポレイテッド (26)
【Fターム(参考)】