説明

品物監視用システムおよび品物監視用システムの使用方法

品物監視用システムおよび品物監視用システムの使用方法。特に、本発明は、センサであって、このセンサに対応する第1の大きさの空間内の複数の品物を検知し、かつ、金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を検知するセンサと、通信ネットワークと、センサから通信ネットワーク経由で情報を受信するコンピュータと、を含む品物監視用システムに関する。また、本発明は特に、品物を監視して、センサに対応する第1の大きさの空間内の品物の数を決定するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、品物監視用システムと、品物監視用システムの使用方法とに関する。特に、本発明は、センサであって、このセンサに対応する第1の大きさの空間内の複数の品物を検知し、かつ、金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を検知するセンサと、通信ネットワークと、センサから通信ネットワーク経由で情報を受信するコンピュータと、を含む品物監視用システムに関する。また、本発明は特に、品物を監視して、センサに対応する第1の大きさの空間内の品物の数を決定するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第5,671,362号、同第5,654,508号、同第6,085,589号、同第6,107,928号、同第6,456,067号、フランス特許出願公開第2575053号、特開平10−243847号および特開2000−48262号に開示されているものなど、棚の上や供給エリア内にある在庫品または品物を監視するための、さまざまなシステムおよび方法が周知である。また、米国特許第4,293,852号、同第6,608,489号および同第6,085,589号に開示されているものなど、これに関連した多種多様な検知用装置または検出装置が周知である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一態様は品物監視用システムを提供するものである。この品物監視用システムは、センサであって、当該センサに対応する第1の大きさの空間内の複数の品物を検知し、かつ金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を検知できるセンサと、通信ネットワークと、センサから通信ネットワーク経由で情報を受信するコンピュータと、を備える。
【0004】
上記の品物監視用システムの好ましい一実施形態では、センサが第1の大きさの空間内の複数の品物を検知して、関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信する。この実施形態のもうひとつの態様では、コンピュータが第1の大きさの空間内の品物の数量を決定する。この実施形態のもうひとつの態様では、センサが第1の事例で第1の大きさの空間内の複数の品物を検知し、このセンサが第2の事例で第1の大きさの空間内の複数の品物を検知し、コンピュータが第1の事例からの情報と第2の事例からの情報とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する。この実施形態のさらにもうひとつの態様では、センサが第1の大きさの空間内の品物の数量を決定する。この実施形態のもうひとつの態様では、センサが第1の事例で第1の大きさの空間内の複数の品物を検知し、このセンサが第2の事例で第1の大きさの空間内の複数の品物を検知し、このセンサが第1の事例からの情報と第2の事例からの情報とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する。
【0005】
上記の品物監視用システムのもうひとつの好ましい実施形態では、品物監視用システムが棚をさらに含み、この棚にセンサが取り付けられている。上記の品物監視用システムのもうひとつの好ましい実施形態では、第1の大きさの空間がセンサの上にくるようにセンサが配置されている。上記の品物監視用システムのもうひとつの好ましい実施形態では、第1の大きさの空間がセンサの下にくるようにセンサが配置されている。上記の品物監視用システムのもうひとつの好ましい実施形態では、第1の大きさの空間がセンサの脇にくるようにセンサが配置されている。上記の品物監視用システムのもうひとつの好ましい実施形態では、センサの応答が、第1の大きさの空間内の品物の重量とは無関係である。
【0006】
上記の品物監視用システムのもうひとつの好ましい実施形態では、品物監視用システムのコンピュータが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量以上であるか第1の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る。上記の品物監視用システムのもうひとつの好ましい実施形態では、品物監視用システムが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量以上であるか、第1の数量未満であり、かつ第2の数量以上であるか、第2の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る。上記の品物監視用システムのもうひとつの好ましい実施形態では、コンピュータが通信ネットワーク経由でセンサに情報を送信する。上記の品物監視用システムのもうひとつの好ましい実施形態では、センサが平面キャパシティブセンサを含む。この実施形態のさらにもうひとつの態様では、平面キャパシティブセンサが第1の大きさの空間内での電界状態の変化に応答して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、品物監視用システムが第1の大きさの空間内の品物の数量を決定する。この実施形態のさらにもうひとつの態様では、品物が第1の大きさの空間から取り出されると、第1の大きさの空間内の電界状態が変化して、平面キャパシティブセンサに周波数の変化が生じる。
【0007】
この実施形態のさらにもうひとつの態様では、センサが第1の事例で周波数を測定して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、このセンサが第2の事例で周波数を測定して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、品物監視用システムが第1の事例からの周波数と第2の事例からの周波数とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する。この実施形態のさらにもうひとつの態様では、品物が第1の大きさの空間から取り出されると、第1の大きさの空間内の電界状態が変化して、平面キャパシティブセンサに位相の変化が生じる。この実施形態のさらにもうひとつの態様では、センサが第1の事例で位相を測定して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、このセンサが第2の事例で位相を測定して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、品物監視用システムが第1の事例からの位相と第2の事例からの位相とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する。この実施形態のさらにもうひとつの態様では、キャパシティブセンサが、非金属の支持体に取り付けられた電極を含む。この実施形態のさらにもうひとつの態様では、電極がパターン形成された銅の層を有する。
【0008】
上記の品物監視用システムのもうひとつの好ましい実施形態では、センサが導波管を有する。この実施形態のもうひとつの態様では、センサが、導波管経由で信号を送信し、信号の反射を監視し、関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、品物監視用システムが、第1の大きさの空間内の品物の数量を決定する。この実施形態のさらにもうひとつの態様では、センサが第1の事例で第1の信号を導波管経由で送信して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、このセンサが第2の事例で第2の信号を導波管経由で送信して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、品物監視用システムが第1の事例からの情報と第2の事例からの情報とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する。
【0009】
上記の品物監視用システムのもうひとつの好ましい実施形態では、センサが感光センサを含む。この実施形態のもうひとつの態様では、感光センサが、第1の大きさの空間内での光量の変化に応答して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、品物監視用システムが、第1の大きさの空間内の品物の数量を決定する。この実施形態のもうひとつの態様では、品物が第1の大きさの空間から取り出されると、第1の大きさの空間の光量が増し、感光センサで電流、電圧または抵抗の変化が生じる。この実施形態のもうひとつの態様では、感光センサが、第1の事例で第1の大きさの空間内での光量に応答して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、この感光センサが、第2の事例で第1の大きさの空間内での光量に応答して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、品物監視用システムが第1の事例からの情報と第2の事例からの情報とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する。この実施形態のさらにもうひとつの態様では、感光センサが光起電力センサである。
【0010】
上記の品物監視用システムのもうひとつの好ましい実施形態では、通信ネットワークの一部が無線である。上記の品物監視用システムのもうひとつの好ましい実施形態では、第1の大きさの空間内の複数の品物がいずれも同じ最小在庫管理単位である。上記の品物監視用システムのもうひとつの好ましい実施形態では、第1の大きさの空間内の複数の品物が、複数の異なる最小在庫管理単位である。上記の品物監視用システムのもうひとつの好ましい実施形態では、システムが第2のセンサを含み、この第2のセンサが、当該第2のセンサに対応する第2の大きさの空間内の複数の品物を検知する。上記の品物監視用システムのもうひとつの好ましい実施形態では、センサが第1の大きさの空間内の品物の数量に関連した可変出力を生成する。この実施形態のさらにもうひとつの態様では、可変出力には、周波数、位相、電流、電圧、抵抗、時間、振幅またはこれらの組み合わせを含み得る。
【0011】
本発明のもうひとつの態様は別の品物監視用システムを提供するものである。この別の品物監視用システムは、棚と、棚に取り付けられた平面キャパシティブセンサであって、当該キャパシティブセンサでの周波数を変化させることで平面キャパシティブセンサの上の第1の大きさの空間での電界状態の変化に応答し、かつ、非金属の支持体に取り付けられた電極(パターン形成された銅の層を有する)を含み、金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を検知できるキャパシティブセンサと、その一部が無線である通信ネットワークと、平面キャパシティブセンサから通信ネットワーク経由で情報を受信するコンピュータと、を備え、平面キャパシティブセンサが第1の事例で周波数を測定して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、平面キャパシティブセンサが第2の事例で周波数を測定して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、コンピュータが第1の事例からの周波数と第2の事例からの周波数とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定し、コンピュータが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量以上であるか第1の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る。
【0012】
本発明のもうひとつの態様は別の品物監視用システムを提供するものである。この別の品物監視用システムは、棚と、棚に取り付けられた平面キャパシティブセンサであって、当該キャパシティブセンサでの位相を変化させることで平面キャパシティブセンサの上の第1の大きさの空間での電界状態の変化に応答し、かつ、非金属の支持体に取り付けられた電極(パターン形成された銅の層を有する)を含み、金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を検知できるキャパシティブセンサと、その一部が無線である通信ネットワークと、平面キャパシティブセンサから通信ネットワーク経由で情報を受信するコンピュータと、を備え、平面キャパシティブセンサが第1の事例で位相を測定して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、平面キャパシティブセンサが第2の事例で位相を測定して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、コンピュータが第1の事例からの位相と第2の事例からの位相とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定し、コンピュータが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量以上であるか第1の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る。
【0013】
本発明のさらにもうひとつの態様は別の品物監視用システムを提供するものである。この別の品物監視用システムは、棚と、棚に取り付けられたセンサであって、導波管を有し、かつ、金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を検知できるセンサと、その一部が無線である通信ネットワークと、センサから通信ネットワーク経由で情報を受信するコンピュータと、を備え、センサが第1の事例で導波管経由で第1の電磁波信号を送信し、第1の電磁波信号の反射を監視して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、センサが、第2の事例で第2の電磁波信号を導波管経由で送信し、第2の電磁波信号の反射を監視して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、コンピュータが第1の事例からの情報と第2の事例からの情報とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定し、コンピュータが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量以上であるか第1の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る。
【0014】
本発明のもうひとつの態様は別の品物監視用システムを提供するものである。この別の品物監視用システムは、棚と、光起電力棚に取り付けられたセンサであって、当該光起電力センサの上にある第1の大きさの空間内での光量の変化に応答し、かつ、金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を検知できる光起電力センサと、その一部が無線である通信ネットワークと、光起電力センサから通信ネットワーク経由で情報を受信するコンピュータと、を備え、光起電力センサが、第1の事例で第1の大きさの空間内での光量に応答して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、光起電力センサが、第2の事例で第1の大きさの空間内での光量に応答して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、コンピュータが第1の事例からの情報と第2の事例からの情報とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定し、コンピュータが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量以上であるか第1の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る。
【0015】
本発明のもうひとつの態様は、品物監視方法を提供するものである。この品物監視方法は、センサに対応する第1の大きさの空間内の複数の品物を検知し、かつ、金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を検知できるセンサを提供するステップと、複数の品物を第1の大きさの空間に置くステップと、第1の事例で第1の大きさの空間内の複数の品物をセンサで検知するステップと、第1の大きさの空間内の品物の数量を決定するステップと、を含む。
【0016】
上記の方法の好ましい一実施形態では、この方法は、センサが取り付けられた表面と、通信ネットワークと、センサから通信ネットワーク経由で情報を受信するコンピュータとを提供するステップと、検知ステップの後に、検知ステップに関する情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信するステップと、第1の大きさの空間内の品物の数量をコンピュータで決定するステップと、をさらに含む。上記の方法のもうひとつの好ましい実施形態では、この方法は、第2の事例で第1の大きさの空間内の複数の品物を検知して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信するステップをさらに含み、決定するステップが、第1の事例からの情報と第2の事例からの情報とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定することを含む。この実施形態のもうひとつの態様では、第1の事例の間の検知ステップの間、第1の大きさの空間が品物で満たされており、第2の事例の間の検知ステップの前に、品物のうちのひとつが第1の大きさの空間から取り出され、この方法は、第1の事例の間の検知ステップと第2の事例の間の検知ステップとで得られた情報に基づいてセンサを較正するステップをさらに含む。この実施形態のもうひとつの態様では、第1の事例の間、第1の大きさの空間が品物で満たされており、第2の事例の間の検知ステップの前に、すべての品物が第1の大きさの空間から取り出され、この方法は、第1の事例の間の検知ステップで得られた情報と第2の事例の間の検知ステップで得られた情報を補間し、第1の大きさの空間内での品物のさまざまな充足状態を決定してセンサを較正するステップをさらに含む。
【0017】
上記の方法のもうひとつの好ましい実施形態では、センサが第1の大きさの空間内の品物の重量とは無関係である。この実施形態のもうひとつの態様では、決定するステップの後で、コンピュータが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量よりも多いが第1の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る。この実施形態のもうひとつの態様では、決定するステップの後で、コンピュータが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量よりも多いか、第1の数量未満であって第2の数量より多いか、第2の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る。
【0018】
上記の方法のもうひとつの好ましい実施形態では、センサが平面キャパシティブセンサである。この実施形態のもうひとつの態様では、検知ステップが、第1の大きさの空間内での電界状態の変化に応答し、平面キャパシティブセンサでの周波数を変化させることを含む。この実施形態のもうひとつの態様では、上記の方法が、第2の事例で第1の大きさの空間内の複数の品物を検知するステップをさらに含み、決定するステップが、第1の事例で得られた周波数の測定値と第2の事例で得られた周波数の測定値とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定することを含む。この実施形態のもうひとつの態様では、検知ステップが、第1の大きさの空間内での電界状態の変化に応答し、平面キャパシティブセンサでの位相を変化させることを含む。この実施形態のもうひとつの態様では、上記の方法が、第2の事例で第1の大きさの空間内の複数の品物を検知するステップをさらに含み、決定するステップが、第1の事例で得られた位相の測定値と第2の事例で得られた位相の測定値とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定することを含む。
【0019】
上記の方法のさらにもうひとつの好ましい実施形態では、センサが導波管を有する。この実施形態のもうひとつの態様では、検知ステップが第1の信号を導波管経由で送信することを含む。この実施形態のもうひとつの態様では、上記の方法が、第2の信号を導波管経由で送信することで第2の事例で第1の大きさの空間内の複数の品物を検知するステップをさらに含み、決定するステップが、第1の事例で得られた信号の測定値と第2の事例で得られた信号の測定値とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定することを含む。
【0020】
上記の方法のもうひとつの好ましい実施形態では、センサが感光センサを含む。この実施形態のもうひとつの態様では、検知ステップが第1の大きさの空間内での光量の変化に応答する感光センサを含む。この実施形態のもうひとつの態様では、置くステップの後に、第1の大きさの空間から複数の時間のうちの1個を取り出し、検知ステップが、感光センサでの電流、電圧または抵抗を変化させることを含む。この実施形態のもうひとつの態様では、上記の方法が、第2の事例で第1の大きさの空間内での光量に応答する感光センサによって、第2の事例で第1の大きさの空間内の複数の品物を検知するステップをさらに含み、決定するステップが、第1の事例で得られた光の測定値と第2の事例で得られた光の測定値とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定することを含む。この実施形態のもうひとつの態様では、センサが光起電力センサである。
【0021】
上記の方法のさらにもうひとつの好ましい実施形態では、第1の大きさの空間内の複数の品物がいずれも同じ最小在庫管理単位である。上記の方法のさらにもうひとつの好ましい実施形態では、第1の大きさの空間内の複数の品物が複数の異なる最小在庫管理単位である。
【0022】
本発明のもうひとつの態様は、品物を監視するためのキャパシティブセンサを提供するものである。この品物を監視するためのキャパシティブセンサは、平面キャパシティブセンサであって、当該平面キャパシティブセンサに対応する第1の大きさの空間内の複数の品物を検知する平面キャパシティブセンサを含み、キャパシティブセンサが、キャパシティブセンサでの周波数を変化させることで平面キャパシティブセンサに対応する(associated)第1の大きさの空間内での電界状態の変化に応答して第1の大きさの空間内の品物の数量を決定し、平面キャパシティブセンサが金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を検知できる。
【0023】
上記のキャパシティブセンサの好ましい一実施形態では、平面キャパシティブセンサが第1の事例で周波数を測定し、平面キャパシティブセンサが第2の事例で周波数を測定し、平面キャパシティブセンサが第1の事例からの周波数と第2の事例からの周波数とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する。上記のキャパシティブセンサのもうひとつの好ましい実施形態では、平面キャパシティブセンサがコンピュータに接続され、平面キャパシティブセンサが第1の事例で周波数を測定して関連情報をコンピュータに送信し、平面キャパシティブセンサが第2の事例で周波数を測定して関連情報をコンピュータに送信し、コンピュータが第1の事例からの周波数と第2の事例からの周波数とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する。この実施形態の一態様では、コンピュータが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量以上であるか第1の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る。この実施形態のもうひとつの態様では、キャパシティブセンサが非金属の支持体に取り付けられた電極を含み、電極がパターン形成された銅の層を有する。
【0024】
本発明のもうひとつの態様は、品物を監視するためのキャパシティブセンサを提供するものである。この品物を監視するためのキャパシティブセンサは、平面キャパシティブセンサに対応する第1の大きさの空間内の複数の品物を検知する平面キャパシティブセンサを含み、キャパシティブセンサが、キャパシティブセンサでの位相を変化させることで第1の大きさの空間内での電界状態の変化に応答して第1の大きさの空間内の品物の数量を決定し、平面キャパシティブセンサが金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を検知できる。上記のキャパシティブセンサの好ましい一実施形態では、平面キャパシティブセンサが第1の事例で位相を測定し、平面キャパシティブセンサが第2の事例で位相を測定し、平面キャパシティブセンサが第1の事例からの位相と第2の事例からの位相とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する。この実施形態の一態様では、平面キャパシティブセンサがコンピュータに接続され、平面キャパシティブセンサが第1の事例で位相を測定して関連情報をコンピュータに送信し、平面キャパシティブセンサが第2の事例で位相を測定して関連情報をコンピュータに送信し、コンピュータが第1の事例からの位相と第2の事例からの位相とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する。この実施形態のもうひとつの態様では、コンピュータが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量以上であるか第1の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る。上記のキャパシティブセンサのもうひとつの好ましい実施形態では、キャパシティブセンサが非金属の支持体に取り付けられた電極を含み、電極がパターン形成された銅の層を有する。
【0025】
本発明のもうひとつの態様は品物監視用の導波管センサを提供するものである。この品物監視用の導波管センサは、該導波管センサに対応する第1の大きさの空間内の複数の品物を検知する導波管を含む導波管センサを含み、導波管センサが、導波管経由で信号を送信し、この信号の反射を監視して第1の大きさの空間内の品物の数量を決定し、センサが金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を検知できる。上記の導波管センサのもうひとつの好ましい実施形態では、導波管センサが第1の事例で第1の信号を導波管経由で送信して第1の信号の反射を監視し、導波管センサが第2の事例で第2の信号を導波管経由で送信して第2の信号の反射を監視し、導波管センサが第1の事例で得られる第1の信号の反射と第2の事例で得られる第2の信号の反射とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する。この実施形態の一態様では、導波管センサがコンピュータに接続され、導波管センサが第1の事例で第1の信号を導波管経由で送信して第1の電磁波信号の反射を監視し、かつ、関連情報をコンピュータに送信し、導波管センサが第2の事例で第2の信号を導波管経由で送信して第2の信号の反射を監視し、かつ、関連情報をコンピュータに送信し、コンピュータが第1の事例からの情報と第2の事例からの情報とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する。この実施形態の一態様では、コンピュータが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量以上であるか第1の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る。
【0026】
本発明のもうひとつの態様は、品物監視用の感光センサを提供するものである。この品物監視用の感光センサは、感光センサに対応する第1の大きさの空間内の複数の品物を検知する感光センサを含み、感光センサが第1の大きさの空間内での光量の変化に応答し、感光センサが金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を検知できる。この実施形態の一態様では、感光センサが第1の事例で第1の大きさの空間内での光量に応答し、感光センサが第2の事例で第1の大きさの空間内での光量に応答し、感光センサが第1の事例からの情報と第2の事例からの情報とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する。この実施形態のもうひとつの態様では、感光センサがコンピュータに接続され、感光センサが第1の事例で第1の大きさの空間内での光量に応答して関連情報をコンピュータに送信し、感光センサが第2の事例で第1の大きさの空間内での光量に応答して関連情報をコンピュータに送信し、コンピュータが第1の事例からの情報と第2の事例からの情報とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する。この実施形態のさらにもうひとつの態様では、コンピュータが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量以上であるか第1の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る。
【0027】
複数枚の図をとおして同様の構造には同様の参照符号を付してある添付の図面を参照し、本発明についてさらに説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
店舗の棚での在庫切れの品物は、小売店および卸問屋にとっての大きな問題である。顧客が棚の上や陳列エリアで特定の製品を探しており、その特定の製品が在庫切れだと、小売業者または卸売業者はその製品を顧客に販売する機会を失い、最終的に売り上げの損失につながる。事実、顧客がすぐに製品を必要としていたとすると、彼/彼女がその店を出て該当する製品を購入するために競合店に足を運び、これが最終的に、その製品の在庫がなかった店にとっての顧客を失うことになる可能性がある。いくつかの産業研究によれば、小売店で在庫切れが頻繁に発生する品物には、ヘアケア製品、洗濯洗剤などの洗濯用製品、使い捨ての日用品、特に使い捨ておむつ、女性用の衛生製品、塩味のスナック菓子がある。
【0029】
一般の小売店または卸問屋には、どの製品を補充または再発注する必要があるかを見極めるために棚や製品の陳列エリアを見て回る従業員がいることがある。あるいは、このような店舗では、1週間のうちの特定の時間帯を店舗のエリアに製品を補充する時間としていることもある。しかしながら、大きな小売店舗になると、数百、数千、あるいは実に数万種類の品物があるため、在庫品を手作業で決定する方法を用いるとリアルタイムの情報を提供するには時間がかかりすぎるのが普通である。また、手作業での方法は非常に手間がかかり、間違いが発生しやすいことが多い。
【0030】
品物が棚にあるかどうかの決定を助ける従来技術の装置の一例に、ロードセルを含む一組の特別な取付金具に取り付けられた棚がある。このような特別な取付金具は、棚の上に置かれた品物すべてをまとめた総重量を検出する上での助けにはなるが、棚の上にあるそれぞれのタイプの品物について有用な情報を提供できるとは限らない。たとえば、棚の収容力が特定の大きさの容器40個で、この棚に小売業者が4種類のタイプの洗濯洗剤製品各々10個ずつの単位など、4種類のタイプの品物をほぼ同じ大きさの容器に入れてストックしているとすると、この装置を使って小売業者は洗濯洗剤製品全体としての在庫品情報を決定することができるだけである。言葉を変えると、「総重量の50%」が2つのタイプの洗剤が完全になくなっていて補充が必要だという意味なのか、それぞれのタイプの洗剤の容器がまだ棚の上に5つずつ残っているという意味なのか、あるいはこれ以外の組み合わせであるのかは、小売業者には分からない。通常、小売業者は、どのタイプの洗濯洗剤が最初に在庫切れになるのかを知ることに最も強い関心を示すが、これはそのタイプが明らかに一番よく売れるものであり、小売業者としてはこのような特定のタイプのものを自分の棚に十分に在庫しておきたいからである。
【0031】
このため、小売業者ならびに卸売業者にとって、特に棚または陳列エリアの補充がいつ必要なのかを知る目的で、さらには特定のタイプの品物の補充がいつ必要なのかを知る目的で、自分の店舗の棚にある品物を監視するための自動システムを持つことには利点があろう。本発明の品物監視用システムは、このような自動システムを、少なくとも以下の利点をもって小売業者および卸売業者に提供するものである。
【0032】
まず第1に、本発明の品物監視用システムでは、現状、ほぼ現状またはごく最新の情報、さもなければリアルタイムの情報として知られる情報が得られる。これとは対照的に、長時間にわたってデータを収集し、データを処理した上で小売業者に情報を提供する従来技術のシステムでは、小売業者が在庫切れにすみやかに対処することはできず、売り上げの損失につながる。さらに、品物監視用システムでは、製品のディスプレイや棚の上の製品の在庫レベルに関する定量的な情報を提供し、製品がディスプレイや棚から完全になくなってしまうよりもかなり前の特定の製品が少なくなりはじめたときに、ユーザに信号を送ることができるため、小売業者にはその製品を補充する時間があり、売り上げの損失を回避できる。これとは対照的に、従来技術のシステムの中には、棚がいつ空になるかだけを示すものがあるが、これでは小売業者が棚の在庫レベルに関する情報を得ることはできないし、あるいは在庫切れになる前に棚に製品を補充するよう小売業者に促すこともできない。
【0033】
第2に、本発明の品物監視用システムでは、店舗にある製品に関する情報が得られ、特に、業界で一般に知られているように各グループの同じ製品すなわち個々の最小在庫管理単位(「SKU」)ごとに個別の情報が得られる。SKUは、ブランド、タイプ、サイズ、他の要因などに応じて店舗にあるすべての製品を識別する目的で一般に用いられている。固有のタイプの製品には各々、英数字からなる固有の識別子(SKU)が割り振られているのが普通である。たとえば、ひとつのSKUで普通の髪用で15オンスのサイズのブランドXのシャンプーを示す。もうひとつのSKUで普通の髪用で20オンスのサイズのブランドXのシャンプーを示す。もうひとつのSKUで乾いた髪用で15オンスのサイズのブランドXのシャンプーを示す。もうひとつのSKUで普通の髪用で15オンスのサイズのブランドYのシャンプーを示すといった具合である。この例は、シャンプーが同じブランドであっても、たとえば想定される用途(「乾いた髪」対「普通の髪」)が違ったりサイズ(15オンス対20オンス)が違うことがあるなど、それぞれのシャンプータイプごとに異なるSKUが与えられることを示す助けになるものである。頻繁に、大きな小売店舗では、店舗にある固有の品物すべてを計上するのに50,000種類という多くのSKUを利用することがある。すなわち、SKU内の各製品が、ブランド、サイズ、色、形、さらには味、香り、想定される用途などの他の特徴の点では同じであるが、たとえば、同じSKU内の製品に、製造日、出荷日、ロットごとのわずかな色のばらつきなどの違いがあることがある。店舗の製品のディスプレイや棚には、特に自転車などサイズが大きかったりSKUが高価であるなどの理由で品物がひとつしかないこともある。しかしながら、通常、ほとんどの消費財では、それぞれのSKUについて個々の品物が複数陳列され、十分に在庫のあるディスプレイや棚に複数のSKUが存在する。本発明の品物監視用システムでは、このような詳細な内容の情報は得られない従来技術のシステムとは対照的に、SKUごとに棚にいくつ品物があるかに関する定量的な情報を得られる。
【0034】
第3に、本発明の品物監視用システムでは、消費材またはそれに関連するパッケージを変える必要がない。本発明の品物監視用システムは、実施例から明らかなように、今日のほぼすべての小売店で見られる品物と違わない品物を検出する)。これとは対照的に、従来技術のシステムでは、棚から外れた製品の動きをトラッキングするには、品物レベルのラベル、タグ、アンテナ、あるいは、集積回路、磁気材料、金属材料または金属含有部品、反射性部品、特別なインク、特別なフィルムなどを含むがこれに限定されるものではない材料または装置を利用したインサートまたは梱包材など、各製品に取り付けた特別な装置を使う必要があった。これらの従来技術の装置では、製品の製造業者、販売業者または小売業者にとって、このような装置を店舗用の各製品に取り入れるのに有意かつ高価な変更が必要になることが多いため、これは一般に望ましくないものである。
【0035】
第4に、本発明の品物監視用システムは所要電力が少ないため、それぞれの棚と関連のシステムハードウェアに電力を供給するのに電力線を設置する必要がない。この場合、ディスプレイ用の棚でのほぼすべての所要電力を、たとえば1年ごとに約1回など、さほど頻繁に交換を必要としない小さな電池でまかなえると好ましい。
【0036】
最後に、食料品店やディスカウントストアなどの多くの小売業者が小さな利幅で動いているため、品物監視用システムの複雑さと構成要素または部品の数を最小限にしてシステムにかかるコストを抑える。さらに、品物監視用システムの設置と運用にかかるコストが最小であり、店舗の所有者、マネージャまたは経営者に発生し得る全体的なコストが最小限になる。
【0037】
本発明の品物監視用システム10の好ましい一実施形態を図1に示す。品物監視用システム10は、棚の一部にある、SKUが同じ品物のグループである同様の品物からなるグループに充てられた空間など、指定されたエリアまたは空間内の品物の個数または数量に関してユーザに情報を提供するように設計されている。品物監視用システム10は、少なくとも1個のセンサ30と、通信ネットワークと、コンピュータ24とを含む。品物監視用システム10の場合、多種多様な好適なセンサ30があるが、これについては下記にてさらに詳細に説明する。
【0038】
品物監視用システム10は、複数の棚12を含む棚の配置20を含むものであると好ましい。図1および図3に示す棚の配置20には、第1の棚12a、第2の棚12b、第3の棚12c、第4の棚12dが含まれる。棚12a〜12dはいずれも、背面パネル11に装着されたものとして図示されている。しかしながら、棚12a〜12dは壁に簡単に装着しただけのものであってもよい。棚の配置20は、小売店やその他の建物で普通に見られるものである。このため、店舗にある既存の棚材を利用して設置コストを最小限に抑えやすくすることが可能である。
【0039】
棚の配置20におけるそれぞれの棚12a〜12dには、少なくとも1個のセンサ30が取り付けられている。「取り付ける」という用語ならびにその派生語は、特許請求の範囲を含めて本願明細書にて使用する場合、センサ30を棚12自体に組み込むか、センサが棚12自体の一部であってもよいし、あるいは棚12の上面14または底面16に取り付けてもよいし、品物の陳列構造内に物理的に一体化あるいは棚の一番上に設置して品物12に隣接した壁またはパネル11に取り付けてもよいことを意味する。取り付けについては、機械的な固定具、磁気ストリップなどの機械的な手段あるいは、接着剤を使用するかこれらの組み合わせで実現できる。有用な接着剤は、永久的なものであっても一時的なものであってもよく、感圧接着剤を含み得るものであり、貼り直しが可能であるとか跡を残さずに除去できるといった別の特徴を持つものであってもよい。
【0040】
センサ30は、棚12の上面14、棚12の底面16あるいは、棚12に隣接する壁またはパネル11などの表面に取り付けられているのが好ましい。品物は、今日の小売商や卸問屋で製品が一般に棚の上に配置されるのと同じように、似たような品物をすべてまとめて棚12a〜12bの上において配置されている。グループ内のそれぞれの品物は、上記にてさらに詳細に説明したように最小在庫管理単位またはSKUが同じである。少なくとも1個のセンサ30と隣接するようにして各グループの品物が配置されている。たとえば、第1のSKUの品物33が第1の棚12aの上でセンサ30cに隣接して第1の大きさの空間内のグループ32に配置されている。第2のSKUの品物45は、第1の棚12aの上でセンサ30bに隣接して第2の大きさの空間内のグループ44に配置されている。第3のSKUの品物35は、第1の棚12aの上でセンサ30bに隣接して第3の大きさの空間内のグループ34に配置されている。第4のSKUの品物37は、第2の棚12bに隣接する背面パネル11に装着されたセンサ30cに隣接して第4の大きさの空間内のグループ36に配置されている。第5のSKUの品物39は、第2の棚12bの上でセンサ30aに隣接して第5の大きさの空間内のグループ38に配置されている。第6のSKUの品物41は、第3の棚12cの上でセンサ30aに隣接して第6の大きさの空間内のグループ40に配置されている。第7のSKUの品物43は、第3の棚12cの上で2つのセンサ30cに隣接して第7の大きさの空間内のグループ42に配置されている。第8のSKUの品物47は、第4の棚12dの上でセンサ30bに隣接して第8の大きさの空間内のグループ46に配置されている。第9のSKUの品物49は、第4の棚12dの上でセンサ30cに隣接して第9の大きさの空間内のグループ48に配置されている。好ましい一実施形態を図1に示してあるが、各センサ30で複数の品物を検出できるのであれば、棚の配置20には棚12がいくつ含まれていてもよく、任意の数のさまざまなSKUを監視するための何個のセンサ30があってもよい。
【0041】
品物監視用システム10については、棚の配置20を含むものとして図示してあるが、このシステムは、センサに対応する検知用の空間内に検出対象となる品物が置かれる限りにおいて、バスケットや瓶の底や側面、調理台、入れ物や収納棚の外側または内側の表面、スタンドまたはテーブルの上、あるいは品物の陳列または保管に利用できる他の表面など、棚の配置の一部以外のほぼどの表面にも装着されるセンサ30を含むものであってもよい。あるいは、センサ30を好適なブラケット、枠または他の装置に装着して、品物のあるエリアまたは一定の大きさの空間の境界にセンサ30を固定してもよい(このような空間のエリアには壁または他の表面を含まない)。
【0042】
かさのある消費財の中には硬くない梱包材で包装されているものもある。その一例が50ポンドのドッグフードの袋であり、もうひとつの例が柔軟剤用の40ポンドの塩の袋である。このような品物は一般に、図1にグループ36の品物37で示すように棚の上に積まれる。このような品物の場合、センサ30を背面の壁またはパネル11に配置すると好ましいことがある。
【0043】
センサは各々、指定されたエリアまたは一定の大きさの空間内の複数の品物を監視するよう設計されている。「一定の大きさの空間」という表現は、特許請求の範囲を含む本願明細書で使用する場合、その中に品物を配置することができ、センサ30がその存在を検出できる三次元の空間またはエリアを示す。たとえば、第2の棚12bのセンサ30aは、そのセンサ30aのすぐ上にある空間内にある品物39を監視する。もうひとつの例として、第2の棚12bに垂直な背面パネル11に装着されたセンサ30cは、品物37がグループ36に積まれた空間を監視する。品物監視用システム10では複数の品物の検出に単一のセンサ30を利用できるため、設置するセンサの数は最小限ですみ、よって設置コストを最小限に抑えやすくなる。
【0044】
指定された空間内の品物がセンサ30と接している必要はなく、指定された空間内の品物をセンサで物理的に支持する必要もない。そうではなく、あるセンサに指定された一定の大きさの空間内のどこかに品物が配置されたら、そのセンサが品物の存在に応答することが必要なだけである。本発明のセンサ30は、監視対象となる品物をセンサで支持しておく必要があり、かつその重量(すなわち、その質量に重力の力を掛けたもの)をセンサで検出する、上述した従来技術の重量センサとは異なるものである。このため、品物監視用システム10のセンサ30には、少なくとも2つの利点がある。ひとつの利点として、たとえば検知または検出対象となる品物の後ろに装着、前に装着、上に装着、下に装着するなど、品物のグループに対応して場所を問わずセンサ30を装着できることがある。このような配置にすることで、設置面での柔軟性が出て、棚の裏側や棚ユニットの背面パネルなど、目立たない場所に設置できる可能性が得られる。もうひとつの利点として、本発明のセンサ30は、従来技術の重量センサに比して機械的に故障・疲労しにくいことがある。従来技術の重量センサには、動く部分または繰り替えし歪む部品(バネなど)と、時間の経過、大きな荷重、使い方の荒さによって変形の可能性がある荷重の加わる部品があるため、機械的な故障・疲労が生じやすい。
【0045】
センサ30はどのようなサイズのものであってもよい。たとえば、センサ30は、その上、下または脇にある品物のグループの「足跡」とほぼ同じ寸法であってもよいし、その上、下または脇にある品物の足跡よりもセンサ30のほうが小さくてもよい。センサ30は、棚12の全面に関連した空間を監視するものであってもよいし、棚12の一部に関連している空間を監視するだけのものであってもよい。たとえば、センサ30は、顧客に最も近い棚12の空間の前端に沿って空間を占めるだけのものであってもよい。この配置は、棚の前側に製品がなくなったことを店舗に通知をするのに役立つ。棚の前端が空になったら、小売業者は棚を補充したいかもしれないし、そのSKUで残っている在庫品を棚の前のほうに移動させたいかもしれないし、両方かもしれない。図1の品物監視用システム10では、センサ30の一部が見えるよう棚12の上の品物が完全にセンサ30を隠してしまわないように図示してあるため、結果としてSKUのグループ間に空間が見えているが、棚一杯に品物があるときには同じSKUの品物でセンサ30が完全に隠れてしまってもよく、隣り合ったSKUのグループ間に空間は必要ない。
【0046】
センサ30は、サイズ、形、密度、電気的な特性など物性が広範囲にわたる多種多様な物理的品物を検出すなわち、これに対する応答を提供できるものでなければならない。これらの品物(一般に製品とそれに対する梱包材である)は、食品、紙、プラスチック、化学薬品などの有機物質;洗剤などの化学的混合物;化粧品;インクおよび着色料;水、ガラス、シート、缶、箔としての金属などの無機物質、薄層および装置、電子コンポーネントならびに顔料;これらの組み合わせを含むがこれに限定されるものではないさまざまな素材で作られている。この素材一覧は、すべてを包含することを想定しているわけではなく、そのような品物の素材の多様性が極めて大きいことを示すものにすぎない。特に、大半の小売店では、いくつかの製品とそれに関係のある金属を含む包装材や、いくつかの製品とそれに関係のある金属を含まないがプラスチックなどの他の素材を含む包装材が在庫品に含まれる点に注意されたい。このため、品物監視用システム10は、金属を含む品物ならびに金属を含まない品物を検出できる。たとえば、業界研究によっては、小売店で在庫切れが頻繁に発生する品物にヘアケア製品があるとしている。ヘアケア製品には、一般に金属を含まないプラスチック製のシャンプーボトルと、一般に金属を含むヘアスプレーのエアゾール缶などの品物が含まれる。在庫品を監視するための従来技術の検知装置では一般に、金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を監視することはできない。
【0047】
品物監視用システム10は多種多様な異なるセンサ30を含み得る。好ましいセンサ30のひとつが平面キャパシタセンサ30aである。もうひとつの好ましいセンサ30が導波管を含むセンサ30bである。もうひとつの好ましいセンサ30が、周辺光を含む光源からの光を検出する感光センサ30cである。これらの好ましいセンサ30a〜30cは各々、自センサに対応する空間内の品物の個数に関連した応答を提供するものである。これらの好ましいセンサ30a〜30cそれぞれの詳細については後述する。しかしながら、本発明は、これらの好ましいセンサ30a〜30cに限定されるものではない。本発明は、センサに対応する空間内の複数の品物を検知できる従来技術において周知のどのようなセンサであっても含み得る。
【0048】
図1に示す品物監視用システム10はセンサの電子部品50を含む。センサ30とセンサの電子部品50との組み合わせを検知装置と呼ぶ。図2のブロック図は、センサ30と、マイクロコントローラ58、トランシーバ60、任意の電池62をはじめとするセンサの電子部品とを含む検知装置29を示している。任意に、センサの電子部品50は、トランシーバ60に電気的に接続されたアンテナ(図示せず)を含む。
【0049】
図1に示す品物監視用システム10はコンピュータ24を含む。任意に、品物監視用システム10は、1以上のノード64とトランシーバ70とを含む。センサの電子部品50におけるトランシーバ60、ノード64、トランシーバ70をはじめとする、通信を行うシステムの構成要素を、まとめて通信ネットワークと呼ぶ。あるいは、それら通信ネットワークは、センサ30とコンピュータ24との間で情報を伝達するための従来技術において周知のどのような手段であってもよい。
【0050】
センサ30は、これに対応するセンサの電子部品50の助けを借りて、コンピュータ24に通信ネットワークで情報を送る。好ましくは、この情報は、品物監視用システム10のSKU空間または監視される空間あたりの在庫品情報が、店舗でどの品物が棚の上にあるかに関して現状または極めて最新の情報になるように、一定時間ごとに送信される。
【0051】
通信ネットワークは、任意にアンテナ66を含むノード64を含むものであると好ましい。好ましくは、ノード64は、センサ30に対応するセンサの電子部品50の伝送域内にあり、センサの電子部品50から情報を受信する。通常、特にセンサの電子部品50とトランシーバ70との間の距離がセンサの電子部品50のトランシーバ60の伝送域よりも大きいときに、1個以上のノード64を用いてセンサの電子部品50からトランシーバ70へと情報を中継する。このような情報は、デジタルデータであってもアナログデータであってもよい。あるいは、ノード64が、他のソースから情報を受信し、その情報をセンサの電子部品50経由でセンサ30に送信するものであってもよい。また、ノード64は、センサの電子部品50からのデータを処理するものであってもよい。このような処理の一例としては、センサの電子部品50の出力の解釈、簡略化または圧縮を目的とした計算または比較を含むがこれに限定されるものではない。任意に、ノード64は、センサの電子部品50から送られるデータを一定の時間格納するものであってもよいし、センサの電子部品50の送信に対応する時間などの他のデータを格納するものであってもよい。通信ネットワークは、それぞれの棚システムが複数のセンサ30を有する多数の棚の配置20からのデータの転送を助けるノードをいくつ含むものであってもよい。好適なノード64の一例が、カナダのアルバータ州カルガリーにあるマイクロハードシステムズ社から部品番号MHX−910で販売されている。
【0052】
トランシーバ70および/またはコンピュータ24は、店舗側の人間、顧客、供給業者、配送または納入業者などとの橋渡しになる他の装置、あるいは、コンピュータ、サーバ、データベース、ネットワーク、遠隔通信システムなどとのインタフェースになる他の装置または設備と接続されていてもよい。
【0053】
信号、コマンドなどについては、有線またはケーブルでの通信ネットワーク経由で送信してもよいし、これを無線で送信してもよく、あるいは、一部が有線で一部が無線であってもよい。さまざまな理由から、少なくとも部分的に無線の通信ネットワークが好ましく、完全に無線の通信がさらに好ましい。第1に、店舗中に走るケーブルやワイヤで見た目が見苦しくなるのを避けやすい。第2に、無線通信ネットワークのほうが安価で設置も容易である。無線送信の一例が、米国連邦通信委員会の産業科学医療用(「ISM」)帯域、好ましくは300〜450MHz、902〜928MHz、2.45GHzの範囲のうちのひとつで利用できる周波数を用いて達成される。この通信ネットワークに有用な標準的な通信プロトコルの例として、ニュージャージー州ピスカタウェイに所在する電気学会(IEEE)が送信している802.11標準、カンサス州パーク、オーバーランド(Overland、Park、Kansas)に所在する、ブルートゥースシグとして知られる産業コンソーシアムによって開発されたブルートゥース標準およびまたは私有のISM帯域通信ネットワークがあげられる。当業者であれば、必要に応じて別の周波数域を利用してもよいことは理解できよう。私有の(非標準)通信プロトコルがセンサの電子部品50との間の送信に好ましいこともある。
【0054】
通信ネットワークの構成要素については、棚、壁、天井、スタンド、ケースなどの店舗内の既存の構造に取り付けて設置できる。通常、これらの構成要素は、店舗内での場所ごとの行き来が可能になるような距離をあけて設置される。しかしながら、本発明の品物監視用システムで店舗の一部だけを監視することも本発明の範囲内である。
【0055】
品物監視用システム10はコンピュータ24を含む。コンピュータ24は、従来技術において十分に知られている。従来技術において周知の多種多様な異なるソフトウェアプログラムを利用して、センサ30およびセンサの電子部品50から送信される情報を通信ネットワーク経由で収集することができる。コンピュータ24で用いられる好適なソフトウェアの一例として、テキサス州オースティンを拠点とするナショナルインスツルメンツ社から商品名LabVIEWとして販売されているソフトウェアがあげられる。このソフトウェアは、棚の配置20に在庫がある現状のSKUを示す映像をコンピュータで生成する上で役に立つ。好適なソフトウェアのもうひとつの例が、ワシントン州レッドモンドに所在するマイクロソフト社のマイクロソフトブランドのソフトウェア、SQLサーバーである。あるいは、特注のソフトウェアが好ましいこともある。市販または特注のソフトウェアを利用して、検知装置からの情報をユーザが扱いやすいフォーマットで処理し、編成し、提示する。たとえば、各グループのSKUの数量を店舗地図上に提示し、個々のSKU、特に場所ごとのステータスを示すようなソフトウェアを設計すればよい。これらのディスプレイをカスタマイズして、小売業者と製造業者など、需要や関心事が違っていることのある異なるユーザにデータを提示し、かつ異なるユーザと更新するようにしてもよい。多くの異なる情報提示フォーマットが、当業者にとって明らかである。ソフトウェアを用いると、小売業者または供給業者は、その値未満になったら可視信号または可聴信号のいずれかで「補充すべきとき」であると知らせる閾値を設定できる。また、センサ30および検知用の電子部品50から定期的にデータを収集できるように、あるいは要求があったときのみ、あるいはそれらの何らかの組み合わせにより、センサ30および検知用の電子部品50からデータを収集する目的で、あるいはその何らかの組み合わせでソフトウェアをコンフィギュレートしてもよい。また、センサ30およびセンサの電子部品50から得られるデータと併用して店舗販売時点情報データまたは履歴データなどの別のデータを活用し、センサ30および検知用の電子部品50から生成されるデータを解釈しやすくし、精度を改善し、さらに配慮や人間の介在が必要な状況を検出するなどのことも、本発明の範囲内である。本発明の品物監視用システムからの情報は、店舗側の人間(店舗のオーナー、店舗のマネージャ、保管担当者など、販売業者、納入業者の他、製造者や設計者などの消費財製造業者、マーケティング担当者、販売員に有用なことがあり、このような情報を、インターネットネットワークなどの手段を介してこれらのグループで共有してもよい。
【0056】
各センサ30には、それ専用のセンサの電子部品があってもよいし、検知用の電子部品50を2個以上のセンサ30に接続してもよい。たとえば、第1の棚12a上のセンサ30cには、(図3においてより詳細に示すように)それ専用のセンサの電子部品50がある。第1の棚12a上の2個のセンサ30bは、1個のセンサの電子部品50を共有している。第2の棚12b上のセンサ30aと、第2の棚12bに隣接する背面パネル11に装着されたセンサ30cには各々、それ専用のセンサの電子部品50がある。第3の棚12c上の2個のセンサ30cは1個のセンサの電子部品50を共有している。第3の棚12c上のセンサ30aにはそれ専用のセンサの電子部品50がある。第4の棚12d上のセンサ30bおよびセンサ30cには各々、専用のセンサの電子部品50がある。あるいは、センサの電子部品50を、パネル11の後ろ側に装着するなどして顧客から見えないところに隠してもよい。センサの電子部品50は各々、ワイヤ49などによって自らに対応するセンサ30に電気的に接続されているか、センサ自体に物理的に取り付けられている。
【0057】
好ましくは、センサの電子部品50は、少なくともマイクロコントローラと無線周波数トランシーバなどのトランシーバとを含む。しかしながら、センサの電子部品50は、メモリ装置、クロック装置またはタイミング装置、電池、方向性結合器、電力分配器(power splitter)、周波数ミキサ、低域通過フィルタなどの1個以上の構成要素を含むものであってもよい。センサの電子部品50に他の構成要素を加えて、タンク回路、交流電流を直流電流に変換するための回路、信号生成器、位相検出回路などを形成してもよい。センサの電子部品50はセンサ30ごとの固有のデジタル識別子を格納する場となるものであってもよい。固有のデジタル識別子は、好ましくは集積回路などの不揮発性メモリコンポーネントであるメモリコンポーネントに格納される、固有の数字であると好ましい。この固有の数字は、たとえばデータベース内でSKU番号と対応していてもよい。
【0058】
図2は、好ましい一検知装置29のブロック図を示している。各検知装置29は、センサ30と、これに対応する検知用の電子部品50とを含む。センサの電子部品は、マイクロコントローラ58とトランシーバ60とを含む。トランシーバ60は、好ましくは無線周波数トランシーバである。センサの電子部品は、電池62を任意に含むものであってもよい。検知装置29の動作については、センサの電子部品50内にあるマイクロコントローラ58によって制御される。無線周波数トランシーバ60は、センサの電子部品50内あるマイクロコントローラ58に接続され、任意のノード64または任意のトランシーバ70を含むものであってもよいし、コンピュータ24と直接通信するものであってもよい、通信ネットワークとの通信に利用される。(ノード64、トランシーバ70、コンピュータ24はいずれも図1に示されている)。任意の電池62は、センサ30およびセンサの電子部品50に電力を供給するものであればよい。
【0059】
一実施形態では、センサの電子部品が、センサ30出力をデジタルデータに変換し、このデジタルデータを通信ネットワーク経由でコンピュータに送る一助となる。任意に、センサの電子部品が、センサ30の出力に対して計算、分析または他の処理を行ってもよい。任意に、センサの電子部品が、たとえば、コンピュータから通信ネットワーク経由でコマンドなどのデジタル情報を受信してもよい。また、任意に、センサの電子部品が、一定の時間センサ30の出力を格納してもよく、センサの出力に対応する時間などの他のデータを生成して格納してもよい。センサのエレクトロニック(electronic)が、センサ30の出力を解釈し、簡略化または圧縮を目的とした、アナログからデジタルへの変換、計算または比較などのステップを含むがこれに限定されるものではない多種多様な方法でセンサ30の出力を処理してもよい。
【0060】
本願明細書に記載のセンサ30には、生成するデータが少ないため、頻繁なサンプリングが可能になり、適切な定量情報を小売業者に与えることができるという利点がある。また、本願明細書に記載のセンサ30では、極めてわずかなデータ処理しか必要でないことがある変数出力(詳細については後述)などの出力が得られる。
【0061】
検知装置29において一連の「目覚め」および「スリープ」サイクルを利用してエネルギを集めると好ましい場合がある。検知装置29のこのような操作方法の一例は以下のとおりである。まずはじめに、検知装置29は停電力の「スリープ」モードにある。ポーリング間隔ごとに1回、検知装置29が(コンピュータから通信ネットワーク経由でコマンドを受信するか、センサの電子部品50に格納された設定時刻または間隔で)スリープモードから「目覚め」、センサ30に対応する空間内の品物に関するデータを集める。任意に、センサの電子部品50は、2組以上のデータを平均・比較するものであってもよい。データ(生または処理済み)を通信ネットワーク経由でコンピュータ24に送るが、その詳細については上述したとおりである。続いて、検知装置29は「スリープ」モードに戻る。検知装置29のポーリング間隔については、コンピュータ24内のソフトウェアで設定できる。応答を処理するための時間に応じて最小ポーリング時間を求める。好適なポーリング時間または間隔の一例が5〜10分ごとである。
【0062】
好ましくは、センサ30およびセンサの電子部品50は電力要件が小さく、電池や有線の電源か、周囲エネルギ(光など)を集めてセンサ30およびセンサの電子部品50に電力を供給するための電気に変換する光起電力装置から電力を得る。光起電力センサ30cは、電源とセンサの両方として利用できる、すなわち、ひとつの光起電力構成要素を2つの目的(検知と電源)に利用できる。このような電池または光起電力電源を用いることで、破損、出費、各センサ30に設置される線の見苦しさをなくしやすくなる。センサ30の電力要件が小さいと、たとえば電池交換などの保守管理が最低限になる。また、データサンプリング、データ送信、データ処理を最小限にすることで、全体としての電力要求量を最小限にしやすくなる。
【0063】
市販されている好適なセンサの電子部品構成要素の一例として、アリゾナ州チャンドラーに所在するマイクロチップから部品番号16LF88として入手可能なマイクロコントローラ;ミネソタ州プリモスに所在するハネウェル社から部品番号HRF−ROCO9325として入手可能な無線周波数トランシーバ;ニュージャージー州セコーカスに所在するパナソニックインダストリアルカンパニーの米国松下電器産業株式会社から部品番号CR2032として入手可能な電池があげられる。センサの電子部品に適した回路は多数の文献に見ることができ、たとえば、好適な発振器タンク回路が、本願明細書に援用するA.S.セドラ(Seddra)およびK.C.スミス著、Microelectronic Circuits第4版、1998、オクスフォード大学出版局、オックスフォード/ニューヨーク、第973〜1031ページに記載されている。また、好適な位相検出回路が、本願明細書に援用するフロイドM.ガードナー、Ph.D.、Phaselock Techniques、第2版、1979、ジョンワイリーアンドサンズインコーポレイテッド、ニューヨーク州ニューヨーク、第106〜125ページに記載されている。
【0064】
品物監視用システム10の利点のひとつに、SKUレベルで店舗内の棚の上にある製品数に関する情報をユーザ(たとえば、店舗のオーナー、店舗のマネージャまたは消費財製造業者)に提供できることがある。これは、いずれも同じSKUを持ち、かつ、その空間にセンサ30からの情報を対応させる複数の品物または製品が占めるほぼ同じ三次元空間に応答するセンサ30を少なくとも1個持つことによって達成される。図1に示す実施形態では、それぞれのセンサ30が、同じSKU内の品物のグループに応答する。また、それぞれのSKU空間に関連する測定のためにセンサを定期的にポーリングしてもよい。1回目の測定後であるがセンサ30による2回目の測定の前に、センサ30に対応する空間から特定数の品物が取り出されることがある。結果として、センサによる1回目の測定と2回目の測定との間に違いが発生するが、これは第1の時刻と第2の時刻でセンサが対応する空間での品物の個数の差に相関している。たとえば、第1の棚12a上のセンサ30cで、いくつかの品物33が第1の棚12aから取り出される前と後に2通りの測定値を得る。もうひとつの例として、棚12b上のセンサ30aで、いくつかの品物39が第2の棚12bから取り出される前と後に2通りの測定値を得る。もうひとつの例として、棚12d上のセンサ30bで、いくつかの品物47が第4の棚12dから取り出される前と後に2通りの測定値を得るなどである。センサに対応する空間内での数の異なる品物に関連する2通りの測定値間の差の大きさは、センサのタイプ、センサの設計、空間内にある品物のタイプ、干渉やノイズなどの他の要因に左右される。実施例1〜5は、異なるセンサと品物で得られた結果についての具体的なデータを示すものである。各センサ30を同じSKU内の品物に対して任意に較正し、センサの空間から品物がいくつ取られたかを品物監視用システム10が一層正確に決定できるようにしてもよい。(較正プロセスの詳細については後述する。)各センサ30は、店舗に在庫している各SKUについての情報を提供できるように、SKUが同じ品物を監視するように配置されているため、結果として、どのSKUの品物を補充する必要があるかをユーザが決定することができる。製造と設置のコストならびに労力を最小限にしやすくなることから、複数の品物を1個のセンサで検知または検出することにも利点がある。ひとつのSKU空間を監視するのに複数のセンサを設置するよりも1個のセンサ30を設置するほうが簡単である。さらに、本発明の各装置は特定のサイズに限定されるものではないため、各センサ30をひとつのSKU空間だけを検知するように簡単にサイズ調整することができる。
【0065】
品物監視用システムが多数のSKUを頻繁に監視できるものであると好ましい。当業者であれば明らかなように、通信ネットワークのデータ転送速度と図1に示すコンピュータ24のデータ転送速度を含む品物監視用システム10のデータ転送速度によって、SKUひとつあたりのデータ量、SKUの数および/またはデータ収集の頻度が制限される。詳しく言うと、SKUの数にSKUひとつあたりのデータ量を掛け、さらにデータ収集の頻度を掛けた値が、品物監視用のいずれの構成要素のデータ転送速度も超えないようにする。大きな店舗には多数のSKUがある。さらに、小売業者であれば、その情報ができるだけリアルタイムの情報に近くなるように、こまめに品物を監視したいが、これにはデータ収集が頻繁に行われる必要がある。よって、システム構成要素の制約内で品物監視用システム10のデータ転送速度を保つのに好ましい方法に、収集イベントごとにSKUひとつあたりに必要なデータ量を最小限にすることがある。
品物監視用システム10によって処理されるSKUひとつあたりのデータ量を最小限にしやすくするには、各センサ30の出力が、そのセンサが検知する品物に関する情報を与える簡単な変数値であると好ましい。簡単に言うと、単一の変数値を用いることで、かなりのデータ操作、広範囲にわたる計算、大きなルックアップテーブル、多数のデータまたは値の比較などを行わなくても、定量的な情報を得ることができる。センサ30の出力信号は、電圧、電流、抵抗または周波数の測定値などのアナログ出力であっても構わない。たとえば、光起電力装置である感光センサ30cを用いると、品物によって覆われた(よって、入射光が遮断または遮蔽されている)センサ30のエリアに基づく電圧応答または電流応答が得られる。このため、詳細については後述するように、好ましくは装置30cを較正したときに存在する品物の個数についての測定値を得るには光起電力装置30cからの電圧を1回測定するだけで十分である。よって、データ処理量を最小限に抑えるためにセンサ30に対応する空間内に存在する品物の個数に対する線形またはほぼ線形の応答が好ましいこともある。
【0066】
品物監視用システム10は、センサ30に対応する空間内の複数の品物を検知できる従来技術において周知のどのようなタイプのセンサ30を含むものであってもよい。図3は、センサの少なくとも3通りの異なる好ましい実施形態について詳細に論じるのには都合がよい。上記にて簡単に説明した、センサ30の3通りの異なる好ましい実施形態は、キャパシティブセンサ30a、導波管を含むセンサ30b、感光センサ30cである。これらの各センサの詳細については後述する。
【0067】
第2の棚12bと第3の棚12cの両方にあるキャパシティブセンサ30aの一実施形態を図3に示す。図3aは、キャパシティブセンサ30aのうちのひとつの一部の断面図を示している。キャパシティブセンサ30aは、好ましくは棚12などの表面に取り付けるのに都合がよい平面キャパシティブセンサである。一層好ましくは、キャパシティブセンサ30aは、相互に嵌合した平面キャパシティブセンサである。好ましくは、平面キャパシティブセンサ30aが誘電性支持体などの非金属の支持体96を含み、この誘電性支持体に導電性材料が取り付けられている。一層好ましくは、平面キャパシティブセンサは、銅またはアルミニウムなどのパターンが形成された金属92、94として、導電性材料からなる2つの電極を含む。このような金属電極92、94の好ましいパターンを図3に示すが、他のパターンも好適である。
【0068】
図3に示すような平面キャパシタは、非金属の支持体に電極92、94を配置することで製造できる。一実施形態において、電極92、94は、薄いプラスチックシート材に取り付けられた、裏面に接着剤がある銅箔の薄いストリップからなるものである。このタイプの構造は耐性があり、単純な変換プロセスで比較的簡単に製造できる。好適なキャパシティブ構造を作るための他の手段としては、金属を食刻または成膜するエリアを制御するために任意にフォトレジストまたは印刷レジスト(printed resist)を用いた、金属箔/ポリマーフィルムラミネートのエッチングならびに可撓性ポリマー支持体への金属パターンのめっきがあげられる。金属パターンを生成するための上記のようなアディティブ法、サブトラフティブ法およびセミアディティブ法は当業者間で周知である。あるいは、導電性インクを印刷して、導電性パターン92、94を形成してもよい。非金属の支持体用の好適な素材のひとつに、マサチューセッツ州ピッツフィールドに所在するGEプラスチックスから商品名レクサン(LEXAN)で入手可能なポリカーボネート材料がある。これらのパターン化金属製造方法を、連続製造プロセスに利用してもよい。効率的かつ大量に低コストの製造ができることから、ロールツーロール製造プロセスが好ましい場合がある。
【0069】
平面キャパシティブセンサ30aの一実施形態の断面図を図3aに示す。パターン形成した導電性材料92、94を、任意に接着剤の層によって誘電性支持体96に取り付ける。この誘電性支持体96のパターン形成した電極92、94とは反対側に、銅またはアルミニウムなどの任意の金属層98を取り付ける。金属層98が誘電性支持体96の大部分を覆う形が好ましい。この金属層98は、センサ30aの接地シールドとして機能する。導体として作用する、2つのパターン形成した電極92、94を、逆の電位で駆動すると、逆方向の電流によって導電性電極92、94の上と下の間に電界が発生する。電界が占める容積部分(volume)の誘電定数が変化することで、センサ30aの容量性リアクタンスが変化することになる。また、たとえば金属の物体によって電界状態の変化が生じると、センサ38の容量性リアクタンスが変化することになる。電極92、94は、センサの電子部品50内の容量計に電気的に接続されている。好適な容量計の一例が、ワシントン州オーバーンに所在するオールモストオールデジタルエレクトロニクスから型番L/CメータIIBで市販されている。この特定のメータは発振器の出力を測定する。メータの発振回路が、キャパシティブセンサ30aによって与えられる容量に依存する周波数で動作する。さらに詳細かつ好適な発振回路の例を、以下の実施例1に示す。金属を含有しない品物やゆるく梱包されているため事実上たくさんの空気の部分がある品物など、電界に対応する容量の誘電定数がわずかしか変化しない品物を検出する上で、発振器の周波数を測定すると都合がよい場合がある。
【0070】
図1では、キャパシティブセンサ30aに対応する空間内の品物からなるグループの品物それぞれに誘電定数値がある。グループとしてみると、品物によってキャパシティブセンサ30aに対応する空間内で電界が変化し、これが最終的に発振器の実測周波数に影響する。キャパシティブセンサ30aで監視している空間内に特定数の品物があるとき、これによって該当する空間に特定の電界分布が発生し、結果として、発振器では特定の周波数が測定される。詳細については後述するようにしてキャパシティブセンサ30aを較正すれば、実測周波数によって品物監視用システム10でセンサ30aに対応する空間内の品物の個数を決定することができる。これは、センサ30aに対応するグループ内のすべての品物がSKUの同じ品物などの比較的同じような品物であるとき、このような品物が電界分布にほぼ同じ変化を生じるため、特に助けになる。
【0071】
周波数の変化に基づいて品物の個数を決定する、平面キャパシティブセンサ30aを含む品物監視用システムの一実施形態の一例を、以下の実施例1および3で説明する。導電性材料92には、図3aにおいて距離「a」で示す幅がある。導電性材料94には、図3aにおいて距離「b」で示す幅がある。距離「a」は、好ましくは5から50mmの間、一層好ましくは20から30mmの間である。距離「b」は、好ましくは5から50mmの間、一層好ましくは20から30mmの間である。
【0072】
平面キャパシティブセンサ30aを、センサの電子部品50との組み合わせで、信号の位相の変化の測定に利用して、センサの空間内における品物の個数を決定することができる。センサの電子部品50が信号をセンサ30aに送り込む(inject)と、品物があるためこの信号の一部が反射してセンサの電子部品に戻る。センサの電子部品50では、たとえば、送り込まれた(injected)信号と反射信号とを一緒にミキシングするなどの方法で2つの信号の位相差を測定する。ミックスド出力信号のDC電圧レベルは、反射信号の位相の変化に関連しているため、ミックスド出力信号のDC電圧レベルを測定して位相の変化を求める。周波数を測定する場合と同様に、位相の測定値も、センサに対応する空間内の品物によって発生する容量に左右される。キャパシティブセンサ30aを較正すると、詳細については後述するように、信号に対する位相の変化によってセンサで監視される空間内にある品物の個数、あるいは空間から取り出された品物の個数を、品物監視用システム10で決定することができる。これは、センサ30aに対応するグループ内のすべての品物がSKUの同じ品物などの比較的同じような品物であるとき、このような品物がいずれも結果としての容量に対してほぼ同じ効果を持つため、特に助けになる。
【0073】
位相の測定値に基づいて品物の個数を決定する、平面キャパシティブセンサ30aを含む品物監視用システムの一例を、以下の実施例2で説明する。
【0074】
あるいは、センサ30aに対応する空間内の品物からなるグループに異なる2つのタイプの品物がある場合もある。2つのタイプの品物の電気特性が、センサの電子部品50で明らかに異なる2通りの周波数の変化または位相の変化を発生させるほど十分に異なっていれば、棚から品物のうちのどれが取り出されたかを品物監視用システム10で決定することができる。したがって、各タイプの品物によって明らかな周波数の変化または位相の変化が生じ、顧客が棚からどのタイプの品物が何個取り出したかをシステムで決定できる限り、センサ30aによって監視するエリアに異なるタイプの品物をいくつ配置してもよい。品物監視用システムのこの実施形態の一例を実施例1で説明する。
【0075】
従来技術のキャパシティブセンサの中には、機械的な歪みによって容量または抵抗の変化を生成しなければならないものがある点に注意されたい。しかしながら、このような従来技術のセンサの上に配置される物体によって常に重量がかかると、センサの材料が永久的に変形してしまい、長期間にわたる信頼性の問題が発生することがある。本発明のセンサおよび方法は、重量または圧力の変化に左右されないため、機械的な故障または疲労の問題が生じることもない。
【0076】
第1の棚12aおよび第4の棚12dの両方にある導波管センサ30bの一実施形態を図3に示す。図3bは、センサ30bのうちの1個の断面図を示している。センサ30bは、第1の導波管部分80を含み、これは銅またはアルミニウムなどの導電性材料である。第1の導波管部分80は、接着剤などによって、誘電材料である第2の導波管部分82に取り付けられている。センサ30bは、第2の導波管部分82の第1の導波管部分80とは反対側に取り付けられた導電性材料である第3の導波管部分84を含む。第3の導波管部分84は、センサ30bの接地板として機能する。あるいは、導波管部分80、84が従来技術において周知の導電性インクまたは他の導電性材料などであってもよい。
【0077】
導波管は、キャパシティブセンサの製造について上述したものと同様にして製造できるものである。銅または他の金属テープ(金属箔プラス接着剤)のロールを、好適な幅のロール状で使用すると好ましい場合がある。このようなテープのロールはオンサイトで簡単に特注サイズのセンサを製造することが可能なものである。
【0078】
導波管センサ30bと、これに対応するセンサの電子部品50は、時間領域反射率測定法を利用して、対象となる空間内にある品物の存在を検出する。時間領域反射率測定(「TDR」)は、伝送線または電力線の断線や障害箇所の検出に昔から利用されている。しかしながら、このような手法は、店舗の棚などの指定されたエリアでの品物の個数の決定には利用されていない。特に、本発明の導波管デザインでは、電磁信号が導波管経由で送信されると導波管の上に延在して導波管の側面まで至るフリンジ電界がある。センサの電子部品50内の信号生成器を、第1の導波管部分80と第3の導波管部分84に取り付けるが、これをセンサの電子部品を介して接地しておいてもよい。信号生成器は、導波管の長さ方向に沿って短い信号またはパルスを送信し、センサの電子部品50内にあって導波管に接続された検出器が、導波管に沿って反射して戻ってくる信号を検出する。導波管のまわりにフリンジ電界を含む空間内に品物があると、これらの品物がその場所で信号の伝送を邪魔し、信号の一部を反射させて検出器に戻す。信号のうち品物で反射しなかった部分は、導波管の遠位端で吸収される。このため、反射数を観察することで、検知用の空間内にある品物の個数を品物監視用システム10で決定することができる。信号を送信した時刻と反射が観察された時刻との間の経過時間が、反射を発生させる品物の位置と関連している(すなわち、品物が信号生成器に近づけば近づくほど、この時間が短くなる)点に注意されたい。
【0079】
導波管80には、図3bにおいて距離「c」で示す幅がある。好ましくは、第1の導波管部分80の図3bにおける寸法「c」は3から20mmの範囲であり、第2の導波管部分82の寸法「d」は1.6から9.5mmの範囲、図3における第3の導波管部分84の寸法「e」は15から100mmの範囲である。導波管部分80、82、84の図3における寸法「f」は0.05から2.0メートルの範囲である。導波管の設計原理は当業者間で周知である(たとえば、本願明細書に援用する、ポザー(Pozar),デイビッド M.、Microwave Engineering、第2版、ジョンワイリーアンドサンズインコーポレイテッド、ニューヨーク、1998、第3章、第160〜167ページを参照のこと)。好ましい測定を含む導波管センサの一実施形態の一例を、以下の実施例4で説明する。
【0080】
第1の棚12a上、第3の棚12cと第4の棚12dの上にあり、さらには背面パネル11にも装着された、感光センサ30cの一実施形態を図3に示す。感光センサ30cは感光材料を含む。好ましくは、感光センサ30cは光起電力センサ30cである。感光材料は、電流、電圧または抵抗を変化させることで、センサ30cに対応する空間内の光に応答する。たとえば、光起電力センサであるセンサ30cがある事例でポーリングされると、電圧が1回測定される。次に、品物37のうちの1個が棚12bの上のスタック36から取り出されると、この時点でスタック36の品物37の数が1個少なくなるため、光起電力センサ30cはそれまでより多くの光を吸収でき、第2の事例で別の電圧測定値が生成される。スタック36の品物37の個数が変化したことを示すのは、第1の事例と第2の事例との間のこの測定値の変化である。同様に、第1の棚12aの感光センサ30c上のグループ32から品物33が取り出されると、品物が取り出された後に感光センサ30cが品物が取り出される前に記録されたものとは異なる測定値を記録するため、品物が取り出されたことが分かる。
【0081】
感光センサ30cの一実施形態の一例を、以下の実施例5で説明する。
【0082】
光起電力センサについては、たとえば、ドープした非晶質シリコンなどのP型およびN型の半導体で製造可能である。好ましくは、これらの装置は、アイオワ州ブーンに所在するアイオワスィンフィルムズから市販されているものなどの可撓性支持体上にロールツーロール方式で作成される。
【0083】
他の好適な無機物質および有機物質でも光電応答を得られる、すなわち、これらの物質は受光する光量の関数である電気特性を示し、感光センサ30cに利用できる。たとえば、光への曝露量が増すにつれて電気抵抗が変化する場合がある。このような材料の多くが従来技術において周知であり、たとえば、セレン化カドニウムなどのセレンおよびセレニド、硫化カドニウムなどの金属硫化物、ポリ−N−ビニルカルバゾールを含有する感光色素とトリニトロフルオレノンとの混合物があげられる。これらの物質は、さまざまなプロセス(ロールツーロール方式を含む)で支持体(可撓性支持体を含む)に成膜したり、コーティングしたりすることが可能なものである。感光材料の粒子を配合してインクを生成し、これを可撓性支持体に印刷または成膜してもよい。太陽エネルギ収束や電子写真の用途向けに開発されたものなどの多くの材料が一般に、本発明の感光センサに利用できるものである。
【0084】
棚の高さ、幅、奥行き、さらには結果として入射周辺光の強度が、品物ごと、店舗内の場所ごと、店舗ごとに異なる可能性があるため、周辺光で用いられる感光センサを較正すると好ましい場合がある。たとえば、棚、特に一番上の棚ではない棚では、棚の前端で周辺光の強度が強く、棚の後ろ端で周辺光の強度が弱いことがある。このような棚の光線状況では、棚のうち光の強度のばらつきが少ない部分だけを検知するようにセンサを配置すると好ましいことがあり、あるいは、2個のセンサを任意に較正して、ひとつのSKUでの周辺光の強度が異なる位置(すなわち、前と後ろ)にある品物の検出に利用してもよい。
【0085】
任意に、設置プロセスの間および/または最初の設置プロセスの後の1以上の時刻に各センサ30を較正してもよい。較正を行うと、検知精度が高くなったり、閾値の設定精度が高くなったりすることがあり、あるいは、別の状態を検出できるようになることもある。たとえば、周辺光に敏感な感光センサ30cについて検討する。異なる店舗、あるいは店舗内の異なる場所ですら、周辺光の量が異なることがあるため、未較正の感光センサ30cを設計し、広範囲にわたる条件について2つの状態(「高」および「低」)を検出するようにしてもよい。特定の環境に合わせて較正することで、5通りの状態(「一杯」、「高」、「中」、「低」、「空」)が検出されたり、あるいは任意の数の状態が可能になることがある。また、サイズや電磁特性などが異なることもある特定のSKUについてセンサ30を較正すると望ましい場合がある。
【0086】
センサ30を較正するための好ましい一手順には、a)SKU空間内に設置後ではあるが、品物をSKU空間に配置する前にセンサ30からの第1の信号を測定するステップと、b)システムのソフトウェアによって第1の信号を「空」として設定するステップと、c)センサエリア全体がSKUの品物で一杯になるようにSKU空間にSKUの品物を満たすステップと、c)センサ30からの第2の信号を測定するステップと、d)システムのソフトウェアによって第2の信号を「一杯」として設定するステップと、が含まれる。較正のための測定をさらに行う必要なしで、空の状態と一杯の状態との間を補間することで、他の状態に対応する信号を決定してもよい。任意に、「空」の信号と「一杯」の信号との間のさらに他の状態について、別途測定を行ってもよい。
【0087】
較正については、「空」から「一杯」の範囲にわたって線形または非線形の応答を呈するセンサ30で行ってもよいし、異なる数のSKUの品物(1個だけなど)で行ってもよく、あるいは、その場での信号測定を1回だけ用いて行っても、センサ以外の装置を用いて(たとえば光度計で周辺光強度を測定できるなど)を用いて行ってもよく、工場設定値での予備較正など設置に先だって行ってもよい。較正の他のバリエーションも当業者には自明であろう。
【0088】
一定の間隔で各センサ30(すなわち、ほぼSKUの各タイプ)から情報を集めることができる。情報をほぼ四六時中集めてもよいし、もっと少ない頻度で集めてもよい。好ましくは、1分間から1日の範囲の間隔で情報を集める。一定間隔で情報を集めると望ましい場合があるし、店舗のマネージャなどの個人が定めた時刻に情報を集めるほうが望ましい場合もあり、あるいは、他のシステムまたはイベントが情報収集の必要性を生じさせることもある。たとえば、棚の在庫品データを速やかに集めるためのコマンドを発生させる傾向または状態を検出できるソフトウェアを品物監視用システム10に利用して、1時間ごとに店舗販売時点情報データを調べるようにしてもよい。もうひとつの例では、たとえば特定の製品の利点を宣伝する記事が地元の新聞に掲載されるなど、そのときどきに起こるイベントの直後に棚の在庫品データを集めるコマンドを店舗のマネージャが送信したいことがあるかもしれない。あるいは、店舗のマネージャが、販売またはプロモーションの一部である特定のSKUについて複数の店舗の場所に関する情報などの特定の情報を、予定のイベントの間に集めたいこともあるかもしれない。
【0089】
センサ30を予備較正および/または十分に厳密な公差で製造すると、任意の較正プロセスにおけるステップの数および/または複雑さが少なくなる場合があり、あるいは、較正の必要性をなくすことすら可能な場合があるため、データ処理量を低減できる。このような後者の場合、特定の店舗にシステムを設置する前に特定のSKUの特定数の品物に相関するセンサの応答時に情報を持たせるようにすることは、コンピュータデータベースにとって可能なことである。この情報は、設置時または設置後にSKU番号ごとに容易に格納して検索できるものであるため、その場での較正ステップが不要になる。
【0090】
品物監視用システム10を用いると、「高」と「低」などの少なくとも2つの在庫状態を区別できるだけの十分な定量的な関連情報が得られる。「高」と「低」に異なる閾値を設定するのは本発明の範囲内であるが、一例として、「高」をSKU空間の一杯の収容力に対して40%を超える品物の量として定義し、「低」をSKU空間の一杯の収容力に対して40%未満の品物の量として定義することができよう。好ましくは、システムによって、ユーザが5%から95%の閾値の範囲から選択できるようにする。上述したように、「空」の信号が生成された時点で品物はすでに在庫切れで、ある程度の時間(少なくとも棚に在庫品を補充するのにかかる時間)は在庫切れのままであるため、「空」(と、推測では「空ではない」)を検出しても小売業者にとっては役に立たない。よって、品物監視用システム10は、ゼロではないまたは空ではない「低」状態を含む、SKU空間ごとに変化していく在庫レベルを検出できる。定量的な情報については、各センサ30の空間内における品物の個数の実数にできるだけ近くしておくことができる。
【0091】
好ましくは、SKU空間をセンサ30で少なくとも部分的に監視する。すなわち、センサ30は、検知対象となるSKUの個々の物体のサイズよりも大きく、センサ30に対応する空間のいくつかの部分にある物体に応答するものであると好ましい。小売業者によっては、棚の前半分だけに品物を配置することのほうを好むことがある。あるいは、棚にばね荷重をかけたり、棚の前面から他の品物が取り出されたらすぐに、ばねまたは重力によって品物を棚の前面に移動する、重力式の(gravity−fed)棚またはディスプレイであってもよい。よって、前の部分など、SKU空間の選択した部分にセンサを配置すると都合がよい場合がある。
【0092】
図4aおよび図4bはそれぞれ、顧客が品物を取り出す前と後の第3の棚12cの上を示している。図4aでは、顧客に近い棚12cの前側に向かってグループ40に品物41を配置する。この配置では、品物監視用システム10のセンサ30aを較正して「一杯」であると読むことができよう。図4bでは、品物41のうちの6個がすでに取り出されている。センサ30aを較正して、空間内に品物が28個あると「一杯」だと読むようにしたため、システムでは一杯の状態に対して約79%であると決定するか、この決定結果を最も近い四分位数に丸めて一杯の状態に対して約75%であると読む。たとえば合計14個の品物41など、十分な品物41が棚12cから取り出されると、品物監視用システム10では、そのSKU空間が一杯の状態の約50%であると読むことができる。SKU空間が一杯の状態に対して50%未満まで落ちると、仮に50%を補充メッセージを送る閾値レベルとして選択してあれば、品物監視用システムでは品物41を棚12cに補充する必要があるという信号をユーザに送ることができる。
【0093】
1個のSKUで占められる空間のすべてまたは一部だけを検知するように1個のセンサ30の大きさと位置を決めるようにしてもよい。たとえば、図4aに示すように、同じSKUの品物43をグループ42に配置し、これを2個のセンサ30cで監視する。品物43のうちの4個が両方のセンサ30cの空間、特に、2個のセンサ30cがぶつかるエリアに沿って置かれている。適切な較正とデータ処理とを利用して、2個のセンサからのデータを修正し、在庫品についての定量的な目安を得ることができる。たとえば、センサ30cの併用出力を一緒に較正して、図4aに示す配置で「一杯」であると読む。図4bでは、品物43のうちの5個が顧客によって棚12cから取り出されている。品物43が12個のときに2個のセンサ30cの併用出力を較正して「一杯」と読んでいるため、センサ30cの併用出力は品物7個で一杯の状態の約58%と解釈することになるか、この結果を丸めて一杯の状態の約60%であると読んでもよい。たとえば、合計9個の品物43など十分な品物43を棚12cから取り出すと、センサ30の併用出力は一杯の状態に対して25%だということになり、(ユーザが仮に25%を補充メッセージを送る閾値レベルとして選択していれば)品物43を棚12cに補充する必要があるという信号をユーザに送る。あるいは、全体としてのセンサ応答を6個の品物43に較正し、各センサ30cに品物43全体が合計4個と、別の4個の品物43の半分とを含む場合、各センサ30cを個々に較正して「一杯」と読むことが可能である。この配置では、図4bの左側のセンサ30cが合計4個の品物43(品物43全体が3個と品物43の半分が2個)を検知し、これで「一杯の状態の66%」と読む。図4bの右側のセンサ30cは、合計3個の品物43(品物43全体が2個と品物43の半分が2個)を検知し、「一杯の状態の50%」と読む。
【0094】
図5aおよび図5bはそれぞれ、顧客が品物を取り出す前と後の第4の棚12dの上を示している。図5aでは、センサ30cは棚12dの前半分だけを監視する。一般に顧客は、品物をディスプレイや棚の前側のエリアから取り出し、棚の前側のエリアが空になるとさらに後ろから選ぶ。図5aに示すように棚の前側のエリアが完全に一杯であれば、センサに対応するエリアが「100%一杯」であるという意味にセンサ30cを較正すればよい。図5bでは、品物49のうちの5個がすでに取り出されている。センサ30cを較正して、これに対応する検知用の空間で品物49が12個のときに「一杯」と読むようにしてあるため、センサ30cでは、このセンサに対応する空間が今、一杯の状態の約58%であるという意味に解釈可能な出力が得られるか、あるいは、この解釈を丸めて一杯の状態の約60%という意味にする。たとえば合計12個の品物41など、十分な品物49が棚12dから取り出されると、センサ30cの出力はそのセンサに対応する空間が今100%空であるという意味に解釈できる。このようにすれば、品物監視用システムが、品物49を棚12dに補充する必要があるというメッセージをユーザに送信することもできる。SKU空間の一部しかカバーしないセンサを利用することは、空のセンサ空間に相当する在庫レベルが補充に対する所望の閾値レベルとほぼ同じであるときに、特に都合がよい場合がある。あるいは、品物監視用システムは、品物を前に移動させて棚の前のほうに持ってくるときだというメッセージをユーザに送信でき、店舗のオーナーまたは店舗のマネージャが(すなわち、見た目をきちんとして、顧客が品物に届きやすいようにするために、SKU空間内のすべての品物をできるだけ棚の前に近くなるように配置して)棚を「前向きに」しておきたい状況で役立つことがある。このような特定の例では、センサに対応する空間が空になるシステムで分断されたとしても、顧客が買う品物49を棚12dにおいておける点に注意されたい。
【0095】
図5aでは、顧客に近い棚12dの前側に向かってグループ46に品物47を配置する。この配置では、品物監視用システム10のセンサ30bを較正して「一杯」であると読むことができよう。図5bでは、品物41のうちの8個がすでに取り出されている。センサ30bを較正して、空間内に品物が28個あると「一杯」だと読むようにしたため、センサ30aは一杯の状態に対して約71%であると決定するか、丸めて一杯の状態に対して70%であると読むことができる。たとえば合計14個の品物47など、十分な品物47が棚12cから取り出されると、センサ30bまたは品物監視用システム10では、そのSKU空間が一杯の状態の約50%であると読むことができる。SKU空間が一杯の状態に対して50%未満まで落ちると、品物監視用システムでは品物47を棚12dに補充する必要があるという信号をユーザに送ることができる。
【0096】
図5aおよび図5bのセンサ30bは、SKU空間に直交して配置されている。センサ30bは、第1の導波管部分80に隣接するフリンジ場内の品物を検出するだけである。よって、SKU空間内の品物の大半は直接測定されることがない。しかしながら、顧客は通常、棚の前から先に品物を取り出し、取り出しのパターンがどの時間でも厳密に同じというわけではないが、品物の各行がその後ろにある行から品物が取り出される前に完全に取り出されると仮定すると、第1の導波管部分80に近接した品物だけを測定できるよう十分に両立され、SKU空間内の品物のおおよその数を有益なレベルの精度まで決定する。
【0097】
図には棚のほぼ半分を占めた状態でそれぞれのSKU空間を示してあるが、一般に幅約1cmと小さな範囲から棚の幅一杯まで、棚の上の一定範囲の幅を単一のSKUで占めることができる点を理解されたい。本発明のセンサは、広範囲にわたるSKUのサイズと形に合わせるために、さまざまなサイズにすることができるものである。1個のSKUが占める空間の一部だけにセンサが含まれる場合ですら、依然として補充の必要性に関する有用な情報を提供することができる。
【0098】
品物監視用システム10が、SKUレベルで、各センサ30に対応する物理的な物体の数に関する現在またはリアルタイムの情報を提供するものであると好ましい。リアルタイムの情報は、データを収集して処理するあいだ、あるいはデータを収集して処理する時間のうちのわずかな時間のあいだの真の状態を正確に表す情報として定義される。言葉を変えると、情報は現状または極めて現状に近いものである。「わずかな時間」の定義は用途によって決まるものであるが、一般には在庫切れまたは在庫が少ない状況を改善するために小売業者が物理的な行動を取るのに必要な反応時間の半分未満、好ましくは10分の1未満である。たとえば、品物を店舗の裏から棚に移動させるのに20分かかるとすると、その棚の状態がどうなっているかを知るためのリアルタイムの情報は10分以内であると考えられよう。実際の運用では、1日1時間などの不定期でリアルタイムの情報を収集することを小売業者が決めればよいが、それにもかかわらず、この情報は情報を収集した時点でのSKUの状態を正確に反映しているためリアルタイムのものである。当業者であれば明らかなように、システムの厳密なパフォーマンスは監視対象となるSKUの数とSKUあたりのデータ量とに依存する。また、2以上の近い間隔の時間で情報を集め、これよりも長い時間にわたっての在庫品に関する情報の精度を改善すると好ましいこともある。たとえば、感光センサ30c上に顧客が原因の影ができることによる影響をなくすために、第1の時刻と、第1の時刻の20秒後の第2の時刻とにデータを収集し、結果を比較して、第1の時刻と第2の時刻の両方を含む時間間隔での状態をならした在庫品情報を得る。
【0099】
本発明の品物監視用システム10は、たとえば、棚の上、エンドキャップの上、チェックアウトスタンドになど、店舗内の複数の場所に容易に設置可能なものである。目立つおよび/または頻繁に高い売り上げにつながるなどの理由で、特定の場所を監視すると好ましい場合がある。さらに、店舗内の複数の場所で販売用に陳列される品物を監視すると役立つことがある。品物をセール販売中または割引券や広告などを使って販促中であれば、たとえば、店舗内の複数の場所(そのSKUでの通常の場所を含むが、一般にこれとは別の目立ついくつかの場所)にこれを陳列することが多い。本発明の品物監視用システムを用いて、補充が必要であることを決定するだけでなく、最初に在庫切れになる場所(すなわち、そこから品物が最も短時間で売られる場所)を決定する好ましい場合がある。
【0100】
耐久性、具体的な小売り品に対する感性、店舗の見た目、設置の困難さなどがゆえに、特定タイプのセンサ30a、30b、30cが特定の品物または店舗に好ましいものになることは、当業者には理解できよう。小売業者によっては、2以上のタイプのセンサ30a、30b、30cを利用して同じSKU内の特定グループの品物をカバーすることを必要とする場合もある。
【0101】
製造と設置を簡単にするために、1以上の標準的なサイズのセンサ30を一組提供すると好ましいことがある。一例として、標準的なセンサ30は幅10cm、長さ30cmのことがあり、これらのセンサを多数、その端を棚の前端と10cmぴったり重ねて、各センサ間に2cmの間隔をとって棚の上に配置することができる。幅と長さの異なるセンサを間隔をあけて、あるいは間隔なしで配置して利用する他の例も当業者であれば自明であろう。センサ同士の相互作用を軽減したり、センサの個数を減らしたり、設置の際にセンサを厳密に位置決めする必要性を少なくする目的で、センサ間に間隔をあけるほうが好ましい場合もある。
【0102】
標準サイズのセンサを用いると、少数のSKU空間で2個以上のセンサが必要なこと、あるいは単一のセンサに2個以上のSKU空間の一部を含み得る(特に、少ない数の品物を在庫状態に維持し、そのSKUについては極めて小さな容積につながる、極めて小さな品物)ことに特定の小売業者が気付くことがある。仮にそうであっても、標準サイズのセンサを用いると、SKUレベルでSKUの品物大多数の在庫レベルに関する情報が得られる。標準サイズのセンサまたは他の要因がゆえに、いくつかのセンサが1個の品物に近接して配置される希なケースでは、冗長なセンサを無視またはシステムによって止めることが簡単にできる。
【0103】
本発明のセンサは、ロールツーロール方式で製造可能なものであり、ロール状で設置場所に供給できるものである。ロールツーロール方式は一般に、大量かつ低コストの製造作業で効率的かつ好適であるため、上記が好都合である場合がある。さらに、センサのロールは、設置場所での取り扱いおよび/またはカスタマイズが容易である。しかしながら、本発明のセンサを、標準サイズのプレカットシートを含むシートとして製造および供給してもよいし、速やかに設置できるプレカットパネルまたは他の形態で提供してもよい。
【0104】
見た目を目立たなくする、あるいは(たとえば、広告や小売店の顧客の便宜を図るために)SKUの品物をもっと人目を引くようにする目的で、フィルム、印刷されたロールまたはフィルムや紙のシート、ディスプレイ、箱、ケース、ライトなどの別の素材、構成要素または装置をセンサ30と併用してもよい。
【0105】
特徴の異なる、あるいは別の技術を採用した特殊な検知装置をさらに含むようにして、極めて高価な消費者用電子機器などの特殊な品物についての在庫品情報を提供することは、品物監視用システム10についての本発明の範囲内である。このような特殊な検知装置に、1個以上のセンサを組み込んで1個の品物を検知してもよいし、あるいは、各品物のRFIDタグなどの特殊なタグを品物に付けなければならないようにしてもよい。たとえば通信ネットワークを活用する目的で、このような特殊な検知装置をシステム10に加えると都合がよい場合がある。
【0106】
本発明の品物監視用システムは、物性、値および数量の点で大きなバラツキがある個々の品物とSKUが多数ある小売店舗で使用するのに特に適しているが、本発明の品物監視用システムを、工業環境、製造環境、ビジネス環境、さらには病院などの施設の部品保管庫、工具保管エリア、設備保管エリアなどの保管庫または保管エリアならびに、会社や薬局の備品保管エリアに利用してもよい。また、本発明の品物監視用システムは、小売店舗の裏にある保管エリアや倉庫、流通センターで有用なこともある。
【0107】
品物監視用システム10を用いる多種多様な方法が有用である。ひとつの方法には、a)センサ30を提供するステップと、b)センサ30に対応する第1の大きさの空間内に複数の品物を配置するステップと、c)第1の事例で第1の大きさの空間内の複数の品物をセンサで検知するステップと、d)このステップに対応する第1の大きさの空間内の品物の数量を決定するステップと、が含まれる。センサは、たとえば第1の事例の数分後または1時間後などの第2の事例で、このセンサに対応する第1の大きさの空間内の複数の品物を検知して、この第2の事例の間の第1の大きさの空間内の品物の数量を決定し、これを第1の事例の間の第1の大きさの空間における品物の数量と比較して、品物の個数が変化したかどうかを知ることができる。第1の事例と第2の事例の間にセンサ30から集められた情報を、センサの電子部品50によって通信ネットワーク経由でコンピュータ24に送ることができる。
【0108】
コンピュータ24では、第1の事例から得た情報と第2の事例から得た情報とを処理し、そのセンサに関連した棚上の品物の現在の数を決定することができる。コンピュータには、品物の個数が閾値未満になったときにユーザにアラームを送るための特定の閾値が設定されていてもよい。たとえば、コンピュータから、第1の空間エリア内の品物の数量が50%など第1の数量よりも多いか、第1の数量未満であるかについて、信号をユーザに送ることができる。あるいは、コンピュータから、第1の空間エリア内の品物の数量が75%など第1の数量よりも多いか、50%など第1の数量未満であって第2の数量よりは多いか、第2の数量未満であるかについて、信号をユーザに送ってもよい。
【0109】
以下の詳細な実施例を参照して、本発明の動作についてさらに説明する。これらの実施例は、具体的かつ好ましいさまざまな実施形態ならびに技術についてさらに示すためのものである。しかしながら、本発明の範囲内にありながら多くの変形や改変をほどこすことができる点は理解されたい。
【0110】
実施例1
この実施例では、図3および図3aに示すようなくし形キャパシタ「(IDC)」キャパシティブセンサ30aを利用した。キャパシタは、支持体の反対側には接地シールド98のある誘電性支持体96に装着された二組の交互に走る導体92、94で構成されていた。この二組の導体を逆の電位で駆動し、導体間に逆方向の電流を流して電界を作り出した。
【0111】
この実施例のセンサについては、導体92、94に幅2.54cm(図3aに示す寸法「a」)の銅箔テープ、そして、マサチューセッツ州ピッツフィールドに所在するGEプラスチックスから商品名レクサンで入手可能な透明ポリカーボネート材料の60.96cm×121.92cm×0.159cmのシートを誘電性支持体96として用いて構成した。導体の間隔は2.54cm(図3aに示す寸法「b」)とした。このIDC構造体を、ワシントン州オーバーンに所在するオールモストオールデジタルエレクトロニクスから市販されているインダクタンス/容量計の型番L/CメータIIBの発振回路に電気的に接続した。以下の回路図でメータの発振回路とする。
【0112】
【表1】

【0113】
このメータの発振回路は、回路成分C1およびL1によって決まる周波数で動作する。センサをメータに電気的に接続すると、メータの発振回路は回路成分C1、L1に加えて、センサから供給される別の容量によって決まる周波数で動作する。センサの表面に物体を配置し、センサの表面からこの物体を取り除く際に、発振器の周波数の変化を監視した。この回路では、0.01pFの容量の変化で周波数が約5Hz変化した。
【0114】
金属製の棚売ユニットならびにラミネートのデスクトップと一体化された、くし形キャパシタセンサを用いて、ミネソタ州ミネアポリスのターゲットコーポレーションが流通させている、マーベラスマーシュマローミステリーズ(MARVELOUS MARSHMALLOW MYSTERIES)という商品名で販売されているドライシリアルの14オンス(396g)サイズの箱と、オハイオ州シンシナティにあるプロクターアンドギャンブル製のディープクリーンタイド(DEEP CLEAN TIDE)液体洗濯洗剤の100液量オンス(2.95リットル)サイズの瓶を、センサの上に載せたときに検知した。センサは、品物各々のサイズ、形または素材とは無関係に、すべての品物を検知した。検知した品物のタイプと数ごとの周波数の出力値を表1および表2にあげておく。表2にあげた周波数の出力データから、液体洗剤のボトルが1本なくなると、平均して2896Hzの周波数の変化が起こることが分かった。
【0115】
【表2】

【0116】
【表3】

【0117】
この実施例のくし形キャパシタセンサを用いて、異なる2タイプの品物の在庫品の状況を決定した。ニュージャージー州プリンストンのドワイトアンドクラークインコーポレイテッド製のアームアンドハマーのファブリケア粉洗剤、4.89lb(2.22kg)サイズの箱と、ニュージャージー州プリンストンのアームアンドハマーのヘビーデューティ液体洗剤1ガロン(3.78l)サイズのボトルとを、センサの一方の端から反対側の端すなわち、センサの前(位置番号1)から後ろまで(粉に位置番号5、液体に番号4)行列させた同じセンサの上に配置した。粉洗剤の箱をひとつの行に配置し、液体洗剤を2番目の行に配置した。取り出す品物のタイプと、品物を取り出す位置ごとの周波数の出力データを、表3にあげておく。
【0118】
【表4】

【0119】
実施例2
この実施例では、実施例1で使用したものと同じIDCセンサを用いて、信号をセンサに送り込み、反射信号の位相の変化を求めた。これを達成するにあたり、基準信号すなわちセンサに送り込まれる信号と反射信号という2つの信号の位相差を求めた。基準信号とセンサからの反射信号とを一緒にミキシングして得られるミックスド出力信号のDC(直流電流)項(term)を測定した。DC項は反射信号の位相の変化に比例するため、これによって位相の変化の差が得られた。従来技術において周知の好適な位相検出回路を、本願明細書に援用するフロイドM.ガードナー、Ph.D.、Phaselock Techniques、第2版、1979、ジョンワイリーアンドサンズインコーポレイテッド、ニューヨーク州ニューヨーク、第106〜125ページに見いだすことができる。
【0120】
本実施例の位相検出回路の所望の動作周波数範囲は5〜15MHzであった。所望の動作周波数範囲は、棚センサのインピーダンスがキャパシティブ領域の周波数範囲とインダクティブ領域の周波数範囲との間にくるところであり、これはセンサの構造とセンサ上またはセンサの近くにある品物のタイプに左右される。センサが検知する容積部分(volume)に品物を追加またはそこから品物を取り出す際に、センサのインピーダンスがキャパシティブとインダクティブとの間で入れ替わると位相が最も大きく変化する。
【0121】
オハイオ州シンシナティのプロクターアンドギャンブル製のディープクリーンタイド液体洗濯洗剤の100液量オンス(2.95リットル)サイズのボトルを棚から取ったときのミックスド出力信号のDC電圧レベルに対応する反射信号の位相の変化を表4に示す。位相の変化については、ミックスド出力信号のDC電圧出力を測定することで求めた。
【0122】
【表5】

【0123】
実施例3
この実施例では、レクサンシートの底側に銅箔98がない以外は実施例1で使用したものと同じIDCセンサを用いた。IDCセンサを金属棚の上に配置した。使用するインダクタンス/容量メータは実施例1と同じとした。
【0124】
ニュージャージー州キャムデンのキャンベルスープ社製で商品名キャンベル濃縮トマトスープで販売されている10.75オンスサイズ(305g)の缶24本を、段ボールの輸送用紙箱の一部に配置した。すなわち、スープの缶が元の紙箱の底と3つの側面とで支持されるが、紙箱の上と前側が取り除かれるように、元の紙箱を切って手を加えた。このように手を加えた紙箱と24本のスープ缶を、紙箱の底がスープ缶とセンサとの間にくるようにしてセンサの上に配置した。
【0125】
一杯の棚(棚にスープの缶が24本ある)の周波数値を測定した。さまざまな場所からスープの缶を一度に2本ずつ取り出し、一杯の棚の周波数値からの周波数の変化を測定した。周波数変化の測定データを表5に示す。また、缶24本と缶0本の間の平均周波数変化も示しておく。
【0126】
【表6】

【0127】
実施例4.
この実施例では、図3および図3bに示すようなマイクロストリップ導波管センサ30bを利用した。マイクロストリップ導波管については、以下のようにして形成した。幅1.6cm(寸法c)、長さ1.219m(寸法f)の銅箔80の切片を、誘電性支持体としてのマサチューセッツ州ピッツフィールドのGEプラスチックスから入手可能なレクサンポリカーボネート材82の切片上に適用した。レクサン材の寸法は1.219m×0.305m×6.4mm(寸法「d」)であった。銅箔80の長さ方向に沿ってこれと交差する仮想線が、レクサン材82の切片の長さ方向に沿ってこれと交差する仮想線のすぐ上にくるように、すなわち銅箔80がレクサン材82の切片の上で長さ方向の真ん中にくるようにして銅箔80を配置した。72mm(寸法「e」)×1.219m(寸法「f」)の銅箔84のもうひとつの層を接地面として誘電材料の底側に適用した。この銅箔も、レクサン材の切片の下で長さ方向の真ん中にあった。
【0128】
マイクロストリップ導波管の一端を、カリフォルニア州パロアルトのヒューレットパッカードから入手したヒューレットパッカードモデル8720Cネットワークアナライザに接続した。このネットワークアナライザは、導波管の一端から導波管80の上部分を介して送信された(送り込まれた)広周波数帯信号を生成した。導波管の上部分の他端に50オームの負荷終端器を接続した。(50オームの負荷終端器は導波管の特性インピーダンスに整合する。よって、導波管に品物が配置されていないとき、送り込まれる信号は50オームの負荷に吸収され、反射信号は発生しない。)
【0129】
ミネソタ州ミネアポリスのターゲットコーポレーションが流通させている、マーベラスマーシュマローミステリーズのドライシリアルの14オンス(396g)サイズの箱を4箱、導波管に沿って4ヶ所に配置した。導波管に沿って配置したシリアルの箱によって、シリアルの箱があるそれぞれの場所で導波管に沿ってフィールドの摂動が発生し、送り込んだ信号の一部が反射してそれぞれ異なる場所に戻った。続いて、ネットワークアナライザで導波管に沿ったこれらの信号の摂動を検出した。ネットワークアナライザでは、各反射信号の逆フーリエ変換を計算して、各反射信号の時系列の情報を求めた。それぞれの反射波について計算された時系列の情報(この実施例では各々が導波管に沿ったシリアルの箱の場所を示す)を表6に示す。
【0130】
【表7】

【0131】
品物から反射される各信号を受信するための時間が、信号が送り込まれた点からの品物の距離に関連していることに注意されたい。
【0132】
実施例5.
この実施例では、図3に示すような光起電力センサ30cを利用した。アイオワ州ブーンのアイオワスィンフィルムテクノロジーズから入手したパワーフィルムという商品名で製品番号MP7.2−150の光起電力ソーラーパネル3枚と、パワーフィルムという商品名で製品型番MP7.2−75の光起電力ソーラーパネル1枚を並列に接続した。アイオワスィンフィルムテクノロジーズからの光起電力ソーラーパネル製品の仕様によれば、太陽光を一杯に受けた状態で、これら4枚のソーラーパネルを併用すると、7.2ボルトで525mAの電流が生成される。
【0133】
幅20インチ(50.8cm)×奥行き10インチ(25.4cm)のエリアの棚部分を利用した。この棚部分にソーラーパネルを(棚部分の上に載せる形で)統合し、厚さ1/8インチ(0.32cm)のレクサン材のシートで覆った。電圧計をパネルに接続した。この電圧計は、ニュージャージー州アヴェネルのR.S.R.エレクトロニクスインコーポレイテッドのモデル926のデジタルマルチメータであった。
【0134】
光源は一般的な屋内の蛍光とした。
【0135】
レクサン材のシートで覆った光起電力パネルと棚部分との組み合わせすなわちセンサを、周囲の室内光でセンサが照光され、センサに他の構造体の影ができて周辺光がセンサに直接照射されるのが妨げられることのないようにして、貯蔵ユニットの一番上に配置した。センサの位置については、部屋の天井にある蛍光照明設備の真下にはこないように定めた。このような照明構成で、センサからは0.30Vの信号が生成された。イリノイ州ノースフィールドのクラフトフーズ製のイージーマックという商品名のマカロニとチーズの食品の12.9オンスサイズ(366g)の箱6箱を、一度に1箱ずつセンサの上に配置した。6箱でセンサがほぼ完全に覆われた。センサの上にある箱の数に応じたセンサの実測出力電圧を表6に示す。
【0136】
【表8】

【0137】
蛍光照明設備の真下にくるように配置したセンサを用いると、空の検知装置の実測出力電圧は3.85Vであった。ミネソタ州セントポールの3M社製でウルトラソンという商品名の殺虫剤の6オンスサイズの金属エアゾール缶(170g)24本を、1行あたり6本の缶で4行作ってパネルの上に置いた。センサの上にあるエアゾール缶の数に応じたセンサの実測出力電圧を表7に示す。
【0138】
【表9】

【0139】
上述した試験ならびに試験結果は、予測的なものというよりは単なる一例にすぎず、違った結果が得られる試験手順のバリエーションを想定することも可能である。
【0140】
以上、いくつかの実施形態を参照して本発明について説明した。上記の詳細な説明ならびに実施例は、理解する内容を明確にするだけの目的のものである。そこからは、不必要な限定は考えられない。本願明細書に引用した特許ならびに特許出願についてはいずれも、本願明細書に援用する。本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に多くの変更をなし得ることは、当業者であれば明らかであろう。よって、本発明の範囲は、本願明細書に記載の厳密な詳細内容ならびに構造によって限定されるものではなく、特許請求の範囲の言語で説明される構造ならびにその構造の等価物によって限定される。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】本発明の品物監視用システムの一実施形態の概略図である。
【図2】検知装置の一実施形態の電気ブロック図を示す。
【図3】品物を棚から取り出した状態での図1の棚の配置の斜視図を示す。
【図3a】図3のセンサのうちの1個を線3a−3aに沿って切った部分の断面図である。
【図3b】図3のセンサのうちの1個を線3b−3bに沿って切った断面図である。
【図4a】図1の品物がある棚のうちの1個を線4a−4aに沿って切った上面図を示す。
【図4b】いくつかの品物を棚から取り出した状態での図4aのような上面図を示す。
【図5a】図1の品物がある棚のうちの1個を線5a−5aに沿って切った上面図を示す。
【図5b】いくつかの品物を棚から取り出した状態での図5aのような上面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサであって、当該センサに対応する第1の大きさの空間内の複数の品物を検知し、かつ金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を検知できるセンサと、
通信ネットワークと、
センサから通信ネットワーク経由で情報を受信するコンピュータと、を備える
品物監視用システム。
【請求項2】
センサが第1の大きさの空間内の複数の品物を検知して、関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信する、請求項1に記載の品物監視用システム。
【請求項3】
コンピュータが第1の大きさの空間内の品物の数量を決定する、請求項2に記載の品物監視用システム。
【請求項4】
センサが第1の事例で第1の大きさの空間内の複数の品物を検知し、このセンサが第2の事例で第1の大きさの空間内の複数の品物を検知し、コンピュータが第1の事例からの情報と第2の事例からの情報とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する、請求項3に記載の品物監視用システム。
【請求項5】
センサが第1の大きさの空間内の品物の数量を決定する、請求項2に記載の品物監視用システム。
【請求項6】
センサが第1の事例で第1の大きさの空間内の複数の品物を検知し、このセンサが第2の事例で第1の大きさの空間内の複数の品物を検知し、このセンサが第1の事例からの情報と第2の事例からの情報とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する、請求項5に記載の品物監視用システム。
【請求項7】
棚をさらに備え、この棚にセンサが取り付けられている、請求項1に記載の品物監視用システム。
【請求項8】
第1の大きさの空間がセンサの上にくるようにセンサが配置されている、請求項1に記載の品物監視用システム。
【請求項9】
第1の大きさの空間がセンサの下にくるようにセンサが配置されている、請求項1に記載の品物監視用システム。
【請求項10】
第1の大きさの空間がセンサの脇にくるようにセンサが配置されている、請求項1に記載の品物監視用システム。
【請求項11】
センサの応答が、第1の大きさの空間内の品物の重量とは無関係である、請求項1に記載の品物監視用システム。
【請求項12】
品物監視用システムのコンピュータが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量以上であるか第1の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る、請求項1に記載の品物監視用システム。
【請求項13】
品物監視用システムが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量以上であるか、第1の数量未満であり、かつ第2の数量以上であるか、第2の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る、請求項1に記載の品物監視用システム。
【請求項14】
コンピュータが通信ネットワーク経由でセンサに情報を送信する、請求項1に記載の品物監視用システム。
【請求項15】
センサが平面キャパシティブセンサを含む、請求項1に記載の品物監視用システム。
【請求項16】
平面キャパシティブセンサが第1の大きさの空間内での電界状態の変化に応答して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、品物監視用システムが第1の大きさの空間内の品物の数量を決定する、請求項15に記載の品物監視用システム。
【請求項17】
キャパシティブセンサが非金属の支持体に取り付けられた電極を含む、請求項15に記載の品物監視用システム。
【請求項18】
電極がパターン形成された導体を有する、請求項17に記載の品物監視用システム。
【請求項19】
センサが導波管を有する、請求項1に記載の品物監視用システム。
【請求項20】
センサが感光センサを含む、請求項1に記載の品物監視用システム。
【請求項21】
感光センサが、第1の大きさの空間内での光量の変化に応答して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、品物監視用システムが、第1の大きさの空間内の品物の数量を決定する、請求項20に記載の品物監視用システム。
【請求項22】
品物が第1の大きさの空間から取り出されると、第1の大きさの空間の光量が増し、感光センサで電流、電圧または抵抗の変化が生じる、請求項21に記載の品物監視用システム。
【請求項23】
感光センサが、第1の事例で第1の大きさの空間内での光量に応答して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、この感光センサが、第2の事例で第1の大きさの空間内での光量に応答して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、品物監視用システムが第1の事例からの情報と第2の事例からの情報とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する、請求項21に記載の品物監視用システム。
【請求項24】
感光センサが光起電力センサである、請求項20に記載の品物監視用システム。
【請求項25】
通信ネットワークの一部が無線である、請求項1に記載の品物監視用システム。
【請求項26】
第1の大きさの空間内の複数の品物がいずれも同じ最小在庫管理単位である、請求項1に記載の品物監視用システム。
【請求項27】
第1の大きさの空間内の複数の品物が、複数の異なる最小在庫管理単位である、請求項1に記載の品物監視用システム。
【請求項28】
システムが第2のセンサを含み、この第2のセンサが、当該第2のセンサに対応する第2の大きさの空間内の複数の品物を検知する、請求項1に記載の品物監視用システム。
【請求項29】
センサが第1の大きさの空間内の品物の数量に関連した変数出力を生成する、請求項1に記載の品物監視用システム。
【請求項30】
変数出力には、周波数、位相、電流、電圧、抵抗、時間、振幅またはこれらの組み合わせを含み得る、請求項29に記載の品物監視用システム。
【請求項31】
棚と、
棚に取り付けられた平面キャパシティブセンサであって、当該キャパシティブセンサでの周波数を変化させることで平面キャパシティブセンサの上の第1の大きさの空間での電界状態の変化に応答し、かつ、非金属の支持体に取り付けられた電極(パターン形成された導体を有する)を含み、金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を検知できるキャパシティブセンサと、
その一部が無線である通信ネットワークと、
平面キャパシティブセンサから通信ネットワーク経由で情報を受信するコンピュータと、を備え、
平面キャパシティブセンサが第1の事例で周波数を測定して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、平面キャパシティブセンサが第2の事例で周波数を測定して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、コンピュータが第1の事例からの周波数と第2の事例からの周波数とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定し、コンピュータが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量以上であるか第1の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る、品物監視用システム。
【請求項32】
棚と、
棚に取り付けられた平面キャパシティブセンサであって、当該キャパシティブセンサでの位相を変化させることで平面キャパシティブセンサの上の第1の大きさの空間での電界状態の変化に応答し、非金属の支持体に取り付けられた電極を含み、電極はパターン形成された層導体を有し、金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を検知できる平面キャパシティブセンサと、
その一部が無線である通信ネットワークと、
平面キャパシティブセンサから通信ネットワーク経由で情報を受信するコンピュータと、を備え、
平面キャパシティブセンサが第1の事例で位相を測定して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、平面キャパシティブセンサが第2の事例で位相を測定して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、コンピュータが第1の事例からの位相と第2の事例からの位相とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定し、コンピュータが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量以上であるか第1の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る、品物監視用システム。
【請求項33】
棚と、
棚に取り付けられたセンサであって、導波管を有し、かつ、金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を検知できるセンサと、
その一部が無線である通信ネットワークと、
センサから通信ネットワーク経由で情報を受信するコンピュータと、を備え、
センサが第1の事例で導波管経由で第1の電磁波信号を送信し、第1の電磁波信号の反射を監視して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、センサが、第2の事例で第2の電磁波信号を導波管経由で送信し、第2の電磁波信号の反射を監視して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、コンピュータが第1の事例からの情報と第2の事例からの情報とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定し、コンピュータが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量以上であるか第1の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る、品物監視用システム。
【請求項34】
棚と、
棚に取り付けられた光起電力センサであって、当該光起電力センサの上にある第1の大きさの空間内での光量の変化に応答し、かつ、金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を検知できる光起電力センサと、
その一部が無線である通信ネットワークと、
光起電力センサから通信ネットワーク経由で情報を受信するコンピュータと、を備え、
光起電力センサが、第1の事例で第1の大きさの空間内での光量に応答して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、光起電力センサが、第2の事例で第1の大きさの空間内での光量に応答して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信し、コンピュータが第1の事例からの情報と第2の事例からの情報とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定し、コンピュータが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量以上であるか第1の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る、品物監視用システム。
【請求項35】
センサに対応する第1の大きさの空間内の複数の品物を検知し、かつ、金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を検知できるセンサを提供するステップと、
複数の品物を第1の大きさの空間に置くステップと、
第1の事例で第1の大きさの空間内の複数の品物をセンサで検知するステップと、
第1の大きさの空間内の品物の数量を決定するステップと、を含む、品物監視方法。
【請求項36】
センサが取り付けられた表面と、通信ネットワークと、センサから通信ネットワーク経由で情報を受信するコンピュータとを設けるステップと、
検知ステップの後に、検知ステップに関する情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信するステップと、
第1の大きさの空間内の品物の数量をコンピュータで決定するステップと、をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
第2の事例で第1の大きさの空間内の複数の品物を検知して関連情報を通信ネットワーク経由でコンピュータに送信するステップをさらに含み、
決定するステップが、第1の事例からの情報と第2の事例からの情報とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定することを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
第1の事例の間の検知ステップの間、第1の大きさの空間が第1の数量の品物を含み、第2の事例の間の検知ステップの前に、第1の大きさの空間が第2の数量の品物を含み、前記方法が、第1の事例の間の検知ステップと第2の事例の間の検知ステップとで得られた情報に基づいてセンサを較正するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
第1の事例の間、第1の大きさの空間が品物で満たされており、第2の事例の間の検知ステップの前に、すべての品物が第1の大きさの空間から取り出され、前記方法が、第1の事例の間の検知ステップで得られた情報と第2の事例の間の検知ステップで得られた情報を補間し、第1の大きさの空間内での品物のさまざまな量を決定してセンサを較正するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
センサが第1の大きさの空間内の品物の重量とは無関係である、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
決定するステップの後で、コンピュータが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量よりも多いか、第1の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
決定するステップの後で、コンピュータが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量よりも多いか、第1の数量未満であって第2の数量より多いか、あるいは第2の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
センサが平面キャパシティブセンサである、請求項35に記載の方法。
【請求項44】
検知ステップが、第1の大きさの空間内での電界状態の変化に応答し、平面キャパシティブセンサでの周波数を変化させることを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記方法が、
第2の事例で第1の大きさの空間内の複数の品物を検知するステップをさらに含み、
決定するステップが、第1の事例で得られた周波数の測定値と第2の事例で得られた周波数の測定値とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定することを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
検知ステップが、第1の大きさの空間内での電界状態の変化に応答し、平面キャパシティブセンサでの位相を変化させることを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記方法が、
第2の事例で第1の大きさの空間内の複数の品物を検知するステップをさらに含み、
決定するステップが、第1の事例で得られた位相の測定値と第2の事例で得られた位相の測定値とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
センサが導波管を有する、請求項35に記載の方法。
【請求項49】
検知ステップが第1の信号を導波管経由で送信することを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記方法が、
第2の信号を導波管経由で送信することで第2の事例で第1の大きさの空間内の複数の品物を検知するステップをさらに含み、
決定するステップが、第1の事例で得られた信号の測定値と第2の事例で得られた信号の測定値とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定することを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
センサが感光センサを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項52】
検知ステップが第1の大きさの空間内での光量の変化に応答する感光センサを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
置くステップの後に、第1の大きさの空間から複数の品物のうちの1個を取り出し、検知ステップが、感光センサでの電流、電圧または抵抗を変化させることを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記方法が、
第2の事例で第1の大きさの空間内での光量に応答する感光センサによって、第2の事例で第1の大きさの空間内の複数の品物を検知するステップをさらに含み、
決定するステップが、第1の事例で得られた測定値と第2の事例で得られた測定値とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定することを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
センサが光起電力センサである、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
第1の大きさの空間内の複数の品物がいずれも同じ最小在庫管理単位である、請求項35に記載の方法。
【請求項57】
第1の大きさの空間内の複数の品物が複数の異なる最小在庫管理単位である、請求項35に記載の方法。
【請求項58】
品物を監視するためのキャパシティブセンサであって、
平面キャパシティブセンサであって、当該平面キャパシティブセンサに対応する第1の大きさの空間内の複数の品物を検知する平面キャパシティブセンサを含み、キャパシティブセンサが、周波数を変化させることで平面キャパシティブセンサに対応する第1の大きさの空間内での電界状態の変化に応答して第1の大きさの空間内の品物の数量を決定し、平面キャパシティブセンサが金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を検知できる、品物を監視するためのキャパシティブセンサ。
【請求項59】
平面キャパシティブセンサが第1の事例で周波数を測定し、平面キャパシティブセンサが第2の事例で周波数を測定し、平面キャパシティブセンサが第1の事例からの周波数と第2の事例からの周波数とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する、請求項58に記載のキャパシティブセンサ。
【請求項60】
平面キャパシティブセンサがコンピュータに接続され、平面キャパシティブセンサが第1の事例で周波数を測定して関連情報をコンピュータに送信し、平面キャパシティブセンサが第2の事例で周波数を測定して関連情報をコンピュータに送信し、コンピュータが第1の事例からの周波数と第2の事例からの周波数とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する、請求項58に記載のキャパシティブセンサ。
【請求項61】
コンピュータが、第1の空間エリア内の品物の数量が、第1の数量以上であるか第1の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る、請求項60に記載のキャパシティブセンサ。
【請求項62】
キャパシティブセンサが非金属の支持体に取り付けられた電極を含み、電極がパターン形成された導体を有する、請求項58に記載のキャパシティブセンサ。
【請求項63】
品物を監視するためのキャパシティブセンサであって、
平面キャパシティブセンサに対応する第1の大きさの空間内の複数の品物を検知する平面キャパシティブセンサを含み、キャパシティブセンサが、位相を変化させることで第1の大きさの空間内での電界状態の変化に応答して第1の大きさの空間内の品物の数量を決定し、平面キャパシティブセンサが金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を検知できる、品物を監視するためのキャパシティブセンサ。
【請求項64】
平面キャパシティブセンサが第1の事例で位相を測定し、平面キャパシティブセンサが第2の事例で位相を測定し、平面キャパシティブセンサが第1の事例からの位相と第2の事例からの位相とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する、請求項63に記載のキャパシティブセンサ。
【請求項65】
平面キャパシティブセンサがコンピュータに接続され、平面キャパシティブセンサが第1の事例で位相を測定して関連情報をコンピュータに送信し、平面キャパシティブセンサが第2の事例で位相を測定して関連情報をコンピュータに送信し、コンピュータが第1の事例からの位相と第2の事例からの位相とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する、請求項64に記載のキャパシティブセンサ。
【請求項66】
コンピュータが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量以上であるか第1の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る、請求項65に記載のキャパシティブセンサ。
【請求項67】
キャパシティブセンサが非金属の支持体に取り付けられた電極を含み、電極がパターン形成された導体を含む、請求項58に記載のキャパシティブセンサ。
【請求項68】
品物監視用の導波管センサであって、
導波管センサに対応する第1の大きさの空間内の複数の品物を検知する導波管を含む導波管センサを含み、導波管センサが、導波管経由で信号を送信し、この信号の反射を監視して第1の大きさの空間内の品物の数量を決定し、センサが金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を検知できる、品物監視用の導波管センサ。
【請求項69】
導波管センサが第1の事例で第1の信号を導波管経由で送信して第1の信号の反射を監視し、導波管センサが第2の事例で第2の信号を導波管経由で送信して第2の信号の反射を監視し、導波管センサが第1の事例で得られる第1の信号の反射と第2の事例で得られる第2の信号の反射とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する、請求項68に記載の導波管センサ。
【請求項70】
導波管センサがコンピュータに接続され、導波管センサが第1の事例で第1の信号を導波管経由で送信して第1の電磁波信号の反射を監視し、かつ、関連情報をコンピュータに送信し、導波管センサが第2の事例で第2の信号を導波管経由で送信して第2の信号の反射を監視し、かつ、関連情報をコンピュータに送信し、コンピュータが第1の事例からの情報と第2の事例からの情報とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する、請求項68に記載の導波管センサ。
【請求項71】
コンピュータが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量以上であるか第1の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る、請求項70に記載の導波管センサ。
【請求項72】
品物監視用の感光センサであって、
感光センサに対応する第1の大きさの空間内の複数の品物を検知する感光センサを含み、感光センサが第1の大きさの空間内での光量の変化に応答し、感光センサが金属を含む品物と金属を含まない品物の両方を検知できる、品物監視用の感光センサ。
【請求項73】
感光センサが第1の事例で第1の大きさの空間内での光量に応答し、感光センサが第2の事例で第1の大きさの空間内での光量に応答し、感光センサが第1の事例からの情報と第2の事例からの情報とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する、請求項72に記載の感光センサ。
【請求項74】
感光センサがコンピュータに接続され、感光センサが第1の事例で第1の大きさの空間内での光量に応答して関連情報をコンピュータに送信し、感光センサが第2の事例で第1の大きさの空間内での光量に応答して関連情報をコンピュータに送信し、コンピュータが第1の事例からの情報と第2の事例からの情報とを比較して第1の大きさの空間内の品物の数量の変化を決定する、請求項73に記載の感光センサ。
【請求項75】
コンピュータが、第1の空間エリア内の品物の数量が第1の数量以上であるか第1の数量未満であるかについて、ユーザに対して信号を送る、請求項74に記載の感光センサ。
【請求項76】
感光センサが光起電力センサである、請求項72に記載の感光センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【公表番号】特表2007−525393(P2007−525393A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500764(P2007−500764)
【出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/002161
【国際公開番号】WO2005/093626
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】