説明

商品販売システム

【課題】顧客に適切に価格情報を提示させることができる商品販売システムを提供することである。
また、在庫数および賞味期限の少なくとも一方の情報に基づいて商品の価格情報を変更させ、かつ顧客に適切に価格情報を提示させることができる商品販売システムを提供することである。
【解決手段】本発明に係る商品販売システムにおいては、ストアコントローラ200が商品の商品マスタ252、商品の販売実績管理記録媒体251、との比較に基づいて現時点における商品販売店舗100における商品および商品個数を認識させることができる。また、当該商品の消費期限または消費時刻、商品個数に基づいて、商品の価格を変動させ、電子表示装置511,512に表示させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客に商品を提供する商品販売店舗における商品販売システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、商品販売店舗等の一例であるスーパーマーケット等においては、有効期限が近づいた商品に対して作業者が値引きシールを商品に手作業で貼り付けることにより、商品の販売促進を図り、在庫商品を減らすという商品販売システムがとられている。このように顧客に対して商品を提供する場合、商品販売店舗においては様々な商品販売システムが用いられている。以下のように商品販売システムに関しては、種々の研究および開発が行われている。
【0003】
特許文献1には、店舗で意識的に販売したい商品を分析する一方で、顧客の購入意思のある商品に適した意識的に販売したい商品を中心に各顧客に対して個別に適した商品情報を提供し、店舗として意識的に販売したい商品の消化率を高めるシステムを提供するクーポン情報提供方式について開示されている。
【0004】
特許文献1に記載されたクーポン情報提供方式においては、情報端末を用いて、顧客の購入している商品の情報を読み取り、その情報をリアルタイムに分析した上で、各顧客に適している商品を、刻々と変化する積極的に売りたい商品(例えば、賞味期限直前の商品)を抽出しながら、その商品を中心に各顧客に対して個別に提案し、販売促進を行うことを特徴とするものである。
【0005】
また、特許文献2には、誤って賞味期限切れの商品が販売されることなく、店員の負担にならずに、商品の賞味期限を管理できるようにする販売登録装置について開示されている。
【0006】
特許文献2記載の販売登録装置においては、各顧客への商品の販売を登録するとともに、その顧客に販売した全商品の買上合計金額を算出して表示する販売登録装置において、各商品に付与され、少なくとも当該商品または当該商品が属する部門を識別するためのコードと当該商品の加工日時とを表すバーコードを読み取るスキャナと、前記コード毎に、当該商品または当該部門の商品の賞味期間に関するデータを記憶する記憶手段と、前記スキャナによって読み取られたバーコードから当該バーコードが付与された商品のコードと加工日時とを獲得する獲得手段と、該獲得手段によって獲得されたコードに対応する賞味期間に関するデータを前記記憶手段から読み出す読出手段と、前記獲得手段によって獲得された加工日時と、前記読出手段によって読み出された賞味期間に関するデータと、現在の日時とに基づいて、当該商品が賞味期間に到達したか否かを判断する判断手段と、該判断手段が当該商品が賞味期限に到達したと判断した場合には、その旨を報知する報知手段とを具備することを特徴とするものである。
【0007】
特許文献3には、期限切れとなって商品を廃棄することなく在庫を消化することができるように、商品の在庫を管理することができるようにする在庫管理システムについて開示されている。
【0008】
特許文献3記載の在庫管理システムにおいては、商品に表示されているバーコードを読み取るバーコードリーダを有するPOSシステムを備え、前記POSシステムは、前記バーコードリーダによって読み取られたバーコードから、前記商品の製造年月日、賞味期限およびこの賞味期限の期間内において、前記製造年月日からの経過期間に応じて前記商品の販売価格を値引きするための値引き情報を取得し、前記値引き情報に基づいて、現在の日時における前記商品の値引き後の販売価格を算出することを特徴とするものである。
【0009】
特許文献4には、有効期限付き商品が有効期限切れであることをその商品の販売登録時に自動的にしかも確実に検出でき、有効期限の管理を人手を介して行う手間を無くして店員の負担軽減をはかり得る商品販売データ処理装置について開示されている。
【0010】
特許文献4記載の商品販売データ処理装置では、商品の販売に関する情報及び有効期限に関する情報をコード化したコード列を読み取るコード列読み取り手段と、現在の日付を記録する日付記憶手段と、前記コード列読み取り手段により読み取ったコード列の販売に関する情報に基づいて該当する商品販売データを売上登録する売上登録処理手段と、前記コード列読み取り手段により読み取ったコード列の有効期限に関する情報と前記日付記憶手段により記憶された日付とに基づいて当該販売商品の有効期限が切れているか否かを判断する有効期限判断手段と、この判断手段により期限切れであることが判断されるとその旨を出力する期限切れ出力手段と、を具備したことを特徴とするものである。
【0011】
特許文献5には、賞味期限付の商品についてその管理を簡便に行えるようにすると共に賞味期限が切れる前に販売促進を図ることができるようにする商品販売システムについて開示されている。
【0012】
特許文献5記載の商品販売システムでは、販売する商品に貼付され少なくともその商品を個別に識別可能な個別IDが記憶されたIDタグと、IDタグに記憶されたその商品の個別ID情報とその商品の賞味期限情報を対応付けて記憶しているデータベースと、商品に貼付されたIDタグの個別IDを読み取る読取装置と、この読取装置により読み取ったIDタグの個別ID情報からデータベースに記憶されたその商品の賞味期限情報を読み出し、現在時刻から賞味期限までの賞味残時間を算出し、その商品に関して算出された賞味残時間に対応付けて商品の値引き率を決定する制御手段と、を備えたものである。
【0013】
【特許文献1】特開平11−353555号公報
【特許文献2】特開平8−101974号公報
【特許文献3】特開2003−16538号公報
【特許文献4】特開平4−174100号公報
【特許文献5】特開2004−185377号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、特許文献1に開示されたクーポン情報提供方式については、情報端末を顧客に持たせることが前提となり、新規顧客にとっては、商品情報を得ることができず、店舗における新規顧客の獲得を実現することが困難である。
【0015】
また、特許文献2に開示された販売登録装置については、賞味期間に到達したか否かを販売登録装置において判断しているため、顧客が購買予定の商品を販売登録装置に持参しなければ判断が行われない。その結果、陳列棚において顧客の購買意欲を高めることはできず、隠れた顧客の購買意欲を獲得することができない。
【0016】
さらに、特許文献3に開示された在庫管理システムについても、POSシステムにおいて販売価格を変更させることができるが、顧客は陳列棚において変更された販売価格を予め認識することができないため、顧客の隠れた購買意欲を獲得することはできない。
【0017】
また、特許文献4に開示された商品販売データ処理装置および特許文献5に開示された商品販売システムについては、販売登録時において自動的に有効期限を判断しているが、顧客は有効期限または販売価格を予め認識することができないため、有効期限に応じた商品の選択を行うことができず、顧客の購買意欲を高めることはできない。また、有効期限が切れている商品を陳列することは、商品販売店舗における信用の失墜を招くこととなる。
【0018】
以上の問題点に鑑み、本発明の目的は、顧客に適切に価格情報を提示させることができる商品販売システムを提供することである。
さらに、本発明の他の目的は、在庫数および賞味期限の少なくとも一方の情報に基づいて商品の価格情報を変更させ、かつ顧客に適切に価格情報を提示させることができる商品販売システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
(1)
本発明に係る商品販売システムは、商品販売店舗において陳列棚に配設された電子表示媒体と、電子表示媒体の表示を遠隔操作する制御装置と、陳列棚に陳列された商品の商品情報を記録する商品情報記録装置と、販売された商品の商品販売履歴情報を記録する商品販売管理装置と、を含み、制御装置は、商品情報記録装置に記録された商品の商品情報と、商品販売管理装置に記録された商品の商品販売履歴情報との比較を行い、比較結果による商品販売店舗に存在する商品の商品情報の賞味期限に基づいて変動させた商品の価格を電子表示媒体に表示させるものである。
【0020】
本発明に係る商品販売システムにおいては、制御装置が商品の商品情報と、商品の商品販売履歴情報との比較に基づいて現時点における商品販売店舗に存在する商品を認識し、当該商品の商品情報の賞味期限に基づいて商品の価格を変動させ、電子表示媒体に表示させることができる。
【0021】
この場合、制御装置により現段階で商品販売店舗内に存在する商品の商品情報を把握することができる。したがって、商品の商品情報に含まれる賞味期限に応じて商品の価格を変動させることができる。例えば、商品の賞味期限が1日前の場合には、商品を特売価格に変更させることができる。その結果、当該特売価格を陳列棚に陳列された電子表示媒体に表示させることができ、陳列棚において顧客の購買意欲を高めることができる。また、在庫数の多い商品ほど特売価格を低価格にすることができ、その結果、商品の在庫数を減らすことができる。
【0022】
(2)
制御装置は、商品販売管理装置に対して変動させた商品の価格情報を与え、商品販売管理装置は、変動させた商品の価格情報を受け取り、当該商品の商品情報に含まれる価格情報を変動させた商品の価格情報に書き換えを行ってもよい。
【0023】
この場合、商品販売管理装置により当該商品の価格情報が、変動させた商品の価格情報に書き換えられるので、顧客が、電子表示媒体に表示された価格を視認し、陳列棚から商品を取り出し、POSシステムで対価の支払いを行う場合でも、商品の価格情報が変動された商品の価格情報に書き換えられているので、POSシステムにおける対価の支払いは、変動された商品の価格情報で行われる。その結果、価格表示が誤っているとの顧客からのクレームを防止することができる。
【0024】
(3)
制御装置は、商品の価格情報を、現在時刻と閉店時刻との比較により変動させてもよい。
【0025】
この場合、商品の価格情報は、現在時刻と閉店時刻(または賞味期限時刻)との比較により変動されるので、販売員が手作業で商品の価格を変更させる必要がなく、作業工数の削減を行うことができる。また、現在時刻および閉店時刻と、賞味期限時刻との比較により変動させてもよい。その結果、閉店時刻に近づくに連れて商品価格を下げることができるので、在庫商品を極力なくすことができる。
【0026】
(4)
制御装置は、比較結果に応じて商品販売店舗に存在する商品の個数を電子表示媒体に表示させてもよい。
【0027】
この場合、制御装置により電子表示媒体に商品の個数を表示させることができる。その結果、顧客に対して残り個数を表示させることにより商品の売れ行き状況を知らせることができ、顧客の購買意欲を高めることができる。
【0028】
(5)
制御装置は、比較結果に応じて商品販売店舗に存在する商品のみを電子表示媒体に表示させてもよい。
【0029】
この場合、制御装置により電子表示媒体には、商品販売店舗に存在する商品のみを表示させることができる。したがって、顧客が、陳列棚に配設された電子表示媒体に表示されている商品が存在しないという失望感を防止することができる。また、商品販売店舗において売り切れた商品を表示させないことにより、在庫のある商品を大きく電子表示媒体に表示させることができる。
【0030】
(6)
制御装置は、比較結果に応じて商品販売店舗の在庫余裕度のある当該商品を電子表示媒体に表示させてもよい。
【0031】
この場合、制御装置により電子表示媒体に在庫余裕度のある当該商品を表示させることができる。その結果、顧客に在庫数の多い商品を表示させることができるので、顧客に対して当該商品の購買意欲を高めることができる。
【0032】
(7)
制御装置は、商品の商品情報に応じてカテゴリ別で電子表示媒体に表示を行わせてもよい。
【0033】
この場合、商品の商品情報に応じてカテゴリ別で電子表示媒体に表示を行わせることができるので、顧客に対してカテゴリ毎の価格情報を提示することができる。例えば、乳製品のカテゴリにおいては、A牛乳200円、B牛乳190円、C牛乳180円と一括表示させることができる。それにより、価格情報を顧客に適切に与えることができ、顧客の購買意欲を高めることができる。
【0034】
(8)
商品を製造する製造工場と、前記製造工場において製造された商品を顧客に販売する商品販売店舗と、前記商品販売店舗において陳列棚に配設された電子表示媒体と、前記電子表示媒体の表示を遠隔操作する制御装置と、前記陳列棚に陳列された商品の商品情報を記録する商品情報記録装置と、販売された前記商品の商品販売履歴情報を記録する商品販売管理装置と、を含み、前記制御装置は、複数のパラメータに基づいて前記商品情報記録装置に記録された前記商品の商品情報と、前記商品販売管理装置に記録された前記商品の商品販売履歴情報との比較を行い、当該比較結果の履歴による前記商品販売店舗に存在する前記商品の商品情報の賞味期限に基づいて変動させた前記商品の価格を前記電子表示媒体に表示させ、かつ前記製造工場に前記商品の製造量の指示を行うことができる商品販売システム。
【0035】
この場合、パラメータに基づいて在庫数および製造数を指示することができる。すなわち、当該パラメータである午前および午後の天候、気象、気温、湿度、祭事、子供の日、クリスマス、運動会、遠足、競合店舗のイベントや動向状況、自社商品販売店舗のイベント、報道関係の宣伝および販売履歴等に基づいて在庫数および製造数を指示することができる。その結果、在庫数を最も最小限に抑制することができ、商品販売店舗における商品不足および余り、さらには、地球環境面に対しても有効な効果を得ることができる。
【0036】
(9)
本発明に係る商品販売システムでは、商品販売店舗に配設された紙媒体印刷装置と、紙表示印刷装置を遠隔操作する制御装置と、陳列棚に陳列された商品の商品情報を記録する商品情報記録装置と、販売された商品の商品販売履歴情報を記録する商品販売管理装置と、を含み、制御装置は、商品情報記録装置に記録された商品の商品情報と、商品販売管理装置に記録された商品の商品販売履歴情報との比較を行い、当該比較結果による商品販売店舗に存在する商品の商品情報の賞味期限に基づいて変動させた商品の価格を紙媒体印刷装置に送信させることを特徴とするものである。
【0037】
本発明に係る商品販売システムにおいては、制御装置が、商品情報記録装置に記録された商品の商品情報と、商品販売管理装置に記録された商品の商品販売履歴情報との比較を行い、当該比較結果による商品販売店舗に存在する商品の商品情報の賞味期限に基づいて変動させた商品の価格を紙媒体印刷装置に送信させる。
【0038】
この場合、制御装置において、商品情報の賞味期限および販売履歴に基づいて商品の価格変動が生じた場合、紙媒体印刷装置に商品の価格を送信させる。その結果、紙媒体印刷装置が商品の価格を表示させた紙媒体を自動的に印刷する。したがって、作業者は、印刷された紙媒体を商品棚の当該商品の陳列された場所に貼り付け、紙媒体の張り替え防止を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。図1は、商品販売店舗の一例を示す模式的概略図である。
【0040】
図1に示すように、商品販売店舗100は、ストアコントローラ200、POS(Point of sale)システム210、値付け装置310、送受信装置400、トリガ430、携帯情報端末(Personal Digital Assistant/以下、PDAと呼ぶ。)450、印刷装置451、ESLサーバ500、トランシーバ510、電子表示装置511,512およびPOP印刷装置530を含む。
【0041】
商品販売店舗100において、ストアコントローラ200、POSシステム210、値付け装置310、送受信装置400、ESLサーバ500、トランシーバ510およびPOP印刷装置530は、ネットワークで接続されている。
また、PDA450は、商品販売店舗内における作業者が携帯できるように形成されており、送受信装置400と赤外線通信によりデータの送受信が可能に設けられている。また、印刷装置451は、PDA450と赤外線通信によりデータの送受信が可能に設けられており、作業者が直接的にPOP(紙媒体またはシール)を印刷し、商品棚(陳列棚)に貼着することができる。
【0042】
トランシーバ510は、商品販売店舗100の電子表示装置511,512と赤外線通信によりデータの送受信が可能となるように商品販売店舗100の天井に設けられている。
また、トリガ430は、ハンディタイプのFAキー(表示切替リモコン)からなり、商品販売店舗100内における作業者が携帯できるように形成されている。トリガ430は、電子表示装置511,512のいずれかに近接させることにより赤外線通信で電子表示装置511,512の表示を変化させることができる。例えば、電子表示装置511,512の裏画面モードに切り替え、商品の在庫、納入予定日、賞味期限等を認識することができる。
【0043】
また、値付け装置310は、バックヤードに1または複数個配置され、バックヤードにおいて商品の加工を行い、重量に応じて商品の価格情報(値札)を作成して、商品に貼着するものである。
【0044】
なお、本実施の形態においては、赤外線通信により無線通信を行うこととしたが、これに限定されず、他の任意の非接触通信等を用いてもよい。さらに、電子表示装置、トランシーバ、値付け装置の個数を1個または複数個であることとして説明しているが、これに限定されず、商品販売店舗の大きさおよび商品棚の個数に応じた他の任意の個数を設けてもよい。
【0045】
図1の商品販売店舗100では、ストアコントローラ200およびESLサーバ500は、一般的なコンピュータにより構成されている。また、ストアコントローラ200は、商品販売店舗100における最上位の制御システムとして配置され、外部ネットワークに接続可能な機能を有する。例えば、当該機能は、商品販売店舗が系列店である場合に、当該外部ネットワークを通じて本部のコンピュータと通信可能なものである。以下、ストアコントローラ200の構成の一例について説明する。
【0046】
図2は、ストアコントローラ200の概略構成の一例を示す模式図である。
【0047】
図2に示すように、ストアコントローラ200は、中央演算処理装置(以下、CPUと呼ぶ)201、基本プログラムを記憶するRead−Only Memory(以下ROMと呼ぶ)202、演算処理の作業領域であるRandom Access Memory(以下、RAMと呼ぶ)203、プログラムや各種のデータファイルなどを記憶する記憶処理部204、ディスプレイからなる表示部205、キーボードおよびマウスなどで構成される入力部206、インターフェィス(以下、I/Fと呼ぶ。)220、データ通信機能を有する外部通信230からなる。例えば、ストアコントローラ200のCPU201は、外部通信230を介してESLサーバ500と通信を行う、または、商品販売店舗が系列店である場合に、当該外部ネットワークを通じて本部のコンピュータと通信を行う。
【0048】
また、図2に示すように、記憶処理部204には、商品値引き率データ250、販売実績管理記録媒体251および商品マスタ252が記録されている。
【0049】
例えば、商品値引き率データ250には、各商品の値引きパターンのデータが記録されており、販売実績管理記録媒体251には、商品販売店舗100に納入された商品の商品情報、バックヤードの値付け装置310において値付けされた商品情報、POSシステム210において販売された商品の商品情報が記録されており、商品販売店舗100における在庫商品の商品情報が記録されている。
【0050】
さらに、商品マスタ252には、商品情報データが記録されている。例えば、商品情報データは、テーブル形式のデータであり、商品情報データにおいては、各商品の識別番号である商品コード、商品名、価格情報、販売店舗におけるロケーション情報および棚位置情報、電子棚札の固有のハードIDである棚札コード、発注個数情報、販売個数、特売期間、賞味期限、消費期限、備考等が含まれる。なお、本実施の形態においては、上記例示を行ったが、これに限定されず、他の任意の情報を含んでもよい。
【0051】
次に、各商品における商品値引き率データ250を設定する状態を説明する。図3は、ストアコントローラ200の表示部205の一例を説明するための模式図である。
【0052】
図3に示すように、ストアコントローラ200の表示部205には、画面600が表示される。画面600には、商品コード611,商品名612,通常価格613が設けられ、計算方法について均一チェックボックス620および均等チェックボックス625が設けられる。また、値引き方法について円引きチェックボックス615、%引きチェックボックス616および一定引きチェックボックス617が設けられ、有効期限について消費期限チェックボックス630および消費時刻チェックボックス640が設けられる。
【0053】
まず、作業者は、ストアコントローラ200の画面600を確認して、入力部206を操作し、値引き方法を選択する。具体的に作業者は、入力部206を操作して、商品コード611に商品コード番号を入力し、商品の特定を行う。また、商品名612に商品名を記入し、商品の特定を行う。
【0054】
続いて、作業者は、値引き方法を選択する。具体的には、円引きチェックボックス615,%引きチェックボックス616,一定引きチェックボックス617のいずれかを選択する。これにより、特定された商品について円引きを行うか、価格の一定%引きを行うか、一定の円引きを行うかが特定される。
【0055】
続いて、作業者は、有効期限の種類を選択する。具体的には、消費期限チェックボックス630または消費時刻チェックボックス640のいずれか、または両方を選択する。これにより、消費期限または/および消費時刻のいずれを設定するかが特定される。
続いて、作業者は、消費期限チェックボックス630を選択した場合には、チェックボックス661の中から設定すべき消費期限にチェックを入れる。すなわち、ここでチェックを入れた消費期限において価格が変動するように設定される。
また、消費時刻チェックボックス640を選択した場合には、チェックボックス662の中から設定すべき消費時刻にチェックを入れる。すなわち、ここでチェックを入れた消費時刻において価格が変動するように設定される。
例えば、作業者は、1日前および当日にチェックを入れたり、10時間後、7時間後、2時間後のチェックボックス662にチェックを入れたりする。ここで、10時間後とは、現時点から10時間後に消費時刻がくることを示している。
【0056】
続いて、作業者は、入力部206を操作して、計算方法を選択する。作業者は、均一チェックボックス620、均等チェックボックス625のいずれか一方を選択する。
例えば、均一チェックボックス620を選択した場合、金額ボックス621に金額を記入する。また、均等チェックボックス625を選択した場合、四捨五入、切り上げ、切り下げ、小数点一位、一桁目、二桁目のいずれかを選択する。
作業者が、均一チェックボックス620、均等チェックボックス625のいずれか一方を選択し、金額ボックス621,626のいずれかに金額を入力することにより、消費期限または消費時刻の選択したチェックボックス661,662の金額ボックスに金額が記入される。作業者は、入力された画面600を確認し、実行ボタン671を押し、登録ボタン601を押す。
【0057】
例えば、通常価格798円の中華惣菜盛り合わせについて消費期限の一日前から30円の値引きを設定する場合、均一チェックボックス620を選択し、消費期限チェックボックス630のチェックボックス661の当日、一日前、二日前を選択し、実行ボタン671を押す。
【0058】
それにより、一日前が768円、消費期限当日が738円と表示され、登録ボタン601を押すことにより、ストアコントローラ250の商品値引き率データ250に記録される。
【0059】
また、例えば、通常価格798円の中華惣菜盛り合わせについて消費時刻の6時間前から均等に四捨五入で値引きをし、消費時刻の一時間前に500円に設定する場合、均等チェックボックス625を選択し、金額ボックス626に500円と入力し、四捨五入を選択する。さらに、消費時刻の6時間後、5時間後、4時間後、3時間後、2時間後、1時間後のチェックボックス662を選択し、実行ボタン671を押す。
【0060】
それにより、6時間後が768円、5時間後が740円、4時間後が680円、3時間後が620円、2時間後が560円、1時間後が500円と表示され、登録ボタン601を押すことにより、ストアコントローラ250の商品値引き率データ250に記録される。
【0061】
また、図3に示していないが、閉店時刻に応じて1時間後に閉店、2時間後に閉店という条件を設け、自動的に商品の値引きを設定し、商品値引き率データ250に記録させてもよい。
【0062】
以上のように、作業者は、一の商品の計算方法を均一または均等のいずれかを選択して設定することにより、自動的に消費期限または消費時刻の長さに応じて商品の価格情報を容易に設定することができる。また、消費期限および消費時刻を設定することにより、鮮度に応じて商品価格を設定することができる。その結果、各個別の商品に対して、消費期限毎に価格情報を設定する必要がなく、価格設定作業を格段に減らすことができ、さらに、商品カテゴリ、商品単品毎に、有効期限に応じた売価を簡単に登録できるようになるため、登録作業の効率化が図れる。
【0063】
次に、本実施の形態における商品販売店舗100におけるストアコントローラ200の動作について説明する。
【0064】
ストアコントローラ200は、記憶処理部204の商品値引き率データ250、販売実績管理記録媒体251および商品マスタ252に基づいて、予め値引きが可能な商品、または設定された所定の時刻により値引きを開始する商品、在庫の個数が多く値引きを行う商品が陳列された商品棚の電子表示装置511,512に図3において設定した価格に基づいて、値引き情報を表示するよう制御を行う。
【0065】
また、ストアコントローラ200は、商品販売店舗100におけるバックヤードにおいて値付け装置310に指示を行う。値付け装置310は、所定の商品の加工後、重量または個数に応じて指示があった商品価格にしたがって、商品の包装および値付けを行い、商品を製造する。製造された商品は、作業者により商品棚に載置される。
【0066】
同時に、ストアコントローラ200は、値付け装置310および電子表示装置511、512に指示した価格情報をPOSシステム210に与える。それにより、POSシステム210においては、商品の対価計算の際に、値引き情報を含めて計算する。
【0067】
さらに、作業者は、経験に基づいて、商品の商品コードを示すバーコードをPDA450に内蔵されたバーコードリーダを用いて読み取り、送受信装置400を介してストアコントローラ200と送受信を行い、価格情報を印刷装置451により出力させ、商品棚にPOP表示として紙媒体で貼り付けてもよい。または、PDA450の指示に基づいてストアコントローラ200からトランシーバ510を介して電子表示装置511,512に表示させることもできる。
また、価格情報の変更にしたがって、自動的に価格情報を印刷装置451により出力させてもよい。それにより、作業者が、商品棚のPOP表示交換忘れを防止できる。
【0068】
以下、ストアコントローラ200の指示により表示される電子表示装置511,512の一例について説明を行う。図4は、電子表示装置511,512に表示させる情報の一例を示す模式図である。本実施の形態において、電子表示装置511,512は、ドットマトリクス方式のESLまたは電子ペーパからなり、カラー表示およびモノクロ表示を選択可能なものである。また、電子表示装置511,512は、商品販売店舗100に設けられた商品棚に設けられている。なお、電子表示装置511,512は、ESLまたは電子ペーパに限定されず、セグメント表示装置、他の任意の液晶表示装置であってもよい。
【0069】
図4に示すように、電子表示装置511,512においては、“AA牛乳4.5、158円の品、賞味期限:1/25、30円引き、1/26、20円引き、1/27、10円引き”と表示される。この場合、顧客は、商品を商品棚から取得する際に、賞味期限が1月27日までの長いものは、値引き率が少なく、賞味期限が1月25日までの短いものは、値引き率が多いことを知ることができる。
【0070】
次に、図5は、電子表示装置511,512に表示させる情報の他の例を示す模式図である。
【0071】
図5に示すように、電子表示装置511,512においては、“BBおいしい牛乳、CCミルク牛乳、AA4.5、賞味期限:1/25、30円引き、1/26、20円引き、1/27、10円引き”と表示される。この場合、顧客は、商品を商品棚から取得する際に、BBおいしい牛乳、CCミルク牛乳、AA4.5の全ての商品に対して、賞味期限が1月27日までの長いものは、値引き額が少なく、賞味期限が1月25日までの短いものは、値引き額が多いことを知ることができる。また、一の表示で同じカテゴリ商品に対して商品価格を知ることができる。
【0072】
次に、図6は、電子表示装置511,512に表示させる情報のさらに他の例を示す模式図である。
【0073】
図6に示すように、電子表示装置511,512においては、“DD製牛乳全品、賞味期限によりポイントサービス、賞味期限:1/25、3ポイントサービス、1/26、2ポイントサービス、1/27、1ポイントサービス”と表示される。この場合、顧客は、商品を商品棚から取得する際に、DD製牛乳全品の商品に対して、賞味期限が1月27日までの長いものは、ポイントサービスが少なく、賞味期限が1月25日までの短いものは、ポイントサービスが多いことを知ることができる。
【0074】
次に、図7は、電子表示装置511,512に表示させる情報のさらに他の例を示す模式図である。
【0075】
図7に示すように、電子表示装置511,512においては、“DD製牛乳全品、賞味期限:1/25、20%引き、1/26、10%引き、1/27、5%引き”と表示される。この場合、顧客は、商品を商品棚から取得する際に、DD製牛乳全品の商品に対して、賞味期限が1月27日までの長いものは、値引き率が少なく、賞味期限が1月25日までの短いものは、値引き率が多いことを知ることができる。
【0076】
次いで、図8は、電子表示装置511,512に表示させる情報のさらに他の例を示す模式図である。
【0077】
図8に示すように、電子表示装置511,512においては、“EE製牛乳、FF製牛乳、GG製牛乳、賞味期限:1/25、30円引き、1/26、20円引き、1/27、10円引き”と表示される。この場合、顧客は、EE製牛乳、FF製牛乳、GG製牛乳の商品に対して商品を商品棚から取得する際に、賞味期限が1月27日までの長いものは、値引き額が少なく、賞味期限が1月25日までの短いものは、値引き額が多いことを知ることができる。
【0078】
続いて、図9は、電子表示装置511,512に表示させる情報のさらに他の例を示す模式図である。
【0079】
図9に示すように、電子表示装置511,512においては、“HH製牛乳、残り商品2個/250個、特別価格50円引き、”およびHH製牛乳の外観図が表示される。この場合、顧客は、商品を商品棚から取得する際に、HH製牛乳が、250個仕入れされ、在庫数が2個であることを認識することができる。また、価格が50円引きであることを認識することができる。その結果、顧客の商品購入意欲をわかせることが可能となる。
【0080】
次に、図10は、電子表示装置511,512に表示させる情報のさらに他の例を示す模式図である。
【0081】
図10に示すように、電子表示装置511,512においては、“トンカツ、定価298円の品、消費期限:本日18:00、30円引き、消費期限:本日19:00、20円引き、消費期限:本日20:30、10円引き、”と表示される。この場合、顧客は、トンカツが、商品を商品棚から取得する際に、消費期限が本日20時30分までの長いものは、値引き額が少なく、消費期限が本日18時までの短いものは、値引き額が多いことを知ることができる。
【0082】
次いで、図11は、電子表示装置511,512に表示させる情報のさらに他の例を示す模式図である。
【0083】
図11に示すように、電子表示装置511,512においては、“トンカツ、ハンバーグ、幕の内弁当、消費期限:本日18:00、20%引き、消費期限:本日19:00、10%引き、消費期限:本日20:30、5%引き”と表示される。この場合、顧客は、商品を商品棚から取得する際に、本日20時30分までの長いものは、値引き率が少なく、消費期限が本日18時までの短いものは、値引き率が多いことを知ることができる。
【0084】
続いて、図12は、電子表示装置511,512に表示させる情報のさらに他の例を示す模式図である。
【0085】
図12に示すように、電子表示装置511,512においては、“国産若鶏ミンチ(もも・むね)、定価100g当り98円の品、消費期限:本日18:00、30円引き、消費期限:本日19:00、20円引き、消費期限:本日20:30、10円引き”と表示される。この場合、顧客は、本日20時30分までの長いものは、値引き額が少なく、消費期限が本日18時までの短いものは、値引き額が多いことを知ることができる。
【0086】
最後に、図13は、電子表示装置511,512に表示させる情報のさらに他の例を示す模式図である。
【0087】
図13に示すように、電子表示装置511,512においては、“揚げ物全品、消費期限:本日18:00、30円引き、消費期限:本日19:00、20円引き、消費期限:本日20:30、10円引き”と表示される。この場合、顧客は、商品を商品棚から取得する際に、揚げ物全品に対して、本日20時30分までの長いものは、値引き額が少なく、消費期限が本日18時までの短いものは、値引き額が多いことを知ることができる。
【0088】
このように、顧客は、電子表示装置511,512に表示された商品の値引き情報(価格情報)を確認して、商品を選択することができる。また、顧客は、格安商品を所望する場合もあるため、商品販売店舗100においては、消費期限切れの商品を極力低減させることが可能となる。
【0089】
続いて、図14は、顧客が商品をPOSシステム210に持っていき、商品の対価を支払った場合の領収書(以下、レシートと呼ぶ)の一例を示す模式図である。
【0090】
ここで、本実施の形態におけるストアコントローラ200は、上述したように電子表示装置511,512に価格表示をさせると同時に、商品値引き率データ250、商品マスタ252に基づいてPOSシステム210に価格情報を与える。
その結果、図14に示すように、レシート750には、“中華惣菜盛り合せ、768円、−30円、消費期限1日前のため”と印字される。その結果、顧客に商品の値引きが伝えられる。また、本実施の形態においては、ストアコントローラ200が電子表示装置511,512に同時に商品の価格情報を提供するので、顧客に対して誤った商品価格で商品を提供することを防止することができる。
【0091】
また、POSシステム210において、商品に付されたバーコードを読み取った場合に、POSシステム210に付属された表示画面に、価格情報および消費期限を表示させることにより、POSシステム210の作業者が、当該商品の消費期限が1日前であることを顧客に説明することができる。なお、本実施の形態においては、消費期限が1日前であることとしたが、これに限定されず、消費期限が6時間前、3時間前、1時間前など、任意の消費期限または賞味期限の場合に、顧客に説明できるよう、POSシステム210の表示画面に表示させてもよい。なお、当該表示画面を顧客に対して視野可能な表示装置を用いて設置してもよい。
【0092】
また、本実施の形態においては、商品陳列棚の電子表示装置511,512の傍に携帯スキャナ端末を配設させてもよい。図15は、電子表示装置511,512の表示の一例を示す模式図である。
【0093】
図15に示すように、携帯スキャナ端末590が電子表示装置511,512に接続されており、顧客が携帯スキャナ端末590を用いて商品のバーコードを読み取ることにより、電子表示装置511,512に値引き価格を表示させることができる。この場合、顧客は、POSシステム210まで行かずに、商品陳列棚において電子表示装置511,512に表示される値引き価格を確認することができる。
【0094】
また、図15に示すように、顧客が携帯スキャナ端末590により商品のバーコードを読み取った場合、“当該商品は、トンカツ定価298円、現在、消費期限、本日20時30分で、10円引き”であることを顧客に伝えることができる。さらに、商品の販売実績記録媒体251に応じて“消費期限、本日18時、30円引きの商品があります”と表示させることにより、顧客にさらに低価格の商品があることを伝えることができる。この場合、顧客は、少しでも低価格の商品を選択することができ、商品販売店舗は、消費期限の少ない商品の売れ残りを防止することができる。
【0095】
なお、顧客が商品陳列棚から商品を取り出しPOSシステム210に持っていくのには、少し時間が必要となるため、消費期限の少ない商品が所定の個数以下になった場合には、低価格商品の表示を行わないように制御することが好ましい。それにより、顧客の商品がない場合の失望感を防止することができる。
【0096】
(他の例)
次いで、商品販売店舗100における商品販売システムに限定されず、本発明は、生産工場を含めた商品販売システムにも適用することができる。
【0097】
図16は、生産工場を含めた商品販売システムの一例を説明するための説明図である。
【0098】
図16に示すように、商品販売店舗100および生産工場900を含む。商品販売店舗100は、図1の模式図と同様の構成であり、代表的にストアコントローラ200を表示させている。生産工場900においては、複数の包装装置910および検査機器920が含まれる。生産工場900においては、複数の包装装置910および検査機器920がネットワーク接続されており、生産工場900と商品販売店舗100のストアコントローラ200ともネットワーク接続されている。
【0099】
この場合、ストアコントローラ200の販売実績管理記録媒体251において記録された商品の売れ行き動向に応じて、ストアコントローラ200から生産工場900に対して商品の生産指示および納入指示を行うことができる。
【0100】
例えば、ストアコントローラ200は、以下のパラメータに基づいて生産工場900に対して商品の生産数を指示することができる。すなわち、当該パラメータである午前および午後の天候、気象、気温、湿度、祭事、子供の日、クリスマス、運動会、遠足、競合店舗のイベントや動向状況、自社商品販売店舗のイベント、報道関係の宣伝および販売履歴等に基づいて商品の生産数および納入数を指示することができる。その結果、商品販売店舗100において商品の在庫数を最も最小限に抑制することができ、商品販売店舗100における商品不足および余り、さらには、地球環境面に対しても有効な効果を得ることができる。
【0101】
続いて、図17は、現在のバーコードの規格を示す説明図である。
【0102】
図17に示すように、バーコードの1桁〜13桁には、インストアコードが記載され、14桁〜17桁には、消費期限月および消費期限日が記載され、18桁および19桁には、消費時刻が記載され、20桁〜25桁は、現状空白であり、未使用状態となっている。また、26桁には、チェックデジットが記載される。
【0103】
本実施の形態においては、例えば、現在未使用の20桁〜25桁に、割引の情報を記載することができる。例えば、消費期限日、消費時刻が一時間後の場合には、50円引き、二時間後の場合には、30円引き、三時間後の場合には、10円引きとなるよう商品の割引情報を記載してもよい。それにより、POSシステム210において当該バーコードを読み取ることにより、商品の価格を自動的に割引することができる。
【0104】
また、現在未使用の20桁〜25桁に、バックヤードまたは図16の生産工場900で製造された製造情報を記載することができる。例えば、バックヤードの根付け装置310における製造情報を記載した場合、特定の商品において何らかの問題が発生した場合に、その商品の製造情報と同じロットの商品を廃棄することにより対応できる。同様に生産工場900においても、包装装置910または検査機器920において何らかの問題が発生した場合に、その商品と同じ製造情報のロットの商品だけを廃棄させることができる。その結果、製造情報のロット単位で商品の回収または廃棄を行うことができ、全ての商品の回収または廃棄を行う必要がなくなり、生産効率を低下させることを防止でき、かつ地球環境に対しても無駄な廃棄を防止することができる。
【0105】
以上のように、本実施の形態に係る商品販売システムによれば、ストアコントローラ200が記憶処理部204における商品マスタ252、商品値引き率データ250、販売実績管理記録媒体251との比較に基づいて現時点における商品販売店舗100に存在する商品を認識し、当該商品の商品情報の賞味期限に基づいて商品の価格を変動させ、電子表示装置511,512に表示させることができる。したがって、ストアコントローラ200により現時点における商品販売店舗100内に存在する商品の商品情報を確実に把握することができる。また、商品の商品情報に含まれる賞味期限に応じて商品の価格を変動させることができる。例えば、商品の賞味期限が1日前の場合には、当該商品を特売価格に変更させることができる。したがって、当該特売価格を商品棚(陳列棚)に陳列された電子表示装置511,512に表示させることができ、顧客の購買意欲を高めることができる。また、在庫数の多い商品ほど低価格にすることができ、その結果、商品の在庫数を減らすことができる。
【0106】
さらに、記憶処理部204における商品マスタ252、商品値引き率データ250、販売実績管理記録媒体251に基づいてストアコントローラ200のCPU201により当該商品の価格情報が、変動させた商品の価格情報に書き換えられるので、顧客が、電子表示装置511,512に表示された価格を視認し、商品棚から商品を取り出し、POSシステム210において対価支払いを行う場合でも、ストアコントローラ200により商品の価格情報が変動された商品の価格情報に書き換えられているので、POSシステム210における支払いは、変動された商品の価格情報で行われる。その結果、価格表示が誤っているとの顧客からのクレームを防止することができる。
【0107】
さらに、商品の価格情報は、現在時刻と賞味期限時刻との比較により変動されるので、作業者が手作業で商品の価格を変更させる必要がなく、作業工数の削減を行うことができる。また、現在時刻および閉店時刻と、賞味期限時刻との比較により商品の価格を変動させることもできる。その結果、閉店時刻に近づくに連れて商品価格を下げることができるので、売れ残りによる廃棄商品を極力少なくすることができる。
【0108】
また、本実施の形態においては、ストアコントローラ200により電子表示装置511,512に商品の個数を表示させることができる。その結果、顧客に対して残り個数を表示させることにより当該商品の売れ行き状況を知らせることができ、顧客の購買意欲を高めることができる。
【0109】
さらに、ストアコントローラ200により電子表示装置511,512には、商品販売店舗100に存在する商品のみを表示させることができる。したがって、顧客が、商品棚に配設された電子表示装置511,512に表示されている商品が存在しないという失望感を防止することができる。
また、商品販売店舗100において売り切れた商品、すなわち在庫数のない商品を電子表示装置511,512に表示させないよう制御することにより、在庫のある商品を大きく電子表示装置511,512に表示させることができ、電子表示装置511,512の表示部分の有効活用を図ることができる。
また、ストアコントローラ200により電子表示装置511,512に在庫余裕度のある当該商品を有効に表示させることができる。すなわち、在庫余裕度がある商品の価格を低価格に設定する、または、在庫余裕度のない当該商品を売り切りたい場合等、当該商品の価格を低価格に設定することができる。その結果、顧客に対して有効に電子表示装置511,512を視認させることができるので、表示された当該商品の購買意欲を高めることができる。
【0110】
さらに、商品の商品情報に応じてカテゴリ別で電子表示装置511,512に表示を行わせることができるので、顧客に対してカテゴリ毎の価格情報を提示することができる。例えば、乳製品のカテゴリにおいては、A牛乳200円、B牛乳190円、C牛乳180円と一括表示させることができる。それにより、同系列(同カテゴリ)の価格情報を顧客に適切に与えることができ、顧客の購買意欲を高めることができる。
【0111】
また、消費期限が近づいている商品の在庫数はストアコントローラ200により認識される。例えば、ストアコントローラ200が定期的に、消費期限が過ぎようとしている商品の在庫数を認識した場合,作業者に指示を行い、作業者が、該当商品の個数を数えつつ商品棚から回収することができる。その結果、消費期限切れ商品を商品棚から回収でき、消費期限切れの商品の販売を未然に防ぐことができ、顧客に対して商品の安心感を与えることができる。その結果、商品販売店舗100における信用を高めることができる。
【0112】
さらに、図17に示すように、製造情報を示すバーコード情報に鮮度値引きパターンを入れることで、商品の消費期限が短くなれば、自動的に販売価格を値下げすることができる。その結果、作業者が手作業で値引きシールを貼り付ける必要がなくなり、作業工数を削減することができる。さらに、顧客にとって商品価値に応じた価格設定を行うことができる。また、商品販売店舗100においては、消費期限の短い商品の売れ残りが減少し、廃棄される商品個数の削減が期待できる。
【0113】
さらに、図17に示すように、製造情報を示すバーコード情報に製造ロットを入れることで、ある商品の特定製造ロットに何らかの不具合が見つかった場合、その商品すべて廃棄するのではなく、特定製造ロットのみを選択して廃棄することができる。これにより廃棄ロスを減らすことができる。
また、POSシステム210において、廃棄すべき当該商品が誤って販売されそうになった場合でも、その商品のバーコード情報をPOSシステム210において読み取り、特定製造ロットであることをチェックすることができるので、未然に販売を防止することができる。
【0114】
以上のように、本実施の形態においては、商品販売店舗100が商品販売店舗に相当し、電子表示装置511,512が電子表示媒体に相当し、商品棚が陳列棚に相当し、ストアコントローラ200およびESLサーバ500が制御装置に相当し、記憶処理部204が商品情報記録装置に相当し、印刷装置451またはPOP印刷装置530が紙媒体印刷装置に相当し、販売実績管理記録媒体251が商品販売管理装置に相当する。
【0115】
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】商品販売店舗の一例を示す模式的概略図
【図2】ストアコントローラの概略構成の一例を示す模式図
【図3】ストアコントローラの表示部の一例を説明するための模式図
【図4】電子表示装置に表示させる情報の一例を示す模式図
【図5】電子表示装置に表示させる情報の他の例を示す模式図
【図6】電子表示装置に表示させる情報のさらに他の例を示す模式図
【図7】電子表示装置に表示させる情報のさらに他の例を示す模式図
【図8】電子表示装置に表示させる情報のさらに他の例を示す模式図
【図9】電子表示装置に表示させる情報のさらに他の例を示す模式図
【図10】電子表示装置に表示させる情報のさらに他の例を示す模式図
【図11】電子表示装置に表示させる情報のさらに他の例を示す模式図
【図12】電子表示装置に表示させる情報のさらに他の例を示す模式図
【図13】電子表示装置に表示させる情報のさらに他の例を示す模式図
【図14】レシートの一例を示す模式図
【図15】電子表示装置に表示させる情報の一例を示す模式図
【図16】生産工場を含めた商品販売システムの一例を説明するための説明図
【図17】現在のバーコードの規格を示す説明図
【符号の説明】
【0117】
100 商品販売店舗
200 ストアコントローラ
204 記憶処理部
251 販売実績管理記録媒体
500 ESLサーバ
511,512 電子表示装置








【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品販売店舗において陳列棚に配設された電子表示媒体と、
前記電子表示媒体の表示を遠隔操作する制御装置と、
前記陳列棚に陳列された商品の商品情報を記録する商品情報記録装置と、
販売された前記商品の商品販売履歴情報を記録する商品販売管理装置と、を含み、
前記制御装置は、前記商品情報記録装置に記録された前記商品の商品情報と、前記商品販売管理装置に記録された前記商品の商品販売履歴情報との比較を行い、当該比較結果による前記商品販売店舗に存在する前記商品の商品情報の賞味期限に基づいて変動させた前記商品の価格を前記電子表示媒体に表示させることを特徴とする商品販売システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記商品販売管理装置に対して前記変動させた商品の価格情報を与え、
前記商品販売管理装置は、前記変動させた商品の価格情報を受け取り、当該商品の商品情報に含まれる価格情報を前記変動させた商品の価格情報に書き換えを行うことを特徴とする請求項1記載の商品販売システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記商品の価格情報を、現在時刻と閉店時刻との比較により変動させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の商品販売システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記比較結果に応じて商品販売店舗に存在する商品の個数を前記電子表示媒体に表示させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の商品販売システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記比較結果に応じて商品販売店舗に存在する商品のみを前記電子表示媒体に表示させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の商品販売システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記比較結果に応じて商品販売店舗の在庫余裕度のある当該商品を前記電子表示媒体に表示させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の商品販売システム。
【請求項7】
前記制御装置は、商品の商品情報に応じてカテゴリ別で前記電子表示媒体に表示を行わせることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の商品販売システム。
【請求項8】
商品販売店舗に配設された紙媒体印刷装置と、
前記紙表示印刷装置を遠隔操作する制御装置と、
前記陳列棚に陳列された商品の商品情報を記録する商品情報記録装置と、
販売された前記商品の商品販売履歴情報を記録する商品販売管理装置と、を含み、
前記制御装置は、前記商品情報記録装置に記録された前記商品の商品情報と、前記商品販売管理装置に記録された前記商品の商品販売履歴情報との比較を行い、当該比較結果による前記商品販売店舗に存在する前記商品の商品情報の賞味期限に基づいて変動させた前記商品の価格を前記紙媒体印刷装置に送信させることを特徴とする商品販売システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−176193(P2009−176193A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−16032(P2008−16032)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】