説明

噴射検査装置、印刷装置及び噴射検査方法

【課題】帯電していない流体による電気的な変化により流体の噴射状態を検査するものにおいて、より簡便により精度よく流体の噴射状態を検査することができる。
【解決手段】プリンタ20は、インク滴が通過可能に配置された互いに対向する1対の電極52,52に接続された発振回路53が電気的に発振し、この発振状態を周波数検出部が検出し、インク滴を噴射しないときのゲート時間の間にカウントされたピーク数であるカウント数の所定割合(90%など)である閾値を、インク滴を噴射したときのゲート時間の間にカウントされたピーク数であるカウント数が下回るか否かによりインク滴がインク噴射装置21から正常に噴射されたか否かを検出する。このように、インク滴がコンデンサとしての電極52,52を通過するか否かにより生じる誘電率の変化により発生した発振周波数の変化を検出することによってインク滴の噴射の有無を検査する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴射検査装置、印刷装置及び噴射検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、噴射検査装置としては、印刷ヘッドから噴射されたインクが通過するように対向して設けられた1対の電極と、電極の一端に接続されたコイルと、コイルと電極の他端と接続された発振器とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載された装置は、電極とコイルと発振器により共振回路を構成し、電極間にインク滴が存在しないときにこの共振回路が共振状態になるように発振器の発振周波数を調整し、帯電していないインク滴が電極間を通過したときの共振回路の共振状態のずれを検出することにより印刷ヘッドからインク滴が噴射されたか否かの検査を行う。
【特許文献1】特開2000−158670
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この特許文献1に記載された装置では、例えば電極間などに電圧を印加するなどしてインクを帯電することなくインク滴が噴射されたか否かの検査を行うことが可能であるが、インク滴の大きさが小さいことなどにより電極間をインク滴が通過しても共振回路の共振状態のずれが小さいことがあり、精度よくインク滴が噴射されたか否かの検査を行うことができない場合があった。
【0004】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、帯電していない流体による電気的な変化により流体の噴射状態を検査するものにおいて、より簡便により精度よく流体の噴射状態を検査することができる噴射検査装置、印刷装置、噴射検査方法及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明の流体噴射装置は、
流体を噴射する流体噴射装置の噴射状態を検査する噴射検査装置であって、
流体が通過可能に配置された少なくとも1対の電極と、
前記電極に接続され電気的に発振する発振実行手段と、
前記発振実行手段によって発振された発振状態を所定期間の発振数をカウントすることにより検出する発振検出手段と、
前記流体を噴射しないときの前記検出された所定期間の発振数と前記噴射された流体が前記電極の近傍を通過したときの前記検出された所定期間の発振数とに基づいて前記流体噴射装置から前記流体が噴射されたか否かを検出する制御手段と、
を備えたものである。
【0007】
この噴射検査装置では、流体が通過可能に配置された少なくとも1対の電極が接続された発振実行手段を電気的に発振し、この発振状態を所定期間の発振数をカウントすることにより検出し、流体を噴射しないときの所定期間の発振数と、噴射された流体が電極の近傍を通過したときの所定期間の発振数とに基づいて流体噴射装置から流体が噴射されたか否かを検出する。このように、所定期間の発振数を検出することによって流体の噴射の有無を検査し、例えば所定期間を適宜設定することにより、発振数の変化の大小を容易に変更可能である。したがって、帯電していない流体による電気的な変化により流体の噴射状態を検査するものにおいて、より簡便により精度よく流体の噴射状態を検査することができる。ここで、「流体」は、電極の近傍に噴射すると発振状態が変化するものであれば特に限定されず、粉体などを含む固体や液体、気体のいずれであってもよい。また、「電極の近傍」とは、例えば電極の形状や電極の配置、流体量などに基づいて経験的に定めた距離としてもよい。
【0008】
本発明の噴射検査装置において、前記制御手段は、前記流体を噴射するよう前記流体噴射装置を制御し、前記噴射された流体が前記電極の近傍を通過したときの前記発振数が前記流体を噴射しないときの前記発振数に基づく数を下回るときに前記流体噴射装置から前記流体が噴射されていると検出するものとしてもよい。こうすれば、所定期間内の発振数をカウントすることにより、流体の噴射の有無による発振状態の違いを比較的容易に検出することができる。
【0009】
本発明の噴射検査装置において、前記電極は、コンデンサとして構成され、前記発振検出手段は、前記電極の近傍を前記流体が通過するときに生じる前記コンデンサに係わる電気容量の変化に基づく発振状態の変化を検出するものとしてもよい。
【0010】
本発明の噴射検査装置において、前記1対の電極は、互いに対向して配置され、前記発振実行手段は、前記互いに対向する電極の前記流体が通過しない端部を繋ぐ面に設けられているものとしてもよい。こうすれば、より短い距離で発振実行手段と電極とを接続可能であるため、より発振状態を検出しやすい。このとき、前記発振検出手段も、前記互いに対向する電極の前記流体が通過しない端部を繋ぐ面に設けられているものとしてもよい。また、前記発振検出手段は、前記発振実行手段が発振した発振状態をデジタル信号として検出し前記制御手段へ出力するものとしてもよい。
【0011】
本発明の噴射検査装置において、前記発振実行手段は、コイルとコンデンサとを備えたコルピッツ型の発振回路であるものとしてもよい。前記発振実行手段は、ハートレー型やコルピッツ型の正帰還回路によって構成することが好ましく、このうち、一般的に用いられるコルピッツ型の発振回路とすることがより好ましい。
【0012】
本発明の噴射検査装置において、前記電極は、前記流体が通過する側に該流体の該電極への接触を防止する保護部材が設けられているものとしてもよい。こうすれば、電極の汚れを防止可能であるため、より確実に流体の噴射状態の検査を行うことができる。
【0013】
なお、前記1対の電極は、1面を形成するように並んで配置するものとしてもよい。このように、1対の電極が対向していない場合であっても、1対の電極の近傍を流体が通過すれば発振状態が変化することが経験的に求められており、このように配置すると、1対の電極が対向しているものに比して、その後のメンテナンスがより容易である。
【0014】
本発明の印刷装置は、流体をターゲットに噴射する流体噴射装置と、上述したいずれか1つに記載の噴射検査装置と、を備えたものである。印刷装置は、流体をターゲットに噴射することが多く、噴射状態を把握する必要があるため、本発明を適用する意義が高い。
【0015】
本発明の噴射検査方法は、
流体が通過可能に配置された少なくとも1対の電極と、前記電極に接続され電気的に発振する発振実行手段と、を備え、流体を噴射する流体噴射装置の噴射状態を検査する噴射検査方法であって、
(a)前記発振実行手段によって発振された発振状態を所定期間の発振数をカウントすることにより検出するステップと、
(b)前記流体を噴射しないときの前記ステップ(a)で検出した所定期間の発振数と前記噴射された流体が前記電極の近傍を通過したときの前記ステップ(a)で検出した所定期間の発振数とに基づいて前記流体噴射装置から前記流体が噴射されたか否かを検出するステップと、
を含むものである。
【0016】
この噴射検査方法では、流体が通過可能に配置された少なくとも1対の電極が接続された発振実行手段を電気的に発振し、この発振状態を所定期間の発振数をカウントすることにより検出し、流体を噴射しないときの所定期間の発振数と、噴射された流体が電極の近傍を通過したときの所定期間の発振数とに基づいて流体噴射装置から流体が噴射されたか否かを検出する。このように、所定期間の発振数を検出することによって流体の噴射の有無を検査し、例えば所定期間を適宜設定することにより、発振数の変化の大小を容易に変更可能である。したがって、帯電していない流体による電気的な変化により流体の噴射状態を検査するものにおいて、より簡便により精度よく流体の噴射状態を検査することができる。なお、この噴射検査方法において、上述した噴射検査装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した噴射検査装置の各機能を実現するようなステップを追加してもよい。また、本発明を、上述した噴射検査方法の各ステップを1以上のコンピュータに実行させるためのプログラムとしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に本発明を具現化した一実施形態について図面を用いて説明する。図1は本実施形態であるプリンタ20の構成の概略の一例を示す構成図、図2はノズル検査装置50の説明図である。本実施形態のプリンタ20は、図1に示すように、流体としてのインクをターゲットとしての記録紙Sに噴射するインク噴射装置21と、駆動モータ33により駆動されプラテン36上を図中奥から手前へと記録紙Sを搬送する紙送りローラ35と、プラテン36の図中右側の一端に形成されたキャッピング装置37と、プラテン36の図中左側の一端に設けられたフラッシング領域38と、フラッシング領域38の隣りに設けられノズル23からのインクの噴射状態を検査するノズル検査装置50と、プリンタ20全体をコントロールするコントローラ70とを備えている。
【0018】
インク噴射装置21は、キャリッジベルト32によりキャリッジ軸28に沿って左右(キャリッジ移動方向)に往復動するキャリッジ22と、各色のインクに圧力をかけノズル23から流体としてのインク滴を噴射する印刷ヘッド24と、各色のインクを収容しこの収容したインクを印刷ヘッド24へ供給するインクカートリッジ26とを備えている。キャリッジ22は、フレーム39の右側に取り付けられたキャリッジモータ34aとフレーム39の左側に取り付けられた従動ローラ34bとの間に架設されたキャリッジベルト32がキャリッジモータ34aによって駆動されるのに伴って移動する。キャリッジ22の背面には、キャリッジ22の位置を検出するリニア式エンコーダ25が配置されており、このリニア式エンコーダ25を用いてキャリッジ22のポジションが管理可能となっている。印刷ヘッド24は、キャリッジ22の下部に設けられており、圧電素子に電圧をかけることによりこの圧電素子を変形させてインクを加圧する方式により印刷ヘッド24の下面に設けられたノズル23から各色のインクを噴射するものである。この印刷ヘッド24の下面には、ノズル23が配列したノズル列27が各色ごとに設けられている。なお、この印刷ヘッド24は、発熱抵抗体(例えばヒータなど)に電圧をかけインクを加熱して発生した気泡によりインクを加圧する方式を採用してもよい。インクカートリッジ26は、キャリッジ22に装着されシアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・レッド(R)・ブルー(B)及びブラック(K)の各色のインクを個別に収容している。
【0019】
キャッピング装置37は、印刷ヘッド24が当接した際に図示しない吸引ポンプにより装置内部を負圧にすることによりノズル23内のインクを強制的に吸い出すクリーニング処理に使用されるほか、印刷休止中などにノズル23が乾燥するのを防止するためにノズル23を封止するときにも利用される。フラッシング領域38は、ノズル23の先端でインクが乾燥して固化するのを防止するために定期的又は所定のタイミングで印刷データとは無関係にインク滴を強制的に噴射させる、いわゆるフラッシング処理を行うときに利用される領域である。
【0020】
ノズル検査装置50は、図1や図2に示すように、印刷ヘッド24のノズル23から噴射されたインク滴が通過可能な保護部材51と、保護部材51の側面に各々が対向するように固定された1対の電極52,52と、1対の電極52,52に接続され所定の発振周波数で発振する発振回路53と、を備えている。保護部材51は、撥水性の部材により形成されたインク滴の電極52への接触を防止する部材であり、矩形の通過口51aが設けられた枠体として構成されている。この保護部材51は、後述するノズル検査で所望の出力値が得られるような1対の電極52,52の間隔となるように経験的に、その厚さや通過口51aの大きさ等が設計されている。通過口51aは、印刷ヘッド24に設けられたノズル列27よりも長く且つ幅広い大きさに形成されている。なお、保護部材51を通過したインク滴は、保護部材51と非接触で固定されたインク吸収材に吸収されるようになっている。1対の電極52,52は、各々が矩形板状に形成されたコンデンサとして構成され、各々はノズル列27の方向を長手方向とするノズル列27よりも長い矩形状に形成されている。
【0021】
発振回路53は、図2に示すように、コンデンサとしての電極52,52に接続した正帰還回路のコルピッツ型発振回路として構成されている。この発振回路53は、電源と直列に接続された電極52,52に対して並列に接続されたコイル54と、コイル54と並列に接続されたバッファ55と、コイル54の一端とグランドとに接続されたコンデンサ56と、コイル54の他端とグランドとに接続されたコンデンサ57と、を備えている。発振回路53は、検出される発振周波数fとの関係で、できる限り配線を短くするように電極52,52が固定された保護部材51の側面を繋ぐ、インク滴が通過しない面に設けられている。また、この発振回路53には、発振回路53の発振周波数を検出する周波数検出部58がその近傍に接続されている。この発振回路53において、電極52,52とコイル54とをZ1とし、コンデンサ56をZ2とし、コンデンサ57をZ3とすると、発振条件は、次式(1)となる。このため、電極52,52とコイル54とは、共振状態ではなく式(1)を満たすようなL成分となるように設計されている。また、電極52,52の電気容量をC1、コイル54のインダクタンスをL1、コンデンサ56の電気容量をC2、コンデンサ57の電気容量をC3とすると、この式(1)と位相条件とから、式(2)を導き出すことができる。これを位相条件を用いてωについて解くと、発振周波数fは、次式(3)で表すことができる。電極52,52、コンデンサ56,57、コイル54は、詳しくは後述するゲート時間tgの間に電極52,52をインク滴が通過したときに十分に発振周波数fが変化するようなC1〜C3,L1の値にそれぞれ経験的に定められている。例えば、電極52の面積を4cm2,間隔dを3cm、L1を2μHとし、コンデンサ56のC2を10pF、コンデンサ57のC3を10pFなどに設計してもよい。ここで、発振周波数fは、より高い周波数(例えば数十〜数百MHzなど)とすることが、ノズル検査を精度よく実行する上では好ましい。
【0022】
【数1】

【数2】

【数3】

【0023】
コントローラ70は、図1に示すように、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、各種処理プログラムを記憶しデータを書き込み消去可能なフラッシュROM74と、一時的にデータを記憶したりデータを保存したりするRAM76と、図示しない入出力ポートとを備えている。なお、フラッシュROM74には、後述するノズル検査ルーチンやクリーニング処理ルーチン、印刷処理ルーチンなどの各処理プログラムが記憶されている。また、RAM76には、印刷バッファ領域が設けられており、この印刷バッファ領域に印刷データが記憶される。このコントローラ70には、ノズル検査装置50の周波数検出部58から出力された電圧信号やリニア式エンコーダ25からのキャリッジ22のポジション信号などが図示しない入力ポートを介して入力されるほか、図示しないクライアント(パソコンなど)から出力された印刷ジョブなどが入力される。また、コントローラ70からは、印刷ヘッド24への制御信号や駆動モータ33への制御信号、キャリッジモータ34aへの駆動信号、ノズル検査装置50への制御信号などが図示しない出力ポートを介して出力される。
【0024】
次に、こうして構成された本実施形態のインクジェットプリンタ20の動作について、特にノズル23からインク滴を正常に噴射できるか否かを検査するノズル検査処理について説明する。図3は、コントローラ70のCPU72により実行されるノズル検査ルーチンのフローチャートの一例である。このルーチンは、例えば印刷データを記録紙Sへ印刷する印刷処理の直前や電源がONされたあと所定期間経過後などを含む所定のノズル検査タイミングに至るとCPU72により実行される。このルーチンが開始されると、CPU72は、まず、キャリッジ22のノズル列27がノズル検査装置50の通過口51aの上方となるようにキャリッジモータ34aを駆動してキャリッジ22を移動させ(ステップS100)、図示しないノズル検査装置50の電源をONして発振回路53による発振処理を実行する(ステップS110)。すると、上記式(3)により発振回路53の各々の構成により定められる所定の発振周波数fで電極52,52を含めて発振回路53が発振する。次に、CPU72は、ブランク計測を実行し(ステップS120)、ブランク計測の結果に基づいてノズル検査に用いる閾値Crefを設定する(ステップS130)。ここでは、ブランク計測は、予め定められたゲート時間tgが経過する間に周波数検出部58によりピーク数をカウントし、この値をブランク計測のカウント数Aとするものとした。また、閾値Crefは、このカウント値Aに基づく数として、印刷ヘッド24からインク滴が噴射されていると判定可能である、カウント値Aの所定割合(例えば90%や80%、70%など)の値に設定するものとした。なお、この閾値Crefは、カウント値Aとしてもよいが、所定割合とした方が誤検出を防止可能であるため好ましい。
【0025】
次に、CPU72は、検査対象のノズルを設定し(ステップS140)、検査対象のノズル23からゲート時間tgに亘ってインクを噴射させると共に周波数検出部58にゲート時間内のピーク数をカウントさせる(ステップS150)。検査対象のノズルの設定は、端部のノズル列27の1番目のノズル23から番号順に行うものとした。また、ゲート時間tgは、単位時間あたりのインク滴の噴射数と、インク滴の噴射の有無による発振周波数の変動が十分検出可能な時間に経験的に定めるものとした。なお、ここでは、検査対象のノズル23からインク滴を噴射するにあたり、印刷ヘッド24が噴射可能な単位時間あたりの最大の噴射数を噴射するものとした。次に、CPU72は、周波数検出部58によってゲート時間tg内にカウントされたカウント数Cが閾値Crefを下回るか否かを判定する(ステップS160)。カウント数Cが閾値Crefを下回っていないときには、今回の検査対象であるノズル23に詰まりなどの異常が生じているとみなし、そのノズル23を特定する情報(例えばどのノズル列の何番目のノズルかを示す情報)をRAM74の所定領域に記憶する(ステップS170)。
【0026】
ここで、ノズル23の噴射異常の判定について図4を用いて説明する。図4は、ノズル23の噴射異常の判定の説明図である。上述したように、発振回路53が発振すると、周波数検出部58では、正弦波形が検出される。ブランク計測においては、印刷ヘッド24からインク滴を噴射しない状態であるため、略一定の周期で発振する。一方、インク滴が通過口51aに噴射されると、電極52,52間の誘電率がインク滴により増加することから、電気容量が増加し、周波数が減少する。したがって、ブランク計測に対して長い周期で発振するようになり、ブランク計測で検出されたカウント数Aよりも小さいカウント数Bが同じゲート時間tg内で周波数検出部58により検出される。したがって、インク滴がノズル23から正常に噴射されているときには閾値Crefに対して十分小さなカウント数が周波数検出部58により検出され、インク滴が正常に噴射されていないときにはよりブランク計測のカウント数Aに近いカウント数が周波数検出部58により検出されるのである。このように、ノズル23からインク滴が噴射されているか否かを判定するのである。なお、ノズル検査時にブランク計測を行いこのブランク計測の結果に対してノズル23からインク滴が噴射されているか否かを検査することから、経年変化や温度の影響などを補正することなくノズル検査を実行可能である。
【0027】
ステップS170のあと又はステップS160でカウント数Cが閾値Crefを下回っているとき(つまり今回のノズル23が正常だったとき)、CPU72は現在検査中のノズル列27に含まれるすべてのノズル23について検査を行ったか否かを判定し(ステップS180)、現在検査中のノズル列27に未検査のノズル23があるときには、検査対象となるノズル23を未検査のものに更新し(ステップS190)、再びステップS150以降の処理を行う。一方、ステップS180で現在検査中のノズル列27に含まれるすべてのノズル23について検査を行ったときには、印刷ヘッド24に含まれるすべてのノズル列27について検査を行ったか否かを判定し(ステップS200)、未検査のノズル列27が存在するときには、検査対象となるノズル列27を未検査のノズル列27に更新し(ステップS210)、再びステップS150以降の処理を行う。一方、ステップS200で印刷ヘッド24に含まれるすべてのノズル列27について検査を行ったときには、発振回路53の電源をオフし発振処理を停止する(ステップS220)。
【0028】
続いて、CPU72は、印刷ヘッド24に配列された全ノズル23のうち異常が発生しているノズル23があるか否かをRAM76の所定領域の記憶内容に基づいて判定し(ステップS230)、異常が発生しているノズル23があるときには、詰まりが原因となっていることを考慮して印刷ヘッド24のクリーニングを行うが、その前に異常解消のために行ったクリーニングの回数が予め定められた上限回数(例えば3回)に至ったか否かを判定する(ステップS240)。そして、CPU72は、クリーニングの回数が上限回数未満のときには、印刷ヘッド24のクリーニング処理を実行する(ステップS250)。具体的には、図示しない吸引ポンプを駆動してキャッピング装置37の内部を負圧にし、詰まったインクをノズル23から吸引排出させる。このクリーニング処理を実行することにより、ノズル23内に溜まったインク(例えば長期間放置したことにより粘性が高くなったインクなど)を除去することができる。ステップS250でクリーニング処理を実行した後、ノズル23の異常が解消されたか否かを調べるため再びステップS100以降の処理を実行する。なお、このクリーニング処理後のステップS100以降の処理では、異常が発生していたノズル23のみを再検査するものとしてもよいし、すべてのノズル23について再検査を行ってもよい。
【0029】
一方、ステップS240でクリーニングを行った回数が上限回数に達していたときには、クリーニングを行ったとしても異常が発生したノズル23は正常化しないとみなし、図示しない操作パネルにエラーメッセージを表示し(ステップS260)、このルーチンを終了する。一方、ステップS230で異常が発生しているノズル23がなかったときには、そのままこのルーチンを終了する。そして、例えば、ノズル検査によりノズル詰まりのない印刷ヘッド24により印刷処理を実行したりする。印刷処理では、CPU72は、RAM76の印刷バッファに格納された印刷データをビットマップイメージへ展開し、展開した展開データに基づいてインクカートリッジ26に収容された各色のインクを記録紙Sに噴射するよう印刷ヘッド24を駆動すると共に、駆動モータ33により紙送りローラ35を駆動して記録紙Sを搬送する。
【0030】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のインク噴射装置21が本発明の流体噴射装置に相当し、発振回路53が発振実行手段に相当し、コントローラ70が本発明の発振検出手段及び制御手段に相当する。また、インクが本発明の流体に相当し、記録紙Sがターゲットに相当する。なお、本実施形態では、プリンタ20の動作を説明することにより本発明の噴射検査方法の一例も明らかにしている。
【0031】
以上詳述した本実施形態のプリンタ20によれば、インク滴が通過可能に配置された互いに対向する1対の電極52,52に接続された発振回路53が電気的に発振し、この発振状態を周波数検出部58が検出し、インク滴を噴射しないときのゲート時間tgの間にカウントされたピーク数であるカウント数Aの所定割合である閾値Crefを、インク滴を噴射したときのゲート時間tgの間にカウントされたピーク数であるカウント数Cが下回るか否かにより、インク滴がインク噴射装置21から正常に噴射されたか否かを検出する。このとき、1滴のインク滴による電気容量の変化は一般に小さいものであるが、ゲート時間tg内に複数のインク滴を連続的に噴射することにより1滴ごとの周波数の変化を蓄積することができる。このため、ゲート時間tgを調整することにより誘電率の小さなインク滴であってもカウント数Cの変化として容易にみることができる。このように、インク滴が電極52,52を通過するか否かにより生じる誘電率の変化により発生した発振周波数の変化を検出することによってインク滴の噴射の有無を検査するのである。したがって、インク滴を帯電せずにインクの噴射状態を検査するに際して、ゲート時間tg内の発振数をカウントすることにより、インク滴の噴射の有無による発振状態の違いをより簡便により精度よく検出することができる。更に、発振回路53や周波数検出部58は1対の電極52,52のインク滴が通過しない端部を繋ぐ面に設けられており、より短い距離で発振回路53と電極52,52とを接続可能であるため、より発振状態を検出しやすい。更にまた、発振回路53は、コイルとコンデンサとを備えた一般的なコルピッツ型の発振回路であるため、より好ましい。そして、インク滴の電極52,52への接触を防止する保護部材51が設けられているため、電極52,52の汚れを防止可能であり、より確実にインク滴の噴射状態の検査を行うことができる。そしてまた、プリンタは、インク滴を記録紙Sに噴射することが多く、噴射状態を把握する必要が高いため、本発明を適用する意義が高い。そして更にまた、ブランク計測との差を検出してインク滴を噴射しているか否かを検査するため、複雑な補正などを行う必要がなく、比較的容易な処理でインクの噴射状態を検査することができる。また、電極52,52での電気容量の変化を発振回路53により発振周波数に変換して周波数検出部58により検出する構成であり、すべてデジタル処理が可能であるため、A/D変換装置などを必要とせずにインクの噴射状態を検査することができる。
【0032】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0033】
例えば、上述した実施形態では、保護部材51に電極52,52が設けられているものとしたが、保護部材51を省略して電極52,52をそのまま対向させて配設するものとしてもよい。こうしても、インク滴を帯電せずにインクの噴射状態を検査することができる。特に、ブランク計測を実行したのちにインク滴を噴射してノズル検査を実行するから、電極52,52に異物が付着した場合であってもノズル検査を実行可能である。
【0034】
上述した実施形態では、予め定められたゲート時間tgの間にカウントされたカウント数Cを用いて、即ち発振周波数を用いてインクの噴射状態を検査するものとしたが、予め定められた波数がカウントされるまでの経過時間をインク滴を噴射しない場合(ブランク計測)と噴射した場合と検出し、ブランク計測結果の経過時間よりもインクを噴射させてみたときに経過時間が長いか否かによってインク滴が正常に噴射されたか否かを検出するものとしてもよい。こうしても、インク滴を帯電せずにインクの噴射状態を検査することができる。
【0035】
上述した実施形態では、発振回路53は、コンデンサ56,57とコイル54とを接続したコルピッツ型の発振回路としたが、1つのコンデンサと2つのコイルとを接続したハートレー型の発振回路としてもよい。こうしても、インク滴の噴射の有無により電極52,52での電気容量の変化により生じた発振周波数の変化を検出可能であるため、インク滴を帯電せずにインクの噴射状態を検査することができる。また、発振回路53はバッファ55を備えるものとしたが、これを省略してもよい。
【0036】
上述した実施形態では、発振回路53において、インク滴が通過する電極52,52をコイル54と並列となる位置に接続するものとしたが(図2参照)、例えば、図2においてインク滴が通過する電極52,52とコンデンサ56とを入れ替えたものとしてもよいし、インク滴が通過する電極52,52とコンデンサ57とを入れ替えたものとしてもよい。こうしても、インク滴の通過による発振周波数の変化を検出することができる。
【0037】
上述した実施形態では、電極52,52を1対だけ設けるものとしたが、図5(a),(b)に示すように電極52,52を複数対設けるものとしてもよい。図5は、他のノズル検査装置50の説明図であり、図5(a)がノズル検査装置50B、図5(b)がノズル検査装置50C、図5(c)がノズル検査装置50D、図5(d)がノズル検査装置50E、図5(e)がノズル検査装置50F、図5(f)がノズル検査装置50Gの説明図である。図5に示すように、複数対の横長の電極52,52,…を立てた状態で横に並べたノズル検査装置50Bとしてもよいし(図5(a))、上下に複数枚の電極52を接続したものを対向させたノズル検査装置50Cとしてもよい(図5(b))。また、電極52の形状は、横長の矩形状には限定されず、縦長の矩形状に形成したノズル検査装置50Eとしてもよいし(図5(d))、矩形状以外の形状、例えば球状や、図5(c)に示すように、棒状の電極52D,52Dを備えたノズル検査装置50Dとしてもよいし、そのほかどのような形状に電極52を形成してもよい。
【0038】
また、上述した実施形態では、対向した電極52,52の間をインク滴が通過するものとしたが、対向した電極52,52の近傍を通過するものとしたもよい(図5(d))。こうしても、ノズル検査装置50での発振状態が変化することが実験により確認されている。この発振状態の変化は、1対の電極52,52により形成された電界をインク滴が横切ることにより生じたものである。この「電極52,52の近傍」は、例えば電極52,52の形状や配置位置、噴射するインク滴の量などに基づいて、発振周波数の変化が十分に確認可能な距離に設定するものとしてもよい。また、上述した実施形態では、対向した電極52,52としたが、電極は対向していないものとしてもよい。例えば、図5(e)に示すように、ノズル列27に沿った面を構成する縦長の電極52F,52Fを隣り合わせて配置したノズル検査装置50Fとしてもよい。また、図5(f)に示すように、ノズル列27に沿った面を構成する横長の電極52G,52Gを上下に配置したノズル検査装置50Gとしてもよい。こうしても、より簡便により精度よくインク滴の噴射状態を検査することができる。また、電極52,52を対向して配置したものに比して、電極面の拭き取りが容易などその後のメンテナンスが容易であると共に、取り付けの際の位置決めが容易であるし、電極面からインク滴の噴射位置への方向のコンパクト化を図ることができる。このとき、図2においてコンデンサ56,57の位置を上述した電極52,52と置き換えたものとすれば、例えば、棒状の電極(図5(c)参照)を発振回路53における電源側に1本だけ接続し、グランドに接続したフレーム39をもう一方の電極とし、この棒状の電極とフレーム39との近傍をインク滴を通過させてノズル検査装置を構成するものとしてもよい。こうすれば、フレーム39を利用することにより、構成の簡素化を図ることができる。なお、1対の電極52,52は、印刷ヘッド24から噴射されたインク滴が接触しない方向であれば、いずれの方向に配置してもよい。
【0039】
上述した実施形態では、1対の電極52,52に対して1つの発振回路53を設けるものとしたが、1対の電極52,52に対して複数の発振回路53を設けるものとしてもよい。例えば、ノズル列27がより長いものなどでは、ノズル列27の長手方向に電極52を複数の領域に分けこの領域ごとに発振回路53を設け、検査対象のノズル23がある領域に応じてこの複数の発振回路53を切り替えてノズル検査を行うものとしてもよい。こうすれば、検査対象のノズル23がノズル列27のどこの位置にあるかによる発振周波数の計測誤差を低減可能であるため、よりノズル検査の精度を高めることができる。
【0040】
上述した実施形態では、ノズル検査装置50は、フラッシング領域38の隣に設けるものとしたが、フラッシング領域38の領域内に設けるものとしてもよい。あるいは、キャッピング装置37の内部に設けるものとしてもよい。また、上述した実施形態では、1対の電極52,52のみを用いるものとしたが、例えば、各色のノズル列27ごとに1対の電極52,52を設けるものとしてもよい。
【0041】
上述した実施形態では、発振回路53は、電極52,52が固定された保護部材51の側面を繋ぐ、インク滴が通過しない面に設けられているものとしたが、これ以外の位置に設けられているものとしても構わない。
【0042】
上述した実施形態では、ノズル検査を実行するたびにブランク計測を実行するものとしたが、一定期間(例えば数回の印刷ジョブの印刷終了や1週間、1月など)が経過したあとでブランク計測を実行して閾値Crefを設定し直すものとしてもよい。こうすれば、ブランク計測の処理をある程度省略することにより、より効率よくノズル検査を実行することができる。
【0043】
上述した実施形態では、周波数検出部58がカウントしたカウント数Cを判定する閾値Crefを1つ設定し、インク滴が噴射されているか否かを検査するものとしたが、周波数検出部58がカウントしたカウント数Cを判定する閾値を2以上設定し、インク滴が噴射されているか否かに加えてインク滴の噴射量の大小まで検査するものとしてもよい。こうすれば、より詳細なノズル検査を実行することができる。
【0044】
上述した実施形態では、キャリッジ移動方向に移動するキャリッジ22を備えたインク噴射装置21としたが、記録紙Sの幅方向に各色のノズル列27を設けたいわゆるラインインクジェットヘッドを備えたインク噴射装置とし、このノズル列方向に1対の電極を設けてノズル検査を実行するものとしてもよい。こうしても、インク滴を帯電せずにインクの噴射状態を検査することができる。
【0045】
上述した実施形態では、本発明の流体噴射装置をプリンタ20に具体化した例を示したが、インク以外の他の液体や機能材料の粒子が分散されている液状体(分散液)、ジェルのような流状体などを噴射する流体噴射装置に具体化してもよいし、流体として噴射可能な固体を噴射する流体噴射装置に具体化してもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ及びカラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を溶解した液体を噴射する液体噴射装置、同材料を分散した液状体を噴射する液状体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置としてもよい。また、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置、ジェルを噴射する流状体噴射装置、トナーなどの粉体を噴射する粉体噴射式記録装置としてもよい。
【0046】
上述した実施形態では、プリンタ20は、インク噴射装置21を備えた印刷装置として構成するものとしたが、スキャナを備えたマルチファンクションプリンタとしてもよいし、FAX装置などとしてもよい。また、プリンタ20の態様で説明したが、噴射検査方法の態様としてもよいし、この方法のプログラムの態様としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本実施形態であるプリンタ20の構成の概略の一例を示す構成図である。
【図2】ノズル検査装置50の説明図である。
【図3】ノズル検査ルーチンのフローチャートの一例である。
【図4】ノズル23の噴射異常の判定の説明図である。
【図5】別のノズル検査装置の説明図である。
【符号の説明】
【0048】
20 プリンタ、21 インク噴射装置、22 キャリッジ、23 ノズル、24 印刷ヘッド、25 リニア式エンコーダ、26 インクカートリッジ、27 ノズル列、28 キャリッジ軸、32 キャリッジベルト、33 駆動モータ、34a キャリッジモータ、34b 従動ローラ、35 紙送りローラ、36 プラテン、37 キャッピング装置、38 フラッシング領域、39 フレーム、50,50B〜50G ノズル検査装置、51 保護部材、51a 通過口、52,52D,52F,52G 電極、53 発振回路、54 コイル、55 バッファ、56,57 コンデンサ、58 周波数検出部、70 コントローラ、72 CPU、74 フラッシュROM、76 RAM、S 記録紙。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を噴射する流体噴射装置の噴射状態を検査する噴射検査装置であって、
流体が通過可能に配置された少なくとも1対の電極と、
前記電極に接続され電気的に発振する発振実行手段と、
前記発振実行手段によって発振された発振状態を所定期間の発振数をカウントすることにより検出する発振検出手段と、
前記流体を噴射しないときの前記検出された所定期間の発振数と前記噴射された流体が前記電極の近傍を通過したときの前記検出された所定期間の発振数とに基づいて前記流体噴射装置から前記流体が噴射されたか否かを検出する制御手段と、
を備えた噴射検査装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記流体を噴射するよう前記流体噴射装置を制御し、前記噴射された流体が前記電極の近傍を通過したときの前記発振数が前記流体を噴射しないときの前記発振数に基づく数を下回るときに前記流体噴射装置から前記流体が噴射されていると検出する、請求項1に記載の噴射検査装置。
【請求項3】
前記電極は、コンデンサとして構成され、
前記発振検出手段は、前記電極の近傍を前記流体が通過するときに生じる前記コンデンサに係わる電気容量の変化に基づく発振状態の変化を検出する、請求項1又は2に記載の噴射検査装置。
【請求項4】
前記1対の電極は、互いに対向して配置され、
前記発振実行手段は、前記互いに対向する電極の前記流体が通過しない端部を繋ぐ面に設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の噴射検査装置。
【請求項5】
前記発振実行手段は、コイルとコンデンサとを備えたコルピッツ型の発振回路である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の噴射検査装置。
【請求項6】
前記電極は、前記流体が通過する側に該流体の該電極への接触を防止する保護部材が設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の噴射検査装置。
【請求項7】
流体をターゲットに噴射する流体噴射装置と、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の噴射検査装置と、
を備えた印刷装置。
【請求項8】
流体が通過可能に配置された少なくとも1対の電極と、前記電極に接続され電気的に発振する発振実行手段と、を備え、流体を噴射する流体噴射装置の噴射状態を検査する噴射検査方法であって、
(a)前記発振実行手段によって発振された発振状態を所定期間の発振数をカウントすることにより検出するステップと、
(b)前記流体を噴射しないときの前記ステップ(a)で検出した所定期間の発振数と前記噴射された流体が前記電極の近傍を通過したときの前記ステップ(a)で検出した所定期間の発振数とに基づいて前記流体噴射装置から前記流体が噴射されたか否かを検出するステップと、
を含む噴射検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−45809(P2009−45809A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−213424(P2007−213424)
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】