説明

回路板の製造方法

【課題】 電気接続パッドを導電素子で被覆し、該電気接続パッドと該導電素子との結合力を増加させることにより信頼性を向上させる回路板の製造方法を提供する
【解決手段】 電気的接続パッド232を有する回路板本体20の表面に絶縁保護層24が形成され、電気的接続パッドを露出させるように、電気的接続パッドの周縁に接触しない開口240が形成される。その後、絶縁保護層の表面、開口の表面と電気的接続パッドの表面に第2の導電層21bが形成され、その表面に形成される第2のレジスト層22bに、電気的接続パッドを露出させるように、電気的接続パッドより小さい他の開口223bが形成される。その後、他の開口と電気的接続パッドの表面に金属バンプ30と半田材料25が順に電気めっき形成され、第2のレジスト層およびそれに被覆された第2の導電層が除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路板の製造方法に関し、より詳しくは、回路板の電気的接続構造の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体チップを回路板に電気接続し、該半導体チップに能動面があり、該能動面に複数の電極パッドがあり、該回路板表面には該電極パッドに対する電気接続パッドがあり、該電極パッドと該電気接続パッドとの間に半田構造が形成されることにより、該半導体チップと該回路板とが電気的および機械的に接続されるフリップチップ(Flip Chip)技術は広汎に使用されている。
【0003】
図1Aないし図1Eは、従来の回路板の電気的接続構造の製造方法を模式的に示す断面図である。図1Aに示すように、回路板本体10の少なくとも一つの表面に複数の電気的接続パッド11を形成し、該回路板本体10の表面に絶縁保護層12を形成し、該絶縁保護層12に該電気的接続パッド11を露出させるための開口120を形成する。また、図1Bに示すように、該絶縁保護層12の表面にスクリーン版13を設置し、該スクリーン版13に該電気的接続パッド11を露出させるために該電気的接続パッド11に対応する開口130が設けられており、位置合わせの精度に制限されているため、該スクリーン版13の開口130を該絶縁保護層12の開口120より大きくしている。図1Cに示すように、該開口130に半田材料14が塗布されている。図1Dに示すように、該半田材料14を露出させるためにスクリーン版13を除去し、該スクリーン版13の開口130が該絶縁保護層12の開口120より大きいため、該半田材料14が該絶縁保護層12にある表面には側翼140が形成されている。図1Eに示すように、該半田材料14を半田リフローにより、翼縁140’を有する導電素子14’を形成する。
【0004】
上述した構造では、該導電素子14’が翼縁140’を有しているため、該導電素子14’に一定の面積を必要とし、また、それらの導電素子14’の間には、回路板本体10と半導体チップとの電気的接続の場合、該導電素子14’の間に生じた電気的接続によるショートを回避するため、一定のピッチを置く必要がある。従って、該導電素子14’の間のピッチが縮小できず、しかも、該導電素子14’の翼縁140’が相当の面積を必要としているため、高密度のファインピッチの使用要求を満たすことができない。
【0005】
従って、回路板の導電素子14’の翼縁140’の生成がなく、分布密度を向上させることで、ファインピッチ分布の使用要求が図られることは、回路板業界で極めて重要な課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、以上のとおりの事情に鑑み、本発明の目的は、翼縁のある導電素子を形成することを回避し、ファインピッチ分布の使用要求が図られる回路板の製造方法を提供することである。
【0007】
また、本発明のもう一つの目的は、該電気接続パッドを導電素子で被覆し、該電気接続パッドと該導電素子との結合力を増加させることにより信頼性を向上させる回路板の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明に係る回路板は、少なくとも一つの表面に複数の電気的接続パッドを有する回路板本体と、前記回路板本体の表面に設けられ、前記電気的接続パッドに対応して該電気的接続パッドより大きく該電気的接続パッドの周縁に接触しない非絶縁保護層定義接続パッド(Non Solder Mask Defined Pad, NSMD)である開口を有する絶縁保護層と、該電気的接続パッドの表面に設けられ、該電気的接続パッドの直径より小さく、すず(Sn)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)等からなる群のいずれかの半田材料とを備えている。
【0009】
上述の構造により、半田材料が、半田リフローすることにより導電素子として形成して、該電気的接続パッドの表面に被覆し、該絶縁保護層の開口より小さく、また、該導電素子の表面に平坦面を有している。また、回路板本体の表面に少なくとも一つの回路をさらに有している。
【0010】
また、本発明に係る他の実施構造は、該電気的接続パッドと半田材料との間に設けられた金属バンプを少なくとも一つさらに備えており、該金属バンプの直径は該半田材料に等しく、該金属バンプは、銅(Cu)、ニッケル/金(Ni/Au、ニッケル層を形成した後、金層を形成する)、クロム(Cr)またはニッケル/パラジウム/金(Ni/Pd/Au)である。
【0011】
また、本発明に係る他の実施構造は、該電気的接続パッドの表面に設けられた金属層を少なくとも一つさらに備えている。該金属層は、ニッケル(Ni)、金(Au)、ニッケル/金(Ni/Au、ニッケル層を形成した後、金層を形成する)、亜鉛(Zn)またはニッケル/パラジウム/金(Ni/Pd/Au)である。
【0012】
また、本発明に係る回路板の製造方法は、少なくとも一つの表面に複数の電気的接続パッドを有する回路板本体を提供する工程と、該回路板本体の表面に絶縁保護層が形成され、それらの電気的接続パッドを露出させるように対応して、該電気的接続パッドより大きく該電気的接続パッドの周縁に接触しない非絶縁保護層定義接続パッド(Non Solder Mask Defined Pad, NSMD)である開口が複数形成される工程と、該絶縁保護層の表面、該開口の表面と該電気的接続パッドの表面に第2の導電層が形成され、該第2の導電層の表面に第2のレジスト層が形成され、該第2のレジスト層に該電気的接続パッドを露出させるように該電気的接続パッドより小さい第3の開口が形成される工程と、該開口と該電気的接続パッドの表面にすず(Sn)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)等からなる群のいずれかの半田材料を電気めっき形成される工程と、該第2のレジスト層およびそれにより被覆された第2の導電層を除去する工程とを備えている。
【0013】
上述した製法によれば、該半田材料を半田リフローにより導電素子として形成し、該電気的接続パッドの表面に被覆し、該絶縁保護層の開口より小さくし、該導電素子の表面にコイニング(coining)により平坦面を形成する工程をさらに備えている。
【0014】
また、上述した製造方法によれば、回路板本体の表面に少なくとも一つの回路を形成する工程をさらに備えている。該回路と電気的接続パッドの製造方法は、該回路板本体の少なくとも一つの表面に第1の導電層が形成され、該第1の導電層の表面に第1のレジスト層が形成され、該第1のレジスト層に該第1の導電層を露出させるように少なくとも一つの第1の開口および第2の開口が形成される工程と、該第1の開口が電気めっきして該回路を形成し、該第2の開口が電気めっきして該電気的接続パッドを形成する工程と、該第1のレジスト層およびそれにより被覆された第1の導電層を除去する工程とをさらに備えている。
【0015】
また、本発明に係る他の実施形態の製造方法は、該第2のレジスト層の第3の開口における第2の導電層の表面に半田材料を電気めっき形成する前に、まず、金属バンプを電気めっき形成し、該半田材料が半田リフローにより導電素子として形成し、該金属バンプおよび電気的接続パッドを被覆し、該導電素子を絶縁保護層の開口より小さくし、該導電素子の表面をコイニングにより平坦面に形成する工程とをさらに備えている。該金属バンプは、銅(Cu)、ニッケル/金、クロム(Cr)またはニッケル/パラジウム/金(Ni/Pd/Au)である。
【0016】
また、本発明に係る他の実施形態の製造方法は、該電気的接続パッドの表面に第2の導電層が形成される前に、化学気相成長により、ニッケル(Ni)、金(Au)、ニッケル/金(Ni/Au)、亜鉛(Zn)またはニッケル/パラジウム/金(Ni/Pd/Au)のいずれかの金属層を形成する工程をさらに備えている。
【0017】
本発明に係る回路板およびその製造方法は、該電気的接続パッドが非絶縁保護層定義接続パッド(NSMD)であり、絶縁保護層の開口が該電気的接続パッドより大きく、該電気的接続パッドの周縁に接触せず、該半田材料が該電気的接続パッドより小さいため、該半田材料が半田リフローにより導電素子として形成する場合、該導電素子を該絶縁保護層の開口に位置付けることで、従来の翼縁の生成を回避し、該導電素子の間のピッチを縮小し、ファインピッチの使用要求が図られる。また、該導電素子は、該電気的接続パッドの表面に完全に被覆されているため、該導電素子と電気的接続パッドとの間に接触面積が大きく維持されているため、該電気的接続パッドと該導電素子との結合力が向上し、該回路板本体と半導体チップとの結合時の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1A】従来の回路板を用いて電気的接続構造を製造するための製造方法を模式的に示した図である。
【図1B】従来の回路板を用いて電気的接続構造を製造するための製造方法を模式的に示した図である。
【図1C】従来の回路板を用いて電気的接続構造を製造するための製造方法を模式的に示した図である。
【図1D】従来の回路板を用いて電気的接続構造を製造するための製造方法を模式的に示した図である。
【図1E】従来の回路板を用いて電気的接続構造を製造するための製造方法を模式的に示した図である。
【図2A】本発明に係る電気的接続構造を有する回路板の第1の実施形態の製造方法を模式的に示した図である。
【図2B】本発明に係る電気的接続構造を有する回路板の第1の実施形態の製造方法を模式的に示した図である。
【図2C】本発明に係る電気的接続構造を有する回路板の第1の実施形態の製造方法を模式的に示した図である。
【図2D】本発明に係る電気的接続構造を有する回路板の第1の実施形態の製造方法を模式的に示した図である。
【図2E】本発明に係る電気的接続構造を有する回路板の第1の実施形態の製造方法を模式的に示した図である。
【図2F】本発明に係る電気的接続構造を有する回路板の第1の実施形態の製造方法を模式的に示した図である。
【図2G】本発明に係る電気的接続構造を有する回路板の第1の実施形態の製造方法を模式的に示した図である。
【図2H】本発明に係る電気的接続構造を有する回路板の第1の実施形態の製造方法を模式的に示した図である。
【図2I】本発明に係る電気的接続構造を有する回路板の第1の実施形態の製造方法を模式的に示した図である。
【図3A】本発明に係る電気的接続構造を有する回路板の第2の実施形態の製造方法を模式的に示した図である。
【図3B】本発明に係る電気的接続構造を有する回路板の第2の実施形態の製造方法を模式的に示した図である。
【図3C】本発明に係る電気的接続構造を有する回路板の第2の実施形態の製造方法を模式的に示した図である。
【図3D】本発明に係る電気的接続構造を有する回路板の第2の実施形態の製造方法を模式的に示した図である。
【図3E】本発明に係る電気的接続構造を有する回路板の第2の実施形態の製造方法を模式的に示した図である。
【図3F】本発明に係る電気的接続構造を有する回路板の第2の実施形態の製造方法を模式的に示した図である。
【図4A】本発明に係る電気的接続構造を有する回路板の第3の実施形態の製造方法を模式的に示した図である。
【図4B】本発明に係る電気的接続構造を有する回路板の第3の実施形態の製造方法を模式的に示した図である。
【図4C】本発明に係る電気的接続構造を有する回路板の第3の実施形態の製造方法を模式的に示した図である。
【図4D】本発明に係る電気的接続構造を有する回路板の第3の実施形態の製造方法を模式的に示した図である。
【図4E】本発明に係る電気的接続構造を有する回路板の第3の実施形態の製造方法を模式的に示した図である。
【図4F】本発明に係る電気的接続構造を有する回路板の第3の実施形態の製造方法を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
下記において特定の具体的な実施例により本発明の実施方式を説明する。明細書に記載の内容は、この技術分野に精通した者なら簡単に本発明のその他の利点や効果が理解できる。本発明は、その他の異なる実施例によって施行や応用を加えることが可能であり、明細書に記載の内容も異なる観点や応用に基づき、本発明の精神を脱しない範囲で様々な修飾や変更が可能であり、そうした修飾や変更は本発明の技術範囲に入るものである。
【0020】
(第1の実施形態)
図2Aないし図2Iは、本発明に係る回路板の製造方法の第1の実施形態の断面図を示す。
【0021】
図2Aに示すように、回路板本体20が提供されており、該回路板本体20の少なくとも一つの表面に第1の導電層21aが形成され、該第1の導電層21aの表面に第1のレジスト層22aが形成され、該第1のレジスト層22aに該第1の導電層21aを露出させるための少なくとも一つの第1の開口221aおよび第2の開口222aが形成される。
【0022】
図2Bに示すように、該第1の開口221aにおいて回路231が該第1の導電層21aで電気めっき形成され、該第2の開口222aにおいて電気的接続パッド232が電気めっき形成され、該回路231および電気的接続パッド232は、銅(Cu)または導電性がよい金属である。
【0023】
図2Cに示すように、該第1のレジスト層22aおよびそれに被覆された第1の導電層21aを除去することにより、該回路231および電気的接続パッド232を露出させる。
【0024】
図2Dに示すように、該回路板本体20の表面に絶縁保護層24が形成され、該絶縁保護層24に該電気的接続パッド232を露出させるための開口240が形成されており、該開口240の孔径は該電気的接続パッド232の直径より大きく該電気的接続パッド232の周縁に接触せず、非絶縁保護層定義接続パッドである。
【0025】
図2Eに示すように、該絶縁保護層24の表面、該開口240の表面および該電気的接続パッド232の表面に第2の導電層21bが形成され、そして、該第2の導電層21bの表面に第2のレジスト層22bが形成され、該第2のレジスト層22bに該電気的接続パッド232を露出させるための第3の開口223bが形成されており、該第3の開口223bの直径は該電気的接続パッド232の直径より小さい。
【0026】
図2Fに示すように、該第3の開口223bにおける第2の導電層21bの表面にすず(Sn)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)等からなる群のいずれかの半田材料25が電気めっき形成される。
【0027】
図2Gに示すように、該第2のレジスト層22bおよびそれにより被覆された第2の導電層21bを除去することにより該半田材料25、電気的接続パッド232および絶縁保護層24を露出させる。
【0028】
図2Hに示すように、該半田材料25が半田リフローにより導電素子25’として形成し、該電気的接続パッド232の表面に被覆し、該導電素子25’を該絶縁保護層24の開口240に位置付けすることにより、該絶縁保護層24の表面に翼縁が生じることを回避し、それらの導電素子25’の間のピッチを縮小し、ファインピッチの使用要求が図られる。
【0029】
図2Iに示すように、最後に、該導電素子25’の上表面に平坦面251’をコイニングにより形成することにより、高さの均一な導電素子25’を提供することで、電気的接続の場合高さの不揃いにより応力の不均一が生じることを回避することができる。
【0030】
本発明に係る回路板は、少なくとも一つの表面に少なくとも一つの回路231および複数の電気的接続パッド232を有する回路板本体20と、該回路板本体20の表面に設けられ、該電気的接続パッド232に対応して該電気的接続パッド232より大きく該電気的接続パッド232の周縁に接触しない開口240を有する絶縁保護層24と、該電気的接続パッド232の表面に設けられ、半田リフローにより導電素子25’が形成され、該電気的接続パッド232の表面に被覆され、該絶縁保護層24の開口240より小さく、導電素子25’の表面に平坦面251’を有する半田材料25とを備えている。
【0031】
上述した構造によれば、該半田材料25は、すず(Sn)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)等からなる群のいずれかのものである。
【0032】
本発明に係る回路板およびその製造方法によれば、該半田材料25の直径を該電気的接続パッド232の直径より小さくし、半田リフローにより導電素子25’として形成し、該導電素子25’が該開口240に位置付けられることにより、該絶縁保護層24の表面に翼縁が生じることを回避し、該導電素子25’の間のピッチを縮小し、ファインピッチの使用要求が図られる。また、該導電素子25’が完全に該電気的接続パッドの表面を被覆しコイニングすることにより、該導電素子25’と電気的接続パッド232との間に大きい接触面積を有し、該電気的接続パッドと該導電素子との間の結合力が増加し、該回路板本体と半導体チップとの結合時の信頼性が向上する。
【0033】
(第2の実施形態)
図3Aないし図3Fは、本発明に係る回路板の製造方法の第2の実施形態の断面図であり、前記の実施形態と異なる点は、該電気的接続パッドと該半田材料との間に金属バンプを有する点である。
【0034】
図3Aでは、図2Eに示す構造が提供されており、該第2のレジスト層22bに第3の開口223bを形成することにより、該電気的接続パッド232の表面上の第2の導電層21bを露出させる。
【0035】
図3Bに示すように該第3の開口223bの第2の導電層21bの表面に銅(Cu)、ニッケル/金(Ni/Au、ニッケル層を形成した後、金層を形成する)、クロム(Cr)またはニッケル/パラジウム/金(Ni/Pd/Au)からなる金属バンプ30が電気めっきで形成される。
【0036】
図3Cに示すように、次に該金属バンプ30の表面に該半田材料25を電気めっき形成することにより、該半田材料25が金属バンプの直径に等しい。
【0037】
図3Dに示すように、該第2のレジスト層22bおよびそれにより被覆された第2の導電層21bを除去することにより該半田材料25、金属バンプ30、電気的接続パッド232および絶縁保護層24を露出させる。
【0038】
図3Eに示すように、該半田材料25を半田リフローにより導電素子25’として形成し、該金属バンプ30および電気的接続パッド232を被覆し、該導電素子25’を該絶縁保護層24の開口240より小さくしている。
【0039】
図3Fに示すように、該導電素子25’の上表面をコインニングすることにより平坦面251’を形成する。
【0040】
本発明に係る回路板は、少なくとも一つの表面に少なくとも一つの回路231および複数の電気的接続パッド232を有する回路板本体20と、該回路板本体20の表面に設けられ、該電気的接続パッド232に対応して該電気的接続パッド232より大きく該電気的接続パッド232の周縁に接触しない開口240を有する絶縁保護層24と、該電気的接続パッド232に設けられ、該電気的接続パッド232の直径より小さい金属バンプ30と、該金属バンプ30の表面に設けられ、該金属バンプ30の直径に等しい半田材料25とを備えている。
【0041】
上述した構造によれば、該半田材料25を半田リフローにより導電素子25’として形成し、該電気的接続パッド232および金属バンプ30を被覆し、該導電素子25’の上表面に平坦面251’を有する。
【0042】
(第3の実施形態)
図4Aないし図4Fは、本発明に係る回路板の製造方法の第3の実施形態の断面図であり、前記の実施形態と異なる点は、該電気的接続パッドと該半田材料との間に金属層を有する点である。
【0043】
図4Aでは、図2Dに示す構造が提供されており、該絶縁保護層24に該電気的接続パッド232を露出させるための開口240が形成されており、該開口240の口径が該電気的接続パッド232の直径より大きく該電気的接続パッド232の周縁に接触していない。該電気的接続パッド232の表面に金属層40を化学気相成長により形成する。該金属層40は、ニッケル(Ni)、金(Au)、ニッケル/金(Ni/Au、ニッケル層を形成した後、金層を形成する)、亜鉛(Zn)またはニッケル/パラジウム/金(Ni/Pd/Au)からなる。
【0044】
図4Bに示すように、該絶縁保護層24の表面、該開口240の表面および該金属層40の表面に第2の導電層21bを形成し、該第2の導電層21bの表面に第2のレジスト層22Bを形成し、該第2のレジスト層22bに第3の開口223bを形成し、該第3の開口223bの直径が該金属層40の直径より小さく、該第2の導電層21bの一部の表面を露出する。
【0045】
図4Cに示すように、該第3の開口223bの第2の導電層21bの表面に半田材料25が電気めっき形成される。
【0046】
図4Dに示すように、該第2のレジスト層22b及びそれに被覆された第2の導電層21bを除去することにより、該半田材料25、金属層40および絶縁保護層24の表面を露出させる。
【0047】
図4Eに示すように、該半田材料25を半田リフローにより導電素子25’として形成することにより金属層40を被覆する。
【0048】
図4Fに示すように、該導電素子25’の上表面がコインニングにより平坦面251’を形成する。
【0049】
本発明に係る回路板は、少なくとも一つの表面に少なくとも一つの回路231および複数の電気的接続パッド232を有する回路板本体20と、該回路板本体20の表面に設けられ、該電気的接続パッド232に対応して該電気的接続パッド232より大きく該電気的接続パッド232の周縁に接触しない開口240を有する絶縁保護層24と、該電気的接続パッド232の表面に設けられた金属層40と、金属層40の表面に設けえられた半田材料25とを備えている。
【0050】
該金属層40により該電気的接続パッド232と該導電素子25’との結合性が向上する。
【0051】
本発明に係る回路板およびその製造方法では、該電気的接続パッドは非絶縁保護層定義接続パッドであり、絶縁保護層の開口が該電気的接続パッドより大きくし該電気的接続パッドの周縁に接触せず、該半田材料が該電気的接続パッドより小さく、該半田材料を半田リフローにより導電素子として形成する場合、該導電素子が該絶縁保護層の開口に位置付けられることにより従来の翼縁が生じることを回避し、それらの導電素子の間のピッチを縮小し、ファインピッチの使用要求が図られる。また、該導電素子は、該電気的接続パッドの表面を完全に被覆しているため、該導電素子と電気的接続パッドとの間に接触面積が大きく維持されているため、該電気的接続パッドと該導電素子との結合力が向上し、該回路板本体と半導体チップとの結合時の信頼性を向上させることができる。また、該導電素子の表面がコイニングにより平坦面に形成することにより、高さの均一な導電素子を提供することで、電気的接続の場合の高さの不揃いにより応力の不均一が生じることを回避することができる。
【0052】
上記のように、これらの実施の形態は本発明の原理および効果・機能を例示的に説明するものであり、本発明は、これらによって限定されるものではない。本発明に係る実質的な技術内容は、下記の発明の請求の範囲に定義される。本発明は、この技術分野に精通した者により発明の請求の範囲を脱しない範囲で色々な修飾や変更をすることが可能であり、そうした修飾や変更は本発明の技術範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0053】
10、20 回路板本体
11、232 電気的接続パッド
12、24 絶縁保護層
120、240 開口
13 スクリーン版
130 開口
14、25 半田材料
140 側翼
14’、25’ 導電素子
140’ 翼縁
21a 第1の導電層
21b 第2の導電層
22a 第1のレジスト層
221a 第1の開口
222a 第2の開口
22b 第2のレジスト層
223b 第3の開口223b
231 回路
251’ 平坦面
30 金属バンプ
40 金属層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの表面に複数の電気的接続パッドを有する回路板本体を提供する工程と、
前記回路板本体の表面に絶縁保護層が形成され、それらの前記電気的接続パッドを露出させるように対応して前記電気的接続パッドより大きく前記電気的接続パッドの周縁に接触しない開口が複数形成される工程と、
前記絶縁保護層の表面、前記開口の表面と前記電気的接続パッドの表面に第2の導電層が形成され、前記第2の導電層の表面に第2のレジスト層が形成され、前記第2のレジスト層に前記電気的接続パッドを露出させるように前記電気的接続パッドより小さい第3の開口が形成される工程と、
前記第3の開口と前記電気的接続パッドの表面に金属バンプと半田材料が順に電気めっき形成される工程と、
前記第2のレジスト層およびそれにより被覆された第2の導電層を除去する工程と、
を備えることを特徴とする回路板の製造方法。
【請求項2】
前記半田材料を半田リフローにより導電素子として形成することで、前記電気的接続パッドの表面に被覆し、前記絶縁保護層の開口より小さくする工程をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の回路板の製造方法。
【請求項3】
前記導電素子の上表面がコイニングにより平坦面を形成することを特徴とする請求項2に記載の回路板の製造方法。
【請求項4】
前記半田材料が、すず(Sn)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)からなる群のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の回路板の製造方法。
【請求項5】
前記回路板本体の表面に少なくとも一つの回路を形成する工程をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の回路板の製造方法。
【請求項6】
前記回路と電気的接続パッドの製造方法が、
前記回路板本体の少なくとも一つの表面に第1の導電層が形成され、前記第1の導電層の表面に第1のレジスト層が形成され、前記第1のレジスト層に前記第1の導電層を露出させるように少なくとも一つの第1の開口および第2の開口が形成される工程と、
前記第1の開口が電気めっきして前記回路を形成し、前記第2の開口が電気めっきして前記電気的接続パッドを形成する工程と、
前記第1のレジスト層およびそれにより被覆された第1の導電層を除去する工程と、
をさらに備えていることを特徴とする請求項5に記載の回路板の製造方法。
【請求項7】
前記半田材料が半田リフローにより導電素子として形成して、前記金属バンプおよび電気的接続パッドを被覆し、前記導電素子を前記絶縁保護層の開口より小さくする工程をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の回路板の製造方法。
【請求項8】
前記導電素子の上表面がコイニングにより平坦面を形成する工程をさらに備えていることを特徴とする請求項7に記載の回路板の製造方法。
【請求項9】
前記金属バンプが、銅(Cu)、ニッケル/金(Ni/Au)、クロム(Cr)またはニッケル/パラジウム/金(Ni/Pd/Au)のいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載の回路板の製造方法。
【請求項10】
前記電気的接続パッドの表面に第2の導電層を形成する前に、まず金属層を形成する工程をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の回路板の製造方法。
【請求項11】
前記金属層が、化学気相成長により前記電気的接続パッドの表面に形成されることを特徴とする請求項10に記載の回路板の製造方法。
【請求項12】
前記金属層が、ニッケル(Ni)、金(Au)、ニッケル/金(Ni/Au)、亜鉛(Zn)またはニッケル/パラジウム/金(Ni/Pd/Au)のいずれか一つであることを特徴とする請求項10に記載の回路板の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図2I】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【公開番号】特開2011−44734(P2011−44734A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255155(P2010−255155)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【分割の表示】特願2007−260830(P2007−260830)の分割
【原出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(509319292)欣興電子股▲フン▼有限公司 (7)
【Fターム(参考)】