説明

回転加工物割出し方法及び装置

【課題】機械加工操作のために加工物を回転方向に割り出すための回転加工物割出し装置が提供される。
【解決手段】回転加工物割出し装置は、スピンドル軸線周りの回転のためにハウジングに支持されるスピンドルと、スピンドルの軸方向一端部に同軸状に配置される加工物取付面とを含む。スピンドルロックは、ハウジングに対する回転運動に対しスピンドルを解放可能に固定し、また、スピンドルの周囲に周方向に間隔をおいた位置にてハウジングによって保持された複数のクランプを含む。これらクランプは、スピンドル周りの離隔したそれぞれの位置での締付力の適用を通じてハウジングに対しスピンドルを締め付けることにより、回転運動に対してスピンドルを固定するそれぞれの固定位置へと駆動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械加工操作のために加工物を回転方向に割り出すための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
加工物に対し実行される機械加工操作のために加工物を有利に位置付けるべく加工物を回転方向に割り出すことは知られている。そのような回転割出しが、回転割出しのためのハウジングに支持されたターンテーブルもしくはスピンドルを含む装置によって実行されることも知られている。そのような装置は、一般に、あるタイプのターンテーブルロッキングシステムを含み、該ターンテーブルロッキングシステムは、加工物に対し機械操作が実行されながら、ターンテールブルが支持する加工物を回転方向に割り出して、望ましい割出し位置で加工物を保持するため、ターテーブルを交互に解放及びロックする。
【0003】
例えば、1957年10月8日付け発行のBellmannに対する米国特許第2,808,741号、1972年6月6日付け発行のRasoiraに対する米国特許第3,667,305号は回転式加工物割出し装置を開示し、該割出し装置はそれぞれ、シャフトに支持されかつハウジングに回転割出しのために支えられるターンテーブルと、ハウジングに支持され、かつシャフト及びターンテーブルをハウジンングに対し回転駆動するため、シャフトに動力が伝わるように連結されるモータとを含む。Bellmann及びRasoira特許の回転式加工物割出し装置はまた、ターンテーブルロッキングシステムをそれぞれ含む。該ターンテーブルロッキングシステムは、ターンテーブルの周囲に間隔をあけた少なくとも三つの位置それぞれにて軸方向に向けられたブレーキ力を適用することによって、ハウジングに対する回転運動に対しターンテーブルを固定するために位置付けられたブレーキを含む。それぞれの場合、ブレーキは、軸方向に向けられたボルトをそれぞれ含み、該ボルトの頭部は、ターンテーブルの下面の周囲に形成されるリングチャネルもしくはキー溝に受け入れられる。ボルトは、それぞれの係合位置に対してばね付勢され、ここでボルト頭部の裏面がリングチャネルの環状係合面に対し当接(押圧接触)するようにされる。各ブレーキはボルト解放リンクを更に含み、該ボルト解放リンクはボルトをその係合位置の外に動かし、ターンテーブルを回転のため解放する。Bellmann特許の解放リンクは手動により操作され、Rasoira特許の解放リンクは油圧により作動される。
【0004】
Kschierに対する2002年10月1日付け発行の米国特許第6,457,383号は、ハウジングに回転のために支持されたターンテーブルと、ボルトに連結されたスプレッダーもしくは圧力リングを含むターンテーブルロックシステムとを備えた回転式加工物割出し装置を開示する。ボルトがリンクにより軸方向に引かれるのに応じて、圧力リングは、リング形状ブレーキシューの薄肉リングセグメントを、ターンテーブルの下面に形成された同心リング溝の内壁と係合するように外側に広げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第2,808,741号明細書
【特許文献2】米国特許第3,667,305号明細書
【特許文献3】米国特許第6,457,383号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記各システムでは、リンク、ボルト、及びターンテーブル下及び/又はターンテーブル内の他のブレーキシステム構成要素、及び、これらの構成要素とターンテーブルの裏面との間のインターフェースの位置付けは、かなりの空間量を必要とし、そうでなければ、付加的寸法安定性を与えて、特に、高トン数ブローチ削り等の高負荷機械加工操作において半径方向、軸方向及びねじり方向への動きに対する加工物の支持を支援するためにハウジング及びテーブル内に含められ得るかあるいはハウジング及びテーブルに支持され得る金属及び他の構造材料の量を相当に減らす。
【課題を解決するための手段】
【0007】
機械加工操作のために加工物を回転方向に割り出すための回転加工物割出し装置が提供される。該装置はスピンドルを含み得、スピンドルはスピンドル軸線周りの回転のためにハウジングに支持され、スピンドルの軸方向一端部に同軸状に配置される加工物取付面を含む。該装置は、ハウジングに対する回転運動に対しスピンドルを解放可能に固定するように構成されたスピンドルロックを更に含み得る。スピンドルロックは、スピンドルの周囲に周方向に間隔をおいた位置にてハウジングによって保持された三つのクランプを含み得る。これらクランプは、加工物取付面に固定されるかもしくは他の方法で留められた加工物に実行される機械加工操作に対して半径方向、軸方向及びねじり方向における高い精度を提供するため、スピンドル周りの離隔したそれぞれの位置での締付力の適用を通じてハウジングに対しスピンドルを締め付けることにより、回転運動に対してスピンドルを固定するそれぞれの固定位置へと駆動されるように構成される。
【0008】
該装置は、環状係合面を備えるクランプ板を含み得る。クランプ板は、クランプ板の係合面がスピンドルの環状上方係合面に締付圧力をかける固定位置と、スピンドルから締付圧力を解放する非固定位置との間の締付ストロークに沿う軸方向運動のためにハウジングによって保持され得る。スピンドルロッククランプは、クランプ板に連結され得、また、スピンドルの上方係合面にクランプ板の係合面を通じて力を適用することにより、ハウジングに対しスピンドルを固定するように構成される。この構成は、スピンドルの周囲に一様で均等に分配されたクランプ力を与える。スピンドルがハウジングに対し所定位置でロックされ、そうでなければ、上記面に取り付けられた加工物に実行される機械加工操作に悪影響を及ぼすであろう加工物取付面のゆがみを制限する。
【0009】
クランプ板は加工物取付アクセス穴を備え得、また、環状係合面は、加工物取付アクセス穴を囲み得る。クランプ板は、加工物取付アクセス穴がスピンドルの加工物取付面と軸方向に整列しかつ該加工物取付面に対するアクセスを与える位置にてハウジングによって保持され得る。クランプ板は環状移動止めを含み得、環状移動止めは、環状係合面を備え、加工物取付面穴を規定する。
【0010】
クランプは、加工物取付面穴の周りの周方向に間隔をあけた地点それぞれにて、軸方向に向けられたそれぞれの成分を含むように配向された締付力をクランプ板に適用するように構成され得る。これは、スピンドルがハウジングに対し締め付けられることを可能にする。
【0011】
クランプは、クランプ板と係合する、軸方向に向けられたそれぞれのボルトを含み得、また、スピンドルに対しクランプ板を引くことにより、スピンドルに対しほぼ軸方向に向けられた締付力を適用するように構成され得る。
【0012】
クランプボルトは、加工物取付面穴の周囲に周方向に均等に間隔があけられた位置にて締付力を適用するように位置付けられ得る。
【0013】
クランプは、シリンダとボルトとの間に連動的に連結されたクランプボルトカムリンクを通じてクランプボルトに駆動的に(駆動が伝達されるように)連結されたそれぞれの油圧シリンダを更に含む。
【0014】
クランプボルトカムリンク(もしくは油圧シリンダ)は、クランプ板を通じてスピンドルに締付力を適用する方向にボルトを移動させるように構成される。
【0015】
クランプボルトカムリンクは、軸方向に向けられた成分を有するそれぞれの方向にボルトを移動させるように構成され得る。
【0016】
クランプボルトカムリンクは、固定(締付け)及び/又は非固定(非締付け)を駆動するように選択されたシリンダの利用可能なピストンストローク長とは無関係に、同じシャトルストロークを提供するために空動きを使用するように構成され得る。
【0017】
油圧シリンダは、ハウジングによって保持され得、また、回転のためにスピンドルを解放する非固定位置と、ハウジングに対しスピンドルを留める固定位置との間のピストン路に沿うほぼ水平な相互並進運動のために支持されるピストンを含み得る。各クランプリンクは、シャトル路に沿うほぼ垂直な相互並進運動のために支持されるシャトルを含み得、また、クランプボルトの一つを保持し得る。各クランプリンクは、ほぼ水平に向けられたピストン力を、シャトル及びクランプボルトを通じて伝達されるほぼ垂直な力に変換するように構成され得る。
【0018】
クランプは、それぞれの固定位置に向けて付勢され得、また、油圧シリンダの作動によりそれぞれの非固定位置に向けて移動可能である。
【0019】
クランプは、それぞれの非固定位置に向けて付勢され得、また、油圧シリンダの作動によりそれぞれの固定位置に向けて移動可能でありかつ該固定位置に保持される。
【0020】
各クランプリンクはアームを含み得る。該アームは、第1枢動軸周りの相対的枢動運動のためにピストンと枢動的に係合され、また、リンクが固定位置にある際に第1枢動軸から離れた第2枢動軸周りの相対的枢動運動のためにシャトルと枢動的に係合される。アームは、ピストンのほぼ水平な運動をシャトル及びクランプボルトのほぼ垂直な運動に変換するように構成される。シャトル/クランプ板ストローク路と第1及び第2枢動軸を通るように引いた想像線との間の角度は、固定位置にあるリンクでは14度未満である。ピストンとシャトル路との間の小さい角度は、高い力増幅定数を提供し、ある一定の力の適用量に対しより少ない油圧を要する。
【0021】
シャトル/クランプ板ストローク路と第1及び第2枢動軸を通るように引いた想像線との間の角度は、固定位置のリンクではほぼ13度であり得る。
【0022】
スピンドルの上方係合面は、ある一定の直径のスピンドル及び/又は加工物取付面に対する締付力トルクアーム長を最大にするため、スピンドルの半径方向最外周縁に配置され得る。
【0023】
スピンドルは、ハウジングの環状係合と同軸状に整列される下方環状係合面を含み得る。該装置は、スピンドルの方環状係合面とハウジングの係合面との間に配置される環状クランプリングを含み得る。該環状クランプリングは、ハウジングに対する回転のためにスピンドルを支持する軸受けの外側レースのための保持器としての役割を果たし、また、構造的に簡易で、容易に製造可能で、容易に入手でき、かつ容易に取り外し及び交換可能な摩耗部品を提供する。
【0024】
クランプ板がスピンドルの周囲面とシール接触し得、そうでなれけばクランプ板の加工物取付アクセス穴の内周面とスピンドルの外周面と間の間隙を通過するかもしれない冷却液、金属破片及び他の汚染物質から内部装置構成要素及び係合面を保護する。
【0025】
第1Oリングシールが、スピンドルの外周シール面とクランプ板の加工物取付アクセス穴の内周面との間に配置され得る。
【0026】
クランプ板は、汚染物質に対し内部装置構成要素と係合面を更に保護するため、ハウジングとシール接触し得る。
【0027】
あるいは、第2Oリングシールがクランプ板とハウジングとの間に配置され得、そうでなければクランプ板の下面とハウジングの対面上面との間の間隙を通過するかもしれない汚染物質から内部装置構成要素及び係合面を保護する。
【0028】
締付ストロークは、Oリングの圧縮範囲内に入る程度に十分小さいものであり得る。これは、クランプ板とハウジングとの間のシール接触が締付ストローク中ずっと維持されることを可能にし、クランプが締付力を適用する三つの位置で動きを同期させる必要性を排除する。
【0029】
該装置は、スピンドルロッククランプと係合してクランプ板の動きを積極的に止めるため、ハウジングにおけるそれぞれの位置においてポジティブストップを含み得る。この際、クランプ板は、シール接触が非固定位置におけるクランプ板により維持されることを保証するため、固定位置から締付ストロークに等しい間隔にある。
【0030】
クランプ板は、スピンドルから離れるように付勢され得、これは、スピンドルの上方係合面から圧力を解放し、そうでなければ、クランプが締付力を適用していない時にスピンドルの回転割出し中にクランプ板とスピンドルとの間及び/又はスピンドルとハウジングとの間の摩擦によって引き起こされるであろう干渉を低減又は除去する。これはまた、十分な締付力を発生させるために必要となるであろうすべてのばねを収容するためにスピンドル及び/又はハウジングから金属を除去する必要性を取り除き、追加の構造上の強度及び剛性がスピンドル及び/又はハウジングに保持されることを許容する。
【0031】
クランプ板は非固定位置に向けてばね付勢され得る。
【0032】
割出しモータは、ハウジングに保持され得、また、スピンドルに駆動伝達可能に連結され得、ハウジングに対しスピンドルを割出された回転にて駆動するように構成される。
【0033】
スピンドルは、スピンドルの半径方向最外縁部に配置される半径方向外側に延びる周方向スピンドルフランジを含み得る。また、スピンドルの上方及び下方環状係合面は、スピンドルフランジのそれぞれの上方面及び下方面に配置され得る。
【0034】
フランジは、単一の単体部品としてスピンドルの残部と一体に形成され得る。
【0035】
スピンドルフランジは、スピンドルの半径方向最外周部を含み得、これにより、締付力は、スピンドル軸線からできるだけ遠くに位置するスピンドルの一部に適用され得、トルクアームを最大にし、スピンドルを固定するのに必要な締付力の量を最小にする。
【0036】
スピンドルは、30cm未満の大径(外径)を有し得る。何故ならクランプ板を通じての締付力の分配が、顕著な加工物取付面の歪みを伴うことなく締付力の増加を許容し、従って、より小径のスピンドルを許容するからである。
【0037】
該装置は、スピンドルに取り付けられた加工物に対する高トン数ブローチ削り等の機械加工操作の実行を可能にするのに十分にスピンドルを固定するためにスピンドルとハウジング間に950N*mを超える保持トルクをもたらすように構成される。
【0038】
該装置は、精密機械加工及び装置構成部品の手動装着と共同して高い動作精度を提供するため、スピンドルに保持され、ハウジングに対するスピンドルの回転運動を測定するように構成された回転デジタルエンコーダを含み得る。
【0039】
また、機械加工操作のために加工物を回転方向に割り出すための方法が提供される。この方法によれば、回転加工物割出し装置を最初に準備する工程により、ある者が機械加工操作のために加工物を回転方向に割り出すことができる。前記回転加工物割出し装置は、スピンドル軸線周りの回転のためにハウジングに支持されるスピンドルにして、軸方向一端部に同軸状に配置される加工物取付面を含むスピンドルと、ハウジングに対する回転運動に対しスピンドルを解放可能に固定するように構成されたスピンドルロックとを備える。前記スピンドルロックは、スピンドル周りの周方向に間隔をあけた複数の位置にてハウジングによって保持される少なくとも二つのクランプを含む。該クランプは、スピンドル周りの間隔があけられたそれぞれの位置での締付力の適用により、ハウジングに対しスピンドルを固定することによって回転運動に対しスピンドルを固定するように構成される。加工物は、スピンドルの加工物取付面に加工物を支持され得る。スピンドル及び加工物は、加工物に対し実行される機械加工操作のために望ましい位置へと回転させられ得る。スピンドルは、クランプがスピンドル周りのそれぞれの位置で締付力をかけることにより、ハウジングに対し固定され得る。機械加工操作は加工物に実行され得る。
【0040】
前記ハウジングに対しスピンドルを固定する工程は、スピンドル周りのそれぞれの位置にて、軸方向に向けられたそれぞれの成分を含むように配向された締付力を適用することを含み得る。
【0041】
スピンドル周りのそれぞれの位置にて適用される締付力は、ほぼ軸方向に向けられた締付力であり得る。
【0042】
締付力は、スピンドルの半径方向最外周部にて適用され得る。
【0043】
前記回転加工物割出し装置を準備する工程は、クランプ板を準備する工程にして、該クランプ板の環状係合面がスピンドルの環状上方係合面と同軸状に対向して整列させられる位置にてクランプ板がハウジングに保持される工程を含み得る。前記ハウジングに対しスピンドルを固定する工程は、クランプ板に締付力を適用すること、及び、スピンドルの上方係合面に対しクランプ板の係合面を引くことを含む。
【0044】
前記回転加工物割出し装置を準備する工程は、スピンドルの下方環状係合面とハウジングの環状係合面との間に環状クランプリングを設けることを含み得る。前記ハウジングに対しスピンドルを固定する工程は、スピンドルの下方環状係合面とハウジングの環状係合面との間でクランプリングを圧縮することを含み得る。
【0045】
前記クランプ板を準備する工程は、クランプ板をスピンドルから離れるように付勢することを含み得る。前記ハウジングに対しスピンドルを固定する工程は、前記付勢に打ち勝つのに十分な締付力を適用することを含み得る。
【0046】
前記回転加工物割出し装置を準備する工程は、クランプ板を準備する工程を含み、該クランプ板の準備工程において該クランプ板は、スピンドルに対し締付圧力をかける固定位置と、スピンドルから締付圧力を解放する非固定位置との間の締付ストロークに沿う軸方向運動のためにハウジングに保持される。前記スピンドルロッククランプはクランプ板に連結され、かつスピンドルに対してクランプ板を引くことにより、ハウジングに対してスピンドルを固定するように構成され得る。前記クランプは、クランプボルトカムリンクを通じてクランプ板に駆動的に連結されるそれぞれの油圧シリンダを含み得る。各油圧シリンダは、ハウジングに保持され得、また、ピストンストローク路に沿うほぼ水平な相互並進運動のために支持されるピストンを含み得る。各クランプリンクは該クランプリンクをクランプ板に連結するシャトルを含み得る。各クランプリンクはアームを含み得、該アームは、第1枢動軸周りの相対枢動運動のために前記ピストンと枢動可能に係合されると共に、前記固定位置において前記リンクにより第2枢動軸周りの相対枢動運動のために前記シャトルと枢動可能に係合される。各クランプリンクは、ほぼ水平なピストン力を、シャトルストローク路に沿ってシャトルを通じてクランプ板及びスピンドルに伝達されるほぼ垂直な力に変換するように構成され得る。ある応用例において、クランプ板及びスピンドルに適用される締付力の量は、前記シャトルストローク路と、それぞれの固定位置のリンクにて前記第1及び第2枢動軸を通る想像線との間の角度を調整することにより、調整され得る。この角度は、該角度が上記応用例に対する望ましい量の締付力の発生をもたらす値となるように、前記リンクの成分を変更することによって調整され得る。これは、該装置が、前記リンク成分を変更することにより、いかなる他の装置の構成要素を調整もしくは交換する必要なく、異なる用途に適用されることを可能にする。
【0047】
これら及び他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明、及び本発明の一つ以上の実施形態の図面に関連して当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、回転加工物割出し装置の斜視図である。
【図2】図2は、図1の装置の別の斜視図である。
【図3】図3は、図1の装置の分解図である。
【図4】図4は、図1の装置の部分断面図であり、該装置のクランプ板及びスピンドルロッククランプシャトルが、回転のために装置のスピンドルが締め付けられていない非固定位置で示され、十分に引っ込んだ位置における装置のボルトクランプリンク及びピストンを示す。
【図5】図5は、図4の円5で囲まれた装置の一部の拡大図であり、ボルトクランプリンク及びピストンがそれらの十分に引っ込んだ位置にあり、かつクランプ板及びスピンドルロッククランプシャトルがそれらの非固定位置にある間の、装置のポジティブストップと接触する装置のスピンドルロッククランプシャトルを示す。
【図6】図6は、図4の円6で囲まれた装置の一部の拡大図であり、ボルトクランプリンク及びピストンがそれらの十分に引っ込んだ位置にあり、かつクランプ板及びスピンドルロッククランプシャトルがそれらの非固定位置にある間の、スピンドルロッククランプシャトルから離脱したボルトクランプリンクのアームを示す。
【図7】図7は、図4の円5で囲まれた装置の同部分の拡大図であるが、ボルトクランプリンク及びピストンがそれらの中間「解放」位置にあり、かつクランプ板及びスピンドルロッククランプシャトルがそれらの非固定位置に留まっている間において、スピンドルロッククランプシャトルがポジティブストップと接触したままの状態を示す。
【図8】図8は、図4の円6で囲まれた装置の同部分の拡大図であるが、ボルトクランプリンク及びピストンがそれらの中間「解放」位置にあり、かつクランプ板及びスピンドルロッククランプシャトルがそれらの非固定位置に留まっている間において、ボルトクランプリンクのアームがスピンドルロッククランプシャトルに係合された状態を示す。
【図9】図9は、図1の装置の部分断面図であり、装置のクランプ板及びスピンドルロッククランプシャトルが固定位置に示され、クランプ板がスピンドルに対し固定位置に保持され、固定位置にあるボルトクランプリンク及びピストンを示す。
【図10】図10は、図9及び17の両方における円10で囲まれた装置の一部の拡大図であり、ボルトクランプリンク、ピストン、クランプ板、及びスピンドルロッククランプシャトルがそれぞれの固定位置にある間の、ポジティブストップから離隔したスピンドルロッククランプシャトルを示す。
【図11】図11は、図9及び17の両方における円11で囲んだ装置の一部の拡大図であり、ボルトクランプリンク、ピストン、クランプ板、及びスピンドルロッククランプシャトルがそれぞれの固体位置にある間の、スピンドルロッククランプシャトルと係合したボルトクランプリンクのアームを示す。
【図12】図12は、図9の線12−12に沿った図1の装置の部分断面図であり、装置のクランプ及びスピンドルロックを示す。
【図13】図13は、図9の線13−13に沿った図1の装置の部分断面図であり、クランプを示す。
【図14】図14は、図1の装置の部分断面図であり、クランプ板及びスピンドルロッククランプシャトルが非固定位置、すなわち、回転のためにスピンドルを解放する解放位置にて示され、また、十分に引っ込んだ位置におけるボルトクランプリンク及び代替ばね復帰シリンダのピストンを示す。
【図15】図15は、図14の円15で囲んだ装置の一部の拡大図であり、ボルトクランプリンク及び代替ばね復帰シリンダのピストンがそれらの十分に引っ込んだ位置にあり、かつクランプ板及びスピンドルロッククランプシャトルがそれらの非固定位置にある間の、装置のポジティブストップに接するスピンドルロッククランプシャトルを示す。
【図16】図16は、図14の円16で囲まれた装置の別の一部の拡大図であり、ボルトクランプリンク及び代替ばね復帰シリンダのピストンがそれらの分に引っ込んだ位置にあり、かつクランプ板及びスピンドルロッククランプシャトルがそれらの非固定位置にある間の、スピンドルロッククランプシャトルから離脱されたボルトクランプリンクアームを示す。
【図17】図17は、図1の装置の部分断面図であり、クランプ板及びスピンドルロッククランプシャトルが固定位置で示され、クランプ板がスピンドルに対し固定位置に保持され、固定位置のボルトクランプリンク及び代替復帰シリンダのピストンを示す。
【図18】図18は、図4及び14の両方における楕円18で囲まれた装置の一部の拡大図であり、圧力パッドと装置のハウジングとの間の空隙、及び装置の第2Oリングシールの圧縮を示し、クランプ板はその非固定位置にある。
【図19】図19は、図9及び17の両方における楕円19で囲まれた装置の一部の拡大図であり、圧力パッドとハウジングとの間の空隙、及び装置の第2Oリングシールの圧縮を示し、クランプ板はその固定位置にある。
【図20】図20は、図1の装置の平面図であり、装置の隠れたOリングシールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
機械加工操作のために加工物を回転方向に割り出すための回転式加工物割出し装置が、全体的に図1〜3及び20に示される。装置10は、スピンドル軸線16の周りに回転するための、ハウジング14上又はハウジング14内に支持されたスピンドル12を含み得る。スピンドル12は、スピンドル12の軸方向一端部に同軸状に配置された加工物取付面18を含む。装置10はまた、ハウジング14に対する半径方向、軸方向及び回転方向の動きに対し、スピンドル12を解放可能に固定するスピンドルロック20を含む。スピンドルロック20は、スピンドル12の周りに周方向に間隔があけられた位置に、ハウジング14に支持される三つのクランプ22を含み得る。クランプ22は、スピンドル12周りのそれぞれの離隔位置での締付力の適用を通じてスピンドル12をハウジング14に対ししっかりと留めることにより、半径方向、軸方向及び回転方向の動きに対してすスピンドル12を固定するそれぞれの固定位置へと駆動可能であり得る。この配置構成は、加工物取付面18にクランプされるか又は他の方法で固定される加工物24に対し実行する機械加工作業に、半径方向、軸方向及びねじり方向における高い精度を提供することができる。
【0050】
装置10は、環状係合面28を備え得るクランプ板26を含み得る。クランプ板は、図9及び17に示すスピンドル12の上方係合面30に対する固定位置と、クランプ板26の環状係合面28が、スピンドル12の環状上方係合面30と同軸状に対向して整列しかつ環状上方係合面30から間隔があけられ得る図4及び14に示す非固定位置との間のクランプ(締め付け)ストロークに沿う軸方向運動のためにハウジング14に支持され得る。スピンドルロッククランプ22は、クランプ板26に連結され得、また、スピンドル12がハウジング14に対し所定の位置でロックされる時、スピンドル12の周囲に、均一に分配された軸方向に向けられた等化のクランプ力を与える方法で、スピンドル12の上方係合面30に対しクランプ板26の環状係合面28を引くことにより、ハウジング14に対しスピンドル12を固定するように構成され得る。この構成は、そうでなければ、環状係合面18に取り付けられた加工物24に実行される機械加工操作に悪影響を与えるであろう加工物取付面18の歪みを制限することができる。
【0051】
図3に最も良く示されるように、クランプ板26は、円形加工物取付アクセス穴32を備え得る。環状係合面28は、加工物取付アクセス穴32を同心状に囲み得、また、クランプ板26は、加工物取付アクセス穴32がスピンドル12の加工物取付面18と同軸状に整列して加工物取付面18に対するアクセスを与える位置にてハウジング14により担持され得る。クランプ板26は環状移動止め34を含み得、環状移動止め34は環状係合面28を含み、加工物取付面アクセス穴32を少なくとも部分的に規定する。
【0052】
図18に最も良く示すように、クランプ22は、加工物取付面アクセス穴32周りの周方向に離隔された三地点それぞれにて締付力をクランプ板26にかけるように構成され得る。これらの締付力は、ハウジング14に対しスピンドル12をクランプするように適用される、それぞれの軸方向に向けられた成分を含むように配向され得る。図4、9、14及び17に示すように、クランプ22は、軸方向に向けられたボルト34をそれぞれ含み得る。ボルト34は頭部36を含み得、頭部36はクランプ板26と係合し、スピンドル12に対しクランプ板26を引くことにより、全体的に軸方向に向けられる締付力をスピンドル12に加える。クランプボルト34は、加工物取付面アクセス穴32周りの円周方向に均等に間隔があけられた位置にてクランプ板26に締付力をかけるように配置され得る。
【0053】
クランプ22は、それぞれの油圧シリンダ38、38’を更に含み得る。油圧シリンダ38、38’はそれぞれのピストン42、42’を含み、ピストン42、42’は、ピストン42とクランプボルト34との間に連動的に連結され得るそれぞれのクランプボルトカムリンク40を通じてクランプボルト34に駆動が伝達するように連結され得る。図4及び9に示すように、シリンダ38は、その関連するクランプボルトカムリンク40とは反対側の各ピストン42の第1側部43への油圧の適用に応じて、クランプ板26を通じて、締付力をスピンドル12に適用する方向にボルト34を移動させるように構成される「荷重復帰(ロードリターン)」型であり得る。締付(クランプ)力は、各ピストン42の第1側部43からの圧力の除去、及び、その関連するクランプボルトカムリンク40に連結される各ピストン42の第2側部45に対する油圧の適用を通じてのピストン42のそれらのそれぞれのストロークの反対側端部への復帰に応じて取り去られ得る。
【0054】
あるいは、図14及び17に示すように、クランプ22は、ばね荷重(付勢)すなわち「ばね復帰(スプリングリターン)」型の油圧シリンダ38’を含み得る。該油圧シリンダ38’は、図17に示すように関連するクランプボルトカムリンク40を通じてスピンドル12に締付力を適用する方向において各ピストン42’の第1側部43’にばね力をかけることにより、シリンダ38’のそれぞれのピストン42’を偏らせる(付勢する)ように配置された内部ばね41を含み得る。ばね復帰シリンダ38’が使用される場合、締付力は、その関連する付勢ばね41の反対側の各ピストン42’の第2側部45’に対する油圧の適用、そして、図14に示すように非固定(非締付)位置へのピストン42’の移動に応じて、スピンドル12から除去され得る。
【0055】
荷重復帰シリンダ38又はばね復帰シリンダ38’が使用されるいずれの場合でも、次のことが分かった。直径12インチ(30.5cm)までのテーブルでは、装置10によって提供され得る強度、剛性及び精度の量及び発生し得る保持トルクの量は、ターンテーブルもしくはスピンドル12内、又は支持ハウジング14内のそのようなターンテーブルもしくはスピンドル12下のそのようなばね機構に対して利用可能であろう、先行技術に教示される限られた空間内に配置されるばねによって締付力が引き起こされるよりも、連続的な油圧あるいは連続的なシリンダばね圧が締付力の適用に用いられる場合の方が大きい。とりわけ、ターンテーブル又はスピンドル12の下又は内にばねを収容するために切り開かれるか又は空のままにされなければならない空間が、高トン数ブローチ削り等の機械加工操作が加工物24に対し実行中の時の運動に対して加工物24を支持する構造の金属の量を著しく減らすであろう。任意の適切な荷重復帰又はばね復帰シリンダが使用されるのに対し、本実施形態において、荷重復帰シリンダ38は、Parkerから市販される40JJHMIRL19Mx10M−22−11シリンダであり、また、ばね復帰シリンダ38’は、(注文製造される)ばね復帰シリンダ38’がParkerのシリンダ38’と交換されることを可能にする取付構成において、本発明の譲受人であるColonial Tool Group Inc.から注文製造される。本実施形態においてはまた、注文ばね復帰シリンダ38’は、望ましい締付力及び4.40mmの望ましいストロークを提供するように配置された一連の7セットの三つの平行なばねを含む。
【0056】
クランプリンク40は、軸方向に向けられた(図面に示す実施形態において垂直に向けられた)構成要素を有するそれぞれの方向にボルト34を移動させるように構成され得る。油圧シリンダ38、38’は、ハウジング14によって担持され得、また、それらのそれぞれのピストン42、42’は、ピストンストローク路に沿うほぼ水平な相互並進運動のために支持され得る。各ピストン42、42’のストローク路は、スピンドル12がハウジング14に留められる図9及び17に示す十分に締め付けられた位置と、スピンドル12がハウジング14に留められていない図4及び14に示す十分に引っ込んだ位置と間に延びる。各ピストン42、42’のストローク路は、ピストンストローク空動き位置と、ピストンストローク作動位置とのを含み得る。ピストンストローク作動位置は、中間「解放」位置と、上記十分に締め付けられた位置との間に延び得、かつ、それらのシャトル/クランプ板ストロークを通じてクランプボルト34及びクランプ板26が実際に運動している間のピストンストロークの位置である。ピストンストローク空動き位置は、十分に引っ込んだ位置と、中間「解放」位置との間に延び得、かつ、クランプボルト34及びクランプ板26が運動していない間のピストンストロークの位置である。ピストン42のそれぞれのストロークの作動位置及び空動き位置の両方に対して、それらのそれぞれの十分に引っ込んだ位置からそれらのそれぞれの十分に締め付けられた位置へのピストン42の運動は、荷重復帰油圧シリンダ38が使用される場合の油圧の適用に応答するか、又は、ばね復帰油圧シリンダ38’が使用される場合のばね付勢に応答するかのいずれかである。
【0057】
クランプ22は、それらの完全に利用可能なピストンストロークよりも小さいが、それらの作動ピストンストローク部分よりも大きい「実効的(操作上の)」ピストンストロークを通じて、荷重復帰シリンダ38及びばね復帰シリンダ38’のピストンを移動させるように構成され得る。本実施形態において、クランプ22が図4及び9に示す荷重復帰シリンダ38を含む場合、各荷重復帰シリンダの完全に利用可能なピストンストロークは10.00mm(0.394インチ)であり、完全に利用可能なピストンストロークの上記実効的ピストンストローク部分は5.00mm(0.197インチ)であり、かつ、実効的ピストンストロークの作動ピストンストローク部分は0.454mm(0.018インチ)である。クランプ22が図14及び17に示すばね復帰シリンダ38’を含む場合、各ばね復帰シリンダの完全に利用可能なピストンストロークは4.40mm(0.173インチ)であり、実効的ピストンストローク部分は2.18mm(0.086インチ)であり、かつ、作動ピストンストローク部分は0.545mm(0.022インチ)である。
【0058】
図4〜16に示すように、各クランプリンク40はスピンドルロッククランプシャトル44を含み得、スピンドルロッククランプシャトル44は、シャトル(往復)ストローク路に沿うほぼ垂直な相互並進運動のために支持され、かつクランプボルト34の一つによってクランプ板26に連結される。各クランプリンク40は、荷重復帰シリンダ38が使用される場合の実効的ピストンストローク長さとシャトル/クランプ板ストロークとの1:0.03より大きいストローク長さ比、及び、ばね復帰シリンダが使用される場合の1:0.06よりも大きいストローク長さ比を作り出すように構成され得る。本実施形態において、荷重復帰シリンダ38が使用される場合、5.00mm(0.197インチ)の実効的ピストンストローク作動長さと0.127mm(0.005インチ)のシャトル/クランプ板ストローク長さとにより、1:0.0254の比が作り出される。
【0059】
図4、9、14及び17に最も良く示すように、各クランプリンク40は、アーム46を含み得る。アーム46は、第1枢動軸47周りの相対的枢動運動のために、その関連するピストン42、42’と一端部付近で枢動(回転)可能に係合されると共に、第1枢動軸47から離れた第2枢動軸49周りの相対的枢動運動のために、シャトル44と第2端部付近で枢動可能に係合される。各クランプリンク40はまた、ピストン42、42’のほぼ水平な運動をシャトル44及びクランプボルト34のほぼ垂直な並進運動に変換し、及び/又は、ほぼ水平なピストン力を、シャトル44及びクランプボルト34を通じてクランプ板26及びスピンドル12に伝達されるほぼ垂直な力に変換するような態様に構成され得る。アーム46(アーム46の各端部の枢軸間に引かれる想像線)と各リンク40に対するシャトルストローク路との間の角度は、それぞれの固定(締付)位置におけるリンク40では14度未満であり得る。本実施形態において、アーム46とリンク40に対するシャトルストローク路との間の角度は、図5及び10に示すようにそれぞれの固定位置におけるリンク40では13.05度であり、また、それぞれの解放位置におけるリンク40ではl6.34度である。各リンクアーム46と(ストローク路の)関連するシャトルのストローク路との間の小角度は、高い力増幅定数を与え、また、ある一定の締付力の適用量に必要な油圧又はばね圧の量を低減する。スピンドル12に適用される締結力の量は、力増幅定数を変えることにより制御され得、これは、各固定位置におけるリンク40でのリンクアーム46と各リンク40に対するストローク路との間の角度を変えることにより、成し遂げられ得る。この角度は、リンク成分寸法の変更を含む任意の適切な手段によって変更され得る。これは、装置10が、異なる直径及び/又は異なる慣性モーメントを持つスピンドル12を止めて固定するのに一般に必要なより大きい締付力を提供するために最適化されることを可能にする。より小さい直径及び/又は慣性モーメントのスピンドル12では、リンク成分寸法が、それぞれの固定位置におけるリンク40でのリンクアーム46と各リンク40に対するストローク路との間のより小さい角度を提供するために調整され得る。より大きい直径及び/又は慣性モーメントのスピンドル12では、リンク成分寸法が、それぞれの固定位置におけるリンク40でのリンクアーム46と各リンク40に対するストローク路との間のより大きい角度を提供するために調整され得る。
【0060】
クランプリンク40は、固定(締付)及び/又は固定解除の推進のために、選択されるシリンダの利用可能なピストンストローク長さにかかわらず同じシャトルストロークを提供するために空動きを用いるように構成され得る。本実施形態において、図10に最も良く示すように、荷重復帰シリンダ38が使用されてもばね復帰シリンダ38’が使用されても、0.127mm(0.005インチ)のシャトルストロークSが提供される。従って、各荷重復帰シリンダ38は、図4及び6に最も良く示すようにクランプリンクアーム46とシャトル44との間に01.27mm(0.050インチ)の空動きLを作り出し、また、各ばね復帰シリンダ38’は、図14及び16に最も良く示すようにクランプリンクアーム46とシャトル44との間に0.381mm(0.015インチ)の空動きL’を作り出す。この構成は、荷重復帰シリンダ38又はばね復帰シリンダ38’が、クランプリンク40を調整もしくは修正する必要なしに使用されることを可能にする。これはまた、異なる利用可能なピストンストローク長さを有する他のシリンダの使用を可能する。ばね復帰シリンダ38’が用いられる場合、これは、シリンダ38’が次のように取り付けられることを可能にする。すなわち、各ピストンのストロークの作動(作業)部分が利用可能ピストンストローク全体の一部内に入り、ここで、ばねレートの範囲が、制限された利用可能油圧がピストンのストロークの全作動部分を通じてばね付勢に抗してピストンを移動させることを可能にするようにシリンダ38’が取り付けられる。
【0061】
スピンドル12の上方係合面30は、スピンドル12の半径方向最外周縁に配置され得る。図4、9、14及び17に示すように、スピンドル12は下方環状係合面48をも含み得る。下方環状係合面48は、ハウジング14の環状係合面50と同軸状に整列され得る。環状合金鋼クランプリング52が、スピンドル12の下方環状係合面48とハウジング14の環状係合面50との間に配置され得、構造的に簡易で、容易に製造可能で、容易に入手でき、容易に取り外し及び交換可能な摩耗部品を提供する。クランプリング52は、ねじ54でハウジング14に固定され得、また、ハウジング14に回転のためにスピンドル12を支持する軸受56の外側レースのための保持器としての役割を果たすように配列され位置付けられ得る。
【0062】
図4、9、14及び17に最も良く示すように、クランプ板26は、スピンドル12の外周面58とシール接触状態にあり得、また、そうでなければ、クランプ板26の加工物取付アクセス穴32の内周面60とスピンドル12の外周面58との間の間隙を通過するかもしれない冷却液、金属断片、及び他の汚染物質から装置10の内部構成要素及び係合面を保護するように配置され得る。第1Oリングシール62が、スピンドル12の外周面58とクランプ板26の加工物取付アクセス穴32の内周面60との間に配置され得る。第1Oリングシール62は、スピンドル12の外周面58の周りに形成された溝64に保持され得る。
【0063】
クランプ板26はまた、汚染物質に対し装置の内部構成要素及び係合面を更に保護するため、ハウジング14とシール接触状態にあり得る。第2Oリングシール66は、クランプ板26とハウジング14との間に配置され圧縮され得、また、図4、9、14及び17に最も良く示されるようにハウジング14の上面72に対面するクランプ板26の下面70に形成された溝68に保持され得る。クランピング(締め付け)ストロークは、第2Oリングシール66の圧縮間隔範囲内に入る程度に十分小さいものであり得、例えば、本実施形態において0.127mm(0.005インチ)であり得る。これは、クランピングストローク中ずっとクランプ板26とハウジング14との間のシール接触が維持されることを可能にし、クランプ22が締付力を適用する三地点で動きを同期させる必要性をなくす。
【0064】
図5、7、10及び15に最も良く示すように、装置10は、ハウジング14上のそれぞれの位置において、ポジティブストップ(正止め)74を含み得る。ポジティブストップ74は、図4及び14に示すように、クランプ板26が、その固定位置からクランピングストロークに等しい間隔離れた、その固定されていない十分に引っ込んだ位置に到達した時に、スピンドルロッククランプシャトル44と係合して該シャトル及びクランプ板26の動きを積極的に止める。この構成は、非固定の十分に引っ込んだ位置のクランプ板26でさえ、クランプ板26とハウジング14との間にシール接触が維持されることを十分に保証するようにクランプ板26のストロークを制限する。
【0065】
クランプ板26は、スピンドル12から離れるように偏らされ得、スピンドル12の上方係合面30から圧力を解放し、また、そうでなければ、クランプ22が締付力をかけていない場合におけるスピンドル12の回転割出し中にスピンドル12とクランプ板26との間及び/又はスピンドル12とハウジング14との間の摩擦によって引き起こされるであろう干渉を低減又は除去する。該偏りは、図4、9、14及び17に示す固定位置に向けてクランプ板26をばね付勢することによって与えられ得る。該付勢ばね荷重は、クランプ板26の下面へと上方に形成されたそれぞれのほぼ円筒状の容器78に収容されるコイルばね76によって提供され得る。ばね76は、ハウジング14の上面から上方に一体的に軸方向に延びるそれぞれのクランプ板ガイドポスト80の周りに同軸状に配置され得、また、それぞれのばね容器78の上端部に同軸状に形成されたガイドポスト受入れ穴82にスライド可能に受け入れられ得る。
【0066】
装置10はまた、クランプ板26によって周方向に間隔をおいた箇所に保持され得る圧力パッド84をクランプ板26と共に移動する所定位置に含み得る。圧力パッド84は、ハウジング14と共にそれぞれの空隙G1、G2を形成し、該空隙は、図4及び14(非固定)及び図9及び17(固定)に示すクランプ板26のそれぞれの固定位置及び十分に引っ込んだ位置における0.001インチ(G1)と0.006インチ(G2)との間の範囲に及ぶ。本実施形態において、装置10は、三つのそのようなパッド84を含む。各圧力パッド84は、空気流を空気源から上記空隙内へと導入する空気通路86を含み得る。圧力ゲージ88は、対応する信号をコントローラ90に送信するように構成され得る。コントローラ90は、上記三つの位置各々にてゲージ88によって検出された空気圧読取値に応じてハウジング14の対面する上面に対するクランプ板の位置、すなわち平行度の均一性を計算及び監視するようにプログラムされる。
【0067】
図1〜3及び20に示すように、割出しモータ92は、ハウジング14によって支持され得、スピンドル12に駆動を伝達するように接続され得、かつ、ハウジング14に対する割出し回転にてスピンドル12を駆動するように構成され得る。本実施形態において、そのような割出しモータ92は、Textron Cone-Driveから入手可能な注文製作のバックラッシュのないウォーム歯車セット94を通じてスピンドル12に接続される。
【0068】
スピンドル12は、半径方向外側に延びる周方向スピンドルフランジ96を含み得、該フランジ96は、スピンドル12の半径方向最外周縁部に配置され得る。スピンドル12の上方及び下方環状係合面30、48は、スピンドルフランジ96のそれぞれの上面及び下面に配置され得、また、スピンドルフランジ96は、単一の単体部品としてスピンドル12の残部と一体に形成され得る。スピンドルフランジ96はスピンドル12の半径方向最外周部を含み得、これは、締付力がスピンドル軸線16からできる限り遠くに位置付けられるスピンドル12の部分に適用可能となって、トルクアームを最大にし、かつスピンドル12を固定するために必要な締付力の量を最小にする。
【0069】
スピンドル12は、30.5cm(12インチ)未満の外(大)径を有し得る。少なくとも一つの実施形態において、スピンドル12の外径は21.60cm(8.500インチ)であり、少なくとも一つの他の実施形態において、スピンドル12の外径はわずか13.5cm(5.313インチ)である。そのような小径のスピンドルを使用することも可能である。何故なら、スピンドル12の加工物取付面18に顕著な歪みをもたらすことなく、非常に大きい締付力がスピンドル12にかけられることを可能にするためにクランプ板26が締付力の適用を十分に分散するからである。装置10は、スピンドル12とハウジング14との間に950N*mを上回る(スピンドル12に取り付けられた加工物24に適用されている17トンまでに対してスピンドル12を固定するのに十分な)保持トルクを作り出すように構成され得る。保持トルクの1355N*mは、本発明に従って構成された装置10により達成可能なものとして計算された1688N*mの保持トルクの13.5cm(5.31インチ)直径スピンドル12を含む実施形態に対して実証された。
【0070】
そのため、スピンドル12の外径の増長を促進する制限因子は、締付力適用のためにトルクアームに必要な長さというよりも、加工物取付面18の望ましい面積となる。これは、設計者に、スピンドル12の直径を最小にする自由を許容する。
【0071】
装置10は、図2及び3に示すようにスピンドル12の軸方向下端部に保持される得、かつスピンドル12のハウジング14に対する回転運動を測定することができ得る回転デジタルエンコーダ98を含み得る。エンコーダ98は、どのような適切なタイプのものでもあり得、また、360,000増分(インクリメント)/回転の測定精度を有し得、精密機械加工及び装置10の構成部品の手動装着と共同して高い動作精度を提供する。本実施形態において、エンコーダは、イリノイ州ショームバーグのHeidenhainから入手可能なモデルRCN223であり、+/−5インチ(arcsec)又は+/−2.5インチ(arcsec)のシステム精度を有する。
【0072】
実際には、加工物24は、まず、回転加工物割出し装置10を提供することにより、機械加工操作のために回転方向に割り出しされ得る。回転加工物割出し装置10は、スピンドル軸線16周りの回転のためにハウジング14に保持されるスピンドル12にして、スピンドル12の軸方向一端部に同軸状に配置される加工物取付面18を含むスピンドル12と、ハウジング14に対する半径方向、軸方向及び回転方向の運動に対しスピンドル12を解放可能に固定するように構成されたスピンドルロック20にして、スピンドル12の周囲に周方向に間隔があけられた位置にてハウジング14によって保持される三つのクランプ22を含むスピンドルロック20とを備える。三つのクランプ22は、スピンドル12周りのそれぞれの離隔した地点にて締付力を適用することにより、ハウジング14に対してスピンドル12を半径方向、軸方向及び回転方向の運動に対して固定するそれぞれの固定(締付)位置へと駆動(推進)されるように構成される。加工物24は、次いで、加工物24を加工物取付面18にボトル締めあるいはクランピングすることを含む当技術業界に知られている多くの適切な加工物取付方法の任意の一つに従って、スピンドル12の加工物取付面18に支持され得る。スピンドル12及び加工物24は、次いで、加工物24に対し実行される機械加工操作に対し望ましい位置へと割り出されもしくは回転され得る。スピンドル12は、次に、クランプ22を駆動することにより、すなわち、スピンドル12の周りのそれぞの位置にて締付力を適用するそれぞれの固定位置へとクランプ22が駆動される(駆り立てられる)ことを許容することにより、ハウジング14に固定され得る。次いで、機械加工操作が加工物24に対し実行され得る。
【0073】
スピンドル12周りのそれぞれの位置で適用される締付力は、ほぼ軸方向に向けられ得、もしくは、それぞれの軸方向に向けられた成分を含みながら軸方向以外に向けられ得る。これらの締付力は、スピンドル12の半径方向最外周にて適用され得る。
【0074】
回転加工物割出し装置10はクランプ板26を含むように提供され得、クランプ板26は、クランプ板26の環状係合面28がスピンドル12の環状上方係合面30と同軸状に向かい合って整列する位置にてハウジング14に保持される。そのようなクランプ板26が提供される場合、スピンドル12をハウジング14に固定(クランピング)する工程は、締付力を適用すること、すなわち、締付力がクランプ板26にかけられることを許容することと、クランプ板26の係合面をスピンドル12の上方係合面30に対し引くことを含み得る。
【0075】
割出し装置10はまた、クランプ板26がスピンドル12から離れるように偏らされる形態にて提供され得る。この場合、スピンドル12のハウジング14に対する固定は、締付力を提供すること、すなわち、締付力が上記偏りを上回る程度にかけられることを許容することを含む。
【0076】
回転加工物割出し装置10は、スピンドル12の下方環状係合面48とハウジング14の環状係合面50との間に環状クランプリング52を含むように提供され得る。そのようなクランプリング52が装置10に設けられる場合、スピンドル12をハウジング14に固定する工程は、スピンドル12の下方環状係合面48とハウジング14の環状係合面50との間にクランプリング52を圧縮することを含み得る。
【0077】
本発明に従って構成される回転加工物割出し装置10は、軸方向に向けられた締付力によりハウジング14に対しスピンドル12をクランピングすることにより;ターンテーブルの周囲にターンテーブルロック力を分配することにより;及び、ターンテーブルの半径方向最外縁部にターンテーブルロック力を適用することにより、ターンテーブルもしくはスピンドル12を回転に対しより良く固定することができる。直径に沿うスピンドル寸法を最小にする自由は、フロア面積要求の最小化を可能にし、また、機械加工工具がスピンドル12に取り付けられた回転軸及び加工物24により近接して配置され整列されることを可能にし、更に、スピンドル12の慣性モーメントを低減することによる回転方向の位置決め精度に貢献する。
【0078】
この記述は、発明の限定を説明するのではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の実施形態を単に例示する。従って、この記述の言語は、専ら説明のためのものであり、非限定的なものである。
【0079】
明らかに、この発明をこの記述が教示するものから変更することが可能である。特許請求の範囲の範囲内において、上述したもの以外の本発明が実施され得る。
【符号の説明】
【0080】
10 回転加工物割出し装置
12 スピンドル
14 ハウジング
18 加工物取付面
20 スピンドルロック
22 クランプ
26 クランプ板
28 クランプ板の環状係合面
30 スピンドルの環状上方係合面
34 環状移動止め
38 荷重復帰油圧シリンダ
38’ ばね復帰油圧シリンダ
40 クランプボルトカムリンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械加工操作のために加工物を回転方向に割り出すための回転加工物割出し装置であって、
スピンドル軸線周りの回転のためにハウジングに保持されるスピンドルにして、
軸方向一端部に同軸状に配置される加工物取付面を含むスピンドルと、
ハウジングに対する回転運動に対しスピンドルを解放可能に固定するように構成されたスピンドルロックとを備え、
前記スピンドルロックは、スピンドル周りの周方向に間隔をあけた複数の位置にてハウジングによって保持される複数のクランプを含み、該クランプは、スピンドル周りの間隔があけられたそれぞれの位置での締付力の適用により、ハウジングに対しスピンドルを固定することによって回転運動に対しスピンドルを固定するそれぞれの固定位置へと駆動されるように構成される回転加工物割出し装置。
【請求項2】
前記回転加工物割出し装置は、環状係合面を有するクランプ板を含み、
前記クランプ板は、クランプ板の環状係合面がスピンドルの環状上方係合面に対し締付圧力をかける固定位置と、スピンドルから締付圧力を解放する非固定位置との間の締付ストロークに沿う軸方向運動のためにハウジングに保持され、
スピンドルロックの前記クランプはクランプ板に連結され、クランプ板の環状係合面を通じてスピンドルの上方係合面へと力を適用することにより、ハウジングに対しスピンドルを締め付けるように構成される請求項1の回転加工物割出し装置。
【請求項3】
前記クランプ板は加工物取付アクセス穴を含み、
前記環状係合面は加工物取付アクセス穴を囲み、
前記クランプ板は、加工物取付アクセス穴がスピンドルの加工物取付面と同軸状に整列されかつ該加工物取付面に対するアクセスを与える位置にてハウジングに保持される請求項2の回転加工物割出し装置。
【請求項4】
前記クランプ板は環状移動止めを含み、該環状移動止めは、前記環状係合面を含みかつ前記加工物取付面穴を規定する請求項3の回転加工物割出し装置。
【請求項5】
前記クランプは、軸方向に向けられた成分を含むように配向されたそれぞれの締付力を、前記加工物取付面穴の周りの周方向に間隔をおいたそれぞれの位置にて、クランプ板に適用するように構成される請求項2の回転加工物割出し装置。
【請求項6】
前記クランプは、クランプ板と係合する、軸方向に向けられたそれぞれのボルトを含み、ボルトは、クランプ板をスピンドルに対し引くことにより、ほぼ軸方向に向けられた締付力をスピンドルに適用するように構成される請求項5の回転加工物割出し装置。
【請求項7】
前記クランプボルトは、周方向に間隔をおいた複数の位置にて締付力をクランプ板に適用するように位置付けられる請求項2の回転加工物割出し装置。
【請求項8】
前記クランプは、前記シリンダとボルト間に連動的に連結されるクランプボルトカムリンクを通じて、前記クランプボルトに駆動的に連結されるそれぞれの油圧シリンダを更に含み、油圧シリンダは、クランプ板を通じてスピンドルに締付力を適用する方向に前記ボルトを移動させるように構成される請求項7の回転加工物割出し装置。
【請求項9】
前記クランプボルトカムリンクは、軸方向に向けられた成分を有するそれぞれの方向に前記ボルトを移動させるように構成される請求項8の回転加工物割出し装置。
【請求項10】
前記クランプボルトカムリンクは、固定及び又は非固定を駆動するように選択されたシリンダの利用可能なピストンストローク長さにかかわらず、同じシャトルストロークを提供するために空動きを使用するように構成される請求項8の回転加工物割出し装置。
【請求項11】
前記油圧シリンダは、ハウジングに保持され、かつ、回転のためにスピンドルを解放する非固定位置と、ハウジングに対しスピンドルを固定する固定位置との間のピストンストローク路に沿うほぼ水平な相互並進運動のために支持されるピストンを含み、
各クランプリンクは、ほぼ垂直な相互並進運動のために支持され、かつ前記クランプボルトの一つを保持するシャトルを含み、
各クランプリンクは、ほぼ水平なピストン力を、前記シャトル及びクランプボルトを通じて伝達されるほぼ垂直な力に変換するように構成される請求項8の回転加工物割出し装置。
【請求項12】
前記クランプは、それらのそれぞれの固定位置に向けて偏らされ、また、油圧シリンダの作動によってそれらのそれぞれの非固定位に向けて移動可能である請求項11の回転加工物割出し装置。
【請求項13】
前記クランプは、それらのそれぞれの非固定位置に向けて偏らされ、また、油圧シリンダの作動によってそれらのそれぞれの固定位置に向けて移動可能でありかつ該固定位置で保持される請求項11の回転加工物割出し装置。
【請求項14】
前記クランプリンクはアームを含み、該アームは、第1枢動軸周りの相対枢動運動のために前記ピストンと枢動可能に係合されると共に、前記固定位置において前記リンクにより第1枢動軸から離隔した第2枢動軸周りの相対枢動運動のために前記シャトルと枢動可能に係合され、かつピストンのほぼ水平な運動をシャトル及びクランプボルトのほぼ垂直な運動に変換し、
前記シャトル/クランプ板ストローク路と前記第1及び第2枢動軸を通って引かれた想像線との間の角度が、固定位置のリンクでは14度未満である請求項11の回転加工物割出し装置。
【請求項15】
前記シャトル/クランプ板ストローク路と前記第1及び第2枢動軸を通って引かれた想像線との間の角度が、固定位置のリンクではほぼ13度である請求項14の回転加工物割出し装置。
【請求項16】
前記スピンドルの上方係合面は、スピンドルの半径方向最外周縁に配置される請求項2の回転加工物割出し装置。
【請求項17】
前記スピンドルは、ハウジングの環状係合面に同軸状に整列された下方環状係合面を含み、
該装置は、スピンドルの下方環状係合面とハウジングの環状係合面との間に配置される環状クランプリングを含む請求項1の回転加工物割出し装置。
【請求項18】
前記クランプ板は、スピンドルの周囲シール面とシール接触状態にある請求項2の回転加工物割出し装置。
【請求項19】
第1Oリングシールが、スピンドルの周囲シール面と、クランプ板の加工物取付アクセス穴の周囲面との間に配置される請求項18の回転加工物割出し装置。
【請求項20】
前記クランプ板は、ハウジングとシール接触する請求項2の回転加工物割出し装置。
【請求項21】
前記クランプ板とハウジングとの間にOリングシールが配置される請求項19の回転加工物割出し装置。
【請求項22】
前記締付ストロークは、締付ストローク中ずっとクランプ板とハウンジングとの間にシール接触が維持されるように、前記Oリングの圧縮範囲内に入る程度に十分小さい請求項21の回転加工物割出し装置。
【請求項23】
スピンドルロッククランプと係合して、固定位置から締付ストロークに等しい間隔離れたクランプ板によりクランプの運動を積極的に止めるため、ハウジングにおけるそれぞれの位置にポジティブストップを更に含む請求項22の回転加工物割出し装置。
【請求項24】
前記クランプ板は、スピンドルから離れように付勢される請求項2の回転加工物割出し装置。
【請求項25】
前記クランプ板は、非固定位置に向けてばね付勢される請求項24の回転加工物割出し装置。
【請求項26】
前記装置は割出しモータを含み、該割出しモータは、ハウジングによって保持され、スピンドルに駆動的に接続され、かつスピンドルを割り出された回転においてハウジングに対し駆動するように構成される請求項1の回転加工物割出し装置。
【請求項27】
前記スピンドルは、スピンドルの半径方向最外周縁部に配置される、半径方向外側に延びる周方向スピンドルフランジを含み、
スピンドルの上方及び下方環状係合面は、前記周方向スピンドルフランジのそれぞれの上面及び下面に配置される請求項16の回転加工物割出し装置。
【請求項28】
前記スピンドルフランジは、単一の単体部品としてスピンドルの残部と一体に形成される請求項27の回転加工物割出し装置。
【請求項29】
前記スピンドルフランジは、スピンドルの半径方向最外周部を含む請求項27の回転加工物割出し装置。
【請求項30】
前記スピンドルは、30.5cm未満の外径を有する請求項27の回転加工物割出し装置。
【請求項31】
前記装置は、スピンドルとハウジングとの間に950N*mを上回る保持トルクを作り出すように構成される請求項1の回転加工物割出し装置。
【請求項32】
前記装置は回転デジタルエンコーダを含み、該回転デジタルエンコーダはスピンドルによって保持され、かつハウジングに対するスピンドルの回転運動を測定するように構成される請求項1の回転加工物割出し装置。
【請求項33】
機械加工操作のために加工物を回転方向に割り出すための方法であって、
回転加工物割出し装置を準備する工程にして、該回転加工物割出し装置は、スピンドル軸線周りの回転のためにハウジングに保持されるスピンドルにして、軸方向一端部に同軸状に配置される加工物取付面を含むスピンドルと、ハウジングに対する回転運動に対しスピンドルを解放可能に固定するように構成されたスピンドルロックとを備え、前記スピンドルロックが、スピンドル周りの周方向に間隔をあけた複数の位置にてハウジングによって保持される少なくとも二つのクランプを含み、該クランプが、スピンドル周りの間隔があけられたそれぞれの位置での締付力の適用により、ハウジングに対しスピンドルを固定するこによって回転運動に対しスピンドルを固定するように構成される当該工程と、
スピンドルの加工物取付面に加工物を支持する工程と、
加工物に対し実行される機械加工操作のために望ましい位置へとスピンドル及び加工物を回転させる工程と、
クランプがスピンドル周りのそれぞれの位置で締付力をかけることにより、ハウジングに対しスピンドルを固定する工程と、
加工物に機械加工操作を実行する工程とを含む方法。
【請求項34】
前記ハウジングに対しスピンドルを固定する工程は、スピンドル周りのそれぞれの位置にて、軸方向に向けられたそれぞれの成分を含むように配向された締付力を適用することを含む請求項33の方法。
【請求項35】
前記ハウジングに対しスピンドルを固定する工程は、スピンドル周りのそれぞれの位置にて、ほぼ軸方向に向けられた締付力を適用することを含む請求項34の方法。
【請求項36】
前記ハウジングに対しスピンドルを固定する工程は、スピンドルの半径方向最外周部にて締付力を適用することを含む請求項33の方法。
【請求項37】
前記ハウジングに対しスピンドルを固定する工程は、スピンドルの半径方向最外周部にてほぼ軸方向に向けられた締付力を適用することを含む請求項36の方法。
【請求項38】
前記回転加工物割出し装置を準備する工程は、クランプ板を準備する工程を含み、該クランプ板の準備工程において該クランプ板の環状係合面がスピンドルの環状上方係合面と同軸状に対向して整列する位置にてハウジングによって保持され、
前記ハウジングに対しスピンドルを固定する工程は、クランプ板に締付力を適用すること、及び、スピンドルの上方係合面に対しクランプ板の係合面を引くことを含む請求項33の方法。
【請求項39】
前記回転加工物割出し装置を準備する工程は、スピンドルの下方環状係合面とハウジングの環状係合面との間に環状クランプリングを設けることを含み、
前記ハウジングに対しスピンドルを固定する工程は、
スピンドルの下方環状係合面とハウジングの環状係合面との間でクランプリングを圧縮することを含む請求項33の方法。
【請求項40】
前記クランプ板を準備する工程は、クランプ板をスピンドルから離れるように付勢することを含み、
前記ハウジングに対しスピンドルを固定する工程は、前記付勢に打ち勝つのに十分な締付力を適用することを含む請求項39の方法。
【請求項41】
クランプ板を準備する工程は、スピンドルに向けてクランプ板を付勢することを含み、
前記ハウジングに対しスピンドルを固定する工程は、スピンドルに向かう前記付勢に対向する力を低減することを含む請求項39の方法。
【請求項42】
前記回転加工物割出し装置を準備する工程は、クランプ板を準備する工程を含み、該クランプ板の準備工程において該クランプ板は、スピンドルに対し締付圧力をかける固定位置と、スピンドルから締付圧力を解放する非固定位置との間の締付ストロークに沿う軸方向運動のためにハウジングに保持され、前記スピンドルロッククランプはクランプ板に連結され、かつスピンドルに対してクランプ板を引くことにより、ハウジングに対してスピンドルを固定するように構成され、前記クランプは、クランプボルトカムリンクを通じてクランプ板に駆動的に連結されるそれぞれの油圧シリンダを含み、各油圧シリンダは、ピストンストローク路に沿うほぼ水平な相互並進運動のために支持されるピストンを含み、各クランプリンクは該クランプリンクをクランプ板に連結するシャトルを含み、各クランプリンクはアームを含み、該アームが第1枢動軸周りの相対枢動運動のために前記ピストンと枢動可能に係合されると共に、前記固定位置において前記リンクにより第2枢動軸周りの相対枢動運動のために前記シャトルと枢動可能に係合され、各クランプリンクは、ほぼ水平なピストン力を、シャトルストローク路に沿ってシャトルを通じてクランプ板及びスピンドルに伝達されるほぼ垂直な力に変換するように構成され、
前記回転加工物割出し装置を準備する工程は、それぞれの固定位置のリンクで各リンクに対し、前記シャトルストローク路と前記第1及び第2枢動軸を通る想像線との間の角度を調整することにより、ある一定の応用に対するクランプ板及びスピンドルに適用されるクランプ力の量を調整する工程を含む請求項38の方法。
【請求項43】
前記回転加工物割出し装置を準備する工程は、前記応用に対するクランプ力の望ましい量の発生をもたらす値となるように前記リンクの成分を変更することにより、前記角度を調整することを含む請求項42の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−98433(P2011−98433A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−248530(P2010−248530)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(510294841)コロニアル・ツール・グループ・インコーポレイティド (1)
【氏名又は名称原語表記】COLONIAL TOOL GROUP INC.
【住所又は居所原語表記】1691 Walker Road,Windsor,Ontario,Canada N8W 3P1
【Fターム(参考)】