説明

回転電機の制御装置

【課題】回転電機や電力変換器の内部状態に応じて回転電機を制御していないため、ユーザの満足度や燃費(電費)の向上に問題点があった。
【解決手段】トルク指令から電機子電流指令を生成する総磁束制御指令部101を有し、この総磁束制御指令部から出力される電機子電流指令に基づいて電力変換器20によって回転電機30の電機子電流を制御する回転電機の制御装置において、回転電機30または電力変換器20の内部状態により運転モードを判定する運転モード判定部120と、運転モード判定部の出力である運転モードから回転電機を制御するためのパラメータを生成するモータ定数生成部121を備え、モータ定数生成部で生成したパラメータに基づいて総磁束制御指令部101の演算が行われるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トルク指令から生成される電機子電流指令に基づいて、電力変換器によって回転電機への電機子電流を制御する回転電機の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
永久磁石モータやリラクタンスモータなどの同期機の制御において、トルク指令と磁束指令とから電機子電流指令のトルク成分であるトルク電流指令を演算するトルク電流演算器と、電機子電流が電力変換器の電流制限値を越えないよう電機子電流指令の磁化成分である磁化電流指令と上記電流制限値とに基づき発生可能なトルク電流指令最大値を発生するトルク電流制限発生器と、トルク電流指令最大値に基づきトルク電流指令に制限を加えるリミッタとからなるトルク電流指令発生器、このトルク電流指令発生器からのトルク電流指令に基づき磁束指令を演算する磁束指令発生器、同期機の電機子電流または電機子電流および電機子電圧に基づき電機子鎖交磁束を演算する磁束演算器、および磁束指令と電機子鎖交磁束とが一致するように磁化電流指令を作成してトルク電流指令発生器に入力する磁束制御器を備え、電力変換器の出力電流の制限を考慮しながら、所望の指令トルクに出来るだけ近いトルクを発生することができるようにした同期機制御装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許4531751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1は、電力変換器の出力可能な最大出力電流(電流制限値)imax、モータの電機子のd軸およびq軸の磁束Φd、Φq、モータの電機子コイルのd軸およびq軸のインダクタンスLd、Lq、モータの固定子の永久磁石の磁束Φmなどのパラメータが運転状態により変化することの具体的考慮に欠けている。そのため、回転電機や電力変換器の運転状況に応じて、最適な動作ポイントで回転電機を制御することができない。
【0005】
また、回転電機の運転状態は、運転時間/温度などの運転環境だけでなく、例えば制御対象の回転電機が電気自動車EVやハイブリッド電気自動車HEVの駆動モータである場合には、アクセル/ブレーキ/電気負荷有無などの運転者の操作により時々刻々と変化するため、これらの状態に適合した回転電機の制御有無がユーザの満足度や燃費(電費)の向上に繋がる。
さらに、回転電機へのスイッチング手法(通常PWM、過変調、同期PWM(低パルス通電)、矩形波通電など)によりシステム特性が変化することが知られている。
従来はこのような回転電機の運転状態や電力変換器の内部状態に応じて回転電機を制御していないため、ユーザの満足度や燃費(電費)の向上に問題点があった。
【0006】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、これらの状態に応じた回転電機や電力変換器の特性に着目し、現在の運転状態において最適な動作点で回転電機を制御する回転電機の制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の回転電機の制御装置は、トルク指令から電機子電流指令を生成する総磁束制御指令部を有し、この総磁束制御指令部から出力される電機子電流指令に基づいて電力変換器によって回転電機の電機子電流を制御する回転電機の制御装置において、回転電機または電力変換器の内部状態により運転モードを判定する運転モード判定部と、運転モード判定部の出力である運転モードから回転電機を制御するためのパラメータを生成するモータ定数生成部を備え、モータ定数生成部で生成したパラメータに基づいて総磁束制御指令部の演算が行われることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、回転電機や電力変換器の運転状況に応じて、最適な動作ポイントで回転電機を制御することが可能となる。
また、オフラインによる指令生成ではなく、オンライン(リアルタイム)で指令生成を行えるので、回転電機や電力変換器の動作状況や環境変化などによる変動をパラメータに反映し、このパラメータを用いてオンラインで演算させることで、環境変動に対しリアルタイムに指令を生成させることができるため、回転電機をシームレスに制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施形態1における回転電機の制御装置の概略構成図である。
【図2】この発明の実施形態1に使用される回転電機パラメータ生成部のブロック図である。
【図3】この発明の実施形態1に関わる回転電機温度に対する運転モード判定図例である。
【図4】この発明の実施形態1に関わる電力変換器温度に対する運転モード判定図例である。
【図5】この発明の実施形態1に関わる電力変換器温度とスイッチング手法による運転モード判定図例である。
【図6】この発明の実施形態1に関わる回転電機及び電力変換器の温度に対する運転モード判定フロー例Aである。
【図7】この発明の実施形態1に関わる回転電機及び電力変換器の温度に対する運転モード判定フロー例Bである。
【図8】この発明の実施形態1に関わる銅損と鉄損の影響範囲を表した図である。
【図9】この発明の実施形態1に関わる銅損最小モードと鉄損最小モードの判定図例である。
【図10】この発明の実施形態1に関わる蓄電池保護モード判定図例である。
【図11】この発明の実施形態2における回転電機の制御装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1における回転電機の制御装置を図1〜図10に基づいて説明する。図1はこの発明の概略構成図である。
図1において、回転電機の制御装置10は、3相ドライブ回路などの電力変換器20を介して永久磁石モータやリラクタンスモータなどの回転電機30を制御する。回転電機30の電機子巻線に流れる電流は電流センサ40によって検出され、制御装置10に入力される。また回転電機30の回転子位相(電気角)θは回転子の位置センサ50によって検出され、制御装置10に入力される。
【0011】
回転電機の制御装置10は、総磁束制御指令部101、電流フィードバッグ制御部102及び回転電機パラメータ生成部103で構成されている。
総磁束制御指令部101は、トルク電流指令生成器110と、磁束指令生成器111と、磁束演算器112と、磁束制御器113で構成され、トルク指令τ*がトルク電流指令生成器110に入力されている。
【0012】
電流フィードバッグ制御部102は、電機子電流を制御する電流制御器114と、2相−3相座標変換器115と、駆動回路116と、3相−2相座標変換器117と、回転子位相(電気角)θから回転速度ωに変換する微分器118で構成されている。
回転電機パラメータ生成部103は、運転モード判定部120とモータ定数生成部121で構成されている。
【0013】
回転電機の制御装置10の構成のうち、総磁束制御指令部101及び電流フィードバッグ制御部102は従来から既に設けられているものである。この発明は回転電機パラメータ生成部103を新たに設け、回転電機パラメータ生成部103からのパラメータにより総磁束制御指令部101の演算を行うようにしたものである。この回転電機パラメータ生成部103の構成および動作については後で詳しく説明する。
【0014】
まず、総磁束制御指令部101の通常の動作について説明する。
トルク電流指令生成器110では、トルク指令τ*と磁束指令生成器111の出力であ
る磁束指令Φ*が入力され、これらの入力などからトルク電流指令iδ*を生成している。
磁束指令生成器111では、トルク電流指令生成器110の出力であるトルク電流指令iδ*及び回転電機30の回転速度ωなどから磁束指令Φ*を生成している。
磁束演算器112では、2相−3相座標変換器115の出力である3相電圧出力指令vu、vv、vw、電流センサ40によって検出された3相電機子電流値iu、iv、iw、および回転子の位置センサ50によって検出された回転電機30の位置情報である回転子位相(電気角)θから現在の電機子鎖交磁束の絶対値|Φ|を演算している。
【0015】
磁束制御器113では、磁束指令生成器111の出力である磁束指令Φ*と磁束演算器
112の出力である電機子鎖交磁束の絶対値|Φ|の差分を入力し、この差分から磁化電流iγ*を演算している。
こうして総磁束制御指令部101はトルク指令τ*を入力して、トルク電流指令iδ*と磁化電流iγ*からなる電機子電流指令を生成する。
【0016】
次に、電流フィードバッグ制御部102の動作について説明する。
電流制御器114では、トルク電流指令生成器110で生成されたトルク電流指令iδ*、磁束制御器113で生成された磁化電流指令iγ*及び3相−2相座標変換器117によって3相電機子電流値iu、iv、iwがγδ軸上の電流に変換された電流iγ、iδが入力される。
このとき、γ軸電流iγが電機子電流の磁化成分である磁化電流に、δ軸電流iδが電機子電流のトルク成分であるトルク電流にそれぞれ相当する。
電流制御器114は、電機子電流のγ軸電流iγ、δ軸電流iδをγδ軸上での所望の磁化電流指令iγ*およびトルク電流指令iδ*に一致させるように電流制御演算を行い、γδ軸上の電圧指令vγ、vδを出力する。
【0017】
そして、この電圧指令vγ、vδは、2相−3相座標変換器115により3相電圧指令vu、vv、vwに変換され、駆動回路116に入力される。その後、駆動回路116から電力変換器20を介して電圧指令vγ、vδに基づく電機子電流が回転電機30の電機子巻線に通電され、回転電機30は駆動/発電動作を行う。
上記が通常の制御装置10の動作であり、トルク電流指令生成器110、磁束指令生成器111、磁束演算器112、磁束制御器113の4つで構成される総磁束制御指令部101における指令演算にはパラメータが多数使用されている。
【0018】
そこで、これら総磁束制御指令部101へのパラメータの一部を生成する回転電機パラメータ生成部103が運転モード判定部120とモータ定数生成部121である。 回転電機パラメータ生成部103の動作を図2に基づいて詳しく説明する。図2はパラメータ生成部103の構成図である。
図2において、運転モード判定部120には、回転電機30へのトルク指令τ*が入力
され、さらに、回転電機30の温度Tmtr(センサは図示しない)、電機子電流iu、i
v、iw、回転速度ωや電力変換器20の温度Tinv(センサは図示しない)、スイッチ
ング方式(通常PWM/過変調/同期PWM/矩形波通電など)など、制御装置10が認識している内部状態が入力されている。そして、運転モード判定部120は、これら回転電機30や電力変換器20の内部状態から現在の運転モードを判定している。
【0019】
回転電機30や電力変換器20の内部状態から、運転モード判定部120において運転モード判定方法の例について順に詳しく説明する。
まずは、各部の温度を用いた判定について述べる。
図3は回転電機30の温度Tmtrにより運転モードを判定している例であり、判定方法
は以下の通りである。
Tmtr<Tmtr_min :効率最小(回転電機)
Tmtr>Tmtr_max :効率最大(回転電機)
Tmtr_min ≦ Tmtr ≦ Tmtr_max:効率最大(トータル)
ここで、Tmtr_minは下位の閾値を決める所定の回転電機温度、
Tmtr_maxは上位の閾値を決める所定の回転電機温度である。
なお、上記にて等号付き不等号と不等号は入れ替えても差し支えない。
【0020】
すなわち、回転電機30の温度Tmtrが所定の温度Tmtr_min以下では効率最小(回転電機)として発熱を促すモードで運転させ、逆に回転電機30の温度Tmtrが所定の温度Tmtr_max以上になると効率最大(回転電機)として回転電機の発熱を抑制するモードで運転させ、回転電機30の温度Tmtrが所定の温度Tmtr_minと温度Tmtr_maxの間では回転電
機30と電力変換器20を合わせたトータルの効率が最大となる効率最大(トータル)のモードとして運転させるように回転電機30を制御する。
ここで、電力変換器20の温度も低い場合には、効率最小(回転電機)モードを効率最小(トータル)として判定しても良い。
【0021】
このようにして回転電機を最大効率ポイントで制御することにより、同一トルク発生条件下において、回転電機のロス低減すなわち回転電機の温度上昇を最小に抑えることができる。また、連続定格運転時においては従来よりも高温環境での動作が可能となり、短時間定格運転においては動作時間を長く設定できる(素早い加速時間の持続や回生量を多く取ることができ、ドライブフィーリング向上/電費向上に貢献できる)。
【0022】
一方、回転電機を最小効率ポイントで制御することにより、同一トルク発生条件下において、回転電機の温度をすばやく上昇をさせることができる。また、低温時にステータコイル抵抗が小さいことによる電流制御の不安定要素を排除することができる。さらに低温時の回転電機のベアリングなどの機構部品を早期に安定化領域へ引き上げることができる(グリスの低粘度領域まで素早く上昇させることで、粘性摩擦による回転電機の影響を最小限にとどめることができる)。さらに回転電機の発熱により電熱ヒータとしての代替が可能となる。
さらに、従来よりも効率の悪い回転電機との組合せでも、広い温度範囲での動作が可能となり、組合せ回転電機の自由度が上がる。
【0023】
図4は電力変換器20の温度Tinvにより運転モードを判定している例であり、判定方
法は以下の通りである。
Tinv<Tinv_min :効率最小(電力変換器)
Tinv>Tinv_max :効率最大(電力変換器)
Tinv_min ≦ Tinv ≦ Tinv_max:効率最大(トータル)
ここで、Tinv_minは下位の閾値を決める所定の電力変換器温度、
Tinv_maxは上位の閾値を決める所定の電力変換器温度である。
なお、上記にて等号付き不等号と不等号は入れ替えても差し支えない。
【0024】
すなわち、電力変換器20の温度Tinvが所定の温度Tinv_min以下では効率最小(電力変換器)として発熱を促すモードで運転させ、逆に電力変換器20の温度Tinvが所定の
温度Tinv_max以上になると効率最大(電力変換器)として電力変換器の発熱を抑制するモードで運転させ、電力変換器20の温度Tinvが所定の温度Tinv_minと温度Tinv_maxの間では電力変換器20と回転電機30を合わせたトータルの効率が最大となる効率最大(トータル)になるモードで運転させるように電力変換器20を制御する。
ここで、回転電機30の温度も低い場合には、効率最小(電力変換器)モードを効率最小(トータル)として判定しても良い。
【0025】
このようにして電力変換器を最大効率ポイントで制御することにより、同一トルク発生条件下において、電力変換器のロス低減すなわち電力変換器の温度上昇を最小に抑えることができる。また、従来よりも高温環境での動作が可能となり、短時間定格運転においては動作時間を長く設定できる(素早い加速時間の持続や回生量を多く取ることができ、ドライブフィーリング向上/電費向上に貢献できる)。
さらに、従来よりも効率の悪い電力変換器との組合せでも、広い温度範囲での動作が可能となり、組合せ回転電機の自由度が上がる。
【0026】
一方、電力変換器を最小効率ポイントで制御することにより、同一トルク発生条件下において、電力変換器の温度をすばやく上昇をさせることができる。一般にIGBTやMOSFETなどのスイッチング素子は高温になるほど絶縁耐圧も高くなるため、高温になるにつれ印加電圧を高くすることができる。そのため、同一のスイッチング素子でも高電圧での運転が早期に可能となる。
【0027】
さらに図5は電力変換器20の温度Tinvに加え、スイッチング方式の一つであるPW
M方式のキャリア周波数により運転モードを判定している例である。すなわち、キャリア周波数が高くなるにつれて、効率最小(電力変換器)モードで運転させる温度Tinv_min
を低く設定するようにしている。
【0028】
例えば、キャリア周波数が高い場合は、効率最小(電力変換器)モードで運転させる下位の閾値である所定の電力変換器温度をTinv_min_hcとし、キャリア周波数が低い場合は、効率最小(電力変換器)モードで運転させる下位の閾値である所定の電力変換器温度をTinv_min_lcとし、キャリア周波数がその中間の場合は、効率最小(電力変換器)モードで運転させる下位の閾値である所定の電力変換器温度をTinv_min_mcとしている。
【0029】
これは、キャリア周波数アップにより電力変換器20のスイッチング損失が増大するため、低い温度でも発熱が期待できるからである。逆に、効率最大(電力変換器)にする温度は、キャリア周波数の低下に伴い高く設定するようにしている。
例えば、キャリア周波数が高い場合は、効率最大(電力変換器)モードで運転させる上位の閾値である所定の電力変換器温度をTinv_max_hcとし、キャリア周波数が低い場合は、効率最大(電力変換器)モードで運転させる上位の閾値である所定の電力変換器温度をTinv_max_lcとし、キャリア周波数がその中間の場合は、効率最大(電力変換器)モードで運転させる上位の閾値である所定の電力変換器温度をTinv_max_mcとしている。
なお、スイッチング方式としては、PWM方式以外に過変調、同期PWM(低パルス通電)、矩形波通電などがあり、それぞれの方式に応じたパラメータで閾値の温度設定をすればよい。
【0030】
図6は、これまでの電力変換器20の温度Tinvと回転電機30の温度Tmtrの両方を用いて運転モードを判定している例である。
図6において、まずステップS100にて回転電機30の温度Tmrtが効率最小(回転
電機)にする所定の温度Tmtr_minより大きいかどうかを判定し、小さい場合(F)は運転モードをステップS104の効率最小(回転電機)へ、大きい場合(T)はステップS101へ進む。ステップS101では、回転電機30の温度Tmrtが効率最大(回転電機)にする所定の温度Tmtr_maxよりも小さいかどうかを判定し、大きい場合(F)は運転モードをステップS105の効率最大(回転電機)へ、小さい場合(T)はステップS102へ進む。
【0031】
そして、ステップS102では、電力変換器20の温度Tinvが効率最小(電力変換器
)とする所定の温度Tinv_minよりも大きいかどうかを判定し、小さい場合(F)は運転モードをステップS106の効率最小(電力変換器)へ、大きい場合(T)は最後の判定であるステップS103へ進む。ステップS103では電力変換器20の温度Tinvが効率最大(電力変換器)モードにするための所定の温度Tinv_maxよりも小さいかどうかを判定し、小さい場合(T)はステップS108の効率最大(トータル)とし、大きい場合(F)はステップS107の効率最大(電力変換器)とモード判定する。
ここで、図6において、不等号を等号付き不等号へ適宜変更しても構わない。
【0032】
なお、図6において回転電機30の温度Tmtrを優先として判定した。これは、電力変
換器20の損失に比べ、回転電機30の損失の方が大きいシステムに対する判定例であり、上記と逆の場合には、図7のように電力変換器20の温度Tinvを優先として判定すると良い。
図7において、まずステップS110にて電力変換器20の温度Tinvが効率最小(電
力変換器)にする所定の温度Tinv_minより大きいかどうかを判定し、小さい場合(F)は運転モードをステップS114の効率最小(電力変換器)へ、大きい場合(T)はステップS111へ進む。ステップS111では、電力変換器20の温度Tinvが効率最大(電力変換器)にする所定の温度Tinv_maxよりも小さいかどうかを判定し、大きい場合(F)は運転モードをステップS115の効率最大(電力変換器)へ、小さい場合(T)はステップS112へ進む。
【0033】
そして、ステップS112では、回転電機30の温度Tmrtが効率最小(回転電機)と
する所定の温度Tmtr_minよりも大きいかどうかを判定し、小さい場合(F)は運転モードをステップS116の効率最小(回転電機)へ、大きい場合(T)は最後の判定であるステップS113へ進む。ステップS113では回転電機30の温度Tmrtが効率最大(回転電機)モードにするための所定の温度Tmtr_maxよりも小さいかどうかを判定し、小さい場合(T)はステップS118の効率最大(トータル)とし、大きい場合(F)はステップS117の効率最大(回転電機)とモード判定する。
ここで、図7において、不等号を等号付き不等号へ適宜変更しても構わない。
【0034】
なお、この図6、図7には記載していないが、回転電機30の温度Tmrtが所定の温度
Tmtr_minよりも小さく、且つ電力変換器20の温度Tinvが所定の温度Tinv_minよりも小さい場合は、回転電機と電力変換器のトータルでの効率が最小となるモードと判定し、効率最小(トータル)になるモードで運転させるように回転電機30や電力変換器20を制御する。
【0035】
このように回転電機と電力変換器のトータルでの効率が最大となるポイントにて制御することにより、同一トルク発生条件下において、回転電機/電力変換器のトータルのロス低減すなわちシステムの温度上昇を最小に抑えることができる。また、システムトータルとして回転電機と電力変換器の効率が最大となるバランスが良いポイントを実現できる。さらに、バッテリからの持出しが最小となるため、バッテリの長寿命化(航続距離を延ばせる)に有益である。
一方、回転電機と電力変換器のトータルでの効率が最小となるポイントにて制御することにより、同一トルク発生条件下において、回転電機/電力変換器のトータルの温度を素早く上昇させることができる。
【0036】
以上のように回転電機と電力変換器のトータルの運転モードにおいて、回転電機30と電力変換器20の冷却装置を共用している場合、発熱の多い方を優先的に判定することにより、冷却装置内の温度上昇が抑えられるため、発熱の少ない方の装置がさらされる温度も低くできるメリットがある。
【0037】
次に、各部の温度以外の内部情報を用いた運転モード判定方法例について述べる。回転電機30の銅損は、回転電機30の通電電流の2乗に比例しており、通電電流が増加するにつれ2乗で増える。一方、回転電機30の鉄損は、回転電機30の回転速度ωに密接に関連しており、回転速度ωが低い状態では鉄損の影響は少ない。これらの状態を図示したものが図8である。
【0038】
すなわち、トルクが大きい領域においては銅損が支配的になり、一方トルクが少ない領域においては鉄損が支配的になる。そのため、銅損及び鉄損を最小にする運転モード判定には、回転電機30の回転速度ωと電機子電流により、図9のように選択する。
すなわち、運転モードを回転電機30の銅損最小にするには電機子電流を低くし、運転モードを鉄損最小にするには回転速度ωを低い状態にする。
当然ながら、これら境界値は使用する回転電機30や温度環境により変化するのでこれらを勘案して決定されるものである。
【0039】
このように銅損を最小にすれば回転電機30のコイル絶縁劣化を防止でき、また回転電機の通電電流を最小化できるため、ジュール熱が最も低くなる。さらに、回転電機と電力変換器の冷却装置を共用する構成において、冷却装置の温度が回転電機の温度により支配されるとき(回転電機の温度上昇が電力変換器のそれに比べ十分に高いとき)、このモードにすることで、冷却装置の温度を下げることができる(冷却装置の冷媒温度が下がるため、電力変換器の温度も低減できる)。
また、鉄損を最小にすれば、回転電機30の低負荷領域は鉄損の影響が大きいため、ここでの改善が見込める。特に電気自動車EV・ハイブリッド電気自動車HEVにおいては、クルージング状態(連れ周り運転状態)の効率改善が図れる。
【0040】
さらに、蓄電池(図示しない)を保護する運転モードの判定方法について述べる。蓄電池から取り出せる電流は、蓄電池の充電容量(SOC:State of Charge)に関係しており、充電容量SOCが高い状態では多く、充電容量SOCが低い状態では少なくして蓄電池を保護しておくべきである。そこで、図10に示す通り、充電容量SOCがある値以下(SOCwm)では蓄電池を保護する運転モードとして判定する。
【0041】
当然ながら、判定値は、蓄電池の種別、容量、電圧、温度、劣化度合(SOH:State of Health)などにより変動するため、これらのパラメータをもとに決定すべきである。
このように蓄電池の充電容量SOCの状態に応じた制御を実行でき、航続可能距離を延ばすことができたり、電池の高寿命化、搭載電池の小型化が図れる。
【0042】
最後に、回転電機30のトルクが最大になる運転モードの判定方法について述べる。トルク最大の運転モードは、以下の式の通りで判定する。
|τ*now − τ*old |≧ τjudge
すなわち、前回のトルク指令τ*oldと今回のトルク指令τ*nowとを比較し、これらが所定値τjudge以上であれば、急加速もしくは急回生であると判断し、トルクを最大限出力
可能な運転モードへ移行させる。
このようにトルクが最大になる運転モードで制御した場合、すばやく最大トルクを出力することが可能(運転フィーリング向上)で、短時間のトルクブーストへの対応が可能となる。
【0043】
以上が回転電機30および電力変換器20の内部状態からの運転モード判定方法例である。当然ながら、これらの運転モードは密接に関連しあっているため、システムにより適宜使用する運転モードを取捨選択して運用する。
【0044】
続いて運転モード判定後の処理について説明する。図2に戻り、上記のように運転モード判定部120で決定した運転モードは、モータ定数生成部121へ入力される。モータ定数生成部121では、運転モードに応じた回転電機30のパラメータである回転電機30のインダクタンスや磁束、上限電流値などを決定する。
各パラメータの決定に際しては、運転モードに応じたインダクタンス、磁束、上限電流値などを予め決めたテーブルを用意しておいて、それを参照することや、運転モードによる係数からオンラインで演算するなどする。
【0045】
例えば、効率最大(回転電機)の運転モードの場合、回転電機の損失は大きく分けて銅損、鉄損、メカロスに大別できるので、その中の銅損と鉄損が最小になるようにする。銅損は電流によるジュール熱のため実際に流れている電流i(=√(id^2+iq^2))をパラメータとして表される。一方、鉄損Wiは、回転速度ω、トルクτ、q軸磁束Φq、d軸磁束Φdとすると、Wi(ω、τ)=Φd^2/a^2+Φq^2/b^2の楕円の式で表される。したがって、これらから銅損と鉄損が最小になるようにインダクタンス、磁束を決めたテーブルを用意する。
【0046】
また、トルク最大の運転モードの場合、トルクが最大となるようなdq軸電流を算出するが、一般的にdq軸インダクタンスは、磁気飽和のためdq軸電流により変化するため、あらかじめdq軸電流とdq軸インダクタンスとの関係をテーブルの形で記憶させておき、dq軸電流に応じてdq軸インダクタンスを変化させ、トルクが最大となるようなインダクタンスを決めたテーブルを用意する。
【0047】
さらに、運転モードによる係数からオンラインでインダクタンス、磁束、上限電流値などを演算する場合は、例えば上限電流値導出の例では、上限電流値(基準)imaxを記憶しておき、各運転モードにおいて、k×imaxを演算する。
なお、各運転モードにおけるkは次の通りとする。
k>1:効率最小(回転電機)、効率最小(電力変換器)、効率最小(トータル)、
トルク最大
k≒1:鉄損最小、
k<1:効率最大(回転電機)、効率最大(電力変換器)、効率最大(トータル)、
銅損最小、蓄電池保護、
【0048】
このようにモータ定数生成部121において、運転モードに応じてインダクタンス、磁束、上限電流値などのパラメータを決めることにより、回転電機の非線形動作領域も把握することができるため、精密な制御が可能となる。
【0049】
モータ定数生成部121で決められた各パラメータは、総磁束制御指令部101の各部(トルク電流指令生成器110、磁束指令生成器111、磁束演算器112、磁束制御器113)へ伝達される。例えば、インダクタンスと磁束は磁束指令生成器111、磁束演算器112、磁束制御器113へ伝達され、上限電流値はトルク電流指令生成器110へ伝達される。
【0050】
こうしてトルク電流指令生成器110は、トルク指令τ*と磁束指令生成器111の出
力である磁束指令Φ*とモータ定数生成部121の出力である上限電流値が入力され、こ
れらの入力などからトルク電流指令iδ*を生成する。
磁束指令生成器111は、トルク電流指令生成器110の出力であるトルク電流指令iδ*と回転電機30の回転速度ωとモータ定数生成部121の出力である磁束が入力され
、これらの入力などから磁束指令Φ*を生成する。
磁束演算器112は、2相−3相座標変換器115の出力である3相電圧出力指令vu、vv、vw、電流センサ40によって検出された3相電機子電流値iu、iv、iw、回転子の位置センサ50によって検出された回転電機30の位置情報である回転子位相(電気角)θおよびモータ定数生成部121の出力である磁束が入力され、これらの入力などから現在の電機子鎖交磁束の絶対値|Φ|を演算する。
【0051】
磁束制御器113は、磁束指令生成器111の出力である磁束指令Φ*と磁束演算器1
12の出力である電機子鎖交磁束の絶対値|Φ|の差分、およびモータ定数生成部121の出力である磁束が入力され、これらの入力などから磁束誤差が0になるように磁化電流iγ*を演算する。
なお、モータ定数生成部121の出力である各パラメータは、電流フィードバック制御部102などで使用しても良い。
【0052】
以上のようにこの発明は、回転電機や電力変換器の内部状態から種々の運転モードを判定し、これら運転モードに応じて回転電機を制御するためのパラメータを生成し、このパラメータに基づいて制御装置における指令値の演算を行うようにしているから、回転電機や電力変換器の運転状況に応じて最適な動作ポイントで回転電機を制御することが可能となる。
【0053】
さらに、回転電機をトルクと磁束(モータ電圧)に分割し、それぞれ独立に制御すると共に、オフラインによる指令生成ではなく、オンライン(リアルタイム)で指令生成を行える。この指令生成に際して、回転電機や電力変換器の動作状況や環境変化などによる変動をパラメータに反映し、このパラメータを用いてオンラインで演算させることで、環境変動に対しリアルタイムに指令を生成させることができるため、回転電機をシームレスに制御することができる。
【0054】
実施の形態2
次にこの発明の実施の形態2における回転電機の制御装置を図11に基づいて説明する。
図11は実施の形態2における回転電機の制御装置の概略構成図であり、図11において、外部制御機器130は車両に搭載され車両状態を把握している装置で、エンジン制御装置やHEV、EVコントローラなどが相当する。
また回転電機がFA用途の場合は、外部制御機器130はPCなどのコントローラが相当する。その他の構成は実施の形態1の図2と同じであり、同じまたは相当部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0055】
この外部制御機器130と制御装置10の運転モード判定部120は電気的に接続され、運転モード判定部120は外部制御機器130から運転モードを受取る一方、外部制御機器130へは運転モード判定部120が把握している内部状態を伝送している。ここで、内部状態とは、回転電機30の温度Tmrt、電機子電流、回転速度ωや電力変換器20の温度Tinvやスイッチング方式(過変調/同期PWM)/矩形波通電など)などであり、外部制御機器130が運転モードを判定するために必要な情報である。
【0056】
実施の形態2の発明は実施形態1とは異なり、運転モード判定部120は回転電機30や電力変換器20の内部状態を外部制御機器130へ伝送し、外部制御機器130はその他の車両状態の状況も勘案して運転モードを生成する。
その後、外部制御機器130からの運転モードは、運転モード判定部120で受取り、モータ定数生成部121へ伝達される。この場合、運転モード判定部120は、通信にて外部制御機器130とデータのやり取りを行うので、通信データのエンコードとデコードが主たる動作となる。
なお、以降の処理動作は実施形態1と同様であるので説明を省略する。
【0057】
このように実施の形態2の発明は、外部制御機器が車両全体の状態を把握できるものである場合、車両トータルで最適となるように回転電機を制御することができる。また、電力変換器と回転電機の閉じた系での判断とは異なるため、より高度に回転電機を制御させることが可能となる。
【符号の説明】
【0058】
10 制御装置
20 電力変換器
30 回転電機
40 電流センサ
50 位置センサ
101 総磁束制御指令部
102 電流フィードバック制御部
103 回転電機パラメータ生成部
110 トルク電流指令生成器
111 磁束指令生成器
112 磁束演算器
113 磁束制御器
114 電流制御器
115 2相⇒3相変換器
116 駆動回路部
117 3相⇒2相変換器
118 位置⇒速度変換器
120 運転モード判定部
121 モータ定数生成部
130 外部制御機器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルク指令から電機子電流指令を生成する総磁束制御指令部を有し、この総磁束制御指令部から出力される電機子電流指令に基づいて電力変換器によって回転電機の電機子電流を制御する回転電機の制御装置において、
前記回転電機または電力変換器の内部状態により運転モードを判定する運転モード判定部と、前記運転モード判定部の出力である運転モードから前記回転電機を制御するためのパラメータを生成するモータ定数生成部を備え、前記モータ定数生成部で生成したパラメータに基づいて前記総磁束制御指令部の演算が行われることを特徴とする回転電機の制御装置。
【請求項2】
総磁束制御指令部は、トルク指令と磁束指令から電機子電流指令のトルク成分であるトルク電流指令を演算するトルク電流指令生成器と、前記トルク電流指令生成器からのトルク電流指令に基づいて磁束指令を演算する磁束指令生成器と、電機子鎖交磁束を演算する磁束演算器と、前記磁束指令と前記電機子鎖交磁束が一致するように磁化電流指令を生成し、磁束制御を行う磁束制御器を備え、モータ定数生成部で生成したパラメータに基づいて前記トルク電流指令生成器と前記磁束指令生成器と前記磁束演算器と前記磁束制御器の演算が行われることを特徴とする請求項1に記載の回転電機の制御装置。
【請求項3】
回転電機の電機子電流を総磁束制御指令部から出力される電機子電流指令に一致させるよう制御する電流フィードバック制御部を、総磁束制御指令部と電力変換器との間に設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転電機の制御装置。
【請求項4】
運転モード判定部に入力される回転電機または電力変換器の内部状態は、回転電機の温度、電機子電流、回転速度、電力変換器の温度およびスイッチング方式のうち、少なくとも一つ以上使用することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
【請求項5】
モータ定数生成部で生成する回転電機のパラメータは、回転電機のインダクタンス、磁束、上限電流値の少なくとも一つ以上を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
【請求項6】
運転モード判定部で生成する運転モードには、回転電機の効率が最大となるモードが存在し、このモードの判定には回転電機または電力変換器の温度情報の少なくとも一つ以上使用することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
【請求項7】
運転モード判定部で生成する運転モードには、電力変換器の効率が最大となるモードが存在し、このモードの判定には回転電機または電力変換器の温度情報または電力変換器のスイッチング方式のうち、少なくとも一つ以上使用することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
【請求項8】
運転モード判定部で生成する運転モードには、回転電機と電力変換器のトータル効率が最大となるモードが存在し、このモードの判定には回転電機または電力変換器の温度情報または電力変換器へのスイッチング方式のうち、少なくとも一つ以上使用することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
【請求項9】
運転モード判定部で生成する運転モードには、回転電機の効率が最小となるモードが存在し、このモードの判定には回転電機または電力変換器の温度情報または電力変換器へのスイッチング方式のうち、少なくとも一つ以上使用することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
【請求項10】
運転モード判定部で生成する運転モードには、電力変換器の効率が最小となるモードが存在し、このモードの判定には回転電機または電力変換器の温度情報または電力変換器へのスイッチング方式のうち、少なくとも一つ以上使用することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
【請求項11】
運転モード判定部で生成する運転モードには、回転電機と電力変換器のトータル効率が最小となるモードが存在し、このモードの判定には回転電機または電力変換器の温度情報または電力変換器へのスイッチング方式のうち、少なくとも一つ以上使用することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
【請求項12】
運転モード判定部で生成する運転モードには、回転電機の銅損を最小にするモードが存在し、このモードの判定には少なくとも回転電機の電機子電流を使用することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
【請求項13】
運転モード判定部で生成する運転モードには、回転電機の鉄損を最小にするモードが存在し、このモードの判定には少なくとも回転電機の回転速度を使用することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
【請求項14】
運転モード判定部で生成する運転モードには、電力変換器に接続されている蓄電池を保護するモードが存在し、このモードの判定には少なくとも前記蓄電池の充電状態を使用することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
【請求項15】
運転モード判定部で生成する運転モードには、回転電機のトルクを最大とするトルク最大モードが存在し、このモードの判定にはトルク指令の変化量が所定値以上を使用することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
【請求項16】
車両に搭載され、車両状態を把握する外部制御機器を設け、前記外部制御機器は運転モード判定部と接続され、前記運転モード判定部で生成する運転モードは、前記外部制御機器からの指示にもとづいて生成することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。

【図1】
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【図6】
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【図7】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−222896(P2012−222896A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84418(P2011−84418)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】