回転電機
【課題】
電機子巻線の並列回路数を極数の約数以外とした場合に、並列回路間の電圧不平衡を低減すること。
【解決手段】
本発明は上記課題を解決するために、極数が電機子巻線の相数と並列回路数との積よりも大きく、なおかつ並列回路1つあたりの極数がa+b/c(b/cは既約分数)で表される並列回路を構成する重ね巻の三相電機子巻線を有する回転電機において、各相の巻線がa+1個の相帯に分けられ、1つの相帯におけるコイルピッチを他のa個の相帯におけるコイルピッチと変えたことを特徴とする。
電機子巻線の並列回路数を極数の約数以外とした場合に、並列回路間の電圧不平衡を低減すること。
【解決手段】
本発明は上記課題を解決するために、極数が電機子巻線の相数と並列回路数との積よりも大きく、なおかつ並列回路1つあたりの極数がa+b/c(b/cは既約分数)で表される並列回路を構成する重ね巻の三相電機子巻線を有する回転電機において、各相の巻線がa+1個の相帯に分けられ、1つの相帯におけるコイルピッチを他のa個の相帯におけるコイルピッチと変えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転電機に係り、特に、重ね巻の電機子巻線を備えているものに好適な回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転電機の電機子巻線については、一般的に並列回路数は、極数の公約数から選ぶものとされてきた。これは、極数の約数以外の並列回路数を選択すると、回路間の電圧が不平衡となり、循環電流が流れるためである。この理由から設計の自由度が制限された結果、コンパクトな設計を実現できない場合があった。
【0003】
並列回路間の電圧を平衡した巻線を得る方法として、特許文献によれば、以下のような方法が開示されている。
【0004】
特許文献1には、4a+2極の三相交流機に四並列回路の波巻を施す方法が記載されている。また、特許文献2には、k+n/mの分数スロット巻線に対して、コイルをグループ分けした後に電圧ベクトルによって区分し、各グループから必要数のコイルを接続することで、極数/mの公約数の波巻を施す方法が記載されている。また、特許文献3には、各スロット内導体数を奇数とし、線輪の右辺と左辺で導体数を1本ずつ異ならせて並列回路が平衡するよう導体を配分する方法が記載されている。また、特許文献4には、コイルを2つに分割し並列回路に分配する方法が記載されている。更に、特許文献5には、単層重ね巻において所定相の接続部において所定電圧ベクトルとなるよう接続順序を代える変更用接続線を設けた構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭48−54403号公報
【特許文献2】特公昭61−27985号公報
【特許文献3】特開昭59−213270号公報
【特許文献4】特開昭59−222066号公報
【特許文献5】特開昭63−31439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、大型回転電機に用いられることの多い重ね巻については、スロット導体数の変更など特殊なコイル加工を施すことなく、極数の約数以外の並列回路に対して平衡した巻線を得る方法は確立されていなかった。また、大型の回転電機では、主にフォームドコイルが用いられるため、スロット内の導体数をスロットによって変更するには、複数種類のコイルを作製する必要が生じ、製作期間の長期化やコスト増加、メンテナンスの煩雑化に繋がる可能性がある。更に、並列回路間の電圧を平衡させるには、複数回路の電圧が平衡するように構成する必要があり、本技術の単純な適用では、所定の目的を達成する巻線方法を得られなかった。
【0007】
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、電機子巻線の並列回路数を極数の約数以外から選んだ場合に、並列回路間の電圧不平衡を低減し、並列回路間に流れる循環電流を低減することのできる回転電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の回転電機における特徴を以下に示す。
【0009】
図12は、一般的な2層巻コイルを有する回転電機の断面形状を模式的に表したものであり、14極の突極型同期機を示している。
【0010】
該図に示す如く、突極型同期機の回転子には、界磁巻線40を備えた磁極39が、回転子鉄心41に取り付けられており、その外径側に配置された固定子鉄心37には、電機子巻線を構成する下コイル1および上コイル2を納めるためのスロット38が設けられている。但し、図示を簡略にする都合上、スロットの数は実際より少なく図示している。
【0011】
以下、上述の目的を達成するための、本発明における電機子巻線の並列回路構成に関する手段を説明する。
【0012】
極数が電機子巻線の相数と並列回路数との積よりも大きく、なおかつ並列回路1つあたりの極数がa+b/c(b/cは既約分数)で表される並列回路を構成する重ね巻の三相電機子巻線を有する回転電機において、各相の巻線がa+1個の相帯に分けられ、1つの相帯におけるコイルピッチを、他のa個の相帯におけるコイルピッチと変えたことを特徴とする。
【0013】
更に、コイルピッチを変えた相帯には、複数の回路のコイルが含まれていることを特徴とする。
【0014】
また、ハーフコイルをコイルエンドで接続して電機子巻線を構成する回転電機であって、並列回路数を4以上の偶数とし、各相の巻線がa+1個の相帯に分けられ、a個の相帯はコイルピッチNとし、2組の並列回路を構成するコイルが含まれる相帯において、1つの回路を構成するコイルのピッチをN+1、もう一つの回路を構成するコイルのピッチをN−1としたことを特徴とする。
【0015】
また、ハーフコイルをコイルエンドで接続して電機子巻線を構成する回転電機であって、並列回路数を4以上の偶数とし、各相の巻線がa+1個の相帯に分けられ、a個の相帯はコイルピッチNとし毎極毎相のスロット数をNsppとすると、2組の並列回路を構成するコイルが含まれる相帯において、1つの回路を構成するコイルのピッチをN+Nspp/2、もう一つの回路を構成するコイルのピッチをN−Nspp/2としたことを特徴とする。
【0016】
また、極数が電機子巻線の相数と並列回路数の積よりも大きく、なおかつ並列回路1つあたりの極数がa+b/c(b/cは既約分数)で表される並列回路を構成する重ね巻の三相電機子巻線を有する回転電機において、固定子スロット数を極ピッチと相数と並列回路数との積に極ピッチの整数倍を加えた数とし、周方向に連続した極ピッチの整数倍のスロットの巻線について他の部分とコイルピッチを変えたことを特徴とする。
【0017】
また、コイルエンドの接続線を系統あるいは負荷との端子側には隣極あるいは隔極接続線反端子側はジャンパ線のみを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の回転電機によれば、電機子巻線の並列回路数を極数の約数以外とした場合でも回路間の電圧不平衡を低減し、循環電流の低減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の回転電機の実施例1における1相2回路の電機子巻線を示す展開図である。
【図2】図1における2回路によって構成される相帯を取り出した拡大図である。
【図3】本発明の回転電機の実施例2における1相2回路の電機子巻線を示す展開図である。
【図4】図3における2回路によって構成される相帯を取り出した拡大図である。
【図5】従来の回転電機における1相1回路の電機子巻線を示す展開図である。
【図6】本発明の回転電機の実施例1における電圧ベクトルを示す図である。
【図7】図6の電圧ベクトルのうちU相第1及び第2回路の第4相帯部分の電圧ベクトルを示す図である。
【図8】本発明の回転電機の実施例2における電圧ベクトルを示す図である。
【図9】図8の電圧ベクトルのうちU相第1及び第2回路の第4相帯部分の電圧ベクトルを示す図である。
【図10】従来の回転電機における電圧ベクトルを示す図である。
【図11】図10の電圧ベクトルのうちU相第1及び第2回路の第4相帯部分の電圧ベクトルを示す図である。
【図12】一般的な2層巻きコイルを有する回転電機を示す断面図である。
【図13】本発明の回転電機の実施例3における1相2回路の電機子巻線を示す展開図である。
【図14】本発明の回転電機の実施例3の変形例1における1相2回路の電機子巻線を示す展開図である。
【図15】本発明の回転電機の実施例3の変形例2における1相2回路の電機子巻線を示す展開図である。
【図16】従来の回転電機における1相2回路の電機子巻線を示す展開図である。
【図17】本発明の回転電機の実施例3における電圧ベクトルのうちU相第1〜第3回路の分数極部分の電圧ベクトルを示す図である。
【図18】本発明の回転電機の実施例3の変形例1における電圧ベクトルのうちU相第1〜第3回路の分数極部分の電圧ベクトルを示す図である。
【図19】本発明の回転電機の実施例3の変形例2における電圧ベクトルのうちU相第1〜第3回路の分数極部分の電圧ベクトルを示す図である。
【図20】図16の従来の回転電機における電圧ベクトルのうちU相第1〜第3回路の分数極部分の電圧ベクトルを示す図である。
【図21】本発明の回転電機の実施例4における1相の巻線配置を示す展開図である。
【図22】本発明の回転電機の実施例4における電圧ベクトルのうちU相第1〜第5回路の分数極部分の電圧ベクトルを示す図である。
【図23】本発明の回転電機の実施例5における1相の巻線配置を示す展開図である。
【図24】本発明の回転電機の実施例6における1相2回路の電機子巻線を示す展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の回転電機の実施例について、図面に基づき説明する。なお、以下ではハーフコイル1本をコイル1本として説明する。ここでは、主として大型の回転電機に用いられる二層巻を例とするので、1スロット内に納められるコイル数は上、下の2本である。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の回転電機の実施例1を示す図である。
【0022】
該図に示す実施例1は、三相、二層巻で4並列回路からなる電機子巻線を毎極毎相スロット数6として施した14極の回転電機の例であり、1相2回路の電機子巻線を示す展開図を示している。本実施例は、並列回路1つあたりの極数をa+b/cと表すと、a=3、b=1、c=2となる例を示している。また、該図に示す実施例1では、実線が第1回路、一点鎖線が第2回路のコイルをそれぞれ示しており、各々4つの相帯から構成されている。
【0023】
各相帯は、隣極接続線5によって接続され、巻き始めと巻き終わりは、口出し線4として図示しない端子に接続される。各相帯は、12本のコイルから構成されるが、第4相帯23は、第1回路のコイル6本と第2回路のコイル6本から構成されている。
【0024】
第4相帯の拡大を図2に示す。実施例1の電機子巻線は全節巻としてあり、第1相帯から第3相帯のコイルピッチは18であるが、第4相帯においては、ジャンパ線15によりコイルピッチを他の相帯と変えてあり、第1回路は19、第2回路は17としている。即ち、第1回路の第4相帯におけるコイル接続は、口出し線−2−ジャンパ接続線−21−4−ジャンパ接続線−23−6−ジャンパ接続線−25−隣極接続線−7(上コイル)、第2回路の第4相帯におけるコイル接続は、口出し線−24−7(下コイル)−ジャンパ接続線−22−5−ジャンパ接続線−20(上コイル)−3−隣極接続線−20(下コイル)の順である。
【0025】
図6及び図10は、各スロットに納められたコイル片に発生する起電力v=cosθ+jsinθを各回路について足し合わせ、横軸を実軸、縦軸を虚軸としてプロットしたものである。
【0026】
更に、図7及び図11は、図6及び図10の電圧ベクトルのうちU相第1及び第2回路の第4相帯部分の電圧ベクトルを示す図であり、カッコ( )内の数字は、スロット番号を示している。ベクトルの表示順は、コイル接続順と関係無く番号の小さいものから順番に並べて表示した。
【0027】
従来の回転電機における電圧ベクトルを示す図11に対して、第4相帯におけるコイルピッチを変えたことにより、図7に示すように、第1回路と第2回路の電圧ベクトルは一致し、並列回路間の電圧が平衡した巻線を施すことが可能である。
【0028】
ここでは1相の2回路について説明したが、本実施例の回転電機では4並列回路であるから、180°対称な位置において第3の回路と第4の回路について、また他の2相についても同様の構成とすることにより、本発明の期する効果を得ることができる。
【0029】
実施例1は、14極、4並列回路の巻線例を示したが、他の極数、並列回路数についても同様の考え方により平衡した巻線を得ることが可能である。ここで、回路番号及び相帯番号は説明の便宜上付けたものであり、順番は任意である。
【0030】
何らかの事情により接続側にジャンパ線を設けづらい場合には、実施例1で示したコイルのうち、何本かを電気的に等価な別の相帯におけるスロットに置き換えても同様な効果を得ることが可能である。この場合には、隣極あるいは隔極接続線などを追加して各コイルを接続すれば良い。
【実施例2】
【0031】
図3は、本発明の回転電機の実施例2を示す図である。
【0032】
該図に示す実施例2は、三相、二層巻で4並列回路からなる電機子巻線を毎極毎相スロット数6として施した14極の回転電機の例であり、1相2回路の電機子巻線を示す展開図を示している。本実施例は、並列回路1つあたりの極数をa+b/cと表すと、a=3、b=1、c=2となる例を示している。該図に示す実施例2では、実線が第1回路、一点鎖線が第2回路のコイルをそれぞれ示しており、各々4つの相帯から構成されている。
【0033】
各相帯は、隣極接続線5によって接続され、巻き始めと巻き終わりは口出し線4として図示しない端子に接続される。各相帯は、12本のコイルから構成されるが、第4相帯23は、第1回路のコイル6本と第2回路のコイル6本から構成されている。
【0034】
第4相帯の拡大を図4に示す。実施例2の電機子巻線は全節巻としてあり、第1相帯から第3相帯のコイルピッチは18であるが、第4相帯においては、ジャンパ線15によりコイルピッチを他の相帯と変えてあり、第1回路は15、第2回路は21としている。即ち、第1回路の第4相帯におけるコイル接続は、口出し線−5−ジャンパ接続線−20−ジャンパ接続線−6−ジャンパ接続線−21−ジャンパ接続線−6−ジャンパ接続線−22−隣極接続線−7(上コイル)、第2回路の第4相帯におけるコイル接続は、口出し線−25−ジャンパ接続線−4−ジャンパ接続線−24−ジャンパ接続線−3−ジャンパ接続線−23−ジャンパ接続線−2−隣極接続線−20(下コイル)の順である。
【0035】
図8は、図6及び図10と同様に、各スロットに納められたコイル片に発生する起電力v=cosθ+jsinθを各回路について足し合わせ、横軸を実軸、縦軸を虚軸としてプロットしたものである。
【0036】
更に、図9は、図8の電圧ベクトルのうちU相第1及び第2回路の第4相帯部分の電圧ベクトルを示す図であり、カッコ( )内の数字は、スロット番号を示している。
【0037】
従来の回転電機における電圧ベクトルを示す図11に対して、第4相帯におけるコイルピッチを変えたことにより、図9に示すように、第1回路と第2回路の電圧ベクトルは一致し、並列回路間の電圧が平衡した巻線を施すことが可能である。
【0038】
ここでは1相の2回路について説明したが、実施例2の回転電機では、4並列回路であるから、180°対称な位置において第3の回路と第4の回路について、また他の2相についても同様の構成とすることにより、本発明の期する効果を得ることができる。
【0039】
また、実施例2は、14極、4並列回路の巻線例を示したが、他の極数、並列回路数についても同様の考え方により平衡した巻線を得ることが可能である。
【0040】
第1、第2の回路番号及び相帯番号は、説明の便宜上付けたものであり、順番は任意である。
【実施例3】
【0041】
図13は、本発明の回転電機の実施例3を示す図である。
【0042】
該図に示す実施例3は、三相、二層巻で3並列回路からなる電機子巻線を毎極毎相スロット数6として施した14極の回転電機の例であり、1相2回路の電機子巻線を示す展開図を示している。本実施例は並列回路1つあたりの極数をa+b/cと表すと、a=4、b=2、c=3となる例を示している。該図に示す実施例3では、実線が第1回路、一点鎖線が第2回路のコイルをそれぞれ示しており、各々5つの相帯から構成されている。
【0043】
各相帯は、隣極接続線5によって接続され、巻き始めと巻き終わりは口出し線4として図示しない端子に接続される。各相帯は、12本のコイルから構成される。
【0044】
図16に示す従来の回転電機における1相2回路の電機子巻線を示す展開図に対し、第1回路及び第2回路の第5相帯24において、第1回路と第2回路に属する2組のコイルについて、ジャンパ線15を用いて入れ替えてある。
【0045】
これにより、図17に見られるように、図20の従来の回転電機における電圧ベクトルに比べて電圧の不平衡を低減することが可能である。
【0046】
図17、図20は、U相の第1〜第3回路の電圧ベクトルのうち、2/3極分を示したものである。カッコ( )内の数字は、スロット番号を示している。
【0047】
また、本発明の変形例として、図14に変形例1、図15に変形例2の1相2回路の展開図を、図18、図19に電圧ベクトルを示す。
【0048】
実施例3における各回路のb/c極、即ち、ここでは2/3極分に相当するコイルの配置を表1にまとめる。各回路で該当するコイルは8本であり、その配置を示すものである。実施例3の毎極毎相スロット数は6であるから、電気的に等価なスロット位置が6つ存在し、これらを極の中心に近い方からA、B、C、D、E、Fとする。
【0049】
表1から分かるように、変形例1は対称なスロット位置を第1回路と第3回路で入れ替えたものである。
【0050】
実施例3を適用した場合の電圧ベクトルの振幅と位相を表2にまとめる。電圧振幅は3回路の平均値を1[p.u.]とした値、電圧位相角は3回路の平均値を0[deg]とした角度で表示したものである。実施例3及びその変形例1では、電圧振幅が約0.15[%]、角度は0.0225[deg]、変形例2では、電圧振幅が約0.37[%]角度の差は0と、本発明を適用することにより、極数が3の倍数でない3並列回路の回転電機においても回路間の不平衡を低減することができる。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
ここでは1相について説明したが、他の2相についても同様の構成とすることにより、本発明の期する効果を得ることができる。
【実施例4】
【0054】
図21は、本発明の回転電機の実施例4を示す図である。
【0055】
該図に示す実施例4は、三相、二層巻で5並列回路からなる電機子巻線を毎極毎相スロット数5として施した14極の回転電機の例であり、1相2回路の電機子巻線を示す展開図を示している。本実施例は、並列回路1つあたりの極数をa+b/cと表すと、a=2、b=4、c=5となる例を示している。該図に示す実施例4では、第1回路から第5回路を実線、一点鎖線、点線(小)、点線(大)、破線で示し、各々3つの相帯から構成されている。
【0056】
各相帯は、隣極接続線5によって接続され、巻き始めと巻き終わりは口出し線4として図示しない端子に接続される。各相帯は、10本のコイルから構成される。本発明の構成を実施するため、第1相帯のコイル2本と第5相帯のコイル2本、第2相帯のコイル2本と第4相帯のコイル2本をそれぞれ隔極接続線42を用いて入れ替えてある。
【0057】
これにより、図22に見られるように、電圧の不平衡を低減することが可能である。図22は、U相の第1回路から第5回路の電圧ベクトルのうち、4/5極分を示したものである。カッコ( )内の数字は、スロット番号を示している。
【0058】
実施例4における各回路のb/c極、即ちここでは4/5極分に相当するコイルの配置を表3にまとめる。実施例4の毎極毎相スロット数は5であるから、電気的に等価なスロット位置が5つ存在し、これらを極の中心に近い方からA、B、C、D、Eとする。
【0059】
実施例4を適用した場合の電圧ベクトルの振幅と位相を表3にまとめる。電圧振幅は、5回路の平均値を1[p.u.]とした値、電圧位相角は、5回路の平均値を0[deg]とした角度で表示したものである。実施例4は、電圧振幅が約0.9[%]、角度は0[deg]であり、本発明を適用することにより、極数が5の倍数でない5並列回路の回転電機においても回路間の不平衡を低減することができる。
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【実施例5】
【0062】
図23は、本発明の回転電機の実施例5を示す図である。
【0063】
該図に示す実施例5は、三相、二層巻で3並列回路からなる電機子巻線を毎極毎相スロット数3として施した14極の回転電機の例であり、1相2回路の電機子巻線を示す展開図を示している。本実施例は、並列回路1つあたりの極数をa+b/cと表すと、a=4、b=2、c=3となる例を示している。該図に示す実施例5では、実線が第1回路、点線が第2回路、一点鎖線が第3回路のコイルをそれぞれ示しており、各々5つの相帯から構成されている。
【0064】
各相帯は、隣極接続線5によって接続され、巻き始めと巻き終わりは口出し線4として図示しない端子に接続される。各相帯は、6本のコイルから構成される。第2回路の第5相帯は、第1回路の第5相帯21−5中の2本と第3回路の第1相帯23−1中の2本から構成されている。
【0065】
また、第1回路の第1相帯21−1中2本のコイルと第3回路の第4相帯23−4中のコイル2本を入れ替えてある。
【0066】
実施例5を適用した場合の電圧ベクトルの振幅と位相を表2にまとめる。電圧振幅は、3回路の平均値を1[p.u.]とした値、電圧位相角は、3回路の平均値を0[deg]とした角度で表示したものである。実施例5により電圧振幅が約0.9[%]、角度の差は0と、本発明を適用することにより、極数が3の倍数でない3並列回路の回転電機においても回路間の不平衡を低減することができる。
【0067】
【表5】
【0068】
【表6】
【実施例6】
【0069】
図24は、本発明の回転電機の実施例6を示す図である。
【0070】
該図に示す実施例6は、三相、二層巻で4並列回路からなる電機子巻線を毎極毎相スロット数6として施した18極の回転電機の例であり、1相2回路の電機子巻線を示す展開図を示している。本実施例は並列回路1つあたりの極数をa+b/cと表すと、a=4、b=1、c=2となる例を示している。該図に示す実施例6では、実線が第1回路、一点鎖線が第2回路のコイルをそれぞれ示しており、各々5つの相帯から構成されている。
【0071】
各相帯は、隣極接続線5によって接続され、巻き始めと巻き終わりは口出し線4として図示しない端子に接続される。各相帯は、12本のコイルから構成されるが、第5相帯24は第1回路のコイル6本と第2回路のコイル6本から構成されている。
【0072】
実施例6は、実施例1に相帯が1つ加わった構成であるから、第5相帯におけるスロット配置は、実施例1における第4相帯と電気的に等価であり、したがって電圧ベクトル和についても実施形態1と同様である。また、第5相帯の構成は、実施例2と同様にしても良い。
【符号の説明】
【0073】
1…下コイル、2…上コイル、3…スロット番号、4…口出し線、5…隣極接続線、6…第1相帯、7…第2相帯、8…第3相帯、9…第4相帯、10…スロット部、11…端子側コイルエンド、12…反端子側コイルエンド、13…回路1コイル、14…回路2コイル、15 ジャンパ接続線、21−1…第1回路の第1相帯、21−2…第1回路の第2相帯、21−3…第1回路の第3相帯、21−4…第1回路の第4相帯、21−5…第1回路の第5相帯、22−1…第2回路の第1相帯、22−2…第2回路の第2相帯、22−3…第2回路の第3相帯、22−4…第2回路の第4相帯、22−5…第2回路の第5相帯、23…第1回路と第2回路の第4相帯、24…第1回路と第2回路の第5相帯、31−1…U相第1回路の電圧ベクトル、31−2…U相第2回路の電圧ベクトル、31−3…U相第3回路の電圧ベクトル、31−4…U相第4回路の電圧ベクトル、31−5…U相第5回路の電圧ベクトル、32−1…V相第1回路の電圧ベクトル、32−2…V相第2回路の電圧ベクトル、32−3…V相第3回路の電圧ベクトル、32−4…V相第4回路の電圧ベクトル、32−5…V相第5回路の電圧ベクトル、33−1…W相第1回路の電圧ベクトル、33−2…W相第2回路の電圧ベクトル、33−3…W相第3回路の電圧ベクトル、33−4…W相第4回路の電圧ベクトル、33−5…W相第5回路の電圧ベクトル、37…固定子鉄心、38…スロット、39…磁極、40…界磁巻線、41…回転子鉄心、42…隔極接続線、43−1…第1回路の相帯分布域、43−2…第1回路の相帯分布域、43−3…第1回路の相帯分布域、43−4…第1回路の相帯分布域、43−5…第1回路の相帯分布域。
【技術分野】
【0001】
本発明は回転電機に係り、特に、重ね巻の電機子巻線を備えているものに好適な回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転電機の電機子巻線については、一般的に並列回路数は、極数の公約数から選ぶものとされてきた。これは、極数の約数以外の並列回路数を選択すると、回路間の電圧が不平衡となり、循環電流が流れるためである。この理由から設計の自由度が制限された結果、コンパクトな設計を実現できない場合があった。
【0003】
並列回路間の電圧を平衡した巻線を得る方法として、特許文献によれば、以下のような方法が開示されている。
【0004】
特許文献1には、4a+2極の三相交流機に四並列回路の波巻を施す方法が記載されている。また、特許文献2には、k+n/mの分数スロット巻線に対して、コイルをグループ分けした後に電圧ベクトルによって区分し、各グループから必要数のコイルを接続することで、極数/mの公約数の波巻を施す方法が記載されている。また、特許文献3には、各スロット内導体数を奇数とし、線輪の右辺と左辺で導体数を1本ずつ異ならせて並列回路が平衡するよう導体を配分する方法が記載されている。また、特許文献4には、コイルを2つに分割し並列回路に分配する方法が記載されている。更に、特許文献5には、単層重ね巻において所定相の接続部において所定電圧ベクトルとなるよう接続順序を代える変更用接続線を設けた構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭48−54403号公報
【特許文献2】特公昭61−27985号公報
【特許文献3】特開昭59−213270号公報
【特許文献4】特開昭59−222066号公報
【特許文献5】特開昭63−31439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、大型回転電機に用いられることの多い重ね巻については、スロット導体数の変更など特殊なコイル加工を施すことなく、極数の約数以外の並列回路に対して平衡した巻線を得る方法は確立されていなかった。また、大型の回転電機では、主にフォームドコイルが用いられるため、スロット内の導体数をスロットによって変更するには、複数種類のコイルを作製する必要が生じ、製作期間の長期化やコスト増加、メンテナンスの煩雑化に繋がる可能性がある。更に、並列回路間の電圧を平衡させるには、複数回路の電圧が平衡するように構成する必要があり、本技術の単純な適用では、所定の目的を達成する巻線方法を得られなかった。
【0007】
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、電機子巻線の並列回路数を極数の約数以外から選んだ場合に、並列回路間の電圧不平衡を低減し、並列回路間に流れる循環電流を低減することのできる回転電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の回転電機における特徴を以下に示す。
【0009】
図12は、一般的な2層巻コイルを有する回転電機の断面形状を模式的に表したものであり、14極の突極型同期機を示している。
【0010】
該図に示す如く、突極型同期機の回転子には、界磁巻線40を備えた磁極39が、回転子鉄心41に取り付けられており、その外径側に配置された固定子鉄心37には、電機子巻線を構成する下コイル1および上コイル2を納めるためのスロット38が設けられている。但し、図示を簡略にする都合上、スロットの数は実際より少なく図示している。
【0011】
以下、上述の目的を達成するための、本発明における電機子巻線の並列回路構成に関する手段を説明する。
【0012】
極数が電機子巻線の相数と並列回路数との積よりも大きく、なおかつ並列回路1つあたりの極数がa+b/c(b/cは既約分数)で表される並列回路を構成する重ね巻の三相電機子巻線を有する回転電機において、各相の巻線がa+1個の相帯に分けられ、1つの相帯におけるコイルピッチを、他のa個の相帯におけるコイルピッチと変えたことを特徴とする。
【0013】
更に、コイルピッチを変えた相帯には、複数の回路のコイルが含まれていることを特徴とする。
【0014】
また、ハーフコイルをコイルエンドで接続して電機子巻線を構成する回転電機であって、並列回路数を4以上の偶数とし、各相の巻線がa+1個の相帯に分けられ、a個の相帯はコイルピッチNとし、2組の並列回路を構成するコイルが含まれる相帯において、1つの回路を構成するコイルのピッチをN+1、もう一つの回路を構成するコイルのピッチをN−1としたことを特徴とする。
【0015】
また、ハーフコイルをコイルエンドで接続して電機子巻線を構成する回転電機であって、並列回路数を4以上の偶数とし、各相の巻線がa+1個の相帯に分けられ、a個の相帯はコイルピッチNとし毎極毎相のスロット数をNsppとすると、2組の並列回路を構成するコイルが含まれる相帯において、1つの回路を構成するコイルのピッチをN+Nspp/2、もう一つの回路を構成するコイルのピッチをN−Nspp/2としたことを特徴とする。
【0016】
また、極数が電機子巻線の相数と並列回路数の積よりも大きく、なおかつ並列回路1つあたりの極数がa+b/c(b/cは既約分数)で表される並列回路を構成する重ね巻の三相電機子巻線を有する回転電機において、固定子スロット数を極ピッチと相数と並列回路数との積に極ピッチの整数倍を加えた数とし、周方向に連続した極ピッチの整数倍のスロットの巻線について他の部分とコイルピッチを変えたことを特徴とする。
【0017】
また、コイルエンドの接続線を系統あるいは負荷との端子側には隣極あるいは隔極接続線反端子側はジャンパ線のみを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の回転電機によれば、電機子巻線の並列回路数を極数の約数以外とした場合でも回路間の電圧不平衡を低減し、循環電流の低減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の回転電機の実施例1における1相2回路の電機子巻線を示す展開図である。
【図2】図1における2回路によって構成される相帯を取り出した拡大図である。
【図3】本発明の回転電機の実施例2における1相2回路の電機子巻線を示す展開図である。
【図4】図3における2回路によって構成される相帯を取り出した拡大図である。
【図5】従来の回転電機における1相1回路の電機子巻線を示す展開図である。
【図6】本発明の回転電機の実施例1における電圧ベクトルを示す図である。
【図7】図6の電圧ベクトルのうちU相第1及び第2回路の第4相帯部分の電圧ベクトルを示す図である。
【図8】本発明の回転電機の実施例2における電圧ベクトルを示す図である。
【図9】図8の電圧ベクトルのうちU相第1及び第2回路の第4相帯部分の電圧ベクトルを示す図である。
【図10】従来の回転電機における電圧ベクトルを示す図である。
【図11】図10の電圧ベクトルのうちU相第1及び第2回路の第4相帯部分の電圧ベクトルを示す図である。
【図12】一般的な2層巻きコイルを有する回転電機を示す断面図である。
【図13】本発明の回転電機の実施例3における1相2回路の電機子巻線を示す展開図である。
【図14】本発明の回転電機の実施例3の変形例1における1相2回路の電機子巻線を示す展開図である。
【図15】本発明の回転電機の実施例3の変形例2における1相2回路の電機子巻線を示す展開図である。
【図16】従来の回転電機における1相2回路の電機子巻線を示す展開図である。
【図17】本発明の回転電機の実施例3における電圧ベクトルのうちU相第1〜第3回路の分数極部分の電圧ベクトルを示す図である。
【図18】本発明の回転電機の実施例3の変形例1における電圧ベクトルのうちU相第1〜第3回路の分数極部分の電圧ベクトルを示す図である。
【図19】本発明の回転電機の実施例3の変形例2における電圧ベクトルのうちU相第1〜第3回路の分数極部分の電圧ベクトルを示す図である。
【図20】図16の従来の回転電機における電圧ベクトルのうちU相第1〜第3回路の分数極部分の電圧ベクトルを示す図である。
【図21】本発明の回転電機の実施例4における1相の巻線配置を示す展開図である。
【図22】本発明の回転電機の実施例4における電圧ベクトルのうちU相第1〜第5回路の分数極部分の電圧ベクトルを示す図である。
【図23】本発明の回転電機の実施例5における1相の巻線配置を示す展開図である。
【図24】本発明の回転電機の実施例6における1相2回路の電機子巻線を示す展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の回転電機の実施例について、図面に基づき説明する。なお、以下ではハーフコイル1本をコイル1本として説明する。ここでは、主として大型の回転電機に用いられる二層巻を例とするので、1スロット内に納められるコイル数は上、下の2本である。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の回転電機の実施例1を示す図である。
【0022】
該図に示す実施例1は、三相、二層巻で4並列回路からなる電機子巻線を毎極毎相スロット数6として施した14極の回転電機の例であり、1相2回路の電機子巻線を示す展開図を示している。本実施例は、並列回路1つあたりの極数をa+b/cと表すと、a=3、b=1、c=2となる例を示している。また、該図に示す実施例1では、実線が第1回路、一点鎖線が第2回路のコイルをそれぞれ示しており、各々4つの相帯から構成されている。
【0023】
各相帯は、隣極接続線5によって接続され、巻き始めと巻き終わりは、口出し線4として図示しない端子に接続される。各相帯は、12本のコイルから構成されるが、第4相帯23は、第1回路のコイル6本と第2回路のコイル6本から構成されている。
【0024】
第4相帯の拡大を図2に示す。実施例1の電機子巻線は全節巻としてあり、第1相帯から第3相帯のコイルピッチは18であるが、第4相帯においては、ジャンパ線15によりコイルピッチを他の相帯と変えてあり、第1回路は19、第2回路は17としている。即ち、第1回路の第4相帯におけるコイル接続は、口出し線−2−ジャンパ接続線−21−4−ジャンパ接続線−23−6−ジャンパ接続線−25−隣極接続線−7(上コイル)、第2回路の第4相帯におけるコイル接続は、口出し線−24−7(下コイル)−ジャンパ接続線−22−5−ジャンパ接続線−20(上コイル)−3−隣極接続線−20(下コイル)の順である。
【0025】
図6及び図10は、各スロットに納められたコイル片に発生する起電力v=cosθ+jsinθを各回路について足し合わせ、横軸を実軸、縦軸を虚軸としてプロットしたものである。
【0026】
更に、図7及び図11は、図6及び図10の電圧ベクトルのうちU相第1及び第2回路の第4相帯部分の電圧ベクトルを示す図であり、カッコ( )内の数字は、スロット番号を示している。ベクトルの表示順は、コイル接続順と関係無く番号の小さいものから順番に並べて表示した。
【0027】
従来の回転電機における電圧ベクトルを示す図11に対して、第4相帯におけるコイルピッチを変えたことにより、図7に示すように、第1回路と第2回路の電圧ベクトルは一致し、並列回路間の電圧が平衡した巻線を施すことが可能である。
【0028】
ここでは1相の2回路について説明したが、本実施例の回転電機では4並列回路であるから、180°対称な位置において第3の回路と第4の回路について、また他の2相についても同様の構成とすることにより、本発明の期する効果を得ることができる。
【0029】
実施例1は、14極、4並列回路の巻線例を示したが、他の極数、並列回路数についても同様の考え方により平衡した巻線を得ることが可能である。ここで、回路番号及び相帯番号は説明の便宜上付けたものであり、順番は任意である。
【0030】
何らかの事情により接続側にジャンパ線を設けづらい場合には、実施例1で示したコイルのうち、何本かを電気的に等価な別の相帯におけるスロットに置き換えても同様な効果を得ることが可能である。この場合には、隣極あるいは隔極接続線などを追加して各コイルを接続すれば良い。
【実施例2】
【0031】
図3は、本発明の回転電機の実施例2を示す図である。
【0032】
該図に示す実施例2は、三相、二層巻で4並列回路からなる電機子巻線を毎極毎相スロット数6として施した14極の回転電機の例であり、1相2回路の電機子巻線を示す展開図を示している。本実施例は、並列回路1つあたりの極数をa+b/cと表すと、a=3、b=1、c=2となる例を示している。該図に示す実施例2では、実線が第1回路、一点鎖線が第2回路のコイルをそれぞれ示しており、各々4つの相帯から構成されている。
【0033】
各相帯は、隣極接続線5によって接続され、巻き始めと巻き終わりは口出し線4として図示しない端子に接続される。各相帯は、12本のコイルから構成されるが、第4相帯23は、第1回路のコイル6本と第2回路のコイル6本から構成されている。
【0034】
第4相帯の拡大を図4に示す。実施例2の電機子巻線は全節巻としてあり、第1相帯から第3相帯のコイルピッチは18であるが、第4相帯においては、ジャンパ線15によりコイルピッチを他の相帯と変えてあり、第1回路は15、第2回路は21としている。即ち、第1回路の第4相帯におけるコイル接続は、口出し線−5−ジャンパ接続線−20−ジャンパ接続線−6−ジャンパ接続線−21−ジャンパ接続線−6−ジャンパ接続線−22−隣極接続線−7(上コイル)、第2回路の第4相帯におけるコイル接続は、口出し線−25−ジャンパ接続線−4−ジャンパ接続線−24−ジャンパ接続線−3−ジャンパ接続線−23−ジャンパ接続線−2−隣極接続線−20(下コイル)の順である。
【0035】
図8は、図6及び図10と同様に、各スロットに納められたコイル片に発生する起電力v=cosθ+jsinθを各回路について足し合わせ、横軸を実軸、縦軸を虚軸としてプロットしたものである。
【0036】
更に、図9は、図8の電圧ベクトルのうちU相第1及び第2回路の第4相帯部分の電圧ベクトルを示す図であり、カッコ( )内の数字は、スロット番号を示している。
【0037】
従来の回転電機における電圧ベクトルを示す図11に対して、第4相帯におけるコイルピッチを変えたことにより、図9に示すように、第1回路と第2回路の電圧ベクトルは一致し、並列回路間の電圧が平衡した巻線を施すことが可能である。
【0038】
ここでは1相の2回路について説明したが、実施例2の回転電機では、4並列回路であるから、180°対称な位置において第3の回路と第4の回路について、また他の2相についても同様の構成とすることにより、本発明の期する効果を得ることができる。
【0039】
また、実施例2は、14極、4並列回路の巻線例を示したが、他の極数、並列回路数についても同様の考え方により平衡した巻線を得ることが可能である。
【0040】
第1、第2の回路番号及び相帯番号は、説明の便宜上付けたものであり、順番は任意である。
【実施例3】
【0041】
図13は、本発明の回転電機の実施例3を示す図である。
【0042】
該図に示す実施例3は、三相、二層巻で3並列回路からなる電機子巻線を毎極毎相スロット数6として施した14極の回転電機の例であり、1相2回路の電機子巻線を示す展開図を示している。本実施例は並列回路1つあたりの極数をa+b/cと表すと、a=4、b=2、c=3となる例を示している。該図に示す実施例3では、実線が第1回路、一点鎖線が第2回路のコイルをそれぞれ示しており、各々5つの相帯から構成されている。
【0043】
各相帯は、隣極接続線5によって接続され、巻き始めと巻き終わりは口出し線4として図示しない端子に接続される。各相帯は、12本のコイルから構成される。
【0044】
図16に示す従来の回転電機における1相2回路の電機子巻線を示す展開図に対し、第1回路及び第2回路の第5相帯24において、第1回路と第2回路に属する2組のコイルについて、ジャンパ線15を用いて入れ替えてある。
【0045】
これにより、図17に見られるように、図20の従来の回転電機における電圧ベクトルに比べて電圧の不平衡を低減することが可能である。
【0046】
図17、図20は、U相の第1〜第3回路の電圧ベクトルのうち、2/3極分を示したものである。カッコ( )内の数字は、スロット番号を示している。
【0047】
また、本発明の変形例として、図14に変形例1、図15に変形例2の1相2回路の展開図を、図18、図19に電圧ベクトルを示す。
【0048】
実施例3における各回路のb/c極、即ち、ここでは2/3極分に相当するコイルの配置を表1にまとめる。各回路で該当するコイルは8本であり、その配置を示すものである。実施例3の毎極毎相スロット数は6であるから、電気的に等価なスロット位置が6つ存在し、これらを極の中心に近い方からA、B、C、D、E、Fとする。
【0049】
表1から分かるように、変形例1は対称なスロット位置を第1回路と第3回路で入れ替えたものである。
【0050】
実施例3を適用した場合の電圧ベクトルの振幅と位相を表2にまとめる。電圧振幅は3回路の平均値を1[p.u.]とした値、電圧位相角は3回路の平均値を0[deg]とした角度で表示したものである。実施例3及びその変形例1では、電圧振幅が約0.15[%]、角度は0.0225[deg]、変形例2では、電圧振幅が約0.37[%]角度の差は0と、本発明を適用することにより、極数が3の倍数でない3並列回路の回転電機においても回路間の不平衡を低減することができる。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
ここでは1相について説明したが、他の2相についても同様の構成とすることにより、本発明の期する効果を得ることができる。
【実施例4】
【0054】
図21は、本発明の回転電機の実施例4を示す図である。
【0055】
該図に示す実施例4は、三相、二層巻で5並列回路からなる電機子巻線を毎極毎相スロット数5として施した14極の回転電機の例であり、1相2回路の電機子巻線を示す展開図を示している。本実施例は、並列回路1つあたりの極数をa+b/cと表すと、a=2、b=4、c=5となる例を示している。該図に示す実施例4では、第1回路から第5回路を実線、一点鎖線、点線(小)、点線(大)、破線で示し、各々3つの相帯から構成されている。
【0056】
各相帯は、隣極接続線5によって接続され、巻き始めと巻き終わりは口出し線4として図示しない端子に接続される。各相帯は、10本のコイルから構成される。本発明の構成を実施するため、第1相帯のコイル2本と第5相帯のコイル2本、第2相帯のコイル2本と第4相帯のコイル2本をそれぞれ隔極接続線42を用いて入れ替えてある。
【0057】
これにより、図22に見られるように、電圧の不平衡を低減することが可能である。図22は、U相の第1回路から第5回路の電圧ベクトルのうち、4/5極分を示したものである。カッコ( )内の数字は、スロット番号を示している。
【0058】
実施例4における各回路のb/c極、即ちここでは4/5極分に相当するコイルの配置を表3にまとめる。実施例4の毎極毎相スロット数は5であるから、電気的に等価なスロット位置が5つ存在し、これらを極の中心に近い方からA、B、C、D、Eとする。
【0059】
実施例4を適用した場合の電圧ベクトルの振幅と位相を表3にまとめる。電圧振幅は、5回路の平均値を1[p.u.]とした値、電圧位相角は、5回路の平均値を0[deg]とした角度で表示したものである。実施例4は、電圧振幅が約0.9[%]、角度は0[deg]であり、本発明を適用することにより、極数が5の倍数でない5並列回路の回転電機においても回路間の不平衡を低減することができる。
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【実施例5】
【0062】
図23は、本発明の回転電機の実施例5を示す図である。
【0063】
該図に示す実施例5は、三相、二層巻で3並列回路からなる電機子巻線を毎極毎相スロット数3として施した14極の回転電機の例であり、1相2回路の電機子巻線を示す展開図を示している。本実施例は、並列回路1つあたりの極数をa+b/cと表すと、a=4、b=2、c=3となる例を示している。該図に示す実施例5では、実線が第1回路、点線が第2回路、一点鎖線が第3回路のコイルをそれぞれ示しており、各々5つの相帯から構成されている。
【0064】
各相帯は、隣極接続線5によって接続され、巻き始めと巻き終わりは口出し線4として図示しない端子に接続される。各相帯は、6本のコイルから構成される。第2回路の第5相帯は、第1回路の第5相帯21−5中の2本と第3回路の第1相帯23−1中の2本から構成されている。
【0065】
また、第1回路の第1相帯21−1中2本のコイルと第3回路の第4相帯23−4中のコイル2本を入れ替えてある。
【0066】
実施例5を適用した場合の電圧ベクトルの振幅と位相を表2にまとめる。電圧振幅は、3回路の平均値を1[p.u.]とした値、電圧位相角は、3回路の平均値を0[deg]とした角度で表示したものである。実施例5により電圧振幅が約0.9[%]、角度の差は0と、本発明を適用することにより、極数が3の倍数でない3並列回路の回転電機においても回路間の不平衡を低減することができる。
【0067】
【表5】
【0068】
【表6】
【実施例6】
【0069】
図24は、本発明の回転電機の実施例6を示す図である。
【0070】
該図に示す実施例6は、三相、二層巻で4並列回路からなる電機子巻線を毎極毎相スロット数6として施した18極の回転電機の例であり、1相2回路の電機子巻線を示す展開図を示している。本実施例は並列回路1つあたりの極数をa+b/cと表すと、a=4、b=1、c=2となる例を示している。該図に示す実施例6では、実線が第1回路、一点鎖線が第2回路のコイルをそれぞれ示しており、各々5つの相帯から構成されている。
【0071】
各相帯は、隣極接続線5によって接続され、巻き始めと巻き終わりは口出し線4として図示しない端子に接続される。各相帯は、12本のコイルから構成されるが、第5相帯24は第1回路のコイル6本と第2回路のコイル6本から構成されている。
【0072】
実施例6は、実施例1に相帯が1つ加わった構成であるから、第5相帯におけるスロット配置は、実施例1における第4相帯と電気的に等価であり、したがって電圧ベクトル和についても実施形態1と同様である。また、第5相帯の構成は、実施例2と同様にしても良い。
【符号の説明】
【0073】
1…下コイル、2…上コイル、3…スロット番号、4…口出し線、5…隣極接続線、6…第1相帯、7…第2相帯、8…第3相帯、9…第4相帯、10…スロット部、11…端子側コイルエンド、12…反端子側コイルエンド、13…回路1コイル、14…回路2コイル、15 ジャンパ接続線、21−1…第1回路の第1相帯、21−2…第1回路の第2相帯、21−3…第1回路の第3相帯、21−4…第1回路の第4相帯、21−5…第1回路の第5相帯、22−1…第2回路の第1相帯、22−2…第2回路の第2相帯、22−3…第2回路の第3相帯、22−4…第2回路の第4相帯、22−5…第2回路の第5相帯、23…第1回路と第2回路の第4相帯、24…第1回路と第2回路の第5相帯、31−1…U相第1回路の電圧ベクトル、31−2…U相第2回路の電圧ベクトル、31−3…U相第3回路の電圧ベクトル、31−4…U相第4回路の電圧ベクトル、31−5…U相第5回路の電圧ベクトル、32−1…V相第1回路の電圧ベクトル、32−2…V相第2回路の電圧ベクトル、32−3…V相第3回路の電圧ベクトル、32−4…V相第4回路の電圧ベクトル、32−5…V相第5回路の電圧ベクトル、33−1…W相第1回路の電圧ベクトル、33−2…W相第2回路の電圧ベクトル、33−3…W相第3回路の電圧ベクトル、33−4…W相第4回路の電圧ベクトル、33−5…W相第5回路の電圧ベクトル、37…固定子鉄心、38…スロット、39…磁極、40…界磁巻線、41…回転子鉄心、42…隔極接続線、43−1…第1回路の相帯分布域、43−2…第1回路の相帯分布域、43−3…第1回路の相帯分布域、43−4…第1回路の相帯分布域、43−5…第1回路の相帯分布域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
極数が電機子巻線の相数と並列回路数との積よりも大きく、なおかつ並列回路1つあたりの極数がa+b/c(b/cは既約分数)で表される並列回路を構成する重ね巻の三相電機子巻線を有する回転電機において、
各相の巻線がa+1個の相帯に分けられ、1つの相帯におけるコイルピッチを他のa個の相帯におけるコイルピッチと変えたことを特徴とする回転電機。
【請求項2】
請求項1に記載の回転電機において、
前記コイルピッチを変えた相帯には、複数の回路のコイルが含まれていることを特徴とする回転電機。
【請求項3】
極数が電機子巻線の相数と並列回路数との積よりも大きく、なおかつ並列回路1つあたりの極数がa+b/c(b/cは既約分数)で表される並列回路を構成する重ね巻の三相電機子巻線を有し、ハーフコイルをコイルエンドで接続して電機子巻線を構成する回転電機において、
前記並列回路数を4以上の偶数とし、各相の巻線がa+1個の相帯に分けられ、a個の相帯はコイルピッチNとし、2組の並列回路を構成するコイルが含まれる相帯における1つの回路を構成するコイルのピッチをN+1、もう一つの回路を構成するコイルのピッチをN−1としたことを特徴とする回転電機。
【請求項4】
極数が電機子巻線の相数と並列回路数との積よりも大きく、なおかつ並列回路1つあたりの極数がa+b/c(b/cは既約分数)で表される並列回路を構成する重ね巻の三相電機子巻線を有し、ハーフコイルをコイルエンドで接続して電機子巻線を構成する回転電機において、
前記並列回路数を4以上の偶数とし、各相の巻線がa+1個の相帯に分けられ、a個の相帯はコイルピッチNとし毎極毎相のスロット数をNsppとすると、2組の並列回路を構成するコイルが含まれる相帯における1つの回路を構成するコイルのピッチをN+Nspp/2、もう一つの回路を構成するコイルのピッチをN−Nspp/2としたことを特徴とする回転電機。
【請求項5】
極数が電機子巻線の相数と並列回路数の積よりも大きく、なおかつ並列回路1つあたりの極数がa+b/c(b/cは既約分数)で表される並列回路を構成する重ね巻の三相電機子巻線を有する回転電機において、
固定子スロット数を、極ピッチと相数と並列回路数との積に極ピッチの整数倍を加えた数とし、周方向に連続した極ピッチの整数倍のスロットの巻線について他の部分とコイルピッチを変えたことを特徴とする回転電機。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の回転電機において、
コイルエンドの接続線を系統あるいは負荷との端子側には隣極あるいは隔極接続線反端子側はジャンパ線のみを設けたことを特徴とする回転電機。
【請求項7】
極数が電機子巻線の相数と並列回路数の積よりも大きく、なおかつ並列回路1つあたりの極数がa+b/c(b/cは既約分数)で表される並列回路を構成する二層重ね巻の三相電機子巻線を有する回転電機において、
電機子巻線の並列回路数を3とし、毎極毎相のスロット数を3とした際に、各並列回路はa+1個の相帯を有し、各並列回路のb/c極分である2/3極分に相当するコイルの配置を、電気的に等価なスロット位置を極の中心に近い方からA、B、C、D、E、Fと表すと第1回路はA、Eに2個、Dに4個、第2回路はA、B、E、Fにそれぞれ2個、第3回路はB、Fに2個、Cに4個としたことを特徴とする回転電機。
【請求項8】
極数が電機子巻線の相数と並列回路数の積よりも大きく、なおかつ並列回路1つあたりの極数がa+b/c(b/cは既約分数)で表される並列回路を構成する二層重ね巻の三相電機子巻線を有する回転電機において、
電機子巻線の並列回路数を3とし、毎極毎相のスロット数を6とした際に、各並列回路はa+1個の相帯を有し、各並列回路のb/c極分である2/3極分に相当するコイルの配置を、電気的に等価なスロット位置を極の中心に近い方からA、B、C、D、E、Fと表すと第1回路はA、Eに2個、Dに4個、第2回路はA、B、E、Fにそれぞれ2個、第3回路はB、Fに2個、Cに4個としたことを特徴とする回転電機。
【請求項9】
極数が電機子巻線の相数と並列回路数の積よりも大きく、なおかつ並列回路1つあたりの極数がa+b/c(b/cは既約分数)で表される並列回路を構成する二層重ね巻の三相電機子巻線を有する回転電機において、
電機子巻線の並列回路数を5とし、毎極毎相のスロット数を5とした際に、各並列回路はa+1個の相帯を有し、各並列回路のb/c極分である4/5極分に相当するコイルの配置を、電気的に等価なスロット位置を極の中心に近い方からA、B、C、D、Eと表すと第1〜第3回路はA、B、D、Eにそれぞれ2個、第4回路はA、Eに2個、Cに4個、第5回路はB、Dに2個、Cに4個としたことを特徴とする回転電機。
【請求項1】
極数が電機子巻線の相数と並列回路数との積よりも大きく、なおかつ並列回路1つあたりの極数がa+b/c(b/cは既約分数)で表される並列回路を構成する重ね巻の三相電機子巻線を有する回転電機において、
各相の巻線がa+1個の相帯に分けられ、1つの相帯におけるコイルピッチを他のa個の相帯におけるコイルピッチと変えたことを特徴とする回転電機。
【請求項2】
請求項1に記載の回転電機において、
前記コイルピッチを変えた相帯には、複数の回路のコイルが含まれていることを特徴とする回転電機。
【請求項3】
極数が電機子巻線の相数と並列回路数との積よりも大きく、なおかつ並列回路1つあたりの極数がa+b/c(b/cは既約分数)で表される並列回路を構成する重ね巻の三相電機子巻線を有し、ハーフコイルをコイルエンドで接続して電機子巻線を構成する回転電機において、
前記並列回路数を4以上の偶数とし、各相の巻線がa+1個の相帯に分けられ、a個の相帯はコイルピッチNとし、2組の並列回路を構成するコイルが含まれる相帯における1つの回路を構成するコイルのピッチをN+1、もう一つの回路を構成するコイルのピッチをN−1としたことを特徴とする回転電機。
【請求項4】
極数が電機子巻線の相数と並列回路数との積よりも大きく、なおかつ並列回路1つあたりの極数がa+b/c(b/cは既約分数)で表される並列回路を構成する重ね巻の三相電機子巻線を有し、ハーフコイルをコイルエンドで接続して電機子巻線を構成する回転電機において、
前記並列回路数を4以上の偶数とし、各相の巻線がa+1個の相帯に分けられ、a個の相帯はコイルピッチNとし毎極毎相のスロット数をNsppとすると、2組の並列回路を構成するコイルが含まれる相帯における1つの回路を構成するコイルのピッチをN+Nspp/2、もう一つの回路を構成するコイルのピッチをN−Nspp/2としたことを特徴とする回転電機。
【請求項5】
極数が電機子巻線の相数と並列回路数の積よりも大きく、なおかつ並列回路1つあたりの極数がa+b/c(b/cは既約分数)で表される並列回路を構成する重ね巻の三相電機子巻線を有する回転電機において、
固定子スロット数を、極ピッチと相数と並列回路数との積に極ピッチの整数倍を加えた数とし、周方向に連続した極ピッチの整数倍のスロットの巻線について他の部分とコイルピッチを変えたことを特徴とする回転電機。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の回転電機において、
コイルエンドの接続線を系統あるいは負荷との端子側には隣極あるいは隔極接続線反端子側はジャンパ線のみを設けたことを特徴とする回転電機。
【請求項7】
極数が電機子巻線の相数と並列回路数の積よりも大きく、なおかつ並列回路1つあたりの極数がa+b/c(b/cは既約分数)で表される並列回路を構成する二層重ね巻の三相電機子巻線を有する回転電機において、
電機子巻線の並列回路数を3とし、毎極毎相のスロット数を3とした際に、各並列回路はa+1個の相帯を有し、各並列回路のb/c極分である2/3極分に相当するコイルの配置を、電気的に等価なスロット位置を極の中心に近い方からA、B、C、D、E、Fと表すと第1回路はA、Eに2個、Dに4個、第2回路はA、B、E、Fにそれぞれ2個、第3回路はB、Fに2個、Cに4個としたことを特徴とする回転電機。
【請求項8】
極数が電機子巻線の相数と並列回路数の積よりも大きく、なおかつ並列回路1つあたりの極数がa+b/c(b/cは既約分数)で表される並列回路を構成する二層重ね巻の三相電機子巻線を有する回転電機において、
電機子巻線の並列回路数を3とし、毎極毎相のスロット数を6とした際に、各並列回路はa+1個の相帯を有し、各並列回路のb/c極分である2/3極分に相当するコイルの配置を、電気的に等価なスロット位置を極の中心に近い方からA、B、C、D、E、Fと表すと第1回路はA、Eに2個、Dに4個、第2回路はA、B、E、Fにそれぞれ2個、第3回路はB、Fに2個、Cに4個としたことを特徴とする回転電機。
【請求項9】
極数が電機子巻線の相数と並列回路数の積よりも大きく、なおかつ並列回路1つあたりの極数がa+b/c(b/cは既約分数)で表される並列回路を構成する二層重ね巻の三相電機子巻線を有する回転電機において、
電機子巻線の並列回路数を5とし、毎極毎相のスロット数を5とした際に、各並列回路はa+1個の相帯を有し、各並列回路のb/c極分である4/5極分に相当するコイルの配置を、電気的に等価なスロット位置を極の中心に近い方からA、B、C、D、Eと表すと第1〜第3回路はA、B、D、Eにそれぞれ2個、第4回路はA、Eに2個、Cに4個、第5回路はB、Dに2個、Cに4個としたことを特徴とする回転電機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2013−27266(P2013−27266A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162821(P2011−162821)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(511238158)日立三菱水力株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(511238158)日立三菱水力株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
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