説明

固体撮像装置

【課題】開口率を高めると共に感度を向上させることができる固体撮像装置を提供する。
【解決手段】固体撮像装置は、行列状に配置された複数の画素を備えた撮像領域が形成された半導体基板103と、撮像領域の上に形成された第1の配線層(撮像領域側)105aおよび第2の配線層105bとを備え、前記撮像領域において、複数フォトダイオードPD、転送トランジスタTG、フローティングディフュージョンFD、リセットトランジスタRS、増幅トランジスタSFが形成され、隣接する画素の間を列方向に延伸する行方向配線及び隣接する画素の間を列方向に延伸する列方向配線は、第2配線層105bにおいて画素の中央部では1本以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置に関し、特に、配線開口を拡大することによりフォトダイオードに入射される光量を増加させて感度を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
固体撮像装置のひとつであるMOS型イメージセンサは、ディジタルスチルカメラ等の高画素数化の要望に対し、単位セルサイズを縮小することでその要望に応えてきた。しかし、単位セルサイズを縮小させると、フォトダイオードの周辺に配された金属配線がフォトダイオードへの入射光の光路を遮り、これにより感度低下や混色等が発生する。
【0003】
このような感度低下や混色等を防止するため、種々の工夫が多くなされてきた。
例えば、オンチップレンズによる集光、多画素共有によるフォトダイオード面積の拡大、レイアウトの工夫による配線層数の削減や配線開口の拡大、導波路の利用といった技術が開発され、感度の向上や混色防止に貢献している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、図23を参照して、特許文献1に記載されている従来の固体撮像装置(光電変換装置)について説明する。ここでは、光電変換装置として説明する。
図23は、光電変換装置の画素領域と垂直走査回路の等価回路図である。
【0005】
光電変換装置は、画素領域(1)に多数の単位セルを備える。単位セルは、フォトダイオード(PD2−1,PD2−2)、転送トランジスタ(M1,M2)、リセットトランジスタ(M3,M5)、増幅トランジスタ(M4)を含む。なお、ここでは、2画素(フォトダイオード)で1セルを構成している。
【0006】
フォトダイオード(PD2−1,PD2−2)は、受けた光に応じて光電変換により電荷を蓄積し、転送トランジスタ(M1,M2)は、フォトダイオード(PD2−1,PD2−2)に蓄えられた電荷を転送制御信号に応じて電荷蓄積部(フローティングディフュージョン)に転送する。リセットトランジスタ(M3,M5)は、リセット信号に応じて電荷蓄積部FDを初期化し、増幅トランジスタ(M4)は、電荷蓄積部に蓄積された電荷のレベルに応じた信号(電圧)を出力信号線(2)に出力する。
【0007】
転送トランジスタ(M1,M2)のゲートは転送ゲート線(43,44)に接続され、リセットトランジスタ(M3,M5)のゲートはリセット線(46)に接続されている。増幅トランジスタ(M4)のソースは信号線(2)に接続されている。
【0008】
増幅トランジスタ(M4)のドレインとリセットトランジスタ(M5)のドレインはアクティブ領域で接続されていると共に、隣の列の電源線(4)にブリッジ線(45)を介して接続されている。なお、隣の列に配されているリセットトランジスタ(M5)のドレインは、当該列の電源線(4)に接続されている。
【0009】
ここで、転送ゲート線(43,44)、ブリッジ線(45)、リセット線(46)は、半導体基板に近い第1層配線により構成され、信号線(2)、電源線(4)は、第1層配線よりも上方の第2層配線により構成されている。
【0010】
次に、配線について説明する。
第1層配線である転送ゲート線(43,44)は、上下方向に隣接するセル間であるフォトダイオードの間を行(図では横方向である。)方向に延伸し、ブリッジ線(45)とリセット線(46)は、セル内のフォトダイオードの間を行方向に延伸している。
【0011】
第2層配線である信号線(2)は、行方向に隣接するフォトダイオードの間を列方向に延伸している。電源線(4)は、行方向に1列おきに隣接するフォトダイオードの間を列方向に延伸している。
【0012】
上記構成では第2層配線は、行方向に隣接するフォトダイオードの間には一本の信号線(2)と、一本の信号線(2)と一本の電源線(4)との合計2本の配線とが配されることとなり、隣接するフォトダイオード間に2本の配線が配された光電変換装置よりも開口率を大きくできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2010−16056
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記の特許文献1に記載の光電変換装置は、フォトダイオード間の配線が平均すると1.5本となり、従来のフォトダイオード間の配線が2本のものよりも開口率を向上させることができるが、更なる高画素化の要望に応えるには画素サイズの縮小が必要であり、より開口率の向上の工夫が必要である。
【0015】
また、隣接するフォトダイオード間に第2層に配線が2本ある場合、画素サイズの縮小を進めていくと、オンチップレンズによる集光された光と配線とが干渉し、感度低下をもたらす。
【0016】
以上のような課題に対し、本発明の目的は、開口率を高めると共に感度を向上させることができる固体撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の固体撮像装置は、行列方向に配置された複数の画素を備える撮像領域と、当該撮像領域周辺に周辺回路を備える周辺回路領域とを有する半導体基板と、前記撮像領域の上方に配され且つ前記画素と前記周辺回路とを接続するための配線層とを備え、前記配線層は、前記半導体基板側から、第1配線層と第2配線層とをこの順で備え、前記第1配線層には、第1の方向に隣接する画素間を前記第1の方向と直交する第2の方向に延伸する2本の配線が配置され、前記第2配線層には、前記第2の方向に隣接する画素間を前記第1の方向に延伸する2本の配線が配置され、前記第2配線層の2本の配線のうち少なくとも1本は、前記第1の方向に隣接する画素の中央領域で第1配線層に入り込んでいることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
上記構成によれば、前記第2配線層の2本の配線のうち少なくとも1本は、前記第1の方向に隣接する画素の中央領域で第1配線層に入り込んでいるため、第2配線層の配線が前記第1の方向に隣接する画素の中央領域で1本以下となり、開口率及び感度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1の実施の形態に係る固体撮像装置の単位セルにおける拡散層、ポリシリコン、コンタクトを示したレイアウト図である。
【図2】第1の実施の形態に係る固体撮像装置の単位セルを模式的に示す回路図である。
【図3】図1に加え第1配線層、第1配線層と第2配線層を繋ぐビアを示したレイアウト図である。
【図4】図3に加え第2配線層を示したレイアウト図である。
【図5】図4における破線aでの断面図である。
【図6】図4における破線bでの断面図である。
【図7】図1に加え第1配線層、第1配線層と第2配線層を繋ぐビアを示した第2の実施の形態に係るレイアウト図である。
【図8】図7に加え第2配線層を示したレイアウト図である。
【図9】図8における破線cでの断面図である。
【図10】図8における破線dでの断面図である。
【図11】図1に加え第1配線層、第1配線層と第2配線層を繋ぐビアを示した第3の実施の形態に係るレイアウト図である。
【図12】図11に加え第2配線層を示したレイアウト図である。
【図13】図12における破線eでの断面図である。
【図14】図12における破線fでの断面図である。
【図15】図1に加え第1配線層、第1配線層と第2配線層を繋ぐビアを示した第3の実施の形態に係るレイアウト図である。
【図16】図15に加え第2配線層を示したレイアウト図である。
【図17】図16における破線gでの断面図である。
【図18】図16における破線hでの断面図である。
【図19】第5の実施の形態に係る固体撮像装置の単位セルにおける拡散層、ポリシリコン、コンタクトを示したレイアウト図である。
【図20】第5の実施の形態に係る固体撮像装置の単位セルを模式的に示す回路図である。
【図21】図19に加え第1配線層、第1配線層と第2配線層を繋ぐビアを示したレイアウト図である。
【図22】図21に加え第2配線層を示したレイアウト図である。
【図23】先行技術における光電変換装置の画素領域と垂直走査回路との等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施の形態で説明している形状、材料、数値等の形態は好ましい例を示しているだけであり、本発明はこの形態に限定されることはない。また、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能であり、他の実施の形態や変形例等の組み合わせは、矛盾が生じない範囲で可能である。
【0021】
本発明に係る固体撮像装置は、行方向および列方向のフォトダイオード間の金属配線の数を2本とし、第1配線層に1本、第2配線層に1本をレイアウトすることにより、または第1配線層に2本レイアウトすることにより、開口を拡大し、開口率及び高感度化を実現するものである。
<第1の実施の形態>
第1の実施の形態に係る固体撮像装置は、行方向に隣接するフォトダイオードの中央を通り行方向に延伸する仮想面での断面において第1配線層に配線1本、第2配線層に配線1本をそれぞれ配置している。また、列方向に隣接するフォトダイオードの中央を通り列方向に延伸する仮想面での断面において第1配線層に配線1本、第2配線層に配線1本をそれぞれ配置している。
【0022】
つまり、第1配線層105aには、第1の方向である列方向に隣接する画素間を前記第1の方向と直交する第2の方向である行方向に延伸する2本の配線(ここでは、転送制御信号線T1,T2の2本や転送制御信号線T3,T4の2本や第1電源線VDD1とリセット信号線Rxとの2本である。)が配置され、第2配線層105bには、第2の方向である行方向に隣接する画素間を第1の方向である列方向に延伸する2本の配線(ここでは、信号線SIGとグランド線VSSとの2本や信号線SIGと第3電源線VDD3との2本である。)が配置され、第2配線層105bの2本の配線のうち1本(ここでは、2本の信号線SIGとグランド線VSSのうち信号線SIG又はグランド線VSSの1本や、2本の配線信号線SIGと第3電源線VDD3のうち信号線SIG又は第3電源線VDD3の1本である。)が、第1の方向である列方向に隣接する画素の中央領域で第1配線層105aに入り込み、第1の配線層105aの2本の配線のうち1本(ここでは、転送制御信号線T1,T2のうちの何れか1本や、転送制御信号線T3,T4のうちの何れか1本や、第1電源線VDD1とリセット信号線Rxとの2本のうちリセット信号線Rxの1本である。)が、第2の方向である行方向に隣接する画素の中央領域で第2の配線層105bに入り込んでいる。
【0023】
以下、第1の実施の形態を図1〜図6を用いて詳細を説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る固体撮像装置の単位セルにおける拡散層、ポリシリコン、コンタクトを示したレイアウト図である。
【0024】
図2は、第1の実施の形態に係る固体撮像装置の単位セルを模式的に示す回路図である。
図3は図1に加え第1配線層、第1配線層と第2配線層を繋ぐビアを示したレイアウト図であり、図4は図3に加え第2配線層を示したレイアウト図である。
【0025】
図5は図4における破線aでの断面図であり、図6は図4における破線bでの断面図である。
1.全体構成
固体撮像装置101は、図5や図6に示すように、主面側に撮像領域と周辺回路領域とを有する半導体基板103と、半導体基板103の撮像領域上に形成された配線層105と、配線層105に設けられた導波路107と、半導体基板103の少なくとも撮像領域上に設けられたカラーフィルタ109と、カラーフィルタ109上に設けられレンズ111とを備える。
【0026】
撮像領域は、図1に示すように、行列方向に配置された複数の画素を備える。周辺回路領域は、画素領域からの画素信号を外部装置に出力したり、各トランジスタに給電したりするための回路を備える(図示省略)。なお、周辺回路領域は、画素領域の周辺の一部の範囲又は全部の範囲に設けられている。
【0027】
配線層105は、周辺回路と各画素とを電気的に接続する配線が配されており、半導体基板103側から第1配線層105aと第2配線層105bとの2層を有している。つまり、2層構造である。具体的には、第1配線層105a及び第2配線層105bのそれぞれは、絶縁材料(例えば、SiOである)内に金属線(例えば、アルミ線である。)を形成することで構成されている。
【0028】
導波路107は、例えば、配線層105内に配されている配線間に形成されている。導波路107は、周辺(例えば、配線層105である。)よりも屈折率が高い材料(例えば、SiN:屈折率2.0である。)により構成されている。なお、導波路107の径を大きくすると、レンズ111により集光された光をより多く受光部(フォトダイオード)に入射させることができ、高感度化を実現することができる。
【0029】
各画素は、図1に示すように、フォトダイオードPD、転送トランジスタTGを有する。ここでは、複数の画素から1つの単位セルを構成し、本実施の形態では、4個の画素により1つの単位セルが構成されている(所謂、4画素1セル構造である。)。
【0030】
つまり、単位セルは、4つのフォトダイオードPD(例えば、PD11,PD21,PD31,PD41)と、4つの転送トランジスタTG(例えば、TG1,TG2,TG3,TG4)と、1つのリセットトランジスタRSと、2つの増幅トランジスタSF(例えば、SF1,SF2)を備える。
【0031】
なお、フォトダイオード、転送トランジスタ、リセットトランジスタは、それらの位置に関係なく、全体的に、フォトダイオード、転送トランジスタ、増幅トランジスタを説明する場合には、フォトダイオードでは「PD」を、転送トランジスタでは「TG」を、増幅トランジスタ「SF」をそれぞれ用いる。
【0032】
また、ここでの列方向は、1つの単位セルを構成する複数(ここでは4個である。)のフォトダイオードが並ぶ方向(配列方向である。)であり、行方向は、フォトダイオードの並ぶ方向と直交する方向である。
【0033】
フォトダイオードPDは、受けた光に応じて光電変換により電荷を蓄積し、転送トランジスタTGは、フォトダイオードPDに蓄えられた電荷を転送制御信号に応じて電荷蓄積部(フローティングディフュージョン)FDに転送する。リセットトランジスタRSは、リセット信号に応じて電荷蓄積部FDを初期化し、増幅トランジスタSFは、電荷蓄積部FDに蓄積された電荷のレベルに応じた信号を出力する。
2.レイアウト
図1を用いて、フォトダイオード等のレイアウトを説明する。
【0034】
本実施の形態に係る単位セルは、上述したように、4個のフォトダイオードPD11,PD21,PD31,PD41と、4個の転送トランジスタTG1,TG2,TG3,TG4と、2個の増幅トランジスタSF1,SF2と、1つのリセットトランジスタRSを備える。
【0035】
4個のフォトダイオードPD11,PD21,PD31,PD41が列方向に等間隔をおいて配され、各フォトダイオードPDに対応して、4つの転送トランジスタTG1,TG2,TG3,TG4等が配されている。
【0036】
なお、フォトダイオードの符号「PDnk」は、「n」は行数、「k」は列数を示しており、場合によっては、「n」、「k」、「k+1」等を用いている。例えば、図中において2行3列目に配されているフォトダイオードを示す場合「PD23」となる。なお、「n」、「k」は共に自然数である。
【0037】
転送トランジスタの符号「TGn」は、フォトダイオードPDnkの行を示す「n」に対応している。つまり、転送トランジスタTG3は、当該転送トランジスタが配されている単位セルにおける3行目のフォトダイオードPD3kに対応して設けられた転送トランジスタTGを指している。
【0038】
転送トランジスタTG1,TG2,TG3,TG4は、各フォトダイオードPD11,PD21,PD31,PD41に対応して配置されている。例えば、転送トランジスタTG1,TG3は、フォトダイオードPD11,PD31の斜め下方に、転送トランジスタTG2,TG4は、フォトダイオードPD21,PD41の斜め上方にそれぞれ配置されている。
【0039】
具体的には、単位セルを構成する4つのフォトダイオードPDのうち、上半分に位置するフォトダイオードPD1k,PD2kに対応する転送トランジスタTG1,TG2は、フォトダイオードPD1k,PD2kが互いに対向する側に存する1つの角に相当する領域に互いに対峙する状態で配されている。単位セルの下半分に位置するフォトダイオードPD3k,PD4kに対応する転送トランジスタTG3,TG4は、フォトダイオードPD3k,PD4kが互いに対向する側に存する1つの角に相当する領域に互いに対峙する状態で配されている。
【0040】
なお、言うまでもなく、フォトダイオードPDと転送トランジスタTGとの位置関係は本例に限定するものでなく、他の位置関係でも良い。
増幅トランジスタSF1,SF2は、単位セルの列方向の中央周辺に配されている。つまり、増幅トランジスタSF1,SF2は、単位セルを構成する4つのフォトダイオードPDのうち、2行目のフォトダイオードPD2kと3行目のフォトダイオードPD3kとの間の領域やその領域の周辺に配されている。つまり、各単位セル内の転送トランジスタTG2,TG3の間の領域に配されている。
【0041】
リセットトランジスタRSは、行方向に隣接するフォトダイオードとの間(行方向に隣接する単位セルの間でもある。)であって、単位セルの列方向の端領域(ここでは、上端側の領域である。)に配されている。つまり、フォトダイオードPD1kを含む単位セルのリセットトランジスタRSは、フォトダイオードPD1kにおけるフォトダイオードPD1kに対応した転送トランジスタTG1が配されている側と反対側の領域に配されている。
3.回路構成
図2を用いて、フォトダイオード等の接続を説明する。
【0042】
なお、各トランジスタ等と配線との接続については後述する。
各転送トランジスタTG1,TG2,TG3,TG4は、そのソースが対応するフォトダイオードPD1k,PD2k,PD3k,PD4kのN側電極に接続され、そのゲートが対応する転送制御信号線T1,T2,T3,T4に接続されている。
【0043】
各転送トランジスタTG1,TG2,TG3,TG4のドレインは、2個の増幅トランジスタSF1,SF2のゲートに接続されると共に、リセットトランジスタRSのソースに接続されている。これにより、電荷蓄積部FDが構成される。
【0044】
増幅トランジスタSF1,SF2の各ドレインは第2電源線VDD2に接続され、ソースは信号線SIGに接続されている。
リセットトランジスタRSは、ゲートがリセット信号線Rxに接続され、ドレインが第1電源線VDD1に接続されている。
【0045】
また、半導体基板103の基板電位(グランド)を確保するグランド線VSSが後述の基板コンタクトC6に接続されている。
4.配線
固体撮像装置101は、図1及び図2に示すように、配線層105に行方向配線群と列方向配線群とを有する。行方向配線群は、列方向に隣接する画素間を行方向に延伸する配線である。この行方向配線群には、第1電源線VDD1、リセット信号線Rx、転送制御信号線T1,T2,T3,T4、第2電源線2VDD2がある。
【0046】
列方向配線群は、列方向に隣接する画素間を行方向に延伸する配線である。この列方向配線群には、グランド線VSS、信号線SIG、第3電源線VDD3がある。
(1)転送制御信号線(T)
転送制御信号線T1,T2,T3,T4は、行列状に配されたフォトダイオード(PD)の行間を行方向に延伸する状態で配されている。
【0047】
転送制御信号線T1,T2は、各単位セルにおける1行目のフォトダイオードPD1kと、2行目のフォトダイオードPD2kとの間を行方向に延伸する。転送制御信号線T3,T4は、各単位セルにおける3行目のフォトダイオードPD3kと、4行目のフォトダイオードPD4kとの間を行方向に延伸する。なお、言うまでもなく、転送制御信号線T1,T2,T3,T4の配置位置は本例に限定するものでなく、他の位置でも良い。
【0048】
転送制御信号線T1は、第1配線層105aの配線T1aと第2配線層105bの配線T1bとからなる。同様に、転送制御信号線T2は、第1配線層105aの配線T2aと第2配線層105bの配線T2bとから、転送制御信号線T3は、第1配線層105aの配線T3aと第2配線層105bの配線T3bとから、転送制御信号線T4は、第1配線層105aの配線T4aと第2配線層105bの配線T4bとからそれぞれなる。
【0049】
なお、転送制御信号線T1と転送制御信号線T3とは、配置箇所が異なるだけで同じ構成をし、転送制御信号線T2と転送制御信号線T4とは、配置箇所が異なるだけで同じ構成をしている。このため、以下、転送制御信号線T1,T2について説明する。
(i)第1配線層の配線(T1a,T2a等)
転送制御信号線T1の配線T1aは、図3に示すように、1行目のフォトダイオードPD1kにおける2行目側(フォトダイオードPD2k側である。)の端に沿って形成され、行方向に配された各フォトダイオードPD1kに対応して形成された除去部と張出部とを交互に有しながら、行方向に延伸している。
【0050】
つまり、転送制御信号線T1の配線T1aは、フォトダイオードPD11を基準にすると、1行目の奇数列のフォトダイオードPD11,PD13等では配線のない除去部となっており、1行目の偶数列のフォトダイオードPD12,14等では、2行目のフォトダイオードPD22,PD24側に張り出す張出部となっている。
【0051】
同様に、転送制御信号線T2の配線T2aは、図3に示すように、2行目のフォトダイオードPD2kにおける1列目側(フォトダイオードPD1k側である。)の端に沿って形成され、行方向に配された各フォトダイオードPD2kに対応して形成された除去部と張出部とを交互に有しながら、行方向に延伸している。
【0052】
つまり、転送制御信号線T2の配線T2aは、フォトダイオードPD21を基準にすると、2行目の偶数列のフォトダイオードPD22,PD24等では配線のない除去部となっており、2行目の偶数列のフォトダイオードPD21,PD23等では、1行目のフォトダイオードPD11,PD13側に張り出す張出部となっている。
【0053】
このように、配線T1a,T2aは、列方向に隣接するフォトダイオード間で、除去部と張出部とをセットで有しながら、各列で除去部と張出部とを交互に反転する形状をしている。
【0054】
張出部の列方向の位置は、1行目のフォトダイオードPD1kと2行目のフォトダイオードPD2kとの間であってその中央に位置する中央領域である。各配線T1a,T2aにおける張出部及び除去部の行方向での位置は、各フォトダイオードPD1k,PD2k中央を含む中間領域である。
【0055】
なお、各配線T1a,T2aの張出部は、図3のように、直線的に屈曲して張り出しても良いし、円弧状に湾曲して張り出しても良い。
(ii)第2配線層の配線(T1b,T2b等)
転送制御信号線T1の配線T1bは、図4に示すように、1行目と2行目の間であって第1配線層105aの配線T1aの除去部に対応する領域に形成されている。配線T1bは、行方向に延伸し且つ列方向に隣接するフォトダイオードPD間の中央を通る仮想線を対称軸とした線対称となる形状、ここでは、「H」状をしている。
【0056】
配線T1bは、フォトダイオードPD11を基準にすると、1行目と2行目とにおける奇数列のフォトダイオードPD1k,PD2k(ここでの「k」は奇数の自然数である。)の間にそれぞれ独立状態で配されている。なお、ここでの「独立状態」とは、第2配線層105bにおいて他の配線と接触していないことをいい、層間を越えた、例えば、ビア等により第1配線層105aと接続されている場合も含む。
【0057】
同様に、転送制御信号線T2の配線T2bは、図4に示すように、1行目と2行目との間であって第1配線層105aの配線T2aの除去部に対応する領域に形成されている。配線T2bは、行方向に延伸し且つ列方向に隣接するフォトダイオードPD間の中央を通る仮想線を対称軸とした線対称となる形状、ここでは、「H」状をしている。つまり、配線T2aは、配線T1aと同じ形状をしている。
【0058】
配線T2bは、フォトダイオードPD11を基準にすると、1行目と2行目とにおける偶数列のフォトダイオードPD1k,PD2k(ここでの「k」は偶数の自然数である。)の間にそれぞれ独立状態で配されている。なお、ここでの「独立状態」とは、上述した通りである。
【0059】
このように、配線T1b,T2bは、列単位で交替しながら行方向に配されている。
なお、「H」状の配線T1b,T2bの横方向に延伸する部分は、1行目のフォトダイオードPD1kと2行目のフォトダイオードPD2kとの間であってその中央領域に位置する。
(iii)まとめ
上記の配線T1aと配線T1bとはビアで接続され(図3参照)、これにより、行方向に延伸する転送制御信号線T1が構成される。同様に、配線T2aと配線T2bとはビアで接続され、これにより、行方向に延伸する転送制御信号線T2が構成される。
【0060】
配線T1aと配線T1bとのビアの接続は、配線T1aにおける除去部を挟んだ部分と、配線T1bの「H」状を構成している一対の上下方向に延伸する部分の上端部分又は下端部分とで行われる。同様に、配線T2aと配線T2bとのビアの接続は、配線T2aにおける除去部を挟んだ部分と、配線T2bの「H」状を構成している一対の上下(列)方向に延伸する部分の上端部分又は下端部分とで行われる。
【0061】
このように、配線T1aと配線T1bとの配線、配線T2aと配線T2bとの配線は、図3及び図4に示すように、行方向に列単位で交互に行われている。つまり、配線T1aと配線T1bとの配線、配線T2aと配線T2bとの配線は、位置関係、配線される配線層を列ごとに入れ換えながら配置されている。
【0062】
転送制御信号線T3,T4は、上述したように、転送制御信号線T1,T2と形成箇所(配置箇所)が異なる以外、転送制御信号線T1,T2と同様の構成であり、転送制御信号線T3,T4の位置関係も転送制御信号線T1,T2と同じである。
【0063】
これにより、各転送制御信号線T1,T2,T3,T4は、同じような構成となり、信号線の負荷を等しくできる。また、転送制御信号線T1,T2と、転送制御信号線T3,T4とは、単位セルの略中央に対して上下で同じような形状(構成)となっており、配線形状のばらつきに起因する光学特性のばらつき等を少なくすることができる。
(2)リセット信号線(Rx)
リセット信号線Rxは、行列状に配されたフォトダイオードPDの行間を行方向に延伸する状態で配されている。ここでは、各単位セルにおける最初の行(単位セルの1行目である。)に配されたフォトダイオードPD1kの上端側に配されている。つまり、単位セルの1行目のフォトダイオードPD1kにおいて、当該フォトダイオードPD1kが隣接する他の単位セルの最終行(4行である)目のフォトダイオードPD4k位置する側の端に配されている。なお、言うまでもなく、リセット信号線SIGの配線位置は本例に限定するものでなく、他の位置、例えば、4行目のフォトダイオードPD4kの下端側でも良い。
【0064】
リセット信号線Rxは、第1配線層105aの配線Rxaと第2配線層105bの配線Rxbとからなる。
(i)第1配線層の配線(Rxa)
リセット信号線Rxの配線Rxaは、図3に示すように、1行目のフォトダイオードPD1kにおける他の単位セル側の端(図では、各フォトダイオードPD1kの上端となる。)に沿って形成され、行方向に隣接するフォトダイオードPD1kとフォトダイオードPD1k+1間であって隣接するフォトダイオードPD1k+1に跨る状態で形成されている。
【0065】
具体的に説明すると、フォトダイオードPD11とフォトダイオードPD12との間であってフォトダイオードPD11とフォトダイオードPD12とに跨るように(平面視において重なるように)形成されている。
【0066】
つまり、リセット信号線Rxaは、転送制御信号線T1の配線T1aや転送制御信号線T2の配線T2aにおける張出部を除去部にしたような形状をし、各列のフォトダイオードPD1kが位置する部分に対応した除去部を有している。
(ii)第2配線層の配線(Rxb)
リセット信号線Rxの配線Rxbは、図4に示すように、1行目のフォトダイオードPD1kにおける上端に沿って各列単位で形成されている。ここでの上端を換言すると、列方向に隣接する他の単位セルであって、自の単位セルと他の単位セルとが対向し合う側の端である。
【0067】
配線Rxbは、行方向に延伸し且つ列方向に隣接するフォトダイオードPD間の中央を通る仮想線を対称軸とした線対称となる形状、ここでは、「H」状をしている。つまり、配線Rxaは、転送制御信号線T1等の第2配線層105bの配線T1bと同じような形状をしている。
【0068】
「H」状の配線RXbの横方向に延伸する部分は、1行目のフォトダイオードPD1kと、当該フォトダイオードPD1kが列方向に隣接する他の単位セルの最終行である4行目のフォトダイオードPD4kとの間であってその中央領域に位置する。
(iii)まとめ
上記の配線Rxaと配線Rxbとはビアで接続され(図3参照)、これにより、行方向に延伸する1本のリセット信号線Rxが構成される。配線Rxaと配線Rxbとのビアの接続は、第1配線層105aの配線Rxaにおける除去部を挟んだ部分と、第2配線層105bの配線Rxbの「H」状を構成している一対の上下(列)方向に延伸する部分の下端部分とで行われる。
(3)第1電源線(VDD1)
第1電源線VDD1は、行列状に配されたフォトダイオードの行間を行方向に延伸する状態で配されている。ここでは、各単位セルにおける最終の行に配されたフォトダイオードPD4kの下端側に配されている。つまり、各単位セルにおける最終の行に配されたフォトダイオードPD4kにおける列方向に隣接する他の単位セルと対向する側に配されている。なお、言うまでもなく、第1電源線VDD1の配線位置は本例に限定するものでなく、他の位置でも良い。
【0069】
第1電源線VDD1は、第1配線層105aの配線VDD1aからなる。配線VDD1aは、図3に示すように、4行目のフォトダイオードPD4kにおける列方向に隣接する他の単位セル側の端(図では、各フォトダイオードPD4kの下端となる。)に沿って形成されている。
【0070】
配線VDD1aは、行方向に隣接するフォトダイオードPD4k間であって隣接するフォトダイオードPD4k+1を架橋する架橋部と、各フォトダイオードPD4kにおける行方向の中央を含む中間部分が他の単位セル側に張り出す張出部とを行方向に交互に有する。
【0071】
つまり、配線VDD1aは、転送制御信号線T1の配線T1aや転送制御信号線T2の配線T2aにおける除去部を張出部にしたような形状をしている。
張出部の列方向の位置は、単位セルの最終の行である4行目のフォトダイオードPD4kと、列方向に隣接する単位セルの最初の行である1行目のフォトダイオードPD1kとの間であってその中央領域である。
(4)第2電源線(VDD2)
第2電源線VDD2は、行列状に配されたフォトダイオードの行間を行方向に延伸する状態で配されている。ここでは、各単位セルにおける中間位置の行に配されたフォトダイオードPD2kとフォトダイオードPD3kとの間に配されている。
【0072】
つまり、単位セルを構成する4つのフォトダイオードPDが、上下に2分される境界部分に対向するフォトダイオードPD2kとフォトダイオードPD3kとの間に配されている。なお、言うまでもなく、第2電源線VDD2の配線位置は本例に限定するものでなく、他の位置でも良い。
【0073】
第2電源線VDD2は、第1配線層105aの配線VDD2aからなる。配線VDD2aは、図3に示すように、行方向に隣接するフォトダイオードPD間では、2行目側(上半分側である。)のフォトダイオードPD2kでは行方向に隣接するフォトダイオードPD同士を架橋する架橋部と、3行目側(下半分側である。)のフォトダイオードPD3kでは行方向に隣接するフォトダイオードPD同士を架橋する架橋部とを有し、互いの架橋部が一対をなして行方向に延伸している。
【0074】
なお、一対の架橋部は、行方向に隣接するフォトダイオード間の中央領域で列方向に延伸している連結部により連結されている。
配線VDD2aは、図3に示すように、各列のフォトダイオードPD(例えば、フォトダイオードPD2kとフォトダイオードPD3kである。)間では、各フォトダイオードPDから相手側のフォトダイオードPD(例えば、フォトダイオードPD2kでは、相手側のフォトダイオードPDはフォトダイオードPD3kが相当する。)側へと張り出す張出部を有する。
【0075】
つまり、配線VDD2aは、転送制御信号線T1,T2における第1配線層105aの配線T1a,T2aを組み合わせ、各配線T1a,T2aにおける除去部を張出部に置き換えたような形状をしている。
(5)信号線(SIG)
信号線SIGは、行列状に配されたフォトダイオードPDの列間を列方向に延伸する状態で配されている。ここでは、各単位セルにおける1列目のフォトダイオードPDn1の信号線SIGは、1列目のフォトダイオードPDn1と2列目フォトダイオードPDn2との間に配されている。なお、言うまでもなく、信号線SIGの配線位置は本例に限定するものでなく、他の位置(例えば、2列目のフォトダイオードPDn2の信号線SIGで1列目のフォトダイオードPDn1との間である。)でも良い。
【0076】
信号線SIGは、第1配線層105aの配線SIGaと第2配線層105bの配線SIGbとからなり、第1配線層105aの配線SIGaと第2配線層105bの配線SIGbとは例えばビアを介して接続されている。
(i)第1配線層の配線(SIGa)
信号線SIGの配線SIGaは、図3に示すように、行方向に隣接するフォトダイオードPDnkとフォトダイオードPDnk+1と間に形成されている。さらに、配線SIGaは、行方向に延伸する他の配線間(例えば、1行1列目のフォトダイオードPD11と2列目のフォトダイオードPD12との間の配線SIGaは、リセット信号線Rxの配線Rxaと転送制御信号線T1の配線T1aとの間である。)に独立状態で形成されている。
【0077】
換言すると、配線SIGaは、列方向に延伸し、行間部分が除去された除去部となっている。
配線SIGaは、列方向に延伸し、その両端(上下端)において行方向であって隣接する2つのフォトダイオードPD側へと延伸する形状、つまり、「I」状をしている。なお、列方向に延伸する部分は、列方向に隣接するフォトダイオードPDnk,PDnk+1間の中央領域に位置する。
【0078】
配線SIGaは、単位セルの最終の行である4行目に位置するフォトダイオードPD4k,PD4k+1間には、グランド線VSSの配線VSSaが形成されているため、4行目のフォトダイオードPD4k,PD4k+1間には形成されていない(この部分は、除去部とみなすこともできる。)。
(ii)第2配線層の配線(SIGb)
信号線SIGの配線SIGbは、図4に示すように、各列間に形成され、列方向に隣接するフォトダイオードPD間(例えば、フォトダイオードPD11とフォトダイオードPD21との間)を越えるように、列方向に延伸する状態で形成されている。換言すると、行方向に隣接するフォトダイオードPD間を列方向に延伸し、フォトダイオードの中央を含む中間領域では、配線がない、つまり、導電路が除去された除去部となっている。
【0079】
なお、列間には、信号線SIG以外にグランド線VSS又は第3電源線VDD3も配されており、ここでは、信号線SIGは、行方向であって列数が増加する方向に隣接する他のフォトダイオードPD側に配されている。
【0080】
単位セルにおける最終の行である4行目のフォトダイオードPD4k,PD4k+1等では、除去部が形成されておらず、4行目のフォトダイオードPD4k,PD4k+1等の中央を含む中間領域に相当する部分(他の行では除去部になる部分である。)が行方向であって列数が増加する方向に隣接する他のフォトダイオード側と反対側に張り出す張出部となっている。この形状は、転送制御信号線T1等の配線T1aの張出部と同じような形状となっている。なお、張出部の位置は、行方向に隣接するフォトダイオード間の中央領域である。
(iii)まとめ
上記の配線SIGaと配線SIGbとはビアで接続され、これにより、列方向に延伸する1本の信号線SIGが構成される。配線SIGaと配線SIGbとのビアの接続は、第2配線層105bの配線SIGbにおける除去部を挟んだ部分(上下端である。)と、第1配線層105aの配線SIGaの「I」状を構成している右(行)方向に延伸する部分の端部分(行方向であって列数が増加する方向に隣接する他のフォトダイオード側である。)で行われる。
(6)グランド線(VSS)
グランド線VSSは、行列状に配されたフォトダイオードPDの列間を列方向に延伸する状態で配されている。ここでは、PD11を基準として奇数列に位置するフォトダイオードPDnk(kは奇数の自然数)の右側(行方向であって列数が増加する側である。)に配されている。
【0081】
具体的には、1列目のフォトダイオードPDn1と2列目のフォトダイオードPDn2との間や3列のフォトダイオードPDn3と4列目のフォトダイオードPDn4との間等に配されている。なお、言うまでもなく、グランド線VSSの配線位置は本例に限定するものでなく、他の位置でも良い。
【0082】
グランド線VSSは、第1配線層105aの配線VSSaと第2配線層105bの配線VSSbとからなり、第1配線層105aの配線VSSaと第2配線層105bの配線VSSbとは例えばビアを介して接続されている。
(i)第1配線層の配線(VSSa)
グランド線VSSの配線VSSaは、図3に示すように、単位セルにおいて、列方向に隣接する他の単位セルと対向する行、つまり、各単位セルの最終の行に対応して形成されている。ここでは、単位セルにおける4行目におけるフォトダイオードPD41と、当該フォトダイオードPD41と行方向に列数が増加する側に隣接するフォトダイオードPD42との間(フォトダイオードPD41の右側である。)に形成されている。
【0083】
配線VSSaは、列方向に延伸し、その両端(上下端)において行方向であって隣接する2つのフォトダイオードPD側へと延伸する形状、つまり、「I」状をしている。なお、列方向に延伸する部分は、列方向に隣接するフォトダイオードPD4kとフォトダイオードPD4k+1(kは奇数の自然数)との間の中央領域に位置する。
(ii)第2配線層の配線(VSSb)
グランド線VSSの配線VSSbは、図4に示すように、各列間を列方向に沿って延伸する状態で形成されている。配線VSSbは、第1配線層105aの配線VSSaが形成されている部分(各単位セルの4行目である。)を除いて列方向に連続して形成されている。
【0084】
なお、列間には、グランド線VSS以外に信号線SIGも配されており、ここでは、グランド線VSSは、当該グランド線VSSが配されている列間のうち、列数が小さい側の列に近い箇所に配されている。
【0085】
配線VSSbは、その単位セルにおける最終の行である4行目を除く他の全ての行のフォトダイオードPD11,PD21,PD31において、各フォトダイオードPD11,PD21,PD31の列方向の中央領域に相当する部分が行方向であって列数が増加する側に隣接する他のフォトダイオード(PD12,PD22,PD32)側に張り出す張出部を有する。この形状は、転送制御信号線T1等の配線T1aの張出部と同じである。なお、張出部の位置は、行方向に隣接するフォトダイオードPD間の中央領域である。
【0086】
配線VSSbは、その単位セルにおける最終の行である4行目のフォトダイオードPD4k(kは奇数)において、当該フォトダイオードPD4kの列方向の中央領域が除去された除去部を有する。
(iii)まとめ
上記の配線VSSaと配線VSSbとはビアで接続され、これにより、列方向に延伸する1本のグランド線VSSが構成される。配線VSSaと配線VSSbとのビアの接続は、配線VSSbにおける除去部を挟んだ部分(上下端である。)と、配線VSSaの「I」状を構成している行方向に延伸する部分の端部分(行方向であって列数が増加する側である。)で行われる。
(7)第3電源線(VDD3)
第3電源線VDD3は、行列状に配されたフォトダイオードの列間を列方向に延伸する状態で配されている。ここでは、PD11を基準として偶数列に位置するフォトダイオードPDnk(kは偶数の自然数)の右側(行方向であって列数が増加する側である。)に配されている。
【0087】
具体的には、2列目のフォトダイオードPDn2と3列目のフォトダイオードPDn3間、4列目のフォトダイオードPDn4と5列目のフォトダイオードPDn5間等に配されている。なお、言うまでもなく、第3電源線VDD3の配線位置は本例に限定するものでなく、他の位置でも良い。
【0088】
第3電源線VDD3は、第1配線層の配線VDD3aと第2配線層の配線VDD3bとからなり、第1配線層の配線VDD3aと第2配線層の配線VDDbとは例えばビアを介して接続されている。なお、第3電源線VDD3は、グランド線VSSと形成箇所が異なるだけで、他の構成は同じである。
(i)第1配線層の配線(VDD3a)
第3電源線VDD3の配線VDD3aは、図3に示すように、単位セルにおいて、列方向に隣接する他の単位セルと対向する行、つまり、各単位セルの最終の行に対応して形成されている。ここでは、単位セルにおける4行目におけるフォトダイオードPD42と、当該フォトダイオードPD42と行方向に列数が増加する側に隣接するフォトダイオードPD43との間(フォトダイオードPD42の右側である。)に形成されている。
【0089】
配線VDD3aは、列方向に延伸し、その両端(上下端)において行方向であって隣接する2つのフォトダイオードPD側へと延伸する形状、つまり、「I」状をしている。なお、列方向に延伸する部分は、列方向に隣接するフォトダイオードPD4kとフォトダイオードPD4k+1(kは偶数の自然数)との間の中央領域に位置する。
(ii)第2配線層の配線(VDD3b)
第3電源線VDD3の配線VDD3bは、図4に示すように、各列間を列方向に沿って延伸する状態で形成されている。配線VDD3bは、第1配線層105aの配線VDD3aが形成されている部分(各単位セルの4行目である。)を除いて列方向に連続して形成されている。
【0090】
なお、列間には、第3電源線VDD3以外に信号線SIGも配されており、ここでは、第3電源線VDD3は、当該第3電源線VDD3が配されている列間のうち、列数が小さい側の列に近い箇所に配されている。
【0091】
配線VDD3bは、その単位セルにおける最終の行である4行目を除く他の全ての行のフォトダイオードPD12,PD22,PD32において、各フォトダイオードPD12,PD22,PD32の列方向の中央領域に相当する部分が行方向であって列数が増加する側に隣接する他のフォトダイオード(PD13,PD23,PD33)側に張り出す張出部を有する。この形状は、転送制御信号線T1等の配線T1aの張出部と同じである。なお、張出部の位置は、行方向に隣接するフォトダイオードPD間の中央領域である。
【0092】
配線VDD3bは、その単位セルにおける最終の行である4行目のフォトダイオードPD4k(kは偶数)において、当該フォトダイオードPD4kの列方向の中央領域が除去された除去部を有する。
(iii)まとめ
上記の配線VDD3aと配線VDD3bとはビアで接続され、これにより、列方向に延伸する1本の第3電源線VDD3が構成される。配線VDD3aと配線VDD3bとのビアの接続は、配線VDD3bにおける除去部を挟んだ部分(上下端である。)と、配線VDD3aの「I」状を構成している行方向に延伸する部分の端部分(行方向であって列数が減少する側である。)で行われる。
(8)その他
上記の行方向配線群及び列方向配線群は、各画素を構成しているフォトダイオードPD等と電気的に接続されていたが、電気的に接続されていないダミー配線を配置しても良い。
【0093】
本実施の形態では、図4に示すように、第2配線層105bにおける各単位セルの2行目のフォトダイオードPD2kと3行目のフォトダイオードPD3kとの間にダミー配線DYの配線DYbが配置されている。配線DYbは、図4に示すように、転送制御信号線T1,T2,T3,T4の配線T1b,T2b,T3b,T4bと同じように、「H」状をしている。
5.半導体基板側と配線との接続関係
(1)転送トランジスタ(TG)
転送トランジスタTG1は、図1に示すように、そのゲートは、1行目のフォトダイオードPD1k及び2行目のフォトダイオードPD2kの間であって第1配線層105aに配された配線T1aとコンタクトC1で接続されている。なお、転送トランジスタTG2のゲートも第1配線層105aに配された配線T2aとコンタクトC1で接続されている。
【0094】
転送トランジスタTG1,TG2の各ドレインは、リセットトランジスタRSのソースと同じ拡散層121で接続され、金属配線なしで接続されている。また、各ドレインは、後述の増幅トランジスタSF1,SF2のゲートと同じ材料であって列方向の両方向(ここでは上下方向であり、行数の増減する2方向である。)に延伸するポリシリコン123に接続され、金属配線なしで接続されている。
【0095】
転送トランジスタTG1,TG2の各ドレイン(拡散層121である。)と増幅トランジスタSF1,SF2のポリシリコン123との接続には、例えば、シェアードコンタクトC7が利用されている。
【0096】
転送トランジスタTG3は、図1に示すように、そのゲートは、3行目のフォトダイオードPD3k及び4行目のフォトダイオードPD4kの間であって第1配線層105aに配された配線T3aとコンタクトC1で接続されている。なお、転送トランジスタTG4のゲートも第1配線層105aに配された配線T4aとコンタクトC1で接続されている。
【0097】
また、転送トランジスタTG3,TG4の各ドレイン(拡散層125)は、増幅トランジスタSF1,SF2のゲートと同じ材料であって列方向の両方向(ここでは上下方向であり、行数の増減する2方向である。)に延伸するポリシリコン123に例えば、シェアードコンタクトC7で接続され、金属配線なしで接続されている。
(2)増幅トランジスタ(SF)
増幅トランジスタSF1,SF2のドレインは、2行目のフォトダイオードPD2k及び3行目のフォトダイオードPD3kの間であって第1配線層105aに配置された第2電源線VDD2の連結部にコンタクトC2で接続されている。
【0098】
増幅トランジスタSF1,SF2の各ソースは、2行目のフォトダイオードPD2k及び3行目のフォトダイオードPD3kの間であって第1配線層105aに形成された信号線SIGの配線SIGaにコンタクトC3で接続されている。
【0099】
つまり、信号線SIGは、各転送トランジスタTG1,TG2,TG3,TG4のドレインの上方、増幅トランジスタSF1,SF2のゲートを接続するポリシリコンの配線の上方に配置される。
【0100】
また、転送トランジスタTG1,TG2のドレインとリセットトランジスタRSのソースとを接続する拡散層の上方、転送トランジスタTG3,TG4のドレインの上方に信号線SIGを配置している。
【0101】
また、増幅トランジスタSF1,SF2は、各増幅トランジスタSF1,SF2のゲート間に形成された拡散層をドレインとしている。つまり、増幅トランジスタSF1,SF2はドレインの拡散層を共有して並列接続で配置されている。
(3)リセットトランジスタ(RS)
リセットトランジスタRSのドレインは、4行目のフォトダイオードPD4kと列方向に隣接する他の単位セルの1行目のフォトダイオードPD1kとの間であって第1配線層105aに配置された第1電源線VDD1の配線VDD1aにコンタクトC4で接続されている。
【0102】
リセットトランジスタRSのゲートは、1行目のフォトダイオードPD1kと、列方向であって行数が減少する側に隣接する他の単位セル(上の単位セルになる。)の最終行の4行目のフォトダイオードPD4kとの間であって第1配線層105aに配置されたリセット信号線Rxの配線RxaにコンタクトC5で接続されている。
(4)グランド線(VSS)
グランド線VSSは、4行目の奇数列のフォトダイオードPD4k(kは奇数)の右側に配されたコンタクトC6と接続されている。
(5)その他
第2電源線VDD2は、図2及び図3に示すように、第3電源線VDD3と交差する箇所、具体的には、2行目の偶数列のフォトダイオードPD2k(kは偶数)と3行目の偶数列目のフォトダイオードPD3k(kは偶数)との間でビアを介して接続されている。
【0103】
これにより、ソースフォロワの第2電源線VDD2からの電力供給が安定して行われる効果が得られる。
6.断面構造
固体撮像装置101は、上述した配線構成を採用することで、図3及び図4に示すように上下のフォトダイオードPDの中央を通る線分(列方向に隣接しているフォトダイオードPDの中心を結ぶ線分である。)での断面において、第1配線層105aに配線1本を、第2配線層105bに配線1本を配置することができる。また、左右のフォトダイオードPDの中央を通る線分(行方向に隣接しているフォトダイオードPDの中心を結ぶ線分である。)での断面において、第1配線層105aに配線1本を、第2配線層105bに配線1本をそれぞれ配置することができる。これにより、固体撮像装置101の高感度化を実現することができる。以下具体的に説明する。
(1)断面a
(i)第1配線層
図5及び図3に示すように、フォトダイオードPD13,PD14の中心を通る断面では、第1配線層105aにおける配線は、信号線SIGの配線SIGaのみである。なお、4行目のフォトダイオードPD4kの中心を通る断面でも、第1配線層105aにおける配線は、グランド線VSSの配線VSSa、第3電源線VDD3の配線VDD3aのいずれか一方だけとなる。
(ii)第2配線層
図5及び図4に示すように、フォトダイオードPD13,PD14の中心を通る断面では、第2配線層105bにおける配線は、第3電源線VDD3の配線VDD3bと、グランド線VSSの配線VSSbとのいずれか一方だけとなる。
(iii)その他
図3から図5に示すように、フォトダイオードPD13,PD14の中心を通る断面においては、第1配線層105aの配線SIGaの上方に、第2配線層105bの第3電源線VDD3の配線VDD3b又はグランド線VSSの配線VSSbが位置している。
【0104】
また、フォトダイオードPD13,PD14以外の他のフォトダイオードPDにおいても、第1配線層105aのグランド線VSSの配線VSSa又は第3電源線VDD3の配線VDD3aのそれぞれの上方に、第2配線層105bの第3電源線VDD3の配線VDD3b、グランド線VSSの配線VSSb、信号線SIGの配線SIGbのいずれかが位置している。
【0105】
つまり、第1配線層105aの配線と、第2配線層105bの配線とが平面視において重なっている。これにより、列方向に延伸する配線同士の間隔、つまり、配線開口径を大きくすることができる。
(2)断面b
(i)第1配線層
図6及び図3に示すように、フォトダイオードPD34,PD44の中心を通る断面では、第1配線層105aにおける配線は、転送制御信号線T3の配線T3a、第1電源線VDD1の配線VDD1aのいずれか一方だけとなる。なお、フォトダイオードPD34,PD44以外の他のフォトダイオードPDにおいても、第1配線層105aにおける配線は、転送制御信号線T1,T2,T3,T4の配線T1a,T2a,T3a,T4a、第1電源線VDD1の配線VDD1a、第2電源線VDD2の配線VDD2aのいずれか一本だけとなる。
(ii)第2配線層
図6及び図4に示すように、フォトダイオードPD34,PD44の中央を通る断面では、第2配線層105bにおける配線は、転送制御信号線T4の配線T4b、リセット信号線Rxの配線Rxbのいずれか一方だけとなる。なお、フォトダイオードPD34,PD44以外の他のフォトダイオードPDにおいても、第2配線層105bにおける配線は、転送制御信号線T1,T2,T3,T4の配線T1b,T2b,T3b,T4b、ダミー配線DYの配線DYb、リセット信号線Rxの配線Rxbのいずれか一つだけとなる。
(iii)その他
図3、図4及び図6に示すように、フォトダイオードPD34,PD44の中心を通る断面においては、第1配線層105aの第1電源線VDD1の配線VDD1a及び転送制御信号線T3の配線T3aの上方に、第2配線層105bの転送制御信号線T4の配線T4b及びリセット信号線Rxの配線Rxbのいずれか一方が位置している。
【0106】
また、フォトダイオードPD34,PD44以外の他のフォトダイオードPDにおいても、第1配線層105aの転送制御信号線T1,T2,T3,T4の配線T1a,T2a,T3a,T4a、第1電源線VDD1の配線VDD1a、第2電源線VDD2の配線VDD2aのいずれかの配線の上方には、転送制御信号線T1,T2,T3,T4の配線T1b,T2b,T3b,T4b、ダミー配線DYの配線DYb、リセット信号線Rxの配線Rxbのいずれか一つの配線のみが位置している。つまり、第1配線層105aの配線と、第2配線層105bの配線とが平面視において重なっている。
【0107】
以上のことから、行方向に延伸する配線同士の間隔、つまり、配線開口径を大きくできる。
(3)断面a、bの両方について
上述のように、平面視において円形状のレンズ111を利用した場合、当該レンズ111の下方に位置するフォトダイオードPDを挟む配線間距離を大きくでき、レンズ111の周縁部下方に配線が位置しないような構成となる。このため、固体撮像装置101としての開口率を高めることができる。また、レンズ111で集光された光(図5及び図6に示す破線)は第1配線層105bの配線で遮られるおそれもなくなり、感度を高めることができる。
7.まとめ
(1)転送制御信号線T1,T2,T3,T4は、第1配線層105aにおける配線T1a,T2a,T3a,T4a及び第2配線層105bの配線T1b,T2b,T3b,T4bのそれぞれが同じ形状をしているため、各転送制御信号線T1,T2,T3,T4の転送能力を同等にすることができ、行ごとの転送能力のばらつきを小さくできる。
(2)列方向配線群に含まれる信号線SIG、グランド線VSS、第3電源線VDD3は、第1配線層105aにおける配線SIGa,VSSa,VDD3a及び第2配線層105bの配線SIGb,VSSb,VDD3bのそれぞれが同じような形状をしているため、列間での配線によるばらつきを小さくできる。
(3)信号線SIGは、各転送トランジスタTG1,TG2,TG3,TG4のドレインと同じ材料である拡散層121の上方、増幅トランジスタSF1,SF2のゲートと接続するポリシリコン123の上方に配置されているので、電荷の読出し動作を行う際、信号線SIGは増幅トランジスタSF1,SF2により電荷蓄積部FDの電位変化に追随して電位が変動する。これにより、見かけ上、図2に示す、電荷蓄積部FDの寄生容量Cfdが小さくなり、大きな電荷蓄積部FDの電位変化を得ることができ、結果的にS/Nが向上するという効果が得られる。
(4)増幅トランジスタSF1,SF2はドレインの拡散層を共有して並列接続で配置されている。これにより、転送トランジスタTG2,TG3間で行方向に配置される第2電源線VDD2の配置が容易になる。さらに、各フォトダイオードPDからみた周辺の拡散層の構成の均一化を図ることができる。
(5)第3電源線VDD3は、1列飛びに配置されている。つまり、行方向に隣接する22列のうちの一方の列に第3電源線VDD3が配置されている。空いた列にはグランド線VSSが配されている。
【0108】
具体的には、フォトダイオードPD11を基準すると、電源線VDD3は偶数列の右側(行数が増加する側である。)に、グランド線VSSは奇数列の右側(行数が増加する側である。)にそれぞれ配されている。
【0109】
グランド線VSS側では、最終行である4行目において(特に、転送トランジスタTG4とリセットトランジスタRSとの間である。)、グランド線VSSと半導体基板103とが接続されるコンタクトC6の拡散層が形成されている。
【0110】
第3電源線VDD3は、第3電源線VDD3が配置されている列の転送トランジスタTG4とリセットトランジスタRSの間(つまり、上記基板コンタクトC6の拡散層が配置されている領域)には、コンタクトC6と同様のダミーの拡散層127が配されている。このダミーの拡散層127は、リセットトランジスタRSのソース、ドレインと同様の注入がなされて形成されるが、接続部(コンタクト)は有していない。
【0111】
これにより、列の違いによるコンタクト(C6)の有無に起因するレイアウトの差分をなくし、ばらつきを抑制することができる。
(6)例えば、リセットトランジスタRSを増幅トランジスタSFの電源線に接続した場合に増幅トランジスタSFのドレインをオン/オフさせる必要があるが、本実施の形態ではリセットトランジスタRSのドレインを隣接する他の列のリセットトランジスタRSのドレインに第1電源線VDD1で接続している。このため、増幅トランジスタSFのドレインをオン/オフさせる必要がなく、低消費電力を実現することができる。
(7)各列間には、信号線SIGとグランド線VSSとの組み合わせ、信号線SIGと第3電源線VDD3との組み合わせで配置されている。グランド線VSSと第3電源線VDD3とは同じ形状をしているため、結果的に、各列間に同じ形状で配線がされることとなる。これにより、フォトダイオードPDを行方向に等ピッチに配置することができる。また、増幅トランジスタSF1,SF2の電流の向きも同一することができる。これらは、結果的に、レイアウト等の差分をなくすこととなり、ばらつきに強い構成を得ることができる。
(8)転送制御信号線T1,T2,T3,T4は、第1配線層105aと第2配線層105bとの間を列ごとに、つまり周期的に入れ替わるため、レイアウトによるばらつきやノイズ発生等、同等に合わせることができる。
(9)行方向配線群の1つである第2電源線VDD2は、列方向配線群の1つである第3電源線VDD3と例えばビアを介して接続しているため、第2電源線VDD2の補強を行うことができ、出力信号を安定化することができる。
(10)グランド線VSSは、半導体基板103に形成されたコンタクトC6を介して接続されている。これにより基板電位を安定させることができる。また、コンタクトC6は、列方向に単位セルごとに形成されているため、半導体基板103の撮像領域における全範囲で安定した基板電位を得ることができる。
(11)第2電源線VDD2は、増幅トランジスタSF1,SF2の共有の拡散層(ドレイン)に接続されているため、増幅トランジスタSF1,SF2間での電気的ばらつきが小さくなり、増幅トランジスタSF1,SF2の電源を強化することができる。また、配線を削減することができ、配線のレイアウトの自由度を高めることができる。また、第2電源線VDD2の第1配線層105aの配線VDD2aは上述の拡散層上に配置され、拡散層にコンタクトC2を介して接続されているので、省スペースで効率的に接続でき、結果的に、レイアウトの自由度を高めることができる。
(12)増幅トランジスタSF1,SF2は共有の拡散層を有し、単位セルの中央に相当する2行目のフォトダイオードPD2kと、3行目のフォトダイオードPD3kとの間を通る仮想線に対して、上下(列方向であって行数が減少する側と行数が増加する側である。)で対称なレイアウトに配置されている。このため、上下でレイアウトのばらつきをなくすることでき、全体として均一なレイアウトを確保することができる。
(13)リセットトランジスタRSへの電源線である第1電源線VDD1は、配線層105に形成され、各リセットトランジスタRSと例えばビアを介して接続されているため、各リセットトランジスタRSの電源を強化することができる。
(14)リセットトランジスタRSと転送トランジスタTGとにおいて、リセットトランジスタRSのソースと転送トランジスタTGのドレインとが拡散層で接続されている。これにより、配線層105内の金属配線を利用する必要がなくなり、配線数を低減することができ、また、配線数の低減によりレイアウトの自由度を高めることができる。
(15)2つの転送トランジスタTG(TG1とTG2或いはTG3とTG4である。)は、両者のドレインがポリシリコン(ポリシリコン配線)で接続され、しかも、ポリシリコンは増幅トランジスタSFのゲートを含んでいる(ゲートを構成している)。これにより、配線層105内の金属配線を利用する必要がなくなり、配線数を低減することができ、また、配線数の低減によりレイアウトの自由度を高めることができる。
(16)フォトダイオードPD、転送トランジスタTG、リセットトランジスタRS、増幅トランジスタSFからなる単位セルが、列・行方向にそれぞれ配置されている、つまり、列ごとに配置関係が反転しないため、これらのレイアウトの均一性を確保することができる。
8.比較例
ここで、ディジタルスチルカメラでよく利用される1/2.33型の光学系で14[M]のセンサを例にあげ、開口径について比較する。
【0112】
この場合、画素サイズは1.4[μm]となる。第1配線層105a及び第2配線層105bの配線の幅を100[nm]、画素間に配された2本の配線の間隔を100[nm]、導波路107と配線との間隔を100[nm]とする。
【0113】
第2配線層(105b)に配線が2本ある場合、配線開口径(配線間の内寸である。)は1.1[μm□]、導波路径は0.9[μm□]となる。
第1の実施の形態では、第1配線層105a及び第2配線層105bに設けられた配線は1本ずつであるため、配線開口径は1.3[μm□]、導波路径は1.1[μm□]となる。
【0114】
これらを比較すると、第1の実施の形態に係る固体撮像装置101では、従来例に係る固体撮像装置に対して、配線開口径は18[%](面積では40[%])のアップとなり、導波路径は22[%](面積では49[%])のアップとなり、その効果は大きい。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態に係る固体撮像装置は、行方向に隣接するフォトダイオードの中央を通り行方向に延伸する仮想面での断面において第1配線層に配線2本を配置している。また、列方向に隣接するフォトダイオードの中央を通り列方向に延伸する仮想面での断面において第1配線層に配線2本を配置している。
【0115】
つまり、第1配線層205aには、第1の方向である列方向に隣接する画素間を第1の方向と直交する第2の方向である行方向に延伸する2本の配線(ここでは、転送制御信号線2T1,2T2の2本や転送制御信号線2T3,2T4の2本や第1電源線2VDD1とリセット信号線2Rxとの2本である。)が配置され、第2配線層205bには、第2の方向である行方向に隣接する画素間を第1の方向である列方向に延伸する2本の配線(ここでは、信号線2SIGとグランド線2VSSとの2本や信号線2SIGと第3電源線2VDD3との2本である。)が配置され、第2配線層205bの2本の配線が、第1の方向である列方向に隣接する画素の中央領域で第1配線層205aに入り込んでいる。
【0116】
以上のような構成にすることで、フォトダイオード周辺の配線は第1配線層のみとなり、特に斜め方向からの光に対しフォトダイオード上の配線開口を拡大することができ、高感度化を実現できる。また、配線層に形成する導波路にテーパーをつけることによりさらに高感度化を実現することができる。
【0117】
以下、第2の実施の形態を図7〜図10を用いて詳細を説明する。
図7は、図1に加え第1配線層、第1配線層と第2配線層を繋ぐビアを示したレイアウト図であり、図8は図7に加え第2配線層を示したレイアウト図である。
【0118】
図9は図8における破線cでの断面図であり、図10は図8における破線dでの断面図である。
第2の実施の形態に係る固体撮像装置201は、第1の実施の形態と同様に、図9及び図10に示すように、半導体基板203、配線層205、導波路207、カラーフィルタ209、レンズ211を備え、配線層205は、第1配線層205aと第2配線層205bとからなる。なお、本実施の形態では、行方向の断面(図9)及び列方向の断面(図10)における導波路207が、半導体基板203側からカラーフィルタ209側に近づくに従って太くなる形状にしている。
【0119】
固体撮像装置201の半導体基板203は、第1の実施の形態に係る固体撮像装置101の半導体基板103と同じ構成を有し、半導体基板203の撮像領域上に形成された配線層205が異なる。つまり、単位セルにおける拡散層、ポリシリコン、コンタクトを示したレイアウトは図1と同じであり、その上方に形成された第1配線層205a及び第2配線層205bの配線数等が異なる。このため、配線層205について以下説明する。
1.配線
第2の実施の形態における配線、つまり、行方向配線群と列方向配線群とに含まれる配線の種類は、第1の実施の形態に係る行方向配線群と列方向配線群とに含まれる配線の種類と同じである。
【0120】
つまり、行方向配線群として、図7及び図8に示すように、第1電源線2VDD1、リセット信号線2Rx、転送制御信号線2T1,2T2,2T3,2T4、第2電源線2VDD2があり、列方向配線群として、グランド線2VSS、信号線2SIG、第3電源線2VDD3がある。
【0121】
また、第2の実施の形態に係る行方向配線群及び列方向配線群の配置位置は、第1の実施の形態における配置位置と同様であるが、第1の実施の形態と異なるようにしても良い。
(1)転送制御信号線(2T)
転送制御信号線2T1,2T2,2T3,2T4は、第1の実施の形態と同様に、行列状に配されたフォトダイオード2PDの行間を行方向に延伸する状態で配されている。なお、転送制御信号線2T1,2T2,2T3,2T4の配線位置は、上述のように、第1の実施の形態の転送制御信号線T1,T2,T3,T4と同じである。
【0122】
転送制御信号線2T1は第1配線層205aの配線2T1aからなり、第2配線層205bには配線を有していない。同様に、転送制御信号線2T2も第1配線層205aの配線2T2aからなり、第2配線層205bには配線を有していない。
【0123】
転送制御信号線2T3は第1配線層205aの配線2T3aからなり、第2配線層205bには配線を有していない。同様に、転送制御信号線2T4も第1配線層205aの配線2T4aからなり、第2配線層205bには配線を有していない。
【0124】
なお、転送制御信号線2T1と転送制御信号線2T3とは、配置箇所が異なるだけで同じ構成をし、転送制御信号線2T2と転送制御信号線2T4とは、配置箇所が異なるだけで同じ構成をしている。このため、以下、転送制御信号線2T1,2T2について説明する。
【0125】
配線2T1a及び配線2T2aは、互いに一組として列方向に隣接するフォトダイオード2PD1kと2PD2kとの間を行方向に延伸している。配線2T1aと配線2T2aは、フォトダイオード2PD1kとフォトダイオード2PD2kとの間の中央を行方向に延伸する仮想線に対して、列方向に対称な形状をしている。つまり、仮想線を対称軸として線対称な形状をしている。
【0126】
配線2T1aと配線2T2aは、列方向に隣接するフォトダイオード2PD1kとフォトダイオード2PD2kとの間で互いに近づくように張り出す張出部を有している。
(2)リセット信号線(2Rx)及び第1電源線(2VDD1)
リセット信号線2Rxは、図7に示すように、行列状に配されたフォトダイオード2PDの行間を行方向に延伸する状態で配されている。ここでは、各単位セルにおける最初の行に配されたフォトダイオード2PD1kの上端側に配されている。つまり、列方向に行数が増加する側に隣接する他の単位セル側にリセット信号線2Rxが配されている。リセット信号線2Rxは第1配線層205aの配線2Rxaからなる。
【0127】
第1電源線2VDD1は、行列状に配されたフォトダイオード2PDの行間を行方向に延伸する状態で配されている。ここでは、各単位セルにおける最後の行である4行目に配されたフォトダイオード2PD4kの下端側に配されている。つまり、列方向に行数が増加する側に隣接する他の単位セル側に第1電源線2VDD1が配されている。第1電源線2VDD1は第1配線層の配線2VDD1aからなる。
【0128】
リセット信号線2Rxの配線2Rxaと第1電源線2VDD1の配線2VDD1aとは、転送制御信号線2T1と転送制御信号線2T2と同様の構成を有している。
つまり、配線2Rxa及び配線2VDD1aは、列方向に隣接するフォトダイオード2PD4kと、当該フォトダイオード2PD4kに行数が増加する側に隣接する他の単位セルの1行目のフォトダイオード2PD1kとの間を、対をなして行方向に延伸している。
【0129】
配線2Rxaと配線2VDD1aは、フォトダイオード2PD4kとフォトダイオード2PD1kの中央を行方向に延伸する仮想線に対して、列方向に対称な形状をしている。つまり、仮想線を対称軸として線対称な形状をしている。
【0130】
配線2Rxaと配線2VDD1aは、列方向に隣接するフォトダイオード2PD4kとフォトダイオード2PD1k間で互いに近づくように張り出す張出部を有している。
(3)第2電源線(2VDD2)
第2電源線2VDD2は、行列状に配されたフォトダイオード2PDの行間を行方向に延伸する状態で配されている。ここでは、各単位セルにおける中央位置に存する2行目のフォトダイオード2PD2kと3行目のフォトダイオード2PD3kとの間に配されている。つまり、単位セル構成する4つのフォトダイオード2PDが、上下に2分される境界部分に対向するフォトダイオード2PD2kとフォトダイオード2PD3kとの間に第2電源線2VDD2が配されている。
【0131】
第2電源線2VDD2は、第1配線層205aの配線2VDD2aからなる。配線2VDD2aは、図7に示すように、転送制御信号線2T1と転送制御信号線2T2とを組合せたような形状をしている。
【0132】
つまり、配線2VDD2aは、行方向に延伸する一対の行方向延伸部と、行方向に隣接するフォトダイオード2PD2kとフォトダイオード2PD2k+1との間の略中央で前記一対の行方向延伸部を連結する連結部とを有している。なお、連結部は、列方向に延伸している。
【0133】
一対の行方向延伸部は、フォトダイオード2PD2kとフォトダイオード2PD3kとの間の中央を行方向に延伸する仮想線に対して、列方向に対称な形状をしている。つまり、仮想線を対称軸として線対称な形状をしている。
【0134】
一対の行方向延伸部は、転送制御信号線2T1,2T2、第1電源線2VDD1、リセット信号線2Rxと同様の形状を有している。一対の行方向延伸部は、列方向に隣接するフォトダイオード2PD間で互いに近づくように張り出す張出部を有している。
(4)信号線(2SIG)
信号線2SIGは、行列状に配されたフォトダイオードの列間を列方向に延伸する状態で配されている。ここでは、k列目のフォトダイオード2PDnkの信号線2SIGは、k+1列目フォトダイオード2PDnk+1との間に配されている(なお、この例では各列の右側であるが、各列の左側であっても良い。)。
【0135】
信号線2SIGは、図7及び図8に示すように、第1配線層205aの配線2SIGaと第2配線層205bの配線2SIGbとからなり、第1配線層205aの配線2SIGaと第2配線層205bの配線2SIGbとは例えばビアを介して接続されている。
(i)第1配線層の配線(2SIGa)
信号線2SIGの配線SIGaは、図7に示すように、行方向に隣接するフォトダイオード2PD間(例えば、フォトダイオード2PD11とフォトダイオード2PD12との間である。)に形成されている。
【0136】
配線2SIGaは、行方向配線群に含まれる他の配線間(例えば、2行目のフォトダイオード2PD21では、転送制御信号線2T2の配線2T2aと第2電源線2VDD2の配線2VDD2aとの間である。)に独立状態で配置されている。つまり、配線2SIGaは、行方向に隣接するフォトダイオード2PD間にのみ存在している。
【0137】
配線2SIGaは、2行目のフォトダイオード2PD2kと3行目のフォトダイオード2PD3kとの間では、増幅トランジスタ2SF1,2SF2のソートとコンタクト(図1の「C3」である。)で接続するために、後述のグランド線2VSSの配線2VSSa側に張り出した接続部を有している。
(ii)第2配線層の配線(2SIGb)
信号線2SIGの配線2SIGbは、図8に示すように、各列間に形成され、列方向に隣接するフォトダイオード2PD間を越えて列方向に沿って延伸する状態で形成されている。つまり、配線2SIGbは、列方向に延伸し、各フォトダイオード2PDの列方向の中央領域が除去された除去部を有するような形状となっている。
(iii)まとめ
上記の配線2SIGaと配線2SIGbとはビアで接続され、これにより、列方向に延伸する1本の信号線2SIGが構成される。配線2SIGaと配線2SIGbとのビアの接続は、配線2SIGbにおける除去部を挟んだ部分(上下端である。)と、配線2SIGaの列方向の端部分で行われる。
【0138】
これにより、列方向に配置される信号線2SIGは、第1配線層205aに配置されている行方向配線群に含まれる配線と交わるところで、第2配線層205b側に乗り換えている。
(5)グランド線(2VSS)
グランド線2VSSは、行列状に配されたフォトダイオード2PDの列間を列方向に延伸する状態で配されている。ここでは、2PD11を基準として奇数列に対応してその右側(列数が増加する側)に配されている。具体的には、1列目のフォトダイオード2PDn1と2列目のフォトダイオード2PDn2との間や3列目のフォトダイオード2PDn3と4列目のフォトダイオード2PDn4との間に配されている。
【0139】
グランド線2VSSは、第1配線層205aの配線2VSSaと第2配線層205bの配線2VSSbとからなり、第1配線層205aの配線2VSSaと第2配線層205bの配線2VSSbとは例えばビアを介して接続されている。なお、グランド線2VSSは、信号線2SIGと一対をなして各列間に配されている。
(i)第1配線層の配線(2VSSa)
グランド線2VSSの配線2VSSaは、図7に示すように、行方向に隣接するフォトダイオード2PD間(例えば、フォトダイオード2PD11とフォトダイオード2PD12との間である。)に形成されている。
【0140】
配線2VSSaは、行方向配線群に含まれる他の配線間(例えば、2行目のフォトダイオード2PD21では、転送制御信号線2T2の配線2T2aと第2電源線2VDD2の配線2VDD2aとの間である。)に独立状態で形成されている。つまり、配線2VSSaは、行方向に隣接するフォトダイオード2PD間にのみ存在している。また、配線2VSSaは、信号線2SIGの配線2SIGaと平行であって一対をなして形成されている。
【0141】
なお、各単位セルの最終の行である4行目のフォトダイオード2PD間(例えば、2PD4kと2PD4k+1との間である。)に配された配線2VSSaは、図1に示すように、半導体基板203の拡散層とコンタクト(C6)を介して接続される。このため、配線2VSSaは、信号線2SIGの配線2SIGa側に張り出した接続部を有している。
(ii)第2配線層の配線(2VSSb)
グランド線2VSSの配線2VSSbは、図8に示すように、各列間に形成され、列方向に隣接するフォトダイオード2PD間を越えて列方向に沿って延伸する状態で形成されている。つまり、配線2VSSbは、列方向に延伸し、各フォトダイオード2PDの列方向の中央領域が除去された除去部を有するような形状となっている。
(iii)まとめ
上記の配線2VSSaと配線2VSSbとはビアで接続され、これにより、列方向に延伸する1本のグランド線2VSSが構成される。配線2VSSaと配線2VSSbとのビアの接続は、配線2VSSbにおける除去部を挟んだ部分(上下端である。)と、配線2VSSaの列方向の端部分で行われる。
【0142】
これにより、列方向に配置されるグランド線2VSSは、第1配線層205aに配置されている行方向配線群に含まれる配線と交わるところで、第2配線層205bに乗り換えている。
(6)第3電源線(2VDD3)
第3電源線2VDD3は、行列状に配されたフォトダイオード2PDの列間を列方向に延伸する状態で配されている。ここでは、2PD11を基準として偶数列に対応してその右側(行数が増加する側)に配されている。具体的には、1列目フォトダイオード2PDn1と2列目フォトダイオード2PDn1との間、3列目のフォトダイオード2PDn3と4列目のフォトダイオード2PDn4との間に配されている。
【0143】
第3電源線2VDD3は、第1配線層205aの配線2VDD3aと第2配線層205bの配線2VDD3bとからなり、第1配線層205aの配線2VDD3aと第2配線層205bの配線2VDD3bとは例えばビアを介して接続されている。これにより、列方向に配置される第3電源線2VDD3は、第1配線層205aに配置されている行方向配線群に含まれる配線と交わるところで第2配線層205bに乗り換えている。
【0144】
なお、グランド線2VDD3は、信号線2SIGと一対をなして所定の列間に配されている。また、第3電源線2VDD3は、グランド線2VSSと形成箇所が異なるだけで、他の構成は同じである。
4.断面構造
固体撮像装置201は、上述した構成を採用することで、図9及び図10に示すように上下のフォトダイオード2PDの中央を通る線分(列方向に隣接しているフォトダイオード2PDの中心を結ぶ線分である。)での断面において、第1配線層205aに配線2本、第2配線層205bに配線0本を配置することができる。
【0145】
また、左右のフォトダイオードPDの中央を通る線分(行方向に隣接しているフォトダイオードPDの中心を結ぶ線分である。)での断面において第1配線層205aに配線2本、第2配線層205bに配線0本で配置することができる。
【0146】
これにより、高感度化を実現することができる。以下具体的に説明する。
(1)断面c
(i)第1配線層
図9及び図7に示すように、フォトダイオード2PD13,2PD14の中心を通る断面では、第1配線層205aにおける配線は、信号線2SIGの配線2SIGaとグランド線2VSSの配線2VSSaの2本、又は、信号線2SIGの配線2SIGaと第3電源線2VSS3の配線2VSS3aの2本である。
(ii)第2配線層
図9及び図8に示すように、フォトダイオード2PD13,2PD14の中心を通る断面では、信号線2SIGの配線2SIGbとグランド線2VSSの配線2VSSbとの除去部に、信号線2SIGの配線2SIGbと第3電源線2VDD3の配線2VDD3bの除去部にそれぞれ対応するため、当該断面での第2配線層205bの配線は0本となる。
(2)断面d
(i)第1配線層
図10及び図7に示すように、フォトダイオード2PD34,2PD44の中心を通る断面では、第1配線層205aにおける配線は、転送制御信号線2T1,2T2の配線2T1a,2T2a(図10では現れていない。)、転送制御信号線2T3,2T4の配線2T3a,2T4a、第1電源線2VDD1の配線2VDD1a及びリセット信号線2Rxの配線2Rxa、第2電源線2VDD2の配線2VDD2aのいずれか一つだけとなり、第1配線層205aの配線は2本となる。
(ii)第2配線層
図10及び図8に示すように、フォトダイオード2PD34,2PD44の中心を通る断面では、第2配線層205bにおける配線が0本である。
(3)断面c、dの両方について
第2配線層205bにおいて、複数のフォトダイオード2PDの中心を通る断面での配線が0本となるため、第2配線層205bの配線の影響はなくなり、開口率を高めることができる。特に、斜め方向からの光に対し、フォトダイオード2PD上の開口率を高めることができる。
【0147】
さらに、円形状のレンズ211を利用した場合、第1配線層205aの配線により遮光されるおそれがないので、レンズ211の直径を大きくできる。
第2配線層205aにおいて、複数のフォトダイオード2PDの中心を通る断面での配線が2本となる。レンズ211で集光された光は、フォトダイオード2PDの中央に集光されるため、第1配線層205aにフォトダイオード2PD間に2本の配線があっても、図9及び図10に示すように、レンズ211により集光されてフォトダイオード2PDの中央に向かう光(図中の破線である。)が第1配線層205aの配線で遮られるおそれもなくなり、感度を高めることができる。
【0148】
以上のことから、第2配線層205bに2本の配線があっても、レンズ211により集光されてフォトダイオード2PDの中央に向かう光が遮光されることはなく、結果的にフォトダイオード2PD上の開口率を高めることができる。
【0149】
また、導波路207の断面形状を、半導体基板203側からカラーフィルタ209側に近づくに従って太くなる形状にしている。このためカラーフィルタ209を通過した光をより効率よく導波路207に導くことができ、混色のない光学特性を実現できる。
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態に係る固体撮像装置は、行方向に隣接するフォトダイオードの中央を通り行方向に延伸する仮想面での断面において第1配線層に配線2本を配置している。また、列方向に隣接するフォトダイオードの中央を通り列方向に延伸する仮想面での断面において第1配線層に配線1本を第2配線層に1本それぞれ配置している。
【0150】
つまり、第1配線層305aには、第1の方向である列方向に隣接する画素間を第1の方向と直交する第2の方向である行方向に延伸する2本の配線(ここでは、転送制御信号線3T1,3T2の2本や転送制御信号線3T3,3T4の2本や第1電源線3VDD1とリセット信号線3Rxとの2本である。)が配置され、第2配線層305bには、第2の方向である行方向に隣接する画素間を第1の方向である列方向に延伸する2本の配線(ここでは、信号線3SIGとグランド線3VSSとの2本や信号線3SIGと第3電源線3VDD3との2本である。)が配置され、第2配線層305bの2本の配線が、第1の方向である列方向に隣接する画素の中央領域で第1配線層305aに入り込み、第1の配線層305aの2本の配線のうち1本(ここでは、転送制御信号線3T1,3T2のうちの何れか1本や、転送制御信号線3T3,3T4のうちの何れか1本や、第1電源線3VDD1とリセット信号線3Rxとの2本のうちリセット信号線4Rxである。)が、前記第2の方向である行方向に隣接する画素の中央領域で第2の配線層305bに入り込でいる。
【0151】
以上のような構成にすることで、列方向に関しては、行間の配線が第1配線層で1本、第2配線層で1本が存在するため、行間のフォトダイオード上の配線開口を拡大することができ、高感度化を実現することができる。また、同様に導波路径を拡大することができるため、さらに高感度化を実現することができる。
【0152】
行方向に関しては、列間の配線が第1配線層のみとなり、特に斜め方向からの光に対しフォトダイオード上の配線開口を拡大することができ、高感度化を実現することができる。また、導波路形状にテーパーをつけることによりさらに高感度化を実現することができる。
【0153】
以下、第3の実施の形態を図11〜図14を用いて詳細を説明する。
図11は、図1に加え第1配線層、第1配線層と第2配線層を繋ぐビアを示したレイアウト図であり、図12は図11に加え第2配線層を示したレイアウト図である。
【0154】
図13は図12における破線eでの断面図であり、図14は図12における破線fでの断面図である。
第3の実施の形態に係る固体撮像装置301は、第1の実施の形態と同様に、図13及び図14に示すように、半導体基板303、配線層305、導波路307、カラーフィルタ309、レンズ311を備え、配線層305は、第1配線層305aと第2配線層305bとからなる。なお、本実施の形態では、行方向の断面(図13)における導波路307が、半導体基板303側からカラーフィルタ309側に近づくに従って太くなる形状にしている。
【0155】
固体撮像装置301の半導体基板303は、第1の実施の形態に係る固体撮像装置101の半導体基板103と同じ構成を有し、半導体基板303の撮像領域上に形成された配線層305が異なる。つまり、単位セルにおける拡散層、ポリシリコン、コンタクトを示したレイアウトは図1と同じであり、その上方に形成された第1配線層305a及び第2配線層305bの配線数等が異なる。
【0156】
このため、配線層305について以下説明する。
1.配線
第3の実施の形態における配線、つまり、行方向配線群と列方向配線群とに含まれる配線の種類は、第1の実施の形態に係る行方向配線群と列方向配線群とに含まれる配線の種類と同じである。
【0157】
つまり、行方向配線群として、図11及び図12に示すように、第1電源線3VDD1、リセット信号線3Rx、転送制御信号線3T1,3T2,3T3,3T4、第2電源線3VDD2があり、列方向配線群として、グランド線3VSS、信号線3SIG、第3電源線3VDD3がある。
【0158】
また、第3の実施の形態に係る行方向配線群及び列方向配線群の配置位置は、第1の実施の形態と同様であるが、当然、第1及び第2の実施の形態と異なるようにしても良い。
(1)転送制御信号線(3T)
転送制御信号線3T1,3T2,3T3,3T4は、第1の実施の形態と同様に、行列状に配されたフォトダイオード3PDの行間を行方向に延伸する状態で配されている。
【0159】
転送制御信号線3T1,3T2,3T3,3T4の配線位置、構成は、上述の第1の実施の形態の転送制御信号線T1,T2,T3,T4と同じである。
転送制御信号線3T1,3T2は、各単位セルにおける1行目のフォトダイオード3PD1kと、2行目のフォトダイオード3PD2kとの間を行方向に延伸する。転送制御信号線3T3,3T4は、各単位セルにおける3行目のフォトダイオード3PD3kと、4行目のフォトダイオード3PD4kとの間を行方向に延伸する。
【0160】
転送制御信号線3T1は、第1の実施の形態で説明した第1配線層105aの配線T1aと同じ構成をした第1配線層305aの配線3T1aと、第1の実施の形態で説明した第2配線層105bの配線T1bと同じ構成をした第2配線層305bの配線3T1bとからなる。
【0161】
転送制御信号線3T2は、第1の実施の形態で説明した第1配線層105aの配線T2aと同じ構成をした第1配線層305aの配線3T2aと、第1の実施の形態で説明した第2配線層105bの配線T2bと同じ構成をした第2配線層305bの配線3T2bとからなる。
【0162】
転送制御信号線3T3は、第1の実施の形態で説明した第1配線層105aの配線T3aと同じ構成をした第1配線層305aの配線3T3aと、第1の実施の形態で説明した第2配線層105bの配線T3bと同じ構成をした第2配線層305bの配線3T3bとからなる。
【0163】
転送制御信号線3T4は、第1の実施の形態で説明した第1配線層105aの配線T4aと同じ構成をした第1配線層305aの配線3T4aと、第1の実施の形態で説明した第2配線層105bの配線T4bと同じ構成をした第2配線層305bの配線3T4bとからなる。
【0164】
また、転送制御信号線3T1における配線3T1aと配線3T1bとの接続、転送制御信号線3T2における配線3T2aと配線3T2bとの接続、転送制御信号線3T3における配線3T3aと配線3T3bとの接続、転送制御信号線3T4における配線3T4aと配線3T4bとの接続は、第1の実施の形態と同様にビアを介して同じ接続箇所で行われている。
(2)リセット信号線(3Rx)
リセット信号線3Rxは、行列状に配されたフォトダイオード3PDの行間を行方向に延伸する状態で配され、その配線位置は第1の実施の形態のリセット信号線Rxと同じである。
【0165】
リセット信号線3Rxは、第1の実施の形態のリセット信号線Rxの第1配線層105aの配線Rxaと同じ構成をした第1配線層305aの配線3Rxaと、第1の実施の形態のリセット信号線Rxの第2配線層105bの配線Rxbと同じ構成をした第2配線層305bの配線3Rxbとからなる。
【0166】
リセット信号線3Rxにおける配線3Rxaと配線3Rxbとの接続は、第1の実施の形態と同様にビアを介して同じ接続箇所で行われている。
(3)第1電源線(3VDD1)
第1電源線3VDD1は、行列状に配されたフォトダイオード3PDの行間を行方向に延伸する状態で配され、その配線位置は第1の実施の形態の第1電源線VDD1と同じである。
【0167】
第1電源線3VDD1は、第1の実施の形態の第1電源線VDD1の第1配線層105aの配線VDD1aと同じ構成をした第1配線層305aの配線3VDD1aからなる。なお、第1電源線3VDD1は、第2配線層305bに配線を有していない。
(4)第2電源線(3VDD2)
第2電源線3VDD2は、行列状に配されたフォトダイオード3PDの行間を行方向に延伸する状態で配され、その配線位置は第1の実施の形態の第2電源線VDD2と同じである。
【0168】
第2電源線3VDD2は、第1の実施の形態の第2電源線VDD2の第1配線層105aの配線VDD2aと同じ構成をした第1配線層305aの配線3VDD2aからなる。なお、第1電源線3VDD1は、第2配線層305bに配線を有していない。
(5)信号線(3SIG)
信号線3SIGは、行列状に配されたフォトダイオード3PDの列間を列方向に延伸する状態で配され、その配線位置は第2の実施の形態の信号線2SIGと同じである。
【0169】
信号線3SIGは、図11及び図12に示すように、第2の実施の形態の信号線2SIGの第1配線層205aの配線2SIGaと同じ構成をした第1配線層305aの配線3SIGaと、第2の実施の形態の信号線2SIGの第2配線層205bの配線2SIGbと同じ構成をした第2配線層305bの配線3SIGbとからなる。
【0170】
信号線3SIGにおける第1配線層305aの配線3SIGaと第2配線層305bの配線3SIGbとの接続は、第2の実施の形態と同様にビアを介して同じ接続箇所で行われている。これにより、列方向に配置される信号線3SIGは、第1配線層305aに配置されている行方向配線群に含まれる配線と交わるところで第2配線層305bに乗り換えている。
(6)グランド線(3VSS)
グランド線3VSSは、行列状に配されたフォトダイオード3PDの列間を列方向に延伸する状態で配され、その配線位置は第2の実施の形態のグランド線2VSSと同じである。
【0171】
グランド線3VSSは、第2の実施の形態のグランド線2VSSの第1配線層205aの配線2VSSaと同じ構成をした第1配線層305aの配線3VSSaと、第2の実施の形態のグランド線2VSSの第2配線層205bの配線2VSSbと同じ構成をした第2配線層305bの配線3VSSbとからなる。
【0172】
グランド線3VSSにおける第1配線層305aの配線3VSSaと第2配線層305bの配線3VSSbとの接続は、第2の実施の形態と同様にビアを介して同じ接続箇所で行われている。これにより、列方向に配置されるグランド線3VSSは、第1配線層305aに配置されている行方向配線群に含まれる配線と交わるところで第2配線層305bに乗り換えている。
(7)第3電源線(3VDD3)
第3電源線3VDD3は、行列状に配されたフォトダイオード3PDの列間を列方向に延伸する状態で配され、その配線位置は第2の実施の形態の第3電源線2VDD3と同じである。
【0173】
第3電源線3VDD3は、第2の実施の形態の第3電源線2VDD3の第1配線層205aの配線2VDD3aと同じ構成をした第1配線層305aの配線3VDD3aと、第2の実施の形態の第3電源線2VDD3の第2配線層205bの配線2VDD3bと同じ構成をした第2配線層305bの配線3VDD3bとからなる。
【0174】
第3電源線3VDD3における第1配線層305aの配線3VDD3aと第2配線層305bの配線3VDD3bとの接続は、第2の実施の形態と同様にビアを介して同じ接続箇所で行われている。これにより、列方向に配置される第3電源線3VDD3は、第1配線層305aに配置されている行方向配線群と交わるところで第2配線層305bに乗り換えている。
2.断面構造
固体撮像装置301は、上述した構成を採用することで、図13及び図14に示すように上下のフォトダイオード3PDの中央を通る線分(列方向に隣接しているフォトダイオード3PDの中心を結ぶ線分である。)での断面において、第1配線層305aに配線1本、第2配線層305bに配線1本を配置することができる。
【0175】
左右のフォトダイオード3PDの中央を通る線分(行方向に隣接しているフォトダイオード3PDの中心を結ぶ線分である。)での断面において第1配線層305aに配線2本、第2配線層305bに配線0本で配置することができる。
【0176】
これにより、高感度化を実現することができる。以下具体的に説明する。
(1)断面e
(i)第1配線層
図13及び図11に示すように、フォトダイオード3PD13,3PD14の中心を通る断面では、第1配線層305aにおける配線は、信号線3SIGの配線3SIGaとグランド線3VSSの配線3VSSaの2本、又は、信号線3SIGの配線3SIGaと第3電源線3VDD3の配線3VDD3aの2本である。
(ii)第2配線層
図13及び図12に示すように、フォトダイオード3PD13,3PD14の中心を通る断面では、信号線3SIGの配線3SIGbとグランド線3VSSbの除去部に、信号線3SIGの配線3SIGbと第3電源線3VDD3の配線3VDD3bの除去部にそれぞれ対応するため、当該断面での第2配線層305bにおける配線は0本となる。
(2)断面f
(i)第1配線層
図14及び図11に示すように、フォトダイオード3PD34,3PD44の中心を通る断面では、第1配線層305aにおける配線は、転送制御信号線3T3の配線3T3a、第1電源線3VDD1の配線3VDD1aのいずれか一方の一本だけとなる。
【0177】
なお、他のフォトダイオード3PDにおいてもその行方向の中央では、第1配線層305aにおける配線は、転送制御信号線3T1,3T2,3T3,3T4の配線3T1a,3T2a,3T3a,3T4a、第1電源線3VDD1の配線3VDD1a、第2電源線3VDD2の配線3VDD2aのいずれか一本だけとなる。
(ii)第2配線層
図14及び図12に示すように、フォトダイオード3PD34,3PD44の中心を通る断面では、第2配線層305bにおける配線は、ダミー配線3DYの配線3DYb、転送制御信号線3T4の配線3T4b、リセット信号線3Rxの配線3Rxbのいずれか一方の一本だけとなる。
【0178】
なお、他のフォトダイオード3PDにおいてもその中心を通る断面では、第2配線層305bにおける配線は、転送制御信号線3T1,3T2,3T3,3T4の配線3T1b,3T2b,3T3b,3T4b、ダミー配線3DYの配線3DYb、リセット信号線3Rxの配線3Rxbのいずれか一本だけとなる。
(3)断面e、fの両方について
上述のように、行方向に配列するフォトダイオード3PDの中心を通る断面において、第2配線層305bにおいて配線が0本となるため、第2配線層305bの配線の影響はなくなり、行方向における開口率を高めることができる。特に、斜め方向からの光に対し、フォトダイオード3PD上の開口率を高めることができる。
【0179】
また、列方向に配列するフォトダイオード3PDの中心を通る断面において、第2配線層305aにおいて配線が2本となる。レンズ311で集光された光は、フォトダイオード3PDの中央に集光されるため、第1配線層305aにフォトダイオード3PD間に2本の配線があっても、図13に示すように、レンズ311により集光されてフォトダイオード3PDの中央に向かう光(図中の破線である。)が第1配線層305aの配線で遮られるおそれもなくなり、感度を高めることができる。
【0180】
また、導波路307の断面形状を半導体基板303側からカラーフィルタ309側に近づくに従って太くなる形状にしている。このためカラーフィルタ309を通過した光をより効率よく導波路307に導くことができ、混色のない光学特性を実現できる。
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態に係る固体撮像装置は、行方向に隣接するフォトダイオードの中央を通り行方向に延伸する仮想面での断面において第1配線層に配線1本を第2配線層に配線1本を配置している。また、列方向に隣接するフォトダイオードの中央を通り列方向に延伸する仮想面での断面において第1配線層に配線2本を配置している。
【0181】
つまり、第1配線層405aには、第1の方向である列方向に隣接する画素間を前記第1の方向と直交する第2の方向である行方向に延伸する2本の配線(ここでは、転送制御信号線4T1,4T2の2本や転送制御信号線4T3,4T4の2本や第2電源線4VDD1とリセット信号線4Rxとの2本である。)が配置され、第2配線層405bには、第2の方向である行方向に隣接する画素間を第1の方向である列方向に延伸する2本の配線(ここでは、信号線4SIGとグランド線4VSSとの2本や信号線4SIGと第3電源線4VDD3との2本である。)が配置され、第2配線層405bの2本の配線のうち1本(ここでは、2本の信号線4SIGとグランド線4VSSのうち信号線4SIG又グランド線4VSSの1本や、2本の配線信号線4SIGと第3電源線4VDD3のうち信号線4SIG又は第3電源線4VDD3の1本である。)が、第1の方向である列方向に隣接する画素の中央領域で第1配線層405aに入り込んでいる。
【0182】
以上のような構成にすることで、列方向に関しては、行間の配線が第1配線層のみとなり、特に斜め方向からの光に対しフォトダイオード上の配線開口を拡大することができ、高感度化を実現することができる。また、導波路形状にテーパーをつけることによりさらに高感度化を実現することができる。
【0183】
行方向に関しては、列間の配線が第1配線層で1本、第2配線層で1本が存在するため、列間のフォトダイオード上の配線開口を拡大することができ、高感度化を実現することができる。また、同様に導波路径を拡大することができるため、さらに高感度化を実現することができる。
【0184】
以下、第4の実施の形態を図15〜図18を用いて詳細を説明する。
図15は、図1に加え第1配線層、第1配線層と第2配線層を繋ぐビアを示したレイアウト図であり、図16は図15に加え第2配線層を示したレイアウト図である。
【0185】
図17は図16における破線gでの断面図であり、図18は図16における破線hでの断面図である。
第4の実施の形態に係る固体撮像装置401は、第1の実施の形態と同様に、図17及び図18に示すように、半導体基板403、配線層405、導波路407、カラーフィルタ409、レンズ411を備え、配線層405は、第1配線層405aと第2配線層405bとからなる。なお、本実施の形態では、列方向の断面(図18)における導波路407が、半導体基板403側からカラーフィルタ409側に近づくに従って太くなる形状にしている。
【0186】
固体撮像装置401の半導体基板403は、第1の実施の形態に係る固体撮像装置101の半導体基板103と同じ構成を有し、半導体基板403の撮像領域上に形成された配線層405が異なる。つまり、単位セルにおける拡散層、ポリシリコン、コンタクトを示したレイアウトは図1と同じであり、その上方に形勢された第1配線層405a及び第2配線層405bの配線数等が異なる。このため、配線層405について以下説明する。
1.配線
第4の実施の形態における配線、つまり、行方向配線群と列方向配線群とに含まれる配線の種類も第1の実施の形態で説明した配線の種類と同じである。
【0187】
つまり、行方向配線群として、図15及び図16に示すように、第1電源線4VDD1、リセット信号線4Rx、転送制御信号線4T1,4T2,4T3,4T4、第2電源線4VDD2があり、列方向配線群として、グランド線4VSS、信号線4SIG、第3電源線4VDD3がある。
【0188】
また、第4の実施の形態に係る行方向配線群及び列方向配線群の配置位置は、第1から第3の実施の形態と同様であるが、当然、第1から第3の実施の形態と異なるようにしても良い。
(1)転送制御信号線(4T)
転送制御信号線4T1,4T2,4T3,4T4は、図15に示すように、第2の実施の形態と同様に、行列状に配されたフォトダイオード4PDの行間を行方向に延伸する状態で配されている。
【0189】
転送制御信号線4T1,4T2,4T3,4T4の配線位置、構成は、上述の第2の実施の形態の転送制御信号線2T1,2T2,2T3,2T4と同じである。
転送制御信号線4T1,4T2は、各単位セルにおける1行目のフォトダイオード4PD1kと、2行目のフォトダイオード4PD2kとの間を行方向に延伸する。転送制御信号線4T3,4T4は、各単位セルにおける3行目のフォトダイオード4PD3kと、4行目のフォトダイオード4PD4kとの間を行方向に延伸する。
【0190】
転送制御信号線4T1は、第2の実施の形態で説明した第1配線層205aの配線2T1aと同じ構成をした第1配線層405aの配線4T1aからなり、第2配線層405bには配線を有していない。
【0191】
同様に、転送制御信号線4T2も、第2の実施の形態で説明した第1配線層205aの配線2T2aと同じ構成をした第1配線層405aの配線4T2aからなり、第2配線層405bには配線を有していない。
【0192】
転送制御信号線4T3は、第2の実施の形態で説明した第1配線層205aの配線2T3aと同じ構成をした第1配線層405aの配線4T3aからなり、第2配線層405bには配線を有していない。同様に、転送制御信号線4T4も、第2の実施の形態で説明した第1配線層205aの配線2T4aと同じ構成をした第1配線層405aの配線4T4aからなり、第2配線層405bには配線を有していない。
【0193】
本第4の実施の形態においても、転送制御信号線4T1と転送制御信号線4T3とは配置箇所が異なるだけで同じ構成をし、転送制御信号線4T2と転送制御信号線4T4とは配置箇所が異なるだけで同じ構成をしている。
(2)リセット信号線(4Rx)及び第1電源線(4VDD1)
リセット信号線4Rxは、図15に示すように、行列状に配されたフォトダイオード4PDの行間を行方向に延伸する状態で配され、配線位置は、第2の実施の形態のリセット信号線2Rxと同じである。
【0194】
リセット信号線4Rxは、第2の実施の形態のリセット信号線2Rxの第1配線層205aの配線2Rxaと同じ構成をした第1配線層405aの配線4Rxaからなる。なお、リセット信号線4Rxは第2配線層405bに配線を有していない。
【0195】
第1電源線4VDD1は、図15に示すように、行列状に配されたフォトダイオード4PDの行間を行方向に延伸する状態で配され、その配線位置は、第2の実施の形態の第1電源線2VDD1と同じである。
【0196】
第1電源線4VDD1は、第2の実施の形態の第1電源線2VDD1の第1配線層205aの配線2VDD1aと同じ構成をした第1配線層405aの配線4VDD1aからなる。なお、第1電源線4VDD1は第2配線層405bに配線を有していない。
【0197】
第4の実施の形態においても、リセット信号線4Rxと第1電源線4VDD1とは、互いに所定の間隔をおいて行方向に配置されている。
(3)第2電源線(4VDD2)
第2電源線4VDD2は、図15に示すように、行列状に配されたフォトダイオード4PDの行間を行方向に延伸する状態で配され、その配線位置は、第2の実施の形態の第2電源線2VDD2と同じである。
【0198】
第2電源線4VDD2は、第2の実施の形態の第2電源線2VDD2の第1配線層205aの配線2VDD2aと同じ構成をした第1配線層の配線4VDD2aからなる。なお、第2電源線4VDD2は第2配線層405bに配線を有していない。
(4)信号線(4SIG)
信号線4SIGは、行列状に配されたフォトダイオード4PDの列間を列方向に延伸する状態で配され、その配線位置は第1の実施の形態の信号線SIGと同じである。
【0199】
信号線4SIGは、図16及び図17に示すように、第1の実施の形態の信号線SIGの第1配線層105aの配線SIGaと同じ構成をした第1配線層405aの配線4SIGaと、第1の実施の形態の信号線SIGの第2配線層105bの配線SIGbと同じ構成をした第2配線層405bの配線4SIGbとからなる。
【0200】
信号線4SIGにおける第1配線層405aの配線4SIGaと第2配線層405bの配線4SIGbとの接続は、第1の実施の形態と同様にビアを介して同じ接続箇所で行われている。
(5)グランド線(4VSS)
グランド線4VSSは、行列状に配されたフォトダイオード4PDの列間を列方向に延伸する状態で配され、その配線位置は第1の実施の形態のグランド線VSSと同じである。
【0201】
グランド線4VSSは、第1の実施の形態のグランド線VSSの第1配線層105aの配線VSSaと同じ構成をした第1配線層405aの配線4VSSaと、第1の実施の形態のグランド線VSSの第2配線層105bの配線VSSbと同じ構成をした第2配線層405bの配線4VSSbとからなる。
【0202】
グランド線4VSSにおける第1配線層405aの配線4VSSaと第2配線層405bの配線4VSSbとの接続は、第2の実施の形態と同様にビアを介して同じ接続箇所で行われている。
(6)第3電源線(4VDD3)
第3電源線4VDD3は、行列状に配されたフォトダイオード4PDの列間を列方向に延伸する状態で配され、その配線位置は第1の実施の形態の第3電源線VDD3と同じである。
【0203】
第3電源線4VDD3は、第1の実施の形態の第3電源線VDD3の第1配線層105aの配線VDD3aと同じ構成をした第1配線層405aの配線4VDD3aと、第1の実施の形態の第3電源線VDD3の第2配線層105bの配線VDD3bと同じ構成をした第2配線層405bの配線4VDD3bとからなる。
【0204】
第3電源線4VDD3における第1配線層405aの配線4VDD3aと第2配線層405bの配線4VDD3bとの接続は、第2の実施の形態と同様にビアを介して同じ接続箇所で行われている。
2.断面構造
固体撮像装置401は、上述した構成を採用することで、図17及び図18に示すように上下のフォトダイオード4PDの中央を通る線分(列方向に隣接しているフォトダイオード4PDの中心を結ぶ線分である。)での断面において、第1配線層405aに配線2本を配置することができる。
【0205】
左右のフォトダイオード4PDの中央を通る線分(行方向に隣接しているフォトダイオード4PDの中心を結ぶ線分である。)での断面において第1配線層405aに配線1本、第2配線層405bに配線1本を配置することができる。
【0206】
これにより、高感度化を実現することができる。以下具体的に説明する。
(1)断面g
(i)第1配線層
図17及び図15に示すように、フォトダイオード4PD13,4PD14の中心を通る断面では、第1配線層405aにおける配線は、信号線4SIGの配線4SIGaの1本である。なお、他のフォトダイオード4PDの中心を通る断面では、信号線4SIGの配線4SIGa、第3電源線4VDD3の配線4VDD3a、グランド線4VSSの配線4VSSaのいずれか1本である。
(ii)第2配線層
図17及び図16に示すように、フォトダイオード4PD13,4PD14の中心を通る断面では、信号線4SIGの配線4SIGbの除去部に対応するため、結果的に、グランド線4VSSの配線4VSSb、第3電源線4VDD3の配線4VDD3bのどちらか1本となる。
(2)断面h
(i)第1配線層
図18及び図15に示すように、フォトダイオード4PD34,4PD44の中心を通る断面では、第1配線層405aにおける配線は、転送制御信号線4T3の配線4T3aと転送制御信号線4T4の配線4T4aとの組合せ、第1電源線4VDD1の配線4VDD1aとリセット信号線4Rxの配線4Rxaとの組合せのいずれか一方の組合せの2本、又は第2電源線4VDD2の配線4VDD2aを構成している一対の延伸部分(例えば、転送制御信号線4T3,4T4の2本に相当する。)の2本だけとなる。
【0207】
なお、他のフォトダイオード4PDにおいてもその中心を通る断面では、第1配線層405aにおける配線は、転送制御信号線4T1,4T2の組み合わせでの2本となる。
(ii)第2配線層
図18及び図16に示すように、フォトダイオード4PD34,4PD44の中心を通る断面では、第2配線層405bにおける配線は0本である。
(3)断面g、hの両方について
上述のように、行方向に配列するフォトダイオード4PDの中心を通る断面において、第1配線層405aにおいて配線が2本となる。レンズ411で集光された光は、フォトダイオード4PDの中央に集光されるため、第1配線層405aにフォトダイオード4PD間に2本の配線があっても、図18に示すように、レンズ411により集光されてフォトダイオード4PDの中央に向かう光(図中の破線である。)が第1配線層405aの配線で遮られるおそれもなくなり、感度を高めることができる。
【0208】
列方向に配列するフォトダイオード4PDの中心を通る断面において、第1配線層405a及び第2配線層において配線が1本となるため、レンズ411の下方に位置するフォトダイオード4PDを挟む配線間距離を大きくでき、レンズ411の周縁部下方に配線が位置しないような構成となる。このため、固体撮像装置401としての開口率を高めることができる。
【0209】
また、導波路407の断面形状を半導体基板403側からカラーフィルタ409側に近づくに従って太くなる形状にしている。このためカラーフィルタ409を通過した光をより効率よく導波路407に導くことができ、混色のない光学特性を実現できる。
<第5の実施の形態>
第5の実施の形態に係る固体撮像装置は、単位セルを2画素から構成した、所謂、2画素1セル構造を採用している。
【0210】
この場合においても、行方向に隣接するフォトダイオードの中央を通り行方向に延伸する仮想面での断面において第1配線層に配線1本、第2配線層に配線1本をそれぞれ配置している。また、列方向に隣接するフォトダイオードの中央を通り列方向に延伸する仮想面での断面において第1配線層に配線1本、第2配線層に配線1本をそれぞれ配置している。この配線構成(各方向において、第1配線層が1本、第2配線層が1本の構成である。)は、基本的には第1の実施の形態における配線構成と同じである。なお、2画素1セル構造について、第1の実施の形態での配線層105の配線構成を適用している(これが第5の実施の形態である。)が、第2から第4の実施の形態での配線層の配線構成を適用することもできる。
【0211】
以下、第5の実施の形態を図19〜図22を用いて詳細を説明する。
図19は、第5の実施の形態に係る固体撮像装置の単位セルにおける拡散層、ポリシリコン、コンタクトを示したレイアウト図である。
【0212】
図20は、第5の実施の形態に係る固体撮像装置の単位セルを模式的に示す回路図である。
図21は図19に加え第1配線層、第1配線層と第2配線層を繋ぐビアを示したレイアウト図であり、図22は図21に加え第2配線層を示したレイアウト図である。
1.構成
第5の実施の形態に係る固体撮像装置は、半導体基板、配線層、カラーフィルタ、レンズを備え、必要に応じて導波路を有している。第5の実施の形態においても配線層は、第1配線層と第2配線層との2層構造である。
【0213】
半導体基板は、その主面側に行列方向に配された複数の画素からなる撮像領域を有する他、周辺回路領域を有する。
各画素は、図19に示すように、フォトダイオード5PD、転送トランジスタ5TG、増幅トランジスタ5SF、リセットトランジスタ5RSを有する。ここでは、上述したように、2個のフォトダイオード(例えば、5PD11,5PD21である。)により1つの単位セルが構成されている。つまり、単位セルは、2個のフォトダイオード5PDと、2個の転送トランジスタ5TGと、1個のリセットトランジスタ5RSと増幅トランジスタ5SFとを含む。
【0214】
第5の実施の形態では、増幅トランジスタ5SFのドレインは、リセットトランジスタ5RSのドレインが接続された第1電源線5VDD1に接続されている。このため、第1の実施の形態では存していた第2電源線VDD2の配線は本実施の形態ではない。
【0215】
また、第5の実施の形態では、基板電位を周辺回路から確保するようにしているため、第1の実施の形態で存していたグランド線VSSの配線は本実施の形態では配されていない。
2.レイアウト
図19を用いて、フォトダイオード等のレイアウトを説明する。
【0216】
1個の単位セルを構成する2個のフォトダイオード5PD11,5PD21は、列方向に隣接して配置されている。なお、複数のフォトダイオード5PDの配置位置は、第1の実施の形態での複数のフォトダイオードPDの配置と同じである。
【0217】
2個の転送トランジスタ5TG1,5TG2は、対応するフォトダイオード5PDの周辺に配置されている。例えば、転送トランジスタ5TG1は、上側に位置する(1行目に位置する)フォトダイオード5PD11の斜め下方(2行目側)に、転送トランジスタ5TG2は、下側に位置する(2行目に位置する)フォトダイオード5PD12の斜め上方(1行目)にそれぞれ配置されている。つまり、転送トランジスタ5TGは、単位セルを構成する2つのフォトダイオード5PDのうち、互いに隣接する(対向し合う)側の角に相当する領域で互いに対峙する状態で配されている。
【0218】
なお、言うまでもなく、フォトダイオード5PDと転送トランジスタ5TGとの位置関係は本例に限定するものでなく、他の位置関係でも良い。
増幅トランジスタ5SFとリセットトランジスタ5RSは、行列状に配置されたフォトダイオード5PDの列間に配されており、列方向に隣接するフォトダイオード5PD11とフォトダイオード5PD12との間の中心を通る行方向の仮想線に対して互いに反対となるように配置されている。つまり、2個の転送トランジスタ5TG1,5TG2を列方向の両側から挟むように増幅トランジスタ5SFとリセットトランジスタ5SFとが配置されている。
【0219】
ここでは、増幅トランジスタ5SFが単位セルの下端側に、リセットトランジスタ5RSが単位セルの上端側にそれぞれ配されている。
3.回路構成
図19及び図20を用いて、フォトダイオード等の接続を説明する。
【0220】
フォトダイオード5PDと転送トランジスタ5TGとの接続、転送トランジスタ5TGとリセットトランジスタ5RSとの接続は、第1の実施の形態と同様に、拡散層を共有化等することで行われている。
【0221】
第5の実施の形態では、図19に示すように、リセットトランジスタ5RSのドレインと増幅トランジスタ5SFのドレインとを共有化している。
4.配線
第5の実施の形態に係る行方向配線群は、第1電源線5VDD1、リセット信号線5Rx、転送制御信号線5T1,5T2を含む。列方向配線群は、信号線5SIG、第2電源線5VDD2を含む。以下、図21及び図22を特に用いて説明する。
(1)転送制御信号線(5T1,5T2)
転送制御信号線5T1,5T2は、各単位セルを構成する列方向に隣接する2個のフォトダイオード5PD11,5PD21の間を行方向に延伸する。
【0222】
転送制御信号線5T1,5T2は、第1の実施の形態の転送制御信号線T1,T2と同様に、第1配線層の配線5T1a,5T2aと、第2配線層の配線5T1b,5T2bとからなる。なお、第1配線層の配線5T1a,5T2aは、第1の実施の形態の転送制御信号線T1,T2の配線T1a,T2aと同じ構成である。第2配線層の配線5T1b,5T2bは、第1の実施の形態の転送制御信号線T1,T2の配線T1b,T2bと同じ構成である。
(2)リセット信号線(5Rx)
リセット信号線5Rxは、各単位セル間に対応するフォトダイオード5PD間を行方向に延伸する。
【0223】
リセット信号線5Rxは、第1の実施の形態のリセット信号線Rxと同様に、第1配線層の配線5Rxaと、第2配線層の配線5Rxbとからなる。なお、第1配線層の配線5Rxaは、第1の実施の形態のリセット信号線Rxの配線Rxaと同じ構成である。第2配線層の配線5Rxbは、第1の実施の形態のリセット信号線Rxの配線Rxbと同じ構成である。
(3)第1電源線(5VDD1)
第1電源線5VDD1は、各単位セル間に対応するフォトダイオード5PD間を、リセット信号線5Rxと共に行方向に延伸する。
【0224】
第1電源線5VDD1は、図21に示すように、略直線状に延伸し、第1配線層の配線5VDD1aからなる。図21では、第1電源線5VDD1の配線5VDD1aは、各単位セル間に対応するフォトダイオード5PD間の中央領域に配置されている。
(4)信号線(5SIG)及び第2電源線(5VDD2)
信号線5SIG及び第2電源線5VDD2は、図21及び図22に示すように、行方向に隣接するフォトダイオード5PD11,5PD12間を列方向に延伸する。
【0225】
信号線5SIGは、第1の実施の形態の信号線SIGと同様に、第1配線層の配線5SIGaと第2配線層の配線5SIGbとからなる。
配線5SIGaは、図21に示すように、「I」状をしている。つまり、第1の実施の形態の信号線SIGの配線SIGaと同じ形状をしている。配線5SIGaは、行方向に隣接するフォトダイオード5PD間、例えば、1行目のフォトダイオード5PD11とフォトダイオード5PD12との間に配置されている。
【0226】
配線5SIGbは、図22に示すように、行列方向に配された複数のフォトダイオード5PDの列間であって、列方向に隣接するフォトダイオード5PD1kとフォトダイオード5PD2kとの間を直線状に跨ぐように配されている。
【0227】
配線5SIGaと配線5SIGbとは、例えば、ビアを介して接続され、列方向に隣接するフォトダイオード5PDの行間で、第1配線層と第2配線層と入れ替わる。
(5)第2電源線(5VDD2)
第2電源線5VDD2は、図22に示すように、行方向に隣接するフォトダイオード5PD11とフォトダイオード5PD12との間を列方向に延伸する。つまり、第2電源線5Vdd2は、信号線5SIGと対をなしてフォトダイオード5PD間を列方向に延伸する。
【0228】
第2電源線5VDD2は、図21及び図22に示すように、第2配線層にのみに配置された配線5VDD2bを有する。配線5VDD2bは、図22に示すように、フォトダイオード5PDの中央領域が行方向に隣接するフォトダイオード5PD間の略中央にまで張り出している。
(6)まとめ
以上の構成により、単位セルを2画素で構成しても、4画素で単位セルを構成している第1の実施の形態と同様に、行方向に隣接するフォトダイオードの中央を通り行方向に延伸する仮想面での断面において第1配線層に配線1本、第2配線層に配線1本をそれぞれ配置し、列方向に隣接するフォトダイオードの中央を通り列方向に延伸する仮想面での断面において第1配線層に配線1本、第2配線層に配線1本をそれぞれ配置できる。
<変形例>
1.単位セル
上記第1〜4の実施の形態では1つの単位セルに対しフォトダイオードが4個配置された4画素1セル構造を一例とし、第5の実施の形態では1つの単位セルに対してフォトダイオードが2つ配置された2画素1セル構造を一例として適用したが、本発明はこれに限定を受けるものではなく、複数画素から単位セルを構成する構造であれば適用できる。
【0229】
例えば、1つの単位セルに対し6つのフォトダイオードと6つの転送トランジスタを有した6画素1セル構造を採用することもできる。
2.増幅トランジスタ
第1〜第4の実施の形態では、増幅トランジスタを2個用いて並列構成にしたが、単体構成にすることもでき、単体構成にしても同様の配線効果が得られる。
3.ダミー
実施の形態では、半導体基板のレイアウトを、規則性を持たせたり、単位セル内で上下対称な構成にしたり、各行及び各列の配線の構成を似たようにしたりしている。つまり、レイアウトのばらつきを少なくするためにフォトダイオードからみた形状を合わせようにしている。このため、ダミーの配線や、ダミーのコンタクトを配置している。しかしながら、これらのダミーは必ずしも必要なものではない。
4.グランド線
第1〜第4の実施の形態では、列方向配線群にグランド線を含んでいたが、第5の実施の形態で説明したように、周辺回路から基板電位を取ることもでき、第1〜第4の実施の形態においても、基板電位を周辺回路から取るようにしても良い。
【0230】
この場合、グランド線(VSS)のところに例えば第3電源線(VDD3等)を配置しても良い。第3電源線(VDD3)の配置により、行方向の電源線を補強することができる。さらには、列方向の第3電源線(VDD3)と信号線(SIG)とが行方向に隣接するフォトダイオード(PD)間に配することとなり、行方向の配線数を削減することができる。
5.配線形状
実施の形態では、各方向配線群に含まれる配線の形状を同じようにしている。例えば、第1の実施の形態では、第1電源線VDD1の配線VDD1a、転送制御信号線T1,T2,T3,T4の配線T1a,T2a,T3a,T4a、第2電源線VDD2の配線VDD2a、リセット信号線Rxの配線Rxaが、同じような形状をしている。
【0231】
ここでいう「同じような形状」とは、対象とする配線を重ねた際に、一方の配線が他方の配線に50[%]以上重なるような形状をいう。例えば、第1電源線VDD1の配線VDD1aと、転送制御信号線T1の配線T1aとを比較する場合、これらの配線を重ねると、転送制御信号線T1の配線T1aのほとんどの部分が第1電源線VDD1の配線VDD1aに重なり、転送制御信号線T1の配線T1aは、第1電源線VDD1の配線VDD1と同じような形状をしていると言える。
6.導波路
上記の実施の形態では、フォトダイオード上に、配線層の屈折率よりも高い材料で構成された導波路が設けられていたが、固体撮像装置は導波路を有しない構造であっても良い。
【0232】
また、第2の実施の形態では、行方向の断面(図9)及び列方向の断面(図10)における導波路207が、半導体基板203側からカラーフィルタ209側に近づくに従って幅が大きく(太く)なり、第3の実施の形態では、行方向の断面(図13)における導波路307が、半導体基板303側からカラーフィルタ309側に近づくに従って幅が大きく(太く)なっている。これは、第1配線層に2本の配線がある場合、配線が1本ある場合よりも配線のためのスペース(幅)が必要となる。これにより、第1配線層の導波路の幅が狭くなり、フォトダイオードへの集光性が低下するのを防止するために、第1配線層に配線がある場合に導光体の幅を細くしている。
【0233】
なお、フォトダイオードへの集光性を考慮する場合、第1配線層の配線が1本であっても導波路の幅を、カラーフィルタ側からフォトダイオード側に近づくに従って細くしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0234】
本発明は、ディジタルスチルカメラなどの撮像デバイスとして、高S/Nな画像が要求される固体撮像装置を実現するのに有用である。
【符号の説明】
【0235】
101 固体撮像装置
103 半導体基板
105 配線層
105a 第1配線層
105b 第2配線層
PD フォトダイオード
TG 転送トランジスタ
SF 増幅トランジスタ
RS リセットトランジスタ
T 転送制御信号線
VDD 電源線
SIG 信号線
Rx リセット信号線
VSS グランド線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
行列方向に配置された複数の画素を備える撮像領域と、当該撮像領域周辺に周辺回路を備える周辺回路領域とを有する半導体基板と、
前記撮像領域の上方に配され且つ前記画素と前記周辺回路とを接続するための配線層とを備え、
前記配線層は、前記半導体基板側から、第1配線層と第2配線層とをこの順で備え、
前記第1配線層には、第1の方向に隣接する画素間を前記第1の方向と直交する第2の方向に延伸する2本の配線が配置され、
前記第2配線層には、前記第2の方向に隣接する画素間を前記第1の方向に延伸する2本の配線が配置され、
前記第2配線層の2本の配線のうち少なくとも1本は、前記第1の方向に隣接する画素の中央領域で第1配線層に入り込んでいる
ことを特徴とする固体撮像装置。
【請求項2】
前記第1の方向は前記列方向であり、前記第2の方向は行方向であり、
前記第2配線層の2本の配線のうち1本が、前記第1の方向に隣接する画素の中央領域で前記第1配線層に入り込でいる
ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記第1の配線層の2本の配線のうち1本が、前記第2の方向に隣接する画素の中央領域で前記第2の配線層に入り込んでいる
ことを特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記第1の方向は前記列方向であり、前記第2の方向は行方向であり、
前記第2配線層の2本が、前記第1の方向に隣接する画素の中央領域で前記第1配線層に入り込でいる
ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記第1の配線層の2本の配線のうち1本が、前記第2の方向に隣接する画素の中央領域で前記第2の配線層に入り込でいる
ことを特徴とする請求項4に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記撮像領域には、
前記複数の画素のそれぞれに設けられたフォトダイオード及び転送トランジスタと、
少なくとも2つの前記転送トランジスタのドレインに接続されたフローティングディフュージョンと、
前記フローティングディフュージョンにソースが接続されているリセットトランジスタと、
前記フローティングディフュージョンにゲートが接続されている増幅トランジスタと
が形成され、
前記第2の方向に延伸する2本の配線には、前記転送トランジスタのゲートに接続された転送制御信号線を含み、
当該転送制御信号線は、前記第1配線層と前記第2配線層との間を周期的に入れ替わり、
前記第2配線層の2本の配線のうち残りの1本は、前記第1の方向に隣接する画素の中央領域で前記第2方向に隣接する画素のフォトダイオード間の中央に位置する
ことを特徴とする請求項2又は4に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記撮像領域には、
前記複数の画素のそれぞれに設けられたフォトダイオード及び転送トランジスタと、
少なくとも2つの前記転送トランジスタのドレインに接続されたフローティングディフュージョンと、
前記フローティングディフュージョンにソースが接続されているリセットトランジスタと、
前記フローティングディフュージョンにゲートが接続されている増幅トランジスタと
が形成され、
前記第2配線層の前記第1配線層に入り込でいる2本の配線には、前記増幅トランジスタのソースに接続された信号線が含まれ、当該信号線は前記増幅トランジスタのゲートを含むポリシリコン上に位置する
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記撮像領域には、
前記複数の画素のそれぞれに設けられたフォトダイオード及び転送トランジスタと、
少なくとも2つの前記転送トランジスタのドレインに接続されたフローティングディフュージョンと、
前記フローティングディフュージョンにソースが接続されているリセットトランジスタと、
前記フローティングディフュージョンにゲートが接続されている増幅トランジスタと
が形成され、
前記フォトダイオードの上方であって前記配線層に形成された光導波路を備え、
前記光導波路は、前記配線層を構成する絶縁膜よりも屈折率が高い材料により構成されており、その横断面において、前記半導体基板から離れるに従って前記第2の方向の長さが大きくなる
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記撮像領域には、
前記複数の画素のそれぞれに設けられたフォトダイオード及び転送トランジスタと、
少なくとも2つの前記転送トランジスタのドレインに接続されたフローティングディフュージョンと、
前記フローティングディフュージョンにソースが接続されているリセットトランジスタと、
前記フローティングディフュージョンにゲートが接続されている増幅トランジスタと
が形成され、
前記フォトダイオードの上方であって前記配線層に形成された光導波路を備え、
前記光導波路は、前記配線層を構成する絶縁膜よりも屈折率が高い材料により構成されており、その横断面において、前記半導体基板から離れるに従って前記第1の方向の長さが大きくなる
ことを特徴とする請求項2又は4に記載の固体撮像装置。
【請求項10】
前記第1配線層に配置された前記第2の方向に延伸する2本の配線には、前記増幅トランジスタのドレインに接続された第1電源線を含み、
前記第2配線層に配置された前記第1の方向に延伸する2本の配線には、前記第1電源線に接続された第2電源線を含む
ことを特徴とする請求項6〜9の何れか1項に記載の固体撮像装置。
【請求項11】
前記第1配線層に配置された前記第2の方向に延伸する2本の配線には、前記リセットトランジスタのドレインに接続されたリセット配線を含み、
前記リセット信号線が前記第2電源線に接続されている
ことを特徴とする請求項10に記載の固体撮像装置。
【請求項12】
前記フォローティングディフュージョンは、少なくとも4つの転送トランジスタのドレインに接続され、
前記半導体基板はコンタクトを備え、
前記第2配線層に配置された前記第1の方向に延伸する2本の配線には、前記コンタクトと接続されたコンタクト配線を含む
ことを特徴とする請求項6〜11の何れか1項に記載の固体撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−199301(P2012−199301A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61130(P2011−61130)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】