説明

固体装置、有機エレクトロルミネッセンス装置、およびそれらの製造方法

【課題】端部同士が接続された複数の薄膜パターンを形成した際、その上方に大きな段差を発生させることのない固体装置、有機EL装置、およびそれらの製造方法を提供すること。
【解決手段】トップエミッションタイプの有機EL装置100の補助配線層84を形成するにあたっては、第1マスク蒸着工程において、補助配線層84を形成するための第1薄膜パターン84aを形成した後、第2マスク蒸着工程において、補助配線層84を形成するための第2薄膜パターン84bを端部841a、841b同士が平面視で重なるように蒸着し、第1薄膜パターン84aと第2薄膜パターン84bとが繋げる。第1薄膜パターン84aおよび第2薄膜パターン84bは、端部841aに向けて膜厚が漸減しているため、端部841a、841b同士の重なり部分84eに大きな段差が発生しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に複数の薄膜パターンを備えた固体装置、有機エレクトロルミネッセンス装置(以下、有機EL装置という)、およびそれらの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種半導体装置や電気光学装置の製造工程では、蒸着パターンに対応するマスク開口部を備えた蒸着用マスク部材を被処理基板に重ね、この状態で真空蒸着法、スパッタ蒸着、イオンプレーティングなどの蒸着を行うことがある。例えば、電気光学装置としての有機EL装置の製造工程において、発光素子用の有機EL材料(有機機能層)や、陰極層に対する補助配線層を所定形状に形成する際にフォトリソグラフィ技術を利用すると、パターニング用のレジストマスクをエッチング液や酸素プラズマなどで除去する際に有機機能材料などが水分や酸素に触れて劣化するおそれがあるため、レジストマスクを必要としないマスク蒸着法を用いて有機機能層を形成することが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
このようなマスク蒸着法を用いて、例えば、図10(a)、(b)に示すように、端部同士が接続された複数の薄膜パターンによって補助配線層84を形成する場合、第1薄膜パターン84aを形成した後、第1薄膜パターン84aの端部841aに平面視で端部841bが重なるように第2薄膜パターン84bを形成する。その際、蒸着用マスク部材として、薄い金属蒸着用マスク部材を用いれば、図10(b)に示すように、長手方向において膜厚が等しい第1薄膜パターン84aおよび第2薄膜パターン84bによって補助配線層84が形成されることになる。
【特許文献1】特開2005−276480号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図10(a)、(b)に示すように、長手方向において膜厚が等しい第1薄膜パターン84aおよび第2薄膜パターン84bによって補助配線層84を形成すると、端部841a、841bの重なり部分84eに大きな段差が発生してしまうという問題点がある。このような段差は、例えば、補助配線層84の上層に封止膜65を形成した際に封止膜65に途切れ部分を発生させて封止性能を低下させる原因となるため、好ましくない。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、端部同士が接続された複数の薄膜パターンを形成した際、その上方に大きな段差を発生させることのない固体装置、有機EL装置、およびそれらの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では、端部同士が接続された複数の薄膜パターンが基板上に形成された固体装置において、前記複数の薄膜パターンは、長手方向の端部に向けて膜厚が漸減している端部同士が平面視で重なって繋がっていることを特徴とする。
【0007】
本発明では、成膜パターンに対応するマスク開口部を備えた蒸着用マスク部材を基板に重ねた状態で蒸着するマスク蒸着を繰り返して、長手方向の端部同士が接続された複数の薄膜パターンを前記基板上に備えた固体装置の製造方法において、前記複数の薄膜パターンのうち、第1薄膜パターンを長手方向の端部に向けて膜厚が漸減するように蒸着する第1マスク蒸着工程と、前記複数の薄膜パターンのうち、第2薄膜パターンを、長手方向の端部に向けて膜厚が漸減し、かつ、当該第2薄膜パターンの端部が前記第1薄膜パターンの端部に平面視で重なるように蒸着して前記第1薄膜パターンと前記第2薄膜パターンとを繋げる第2マスク蒸着工程と、を有していることを特徴とする。
【0008】
本発明では、複数の薄膜パターンが、端部同士が平面視で重なって繋がっているが、かかる薄膜パターンでは、長手方向の端部に向かって巻厚が漸減しているため、端部同士の重なり部分に、大きな段差が発生しない。このため、薄膜パターンの上にさらに薄膜を形成した際、薄膜パターンの端部同士の重なり部分に大きな段差がないので、薄膜に途切れ部分などが発生しない。
【0009】
本発明において、前記第1マスク蒸着工程および前記第2マスク蒸着工程のいずれにおいても、前記蒸着用マスク部材として、前記マスク開口部が形成されている領域の厚さが当該マスク開口部の長手方向の端部に向けて漸増するマスクを用いる。このように構成すると、複雑な蒸着条件や特殊な成膜装置を用いなくても、長手方向の端部に向けて膜厚が漸減する薄膜パターンを形成することができる。
【0010】
本発明を適用した固体装置は、例えば、有機EL装置に用いられ、かかる有機EL装置において、前記複数の薄膜パターンは、前記基板上で有機EL素子を構成する薄膜、あるいは前記基板上に形成された配線として利用される。
【0011】
かかる蒸着用マスク部材は、例えば、単結晶シリコン基板の表面側における前記マスク開口部の形成予定領域、および前記単結晶シリコン基板の裏面側において前記マスク開口部の形成予定領域を含む領域が開孔するエッチングマスクを形成した状態で前記単結晶シリコン基板に対して結晶方位異方性エッチングを行なって前記マスク開口部を形成することにより得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態として、本発明に係る固体装置および固体装置の製造方法(薄膜パターン形成方法を、有機EL装置およびその製造方法に適用した例を説明する。以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、以下の説明では、図10を参照して説明した構成との対応が分りやすいように、可能な限り、対応する部分には同一の符号を付して説明する。
【0013】
(有機EL装置(固体装置)の構成)
図1は、本発明が適用される有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図である。図1に示す有機EL装置100において、第1基板10上には、複数の走査線3aと、走査線3aに対して交差する方向に延びる複数のデータ線6aと、走査線3aに対して並列して延在する複数の電源線3eとを有している。また、第1基板10において、矩形形状の画素領域10aには複数の画素100aがマトリクス状に配列されている。データ線6aにはデータ線駆動回路101が接続され、走査線3aには走査線駆動回路104が接続されている。画素領域10aの各々には、走査線3aを介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用の薄膜トランジスタ30bと、このスイッチング用の薄膜トランジスタ30bを介してデータ線6aから供給される画素信号を保持する保持容量70と、保持容量70によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用の薄膜トランジスタ30cと、この薄膜トランジスタ30cを介して電源線3eに電気的に接続したときに電源線3eから駆動電流が流れ込む第1電極層81(陽極層)と、この第1電極層81と陰極層との間に有機機能層が挟まれた有機EL素子80とが構成されている。
【0014】
かかる構成によれば、走査線3aが駆動されてスイッチング用の薄膜トランジスタ30bがオンになると、そのときのデータ線6aの電位が保持容量70に保持され、保持容量70が保持する電荷に応じて、駆動用の薄膜トランジスタ30cのオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用の薄膜トランジスタ30cのチャネルを介して、電源線3eから第1電極層81に電流が流れ、さらに有機機能層を介して対極層に電流が流れる。その結果、有機EL素子80は、これを流れる電流量に応じて発光する。
【0015】
このように構成した有機EL装置100において、複数の画素100aは各々、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に対応し、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3つの画素100aによって1つのピクセルを構成している。
【0016】
なお、図1に示す構成では、電源線3eは走査線3aと並列していたが、電源線3eがデータ線6aに並列している構成を採用してもよい。また、図1に示す構成では、電源線3eを利用して保持容量70を構成していたが、電源線3eとは別に容量線を形成し、かかる容量線によって保持容量70を構成してもよい。
【0017】
(有機EL装置(固体装置)の具体的構成)
図2(a)、(b)は各々、本発明が適用される有機EL装置の平面的な構成を各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのJ−J′断面図である。図2(a)、(b)において、本形態の有機EL装置100では、素子基板としての第1基板10と、封止基板としての透光性基板20dを備えた第2基板20とがシール材層92によって貼り合わされており、かかるシール材層92の形成領域は、図2(a)にドットが粗に付された領域として表してある。第1基板10において、画素領域10aの外側の領域には、図1を参照して説明したデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104、およびITO膜からなる端子102が形成されている。詳しくは後述するが、第1基板10の画素領域10aには、複数の有機EL素子80がマトリクス状に配列されており、かかる複数の有機EL素子80が各々、画素100aを構成している。また、有機EL素子80は各々、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の光を出射するように構成され、かかる色によって、画素100aが対応する色が規定されている。
【0018】
(有機EL素子の構成)
図3(a)、(b)、(c)、(d)は各々、本発明が適用される有機EL装置の断面構成を模式的に示す断面図、この有機EL装置に形成した補助配線層2本分の平面図、補助配線層の断面図、および補助配線層の別の構成例を示す平面図である。なお、図3には、有機EL素子として、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に対応する3つの有機EL素子のみを示してある。
【0019】
図3(a)に示すように、第1基板10は、石英ガラス基板や耐熱ガラス基板などのガラス基板からなる支持基板10dを備えている。支持基板10dの第1面10eおよび第2面10fのうち、第1面10eの側には、絶縁膜11、12、13、14、15が形成され、絶縁膜15の上層には有機EL素子80が形成されている。本形態において、絶縁膜11、12、13、15は、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などから形成され、絶縁膜14は、厚さが1.5〜2.0μmの厚い感光性樹脂からなる平坦化膜として形成されている。絶縁膜11は下地絶縁層であり、図示を省略するが、絶縁膜11、12、13、14の層間などを利用して、図1を参照して説明した薄膜トランジスタ30b、30c、保持容量70、各種配線や各駆動回路が形成されている。また、絶縁膜12、13、14、15に形成されたコンタクトホールを利用して、異なる層間に形成された導電膜同士の電気的な接続が行なわれている。
【0020】
本形態の有機EL装置100は、トップエミッション型であり、矢印L1で示すように、支持基板10dからみて有機EL素子80が形成されている側から光を取り出すので、支持基板10dとしては、ガラス基板の他、アルミナなどのセラミックス、ステンレススチールなどといった不透明な基板を用いることができる。また、絶縁膜13、14の層間には、アルミニウム、銀、それらの合金からなる光反射層41が形成されており、有機EL素子80から支持基板10dに向けて出射された光を光反射層41で反射することにより、光を出射可能である。なお、有機EL装置100をボトムエミッション型で構成した場合、支持基板10dの側から光を取り出すので、支持基板10dとしては、ガラス基板などの透明基板が用いられる。
【0021】
また、第1基板10では、絶縁膜15の上層にITO膜などからなる第1電極層81(陽極/画素電極)が島状に形成されており、第1電極層81の上層には、発光領域を規定するための開口部を備えた感光性樹脂などからなる厚い隔壁51が形成されている。
【0022】
第1電極層81の上層には、有機機能層82および第2電極層83(陰極)が積層されており、第1電極層81、有機機能層82および第2電極層83によって、有機EL素子80が形成されている。また、隔壁51の上面において、第2電極層83の上層には補助配線層84が形成されており、かかる補助配線層84は、第2電極層83に接することにより、第2電極層83の電気的抵抗を低減するとともに、第2電極層83の電気的抵抗の場所によるばらつきを緩和している。本形態において、有機機能層82は画素毎に形成され、第2電極層83は、画素領域10aの全面にわたって形成されている。
【0023】
有機機能層82は、トリアリールアミン(ATP)多量体からなる正孔注入層、TPD(トリフェニルジアミン)系正孔輸送層、アントラセン系ドーパントやルブレン系ドーパントを含むスチリルアミン系材料(ホスト)からなる発光層、アルミニウムキノリノール(Alq3)からなる電子注入層をこの順に積層した構造を有しており、その上層にMgAgなどの薄膜金属からなる第2電極層83が形成されている。また、有機機能層82と第2電極層83との間には、LiFからなる電子注入バッファ層が形成されることもある。これらの材料のうち、有機機能層82を構成する各層、および電子注入バッファ層は、加熱ボート(坩堝)を用いた真空蒸着法で順次形成することができる。また、第2電極層83などを構成する金属系材料については真空蒸着法により形成でき、第1電極層81を構成するITOなどの酸化物材料についてはECRプラズマスパッタ法やプラズマガン方式イオンプレーティング法、マグネトロンスパッタ法などの高密度プラズマ蒸着法により形成することができる。
【0024】
本形態の有機EL装置100において、陰極として用いた第2電極層83や、有機機能層82は、水分により劣化しやすく、かかる劣化は、電子注入効果の劣化を惹き起こし、ダークスポットと呼ばれる非発光部分を発生させてしまう。そこで、本形態では、透光性の第2基板20を封止基板として第1基板10と貼り合せた構成と、第1基板10に対して以下に説明する封止膜60を形成した構成とを併用する。
【0025】
まず、第1基板10には、第2電極層83の上層に画素領域10aよりも広い領域にわたって封止膜60が形成されている。かかる封止膜60として、本形態では、第2電極層83上に積層されたシリコン化合物層からなる第1膜61、この第1膜61上に積層された樹脂層からなる第2膜62、およびこの第2膜62上に積層されたシリコン化合物からなる第3膜63を備えた積層膜が用いられている。ここで、第1膜61および第3膜63は、高密度プラズマ源を用いた高密度プラズマ気相成長法、例えば、ブラズマガン方式イオンプレーティング、ECRプラズマスパッタなどを用いて蒸着されたシリコン窒化物(SiNx)やシリコン酸窒化物(SiOxy)などから構成されており、かかる薄膜は、低温で蒸着しても水分を確実に遮断する高密度ガスバリア層として機能する。また、第2膜62は、樹脂層から構成されており、隔壁51や配線などに起因する表面凹凸を平坦化して第1膜61および第3膜63にクラックが発生するのを防止する有機緩衝層として機能している。
【0026】
次に、本形態では、第1基板10と第2基板20との間には、画素領域10aよりも広い領域にわたって透光性のシール材層92が形成されており、かかるシール材層92によって、第1基板10と第2基板20とが貼り合わされている。シール材層92は、画素領域10a、および画素領域10aの近傍領域のみに形成されており、画素領域10aから離れた周辺領域10cには形成されていない。このようなシール材層92は、熱によって硬化するエポキシ系接着剤が用いられている。また、周辺領域10cには、周辺シール材層91が形成されており、かかる周辺シール材層91には、紫外線によって硬化するエポキシ材料が用いられている。周辺シール材層91を構成する樹脂材料は、シール材層92を構成する樹脂材料に比較して、未硬化状態での粘度が高い。従って、第1基板10および第2基板20の周辺領域10cに沿って未硬化の周辺シール材層91を塗布するとともに、その内側に未硬化のシール材層92を塗布した後、第1基板10と第2基板20とを重ね合わせれば、周辺シール材層91を基板間で展開させることができる。従って、その後、紫外線照射および加熱を行なえば、周辺シール材層91およびシール材層92を硬化させ、基板同士を貼り合せることができる。
【0027】
(補助配線層84の構成)
本形態の有機EL装置100において、補助配線層84は、図3(b)、(c)に示すように、隣接する画素領域100a(図1および図3(a)参照)の間で延在している。かかる補助配線層84を形成するにあたっては、後述するマスク蒸着を繰り返し、第1薄膜パターン84aを形成した後、第1薄膜パターン84aの端部841aに平面視で端部841bが重なるように第2薄膜パターン84bを形成して第1薄膜パターン84aと第2薄膜パターン84bとを長手方向に繋げる。補助配線層84については、アルミニウム、銀、モリブデン膜、チタン膜、タングステン膜、タンタル膜、クロム膜などの金属単体膜、あるいはそれらの積層膜などを用いることもできる。かかる補助配線層84については、定電位が印加されず、電極層83の全体としての電気的抵抗の低減およびばらつき解消の機能を担っている場合の他、直接、あるいは陰極配線を介して定電位が印加される場合もある。
【0028】
本形態では、補助配線層84に用いた第1薄膜パターン84aおよび第2薄膜パターン84bはいずれも、互いに逆方向に向く端部841a、842bのいずれにおいても、長手方向の端部に向かって膜厚が漸減している。このため、第1薄膜パターン84aの端部841aのうち、膜厚が薄い先端側には、第2薄膜パターン84bの端部842bのうち、膜厚が厚い中央側が平面視で重なり、第1薄膜パターン84aの端部841aのうち、膜厚が厚い中央側には、第2薄膜パターン84bの端部842bのうち、膜厚が薄い先端側が平面視で重なっている。このため、端部841a、841b同士の重なり部分84eに大きな段差が発生していない。
【0029】
なお、図3(b)に示す例では、第1薄膜パターン84aと第2薄膜パターン84bとが完全に同一線上に形成されているが、図3(d)に示すように、第1薄膜パターン84aと第2薄膜パターン84bとを幅方向でずらす場合があり、かかる場合でも本発明を適用することにより、補助配線層84(第1薄膜パターン84aおよび第2薄膜パターン84b)の上に大きな段差が発生することを防止することができる。
【0030】
(蒸着装置および蒸着用マスク部材の構成)
図4〜図6を参照して、本発明に係る有機EL装置100の補助配線層84(薄膜パターン)の形成に用いた蒸着装置および蒸着用マスク部材を説明する。図4(a)、(b)は、本発明に係る有機EL装置100の補助配線層84の形成に用いたマスク蒸着装置の概略構成図、および蒸着用マスク部材の斜視図である。図5は、図4に示す蒸着用マスク部材の説明図であり、図5(a)、(b)、(c)は各々、図4に示す蒸着用マスク部材の一部を拡大して示す説明図、この蒸着用マスク部材に用いたチップを被処理基板に重ねられる上面側からみたときの平面図、チップを下面側からみたときの底面図である。図6は、図4に示すチップの断面構成を示す説明図であり、図6(a)、(b)、(c)は各々、図5(b)のA1−A1′断面図、B1−B1′断面図、およびA2−A2′断面図である。
【0031】
図1〜図3を参照して説明した有機EL装置100を製造するには、第1基板10に対して蒸着工程、レジストマスクを用いてのパターニング工程などといった半導体プロセスを利用して各層が形成される。但し、有機機能層82(正孔注入層、発光層、電子注入層)などは水分や酸素により劣化しやすいため、有機機能層82を形成する際、さらには、補助配線層84を形成する際、レジストマスクを用いてのパターニング工程を行うと、レジストマスクをエッチング液や酸素プラズマなどで除去する際に有機機能層82などが水分や酸素により劣化してしまう。そこで、本形態では、補助配線層84を形成する際、以下に説明する蒸着用マスク部材を用いてのマスク蒸着法によって、第1基板10に所定形状の薄膜を形成し、レジストマスクを用いてのパターニング工程を行わない。なお、第1基板10を形成するにあたっては、単品サイズの基板に以下の工程を施す方法の他、第1基板10を多数取りできる大型基板に以下の工程を施した後、単品サイズの第1基板10に切断する方法が採用されるが、以下の説明では、サイズを問わず、第1基板10と称して説明する。
【0032】
図4(a)に示すマスク蒸着装置300では、蒸着室311内の下方位置に、第1基板10に向けて蒸着分子や蒸着原子などの蒸着粒子からなる蒸気流を供給する蒸着源312が配置されている。蒸着源312は、蒸着材料が装填された坩堝314と、坩堝314内の蒸着材料を加熱するための加熱装置313とを備えている。蒸着源312に対しては、その開口部を開閉するセルシャッタ315が構成されている。蒸着源312は、例えば、基板ホルダに保持された第1基板10および蒸着用マスク部材310の中心から外れた位置に配置されており、この場合、第1基板10および蒸着用マスク部材310を回転させながら蒸着を行う。
【0033】
図4(b)および図5(a)に示す蒸着用マスク部材310は、ベース基板をなす矩形の支持基板330に、チップ320を複数、取り付けた構成を有している。チップ320は単結晶シリコン基板からなり、各チップ320は各々、アライメントされて支持基板330に陽極接合や紫外線硬化型接着剤などにより接合されている。
【0034】
チップ320には、成膜パターンに対応する長孔形状のマスク開口部322が複数一定間隔で平行に並列した状態で形成されており、マスク開口部322の各間には梁部327が形成されている。また、チップ320において、マスク開口部322の形成領域の周りには外枠部が形成されており、かかる外枠部が支持基板330に接合されている。
【0035】
支持基板330には、長方形の貫通穴からなる複数の開口領域332が平行、かつ一定間隔で設けられており、複数のチップ320は、支持基板330の開口領域332を塞ぐように支持基板330上に固定されている。支持基板330には、アライメントマーク339が形成されており、アライメントマーク339は、蒸着用マスク部材310を使用して蒸着などを行うときに、蒸着用マスク部材310の位置合わせを行うためのものである。なお、チップ320の外枠部にアライメントマーク339を形成してもよい。支持基板330の構成材料は、チップ320の構成材料の熱膨張係数と同一又は近い熱膨張係数を有するものが好ましい。チップ320はシリコンであるので、シリコンの熱膨張係数と同等の熱膨張係数をもつ材料で支持基板330を構成する。このようにすることにより、支持基板330とチップ320との熱膨張量の違いによる「歪み」や「撓み」の発生を抑えることができる。本形態では、支持基板330としては、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス、石英ガラスなどからなる透明基板が用いられている。
【0036】
複数のチップ320の各々において、外枠部の下面にはアライメントマーク324が少なくとも2ヶ所形成されている。これらのアライメントマーク324と、複数の開口領域332の外周に一定間隔に形成されたアライメントマーク334とを重ね合わせることにより、支持基板330に対するチップ320の位置合わせを行うことができる。アライメントマーク324、334は、フォトリソグラフィ技術またはエッチングなどにより形成される。
【0037】
本形態において、チップ320は、面方位(110)を有する単結晶シリコン基板からなり、この単結晶シリコン基板にフォトリソグラフィ技術やエッチング技術などを用いて、貫通溝からなるマスク開口部322を形成することにより製造される。従って、マスク開口部322の側面部217a(梁部327の側面部327a)の面方位は(111)である。チップ320の裏面には大きな凹部329が形成されており、マスク開口部322は、凹部329の底部で開口している。このため、マスク開口部322が形成された領域では基板厚が薄く、斜め方向に進行する蒸着粒子もマスク開口部322を通過しやすくなっている。
【0038】
かかる蒸着用マスク部材310を用いて、第1基板10にマスク蒸着を行う場合には、まず、第1基板10の下面(被成膜面/第1基板10の両面のうち、有機EL素子80が形成されている側の面)に蒸着用マスク部材310を重ねる。その結果、第1基板10の下面には蒸着用マスク部材310のチップ320の上面(一方面)が当接する。この状態で真空蒸着を行うと、坩堝から供給された蒸着分子や蒸着原子は、チップ320のマスク開口部322を介して第1基板10の下面に所定パターンを形成するように堆積する。このようにして所定領域に成膜を行った後、蒸着用マスク部材310をずらしながら複数回、成膜することにより、被成膜領域全体にわたってストライプ状の薄膜パターンを形成する。
【0039】
図5(a)、(b)、(c)、および図6(a)、(b)に示すように、複数のチップ320の各々は、面方位(110)を有する単結晶シリコンウエハーから、所定形状で切り出すことにより形成される。各チップ320には、長穴形状の貫通穴からなるマスク開口部322が梁部327を間に挟んで複数、並列しており、梁部327の側面部327aは、面方位(111)を有している。本形態において、マスク開口部322のサイズは、例えば、開口幅d1が8μm、長手方向における長さd2が20mm、ピッチが100μmである。また、チップ320の裏面には、複数のマスク開口部322が形成されている領域を含む領域に大きな凹部329が形成されている。
【0040】
このように構成したチップ320は、図7を参照して説明する方法で製造される。その結果、図6(a)、(b)、(c)に示すように、梁部327の側面部327aの厚さ寸法は、マスク開口部322の長手方向において、その中央部分では薄いのに対して、端部に向けて厚くなっている。
【0041】
(蒸着用マスク部材310の製造方法)
図7は、図4に示すチップの製造方法を示す説明図であり、図7(a)、(b)は各々、チップを形成するためのシリコン基板の表面および裏面にエッチングマスクを形成した様子を示す平面図、および底面図であり、図7(c)〜(f)は各々、チップを形成するための工程断面図である。
【0042】
本形態の蒸着用マスク部材310を製造するにあたっては、まず、図7(c)に示すように、面方位(110)を有する単結晶シリコン基板320aの全面に熱酸化法により厚さが1μm程度の酸化膜320b(SiO膜)を形成し、単結晶シリコン基板320aの一方面320xおよび他方面320yを含めた全体を酸化膜320bで覆う。次に、図7(d)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて、一方面320xおよび他方面320yに形成された酸化膜320bをパターニングし、マスク開口部322および凹部329を形成すべき領域と重なる領域の酸化膜320bを除去し、シリコン酸化膜からなるエッチングマスク340を形成する。その結果、エッチングマスク340は、図7(b)に示すように、単結晶シリコン基板320aの下面において、図5および図6に示す凹部329を形成すべき領域と重なる領域に開孔部349を備えることになる。また、図7(a)に示すように、エッチングマスク340は、単結晶シリコン基板320aの上面において、図5および図6に示す複数のマスク開口部322を形成すべき領域と重なる領域に複数の長穴形状の開孔部342を備え、複数の開孔部342の各間には、梁部327を形成すべき梁部形成用マスク部347を備えている。
【0043】
次に、図7(e)に示すエッチング工程では、エッチングマスク340(酸化膜320b)をエッチングマスクにして、例えば、温度が80℃、濃度が35%の水酸化カリウム水溶液を用いて、エッチングマスク340の開孔部342、349(酸化膜320bの除去領域)から単結晶シリコン基板320aの一方面320xおよび他方面320yに対して結晶方位異方性エッチング(ウエットエッチング)を施す。その際、単結晶シリコン基板320aに対するエッチング速度と、酸化膜320bに対するエッチング速度の比は、概ね100:1である。また、単結晶シリコン基板320aでは、方位(111)の面がエッチングされず、露出することになる。従って、単結晶シリコン基板320aには、マスク開口部322、およびマスク開口部322の底部と連通する凹部329が形成され、マスク開口部322の間には梁部327が残る。その際、梁部327の側面部327aの厚さ寸法は、図6を参照して説明したように、マスク開口部322の長手方向において、その中央部分では薄いのに対して、端部に向けて厚くなる。
【0044】
しかる後には、図7(f)に示すように、緩衝ふっ酸を用いて、エッチングマスク340(酸化膜320b)を全て除去すると、図5および図6を参照して説明したチップ320が切り出される単結晶シリコン基板320aを得ることができ、かかる単結晶シリコン基板320aを切断すれば、チップ320を得ることができる。
【0045】
(薄膜パターンの形成方法)
図8(a)、(b)は各々、蒸着用マスク部材におけるマスク厚の説明図、およびマスク厚と成膜速度との関係を示すグラフである。
【0046】
図4〜図7を参照して説明したマスク蒸着装置300および蒸着用マスク部材310を用いてマスク蒸着を行なう際、蒸着用マスク部材310におけるマスク厚Lと蒸着速度とは、図8を参照して以下に説明する関係を有している。本形態の蒸着用マスク部材310において、マスク厚Lとは、図8(a)に示すように、梁部327において、マスク開口部322の側面部327aを構成する部分の厚さであり、図8(b)には、このように定義したマスク厚Lと、蒸着速度(規格化した膜厚=(実測膜厚/狙い膜厚×100)との関係を示してある。図8(b)に示すように、マスク厚Lが厚い場合には蒸着速度が遅い。
【0047】
また、本形態の蒸着用マスク部材310において、梁部327の側面部327aの厚さ寸法は、図6を参照して説明したように、マスク開口部322の長手方向において、その中央部分では薄いのに対して、端部に向けて厚くなっている。
【0048】
本形態では、かかる特徴を利用して、図3を参照して説明した補助配線層84を形成する。すなわち、図3(b)、(c)に示すように、まず、第1マスク蒸着工程において、補助配線層84を形成するための第1薄膜パターン84aを形成した後、第2マスク蒸着工程において、補助配線層84を形成するための第2薄膜パターン84bを端部841a、841b同士が平面視で重なるように蒸着し、第1薄膜パターン84aと第2薄膜パターン84bとが繋げることにより、補助配線層84を形成する。
【0049】
ここで、第1薄膜パターン84aは、長手方向の端部841aに向けて膜厚が漸減し、第2薄膜パターン84bも、長手方向の端部841bに向けて膜厚が漸減している。このため、第1薄膜パターン84aの端部841aのうち、膜厚が薄い先端側には、第2薄膜パターン84bの端部842bのうち、膜厚が厚い中央側が平面視で重なり、第1薄膜パターン84aの端部841aのうち、膜厚が厚い中央側には、第2薄膜パターン84bの端部842bのうち、膜厚が薄い先端側が平面視で重なっている。従って、第1薄膜パターン84aと第2薄膜パターン84bとを長手方向に繋げて補助配線層84を形成しても、端部841a、841b同士の重なり部分84eに大きな段差が発生しない。それ故、補助配線層84(第1薄膜パターン84aおよび第2薄膜パターン84b)の上にさらに封止用の第1膜61を形成した際、第1膜61に途切れ部分が発生しないので、有機EL装置100の信頼性を向上することができる。
【0050】
[その他の実施の形態]
本発明の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記形態では、単結晶シリコン基板にマスク開口部322を形成した蒸着用マスク部材310を用いれ例を説明したが、その他のシリコン基板、さらにはシリコン以外の基板にマスク開口部322を形成した蒸着用マスク部材310を用いてもよい。
【0051】
上記形態については、真空蒸着法を例に説明したが、スパッタ成膜法やイオンプレーティング法などの蒸着法などを用いる場合に本発明を適用してもよい。また、イオンプレーティング法についてはプラズマを利用したプラズマコーティングが提案されており、かかる蒸着法を採用する場合に本発明を適用してもよい。
【0052】
上記形態では、補助配線層84の形成に本発明を適用した例を説明したが、有機機能層82をストライプ状に形成する場合に本発明を適用してもよい。
【0053】
上記実施の形態では、本発明を適用した有機EL装置100としてトップエミッション型の有機EL装置を説明したが、ボトムエミッション型の有機EL装置に本発明を適用してもよい。
【0054】
[電子機器への搭載例]
次に、上述した実施形態に係る有機EL装置100を適用した電子機器について説明する。図9(a)に、有機EL装置100を備えたモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す。パーソナルコンピュータ2000は、表示ユニットとしての有機EL装置100と本体部2010を備える。本体部2010には、電源スイッチ2001及びキーボード2002が設けられている。図9(b)に、有機EL装置100を備えた携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001及びスクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての有機EL装置100を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、有機EL装置100に表示される画面がスクロールされる。図9(c)に、有機EL装置100を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001及び電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての有機EL装置100を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が有機EL装置100に表示される。
【0055】
なお、有機EL装置100が適用される電子機器としては、図9に示すものの他、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、前述した有機EL装置100が適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明が適用される有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
【図2】(a)、(b)は各々、本発明が適用される有機EL装置の平面的な構成を各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのJ−J′断面図である。
【図3】(a)、(b)、(c)、(d)は各々、本発明が適用される有機EL装置の断面構成を模式的に示す断面図、この有機EL装置に形成した補助配線層2本分の平面図、補助配線層の断面図、および補助配線層の別の構成例を示す平面図である。
【図4】(a)、(b)は、本発明に係る有機EL装置の補助配線層の形成に用いたマスク蒸着装置の概略構成図、および蒸着用マスク部材の斜視図である。
【図5】図4に示す蒸着用マスク部材の説明図である。
【図6】図4に示すチップの断面構成を示す説明図である。
【図7】図4に示すチップの製造方法を示す説明図である。
【図8】(a)、(b)は各々、蒸着用マスク部材におけるマスク厚の説明図、およびマスク厚と成膜速度との関係を示すグラフである。
【図9】本発明に係る電気光学装置を用いた電子機器の説明図である。
【図10】従来の補助配線層の説明図である。
【符号の説明】
【0057】
10・・第1基板、80・・有機EL素子、84・・補助配線層、84a・・第1薄膜パターン、84b・・第2薄膜パターン、84e・・薄膜パターンの重なり部分、100・・有機EL装置(固体装置)、841a、841b・・薄膜パターンの端部、310・・蒸着用マスク部材、320・・チップ、322・・マスク開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部同士が接続された複数の薄膜パターンが基板上に形成された固体装置において、
前記複数の薄膜パターンは、長手方向の端部に向けて膜厚が漸減している端部同士が平面視で重なって繋がっていることを特徴とする固体装置。
【請求項2】
請求項1に規定する固体装置を備えた有機エレクトロルミネッセンス装置であって、
前記複数の薄膜パターンは、前記基板上で有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する薄膜、あるいは前記基板上に形成された配線であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項3】
成膜パターンに対応するマスク開口部を備えた蒸着用マスク部材を基板に重ねた状態で蒸着するマスク蒸着を繰り返して、端部同士が接続された複数の薄膜パターンを前記基板上に備えた固体装置の製造方法において、
前記複数の薄膜パターンのうち、第1薄膜パターンを長手方向の端部に向けて膜厚が漸減するように蒸着する第1マスク蒸着工程と、
前記複数の薄膜パターンのうち、第2薄膜パターンを、長手方向の端部に向けて膜厚が漸減し、かつ、当該第2薄膜パターンの端部が前記第1薄膜パターンの端部に平面視で重なるように蒸着して前記第1薄膜パターンと前記第2薄膜パターンとを繋げる第2マスク蒸着工程と、
を有していることを特徴とする固体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1マスク蒸着工程および前記第2マスク蒸着工程のいずれにおいても、前記蒸着用マスク部材として、前記マスク開口部の側面部の厚さが当該マスク開口部の長手方向の端部に向けて漸増するマスクを用いることを特徴とする請求項3に記載の固体装置の製造方法。
【請求項5】
前記蒸着用マスク部材は、単結晶シリコン基板の表面側における前記マスク開口部の形成予定領域、および前記単結晶シリコン基板の裏面側において前記マスク開口部の形成予定領域を含む領域が開孔するエッチングマスクを形成した状態で前記単結晶シリコン基板に対して結晶方位異方性エッチングを行なって前記マスク開口部を形成してなることを特徴とする請求項4に記載の固体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項3乃至5の何れか一項に規定する固体装置の製造方法を用いた有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法であって、
前記複数の薄膜パターンは、前記基板上で有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する薄膜、あるいは前記基板上に形成された配線であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−259510(P2009−259510A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−105410(P2008−105410)
【出願日】平成20年4月15日(2008.4.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】