説明

固形製剤包装装置

【課題】病院や調剤薬局等に設置され、処方箋により指定された固形製剤を包装紙に充填するための固形製剤包装装置において、固形製剤収容部、搬送機構、及び固形製剤包装機構の点検、修理がし易い構成にすると共に、各回路基板に対する配線及び電源装置に対する配線の組み込み、点検、修理、交換がし易い技術を提供する。
【解決手段】固形製剤収容部、搬送機構部及び固形製剤包装機構部がそれぞれ独自に前後方向に引き出し押し戻し可能に本体内に収容され、中央処理装置用回路基板を固形製剤包装装置の内部に配置するために、固形製剤包装装置の最下部に電装部品室を設け、そこに中央処理装置用回路基板と電源装置を収容し、中央処理装置用回路基板及び電源装置に係る固形製剤収容部、搬送機構部及び固形製剤包装機構部の配線が通るように、本体に対する搬送機構部の引き出し及び押し戻し動作に伴って連続屈曲するフレキシブル配線カバーが電装部品室と固形製剤包装機構部とに亘って取付けられた構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院や調剤薬局等に設置され、処方箋により指定された固形製剤(以下、固形製剤とは錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤などの固形化された全ての製剤を云うものとする。)を包装紙や瓶などに充填するための固形製剤包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院等においては、患者ごとに医師により処方された複数種の錠剤やカプセル剤(これらを固形製剤という)を、一服分(1回の服用分)毎に分包して患者に提供するための固形製剤包装装置がある(特許文献1参照)。
【0003】
この固形製剤包装装置1は、固形製剤を種類ごとに収容できるように上下方向に細長い角柱状のタブレットケース6が、多数併設配置された固形製剤収容部3が上部に配置され、各タブレットケース6の下部には収容した固形製剤の排出及びカウント機能を有する排出カウント装置を備えている。固形製剤収容部3の下方には、ホッパとコンベアから構成された搬送機構10が配置され、搬送機構10は、タブレットケース6から排出される固形製剤を受けると共に、固形製剤を一箇所へ集めるように下ホッパ部材が形成する充填口へ導く。搬送機構10の下方には、下ホッパ部材の充填口へ集められた固形製剤を一服分(1回の服用分)ごとに分割包装(分包という)する固形製剤包装機構14が配置されている。
【0004】
この固形製剤包装装置1において、各種の固形製剤が種類ごとにタブレットケース6に収容されている状態において、作業者は、固形製剤包装装置1に電気的に接続されたパーソナルコンピュータ等のインプット装置を用いて処方箋に基づき処方データを入力し、固形製剤包装装置1をスタートさせることにより、固形製剤包装装置1の制御装置が動作して、所定のタブレットケース6の排出カウント装置が動作して、一服分(1回の服用分)の固形製剤が排出され、搬送機構10によって下ホッパ部材へ集められた固形製剤が固形製剤包装機構14へ導入される。固形製剤包装機構14では、順次搬送されてくる包装紙20をヒートシール機構によって、1回服用分ごとの小袋が形成され、下ホッパ部材へ集められた一服分(1回の服用分)の固形製剤が、この一つの小袋に収容され封止される関係にて、分包される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−118159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような動作を行なう固形製剤包装装置1において、一般的に小袋ごとに服用時期や患者名などの必要事項が印刷機構によって印刷される。このため、固形製剤包装装置1に組み込まれた制御装置は、前記インプット装置との情報授受を行なうと共に、固形製剤収容部3の排出カウント装置、搬送機構10のコンベア、固形製剤包装機構14の包装紙20の送り出し機構、ヒートシール機構及び印刷機構などの制御を行うための電子回路を形成した各種の電子回路基板を備えている。この電子回路基板は、主たるものとして、前記インプット装置との情報授受を行なうと共に固形製剤包装装置1の統括制御を担う中央処理装置用回路基板(CPU回路基板ともいう)、印刷機構用の印刷用回路基板などがある。また、これら回路基板への電力や、搬送機構10のコンベアのモータへの電力や、固形製剤包装機構14の包装紙20の送り出し機構のモータへの電力や、ヒートシール機構の駆動部やヒータへの電力等を供給する電源装置を備えている。
【0007】
この特許文献1の固形製剤包装装置1のように、本体内には、固形製剤収容部3が上部に配置され、固形製剤収容部3の下方に搬送機構10が配置され、搬送機構10の下方に固形製剤包装機構14が配置されている場合、タブレットケース6への固形製剤の投入のし易さを考慮して上段の固形製剤収容部3が前後方向に引き出し押し戻し可能であり、点検や修理を考慮して下段の搬送機構10と固形製剤包装機構14が同時に前後方向に引き出し押し戻し可能である。この場合、印刷用回路基板及び電源装置は、下段の固形製剤包装機構14の周辺部に収容されるが、前記中央処理装置用回路基板はかなり大きな平板であり且つ放熱を考慮して、固形製剤包装装置1の背壁の外側面に沿って縦方向に配置されている。
【0008】
このため、固形製剤収容部3、搬送機構10、及び固形製剤包装機構14の点検、修理がし難く、特に固形製剤包装装置における各回路基板に対する配線及び電源装置に対する配線の組み込み、点検、修理、交換がかなり面倒である。また、前記中央処理装置用回路基板は固形製剤包装装置1の背壁の外側面に沿って配置されるため、この回路基板へ人体が触れることの防止や塵埃付着防止などのために、この回路基板をカバーで覆う必要があり、その分でもコストアップである。
【0009】
本発明は、このような点に鑑み、固形製剤収容部、搬送機構、及び固形製剤包装機構の点検、修理がし易い構成にすると共に、各回路基板に対する配線及び電源装置に対する配線の組み込み、点検、修理、交換がし易い固形製剤包装装置を提供する。このため、本発明は、かなり大きな平板の中央処理装置用回路基板を固形製剤包装装置の内部に配置する構成とするために、固形製剤包装装置の最下部に電装部品室を設け、そこに中央処理装置用回路基板と電源装置を収容することにより、中央処理装置用回路基板と電源装置に対する配線の組み込み、点検、修理、交換がし易い技術を提供する。更に、固形製剤包装装置の最下部に電装部品室を設けることにより、固形製剤包装装置の重心が低くなり、固形製剤収容部、搬送機構、及び固形製剤包装機構が前後方向に引き出し押し戻し可能に構成される場合の転倒防止効果の向上を図ることができる技術を提供するものである。
【0010】
また、日本での適用電圧が100ボルト仕様の固形製剤包装装置を、100ボルトよりも高い外国等の地域(120ボルト地域等)で使用することができるようにするために、電源装置の一つの部品に変圧器が付加される。例えば、120ボルトを100ボルトに降圧する変圧器の重量は、略5〜6kgのものが採用されるため、この変圧器を電装部品室内の後部中央部に配置することにより、この重量を利用して、固形製剤収容部、搬送機構、及び固形製剤包装機構が前後方向に引き出し押し戻し可能に構成される場合の転倒防止効果が得られる技術を提供する。
【0011】
固形製剤収容部、搬送機構、及び固形製剤包装機構が前後方向に引き出し押し戻し可能に構成される場合、これらが引き出された場合や、固形製剤収容部のタブレットケースの個数が多くなれば、それによって固形製剤収容部が引き出された状態で、固形製剤包装装置のアンバランスが生じ易くなり、転倒の危険が憂慮される。このため、日本で使用するとき、専用のバランスウエイトを取付ける場合、このバランスウエイトは特別製であること、及び取付けフランジへの取付け孔加工等を伴うため、コストアップとなる。そこで、上記のような変圧器は、汎用のものが使用できるため比較的安価である点に着目し、低コストのバランスウエイトとするために、上記のように電圧が高い所定地域で使用可能とすることを予め予測し、生産する固形製剤包装装置に上記のような変圧器を組み込んでおき、その固形製剤包装装置を日本で使用する場合は、この変圧器を通さない配線とし、単なるバランスウエイトの作用をさせることにより、低コストで転倒防止効果を得、そして、この変圧器を使用する外国向けの場合は、その変圧器を組み込んだ固形製剤包装装置を輸出することにより、日本国内外への対応と転倒防止効果を低コスト化できる技術を提供するものである。
【0012】
また本発明は、固形製剤包装装置の最下部に電装部品室を新たに設け、そこに中央処理装置用基板と電源装置を収容する構成とする場合、固形製剤包装装置の高さを従来の固形製剤包装装置よりも高くして、中央処理装置用回路基板と電源装置に係る配線の組み込み、点検、修理、交換がし易い技術を提供する。更に、固形製剤包装装置の重心を低くして、固形製剤収容部、搬送機構、及び固形製剤包装機構が前後方向に引き出し押し戻し可能に構成される場合の転倒防止効果の向上を図ることができる技術を提供するものである。
【0013】
また本発明は、固形製剤包装装置の上面に特定固形製剤供給部を配置し、特定固形製剤供給部のバケット部へ上方から特定固形製剤を投入した状態で稼動させるようにする場合にも、固形製剤包装装置の高さを従来の固形製剤包装装置よりも高くして、バケット部へ上方から特定固形製剤を投入する作業がし易い状態を維持できる固形製剤包装装置を提供するものである。
【0014】
また本発明は、日本文字や英文字以外の国の文字を文字データとして取り扱う場合は、そのデータの作成と処理方法に多くのコストが掛かるため、これを解決するために、これらの文字で印刷する場合は、それをイメージとして扱って印刷するようにすると共に、その印刷制御に係る特定文字印刷用回路基板は最下部に電装部品室に配置することにより、その基板の取り付け及びその基板への配線のし易さを達成できる固形製剤包装装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1発明は、本体内には、固形製剤が種類毎にそれぞれ収納され収容した固形製剤を排出する排出機構を備えた複数のタブレットケースを併設した固形製剤収容部が上部に配置され、前記タブレットケースから排出される固形製剤を受け充填口へ集める搬送機構部が前記固形製剤収容部の下方に配置され、帯状包装紙に小袋を形成すると共にこの小袋ごとに前記充填口へ集められた固形製剤を収容し封止する固形製剤包装機構部が前記搬送機構部の下方に配置される固形製剤包装装置において、
前記固形製剤収容部、前記搬送機構部及び前記固形製剤包装機構部がそれぞれ独自に前後方向に引き出し押し戻し可能に前記本体内に収容されており、
前記固形製剤包装機構部に前記小袋に印刷する印刷機構部が配置され、
前記本体内には、前記固形製剤包装機構の下方に電装部品室を設け、
前記電装部品室には、前記固形製剤包装装置の統括制御を担う中央処理装置用回路基板(CPU回路基板ともいう)、並びに、前記固形製剤収容部、前記搬送機構部及び前記固形製剤包装機構部への電力供給のための電源装置が配置され、
前記中央処理装置用回路基板及び前記電源装置に係る前記固形製剤包装機構部の配線が通るように、前記本体に対する前記固形製剤包装機構部の引き出し及び押し戻し動作に伴って連続屈曲するフレキシブル配線カバーが前記電装部品室と前記固形製剤包装機構部とに亘って取付けられた構成である固形製剤包装装置。
【0016】
第2発明は、本体内には、固形製剤が種類毎にそれぞれ収納され収容した固形製剤を排出する排出機構を備えた複数のタブレットケースを併設した固形製剤収容部が上部に配置され、前記タブレットケースから排出される固形製剤を受け充填口へ集める搬送機構部が前記固形製剤収容部の下方に配置され、帯状包装紙に小袋を形成すると共にこの小袋ごとに前記充填口へ集められた固形製剤を収容し封止する固形製剤包装機構部が前記搬送機構部の下方に配置される固形製剤包装装置において、
前記固形製剤収容部、前記搬送機構部及び前記固形製剤包装機構部がそれぞれ独自に前後方向に引き出し押し戻し可能に前記本体内に収容されており、
前記固形製剤包装機構部には前記小袋に印刷する印刷機構部が配置され、
前記本体内には、前記固形製剤包装機構の下方に電装部品室を設け、
前記電装部品室には、前記固形製剤包装装置の統括制御を担う中央処理装置用回路基板(CPU回路基板ともいう)、並びに、前記固形製剤収容部、前記搬送機構部及び前記固形製剤包装機構部への電力供給のための電源装置が配置され、更に、前記印刷機構部がイメージデータに基づく印刷をするために必要なイメージ印刷用回路基板が配置され、
前記中央処理装置用回路基板、前記イメージ印刷用回路基板及び前記電源装置に係る前記固形製剤包装機構部の配線が通るように、前記本体に対する前記固形製剤包装機構部の引き出し及び押し戻し動作に伴って連続屈曲するフレキシブル配線カバーが前記電装部品室と前記固形製剤包装機構部とに亘って取付けられた構成である固形製剤包装装置。
【0017】
第3発明は、第1発明及び第2発明において、前記印刷機構部の印刷用回路基板が、前記固形製剤包装機構部に配置された構成である固形製剤包装装置。
【0018】
第4発明は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、前記電源装置の部品として降圧用変圧器を設け、前記変圧器を前記電装部品室の中央後部の重量バランス位置に取り付けた構成である固形製剤包装装置。
【0019】
第5発明は、第1発明乃至第4発明のいずれかにおいて、上面開口の複数のバケット部に収容した特定固形製剤を前記搬送機構部へ供給する特定固形製剤供給部が前記本体の上面前部に設けられ、
前記特定固形製剤供給部の後方の前記本体の上面領域に、前記中央処理装置用回路基板との間で情報授受を行なうパーソナルコンピュータ等のインプット装置の載置用平面を形成し、
前記バケット部を覆う平板状蓋を前記特定固形製剤供給部に載置且つ取り外し自在に設けた構成である固形製剤包装装置。
【発明の効果】
【0020】
第1発明では、固形製剤収容部、搬送機構、及び固形製剤包装機構が、それぞれ独自に前後方向に引き出し押し戻し可能に構成することができるため、これらの点検及び修理もし易くなる。また、固形製剤収容部、搬送機構、及び固形製剤包装機構が、それぞれ独自に前後方向に引き出し押し戻し可能であると共に、固形製剤包装装置の本体の最下部に電装部品室を設け、そこに中央処理装置用回路基板と電源装置を収容しているため、中央処理装置用回路基板を固形製剤包装装置の背壁の外側面に沿って配置する従来のものに比して、中央処理装置用回路基板が固形製剤包装装置の本体内にあるため、この回路基板へ人体が触れることの防止や塵埃付着防止などのために特別なカバーで覆う必要がなく、上記の従来のものに比して低コスト化が図れる。
また、本体の最下部に電装部品室を設け、そこに中央処理装置用回路基板と電源装置を収容することにより、従来のものに比して、中央処理装置用回路基板と電源装置に対する配線の組み込み、点検、修理、交換がし易い構成となる。更に、固形製剤包装装置の最下部に電装部品室を設けることにより、固形製剤包装装置の重心が低くなり、固形製剤収容部、搬送機構、及び固形製剤包装機構が前後方向に引き出し押し戻し可能に構成される場合の転倒防止効果の向上を図ることができるように構成できる。
また、固形製剤包装機構部の引き出し及び押し戻し動作に伴って連続して屈曲するフレキシブル配線カバーが、電装部品室と固形製剤包装機構部とに亘って取付けられた構成であるため、配線の保護をしつつ固形製剤包装機構部の引き出し及び押し戻し動作を円滑に行なえることは勿論のこと、最下部の電装部品室からその上方に配置した固形製剤包装機構部へ至る電気配線は、固形製剤包装機構部を引き出した状態でフレキシブル配線カバーの部分が目視確認できる状態となるため、その配線の点検、修理がし易いものとなる。
【0021】
第2発明は、電装部品室には、中央処理装置用回路基板及び電源装置の他に、印刷機構部がイメージデータに基づく印刷をするために必要なイメージ印刷用回路基板が配置されており、電装部品室と固形製剤包装機構部とに亘って取付けられたフレキシブル配線カバーには、中央処理装置用回路基板、イメージ印刷用回路基板及び電源装置に対する固形製剤収容部、搬送機構部及び固形製剤包装機構部の配線が通る構成である。これによって、電装部品室からイメージ印刷用回路基板に対する配線を含めて、上記第1発明と同様の効果を奏することができるものである。
【0022】
第3発明は、印刷機構部及び印刷用回路基板が、固形製剤包装機構部に併設されることにより、印刷機構部と印刷用回路基板とを接続する配線を短くすることができる。さらに、印刷用回路基板と中央処理装置用回路基板とはフレキシブル配線カバーを通じて配線することができるため、上記第1発明と同様の効果を奏することができるものである。
【0023】
第4発明は、日本での適用電圧が100ボルト仕様の固形製剤包装装置を、100ボルトよりも高い外国等の地域(120ボルト地域等)で使用することができるようにするためには、電源装置の一つの部品に変圧器が付加される。この場合、例えば、120ボルトを100ボルトに降圧する変圧器は汎用のものを採用でき、その重量は略5〜6kgである。このため、この変圧器を予め組み込んだ固形製剤包装装置を製造しておき、これを日本仕様とするか外国仕様とするかの選択ができるようにしておくことにより、コストアップとなる特別なバランスウエイトを取付ける必要がなく、好ましい転倒防止効果が得られる固形製剤包装装置とすることができる。
【0024】
第5発明に関し、本体の上面前部に特定固形製剤をバケット部に収容し前記搬送機構部へ供給する特定固形製剤供給部が設けられたものにおいて、バケット部に収容した特定固形製剤の情報を含めてパーソナルコンピュータ等のインプット装置を用いて中央処理装置用回路基板との間で情報授受を行なう場合、このインプット装置を固形製剤包装装置に隣接して設置したデスク等に載せて操作することは、そのデスクの場所が必要であると共に不便である。このため、このインプット装置を固形製剤包装装置の上に載せて操作するようにするために、特定固形製剤供給部の後方の本体の上面領域にインプット装置の載置用平面を形成する。一方、衛生管理等の関係から特定固形製剤供給部のバケット部を蓋で覆う必要があるが、従来のものはこの蓋が開閉式であるため、蓋を開いた状態では、その後方に載置したインプット装置が操作できない。第5発明では、バケット部を覆う平板状蓋を特定固形製剤供給部に載置且つ取り外し自在に設けたことにより、このような問題が一挙に解決され、インプット装置の操作がし易い固形製剤包装装置を提供できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る固形製剤包装装置の正面斜視図である。
【図2】本発明に係る固形製剤包装装置の各段の配置及び引き出し状態を説明する側面図である。
【図3】本発明に係る固形製剤包装装置のタブレットケースの引き出し状態を示す正面斜視図である。
【図4】本発明に係る固形製剤包装装置のタブレットケースの引き出し状態と特定固形製剤供給部の取り付けを説明する側面図である。
【図5】本発明に係る固形製剤包装装置のタブレットケースのユニット構成を示す上面図である。
【図6】本発明に係る固形製剤包装装置のタブレットケースのスライドレール部分と特定固形製剤供給部の取り付け部分を説明する正面図である。
【図7】本発明に係る固形製剤包装装置の特定固形製剤供給部の構成を示す分解斜視図である。
【図8】本発明に係る固形製剤包装装置の特定固形製剤供給部のバケット部分とその駆動部分の構成を示す分解斜視図である。
【図9】本発明に係る固形製剤包装装置の特定固形製剤供給部のバケット部分とその駆動部分の構成を示す分解図である。
【図10】本発明に係る固形製剤包装装置の特定固形製剤供給部から特定固形製剤が送出される通路構成の説明図である。
【図11】本発明に係る固形製剤包装装置の搬送機構部の構成を示す断面図である。
【図12】本発明に係る固形製剤包装装置の固形製剤包装機構部を示す説明する斜視図である。
【図13】本発明に係る固形製剤包装装置の包装紙の形態及び小袋の口の形成状態を説明する斜視図である。
【図14】本発明に係る固形製剤包装装置の包装紙の小袋へ固形製剤を投入するシャッター部分の断面図である。
【図15】本発明に係る固形製剤包装装置の特定固形製剤供給部とインプット装置の使用状態を説明する斜視図である。
【図16】本発明に係る固形製剤包装装置の印刷機構部を含む固形製剤包装機構部の配置を示す上面図である。
【図17】本発明に係る固形製剤包装装置の電装部品室におけるフレキシブル配線カバーの配置関係を示す上面図である。
【図18】本発明に係る固形製剤包装装置の固形製剤包装機構部が押し戻された状態におけるフレキシブル配線カバーの状態を示す側面図である。
【図19】本発明に係る固形製剤包装装置の固形製剤包装機構部が引き出された状態におけるフレキシブル配線カバーの状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係る固形製剤包装装置は、本体内には、固形製剤が種類毎にそれぞれ収納され収容した固形製剤を排出する排出機構を備えた複数のタブレットケースを併設した固形製剤収容部が上部に配置され、前記タブレットケースから排出される固形製剤を受け充填口へ集める搬送機構部が前記固形製剤収容部の下方に配置され、帯状包装紙に小袋を形成すると共にこの小袋ごとに前記充填口へ集められた固形製剤を収容し封止する固形製剤包装機構部が前記搬送機構部の下方に配置される固形製剤包装装置において、
前記固形製剤収容部、前記搬送機構部及び前記固形製剤包装機構部がそれぞれ独自に前後方向に引き出し押し戻し可能に前記本体内に収容されていること、そして、
前記固形製剤包装機構部に前記小袋に印刷する印刷機構部及び前記印刷機構部の印刷用回路基板が配置され、
前記本体内には、前記固形製剤包装機構の下方に電装部品室を設け、
前記電装部品室には、前記固形製剤包装装置の統括制御を担う中央処理装置用回路基板(CPU回路基板ともいう)、並びに、前記固形製剤収容部、前記搬送機構部及び前記固形製剤包装機構部への電力供給のための電源装置が配置され、
前記中央処理装置用回路基板及び前記電源装置に係る前記固形製剤収容部、前記搬送機構部及び前記固形製剤包装機構部の配線が通るように、前記本体に対する前記固形製剤包装機構部の引き出し及び押し戻し動作に伴って連続屈曲するフレキシブル配線カバーが前記電装部品室と前記固形製剤包装機構部とに亘って取付けられた構成であり、以下にその実施例を記載する。
【実施例1】
【0027】
本発明に係る固形製剤包装装置は、病院や調剤薬局等に設置され、処方箋により指定された固形製剤(以下、固形製剤とは錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤などの固形化された全ての製剤を云うものとする。)を包装紙や瓶などに充填するためのものであるが、以下に記載する実施例は、帯状包装紙に形成される小袋に固形製剤を充填する形態の固形製剤包装装置について記載する。
【0028】
本発明に係る固形製剤包装装置1は、病院や調剤薬局などに設置されるものであり、図1及び図2に示すように、矩形状の本体2内に形成された固形製剤収容部3と、その下側に設けられた搬送機構部10と、その下側に設けられた固形製剤包装機構部14と、更にその下側に設けられた電装部品室80などから構成されている。固形製剤収容部3は本体2内の上部に構成されており、この固形製剤収容部3の前面は前下に回動自在とされた前扉4により開閉自在に閉塞されている。また、搬送機構部10は、その前面の引出式の前扉5により開閉自在に閉塞され、修理、点検などのためにこの前扉5と共に本体2内より引出自在とされている。搬送機構部10は本体2内より所定位置(最大引き出し位置)まで引き出された状態で、ストッパ部(図示せず)によって停止するようになっている。また、固形製剤包装機構部14は、その前面の引出式の前扉43により開閉自在に閉塞され、この前扉43と共に本体2内より引出自在とされている。電装部品室80は、本体2内の下部に形成されており、その前面側には仕切り壁99にて電装部品室80と仕切られた予備室81が形成され、予備室81の前面は左右に開閉可能な開閉式扉82にて閉塞されている。予備室81はロール状に巻回された予備の包装紙20等を収容しておくための部分である。
【0029】
固形製剤収容部3には、前記錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤などの固形化された製剤である固形製剤が種類毎にそれぞれ収容される複数のタブレットケース6が併設されている。各タブレットケース6は、固形製剤を一個ずつ排出する排出機構6Aがその下部に配置されている。この排出機構6Aは、内部にモータ駆動式の排出ドラムが内蔵されており、フォトセンサ等の排出カウント装置を備えている。排出ドラムは、側面に複数形成された溝内に固形製剤が上下一列に入り込む構造とされている。そして、固形製剤は排出ドラムが回転することによって、各溝内から一個ずつ落下され、その数は前記排出カウント装置により検出されてカウントされるように構成されている。図3及び図4に示すように、それぞれ所定数のタブレットケース6が矩形皿状の受け部材42に載置された状態で単位ユニットを構成し、前扉4を下方へ回動にて開いた状態で、このユニットごとにスライドレール43によって前後方向に引き出し自在に保持されている。図示のものは、図3及び図5に示すように、Y1乃至Y4の4個のユニット構成であり、各ユニットY1乃至Y4は、前扉4を開いた状態で本体2内より所定位置(最大引き出し位置)まで引き出された位置で、ストッパ部(図示せず)によって停止するようになっている。
【0030】
図3及び図4に示すように、タブレットケース6に固形製剤を補充する場合などには、前扉4を開き、受け部材42を引き出してタブレットケース6を前扉4上に移動させる。タブレットケース6に固形製剤を補充した後は、再び受け部材42を押し戻してタブレットケース6を固形製剤収容部3内に戻すものである。
【0031】
このように前後方向にタブレットケース6が引き出されることにより、固形製剤包装装置1の上方に空間を確保しなくともタブレットケース6への固形製剤の補充やタブレットケース6自体の交換を行うことができるようになり、省スペース化を図れる。
【0032】
また、図1等に示すように、固形製剤包装装置1の本体の上面前部には、特定固形製剤供給部7が設置されている。この特定固形製剤供給部7は、タブレットケース6内に収納できない特定固形製剤、即ち、特別な固形製剤(例えば、半分に切断された錠剤など)や特定処方される固形製剤を収容し供給するものであり、図6乃至図9に示すように、基板7Aの上には、基板7Aに回転可能に取り付けたプーリ44、44間に張られたタイミングベルト46(この場合、チェーン或いはギヤなどであっても良い)と、このタイミングベルト46に複数取り付けられた上面開口のバケット47と、これらを覆うように基板7Aに取り付けたカバー48と、バケット47全体を覆うように特定固形製剤供給部7に着脱自在に載置される平板状蓋7Bなどから構成されている。
【0033】
この特定固形製剤供給部7は本体2より着脱自在とされており、本体2側にはモータ8とこのモータ8とベルト8Aにより連結されたプーリ9とが設けられており、このプーリ9の軸9Aに特定固形製剤供給部7の一端のプーリ44が嵌合する。そして、モータ8の駆動によってタイミングベルト46が回転駆動される構成とされている。
【0034】
更に、図10に示すように、特定固形製剤供給部7の他端側に位置する本体2上面には落下通路7Bが形成されており、この落下通路7Bは後述する搬送機構部10上に連通している。特定固形製剤供給部7の各バケット47内には、上記の如き特定固形製剤がそれぞれ収納され、使用者によるスイッチ操作でモータ8が回転することにより、各バケット47は順次回転駆動される。
【0035】
そして、各バケット47の下面には移動方向側にて下方に回動自在に枢支された開閉自在のバケット蓋47Aが取り付けられており、落下通路7Bの開口7Cにバケット47が合致すると、バケット蓋47Aが下方に開いて当該バケット47内の特定固形製剤が、図10に矢印Pで示すように、落下通路7Bに落下するように構成されている。落下通路7Bは後述するホッパ51の上方に配置されている。
【0036】
このような構成により、モータ8のみにて各バケット47内の特定固形製剤を排出することができるため、他の駆動装置は不要となり、構造の簡素化が図れる。尚、バケット蓋47Aはバケット47が開口7Cを通過後に本体2に当たって閉じられる。
【0037】
図11に示すように、搬送機構部10は、ホッパ51とコンベア52などから構成されており、ホッパ51とコンベア52によって全てのタブレットケース6の下方をカバーしている。搬送機構部10は、図2に示すように、ホッパ51とコンベア52等これらが一体的に、前扉5と共に前後方向に引き出し及び押し戻し自在に、スライドレール10Aに保持されている。ホッパ51は、向かって右側で前後方向の略中央に位置した下ホッパ部材41と、この下ホッパ部材41に向けて低く傾斜(急傾斜)して連接された前後面及び右面から成る上ホッパ部材53を備えている。下ホッパ部材41は漏斗状を呈しており、その最下端には矩形状の充填口13が開口している。
【0038】
コンベア52は左右の回転ローラ55、55と、これらローラ55、55間に所定のテンションで張架された弾性シート61とから成り、図示しないモータにて駆動され、図11に矢印Qで示すように上面が左から右に向かう方向を搬送方向としている。更に、コンベア52は下ホッパ部材41の充填口13に向け、左から右方に低く傾斜して配設されており、図11に示すように、搬送側の端部(右端)は下ホッパ部材41の左端上方に位置している。また、上ホッパ部材53は、コンベア52の前側及び後側よりコンベア52の上側の弾性シート61の直上に向けて低く傾斜(角度略37度)している。
【0039】
下ホッパ部材41の下側にはシャッター装置71が取り付けられている。このシャッター装置71は、図示しないソレノイドを後述する制御装置35によって制御することにより、後述の左右のシャッター板72、73が駆動され、充填口13が開閉されると共に、下ホッパ部材41内の固形製剤を下方へ送出する。
【0040】
固形製剤包装機構部14は、包装紙20が帯状に搬送される搬送通路に沿って配置された、印刷機構部15、第1ヒートシール機構部28、第2ヒートシール機構部29、及び後述の包装紙20の搬送手段が、平板状の載置台96上に取り付けられており、本体2内の左右両側に設けたレール装置97によって、前扉43と共に載置台96が本体2内より引き出し及び押し戻し自在に支持された構成である。
【0041】
この固形製剤包装機構部14は、包装紙20の前記搬送手段として、帯状の包装紙20がロール状に巻回された包装紙ロール20Rから、帯状に包装紙20を送り出す送り出し手段と、送り出された包装紙20を所定の位置に案内する案内手段と、包装紙20の先端を引っ張る引き込み手段とから包装紙20の搬送手段が構成されている。図16に一部拡大斜視図で示すように、前記包装紙送り出し手段は送出モータ18を備えており、この送出モータ18は容易に回転制御可能なサーボ機構で構成されると共に、入力した信号により所定の回転数で所定時間回転するように構成されている。また、送出モータ18の回転軸19はロール状に巻回された包装紙ロール20Rの中心部が取り付けられた中空軸21に着脱自在に嵌合しており、包装紙ロール20Rが送出モータ18の回転軸19に着脱自在である。このため、回転軸19に中空軸21を嵌め合わせた状態で、送出モータ18の回転軸19の回転によって包装紙ロール20Rが回転され、包装紙20が送出される。
【0042】
ここで、包装紙20について説明する。包装紙20は前記固形製剤及び特定固形製剤を収納して包装するものであり、所定の温度で溶けるポリエチレン等の熱溶着材を補助媒体とした熱溶着可能な薄い紙材から構成されており、所定の幅の縦長のものを中空軸21にロール状に卷回して設けられている。また、包装紙20は幅方向の略中心部より二つ折りして二重に折り曲げられ、この二重に折り曲げた折り曲げ部を下部とする折部20A、二重に折り曲げた両端部(折部20Aと反対側の上部)に開口部20Bとされている。この包装紙20は二重に折り曲げられた状態で前記中空軸21に巻回されて包装紙ロール20Rを形成しており、包装紙ロール20Rの最終端、即ち、包装紙20の先端には硬質部20Cが設けられている。
【0043】
この硬質部20Cは、包装紙20を後述する印刷機構部15、第1ヒートシール機構部28、第2ヒートシール機構部29を通過して引込ローラ30まで装着する際に容易に変形しないようにするもので、包装紙20の先端より所定寸法で形成されている。この硬質部20Cは、例えば包装紙20の先端(中空軸21に二重に折り曲げられて巻回した包装紙20の巻き終わり部)より前記所定寸法の範囲前面を熱溶着することによって形成される。これにより包装紙20の先端が容易に折れ曲がることなく引込ローラ30に至るまで正規の状態に装着される。この引込ローラ30が、前述の包装紙20の先端を引っ張る引き込み手段に相当するものであり、図12に示すように、硬質部20Cが引込ローラ30に位置する状態にセットした状態から固形製剤包装機構部14が始動開始される。
【0044】
また、ロール状に巻回された包装紙ロール20Rは、帯状に引き出された状態で、直線通路部及び屈曲通路部を有する搬送通路を通って引込ローラ30に至るようになり、屈曲通路部には適宜案内ローラが配置されており、直線通路部及び屈曲通路部には適宜案内壁が配置されている。このような案内ローラ及び案内壁が、前記の送り出された包装紙20を所定の位置に案内する案内手段を構成しており、これによって包装紙20が屈曲した通路を通る際も、円滑に通過することができるようになっている。
【0045】
図12に示すように、引込ローラ30は、一対の幅狭のゴムローラ(天然ゴム或いは合成ゴム等のローラ)33A、33Bが回転可能に回転軸32A、32Bに取り付けられており、一方のゴムローラ33Bが取り付けられた回転軸32Bの下方に引込モータ31が設けられている。他方のゴムローラ33Aの回転軸32Aは図示しないコイルバネ等により付勢され、所定の圧力でゴムローラ33Aがゴムローラ33Bに圧接された状態であり、引込モータ31が回転することによって両ゴムローラ33、33Aが回転するように構成されている。そして、この両ゴムローラ33、33Aの間に包装紙20を挟持した状態で、引込モータ31の回転によって回転軸32が回動するためゴムローラ33Bが回転し、包装紙20を引き込んで反対側に送り出す仕組みである。
【0046】
また、図12に示すように、ロール状に巻回された包装紙ロール20Rが引込ローラ30に至るまでの搬送通路部には、印刷機構部15、第1ヒートシール機構部28、第2ヒートシール機構部29が順次配置されている。印刷機構部15は、後述の小袋36の外面に固形製剤の品名、服用時期などの必要事項を印刷するためのものである。また、第1ヒートシール機構部28、第2ヒートシール機構部29は、包装紙20の開口部20Bを熱溶着により封止し、且つ、一服毎の小袋36に仕切るもので、それぞれ所定の間隔で対向して設けられた一対の第1ヒータ28A、28Bと、一対の第2ヒータ29A、29Bとから構成されている。尚、これらヒータ28A、28Bと、29A、29Bのうち、一方側のヒータ28Bと29Bは連結板74にて連結されて固定側を構成している。また、他方のヒータ28Aと29Aは、図示しない作動装置が設けられており、対向するヒータ28Bと29Bにそれぞれ圧接或いは離間動作をするように構成されている。そして、各ヒータ28A、28Bと、29A、29Bに通電することにより、これらは所定の温度に発熱する。
【0047】
第1ヒータ28A、28Bは、包装紙20の両側から挟持して加熱することにより、包装紙20に送り出し方向の前側の縦方向熱溶着27Aを施し、第2ヒータ29A、29Bは、包装紙20の両側から挟持して加熱することにより、熱溶着27Aに連続するように包装紙20に送り出し方向の後ろ側の縦方向と上部の開口部20Bに熱溶着27Bを施す関係である。これによって、図12に矢印Rで示すように、包装紙20が引込ローラ30の回転により引込ローラ30側に所定距離移動、即ち、縦方向熱溶着27Aで熱溶着した部分が第2ヒータ29A、29Bの垂直部29A1、29B1の対向位置まで移動する。そして、第2ヒータ29A、29Bで包装紙20を熱溶着することにより、順次第1ヒータ28A、28Bと第2ヒータ29A、29Bの垂直部29Aの間に開口部20Bを設けた小袋36Aを形成すると共に、引込ローラ30側に折部20A以外が熱溶着された小袋36を形成するように構成されている。
【0048】
また、第2ヒータ29A、29Bは、第1ヒータ28A、28Bによる縦方向熱溶着27Aの上方の包装紙20の折部20Aから開口部20Bまでを熱溶着する際、熱溶着部27Bの幅の略中心(折部20Aから開口部20B迄)にミシン目状の穴37を複数設けた切れ目を形成する。これにより、折部20A以外の包装紙20の三方が熱溶着され、全周が閉塞された矩形状の小袋36が形成されると共に、ミシン目状の穴37の切れ目から切り離して小袋36を分離できるように構成している。
【0049】
係る構成により、送出モータ18が回転する包装紙ロール20Rが回転して包装紙20が送出され、包装紙20の先端に形成した硬質部20Cが順次搬送通路を引込ローラ30に向かって移動していく。そして、図12に示すように、送出された包装紙20の硬質部20Cは、印刷機構部15、第1ヒートシール機構部28、第2ヒートシール機構部29を順次経て引込ローラ30に至る。
【0050】
包装紙20が引込ローラ30まで送出されると、引込ローラ30の両ゴムローラ33A、33Bは互いに圧接しながら包装紙20を反対側(図12の右側)方向に引っ張るので、包装紙20は引込ローラ30に引き込まれ、その先端は扉43に形成された取出口77から手前側に引き出される。これにより、人手をかけることなく所定の位置に包装紙20を案内して装着することが可能となる。
【0051】
ここで、送出モータ18と引込モータ31の回転は、ロール状の包装紙20Rより送出される包装紙20の移動量よりも引込ローラ30で引き込む包装紙20の移動量の方を多くして、ロール状の包装紙20Rと引込ローラ30の間に所定の張力を発生させ、包装紙20を安定して搬送するようにしている。
【0052】
ロール状の包装紙ロール20Rを所定の状態に装着すれば、その状態をスイッチ(図示せず)が検知し、その状態で固形製剤包装装置1に電源を投入すると、固形製剤の落下数を数えるカウント値などはリセットされる。また、仮ヒータ28及び主ヒータ29は所定の温度に加熱され、コンベア52は通電されて駆動されているものとする。
【0053】
作業者が医師の処方箋に基づき、固形製剤包装装置1に電気的に接続されたインプット装置PC(パーソナルコンピュータ等)に処方データを打ち込み、スタートキーを操作することによって、当該固形製剤が収納されたタブレットケース6の前記排出ドラムが回転駆動され、その処方データにより指定された種類の固形製剤が一個ずつホッパ51或いはコンベア52上に落下する。また、特定固形製剤供給部7からの固形製剤も使用者の任意操作によって同様にコンベア52上に落下する。
【0054】
インプット装置PCは、図1及び図15等に示すように、特定固形製剤供給部7の後方の本体2の上面領域をインプット装置PCの載置用平面部2Aとしている。上記のように、特定固形製剤供給部7のバケット47全体を覆う蓋は、後方へ立ち上げ状態に回動する蓋構造ではなく、特定固形製剤供給部7に着脱自在に載置される平板状蓋7Bにて構成している。このため、載置用平面部2Aにインプット装置PCを載置した状態で、バケット47へ特定固形製剤を投入する作業を行なう場合には平板状蓋7Bを取り外せば、平板状蓋7Bに邪魔されずに固形製剤包装装置1の前面側からインプット装置PCを操作できることとなり、バケット47へ特定固形製剤を投入作業とインプット装置PCの操作が円滑に行なえるものとなる。
【0055】
タブレットケース6から落下する固形製剤の数は、フォトセンサの出力に基づき制御装置35によってカウントされ、カウントされた固形製剤の落下数が前記処方データに基づく固形製剤の数に一致したら、排出機構6Aの動作を停止し、固形製剤の落下を終了する。
【0056】
このとき、下ホッパ部材41上方のタブレットケース6からは直接下ホッパ部材41内に固形製剤は落下する。また、上ホッパ部材53上に落下した固形製剤はその傾斜により下ホッパ部材41内に落下する。上ホッパ部材53上に落下した固形製剤はその傾斜によりコンベア52の弾性シート61上に落下する。そして、弾性シート61上に直接落下した固形製剤と共に、下ホッパ部材41内に送出される。
【0057】
ここで、コンベア52は傾斜しているので、弾性シート61上の固形製剤はこの傾斜とコンベア52自体の搬送力によって下ホッパ部材41まで送られる。特に、コンベア52は傾斜しているので、円柱状の錠剤などが弾性シート61上で空回りすることも防止若しくは抑制できる。
【0058】
そして、このように下ホッパ部材41内に集められた固形製剤は、前記シャッター装置71の上に一旦保持される。図14に示すように、シャッター装置71は、左右のシャッター板72、73を備え、シャッター板72、73は、それぞれ充填口13を閉じて下ホッパ部材41内に集められた固形製剤を保持する固形製剤保持部72A、73Aと、開口部20Bを有する小袋36Aの開口部20Bを左右に開く開口作動部72B、73Bを一体に形成している。このため、一服分の固形製剤が全て、図14に示すように閉じた状態のシャッター板72、73の固形製剤保持部72A、73A上に保持された段階で、シャッター装置71の駆動によってシャッター板72、73が開き、小袋36Aの開口部20Bは、図12及び図13の如く、開口作動部72B、73Bによって大きく開かれる。また、同時に固形製剤保持部72A、73Aが開くため、下ホッパ部材41内に集められた固形製剤は下方に位置する包装紙20の小袋36A中に投入される。
【0059】
このようにシャッター板72、73によって小袋36Aの開口部20Bを拡開して固形製剤を投入するので、固形製剤を確実且つ円滑に包装紙20の小袋36A内に充填することができるようになる。また、シャッター板72、73は充填口13を閉じて投下された固形製剤を一旦保持する役割も兼ねているので、部品点数の削減が図れる。
【0060】
このように包装紙20の小袋36A中に固形製剤が収納された後、図14に示すように、シャッター装置71はシャッター板72、73の固形製剤保持部72A、73Aによって再び充填口13を閉じる。同時に各開口作動部も密着するので、包装紙20の開口部20Bも実質的に閉じられて小袋36が完成する。次ぎに、制御装置35によって引込ローラ30を作動させ、包装紙20を引っ張り所定位置に呈し状態で、ヒートシール機構27にて前述の如く熱溶着することにより、包装紙20の開口部20Bを封止する。なお、包装紙20は、第1ヒートシール機構部28に至る前の段階で、印刷機構部15によって小袋36に相当する部分の外面に、固形製剤の品名、服用時期などの必要事項が印刷される。
【0061】
このようにして、処方データに基づいて小袋36には印刷機構部15によって必要事項が印刷されると共に、処方データに基づいた種類の固形製剤が自動的に所定数小袋36に包装され、固形製剤が包装された小袋36が連続した帯状の包装体が取出口77へ送り出される。このようにして所定の包装が終了すれば、固形製剤包装装置1の動作が停止するため、固形製剤包装装置1の使用者は、この小袋36が連続した帯状の包装体の最後の部分のミシン目状の穴37の箇所で切り離すことにより、この帯状の包装体を取出口77から取り出し、患者に渡すことができる。
【0062】
本発明は、上記のような固形製剤包装装置1において、制御装置35を構成する各回路基板に対する配線、及び電源装置に対する配線の組み込み、点検、修理、交換がし易い構成を提供するものである。また、固形製剤包装装置1の重心が低くなり、固形製剤収容部3、搬送機構10、及び固形製剤包装機構14が前後方向に引き出し及び押し戻し可能に構成される場合の転倒防止効果の向上を図ることができる技術を提供するものである。以下、これに係る技術について記載する。
【0063】
前記制御装置35は、固形製剤包装装置1に電気的に接続されたパーソナルコンピュータ等のインプット装置PCとの情報授受を行なうと共に、固形製剤包装装置1の統括制御を担う中央処理ユニット(CPU)の回路を形成した中央処理装置用回路基板(CPU回路基板ともいう)90を主体とし、これと電気的に接続された印刷機構部15の印刷用回路基板91等を含む制御回路全体を指す。
【0064】
前述の固形製剤包装装置1の統括制御としては、インプット装置PCとの情報授受、固形製剤包装装置1のON/OFF制御、固形製剤収容部3からの固形製剤の送出制御、特定固形製剤供給部7からの特定固形製剤の送出制御、包装紙ロール20Rの取付け状態の検知、帯状に包装紙20を送り出す送り出し手段、送り出された包装紙20を所定の位置に案内する案内手段、包装紙20の先端を引っ張る引き込み手段、コンベア52、シャッター装置71、包装紙20に小袋36を形成する第1ヒートシール機構部28と第2ヒートシール機構部29の制御、印刷機構部15による包装紙20への印刷制御、表示部100への表示制御等、固形製剤収容部3、特定固形製剤供給部7、搬送機構10、固形製剤包装機構14等、固形製剤包装装置1の各部の動作が所定のタイミング及び工程で実行されるように制御するものである。
【0065】
図17等に示すように、電装部品室80には、固形製剤収容部3、搬送機構部10及び固形製剤包装機構部14への電力供給のための電源装置92が配置されている。また、中央処理装置用回路基板90は、CPUやメモリ、及びそれに係る各部品を含むため、かなり大きな平板の基板形態であるため、この中央処理装置用回路基板90も電装部品室80に配置されている。中央処理装置用回路基板90は、電装部品室80と予備室81との仕切り壁99の裏側に、仕切り壁99に沿って縦方向の配置である。
【0066】
中央処理装置用回路基板90及び電源装置92に対する固形製剤包装機構部14の電気配線95が通るように、本体2に対する固形製剤包装機構部14の引き出し及び押し戻し動作に伴って連続屈曲するフレキシブル配線カバー93が、電装部品室80と固形製剤包装機構部14とに亘って取付けられている。フレキシブル配線カバー93は、電装部品室80と固形製剤包装機構部14の左側または右側の一方の側において、本体2の側壁の内面に近接するように沿って配置されている。
【0067】
フレキシブル配線カバー93は、例えば、特開2004−242481号等にて公知のものであり、複数のリンク体94が相互に回動可能に連結されていて、連結されたリンク体94内には配線95が屈曲自在な融通性を保った状態で挿通される構成である。このため、このような機能を奏するフレキシブル配線カバー93であれば、特定の構成に制限されない。
【0068】
図17乃至図19に示すように、フレキシブル配線カバー93は、その一端部(下端部)の取付け部93Bが電装部品室80と予備室81との仕切り壁99の適所に回動可能に取付けられており、その他端部(上端部)の取付け部93Cが固形製剤包装機構部14の載置台96に回動可能に取付けられており、電装部品室80と搬送機構部10とに亘る中間部は、後方へ凸状の屈曲部93Aを形成して載置台96の後方空間に配置されている。このため、前扉43を閉じて固形製剤包装機構部14が所定位置へ収容された状態(押し込まれた状態)では、図18に示すように、フレキシブル配線カバー93は、その屈曲部93Aの位置が最後部に位置している。
【0069】
そして、固形製剤包装機構部14の点検、修理、部品交換などの際には、図19に示すように、レール装置97に支持された載置台96が前扉43と共に本体2内より引き出されることに伴って、フレキシブル配線カバー93は、連結されたリンク体94相互の回動に伴い、屈曲部93Aの位置が連続して屈曲移動しつつ内部に挿通した配線95の屈曲を伴うことにより、固形製剤包装機構部14の引き出しが円滑に行なわれる。
【0070】
そして、図19に示すように、載置台96は前扉43と共に本体2内より所定位置(最大引き出し位置)まで引き出された状態で、レール装置97に設けたストッパ部(図示せず)によって停止するようになっている。このため、所定位置(最大引き出し位置)まで引き出された状態で、フレキシブル配線カバー93が固形製剤包装機構部14の載置台96に回動可能に取付けられている部分93Bを含めて、固形製剤包装機構部14の全体が露出し、フレキシブル配線カバー93を含めて本体2の前面から固形製剤包装機構部14の全体を目視確認できる状態となる。この引き出し状態において、フレキシブル配線カバー93から固形製剤包装機構部14へ向けて延びている配線95の破損等の確認ができ、必要に応じて修理、交換を行なうことができる。
【0071】
また、固形製剤包装機構部14を本体2内に収容する場合は、前扉43を押し戻すことにより、レール装置97に支持された載置台96も同時に押し戻されるが、それに伴って、フレキシブル配線カバー93は、連結されたリンク体94相互の回動に伴い、屈曲部93Aの位置が移動しつつ内部に挿通した配線95の屈曲を伴うことにより、固形製剤包装機構部14の押し戻しが円滑に行なわれる。
【0072】
印刷機構部15は、印刷機構部15が所定文字(ここでは日本文字)の印刷を行なうために必要な印刷用回路基板91を備えており、印刷用回路基板91は、載置台96に着脱可能にネジにて固定したカバー98で覆われている。なお、固形製剤包装機構部14を含む固形製剤包装装置1内の放熱のために、固形製剤包装機構部14に対応する本体2の背壁に形成した放熱孔に対応して、載置台96または本体2の背壁に放熱用ファン105が設けられている。
【0073】
電装部品室80からフレキシブル配線カバー93内を通って固形製剤包装機構部14の領域へ至る配線95は、電源装置92から、固形製剤包装機構部14を構成する印刷機構部15、第1ヒートシール機構部28、第2ヒートシール機構部29、及び包装紙20の搬送手段等への電力供給ラインと、更に、中央処理装置用回路基板90から印刷用回路基板91への信号の送受信ライン、及び後述のイメージ印刷用回路基板103と印刷機構部15への信号の送受信ライン等、固形製剤包装機構部14に係る配線を含む。なお、電源装置92から、固形製剤収容部3、搬送機構部10及び特定固形製剤供給部7への電力供給ラインがフレキシブル配線カバー93内を通るように構成すれば好ましい。更に、図1に示すように、固形製剤包装装置1の前面上部に固形製剤包装装置1の設定や動作状況を示す表示部100や設定用の操作キー101を備えた場合は、中央処理装置用回路基板90から表示部100や設定用の操作キー101との信号の送受信ラインが、フレキシブル配線カバー93内を通るようにすれば好ましい。
【0074】
このように、かなり大きな平板状の中央処理装置用回路基板90を固形製剤包装装置1の内部に配置する構成とするために、固形製剤包装装置1の最下部に電装部品室80を設け、そこに中央処理装置用回路基板90と電源装置92を収容することにより、中央処理装置用回路基板90と電源装置92に対する配線の組み込み、点検、修理、交換がし易い構成となる。更に、固形製剤包装装置1の最下部に電装部品室80を設けることにより、固形製剤包装装置1の重心が低くなり、固形製剤収容部3、搬送機構部10、及び固形製剤包装機構部14が前後方向に引き出し押し戻し可能に構成される場合の転倒防止効果の向上を図ることができるものとなる。
【0075】
また、中央処理装置用回路基板90及び電源装置92に対する固形製剤収容部3、搬送機構部10及び固形製剤包装機構部14の配線95が通るように、本体2に対する搬送機構部10の引き出し及び押し戻し動作に伴って連続して屈曲するフレキシブル配線カバー93が、電装部品室80と搬送機構部10とに亘って取付けられた構成である。このため、配線95の保護をしつつ搬送機構部10の引き出し及び押し戻し動作を円滑に行なえることは勿論のこと、固形製剤包装装置1が従来の2段構成(1段目が固形製剤収容部、2段目が搬送機構部及び固形製剤包装機構部)のもの、または従来の3段構成(1段目が固形製剤収容部、2段目が搬送機構部及び固形製剤包装機構部、3段目が予備室)のものに比して、固形製剤包装装置1の本体2の高さを高くして、特定製剤供給部7を固形製剤包装装置1の上面前部に配置した場合、特定製剤供給部7へ特定固形製剤を投入する作業がし易い所定高さに構成することができるようになり、固形製剤包装装置1の上面にインプット装置PCを載置して操作することもし易い状態を維持できるものとなる。
【0076】
また、外国での使用に適合させるためには、その国の言語に基づく文字(特定文字ということとする)を印刷する必要がある。その場合、その国の言語を文字データとして取り扱うためには、ソフト開発に多大の時間と費用が必要となる場合がある。それを回避するために、本発明では、そのような国の言語を文字データとして取り扱うのではなく、イメージデータとして取り扱い、これを印刷機構部15によって小袋36に相当する部分の外面に、固形製剤の品名、服用時期などの必要事項として印刷する方式を採用している。前記の特定文字として取り扱う文字は、日本文字及び英文字以外のアラビア文字、中国文字等である。
【0077】
このため、本発明では、小袋36の外面に印刷するための固形製剤の品名、服用時期などの必要事項を表す文面を、予めメモリにイメージデータとして記憶しておき、印刷時にこのイメージデータを読み出して印刷するように構成している。このため、このようにイメージデータを記憶するメモリやそれに係る制御回路を構成するイメージ印刷用回路基板103を電装部品室80に配置しており、イメージ印刷用回路基板103と中央処理装置用回路基板90の間が信号の送受信ラインで接続され、中央処理装置用回路基板90からの動作指令によってイメージ印刷用回路基板103の回路が動作し、そのイメージデータに基づく文字が印刷機構部15によって小袋36の外面に印刷される構成である。
【0078】
この場合、イメージ印刷用回路基板103と中央処理装置用回路基板90の間の信号の送受信ラインも、電装部品室80からフレキシブル配線カバー93内を通って固形製剤包装機構部14の領域へ至る配線95に含まれる。この場合も、上記同様に、固形製剤包装装置1の重心が低く転倒防止効果が得られ、また特定固形製剤の取り扱いもし易く、固形製剤包装装置1の上面にインプット装置PCを載置して操作することもし易い状態を維持できるものとなる。
【0079】
また、日本での適用電圧が100ボルト仕様の固形製剤包装装置1を、100ボルトよりも高い外国等の地域(120ボルト地域等)で使用することができるようにするために、電源装置92の一つの部品に変圧器104が付加される。例えば、120ボルトを100ボルトに降圧する変圧器104の重量は、略5〜6kgのものが採用されるため、この変圧器104を電装部品室80内の後部中央部の重量バランス位置に配置することにより、この重量を利用して、固形製剤収容部3、搬送機構10、及び固形製剤包装機構14が前後方向に引き出し押し戻し可能に構成される場合、この変圧器104の重量によって、固形製剤包装装置1が前側に転倒する虞を防止する大きな効果が得られる。
【0080】
また、固形製剤収容部3のタブレットケース6の個数が多くなれば、それによって固形製剤収容部3が引き出された状態で、固形製剤包装装置1のアンバランスが生じ易くなり、転倒の危険が憂慮される。このため、日本で使用するとき、専用のバランスウエイトを取付ける場合、このバランスウエイトは特別製であること、及び取付けフランジへの取付け孔加工等を伴うため、コストアップとなる。そこで、上記のような変圧器104は、汎用のものが使用できるため比較的安価である点に着目し、低コストのバランスウエイトとするために、上記のように電圧が高い所定地域で使用可能とすることを予め予測し、生産する固形製剤包装装置1に上記のような変圧器104を組み込んでおき、その固形製剤包装装置1を日本で使用する場合は、この変圧器104を通さない配線とし、単なるバランスウエイトの作用をさせることにより、低コストで転倒防止効果が得られる。そして、この変圧器104を使用する外国向けの場合は、その変圧器104を組み込んだ固形製剤包装装置1を輸出すればよい。
【0081】
また、本発明では、上記のように、特定固形製剤供給部7の後方の本体2の上面領域をインプット装置PCの載置用平面部2Aとし、バケット部47を覆う平板状蓋7Bを特定固形製剤供給部7に載置且つ取り外し自在に設けた構成である。もしバケット部47を覆う蓋をヒンジ装置によって後方へ開閉自在に形成した場合には、その蓋を開いた状態でバケット部47へ特定固形製剤を投入すると共に、その情報の確認または入力操作を載置用平面部2Aに載置したインプット装置PCで行なう場合、この開いた蓋が邪魔となり、固形製剤包装装置1の前面側からのインプット装置PCの操作がし難く、その場合は固形製剤包装装置1に近接する机や台などにインプット装置PCを載置しなければならず、好ましくない。しかし本発明では本体2の上面領域にインプット装置PCを載置した状態での操作が容易であるため、そのようなことを解決できるものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明に係る固形製剤包装装置は、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲での変更形態は、本発明の範囲であり、上記実施例に示した構成に限定されず、上記同様の作用をすることができる固形製剤包装装置の範囲において種々の形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0083】
1・・・・固形製剤包装装置
2・・・・本体
2A・・・載置用平面部
3・・・・固形製剤収容部
4・・・・前扉
5・・・・前扉
6・・・・タブレットケース
7・・・・特定固形製剤供給部
7B・・・蓋
10・・・搬送機構部
14・・・固形製剤包装機構
15・・・印刷機構部
20・・・包装紙
28・・・第1ヒートシール機構部
29・・・第2ヒートシール機構部
30・・・引込ローラ
36・・・小袋
41・・・下ホッパ部材
42・・・受け部材
43・・・前扉
47・・・バケット部
51・・・ホッパ
52・・・コンベア
53・・・上ホッパ部材
80・・・電装部品室
81・・・予備室
82・・・開閉式扉
90・・・中央処理装置用回路基板
91・・・印刷用回路基板
92・・・電源装置
93・・・フレキシブル配線カバー
94・・・リンク体
95・・・配線
96・・・載置台
97・・・レール装置
98・・・カバー
103・・イメージ印刷用回路基板
104・・変圧器
PC・・・インプット装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体内には、固形製剤が種類毎にそれぞれ収納され収容した固形製剤を排出する排出機構を備えた複数のタブレットケースを併設した固形製剤収容部が上部に配置され、前記タブレットケースから排出される固形製剤を受け充填口へ集める搬送機構部が前記固形製剤収容部の下方に配置され、帯状包装紙に小袋を形成すると共にこの小袋ごとに前記充填口へ集められた固形製剤を収容し封止する固形製剤包装機構部が前記搬送機構部の下方に配置される固形製剤包装装置において、
前記固形製剤収容部、前記搬送機構部及び前記固形製剤包装機構部がそれぞれ独自に前後方向に引き出し押し戻し可能に前記本体内に収容されており、
前記固形製剤包装機構部に前記小袋に印刷する印刷機構部が配置され、
前記本体内には、前記固形製剤包装機構の下方に電装部品室を設け、
前記電装部品室には、前記固形製剤包装装置の統括制御を担う中央処理装置用回路基板(CPU回路基板ともいう)、並びに、前記固形製剤収容部、前記搬送機構部及び前記固形製剤包装機構部への電力供給のための電源装置が配置され、
前記中央処理装置用回路基板及び前記電源装置に係る前記固形製剤包装機構部の配線が通るように、前記本体に対する前記固形製剤包装機構部の引き出し及び押し戻し動作に伴って連続屈曲するフレキシブル配線カバーが前記電装部品室と前記固形製剤包装機構部とに亘って取付けられた構成である固形製剤包装装置。
【請求項2】
本体内には、固形製剤が種類毎にそれぞれ収納され収容した固形製剤を排出する排出機構を備えた複数のタブレットケースを併設した固形製剤収容部が上部に配置され、前記タブレットケースから排出される固形製剤を受け充填口へ集める搬送機構部が前記固形製剤収容部の下方に配置され、帯状包装紙に小袋を形成すると共にこの小袋ごとに前記充填口へ集められた固形製剤を収容し封止する固形製剤包装機構部が前記搬送機構部の下方に配置される固形製剤包装装置において、
前記固形製剤収容部、前記搬送機構部及び前記固形製剤包装機構部がそれぞれ独自に前後方向に引き出し押し戻し可能に前記本体内に収容されており、
前記固形製剤包装機構部には前記小袋に印刷する印刷機構部が配置され、
前記本体内には、前記固形製剤包装機構の下方に電装部品室を設け、
前記電装部品室には、前記固形製剤包装装置の統括制御を担う中央処理装置用回路基板(CPU回路基板ともいう)、並びに、前記固形製剤収容部、前記搬送機構部及び前記固形製剤包装機構部への電力供給のための電源装置が配置され、更に、前記印刷機構部がイメージデータに基づく印刷をするために必要なイメージ印刷用回路基板が配置され、
前記中央処理装置用回路基板、前記イメージ印刷用回路基板及び前記電源装置に係る前記固形製剤包装機構部の配線が通るように、前記本体に対する前記固形製剤包装機構部の引き出し及び押し戻し動作に伴って連続屈曲するフレキシブル配線カバーが前記電装部品室と前記固形製剤包装機構部とに亘って取付けられた構成である固形製剤包装装置。
【請求項3】
前記印刷機構部の印刷用回路基板が、前記固形製剤包装機構部に配置された構成である請求項1または請求項2に記載の固形製剤包装装置。
【請求項4】
前記電源装置の部品として降圧用変圧器を設け、前記変圧器を前記電装部品室の中央後部の重量バランス位置に取り付けた構成である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の固形製剤包装装置。
【請求項5】
上面開口の複数のバケット部に収容した特定固形製剤を前記搬送機構部へ供給する特定固形製剤供給部が前記本体の上面前部に設けられ、
前記特定固形製剤供給部の後方の前記本体の上面領域に、前記中央処理装置用回路基板との間で情報授受を行なうパーソナルコンピュータ等のインプット装置の載置用平面を形成し、
前記バケット部を覆う平板状蓋を前記特定固形製剤供給部に載置且つ取り外し自在に設けた構成である請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の固形製剤包装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−56004(P2013−56004A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195443(P2011−195443)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(592031097)パナソニックヘルスケア株式会社 (28)
【Fターム(参考)】