説明

圧力制御弁

【課題】目標圧の低い際に容積流を減少させ、目標圧の高い際に連続スライダの高い容積流要件を正しくさせ且つ作業圧の高い漏れを補償できる圧力制御弁を提供する。
【解決手段】閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁1が電磁石心、電磁石コイル3と電磁石アンカー4を有する電磁石2と、第一弁座7に当接し得る閉鎖部材6用のアンカーロッド5と、ラムロッド9とを備える二つの弁座7、11を有する圧力制御弁1において、ラムロッド9は球座11に向いた端には、流入容積流を減少させるために、目標圧の低い際には横断面が減少されるように、流入制御辺12、球座11の開口横断面がラムロッド9の軸方向位置に依存して変更できるように形成されていて、目標圧の高い際には流入制御辺12の横断面が利用できること、及び球座11は球10に向いた側面における直径が球10と反対を向いた側面における直径より小さいように形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特許請求項1の上位概念による圧力制御弁に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術から、自動車の自動伝動装置には、通常には、湿式回転式円板変速要素にトルクを伝達するように使用することが知られている。
【0003】
この場合には、トルク伝達が変速要素の円板パケットの押圧によって摩擦的に行われ、それに必要な押圧力が円板パケットに作動クラッチピストンによって発生され、そのクラッチピストン圧力制御弁(クラッチ弁)を介して作動される。変速要素の圧力制御弁が直接に或いは予め変速された圧力制限弁或いは圧力予制御弁を介して始動される。
【0004】
両場合には、変速要素の純粋に油圧圧力制御弁が調整される始動流を比例する磁力が発生される。クラッチ弁の作業圧が圧力制御弁の始動流を比例する力(作動力)と戻し力(反力)の同じ重量要件によって生じる。
【0005】
予め接続された圧力制御器或いは予め接続された圧力制限弁(圧力予制御弁)による圧力制御弁の始動の場合には、先行技術によると、しばしば始動するために所謂閉鎖端圧力制御器(CE−DR)が使用され、この圧力制御器が二つの油圧半ブリッジ回路に配置された弁座を有し、流入側には通常には球座幾何学が使用され、タンク辺には面幾何学或いは球座幾何学が使用される。
【0006】
好ましい方法では、閉鎖端圧力制御器が端状態では漏れ油流の最小化を可能とし、所望の最小圧では、流入制御辺が閉鎖され、それにより漏れ油流が流入制御辺からほぼ0ml/min へのタンク辺まで減少される。これは、各可能な変速伝達を果たすために、自動伝動装置の理想的に各変速要素にはアクチュエータが直接に付属されているので、必要である。
【0007】
CE−機能なしに各圧力予制御弁が最小圧力要件では流入辺とタンク辺の間の最高漏れを有する。それにより多数の始動する変速要素の場合には、非常に高い油容積の必要性が自動車の油圧ポンプの油圧システムに生じた。
【0008】
この種の圧力予制御弁が例えば出願人のドイツ特許出願公開第10342892号明細書(特許文献1)から知られている。この特許文献1の範囲には、磁石部材と弁部材を備える比例圧力制限弁が記載されていて、弁部材が流入容積流用の流入開口、充填容積流用の流出開口とタンク容積流用の第二流出開口を備えていて、球座、開口を備える面座、面座の開口を通る流通量を制御する閉鎖部材と噴流方向転換器を有し、この方向転換器が面座と球座の間に配置されている。
【0009】
さらに、出願人の国際出願第98/48332号明細書(特許文献2)から閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁が明らかになり、圧力導管用の接続部、作業圧導管用の接続部、周囲圧に対する流出導管用の接続部、定義された或いは定義可能な流れ抵抗を備える少なくとも二枚の薄板段を備えていて、そのうちの二つの薄板段が可変に且つ機械式或いは油圧式作用の下で油圧半ブリッジの原理に基づいて連結されている。両可変薄板段は制御圧室の流入薄板と流出薄板として設けられ、それぞれに一つの閉鎖体を有し、流入薄板の閉鎖体が球或いは球冠或いは円錐切頭或いはシリンダとして形成され且つ流出薄板の閉鎖体が球或いは球冠或いは円錐切頭或いはシリンダとして形成されている、又はそのいずれか一方として形成されている。
【0010】
公知の閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁が一方では連続円板における高い動力学を可能とし、他方では漏れが出来るだけ僅かであるべきである。
【0011】
流入座からタンク座への切換は非常に突然に行われるので、実質的圧力上昇が達成されることなしに、圧力制御器の漏れ容積流が突然に増加する。これは、減少圧の乱流を出来るだけ作業圧により遠ざけるために、必要であるけれども、圧力制御器の低い圧力範囲では、より高い漏れ油容積流が生じ、同時に例えばクラッチを充填するこの圧力範囲には、伝動装置のより容積流の必要性が生じるという欠点を生じる。
【0012】
この場合には、ラムロッドによって作動された球座の幾何学的構成は実質的に圧力制御器の最高漏れ或いは最高容積を確認し、先行技術によると、流入辺の横断面が軸方向に観察されて同じままである円筒状幾何学を有するラムロッドによって減少される。
【0013】
高い圧力と容積流要件が行われるならば、圧力制御器のラムロッドがタンク辺の完全閉鎖まで移動され、この状況では、最高容積流が連続スライダを制御位置にもたすために必要である。制御位置の達成の際には作業圧に関する圧力制御器の容積流要件が生じないか、或いはほんの僅かであるので、流入制御辺における流入容積流が減少され得る。
【特許文献1】ドイツ特許出願公開第10342892号明細書
【特許文献2】国際出願第98/48332号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
それ故に、この発明の課題は、目標圧の低い際に横断面が減少されて容積流を減少させて、目標圧の高い際に流入辺の全横断面が利用できて、一方では連続円板の高い容積流要件を正しくさせ且つ他方では作業圧の高い漏れを補償できる閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この課題は、特許請求項1の特徴事項によって解決される。別のこの発明の構成と利点は従属請求項から明らかになる。
【0016】
それ故に、この発明の好ましい再現によると、ラムロッドはその球座に向いた端にて、流入辺の開口横断面がラムロッドの軸方向位置に依存して変更できるように形成されていて、目標圧の低い際に横断面が減少されて、容積流を減少させ、目標圧の高い際に流入辺の全横断面が利用できて、一方では連続円板の高い容積流要件を正しくさせ且つ他方では作業圧の高い漏れを補償できる。
【0017】
特にラムロッドが球座に向いた端の範囲に幾何学的拡大部を有し、この拡大部が位置依存する横断面挟部に生じ、幾何学的拡大部の軸方向位置と輪郭によって圧力制御弁の圧力/流れ/貫流挙動が決定される。この場合には、幾何学的拡大部が球座への方向に先細になる円錐切頭の形状を有するか、或いは円筒状、凹状或いは凸状形状を有し;同様に二重円錐形状が可能である。この場合には、幾何学的拡大部が流入制御辺を閉鎖するために使用されなく;球補償閉鎖体の現幾何学が変更されないままである。
【0018】
ラムロッドのこの構成によって、流入制御辺からタンク制御辺への移行は幾何学的拡大部なしに突然に行われ、より弱く構成され、それにより圧力制御器特性曲線における始動ジャンプが回避される。さらに、それにより容積流要件が僅かなであるには層流が乱流流れに変換されて、それは温度の低い際に油の貫流を容易とする。
【0019】
ラムロッドのこの発明の構成に選択的に或いは追加的に、この発明によると、球座は、球に向いた側面における直径が球の反対を向いた側面における直径より小さいように形成されている。球座の尖った形状によって層流が乱流流れに変換されて、それは温度の低い際に油の貫流を容易とする効果が得られる。
【0020】
閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁の目下の実施例では、油温度の低い際に流入容積流が油の粘性挙動に基づいて減少され、それは欠点の形式で特に予め制御されたクラッチ弁の弁動力学を減少させるようになるという問題が生じる。この場合に、高い温度では漏れ容積流が強力に増加されるので、この効果の補償が大きな流入幾何学によって欠点維持として明らかになる。
【0021】
この発明の別の観点によると、閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁は、大量の容積流を可能とするために、油温度の低い際に流入制御辺(即ち弁座或いは球座)の横断面が出来るだけ幅広く開放され、油温度の高い際に一方で連続システムの高い弁動力学が達成され、他方で漏れ油流が著しくは増加されない限り、流入制御辺の横断面が減少されるように、流入制御辺の横断面が温度に依存して変更できることが提案されている。
【0022】
この発明の特に好ましい実施態様の範囲では、球座は熱膨張係数がラムロッドの熱膨張係数より実質的に大きい材料から製造され、それによってその球座は温度の上昇によりラムロッドの材料に比べて過度に強力に成長する幾何学的拡大部を有することが提案されている。それにより流入制御辺の横断面が温度の上昇によりいつも小さい横断面面積を有することが達成される。
【0023】
円横断面の直径が直線に温度により減少され、円横断面の面積と横断面を通る貫流が横断面直径に対する二乗の関係に生じるので、横断面減少が円横断面では温度の二乗に比例している。
【0024】
この発明の特に好ましい再現によると、球座が環状円板によって形成され、円板の外径にはケーシング固定式に固定された安定な支持リングが設けられ、その支持リングを通して環状円板の熱膨張が半径方向に観察されて内方に案内される。
【0025】
特に支持リングがラムロッドの材料と同じ熱膨張係数を有する材料から成り、これにより流入制御辺の横断面が好ましい形式で球座を形成する環状円板の材料選択から決定できる。
【0026】
発明によると、球座を形成する環状円板がガラス遷移点の上部に非線型熱膨張挙動を有する合成樹脂材料から形成されている。この形式では、例えばポリフェニレンサルファイド合成樹脂(PPS−合成樹脂)の使用によって流入制御辺の横断面の過度の減少が合成樹脂のガラス遷移点の上部で達成され得て;典型的値がおよそ80°Cである。
【0027】
球座用の大きな熱膨張係数を有する材料に対して選択的に、球座のこの発明の別の実施態様によると、例えばGFK−合成樹脂(ガラス繊維強化合成樹脂)のような負的熱膨張係数を有する材料が使用され得る。支持リングなしに取付けられるこの種の材料製の球座を形成する環状円板によって、流入制御辺の横断面が温度の上昇により縮小される。
【0028】
さらに、この実施態様は、球座を形成する環状円板が挿入部材として後から圧力制御突起に組立てられるか、或いはクリップ止めされ、それが仕上げ処理の明らかな簡略化を可能とする利点を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
この発明は次に添付図面に基づいて例として詳細に説明される。
【実施例】
【0030】
図1には、先行技術から知られた閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁が圧力なし状態で(流入制御辺が閉鎖されている)概略的に図示されている。この種の比例圧力制御弁は専門家に良く知られているので、次に発明の理解に必要な部分のみが記載される。
【0031】
圧力予制御弁として用いられる圧力制限弁1は、従来の形式において電磁石心、電磁石コイル3とばねの力に逆らって左へ移動できる電磁石アンカー4を有する電磁石2並びに特に平座7として形成された第一弁座に当接できて、この際に平座7に加工された貫通開口8を閉鎖できる閉鎖部材6用の電磁石アンカー4により移動できるアンカーロッド5を有する。さらに、ラムロッド9が設けられ、アンカーロッド5と連結されているか、或いはアンカーロッド5と一部材で形成され得て、このアンカーロッドが球として形成された閉鎖体10を球座11として形成された第二弁座から引き出され得る。流入制御辺が12で示され、タンク辺が13で示され、19により噴流方向転換器が示されている。
【0032】
図1に示された弁の場合には、流入座からタンク座への切換が突然に行われるので、実質的圧力上昇が得られることなしに、圧力制御器の漏れ容積流が同様に突然に増加する。これは、圧力制御器の圧力範囲が低い際により高い漏れ容積流が生じ、同時にのこの圧力範囲では、例えばクラッチを充填するために、伝動装置のより高い容積流の必要性が生じるという欠点をまねく。
【0033】
図2に示された例では、ラムロッド9は球座11に向いた端部には、流入制御辺12の開口横断面がラムロッド9の軸方向位置に依存して変更できるように形成されていて、それで、目標圧の低い際に横断面が減少されて流入容積流を減少させ、目標圧の高い際に流入制御辺12の全横断面が利用できて一方では連続スライダの高い容積流要件を正しくさせ且つ他方では作業圧において高い漏れを補償できる。
【0034】
図2からわかるように、このために、ラムロッド9は球座11に向いた端部には幾何学的拡大部18を有し、その拡大部が球座11への方向に或いは電磁石2に先細になる円錐切頭の形状を有する。それにより目標圧の低い際に横断面が減少されて流入容積流を減少させ、目標圧の高い際に流入制御辺12の全横断面が利用できて一方では連続スライダの高い容積流要件を正しくさせ且つ他方では作業圧において高い漏れを補償できる。
【0035】
このために、示された例では、球座11は球10に向いた側面における直径が球10と反対を向いた側面における直径より小さい;即ち流入制御辺12の横断面が弁2の電磁石部材2への方向に観察して軸方向に拡大するように形成されている。球座の尖った形状によって層流が乱流に変換され、それが温度の低い際に好ましい形式で油の貫流を容易とするという効果が得られる。
【0036】
図2に示された実施例では、球座11は熱膨張係数がラムロッド9の熱膨張係数より実質的に大きい材料から製造され、それにより温度の上昇によりラムロッドの材料に比べて過度に強力な成長する幾何学的膨張を有する。この発明の概念によって、流入制御辺12の横断面が温度の上昇によりいつも小さい横断面面積を有することが達成される。
【0037】
図2によると、球座11は環状円板14によって形成されていて、円板の外径の周りにケーシング固定式に配置された安定な支持リング15が設けられ、その支持リングによって環状円板14が半径方向に観察して内方に案内されている。好ましい形式では、支持リング15はラムロッド9の材料と同じ熱膨張係数を有する材料から成り、それにより流入制御辺12の横断面が専ら球座11を形成する環状円板14用の材料選択から決定できる。図には、16で領域が示され、この領域が円板14を温度の高い際に内方へ追加的に膨張し、それにより流入制御辺12の開口横断面の減少と一致する;斜線で図示された領域17が温度の低い際の円板14の膨張に一致する。
【0038】
図3の対象は最高圧(タンク辺13が閉鎖され、流入制御辺12が完全に開放された)における弁の実施例であり、球座11が先行技術により製造されていて、ラムロッド9が球座11に向いた端部には図2による実施態様に一致して形成されている。この場合には、タンク辺13が完全に閉鎖されるならば、ラムロッド9のこの発明の構成に基づいて完全開口横断面が達成される。
【0039】
図4には、先行技術による圧力制御弁と図3による実施例により形成された圧力制御弁との例としての圧力−容積流特性曲線である。この場合には、曲線Aが一定流入幾何学を備える図1による例により形成された弁の圧力制御流に依存する容積流を意味し、曲線Bが可変流入幾何学を備える図3による例により形成された弁の圧力制御流に依存する容積流を意味する。さらに、曲線CがCE−機能なしの従来の圧力制御弁の圧力−容積流特性曲線を意味し、圧力要件の最小の際には流入辺とタンク辺の間の最高漏れが生じ;圧力制御流に依存する弁の作業圧が曲線Dによって描写される。
【0040】
図4から明らかなように、圧力要件の最小の際には、この発明により幾何学的拡大部18をラムロッド9に設けられた弁の漏れが従来の閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁に比べて著しく減少され、図では差値がΔLで示される;CE−機能なしの従来の圧力制御弁が比べて最高漏れを有する。
【0041】
さらに、図4は、幾何学的拡大部18をラムロッド9に設けられた弁の場合に、流入制御辺からタンク辺への移行は従来の閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁に比べて好ましい形式で再び構成され得ることが読み取られ得る。
【0042】
図5には、この発明の弁の別の実施態様が図示されていて、球座11の幾何学的拡大部18を備えるラムロッド9の実施例に加えて、球座11に向いた側面における直径が球座11と反対を向いた側面における直径より小さい;即ち流入制御辺12の横断面が弁1の電磁石部材2への方向に観察して軸方向に拡大する。
【0043】
図6は図5に示された弁の制御辺の開口特性を採用する。この場合には、タンク開口面積がラムロッド9の位置の函数として曲線Eによって描写され、曲線Fが図5に図示された弁の流入制御辺の利用できる横断面面積を意味する。比較すると、従来の閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁の流入制御辺の利用できる横断面面積が曲線Gによって描写される。零位置では、タンク辺が完全に閉鎖され、流入制御辺が完全に開放されている。
【0044】
従来の閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁や図5による弁における圧力制御流と圧力制御力に依存するラムロッド9の位置が図7の対象である。ラムロッドの位置は、(流入容積流がタンク容積流と作業容積流との総和と同じであるならば、作業圧が一定である)総和容積流と圧力に比例している目標力とから生じる。
【0045】
この場合には、線Hは一定流れにおける力曲線である。図7には曲線Iは図5による弁におけるラムロッドの位置を示し、曲線Jが従来の閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁におけるラムロッドの位置を描写する。
【0046】
無論、この発明の圧力制御弁の構成部材の各構造的形成、特に各立体的配列は、これら構成が図或いは明細書に明確ではなく図示されるならば、請求項に挙げられないように、圧力制御弁の機能なしに、それ自体並びに互いに且つ技術的に有効にこの請求項の保護範囲の下で影響を与える。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】先行技術による閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁の概略的断面図を示す。
【図2】この発明の第一実施態様による閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁の一部の概略的断面図を示す。
【図3】閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁の別のこの発明の構成の概略的断面図を示す。
【図4】先行技術とこの発明による圧力制御弁の圧力- 容積流特性曲線を包含する線図を示す。
【図5】閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁の別のこの発明の構成の概略的断面図を示す。
【図6】図5に示された弁の制御辺の開口特性を具体的に説明する線図を示す。
【図7】図5に基づく実施例により形成された弁において圧力制御流と圧力制御力に依存するラム位置を具体的に説明する線図を示す。
【符号の説明】
【0048】
1.....圧力制御弁
2.....電磁石
3.....電磁石コイル
4.....電磁石アンカー
5.....アンカーロッド
6.....閉鎖部材
7.....弁座
8.....開口
9.....ラムロッド
10....閉鎖体
11....球座
12....流入制御辺
13....タンク辺
14....環状円板
15....支持リング
16....円板14の追加的膨張部
17....温度の低い際の円板14の膨張部
18....幾何学的拡大部
19....噴流方向転換器
A.....先行技術による弁の圧力制御流の依存する容積流
B.....CE−機能なしのこの発明により形成された弁の圧力制御流の依存する容積流
C.....CE−機能なしの従来の圧力制御弁の圧力−容積流特性曲線
D.....圧力制御流の依存する弁の作業圧
E.....ラムロッド9の位置の函数としてのタンク開口面積
F.....この発明の弁においてラムロッド9の位置の函数としての流入制御辺の利用できる横断面面積
G.....従来の閉鎖端圧力制御器として形成された弁の流入制御辺の利用できる横断面面積
H.....一定流れにおける力曲線
I.....この発明の弁におけるラムロッドの位置
J.....従来の閉鎖端圧力制御器として形成された弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁石心、電磁石コイル(3)と移動可能な電磁石アンカー(4)を有する電磁石(2)と、タンク辺の第一弁座(7)に当接し得る閉鎖部材(6)用の電磁石アンカー(4)により移動できるアンカーロッド(5)と、アンカーロッド(5)と連結されるか、或いは球として形成された閉鎖体(10)を流入制御辺の球座(11)から引き出しできるアンカーロッド(5)と一部材に形成されるラムロッド(9)とを備える二つの油圧式半ブリッジ回路に配置された弁座(7、11)を包含する閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁(1)において、ラムロッド(9)はその球座(11)に向いた端には、流入容積流を減少させるために、目標圧の低い際には横断面が減少されるように、流入制御辺(12)、即ち球座(11)の開口横断面がラムロッド(9)の軸方向位置に依存して変更できるように形成されていて、目標圧の高い際には流入制御辺(12)の横断面が利用できること、及び球座(11)は球(10)に向いた側面における直径が球(10)と反対を向いた側面における直径より小さいように形成されていること、又はそれらのいずれかの一方のことを特徴する圧力制御弁。
【請求項2】
ラムロッド(9)が球座(11)に向いた端には幾何学的拡大部(18)を有することを特徴とする請求項1に記載の閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁。
【請求項3】
幾何学的拡大部(18)が球座(11)への方向に先細にする円錐切頭部の形状を有することを特徴とする請求項2に記載の閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁。
【請求項4】
幾何学的拡大部(18)が円筒状、凹状或いは凸状形状或いは二重円錐形状を有することを特徴とする請求項2に記載の閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁。
【請求項5】
大量の容積流を可能とするために、油温度の低い際に横断面が出来るだけ幅広く開放され、油温度の高い際に一方では連続システムの高い弁動力学が達成され、他方では漏れ油流が著しくは増加されない限り、流入制御辺(12)の横断面が減少されるように、流入制御辺(12)、即ち球座(11)の横断面が温度に依存して変更できることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの一項に記載の閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁。
【請求項6】
球座(11)は熱膨張係数がラムロッド(9)の熱膨張係数より実質的に大きい材料から製造され、それによってその球座は温度の上昇によりラムロッド(9)の材料に比べて過度に強力に成長する幾何学的拡大部を有することを特徴とする請求項5に記載の閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁。
【請求項7】
球座(11)が環状円板(14)によって形成されていて、円板(14)の外径の周りにケーシング固定式に配置された安定な支持リング(15)が設けられ、その支持リングを通して環状円板(14)の熱膨張が半径方向に観察されて内方に案内されることを特徴とする請求項5或いは6に記載の閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁。
【請求項8】
支持リング(15)はラムロッド(9)の材料と同じ熱膨張係数を有する材料から成ることを特徴とする請求項7に記載の閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁。
【請求項9】
球座(11)を形成する環状円板(14)がガラス遷移点の上部に非線型熱膨張挙動を有する合成樹脂材料から形成されていることを特徴とする請求項6、7或いは8に記載の閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁。
【請求項10】
球座(11)を形成する環状円板(14)がPPS−合成樹脂材料から形成されていることを特徴とする請求項9に記載の閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁。
【請求項11】
球座(11)は環状円板(14)によって負的熱膨張係数を有する材料から製造され得て、円板が支持リングなしにその範囲に増設されていることを特徴とする請求項5に記載の閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁。
【請求項12】
球座(11)を形成する環状円板(14)がガラス繊維強化合成樹脂から製造されていることを特徴とする請求項11に記載の閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁。
【請求項13】
球座(11)を形成する環状円板(14)が挿入部材として後から圧力制御突起に組立てられるか、或いはクリップ止めされることを特徴とする請求項11或いは12に記載の閉鎖端圧力制御器として形成された圧力制御弁。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−63168(P2009−63168A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−227092(P2008−227092)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(504111347)ツェットエフ フリードリヒスハーフェン アクチエンゲゼルシャフト (75)
【氏名又は名称原語表記】ZF Friedrichshafen Aktiengesellschaft
【Fターム(参考)】