説明

圧力容器を用いた乾燥装置及び乾燥方法

【課題】乾燥雰囲気を所望の状態に保ちながら運転コストを低減することができる、圧力容器を用いた乾燥装置を提供する。
【解決手段】乾燥装置1は、被乾燥物13を収容する圧力容器3と、過熱蒸気を循環させる循環パイプ5と、循環パイプに設けられた蒸気過熱器7及び循環装置21と、圧力容器から過熱蒸気を排棄する減圧ポンプ37とを備える。循環パイプを介して圧力容器に対して過熱蒸気を循環させながら、減圧ポンプによって圧力容器内を一定圧力に維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力容器を用いた乾燥装置及び乾燥方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
圧力容器を用いた乾燥装置としては、特開平6−50662号公報に開示されたものがあった(特許文献1参照)。この装置では、圧力容器に過熱蒸気を供給して乾燥を行うと共に、圧力容器内で過熱度が低下した過熱蒸気は単に排棄していた。
【0003】
また、過熱蒸気を循環させて乾燥を行う装置として、特開2000−146438号公報に開示されたものがあった(特許文献2参照)。この乾燥装置では、乾燥室内の蒸気の一部を抽出して加熱し、過熱蒸気として乾燥室内へ再度供給する、蒸気の循環動作がなされていた。
【特許文献1】特開平6−50662号公報
【特許文献2】特開2000−146438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の乾燥装置には次のような問題があった。まず、特許文献1に記載の装置においては、乾燥に伴って過熱度の低下した蒸気を圧力容器の外に排出し、不足した分の過熱蒸気は新たに作り出して圧力容器に供給していた。そのため、エネルギロスが大きく、運転コストが増大する問題があった。
【0005】
また、特許文献2に記載の装置では、過熱蒸気を再利用できるものの、単純に循環させているに過ぎない態様であった。すなわち、一般的な態様どおり常圧下で運転しているものであり、圧力の制御を行っていない。加えて、循環を行う場合、過熱蒸気は、圧力容器内の乾燥工程で熱エネルギを消費するだけでなく、循環経路中でも熱損失を生じる。このため、過熱蒸気は循環経路中で液化する恐れがあるが、一旦、液化すると再度気化させるためには、顕熱以上の非常に大きな潜熱を必要とする。よって、エネルギロスが大きく、運転コストが増大する問題もある。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、乾燥雰囲気を所望の状態、特に負圧状態に維持することで大気圧より沸点を下げ運転コストを低減することができる、圧力容器を用いた乾燥装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本発明に係る乾燥装置は、被乾燥物を収容する圧力容器と、前記圧力容器に対して乾燥用媒体を循環させる乾燥用媒体循環経路と、前記乾燥用媒体を加熱する加熱手段と、圧力容器内を負圧に維持する負圧維持手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
その場合、好適には、前記負圧維持手段は、圧力検出手段と、その検出結果に応じて作動し、前記圧力容器から前記乾燥用媒体を排棄する圧力調整手段とを含む。
【0009】
また、好適には、乾燥装置は、前記加熱手段の入口温度を沸点以上となるように前記乾燥用媒体の循環流量を維持する循環流量調整手段をさらに備えている。
【0010】
循環流量調整手段は、温度検出手段と、その検出結果に応じて作動する循環装置とを含むように構成することができる。
【0011】
同課題を解決するための本発明に係る乾燥方法は、被乾燥物を収容する圧力容器と、前記圧力容器に対して乾燥用媒体を循環させる乾燥用媒体循環経路と、圧力容器内を負圧に維持する負圧維持手段とを備えた乾燥装置における乾燥方法であって、前記乾燥用媒体循環経路を介して該乾燥用媒体を循環させながら、前記負圧維持手段を用いて前記圧力容器内を負圧に維持する、乾燥方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る乾燥装置及び乾燥方法によれば、乾燥用媒体を負圧の一定圧状態に維持しながら循環させる場合、沸点上昇を抑制すると共に乾燥用媒体を再利用することができ、乾燥用媒体の加熱エネルギを少なく抑えることができる。また、加熱手段の入口温度を沸点以上となるように乾燥用媒体の循環流量を維持する場合、乾燥用媒体が循環経路中で液化することを防止することができるので、乾燥用媒体を再利用することが可能でありながら、潜熱を要求されるようなエネルギロスの大きな運転を強いられることがない。
【0013】
なお、本発明の他の特徴及びそれによる作用効果は、添付図面を参照し、実施の形態によって更に詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る実施の形態を、添付図面に基づいて説明する。なお、図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものとする。
【0015】
本発明の第1の実施の形態に係る乾燥装置1は、圧力容器3と、乾燥用媒体循環経路としての循環パイプ5と、加熱手段としての蒸気過熱器7と、圧力調整手段(負圧維持手段)9と、循環流量調整手段11とを備えている。圧力容器3は、その内部に被乾燥物13を収容することができる容器である。また、圧力容器3内には、乾球温度計15、湿球温度計17及び圧力計19が設けられている。
【0016】
循環パイプ5は、その一端が圧力容器3の供給口に接続され、他端が圧力容器3の排出口に接続された配管によって構成されている。循環パイプ5における圧力容器3の上流部分には、蒸気過熱器7が配置されている。一方、循環パイプ5における圧力容器3の下流部分には、循環流量調整手段11が配置されている。循環流量調整手段11は、循環装置21と、循環バルブ23とを備えている。本実施の形態では循環装置21としてはルーツブロアを用いているが、本発明はそれに限定されるものではなく、各種送風機、圧縮機、ポンプなどを適宜採用することができる。
【0017】
循環パイプ5における蒸気過熱器7の上流部には分岐部25が設けられており、分岐部25からは乾燥用媒体循環経路外へと蒸気供給パイプ27が延びている。蒸気供給パイプ27には、ボイラー29及び飽和蒸気バルブ31が設けられている。
【0018】
分岐部25と蒸気過熱器7との間には、蒸気過熱器入口温度計16及び蒸気過熱器入口圧力計18が設けられている。
【0019】
循環パイプ5における圧力容器3の下流部には分岐部33が設けられており、分岐部33からは乾燥用媒体循環経路外へと圧力調整パイプ35が延びている。圧力調整パイプ35には、圧力調整手段9が設けられている。かかる圧力調整手段9は、減圧ポンプ37及び排棄バルブ39を備えている。
【0020】
次に、このような構成を有する本実施の形態に係る乾燥装置の動作及び乾燥方法について説明する。本実施の形態では、乾燥用媒体として過熱蒸気を用い、圧力容器3内の乾燥雰囲気は、乾球温度が120℃、湿球温度が90℃、圧力が−0.3気圧(負圧)を目標設定値としている。また、圧力容器3内は乾球温度及び湿球温度によって制御される。乾燥装置1の運転は、乾燥循環運転とパージ運転とに区分することができる。
【0021】
圧力容器3内に、被乾燥物13として木材を収容した後、乾燥装置1の乾燥循環運転を開始する。循環バルブ23を開き循環装置21を稼動させることにより、圧力容器3内の過熱蒸気は、循環パイプ5へと吸引され、分岐部25の下流の蒸気過熱器7に流入する。過熱蒸気は蒸気過熱器7内において適切な温度まで加熱され、再び圧力容器3内へ供給されて、乾燥に供される。蒸気過熱器7は、乾球温度計15で検出された結果に基づいて、圧力容器3内の乾球温度が目標設置値となるように過熱量を調整する。このように過熱蒸気を循環させながら、圧力容器3内において被乾燥物13の乾燥を行う。
【0022】
また、本実施の形態では、運転コスト低減のために次のような動作を行う。まず、被乾燥物13の乾燥が進むにつれ被乾燥物13に含有されていた水分が蒸発し、蒸気として新たに圧力容器3内に放出される。このような蒸気過多状態により、圧力容器3内の圧力(湿球温度)が上昇する。圧力容器3内で圧力(湿球温度)が上昇すると、それに伴って沸点も上昇する。しかしながら、圧力容器3内の過熱蒸気の温度を、上昇後の沸点まで加熱しようとすると、その分運転コストの増大につながる問題があった。
【0023】
そこで、本実施の形態では次のような動作によって上記問題を回避している。すなわち、蒸気過多によって湿球温度が上昇した場合これを一定値に保つ為に循環運転状態のまま排棄バルブ39を開くと共に減圧ポンプ37を起動させる。これにより、過剰な蒸気は循環系外へと吸引、排棄され、圧力及び湿球温度はもとの目標設定値に回復する。湿球温度計17により湿球温度が目標設定値に戻ったことが確認されると、排棄バルブ39を閉じると共に減圧ポンプ37を停止させる。すなわち、湿球温度計17は、圧力検出手段として機能し、かかる圧力検出手段及び圧力調整手段9は、負圧維持手段として機能する。このように圧力容器3内を一定の負圧に維持することによって、沸点が低く抑えられた乾燥運転を継続して行うことができる。
【0024】
また、過熱蒸気は、圧力容器3内の乾燥工程で熱エネルギを消費するだけでなく、循環パイプ5の流通過程でも熱損失を生じる。このため、過熱蒸気は循環パイプ5内で液化する恐れがあるが、一旦、液化すると再度気化させるためには、顕熱以上の非常に大きな潜熱を必要とする。よって、エネルギロスが大きく、運転コストが増大する問題もある。
【0025】
そこで、本実施の形態では、蒸気過熱器入口温度計16による検出温度が所定の閾値を下回らないように循環装置21の運転を制御している。具体的には、蒸気過熱器入口圧力計18で検出された圧力における過熱蒸気の沸点を閾値とし、蒸気過熱器入口温度計16で検出された温度がかかる閾値を下回らないように循環装置21の質量流量(m3/min)を維持する。これによって、過熱蒸気は、最も温度が低下しうる蒸気過熱器7による加熱直前の状態においても液化することがない。従って、潜熱が問題とされることなく、エネルギコストの増大を抑えることができる。
【0026】
また、負圧状態の乾燥循環運転で循環系にリークが生じた場合、空気の流入により圧力容器3内の圧力が徐々に上昇する恐れがある。圧力容器3内の圧力が上昇すると、前述のように沸点も上昇するため、蒸気過熱器7での過熱量増加に伴う運転コストの増大につながる。
【0027】
そこで、本実施の形態では、流入空気の追い出しを行うパージ運転を行う。まず、リークによる空気割合の増加を判定するために、圧力計19の検出値から換算した理論湿球温度と、湿球温度計17で検出された実測湿球温度との差を算出し、その差が規定値以上となったときに、循環装置21を停止すると共に循環バルブ23を閉じ、その代わりに、飽和蒸気バルブ31及び排棄バルブ39を開くと共に減圧ポンプ37を起動させる。
【0028】
それによって、圧力容器3内の雰囲気が圧力調整パイプ35を介して排棄されると共に、ボイラー29で作られた蒸気が蒸気過熱器7において過熱蒸気とされて圧力容器3内に供給される。圧力容器3内が新たに供給された過熱蒸気によって置換されるまでの数分間、パージ運転を実施した後、乾燥循環運転に復帰される。
【0029】
以上説明したように本実施の形態によれば、乾燥用媒体を負圧の一定圧状態に維持しながら循環させるため、沸点上昇を抑制すると共に乾燥用媒体を再利用することができ、乾燥用媒体の加熱エネルギを少なく抑えることができる。加えて、乾燥用媒体が循環経路中で液化することを防止することができるので、乾燥用媒体を再利用することが可能でありながら、潜熱を要求されるようなエネルギロスの大きな運転を強いられることがない。
【0030】
なお、本実施の形態では、圧力調整手段9は循環パイプ5における圧力容器3と循環バルブ23との間から分岐して設けられていたが、これに代えて、図2に示されるように、圧力容器3から直接、圧力調整パイプ41を延ばし、その圧力調整パイプ41に圧力調整手段9を設置する態様でもよい。
【0031】
次に、図3をもとに、本発明の第2の実施の形態に係る乾燥装置及び乾燥方法について説明する。本実施の形態に係る乾燥装置101は、図1及び図2の実施の形態における圧力調整手段9の機能及び循環流量調整手段11の機能を兼ねる、圧力・循環流量調整手段110を備えている。圧力・循環流量調整手段110は、減圧ポンプ137、循環バルブ123及び排棄バルブ139を有している。
【0032】
減圧ポンプ137は、循環パイプ5における圧力容器3及び分岐部33の間に配置されている。循環バルブ123は、循環パイプ5における分岐部33の下流に配置されている。また、排棄バルブ139は、圧力調整パイプ35に配置されている。
【0033】
このように構成された乾燥装置101においても、循環バルブ123を開き且つ排棄バルブ139を閉じると共に、減圧ポンプ137を稼動させることにより、過熱蒸気を循環パイプ5にて循環させ圧力容器3内で乾燥を行うことができる。その際、被乾燥物13に含有されていた水分が蒸気として放出され、蒸気過多状態が生じた場合には、循環運転状態のまま排棄バルブ139を開くことにより、過剰な蒸気は循環系外へと吸引、排棄される。したがって、圧力容器3内を一定の負圧に維持することによって、沸点が低く抑えられた乾燥運転を行うことができ、蒸気過熱器7での過熱量を抑え運転コストを低減することができる。
【0034】
また、蒸気過熱器入口温度計16による検出温度が所定の閾値を下回らないように減圧ポンプ137の運転を制御する。これによって、過熱蒸気は、最も温度が低下しうる蒸気過熱器7による加熱直前の状態においても液化することがない。従って、潜熱が問題とされることなく、エネルギコストの増大を抑えることができる。
【0035】
さらに、負圧状態の乾燥循環運転で循環系にリークが生じた場合、流入空気の追い出しを行うパージ運転を行う。すなわち、循環バルブ123を閉じ、飽和蒸気バルブ31及び排棄バルブ139を開くと共に減圧ポンプ137を起動させる。それによって、ボイラー29で作られた蒸気が蒸気過熱器7において過熱蒸気とされて圧力容器3内に供給され、圧力容器3内が新たに供給された過熱蒸気によって置換されたら、乾燥循環運転に復帰される。
【0036】
以上説明した本実施の形態においても、乾燥用媒体を負圧の一定圧状態に維持しながら循環させるため、沸点上昇を抑制すると共に乾燥用媒体を再利用することができ、乾燥用媒体の加熱エネルギを少なく抑えることができる。また、乾燥用媒体が循環経路中で液化することを防止することができるので、乾燥用媒体を再利用することが可能でありながら、潜熱を要求されるようなエネルギロスの大きな運転を強いられることがない。
【0037】
次に、図4をもとに、本発明の第3の実施の形態に係る乾燥装置及び乾燥方法について説明する。本実施の形態に係る乾燥装置201は、図1の実施の形態において、循環パイプ5における圧力容器3と分岐部33との間に圧力調整手段(負圧維持手段)209としての蒸気冷却器243が設けられている。
【0038】
このように構成された乾燥装置201においても、循環バルブ23を開き且つ排棄バルブ39を閉じると共に、循環装置21を稼動させることにより、過熱蒸気を循環パイプ5にて循環させ圧力容器3内で乾燥を行うことができる。その際、被乾燥物13に含有されていた水分が蒸気として放出され、蒸気過多状態が生じた場合には、循環運転状態のまま蒸気冷却器243を稼動させ、つまり減圧ポンプ37を稼動させることなく、過剰蒸気をドレン245として循環系外へ排棄される。
【0039】
具体的には、乾燥循環運転において、湿球温度計17によって検出された圧力容器3内の湿球温度が所定の閾値以上になった場合には、蒸気冷却器243の水量を操作し、過剰な蒸気を液化させてドレン245として循環系外へ排棄させる。したがって、圧力容器3内を一定の負圧に維持することによって、沸点が低く抑えられた乾燥運転を行うことができ、蒸気過熱器7での過熱量を抑え運転コストを低減することができる。
【0040】
また、蒸気過熱器入口温度計16による検出温度が所定の閾値を下回らないように減圧ポンプ37の運転を制御する。これによって、過熱蒸気は、最も温度が低下しうる蒸気過熱器7による加熱直前の状態においても液化することがない。従って、潜熱が問題とされることなく、エネルギコストの増大を抑えることができる。
【0041】
さらに、負圧状態の乾燥循環運転で循環系にリークが生じた場合、流入空気の追い出しを行うパージ運転を行う。すなわち、循環バルブ23を閉じ、飽和蒸気バルブ31及び排棄バルブ39を開くと共に減圧ポンプ37を起動させる。それによって、ボイラー29で作られた蒸気が蒸気過熱器7において過熱蒸気とされて圧力容器3内に供給され、圧力容器3内が新たに供給された過熱蒸気によって置換されたら、乾燥循環運転に復帰される。
【0042】
上述した本実施の形態においても、乾燥用媒体を負圧の一定圧状態に維持しながら循環させるため、沸点上昇を抑制すると共に乾燥用媒体を再利用することができ、乾燥用媒体の加熱エネルギを少なく抑えることができる。また、乾燥用媒体が循環経路中で液化することを防止することができるので、乾燥用媒体を再利用することが可能でありながら、潜熱を要求されるようなエネルギロスの大きな運転を強いられることがない。
【0043】
以上、好ましい実施の形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の改変態様を採り得ることは自明である。
【0044】
まず、上記実施の形態では、乾燥用媒体として過熱蒸気を用いていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、熱風などの高温空気を乾燥用媒体として用いてもよい。その場合には、ボイラーやそれに付随する設備を省略することができる。
【0045】
また、上記実施の形態では、圧力調整手段(負圧維持手段)を構成する圧力検出手段として、湿球温度計を用いていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、圧力計そのものを用いることもできる。
【0046】
また、循環バルブ及び排棄バルブを個別に配置する態様に代えて、これらのバルブを兼用する三方弁を、分岐部33に配置する態様であってもよい。
【0047】
また、本発明は、温度検出型の循環流量調整手段を持たない設備においても、被乾燥物の物性及び、循環乾燥装置の特性を考慮し、前記加熱手段の入口温度が沸点以上となる循環流量を算出し、その固定値で運転することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る乾燥装置の構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態において圧力調整手段を循環パイプから独立させて設けた構成を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る乾燥装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る乾燥装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1、101,201 乾燥装置
3 圧力容器
5 循環パイプ(乾燥用媒体循環経路)
7 蒸気過熱器(加熱手段)
9 圧力調整手段
13 被乾燥物
16 蒸気過熱器入口温度計(循環流量調整手段、温度検出手段)
17 湿球温度計(負圧維持手段、圧力検出手段)
21 循環装置(循環流量調整手段)
37 減圧ポンプ(負圧維持手段)
137 減圧ポンプ(負圧維持手段、循環流量調整手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被乾燥物を収容する圧力容器と、
前記圧力容器に対して乾燥用媒体を循環させる乾燥用媒体循環経路と、
前記乾燥用媒体を加熱する加熱手段と、
前記圧力容器内を負圧に維持する負圧維持手段と
を備えたことを特徴とする乾燥装置。
【請求項2】
前記負圧維持手段は、圧力検出手段と、その検出結果に応じて作動し、前記圧力容器から前記乾燥用媒体を排棄する圧力調整手段とを含むことを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項3】
前記加熱手段の入口温度を沸点以上となるように前記乾燥用媒体の循環流量を維持する循環流量調整手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥装置。
【請求項4】
循環流量調整手段は、温度検出手段と、その検出結果に応じて作動する循環装置とを含むことを特徴とする請求項3に記載の乾燥装置。
【請求項5】
被乾燥物を収容する圧力容器と、
前記圧力容器に対して乾燥用媒体を循環させる乾燥用媒体循環経路と、
前記圧力容器内を負圧に維持する負圧維持手段とを備えた乾燥装置における乾燥方法であって、
前記乾燥用媒体循環経路を介して該乾燥用媒体を循環させながら、前記負圧維持手段を用いて前記圧力容器内を負圧に維持する、乾燥方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−17353(P2006−17353A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194008(P2004−194008)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000000240)太平洋セメント株式会社 (1,449)
【Fターム(参考)】