説明

圧電デバイス及びその製造方法

【課題】レーザ光による圧電デバイスへ品名、ロット番号等のマーキングの際の能動素子の焼けによる損傷を防止する。
【解決手段】本発明は、圧電デバイス及びその製造方法に関し、圧電基板2と、該圧電基板2の主面2bに形成された櫛歯電極3と、該櫛歯電極3に隣接して配設された素子配線を有する配線電極4と、該配線電極4の外周を囲む開口部8aを有する外囲壁8と、該外囲壁8の上端面を封止して中空部Sを形成する天井壁9と、前記圧電基板2の主面2bから裏面2dを貫通して配設され、かつ、前記配線電極4と前記圧電基板2の裏面2dに配設された端子電極5とを電気的に接続する貫通電極6と、前記圧電基板2の裏面2dに有色の液体の硬化層7を形成し、該有色の液体の硬化層7に文字、記号等の表示をしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電デバイス、例えば、弾性表面波デバイス(以下、SAWデバイスという)及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電デバイス、例えば、SAWデバイスは、水晶、LiTaO3,LiNbO3等の圧電ウエハの主面上に櫛歯状の電極(IDT電極)と配線電極を形成し、圧電ウエハから個々の個片に分割した後、セラミック・パッケージ内に搭載し、金属配線を用いてワイヤーボンディングで素子パッケージを接続したり、あるいは素子配線上にバンプを設けてフリップチップ実装により接続した後、パッケージ内に封止して製造するのが一般的であった。
【0003】
昨今は、さらなるSAWデバイスの小型化、低背化を図るため、ウエハ製造工程で、封止や電極形成までを行うウエハレベル・パッケージが実用化されるようになった。
【0004】
一方、SAWデバイスを小型化しても、SAWデバイスの裏面には、品名やIDT電極の方向性等の表記(マーキング)が依然として表示することが必要とされている。こうした状況下で、SAWデバイスの低背化を維持し、かつ、安価に表示をデバイスに形成する技術は数が限られていて、レーザあるいはインク等による従来の表示技術は、小型化したデバイスへの適用が困難になりつつある。
【0005】
SAWデバイスでは、結晶構造の透明な圧電ウエハの主面上に、櫛歯電極等の素子パターンを金属薄膜で形成する。このため、YAG,CO2あるいはグリーンレーザ等のレーザ装置を用いて、ウエハの裏面に、直接、文字、記号等をマーキングすると、レーザ光がウエハを透過し、ウエハの主面に形成した素子を焼いてしまい、損傷を与えるおそれがある。そのため、圧電ウエハに直接レーザで品番等を表示をするのは極めて困難であった。
【0006】
また、結晶性ウエハは、かりに、短波長のグリーンレーザ、エキシマレーザあるいはフェムト秒レーザを用いても、レーザ光が照射された部位にクラックを生じ、ウエハが破損するから、レーザ光により、直接、ウエハに表示、描画することが極めて困難であった。
【0007】
さらに、ウエハ単位で最初の工程からパッケージング工程まで全ての工程を完了するウエハレベル・パッケージでは、SAWデバイスへの捺印・表示方法として、ゴム印によるインクの転写、あるいは全く表示をしない、またはSAWデバイスの方向性のみを識別する方法がある。これに関し、表示内容を極力簡略化し、例えば、デバイスの片側のみに方向性マークを表示する等の手段の他、ウエハ裏面に樹脂シートを貼り付けて、このシートに表示(捺印)を行う方法がある。
【0008】
一方、SAWデバイスでは、その小型化、低背化が進み、ウエハプロセスで、一貫して、素子形成、封止、端子形成を行うことが多いが、前述した理由により、ウエハに直接マーキングを行うためには、樹脂シートをウエハの裏面に貼り付け、この樹脂部分に捺印するか、あるいは透明でないウエハを用いて捺印するか、あるいはインクをウエハに転写する必要があった。
【0009】
また、インクジェット方式は、インクのドットサイズが大きく(例えば、60μm)であり、小型のSAWデバイスへの表示には、この種方式は、ドットサイズが大きすぎて文字の表示には不向きであった。
【0010】
さらに、SAWデバイスは、一般に、圧電素子の能動面(主面)からウエハの裏面に漏れ伝わる振動が能動素子の裏面で反射し、SAWデバイスの特性を悪化させるため、数μmの微小な突起をもつインクを、微細にインクを塗布しても、表面エネルギーが低く濡れ広がり易いので、インクが印刷面で滲んでしまい、表示した文字の識別が困難になるおそれがあった。
【0011】
他方、粘度の高いインクをウエハに凸版印刷の手法で転写することも可能であるが、0.3mm角程度の文字サイズが凸版印刷の限界であり、かつ、表示する内容を変更する場合には、そのつど凸版を交換する必要があった。また、接触式印字法では、インク供給、版摩耗等により品質が安定しない問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007−250970号公報
【特許文献2】特開2008−244228号公報
【特許文献3】特開2009−017454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明が解決しようとする課題は、レーザによる圧電デバイスへの品名、ロット番号等のマーキング(表示)の際の能動素子の焼けによる損傷防止である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記した問題を解決するため、本発明の圧電デバイス及びその製造方法では、圧電デバイスの圧電基板の裏面に有色の液体を塗布し、硬化させ、その塗布面にレーザ光を照射して文字、記号等を表示する。
【0015】
そのため、本発明の圧電デバイスは、圧電基板と、該圧電基板の主面に形成された櫛歯電極と、該櫛歯電極に隣接して配設された素子配線を有する配線電極と、該配線電極の外周を囲む開口部を有する外囲壁と、該外囲壁の上端面を封止して中空部を形成する天井壁と、前記圧電基板の主面から裏面を貫通して配設され、かつ、前記配線電極と前記圧電基板の裏面に配設された端子電極とを電気的に接続する貫通電極と、前記圧電基板の裏面に有色の液体の硬化層を形成し、該有色の液体の硬化層に文字、記号等の表示する。
【0016】
また、本発明では、前記圧電デバイスが、SAWデバイスであることを特徴とする。
【0017】
本発明の圧電デバイスの製造方法は、集合圧電基板を準備する工程と、前記集合圧電基板の裏面に有色の液体を塗布する工程と、該裏面に塗布した前記有色の液体を乾燥・硬化させる工程と、前記有色の液体の硬化した前記塗布面にレーザ光を照射して、硬化した前記有色の液体を部分的に消失させて、文字、記号等の識別できる表示を形成する工程と、前記集合圧電基板の主面にパターニングのための成膜をする工程と、前記集合圧電基板の主面に形成した成膜面にパターニングして能動素子、配線電極、貫通電極及び封止部を形成する工程と、前記集合圧電基板を個片に分割して個片化した圧電デバイスを形成する工程と、からなることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の圧電デバイスの製造方法は、集合圧電基板を準備する工程と、前記集合圧電基板の裏面に有色の液体を塗布する工程と、該裏面に塗布した前記有色の液体を乾燥・硬化させる工程と、前記集合圧電基板の主面にパターニングのための成膜をする工程と、前記集合圧電基板の主面に形成した成膜面にパターニングして能動素子、配線電極、貫通電極及び封止部を形成する工程と、前記有色の液体の硬化した前記塗布面にレーザ光を照射して、硬化した前記有色の液体を部分的に消失させて文字、記号等の識別できる表示を形成する工程と、前記集合圧電基板を個片に分割して個片化した圧電デバイスを形成する工程と、からなることを特徴とする。
【0019】
さらに、本発明の圧電デバイスの製造方法は、集合圧電基板を準備する工程と、前記集合圧電基板の裏面に有色の液体を塗布する工程と、該裏面に塗布した前記有色の液体を乾燥・硬化させる工程と、前記集合圧電基板の主面にパターニングのための成膜をする工程と、前記集合圧電基板の主面に形成した成膜面にパターニングして能動素子、配線電極、貫通電極及び封止部を形成する工程と、前記集合圧電基板を個片に分割して個片化する工程と、前記有色の液体の硬化した前記塗布面にレーザ光を照射して、硬化した前記有色の液体を部分的に消失させて、文字、記号等の識別できる表示を形成する工程と、からなることを特徴とする。
【0020】
本発明の製造方法では、前記有色の液体が、顔料、染料、樹脂または油の混合物からなり、前記集合圧電基板の裏面と密着し、かつ、レーザ光により容易に分解あるいは変質し、さらに、色相、形状が変化する材料からなることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の製造方法では、前記集合基板の裏面に塗布される前記有色の液体が、インクジェット、スピンコーティング、印刷、転写、噴霧等により塗布、形成されることを特徴とする。
【0022】
本発明の圧電デバイスの製造方法では、前記有色の液体の前記塗布面に照射するレーザがYAGレーザ、CO2レーザ、グリーンレーザまたはエキシマレーザであることを特徴とする
さらに、本発明の圧電デバイスの製造方法では、前記文字、記号等が、前記圧電デバイスの型番、ロット番号、製造工程の管理・識別情報であることを特徴とする。
【0023】
本発明の圧電デバイスの製造方法では、前記有色の液体の色は、透明を除く、何れの色であることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の圧電デバイスの製造方法では、前記有色の液体を含む材料を、前記集合基板の前記裏面に複数回繰り返して塗布して複数層を形成し、該塗布した複数層ごとに色を変えて、種々の情報を付与・表示したことを特徴とする。
【0025】
さらに、本発明の圧電デバイスの製造方法では、前記有色の液体層を透明な液体で形成し、前記有色の液体層の下にレーザ光を透過しない金属膜または金属化合物膜、もしくは無機材料膜を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、レーザ光による圧電デバイスへの品名、ロット番号等のマーキングの際の能動素子のレーザ光による焼けに起因する損傷が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の圧電基板の裏面に有色の液体を塗布しマーキング(表示)を施した圧電デバイスの縦断面図である。
【図2】本発明の圧電デバイスの製造方法の第1実施例を示す。
【図3】本発明の圧電デバイスの製造方法の第2実施例を示す。
【図4】本発明の圧電デバイスの製造方法の第3実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法の実施例を添付した図面に基づいて説明する。
【0029】
圧電デバイス
圧電デバイス、例えば、SAWデバイス1は、図1に示すように、水晶、タンタル酸リチウム(LiTaO3)あるいは、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)等の無機材料からなる透明な圧電基板2と、この圧電基板2の主面に蒸着等で形成された櫛歯電極(IDT電極)3と、この櫛歯電極3と、この櫛歯電極3と圧電基板2の底面に配設した端子電極5とを接続する圧電基板2の主面に形成された配線電極4と、この配線電極4の外周を囲む開口部8aを有する外囲壁8と、櫛歯電極3上に中空部Sを形成するように外囲壁8の上面に積層された天井壁9とからなり、配線電極4は、圧電基板2に形成されたビアホール(貫通孔)に金属ペーストを封入して形成した貫通電極6を介して圧電基板2の底面に配設した端子電極7に電気的に接続されている。
【0030】
とくに、本発明の圧電デバイスの実施例であるSAWデバイスでは、図1に示す透明な圧電基板2の裏面2aに有色の液体(例えば、黒色インク)を塗布し、硬化して有色の液体硬化層7を形成し、レーザ光を有色の液体硬化層7に照射して、部分的に塗布した塗料を消失させて形成された、文字、記号等(例えば、製品型式、ロット番号、製造年月日)が識別できるように、表示(マーキング)されている。本発明の圧電デバイスでは、透明な圧電基板2の裏面2aに有色の液体の硬化層7が塗布、硬化されて形成されているので、圧電デバイス1へのレーザ光によるマーキング時に、レーザ光線が圧電基板2を透過して、圧電基板2の主面2bに形成した能動素子(IDT電極3、配線電極4等)を焼いて損傷させることがない。
【0031】
圧電デバイスの製造方法
第1実施例
図2に示すように、本発明の圧電デバイスの製造方法の第1実施例では、まず、水晶、LiTaO3、LiNbO3等からなる、例えば、3〜4インチ径の集合圧電基板(ウエハ)を準備する(S1)。
【0032】
まず、ウエハの裏面上に有色(例えば、黒色インク)の液体を所定の厚さに塗布する。これにより、後出のS4で、レーザ光を塗布面に照射して、塗布した有色の液体を部分消失させて、SAWデバイスの型式番号、ロット番号等を文字、記号等で識別できるようにする(S2)。有色の液体は、一般に、顔料や染料と樹脂や油の混合物からなり、比較的粗面であって親水性を有し、ウエハの裏面と密着性を有し、レーザ光により容易に分解あるいは変質し、かつ、色相や形状が変化する材料より構成される。この有色の液体(インク)としては、具体例としてマーケム・イマージュ社のマーケム5800等の不滅インクが好適である。また、レーザ光照射時に、レーザ光線が有色インク層により遮蔽されて圧電基板の主面に形成した能動素子(例えば、配線電極)を焼いて損傷させることがない。また、ウエハの裏面に塗布する有色の液体は、インクジェット、スピンコーティング、印刷、転写、噴霧等の従来の方法によって塗布・形成される。
【0033】
ウエハ上に塗布した有色の液体(インク)を乾燥・硬化させる(S3)。
【0034】
次いで、レーザ光をウエハの有色の液体(インク)の塗布面に照射して、有色の液体を部分的に消失させて、文字、記号等を識別できるように表示(マーキング)する(S4、レーザ捺印)。ここで、レーザとして、YAGレーザ、CO2レーザ、グリーンレーザ、エキシマレーザが用いられる。レーザ捺印をウエハ単位でする場合には、最終製品(SAWデバイス)の寸法と配列に合せて表示する。
【0035】
また、表示する内容は、前述したように文字、記号等からなり、表示内容は、圧電デバイスの型番、ロット番号等のほかに、製造工程中の管理情報、識別管理情報であってもよく、また、製造工程中、何回もウエハに表示してもよい。この表示内容は、一度塗布した有色の液体の上に、再度有色の液体を塗布して、前の表示内容を消失させて表示してもよい。また、有色の液体の色は、透明を除く、何れの色であってもよい。さらに、有色の液体を含む材料をウエハの裏面上に複数回繰り返して塗布して複数層を形成し、塗布した複数層ごとに色を変えて、種々の情報を付与して表示してもよい。
【0036】
レーザ光による表示(マーキング)の際には、ウエハの能動面(主面)の形成した能動素子を損傷させないようにするため、レーザ出力を適宜調節する。
【0037】
さらに、有色の液体層を透明な液体で形成する場合には、有色の液体層の下にレーザ光を透過しない金属膜あるいは金属化合物、無機材料からなる膜を形成し、レーザ光照射時にウエハ主面上に形成した能動素子を損傷しないようにする。
【0038】
また、ウエハの裏面にレーザ光を透過しない材料(例えば、セラミック)からなる板状体を張り合せ、主面能動素子を形成した後、裏面に有色の液体(黒インク)を塗布し、必要な情報を有色の液体を塗布した面に表示してもよい。
【0039】
ウエハの主面(能動面)にパターニングのための成膜をする(S5)。
【0040】
さらに、ウエハの主面の成膜面にパターニングして従来の製造方法と同様に、能動素子、配線電極、貫通電極、外囲壁、天井壁等を形成する(S6)。ウエハの主面にパターニングする際には、最終製品の配列に合せてする。
【0041】
最後に、圧電ウエハをウエハ面に表示したマーキングラインに沿ってダイシングソー等により個片に切断・分割して(S7)、圧電デバイス(SAWデバイス)を得るようにする。
【0042】
第2実施例
図3に示すように、本発明の圧電デバイスの製造方法の第2実施例では、前出の第1実施例と同様の手段により、SAWデバイスを製造するウエハを準備し(S1)、ウエハの裏面に有色の液体(黒インク)を塗布し(S2)、塗布した有色の液体を乾燥・硬化させる(S3)。
【0043】
次いで、ウエハの主面に成膜し(S4)、この成膜面にパターニングして能動素子、配線電極、貫通電極、及び外囲壁、と天井壁からなる封止部を形成する(S5)。
【0044】
そして、ウエハの裏面に形成し、硬化した有色の液体の表面に前出の第1実施例と同様の手段により、必要な情報を表示(レーザ捺印)する(S6)。
【0045】
最後に、ダイシングソー等によりウエハを個片に分割して(S7)、個片化した圧電デバイス(SAWデバイス)を得る。
【0046】
第3実施例
図4に示すように、本発明の圧電デバイスの製造方法の第3実施例では、前出の第1実施例と同様の手段により、SAWデバイスを製造するウエハを準備し(S1)、ウエハの主面(能動面)に成膜し(S2)、この成膜面にパターニングして能動素子、配線電極、貫通電極、外囲壁、天井壁等を形成する(S3)。
【0047】
そして、ウエハを反転して、その裏面に前出第1実施例と同様の手段により、有色の液体(インク)を塗布し(S4)、塗布した有色の液体を乾燥・硬化させる(S5)。
【0048】
次いで、ダイシングソー等によりウエハを個片に分割して(S6)、個片の裏面(圧電基板の裏面)(図1に示す2a)に前出第1実施例と同様の手段により、必要な情報を表示(レーザ捺印)して(S7)、個片化した圧電デバイスを得る。
【符号の説明】
【0049】
1 圧電デバイス(SAWデバイス)
2 圧電基板
3 櫛歯電極
4 配線電極
5 端子電極
6 貫通電極
7 有色の液体層(インク)
8 外囲壁(封止部)
9 天井壁(封止部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板と、該圧電基板の主面に形成された櫛歯電極と、該櫛歯電極に隣接して配設された素子配線を有する配線電極と、該配線電極の外周を囲む開口部を有する外囲壁と、該外囲壁の上端面を封止して中空部を形成する天井壁と、前記圧電基板の主面から裏面を貫通して配設され、かつ、前記配線電極と前記圧電基板の裏面に配設された端子電極とを電気的に接続する貫通電極と、前記圧電基板の裏面に有色の液体の硬化層を形成し、該有色の液体の硬化層に文字、記号等の表示をしたことを特徴とする圧電デバイス。
【請求項2】
前記圧電デバイスが、SAWデバイスであることを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイス。
【請求項3】
集合圧電基板を準備する工程と、
前記集合圧電基板の裏面に有色の液体を塗布する工程と、
該裏面に塗布した前記有色の液体を乾燥・硬化させる工程と、
前記有色の液体の硬化した前記塗布面にレーザ光を照射して、硬化した前記有色の液体を部分的に消失させて、文字、記号等の識別できる表示を形成する工程と、
前記集合圧電基板の主面にパターニングのための成膜をする工程と、
前記集合圧電基板の主面に形成した成膜面にパターニングして能動素子、配線電極、貫通電極及び封止部を形成する工程と、
前記集合圧電基板を個片に分割して個片化した圧電デバイスを形成する工程と、
からなることを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
【請求項4】
集合圧電基板を準備する工程と、
前記集合圧電基板の裏面に有色の液体を塗布する工程と、
該裏面に塗布した前記有色の液体を乾燥・硬化させる工程と、
前記集合圧電基板の主面にパターニングのための成膜をする工程と、
前記集合圧電基板の主面に形成した成膜面にパターニングして能動素子、配線電極、貫通電極及び封止部を形成する工程と、
前記有色の液体の硬化した前記塗布面にレーザ光を照射して、硬化した前記有色の液体を部分的に消失させて文字、記号等の識別できる表示を形成する工程と、
前記集合圧電基板を個片に分割して個片化した圧電デバイスを形成する工程と、
からなることを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
【請求項5】
集合圧電基板を準備する工程と、
前記集合圧電基板の裏面に有色の液体を塗布する工程と、
該裏面に塗布した前記有色の液体を乾燥・硬化させる工程と、
前記集合圧電基板の主面にパターニングのための成膜をする工程と、
前記集合圧電基板の主面に形成した成膜面にパターニングして能動素子、配線電極、貫通電極及び封止部を形成する工程と、
前記集合圧電基板を個片に分割して個片化する工程と、
前記有色の液体の硬化した前記塗布面にレーザ光を照射して、硬化した前記有色の液体を部分的に消失させて、文字、記号等の識別できる表示を形成する工程と、
からなることを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
【請求項6】
前記有色の液体が、顔料、染料、樹脂または油の混合物からなり、前記集合圧電基板の裏面と密着し、かつ、レーザ光により容易に分解あるいは変質し、さらに、色相、形状が変化する材料からなることを特徴とする請求項3から5に記載の圧電デバイスの製造方法。
【請求項7】
前記集合基板の裏面に塗布される前記有色の液体が、インクジェット、スピンコーティング、印刷、転写、噴霧等により塗布、形成されることを特徴とする請求項3から5に記載の圧電デバイスの製造方法。
【請求項8】
前記有色の液体の前記塗布面に照射するレーザがYAGレーザ、CO2レーザ、グリーンレーザまたはエキシマレーザであることを特徴とする請求項3から5に記載の圧電デバイスの製造方法。
【請求項9】
前記文字、記号等が、前記圧電デバイスの型番、ロット番号、製造工程の管理・識別情報であることを特徴とする請求項3から5に記載の圧電デバイスの製造方法。
【請求項10】
前記有色の液体の色は、透明を除く、何れの色であることを特徴とする請求項3から5に記載の圧電デバイスの製造方法。
【請求項11】
前記有色の液体を含む材料を、前記集合基板の前記裏面に複数回繰り返して塗布して複数層を形成し、該塗布した複数層ごとに色を変えて、種々の情報を付与・表示したことを特徴とする請求項3から5に記載の圧電デバイスの製造方法。
【請求項12】
前記有色の液体層を透明な液体で形成し、前記有色の液体層の下にレーザ光を透過しない金属膜または金属化合物膜、もしくは無機材料膜を形成したことを特徴とする請求項3から5に記載の圧電デバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−199632(P2012−199632A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60834(P2011−60834)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】