説明

圧電振動子の周波数調整方法

【課題】 圧電振動板面における周波数調整を正確かつ効率的に行い、特性の良好な圧電振動子を提供することを目的とする。
【解決手段】 圧電振動板1は矩形平板状のATカット水晶振動板からなり、その表裏面に矩形状の励振電極膜11,12が形成されている。圧電振動子の共振特性から主振動に有害なスプリアス振動の有無を確認する共振特性確認手段を実施する。次に前記調整対象となる励振電極膜の左右いずれかの領域に対して励振電極膜の加減を行い、前記共振特性のスプリアス振動の変動状況を確認する第1の調整試行手段を実施する。調整試行手段の結果、励振電極膜の左右いずれかの領域への調整が必要であると判断し、調整領域を決定し、パーシャル蒸着を行いスプリアス振動調整手段を実施する。同様の調整を励振電極膜の上下方向に対しても実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電圧制御型圧電発振器(VCXO)に用いる圧電振動子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ATカット水晶板等の厚み振動系圧電振動板を用いた圧電振動子は、一般に圧電振動板の表裏面に一対の励振電極を正対向して形成し、当該励振電極に交流電圧を印加する構成である。このような圧電振動子の諸特性は圧電振動板の特性以外に、励振電極の構成にも依存する。例えば大きなサイズの電極を用いることにより励振領域を広くし、直列共振抵抗を改善したり、周波数可変量を広くすることができる。
【0003】
ところで電極サイズを大きくするとスプリアス振動を励振させてしまうことがあった。特に圧電振動板は加工条件あるいは加工バラツキにより、板面の平面平行度が均一でない場合があり、このような場合スプリアス振動を強く励振させ、圧電振動子としての特性を悪化させることがあった。このような問題は外部電圧を変化させることにより主振動周波数を可変する電圧制御型圧電発振器においては、周波数を大きく可変させる場合に顕著になることがある。すなわち、前述のスプリアス振動とのカップリングが起こる可能性が高くなり、周波数のジャンプ現象が生じたり、発振が不安定になるという不具合の発生することがあった。
【0004】
図5および図6はこのような板厚の平面平行度によってスプリアス振動を励振させる状態を示す図である。図5(a)は圧電振動板7に励振電極71,72が形成された状態を示す模式的断面図であり、板厚t1=t2の場合すなわち板面の平面平行度がとれている状態を示している。このような圧電振動板においては図5(b)に示すように主振動近傍にスプリアス振動の現れない共振特性を示す。なお、図5(b)において縦軸は減衰量(ATTENUATION)であり、横軸は周波数(FREQUENCY)である。
【0005】
図6(a)も圧電振動板7に励振電極71,72が形成された状態を示す模式的断面図であるが、板厚t1<t2の場合すなわち板面の平面平行度がとれていない状態を示している。このような圧電振動板においては図6(b)に示すように主振動近傍にスプリアス振動が現れた共振特性となっている。このようなスプリアス振動の発生は、板面の平面平行度が均一でないために生じると考えられる。すなわち、厚みすべり振動においては、対称モード(fsモード)と斜対称モード(faモード)が励振されることが知られており、斜対称モードは振動エネルギーが全体として相殺されるために通常は共振ピークとして顕在化しない。ところが圧電振動板の不均衡のために振動のバランスが崩れ、当該モードがスプリアス振動として顕在化すると考えられる。
【0006】
このように圧電振動板の平面平行度のバラツキにより特性が悪化することについては、例えば特開2001−196890号(特許文献1)に開示されている。当該特許文献においては、対向電極(励振電極)の一方は2つの分割電極からなる構成とし、当該分割電極はそれぞれ他方の対向電極との間の共振周波数をほぼ一致させることにより特性を改善させるものであり、分割電極は導通手段によって互いに電気的に導通している構成が開示されている。各分割電極についてそれぞれ共振周波数をほぼ一致させるには、例えばいずれかの電極に対して蒸着等により周波数調整を行う方法等がある。
【0007】
しかしながらこのような分割電極を形成する構成は、当該圧電振動板の各電極に対して独立して電気的機械的接続する電極パッドを持ったパッケージを用意することが必要であり、さらに周波数調整後にこの独立した電極パッドを共通接続する配線パターンを実装基板側に形成する必要がある等、取り扱いが面倒であるという問題点を有していた。
【0008】
また圧電振動板の平面平行度のバラツキは一方向のみならず縦横にばらつくことがあり、調整が難しくなるという問題があった。すなわち、上記構成においては、圧電振動板の板面において電極の配列した方向は調整が可能であるが、これと異なる板面方向については、調整が行いにくいという問題点を有していた。
【0009】
さらにこの平面平行度の問題は高周波になるにつれて顕在化する。厚み系振動、例えば厚みすべり振動で駆動するATカット水晶振動板は、周知のとおり圧電振動板の厚さによってその周波数が決定され、その厚さと周波数は反比例するが、高周波になるに従い、単位厚さあたりの周波数変化量が大きくなり、このような圧電振動板面における周波数調整は重要になっていた。
【0010】
【特許文献1】特開2001−196890号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特別なパッケージや実装基板を必要とせずに圧電振動板面における周波数調整を正確かつ効率的に行い、特性の良好な圧電振動子を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明は、請求項1に示すように、厚みすべり振動にて動作する圧電振動板の表裏に対向して励振電極膜を形成し、いずれか一方の励振電極膜に対して膜厚を加減してなる圧電振動子の周波数調整方法であって、
当該圧電振動子の共振特性から主振動に有害なスプリアス振動の有無を確認する共振特性確認手段と、
前記調整対象となる励振電極膜の左右いずれかの領域に対して励振電極膜の膜厚加減を行い、前記共振特性のスプリアス振動の変動状況を確認する第1の調整試行手段と、
前記第1の調整試行手段の結果、調整不要と判断した場合は調整を行わず、また励振電極膜の左右いずれかの領域への調整が必要であると判断した場合、調整領域を決定し、当該決定された調整領域の励振電極膜の膜厚加減を行う第1のスプリアス調整手段と、
前記調整対象となる励振電極膜の上下いずれかの領域に対して励振電極膜の加減を行い、前記共振特性のスプリアス振動の変動状況を確認する第2の調整試行手段と、
前記第2の調整試行手段の結果、調整不要と判断した場合は調整を行わず、また励振電極膜の上下いずれかの領域への調整が必要であると判断した場合、調整領域を決定し、当該決定された調整領域の励振電極膜の膜厚加減を行う第2のスプリアス調整手段と、
前記調整対象となる励振電極膜のほぼ全面に対して膜厚加減を行う周波数調整手段と、
からなることを特徴とする圧電振動子の周波数調整方法である。
【0013】
上記調整方法において、スプリアス振動がある場合は、当該スプリアス振動が圧電振動板面のどの位置に平面平行度のバラツキに依拠しているかを調整試行手段により確認するが、確認に際しては励振電極膜の左右あるいは上下のいずれの領域に対して行ってもよい。すなわち、前述の第1の調整試行手段と第2の調整試行手段とはいずれを先に行ってもよい。
【0014】
また調整試行手段の結果、調整不要と判断した場合は調整を行わず、次の手段に進めばよい。また調整試行手段によりスプリアス振動が変動しない場合は、調整不要と判断することができる。スプリアス振動が変動し、その変動方向および変動量によって、例えば励振電極膜の右側か左側に対して調整を行うことを決定する。
【0015】
さらにこの調整試行手段は1カ所のみならず複数箇所に対して行ってよい。例えば励振電極膜の右側を調整試行する場合、その上方あるいは下方あるいは中央のいずれに対して行ってもよく、調整レートの高い領域を検出して当該領域に対してスプリアス振動調整を行ってもよい。なお、1つのスプリアス振動調整で主振動に有害なスプリアス振動が除去された場合は、その段階で周波数調整を終了すればよい。
【0016】
請求項1によれば、前記調整対象となる励振電極膜の上下左右のいずれかの領域に対して励振電極膜の加減を行い、前記共振特性のスプリアス振動変動状況を確認する調整試行手段により、スプリアス振動の変動状況を確認し、この状況に基づき調整領域を決定し、調整を実行するので、効率的なスプリアス振動調整を行うことができる。またスプリアス振動調整領域を上下左右(場合によっては上下左右をさらに細分化した領域)に分けて行うので、より効率的かつ確実に圧電振動板の周波数調整を行うことができる。
【0017】
また請求項2に示すように、前記スプリアス振動は厚み系2次モード振動であることを特徴とする圧電振動子の周波数調整方法であってもよい。厚み系2次モード振動はその特性から主振動近傍に出現するが、調整領域によっては主振動を悪化させることがある。上記圧電振動子の周波数調整方法においては、調整領域を細分化し、所望のスプリアス振動抑制に最適な領域を選択することができるので、主振動の特性を悪化させることなく、所望のスプリアス振動のみを効率的に抑制することができる。
【0018】
このような周波数調整においては請求項3に示すように、前記膜厚の加減は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンエッチング法のいずれか1つあるいは複数を用いればよい。真空蒸着法あるいはスパッタリング法は質量付加により周波数を低下させる調整を行い、イオンエッチングは質量除去により周波数を上昇させる調整を行う。また例えば真空蒸着法は局所的な調整が可能なパーシャル蒸着を用いればよいし、イオンエッチング法においても部分的な開口を有するマスキング手段により局所的な調整を可能にすることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明では、圧電振動板の表裏に対向して形成された励振電極膜の一つに対して周波数調整を行うにあたり、前記調整対象となる励振電極膜の上下左右のいずれかの領域に対して調整試行手段を実行し、スプリアス振動の変動状況を確認し、この状況に基づき調整領域を決定し、調整を実行するので、効率的なスプリアス振動調整を行うことができる。またスプリアス振動調整領域を上下左右(場合によっては上下左右をさらに細分化した領域)の複数領域に分けて行うので、より効率的かつ確実に圧電振動板の周波数調整を行うことができる。従って、特別なパッケージや実装基板を必要とせずに圧電振動板面における周波数調整を正確かつ効率的に行うことができ、圧電振動子の特性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明による実施形態について図面に基づいて説明する。本形態では、ATカット水晶振動板に本発明による周波数調整を適用した場合について説明する。
【0021】
図1は表裏に励振電極膜が形成され、調整領域F1〜F4を示す水晶振動板に関し、図1(a)は水晶振動板の平面図、図1(b)は側面図、図1(c)は周波数特性図を示している。図2は決定された調整領域に調整を行った第1のスプリアス振動調整手段を示す図であり、図2(a)は水晶振動板の平面図、図2(b)は側面図、図2(c)は第1のスプリアス振動調整手段により調整された周波数特性図を示している。また図3は第2のスプリアス振動調整手段を示す図であり、図3(a)は水晶振動板の平面図、図3(b)は側面図、図3(c)は第2のスプリアス振動調整手段により調整された周波数特性図を示している。さらに図4は励振電極膜のほぼ全面に対して膜厚加減を行う周波数調整手段を示す図であり、図4(a)は水晶振動板の平面図、図4(b)は側面図、図4(c)は周波数調整手段により調整された周波数特性図を示している。
【0022】
圧電振動板1は矩形平板状のATカット水晶振動板からなり、その表裏面に矩形状の励振電極膜11,12が形成されている。なお図示していないが、各励振電極膜11,12から圧電振動板の外周に引出電極膜111,121が引き出されている。これら励振電極膜および引出電極膜はクロム−金の積層構成であるが、当該金属材料に限定されるものではない。
【0023】
この実施の形態においては図1(b)で示すように圧電振動板の左右の厚さが異なっており、t1<t2となっており、圧電振動板の平面平行度がとれていない状態を示している。このような圧電振動板の構成に対し、当該圧電振動子の共振特性から主振動に有害なスプリアス振動の有無を確認する共振特性確認手段を実施する。具体的にはネットワークアナライザ等により圧電振動板の周波数特性を測定する。本実施の形態においては圧電振動板の厚さが異なっているために、例えば図1(c)に示すように共振点−反共振点間に複数のスプリアス振動f21,f22が存在し、このようなスプリアス振動f21,f22は除去する必要がある。なお、本実施の形態において調整領域は左側領域F1,右側領域F2、上側領域F3,下側領域F4と設定し、当該領域に対し調整を行う。なお、当該調整領域はさらに細分化してもよく、例えば左側領域においては上、中央、下それぞれの領域に分け、右側領域を同じく上中下それぞれの領域に分けてもよい。さらに、上下領域をそれぞれさらに右、中央、左に分けてもよい。
【0024】
次に前記調整対象となる励振電極膜の左右いずれかの領域に対して励振電極膜の加減を行い、前記共振特性のスプリアス振動の変動状況を確認する第1の調整試行手段を実施する。例えば前記調整領域F1に対して微少のパーシャル蒸着を行い、前記各スプリアス振動f21,f22の変動状況をモニタリングする。このとき例えばスプリアス振動f21の周波数低下率が高い場合は、調整領域F1への重み付加によりスプリアス振動f21に対する調整が有効であると判断できる。あるいは前記調整領域F2に対して微少のパーシャル蒸着を行った場合のほうが、スプリアス振動f21の周波数低下率が高い場合は、調整領域F2への重み付加によりスプリアス振動f21に対する調整が有効であると判断できる。このような調整試行手段の結果、励振電極膜の左右いずれかの領域への調整が必要であると判断し、調整領域を決定する。
【0025】
この実施の形態においては、調整領域F1に重み付け調整を行うことを決定したので、図2に示すように調整領域F1にパーシャル蒸着を行い、調整金属層11aを堆積形成する(第1のスプリアス振動調整手段)。パーシャル蒸着はマスク開口窓を介して金属材料を堆積させる方法であり、例えば金等の金属材料を用いる。このような調整により、図2(c)に示すように、スプリアス振動f21はその周波数が低下し主振動の共振点と一体化するか、その励振レベルを極めて小さくすることにより、スプリアス振動抑制を図る。
【0026】
次に前記調整対象となる励振電極膜の上下いずれかの領域に対して励振電極膜の加減を行い、前記共振特性のスプリアス振動の変動状況を確認する第2の調整試行手段を実行する。例えば前記調整領域F3に対して微少のパーシャル蒸着を行い、前記各スプリアス振動f22の変動状況をモニタリングする。このとき例えばスプリアス振動f22の周波数低下率が高い場合は、調整領域F3への重み付加によりスプリアス振動f22に対する調整が有効であると判断できる。あるいは前記調整領域F4に対して微少のパーシャル蒸着を行った場合のほうが、スプリアス振動f22の周波数低下率が高い場合は、調整領域F4への重み付加によりスプリアス振動f22に対する調整が有効であると判断できる。このような調整試行手段の結果、励振電極膜の左右いずれかの領域への調整が必要であると判断し、調整領域を決定する。
【0027】
調整領域F4に重み付け調整を行うことを決定した場合、図3に示すように調整領域F4にパーシャル蒸着を行い、調整金属層11bを堆積形成する(第2のスプリアス振動調整手段)。パーシャル蒸着はマスク開口窓を介して金属材料を堆積させる方法であり、例えば金等の金属材料を用いる。なお、ここで用いる金属材料は第1のスプリアス振動調整手段にパーシャル蒸着した金属材料と同種金属を用いると、堆積状況を良好に保つことができ好ましい。このような調整により、図3(c)に示すように、スプリアス振動f21はその周波数が低下し主振動の共振点と一体化するか、その励振レベルを極めて小さくすることにより、スプリアス振動抑制を図る。
【0028】
なお、このような第2のスプリアス振動調整手段を実行した場合に、例えばf21等のスプリアス振動が顕在化する場合がある。このような場合は再度当該スプリアス振動を抑制するために、左右あるいは上下領域に上述と同様の必要な調整を行えばよい。また他の調整によりf22が顕在化した場合も同様に再度調整を行い、全体として調整幅を漸次小さくし、所望の特性に近づける作業を行う。
【0029】
スプリアス振動調整が完了した後は、前記調整対象となる励振電極膜のほぼ全面に対して膜厚加減を行う周波数調整手段を実行する。当該調整は、図4に示すように励振電極膜のほぼ全面に対して真空蒸着を行い、調整金属層11cを形成する。当該作業により目的周波数にまで低下させ調整を完了する。
【0030】
なお、調整の完了した励振電極表面に対してエッチングを行ってもよい。当該エッチングはウェットエッチングでもよいし、ドライエッチングでもよい。これは前述の各種調整により励振電極表面に形成されることのある段差部分のエッジを除去するもので、これにより新たなスプリアスの発生を抑制することができる。
【0031】
なお、上記各スプリアス振動調整、周波数調整においては真空蒸着法を用いて金属材料を堆積させ、周波数を低下させる方向で調整を行ったが、この調整方法に限定されるものではない。例えば、予め形成された金属材料の厚さを減じる方法により調整をすることも可能であり、例えば所定の開口窓を有する金属マスクを用いて、開口窓部分に対応した領域のみの励振電極膜を漸次減じるイオンミリング等のイオンエッチング法によりこれを行ってもよい。
【0032】
また膜厚の加減を組みあわせた調整方法を用いてもよい。例えば、各スプリアス振動調整を真空蒸着法により金属材料を堆積させることにより行い、最終の周波数調整をイオンエッチングにより励振電極膜を漸次減じることにより行ってもよい。
【0033】
なお、図示していないが、以上の特性調整後、セラミックパッケージ等のパッケージに圧電振動板を収納し、これをリッド3にて気密封止することにより、圧電振動子の完成となる。
【0034】
上記実施の形態においては、調整領域をF1〜F4に分けて調整を行っていたが、これをさらに細分化して調整を行ってもよい。調整領域を細分化することにより、スプリアス振動調整、周波数調整等の調整精度が向上し、より良好な特性の圧電振動子を得ることができる。
【0035】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0036】
水晶振動子、水晶発振器等の圧電振動デバイスの量産に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態に係る製造方法を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る製造方法を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る製造方法を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る製造方法を示す図である。
【図5】従来例を示す図である。
【図6】従来例を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1 水晶振動板(圧電振動板)
11、12 励振電極膜
11a,11b,11c 調整金属層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚みすべり振動にて動作する圧電振動板の表裏に対向して励振電極膜を形成し、いずれか一方の励振電極膜に対して膜厚を加減してなる圧電振動子の周波数調整方法であって、
当該圧電振動子の共振特性から主振動に有害なスプリアスの有無を確認する共振特性確認手段と、
前記調整対象となる励振電極膜の左右いずれかの領域に対して励振電極膜の加減を行い、前記共振特性のスプリアス変動状況を確認する第1の調整試行手段と、
前記第1の調整試行手段の結果、調整不要と判断した場合は調整を行わず、また励振電極膜の左右いずれかの領域への調整が必要であると判断した場合、調整領域を決定し、当該決定された調整領域の励振電極膜の膜厚加減を行う第1のスプリアス調整手段と、
前記調整対象となる励振電極膜の上下いずれかの領域に対して励振電極膜の膜厚加減を行い、前記共振特性のスプリアス変動状況を確認する第2の調整試行手段と、
前記第2の調整試行手段の結果、調整不要と判断した場合は調整を行わず、また励振電極膜の上下いずれかの領域への調整が必要であると判断した場合、調整領域を決定し、当該決定された調整領域の励振電極膜の膜厚加減を行う第2のスプリアス調整手段と、
前記調整対象となる励振電極膜のほぼ全面に対して膜厚加減を行う周波数調整手段と、
からなる圧電振動子の周波数調整方法。
【請求項2】
前記スプリアスは厚み系2次モード振動であることを特徴とする請求項1記載の圧電振動子の周波数調整方法。
【請求項3】
前記膜厚の加減は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンエッチング法のいずれか1つあるいは複数を用いることを特徴とする請求項1または請求項2記載の圧電振動子の周波数調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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