説明

圧電素子、液体噴射ヘッド、および液体噴射装置

【課題】高い信頼性を有する圧電素子を提供する。
【解決手段】本発明に係る圧電素子100は、第1電極10と、第1電極10の上方に形成され、第1のヤング率を有する圧電体層20と、電体層20の上方に形成された第2電極30と、第1のヤング率より大きい第2のヤング率を有する絶縁体層40と、を含み、圧電体層20は、第1電極10と第2電極30とに挟まれた部分22を有し、挟まれた部分22の外側に、絶縁体層40が隣接している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電素子、液体噴射ヘッド、および液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばインクジェットプリンター等の液体噴射装置において、インク等の液滴を噴射する液体噴射ヘッドが知られている。液体噴射ヘッドは、圧力室内の圧力を変化させるために圧電素子を備えている。圧電素子は、上部電極および下部電極に挟まれた圧電体層を有し、駆動信号等によって圧電体層が変形することにより、振動板を屈曲させることができる。これにより、液体噴射ヘッドは、ノズル孔から圧力発生室内に供給されたインク等を噴射させることができる。
【0003】
このような圧電素子の圧電体層は、上部電極および下部電極に挟まれた能動部と、上部電極および下部電極に挟まれていない非能動部と、を有する(特許文献1参照)。能動部は、駆動信号等によって能動的に駆動する部分であり、下部電極近傍の能動部と非能動部との界面に応力が集中することがある。そして、この応力により圧電体層にクラックが発生し、圧電素子の信頼性が低下してしまうことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−172878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、クラックの発生を抑制でき、高い信頼性を有する圧電素子を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記圧電素子を有する液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る圧電素子は、
第1電極と、
前記第1電極の上方に形成され、第1のヤング率を有する圧電体層と、
前記圧電体層の上方に形成された第2電極と、
前記第1のヤング率より大きい第2のヤング率を有する絶縁体層と、を含み、
前記圧電体層は、前記第1電極と前記第2電極とに挟まれた部分を有し、
前記挟まれた部分の外側に、前記絶縁体層が隣接している。
【0007】
このような圧電素子によれば、能動部の、能動部と絶縁体層との界面近傍に位置する部分では、絶縁体層によって変位が抑制される。これにより、第1電極近傍の能動部と絶縁体層との界面に、応力が集中することを抑制できる。したがって、圧電体層にクラックが発生することを抑制できる。その結果、このような圧電素子は、高い信頼性を有することができる。
【0008】
なお、本発明に係る記載では、「上方」という文言を、例えば、「特定のもの(以下「A」という)の「上方」に他の特定のもの(以下「B」という)を形成する」などと用いている。本発明に係る記載では、この例のような場合に、A上に直接Bを形成するような場合と、A上に他のものを介してBを形成するような場合とが含まれるものとして、「上方」という文言を用いている。
【0009】
本発明に係る圧電素子において、
さらに、他の第1電極を含み、
前記絶縁体層は、前記第1電極と前記他の第1電極との間の領域を避けて、形成されていてもよい。
【0010】
このような圧電素子によれば、所望の変位量を得ることができる。例えば、隣り合う第1電極の間に絶縁体層が形成されていると、能動部の変位が絶縁体層によって著しく抑制されてしまい、所望の変位量を得ることができない場合がある。
【0011】
本発明に係る圧電素子において、
さらに、前記第2電極の上方に形成された部材を含み、
前記部材は、前記挟まれた部分の外周の上方に、配置されていてもよい。
【0012】
このような圧電素子によれば、第2電極の上方に形成された部材によって、第2電極外周近傍の能動部の変位を抑制することができる。そのため、第2電極近傍の能動部と絶縁体層との界面に、応力が集中することを抑制できる。
【0013】
本発明に係る圧電素子において、
前記部材は、金属性であってもよい。
【0014】
このような圧電素子によれば、金属性の部材は、第2電極と電気的に接続する配線と同じ工程で形成されることができる。そのため、金属性の部材を形成するために新たな工程を必要とせず、工数の増大を防止することができる。
【0015】
本発明に係る圧電素子において、
前記挟まれた部分は、長方形の平面形状を有し、
前記絶縁体層は、前記挟まれた部分の短辺に隣接して形成されていてもよい。
【0016】
このような圧電素子によれば、高い信頼性を有することができる。
【0017】
本発明に係る圧電素子において、
前記絶縁体層の前記短辺に沿う方向の長さは、前記短辺の長さより大きくてもよい。
【0018】
このような圧電素子によれば、より確実に、能動部と絶縁体層との界面近傍の変位を抑制することができる。
【0019】
本発明に係る液体噴射ヘッドは、
本発明に係る圧電素子を含む。
【0020】
このような液体噴射ヘッドによれば、本発明に係る圧電素子を含むため、高い信頼性を有することができる。
【0021】
本発明に係る液体噴射装置は、
本発明に係る液体噴射ヘッドを含む。
【0022】
このような液体噴射装置によれば、本発明に係る液体噴射ヘッドを含むため、高い信頼性を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態に係る圧電素子を模式的に示す平面図。
【図2】本実施形態に係る圧電素子を模式的に示す断面図。
【図3】本実施形態に係る圧電素子を模式的に示す断面図。
【図4】本実施形態に係る圧電素子を模式的に示す断面図。
【図5】本実施形態に係る圧電素子の製造工程を模式的に示す断面図。
【図6】本実施形態に係る圧電素子の製造工程を模式的に示す断面図。
【図7】本実施形態に係る圧電素子をモデル化したモデルを模式的に示す図。
【図8】比較例に係る圧電素子をモデル化したモデルを模式的に示す図。
【図9】本実施形態の第1変形例に係る圧電素子を模式的に示す平面図。
【図10】本実施形態の第1変形例に係る圧電素子を模式的に示す断面図。
【図11】本実施形態の第2変形例に係る圧電素子を模式的に示す平面図。
【図12】本実施形態の第2変形例に係る圧電素子を模式的に示す断面図。
【図13】本実施形態の第2変形例に係る圧電素子を模式的に示す断面図。
【図14】本実施形態の第2変形例に係る圧電素子の製造工程を模式的に示す断面図。
【図15】本実施形態の第2変形例に係る圧電素子の製造工程を模式的に示す断面図。
【図16】本実施形態に係る液体噴射ヘッドを模式的に示す平面図。
【図17】本実施形態に係る液体噴射ヘッドを模式的に示す断面図。
【図18】本実施形態に係る液体噴射ヘッドを模式的に示す分解斜視図。
【図19】本実施形態に係る液体噴射装置を模式的に示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
1. 圧電素子
まず、本実施形態に係る圧電素子について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る圧電素子100を模式的に示す平面図である。図2は、本実施形態に係る圧電素子100を模式的に示す図1のII−II線断面図である。図3は、本実施形態に係る圧電素子100を模式的に示す図1のIII−III線断面図である。図4は、本実施形態に係る圧電素子100を模式的に示す図1のIV−IV線断面図である。
【0026】
圧電素子100は、図1〜図4に示すように、第1電極10と、圧電体層20と、第2電極30と、絶縁体層40と、を含む。圧電素子100は、例えば、基板1上に形成されている。
【0027】
基板1は、例えば、半導体、絶縁体で形成された平板である。基板1は、単層であっても、複数の層が積層された構造であってもよい。基板1は、上面が平面的な形状であれば内部の構造は限定されず、例えば、内部に空間等が形成された構造であってもよい。
【0028】
基板1は、可撓性を有し、圧電体層20の動作によって変形(屈曲)することのできる振動板を含んでいてもよい。振動板の材質としては、例えば、酸化シリコン、酸化ジルコニウム、またはこれらの積層体が挙げられる。
【0029】
第1電極10は、基板1上に形成されている。第1電極10の形状は、例えば、層状または薄膜状である。第1電極10の厚み(Z軸方向の長さ)は、例えば、50nm以上300nm以下である。第1電極10の平面形状(Z軸方向から見た形状)は、第2電極30が対向して配置されたときに両者の間に圧電体層20を配置できる形状であれば、特に限定されない。図1に示す例では、第1電極10は、X軸方向に沿う長辺10aと、Y軸方向に沿う短辺10bと、を有する長方形である。
【0030】
第1電極10は、1つ設けられていてもよいし、複数設けられていてもよい。図示の例では、第1電極10は、2つ設けられている。2つの第1電極10は、図1に示すように、Y軸方向に配列されていてもよい。第1電極10(一方の第1電極10)と他の第1電極10(他方の第1電極10)とは、互いに並設されていてもよい。
【0031】
第1電極10の材質としては、例えば、ニッケル、イリジウム、白金などの各種の金属、それらの導電性酸化物(例えば酸化イリジウムなど)、ストロンチウムとルテニウムとの複合酸化物(SrRuO:SRO)、ランタンとニッケルとの複合酸化物(LaNiO:LNO)が挙げられる。第1電極層10は、上記に例示した材料の単層構造でもよいし、複数の材料を積層した構造であってもよい。
【0032】
第1電極10は、第2電極30と一対になって、圧電体層20に電圧を印加するための一方の電極(例えば、圧電体層20の下方に形成された下部電極)となることができる。
【0033】
なお、基板1が振動板を有さず、第1電極10が振動板としての機能を有していてもよい。すなわち、第1電極10は、圧電体層20に電圧を印加するための一方の電極としての機能と、圧電体層20の動作によって変形することのできる振動板としての機能と、を有していてもよい。
【0034】
また、図示はしないが、第1電極10と基板1との間には、例えば、両者の密着性を付与する層や、強度や導電性を付与する層が形成されてもよい。このような層の例としては、例えば、チタン、ニッケル、イリジウム、白金などの各種の金属、それらの酸化物の層が挙げられる。
【0035】
圧電体層20は、第1電極10上に形成されている。圧電体層20の厚みは、例えば、300nm以上3000nm以下である。
【0036】
圧電体層20は、第1電極10と第2電極30とに挟まれた部分22を有する。圧電体層20の部分22は、第1電極10および第2電極30によって電圧が印加されることで能動的に変形することができる。そのため、圧電体層20の部分22を、能動部22ともいうことができる。能動部22は、実質的に駆動する部分であるともいえる。これに対し、圧電体層20の、第1電極10と第2電極30とに挟まれていない部分は、能動的には駆動しない非能動部ともいうことができる。
【0037】
能動部22は、複数の第1電極10に対応して複数形成されている。能動部22の形状は、特に限定されないが、図1に示す例では、X軸方向に沿う長辺22aと、Y軸方向に沿う短辺22bと、を有する長方形である。
【0038】
圧電体層20には、図1および図4に示すように、開口部24が形成されていてもよい。開口部24は、平面視において(Z軸方向から見て)、隣り合う第1電極10の間に、形成されている。開口部24の平面形状は、特に限定されない。開口部24によって、隣り合う能動部22間におけるクロストークを抑制することができる。
【0039】
圧電体層20には、図1および図2に示すように、開口部26が形成されていてもよい。開口部26は、第1電極10上に設けられている。開口部26内には、配線部34が形成され、配線部34は、第1電極10に接続されている。配線部34は、外部電源(図示せず)と電気的に接続されており、配線部34を介して、第1電極10に電圧を印加することができる。配線部34の材質は、例えば、後述する第2電極30の材質と同じである。
【0040】
圧電体層20としては、ペロブスカイト型酸化物の圧電材料を用いることができる。より具体的には、圧電体層20の材質としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O:PZT)、ニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti,Nb)O:PZTN)が挙げられる。圧電体層20のヤング率(第1のヤング率)は、例えば、50GPa以上100GPa以下である。
【0041】
第2電極30は、圧電体層20上に形成されている。第2電極30は、圧電体層20を介して、第1電極10と対向して配置されている。第2電極30の形状は、例えば、層状または薄膜状の形状である。第2電極30の厚みは、例えば、50nm以上300nm以下である。第2電極30の平面形状は、第1電極10に対向して配置されたときに両者の間に圧電体層20を配置できる形状であれば、特に限定されない。
【0042】
第2電極30の材質としては、例えば、第1電極10の材質として上記に列挙したものを適用することができる。第2電極30の機能の一つとしては、第1電極10と一対になって、圧電体層20に電圧を印加するための他方の電極(例えば、圧電体層20の上方に形成された上部電極)となることが挙げられる。
【0043】
図示の例では、第1電極10は、複数の能動部22に対応して複数設けられている。複数の第1電極10は、互いに電気的に分離している。これに対し、第2電極30は、複数の能動部22に対して1つ設けられ、複数の能動部22に対して共通の電極である。すなわち、第1電極10は、個別電極となり、第2電極30は、共通電極となることができる。これにより、複数の能動部22の各々を、独立して駆動させることができる。
【0044】
絶縁体層40は、能動部22の外側に隣接して形成されている。図1〜図3に示すように、圧電体層20には、開口部28が形成されており、開口部28を充填するように絶縁体層40が形成されていてもよい。絶縁体層40は、図1に示すように、例えば、隣り合う第1電極10の間(第1電極10と他の第1電極10との間)の領域を避けて、形成されている。より具体的には、絶縁体層40は、能動部22の短辺22bに隣接して形成されている。図示の例では、絶縁体層40は、2つの短辺22bの各々に隣接して2つ形成されているが、いずれか一方の短辺22bにのみ隣接して形成されていてもよい。
【0045】
なお、絶縁体層40は、能動部22の外側に隣接していれば、どこに形成されていてもよく、例えば、能動部22の長辺22aに隣接して形成されていてもよいし、能動部22を囲んで形成されていてもよい。また、図2に示す例では、絶縁体層40は、第1電極10上に形成されているが、第1電極10の+X側の端面11が能動部22の+X側の端面23と面一の場合は、絶縁体層40は、基板1上に形成されていてもよい。
【0046】
絶縁体層40の厚みは、圧電体層20の厚み以上であることが好ましい。これにより、絶縁体層40の剛性を、より大きくすることができる。図2および図3に示す例では、絶縁体層40の厚みは、圧電体層20の厚みと同じである。
【0047】
絶縁体層40の平面形状は、特に限定されないが、図1に示す例では、四角形である。絶縁体層40の短辺22bに沿う方向(Y軸方向)の長さLは、例えば、短辺22bの長さより大きい。すなわち、絶縁体層40は、第1電極10をY軸方向に跨いで形成されている。
【0048】
絶縁体層40は、例えば、平面視において、第2電極30と重ならないように配置されている。より具体的には、第2電極30には開口部32が形成されており、平面視において、絶縁体層40は、開口部32内に配置されている。なお、図2に示す例では、能動部22上に配置された第2電極30の+X側の端面31は、能動部22の端面23と面一だが、端面31は、端面23よりも+X方向に位置していてもよい。すなわち、絶縁体層40上に、第2電極30が形成されていてもよい。
【0049】
絶縁体層40のヤング率(第2のヤング率)は、圧電体層20のヤング率(第1のヤング率)より大きい。絶縁体層40のヤング率は、例えば、150GPa以上400GPa以下である。絶縁体層40の材質は、絶縁性を有し、かつ圧電体層20のヤング率より大きいヤング率を有していれば、特に限定されない。具体的には、絶縁体層40の材質としては、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、Al−SiO、SiC−BeO、MgO−SiO、BaTiO、KNO、NaNO、BiTiO、SrBiTiO、BiFeOが挙げられる。
【0050】
以上のような圧電素子100は、例えば、圧力発生室内の液体を加圧する圧電アクチュエーターとして、液体噴射ヘッドや、該液体噴射ヘッドを用いた液体噴射装置(インクジェットプリンター)などに適用されてもよいし、圧電体層の変形を電気信号として検出する圧電センサー等その他の用途として用いてもよい。
【0051】
本実施形態に係る圧電素子100は、例えば、以下の特徴を有する。
【0052】
圧電素子100によれば、圧電体層20のヤング率より大きなヤング率を有する絶縁体層40は、能動部22の外側に隣接して形成されている。そのため、能動部22の、能動部22と絶縁体層40との界面近傍に位置する部分では、絶縁体層40によって変位が抑制される。これにより、第1電極10近傍の能動部22と絶縁体層40との界面に、応力が集中することを抑制できる。したがって、圧電体層20にクラックが発生することを抑制できる。その結果、圧電素子100は、高い信頼性を有することができる。
【0053】
圧電素子100によれば、絶縁体層40は、隣り合う第1電極10の間(第1電極10と他の第1電極10との間)の領域を避けて、形成されることができる。そのため、所望の変位量を得ることができる。例えば、隣り合う第1電極の間に絶縁体層が形成されていると、能動部の変位が絶縁体層によって著しく抑制されてしまい、所望の変位量を得ることができない場合がある。本実施形態に係る圧電素子100では、このような問題を回避することができる。
【0054】
圧電素子100によれば、絶縁体層40は、能動部22の短辺22bに隣接して形成され、絶縁体層40の短辺22bに沿う方向(Y軸方向)の長さLは、短辺22bの長さより大きいことができる。そのため、より確実に、能動部22と絶縁体層40との界面近傍の変位を抑制することができる。例えば、絶縁体層のY軸方向の長さが、能動部の短辺の長さより小さいと、第1電極上で圧電体層の能動部と非能動部との界面が形成され、該界面において応力が集中してしまう場合がある。
【0055】
2. 圧電素子の製造方法
次に、本実施形態に係る圧電素子100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図5および図6は、本実施形態に係る圧電素子100の製造工程を模式的に示す断面図であって、図2に対応するものである。
【0056】
図5に示すように、基板1上に、第1電極10を形成する。第1電極10は、例えば、スパッタ法、めっき法、真空蒸着法などにより導電層(図示せず)を成膜し、該導電層をパターニングすることによって形成される。パターニングは、例えば、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術によって行われる。
【0057】
次に、第1電極10上に、圧電体層20aを成膜する。圧電体層20aは、例えば、ゾルゲル法、MOD(Metal Organic Deposition)法、スパッタ法、レーザーアブレーション法、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により成膜される。
【0058】
図6に示すように、圧電体層20aをパターニングして、開口部26,28を形成する。同時に、開口部24(図4参照)を形成することができる。これにより、圧電体層20を形成することができる。
【0059】
図2に示すように、開口部28内に絶縁体層40を形成する。絶縁体層40は、例えば、インクジェット法により形成される。
【0060】
次に、圧電体層20上に第2電極30を形成する。第2電極30は、例えば、スパッタ法、めっき法、真空蒸着法などにより導電層(図示せず)を成膜し、該導電層をパターニングすることによって形成される。第2電極30を形成する工程において、配線34を形成することができる。
【0061】
以上の工程により、本実施形態に係る圧電素子100を製造することができる。
【0062】
圧電素子100の製造方法によれば、高い信頼性を有する圧電素子100を得ることができる。
【0063】
3. 実験例
次に、本実施形態に係る圧電素子の実験例について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下の実験例によってなんら限定されるものではない。
【0064】
実験例として、本実施形態に係る圧電素子をモデル化したシミュレーションを行った。シミュレーションでは、圧電素子にかかる応力を有限要素法により解析を行った。
【0065】
図7は、本実施形態に係る圧電素子をモデル化したモデルM1を模式的に示す図である。モデルM1では、図7に示すように、基板として、厚み1100nmの酸化シリコン(SiO)層と、厚み400nmの酸化ジルコニウム(ZrO)層と、の積層体を用いた。第1電極として、厚み200nmの白金(Pt)層を用いた。圧電体層として、厚み1350nmのPZT層を用いた。第2電極として、厚み50nmのイリジウム(Ir)層を用いた。絶縁体層として、厚み1350nmの酸化ジルコニウム(ZrO)層を用いた。
【0066】
図8は、比較例に係る圧電素子をモデル化したモデルM2を模式的に示す図である。モデルM2は、絶縁体層の代わりに、厚み1350nmのPZT層を用いたこと以外は、モデルM1と同じである。
【0067】
シミュレーションにおいて、酸化シリコン層は、ヤング率を75GPaとし、密度を2.2g/cmとし、残留応力(引張応力)を220MPaとした。酸化ジルコニウム層は、ヤング率を190GPaとし、密度を6.4g/cmとし、残留応力(圧縮応力)を170MPaとした。白金層は、ヤング率を200GPaとし、密度を16g/cmとし、残留応力(圧縮応力)を170MPaとした。PZT層は、ヤング率を75GPaとし、密度を6.4g/cmとし、残留応力(圧縮応力)を45MPaとした。イリジウム層は、ヤング率を200GPaとし、密度を22.5g/cmとし、残留応力(引張応力)を1200MPaとした。
【0068】
図7および図8に示すように、モデルM1は、モデルM2に比べて、白金層(第1電極)近傍のPZT層(圧電体層)とZrO層(絶縁体層)との界面(点線で囲った部分)において応力が小さいことがわかった。したがって、絶縁体層によって、第1電極近傍の能動部と絶縁体層との界面に、応力が集中することを抑制できることがわかった。
【0069】
4. 圧電素子の変形例
4.1. 第1変形例に係る圧電素子
次に、本実施形態の第1変形例に係る圧電素子について、図面を参照しながら説明する。図9は、本実施形態の第1変形例に係る圧電素子200を模式的に示す平面図である。図10は、本実施形態の第1変形例に係る圧電素子200を模式的に示す図9のX−X線断面図である。
【0070】
以下、本実施形態の第1変形例に係る圧電素子200において、本実施形態に係る圧電素子100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。このことは、後述する本実施形態の第2変形例に係る圧電素子300においても同様である。
【0071】
圧電素子200では、図9および図10に示すように、部材50を有する。部材50は、例えば、金属性である。したがって、部材50を金属部材50ということもできる。より具体的には、金属部材50の材質としては、金、ニッケル−クロム合金、白金、イリジウムが挙げられる。
【0072】
金属部材50は、能動部22の外周の上方であって、第2電極30上に形成されている。図9に示す例では、金属部材50は、能動部22の短辺22bに沿う外周の上方に形成されている。金属部材50は、平面視において、例えば、絶縁体層40と隣接して形成されている。図示の例では、金属部材50の平面形状は、長方形であるが、特に限定されない。
【0073】
圧電素子200によれば、金属部材50によって、第2電極30外周近傍の能動部22の変位を抑制することができる。そのため、第2電極30近傍の能動部22と絶縁体層40との界面に、応力が集中することを抑制できる。したがって、圧電素子200によれば、絶縁体層40によって、第1電極10近傍の能動部22と絶縁体層40との界面に、応力が集中することを抑制でき、かつ、金属部材50によって、第2電極30近傍の能動部22と絶縁体層40との界面に、応力が集中することを抑制できる。
【0074】
さらに、金属部材50は、第2電極30と電気的に接続する配線(図示せず)と同じ工程で形成されることができる。そのため、金属部材50を形成するために新たな工程を必要とせず、工数の増大を防止することができる。金属部材50は、例えば、スパッタ法、めっき法などによって成膜した後、所定形状にパターニングすることによって形成される。
【0075】
4.2. 第2変形例に係る圧電素子
次に、本実施形態の第2変形例に係る圧電素子について、図面を参照しながら説明する。図11は、本実施形態の第2変形例に係る圧電素子300を模式的に示す平面図である。図12は、本実施形態の第2変形例に係る圧電素子300を模式的に示す図11のXII−XII線断面図である。図13は、本実施形態の第2変形例に係る圧電素子300を模式的に示す図11のXIII−XIII線断面図である。
【0076】
圧電素子100の例では、図1〜図3に示すように、圧電体層20の上面の一部は、露出していた。これに対し、圧電素子300では、図11〜図13に示すように、圧電体層20の上面は露出しておらず、圧電体層20は、第2電極30または配線34の下に形成されている。図示の例では、圧電素子300は、平面視において、第2電極30および配線34に覆われていない部分に、絶縁体層40が形成されている。
【0077】
圧電素子300によれば、圧電素子100に比べて、絶縁体層40の面積を大きくすることができる。そのため、より確実に、能動部22と絶縁体層40との界面近傍の変位を抑制することができる。
【0078】
圧電素子300は、例えば、以下のとおり製造される。図14および図15は、本実施形態の第2変形例に係る圧電素子300の製造工程を模式的に示す断面図であって、図12に対応するものである。なお、圧電素子300の製造方法の説明において、圧電素子100の製造方法と同様の箇所については、省略ないし簡略化する。
【0079】
圧電素子300の製造方法では、圧電体層20aを成膜した後(図5参照)、図14に示すように、開口部26を形成する。次に、全面に、導電層(図示せず)を成膜し、該導電層を所定のパターニングすることによって、第2電極30および配線34を形成する。次に、図15に示すように、第2電極30および配線34をマスクとして、圧電体層20aをエッチングして、圧電体層20を形成する。そして、図12に示すように、圧電体層20の開口部28内に絶縁体層40を形成する。
【0080】
圧電素子300の製造方法によれば、開口部28を形成するためにレジストを用いず、第2電極30および配線34をマスクとして、圧電体層20aをエッチングすることができる。そのため、第2電極30に対する絶縁体層40の位置精度を高めることができる。
【0081】
5. 液体噴射ヘッド
次に、本実施形態に係る液体噴射ヘッドについて、図面を参照しながら説明する。図16は、本実施形態に係る液体噴射ヘッド600の要部を模式的に示す平面図である。図17は、本実施形態に係る液体噴射ヘッド600の要部を模式的に示す図16のXVII−XVII線断面図である。図18は、本実施形態に係る液体噴射ヘッド600の分解斜視図である。なお、図18では、図16および図17に示した状態と、上下逆さまの状態を示している。
【0082】
液体噴射ヘッド600は、本発明に係る圧電素子を有する。以下では、本発明に係る圧電素子として、圧電素子300を用いた例について説明する。
【0083】
液体噴射ヘッド600は、図16〜図18に示すように、例えば、ノズル板610と、流路形成基板620と、振動板630と、圧電素子300と、筐体640と、を含む。なお、図18では、圧電素子100を簡略化して図示している。
【0084】
ノズル板610は、図17および図18に示すように、ノズル孔612を有する。ノズル孔612からは、液体(インク)が吐出される。ノズル板610には、例えば、複数のノズル孔612が設けられている。図18に示す例では、複数のノズル孔612は、一列に並んで形成されている。ノズル板610の材質としては、例えば、シリコン、ステンレス鋼(SUS)が挙げられる。
【0085】
流路形成基板620は、ノズル板610上(図18の例では下)に設けられている。流路形成基板620の材質としては、例えば、シリコンが挙げられる。流路形成基板620がノズル板610と振動板630との間の空間を区画することにより、リザーバー(液体貯留部)624と、リザーバー624と連通する供給口626と、供給口626と連通する圧力発生室622と、が設けられている。図18に示す例では、リザーバー624と、供給口626と、圧力発生室622と、が区別されているが、これらはいずれも液体の流路(例えば、マニホールドということもできる)であって、このような流路はどのように設計されても構わない。例えば、供給口626は、図示の例では流路の一部が狭窄された形状を有しているが、設計にしたがって任意に形成することができ、必ずしも必須の構成ではない。
【0086】
なお、図18では、圧力発生室622および供給口626を、簡略化して図示している。
【0087】
リザーバー624は、外部(例えばインクカートリッジ)から、振動板630に設けられた貫通孔628を通じて供給されるインクを一時貯留することができる。リザーバー624内のインクは、供給口626を介して、圧力発生室622に供給されることができる。
【0088】
圧力発生室622は、振動板630の変形により容積が変化する。圧力発生室622はノズル孔612と連通しており、圧力発生室622の容積が変化することによって、ノズル孔612からインク等が吐出される。圧力発生室622は、複数の能動部22に対応して、複数設けられている。図16に示すように平面視において、絶縁体層40の一部は、圧力発生室622の一部と重なっていてもよい。図16に示す例では、絶縁体層40のY軸方向の長さLは、圧力発生室622のY軸方向の長さより大きい。すなわち、絶縁体層40は、圧力発生室622をY軸方向に跨いで形成されている。これにより、より確実に、能動部22と絶縁体層40との界面近傍の変位を抑制することができる。
【0089】
なお、リザーバー624および供給口626は、圧力発生室622と連通していれば、流路形成基板620とは別の部材(図示せず)に設けられていてもよい。
【0090】
振動板630は、流路形成基板620上(図18の例では下)に設けられている。図示の例では、振動板630は、流路形成基板620側から、酸化シリコン層632および酸化ジルコニウム層634を、この順で積層させて形成されている。酸化シリコン層632は、例えば、水酸化カリウム溶液(KOH溶液)を用いたウェットエッチングにより圧力発生室622等を形成する際に、エッチングストッパーとして機能することができる。
【0091】
圧電素子300は、振動板630上(図18の例では下)に設けられている。圧電素子300は、駆動回路(図示せず)に電気的に接続され、駆動回路の信号に基づいて動作(振動、変形)することができる。振動板630は、圧電体層20の動作によって変形し、圧力発生室622の内部圧力を適宜変化させることができる。
【0092】
筐体640は、図18に示すように、ノズル板610、流路形成基板620、振動板630、および圧電素子300を収納することができる。筐体640の材質としては、例えば、樹脂、金属などを挙げることができる。
【0093】
液体噴射ヘッド600によれば、圧電素子300を有する。したがって、液体噴射ヘッド600は、高い信頼性を有することができる。
【0094】
なお、上記の例では、液体噴射ヘッド600がインクジェット式記録ヘッドである場合について説明した。しかしながら、本実施形態の液体噴射ヘッドは、例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドなどとして用いられることもできる。
【0095】
6. 液体噴射装置
次に、本実施形態にかかる液体噴射装置について、図面を参照しながら説明する。図19は、本実施形態にかかる液体噴射装置700を模式的に示す斜視図である。
【0096】
液体噴射装置700は、本発明に係る液体噴射ヘッドを有する。以下では、本発明に係る液体噴射ヘッドとして、液体噴射ヘッド600を用いた例について説明する。
【0097】
液体噴射装置700は、図19に示すように、ヘッドユニット730と、駆動部710と、制御部760と、を含む。液体噴射装置700は、さらに、装置本体720と、給紙部750と、記録用紙Pを設置するトレイ721と、記録用紙Pを排出する排出口722と、装置本体720の上面に配置された操作パネル770と、を含むことができる。
【0098】
ヘッドユニット730は、上述した液体噴射ヘッド600から構成されるインクジェット式記録ヘッド(以下単に「ヘッド」ともいう)を有する。ヘッドユニット730は、さらに、ヘッドにインクを供給するインクカートリッジ731と、ヘッドおよびインクカートリッジ731を搭載した運搬部(キャリッジ)732と、を備える。
【0099】
駆動部710は、ヘッドユニット730を往復動させることができる。駆動部710は、ヘッドユニット730の駆動源となるキャリッジモーター741と、キャリッジモーター741の回転を受けて、ヘッドユニット730を往復動させる往復動機構742と、を有する。
【0100】
往復動機構742は、その両端がフレーム(図示せず)に支持されたキャリッジガイド軸744と、キャリッジガイド軸744と平行に延在するタイミングベルト743と、を備える。キャリッジガイド軸744は、キャリッジ732が自在に往復動できるようにしながら、キャリッジ732を支持している。さらに、キャリッジ732は、タイミングベルト743の一部に固定されている。キャリッジモーター741の作動により、タイミングベルト743を走行させると、キャリッジガイド軸744に導かれて、ヘッドユニット730が往復動する。この往復動の際に、ヘッドから適宜インクが吐出され、記録用紙Pへの印刷が行われる。
【0101】
なお、本実施形態では、液体噴射ヘッド600および記録用紙Pがいずれも移動しながら印刷が行われる液体噴射装置の例を示しているが、本発明の液体噴射装置は、液体噴射ヘッド600および記録用紙Pが互いに相対的に位置を変えて記録用紙Pに印刷される機構であればよい。また、本実施形態では、記録用紙Pに印刷が行われる例を示しているが、本発明の液体噴射装置によって印刷を施すことができる記録媒体としては、紙に限定されず、布、フィルム、金属など、広範な媒体を挙げることができ、適宜構成を変更することができる。
【0102】
制御部760は、ヘッドユニット730、駆動部710および給紙部750を制御することができる。
【0103】
給紙部750は、記録用紙Pをトレイ721からヘッドユニット730側へ送り込むことができる。給紙部750は、その駆動源となる給紙モーター751と、給紙モーター751の作動により回転する給紙ローラー752と、を備える。給紙ローラー752は、記録用紙Pの送り経路を挟んで上下に対向する従動ローラー752aおよび駆動ローラー752bを備える。駆動ローラー752bは、給紙モーター751に連結されている。制御部760によって供紙部750が駆動されると、記録用紙Pは、ヘッドユニット730の下方を通過するように送られる。ヘッドユニット730、駆動部710、制御部760および給紙部750は、装置本体720の内部に設けられている。
【0104】
液体噴射装置700によれば、液体噴射ヘッド600を有する。したがって、液体噴射装置700は、高い信頼性を有することができる。
【0105】
なお、上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【0106】
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0107】
1 基板、10 第1電極、10a 長辺、10b 短辺、11 端面、
20 圧電体層、20a 圧電体層、22 能動部、22a 長辺、22b 短辺、
23 端面、24 開口部、26 開口部、28 開口部、30 第2電極、
31 端面、32 開口部、34 配線、40 絶縁体層、50 金属部材、
100〜300 圧電素子、600 液体噴射ヘッド、610 ノズル板、
612 ノズル孔、620 流路形成基板、622 圧力発生室、624 リザーバー、
626 供給口、628 貫通孔、630 振動板、632 酸化シリコン層、
634 酸化ジルコニウム層、640 筐体、700 液体噴射装置、710 駆動部、
720 装置本体、721 トレイ、722 排出口、730 ヘッドユニット、
731 インクカートリッジ、732 キャリッジ、741 キャリッジモーター、
742 往復動機構、743 タイミングベルト、744 キャリッジガイド軸、
750 給紙部、751 給紙モーター、752 給紙ローラー、
752a 従動ローラー、752b 駆動ローラー、760 制御部、
770 操作パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
前記第1電極の上方に形成され、第1のヤング率を有する圧電体層と、
前記圧電体層の上方に形成された第2電極と、
前記第1のヤング率より大きい第2のヤング率を有する絶縁体層と、を含み、
前記圧電体層は、前記第1電極と前記第2電極とに挟まれた部分を有し、
前記挟まれた部分の外側に、前記絶縁体層が隣接している、圧電素子。
【請求項2】
請求項1において、
さらに、他の第1電極を含み、
前記絶縁体層は、前記第1電極と前記他の第1電極との間の領域を避けて、形成されている、圧電素子。
【請求項3】
請求項1または2において、
さらに、前記第2電極の上方に形成された部材を含み、
前記部材は、前記挟まれた部分の外周の上方に、配置されている、圧電素子。
【請求項4】
請求項3において、
前記部材は、金属性である、圧電素子。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、
前記挟まれた部分は、長方形の平面形状を有し、
前記絶縁体層は、前記挟まれた部分の短辺に隣接して形成されている、圧電素子。
【請求項6】
請求項5において、
前記絶縁体層の前記短辺に沿う方向の長さは、前記短辺の長さより大きい、圧電素子。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載された圧電素子を含む、液体噴射ヘッド。
【請求項8】
請求項7に記載の液体噴射ヘッドを含む、液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−240366(P2012−240366A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114782(P2011−114782)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】