説明

地中壁構造

【課題】固化壁に矢板を接続してなる地中壁構造であって、矢板の位置や向きに制約が生じ難い地中壁構造を提供することを課題とする。
【解決手段】固化壁Aに矢板4を接続してなる地中壁構造であって、固化壁Aは、固化材で形成した壁本体1と、矢板4との接続部分に配置された接続用芯材2とを有し、接続用芯材2は、壁本体1に埋設される本体部2aと、この本体部2aから離間した位置に設けられた継手部2bと、本体部2aと継手部2bとの間に介設された繋ぎ部2cとを備えており、継手部2bは、矢板4に設けられた矢板継手4bと係合可能な形状を具備しており、矢板継手4bと係合していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中壁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
固化壁の芯材となるH形鋼に矢板を接続してなる地中壁構造であって、矢板継手と係合可能な形状の継手部材をH形鋼に直付けした地中壁構造が特許文献1に例示されている。特許文献1の発明によれば、現場の状況等に応じて固化壁と矢板壁とを併用することが可能となるので、コストの削減を図ることが可能となる。
【特許文献1】特開2002−81058号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1の発明は、H形鋼のウェブに継手部材を直付けする形態を含むものであるところ、H形鋼のウェブに継手部材を直付けする場合には、継手部材の取付作業に支障をきたさないような平面位置であって且つ矢板がH形鋼のフランジに接触しないような平面位置に継手部材を設ける必要があるので、矢板を所望の平面位置に配置できない場合がある。また、特許文献1では、矢板の接続位置がH形鋼の表面近傍に限定されてしまうという問題もある。つまり、特許文献1の地中壁構造においては、固化壁に接続される矢板の位置や向きが制約される虞がある。
【0004】
このような観点から、本発明は、固化壁に矢板を接続してなる地中壁構造であって、矢板の位置や向きに制約が生じ難い地中壁構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題を解決する本発明に係る地中壁構造は、固化壁に矢板を接続してなる地中壁構造であって、前記固化壁は、固化材で形成した壁本体と、前記矢板との接続部分に配置された接続用芯材とを有し、前記接続用芯材は、前記壁本体に埋設された本体部と、前記本体部から離間した位置に設けられた継手部と、前記本体部と前記継手部との間に介設された繋ぎ部とを備えており、前記継手部は、前記矢板に設けられた矢板継手と係合可能な形状を具備しており、前記矢板継手と係合していることを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、接続用芯材の本体部から離間した位置に継手部を設けているので、本体部に継手部を直付けする場合に比べて、矢板の位置や向きに制約が生じ難くなる。なお、固化壁には、少なくとも、モルタル壁、コンクリート壁、ソイルセメント壁、泥水固化壁が含まれる。
【0007】
接続用芯材の本体部の形態に制限はないが、ウェブと一対のフランジとを有する形鋼(例えば、H形鋼、I形鋼、溝形鋼など)にて構成するとよい。このようにすると、役物である接続用芯材の調達コストを低減することが可能になる。
【0008】
接続用芯材の本体部を形鋼で構成した場合には、前記両フランジの前記矢板側の端縁同士を結ぶ平面よりも前記矢板側に前記継手部を位置させることが望ましく、あるいは、前記本体部に外接する円筒面よりも前記矢板側に前記継手部を位置させることが望ましい。このようにすると、形鋼の存在を気にすることなく、矢板の位置や向きを設定することが可能になる。なお、継手部を前記した円筒面よりも矢板側に位置させると、継手部を基準にして接続用芯材の位置決めを行うことが可能になるので、接続用芯材の設置精度を向上させることが可能になるし、固化材が固化した後に矢板を建て込む場合においては、矢板の圧入抵抗を低減することが可能になる。
【0009】
なお、接続用芯材の継手部を前記した平面よりも矢板側に位置させるためには、例えば、前記繋ぎ部を前記ウェブから張り出させるとともに、前記繋ぎ部の先端部に前記継手部を設けるか、あるいは、前記両フランジの前記矢板側の端縁間に前記繋ぎ部を架設するとともに、前記繋ぎ部の前記矢板側の側面に前記継手部を設ければよい。
【0010】
接続用芯材の繋ぎ部を本体部のウェブから張り出させた場合には、前記フランジから前記繋ぎ部に向って張り出すブラケットを接続用芯材に具備させ、前記ブラケットの先端部を前記繋ぎ部に固着するとよい。このようにすると、接続用芯材を建て込む際に繋ぎ部に発生する撓み等を抑制することが可能になる。また、壁本体となる固化材が硬化する前においても繋ぎ部に発生する撓み等を抑制することが可能となるので、固化材が硬化する前に矢板を建て込んだ場合であっても、継手部の位置に誤差が生じ難くなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る地中壁構造によれば、矢板の位置や向きに制約が生じ難くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態の一例を、添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態に係る地中壁構造は、図1に示すように、固化壁Aに矢板壁Bを接続してなる地中壁構造である。矢板壁Bは、複数の矢板4,4,…を連接して構成したものであり、固化壁Aを長さ方向(図1においては右方向)に延長した位置に形成されている。なお、本実施形態では、固化壁Aおよび矢板壁Bが地山Gを掘り下げる際の土留壁である場合を例示するが、固化壁Aおよび矢板壁Bの用途や規模等を限定する趣旨ではない。
【0013】
固化壁Aは、柱列式の連続地中壁であり、固化材で形成した壁本体1と、矢板壁Bとの接続部分に配置された接続用芯材2と、壁本体1の適所に配置された補強用芯材3,3,…と備えて構成されている。なお、図示は省略するが、固化壁Aを壁式(等厚式)の連続地中壁としても差し支えない。
【0014】
壁本体1は、図示せぬ掘削穴(掘削溝)において固化(硬化)させた固化材からなる。固化材の種類に制限はなく、モルタル、コンクリート、ソイルセメント、固化剤を含有した泥水(ベントナイト)等の中から、地山の地質や固化壁Aに要求される強度等に応じて適宜なものを選定すればよい。
【0015】
接続用芯材2は、壁本体1に埋設された本体部2aと、この本体部2aから離間した位置に設けられた継手部2bと、本体部2aと継手部2bとの間に介設された繋ぎ部2cとを備えている。なお、本実施形態では、本体部2aのみならず、継手部2bおよび繋ぎ部2cも壁本体1に埋設されている。
【0016】
本体部2aは、壁本体1を補強する役割を担うとともに、繋ぎ部2cを支持する役割を担うものであり、本実施形態では、ウェブ21と一対のフランジ22,22とを有するH形鋼からなり、その長手方向が壁本体1の深さ方向(図1においては紙面垂直方向)となるように配置されている。本体部2aは、一方のフランジ22が地山Gに対峙し、他方のフランジ22が地山Gを掘り下げて形成した掘割空間Vに対峙するような向きで配置されている。すなわち、本体部2aは、そのウェブ21が壁本体1の壁厚方向に沿うように配置されている。
【0017】
継手部2bは、図2に示すように、矢板4に設けられた矢板継手4bと係合可能な形状を具備するものであり、本実施形態では、矢板継手4bと同一形状(断面鉤状)に形成されている。本実施形態の継手部2bは、繋ぎ部2cの先端部に設けられていて、フランジ22,22の矢板側の端縁同士を結ぶ平面Pよりも矢板4側に位置している。継手部2bの位置に制限はないが、本実施形態では、継手部2bに接続される矢板4のウェブが本体部2aの地山G側のフランジ22と面一になるような位置としている。なお、継手部2bは、深さ方向(図2においては紙面垂直方向)に延在している。また、継手部2bの内空部(矢板継手4bが挿入される空間)には、固化材の浸入を防止する図示せぬ防護部材(例えば、発泡ウレタンや発泡ポリスチレンなど)が充填されている。
【0018】
繋ぎ部2cは、本体部2aのウェブ21の矢板4側の面に固着されており、かつ、ウェブ21から側方に向って張り出している。本実施形態の繋ぎ部2cは、平板を「く」字状に折り曲げた形状を具備していて、深さ方向(図2においては紙面垂直方向)に延在している。より詳細に説明すると、本実施形態の繋ぎ部2cは、ウェブ21の中心よりも他方のフランジ22側(掘割空間V側)に寄った位置から張り出しており、ウェブ21から平面Pまではフランジ22と平行に対峙し、平面Pを越えた辺りで一方のフランジ22側(地山G側)に屈曲してウェブ21と対峙している。
【0019】
本実施形態の継手部2bおよび繋ぎ部2cは、後記する矢板4と同一断面の鋼矢板を幅方向の中央部で切断して形成した半割部材からなる。矢板壁Bの深さが鋼矢板の規格長よりも大きい場合には、複数の半割部材を長手方向に連設することになるが、この場合には、半割部材(継手部2bおよび繋ぎ部2c)同士を直接接続してもよいし、図3に示すように、上下に間隔をあけて二つの半割部材を配置してもよい。なお、上下に隣り合う二つの半割部材を離間させる場合には、本体部2aとなるH形鋼同士の継ぎ目を挟んで上下に配置するとよい。このようにすると、上下に隣り合うH形鋼同士の溶接作業を繋ぎ部2cが接続される面側から行うことが可能となる。
【0020】
二つの半割部材を上下に離間させた場合には、上下に隣り合う継手部2b,2bの端面間にガイド部材2d,2dを配置するとよい。ガイド部材2d,2dは、矢板継手4b(図2参照)が継手部2b,2bの境界部分を通過する際のガイドとなるものであり、本実施形態のものは、継手部2bの内空部(溝部)を挟んで対向している。
【0021】
図1に示す補強用芯材3は、固化壁Aに要求される強度等に応じて配置されるものである。本実施形態の補強用芯材3は、接続用芯材2の本体部2aと同一寸法のH形鋼からなり、その長手方向が壁本体1の深さ方向(図1においては紙面垂直方向)となるように配置されている。なお、補強用芯材3の寸法・形状を、接続用芯材2の本体部2aのものと異ならせても差し支えないし、H形鋼以外の形鋼や鉄筋を補強用芯材としても差し支えない。また、壁本体1の強度(固化材の強度)のみで固化壁Aに要求される性能を満足できる場合には、補強用芯材3を省略しても差し支えない。
【0022】
矢板4は、U形鋼矢板であり、矢板本体4aと、この矢板本体4aの両側縁部に一体的に形成された一対の矢板継手4b,4bを備えている。矢板本体4aは、ウェブと一対のフランジとで形成された断面U字状の部位であり、矢板継手4bは、矢板本体4aのフランジから側方に向って張り出す断面鉤状の部位である。各矢板4は、その矢板継手4bを隣接する他の矢板4の矢板継手4bに係合することで互いに連結されるが、接続用芯材2に隣接する矢板4の一方の矢板継手4bは、補強用芯材2の継手部2bに係合される。なお、図示は省略するが、Z形、直線形、H形、鋼管形などU形以外の形態の鋼矢板を使用しても差し支えない。
【0023】
次に、このような構成の地中壁構造の構築手順を説明する。なお、以下では、固化材がソイルセメントである場合を例示する。
【0024】
まず、単軸式もしくは多軸式のアースオーガー(図示略)で所定深さの掘削穴(掘削溝)を形成するとともに、掘削穴の内部において現位置の土とセメント系懸濁液とを撹拌混合してソイルセメント(固化材)を形成し、ソイルセメントの流動性が損なわれる前に、図示せぬ移動式クレーン等を使用して補強用芯材3,3,…を建て込み、さらに、矢板壁Bとの接続部分(本実施形態では、固化壁Aの側端部)となる位置に接続用芯材2を建て込む。
【0025】
なお、接続用芯材2の重心と釣り合う吊り点を本体部2aの上端に見出すことができない場合には、繋ぎ部2cの上端に吊り点を設けてもよい。また、図示は省略するが、接続用芯材2の上端に板材や枠材等からなる治具を固着しておき、この治具に吊り点を設けてもよい。
【0026】
接続用芯材2の周囲のソイルセメントが固化したならば、矢板4の矢板継手4bを接続用芯材2の継手部2bに係合させつつ、矢板4をソイルセメント(壁本体1)および地山Gに打ち込む。具体的には、静的貫入方法や動的貫入方法などによって矢板4を壁本体1および地山Gに圧入し、接続用芯材2の上端側から矢板継手4bを継手部2bに嵌挿すればよい。なお、継手部2bに前記した防護部材(図示略)が充填されているので、継手部2bの内空部がソイルセメントで満たされてしまうようなことはなく、したがって、継手部2bと矢板継手4bとの係合を阻害するような現象(いわゆる楔現象)が発生するようなこともない。
【0027】
その後、接続用芯材2に接続された矢板4の隣に所望数の矢板4,4,…を連設すると、地中壁構造の構築作業が終了する。
【0028】
以上説明した本実施形態に係る地中壁構造によれば、固化壁Aと矢板壁Bとの境界部における止水性能を高めた状態で両者を接合することが可能となるが、地中壁を接続用芯材2の本体部2aから離間した位置に継手部2bを設けているので、本体部2aに継手部2bを直付けする場合に比べて、矢板4の位置や向きに制約が生じ難くなる。
【0029】
また、本実施形態に係る地中壁構造によれば、現場の状況等に応じて固化壁Aと矢板壁Bとを併用することが可能となるので、コストの削減を図ることが可能となる。例えば、地中壁の深さが場所によって異なる場合には、深さの大きい部位を固化壁Aで構築し、深さの小さい部位を矢板壁Bで構築すると、地中壁の施工コストを削減することが可能となる。
【0030】
なお、接続用芯材2の構成は、図示のものに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
例えば、図4に示すように、本体部2aに外接する円筒面Qよりも矢板4側に継手部2bを位置させてもよい。すなわち、壁本体1の周縁部に継手部2bを位置させてもよい。矢板4のうち、一方の矢板継手4bを含む部位は壁本体1(固化材)に圧入する必要があるが、円筒面Qよりも矢板4側に継手部2bを位置させておけば、壁本体1に圧入される部位が小さくなるので、矢板4の圧入抵抗を低減することが可能になる。
【0031】
ちなみに、図4に示す接続用芯材2を掘削穴(掘削溝)に建て込む際には、継手部2bを穴壁(溝壁)に当接させつつ建て込めばよい。このようにすると、継手部2bを基準にして接続用芯材2の位置決めを行うことが可能になるので、接続用芯材2の設置精度を向上させることが可能になる。
【0032】
前記した実施形態においては、繋ぎ部2cを本体部2aのウェブ21に片持ち支持させた場合を例示したが(図2参照)、フランジ22から繋ぎ部2cに向って張り出すブラケット2eを設け、ブラケット2eの先端部を繋ぎ部2cに固着してもよい。ブラケット2eは、例えば、山形鋼などの形鋼にて構成するとよい。
【0033】
繋ぎ部2cをブラケット2eで支持すると、接続用芯材2を建て込む際に繋ぎ部2cに発生する撓み等を抑制することが可能になる。また、壁本体1となる固化材が固化する前に矢板4を建て込んだ場合であっても、繋ぎ部2cに発生する撓み等を抑制することが可能となるので、継手部2bの位置に誤差が生じ難くなる。なお、図示の形態においては、複数のブラケット2eを深さ方向に間隔をあけて配置する場合を想定しているが、深さ方向に延在する長尺の部材をブラケット2eとしても差し支えない。
【0034】
また、前記した実施形態においては、繋ぎ部2cを本体部2aのウェブ21に固着した接続用芯材2を例示したが、図5に示すように、フランジ22,22の矢板4側の端縁間に繋ぎ部2c’を架設するとともに、繋ぎ部2c’の矢板4側の側面に継手部2bを設けてもよい。
【0035】
このようにすると、継手部2bが平面P(図2参照)よりも矢板4側に位置することになるので、本体部2aに継手部2bを直付けする場合に比べて、矢板4の位置や向きに制約が生じ難くなる。また、繋ぎ部2c’が両持ち支持されることになるので、継手部2bの位置に誤差が生じ難くなる。
【0036】
なお、繋ぎ部2c’の構成に制限はなく、例えば、本体部2aと同程度の高さ寸法を有する一枚の鋼板で繋ぎ部2c’を構成してもよいが、図6に示すように、高さ寸法の小さい鋼材(フラットバー、山形鋼、溝形鋼、角形鋼管など)で繋ぎ部2c’を構成し、複数の繋ぎ部2c’を深さ方向(高さ方向)に間隔をあけて配置してもよい。この場合、継手部2bは、繋ぎ部2c’と別部材とし、溶接等の手段により繋ぎ部2c’に固着するとよい。このようにすると、接続用芯材2の軽量化を図ることが可能となる。
【0037】
繋ぎ部2c’の撓みを抑制するために、繋ぎ部2c’に補強部材2fを付設してもよい。図示した補強部材2fは、繋ぎ部2c’を挟んで継手部2bの反対側に位置しており、溶接等の手段により繋ぎ部2c’のウェブ21側の面に固着されている。なお、図示した補強部材2fは、山形鋼からなり、深さ方向に延在しているが、補強部材2fの構成を限定する趣旨ではない。
【0038】
なお、本実施形態では、固化壁Aの側端部に接続用芯材2を設け、固化壁Aを延長した位置に矢板壁Bを構築した場合を例示したが、接続用芯材2の位置や固化壁Aと矢板壁Bとの位置関係を限定する趣旨ではない。図示は省略するが、固化壁Aの側端部において矢板壁Bを交差させてもよいし、固化壁Aの中間部に接続用芯材2を配置し、固化壁Aから矢板壁Bを分岐させてもよい。
【0039】
また、本実施形態では、複数枚の矢板4,4,…からなる矢板壁Bを固化壁Aに接続した場合を例示したが、一枚の矢板4を固化壁Aに接続しても差し支えない。
【0040】
また、本実施形態では、地中壁構造を土留壁として利用する場合を例示したが、遮水壁、浄化壁、構造物基礎などとして利用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態に係る地中壁構造を示す断面図である。
【図2】接続用芯材を示す断面図である。
【図3】接続用芯材を説明するための斜視図である。
【図4】接続用芯材の変形例を説明するための断面図である。
【図5】接続用芯材の他の変形例を説明するための断面図である。
【図6】接続用芯材のさらに他の変形例を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
A 固化壁
B 矢板壁
1 壁本体
2 接続用芯材
2a 本体部
21 ウェブ
22 フランジ
2b 継手部
2c 繋ぎ部
3 補強用芯材
4 矢板
4b 矢板継手
P 平面
Q 円筒面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固化壁に矢板を接続してなる地中壁構造であって、
前記固化壁は、固化材で形成した壁本体と、前記矢板との接続部分に配置された接続用芯材とを有し、
前記接続用芯材は、前記壁本体に埋設された本体部と、前記本体部から離間した位置に設けられた継手部と、前記本体部と前記継手部との間に介設された繋ぎ部とを備えており、
前記継手部は、前記矢板に設けられた矢板継手と係合可能な形状を具備しており、前記矢板継手と係合していることを特徴とする地中壁構造。
【請求項2】
前記本体部は、ウェブと一対のフランジとを有する形鋼からなり、
前記継手部は、前記両フランジの前記矢板側の端縁同士を結ぶ平面よりも前記矢板側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の地中壁構造。
【請求項3】
前記繋ぎ部は、前記ウェブから張り出しており、
前記繋ぎ部の先端部に前記継手部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の地中壁構造。
【請求項4】
前記接続用芯材は、前記フランジから前記繋ぎ部に向って張り出すブラケットを備えており、
前記ブラケットによって前記繋ぎ部が支持されていることを特徴とする請求項3に記載の地中壁構造。
【請求項5】
前記繋ぎ部は、前記両フランジの前記矢板側の端縁間に架設されており、
前記繋ぎ部の前記矢板側の側面に前記継手部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の地中壁構造。
【請求項6】
前記本体部は、ウェブと一対のフランジとを有する形鋼からなり、
前記継手部は、前記本体部に外接する円筒面よりも前記矢板側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の地中壁構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−221803(P2009−221803A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−69992(P2008−69992)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【Fターム(参考)】