説明

地中掘削用ハンマ及びそれを備えた回転式掘削機

【課題】地中掘削用ハンマにおいて、掘削部とエアタンク部からなるハンマ本体を共用し、エアタンク部の外周部に、アタッチメントを取り付けることにより、掘削する対象となる地盤の質に合わせてより好適な排土機能を付与する。
【解決手段】地中掘削用ハンマ(1)は、掘削部(2)とその基部側に設けられたエアタンク部(3)を備えたハンマ本体(10)と、エアタンク部(3)に着脱が可能な所要数のアタッチメント(4)を備えている。掘削部(2)の先端には、作動流体で駆動されることにより進退動し地盤の掘削を行うハンマビット(27,28)を備えている。一方のアタッチメント(4)は、外周部に螺旋羽根(43)が設けられている。アタッチメント(4)と付け替えが可能な他方のアタッチメントは、外周部にフラットバーが軸周方向へ所要数設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中掘削用ハンマ及びそれを備えた回転式掘削機に関するものである。
さらに詳しくは、先端にハンマビットを有する掘削部と、掘削部の基部側に設けられているエアタンク部を備えた地中掘削用ハンマにおいて、掘削部とエアタンク部からなるハンマ本体を共用し、エアタンク部の外周部に、掘削する対象となる地盤の質に合わせて、より好適な排土機能を付与することができる地中掘削用ハンマ及びそれを備えた回転式掘削機に関する。
【背景技術】
【0002】
土木や建築の分野において、岩盤や転石、コンクリート塊等が含まれている硬質の地盤の掘削には、ダウンザホールハンマと称される地中掘削用ハンマが主に使用されている。
この地中掘削用ハンマは、外部から圧縮空気を供給して内部のピストンを駆動することにより、先端のハンマビットを進退動させ、その打撃力によって掘削を行うものである。
このような地中掘削用ハンマとしては、例えば本願発明者が先に提案した特許文献1に記載のものがある。
【0003】
特許文献1には、地中掘削用ハンマ(特許文献1では掘削装置)において、先端に複数のハンマビットを有する掘削部(同じく掘削ハンマビット部材)の基部側に設けられているエアタンク部(同じくエアタンク部材)の外周部に、フラットバーを軸周方向に等間隔で設けたもの(同じく図1参照)と、スクリューを設けたもの(同じく図11参照)が開示されている。
【0004】
これら、いわゆるフラットバー型とスクリュー型の地中掘削用ハンマは、排土機能(または排土性能)や掘削機能においてそれぞれ特徴を有している。
すなわち、フラットバー型の地中掘削用ハンマでは、岩盤等がハンマビットで砕かれてできたスライムは、掘削部の外周部を抜けてきた後、エアタンク部のフラットバーでさらに細かく砕かれ、スクリュー軸のスクリューへ円滑に送られる。したがって、フラットバー型は、地盤の質が、岩盤等が多く、これらが深く続くような場合に好適である。
【0005】
また、スクリュー型の地中掘削用ハンマでは、岩盤等がハンマビットで砕かれてできたスライムは、掘削部の外周部を抜けてきた後、すぐにエアタンク部のスクリューで上方へ送られる。したがって、スライムに土や粘土が多く含まれており、粘度が比較的高い場合でも、スライムがエアタンク部の外周部にまとわりつくように固く接着することがなく、排土を円滑に行うことができなくなることを防止できる。このようなことから、スクリュー型は、地盤の質が、岩盤等がそれ程多くなく土や粘土が多い場合に好適である。
【0006】
実際の使用でも、これらフラットバー型とスクリュー型の地中掘削用ハンマは、あらかじめ別々に用意されている。そして、掘削する対象となる地盤の質に合わせて、これらをクレーンに対して付け替えて使い分けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−146446
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記のようにフラットバー型とスクリュー型に分けられ、掘削する対象となる地盤の質に合わせて使い分けるようになっている従来の地中掘削用ハンマには、次のような課題があった。
すなわち、前記のように種類の異なる地中掘削用ハンマを用意しておくためには、管理や保管のための広いスペースが必要であり、狭い場所でのスペース効率のよい管理、保管は難しい。なお、掘削作業の施工現場において種類の異なる地中掘削用ハンマを用意しておく場合は、地中掘削用ハンマが比較的大きいため、使用していないときに地面に置かれた地中掘削用ハンマが邪魔になり、作業を妨げるおそれがあった。また、同じ理由から作業の安全性の面でも問題があった。
【0009】
(本発明の目的)
そこで本発明の目的は、先端にハンマビットを有する掘削部と、掘削部の基部側に設けられているエアタンク部を備えた地中掘削用ハンマにおいて、掘削部とエアタンク部からなるハンマ本体または掘削部を共用し、地中掘削用ハンマに、掘削する対象となる地盤の質に合わせて、より好適な排土機能や掘削機能を付与することができる地中掘削用ハンマ及びそれを備えた回転式掘削機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
本発明は、
作動流体で駆動されることにより進退動し地盤の掘削を行うハンマビット(27,28)を備えている地中掘削用ハンマであって、
先端にハンマビット(27,28)を備えている掘削部(2)と該掘削部(2)の基部側に設けられているエアタンク部(3)を備えているハンマ本体(10)と、
ハンマ本体(10)のエアタンク部(3)に取り外し可能に被着される所要数のアタッチメントと、
を備えており、
前記所要数のアタッチメントは、外周部に係合バー(45)が軸周方向へ所要数設けられているアタッチメント(4a)を含む、地中掘削用ハンマである。
【0011】
本発明は、
作動流体で駆動されることにより進退動し地盤の掘削を行うハンマビット(27,28)を備えている地中掘削用ハンマであって、
先端にハンマビット(27,28)を備えている掘削部(2)と該掘削部(2)の基部側に設けられているエアタンク部(3)を備えているハンマ本体(10)と、
ハンマ本体(10)のエアタンク部(3)に取り外し可能に被着されている所要数のアタッチメントと、
を備えており、
前記所要数のアタッチメントは、外周部に螺旋羽根(43)が設けられているアタッチメント(4)を含む、地中掘削用ハンマである。
【0012】
本発明は、
作動流体で駆動されることにより進退動し地盤の掘削を行うハンマビット(27,28)を備えている地中掘削用ハンマであって、
先端にハンマビット(27,28)を備えている掘削部(2)と該掘削部(2)の基部側に設けられているエアタンク部(3)を備えたハンマ本体(10)と、
ハンマ本体(10)のエアタンク部(3)に取り外し可能に被着されている所要数のアタッチメントと、
を備えており、
前記所要数のアタッチメントは、外周部に螺旋羽根(43)が設けられているアタッチメント(4)と、外周部に係合バー(45)が軸周方向へ所要数設けられたアタッチメント(4a)とを含み、前記アタッチメントはいずれかが択一的にエアタンク部(3)に被着されて使用される、地中掘削用ハンマである。
【0013】
本発明の地中掘削用ハンマは、
外周部に螺旋羽根(43)が設けられているアタッチメント(4)の螺旋羽根(43)に、アタッチメント(4)の軸線方向と平行に、回転駆動装置(5)のドライブブッシュ(51)の内周部に設けられている係合条部(510)と係合する係合切欠部(44)を設けるのが好ましい。
【0014】
本発明の地中掘削用ハンマは、
エアタンク部(3)の基端部には、排土用連結軸(7,7a)を連結するための断面多角形状の連結ジョイント(34)が設けられており、エアタンク部(3)に外嵌めされるアタッチメント(4,4a)は、基端部に連結ジョイント(34)を挿通することによりアタッチメント(4,4a)とエアタンク部(3)が一体となって軸周方向へ回転できるようにする多角形状のジョイント孔(41)が設けられた筒状体に形成されているのが好ましい。
【0015】
本発明は、
作動流体で駆動されることにより進退動し地盤の掘削を行うハンマビット(27,28)を備えている地中掘削用ハンマであって、
先端にハンマビット(27,28)を備えている掘削部(2a)と、
掘削部(2a)の基部側に取り外し可能に被着され、エアタンク部(3a)の外周部に螺旋羽根(43a)が設けられているアタッチメント(4b)と、
掘削部(2a)の基部側に取り外し可能に被着され、エアタンク部(3a)の外周部に係合バー(45a)が軸周方向へ所要数設けられているアタッチメント(4c)とを含む、地中掘削用ハンマである。
【0016】
本発明の地中掘削用ハンマは、
外周部に螺旋羽根(43a)が設けられているアタッチメント(4b)の螺旋羽根(43a)に、アタッチメント(4b)の軸線方向と平行に、回転駆動装置(5)のドライブブッシュ(51)の内周部に設けられている係合条部(510)と係合する係合切欠部(44a)が設けられているのが好ましい。
【0017】
本発明は、
前記発明のいずれかに係る地中掘削用ハンマと、地中掘削用ハンマ(1,1a)を、自重により降下させ、かつ地中掘削用ハンマ(1,1a)に軸周方向の回転力を与える回転駆動装置(5)と、を備えている、回転式掘削機である。
【0018】
本発明は、
前記発明のいずれかに係る地中掘削用ハンマと、地中掘削用ハンマ(1,1a)を、自重により降下させ、かつ地中掘削用ハンマ(1,1a)に軸周方向へ回転力を与えることができるドライブブッシュ(51)を有する回転駆動装置(5)と、を備えており、
ドライブブッシュ(51)の内周部には、アタッチメント(4,4b,4c)の螺旋羽根(43,43a)に設けられている係合切欠部(44,44a)と係合する所要数の係合条部(510)、またはアタッチメント(4a)のバー(45)と係合する所要数の係合溝(519)を有している、回転式掘削機である。
【0019】
(作用)
本発明に係る地中掘削用ハンマ及び回転式掘削機の作用を説明する。なお、ここでは、説明で使用する各構成要件に、後述する実施の形態において各部に付与した符号を対応させて付与するが、この符号は、特許請求の範囲の各請求項に記載した符号と同様に、あくまで内容の理解を容易にするためであって、各構成要件の意味を上記各部に限定するものではない。
【0020】
まず、掘削する対象となる地盤の質が、例えば岩盤等がそれ程多くなく土や粘土が多い場合は、螺旋羽根(43)を有するアタッチメント(4)を選択してエアタンク部(3)に装着する。
アタッチメント(4)を装着した地中掘削用ハンマ(1)を、地盤の表面の掘削する位置にハンマビット(27,28)を下にして鉛直になるように据え置く。
【0021】
回転駆動装置(5)を吊り上げ、ドライブブッシュ(51)を地中掘削用ハンマ(1)のエアタンク部(3)に装着されているアタッチメント(4)に嵌め入れるようにしてエアタンク部(3)をドライブブッシュ(51)に通し、回転駆動装置(5)を地面に据え付ける。
なお、外周部に螺旋羽根(43)が設けられているアタッチメント(4)を使用する場合は、螺旋羽根(43)の係合切欠部(44)に、ドライブブッシュ(51)の内周部に設けられている係合条部(510)を係合させる。また、アタッチメント(4a)を使用する場合は、バー(45)をドライブブッシュ(51a)の内周部の係合溝(519)と係合させる。
【0022】
さらに、エアタンク部(3)の基端に、必要な数の排土用連結軸(7,7a)を接続する。排土用連結軸(7)の螺旋羽根(75)にもアタッチメント(4)の螺旋羽根(43)と同様の係合切欠部(76)が設けられている。また、排土用連結軸(7a)にもバー(78)が設けられている。
排土用連結軸(7,7a)は、係合切欠部(76)またはバー(78)がドライブブッシュ(51,51a)の係合条部(510)または係合溝(519)に合うように、すなわちアタッチメント(4)の螺旋羽根(43)の係合切欠部(44)またはアタッチメント(4a)のバー(45)と軸周方向の位置が同じになるようにして接続される。
【0023】
地中掘削用ハンマ(1)にエアを送り、掘削部の先端のハンマビット(27,28)を進退動させる。また、回転駆動装置(5)のドライブブッシュ(51)を駆動し、地中掘削用ハンマ(1)と排土用連結軸(7,7a)を一体として回転させる。これにより、地中掘削用ハンマ(1)は地中掘削用ハンマ(1)と排土用連結軸(7,7a)の自身の重さで地盤を鉛直方向に掘削する。ハンマビット(27,28))で砕かれてできたスライムは、まずアタッチメント(4)の場合は螺旋羽根(43)で上方へ送られ、さらにスクリュー軸(7)の螺旋羽根(76)で上方へ送られて排土される。また、アタッチメント(4a)の場合は、地中掘削用ハンマ(1)の先端から掘削孔内に排出されるエアの圧力を利用する等して排土される。
【0024】
このように、掘削部(2)とエアタンク部(3)からなるハンマ本体(10)を共用し、エアタンク部(3)に、掘削する対象となる地盤の質に合わせて、排土機能の異なるアタッチメント(4,4a)から適宜選択したアタッチメントを装着することによって、より好適な排土機能を付与することができる。
【0025】
なお、エアタンク部(3a)の外周部に螺旋羽根(43a)が設けられているアタッチメント(4b)と、エアタンク部(3a)の外周部にバー(45a)が軸周方向へ所要数設けられたアタッチメント(4c)を含む地中掘削用ハンマ(1a)は、エアタンク部(3a)ごと取り替えるようになっている点で前記地中掘削用ハンマ(1)とは異なるが、他の作用はほぼ同様であるので、説明は省略する。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、先端にハンマビットを有する掘削部と、掘削部の基部側に設けられているエアタンク部を備えた地中掘削用ハンマにおいて、掘削部とエアタンク部からなるハンマ本体または掘削部を共用し、エアタンク部に、掘削する対象となる地盤の質に合わせて、排土機能や掘削機能の異なるアタッチメントから適宜選択したアタッチメントを装着することにより、地中掘削用ハンマに、より好適な排土機能や掘削機能を付与することができる。
このように、掘削部とエアタンク部からなるハンマ本体または掘削部を共用することにより、種類の異なる地中掘削用ハンマを用意しておく場合も、狭い場所でのスペース効率のよい管理、保管が可能になり、ひいてはコスト削減にも寄与できる。また、掘削作業の施工現場において種類の異なる地中掘削用ハンマを用意しておく場合も、アタッチメントは比較的小さく、使用していないときに地面に置かれていてもそれ程邪魔にならないので、作業を妨げるおそれがなく、作業の安全性の面からも好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る地中掘削用ハンマの実施形態を示し、掘削側である先部方向から見た斜視説明図。
【図2】地中掘削用ハンマの分解正面視説明図。
【図3】地中掘削用ハンマの縦断面図。
【図4】地中掘削用ハンマの分解斜視説明図(エアタンク部から取り外した掘削部を分解した状態)。
【図5】地中掘削用ハンマのエア貯留部に配置されるエアの流れ方向を制御するエア流通制御部材を示す斜視説明図。
【図6】本発明に係る地中掘削用ハンマの他の使用形態を示す分解正面視説明図。
【図7】スクリュー型のアタッチメントを装着した地中掘削用ハンマと回転駆動装置で構成される回転式掘削機を示す一部を断面した正面視説明図。
【図8】図7の地中掘削用ハンマと回転駆動装置の関係を示す平面視説明図。
【図9】図7の地中掘削用ハンマを用いた地中掘削工法の説明図。
【図10】フラットバー型のアタッチメントを装着した地中掘削用ハンマと回転駆動装置で構成される回転式掘削機を示す一部を断面した正面視説明図。
【図11】図10の地中掘削用ハンマと回転駆動装置の関係を示す平面視説明図。
【図12】本発明に係る地中掘削用ハンマの他の実施形態を示し、掘削部とスクリューエアタンク部を組み合わせる場合の分解正面説明図。
【図13】掘削部とスクリューエアタンク部を組み合わせて形成した地中掘削用ハンマの縦断面図。
【図14】本発明に係る地中掘削用ハンマの他の実施形態を示し、掘削部とフラットバーエアタンク部を組み合わせる場合の分解正面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明を図面に示した実施の形態に基づき、さらに詳細に説明する。
図1ないし図6は、本発明に係る地中掘削用ハンマの一実施の形態を説明するための図である。
図1は地中掘削用ハンマを掘削側である先部方向から見た斜視説明図、
図2は地中掘削用ハンマの分解正面視説明図、
図3は地中掘削用ハンマの縦断面図、
図4は地中掘削用ハンマの分解斜視説明図(エアタンク部から取り外した掘削部を分解した状態)、
図5は地中掘削用ハンマのエア貯留部に配置されるエアの流れ方向を制御するエア流通制御部材を示す斜視説明図、
図6は本発明に係る地中掘削用ハンマの他の使用形態を示す分解正面視説明図である。
なお、前記図4において、図面上方に表したエアタンク部の基部側の一部は省略している。
【0029】
地中掘削用ハンマ1は、後述する図7に示すように、地中掘削用ハンマ1を、自重により降下させ、かつ地中掘削用ハンマ1に軸周方向へ回転力を与えることができる回転駆動装置5と組み合わせられ、これにより回転式掘削機6を構成して使用される。
【0030】
(地中掘削用ハンマ1)
図1ないし図5を主に参照し、地中掘削用ハンマ1の構造を説明する。
地中掘削用ハンマ1は、全体が略円柱状に形成されている。地中掘削用ハンマ1は、掘削側(先部側)に位置する掘削部2と、掘削側と反対の基部側に位置するエアタンク部3からなるハンマ本体10及びエアタンク部3に取り外し可能に被着されているアタッチメント4を備えている。
【0031】
エアタンク部3は、固着具であるボルト32とナット31(図4参照)により、掘削部2の基部側に着脱可能に接続されている。詳しくは、掘削部2の基端側の接合面側に、固着具であるボルト32が所要数固定されている。そして、掘削部2のボルト32をエアタンク部3のボルト孔311に通し、ナット31で締め付け固定することにより、エアタンク部3と掘削部2が接続されている。
【0032】
掘削部2は、その先端側に複数のハンマビット27、28を備えている。ハンマビット27、28は、作動流体であるエア(圧縮空気)のエネルギーによって打撃力が与えられることにより、ハンマ本体2の掘削側へ進退して掘削を行うものである。作動流体としては、エア以外にも、他の気体や、水、油等といった液体を採用することができる。
【0033】
ハンマビット27は、掘削部2の底部の中心(軸心)の一箇所に設けられている。また、ハンマビット28は、ハンマビット27を中心とする掘削部2の底部の軸周方向に等間隔で五箇所に設けられている(図1参照)。
なお、本実施の形態では、ハンマビット27、28を合計で六箇所設けているが、特にその数を限定するものではない。また、掘削部2の直径は、例えば450〜700mmに設定されるが、これに限定はしない。
【0034】
ハンマビット27と各ハンマビット28は、全ハンマビットが同時でなく互いに時間をずらして高速(例えば一つのハンマビット当たり1分間に1200〜1300回、全体で1分間に7200〜7800回)で進退動(打撃振動)することによって地盤を掘削することができる。各ハンマビット27、28の進退ストロークは、例えば約10〜30mmであるが、これに限定されるものではない。なお、エアタンク部3のエア貯留部30内には、各ハンマビット27、28を駆動させる作動流体であるエアを高圧状態で貯留できる。
【0035】
地中掘削用ハンマ1は、ハンマビット27、28による地中掘削で生じた地中空隙部に土質補強材または固結物質(以下、「土質補強材等」という)を供給する手段を備えている。図7に示すように、地中掘削用ハンマ1は、土質補強材等の供給路を内蔵する軸部材であるスクリュー軸7の先部側に連結して使用できるようになっている。なお、軸部材としては、スクリュー軸の他、ケリーロッド等を採用することもできる。スクリュー軸7については後述する。
【0036】
図2に示すように、土質補強材等を供給する手段は、掘削部2のハンマビット27、28側(掘削側)に設けられている土質補強材等を排出する排出口265と、この排出口265と前記スクリュー軸7の供給路とを連通する土質補強材等の流路である内部流路を備えている。内部流路の詳細については後述する。
【0037】
土質補強材等は、図7に示すスクリュー軸7から地中掘削用ハンマ1の内部に供給される。さらに、地中掘削用ハンマ1の内部流路を流れ、最後に開閉弁29(図3参照)が圧力によって開放されることにより、排出口265から地中掘削用ハンマ1の外へ排出される。図1に示すように、排出口265は、後述するチャックガイド25の先端面のうち、各ハンマビット28間の所要の位置に所要数(本実施の形態では複数、二箇所)設けられている。
【0038】
図3に示すように、各排出口265を開閉する開閉弁29は、内部流路の一端部に配置され、軸部290を中心として外方に開閉する構造となっている。開閉弁29の表面には、超硬合金製のボタンチップ291が多数設けられている。開閉弁29は、掘削部2の内部流路に土質補強材等の所定の圧力がかかったときに、回動して開放される。
【0039】
以下、図1ないし図5を参照して、地中掘削用ハンマ1の各構成部材について順を追って詳しく説明する。前記したように、地中掘削用ハンマ1は、掘削側(先部側)に位置する掘削部2と、基部側に位置するエアタンク部3を備えている。
【0040】
(掘削部2)
掘削部2は、図4に示すように、上から順に、接続体21を備えると共にピストンを含む駆動手段等を収容したピストンケース22、ピストンケース取付体23、ドライブチャック24、チャックガイド25及び前記ハンマビット27、28等を備えている。
【0041】
ピストンケース22は金属製で、ほぼ円筒形状である。ピストンケース22の基端部(図4で上端部)には接続体21が螺合されている。ピストンケース22の先端部(図4で下端部)には、ドライブチャック24、チャックガイド25を介してハンマビット27、28が接続されている。ピストンケース22は、ハンマビット27、28と同じ数(本実施の形態では複数、六箇所)設けられている。
【0042】
ピストンケース22には、ハンマビット27、28を作動させるピストンを含む駆動手段(図示省略)が収容されている。駆動手段は、ピストンの他、シリンダー、チェックバルブ、エアディストリビュータ、バルブスプリング、メイクアップリング、Oリング、ピストンリタイナーリング、ハンマビットリティーナリング等、公知のダウンザホールハンマの駆動機構(例えば特開昭61−92288号公報記載)を採用することができる。
【0043】
この駆動手段の作用を簡単に説明すると、ピストンケース22に導入されたエアがピストンの下部側にまわることでピストンを押し上げ、次にピストンの上昇に伴ってエアがピストンの上部側にまわり、ピストンを押し下げる。この繰り返しによってピストンが上下動し、掘削側のハンマビット27、28に対して衝撃力を与えるようになっている。
【0044】
ピストンケース22の基端部に位置する接続体21は、作動流体の経路である孔211(図4では見えず、後述する図8参照)を有し、基端側が断面凸状に形成されている。その凸状部分が差込部222を構成し、差込部222がエアタンク部3へ差し入れられて装着される。そして、エアタンク部3から接続体21の差込部222を介して送られるエアによって、ピストンケース22内の駆動手段が駆動する。差込部222の軸周方向には、エアタンク部3から送られてくるエアの気密性を保つことができるように、Oリング223が所要数(本実施の形態では複数)設けられている。
【0045】
各ピストンケース22(本実施の形態では5本)は、略円柱形状の取付体であるピストンケース取付体23(図4参照)に着脱可能に取り付けられている。ピストンケース取付体23は、主に筒状本体231と、この筒状本体231の先部側の開口部に固着されている先部カバー体233と、筒状本体231の基部側の開口部に固着されている基部カバー体234で構成されている。
【0046】
さらにピストンケース取付体23の内部には、円筒形状で細長いケーシングであるピストンケースケーシング232(図4参照)が収容されている。このピストンケースケーシング232に、ピストンケース22が差し入れられた状態で取り付けられている。ピストンケースケーシング232はピストンケース22と同じ数だけ設けられており、その軸心方向がピストンケース取付体23の長手方向と同じになるようにしてある。
【0047】
先部カバー体233及び基部カバー体234は所要の厚みを有し、ピストンケース22を挿設するための孔である挿通孔235、236がそれぞれ設けられている。本実施の形態では、挿通孔235、236は中央部に一箇所、中央部を中心とする円周上に等間隔で五箇所、合計で六箇所配置されている。
【0048】
図2に示すように、これら上下二つのカバー体233、234によって挟まれた状態で、ピストンケースケーシング232が固着され、筒状本体231内に収容されている。ピストンケースケーシング232の先端側の孔(符号省略)は、先部カバー体233の挿通孔235と連通している。ピストンケースケーシング232の基端側の孔(符号省略)は、基部カバー体234の挿通孔236と連通している。
【0049】
さらに、ピストンケース取付体23(筒状本体231)内のピストンケース22、22間に形成されている地中空隙部分には、防振材または防音材として砂230(図3参照)が充填されている。また、ピストンケース22の先端部は、先部カバー体233から一部突出している。この突出部分の孔(符号省略)に、図4に示す略筒状のドライブチャック24の基端側がややきつく押し込まれた状態で取り付けられている。ドライブチャック24の先端側の孔241には、チャックガイド25を介しハンマビット27、28の基部側が進退自在に収納されている。
【0050】
チャックガイド25は平面視略円形状で所要の厚みを有し、ピストンケース取付体23の先端(先部カバー体233)に固着されている。チャックガイド25の固着には、チャックガイド25に固定してある固着具であるボルト251と、ピストンケース取付体23側から取り付けられるナット252が使用されている。
【0051】
本実施の形態では、ボルト251は、チャックガイド25の基部側に等間隔で五箇所設けられている。そして、チャックガイド25のボルト251をピストンケース取付体23のボルト孔237に通してナット252で締め付け固定することで、チャックガイド25をピストンケース取付体23に取り付けることができる。
【0052】
チャックガイド25の先部側には、中央に底面視円形の凹部253と、凹部253を取り囲むようにして底面視V字状の溝である凹部254が放射状に設けられている。凹部253には、底面視円形状のヘッド部270を備えた前記ハンマビット27が配置されている。凹部254には、底面視三角形状のヘッド部280を備えた前記ハンマビット28が配置されている。各ハンマビット27、28のヘッド部270、280には、超硬合金製のボタンチップ200が多数設けられている。
【0053】
チャックガイド25には、ハンマビット27、28と同じ数の孔で構成された取付部である取付孔255が設けられている。取付孔255は前記凹部253と凹部254内に位置している。取付孔255の基部側には、ドライブチャック24の先端部が嵌め入れられている。ドライブチャック24は六角ナット状の回り止め部242を有し、チャックガイド25の取付孔255には、回り止め部242が嵌め入れられる六角形状の凹部256(図3参照)が形成されている。
【0054】
ハンマビット27、28の基部側はスプライン軸として形成され、この基部側が取付孔255の先端部から嵌め入れられることにより、内周壁に凹凸の係合用の溝条(図示省略)を形成したドライブチャック24の内部に装着されている。ハンマビット27、28の基部側は、前記ハンマビットリティーナリングとOリングにより、ドライブチャック24側から外れないように装着されている。
【0055】
また、図1に示すように、ピストンケース取付体23の外周部には、軸方向に沿って、フラットバー26が所要数設けられている。本実施の形態では、フラットバー26は断面ほぼ四角形状で、軸周方向に所要の間隔をおいて複数(本実施の形態では八箇所)設けられている。そして、地盤の掘削作業時に掘削した孔の内部に発生するスライムは、掘削部2の先部側から噴射されるエア(例えばハンマビット27、28の駆動に利用され排出されたエア)によって、掘削した孔と筒状本体231との間隙を通って地表面へ送り出され排土される。
【0056】
(エアタンク部3)
図4に示すように、エアタンク部3の先部側には、掘削部2の基端部(ピストンケース22上部の差込部222)と連結するための連結体33が設けられている。また、エア貯留部30の外周面の図2で下端部には、嵌め入れられるアタッチメント4の有蓋円筒形状のキャップ体40の下部が振れたりガタつくことがないように振れ止め突部39が設けられている。振れ止め突部39は、軸周方向へ等間隔で四箇所に設けられている。なお、振れ止め突部39等の振れ止め手段は、エア貯留部30の外周面に設けずに、キャップ体40の内周面に設けることもできる。
【0057】
エアタンク部3の基端部(図3で上端部)には、図7に示すスクリュー軸7を連結すると共に、スクリュー軸7からエアと土質補強材等を導入するための断面形状正六角形状の連結ジョイント34が設けられている。
【0058】
連結ジョイント34には、エア流通経路340、340(図8も参照)が並設されている。エア流通経路340、340の間には、土質補強材等の内部流路の一部を構成する第一流通孔371が設けられている。また、連結ジョイント34の外面には、互いに平行な一対の面にそれぞれ係合溝341が設けられている。各係合溝341は軸線方向と直角方向かつ互いに平行に設けられている。各係合溝341には、後述する固定用ピン38が装着される。
【0059】
エアタンク部3のエア貯留部30内には、連結ジョイント34から供給されるエアの流れ方向を制御するエア流通制御部材8が連結体33の上面部に固着されている。
エア流通制御部材8は、図5に示すように盃(さかずき)のような形をしている。エア流通制御部材8は、連結ジョイント34のエア流通経路340からエアを直接受けるボウル状の受部81と、受部81を支える略円錐台状(ただし中空体)の支持体82を有している。支持体82は、その周面部にエアを通す流通孔821が所要数(本実施の形態では複数、四箇所)設けられている。エア流通制御部材8は、支持体82の軸中心が中央のピストンケース22の流通孔331の上に位置するように配置されている。
【0060】
以上のような構成により、連結ジョイント34から供給されたエアは、エア流通制御部材8の受部81に当たって跳ね返ると共にエア貯留部30内を旋回する。そして、その一部はエア流通制御部材8の支持体82の流通孔821を通って中央の流通孔331からピストンケース22へ導入される。また、残りのエアは、エア流通制御部材8の横を抜けて、外周寄りに設けられた流通孔331からピストンケース22へ導入される。
このように、エア貯留部30内のエアの流れを変えることにより、エア貯留部30からピストンケース22に導入されるエアの到達時間を変えることができる。
【0061】
また、図5に示すように、本実施の形態では、エア貯留部30に配置された流通管372がエア流通制御部材8を貫通するように設けられている。詳しくは、ボウル状の受部81に設けられている貫通孔811と、略円錐台状の支持体82に二箇所設けられている貫通孔822(図5では貫通孔822の一つは隠れて表れていない)を流通管372が貫通するように設けられている。これにより、流通管372を通る土質補強材等の流れがエア流通制御部材8によって妨げられないようになっている。
【0062】
連結ジョイント34のエア流通経路340から導入されたエアは、エア貯留部30内に貯留される。そして、エアはエア貯留部30と、連結体33内に形成された流通孔331とで構成されるエア流通経路を通って、連結体33に接続された各ピストンケース22に送られ、ピストンケース22内部のピストンを駆動して、先端のハンマビット27、28を上下動させる。なお、流通孔331は、ピストンケース22の差込部222の孔211と繋がっている。
【0063】
図2に示すように、エアタンク部3の基部側は、連結体33を境にして基端部に向かってやや窄まって径小となるように形成されている。
エアタンク部3には、アタッチメント4が着脱可能に装着されている。アタッチメント4はスクリュー型で、先端側が開口した逆有底円筒形状に形成され、エアタンク部3に外嵌めできるキャップ体40を備えている。キャップ体40の基端には、中心部にジョイント孔41を有する円形の端板42が固定されている。ジョイント孔41は正六角形状に形成され、連結ジョイント34に嵌め入れることにより、アタッチメント4とエアタンク部3が一体となって軸周方向へ回転できるようにしてある。
【0064】
キャップ体40の外周面には、螺旋羽根43が設けられている。螺旋羽根43の螺旋方向は、後述するスクリュー軸7の螺旋羽根75と同じである。螺旋羽根43には、後述する回転駆動装置5のドライブブッシュ51の係合条部510に係合させる係合切欠部44が設けられている。係合切欠部44は、図1に示すように螺旋羽根43を外側から一部切欠するように、周方向へ等間隔で四箇所に、かつその一箇所あたり螺旋羽根43の1ピッチ毎に設けられている。
【0065】
そして、アタッチメント4は、ジョイント孔41を連結ジョイント34に合わせて嵌め入れ、端板42をエアタンク部3の基端面35に載置して、エアタンク部3に装着されている。なお、エアタンク部3へのアタッチメント4の実質的な固定は、後述するスクリュー軸7を接続することによって行われる。この接続構造については、後述する。なお、アタッチメント4をエアタンク部3に装着した状態では、エアタンク部3はアタッチメント4によって全体が覆われるようになっている。
【0066】
また、アタッチメント4のキャップ体40の外径は、前記連結体33よりやや径小に形成され、後述する回転駆動装置5(図7参照)に設けられている筒状のドライブブッシュ51の内径よりやや径小となるように形成されている。
【0067】
そして、地中掘削用ハンマ1を立てた状態で、地中掘削用ハンマ1の基端部(上側)からドライブブッシュ51を嵌め込み、さらにドライブブッシュ51の係合条部510をアタッチメント4の螺旋羽根41に設けられている係合切欠部44に合わせるようにして落とし込むと、ドライブブッシュ51はエアタンク部3の径大となっている部分(連結体33付近)で止まり、下に落ちない。これについての詳しい作用は後述する。また、土質補強材等を供給するための内部流路の説明についても後述する。
【0068】
(地中掘削用ハンマ1の内部流路)
次に、図2を主に参照して、地中掘削用ハンマ1に設けられている土質補強材等を供給する内部流路について説明する。なお、以下、説明の便宜上、エアタンク部3に設けられている内部流路を「第一内部流路」とし、掘削部2に設けられている内部流路を「第二内部流路」とする。
【0069】
エアタンク部3に設けられている第一内部流路は、主に前記連結ジョイント34の第一流通孔371と、第一流通孔371に接続されエア貯留部30を通り設けられている流通管372と、連結体33を貫通して設けられている第二流通孔373で構成されている。
流通管372の基端部(図3で上端部)は、第一流通孔371内に挿設されている。さらに流通管372の他端側は二股に分岐し、その他端部は二箇所設けられた各第二流通孔373(図3で第二流通孔373の一つは隠れて表れていない)と連通している。
【0070】
一方、掘削部2に設けられている第二内部流路は、第一内部流路の流通孔373、373の数に対応して所要数(本実施の形態では二箇所、第二内部流路の一つは隠れて表れていない)設けられている。
【0071】
第二内部流路は、主に基部側の基部カバー体234に貫通して設けられている第一流通孔261と、筒状本体231内に設けられた流通管262と、先部カバー体233を貫通して設けられている第二流通孔263と、チャックガイド25に貫通して設けられている第三流通孔264で構成されている。流通管262は、その基端部が第一流通孔261と連通し、他端部が第二流通孔263と連通している。第三流通孔264は、土質補強材等を排出する排出口265と連通している。
【0072】
掘削部2の組み立て時において、ピストンケース取付体23の先部カバー体233にチャックガイド25を接続すると、第二流通孔263と第三流通孔264が連通する。そして、エアタンク部3と掘削部2を連結すると、第一内部流路と第二内部流路とが連通して、掘削部2を縦貫する内部流路が形成される。
【0073】
以上のような構成により、連結ジョイント34から土質補強材等が供給されると、土質補強材等は、掘削部2の内部流路を通り、開閉弁29を通じて排出口265、265から地中掘削用ハンマ1の外へ排出される。
【0074】
図6を参照して本発明に係る地中掘削用ハンマの他の使用形態を説明する。
地中掘削用ハンマ1のこの使用形態では、前記形態の地中掘削用ハンマ1からアタッチメント4を取り外し、ハンマ本体10を共用して、エアタンク部3にアタッチメント4aを装着する。アタッチメント4aは固定具を使用して固定され、着脱可能である。
【0075】
アタッチメント4aはフラットバー型で、先端側が開口した逆有底円筒形状に形成され、エアタンク部3に外嵌めできるキャップ体40aを備えている。キャップ体40aの基端には、中心部にジョイント孔41aを有する円形の端板42aが固定されている。ジョイント孔41aは正六角形状に形成され、前記連結ジョイント34に嵌め入れることにより、アタッチメント4aとエアタンク部3が一体となって軸周方向へ回転できるようにしてある。
【0076】
キャップ体40aの外周面には、軸周方向に等間隔で所要数、本実施の形態では四箇所に、前記ドライブブッシュ51の係合溝519と係合する係合バーであるフラットバー45が設けられている。各フラットバー45は、キャップ体40aの軸線方向と平行に設けられている。なお、各フラットバー45の外方向へ突出している高さは、後述する回転駆動装置5のドライブブッシュ51にキャップ体40aを通して地中掘削用ハンマ1aを保持したときに、各係合条部510が係合可能な高さに設定されている。これにより、ドライブブッシュ51の回転力をドライブブッシュ51で保持した地中掘削用ハンマ1aに伝えることができる。
【0077】
なお、フラットバー45(後述する地中掘削用ハンマ1aのフラットバー45aも同様)は、前記作用の他、後述するようにハンマビット27、28で砕かれてできたスライムをさらに細かく砕く機能も有している。フラットバー45(及び45a)の形状は前記形状に限定されるものではなく、例えば丸棒状体、断面四角形以外の断面多角形状または断面異形状の棒状体や板体等、適宜形状のものを使用することができる。
【0078】
(作 用)
図7はスクリュー型のアタッチメントを装着した地中掘削用ハンマと回転駆動装置で構成される回転式掘削機を示す一部を断面した正面視説明図、
図8は図7の地中掘削用ハンマと回転駆動装置の関係を示す平面視説明図、
図9は図7の地中掘削用ハンマを用いた地中掘削工法の説明図である。
なお、図8においては地中掘削用ハンマに接続されるスクリュー軸は省略している。
【0079】
回転式掘削機6は、次に説明する回転駆動装置5と、回転駆動装置5に保持または支えられて回転駆動される地中掘削用ハンマ1及びスクリュー軸7を備えている。
【0080】
(回転駆動装置5)
回転駆動装置5は、地中掘削用ハンマ1に回転力を与えるものである。回転駆動装置5は、装置本体50と、装置本体50を支えるアウトリガ52を備えている。
装置本体50は、回転テーブル53を備えている。回転テーブル53は上下方向に貫通した挿通孔530を有し、上部開口側にはやや径大の載置段部531が設けられている。
載置段部531には複数箇所に係止孔532が設けられている。回転テーブル53は、油圧モータやギヤ装置等で構成される(例えば、回転テーブル53の下部側の外周部に設けられたギヤに油圧モータで回転するウォームを噛み合わせた構造)駆動部54により水平方向に回転駆動される。
【0081】
回転テーブル53の挿通孔530には、ドライブブッシュ51が挿通されて取り付けられている。ドライブブッシュ51は、円筒形状の本体511を有している。本体511の外周部の長手方向中間部には、鍔部512が全周にわたり設けられている。鍔部512は、前記載置段部531に嵌め入れができる大きさに形成されている。鍔部512の下面には、前記係止孔532と対応する位置に係止突起513が設けられており、ドライブブッシュ51は係止孔532に係止突起513を係止し、鍔部512を載置段部531に載置して回転テーブル53の挿通孔530に挿通されている。
【0082】
本体511の内面には、周方向に等間隔で四箇所に係合条部510が設けられている。
各係合条部510は、ドライブブッシュ51の軸線方向と平行に、つまり長手方向に全長
にわたり設けられている。
なお、回転駆動装置5は、公知技術を採用しているので、その説明は前記に止め、詳細については省略する。
【0083】
図1ないし図9を参照して、スクリュー型のアタッチメント4を装着した地中掘削用ハンマ1及び回転式掘削機6の作用について説明する。なお、本実施の形態では、H形鋼のような基礎杭用の孔を地中(地盤)に掘削する場合を例に挙げて説明する。基礎杭は、例えば土木基礎工事において地中に土留め用の連続壁を板部材と共に形成するために使用するものである。
【0084】
まず、地中掘削用ハンマ1と共に回転式掘削機6を構成する回転駆動装置5は、図7に示すように、例えばH鋼やコンクリートブロック等で形成した仮設足場60上にアウトリガ52が載置されて据え付けられる。一方、地中掘削用ハンマ1の基端部には、地盤に掘削する孔の長さに応じてスクリュー軸7を所要数(必要数)接続する。
このとき、各スクリュー軸7の螺旋羽根75に設けられている係合切欠部76は、アタッチメント4の螺旋羽根41に設けられている係合切欠部44と軸周方向の位置が同じになるように(長手方向に一直線上に通るように)合わせられる。
【0085】
スクリュー軸7は排土用連結軸であり、前記したようにエアハンマ部3にアタッチメント4を装着した後、下端部の係合部(符号省略)に連結ジョイント34を接続してアタッチメント4に載せる。そして、スクリュー軸7の下部の二箇所に設けられているピン孔(図では見えない)に二本の固定用ピン38を通し、各固定用ピン38をそれぞれ連結ジョイント34の係合溝341に係合させる。これにより、地中掘削用ハンマ1のエアタンク部3からスクリュー軸7が抜け外れることはない。
【0086】
前記スクリュー軸7に続いて接続される他の複数のスクリュー軸7同士も、前記連結ジョイント34と同様に形成された連結ジョイント77と固定用ピン38による同様の構造で接続される。なお、前記アタッチメント4の下端部またはスクリュー軸7の下端部に、それぞれが接触する面との間でガタが生じにくいように、接触面積を小さくする突起部を設けることもできる。
【0087】
各スクリュー軸7は、エア供給管と土質補強材等の供給路を内蔵している。スクリュー軸7は螺旋羽根75を備えている。螺旋羽根75には回転駆動装置5のドライブブッシュ51の内壁部に設けられている係止条部510に係合する係合切欠部76が所要の位置に設けられている。スクリュー軸7を備えた地中掘削用ハンマ1は、クレーン(図面では表していない)によって懸吊される。図7で符号73は、クレーンに接続されたワイヤである。
【0088】
回転駆動装置5の回転テーブル53にドライブブッシュ51をセットする。さらに回転駆動装置5をクレーンで懸吊しながら、ドライブブッシュ51の内面に設けられている各係合条部510を、地中掘削用ハンマ1のアタッチメント4の螺旋羽根43に設けられている係合切欠部44に係合させる。そして、回転駆動装置5をさらに下ろして仮設足場60を介し地面に据える。次に、クレーンによりスクリュー軸7を接続した地中掘削用ハンマ1を吊り降ろしながら掘削を開始する。
【0089】
掘削時において、回転テーブル53からドライブブッシュ51に伝達される回転駆動力は、さらに螺旋羽根43を介しアタッチメント4(及びエアタンク部3)に伝達されて地中掘削用ハンマ1が回転する。スクリュー軸7の上端には、クレーンにより懸吊するための吊下軸71が設けられている。この吊下軸71に、スクリュー軸7を介して地中掘削用ハンマ1にエアを供給する供給管である第一供給管72と、土質補強材等を供給する第二供給管74が接続されている。また、吊下軸71にはエアスイベル(図示省略)が設けられている。
【0090】
第一供給管72から送られるエアは、スクリュー軸7のエア供給管を通って地中掘削用ハンマ1に送られる。地中掘削用ハンマ1に送られたエアは、図3に示す連結ジョイント34を介してエア貯留部30に貯留され、さらにエア流通制御部材8によってエアの到達時間を変えながら、各ピストンケース22に導入されてピストン等の駆動手段を駆動し、先端のハンマビット27、28を進退動させる。
【0091】
そして、前記のように各ピストンケース22毎にエアが導入される時間にズレが生じるため、各ハンマビット27、28は互いに時間をずらしながら進退動して、それらが地盤を打撃する。さらに、ハンマビット27、28は掘削する孔に対して径小のものを使用しているため、ハンマビット27、28による一回の打撃ごとに受ける地面の衝撃は小さい。
さらに、回転駆動装置5によって地中掘削用ハンマ1に回転運動が与えられることで、地中掘削用ハンマ1が有するハンマビット28の掘削位置が掘削面に対して移動する。これにより、ハンマビット27、28が掘削面全体を満遍なく打撃することができる。
【0092】
このハンマビット27、28による掘削によって掘削孔93(図9参照)が形成され、地中掘削用ハンマ1は地中を掘り進んで行く。さらに掘削作業が進むにつれて、図7に示すスクリュー軸7がドライブブッシュ51の位置まで降りてくると、スクリュー軸7の螺旋羽根75に設けられている係合切欠部76がドライブブッシュ51の内面に設けられている係合条部510と係合する。そして、回転テーブル53からドライブブッシュ51に伝達される回転駆動力が螺旋羽根75を介してスクリュー軸7に伝達される。
【0093】
また、掘削時にハンマビット27、28の打撃によって発生するスライムは、アタッチメント4の螺旋羽根43及びスクリュー軸7の螺旋羽根75を伝って円滑に地表面へ送り出され、排土することができる。
このように、螺旋羽根43を有するアタッチメント4は、スライムを掘削部2の外周部を抜けてきた後、すぐに螺旋羽根43で上方へ送ることができる。したがって、スライムに土や粘土が多く含まれており、粘度が比較的高い場合でも、スライムがアタッチメント4の外周部にまとわりつくように固く接着することがなく、排土を円滑に行うことができる。
【0094】
また、図3に示すように、ハンマビット27、28を作動させるピストン等の駆動手段はピストンケース22内に収容され、さらに筒状のピストンケースケーシング232によって覆われており、さらには防振材または防音材である砂230が充填された筒状本体231内に収容されている。これにより、駆動手段の駆動時に発生する音や振動が外部に漏れたり伝わることが防止され、低振動、低騒音化を可能としている。
【0095】
本実施の形態に係る回転式掘削機6は、回転駆動装置5がアウトリガ52を備えているので、アウトリガ52によって掘削作業時の安定性が向上するだけでなく、装置本体50を接地面に直接載置して掘削を行う場合に比べ、装置本体50から接地面に伝わる振動が緩和される。さらに、地中掘削用ハンマ1は、掘削孔93に対して径小のハンマビット27、28を駆動させれば良いので、一つのハンマビットを上下動させるためのエアの消費量が小さく、その結果、比較的小型のエアコンプレッサーを使用することができる。これにより、より効果的に低振動、低騒音化を図ることができる。
【0096】
地中掘削用ハンマ1による掘削作業時には、図7に示す第二供給管74からベントナイト等の土質補強材をスクリュー軸7に供給する。これにより、図9(a)に示すように、地中掘削用ハンマ1は掘削作業を進めながら、同時に地中掘削用ハンマ1の掘削側の排出口265、265(図1参照)から土質補強材等を排出する。これにより、ハンマビット27、28による掘削で生じた地中空隙部である掘削孔93の周壁部に土質補強材94が供給され、層状に施工される。
【0097】
次に、掘削作業が終わったら、第二供給管74からセメントミルク類等の固結材を供給できるように切り替える。そして、掘削作業後の地中掘削用ハンマ1の引き上げ時に、スクリュー軸7に固結材を供給することにより、図9(b)に示すように、地中掘削用ハンマ1の排出口265、265から開閉弁29、29を通じて固結材95を排出する。これにより、ハンマビット27、28による掘削で生じた掘削孔93の底に固結材95が供給される。固結材95の供給量は、例えば掘削孔93の深さの1/3程度であるが、これに限定はしない。
【0098】
その後、地中掘削用ハンマ1を引き上げ、H形鋼のような基礎杭を挿入して根固めを行い、最後に掘削孔93を土砂等で埋める。このように、掘削作業で形成された掘削孔93に地中掘削用ハンマ1から土質補強材94と固結材95を供給する施工を行うことによって、地中掘削用ハンマ1の引き上げ時の孔壁の崩壊を防止することができる。
【0099】
前記掘削作業が終了し、同じ地中掘削用ハンマ1を使用して次の掘削作業を行う場合、例えば掘削する地盤の質が、岩盤等が多く、これらが深く続くと想定される場合は、フラットバー45を有するアタッチメント4aを選択してハンマ本体10のエアタンク部3に装着する。
【0100】
図10はフラットバー型のアタッチメントを装着した地中掘削用ハンマと回転駆動装置で構成される回転式掘削機を示す一部を断面した正面視説明図、
図11は図10の地中掘削用ハンマと回転駆動装置の関係を示す平面視説明図である。
なお、図11においては地中掘削用ハンマに接続されるフラットバー軸7aは省略している。
【0101】
回転式掘削機6aは、回転駆動装置5aと、回転駆動装置5aに保持または支えられて回転駆動される地中掘削用ハンマ1及びフラットバー軸7aを備えている。フラットバー軸7aは排土用連結軸である。
回転駆動装置5aは、装置本体50aと、装置本体50aを支えるアウトリガ52を備えている。なお、本実施の形態では、図10、図11において前記回転駆動装置5と同等箇所に同一符号を付して示し、構造について重複する説明は基本的に省略する。
【0102】
装置本体50aのドライブブッシュ51aは、本体511の内面に、周方向に等間隔で四箇所に係合溝519が設けられている。各係合溝519は、ドライブブッシュ51aの軸線方向と平行に、つまり長手方向に全長にわたり設けられている。各係合溝519は、前記ハンマ本体10に装着されているアタッチメント4aに設けられている各フラットバー45を係合させるものである。なお、各係合溝519には、地中掘削用ハンマ1に接続される各フラットバー軸7aの各フラットバー78も同様に係合する。
【0103】
図10、図11を参照して、フラットバー型のアタッチメント4aを装着した地中掘削用ハンマ1及び回転式掘削機6aの作用について説明する。
【0104】
フラットバー軸7aは、前記スクリュー軸7と同様に地中掘削用ハンマ1に抜け外れないように接続される。このとき、フラットバー軸7aに設けられているフラットバー78が、アタッチメント4aのフラットバー45と軸周方向の位置が同じになるように(長手方向に一直線上に通るように)合わせられる。
回転駆動装置5aの回転テーブル53にドライブブッシュ51aをセットする。さらに回転駆動装置5aをクレーンで懸吊しながら、ドライブブッシュ51aの内面に設けられている各係合溝519を、地中掘削用ハンマ1のアタッチメント4aのフラットバー45に係合させる。そして、回転駆動装置5aをさらに下ろして仮設足場60を介し地面に据える。次に、クレーンによりフラットバー軸7aを接続した地中掘削用ハンマ1を吊り降ろしながら回転駆動装置5aで回転させて掘削を開始する。
【0105】
ハンマビット27、28による掘削によって掘削孔が形成され、地中掘削用ハンマ1は地中を掘り進んで行く。さらに掘削作業が進むにつれて、フラットバー軸7aがドライブブッシュ51aの位置まで降りてくると、フラットバー軸7aのフラットバー78がドライブブッシュ51aの内面に設けられている係合溝519と係合する。そして、回転テーブル53からドライブブッシュ51aに伝達される回転駆動力がフラットバー78を介してフラットバー軸7aに伝達される。
【0106】
アタッチメント4aを装着した地中掘削用ハンマ1を使用して、前記と同様に掘削作業を行うことにより、ハンマビット27、28で砕かれてできたスライムは、掘削部2の外周部を抜けてきた後、アタッチメント4aの各フラットバー45でさらに細かく砕かれる。
また、アタッチメント4aの場合は、地中掘削用ハンマ1の先端から掘削孔内に排出されるエアの圧力を利用する等して排土される。
【0107】
なお、フラットバー型のアタッチメント4aを装着した地中掘削用ハンマ1及びフラットバー軸7aの組合せによれば、前記スクリュー型のアタッチメント4を装着した地中掘削用ハンマ1及びスクリュー軸7の組合せと比較して、掘り進む際の直進性にすぐれる利点がある。
【0108】
このように、本実施の形態の地中掘削用ハンマ1によれば、掘削部2とエアタンク部3からなるハンマ本体10を共用し、エアタンク部3に、掘削する対象となる地盤の質に合わせて、排土機能の異なるアタッチメント4、4aから適宜選択したアタッチメントを装着することによって、より好適な排土機能を付与することができる。
【0109】
図12は本発明に係る地中掘削用ハンマの他の実施形態を示し、掘削部とスクリューエアタンク部を組み合わせる場合の分解正面説明図、
図13は掘削部とスクリューエアタンク部を組み合わせて形成した地中掘削用ハンマの縦断面図、
図14は本発明に係る地中掘削用ハンマの他の実施形態を示し、掘削部とフラットバーエアタンク部を組み合わせる場合の分解正面説明図である。
【0110】
本実施の形態の地中掘削用ハンマ1aは、先端にハンマビット27、28を備えた掘削部2aと、掘削部2aの基部側にボルト32とナット31によって着脱可能で、エアタンク部3aの外周部に螺旋羽根43aが設けられているアタッチメント4bと、同様に掘削部2aの基部側に着脱可能で、エアタンク部3aの外周部にフラットバー45aが軸周方向へ四箇所に設けられたアタッチメント4cを備えている。
【0111】
螺旋羽根43aには、前記アタッチメント4の螺旋羽根43と同様に、回転駆動装置5のドライブブッシュ51の内周部に設けられている係合条部510と係合する係合切欠部44aが設けられている。
なお、掘削部2aの構造は、前記地中掘削用ハンマ1の掘削部2とほぼ同じである。また、エアタンク部3aの構造は、前記地中掘削用ハンマ1のエアタンク部3とほぼ同じである。
【0112】
また、地中掘削用ハンマ1aは、アタッチメント4bまたはアタッチメント4cを適宜選択して掘削部2aに取り付けて使用する。
地中掘削用ハンマ1aは、回転式掘削機6または回転式掘削機6aと組み合わせて、前記地中掘削用ハンマ1の場合と同様に使用することにより掘削作業を行うことができ、地中掘削用ハンマ1の場合と同様の作用効果を有するものである。
【0113】
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴及びその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
【符号の説明】
【0114】
1 地中掘削用ハンマ
10 ハンマ本体
2 掘削部
21 接続体
22 ピストンケース
23 ピストンケース取付体
24 ドライブチャック
25 チャックガイド
26 フラットバー
27 ハンマビット
28 ハンマビット
29 開閉弁
211 孔
222 差込部
223 リング
230 砂
231 筒状本体
232 ピストンケースケーシング
233 先部カバー体
234 基部カバー体
235 挿通孔
236 挿通孔
237 ボルト孔
241 孔
242 回り止め部
251 ボルト
252 ナット
253 凹部
254 凹部
255 取付孔
256 凹部
261 第一流通孔
262 流通管
263 第二流通孔
264 第三流通孔
265 排出口
270 ヘッド部
200 ボタンチップ
280 ヘッド部
290 軸部
291 ボタンチップ
3 エアタンク部
30 エア貯留部
31 ナット
32 ボルト
33 連結体
34 連結ジョイント
35 基端面
38 固定用ピン
39 振れ止め突部
311 ボルト孔
331 流通孔
340 エア流通経路
341 係合溝
371 第一流通孔
372 流通管
373 第二流通孔
4 アタッチメント
40 キャップ体
41 ジョイント孔
42 端板
43 螺旋羽根
44 係合切欠部
4a アタッチメント
40a キャップ体
41a ジョイント孔
42a 端板
45 フラットバー
5 回転駆動装置
50 装置本体
51 ドライブブッシュ
510 係合条部
511 本体
512 鍔部
513 係止突起
52 アウトリガ
53 回転テーブル
530 挿通孔
531 載置段部
532 係止孔
54 駆動部
6 回転式掘削機
60 仮設足場
7 スクリュー軸
71 吊下軸
72 第一供給管
73 ワイヤ
74 第二供給管
75 螺旋羽根
76 係合切欠部
77 連結ジョイント
8 エア流通制御部材
81 受部
82 支持体
811 貫通孔
821 流通孔
822 貫通孔
93 掘削孔
94 土質補強材
95 固結材
6a 回転式掘削機
5a 回転駆動装置
51a ドライブブッシュ
519 係合溝
7a フラットバー軸
78 フラットバー
1a 地中掘削用ハンマ
2a 掘削部
3a エアタンク部
43a 螺旋羽根
44a 係合切欠部
4b アタッチメント
45a フラットバー
4c アタッチメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動流体で駆動されることにより進退動し地盤の掘削を行うハンマビット(27,28)を備えている地中掘削用ハンマであって、
先端にハンマビット(27,28)を備えている掘削部(2)と該掘削部(2)の基部側に設けられているエアタンク部(3)を備えているハンマ本体(10)と、
ハンマ本体(10)のエアタンク部(3)に取り外し可能に被着される所要数のアタッチメントと、
を備えており、
前記所要数のアタッチメントは、外周部に係合バー(45)が軸周方向へ所要数設けられているアタッチメント(4a)を含む、
地中掘削用ハンマ。
【請求項2】
作動流体で駆動されることにより進退動し地盤の掘削を行うハンマビット(27,28)を備えている地中掘削用ハンマであって、
先端にハンマビット(27,28)を備えている掘削部(2)と該掘削部(2)の基部側に設けられているエアタンク部(3)を備えているハンマ本体(10)と、
ハンマ本体(10)のエアタンク部(3)に取り外し可能に被着されている所要数のアタッチメントと、
を備えており、
前記所要数のアタッチメントは、外周部に螺旋羽根(43)が設けられているアタッチメント(4)を含む、
地中掘削用ハンマ。
【請求項3】
作動流体で駆動されることにより進退動し地盤の掘削を行うハンマビット(27,28)を備えている地中掘削用ハンマであって、
先端にハンマビット(27,28)を備えている掘削部(2)と該掘削部(2)の基部側に設けられているエアタンク部(3)を備えたハンマ本体(10)と、
ハンマ本体(10)のエアタンク部(3)に取り外し可能に被着されている所要数のアタッチメントと、
を備えており、
前記所要数のアタッチメントは、外周部に螺旋羽根(43)が設けられているアタッチメント(4)と、外周部に係合バー(45)が軸周方向へ所要数設けられたアタッチメント(4a)とを含み、前記アタッチメントはいずれかが択一的にエアタンク部(3)に被着されて使用される、
地中掘削用ハンマ。
【請求項4】
外周部に螺旋羽根(43)が設けられているアタッチメント(4)の螺旋羽根(43)に、アタッチメント(4)の軸線方向と平行に、回転駆動装置(5)のドライブブッシュ(51)の内周部に設けられている係合条部(510)と係合する係合切欠部(44)が設けられている、
請求項2または3のいずれかに記載の地中掘削用ハンマ。
【請求項5】
エアタンク部(3)の基端部には、排土用連結軸(7,7a)を連結するための断面多角形状の連結ジョイント(34)が設けられており、エアタンク部(3)に外嵌めされるアタッチメント(4,4a)は、基端部に連結ジョイント(34)を挿通することによりアタッチメント(4,4a)とエアタンク部(3)が一体となって軸周方向へ回転できるようにする多角形状のジョイント孔(41)が設けられた筒状体に形成されている、
請求項1ないし4のいずれかに記載の地中掘削用ハンマ。
【請求項6】
作動流体で駆動されることにより進退動し地盤の掘削を行うハンマビット(27,28)を備えている地中掘削用ハンマであって、
先端にハンマビット(27,28)を備えている掘削部(2a)と、
掘削部(2a)の基部側に取り外し可能に被着され、エアタンク部(3a)の外周部に螺旋羽根(43a)が設けられているアタッチメント(4b)と、
掘削部(2a)の基部側に取り外し可能に被着され、エアタンク部(3a)の外周部に係合バー(45a)が軸周方向へ所要数設けられているアタッチメント(4c)とを含む、
地中掘削用ハンマ。
【請求項7】
外周部に螺旋羽根(43a)が設けられているアタッチメント(4b)の螺旋羽根(43a)に、アタッチメント(4b)の軸線方向と平行に、回転駆動装置(5)のドライブブッシュ(51)の内周部に設けられている係合条部(510)と係合する係合切欠部(44a)が設けられている、
請求項6記載の地中掘削用ハンマ。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の地中掘削用ハンマ(1,1a)と、
地中掘削用ハンマ(1,1a)を、自重により降下させ、かつ地中掘削用ハンマ(1,1a)に軸周方向の回転力を与える回転駆動装置(5)と、
を備えている、
回転式掘削機。
【請求項9】
請求項1ないし7のいずれかに記載の地中掘削用ハンマ(1,1a)と、
地中掘削用ハンマ(1,1a)を、自重により降下させ、かつ地中掘削用ハンマ(1,1a)に軸周方向へ回転力を与えることができるドライブブッシュ(51)を有する回転駆動装置(5)と、
を備えており、
ドライブブッシュ(51)の内周部には、アタッチメント(4,4b,4c)の螺旋羽根(43,43a)に設けられている係合切欠部(44,44a)と係合する所要数の係合条部(510)、またはアタッチメント(4a)のバー(45)と係合する所要数の係合溝(519)を有している、
回転式掘削機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−26955(P2011−26955A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251109(P2010−251109)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【分割の表示】特願2007−296019(P2007−296019)の分割
【原出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(505046282)
【Fターム(参考)】