地図データ表示装置及び地図データ表示方法
【課題】本発明は地図データから景観データを作成し、景観の中で地物の案内情報を含む属性を検索して表示するための使い勝手の良いビジュアル地図システム及びその表示方法を提供することにある。
【解決手段】ユーザインタフェースとなるコンピュータ301とユーザサービス用のプリンタ304,地図データや地理情報を検索する地図データサーバ305,地図データを基に景観表示データを作成するCG・コンピューティングサーバ306をネットワークで結合することによって、追従性,操作性の良いビジュアルな案内提示ができる。
【解決手段】ユーザインタフェースとなるコンピュータ301とユーザサービス用のプリンタ304,地図データや地理情報を検索する地図データサーバ305,地図データを基に景観表示データを作成するCG・コンピューティングサーバ306をネットワークで結合することによって、追従性,操作性の良いビジュアルな案内提示ができる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平面的な地図データと立体的な景観データを用いて、通常時は観光案内,道案内を行い、災害時には避難誘導を行うシステムに関し、特にユーザによるシステムの操作性を向上させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ベクトル地図から景観を表示すること、また地図上で経路検索を行い経路付近の風景を写した写真などのマルチメディア情報を表示するシステムについては、機能図形情報シンポジウム講演論文集「グラフィック・イメージメディアの高度利用に向けて」(1990年 第49項から第54項)および情報処理学会研究資料 グラフィックスとCAD 49−3(1991年 第1項から第8項)において示されている。また景観データの仮想現実表現におけるグラフィックイメージの表示、インタフェースおよびシステムについては、自動制御連合講演会資料(1990年 第11項から第14項)および情報処理学会研究資料 グラフィックスとCAD 49−8(1991年 第1項から第8項)において提示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来技術においては、平面的な地図から立体的な景観への変換および表示が主な目的であり、両者の特徴すなわち平面地図では図形間のトポロジカルな配置関係の見やすさ、立体地図では感覚的なわかりやすさを1つのシステムの上で実現する方式については示されていない。また仮想現実システムにおいては、グラフィック表示された仮想世界の中の対象の動き、ヘッドマウント型センサデバイスやグローブ型センサデバイスを使ったユーザによる対象への接触方法およびその反応の表示については報告されているが、景観によって表現された仮想世界の中に新しい空間を生成し、その中に別の世界をウインドウを使って付加的な属性を表示する方法については示されていない。
【0004】本発明の目的は地図データを使ってビジュアルに景観を作成していくものであり、ユーザの視点を移動させることによって平面,立体両方のメディアに違和感なく移り利用でき、ユーザの理解しやすいメディアを選択できる方法と、景観の中に長方形、あるいは直方体のウインドウを表示してその中に文書,図形,画像を表示するためのユーザフレンドリなシステムと方法を提供することにある。またこのシステムを仮想現実システムとしても利用可能とし、キーボードやマウスのような従来のデバイスを使わないユーザにとって使い勝手の良いビジュアルなインタフェースを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、視点が上方から下方へ向いている場合には、平面地図で表示し、視点が水平方向へ移るに従って地図から3次元の景観イメージを生成表示するようにした。
【0006】より具体的な一実施形態として、景観の中の属性の表示については、指示カーソルを表示し、その指示カーソルの向きからその方向にある建物のような地物を地図データの中を検索するというポインティング方式と、3次元ウインドウを計算し、景観の中の地物との干渉チェックを行ってウインドウを優先的に表示してその中に図形や画像のようなメディアを表示するようにして、景観と違和感のない表示を行えるようにした。さらにウインドウに表示する属性を持つ対象は別の地物によってかくされていることもあるため、これを地図データから検索して隠蔽している対象の表示をソリッド表示からワイヤフレーム表示に切り換えることによって対象を強調表示する。さらにワイヤフレーム表示の対象については干渉チェックを行わず通りぬけ可能とし、ソリッド表示の対象については干渉チェックを行い通りぬけができないようにしてユーザがより現実に近い感覚でシステムを利用できるようにした。
【0007】視点の移動で平面地図と立体地図の間を滑らかに移動することができるため、両者いずれの場合でも注視点を見失なうことがない。またユーザの理解しやすいメディアで表示でき印刷出力が容易になる。3次元ウインドウによって地物に付加された属性が景観と違和感なく表示される。また地物を選択するために複雑な動作を必要としない。さらにワイヤフレーム表示とソリッド表示の形態の違いによって干渉チェック実行をスイッチするために通過可否の判定も容易であり、景観を表示中にシーンが切り替わることによって感じる違和感を感じないようにすることが可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】地図データを使った従来の案内システムは、図2(a)に示すように、グラフィックディスプレイに地図を表示し、自分の現在地と中継地および目的地を入力することによって、現在地から中継地を経て目的地へ向かう経路を検索し、図2(b)のように地図上に表示して経路を示したり、検索した経路を地図と重ねて印刷出力することが主な目的であった。また図2(c)に示すように、計算して求めた経路あるいは設定した経路に沿って、周辺にある建物のような地物データに付加された文書や写真画像のようなマルチメディア情報をウインドウなどの表示手段によってユーザに提示していた。しかしこのようなシステムにおいては、地図データは背景として表示するだけであったため、地図だけでは現実の自分の位置に対する確認が困難であり、また経路を示す場合においても、実際どのような経路を通っていくのか現実と対応が取りにくいという欠点があった。また従来の地図案内システムは、単機能であり、観光案内や道案内など限られた場合しか利用できなかった。そのため多くの目的のために使用することはできなかった。本実施例においては、前者の問題点においては、地図を3次元に復元して行う方法、後者の問題点については、通常時は道案内システム、災害が発生したような非常時における避難誘導への機能利用という多目的使用について説明する。
【0009】図3は多目的ビジュアル案内システムを実現するためのシステム構成を示す。コンピュータ301は、ユーザに対するインタフェース装置であり、ここに地図データが表示される。地図データは座標列による多角形形状の図形によって表現されるベクトルデータである。ユーザはキーボード302やマウス303のような入力デバイスを使って地図・地理属性検索のためのキーワードを入力し地図や景観のスクロールを行い、さらにディスプレイ309に表示した地図データや景観データを指定し、プリンタ304を用いて出力する。地図データサーバ305は、コンピュータ301によって入力された座標や名称のキーを使ってディスプレイ309に表示する地図データや地図データとリンクされている地物データ(属性データ)を検索してネットワーク308を介してコンピュータ301に転送する。地図データサーバ305にない地図データは、LAN(ローカルエリアネットワーク)のようなネットワーク307を介して他の地図データサーバにアクセスし、必要とする地図データを検索する。さらに地図データサーバ305は、地図データを使った経路検索,属性検索や避難誘導のようなシミュレーションを行う。CG・コンピューティングサーバ306は、地図を立体的かつ陰影をつけて表示するために必要な光線追跡や、複数の物体の干渉チェック,隠蔽面消去などコンピュータグラフィックス(CG)固有の処理を行い景観を作成する。このとき景観はソリッド表示するものとする。
【0010】図4は、通常のディスプレイを用いるのではなく、ビジュアルな案内をユーザが仮想的に体験できるように構成したシステム図である。このような仮想体験システムにおいてはユーザ412があたかもコンピュータグラフィックスの作り出す世界の中にいるかのように感じることができる。両眼視ディスプレイ401は右目,左目用のサブディスプレイより構成されるヘッドマウント型ディスプレイであり、さらに磁気センサなどを使って頭の動きも検出する。サラウンドヘッドホン402は聴覚デバイスであり、エコー機能を持たせるとドップラー効果なども表現できる。またグローブ型指示デバイス403は、指と手首の動きを検出する。地図データサーバ408,CG・コンピューティングサーバ409は、図3における305,306と同じ機能を持っている。両眼視ディスプレイ401から得られた頭の動きの信号とグローブ型指示デバイス403で得られた指,手首の動きの信号は、両眼視ディスプレイコントローラ404とポインティングデバイスコントローラ406を介して、モーションアナライザ407に送られる。モーションアナイライザ407の中では簡単な背景のデータ(素背景データ)と、ユーザの動きを反映するデータ(ユーザモーションデータ)が構築されており、モーションアナライザ407に入ってくる信号をユーザモーションデータに反映してその動きを生成する。このデータはCG・コンピューティングサーバ409に送られ、よりリアルな背景データ、ユーザモーションデータが必要ならば音声データが生成され、両眼視ディスプレイコントローラ404,サラウンドヘッドホンコントローラ405に送られ、ユーザ412の装着した両眼視ディスプレイ401に表示され、サラウンドヘッドホン402において音が発せられる。尚、411はネットワークである。
【0011】図3に示すシステムを使って2次元の平面地図と3次元の立体地図の間の違和感のない変換方法を説明する。図5は地図表示の流れのイメージを表す。図5R>5(a)のように、ユーザの視点が地図に対して水平方向にあるとする。このときは景観表示である。そしてユーザの視点を上方から下方を見るように指示カーソル501を操作して視点を移動する。このとき景観は図5(b)に示すように、地物の側面が狭くなったイメージになる。さらに視点を移動すると景観が図5(c)に示すように地図におきかわる。この表示形態の変換は景観と地図がほとんど重なる状態で行われるためユーザが目標物を見失うことはない。
【0012】平面地図と立体地図である景観との変換のアルゴリズムを図6及び図7に示す。このアルゴリズムを図1に示す図3のシステムの機能詳細を用いて説明する。ユーザによって地図検索のためのキー(自分の位置など)がコンピュータ301から入力され(図6のステップ601)キー入力判定・コード化部101によって地図データサーバ305が地図データを検索するためのコードデータ(緯度・経度など)に変換して、地図データサーバ305に転送され、地図データ検索部105においてコードデータに対応する地図が検索される(ステップ602)。この地図データはベクトルデータであり、図8に示すような形式を持つ。この形式は2タイプによる表現が可能であり、タイプフラグの1ビットで識別される。タイプ1はそれぞれの点に高さの情報(Z座標)が付加されており、タイプ2では(X,Y)座標の列によって決まる多角形図形全体に一様にZ座標が付加されることを意味する。複雑な形状の建物などに対してはタイプ1の形式が適し、ビルのような直方体や等高線に対してはタイプ2の形式が適している。このとき視点が水平方向を見るものであれば(ステップ603)、検索された地図データ、又はシミュレーション計算部107(後述)にてシミュレーション計算が施された地図データをデータ転送部108によってCG・コンピューティングサーバ306に転送し、景観データ作成部111にてコンピュータグラフィックスによる景観データを作成する(ステップ604)。視点の方向によって表示の手段を選択する機能はメディア選択部109である。このとき、視点の方向については、最初はデフォルトの方向を設定しておき、その方向に沿った3次元イメージを表示する。景観データ作成部111は、この景観データを作成するために陰面消去,光線追跡によるシェーディングを行う。作成した景観データまたは地図データはコンピュータ301に転送しデータ表示部104にて表示制御する(ステップ605)。尚、CG・コンピューティングサーバ306もデータ転送部114を持っている。また、景観データはデータ表示部104にて視点の位置と方向によって決まる2次元の平面に投影してディスプレイ309に表示する。
【0013】次にこの景観データをスクロールするために視点または視方向を変更する(ステップ606)。視点位置とその方向は指示カーソル用キー入力判定部102又はスクロールキー入力判定部103によってコード化される。スクロールの方法としては、2通りある。1つは景観のスクロールと、もう一つは平面地図のスクロールである。今地図を景観で見ているとき、視点を水平方向に見るように変更するとする(ステップ607)。このとき視方向と鉛直線が作る角度θが、指定範囲内|θ|≦θthになったところで(図7のステップ608)、メディア選択部109にて地図データを用いて表示すべきと判定して地図データを転送しデータ表示部104にて表示制御する(ステップ609)。このときθthは必ずしも0とする必要はない。|θ|≠0のとき地図データは台形補正して表示することによって、人間の視野にあるイメージにあわせることも可能である。次に垂直方向から水平方向に景観を見るように変更するとする。このとき視点の指定範囲内|θ|>Θthになったところで(ステップ610)、メディア選択部109にて景観データを用いて表示すべきと判定し、景観データ作成部111によって地図データを景観データに変換する(ステップ611,614)。こうして得られたデータを用いて視点変更に伴う視野変更スクロールを実行する(ステップ612)。尚、データ表示方法判定部110,干渉チェック部112,ウインドウ生成部113の機能は後述する。
【0014】これによって平面地図と立体地図の間の移行が違和感なく行われる。もし水平方向の視点による景観表示と垂直方向の視点による地図の間で急激に表示を変更すると、自分の現在地や目標を見失うことがあるが、本方式によってこのような不具合は回避される。また、印刷出力する場合でも、ユーザの好みにあった出力が可能である。
【0015】次に表示データを使った案内の方法について示す。案内における重要な内容の1つは地物の詳細情報の検索表示である。案内の仕方には2通りある1つはユーザが主体的に行う方法であり、もう1つはシステムが自律的に行う方法である。まずユーザが景観を見ながら行う方法ついて説明する。すなわち立体的に表示された情景を見ながらスクロールおよび詳細情報の検索表示を行う。スクロールは、以下に示す7個のキーを入力することによって実施される。
【0016】1.前進移動、2.後進移動、3.上へ移動、4.下へ移動、5.θ(オイラー角)、6.ψ(オイラー角)、7.φ(オイラー角)
詳細情報を持つ地物を指定するために、図5(a)に示すような指示カーソル501を表示する。このとき検索の方向が分かりやすいような形状にしておくことが必要である。スクロールをしながらこの指示カーソルによって地物を指定してその詳細情報である属性を検索する。属性検索表示アルゴリズムを図9及び図10に示す。
【0017】まず指示カーソルの向きを地物を選ぶように設定する(ステップ801)。次に指示カーソルの方向と一致する地物を検索する。コンピュータグラフィックスにおけるZバッファ法によって求めることができるが、景観表示のための基礎データである地図データによって検出することも可能でありその方法について示す。指示カーソルの向きに対して指示カーソルの位置901から図11の902に示すような検索ラインを設定する(ステップ802)。そして検索ラインを始点901から小部分ごとに刻みながら(ステップ804)線分と交差する地物データを検索する。このとき図12に示すように地物のワイヤフレームデータ1001(図5の図形データを意味する)、面データ1002,属性データ1003に分けて管理するデータ構造を持っていると検索は容易になる。
【0018】まずワイヤフレームデータの中の(X,Y)座標を使って検索ライン902との交差をチェックする。そして交差した地物データの面データをリンク1004をたどって検索する。このリンクをたどる動作は、ワイヤフレームデータ1001と面データ1002に共通なIDデータを探すことに対応する(図12参照)。そして高さを付加した検索ラインと面との交差をチェックする(ステップ805)。もし交差する点があれば(ステップ806)その点の座標(X,Y,Z)値を求めて指示棒のさきからその交差点まで線パターンをディスプレイの中に描画してその地物が選択されたことを示す(ステップ807)。これは平面の4個の座標と線分の2個の座標が分かっているため容易に求めることができる。図11では交差の候補として地物データ903,904がチェックの対象となる。選択された地物は色を変えたりハイライト表示をするなど強調表示をすることによって選択されたことを示しておく(ステップ808)。以後このような地物のポインティングの方法をビームショットポインティングと呼ぶことにする。このようなポインティング手法は特に仮想現実システムにおいて有効となる。これはインタフェースとしてキーボードやマウスのようなデバイスを持たず、手首や指の動きに合わせて指示カーソルを動かすことになるからである。
【0019】ビームショットポインティングによって検索された地物データは、その他の地物データによってかなりの部分が見えなくなっている可能性が十分にある。そのため隠蔽の原因となっている地物をソリッド表示からワイヤフレーム表示に変える。このワイヤフレーム表示の対象となる地物データの選択も地図データを用いることによって行うことができる。この方法を図13を用いて示す。いま図11で地物データ904が検索されたとする。
【0020】まず指示カーソルの位置1101と検索された地物1102を構成する特徴点からカーソルの位置1101まで線分を引き、その最も外側にある2本の線分1103,1104によって囲まれる領域にある図形を検索し(ステップ809)、その地物の面データを消去しワイヤフレームだけ残して表示する(ステップ810)。図13では地物1105,1106がこれに対応するためワイヤフレーム表示に変更される。このようなデータ表示を高速に行うためには、ワイヤフレームデータ1001と面1002のデータについて異なる表示属性を付けて表示しておけば面データのみを消去することによって実現できる。これによってビームショットで検索された地物データが見やすくなる。これはデータ表示方法判別部110によって実施される。
【0021】次に地物データに付加された属性データを検索することによってそれをディスプレイに表示する。属性データの検索手順を示す。まずビームショットポインティングによって検索された地物データについてリンク1005をたどり属性データ1003を検索して(ステップ811)ディスプレイに表示する。この表示方法は、2通りが可能である。1つは長方形による平面のウインドウを表示する方法であり、もう一つは直方体による立体的なウインドウを表示する方法である。このようなウインドウは表示されている世界の中に表示する。2次元の長方形のウインドウは文書データ,2次元の図形データ,画像データを表示するために用いる。3次元の直方体のウインドウは3次元の図形を表示するときに用いる。ウインドウは、選ばれた対象が完全に隠れないように表示する。この領域をどのように計算するかを示す。今ポイントされた地物データの(X,Y,Z)を透視変換式に通すことによって表示上の(X,Y)座標に変換する。この(X,Y)データからこの地物に対する外接四角形を計算する。そしてこの外接四角形の各辺を通るように水平垂直の線分を考え表示領域を分割する。もし外接四角形の辺が表示領域の境界に重なっていなければ最大表示画面は9分割される。一辺が重なっていれば6分割,2辺が重なっていれば4分割,3辺の場合は2分割になる。分割して得られる領域の中でどの領域にウインドウを表示するかを次のステップによって決める。
【0022】step1:まず8個の領域の大きさとウインドウの大きさを比較し、そのなカのいずれかに属性表示ウインドウが収まる場合には、その中の一個の領域を選択する。
step2:左上から順番に今注目しているウインドウに対して1×2の領域の大きさを比較し、その中のいずれかに属性ウインドウが収まる場合には、その中で最大となる1個の領域を選択する。
step3:左上から順番に今注目しているウインドウに対して2×1の領域の大きさを比較し、その中のいずれかに属性ウインドウが収まる場合には、その中で最大となる1個の領域を選択する。
step4:左上から順番に今注目しているウインドウに対して2×2の領域の大きさを比較し、その中のいずれかに属性ウインドウが収まる場合には、その中で最大となる1個の領域を選択する。
step5:左上から順番に今注目しているウインドウに対して2×3の領域の大きさを比較し、その中のいずれかに属性ウインドウが収まる場合には、その中で最大となる1個の領域を選択する。
step6:左上から順番に今注目しているウインドウに対して3×2の領域の大きさを比較し、その中のいずれかに属性ウインドウが収まる場合には、その中で最大となる1個の領域を選択する。
これによって属性を表示する最大の領域が検索される(ステップ812)。
【0023】3次元のウインドウについても同じように計算するが、透視変換を用いて得られるウインドウ形状の外接四角形について計算する。この3次元のウインドウの中は、優先的にアクセスできるようにすることができる。これは属性データ1003に背景となっているからなる景観データ(ワイヤフレームデータ1001や面データ1002)よりもアクセス優先権を示すフラグをデータに設けることによって対応できる。3次元のウインドウを表示するときは背景と干渉チェックを行うことによってウインドウの方を優先的に表示する。これは図1の干渉チェック部112およびウインドウ表示部113によって実施される。図4に示すシステムを使用すれば、ユーザの頭,手首や指の動きの信号と指示カーソルの動きを連動させることができるため、手の動きにあわせて表示画面の中の指示カーソルを移動させることができる。そして3次元ウインドウの中にある図形にアクセスができる。このようにしてウインドウを表示したあとその中に属性データを表示する(ステップ813)。実際に案内を行っているイメージを図14に示す。図14(a)では指示カーソル1201からのビームショットポインティングによる線パターン1202によって建物1203が指定されている。図14(b)では建物1203の表示属性が変更され、さらにそれを隠蔽している建物1204,1205がワイヤフレームに表示されている。また属性情報として3次元の図形情報(ここでは建物1203のなかにあるモニュメントを表示している)が3次元ウィンドウ1207の中に表示されている。ここでは複数のウインドウを1個の表示画面の中にまとめて表示することも可能である。このときは上のstep1からstep6までを2回続け、一回選択した領域は二回目は対象としないようにすることによって実現できる。
【0024】景観データをスクロールすると、自分の視点と情景を変えることができるだけでなく、ソリッド表示時に干渉チェックを行うことによってそのデータを突き抜けることができないようにしたりすることも可能である。もちろんどのようなソリッド表示している地物に対しても、干渉チェックを行わずに常に突き抜けることもできるが、突き抜けた後自分がどこにいるのかわからなくなることがある。このためもし突き抜けたいと考えた地物については、それを前に表示したビームショットポインティングによって検索し、その表示データのワイヤフレームデータだけ表示したまま残して面データを消去する。こうしてワイヤフレーム管理されているデータはその中を通ることができるが、ソリッド表示されているデータは干渉チェックによってその面以上に進むことができなくなる。これによってより現実的で扱いやすいシステムになる。具体的には、干渉チェックは面データ902に対してだけ実行する。
【0025】次にシステムが自律的に案内をする方法について説明する。この時は自分の位置と目的地および中継地を指定する。そして道路地図データを用いて経路の検索を行う。これはダイクストラ法,ヒープ法,Aスター法などを用いることによって求めることができる。経路を求めたとき、その経路と交差する別の道に指示カーソルの形状を発生させることを示すタグデータを付加しておく。そして景観表示の範囲内にタグの位置を含むときに指示カーソルと同じ形状を表示する。この指示カーソルはポインティングされるまで動くことはできない。そして実際の指示カーソルは最初に求めた経路に沿って移動し、属性情報が付加された地物に近づいたときはビームショットポインティングでその地物を選択し、属性を検索して表示する。ポインティングするときのタイミングは、自位置すなわち実際に可働する指示カーソルの位置を(X,Y)とすると、その位置から指定の距離の内側にある座標を図形の特徴点として持つ地物データを選択する。
【0026】これは次のようにして行われる。地物データの特徴点の座標(Xi,Yi)が一つでも
【0027】
【数1】
【0028】を満たすときはその地物が選ばれたものと考え干渉チェックを行い、現在の指示カーソルの位置(X,Y)から交差点の座標(X,Y)に向かって線パターンを発生させる。そして図9及び図10に示すアルゴリズムに従って属性情報を表示する。次に指示カーソルの形状が現れてきたときには、その指示カーソルデータをビームショットポインティングすると、今までの動いていた指示カーソルを消去し、新しく選択した指示カーソル図形を新しく指示カーソルとして使う。そしてこの指示カーソルを使って自律的な処理による案内を再開する。このとき選択した指示カーソルから新しい目的地および通過していない経過地に対して再び経路検索を行う。最初に検索した経路が選ばれないようにするため、直前において求めた経路に対して指示カーソルデータから折れ曲がりまで延びている部分線分に対応する道路は存在しないように道路データをブロックしておいて経路の再計算を行う。こうして直前に求めた同じ経路が選ばれないようにできる。このとき新しい経過地を入れることも可能である。このような自律的な動作による案内のイメージを図15に示す。図15(a)では指示カーソル1301によるビームショットポインティングで地物データ1302が選択され、その属性情報1303がウインドウに表示されている。図15(b)は、指示カーソル1301によるビームショットポインティングで別の指示カーソル図形1304が検索されたことを示す。図15R>5(c)は、新しい指示カーソルを選ぶことによる案内経路の変更を示す。
【0029】このようなビジュアル案内システムはデパートや旅行会社,交番などに置くことによって利用することができる。特に交番に設置することによって、人の説明では理解するのが難しい道案内などの業務をわかりやすく行うことができる。
【0030】さらにこのようなシステムは、他の目的への使用が可能である。例えば通常時は道案内に使用するが地震,火災などの災害による非常時には避難誘導システムとして利用することが可能である。この利用は以下の方式で行う。
【0031】まず現在このシステムを設置している場所から避難場所に対して経路の検索を行う。そして図1のシミュレーション計算部107において災害シミュレーションを行う。災害シミュレーションとしては火災延焼,浸水,地震シミュレーションが現在可能である。災害シミュレーションの初期値はネットワークを通じて入ってくる災害計測データを用いる。この初期値は時々刻々リアルタイムで入ってくるが、シミュレーションの中には時間がかかるものもあるため、初期値データは一回のシミュレーションが終了するたび補正する。ここで重要なことは、シミュレーションや避難誘導路の表示を人々にわかりやすい方式で行うことである。まず災害地域を示すため、景観の中の災害が起こっている方向にある地物の色をかえる。この色は目立ちやすい色で統一する。実際避難中の人は色を識別するだけの余裕はないと考えられる。従って、人は色の違いによって災害の大きさ,方向を知る余裕はないと考えられる。実際の避難誘導路表示のイメージを図16に示す。矢印1401は避難の方向を示す。地物データ1402,1403は災害の方向にあるため強調表示されている。
【0032】このように以上示したビジュアル案内システムは通常時と非常時というように目的を変えて機能を使用することが可能であり、さらにユーザフレンドリなインタフェースを持っているため、人は年齢層に関係なくシステムを扱うことができる。
【0033】
【発明の効果】本発明に示すシステムによれば、平面的な地図データと立体的な景観データの間を自由に行き来することができるため、ユーザが理解しやすいメディアでシステムを利用し結果を出力することが可能である。また2次元および3次元ウインドウによりユーザにとってわかりやすい違和感のない形態で属性が表示できる。また属性データを表示するときに、属性データとリンクしている地物データが極力かくれないようにするため、両者は同時に見やすくなっている。さらに強調表示する地物データをかくしている別の地物データをワイヤフレーム表示に切り換えるため、強調表示がさらに有効になる。また通り抜けたい地物をワイヤフレーム表示することによって、目標を見失うことなく景観の中を移動できる。さらにシステム主導による自律的な動作による案内を行っていてもユーザが対話的に介入して案内経路が変更できるため使い易さが向上する。さらにこのシステムは通常時は観光案内,交番における道案内業務,災害が起きたような非常時には避難誘導路表示システムとして機能が使えるため、多目的システムとして利用できる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のビジュアル案内システムの機能図である。
【図2】従来の案内システムの使用例を示す図である。
【図3】ビジュアル案内システムの装置構成図である。
【図4】システムユーザが仮想的に景観の中に入って案内を体験できる仮想体験システムの装置構成図である。
【図5】地図データと景観データの間の移行を始点の変更によって違和感なく行うことを示す図である。
【図6】平面地図と立体地図の間の移行を違和感なく行うためのアルゴリズムである。
【図7】平面地図と立体地図の間の移行を違和感なく行うためのアルゴリズムである。
【図8】地図データの構成図である。
【図9】景観の中に地物データに付加された属性情報を表示するためのアルゴリズムである。
【図10】景観の中に地物データに付加された属性情報を表示するためのアルゴリズムである。
【図11】ビームショットポインティングによる地物データの検索方式を示すための説明図である。
【図12】景観および属性データの管理方式図である。
【図13】検索した地物データを隠蔽する別の地物データを検索する方式を示すための説明図である。
【図14】属性情報の表示を具体的な画面イメージで示した図である。
【図15】システムが自律的な動作によって案内を行うことを具体的な画面イメージで示した図である。
【図16】ビジュアル案内システムを災害時の避難誘導にも使ったときの画面イメージである。
【符号の説明】
101…キー入力・コード化部、102…指示カーソル用キー入力判定部、103…スクロールキー入力判定部、104…データ表示部、105…地図データ検索部、106…地理データ検索部、107…シミュレーション計算部、108…データ転送部、109…メディア選択部、110…データ表示方法判定部、111…景観データ作成部、112…干渉チェック部、113…ウインドウ生成部、114…データ転送部。
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平面的な地図データと立体的な景観データを用いて、通常時は観光案内,道案内を行い、災害時には避難誘導を行うシステムに関し、特にユーザによるシステムの操作性を向上させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ベクトル地図から景観を表示すること、また地図上で経路検索を行い経路付近の風景を写した写真などのマルチメディア情報を表示するシステムについては、機能図形情報シンポジウム講演論文集「グラフィック・イメージメディアの高度利用に向けて」(1990年 第49項から第54項)および情報処理学会研究資料 グラフィックスとCAD 49−3(1991年 第1項から第8項)において示されている。また景観データの仮想現実表現におけるグラフィックイメージの表示、インタフェースおよびシステムについては、自動制御連合講演会資料(1990年 第11項から第14項)および情報処理学会研究資料 グラフィックスとCAD 49−8(1991年 第1項から第8項)において提示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来技術においては、平面的な地図から立体的な景観への変換および表示が主な目的であり、両者の特徴すなわち平面地図では図形間のトポロジカルな配置関係の見やすさ、立体地図では感覚的なわかりやすさを1つのシステムの上で実現する方式については示されていない。また仮想現実システムにおいては、グラフィック表示された仮想世界の中の対象の動き、ヘッドマウント型センサデバイスやグローブ型センサデバイスを使ったユーザによる対象への接触方法およびその反応の表示については報告されているが、景観によって表現された仮想世界の中に新しい空間を生成し、その中に別の世界をウインドウを使って付加的な属性を表示する方法については示されていない。
【0004】本発明の目的は地図データを使ってビジュアルに景観を作成していくものであり、ユーザの視点を移動させることによって平面,立体両方のメディアに違和感なく移り利用でき、ユーザの理解しやすいメディアを選択できる方法と、景観の中に長方形、あるいは直方体のウインドウを表示してその中に文書,図形,画像を表示するためのユーザフレンドリなシステムと方法を提供することにある。またこのシステムを仮想現実システムとしても利用可能とし、キーボードやマウスのような従来のデバイスを使わないユーザにとって使い勝手の良いビジュアルなインタフェースを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、視点が上方から下方へ向いている場合には、平面地図で表示し、視点が水平方向へ移るに従って地図から3次元の景観イメージを生成表示するようにした。
【0006】より具体的な一実施形態として、景観の中の属性の表示については、指示カーソルを表示し、その指示カーソルの向きからその方向にある建物のような地物を地図データの中を検索するというポインティング方式と、3次元ウインドウを計算し、景観の中の地物との干渉チェックを行ってウインドウを優先的に表示してその中に図形や画像のようなメディアを表示するようにして、景観と違和感のない表示を行えるようにした。さらにウインドウに表示する属性を持つ対象は別の地物によってかくされていることもあるため、これを地図データから検索して隠蔽している対象の表示をソリッド表示からワイヤフレーム表示に切り換えることによって対象を強調表示する。さらにワイヤフレーム表示の対象については干渉チェックを行わず通りぬけ可能とし、ソリッド表示の対象については干渉チェックを行い通りぬけができないようにしてユーザがより現実に近い感覚でシステムを利用できるようにした。
【0007】視点の移動で平面地図と立体地図の間を滑らかに移動することができるため、両者いずれの場合でも注視点を見失なうことがない。またユーザの理解しやすいメディアで表示でき印刷出力が容易になる。3次元ウインドウによって地物に付加された属性が景観と違和感なく表示される。また地物を選択するために複雑な動作を必要としない。さらにワイヤフレーム表示とソリッド表示の形態の違いによって干渉チェック実行をスイッチするために通過可否の判定も容易であり、景観を表示中にシーンが切り替わることによって感じる違和感を感じないようにすることが可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】地図データを使った従来の案内システムは、図2(a)に示すように、グラフィックディスプレイに地図を表示し、自分の現在地と中継地および目的地を入力することによって、現在地から中継地を経て目的地へ向かう経路を検索し、図2(b)のように地図上に表示して経路を示したり、検索した経路を地図と重ねて印刷出力することが主な目的であった。また図2(c)に示すように、計算して求めた経路あるいは設定した経路に沿って、周辺にある建物のような地物データに付加された文書や写真画像のようなマルチメディア情報をウインドウなどの表示手段によってユーザに提示していた。しかしこのようなシステムにおいては、地図データは背景として表示するだけであったため、地図だけでは現実の自分の位置に対する確認が困難であり、また経路を示す場合においても、実際どのような経路を通っていくのか現実と対応が取りにくいという欠点があった。また従来の地図案内システムは、単機能であり、観光案内や道案内など限られた場合しか利用できなかった。そのため多くの目的のために使用することはできなかった。本実施例においては、前者の問題点においては、地図を3次元に復元して行う方法、後者の問題点については、通常時は道案内システム、災害が発生したような非常時における避難誘導への機能利用という多目的使用について説明する。
【0009】図3は多目的ビジュアル案内システムを実現するためのシステム構成を示す。コンピュータ301は、ユーザに対するインタフェース装置であり、ここに地図データが表示される。地図データは座標列による多角形形状の図形によって表現されるベクトルデータである。ユーザはキーボード302やマウス303のような入力デバイスを使って地図・地理属性検索のためのキーワードを入力し地図や景観のスクロールを行い、さらにディスプレイ309に表示した地図データや景観データを指定し、プリンタ304を用いて出力する。地図データサーバ305は、コンピュータ301によって入力された座標や名称のキーを使ってディスプレイ309に表示する地図データや地図データとリンクされている地物データ(属性データ)を検索してネットワーク308を介してコンピュータ301に転送する。地図データサーバ305にない地図データは、LAN(ローカルエリアネットワーク)のようなネットワーク307を介して他の地図データサーバにアクセスし、必要とする地図データを検索する。さらに地図データサーバ305は、地図データを使った経路検索,属性検索や避難誘導のようなシミュレーションを行う。CG・コンピューティングサーバ306は、地図を立体的かつ陰影をつけて表示するために必要な光線追跡や、複数の物体の干渉チェック,隠蔽面消去などコンピュータグラフィックス(CG)固有の処理を行い景観を作成する。このとき景観はソリッド表示するものとする。
【0010】図4は、通常のディスプレイを用いるのではなく、ビジュアルな案内をユーザが仮想的に体験できるように構成したシステム図である。このような仮想体験システムにおいてはユーザ412があたかもコンピュータグラフィックスの作り出す世界の中にいるかのように感じることができる。両眼視ディスプレイ401は右目,左目用のサブディスプレイより構成されるヘッドマウント型ディスプレイであり、さらに磁気センサなどを使って頭の動きも検出する。サラウンドヘッドホン402は聴覚デバイスであり、エコー機能を持たせるとドップラー効果なども表現できる。またグローブ型指示デバイス403は、指と手首の動きを検出する。地図データサーバ408,CG・コンピューティングサーバ409は、図3における305,306と同じ機能を持っている。両眼視ディスプレイ401から得られた頭の動きの信号とグローブ型指示デバイス403で得られた指,手首の動きの信号は、両眼視ディスプレイコントローラ404とポインティングデバイスコントローラ406を介して、モーションアナライザ407に送られる。モーションアナイライザ407の中では簡単な背景のデータ(素背景データ)と、ユーザの動きを反映するデータ(ユーザモーションデータ)が構築されており、モーションアナライザ407に入ってくる信号をユーザモーションデータに反映してその動きを生成する。このデータはCG・コンピューティングサーバ409に送られ、よりリアルな背景データ、ユーザモーションデータが必要ならば音声データが生成され、両眼視ディスプレイコントローラ404,サラウンドヘッドホンコントローラ405に送られ、ユーザ412の装着した両眼視ディスプレイ401に表示され、サラウンドヘッドホン402において音が発せられる。尚、411はネットワークである。
【0011】図3に示すシステムを使って2次元の平面地図と3次元の立体地図の間の違和感のない変換方法を説明する。図5は地図表示の流れのイメージを表す。図5R>5(a)のように、ユーザの視点が地図に対して水平方向にあるとする。このときは景観表示である。そしてユーザの視点を上方から下方を見るように指示カーソル501を操作して視点を移動する。このとき景観は図5(b)に示すように、地物の側面が狭くなったイメージになる。さらに視点を移動すると景観が図5(c)に示すように地図におきかわる。この表示形態の変換は景観と地図がほとんど重なる状態で行われるためユーザが目標物を見失うことはない。
【0012】平面地図と立体地図である景観との変換のアルゴリズムを図6及び図7に示す。このアルゴリズムを図1に示す図3のシステムの機能詳細を用いて説明する。ユーザによって地図検索のためのキー(自分の位置など)がコンピュータ301から入力され(図6のステップ601)キー入力判定・コード化部101によって地図データサーバ305が地図データを検索するためのコードデータ(緯度・経度など)に変換して、地図データサーバ305に転送され、地図データ検索部105においてコードデータに対応する地図が検索される(ステップ602)。この地図データはベクトルデータであり、図8に示すような形式を持つ。この形式は2タイプによる表現が可能であり、タイプフラグの1ビットで識別される。タイプ1はそれぞれの点に高さの情報(Z座標)が付加されており、タイプ2では(X,Y)座標の列によって決まる多角形図形全体に一様にZ座標が付加されることを意味する。複雑な形状の建物などに対してはタイプ1の形式が適し、ビルのような直方体や等高線に対してはタイプ2の形式が適している。このとき視点が水平方向を見るものであれば(ステップ603)、検索された地図データ、又はシミュレーション計算部107(後述)にてシミュレーション計算が施された地図データをデータ転送部108によってCG・コンピューティングサーバ306に転送し、景観データ作成部111にてコンピュータグラフィックスによる景観データを作成する(ステップ604)。視点の方向によって表示の手段を選択する機能はメディア選択部109である。このとき、視点の方向については、最初はデフォルトの方向を設定しておき、その方向に沿った3次元イメージを表示する。景観データ作成部111は、この景観データを作成するために陰面消去,光線追跡によるシェーディングを行う。作成した景観データまたは地図データはコンピュータ301に転送しデータ表示部104にて表示制御する(ステップ605)。尚、CG・コンピューティングサーバ306もデータ転送部114を持っている。また、景観データはデータ表示部104にて視点の位置と方向によって決まる2次元の平面に投影してディスプレイ309に表示する。
【0013】次にこの景観データをスクロールするために視点または視方向を変更する(ステップ606)。視点位置とその方向は指示カーソル用キー入力判定部102又はスクロールキー入力判定部103によってコード化される。スクロールの方法としては、2通りある。1つは景観のスクロールと、もう一つは平面地図のスクロールである。今地図を景観で見ているとき、視点を水平方向に見るように変更するとする(ステップ607)。このとき視方向と鉛直線が作る角度θが、指定範囲内|θ|≦θthになったところで(図7のステップ608)、メディア選択部109にて地図データを用いて表示すべきと判定して地図データを転送しデータ表示部104にて表示制御する(ステップ609)。このときθthは必ずしも0とする必要はない。|θ|≠0のとき地図データは台形補正して表示することによって、人間の視野にあるイメージにあわせることも可能である。次に垂直方向から水平方向に景観を見るように変更するとする。このとき視点の指定範囲内|θ|>Θthになったところで(ステップ610)、メディア選択部109にて景観データを用いて表示すべきと判定し、景観データ作成部111によって地図データを景観データに変換する(ステップ611,614)。こうして得られたデータを用いて視点変更に伴う視野変更スクロールを実行する(ステップ612)。尚、データ表示方法判定部110,干渉チェック部112,ウインドウ生成部113の機能は後述する。
【0014】これによって平面地図と立体地図の間の移行が違和感なく行われる。もし水平方向の視点による景観表示と垂直方向の視点による地図の間で急激に表示を変更すると、自分の現在地や目標を見失うことがあるが、本方式によってこのような不具合は回避される。また、印刷出力する場合でも、ユーザの好みにあった出力が可能である。
【0015】次に表示データを使った案内の方法について示す。案内における重要な内容の1つは地物の詳細情報の検索表示である。案内の仕方には2通りある1つはユーザが主体的に行う方法であり、もう1つはシステムが自律的に行う方法である。まずユーザが景観を見ながら行う方法ついて説明する。すなわち立体的に表示された情景を見ながらスクロールおよび詳細情報の検索表示を行う。スクロールは、以下に示す7個のキーを入力することによって実施される。
【0016】1.前進移動、2.後進移動、3.上へ移動、4.下へ移動、5.θ(オイラー角)、6.ψ(オイラー角)、7.φ(オイラー角)
詳細情報を持つ地物を指定するために、図5(a)に示すような指示カーソル501を表示する。このとき検索の方向が分かりやすいような形状にしておくことが必要である。スクロールをしながらこの指示カーソルによって地物を指定してその詳細情報である属性を検索する。属性検索表示アルゴリズムを図9及び図10に示す。
【0017】まず指示カーソルの向きを地物を選ぶように設定する(ステップ801)。次に指示カーソルの方向と一致する地物を検索する。コンピュータグラフィックスにおけるZバッファ法によって求めることができるが、景観表示のための基礎データである地図データによって検出することも可能でありその方法について示す。指示カーソルの向きに対して指示カーソルの位置901から図11の902に示すような検索ラインを設定する(ステップ802)。そして検索ラインを始点901から小部分ごとに刻みながら(ステップ804)線分と交差する地物データを検索する。このとき図12に示すように地物のワイヤフレームデータ1001(図5の図形データを意味する)、面データ1002,属性データ1003に分けて管理するデータ構造を持っていると検索は容易になる。
【0018】まずワイヤフレームデータの中の(X,Y)座標を使って検索ライン902との交差をチェックする。そして交差した地物データの面データをリンク1004をたどって検索する。このリンクをたどる動作は、ワイヤフレームデータ1001と面データ1002に共通なIDデータを探すことに対応する(図12参照)。そして高さを付加した検索ラインと面との交差をチェックする(ステップ805)。もし交差する点があれば(ステップ806)その点の座標(X,Y,Z)値を求めて指示棒のさきからその交差点まで線パターンをディスプレイの中に描画してその地物が選択されたことを示す(ステップ807)。これは平面の4個の座標と線分の2個の座標が分かっているため容易に求めることができる。図11では交差の候補として地物データ903,904がチェックの対象となる。選択された地物は色を変えたりハイライト表示をするなど強調表示をすることによって選択されたことを示しておく(ステップ808)。以後このような地物のポインティングの方法をビームショットポインティングと呼ぶことにする。このようなポインティング手法は特に仮想現実システムにおいて有効となる。これはインタフェースとしてキーボードやマウスのようなデバイスを持たず、手首や指の動きに合わせて指示カーソルを動かすことになるからである。
【0019】ビームショットポインティングによって検索された地物データは、その他の地物データによってかなりの部分が見えなくなっている可能性が十分にある。そのため隠蔽の原因となっている地物をソリッド表示からワイヤフレーム表示に変える。このワイヤフレーム表示の対象となる地物データの選択も地図データを用いることによって行うことができる。この方法を図13を用いて示す。いま図11で地物データ904が検索されたとする。
【0020】まず指示カーソルの位置1101と検索された地物1102を構成する特徴点からカーソルの位置1101まで線分を引き、その最も外側にある2本の線分1103,1104によって囲まれる領域にある図形を検索し(ステップ809)、その地物の面データを消去しワイヤフレームだけ残して表示する(ステップ810)。図13では地物1105,1106がこれに対応するためワイヤフレーム表示に変更される。このようなデータ表示を高速に行うためには、ワイヤフレームデータ1001と面1002のデータについて異なる表示属性を付けて表示しておけば面データのみを消去することによって実現できる。これによってビームショットで検索された地物データが見やすくなる。これはデータ表示方法判別部110によって実施される。
【0021】次に地物データに付加された属性データを検索することによってそれをディスプレイに表示する。属性データの検索手順を示す。まずビームショットポインティングによって検索された地物データについてリンク1005をたどり属性データ1003を検索して(ステップ811)ディスプレイに表示する。この表示方法は、2通りが可能である。1つは長方形による平面のウインドウを表示する方法であり、もう一つは直方体による立体的なウインドウを表示する方法である。このようなウインドウは表示されている世界の中に表示する。2次元の長方形のウインドウは文書データ,2次元の図形データ,画像データを表示するために用いる。3次元の直方体のウインドウは3次元の図形を表示するときに用いる。ウインドウは、選ばれた対象が完全に隠れないように表示する。この領域をどのように計算するかを示す。今ポイントされた地物データの(X,Y,Z)を透視変換式に通すことによって表示上の(X,Y)座標に変換する。この(X,Y)データからこの地物に対する外接四角形を計算する。そしてこの外接四角形の各辺を通るように水平垂直の線分を考え表示領域を分割する。もし外接四角形の辺が表示領域の境界に重なっていなければ最大表示画面は9分割される。一辺が重なっていれば6分割,2辺が重なっていれば4分割,3辺の場合は2分割になる。分割して得られる領域の中でどの領域にウインドウを表示するかを次のステップによって決める。
【0022】step1:まず8個の領域の大きさとウインドウの大きさを比較し、そのなカのいずれかに属性表示ウインドウが収まる場合には、その中の一個の領域を選択する。
step2:左上から順番に今注目しているウインドウに対して1×2の領域の大きさを比較し、その中のいずれかに属性ウインドウが収まる場合には、その中で最大となる1個の領域を選択する。
step3:左上から順番に今注目しているウインドウに対して2×1の領域の大きさを比較し、その中のいずれかに属性ウインドウが収まる場合には、その中で最大となる1個の領域を選択する。
step4:左上から順番に今注目しているウインドウに対して2×2の領域の大きさを比較し、その中のいずれかに属性ウインドウが収まる場合には、その中で最大となる1個の領域を選択する。
step5:左上から順番に今注目しているウインドウに対して2×3の領域の大きさを比較し、その中のいずれかに属性ウインドウが収まる場合には、その中で最大となる1個の領域を選択する。
step6:左上から順番に今注目しているウインドウに対して3×2の領域の大きさを比較し、その中のいずれかに属性ウインドウが収まる場合には、その中で最大となる1個の領域を選択する。
これによって属性を表示する最大の領域が検索される(ステップ812)。
【0023】3次元のウインドウについても同じように計算するが、透視変換を用いて得られるウインドウ形状の外接四角形について計算する。この3次元のウインドウの中は、優先的にアクセスできるようにすることができる。これは属性データ1003に背景となっているからなる景観データ(ワイヤフレームデータ1001や面データ1002)よりもアクセス優先権を示すフラグをデータに設けることによって対応できる。3次元のウインドウを表示するときは背景と干渉チェックを行うことによってウインドウの方を優先的に表示する。これは図1の干渉チェック部112およびウインドウ表示部113によって実施される。図4に示すシステムを使用すれば、ユーザの頭,手首や指の動きの信号と指示カーソルの動きを連動させることができるため、手の動きにあわせて表示画面の中の指示カーソルを移動させることができる。そして3次元ウインドウの中にある図形にアクセスができる。このようにしてウインドウを表示したあとその中に属性データを表示する(ステップ813)。実際に案内を行っているイメージを図14に示す。図14(a)では指示カーソル1201からのビームショットポインティングによる線パターン1202によって建物1203が指定されている。図14(b)では建物1203の表示属性が変更され、さらにそれを隠蔽している建物1204,1205がワイヤフレームに表示されている。また属性情報として3次元の図形情報(ここでは建物1203のなかにあるモニュメントを表示している)が3次元ウィンドウ1207の中に表示されている。ここでは複数のウインドウを1個の表示画面の中にまとめて表示することも可能である。このときは上のstep1からstep6までを2回続け、一回選択した領域は二回目は対象としないようにすることによって実現できる。
【0024】景観データをスクロールすると、自分の視点と情景を変えることができるだけでなく、ソリッド表示時に干渉チェックを行うことによってそのデータを突き抜けることができないようにしたりすることも可能である。もちろんどのようなソリッド表示している地物に対しても、干渉チェックを行わずに常に突き抜けることもできるが、突き抜けた後自分がどこにいるのかわからなくなることがある。このためもし突き抜けたいと考えた地物については、それを前に表示したビームショットポインティングによって検索し、その表示データのワイヤフレームデータだけ表示したまま残して面データを消去する。こうしてワイヤフレーム管理されているデータはその中を通ることができるが、ソリッド表示されているデータは干渉チェックによってその面以上に進むことができなくなる。これによってより現実的で扱いやすいシステムになる。具体的には、干渉チェックは面データ902に対してだけ実行する。
【0025】次にシステムが自律的に案内をする方法について説明する。この時は自分の位置と目的地および中継地を指定する。そして道路地図データを用いて経路の検索を行う。これはダイクストラ法,ヒープ法,Aスター法などを用いることによって求めることができる。経路を求めたとき、その経路と交差する別の道に指示カーソルの形状を発生させることを示すタグデータを付加しておく。そして景観表示の範囲内にタグの位置を含むときに指示カーソルと同じ形状を表示する。この指示カーソルはポインティングされるまで動くことはできない。そして実際の指示カーソルは最初に求めた経路に沿って移動し、属性情報が付加された地物に近づいたときはビームショットポインティングでその地物を選択し、属性を検索して表示する。ポインティングするときのタイミングは、自位置すなわち実際に可働する指示カーソルの位置を(X,Y)とすると、その位置から指定の距離の内側にある座標を図形の特徴点として持つ地物データを選択する。
【0026】これは次のようにして行われる。地物データの特徴点の座標(Xi,Yi)が一つでも
【0027】
【数1】
【0028】を満たすときはその地物が選ばれたものと考え干渉チェックを行い、現在の指示カーソルの位置(X,Y)から交差点の座標(X,Y)に向かって線パターンを発生させる。そして図9及び図10に示すアルゴリズムに従って属性情報を表示する。次に指示カーソルの形状が現れてきたときには、その指示カーソルデータをビームショットポインティングすると、今までの動いていた指示カーソルを消去し、新しく選択した指示カーソル図形を新しく指示カーソルとして使う。そしてこの指示カーソルを使って自律的な処理による案内を再開する。このとき選択した指示カーソルから新しい目的地および通過していない経過地に対して再び経路検索を行う。最初に検索した経路が選ばれないようにするため、直前において求めた経路に対して指示カーソルデータから折れ曲がりまで延びている部分線分に対応する道路は存在しないように道路データをブロックしておいて経路の再計算を行う。こうして直前に求めた同じ経路が選ばれないようにできる。このとき新しい経過地を入れることも可能である。このような自律的な動作による案内のイメージを図15に示す。図15(a)では指示カーソル1301によるビームショットポインティングで地物データ1302が選択され、その属性情報1303がウインドウに表示されている。図15(b)は、指示カーソル1301によるビームショットポインティングで別の指示カーソル図形1304が検索されたことを示す。図15R>5(c)は、新しい指示カーソルを選ぶことによる案内経路の変更を示す。
【0029】このようなビジュアル案内システムはデパートや旅行会社,交番などに置くことによって利用することができる。特に交番に設置することによって、人の説明では理解するのが難しい道案内などの業務をわかりやすく行うことができる。
【0030】さらにこのようなシステムは、他の目的への使用が可能である。例えば通常時は道案内に使用するが地震,火災などの災害による非常時には避難誘導システムとして利用することが可能である。この利用は以下の方式で行う。
【0031】まず現在このシステムを設置している場所から避難場所に対して経路の検索を行う。そして図1のシミュレーション計算部107において災害シミュレーションを行う。災害シミュレーションとしては火災延焼,浸水,地震シミュレーションが現在可能である。災害シミュレーションの初期値はネットワークを通じて入ってくる災害計測データを用いる。この初期値は時々刻々リアルタイムで入ってくるが、シミュレーションの中には時間がかかるものもあるため、初期値データは一回のシミュレーションが終了するたび補正する。ここで重要なことは、シミュレーションや避難誘導路の表示を人々にわかりやすい方式で行うことである。まず災害地域を示すため、景観の中の災害が起こっている方向にある地物の色をかえる。この色は目立ちやすい色で統一する。実際避難中の人は色を識別するだけの余裕はないと考えられる。従って、人は色の違いによって災害の大きさ,方向を知る余裕はないと考えられる。実際の避難誘導路表示のイメージを図16に示す。矢印1401は避難の方向を示す。地物データ1402,1403は災害の方向にあるため強調表示されている。
【0032】このように以上示したビジュアル案内システムは通常時と非常時というように目的を変えて機能を使用することが可能であり、さらにユーザフレンドリなインタフェースを持っているため、人は年齢層に関係なくシステムを扱うことができる。
【0033】
【発明の効果】本発明に示すシステムによれば、平面的な地図データと立体的な景観データの間を自由に行き来することができるため、ユーザが理解しやすいメディアでシステムを利用し結果を出力することが可能である。また2次元および3次元ウインドウによりユーザにとってわかりやすい違和感のない形態で属性が表示できる。また属性データを表示するときに、属性データとリンクしている地物データが極力かくれないようにするため、両者は同時に見やすくなっている。さらに強調表示する地物データをかくしている別の地物データをワイヤフレーム表示に切り換えるため、強調表示がさらに有効になる。また通り抜けたい地物をワイヤフレーム表示することによって、目標を見失うことなく景観の中を移動できる。さらにシステム主導による自律的な動作による案内を行っていてもユーザが対話的に介入して案内経路が変更できるため使い易さが向上する。さらにこのシステムは通常時は観光案内,交番における道案内業務,災害が起きたような非常時には避難誘導路表示システムとして機能が使えるため、多目的システムとして利用できる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のビジュアル案内システムの機能図である。
【図2】従来の案内システムの使用例を示す図である。
【図3】ビジュアル案内システムの装置構成図である。
【図4】システムユーザが仮想的に景観の中に入って案内を体験できる仮想体験システムの装置構成図である。
【図5】地図データと景観データの間の移行を始点の変更によって違和感なく行うことを示す図である。
【図6】平面地図と立体地図の間の移行を違和感なく行うためのアルゴリズムである。
【図7】平面地図と立体地図の間の移行を違和感なく行うためのアルゴリズムである。
【図8】地図データの構成図である。
【図9】景観の中に地物データに付加された属性情報を表示するためのアルゴリズムである。
【図10】景観の中に地物データに付加された属性情報を表示するためのアルゴリズムである。
【図11】ビームショットポインティングによる地物データの検索方式を示すための説明図である。
【図12】景観および属性データの管理方式図である。
【図13】検索した地物データを隠蔽する別の地物データを検索する方式を示すための説明図である。
【図14】属性情報の表示を具体的な画面イメージで示した図である。
【図15】システムが自律的な動作によって案内を行うことを具体的な画面イメージで示した図である。
【図16】ビジュアル案内システムを災害時の避難誘導にも使ったときの画面イメージである。
【符号の説明】
101…キー入力・コード化部、102…指示カーソル用キー入力判定部、103…スクロールキー入力判定部、104…データ表示部、105…地図データ検索部、106…地理データ検索部、107…シミュレーション計算部、108…データ転送部、109…メディア選択部、110…データ表示方法判定部、111…景観データ作成部、112…干渉チェック部、113…ウインドウ生成部、114…データ転送部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】地図データを蓄積する地図データ蓄積手段と、前記地図データから平面地図及び3次元の立体地図を作成し表示する表示手段と、画面上に指示カーソルを表示し、前記立体地図上の対象物を指定する指示手段と、前記指定された対象物の地物データを検索する検索手段とを備え、前記検索手段は、基礎データである前記地図データに基づき地物データを検索し、前記表示手段は、前記検索された地物データを前記立体地図と共にウインドウとして表示することを特徴とする地図データ表示装置。
【請求項2】前記検索手段は、前記指示カーソルより示された方向と最初に交差する地物の地物データを検索することを特徴とする請求項1記載の地図データ表示装置。
【請求項3】前記表示手段は、前記検索対象の地物が、該地物データを表示するウインドウにより画面上で完全に隠れないように表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の地図データ表示装置。
【請求項4】前記表示手段は、前記指定した地物では無い地物についてその表示をソリッド表示からワイヤフレーム表示に切り換えて表示させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の地図データ表示装置。
【請求項5】前記表示手段は、前記指定した地物を強調表示することにより、選択したことを表示させることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の地図データ表示装置。
【請求項6】地図データから3次元の立体地図を作成してディスプレイに表示し、前記ディスプレイに表示された立体地図上の対象物が指示カーソルにより指定されたときに、前記対象物の地物データについて検索を行い、前記立体地図上で検索対象の地物と前記検索された地物データを表示することを特徴とする地図データ表示方法。
【請求項7】記憶手段に記憶されている地図データを検索する手段と、地図データに基づき地図を表示する表示手段と、前記表示手段に地図を表示する際の視点位置又は視方向を指定する入力手段と、前記立体地図が表示された状態で前記入力手段によって視点位置又は視方向の変更が入力された場合には前記立体地図を前記変更された視点位置又は視方向まで前記表示手段にスクロール表示する地図作成手段と、画面上の前記立体地図上の対象物を指定する指示手段と、前記指定された対象物の地物データを検索する検索手段とを備え、前記地図作成手段は、前記表示手段に表示しようとする地図についての視方向に応じて前記地図データから平面地図又は立体地図を作成して表示を行い、かつ前記表示手段に最初に立体地図を表示する場合に初期設定された視点位置からの立体地図を表示し、前記検索手段は、基礎データである前記地図データに基づき地物データを検索し、前記表示手段は、前記検索された地物データを前記立体地図と共にウインドウとして表示することを特徴とする地図データ表示装置。
【請求項1】地図データを蓄積する地図データ蓄積手段と、前記地図データから平面地図及び3次元の立体地図を作成し表示する表示手段と、画面上に指示カーソルを表示し、前記立体地図上の対象物を指定する指示手段と、前記指定された対象物の地物データを検索する検索手段とを備え、前記検索手段は、基礎データである前記地図データに基づき地物データを検索し、前記表示手段は、前記検索された地物データを前記立体地図と共にウインドウとして表示することを特徴とする地図データ表示装置。
【請求項2】前記検索手段は、前記指示カーソルより示された方向と最初に交差する地物の地物データを検索することを特徴とする請求項1記載の地図データ表示装置。
【請求項3】前記表示手段は、前記検索対象の地物が、該地物データを表示するウインドウにより画面上で完全に隠れないように表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の地図データ表示装置。
【請求項4】前記表示手段は、前記指定した地物では無い地物についてその表示をソリッド表示からワイヤフレーム表示に切り換えて表示させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の地図データ表示装置。
【請求項5】前記表示手段は、前記指定した地物を強調表示することにより、選択したことを表示させることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の地図データ表示装置。
【請求項6】地図データから3次元の立体地図を作成してディスプレイに表示し、前記ディスプレイに表示された立体地図上の対象物が指示カーソルにより指定されたときに、前記対象物の地物データについて検索を行い、前記立体地図上で検索対象の地物と前記検索された地物データを表示することを特徴とする地図データ表示方法。
【請求項7】記憶手段に記憶されている地図データを検索する手段と、地図データに基づき地図を表示する表示手段と、前記表示手段に地図を表示する際の視点位置又は視方向を指定する入力手段と、前記立体地図が表示された状態で前記入力手段によって視点位置又は視方向の変更が入力された場合には前記立体地図を前記変更された視点位置又は視方向まで前記表示手段にスクロール表示する地図作成手段と、画面上の前記立体地図上の対象物を指定する指示手段と、前記指定された対象物の地物データを検索する検索手段とを備え、前記地図作成手段は、前記表示手段に表示しようとする地図についての視方向に応じて前記地図データから平面地図又は立体地図を作成して表示を行い、かつ前記表示手段に最初に立体地図を表示する場合に初期設定された視点位置からの立体地図を表示し、前記検索手段は、基礎データである前記地図データに基づき地物データを検索し、前記表示手段は、前記検索された地物データを前記立体地図と共にウインドウとして表示することを特徴とする地図データ表示装置。
【図1】
【図2】
【図11】
【図13】
【図3】
【図4】
【図16】
【図5】
【図8】
【図14】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図12】
【図15】
【図2】
【図11】
【図13】
【図3】
【図4】
【図16】
【図5】
【図8】
【図14】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図12】
【図15】
【公開番号】特開2003−203253(P2003−203253A)
【公開日】平成15年7月18日(2003.7.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−276547(P2002−276547)
【分割の表示】特願平3−298777の分割
【出願日】平成3年11月14日(1991.11.14)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成15年7月18日(2003.7.18)
【国際特許分類】
【分割の表示】特願平3−298777の分割
【出願日】平成3年11月14日(1991.11.14)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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