地図データ配信サーバ、地図更新方法、及び地図データ配信システム
【課題】地図データの更新の際に、通信するデータ量の増加を抑制しつつ、リンクの属性の矛盾が発生することを防止する。
【解決手段】ネットワークに接続される地図データ配信サーバであって、前記地図データ配信サーバは、第1の道路データと、それより新しい第2の道路データとの間の差分データ項目を作成し、各々が単一の又は連続するリンクに関する一つ以上の前記差分データ項目を含む、複数の更新エレメントを作成し、第1の更新エレメントが第1のリンク列の属性に関する差分データ項目を含み、かつ、第2の更新エレメントが前記第1のリンク列に属するリンクに関する差分データ項目を含む場合、前記第1及び第2の更新エレメントを含む第3の更新エレメントを作成し、地図更新要求によって、前記第3の更新エレメント内の前記差分データ項目に関するリンクを含む地図上の範囲が指定された場合、前記第3の更新エレメントを送信する。
【解決手段】ネットワークに接続される地図データ配信サーバであって、前記地図データ配信サーバは、第1の道路データと、それより新しい第2の道路データとの間の差分データ項目を作成し、各々が単一の又は連続するリンクに関する一つ以上の前記差分データ項目を含む、複数の更新エレメントを作成し、第1の更新エレメントが第1のリンク列の属性に関する差分データ項目を含み、かつ、第2の更新エレメントが前記第1のリンク列に属するリンクに関する差分データ項目を含む場合、前記第1及び第2の更新エレメントを含む第3の更新エレメントを作成し、地図更新要求によって、前記第3の更新エレメント内の前記差分データ項目に関するリンクを含む地図上の範囲が指定された場合、前記第3の更新エレメントを送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図データを利用したサービスを利用者に提供する技術に関し、特に、ナビゲーション装置が保持する地図データを更新する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置等が保持する地図データを更新する技術として、例えば特許文献1から特許文献3が知られている。
【0003】
特許文献1によれば、更新される複数のリンクデータのうち、互いにネットワークとして接続されているものが一つの地図更新データとして管理される。指定された領域の地図データの更新が要求された場合、その領域に少なくとも一部が属する地図更新データによって地図データが更新される。これによって、更新後の道路ネットワークの接続性を保証しつつ、更新のために通信されるデータサイズを小さくすることができる。
【0004】
特許文献2によれば、指定された領域の地図データの更新が要求された場合、指定された領域の差分更新データと、それが依存する更新データとが特定され、それらのうち古いものから順に更新が行われる。これによって、更新データ量を抑えつつ、所望の領域の地図データを最新の状態に更新し、かつ、指定された領域とそれに隣接する更新されない領域との整合性も保つことができる。
【0005】
特許文献3によれば、リンクごとに、リンクデータが更新された日時を示す情報、及び、更新の影響が及ぶ範囲を示す情報がサーバに保持される。そして、端末が、指定された領域の地図データの更新を要求すると、サーバは、その領域内のリンク、及び、それらのリンクの更新の影響が及ぶリンクのうち、前回の更新要求より後に更新されたリンクのデータのみを端末に送信する。これによって、不要な通信トラフィックの発生を抑制し、かつ、更新後の地図に矛盾が生じないように地図データを更新することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−90195号公報
【特許文献2】特開2007−241003号公報
【特許文献3】国際公開第06/011278号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在普及している一般的な車載用ナビゲーションシステムの地図データのフォーマットによれば、道路の属性(例えば、その道路が有料道路であるか否か、等)を示す情報は、道路の各区間に対応する各リンクデータにではなく、複数のリンクからなるリンク列に付与されたリンク列ヘッダに含まれる。このような場合において、リンク列の属性が変更された場合、上記特許文献1〜3に記載されたように地図データを更新すると、変更されたリンクの属性が正しく地図データに反映されない場合がある。
【0008】
例えば、一続きの道路の一部が有料区間であり、それに続く残りの部分が無料区間である場合、有料区間と無料区間はそれぞれ別のリンク列として管理される。この場合、それぞれのリンク列に対応するリンク列ヘッダが保持され、有料区間に対応するリンク列ヘッダは有料道路を示す属性情報を含み、無料区間に対応するリンク列ヘッダは無料道路を示す属性情報を含む。その後、有料区間が無料区間に変更された場合、有料区間に対応するリンク列ヘッダの属性を無料道路に更新し、以前の無料区間に対応するリンク情報を削除し、その削除された無料区間に対応するリンク情報を、新たに無料区間に変更されたリンク列に追加する必要がある。これによって、属性の変更が正しく地図データに反映される。しかし、上記特許文献1〜3に記載された方法によれば、上記のリンク列ヘッダの更新、リンク情報の削除及び追加のうち一部のみが実行される場合がある。その場合、例えば更新後のすべてのリンクが有料区間として扱われるなど、地図データと実際の道路の状況との間に矛盾が発生することがある。
【0009】
このようなフォーマットが使用される場合、リンクデータごとの更新を禁止し、常にリンク列ヘッダを含むリンク列全体を更新すれば、上記のような矛盾の発生を防ぐことができる。しかし、この場合、少数のリンクデータのみを更新する場合であっても常にリンク列全体のデータを通信する必要がある。加えて、上記特許文献1〜3に示すように、リンクの不連続などの問題の発生を防ごうとすれば、さらに多くのリンクデータを通信する必要が生じる。
【0010】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、通信するデータ量の増加を抑制しつつ、上記のようなリンクの属性の矛盾の発生を防止する地図データの更新を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、ネットワークに接続される地図データ配信サーバであって、前記地図データ配信サーバは、前記ネットワークに接続されるインターフェースと、前記インターフェースに接続されるプロセッサと、前記プロセッサに接続される記憶装置と、を備え、第1の道路データと、前記第1の道路データより新しいバージョンである第2の道路データと、を保持し、前記第1の道路データと第2の道路データとをデータ項目ごとに比較することによって、前記第1の道路データと前記第2の道路データとの間の差分データ項目を作成し、各々が単一の又は連続するリンクに関する一つ以上の前記差分データ項目を含む、複数の更新エレメントを作成し、前記複数の更新エレメントのうち第1の更新エレメントが、第1のリンク列の属性に関する差分データ項目を含み、かつ、前記複数の更新エレメントのうち第2の更新エレメントが、前記第1のリンク列に属するリンクに関する差分データ項目を含む場合、前記第1の更新エレメント及び前記第2の更新エレメントに含まれる全ての前記差分データ項目を含む第3の更新エレメントを作成し、前記ネットワークに接続された端末装置から受信した地図更新要求が、前記第3の更新エレメント内の前記差分データ項目に関するリンクを含む地図上の範囲を指定した場合、前記第3の更新エレメントを前記端末装置に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一実施形態によれば、地図データの更新の際に、通信するデータ量の増加を抑制しつつ、リンクの属性の矛盾が発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態の地図データ配信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の地図データ配信システムにおける道路データの説明図である。
【図3】道路データを更新するための更新エレメントの説明図である。
【図4】本発明の実施形態の地図データ配信システムにおける道路データの別の例の説明図である。
【図5】道路データを更新するための更新エレメントの別の例の説明図である。
【図6】更新エレメントごとの地図データの更新の説明図である。
【図7】本発明の実施形態の地図データ配信システムにおける道路データを更新するための更新エレメントの説明図である。
【図8】更新エレメントを作成する手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態の地図配信サーバが更新エレメントを作成する手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態の地図配信サーバによってリンクの識別子が付加された道路データを示す説明図である。
【図11】本発明の実施形態の更新エレメント作成処理の途中で作成されるデータの説明図である。
【図12】本発明の実施形態の更新エレメント作成処理の途中で作成される別のデータの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態の地図データ配信システムの構成を示すブロック図である。
【0016】
本実施形態の地図データ配信システムは、ネットワーク40に接続された地図配信サーバ10と、ネットワーク40を介して地図配信サーバ10と通信するナビゲーション端末20と、を備える。
【0017】
地図配信サーバ10は、互いに接続されたプロセッサ17、メモリ18、ネットワークインターフェース(I/F)15、管理データ記憶部11、更新データ記憶部12及び地図データ記憶部16を備える計算機である。
【0018】
プロセッサ17は、メモリ18に格納されたプログラムを実行する。
【0019】
メモリ18は、例えば半導体メモリであり、プロセッサ17によって実行されるプログラム及びプロセッサ17によって参照されるデータ等を格納する。本実施形態のメモリ18には、更新データ抽出部13及び更新データ管理部14が格納される。これらのプログラムの処理については後述する。以下の説明において更新データ抽出部13及び更新データ管理部14が実行する処理は、実際には、プロセッサ17によって実行される。
【0020】
ネットワークI/F15は、ネットワーク40に接続され、ナビゲーション端末20等と通信する。
【0021】
管理データ記憶部11、更新データ記憶部12及び地図データ記憶部16は、ハードディスクドライブ(HDD)またはフラッシュメモリのような記憶装置であってもよいし、そのような記憶装置内の記憶領域であってもよい。
【0022】
地図データ記憶部16には、地図データが格納される。地図データは、地図の構成物(地物)の位置及び形状を示す座標値等を含む。現実の地物は随時更新される。その一例は、道路の新設、廃止又は付け替えのような道路ネットワークの更新である。地図データは、過去のある時点における地物に関する情報(例えば後述するバージョン1の道路データ)と、それより後の時点における地物に関する情報(例えば後述するバージョン2の道路データ)と、を含んでもよい。
【0023】
なお、一般に地図データは、地図上の所定の矩形の範囲ごとに管理される。この矩形の範囲は、パーセル又はメッシュと呼ばれる。各パーセルには固有の識別子(パーセルID)が付与される。
【0024】
更新データ記憶部12には、地物を単位とする地図更新データ(地図情報及び道路ネットワーク情報を含む)が格納される。地図更新データは、例えばナビゲーション端末20がバージョン1の地図データを保持している場合に、それをより新しいバージョン2の地図データに更新するために作成及び送信されるデータであり、具体的には、少なくともこれらのバージョンの差分データを含む。地図更新データの詳細については後述する。
【0025】
管理データ記憶部11には、地図更新データを管理するための情報が格納される。例えば、管理データ記憶部11には、地図更新データのバージョン(すなわち差分の世代)を示す情報、及び、地図更新データが適用されるべき位置を示すパーセルID等が格納される。
【0026】
ナビゲーション端末20は、ユーザを目的地まで誘導するために、経路検索及び検索結果の出力等を行う移動端末である。本実施形態では典型的な例として、ナビゲーション端末20が自動車に搭載される車載用ナビゲーション端末である場合について説明するが、例えば歩行者に携帯されるナビゲーション端末等、種々の移動端末に本発明を適用することができる。
【0027】
本実施形態のナビゲーション端末20は、互いに接続されたプロセッサ28、メモリ29、ネットワークI/F21、画面入出力I/F25、管理データ記憶部26及び地図データ記憶部27を備える。
【0028】
プロセッサ28は、メモリ29に格納されたプログラムを実行する。
【0029】
メモリ29は、例えば半導体メモリであり、プロセッサ28によって実行されるプログラム及びプロセッサ28によって参照されるデータ等を格納する。本実施形態のメモリ29には、配信要求部22、地図更新部23及びナビゲーション処理部24が格納される。
【0030】
配信要求部22は、地図更新データの配信要求(以下、地図データ更新要求と記載)を地図配信サーバ10に送信する。地図更新部23は、配信された地図更新データを用いて、地図データ記憶部27に格納された地図データを更新する。これらの処理については後述する。以下の説明において配信要求部22、地図更新部23及びナビゲーション処理部24が実行する処理は、実際にはプロセッサ28によって実行される。
【0031】
ナビゲーション処理部24は、地図データ記憶部27に格納された地図データに基づいて、目的地までの経路を検索し、その経路に沿ってユーザを誘導する。このような経路検索及び誘導は従来の車載用ナビゲーション端末と同様であるため、これらに関する詳細な説明は省略する。
【0032】
画面入出力I/F25は、ユーザに対して地図情報等を表示する画面と、ユーザからの入力を受け付ける入力装置と、を含む。例えば、画面入出力I/F25は、タッチパッド付きの液晶表示装置であってもよい。
【0033】
ネットワークI/F21は、無線通信装置30に接続される。無線通信装置30は、ネットワーク40に接続された無線基地局31と無線通信を行う。ネットワークI/F21は、無線通信装置30、無線基地局31及びネットワーク40を介して地図配信サーバ10との間の通信を実行する。後述する地図データ更新要求の送信(51)及び地図更新データの受信(52)はこのような通信によって実現される。
【0034】
なお、無線通信装置30は、ナビゲーション端末20に内蔵されてもよい。
【0035】
管理データ記憶部26及び地図データ記憶部27は、ハードディスクドライブ(HDD)またはフラッシュメモリのような記憶装置であってもよいし、そのような記憶装置内の記憶領域であってもよい。
【0036】
地図データ記憶部27には、ナビゲーション処理部24によって参照される地図データが格納される。この地図データは、地図配信サーバ10から送信された地図更新データに基づいて更新される。
【0037】
管理データ記憶部26には、地図データを管理するための情報が格納される。例えば、管理データ記憶部26には、自車(すなわちナビゲーション端末20を搭載している車)の位置がどのパーセルに属するかを示す緯度経度−パーセルID対応情報、及び、地図に適用した地図更新データの識別情報等が格納される。
【0038】
ネットワーク40はインターネット41に接続される。地図配信サーバ10は、インターネット41を介して新しいバージョンの地図データを取得してもよい。
【0039】
図2は、本発明の実施形態の地図データ配信システムにおける道路データの説明図である。
【0040】
ナビゲーション端末20は、地図データ記憶部27に地図データを保持し、それに基づいて経路検索等を実行する。一方、地図配信サーバ10は、現実の道路ネットワークの変更等が反映された新バージョンの地図データを取得すると、それに基づいて、ナビゲーション端末20が保持している旧バージョンの地図データを新バージョンに更新するための地図更新データを作成し、それを更新データ記憶部12に格納する。図2には、地図データ記憶部16に格納される地図データの例として、旧バージョン(Ver.1)と新バージョン(Ver.2)の地図データを示す。
【0041】
なお、一般に地図データは、道路ネットワークに関するデータ(道路データ)に加えて、道路以外の地物、例えば建物、河川及び行政区等に関するデータも含む。しかし、図2には本実施形態の説明のために必要な道路データのみを示し、その他のデータについては図示を省略する。図3以降についても同様である。
【0042】
周知のように、地図データ上で、道路は、ノードとリンクとの組み合わせによって表現される。ノードは交差点に、リンクは二つの交差点を接続する道路の区間に対応する。
【0043】
図2(a)は、例として、五つの交差点と、それらを接続する四つの区間と、からなる有料道路を表現するノード及びリンクを示す。図2(a)に示すバージョン1(Ver.1)の道路データは、node1_201A〜node5_205Aの五つのノードと、link1_211A〜link4_214Aの四つのリンクによって表現される。link1_211Aはnode1_201Aとnode2_202Aとを接続し、link2_212Aはnode2_202Aとnode3_203Aとを接続し、link3_213Aはnode3_203Aとnode4_204Aとを接続し、link4_214Aはnode4_204Aとnode5_205Aとを接続する。
【0044】
以下の説明において、二つの区間が一つの交差点に接続されている場合、それらの区間を連続する区間と記載し、それらの区間に対応するリンクを連続するリンクと記載する。例えば図2(a)においてnode2_202Aに接続されるlink1_211Aとlink2_212Aとは連続する。同様に、link2_212Aとlink3_213Aとは連続し、link3_213Aとlink4_214Aとは連続する。結局、link1_211Aからlink4_214Aまでの四つのリンクは連続している。
【0045】
バージョン1の道路データが作成された後、実際の道路が付け替え等によって変更された場合、その変更が反映された道路データ、すなわちバージョン2(Ver.2)の道路データが作成される。図2の例では、link1_211A、link3_213A及びlink4_214Aに対応する区間の道路の形状が変更されたため、これらのリンクがバージョン2ではそれぞれlink1_211B、link3_213B及びlink4_214Bによって置き換えられている。バージョン2のその他のリンク及びノードはバージョン1と同じである。
【0046】
道路データは、さらに、道路の属性を示す情報を含む。道路の属性を示す情報は、例えば道路の種別(例えば国道又は県道)、路線番号、又はその道路が有料道路又は無料道路のいずれであるか、等の属性を示す情報を含むが、上記以外の属性を示す情報を含んでもよい。一般に、連続する複数のリンクの属性が共通する場合が多い。例えば、ある有料道路の始点から終点までのすべてのリンクは、有料道路という属性を有する。
【0047】
図2に示す道路データにおいて、属性が共通する複数の連続したリンク及びそれらに接続されるノードが一つのリンク列として扱われ、属性を示す情報はリンク列ごとに付与される。図2(a)の例において、バージョン1のlink1_211A〜link4_214Aの四つのリンクは一つのリンク列(すなわちバージョン1のリンク列1_210A)として扱われ、バージョン2のlink1_211B〜link4_214Bの四つのリンクも一つのリンク列(すなわちバージョン2のリンク列1_210B)として扱われる。
【0048】
図2(b)は、図2(a)のノード及びリンクによって表現される道路データの具体的なフォーマットを示す。
【0049】
図2(b)の例において、バージョン1の道路データ220Aは、リンク列1ヘッダ情報221A及びリンク列1リンク情報222Aからなる。
【0050】
リンク列1ヘッダ情報221Aは、リンク列1_210Aの属性(すなわち、リンク列1_210Aに含まれるすべてのリンクの属性)を示す情報を含む。図2(b)の例において、リンク列1ヘッダ情報221Aは、道路種別231A、路線番号232A、及び、有料フラグ233Aを含む。道路種別231Aは、そのリンク列1_210Aに対応する道路の種別、例えばそれが国道であるか県道であるか等を示す情報である。路線番号232Aは、その道路に付与された番号、例えば国道番号を示す情報である。有料フラグ233Aは、その道路が有料道路であるか無料道路であるかを示す情報である。図2(b)の例の有料フラグ233Aは、その道路が有料道路であることを示している。
【0051】
リンク列1リンク情報222Aは、リンク列1_210Aに含まれるノード及びリンクに関する情報を含む。図2(b)の例において、リンク列1リンク情報222Aは、node1ノード情報241A〜node5ノード情報245A、link1形状情報251A〜link4形状情報254A、link1通行規制情報261A〜link4通行規制情報264A、及びlink1その他情報271A〜link4その他情報274Aを含む。
【0052】
node1ノード情報241A〜node5ノード情報245Aは、それぞれ、node1_201A〜node5_205Aに対応する交差点に関する情報、例えばそれらの交差点の座標を示す情報等を含む。
【0053】
link1形状情報251A〜link4形状情報254Aは、それぞれ、link1_211A〜link4_214Aに対応する区間の道路の形状を示す情報を含む。例えば、この情報は、それらの区間の道路上の一つ以上の点の座標を示す情報等を含んでもよい。
【0054】
link1通行規制情報261A〜link4通行規制情報264Aは、それぞれ、link1_211A〜link4_214Aに対応する区間の通行規制に関する情報を含む。
【0055】
link1その他情報271A〜link4その他情報274Aは、それぞれ、link1_211A〜link4_214Aに対応する区間に関するその他の情報、例えばそれらの区間の通過に要する時間に関する情報等を含む。
【0056】
なお、上記は道路データに含まれる情報の一例に過ぎず、実際の道路データは道路に関するさらに詳細な情報を含んでもよい。
【0057】
図2(a)に示すように、バージョン1のリンク列1_210Aのlink1_211A、link3_213A及びlink4_214Aに対応する区間の道路の形状が変更されたため、これらのリンクが、バージョン2ではそれぞれlink1_211B、link3_213B及びlink4_214Bによって置き換えられている。このため、バージョン2の道路データ220Bは、上記の三つのリンクの形状を示す情報を除いてバージョン1の道路データ220Aと同じである。
【0058】
具体的には、link1形状情報251A、link3形状情報253A及びlink4形状情報254Aが、それぞれ、変更された後の形状を示すlink1形状情報−2_251B、link3形状情報−2_253B及びlink4形状情報−2_254Bによって置き換えられる。リンク列1リンク情報222Bのうち、これらの三つのリンクの形状情報以外の部分は、リンク列1リンク情報222Aと同じである。
【0059】
図2に示したようにリンク列ごとに属性情報が付与される道路データのフォーマットとして、KIWIフォーマットが知られている。本発明は、KIWIフォーマットに適用することができるが、リンク列ごとに属性情報が付与される限り、KIWIフォーマット以外のフォーマットにも適用することができる。
【0060】
図3は、道路データを更新するための更新エレメントの説明図である。
【0061】
具体的には、図3は、図2に示す道路データに対応する更新エレメントの例を示す。
【0062】
図2に示すバージョン1の道路データ220Aを保持している地図配信サーバ10は、新たにバージョン2の道路データ220Bを取得すると、バージョン1の道路データ220Aをバージョン2の道路データ220Bに更新するための地図更新データを作成して更新データ記憶部12に格納する。格納された地図更新データは、ナビゲーション端末20からの要求に応じて送信される。
【0063】
このような地図更新データは、バージョン2の道路データ220B全体を含んでもよい。しかし、例えばナビゲーション端末20が移動しながら無線によるパケット通信等を利用して現在地周辺の地図データを更新する場合には、迅速性が要求される。また、通信するデータ量に課金される場合、通信コストを抑制するためにデータ量を抑制することが望ましい。これらの観点から、地図更新データの量は少ないことが望ましい。このため、本実施形態の地図配信サーバ10は、新旧の道路データの差分のみを地図更新データとして作成する。
【0064】
図2の例では、二つの道路データの差分はlink1形状情報−2_251B、link3形状情報−2_253B及びlink4形状情報−2_254Bのみである。このため、地図配信サーバ10は、link1形状情報251Aをlink1形状情報−2_251Bに更新することを指示する情報を地図更新データとして作成する。この情報は、例えば、更新されたlink1_211Bに対応する区間の道路の座標値を示す情報を含む。同様に、地図配信サーバ10は、link3形状情報253Aをlink3形状情報−2_253Bに更新することを指示する情報、及び、link4形状情報254Aをlink4形状情報−2_254Bに更新することを指示する情報を地図更新データとして作成する。
【0065】
本実施形態では、原則として、一つのデータ項目を更新するための地図更新データが一つの更新エレメントとして扱われる。ここで一つのデータ項目とは、図2(b)に示す地図データの各項目、すなわち、各行に対応する項目である。例えば、有料フラグ233A、link1形状情報251A及びnode3ノード情報243Aは、それぞれ、一つのデータ項目である。図3の例では、link1形状情報251Aをlink1形状情報−2_251Bに更新することを指示する情報が更新エレメント1_301として扱われる。
【0066】
ただし、上記のように作成した地図更新データが、単一の区間又は連続した複数の区間に関する情報を含む場合、それらの区間に関する更新データが一つの更新エレメントとして扱われる。ここで、ある区間に関する情報には、その区間に対応するリンクの形状等に関する情報、そのリンクの始点ノード及び終点ノードに関する情報が含まれ、そのリンクがリンク列の先頭リンクである場合、そのリンク列のヘッダ情報も含まれる。
【0067】
図3の例では、link3形状情報253Aをlink3形状情報−2_253Bに更新することを指示する情報、及び、link4形状情報254Aをlink4形状情報−2_254Bに更新することを指示する情報が、一つの更新エレメント、すなわち更新エレメント2_302として扱われる。地図配信サーバ10は、このように作成した更新エレメントをナビゲーション端末20に送信する。
【0068】
例えばナビゲーション端末20は、自車の現在地(又は目的地)の周辺の所定の範囲内の地図データの更新を地図配信サーバ10に要求してもよい(図1のステップ51)。具体的には、例えばユーザが地図データの更新要求を画面入出力I/Fに入力すると、ナビゲーション端末20の配信要求部22が管理データ記憶部26を参照して自車の位置を含むパーセルのIDを特定し、そのパーセルの地図データの更新要求を地図配信サーバ10に送信する。あるいは配信要求部22が自動的に(例えば定期的に又は所定の条件が満たされたときに)地図データの更新要求を地図配信サーバに送信してもよい。
【0069】
更新要求を受信した地図配信サーバ10は、更新要求によって指定されたパーセル内の地物に関するデータを含む更新エレメントをナビゲーション端末20に送信する(図1のステップ52)。例えば、指定されたパーセルにlink1_211Aに対応する区間とlink3_213Aに対応する区間との両方が含まれる場合、地図配信サーバ10は更新エレメント1_301及び更新エレメント2_302の両方を地図更新データとしてナビゲーション端末20に送信する。一方、指定されたパーセルにlink1_211Aに対応する区間が含まれるが、link3_213Aに対応する区間は含まれない場合、地図配信サーバ10は更新エレメント1_301をナビゲーション端末20に送信するが、更新エレメント2_302は送信しない。
【0070】
なお、地図配信サーバ10は、各差分データ項目を含む更新エレメントを識別する情報(すなわち、各差分データ項目がどの更新エレメントに含まれるかを識別する情報)を更新エレメントに含めて送信する。この情報はどのようなものであってもよい。典型的には、従来から知られているように、各更新エレメントを区切る区切り文字、及び、各更新エレメントの識別子が、各更新エレメントに含めて送信される。このような情報に基づいて、ナビゲーション端末20は、受信した地図更新データのどこからどこまでが一つの更新エレメントに含まれるのかを特定することができ、それによって、一つの更新エレメントに含まれる全ての差分データ項目の、地図データへの反映が終了したか否かを判定することができる。
【0071】
ナビゲーション端末20の地図更新部23は、更新エレメントを受信すると、それに基づいて地図データ記憶部27に格納された地図データを更新する。このとき、地図更新部23は、一つの更新エレメントに基づく地図データの更新を開始してからそれが終了するまで、ナビゲーション処理部24がその地図データを用いた経路検索を実行することを禁止する。具体的には、例えば、link1形状情報251Aのlink1形状情報−2_251Bへの更新が終了したが、link3形状情報253A及びlink4形状情報254Aがまだ更新されていない時点の道路データを用いて経路検索をすることは許可される。しかし、link3形状情報253Aのlink3形状情報−2_253Bへの更新が終了したが、link4形状情報254Aのlink4形状情報−2_254Bへの更新が終了していない時点の道路データを用いて経路検索をすることは許可されない。
【0072】
連続したリンクの形状を更新する必要があるにもかかわらず、その一部の更新のみが反映されている場合、実際の道路は連続しているにもかかわらず、その道路に対応する地図データ上のリンクが途切れているという矛盾が発生し得る。しかし、上記のように更新エレメントごとに更新を管理することによって、上記のような矛盾を含んだ地図データに基づく経路検索を避けることができる。
【0073】
図4は、本発明の実施形態の地図データ配信システムにおける道路データの別の例の説明図である。
【0074】
図4(a)には、有料区間とそれに連続する無料区間とを含む道路に関する道路データ(バージョン1)と、それらのうち有料区間が無料区間に変更された後の道路データ(バージョン2)と、を示す。
【0075】
具体的には、バージョン1の道路データは、node1_401A〜node5_405Aの五つのノードと、link1_411A〜link3_413Aの三つのリンクによって表現される。link1_411Aはnode1_401Aとnode2_402Aとを接続し、link2_412Aはnode2_402Aとnode3_403Aとを接続し、link3_413Aはnode4_404Aとnode5_405Aとを接続する。
【0076】
この例において、link2_412Aに対応する区間と、link3_413Aに対応する区間とは、実際には連続しているが、それぞれの属性が異なる(前者の属性が有料道路、後者の属性が無料道路である)ため、これらは異なるリンク列に属する。すなわち、link1_411A及びlink2_412Aはリンク列1_410Aに属し、link3_413Aはリンク列2_430Aに属する。
【0077】
このため、link2_412Aに対応する区間とlink3_413Aに対応する区間とを接続する交差点は、実際には単一の交差点であるが、地図データ上では、有料区間の終点であるnode3_403A、及び、無料区間の始点であるnode4_404A、の二つのノードとして扱われる。しかし、上記のように実際にはこれらのノードは同一の交差点に対応するため、実質的には同一のノードである。このため、本実施形態では、link2_412Aとlink3_413Aとは連続するリンクとして扱われる。
【0078】
link1_411A及びlink2_412Aに対応する区間が有料区間から無料区間に変更されると、この変更が反映されたバージョン2の道路データが作成される。具体的には、link1_411A及びlink2_412Aを含むリンク列1_410Aのヘッダに含まれる属性情報が有料道路から無料道路に変更される。これによって図4に示す三つの区間の属性が同一になるため、link1_411A及びlink2_412Aを含むリンク列1_410Aは、上記の三つの区間に対応する三つのリンクを含むリンク列1_410Bに更新され、リンク列2_430Aは削除される。
【0079】
具体的には、図4(a)に示すバージョン2のリンク列1_410Bは、node1_401A、node2_402A、node6_406B及びnode7_407Bの四つのノードと、link1_411A、link2_412A及びlink4_414Bの三つのリンクと、を含む。
【0080】
node1_401A、node2_402A、link1_411A及びlink2_412Aはバージョン1と同じである。
【0081】
node6_406Bは、link2_412Aの終点ノードであり、バージョン1のnode3_403A及びnode4_404Aと同一の交差点に対応する。link4_414Bは、node6_406Bに接続されるリンクであり、バージョン1のlink3_413Aと同一の区間に対応する。node7_407Bは、link4_414Bの終点ノードであり、node5_405Aと同一の交差点に対応する。
【0082】
図4(b)は、図4(a)のノード及びリンクによって表現される道路データの具体的なフォーマットを示す。
【0083】
図4(b)の例において、バージョン1の道路データ420Aは、リンク列1ヘッダ情報421A、リンク列1リンク情報422A、リンク列2ヘッダ情報423A及びリンク列2リンク情報424Aからなる。これらの情報に含まれる各項目の意味については、図2(b)を参照して説明したとおりであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0084】
リンク列1ヘッダ情報421Aは、道路種別431A、路線番号432A、及び、有料フラグ433Aを含む。図4(b)の例の有料フラグ433Aは、リンク列1_410Aに対応する道路が有料道路であることを示している。
【0085】
リンク列1リンク情報422Aは、node1ノード情報441A〜node3ノード情報443A、link1形状情報451A〜link2形状情報452A、link1通行規制情報461A〜link2通行規制情報462A、及びlink1その他情報471A〜link2その他情報472Aを含む。
【0086】
リンク列2ヘッダ情報423Aは、道路種別434A、路線番号435A、及び、有料フラグ436Aを含む。図4(b)の例の有料フラグ436Aは、リンク列2_430Aに対応する道路が無料道路であることを示している。
【0087】
リンク列2リンク情報424Aは、node4ノード情報444A〜node5ノード情報445A、link3形状情報453A、link3通行規制情報463A、及びlink3その他情報473Aを含む。
【0088】
なお、既に説明したように、node3_403Aとnode4_404Aとは同一の交差点に対応する。このため、node3_403Aに対応するnode3ノード情報443Aは、node3_403Aがnode4_404Aに接続していることを示す情報を含み、node4_404Aに対応するnode4ノード情報444Aは、node4_404Aがnode3_403Aに接続していることを示す情報を含む。これらの情報を参照することによって、link2_412Aとlink3_413Aとが連続している、すなわち、図4の例においてlink1_411Aからlink3_413Aまでが連続している、と判定することができる。
【0089】
一方、図4(b)の例において、バージョン2の道路データ420Bは、リンク列1ヘッダ情報421B及びリンク列1リンク情報422Bからなる。
【0090】
リンク列1ヘッダ情報421Aは、道路種別431B、路線番号432B、及び、有料フラグ433Bを含む。図4(b)の例の有料フラグ433Bは、リンク列1_410Bに対応する道路が無料道路であることを示している。道路種別431B及び路線番号432Bは、それぞれ、バージョン1の道路種別431A及び路線番号432Aと同じである。
【0091】
リンク列1リンク情報422Bは、node1ノード情報441B〜node2ノード情報442B、node6ノード情報446B〜node7ノード情報447B、link1形状情報451B〜link2形状情報452B、link4形状情報454B、link1通行規制情報461B〜link2通行規制情報462B、link4通行規制情報464B、link1その他情報471B〜link2その他情報472B、及びlink4その他情報474Bを含む。
【0092】
node1ノード情報441B〜node2ノード情報442Bは、それぞれ、バージョン1のnode1ノード情報441A〜node2ノード情報442Aと同じである。link1形状情報451B〜link2形状情報452Bは、それぞれ、バージョン1のlink1形状情報451A〜link2形状情報452Aと同じである。link1通行規制情報461B〜link2通行規制情報462Bは、それぞれ、バージョン1のlink1通行規制情報461A〜link2通行規制情報462Aと同じである。link1その他情報471B〜link2その他情報472Bは、それぞれ、バージョン1のlink1その他情報471A〜link2その他情報472Aと同じである。
【0093】
node6ノード情報446Bは、node6_406Bに対応する交差点に関する情報を含む。node6_406Bに対応する交差点は、実際にはnode3_403A及びnode3_403Aに対応する交差点と同一であるため、node6ノード情報446Bの内容は、node3ノード情報443A又はnode4ノード情報444Aの内容と同一である。
【0094】
node7ノード情報447Bは、node7_407Bに対応する交差点に関する情報を含む。node7_407Bに対応する交差点は、実際にはnode5_405Aに対応する交差点と同一であるため、node7ノード情報447Bの内容は、node5ノード情報445Aの内容と同一である。
【0095】
link4形状情報454B、link4通行規制情報464B、及びlink4その他情報474Bは、それぞれ、link4_414Bに対応する区間の形状、通行規制及びその他の情報を含む。link4_414Bに対応する区間は、link3_413Aに対応する区間と同一であるため、link4形状情報454B、link4通行規制情報464B、及びlink4その他情報474Bの内容は、それぞれ、link3形状情報453A、link3通行規制情報463A、及びlink3その他情報473Aの内容と同一である。
【0096】
図5は、道路データを更新するための更新エレメントの別の例の説明図である。
【0097】
具体的には、図5は、図4に示す道路データに対応する更新エレメントの例を示す。この更新エレメントは、後述する図8に示す手順によって作成される。ただし、後述するように(図6参照)、図5に示す更新エレメントを用いた場合、リンク情報の更新に関する矛盾は発生しないが、ヘッダ情報の更新に関する矛盾が発生する可能性がある。以下、説明の便宜上、地図配信サーバ10が図5に示す更新エレメントを作成するように説明するが、実際には、本発明の実施形態の地図配信サーバ10は、さらに改善された更新エレメントを作成する(図7及び図9参照)。
【0098】
ナビゲーション端末20が図4に示すバージョン1の道路データ420Aを保持している場合に、それをバージョン2の道路データ420Bに更新するためには、有料道路を示す有料フラグ433Aを、無料道路を示す有料フラグ433Bに置き換えることを指示する情報、リンク列1リンク情報422Aからnode3ノード情報443Aを削除することを指示する情報、リンク列2ヘッダ情報423A及びリンク列2リンク情報424Aの各項目を削除することを指示する情報、及び、リンク列1リンク情報422Aにnode6ノード情報446B、link4形状情報454B、link4通行規制情報464B、link4その他情報474B及びnode7ノード情報447Bを追加することを指示する情報を含む地図更新データが作成される。
【0099】
この場合も、図3の場合と同様、単一の又は連続した区間に関する地図更新データが一つの更新エレメントとして作成される。
【0100】
図5の例では、リンク列1_410Aの先頭に付与されたリンク列1ヘッダ情報421Aに関する地図更新データが更新エレメント1_501として作成される。すなわち、更新エレメント1_501には、有料フラグ433Aを有料フラグ433Bに更新することを指示する情報が含まれる。
【0101】
一方、link3_413Aに関する情報が更新エレメント2_502として作成される。
【0102】
具体的には、link3形状情報453A、link3通行規制情報463A及びlink3その他情報473Aを削除することを指示する情報が更新エレメント2_502に含まれる。
【0103】
さらに、link3_413Aの始点ノードであるnode4_404Aに関するnode4ノード情報444Aを削除することを指示する情報が更新エレメント2_502に含まれる。
【0104】
さらに、node4_404Aと実質的に同一のノードであるnode4_404Aに関するnode3ノード情報443Aを削除することを指示する情報が更新エレメント2_502に含まれる。
【0105】
さらに、link3_413Aの終点ノードであるnode5_405Aに関するnode5ノード情報445Aを削除することを指示する情報が更新エレメント2_502に含まれる。
【0106】
さらに、link3_413Aがリンク列2_430Aの先頭のリンクであるであるため、リンク列2ヘッダ情報423Aを削除することを指示する情報が更新エレメント2_502に含まれる。
【0107】
道路データ420A及び420Bを参照すると、node4_404A及びnode6_406Bがいずれもlink2_412Aの終点ノードであることがわかる。このため、これらのノードに接続されたlink3_413A及びlink4_414Bは、同一の区間に対応するか、又は、連続する二つの区間にそれぞれ対応するか、のいずれかであると判定することができる(図4の例では同一の区間に対応している)。このため、更新エレメント2_502は、さらに、link4_414Bに関する情報を含む。
【0108】
具体的には、さらに、link4形状情報454B、link4通行規制情報464B及びlink4その他情報474Bを追加することを指示する情報が更新エレメント2_502に含まれる。
【0109】
さらに、link4_414Bの始点ノードであるnode6_406Bに関するnode6ノード情報446Bを追加することを指示する情報が更新エレメント2_502に含まれる。
【0110】
さらに、link4_414Bの終点ノードであるnode7_407Bに関するnode7ノード情報447Bを追加することを指示する情報が更新エレメント2_502に含まれる。
【0111】
図3の場合と同様、ナビゲーション端末20は、自車の現在地(又は目的地)の周辺の所定の範囲内の地図データの更新を地図配信サーバ10に要求してもよい。更新要求を受信した地図配信サーバ10は、更新要求によって指定された範囲内の地物に関するデータを含む更新エレメントをナビゲーション端末20に送信する。しかし、これによって更新後の地図データに矛盾が発生する場合がある。次に、この矛盾について説明する。
【0112】
図6は、更新エレメントごとの地図データの更新の説明図である。
【0113】
例えば、指定された範囲にlink1_411A及びlink3_413Aの両方が含まれる場合、これらのリンクに関する更新データを含む更新エレメント1_501及び更新エレメント2_502の両方がナビゲーション端末20に送信される。これらの更新エレメントに基づいて、ナビゲーション端末20が保持する地図データは、図4に示すバージョン2に更新される。この場合、地図データに矛盾は発生しない。
【0114】
一方、例えば、指定された範囲にlink1_411Aが含まれるが、link3_413Aは含まれない場合、link1_411Aに関する更新データを含む更新エレメント1_501は送信されるが、それを含まない更新エレメント2_502は送信されない。この場合、図6(a)に示すように、リンク列1_410Aのヘッダ情報が更新されるが、リンク列2_430A等の削除、及び、リンク列1_410Aへのlink4_414B等の追加は行われない。その結果、更新後のバージョン2の道路データは、図4に示したバージョン2とは異なっている。すなわち、図4に示すバージョン2の道路データがリンク列1_410Bのみからなるのに対して、図6(a)のバージョン2の道路データは、リンク列1_410C及びリンク列2_430Aからなる。
【0115】
しかし、図6(a)のバージョン2の各リンクの形状及び通行規制等に関する情報は、図4のバージョン2の各リンクのものと同一である。さらに、図6(a)に示す二つのリンク列の属性は、図4のバージョン2のリンク列1_410Bと同様、無料道路である。このため、図6(a)のバージョン2の道路データを用いて経路検索を行ったとしても、図4のバージョン2の道路データを用いた場合と同様の結果を得ることができる。
【0116】
一方、例えば、指定された範囲にlink1_411Aが含まれないが、link3_413Aは含まれる場合、link3_413Aに関する更新データを含む更新エレメント2_502は送信されるが、それを含まない更新エレメント1_501は送信されない。この場合、図6(b)に示すように、リンク列2_430A等の削除、及び、リンク列1_410Aへのlink4_414B等の追加は行われるが、リンク列1_410Aのヘッダ情報は更新されない。その結果、更新後のバージョン2の道路データは、図4に示したバージョン2とは異なっている。すなわち、図4に示すバージョン2の道路データが無料道路であるリンク列1_410Bからなるのに対して、図6(b)のバージョン2の道路データは、有料道路であるリンク列1_410Dからなる。
【0117】
図6(b)の場合、更新要求がされた範囲内にlink3_413Aが含まれていたということは、link3_413Aに対応する更新後のlink4_414Bが経路検索の対象になる可能性があることを意味する。しかし、上記のように、更新後の道路データには、本来無料区間であるべきlink4_414Bが有料区間として扱われるという矛盾がある。このため、図6(b)のバージョン2の道路データを用いて経路検索を行うと、図4のバージョン2の道路データを用いた場合と異なる結果が得られることになる。
【0118】
以下、このような矛盾の発生を防ぐ更新エレメントの作成について説明する。
【0119】
図7は、本発明の実施形態の地図データ配信システムにおける道路データを更新するための更新エレメントの説明図である。
【0120】
具体的には、図7は、ナビゲーション端末20が図4に示すバージョン1の道路データ420Aを保持している場合に、それをバージョン2に更新するために、本実施形態の地図配信サーバ10が作成する更新エレメントを示す。
【0121】
図5に示す更新エレメント1_501は、リンク列1_410Aのヘッダに含まれる項目の置き換えを指示する情報を含む。一方、更新エレメント2_502は、リンク列1_410Aからノードを削除することを指示する情報、及び、リンク列1_410A(すなわち更新後のリンク列1_410B)に新たなノード及びリンクを追加することを指示する情報を含む。このように、一つの更新エレメントがいずれかのリンク列のヘッダ情報の更新を指示する情報を含み、さらに、そのリンク列に含まれる別のデータ項目の更新を指示する情報が別の更新エレメントに含まれる場合、本実施形態の地図配信サーバ10の更新データ抽出部13は、それらの更新エレメントを一つの更新エレメントに統合する。
【0122】
具体的には、図7に示す更新エレメント1_701は、図5に示す更新エレメント1_501及び更新エレメント2_502の両方の内容(すなわち、それらの更新エレメントに含まれる全ての差分データ項目)を含む。その結果、例えば、ナビゲーション端末20からの更新要求によって指定された範囲にlink1_411A及びlink3_413Aの両方が含まれる場合、link1_411Aが含まれるがlink3_413Aは含まれない場合、及び、指定された範囲にlink1_411Aは含まれないがlink3_413Aは含まれる場合、のいずれの場合であっても、本実施形態の地図配信サーバ10は更新エレメント1_701を送信する。
【0123】
図3の場合と同様、更新エレメント1_701は、区切り文字及び更新エレメントの識別子のような、各差分データ項目が更新エレメント1_701に含まれることを識別する情報を含む。既に説明したように、ナビゲーション端末20のナビゲーション処理部24は、一つの更新エレメントに基づく地図データの更新が開始されてからそれが終了するまでの間、その地図データに基づく経路検索を実行しない。すなわち、図7に示す更新エレメント1_701を受信したナビゲーション端末20は、更新エレメント1_701に含まれる全ての差分データ項目の地図データへの反映が終了するまで、ナビゲーション処理部24による経路検索を禁止する。
【0124】
このため、ナビゲーション端末20からの更新要求によって指定された範囲にlink1_411A及びlink3_413Aの両方が含まれる場合、又は、それらのうち一方のみが含まれる場合、のいずれの場合であっても、図6に示すものではなく、図4に示すバージョン2の道路データ420Bに基づく経路検索が実行される。これによって、図6に示すような矛盾した道路データに基づく誤った経路検索を防ぐことができる。
【0125】
図8は、更新エレメントを作成する手順を示すフローチャートである。
【0126】
図8に示す手順によって、図5に示す更新エレメントが作成される。本実施形態の地図配信サーバ10の更新データ抽出部13は、実際には、より改善された図9に示す手順によって更新エレメントを作成する。しかし、ここでは、説明の便宜上、図8に示す手順を更新データ抽出部13が実行するように記載する。
【0127】
最初に、更新データ抽出部13は、地図データ記憶部16に格納されている新バージョンの道路データの各データ項目と、それぞれに対応する旧バージョンの道路データの各データ項目と、を対照して、差分項目を抽出する(ステップ801)。ここでは、例として、図4に示すバージョン1(旧バージョン)の道路データ420A及びバージョン2(新バージョン)の道路データ420Bが地図データ記憶部16に格納されている場合について説明する。
【0128】
図4に表示されている「リンク列1」の「1」、「node1」の「1」、及び「link1」の「1」等は、それぞれ、リンク列、ノード及びリンクの識別子である。図2等についても同様である。更新データ抽出部13は、同一の識別子が付与された新旧のデータ項目を、対応するデータ項目として対照する。
【0129】
上記の対照の結果、新バージョンの項目の内容が旧バージョンと異なる場合、更新データ抽出部13は、その項目を変更差分項目として抽出する。旧バージョンの項目が新バージョンでは削除されている場合、その項目を削除差分項目として抽出する。旧バージョンでは存在しない項目が新バージョンに含まれている場合、その項目を追加差分項目として抽出する。
【0130】
なお、ナビゲーション端末20の地図更新部23は、受信した更新エレメントに変更差分項目が含まれる場合、それが示すデータ項目の内容を新バージョンの内容に更新する。削除差分項目が含まれる場合、それが示す旧バージョンのデータ項目を地図データから削除する。追加差分項目が含まれる場合、それが示す新バージョンのデータ項目を地図データに追加する。
【0131】
図4の例では、有料道路を示す有料フラグ433Aが無料道路を示す有料フラグ433Bによって置き換えられる。このため、これらのデータ項目が変更差分項目として抽出される。
【0132】
さらに、図4の例では、node3ノード情報443A、リンク列2ヘッダ情報423Aに含まれる全データ項目、及び、リンク列2リンク情報424Aに含まれる全データ項目が削除される。このため、これらのデータ項目が削除差分項目として抽出される。
【0133】
さらに、図4の例では、node6ノード情報446B、link4形状情報454B、link4通行規制情報464B、link4その他情報474B及びnode7ノード情報447Bが追加される。このため、これらのデータ項目が追加差分項目として抽出される。
【0134】
次に、更新データ抽出部13は、ステップ801が全てのデータ項目について終了したか否かを判定する(ステップ802)。全てのデータ項目についてステップ801が終了していない場合、更新データ抽出部13は、残りのデータ項目についてステップ801を実行する。
【0135】
全てのデータ項目についてステップ801が終了した場合、更新データ抽出部13は、ステップ801で抽出した差分項目のうち、同一の又は連続する区間に関する差分項目をまとめることによって、一つの更新エレメントを作成する(ステップ803)。
【0136】
図4の例では、node3ノード情報443A、リンク列2ヘッダ情報423Aに含まれる全データ項目、及び、リンク列2リンク情報424Aに含まれる全データ項目を削除することを指示する情報、及び、node6ノード情報446B、link4形状情報454B、link4通行規制情報464B、link4その他情報474B及びnode7ノード情報447Bを追加することを指示する情報が、一つの更新エレメントとして作成される。これは、図5を参照して説明したとおりである。
【0137】
次に、更新データ抽出部13は、ステップ803が全ての差分項目について終了したか否かを判定する(ステップ804)。全ての差分項目についてステップ803が終了していない場合、更新データ抽出部13は、残りの差分項目についてステップ803を実行する。
【0138】
全ての差分項目についてステップ803が終了した場合、更新データ抽出部13は、更新エレメントの作成を終了する。作成された更新エレメントは、更新データ記憶部12に格納される。
【0139】
図4に示すデータが地図データ記憶部16に格納されている場合、図5に示す二つの更新エレメントが作成され、更新データ記憶部12に格納される。
【0140】
図9は、本発明の実施形態の地図配信サーバ10が更新エレメントを作成する手順を示すフローチャートである。
【0141】
最初に、更新データ抽出部13は、地図データ記憶部16に格納されている新バージョン及び旧バージョンの道路データのデータ項目のうち、リンク情報に含まれる各データ項目に、各データ項目が属するリンク列のヘッダの識別子(リンク列ヘッダID)を付加する(ステップ901)。図8の説明と同様、例として、図4に示すバージョン1(旧バージョン)の道路データ420A及びバージョン2(新バージョン)の道路データ420Bが地図データ記憶部16に格納されている場合について説明する。
【0142】
図10は、本発明の実施形態の地図配信サーバ10によってリンクの識別子が付加された道路データを示す説明図である。
【0143】
図9のステップ901において、更新データ抽出部13は、バージョン1の道路データ420Aのリンク列1リンク情報422Aの各データ項目に、それらのデータ項目が属するリンク列のヘッダ情報の識別子(すなわちリンク列ヘッダID)として「1」を付加する。これは、リンク列1_410Aの識別子に対応する。
【0144】
さらに、更新データ抽出部13は、バージョン2の道路データ420Bのリンク列1リンク情報422Bの各データ項目に、それらのデータ項目が属するリンク列のヘッダ情報の識別子として「1」を付加する。これは、リンク列1_410Bの識別子に対応する。
【0145】
さらに、更新データ抽出部13は、バージョン1の道路データ420Aのリンク列2リンク情報424Aの各データ項目に、それらのデータ項目が属するリンク列のヘッダ情報の識別子として「2」を付加する。これは、リンク列2_430Aの識別子に対応する。
【0146】
次に、更新データ抽出部13は、地図データ記憶部16に格納されている新バージョンの道路データの各データ項目と、それぞれに対応する旧バージョンの道路データの各データ項目と、を対照して、差分項目を抽出する(ステップ902)。この手順は、リンク情報に含まれる各データ項目にリンク列ヘッダIDが付加されている点を除いて図8のステップ801と同じであるため、説明を省略する。
【0147】
次に、更新データ抽出部13は、ステップ902が全てのデータ項目について終了したか否かを判定する(ステップ903)。全てのデータ項目についてステップ902が終了していない場合、更新データ抽出部13は、残りのデータ項目についてステップ902を実行する。
【0148】
全てのデータ項目についてステップ902が終了した場合、更新データ抽出部13は、ステップ902で抽出した差分項目のうち、同一の又は連続する区間に関する差分項目をまとめることによって、一つの更新エレメントを作成する(ステップ904)。この手順は、データ項目にリンク列ヘッダIDが付加されている点を除いて図8のステップ803と同じであるため、説明を省略する。ステップ904が終了した時点の更新エレメントの例を図11に示す。
【0149】
図11は、本発明の実施形態の更新エレメント作成処理の途中で作成されるデータの説明図である。
【0150】
図11に示す更新エレメント1_1101及び更新エレメント2_1102は、リンク情報に含まれる各データ項目にリンク列ヘッダID(図10参照)が付加されている点を除いて、それぞれ図5に示した更新エレメント1_501及び更新エレメント2_502と同じであるため、これらについての説明は省略する。
【0151】
次に、更新データ抽出部13は、ステップ904が全ての差分項目について終了したか否かを判定する(ステップ905)。全ての差分項目についてステップ904が終了していない場合、更新データ抽出部13は、残りの差分項目についてステップ904を実行する。
【0152】
全ての差分項目についてステップ904が終了した場合、更新データ抽出部13は、リンク列ヘッダに関する差分データ項目がいずれかの更新エレメントに含まれるか否かを判定し、含まれる場合は、そのリンク列ヘッダの識別子が付加されたデータ項目を含む更新エレメントを検索する。この検索の結果、上記のリンク列ヘッダに関する差分データ項目を含む更新エレメント以外の更新エレメントが得られた場合、それらの更新エレメントを一つの更新エレメントにまとめることによって、一つの更新エレメントを作成する(ステップ906)。ステップ906が終了した時点の更新エレメントの例を図12に示す。
【0153】
図12は、本発明の実施形態の更新エレメント作成処理の途中で作成される別のデータの説明図である。
【0154】
図11の例では、更新エレメント1_1101に、リンク列1ヘッダ情報に含まれる有料フラグ433A及び433Bが差分データ項目として含まれる。このため、更新データ抽出部13は、リンク列1ヘッダ情報421Aのリンク列ヘッダID「1」が付加されたデータ項目を含む更新エレメントを検索する。図11の例では、更新エレメント2_1102のリンク列1リンク情報422A及び422Bの各データ項目にリンク列ヘッダID「1」が付加されている。このため、更新データ抽出部13は、更新エレメント1_1101及び更新エレメント2_1102をまとめることによって、図12に示す更新エレメント1_1201を作成する。更新エレメント1_1201は、リンク情報に含まれる各データ項目にリンク列ヘッダIDが付加されている点を除いて図7に示したものと同じであるため、これらについての説明は省略する。
【0155】
最後に、作成された更新エレメントに含まれる各データ項目から、ステップ901で付加したリンク列ヘッダIDを削除することによって、図7に示すような更新エレメントを作成し、更新データ記憶部12に格納する(ステップ907)。以上で本実施形態の更新エレメントの作成処理が終了する。
【0156】
なお、図2に示す道路データが地図データ記憶部16に格納されている場合、図8及び図9のいずれの手順を用いても、図3に示す更新エレメントを作成することができる。それらの更新エレメントがリンク列ヘッダに関するデータ項目を含まない(すなわち、新旧データのリンク列ヘッダが同一である)ためである。しかし、本実施形態の更新データ抽出部13は、新旧データのリンク列ヘッダが異なる場合に図7のような更新エレメントを作成できるように、図9に示す手順によって更新エレメントを作成する。
【0157】
以上、本発明の実施形態によれば、通信する地図更新データの量を抑制しつつ、リンク列の属性の変更に起因する道路データの矛盾の発生を防止することができる。これによって、矛盾した道路データに基づく誤った経路検索が防止される。
【符号の説明】
【0158】
10 地図配信サーバ
11、26 管理データ記憶部
12 更新データ記憶部
13 更新データ抽出部
14 更新データ管理部
15、21 ネットワークインターフェース(I/F)
16、27 地図データ記憶部
17、28 プロセッサ
18、29 メモリ
20 ナビゲーション端末
22 配信要求部
23 地図更新部
24 ナビゲーション処理部
25 画面入出力I/F
30 無線通信装置
31 無線基地局
40 ネットワーク
41 インターネット
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図データを利用したサービスを利用者に提供する技術に関し、特に、ナビゲーション装置が保持する地図データを更新する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置等が保持する地図データを更新する技術として、例えば特許文献1から特許文献3が知られている。
【0003】
特許文献1によれば、更新される複数のリンクデータのうち、互いにネットワークとして接続されているものが一つの地図更新データとして管理される。指定された領域の地図データの更新が要求された場合、その領域に少なくとも一部が属する地図更新データによって地図データが更新される。これによって、更新後の道路ネットワークの接続性を保証しつつ、更新のために通信されるデータサイズを小さくすることができる。
【0004】
特許文献2によれば、指定された領域の地図データの更新が要求された場合、指定された領域の差分更新データと、それが依存する更新データとが特定され、それらのうち古いものから順に更新が行われる。これによって、更新データ量を抑えつつ、所望の領域の地図データを最新の状態に更新し、かつ、指定された領域とそれに隣接する更新されない領域との整合性も保つことができる。
【0005】
特許文献3によれば、リンクごとに、リンクデータが更新された日時を示す情報、及び、更新の影響が及ぶ範囲を示す情報がサーバに保持される。そして、端末が、指定された領域の地図データの更新を要求すると、サーバは、その領域内のリンク、及び、それらのリンクの更新の影響が及ぶリンクのうち、前回の更新要求より後に更新されたリンクのデータのみを端末に送信する。これによって、不要な通信トラフィックの発生を抑制し、かつ、更新後の地図に矛盾が生じないように地図データを更新することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−90195号公報
【特許文献2】特開2007−241003号公報
【特許文献3】国際公開第06/011278号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在普及している一般的な車載用ナビゲーションシステムの地図データのフォーマットによれば、道路の属性(例えば、その道路が有料道路であるか否か、等)を示す情報は、道路の各区間に対応する各リンクデータにではなく、複数のリンクからなるリンク列に付与されたリンク列ヘッダに含まれる。このような場合において、リンク列の属性が変更された場合、上記特許文献1〜3に記載されたように地図データを更新すると、変更されたリンクの属性が正しく地図データに反映されない場合がある。
【0008】
例えば、一続きの道路の一部が有料区間であり、それに続く残りの部分が無料区間である場合、有料区間と無料区間はそれぞれ別のリンク列として管理される。この場合、それぞれのリンク列に対応するリンク列ヘッダが保持され、有料区間に対応するリンク列ヘッダは有料道路を示す属性情報を含み、無料区間に対応するリンク列ヘッダは無料道路を示す属性情報を含む。その後、有料区間が無料区間に変更された場合、有料区間に対応するリンク列ヘッダの属性を無料道路に更新し、以前の無料区間に対応するリンク情報を削除し、その削除された無料区間に対応するリンク情報を、新たに無料区間に変更されたリンク列に追加する必要がある。これによって、属性の変更が正しく地図データに反映される。しかし、上記特許文献1〜3に記載された方法によれば、上記のリンク列ヘッダの更新、リンク情報の削除及び追加のうち一部のみが実行される場合がある。その場合、例えば更新後のすべてのリンクが有料区間として扱われるなど、地図データと実際の道路の状況との間に矛盾が発生することがある。
【0009】
このようなフォーマットが使用される場合、リンクデータごとの更新を禁止し、常にリンク列ヘッダを含むリンク列全体を更新すれば、上記のような矛盾の発生を防ぐことができる。しかし、この場合、少数のリンクデータのみを更新する場合であっても常にリンク列全体のデータを通信する必要がある。加えて、上記特許文献1〜3に示すように、リンクの不連続などの問題の発生を防ごうとすれば、さらに多くのリンクデータを通信する必要が生じる。
【0010】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、通信するデータ量の増加を抑制しつつ、上記のようなリンクの属性の矛盾の発生を防止する地図データの更新を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、ネットワークに接続される地図データ配信サーバであって、前記地図データ配信サーバは、前記ネットワークに接続されるインターフェースと、前記インターフェースに接続されるプロセッサと、前記プロセッサに接続される記憶装置と、を備え、第1の道路データと、前記第1の道路データより新しいバージョンである第2の道路データと、を保持し、前記第1の道路データと第2の道路データとをデータ項目ごとに比較することによって、前記第1の道路データと前記第2の道路データとの間の差分データ項目を作成し、各々が単一の又は連続するリンクに関する一つ以上の前記差分データ項目を含む、複数の更新エレメントを作成し、前記複数の更新エレメントのうち第1の更新エレメントが、第1のリンク列の属性に関する差分データ項目を含み、かつ、前記複数の更新エレメントのうち第2の更新エレメントが、前記第1のリンク列に属するリンクに関する差分データ項目を含む場合、前記第1の更新エレメント及び前記第2の更新エレメントに含まれる全ての前記差分データ項目を含む第3の更新エレメントを作成し、前記ネットワークに接続された端末装置から受信した地図更新要求が、前記第3の更新エレメント内の前記差分データ項目に関するリンクを含む地図上の範囲を指定した場合、前記第3の更新エレメントを前記端末装置に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一実施形態によれば、地図データの更新の際に、通信するデータ量の増加を抑制しつつ、リンクの属性の矛盾が発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態の地図データ配信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の地図データ配信システムにおける道路データの説明図である。
【図3】道路データを更新するための更新エレメントの説明図である。
【図4】本発明の実施形態の地図データ配信システムにおける道路データの別の例の説明図である。
【図5】道路データを更新するための更新エレメントの別の例の説明図である。
【図6】更新エレメントごとの地図データの更新の説明図である。
【図7】本発明の実施形態の地図データ配信システムにおける道路データを更新するための更新エレメントの説明図である。
【図8】更新エレメントを作成する手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態の地図配信サーバが更新エレメントを作成する手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態の地図配信サーバによってリンクの識別子が付加された道路データを示す説明図である。
【図11】本発明の実施形態の更新エレメント作成処理の途中で作成されるデータの説明図である。
【図12】本発明の実施形態の更新エレメント作成処理の途中で作成される別のデータの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態の地図データ配信システムの構成を示すブロック図である。
【0016】
本実施形態の地図データ配信システムは、ネットワーク40に接続された地図配信サーバ10と、ネットワーク40を介して地図配信サーバ10と通信するナビゲーション端末20と、を備える。
【0017】
地図配信サーバ10は、互いに接続されたプロセッサ17、メモリ18、ネットワークインターフェース(I/F)15、管理データ記憶部11、更新データ記憶部12及び地図データ記憶部16を備える計算機である。
【0018】
プロセッサ17は、メモリ18に格納されたプログラムを実行する。
【0019】
メモリ18は、例えば半導体メモリであり、プロセッサ17によって実行されるプログラム及びプロセッサ17によって参照されるデータ等を格納する。本実施形態のメモリ18には、更新データ抽出部13及び更新データ管理部14が格納される。これらのプログラムの処理については後述する。以下の説明において更新データ抽出部13及び更新データ管理部14が実行する処理は、実際には、プロセッサ17によって実行される。
【0020】
ネットワークI/F15は、ネットワーク40に接続され、ナビゲーション端末20等と通信する。
【0021】
管理データ記憶部11、更新データ記憶部12及び地図データ記憶部16は、ハードディスクドライブ(HDD)またはフラッシュメモリのような記憶装置であってもよいし、そのような記憶装置内の記憶領域であってもよい。
【0022】
地図データ記憶部16には、地図データが格納される。地図データは、地図の構成物(地物)の位置及び形状を示す座標値等を含む。現実の地物は随時更新される。その一例は、道路の新設、廃止又は付け替えのような道路ネットワークの更新である。地図データは、過去のある時点における地物に関する情報(例えば後述するバージョン1の道路データ)と、それより後の時点における地物に関する情報(例えば後述するバージョン2の道路データ)と、を含んでもよい。
【0023】
なお、一般に地図データは、地図上の所定の矩形の範囲ごとに管理される。この矩形の範囲は、パーセル又はメッシュと呼ばれる。各パーセルには固有の識別子(パーセルID)が付与される。
【0024】
更新データ記憶部12には、地物を単位とする地図更新データ(地図情報及び道路ネットワーク情報を含む)が格納される。地図更新データは、例えばナビゲーション端末20がバージョン1の地図データを保持している場合に、それをより新しいバージョン2の地図データに更新するために作成及び送信されるデータであり、具体的には、少なくともこれらのバージョンの差分データを含む。地図更新データの詳細については後述する。
【0025】
管理データ記憶部11には、地図更新データを管理するための情報が格納される。例えば、管理データ記憶部11には、地図更新データのバージョン(すなわち差分の世代)を示す情報、及び、地図更新データが適用されるべき位置を示すパーセルID等が格納される。
【0026】
ナビゲーション端末20は、ユーザを目的地まで誘導するために、経路検索及び検索結果の出力等を行う移動端末である。本実施形態では典型的な例として、ナビゲーション端末20が自動車に搭載される車載用ナビゲーション端末である場合について説明するが、例えば歩行者に携帯されるナビゲーション端末等、種々の移動端末に本発明を適用することができる。
【0027】
本実施形態のナビゲーション端末20は、互いに接続されたプロセッサ28、メモリ29、ネットワークI/F21、画面入出力I/F25、管理データ記憶部26及び地図データ記憶部27を備える。
【0028】
プロセッサ28は、メモリ29に格納されたプログラムを実行する。
【0029】
メモリ29は、例えば半導体メモリであり、プロセッサ28によって実行されるプログラム及びプロセッサ28によって参照されるデータ等を格納する。本実施形態のメモリ29には、配信要求部22、地図更新部23及びナビゲーション処理部24が格納される。
【0030】
配信要求部22は、地図更新データの配信要求(以下、地図データ更新要求と記載)を地図配信サーバ10に送信する。地図更新部23は、配信された地図更新データを用いて、地図データ記憶部27に格納された地図データを更新する。これらの処理については後述する。以下の説明において配信要求部22、地図更新部23及びナビゲーション処理部24が実行する処理は、実際にはプロセッサ28によって実行される。
【0031】
ナビゲーション処理部24は、地図データ記憶部27に格納された地図データに基づいて、目的地までの経路を検索し、その経路に沿ってユーザを誘導する。このような経路検索及び誘導は従来の車載用ナビゲーション端末と同様であるため、これらに関する詳細な説明は省略する。
【0032】
画面入出力I/F25は、ユーザに対して地図情報等を表示する画面と、ユーザからの入力を受け付ける入力装置と、を含む。例えば、画面入出力I/F25は、タッチパッド付きの液晶表示装置であってもよい。
【0033】
ネットワークI/F21は、無線通信装置30に接続される。無線通信装置30は、ネットワーク40に接続された無線基地局31と無線通信を行う。ネットワークI/F21は、無線通信装置30、無線基地局31及びネットワーク40を介して地図配信サーバ10との間の通信を実行する。後述する地図データ更新要求の送信(51)及び地図更新データの受信(52)はこのような通信によって実現される。
【0034】
なお、無線通信装置30は、ナビゲーション端末20に内蔵されてもよい。
【0035】
管理データ記憶部26及び地図データ記憶部27は、ハードディスクドライブ(HDD)またはフラッシュメモリのような記憶装置であってもよいし、そのような記憶装置内の記憶領域であってもよい。
【0036】
地図データ記憶部27には、ナビゲーション処理部24によって参照される地図データが格納される。この地図データは、地図配信サーバ10から送信された地図更新データに基づいて更新される。
【0037】
管理データ記憶部26には、地図データを管理するための情報が格納される。例えば、管理データ記憶部26には、自車(すなわちナビゲーション端末20を搭載している車)の位置がどのパーセルに属するかを示す緯度経度−パーセルID対応情報、及び、地図に適用した地図更新データの識別情報等が格納される。
【0038】
ネットワーク40はインターネット41に接続される。地図配信サーバ10は、インターネット41を介して新しいバージョンの地図データを取得してもよい。
【0039】
図2は、本発明の実施形態の地図データ配信システムにおける道路データの説明図である。
【0040】
ナビゲーション端末20は、地図データ記憶部27に地図データを保持し、それに基づいて経路検索等を実行する。一方、地図配信サーバ10は、現実の道路ネットワークの変更等が反映された新バージョンの地図データを取得すると、それに基づいて、ナビゲーション端末20が保持している旧バージョンの地図データを新バージョンに更新するための地図更新データを作成し、それを更新データ記憶部12に格納する。図2には、地図データ記憶部16に格納される地図データの例として、旧バージョン(Ver.1)と新バージョン(Ver.2)の地図データを示す。
【0041】
なお、一般に地図データは、道路ネットワークに関するデータ(道路データ)に加えて、道路以外の地物、例えば建物、河川及び行政区等に関するデータも含む。しかし、図2には本実施形態の説明のために必要な道路データのみを示し、その他のデータについては図示を省略する。図3以降についても同様である。
【0042】
周知のように、地図データ上で、道路は、ノードとリンクとの組み合わせによって表現される。ノードは交差点に、リンクは二つの交差点を接続する道路の区間に対応する。
【0043】
図2(a)は、例として、五つの交差点と、それらを接続する四つの区間と、からなる有料道路を表現するノード及びリンクを示す。図2(a)に示すバージョン1(Ver.1)の道路データは、node1_201A〜node5_205Aの五つのノードと、link1_211A〜link4_214Aの四つのリンクによって表現される。link1_211Aはnode1_201Aとnode2_202Aとを接続し、link2_212Aはnode2_202Aとnode3_203Aとを接続し、link3_213Aはnode3_203Aとnode4_204Aとを接続し、link4_214Aはnode4_204Aとnode5_205Aとを接続する。
【0044】
以下の説明において、二つの区間が一つの交差点に接続されている場合、それらの区間を連続する区間と記載し、それらの区間に対応するリンクを連続するリンクと記載する。例えば図2(a)においてnode2_202Aに接続されるlink1_211Aとlink2_212Aとは連続する。同様に、link2_212Aとlink3_213Aとは連続し、link3_213Aとlink4_214Aとは連続する。結局、link1_211Aからlink4_214Aまでの四つのリンクは連続している。
【0045】
バージョン1の道路データが作成された後、実際の道路が付け替え等によって変更された場合、その変更が反映された道路データ、すなわちバージョン2(Ver.2)の道路データが作成される。図2の例では、link1_211A、link3_213A及びlink4_214Aに対応する区間の道路の形状が変更されたため、これらのリンクがバージョン2ではそれぞれlink1_211B、link3_213B及びlink4_214Bによって置き換えられている。バージョン2のその他のリンク及びノードはバージョン1と同じである。
【0046】
道路データは、さらに、道路の属性を示す情報を含む。道路の属性を示す情報は、例えば道路の種別(例えば国道又は県道)、路線番号、又はその道路が有料道路又は無料道路のいずれであるか、等の属性を示す情報を含むが、上記以外の属性を示す情報を含んでもよい。一般に、連続する複数のリンクの属性が共通する場合が多い。例えば、ある有料道路の始点から終点までのすべてのリンクは、有料道路という属性を有する。
【0047】
図2に示す道路データにおいて、属性が共通する複数の連続したリンク及びそれらに接続されるノードが一つのリンク列として扱われ、属性を示す情報はリンク列ごとに付与される。図2(a)の例において、バージョン1のlink1_211A〜link4_214Aの四つのリンクは一つのリンク列(すなわちバージョン1のリンク列1_210A)として扱われ、バージョン2のlink1_211B〜link4_214Bの四つのリンクも一つのリンク列(すなわちバージョン2のリンク列1_210B)として扱われる。
【0048】
図2(b)は、図2(a)のノード及びリンクによって表現される道路データの具体的なフォーマットを示す。
【0049】
図2(b)の例において、バージョン1の道路データ220Aは、リンク列1ヘッダ情報221A及びリンク列1リンク情報222Aからなる。
【0050】
リンク列1ヘッダ情報221Aは、リンク列1_210Aの属性(すなわち、リンク列1_210Aに含まれるすべてのリンクの属性)を示す情報を含む。図2(b)の例において、リンク列1ヘッダ情報221Aは、道路種別231A、路線番号232A、及び、有料フラグ233Aを含む。道路種別231Aは、そのリンク列1_210Aに対応する道路の種別、例えばそれが国道であるか県道であるか等を示す情報である。路線番号232Aは、その道路に付与された番号、例えば国道番号を示す情報である。有料フラグ233Aは、その道路が有料道路であるか無料道路であるかを示す情報である。図2(b)の例の有料フラグ233Aは、その道路が有料道路であることを示している。
【0051】
リンク列1リンク情報222Aは、リンク列1_210Aに含まれるノード及びリンクに関する情報を含む。図2(b)の例において、リンク列1リンク情報222Aは、node1ノード情報241A〜node5ノード情報245A、link1形状情報251A〜link4形状情報254A、link1通行規制情報261A〜link4通行規制情報264A、及びlink1その他情報271A〜link4その他情報274Aを含む。
【0052】
node1ノード情報241A〜node5ノード情報245Aは、それぞれ、node1_201A〜node5_205Aに対応する交差点に関する情報、例えばそれらの交差点の座標を示す情報等を含む。
【0053】
link1形状情報251A〜link4形状情報254Aは、それぞれ、link1_211A〜link4_214Aに対応する区間の道路の形状を示す情報を含む。例えば、この情報は、それらの区間の道路上の一つ以上の点の座標を示す情報等を含んでもよい。
【0054】
link1通行規制情報261A〜link4通行規制情報264Aは、それぞれ、link1_211A〜link4_214Aに対応する区間の通行規制に関する情報を含む。
【0055】
link1その他情報271A〜link4その他情報274Aは、それぞれ、link1_211A〜link4_214Aに対応する区間に関するその他の情報、例えばそれらの区間の通過に要する時間に関する情報等を含む。
【0056】
なお、上記は道路データに含まれる情報の一例に過ぎず、実際の道路データは道路に関するさらに詳細な情報を含んでもよい。
【0057】
図2(a)に示すように、バージョン1のリンク列1_210Aのlink1_211A、link3_213A及びlink4_214Aに対応する区間の道路の形状が変更されたため、これらのリンクが、バージョン2ではそれぞれlink1_211B、link3_213B及びlink4_214Bによって置き換えられている。このため、バージョン2の道路データ220Bは、上記の三つのリンクの形状を示す情報を除いてバージョン1の道路データ220Aと同じである。
【0058】
具体的には、link1形状情報251A、link3形状情報253A及びlink4形状情報254Aが、それぞれ、変更された後の形状を示すlink1形状情報−2_251B、link3形状情報−2_253B及びlink4形状情報−2_254Bによって置き換えられる。リンク列1リンク情報222Bのうち、これらの三つのリンクの形状情報以外の部分は、リンク列1リンク情報222Aと同じである。
【0059】
図2に示したようにリンク列ごとに属性情報が付与される道路データのフォーマットとして、KIWIフォーマットが知られている。本発明は、KIWIフォーマットに適用することができるが、リンク列ごとに属性情報が付与される限り、KIWIフォーマット以外のフォーマットにも適用することができる。
【0060】
図3は、道路データを更新するための更新エレメントの説明図である。
【0061】
具体的には、図3は、図2に示す道路データに対応する更新エレメントの例を示す。
【0062】
図2に示すバージョン1の道路データ220Aを保持している地図配信サーバ10は、新たにバージョン2の道路データ220Bを取得すると、バージョン1の道路データ220Aをバージョン2の道路データ220Bに更新するための地図更新データを作成して更新データ記憶部12に格納する。格納された地図更新データは、ナビゲーション端末20からの要求に応じて送信される。
【0063】
このような地図更新データは、バージョン2の道路データ220B全体を含んでもよい。しかし、例えばナビゲーション端末20が移動しながら無線によるパケット通信等を利用して現在地周辺の地図データを更新する場合には、迅速性が要求される。また、通信するデータ量に課金される場合、通信コストを抑制するためにデータ量を抑制することが望ましい。これらの観点から、地図更新データの量は少ないことが望ましい。このため、本実施形態の地図配信サーバ10は、新旧の道路データの差分のみを地図更新データとして作成する。
【0064】
図2の例では、二つの道路データの差分はlink1形状情報−2_251B、link3形状情報−2_253B及びlink4形状情報−2_254Bのみである。このため、地図配信サーバ10は、link1形状情報251Aをlink1形状情報−2_251Bに更新することを指示する情報を地図更新データとして作成する。この情報は、例えば、更新されたlink1_211Bに対応する区間の道路の座標値を示す情報を含む。同様に、地図配信サーバ10は、link3形状情報253Aをlink3形状情報−2_253Bに更新することを指示する情報、及び、link4形状情報254Aをlink4形状情報−2_254Bに更新することを指示する情報を地図更新データとして作成する。
【0065】
本実施形態では、原則として、一つのデータ項目を更新するための地図更新データが一つの更新エレメントとして扱われる。ここで一つのデータ項目とは、図2(b)に示す地図データの各項目、すなわち、各行に対応する項目である。例えば、有料フラグ233A、link1形状情報251A及びnode3ノード情報243Aは、それぞれ、一つのデータ項目である。図3の例では、link1形状情報251Aをlink1形状情報−2_251Bに更新することを指示する情報が更新エレメント1_301として扱われる。
【0066】
ただし、上記のように作成した地図更新データが、単一の区間又は連続した複数の区間に関する情報を含む場合、それらの区間に関する更新データが一つの更新エレメントとして扱われる。ここで、ある区間に関する情報には、その区間に対応するリンクの形状等に関する情報、そのリンクの始点ノード及び終点ノードに関する情報が含まれ、そのリンクがリンク列の先頭リンクである場合、そのリンク列のヘッダ情報も含まれる。
【0067】
図3の例では、link3形状情報253Aをlink3形状情報−2_253Bに更新することを指示する情報、及び、link4形状情報254Aをlink4形状情報−2_254Bに更新することを指示する情報が、一つの更新エレメント、すなわち更新エレメント2_302として扱われる。地図配信サーバ10は、このように作成した更新エレメントをナビゲーション端末20に送信する。
【0068】
例えばナビゲーション端末20は、自車の現在地(又は目的地)の周辺の所定の範囲内の地図データの更新を地図配信サーバ10に要求してもよい(図1のステップ51)。具体的には、例えばユーザが地図データの更新要求を画面入出力I/Fに入力すると、ナビゲーション端末20の配信要求部22が管理データ記憶部26を参照して自車の位置を含むパーセルのIDを特定し、そのパーセルの地図データの更新要求を地図配信サーバ10に送信する。あるいは配信要求部22が自動的に(例えば定期的に又は所定の条件が満たされたときに)地図データの更新要求を地図配信サーバに送信してもよい。
【0069】
更新要求を受信した地図配信サーバ10は、更新要求によって指定されたパーセル内の地物に関するデータを含む更新エレメントをナビゲーション端末20に送信する(図1のステップ52)。例えば、指定されたパーセルにlink1_211Aに対応する区間とlink3_213Aに対応する区間との両方が含まれる場合、地図配信サーバ10は更新エレメント1_301及び更新エレメント2_302の両方を地図更新データとしてナビゲーション端末20に送信する。一方、指定されたパーセルにlink1_211Aに対応する区間が含まれるが、link3_213Aに対応する区間は含まれない場合、地図配信サーバ10は更新エレメント1_301をナビゲーション端末20に送信するが、更新エレメント2_302は送信しない。
【0070】
なお、地図配信サーバ10は、各差分データ項目を含む更新エレメントを識別する情報(すなわち、各差分データ項目がどの更新エレメントに含まれるかを識別する情報)を更新エレメントに含めて送信する。この情報はどのようなものであってもよい。典型的には、従来から知られているように、各更新エレメントを区切る区切り文字、及び、各更新エレメントの識別子が、各更新エレメントに含めて送信される。このような情報に基づいて、ナビゲーション端末20は、受信した地図更新データのどこからどこまでが一つの更新エレメントに含まれるのかを特定することができ、それによって、一つの更新エレメントに含まれる全ての差分データ項目の、地図データへの反映が終了したか否かを判定することができる。
【0071】
ナビゲーション端末20の地図更新部23は、更新エレメントを受信すると、それに基づいて地図データ記憶部27に格納された地図データを更新する。このとき、地図更新部23は、一つの更新エレメントに基づく地図データの更新を開始してからそれが終了するまで、ナビゲーション処理部24がその地図データを用いた経路検索を実行することを禁止する。具体的には、例えば、link1形状情報251Aのlink1形状情報−2_251Bへの更新が終了したが、link3形状情報253A及びlink4形状情報254Aがまだ更新されていない時点の道路データを用いて経路検索をすることは許可される。しかし、link3形状情報253Aのlink3形状情報−2_253Bへの更新が終了したが、link4形状情報254Aのlink4形状情報−2_254Bへの更新が終了していない時点の道路データを用いて経路検索をすることは許可されない。
【0072】
連続したリンクの形状を更新する必要があるにもかかわらず、その一部の更新のみが反映されている場合、実際の道路は連続しているにもかかわらず、その道路に対応する地図データ上のリンクが途切れているという矛盾が発生し得る。しかし、上記のように更新エレメントごとに更新を管理することによって、上記のような矛盾を含んだ地図データに基づく経路検索を避けることができる。
【0073】
図4は、本発明の実施形態の地図データ配信システムにおける道路データの別の例の説明図である。
【0074】
図4(a)には、有料区間とそれに連続する無料区間とを含む道路に関する道路データ(バージョン1)と、それらのうち有料区間が無料区間に変更された後の道路データ(バージョン2)と、を示す。
【0075】
具体的には、バージョン1の道路データは、node1_401A〜node5_405Aの五つのノードと、link1_411A〜link3_413Aの三つのリンクによって表現される。link1_411Aはnode1_401Aとnode2_402Aとを接続し、link2_412Aはnode2_402Aとnode3_403Aとを接続し、link3_413Aはnode4_404Aとnode5_405Aとを接続する。
【0076】
この例において、link2_412Aに対応する区間と、link3_413Aに対応する区間とは、実際には連続しているが、それぞれの属性が異なる(前者の属性が有料道路、後者の属性が無料道路である)ため、これらは異なるリンク列に属する。すなわち、link1_411A及びlink2_412Aはリンク列1_410Aに属し、link3_413Aはリンク列2_430Aに属する。
【0077】
このため、link2_412Aに対応する区間とlink3_413Aに対応する区間とを接続する交差点は、実際には単一の交差点であるが、地図データ上では、有料区間の終点であるnode3_403A、及び、無料区間の始点であるnode4_404A、の二つのノードとして扱われる。しかし、上記のように実際にはこれらのノードは同一の交差点に対応するため、実質的には同一のノードである。このため、本実施形態では、link2_412Aとlink3_413Aとは連続するリンクとして扱われる。
【0078】
link1_411A及びlink2_412Aに対応する区間が有料区間から無料区間に変更されると、この変更が反映されたバージョン2の道路データが作成される。具体的には、link1_411A及びlink2_412Aを含むリンク列1_410Aのヘッダに含まれる属性情報が有料道路から無料道路に変更される。これによって図4に示す三つの区間の属性が同一になるため、link1_411A及びlink2_412Aを含むリンク列1_410Aは、上記の三つの区間に対応する三つのリンクを含むリンク列1_410Bに更新され、リンク列2_430Aは削除される。
【0079】
具体的には、図4(a)に示すバージョン2のリンク列1_410Bは、node1_401A、node2_402A、node6_406B及びnode7_407Bの四つのノードと、link1_411A、link2_412A及びlink4_414Bの三つのリンクと、を含む。
【0080】
node1_401A、node2_402A、link1_411A及びlink2_412Aはバージョン1と同じである。
【0081】
node6_406Bは、link2_412Aの終点ノードであり、バージョン1のnode3_403A及びnode4_404Aと同一の交差点に対応する。link4_414Bは、node6_406Bに接続されるリンクであり、バージョン1のlink3_413Aと同一の区間に対応する。node7_407Bは、link4_414Bの終点ノードであり、node5_405Aと同一の交差点に対応する。
【0082】
図4(b)は、図4(a)のノード及びリンクによって表現される道路データの具体的なフォーマットを示す。
【0083】
図4(b)の例において、バージョン1の道路データ420Aは、リンク列1ヘッダ情報421A、リンク列1リンク情報422A、リンク列2ヘッダ情報423A及びリンク列2リンク情報424Aからなる。これらの情報に含まれる各項目の意味については、図2(b)を参照して説明したとおりであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0084】
リンク列1ヘッダ情報421Aは、道路種別431A、路線番号432A、及び、有料フラグ433Aを含む。図4(b)の例の有料フラグ433Aは、リンク列1_410Aに対応する道路が有料道路であることを示している。
【0085】
リンク列1リンク情報422Aは、node1ノード情報441A〜node3ノード情報443A、link1形状情報451A〜link2形状情報452A、link1通行規制情報461A〜link2通行規制情報462A、及びlink1その他情報471A〜link2その他情報472Aを含む。
【0086】
リンク列2ヘッダ情報423Aは、道路種別434A、路線番号435A、及び、有料フラグ436Aを含む。図4(b)の例の有料フラグ436Aは、リンク列2_430Aに対応する道路が無料道路であることを示している。
【0087】
リンク列2リンク情報424Aは、node4ノード情報444A〜node5ノード情報445A、link3形状情報453A、link3通行規制情報463A、及びlink3その他情報473Aを含む。
【0088】
なお、既に説明したように、node3_403Aとnode4_404Aとは同一の交差点に対応する。このため、node3_403Aに対応するnode3ノード情報443Aは、node3_403Aがnode4_404Aに接続していることを示す情報を含み、node4_404Aに対応するnode4ノード情報444Aは、node4_404Aがnode3_403Aに接続していることを示す情報を含む。これらの情報を参照することによって、link2_412Aとlink3_413Aとが連続している、すなわち、図4の例においてlink1_411Aからlink3_413Aまでが連続している、と判定することができる。
【0089】
一方、図4(b)の例において、バージョン2の道路データ420Bは、リンク列1ヘッダ情報421B及びリンク列1リンク情報422Bからなる。
【0090】
リンク列1ヘッダ情報421Aは、道路種別431B、路線番号432B、及び、有料フラグ433Bを含む。図4(b)の例の有料フラグ433Bは、リンク列1_410Bに対応する道路が無料道路であることを示している。道路種別431B及び路線番号432Bは、それぞれ、バージョン1の道路種別431A及び路線番号432Aと同じである。
【0091】
リンク列1リンク情報422Bは、node1ノード情報441B〜node2ノード情報442B、node6ノード情報446B〜node7ノード情報447B、link1形状情報451B〜link2形状情報452B、link4形状情報454B、link1通行規制情報461B〜link2通行規制情報462B、link4通行規制情報464B、link1その他情報471B〜link2その他情報472B、及びlink4その他情報474Bを含む。
【0092】
node1ノード情報441B〜node2ノード情報442Bは、それぞれ、バージョン1のnode1ノード情報441A〜node2ノード情報442Aと同じである。link1形状情報451B〜link2形状情報452Bは、それぞれ、バージョン1のlink1形状情報451A〜link2形状情報452Aと同じである。link1通行規制情報461B〜link2通行規制情報462Bは、それぞれ、バージョン1のlink1通行規制情報461A〜link2通行規制情報462Aと同じである。link1その他情報471B〜link2その他情報472Bは、それぞれ、バージョン1のlink1その他情報471A〜link2その他情報472Aと同じである。
【0093】
node6ノード情報446Bは、node6_406Bに対応する交差点に関する情報を含む。node6_406Bに対応する交差点は、実際にはnode3_403A及びnode3_403Aに対応する交差点と同一であるため、node6ノード情報446Bの内容は、node3ノード情報443A又はnode4ノード情報444Aの内容と同一である。
【0094】
node7ノード情報447Bは、node7_407Bに対応する交差点に関する情報を含む。node7_407Bに対応する交差点は、実際にはnode5_405Aに対応する交差点と同一であるため、node7ノード情報447Bの内容は、node5ノード情報445Aの内容と同一である。
【0095】
link4形状情報454B、link4通行規制情報464B、及びlink4その他情報474Bは、それぞれ、link4_414Bに対応する区間の形状、通行規制及びその他の情報を含む。link4_414Bに対応する区間は、link3_413Aに対応する区間と同一であるため、link4形状情報454B、link4通行規制情報464B、及びlink4その他情報474Bの内容は、それぞれ、link3形状情報453A、link3通行規制情報463A、及びlink3その他情報473Aの内容と同一である。
【0096】
図5は、道路データを更新するための更新エレメントの別の例の説明図である。
【0097】
具体的には、図5は、図4に示す道路データに対応する更新エレメントの例を示す。この更新エレメントは、後述する図8に示す手順によって作成される。ただし、後述するように(図6参照)、図5に示す更新エレメントを用いた場合、リンク情報の更新に関する矛盾は発生しないが、ヘッダ情報の更新に関する矛盾が発生する可能性がある。以下、説明の便宜上、地図配信サーバ10が図5に示す更新エレメントを作成するように説明するが、実際には、本発明の実施形態の地図配信サーバ10は、さらに改善された更新エレメントを作成する(図7及び図9参照)。
【0098】
ナビゲーション端末20が図4に示すバージョン1の道路データ420Aを保持している場合に、それをバージョン2の道路データ420Bに更新するためには、有料道路を示す有料フラグ433Aを、無料道路を示す有料フラグ433Bに置き換えることを指示する情報、リンク列1リンク情報422Aからnode3ノード情報443Aを削除することを指示する情報、リンク列2ヘッダ情報423A及びリンク列2リンク情報424Aの各項目を削除することを指示する情報、及び、リンク列1リンク情報422Aにnode6ノード情報446B、link4形状情報454B、link4通行規制情報464B、link4その他情報474B及びnode7ノード情報447Bを追加することを指示する情報を含む地図更新データが作成される。
【0099】
この場合も、図3の場合と同様、単一の又は連続した区間に関する地図更新データが一つの更新エレメントとして作成される。
【0100】
図5の例では、リンク列1_410Aの先頭に付与されたリンク列1ヘッダ情報421Aに関する地図更新データが更新エレメント1_501として作成される。すなわち、更新エレメント1_501には、有料フラグ433Aを有料フラグ433Bに更新することを指示する情報が含まれる。
【0101】
一方、link3_413Aに関する情報が更新エレメント2_502として作成される。
【0102】
具体的には、link3形状情報453A、link3通行規制情報463A及びlink3その他情報473Aを削除することを指示する情報が更新エレメント2_502に含まれる。
【0103】
さらに、link3_413Aの始点ノードであるnode4_404Aに関するnode4ノード情報444Aを削除することを指示する情報が更新エレメント2_502に含まれる。
【0104】
さらに、node4_404Aと実質的に同一のノードであるnode4_404Aに関するnode3ノード情報443Aを削除することを指示する情報が更新エレメント2_502に含まれる。
【0105】
さらに、link3_413Aの終点ノードであるnode5_405Aに関するnode5ノード情報445Aを削除することを指示する情報が更新エレメント2_502に含まれる。
【0106】
さらに、link3_413Aがリンク列2_430Aの先頭のリンクであるであるため、リンク列2ヘッダ情報423Aを削除することを指示する情報が更新エレメント2_502に含まれる。
【0107】
道路データ420A及び420Bを参照すると、node4_404A及びnode6_406Bがいずれもlink2_412Aの終点ノードであることがわかる。このため、これらのノードに接続されたlink3_413A及びlink4_414Bは、同一の区間に対応するか、又は、連続する二つの区間にそれぞれ対応するか、のいずれかであると判定することができる(図4の例では同一の区間に対応している)。このため、更新エレメント2_502は、さらに、link4_414Bに関する情報を含む。
【0108】
具体的には、さらに、link4形状情報454B、link4通行規制情報464B及びlink4その他情報474Bを追加することを指示する情報が更新エレメント2_502に含まれる。
【0109】
さらに、link4_414Bの始点ノードであるnode6_406Bに関するnode6ノード情報446Bを追加することを指示する情報が更新エレメント2_502に含まれる。
【0110】
さらに、link4_414Bの終点ノードであるnode7_407Bに関するnode7ノード情報447Bを追加することを指示する情報が更新エレメント2_502に含まれる。
【0111】
図3の場合と同様、ナビゲーション端末20は、自車の現在地(又は目的地)の周辺の所定の範囲内の地図データの更新を地図配信サーバ10に要求してもよい。更新要求を受信した地図配信サーバ10は、更新要求によって指定された範囲内の地物に関するデータを含む更新エレメントをナビゲーション端末20に送信する。しかし、これによって更新後の地図データに矛盾が発生する場合がある。次に、この矛盾について説明する。
【0112】
図6は、更新エレメントごとの地図データの更新の説明図である。
【0113】
例えば、指定された範囲にlink1_411A及びlink3_413Aの両方が含まれる場合、これらのリンクに関する更新データを含む更新エレメント1_501及び更新エレメント2_502の両方がナビゲーション端末20に送信される。これらの更新エレメントに基づいて、ナビゲーション端末20が保持する地図データは、図4に示すバージョン2に更新される。この場合、地図データに矛盾は発生しない。
【0114】
一方、例えば、指定された範囲にlink1_411Aが含まれるが、link3_413Aは含まれない場合、link1_411Aに関する更新データを含む更新エレメント1_501は送信されるが、それを含まない更新エレメント2_502は送信されない。この場合、図6(a)に示すように、リンク列1_410Aのヘッダ情報が更新されるが、リンク列2_430A等の削除、及び、リンク列1_410Aへのlink4_414B等の追加は行われない。その結果、更新後のバージョン2の道路データは、図4に示したバージョン2とは異なっている。すなわち、図4に示すバージョン2の道路データがリンク列1_410Bのみからなるのに対して、図6(a)のバージョン2の道路データは、リンク列1_410C及びリンク列2_430Aからなる。
【0115】
しかし、図6(a)のバージョン2の各リンクの形状及び通行規制等に関する情報は、図4のバージョン2の各リンクのものと同一である。さらに、図6(a)に示す二つのリンク列の属性は、図4のバージョン2のリンク列1_410Bと同様、無料道路である。このため、図6(a)のバージョン2の道路データを用いて経路検索を行ったとしても、図4のバージョン2の道路データを用いた場合と同様の結果を得ることができる。
【0116】
一方、例えば、指定された範囲にlink1_411Aが含まれないが、link3_413Aは含まれる場合、link3_413Aに関する更新データを含む更新エレメント2_502は送信されるが、それを含まない更新エレメント1_501は送信されない。この場合、図6(b)に示すように、リンク列2_430A等の削除、及び、リンク列1_410Aへのlink4_414B等の追加は行われるが、リンク列1_410Aのヘッダ情報は更新されない。その結果、更新後のバージョン2の道路データは、図4に示したバージョン2とは異なっている。すなわち、図4に示すバージョン2の道路データが無料道路であるリンク列1_410Bからなるのに対して、図6(b)のバージョン2の道路データは、有料道路であるリンク列1_410Dからなる。
【0117】
図6(b)の場合、更新要求がされた範囲内にlink3_413Aが含まれていたということは、link3_413Aに対応する更新後のlink4_414Bが経路検索の対象になる可能性があることを意味する。しかし、上記のように、更新後の道路データには、本来無料区間であるべきlink4_414Bが有料区間として扱われるという矛盾がある。このため、図6(b)のバージョン2の道路データを用いて経路検索を行うと、図4のバージョン2の道路データを用いた場合と異なる結果が得られることになる。
【0118】
以下、このような矛盾の発生を防ぐ更新エレメントの作成について説明する。
【0119】
図7は、本発明の実施形態の地図データ配信システムにおける道路データを更新するための更新エレメントの説明図である。
【0120】
具体的には、図7は、ナビゲーション端末20が図4に示すバージョン1の道路データ420Aを保持している場合に、それをバージョン2に更新するために、本実施形態の地図配信サーバ10が作成する更新エレメントを示す。
【0121】
図5に示す更新エレメント1_501は、リンク列1_410Aのヘッダに含まれる項目の置き換えを指示する情報を含む。一方、更新エレメント2_502は、リンク列1_410Aからノードを削除することを指示する情報、及び、リンク列1_410A(すなわち更新後のリンク列1_410B)に新たなノード及びリンクを追加することを指示する情報を含む。このように、一つの更新エレメントがいずれかのリンク列のヘッダ情報の更新を指示する情報を含み、さらに、そのリンク列に含まれる別のデータ項目の更新を指示する情報が別の更新エレメントに含まれる場合、本実施形態の地図配信サーバ10の更新データ抽出部13は、それらの更新エレメントを一つの更新エレメントに統合する。
【0122】
具体的には、図7に示す更新エレメント1_701は、図5に示す更新エレメント1_501及び更新エレメント2_502の両方の内容(すなわち、それらの更新エレメントに含まれる全ての差分データ項目)を含む。その結果、例えば、ナビゲーション端末20からの更新要求によって指定された範囲にlink1_411A及びlink3_413Aの両方が含まれる場合、link1_411Aが含まれるがlink3_413Aは含まれない場合、及び、指定された範囲にlink1_411Aは含まれないがlink3_413Aは含まれる場合、のいずれの場合であっても、本実施形態の地図配信サーバ10は更新エレメント1_701を送信する。
【0123】
図3の場合と同様、更新エレメント1_701は、区切り文字及び更新エレメントの識別子のような、各差分データ項目が更新エレメント1_701に含まれることを識別する情報を含む。既に説明したように、ナビゲーション端末20のナビゲーション処理部24は、一つの更新エレメントに基づく地図データの更新が開始されてからそれが終了するまでの間、その地図データに基づく経路検索を実行しない。すなわち、図7に示す更新エレメント1_701を受信したナビゲーション端末20は、更新エレメント1_701に含まれる全ての差分データ項目の地図データへの反映が終了するまで、ナビゲーション処理部24による経路検索を禁止する。
【0124】
このため、ナビゲーション端末20からの更新要求によって指定された範囲にlink1_411A及びlink3_413Aの両方が含まれる場合、又は、それらのうち一方のみが含まれる場合、のいずれの場合であっても、図6に示すものではなく、図4に示すバージョン2の道路データ420Bに基づく経路検索が実行される。これによって、図6に示すような矛盾した道路データに基づく誤った経路検索を防ぐことができる。
【0125】
図8は、更新エレメントを作成する手順を示すフローチャートである。
【0126】
図8に示す手順によって、図5に示す更新エレメントが作成される。本実施形態の地図配信サーバ10の更新データ抽出部13は、実際には、より改善された図9に示す手順によって更新エレメントを作成する。しかし、ここでは、説明の便宜上、図8に示す手順を更新データ抽出部13が実行するように記載する。
【0127】
最初に、更新データ抽出部13は、地図データ記憶部16に格納されている新バージョンの道路データの各データ項目と、それぞれに対応する旧バージョンの道路データの各データ項目と、を対照して、差分項目を抽出する(ステップ801)。ここでは、例として、図4に示すバージョン1(旧バージョン)の道路データ420A及びバージョン2(新バージョン)の道路データ420Bが地図データ記憶部16に格納されている場合について説明する。
【0128】
図4に表示されている「リンク列1」の「1」、「node1」の「1」、及び「link1」の「1」等は、それぞれ、リンク列、ノード及びリンクの識別子である。図2等についても同様である。更新データ抽出部13は、同一の識別子が付与された新旧のデータ項目を、対応するデータ項目として対照する。
【0129】
上記の対照の結果、新バージョンの項目の内容が旧バージョンと異なる場合、更新データ抽出部13は、その項目を変更差分項目として抽出する。旧バージョンの項目が新バージョンでは削除されている場合、その項目を削除差分項目として抽出する。旧バージョンでは存在しない項目が新バージョンに含まれている場合、その項目を追加差分項目として抽出する。
【0130】
なお、ナビゲーション端末20の地図更新部23は、受信した更新エレメントに変更差分項目が含まれる場合、それが示すデータ項目の内容を新バージョンの内容に更新する。削除差分項目が含まれる場合、それが示す旧バージョンのデータ項目を地図データから削除する。追加差分項目が含まれる場合、それが示す新バージョンのデータ項目を地図データに追加する。
【0131】
図4の例では、有料道路を示す有料フラグ433Aが無料道路を示す有料フラグ433Bによって置き換えられる。このため、これらのデータ項目が変更差分項目として抽出される。
【0132】
さらに、図4の例では、node3ノード情報443A、リンク列2ヘッダ情報423Aに含まれる全データ項目、及び、リンク列2リンク情報424Aに含まれる全データ項目が削除される。このため、これらのデータ項目が削除差分項目として抽出される。
【0133】
さらに、図4の例では、node6ノード情報446B、link4形状情報454B、link4通行規制情報464B、link4その他情報474B及びnode7ノード情報447Bが追加される。このため、これらのデータ項目が追加差分項目として抽出される。
【0134】
次に、更新データ抽出部13は、ステップ801が全てのデータ項目について終了したか否かを判定する(ステップ802)。全てのデータ項目についてステップ801が終了していない場合、更新データ抽出部13は、残りのデータ項目についてステップ801を実行する。
【0135】
全てのデータ項目についてステップ801が終了した場合、更新データ抽出部13は、ステップ801で抽出した差分項目のうち、同一の又は連続する区間に関する差分項目をまとめることによって、一つの更新エレメントを作成する(ステップ803)。
【0136】
図4の例では、node3ノード情報443A、リンク列2ヘッダ情報423Aに含まれる全データ項目、及び、リンク列2リンク情報424Aに含まれる全データ項目を削除することを指示する情報、及び、node6ノード情報446B、link4形状情報454B、link4通行規制情報464B、link4その他情報474B及びnode7ノード情報447Bを追加することを指示する情報が、一つの更新エレメントとして作成される。これは、図5を参照して説明したとおりである。
【0137】
次に、更新データ抽出部13は、ステップ803が全ての差分項目について終了したか否かを判定する(ステップ804)。全ての差分項目についてステップ803が終了していない場合、更新データ抽出部13は、残りの差分項目についてステップ803を実行する。
【0138】
全ての差分項目についてステップ803が終了した場合、更新データ抽出部13は、更新エレメントの作成を終了する。作成された更新エレメントは、更新データ記憶部12に格納される。
【0139】
図4に示すデータが地図データ記憶部16に格納されている場合、図5に示す二つの更新エレメントが作成され、更新データ記憶部12に格納される。
【0140】
図9は、本発明の実施形態の地図配信サーバ10が更新エレメントを作成する手順を示すフローチャートである。
【0141】
最初に、更新データ抽出部13は、地図データ記憶部16に格納されている新バージョン及び旧バージョンの道路データのデータ項目のうち、リンク情報に含まれる各データ項目に、各データ項目が属するリンク列のヘッダの識別子(リンク列ヘッダID)を付加する(ステップ901)。図8の説明と同様、例として、図4に示すバージョン1(旧バージョン)の道路データ420A及びバージョン2(新バージョン)の道路データ420Bが地図データ記憶部16に格納されている場合について説明する。
【0142】
図10は、本発明の実施形態の地図配信サーバ10によってリンクの識別子が付加された道路データを示す説明図である。
【0143】
図9のステップ901において、更新データ抽出部13は、バージョン1の道路データ420Aのリンク列1リンク情報422Aの各データ項目に、それらのデータ項目が属するリンク列のヘッダ情報の識別子(すなわちリンク列ヘッダID)として「1」を付加する。これは、リンク列1_410Aの識別子に対応する。
【0144】
さらに、更新データ抽出部13は、バージョン2の道路データ420Bのリンク列1リンク情報422Bの各データ項目に、それらのデータ項目が属するリンク列のヘッダ情報の識別子として「1」を付加する。これは、リンク列1_410Bの識別子に対応する。
【0145】
さらに、更新データ抽出部13は、バージョン1の道路データ420Aのリンク列2リンク情報424Aの各データ項目に、それらのデータ項目が属するリンク列のヘッダ情報の識別子として「2」を付加する。これは、リンク列2_430Aの識別子に対応する。
【0146】
次に、更新データ抽出部13は、地図データ記憶部16に格納されている新バージョンの道路データの各データ項目と、それぞれに対応する旧バージョンの道路データの各データ項目と、を対照して、差分項目を抽出する(ステップ902)。この手順は、リンク情報に含まれる各データ項目にリンク列ヘッダIDが付加されている点を除いて図8のステップ801と同じであるため、説明を省略する。
【0147】
次に、更新データ抽出部13は、ステップ902が全てのデータ項目について終了したか否かを判定する(ステップ903)。全てのデータ項目についてステップ902が終了していない場合、更新データ抽出部13は、残りのデータ項目についてステップ902を実行する。
【0148】
全てのデータ項目についてステップ902が終了した場合、更新データ抽出部13は、ステップ902で抽出した差分項目のうち、同一の又は連続する区間に関する差分項目をまとめることによって、一つの更新エレメントを作成する(ステップ904)。この手順は、データ項目にリンク列ヘッダIDが付加されている点を除いて図8のステップ803と同じであるため、説明を省略する。ステップ904が終了した時点の更新エレメントの例を図11に示す。
【0149】
図11は、本発明の実施形態の更新エレメント作成処理の途中で作成されるデータの説明図である。
【0150】
図11に示す更新エレメント1_1101及び更新エレメント2_1102は、リンク情報に含まれる各データ項目にリンク列ヘッダID(図10参照)が付加されている点を除いて、それぞれ図5に示した更新エレメント1_501及び更新エレメント2_502と同じであるため、これらについての説明は省略する。
【0151】
次に、更新データ抽出部13は、ステップ904が全ての差分項目について終了したか否かを判定する(ステップ905)。全ての差分項目についてステップ904が終了していない場合、更新データ抽出部13は、残りの差分項目についてステップ904を実行する。
【0152】
全ての差分項目についてステップ904が終了した場合、更新データ抽出部13は、リンク列ヘッダに関する差分データ項目がいずれかの更新エレメントに含まれるか否かを判定し、含まれる場合は、そのリンク列ヘッダの識別子が付加されたデータ項目を含む更新エレメントを検索する。この検索の結果、上記のリンク列ヘッダに関する差分データ項目を含む更新エレメント以外の更新エレメントが得られた場合、それらの更新エレメントを一つの更新エレメントにまとめることによって、一つの更新エレメントを作成する(ステップ906)。ステップ906が終了した時点の更新エレメントの例を図12に示す。
【0153】
図12は、本発明の実施形態の更新エレメント作成処理の途中で作成される別のデータの説明図である。
【0154】
図11の例では、更新エレメント1_1101に、リンク列1ヘッダ情報に含まれる有料フラグ433A及び433Bが差分データ項目として含まれる。このため、更新データ抽出部13は、リンク列1ヘッダ情報421Aのリンク列ヘッダID「1」が付加されたデータ項目を含む更新エレメントを検索する。図11の例では、更新エレメント2_1102のリンク列1リンク情報422A及び422Bの各データ項目にリンク列ヘッダID「1」が付加されている。このため、更新データ抽出部13は、更新エレメント1_1101及び更新エレメント2_1102をまとめることによって、図12に示す更新エレメント1_1201を作成する。更新エレメント1_1201は、リンク情報に含まれる各データ項目にリンク列ヘッダIDが付加されている点を除いて図7に示したものと同じであるため、これらについての説明は省略する。
【0155】
最後に、作成された更新エレメントに含まれる各データ項目から、ステップ901で付加したリンク列ヘッダIDを削除することによって、図7に示すような更新エレメントを作成し、更新データ記憶部12に格納する(ステップ907)。以上で本実施形態の更新エレメントの作成処理が終了する。
【0156】
なお、図2に示す道路データが地図データ記憶部16に格納されている場合、図8及び図9のいずれの手順を用いても、図3に示す更新エレメントを作成することができる。それらの更新エレメントがリンク列ヘッダに関するデータ項目を含まない(すなわち、新旧データのリンク列ヘッダが同一である)ためである。しかし、本実施形態の更新データ抽出部13は、新旧データのリンク列ヘッダが異なる場合に図7のような更新エレメントを作成できるように、図9に示す手順によって更新エレメントを作成する。
【0157】
以上、本発明の実施形態によれば、通信する地図更新データの量を抑制しつつ、リンク列の属性の変更に起因する道路データの矛盾の発生を防止することができる。これによって、矛盾した道路データに基づく誤った経路検索が防止される。
【符号の説明】
【0158】
10 地図配信サーバ
11、26 管理データ記憶部
12 更新データ記憶部
13 更新データ抽出部
14 更新データ管理部
15、21 ネットワークインターフェース(I/F)
16、27 地図データ記憶部
17、28 プロセッサ
18、29 メモリ
20 ナビゲーション端末
22 配信要求部
23 地図更新部
24 ナビゲーション処理部
25 画面入出力I/F
30 無線通信装置
31 無線基地局
40 ネットワーク
41 インターネット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続される地図データ配信サーバであって、
前記地図データ配信サーバは、
前記ネットワークに接続されるインターフェースと、前記インターフェースに接続されるプロセッサと、前記プロセッサに接続される記憶装置と、を備え、
第1の道路データと、前記第1の道路データより新しいバージョンである第2の道路データと、を保持し、
前記第1の道路データと第2の道路データとをデータ項目ごとに比較することによって、前記第1の道路データと前記第2の道路データとの間の差分データ項目を作成し、
各々が単一の又は連続するリンクに関する一つ以上の前記差分データ項目を含む、複数の更新エレメントを作成し、
前記複数の更新エレメントのうち第1の更新エレメントが、第1のリンク列の属性に関する差分データ項目を含み、かつ、前記複数の更新エレメントのうち第2の更新エレメントが、前記第1のリンク列に属するリンクに関する差分データ項目を含む場合、前記第1の更新エレメント及び前記第2の更新エレメントに含まれる全ての前記差分データ項目を含む第3の更新エレメントを作成し、
前記ネットワークに接続された端末装置から受信した地図更新要求が、前記第3の更新エレメント内の前記差分データ項目に関するリンクを含む地図上の範囲を指定した場合、前記第3の更新エレメントを前記端末装置に送信することを特徴とする地図データ配信サーバ。
【請求項2】
前記第1の道路データ及び前記第2の道路データの少なくとも一方は、前記第1のリンク列の属性を示す情報を含むリンク列ヘッダを含み、
前記地図データ配信サーバは、
前記作成された差分データ項目のうち、前記第1のリンク列に属するノードに関する差分データ項目、及び、前記第1のリンク列に属するノードに関する差分データ項目に、前記第1のリンク列のリンク列ヘッダの識別子を付加し、
前記第2の更新エレメントが、前記第1のリンク列のリンク列ヘッダの識別子が付加された前記差分データ項目を含む場合、第2の更新エレメントが、前記第1のリンク列に属するリンクに関する差分データ項目を含むと判定し、
前記作成された第3の更新エレメントに含まれる前記各差分データ項目から、前記付加されたリンク列ヘッダの識別子を削除することを特徴とする請求項1に記載の地図データ配信サーバ。
【請求項3】
前記地図データ配信サーバは、前記第1の道路データに含まれるデータ項目に対応するデータ項目が前記第2の道路データに含まれない場合、データ項目の削除を示す差分データ項目を作成し、前記第2の道路データに含まれるデータ項目に対応するデータ項目が前記第1の道路データに含まれない場合、データ項目の追加を示す差分データ項目を作成し、前記第1の道路データに含まれるデータ項目の内容とそのデータ項目に対応する前記第2の道路データに含まれるデータ項目との内容が異なる場合、データ項目の変更を示す差分データ項目を作成することを特徴とする請求項2に記載の地図データ配信サーバ。
【請求項4】
前記各データ項目は、各リンク列の属性を示す情報、前記各リンク列に属する各リンクの形状を示す情報、前記各リンクの通行規制情報を示す情報、又は前記各リンクに接続される各ノードの位置を示す情報を含み、
前記各リンク列の属性を示す情報は、前記各リンク列に対応する道路の種別を示す情報、前記道路の路線番号を示す情報、又は、前記道路が有料道路であるか否かを示す情報を含むことを特徴とする請求項3に記載の地図データ配信サーバ。
【請求項5】
ネットワークに接続される地図データ配信サーバによって実行される地図更新方法であって、
前記地図データ配信サーバは、
前記ネットワークに接続されるインターフェースと、前記インターフェースに接続されるプロセッサと、前記プロセッサに接続される記憶装置と、を備え、
第1の道路データと、前記第1の道路データより新しいバージョンである第2の道路データと、を保持し、
前記地図更新方法は、
前記地図データ配信サーバが、前記第1の道路データと第2の道路データとをデータ項目ごとに比較することによって、前記第1の道路データと前記第2の道路データとの間の差分データ項目を作成する第1の手順と、
前記地図データ配信サーバが、各々が単一の又は連続するリンクに関する一つ以上の前記差分データ項目を含む、複数の更新エレメントを作成する第2の手順と、
前記複数の更新エレメントのうち第1の更新エレメントが、第1のリンク列の属性に関する差分データ項目を含み、かつ、前記複数の更新エレメントのうち第2の更新エレメントが、前記第1のリンク列に属するリンクに関する差分データ項目を含む場合、前記地図データ配信サーバが、前記第1の更新エレメント及び前記第2の更新エレメントに含まれる全ての前記差分データ項目を含む第3の更新エレメントを作成する第3の手順と、
前記ネットワークに接続された端末装置から受信した地図更新要求が、前記第3の更新エレメント内の前記差分データ項目に関するリンクを含む地図上の範囲を指定した場合、前記地図データ配信サーバが前記第3の更新エレメントを前記端末装置に送信する第4の手順と、を含むことを特徴とする地図更新方法。
【請求項6】
前記第1の道路データ及び前記第2の道路データの少なくとも一方は、前記第1のリンク列の属性を示す情報を含むリンク列ヘッダを含み、
前記地図更新方法は、さらに、前記地図データ配信サーバが、前記作成された差分データ項目のうち、前記第1のリンク列に属するノードに関する差分データ項目、及び、前記第1のリンク列に属するノードに関する差分データ項目に、前記第1のリンク列のリンク列ヘッダの識別子を付加する手順を含み、
前記第3の手順は、前記第2の更新エレメントが、前記第1のリンク列のリンク列ヘッダの識別子が付加された前記差分データ項目を含む場合、前記地図データ配信サーバが、第2の更新エレメントが前記第1のリンク列に属するリンクに関する差分データ項目を含むと判定する手順を含み、
前記地図更新方法は、さらに、前記地図データ配信サーバが、前記作成された第3の更新エレメントに含まれる前記各差分データ項目から、前記付加されたリンク列ヘッダの識別子を削除する手順を含むことを特徴とする請求項5に記載の地図更新方法。
【請求項7】
前記第1の手順は、
前記第1の道路データに含まれるデータ項目に対応するデータ項目が前記第2の道路データに含まれない場合、前記地図データ配信サーバが、データ項目の削除を示す差分データ項目を作成する手順と、
前記第2の道路データに含まれるデータ項目に対応するデータ項目が前記第1の道路データに含まれない場合、前記地図データ配信サーバが、データ項目の追加を示す差分データ項目を作成する手順と、
前記第1の道路データに含まれるデータ項目の内容とそのデータ項目に対応する前記第2の道路データに含まれるデータ項目との内容が異なる場合、前記地図データ配信サーバが、データ項目の変更を示す差分データ項目を作成する手順と、
の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項6に記載の地図更新方法。
【請求項8】
前記各データ項目は、各リンク列の属性を示す情報、前記各リンク列に属する各リンクの形状を示す情報、前記各リンクの通行規制情報を示す情報、又は前記各リンクに接続される各ノードの位置を示す情報を含み、
前記各リンク列の属性を示す情報は、前記各リンク列に対応する道路の種別を示す情報、前記道路の路線番号を示す情報、又は、前記道路が有料道路であるか否かを示す情報を含むことを特徴とする請求項7に記載の地図更新方法。
【請求項9】
ネットワークに接続される地図データ配信サーバと、前記ネットワークを介して前記地図データ配信サーバと通信する端末装置と、を備える地図データ配信システムであって、
前記地図データ配信サーバは、
前記ネットワークに接続される第1インターフェースと、前記第1インターフェースに接続される第1プロセッサと、前記第1プロセッサに接続される第1記憶装置と、を備え、
第1の道路データと、前記第1の道路データより新しいバージョンである第2の道路データと、を保持し、
前記端末装置は、
前記地図データ配信サーバと通信する第2インターフェースと、前記第2インターフェースに接続される第2プロセッサと、前記第2プロセッサに接続される第2記憶装置と、を備え、
前記第1の道路データを保持し、
前記地図データ配信サーバは、
前記第1の道路データと第2の道路データとをデータ項目ごとに比較することによって、前記第1の道路データと前記第2の道路データとの間の差分データ項目を作成し、
各々が単一の又は連続するリンクに関する一つ以上の前記差分データ項目を含む、複数の更新エレメントを作成し、
前記複数の更新エレメントのうち第1の更新エレメントが、第1のリンク列の属性に関する差分データ項目を含み、かつ、前記複数の更新エレメントのうち第2の更新エレメントが、前記第1のリンク列に属するリンクに関する差分データ項目を含む場合、前記第1の更新エレメント及び前記第2の更新エレメントに含まれる全ての前記差分データ項目を含む第3の更新エレメントを作成し、
前記端末装置は、地図上の範囲の指定を含む地図更新要求を前記地図データ配信サーバに送信し、
前記地図データ配信サーバは、前記地図更新要求によって指定された範囲に、前記第3の更新エレメント内の前記差分データ項目に関するリンクが含まれる場合、前記第3の更新エレメントを前記端末装置に送信することを特徴とする地図データ配信システム。
【請求項10】
前記第1の道路データ及び前記第2の道路データの少なくとも一方は、前記第1のリンク列の属性を示す情報を含むリンク列ヘッダを含み、
前記地図データ配信サーバは、
前記作成された差分データ項目のうち、前記第1のリンク列に属するノードに関する差分データ項目、及び、前記第1のリンク列に属するノードに関する差分データ項目に、前記第1のリンク列のリンク列ヘッダの識別子を付加し、
前記第2の更新エレメントが、前記第1のリンク列のリンク列ヘッダの識別子が付加された前記差分データ項目を含む場合、第2の更新エレメントが、前記第1のリンク列に属するリンクに関する差分データ項目を含むと判定し、
前記作成された第3の更新エレメントに含まれる前記各差分データ項目から、前記付加されたリンク列ヘッダの識別子を削除することを特徴とする請求項9に記載の地図データ配信システム。
【請求項11】
前記第3の更新エレメントは、前記第3の更新エレメントに含まれる前記差分データ項目が、前記第3の更新エレメントに含まれることを識別する情報を含み、
前記端末装置は、
前記第3の更新エレメントに基づいて、前記端末装置が保持する前記第1の道路データを前記第2の道路データに更新し、
前記第3の更新エレメントに基づく前記更新が開始されてから終了するまでの間、前記第1の道路データに基づく経路検索を禁止することを特徴とする請求項10に記載の地図データ配信システム。
【請求項12】
前記地図データ配信サーバは、前記第1の道路データに含まれるデータ項目に対応するデータ項目が前記第2の道路データに含まれない場合、データ項目の削除を示す差分データ項目を作成し、前記第2の道路データに含まれるデータ項目に対応するデータ項目が前記第1の道路データに含まれない場合、データ項目の追加を示す差分データ項目を作成し、前記第1の道路データに含まれるデータ項目の内容とそのデータ項目に対応する前記第2の道路データに含まれるデータ項目との内容が異なる場合、データ項目の変更を示す差分データ項目を作成することを特徴とする請求項11に記載の地図データ配信システム。
【請求項13】
前記各データ項目は、各リンク列の属性を示す情報、前記各リンク列に属する各リンクの形状を示す情報、前記各リンクの通行規制情報を示す情報、又は前記各リンクに接続される各ノードの位置を示す情報を含み、
前記各リンク列の属性を示す情報は、前記各リンク列に対応する道路の種別を示す情報、前記道路の路線番号を示す情報、又は、前記道路が有料道路であるか否かを示す情報を含むことを特徴とする請求項12に記載の地図データ配信システム。
【請求項1】
ネットワークに接続される地図データ配信サーバであって、
前記地図データ配信サーバは、
前記ネットワークに接続されるインターフェースと、前記インターフェースに接続されるプロセッサと、前記プロセッサに接続される記憶装置と、を備え、
第1の道路データと、前記第1の道路データより新しいバージョンである第2の道路データと、を保持し、
前記第1の道路データと第2の道路データとをデータ項目ごとに比較することによって、前記第1の道路データと前記第2の道路データとの間の差分データ項目を作成し、
各々が単一の又は連続するリンクに関する一つ以上の前記差分データ項目を含む、複数の更新エレメントを作成し、
前記複数の更新エレメントのうち第1の更新エレメントが、第1のリンク列の属性に関する差分データ項目を含み、かつ、前記複数の更新エレメントのうち第2の更新エレメントが、前記第1のリンク列に属するリンクに関する差分データ項目を含む場合、前記第1の更新エレメント及び前記第2の更新エレメントに含まれる全ての前記差分データ項目を含む第3の更新エレメントを作成し、
前記ネットワークに接続された端末装置から受信した地図更新要求が、前記第3の更新エレメント内の前記差分データ項目に関するリンクを含む地図上の範囲を指定した場合、前記第3の更新エレメントを前記端末装置に送信することを特徴とする地図データ配信サーバ。
【請求項2】
前記第1の道路データ及び前記第2の道路データの少なくとも一方は、前記第1のリンク列の属性を示す情報を含むリンク列ヘッダを含み、
前記地図データ配信サーバは、
前記作成された差分データ項目のうち、前記第1のリンク列に属するノードに関する差分データ項目、及び、前記第1のリンク列に属するノードに関する差分データ項目に、前記第1のリンク列のリンク列ヘッダの識別子を付加し、
前記第2の更新エレメントが、前記第1のリンク列のリンク列ヘッダの識別子が付加された前記差分データ項目を含む場合、第2の更新エレメントが、前記第1のリンク列に属するリンクに関する差分データ項目を含むと判定し、
前記作成された第3の更新エレメントに含まれる前記各差分データ項目から、前記付加されたリンク列ヘッダの識別子を削除することを特徴とする請求項1に記載の地図データ配信サーバ。
【請求項3】
前記地図データ配信サーバは、前記第1の道路データに含まれるデータ項目に対応するデータ項目が前記第2の道路データに含まれない場合、データ項目の削除を示す差分データ項目を作成し、前記第2の道路データに含まれるデータ項目に対応するデータ項目が前記第1の道路データに含まれない場合、データ項目の追加を示す差分データ項目を作成し、前記第1の道路データに含まれるデータ項目の内容とそのデータ項目に対応する前記第2の道路データに含まれるデータ項目との内容が異なる場合、データ項目の変更を示す差分データ項目を作成することを特徴とする請求項2に記載の地図データ配信サーバ。
【請求項4】
前記各データ項目は、各リンク列の属性を示す情報、前記各リンク列に属する各リンクの形状を示す情報、前記各リンクの通行規制情報を示す情報、又は前記各リンクに接続される各ノードの位置を示す情報を含み、
前記各リンク列の属性を示す情報は、前記各リンク列に対応する道路の種別を示す情報、前記道路の路線番号を示す情報、又は、前記道路が有料道路であるか否かを示す情報を含むことを特徴とする請求項3に記載の地図データ配信サーバ。
【請求項5】
ネットワークに接続される地図データ配信サーバによって実行される地図更新方法であって、
前記地図データ配信サーバは、
前記ネットワークに接続されるインターフェースと、前記インターフェースに接続されるプロセッサと、前記プロセッサに接続される記憶装置と、を備え、
第1の道路データと、前記第1の道路データより新しいバージョンである第2の道路データと、を保持し、
前記地図更新方法は、
前記地図データ配信サーバが、前記第1の道路データと第2の道路データとをデータ項目ごとに比較することによって、前記第1の道路データと前記第2の道路データとの間の差分データ項目を作成する第1の手順と、
前記地図データ配信サーバが、各々が単一の又は連続するリンクに関する一つ以上の前記差分データ項目を含む、複数の更新エレメントを作成する第2の手順と、
前記複数の更新エレメントのうち第1の更新エレメントが、第1のリンク列の属性に関する差分データ項目を含み、かつ、前記複数の更新エレメントのうち第2の更新エレメントが、前記第1のリンク列に属するリンクに関する差分データ項目を含む場合、前記地図データ配信サーバが、前記第1の更新エレメント及び前記第2の更新エレメントに含まれる全ての前記差分データ項目を含む第3の更新エレメントを作成する第3の手順と、
前記ネットワークに接続された端末装置から受信した地図更新要求が、前記第3の更新エレメント内の前記差分データ項目に関するリンクを含む地図上の範囲を指定した場合、前記地図データ配信サーバが前記第3の更新エレメントを前記端末装置に送信する第4の手順と、を含むことを特徴とする地図更新方法。
【請求項6】
前記第1の道路データ及び前記第2の道路データの少なくとも一方は、前記第1のリンク列の属性を示す情報を含むリンク列ヘッダを含み、
前記地図更新方法は、さらに、前記地図データ配信サーバが、前記作成された差分データ項目のうち、前記第1のリンク列に属するノードに関する差分データ項目、及び、前記第1のリンク列に属するノードに関する差分データ項目に、前記第1のリンク列のリンク列ヘッダの識別子を付加する手順を含み、
前記第3の手順は、前記第2の更新エレメントが、前記第1のリンク列のリンク列ヘッダの識別子が付加された前記差分データ項目を含む場合、前記地図データ配信サーバが、第2の更新エレメントが前記第1のリンク列に属するリンクに関する差分データ項目を含むと判定する手順を含み、
前記地図更新方法は、さらに、前記地図データ配信サーバが、前記作成された第3の更新エレメントに含まれる前記各差分データ項目から、前記付加されたリンク列ヘッダの識別子を削除する手順を含むことを特徴とする請求項5に記載の地図更新方法。
【請求項7】
前記第1の手順は、
前記第1の道路データに含まれるデータ項目に対応するデータ項目が前記第2の道路データに含まれない場合、前記地図データ配信サーバが、データ項目の削除を示す差分データ項目を作成する手順と、
前記第2の道路データに含まれるデータ項目に対応するデータ項目が前記第1の道路データに含まれない場合、前記地図データ配信サーバが、データ項目の追加を示す差分データ項目を作成する手順と、
前記第1の道路データに含まれるデータ項目の内容とそのデータ項目に対応する前記第2の道路データに含まれるデータ項目との内容が異なる場合、前記地図データ配信サーバが、データ項目の変更を示す差分データ項目を作成する手順と、
の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項6に記載の地図更新方法。
【請求項8】
前記各データ項目は、各リンク列の属性を示す情報、前記各リンク列に属する各リンクの形状を示す情報、前記各リンクの通行規制情報を示す情報、又は前記各リンクに接続される各ノードの位置を示す情報を含み、
前記各リンク列の属性を示す情報は、前記各リンク列に対応する道路の種別を示す情報、前記道路の路線番号を示す情報、又は、前記道路が有料道路であるか否かを示す情報を含むことを特徴とする請求項7に記載の地図更新方法。
【請求項9】
ネットワークに接続される地図データ配信サーバと、前記ネットワークを介して前記地図データ配信サーバと通信する端末装置と、を備える地図データ配信システムであって、
前記地図データ配信サーバは、
前記ネットワークに接続される第1インターフェースと、前記第1インターフェースに接続される第1プロセッサと、前記第1プロセッサに接続される第1記憶装置と、を備え、
第1の道路データと、前記第1の道路データより新しいバージョンである第2の道路データと、を保持し、
前記端末装置は、
前記地図データ配信サーバと通信する第2インターフェースと、前記第2インターフェースに接続される第2プロセッサと、前記第2プロセッサに接続される第2記憶装置と、を備え、
前記第1の道路データを保持し、
前記地図データ配信サーバは、
前記第1の道路データと第2の道路データとをデータ項目ごとに比較することによって、前記第1の道路データと前記第2の道路データとの間の差分データ項目を作成し、
各々が単一の又は連続するリンクに関する一つ以上の前記差分データ項目を含む、複数の更新エレメントを作成し、
前記複数の更新エレメントのうち第1の更新エレメントが、第1のリンク列の属性に関する差分データ項目を含み、かつ、前記複数の更新エレメントのうち第2の更新エレメントが、前記第1のリンク列に属するリンクに関する差分データ項目を含む場合、前記第1の更新エレメント及び前記第2の更新エレメントに含まれる全ての前記差分データ項目を含む第3の更新エレメントを作成し、
前記端末装置は、地図上の範囲の指定を含む地図更新要求を前記地図データ配信サーバに送信し、
前記地図データ配信サーバは、前記地図更新要求によって指定された範囲に、前記第3の更新エレメント内の前記差分データ項目に関するリンクが含まれる場合、前記第3の更新エレメントを前記端末装置に送信することを特徴とする地図データ配信システム。
【請求項10】
前記第1の道路データ及び前記第2の道路データの少なくとも一方は、前記第1のリンク列の属性を示す情報を含むリンク列ヘッダを含み、
前記地図データ配信サーバは、
前記作成された差分データ項目のうち、前記第1のリンク列に属するノードに関する差分データ項目、及び、前記第1のリンク列に属するノードに関する差分データ項目に、前記第1のリンク列のリンク列ヘッダの識別子を付加し、
前記第2の更新エレメントが、前記第1のリンク列のリンク列ヘッダの識別子が付加された前記差分データ項目を含む場合、第2の更新エレメントが、前記第1のリンク列に属するリンクに関する差分データ項目を含むと判定し、
前記作成された第3の更新エレメントに含まれる前記各差分データ項目から、前記付加されたリンク列ヘッダの識別子を削除することを特徴とする請求項9に記載の地図データ配信システム。
【請求項11】
前記第3の更新エレメントは、前記第3の更新エレメントに含まれる前記差分データ項目が、前記第3の更新エレメントに含まれることを識別する情報を含み、
前記端末装置は、
前記第3の更新エレメントに基づいて、前記端末装置が保持する前記第1の道路データを前記第2の道路データに更新し、
前記第3の更新エレメントに基づく前記更新が開始されてから終了するまでの間、前記第1の道路データに基づく経路検索を禁止することを特徴とする請求項10に記載の地図データ配信システム。
【請求項12】
前記地図データ配信サーバは、前記第1の道路データに含まれるデータ項目に対応するデータ項目が前記第2の道路データに含まれない場合、データ項目の削除を示す差分データ項目を作成し、前記第2の道路データに含まれるデータ項目に対応するデータ項目が前記第1の道路データに含まれない場合、データ項目の追加を示す差分データ項目を作成し、前記第1の道路データに含まれるデータ項目の内容とそのデータ項目に対応する前記第2の道路データに含まれるデータ項目との内容が異なる場合、データ項目の変更を示す差分データ項目を作成することを特徴とする請求項11に記載の地図データ配信システム。
【請求項13】
前記各データ項目は、各リンク列の属性を示す情報、前記各リンク列に属する各リンクの形状を示す情報、前記各リンクの通行規制情報を示す情報、又は前記各リンクに接続される各ノードの位置を示す情報を含み、
前記各リンク列の属性を示す情報は、前記各リンク列に対応する道路の種別を示す情報、前記道路の路線番号を示す情報、又は、前記道路が有料道路であるか否かを示す情報を含むことを特徴とする請求項12に記載の地図データ配信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−164453(P2011−164453A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−28643(P2010−28643)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
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