地点検索装置、地点検索方法及び地点検索プログラム
【課題】複数の文字列を入力させる際におけるユーザによる文字列の入力に要する時間を短縮させることができる地点検索装置、地点検索方法及び地点検索プログラムを提供する。
【解決手段】制御部は、確定済みの文字列に相当する登録単語が予測単語テーブルに記憶される場合に、該登録単語の属性を確定属性として取得し、確定済みの文字列に続いて入力される確定前の文字列に少なくとも一部が一致する登録単語及びその属性を読出し(ステップS201)、複数の単語でAND検索を行う場合に、読出した各登録単語のうち、確定属性と一致する属性を一つも有さない登録単語を、一致する属性を有する登録単語よりも優先的に確定前の文字列の予測候補としてディスプレイに表示させる(ステップS214)。そして、制御部は、ディスプレイに表示した予測候補がユーザに選択された場合に、確定前の文字列を該予測候補に置換えてディスプレイに表示させる。
【解決手段】制御部は、確定済みの文字列に相当する登録単語が予測単語テーブルに記憶される場合に、該登録単語の属性を確定属性として取得し、確定済みの文字列に続いて入力される確定前の文字列に少なくとも一部が一致する登録単語及びその属性を読出し(ステップS201)、複数の単語でAND検索を行う場合に、読出した各登録単語のうち、確定属性と一致する属性を一つも有さない登録単語を、一致する属性を有する登録単語よりも優先的に確定前の文字列の予測候補としてディスプレイに表示させる(ステップS214)。そして、制御部は、ディスプレイに表示した予測候補がユーザに選択された場合に、確定前の文字列を該予測候補に置換えてディスプレイに表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザによって入力された条件に合致する施設などの地点候補を検索する地点検索装置、地点検索方法及び地点検索プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザによって入力された複数のキーワード(文字列)に基づいた施設(地点候補)を検索する装置として、例えば特許文献1に記載の地点検索装置が提案されている。この特許文献1に記載の地点検索装置では、複数のキーワードが入力された場合に、第1のキーワードと第2のキーワードとでAND検索が行われ、該各キーワードで示される条件に合致する施設が検索結果として表示される。
【0003】
こうしたAND検索は、予め設定された所定のルールに従って各キーワードが入力された場合に行われる。例えば、最初に入力される第1のキーワードは、検索対象となる施設を示す文字列又はその一部である一方、後に入力される第2のキーワードは、検索対象となる施設が存在する地域を示す文字列又はその一部である。つまり、第1のキーワードとして「とうきょう」が入力され、第2のキーワードとして「うらや」が入力されると、「うらや」と前方一致する名称の地域(例えば、「浦安市」)が予測される。そして、予測された地域に存在する各施設の中で、「とうきょう」と前方一致する施設(例えば、「トウキョウディズニーランド」)が検索され、該検索結果がディスプレイに表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−266171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の地点検索装置では、複数のキーワードが上記所定のルールに従って入力された場合に、入力や検索に要する時間が短縮できるとされている。その一方で、所定のルールを無視して複数のキーワードを入力する場合には、入力や検索に要する時間の短縮という効果を期待できない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。その目的は、複数の文字列を入力させる際におけるユーザによる文字列の入力に要する時間を短縮させることができる地点検索装置、地点検索方法及び地点検索プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、入力された複数の文字列で示される条件に合致する地点候補を検索する地点検索装置であって、複数の登録文字列及び該各登録文字列の属性を示す属性情報を記憶する記憶手段と、確定済みの文字列に相当する登録文字列が前記記憶手段に記憶される場合に、該登録文字列の属性情報を、確定済みの文字列の属性情報として取得する属性取得手段と、前記確定済みの文字列に続いて入力される確定前の文字列に少なくとも一部が一致する登録文字列及び該登録文字列の属性情報を前記記憶手段から読出す読出し手段と、複数の文字列でAND検索を行う場合に、前記読出し手段によって読出された登録文字列のうち、前記属性取得手段によって取得された属性情報と一致する属性情報を有さない登録文字列を、一致する属性情報を有する登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示させる予測表示手段と、前記予測表示手段によって前記表示画面に表示された予測候補が選択された場合に、前記確定前の文字列を該予測候補に置換えて前記表示画面に表示させる置換え表示手段と、を備えることを要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、確定済みの文字列が存在する場合において次の文字列の入力が開始されたときには、その入力途中の文字列、即ち確定前の文字列の予測候補を表示画面に表示させる。こうした処理を実現させるために、確定済みの文字列に相当する文字列が記憶手段に登録文字列として記憶される場合には、該登録文字列の属性情報が確定済みの文字列の属性情報(以下、「確定属性情報」ともいう。)として読出される。そして、次の文字列の入力が開始されると、その確定前の文字列と少なくとも一部が一致する登録文字列及び該登録文字列の属性情報が、記憶手段から読出される。続いて、読出された各登録文字列のうち少なくとも一つの登録文字列が、確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示される。すなわち、検索を行う場合には、既に確定済みとなった文字列の属性情報に基づき、確定前の文字列の予測候補を設定している。
【0009】
特に、複数の文字列でAND検索を行う場合には、記憶手段から読出された登録文字列のうち、確定属性情報を有さない登録文字列が、確定属性情報を有する登録文字列よりも優先的に予測候補として表示画面に表示される。これは、AND検索を行う場合には、確定済みの文字列の確定属性情報と同一の属性情報を有する文字列が入力される可能性が低いと考えられるためである。そして、表示画面に表示された予測候補のうち、ユーザによって選択された予測候補が、確定前の文字列と置換えられる。したがって、複数の文字列を入力させる際におけるユーザによる文字列の入力に要する時間を短縮させることが可能となる。
【0010】
本発明の地点検索装置において、前記記憶手段は、前記複数の登録文字列と、前記登録文字列毎の属性情報と、前記登録文字列毎に設定された予測の優先度とを互いに関連付けて記憶しており、前記予測表示手段は、複数の文字列でAND検索を行う場合に、前記属性取得手段によって取得された属性情報と一致する属性情報を有する登録文字列の優先度を低くする補正処理を行い、前記読出し手段によって前記記憶手段から読出された登録文字列のうち、前記補正処理後の優先度の高い登録文字列を、前記補正処理後の優先度の低い登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として前記表示画面に表示させる。
【0011】
上記構成によれば、上記確定属性情報を有する登録文字列の優先度は、低く補正される。そして、補正処理後の優先度の高い登録文字列が、補正処理後の優先度の低い登録文字列よりも優先的に確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示される。そのため、入力途中の文字列の予測精度を向上させることができ、ひいては文字列の入力に要する時間の短縮に貢献できる可能性が高められる。
【0012】
本発明の地点検索装置において、前記予測表示手段は、複数の文字列でAND検索を行う場合に、前記属性取得手段によって取得された確定済みの文字列の属性情報よりも上位概念の属性情報を有さない登録文字列を、前記上位概念の属性情報を有する登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として前記表示画面に表示させる。
【0013】
AND検索を行う場合には、確定済みの文字列の上記確定属性情報よりも上位概念の属性情報を有する文字列がユーザによって入力される可能性は低いと考えられる。そこで、本発明では、上記確定属性情報よりも上位概念の属性情報を有する登録文字列は、上位概念の属性情報を有さない登録文字列よりも確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示されにくくなる。そのため、ユーザによって入力される可能性の低い文字列が予測候補として表示画面に表示される可能性を低くできる分、入力途中の文字列の予測精度を向上させることができる。したがって、文字列の入力に要する時間の短縮に貢献できる可能性が高められる。
【0014】
本発明の地点検索装置において、前記予測表示手段は、複数の文字列でAND検索を行う場合において、前記確定済みの文字列の属性情報が地域名称に関する属性情報であると共に、該確定済みの文字列によって示される地域の候補が一箇所であるときには、該地域よりも広範囲の地域の地域名称に関する属性情報を有さない登録文字列を、前記広範囲の地域の地域名称に関する属性情報を有する登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として前記表示画面に表示させる。
【0015】
確定済みの文字列によって示される地域の候補が一箇所である場合には、該地域よりも広範囲を示す地域を示す文字列が入力される可能性が低い。そこで、本発明では、確定済みの文字列によって示される地域の候補が一箇所である場合、該地域よりも広範囲の地域の地域名称に関する属性情報を有さない登録文字列が、上記広範囲の地域の地域名称に関する属性情報を有する登録文字列よりも優先的に予測候補として表示される。そのため、ユーザによって入力される可能性の低い文字列が予測候補として表示される可能性を低くできる分、入力途中の文字列の予測精度を向上させることができる。したがって、文字列の入力に要する時間の短縮に貢献できる可能性が高められる。
【0016】
本発明の地点検索装置において、前記予測表示手段は、複数の文字列でNOT検索を行う場合に、前記読出し手段によって読出された登録文字列のうち、前記属性取得手段によって取得された属性情報よりも下位概念の属性情報を有する登録文字列を、前記下位概念の属性情報を有さない登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として前記表示画面に表示させる。
【0017】
複数の文字列でNOT検索を行う場合には、記憶手段から読出された登録文字列のうち、上記確定属性情報の下位概念の属性情報を有する登録文字列が、下位概念の属性情報を有さない登録文字列よりも優先的に表示画面に表示される。これは、NOT検索を行う場合には、NOT検索の特性上、確定前の文字列の属性情報が上記確定属性情報の下位概念の属性情報である可能性が高いためである。つまり、本発明では、NOT検索を行う場合でも、既に確定済みとなった文字列の属性情報に基づき、確定前の文字列の予測候補が設定される。したがって、複数の文字列を入力させる際におけるユーザによる文字列の入力に要する時間を短縮させることが可能となる。
【0018】
本発明の地点検索装置において、前記記憶手段は、前記複数の登録文字列と、前記登録文字列毎の属性情報と、前記登録文字列毎に設定された予測の優先度とを互いに関連付けて記憶しており、前記予測表示手段は、複数の文字列でNOT検索を行う場合に、前記属性取得手段によって取得された確定済みの文字列の属性情報よりも下位概念の属性情報を有する登録文字列の優先度を低くする補正処理を行い、前記読出し手段によって前記記憶手段から読出された登録文字列のうち、前記補正処理後の優先度の高い登録文字列を、前記補正処理後の優先度の低い登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として前記表示画面に表示させる。
【0019】
上記構成によれば、NOT検索を行う場合、上記確定属性情報よりも下位概念の属性情報を有する登録文字列の優先度は、高く補正される。そして、補正処理後の優先度の高い登録文字列が、補正処理後の優先度の低い登録文字列よりも優先的に確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示される。そのため、NOT検索を行う場合であっても、入力途中の文字列の予測精度を向上させることができ、文字列の入力に要する時間の短縮に貢献できる可能性が高められる。
【0020】
本発明は、入力された複数の文字列が示す条件に合致する地点候補を検索させる地点検索方法であって、複数の登録文字列及び該各登録文字列の属性を示す属性情報を記憶する記憶手段に、確定済みの文字列に相当する登録文字列が記憶される場合に、該登録文字列の属性情報を、確定済みの文字列の属性情報として前記記憶手段から取得させる属性取得ステップと、前記確定済みの文字列に続いて入力される確定前の文字列に少なくとも一部が一致する登録文字列及び該登録文字列の属性情報を前記記憶手段から読出させる読出しステップと、複数の文字列でAND検索を行う場合に、前記読出しステップで読出した登録文字列のうち、前記属性取得ステップで取得した属性情報と一致する属性情報を有さない登録文字列を、一致する属性情報を有する登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示させる予測表示ステップと、前記予測表示ステップで前記表示画面に表示した予測候補をユーザが選択した場合に、前記確定前の文字列を該予測候補に置換えて前記表示画面に表示させる置換え表示ステップと、を有することを要旨とする。
【0021】
上記構成によれば、上記地点検索装置と同等の作用・効果を得ることができる。
本発明は、入力された複数の文字列が示す条件に合致する地点候補の検索を制御装置に実行させるための地点検索プログラムであって、前記制御装置に、複数の登録文字列及び該各登録文字列の属性を示す属性情報を記憶する記憶手段と、確定済みの文字列に相当する登録文字列が前記記憶手段に記憶される場合に、該登録文字列の属性情報を、確定済みの文字列の属性情報として取得する属性取得手段と、前記確定済みの文字列に続いて入力される確定前の文字列に少なくとも一部が一致する登録文字列及び該登録文字列の属性情報を前記記憶手段から読出す読出し手段と、複数の文字列でAND検索を行う場合に、前記読出し手段によって読出された登録文字列のうち、前記属性取得手段によって取得された属性情報と一致する属性情報を有さない登録文字列を、一致する属性情報を有する登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示させる予測表示手段と、前記予測表示手段によって前記表示画面に表示された予測候補が選択された場合に、前記確定前の文字列を該予測候補に置換えて前記表示画面に表示させる置換え表示手段として機能させることを要旨とする。
【0022】
上記構成によれば、上記地点検索装置と同等の作用・効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の地点検索装置を備える車両のナビゲーション装置の一実施形態を説明するブロック図。
【図2】地点候補の検索を行う際のディスプレイの表示態様の一例を示す説明図。
【図3】AND検索によって地点候補の検索を行う際のディスプレイの表示態様の一例を示す説明図。
【図4】AND検索によって地点候補の検索を行う際のディスプレイの表示態様の一例を示す説明図。
【図5】予測単語テーブルの一態様を説明する説明図。
【図6】確定属性判定処理ルーチンを説明するフローチャート。
【図7】AND検索用の予測候補決定処理ルーチンを説明するフローチャート。
【図8】置換え処理ルーチンを説明するフローチャート。
【図9】予測単語テーブルの一態様を説明する説明図。
【図10】確定属性判定処理ルーチンを説明するフローチャート。
【図11】AND検索用の予測候補決定処理ルーチンを説明するフローチャート。
【図12】予測単語テーブルの一態様を説明する説明図。
【図13】確定属性判定処理ルーチンを説明するフローチャート。
【図14】AND検索用の予測候補決定処理ルーチンを説明するフローチャート。
【図15】NOT検索によって地点候補の検索を行う際のディスプレイの表示態様の一例を示す説明図。
【図16】NOT検索用の予測候補決定処理ルーチンを説明するフローチャート。
【図17】予測単語テーブルの一態様を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態について、図1〜図8に従って説明する。
図1に示すように、車両のナビゲーション装置11は、表示装置12と、該表示装置12を制御する地点検索装置の一例としての制御装置20とを備えている。表示装置12には、車両の乗員(ユーザ)に各種情報を視認可能な状態で提供する表示画面の一例としてのディスプレイ13と、該ディスプレイ13の前面に配置される液晶のタッチパネル(入力手段)14とが設けられている。また、表示装置12においてディスプレイ13の側方には、複数種類の操作ボタン(入力手段)15が設けられている。
【0025】
こうした表示装置12は、乗員による操作ボタン15及びタッチパネル14の操作を受付けた場合、その操作内容に応じた信号を制御装置20に送信する。そして、表示装置12は、送信した信号の返答として制御装置20から送信された画像データを受信し、該画像データに基づいた画像をディスプレイ13に表示させる。
【0026】
制御装置20には、車両側I/F21を介して位置検出部30が情報の送受信が可能な状態で接続されている。位置検出部30は、GPS(Global Positioning System )受信部31、車速センサ32及びジャイロセンサ33を有している。制御装置20は、GPS受信部31によって受信された受信信号に基づき、電波航法によって緯度・経度などの絶対位置を検出する。また、制御装置20は、車速センサ32及びジャイロセンサ33からの検出信号に基づき、自律航法を用いて基準位置からの相対位置を算出する。そして、制御装置20は、位置検出部30から出力される絶対位置及び相対位置を組み合わせて自車両の現在地を特定する。
【0027】
制御装置20は、制御部22、画像処理プロセッサ23、情報記憶装置24及び記憶手段の一例としてのテーブル記憶部25などを備えている。制御部22には、CPU22a、ROM22b及びRAM22cなどを有するデジタルコンピュータが設けられている。ROM22bには、乗員によって選択された施設属性に合致する地点候補(例えば、海水浴場やレストラン)を検索するためのプログラム(地点検索プログラム)及び目的地までのルートの探索や案内をするためのプログラムなどが記憶されている。RAM22cには、CPU22aの作業領域及び探索された経路などを記憶する記憶領域が形成される。
【0028】
画像処理プロセッサ23は、制御部22からの制御信号に基づいてディスプレイ13に表示するための各種の画像データを生成し、該生成した画像データを表示装置12に送信する。例えば、自車両の現在位置から目的地までのルートが制御部22で探索された場合、画像処理プロセッサ23は、探索されたルートと、該ルートに沿った案内の開始の許可を求める画面となどを表示させるための画像データを生成し、該画像データに基づく画像をディスプレイ13に表示させる。また、目的とする地点候補が制御部22によって検索された場合、画像処理プロセッサ23は、検索された地点候補の案内するための画像データを生成し、該画像データに基づく画像をディスプレイ13に表示させる。
【0029】
情報記憶装置24は、ハードディスクや光ディスクなどの外部記憶媒体である。こうした情報記憶装置24には、地図データ記憶部24a、探索データ記憶部24b及び施設データ記憶部24cが形成されている。地図データ記憶部24aは、道路地図、住宅地図及び建物形状地図などの地図データを記憶している。探索データ記憶部24bは、所定の地点間の道路及びその道路の交通規制情報、距離及び通行料金といった各種道路情報に関するデータを記憶している。施設データ記憶部24cは、区役所、病院、駅、レストラン、遊園地、駐車場などの各種施設及び該各種施設の住所や電話番号などのデータを記憶している。
【0030】
テーブル記憶部25は、不揮発性のメモリなどによって構築されている。こうしたテーブル記憶部25には、地点候補を検索する際に用いられる図5に示す予測単語テーブルが記憶されている。
【0031】
次に、地点候補を検索する際にディスプレイ13に表示される検索用表示画面の一例について、図2、図3及び図4を参照して説明する。
図2に示すように、ディスプレイ13には、車両の乗員によって選択される文字が表示される入力可能文字領域40と、乗員によって選択された文字で構成される文字列(単語)が表示される選択文字表示領域41とが形成される。入力可能文字領域40において「あ」が表記された領域が選択されると、選択文字表示領域41には「あ」が表示される。また、ディスプレイ13において選択文字表示領域41の右側には、選択した文字を一文字ずつ消去する際に選択される修正用領域42と、検索を実行させる際に選択される検索実行用領域43と、複数の単語でAND検索を行う際に選択されるAND用領域44と、複数の単語でNOT検索を行う際に選択されるNOT用領域45とが順に配置されている。
【0032】
例えば、複数の単語でAND検索を行う場合には、1つ目の単語(この場合、「あいう」)の入力が完了した後に、AND用領域44が選択される。すると、図3に示すように、選択文字表示領域41には、「あいう」という単語に続いて、AND検索用の論理演算子「&」が表示される。すると、1つ目の単語は、「あいう」に確定される。すなわち、論理演算子「&」よりも前(図3では左側)に表示される文字列(この場合、「あいう」)が、確定済みの文字列に相当する。
【0033】
そして、論理演算子「&」に続いて2つ目の単語の入力が開始されると、ディスプレイ13において入力可能文字領域40の右側には、論理演算子「&」の右側に表示される文字列から推測される予測候補が表示される予測単語表示領域46が形成される。このように論理演算子「&」の右側に表示される文字列(図3では、「あ」)が、確定前の文字列に相当する。予測単語表示領域46には、詳しくは後述するが、図5に示す予測単語テーブルに記憶される登録単語のうち、確定前の文字列と前方一致する単語の少なくとも一つが表示される。例えば、確定前の文字列が「あ」である場合、予測単語表示領域46には、「あ」と前方一致する単語が予測候補として表示される。ここで、「あ」に続いて例えば「う」という文字が選択された場合、予測単語表示領域46には、確定前の文字列である「あう」と前方一致する単語が予測候補として表示される。なお、確定前の文字列と前方一致する単語が予測単語テーブルに存在しない場合、ディスプレイ13には予測単語表示領域46が形成されない。
【0034】
そして、図4に示すように、予測単語表示領域46に表示される複数の予測候補のうち何れか一つ(例えば、「アウトレット」)が選択されると、選択文字表示領域41では、確定前の文字列である「あ」が、選択された予測候補(アウトレット)に置換えられる。その結果、選択文字表示領域41には、「あいう & アウトレット」が表示される。この状態で検索実行用領域43が選択されると、1つ目の単語(あいう)と2つ目の単語(アウトレット)とでAND検索が行われる。なお、「AND検索」とは、入力された複数の単語を全て含む検索結果を抽出することである。
【0035】
上述したように、本実施形態のナビゲーション装置11で地点候補の検索を行う場合には、確定前の文字列の予測候補がディスプレイ13に案内表示される。そこで次に、こうした予測候補をディスプレイ13に案内表示する際に使用される予測単語テーブルについて、図5を参照して説明する。
【0036】
図5に示すように、予測単語テーブルは、所定のルール(本実施形態では、五十音順)に沿って並べられた複数の登録単語(登録文字列)と、登録単語毎の属性(属性情報)と、登録単語毎のスコア値Sとを互いに対応付けて記憶している。なお、スコア値Sとは、予測の優先度を示しており、スコア値Sの高い登録単語は、スコア値Sの低い登録単語と比較して、予測候補としてディスプレイ13に表示されやすい。
【0037】
次に、予測単語テーブルに記憶される各登録単語の一部について詳述する。
「あああ」は会社名であるため、「あああ」の属性は施設名称とされ、「あああ」のスコア値Sは「260」とされる。「アイス」はアイスクリームの略称であるため、「アイス」の属性はジャンル名称(食べ物の種類)とされ、「アイス」のスコア値Sは「380」とされる。
【0038】
「あいう」は、「あいう県」という地域を表す際に使用されると共に、例えば「あいう公園」などのように施設名を表す際にも使用される。そのため、「あいう」は、施設名称という属性と住所名称(県)という属性とを有している。こうした「あいう」のスコア値Sは「580」である。「アウトレット」はアウトレットモールの略称であり、アウトレットモールには、ファッション関係の店舗や食事関係の店舗などが出店している。そのため、「アウトレット」は、ジャンル名称(ファッション関係・食事関係)という属性を有しており、「アウトレット」のスコア値Sは「380」である。
【0039】
「いあい」は、「いあい県」という地域を表す際に使用されると共に、例えば「いあい公園」などのように施設名を表す際にも使用される。そのため、「いあい」は、施設名称という属性と住所名称(県)という属性とを有している。こうした「いあい」のスコア値Sは「450」である。「おあいう」は、「おあいう市」という地域を表す際に使用されると共に、例えば「おあいうビル」などのように施設名を表す際にも使用される。そのため、「おあいう」は、施設名称という属性と住所名称(市)という属性とを有している。こうした「おあいう」のスコア値Sは「400」である。
【0040】
「すし(寿司)」は、食べ物を表す単語であるため、「すし」の属性はジャンル名称(食べ物の種類)とされ、「すし」のスコア値Sは「350」とされる。「たたすし」は、寿司を食べることのできる店舗の名称である。そのため、「たたすし」は、施設名称という属性とジャンル名称(食べ物屋)という属性とを有している。こうした「たたすし」のスコア値Sは「200」である。
【0041】
また、図5には図示されていないが、予測単語テーブルには、「たべる(食べる)」、「あそぶ(遊ぶ)」などの動詞も登録単語として記憶されている。こうした動詞に対する属性には、それらの意味する内容に合致した属性が設定されている。例えば、「たべる(食べる)」及び「あそぶ(遊ぶ)」の属性は、ジャンル名称に設定される。
【0042】
次に、車両の乗員が地点候補の検索を行う際に制御部22が実行する処理ルーチンについて、図6、図7及び図8に示すフローチャートに基づき説明する。なお、図6は、確定済みの文字列が示す単語の属性を確定属性として取得するための確定属性判定処理ルーチンを説明するフローチャートである。また、図7は、AND検索用の論理演算子「&」の入力後に入力される単語、即ち確定前の文字列の予測候補をディスプレイ13に案内表示させるための予測候補決定処理ルーチンを説明するフローチャートである。そして、図8は、ディスプレイ13に予測候補が案内表示される際に実行される置換え処理ルーチンを説明するフローチャートである。
【0043】
始めに、確定属性判定処理ルーチンについて、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
この確定属性判定処理ルーチンは、車両の乗員によってAND用領域44又はNOT用領域45(図2参照)が選択されたタイミングで実行される。そして、確定属性判定処理ルーチンにおいて、制御部22は、確定済みの文字列に相当する単語が予測単語テーブルにあるか否かを判定する(ステップS110)。一例として、制御部22は、確定済みの文字列と前方一致する登録単語を予測単語テーブルから検索する。なお、このときの検索は、検索条件が完全一致しない対象を一定のルールに従って抽出する曖昧検索でもよい。そして、検索された登録単語が、「確定済みの文字列に相当する単語」とされる。
【0044】
確定済みの文字列に相当する単語が予測単語テーブルにある場合(ステップS110:YES)、制御部22は、予測単語テーブルから確定済みの文字列に相当する登録単語の属性を読出し、該属性を確定属性として取得する(ステップS111)。例えば、確定済みの文字列に相当する単語が「すし」である場合、制御部22は、「すし」という登録単語の属性として「ジャンル名称(食べ物の種類)」を読出し、「ジャンル名称(食べ物の種類)」を確定属性として取得する(図5参照)。また、確定済みの文字列に相当する単語が「あいう」である場合、制御部22は、「あいう」という登録単語の属性として「施設名称」及び「住所名称(県)」を読出し、「施設名称」及び「住所名称(県)」を確定属性として取得する。したがって、本実施形態では、制御部22が、属性取得手段としても機能する。また、ステップS111が、属性取得ステップに相当する。その後、制御部22は、確定属性判定処理ルーチンを終了する。
【0045】
一方、確定済みの文字列に相当する単語が予測単語テーブルにない場合(ステップS110:NO)、制御部22は、施設名称を確定属性として設定し(ステップS112)、その後、確定属性判定処理ルーチンを終了する。これは、ジャンル名称や住所名称を属性として有する単語よりも施設名称を属性として有する単語のほうが、予測単語テーブルに網羅できていない可能性が高いためである。特に新しいビルなどの名称を示す単語については、予測単語テーブルに記憶されていない可能性が非常に高い。
【0046】
次に、予測候補決定処理ルーチンについて、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
この予測候補決定処理ルーチンは、AND検索用の論理演算子「&」の入力後において、文字が車両の乗員によって選択される毎に実行される。また、予測候補決定処理ルーチンは、修正用領域42が乗員によって操作されたタイミングでも、確定前の文字列が存在する場合には実行される。そして、予測候補決定処理ルーチンにおいて、制御部22は、予測単語テーブルに含まれる各登録単語の中に、確定済みの文字列に続いて入力される確定前の文字列に前方一致する登録単語があるか否かを判定する(ステップS200)。つまり、制御部22は、入力された文字列のうち確定前の文字列があるか否かを判定し、確定前の文字列がある場合には該確定済みの文字列に前方一致する登録単語があるか否かを判定する。確定前の文字列に前方一致する登録単語がない場合(ステップS200:NO)、制御部22は、予測単語テーブルを用いた予測を行うことができないと判断し、予測候補決定処理ルーチンを終了する。このとき、制御部22は、入力された文字列のうち確定前の文字列がない場合も、予測候補決定処理ルーチンを終了する。なお、今回の予測候補決定処理ルーチンの実行開始前に、ディスプレイ13に予測候補を表示させていた場合、制御部22は、ディスプレイ13から予測単語表示領域46(図3参照)を消去させ、その後、予測候補決定処理ルーチンを終了する。
【0047】
一方、確定前の文字列に前方一致する登録単語がある場合(ステップS200:YES)、制御部22は、確定前の文字列と前方一致する登録単語と該登録単語の属性を予測単語テーブルから全て読出す(ステップS201)。例えば、確定前の文字列が「あ」である場合、制御部22は、「あ」と前方一致する登録単語として、「あああ」「アイス」「あいう」「アウトレット」を、それらの属性と共に予測単語テーブルから読出す(図5参照)。また、確定前の文字列が「あい」である場合、制御部22は、「あい」と前方一致する登録単語として、「アイス」「あいう」を、それらの属性と共に予測単語テーブルから読出す(図5参照)。したがって、本実施形態では、制御部22が、読出し手段としても機能する。また、ステップS201が、読出しステップに相当する。
【0048】
続いて、制御部22は、予測単語テーブルから読出した登録単語の総数を読出し総数Pとして取得し(ステップS202)、係数Mに「1」をセットする(ステップS203)。そして、制御部22は、ステップS201で読出した各登録単語を五十音順に並べ、上位からM番目の登録単語のスコア値S(M)を予測単語テーブルから取得する(ステップS204)。続いて、制御部22は、M番目の登録単語の属性が上記ステップS111又はステップS112で設定された確定属性と一致するか否かを判定する(ステップS205)。このとき、確定属性として複数の属性(例えば、施設名称と住所名称(県))が設定される場合、制御部22は、M番目の登録単語の属性が、各確定属性のうち何れか一つと一致するか否かを判定する。なお、本実施形態では、「アイス」と「アウトレット」は、ジャンル名称という同一の属性を有しているものとする。また、「あいう」と「いあい」と「おあいう」は、住所名称という同一の属性を有しているものとする。
【0049】
M番目の登録単語の属性と一致する確定属性がない場合(ステップS205:NO)、制御部22は、M番目の登録単語のスコア値S(M)を、M番目の登録単語の補正スコア値SH(M)とし(ステップS206)、その処理を後述するステップS208に移行する。一方、M番目の登録単語の属性と一致する確定属性がある場合(ステップS205:YES)、制御部22は、M番目の登録単語のスコア値S(M)を低くする補正処理を行う(ステップS207)。本実施形態では、制御部22は、M番目の登録単語のスコア値S(M)を予め設定された補正値H(例えば、50)で減算し、該減算結果を補正スコア値SH(M)とする。その後、制御部22は、その処理を次のステップS208に移行する。なお、補正値Hを、確定済みの文字列に相当する単語のスコア値Sに基づいた値としてもよい。
【0050】
ステップS208において、制御部22は、現時点の係数MがステップS202で取得した読出し総数Pと一致するか否かを判定する。係数Mが読出し総数P未満である場合(ステップS208:NO)、制御部22は、予測単語テーブルから読出した全ての登録単語に関してステップS205の判定処理を行っていないため、係数Mを「1」だけインクリメントし(ステップS209)、その処理を前述したステップS204に移行する。一方、係数Mが読出し総数Pと一致する場合(ステップS208:YES)、制御部22は、予測単語テーブルから読出した全ての登録単語に関してステップS205の判定処理を行ったと判断する。このようにステップS208の判定結果が肯定になった時点では、予測単語テーブルから読出された各登録単語のうち、確定属性と一致する属性を有する登録単語のスコア値(この場合、補正スコア値SH)と確定属性と一致する属性を有さない他の登録単語のスコア値(この場合、補正スコア値SH)との大小関係が変化している。
【0051】
そして、制御部22は、予測単語テーブルから読出された登録単語を補正スコア値SHの大きい順に並べ、上位N個(Nは1以上の整数であって、例えば「5」)の登録単語を抽出する(ステップS210)。続いて、制御部22は、ステップS210で抽出した上位N個の登録単語を、予測候補としてディスプレイ13に案内表示させる予測候補表示処理を行い(ステップS214)、その後、予測候補決定処理ルーチンを終了する。この場合、補正処理後の優先度に相当する補正スコア値SHの高い登録単語が、補正スコア値SHの低い登録単語よりも優先的に予測候補としてディスプレイ13に案内表示される。したがって、本実施形態では、制御部22が、予測表示手段としても機能する。また、ステップS210,S214により、予測表示ステップが構成される。
【0052】
次に、置換え処理ルーチンについて、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
さて、置換え処理ルーチンは、ディスプレイ13に予測候補が表示される間、予め設定された所定周期毎(例えば、0.1秒毎)に実行される。そして、置換え処理ルーチンにおいて、制御部22は、ディスプレイ13に形成された予測単語表示領域46(図3参照)に表示される予測候補が車両の乗員によって選択されたか否かを判定する(ステップS300)。予測候補が選択されていない場合(ステップS300:NO)、制御部22は、置換え処理ルーチンを一旦終了する。
【0053】
一方、予測候補が選択された場合(ステップS300:NO)、制御部22は、選択された予測候補を特定し、置換え処理を行う(ステップS301)。具体的には、制御部22は、ディスプレイ13の選択文字表示領域41に表示される確定前の文字列(例えば、あ)を、選択された予測候補(例えば、アウトレット)に置換えさせる(図3,4参照)。したがって、本実施形態では、制御部22が、置換え表示手段としても機能する。また、ステップS301が、置換え表示ステップに相当する。そして、制御部22は、ディスプレイ13から予測単語表示領域46を消去させ(ステップS302)、その後、置換え処理ルーチンを一旦終了する。
【0054】
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、論理演算子に続いて単語が入力される場合には、入力途中の文字列、即ち確定前の文字列の予測候補がディスプレイ13に案内表示される。そして、案内表示された予測候補が車両の乗員によって選択された場合には、確定前の文字列が、乗員によって選択された予測候補に置換えられる。そして、この状態でディスプレイ13の検索実行用領域43が選択されると、複数の単語を用いた検索が開始される。したがって、予測候補としてディスプレイ13に案内表示された単語を乗員が選択する場合には、入力に要する時間を短縮させることができる。
【0055】
(2)本実施形態では、確定済みの文字列に相当する単語が予測単語テーブルに登録単語として記憶される場合には、該登録単語の属性が確定属性として取得される。そして、AND検索を行うべく論理演算子「&」が選択された状態で、次の単語の入力が開始されると、確定前の文字列と前方一致する登録単語と該登録単語の属性が予測単語テーブルから読出される。そして、読出された登録単語のうち、確定属性と一致する属性を有する登録単語よりも確定属性と一致する属性を有さない登録単語が、確定前の文字列の予測候補として優先的にディスプレイ13に案内表示される。これは、AND検索を行う場合には、同一属性を有する単語が連続して入力される可能性が低いと考えられるためである。すなわち、車両の乗員に選択される可能性の高い予測候補が、精度良くディスプレイ13に案内表示される。したがって、複数の単語を入力させる際における車両の乗員による単語の入力に要する時間を短縮させることが可能となる。
【0056】
(3)本実施形態では、予測単語テーブルから読出された複数の登録単語のうち、確定属性と一致する属性を有する登録文字列の優先度(即ち、補正スコア値SH)は低くされる。一方、確定属性と一致する属性を有さない登録文字列の優先度(即ち、補正スコア値SH)は、補正前の優先度(即ち、スコア値S)に維持される。そして、補正スコア値SHの高い登録単語が、補正スコア値SHの低い登録単語よりも優先的に確定前の文字列の予測候補としてディスプレイ13に案内表示される。そのため、確定前の文字列に対する予測精度を、向上させることができる。
【0057】
(4)また、本実施形態では、確定前の文字列に基づき複数の登録単語が予測単語テーブルから読出された場合、確定属性と一致する属性を有するか否かに基づいたスコア値Sの補正処理が行われる。その後、予測候補として読み出された各登録単語のうち、補正スコア値SHの高い方から上位N個の登録単語が、予測候補としてディスプレイ13に案内表示される。このとき、予測候補として読み出された登録単語の個数がN個よりも多い場合、補正スコア値SHの低い登録単語は、予測候補としてディスプレイ13に案内表示されない。したがって、車両の乗員によって選択される可能性の低い登録単語、即ち確定属性と一致する属性を有する登録単語が、予測候補としてディスプレイ13に案内表示される可能性を低くすることができる。
【0058】
(5)また、論理演算子「&」が入力された段階での確定済みの文字列に相当する単語が予測単語テーブルにない場合、確定属性は施設名称とされる。これにより、確定済みの文字列及び論理演算子「&」に続いて入力される確定前の文字列を、予測単語テーブルを用いて予測することができる。
【0059】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図9〜図11に従って説明する。なお、第2の実施形態は、予測単語テーブルの内容、確定属性判定処理ルーチン及び予測候補決定処理ルーチンの一部が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0060】
まず始めに、本実施形態の予測単語テーブルについて、図9を参照して説明する。
図9に示すように、予測単語テーブルでは、各登録単語に対して、属性毎にスコア値S1,S2,S3が設定されている。具体的には、会社名を表す登録単語の「あああ」は、施設名称という属性を有している。そのため、「あああ」に対する施設名称用の第1スコア値S1は「260」とされる一方、住所名称用の第2スコア値S2及びジャンル名称用の第3スコア値S3は共に「0(零)」とされる。また、アイスクリームの略称である「アイス」は、ジャンル名称(食べ物の種類)という属性を有している。そのため、「アイス」に対する第3スコア値S3は「380」とされる一方、第1スコア値S1及び第2スコア値S2は共に「0(零)」とされる。
【0061】
また、「あいう」は、上述したように、施設名称という属性と住所名称(県)という属性とを有している。そのため、「あいう」に対する第1スコア値S1は「348」とされると共に、第2スコア値S2は「232」とされる一方、第3スコア値S3は「0(零)」とされる。また、アウトレットモールの略称である「アウトレット」は、ジャンル名称(ファッション関係・食事関係)という属性を有している。そのため、「アウトレット」に対する第3スコア値S3は「380」とされる一方、第1スコア値S1及び第2スコア値S2は共に「0(零)」とされる。
【0062】
また、「いあい」は、上述したように、施設名称という属性と住所名称(県)という属性とを有している。そのため、「いあい」に対する第1スコア値S1及び第2スコア値S2は共に「225」とされる一方、第3スコア値S3は「0(零)」とされる。また、「おあいう」は、上述したように、施設名称という属性と住所名称(市)という属性とを有している。そのため、「おあいう」に対する第1スコア値S1は「160」とされると共に、第2スコア値S2は「240」とされる一方、第3スコア値S3は「0(零)」とされる。
【0063】
また、「すし(寿司)」は、ジャンル名称(食べ物の種類)という属性を有している。そのため、「すし」に対する第3スコア値S3は「350」とされる一方、第1スコア値S1及び第2スコア値S2は共に「0(零)」とされる。また、寿司を食べることのできる店舗の名称を表す「たたすし」は、施設名称という属性とジャンル名称(食べ物屋)という属性とを有している。そのため、「たたすし」に対する第1スコア値S1及び第3スコア値S3は共に「100」とされる一方、第2スコア値S2は「0(零)」とされる。
【0064】
次に、本実施形態の確定属性判定処理ルーチンについて、図10に示すフローチャートを参照して説明する。
さて、確定属性判定処理ルーチンにおいて、確定済みの文字列に相当する単語が予測単語テーブルにある場合(ステップS110:YES)、制御部22は、検索された登録単語の第1スコア値S1、第2スコア値S2及び第3スコア値S3を予測単語テーブルから取得する(ステップS121)。例えば、確定済みの文字列に相当する単語が「おあいう」である場合、制御部22は、「おあいう」の第1スコア値S1(160)、第2スコア値S2(240)及び第3スコア値S3(0(零))を取得する。本実施形態では、属性毎にスコア値が設定されている。そのため、条件に合致する登録単語の各スコア値S1,S2,S3を取得することは、当該登録単語の属性(属性情報)を取得したことと等しい。したがって、本実施形態では、ステップS121が、属性取得ステップに相当する。
【0065】
続いて、制御部22は、取得した第1スコア値S1を施設名称用の第1補正値H1に設定すると共に、第2スコア値S2を住所名称用の第2補正値H2に設定し、さらに、第3スコア値S3をジャンル名称用の第3補正値H3に設定する(ステップS122)。その後、制御部22は、確定属性判定処理ルーチンを終了する。
【0066】
一方、確定済みの文字列に相当する単語が予測単語テーブルにない場合(ステップS110:NO)、制御部22は、第1補正値H1、第2補正値H2及び第3補正値H3に「0(零)」を設定し(ステップS123)、その後、確定属性判定処理ルーチンを終了する。
【0067】
次に、本実施形態の予測候補決定処理ルーチンについて、図11に示すフローチャートを参照して説明する。
予測候補決定処理ルーチンにおいて、制御部22は、上記ステップS200,S201,S202,S203の処理と同等の処理を順次実行する。続いて、制御部22は、ステップS201で読出した各登録単語を五十音順に並べ、上位からM番目の登録単語の各スコア値S1(M),S2(M),S3(M)を予測単語テーブルから取得する(ステップS221)。そして、制御部22は、取得したM番目の登録単語の各スコア値S1(M),S2(M),S3(M)に対して、ステップS122又はS123で設定した補正値H1,H2,H3を用いた補正処理を行う(ステップS222)。
【0068】
具体的には、制御部22は、M番目の登録単語の第1スコア値S1(M)から第1補正値H1を減算し、該減算結果を第1補正スコア値SH1(M)とする。また、制御部22は、第2スコア値S2(M)から第2補正値H2を減算し、該減算結果を第2補正スコア値SH2(M)とする。そして、制御部22は、第3スコア値S3(M)から第3補正値H3を減算し、該減算結果を第3補正スコア値SH3(M)とする。なお、上記の演算により、補正スコア値SHが負の値となった場合、当該補正スコア値SHは「0(零)」とされる。
【0069】
続いて、制御部22は、ステップS222で算出した各補正スコア値SH1(M)、SH2(M)、SH3(M)を合算し、該合算結果を合算スコア値SHT(M)とする(ステップS223)。
【0070】
ここで、確定済みの文字列に相当する単語が「あいう」でM番目の登録単語が「たたすし」であった場合を例として説明する。すなわち、上記ステップS122において、第1補正値H1が「348」に設定されると共に、第2補正値H2が「232」とされ、さらに、第3補正値H3が「0(零)」とされる(図9参照)。また、第1スコア値S1(M)及び第3スコア値S3が「100」とされると共に、第2スコア値S2が「0(零)」とされる。すると、ステップS222での補正処理によって、第1補正スコア値SH1(M)は、演算結果((100−348)<0(零))が負の値となるため、「0(零)」となる。また、第2補正スコア値SH2(M)は、演算結果((0(零)−232)<0(零))が負の値となるため、「0(零)」となる。また、第3補正スコア値SH3(M)は、「100」(=100−0(零))となる。そして、合算スコア値SHT(M)は、「100」(=0(零)+0(零)+100)となる。
【0071】
そして、制御部22は、上記ステップS208の判定処理と同様に、現時点の係数Mが上記ステップS202で取得した読出し総数Pと一致するか否かを判定する(ステップS224)。係数Mが読出し総数P未満である場合(ステップS224:NO)、制御部22は、係数Mを「1」だけインクリメントし(ステップS225)、その処理を前述したステップS221に移行する。一方、係数Mが読出し総数Pと一致する場合(ステップS224:YES)、制御部22は、上記ステップS210,S214の各処理を順次実行し、予測候補決定処理ルーチンを終了する。
【0072】
ここで、第1の実施形態の場合と同じように、登録単語のスコア値を属性毎に設定しない場合には、以下に示す問題が発生し得る。なお、前提として、「あいう」と「たたすし」とでAND検索を行うものとする。
【0073】
この場合、1つ目の単語として「あいう」が入力されると、確定属性は施設名称と住所名称とされる(図5参照)。その後、論理演算子「&」の入力後に、「た」が入力されると、予測単語テーブルから「た」と前方一致する登録単語が読出される。このとき、「たたすし」も読出される。しかし、「たたすし」は、確定属性と一致する属性(施設名称)を有している(図5参照)。そのため、「たたすし」に設定されたスコア値は、「あいう」に設定されたスコア値を用いて減算処理される。すると、「たたすし」の補正スコア値は「0(零)」となってしまう。その結果、読出された登録単語がN個以上ある場合、車両の乗員が所望する「たたすし」は、補正スコア値が「0(零)」となるために予測単語テーブルに記憶されているにも拘わらず、予測候補としてディスプレイ13に案内表示されない可能性がある。
【0074】
この点、本実施形態では、登録単語には、図9に示すように、属性毎にスコア値S1,S2,S3が設定されている。そのため、論理演算子「&」の入力後に「た」が入力されたために読出された「たたすし」の各スコア値S1,S2,S3は、「あいう」の各スコア値S1,S2,S3に基づき個別に補正される。このとき、「あいう」と「たたすし」は、施設名称という属性を有する点で一致している。その結果、「たたすし」の第1スコア値S1(100)は、「あいう」の第1スコア値S1(348)で補正される。その一方で、「たたすし」はジャンル名称という属性を有するのに対し、「あいう」はジャンル名称という属性を有していない。その結果、「たたすし」の第3スコア値S3は、実質的には補正されない。
【0075】
すると、各補正スコア値SH1,SH2,SH3を合算した「たたすし」の合算スコア値SHTは、「0(零)」ではない。そのため、読出された登録単語の個数がN個よりも多い場合であっても、合算スコア値SHTが「0(零)」ではないために、車両の乗員が所望する「たたすし」が予測候補としてディスプレイ13に案内表示される可能性が高くなる。
【0076】
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態の効果(1)〜(4)の効果に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(6)本実施形態の予測単語テーブルでは、登録単語には、属性毎のスコア値S1,S2,S3が設定されている。そのため、確定属性と一致する属性を有する登録単語のうち、確定属性と一致しない他の属性も有する登録単語が予測候補としてディスプレイ13に案内表示される可能性を高めることができる。したがって、車両の乗員に選択される可能性のある登録単語を予測候補としてディスプレイ13に案内表示させることにより、入力に要する時間短縮に貢献できる可能性が高くなる。
【0077】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図12〜図14に従って説明する。なお、第3の実施形態は、予測単語テーブルの内容、確定属性判定処理ルーチン及び予測候補決定処理ルーチンの一部が第1及び第2の各実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1及び第2の各実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1及び第2の各実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0078】
図12に示すように、本実施形態のテーブル記憶部25(図1参照)には、2種類の予測単語テーブルが記憶されている。本実施形態では、上記第2の実施形態の場合とは異なり、一部の属性が細かく分類されている。例えば、住所名称は、都道府県レベルの住所名称、市レベルの住所名称、区レベルの住所名称、町村レベルの住所名称に分類されている。これら地域名称に関する属性のうち、町村レベルの住所名称は、他の住所名称と比較して狭い範囲の地域を示す属性であるといえる。区レベルの住所名称は、町村レベルの住所名称よりも広範囲の地域を示す属性であるといえる。市レベルの住所名称は、町村レベル及び区レベルの住所名称よりも広範囲の地域を示す属性であるといえる。そして、都道府県レベルの住所名称は、他の住所名称よりも広範囲の地域を示す属性であるといえる。
【0079】
ジャンル名称は、大概念レベルのジャンル名称、種類レベルのジャンル名称、店名レベルのジャンル名称に分類される。大概念レベルのジャンル名称は、ジャンルを大別するための属性である。こうした大概念レベルのジャンル名称を有する登録単語の一例としては、「アウトレット(アウトレットモール)」、「レストラン」、「あそぶ(遊ぶ)」、「たべる(食べる)」(図示略)などが挙げられる。
【0080】
種類レベルのジャンル名称は、大概念レベルのジャンル名称を下位概念化(具体化)する属性である。「レストラン」や「たべる(食べる)」を下位概念化した登録単語の一例としては、「アイス(アイスクリーム)」、「すし(寿司)」、「ハンバーガー」(図示略)などが挙げられる。また、「あそぶ(遊ぶ)」を下位概念化した登録単語の一例としては、「えいが(映画)」、「ゆうえんち(遊園地)」、「カラオケ」(図示略)などが挙げられる。
【0081】
店名レベルのジャンル名称は、種類レベルのジャンル名称を下位概念化(具体化)する属性である。すなわち、店名レベルのジャンル名称は、具体的な店名や位置などを表す登録単語に設定される。「すし(寿司)」を下位概念化した登録単語の一例としては、「たたすし(食べ物屋)」が挙げられる。
【0082】
始めに、図12の上側に示される第1の予測単語テーブルについて説明する。
第1の予測単語テーブルでは、各登録単語に対して、属性毎にスコア値S1,S21,S22,S23,S24,S31,S32,S33が設定されている。具体的には、会社名を表す登録単語の「あああ」に関して、施設名称用の第1スコア値S1は「260」である一方、その他のスコア値S21〜S24,S31〜S33は「0(零)」である。アイスクリームの略称である「アイス」に関して、種類レベルのジャンル名称用の第32スコア値S32は「380」であり、その他のスコア値S1,S21〜S24,S31,S33は「0(零)」である。また、施設名称又は都道府県レベルの住所名称を表す「あいう」に関して、第1スコア値S1は「348」であると共に、都道府県レベルの住所名称用の第21スコア値S21は「232」である一方、その他のスコア値S22〜S24,S31〜S33は「0(零)」である。
【0083】
アウトレットモールの略称である「アウトレット」に関して、大概念レベルのジャンル名称用の第31スコア値S31は「380」である一方、その他のスコア値S1,S21〜S24,S32,S33は「0(零)」である。施設名称又は都道府県レベルの住所名称を表す「いあい」に関して、第1スコア値S1は「225」であると共に、第21スコア値S21は「225」である一方、その他のスコア値S22〜S24,S31〜S33は「0(零)」である。施設名称又は市レベルの住所名称を表す「おあいう」に関して、第1スコア値S1は「160」であると共に、市レベルの住所名称用の第22スコア値S22は「240」である一方、その他のスコア値S21,S23,S24,S31〜S33は「0(零)」である。
【0084】
食べ物の種類を表す「すし(寿司)」に関して、種類レベルのジャンル名称用の第32スコア値S32は「350」である一方、その他のスコア値S1,S21〜S24,S31,S33は「0(零)」である。店名を表す「たたすし」に関して、第1スコア値S1は「100」であると共に、店名レベルのジャンル名称用の第33スコア値S33は「100」である一方、その他のスコア値S21〜S24,S31,S32は「0(零)」である。町村レベルの住所名称を表す「なにぬ」に関して、町村レベルの住所名称用の第23スコア値S23は「150」である一方、その他のスコア値S1,S21〜S23,S31〜S33は「0(零)」である。
【0085】
なお、本実施形態において、「おあいう(市)」は、該当する地域が日本全国で一箇所しかない市名である一方、「なにぬ(町)」は、該当する地域が日本全国で複数箇所に存在する町名であるものとする。
【0086】
次に、図12の下側に示される第2の予測単語テーブルについて説明する。
確定済みの文字列に相当する登録単語によっては、論理演算子「&」に続いて入力される確定前の文字列に対する予測候補が限定されることがある。例えば、確定済みの文字列に相当する単語が「おあいう(市)」である場合、「おあいう(市)」は全国で一箇所しかない。そのため、論理演算子「&」に続いて都道府県レベルの住所名称を有する単語が入力される可能性は低い。また、確定済みの文字列に相当する単語が「すし(寿司)」である場合、論理演算子(&)に続いて大概念レベルのジャンルを有する単語(例えば、「レストラン」)が入力される可能性は低い。このように確定済みとなった単語によっては、次に入力される単語の予測候補を絞り込むことができる。こうした予測候補を絞り込むために第2の予測単語テーブルが用意されている。
【0087】
図12に示すように、第2の予測単語テーブルでは、各登録単語に対して、属性毎に排他スコア値Z1,Z21,Z22,Z23,Z24,Z31,Z32,Z33が設定されている。具体的には、アイスクリームの略称である「アイス」に関して、大概念レベルのジャンル名称用の第31排他スコア値Z31は「200」であり、その他の排他スコア値Z1,Z21〜Z24,Z32,Z33は「0(零)」である。施設名称又は市レベルの住所名称を表す「おあいう」に関して、都道府県レベル用の第21排他スコア値Z21は「210」である一方、その他の排他スコア値Z1,Z22〜Z24,Z31〜Z33は「0(零)」である。
【0088】
食べ物の種類を表す「すし(寿司)」に関して、大概念レベルのジャンル名称用の第31排他スコア値Z31は「200」である一方、その他の排他スコア値Z1,Z21〜Z24,Z32,Z33は「0(零)」である。店名を表す「たたすし」に関して、大概念レベル及び種類レベルのジャンル名称用の第31排他スコア値Z31及び第32排他スコア値Z32は「100」である一方、その他の排他スコア値Z1,Z21〜Z24,Z33は「0(零)」である。
【0089】
その一方で、他の登録単語の排他スコア値Z1,Z21〜Z24,Z31〜Z33は、全て「0(零)」である。これは、他の登録単語が確定済みの文字列に相当する単語となった場合に、論理演算子「&」に続いて入力される単語の予測候補を、他の登録単語の属性(確定属性)によって排他しなくてもよいためである。
【0090】
次に、本実施形態の確定属性判定処理ルーチンについて、図13に示すフローチャートを参照して説明する。
さて、確定属性判定処理ルーチンにおいて、確定済みの文字列に相当する単語が予測単語テーブルにある場合(ステップS110:YES)、制御部22は、検索した登録単語のスコア値S(S1,S21〜S24,S31〜S33)を第1の予測単語テーブルから取得する(ステップS131)。本実施形態では、第2の実施形態の場合と同様に、属性毎にスコア値が設定されている。そのため、条件に合致する登録単語の各スコア値を取得することは、当該登録単語の属性(属性情報)を取得したことと等しい。したがって、本実施形態では、ステップS131が、属性取得ステップに相当する。
【0091】
続いて、制御部22は、検索した登録単語の排他スコア値Z(Z1,Z21〜Z24,Z31〜Z33)を第2の予測単語テーブルから取得する(ステップS132)。そして、制御部22は、ステップS131,S132で取得したスコア値S及び排他スコア値Zに基づき、属性毎の補正値H(H1,H21,H22,H23,H24,H31,H32,H33)を設定し(ステップS133)、確定属性判定処理ルーチンを終了する。
【0092】
一方、確定済みの文字列に相当する単語が予測単語テーブルにない場合(ステップS110:NO)、制御部22は、属性毎の補正値H(H1,H21,H22,H23,H24,H31,H32,H33)を全て「0(零)」とし(ステップS134)、確定属性判定処理ルーチンを終了する。
【0093】
ここで、補正値Hの設定方法について、確定済みの文字列に相当する単語が「おあいう」である場合を例として説明する。
検索された登録単語が「おあいう」である場合、第1スコア値S1は「160」に、第22スコア値S22は「240」に、他のスコア値S21,S23,S24,S31〜S33は「0(零)」になる(図12参照)。また、第21排他スコア値Z21は「210」に、他の排他スコア値Z1,Z22〜Z24,Z31〜Z33は「0(零)」になる。
【0094】
そして、第1スコア値S1が「160」であると共に第1排他スコア値Z1が「0(零)」であるため、第1補正値H1は「160」とされる。また、第21スコア値S21が「0(零)」であると共に第21排他スコア値Z21が「210」であるため、第21補正値H21は「210」とされる。また、第22スコア値S22が「240」であると共に第22排他スコア値Z22が「0(零)」であるため、第22補正値H22が「240」とされる。また、第23スコア値S23及び第23排他スコア値Z23が共に「0(零)」であるため、第23補正値H23が「0(零)」とされる。同様に、第24補正値H24、第31補正値H31、第32補正値H32及び第33補正値H33は、それぞれ「0(零)」とされる。
【0095】
なお、もし仮に第1スコア値S1が「160(>0(零))」であると共に第1排他スコア値Z1が「100(>0(零))」であったとした場合、第1補正値H1を、第1スコア値S1及び第1排他スコア値Z1のうち大きな方としてもよいし、第1スコア値S1及び第1排他スコア値Z1の平均値としてもよい。
【0096】
次に、本実施形態の予測候補決定処理ルーチンについて、図14に示すフローチャートを参照して説明する。
予測候補決定処理ルーチンにおいて、制御部22は、上記ステップS200,S201,S202,S203の処理と同等の処理を順次実行する。続いて、制御部22は、ステップS201で読出した各登録単語を五十音順に並べ、上位からM番目の登録単語の各スコア値S(M)を予測単語テーブルから取得する(ステップS241)。そして、制御部22は、取得したM番目の登録単語の各スコア値S(M)に対して補正処理を行う(ステップS242)。つまり、制御部22は、スコア値S1(M),S21(M),S22(M),S23(M),S24(M),S31(M),S32(M),S33(M)を、ステップS133又はステップS134で設定した補正値H1,H21〜H24,H31〜H33を用いて補正する。そして、制御部22は、補正結果を補正スコア値SH1(M),SH21(M),SH22(M),SH23(M),SH24(M),SH31(M),SH32(M),SH33(M)とする。第1スコア値S1(M)の補正処理を例として説明すると、制御部22は、第1スコア値S1(M)から補正値H1を減算し、該減算結果を第1補正スコア値SH1(M)とする。
【0097】
続いて、制御部22は、ステップS242で算出した各補正スコア値SH1(M),SH21(M)〜SH24(M),SH31(M)〜SH33(M)を合算し、該合算結果を合算スコア値SHT(M)とする(ステップS243)。そして、制御部22は、上記ステップS208の判定処理と同様に、現時点の係数Mが上記ステップS202で取得した読出し総数Pと一致するか否かを判定する(ステップS244)。係数Mが読出し総数P未満である場合(ステップS244:NO)、制御部22は、係数Mを「1」だけインクリメントし(ステップS245)、その処理を前述したステップS241に移行する。一方、係数Mが読出し総数Pと一致する場合(ステップS244:YES)、制御部22は、上記ステップS210,S214の各処理を順次実行し、予測候補決定処理ルーチンを終了する。
【0098】
上述したように、「おあいう(市)」は、該当する地域が日本全国で一箇所しかない市名であるため、確定済みの文字列に相当する単語が「おあいう」である場合、論理演算子「&」に続いて入力される単語が都道府県名である可能性は低い。本実施形態では、「おあいう」に関して、都道府県レベルの住所名称用の第21排他スコア値Z21が「210」とされている(図12参照)。
【0099】
論理演算子「&」に続いて入力された文字が「あ」であると、「あ」と前方一致する全ての登録単語として「あああ」、「アイス」、「あいう」、「アウトレット」などが読出される。このように読出された各登録単語のうち、「あああ」、「アイス」、「アウトレット」は、都道府県レベルの住所名称を属性として有していない。そのため、これらに設定されるスコア値Sは、「おあいう」の第21排他スコア値Z21(210)によって補正されない。一方、「あいう」は、都道府県レベルの住所名称を属性として有している。そのため、「あいう」に設定される都道府県レベルの住所名称用の第21スコア値S21(225)は、「おあいう」の第21排他スコア値Z21(210)によって補正される。つまり、「あいう」の第21補正スコア値SH21は、「15」(=225−210)となる。
【0100】
すると、「あいう」の合算スコア値SHTは、低くなる。その結果、確定前の文字列「あ」の予測候補として「あいう」がディスプレイ13に案内表示される可能性が低くなる。また、案内表示されたとしても、「あいう」は、他の予測候補よりも下位で案内表示される。
【0101】
また、確定済みの文字列に相当する単語が「たたすし」である場合、論理演算子「&」に続いて入力される単語が、種類レベルのジャンル名称や大概念レベルのジャンル名称の属性を有する単語である可能性は低い。そこで、本実施形態では、「たたすし」に関して、大概念レベルのジャンル名称用の第31排他スコア値Z31が「100」とされると共に、種類レベルのジャンル名称用の第32排他スコア値Z32が「100」とされる(図12参照)。その結果、論理演算子「&」に続いて例えば「す」が入力されたとしても、「すし(寿司)」が確定前の文字列「す」の予測候補としてディスプレイ13に案内表示される可能性は低くなる。また、案内表示されたとしても、「すし」は、他の予測候補よりも下位で案内表示される。
【0102】
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態の効果(1)〜(4)(6)の効果に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(7)AND検索を行う場合には、確定済みの文字列に相当する単語の属性(確定属性)よりも大概念の属性を有する単語が論理演算子「&」に続いて入力される可能性は低いと考えられる。例えば、寿司屋の店名を表す「たたすし」が入力された後に、「すし(寿司)」が入力される可能性は低い。そこで、本実施形態では、各登録単語に対して、排他スコア値Z1,Z21〜Z24,Z31〜Z33が設定されている。そして、この排他スコア値Z1,Z21〜Z24,Z31〜Z33を用いて、確定前の文字列に前方一致する登録単語のスコア値Sが補正される。その結果、確定済みの文字列に相当する単語の属性(確定属性)よりも大概念の属性を有する登録単語が予測候補としてディスプレイ13に案内表示される可能性を低くすることができる。したがって、車両の乗員によって選択される可能性の高い登録単語がディスプレイ13に案内表示される可能性を高くすることができる。
【0103】
(8)また、住所名称(地域名称)を表す登録単語は、該当する地域が複数存在する単語と、該当する地域が一箇所しかない単語とに分類される。そして、該当する地域が日本全国で一箇所しかない地域名に相当する登録単語が確定済みの文字列に相当する単語である場合、該登録単語が示す地域よりも広範囲の地域を表す登録単語が予測候補としてディスプレイ13に案内表示される可能性は低くなる。例えば、確定済みの文字列に相当する単語が「おあいう(市)」である場合、該「おあいう」に関して都道府県レベルの住所名称用の第21排他スコア値Z21が「210」とされる。そのため、都道府県レベルの住所名称を表す登録単語が予測候補としてディスプレイ13に案内表示される可能性は低くなる。したがって、車両の乗員によって選択される可能性の低い登録単語がディスプレイ13に案内表示される可能性を低くすることができる。
【0104】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態を図15及び図16に従って説明する。なお、第4の実施形態では、NOT検索用の予測候補決定処理ルーチンを実行する点が第3の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第3の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第2の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0105】
始めに、NOT検索を行う際にディスプレイ13に表示される検索用表示画面の一例について、図15を参照して説明する。
複数の単語でNOT検索を行う場合には、1つ目の単語(この場合、「すし」)の入力が完了した後に、NOT用領域45が選択される。すると、図15に示すように、選択文字表示領域41には、「すし」という単語に続いて、NOT検索用の論理演算子として「−」が表示される。すると、1つ目の単語は、「すし」に確定される。すなわち、論理演算子「−」よりも前(図15では左側)に表示される文字列(この場合、「すし」)が、確定済みの文字列に相当する。
【0106】
そして、論理演算子「−」に続いて2つ目の単語の入力が開始されると、ディスプレイ13において入力可能文字領域40の右側には、論理演算子「−」の右側に表示される文字列から推測される予測候補が表示される予測単語表示領域46が形成される。このように論理演算子「−」の右側に表示される文字列が、確定前の文字列に相当する。予測単語表示領域46には、図9に示す予測単語テーブルに記憶される登録単語のうち、確定前の文字列と前方一致する単語の少なくとも一つが表示される。例えば、確定前の文字列が「た」である場合、予測単語表示領域46には、「た」と前方一致する単語が予測候補として表示される。
【0107】
そして、予測単語表示領域46に表示される複数の予測候補のうち何れか一つ(例えば、「たたすし」)が選択されると、選択文字表示領域41では、確定前の文字列である「た」が、選択された予測候補(たたすし)に置換えられる。その結果、選択文字表示領域41には、「すし − たたすし」が表示される。この状態で検索実行用領域43が選択されると、1つ目の単語(すし)と2つ目の単語(たたすし)とでNOT検索が行われる。この場合、「たたすし」以外で寿司を提供するお店が検索される。
【0108】
次に、NOT検索時用の確定属性判定処理ルーチンについて、図16に示すフローチャートを参照して説明する。なお、NOT検索時用の確定属性判定処理ルーチンは、確定前の文字列に前方一致する登録単語のスコア値の補正方法以外では、AND検索時用の確定属性判定処理ルーチンとほぼ同等である。そこで、AND検索時の場合とは異なる点を重点的に説明するものとし、それ以外の部分については簡単に説明するものとする。
【0109】
この予測候補決定処理ルーチンは、NOT検索用の論理演算子「−」の入力後において、文字が車両の乗員によって選択される毎に実行される。また、予測候補決定処理ルーチンは、修正用領域42が乗員によって選択されたタイミングでも、確定前の文字列が存在する場合には実行される。そして、予測候補決定処理ルーチンにおいて、予測単語テーブルに含まれる各登録単語の中に、確定前の文字列に前方一致する登録単語がない場合(ステップS400:NO)、制御部22は、予測候補決定処理ルーチンを終了する。一方、確定前の文字列に前方一致する登録単語がある場合(ステップS400:YES)、制御部22は、確定前の文字列と前方一致する登録単語と該登録単語の属性を予測単語テーブルから全て読出す(ステップS401)。したがって、本実施形態では、ステップS401が、読出しステップに相当する。続いて、制御部22は、予測単語テーブルから読出した登録単語の総数を読出し総数Pとして取得し(ステップS402)、係数Mに「1」をセットする(ステップS403)。
【0110】
そして、制御部22は、ステップS401で読出した各登録単語を五十音順に並べ、上位からM番目の登録単語が確定属性の下位概念の属性を有するか否かを判定する(ステップS404)。例えば、住所名称に関する属性には、都道府県レベル、市レベル、区レベル及び町村レベルに分類されている(図12参照)。そして、都道府県レベルの住所名称という属性から見て、市レベル、区レベル及び町村レベルの住所名称という属性は下位概念の属性に該当する。同様に、市レベルの住所名称という属性から見て、区レベル及び町村レベルの住所名称という属性は下位概念の属性に該当する。また、ジャンル名称に関する属性には、大概念レベル、種類レベル及び店名レベルに分類されている。そして、大概念レベルのジャンル名称という属性から見て、種類レベル及び店名レベルのジャンル名称という属性は下位概念の属性に該当する。同様に、種類レベルのジャンル名称という属性から見て、店名レベルのジャンル名称という属性は下位概念の属性に該当する。
【0111】
ステップS404において、例えば確定済みの文字列に相当する単語が「すし(寿司)」である場合、確定属性は種類レベルのジャンル名称である。そして、読出された登録単語が「たたすし」である場合、該「たたすし」は、確定属性の下位概念の属性である店名レベルのジャンル名称という属性を有している。また、例えば確定済みの文字列に相当する単語が「あいう」である場合、確定属性は施設名称及び都道府県レベルの住所名称である。そして、読出された登録単語が「なにぬ」である場合、該「なにぬ」は、確定属性の下位概念の属性である町村レベルの住所名称という属性を有している。
【0112】
そして、M番目の登録単語が確定属性の下位概念の属性を有していない場合(ステップS404:NO)、制御部22は、M番目の登録単語のスコア値S(M)を、M番目の登録単語の補正スコア値SH(M)とし(ステップS405)、その処理を後述するステップS407に移行する。一方、M番目の登録単語が確定属性の下位概念の属性を有する場合(ステップS404:YES)、制御部22は、M番目の登録単語のスコア値S(M)を高くする補正処理を行う(ステップS406)。本実施形態では、制御部22は、M番目の登録単語のスコア値S(M)に予め設定された補正値H(例えば、50)を加算し、該加算結果を補正スコア値SH(M)とする。その後、制御部22は、その処理を次のステップS407に移行する。
【0113】
そして、現時点の係数MがステップS402で取得した読出し総数P未満である場合(ステップS407:NO)、制御部22は、係数Mを「1」だけインクリメントし(ステップS408)、その処理を前述したステップS404に移行する。一方、係数Mが読出し総数Pと一致する場合(ステップS407:YES)、制御部22は、予測単語テーブルから読出した全ての登録単語に関してステップS404の判定処理を行ったと判断する。このようにステップS407の判定結果が肯定になった時点では、予測単語テーブルから読出された各登録単語のうち、確定属性の下位概念の属性を有する登録単語のスコア値(この場合、補正スコア値SH)と確定属性の下位概念の属性を有さない他の登録単語のスコア値(この場合、補正スコア値SH)との大小関係が変化している。
【0114】
そして、制御部22は、予測単語テーブルから読出された登録単語を補正スコア値SHの大きい順に並べ、上位N個の登録単語を抽出する(ステップS409)。続いて、制御部22は、ステップS409で抽出したN個の登録単語を、予測候補としてディスプレイ13に案内表示させる予測候補表示処理を行い(ステップS412)、その後、予測候補決定処理ルーチンを終了する。この場合、予測単語テーブルから読出された各登録単語のうち、確定属性よりも下位概念の属性を有する登録単語が、確定属性よりも下位概念の属性を有さない他の登録単語よりも優先的にディスプレイ13に案内表示される。したがって、本実施形態では、ステップS404〜S412により、予測表示ステップが構成される。
【0115】
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態の効果(1)〜(4)(6)〜(8)の効果に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(9)NOT検索を行う場合、NOT検索用の論理演算子「−」に続いて入力される単語の属性は、確定済みの文字列に相当する単語の属性(確定属性)よりも下位概念の属性となる可能性が高い。そこで、本実施形態では、NOT検索を行う場合、確定属性よりも下位概念の属性を有する登録単語の優先度(この場合、スコア値SH)は高くされる。一方、確定属性よりも下位概念の属性を有さない登録単語の優先度(この場合、スコア値SH)は維持される。このような補正処理を行った後に、読出された各登録単語のうち、優先度の高い登録単語が優先度の低い登録単語よりも優先的に確定前の文字列の予測候補としてディスプレイ13に案内表示される。そのため、NOT検索を行う場合には、入力途中の文字列の予測精度を向上させることができる。したがって、NOT検索を行う場合に、入力に要する時間短縮に貢献できる可能性が高くなる。
【0116】
なお、上記各実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・第2の実施形態において、予測単語テーブルを図17に示すようなテーブルに変更してもよい。すなわち、図17に示すように、各登録単語には、スコア値Sと、属性毎の属性比率(%)とが対応付けられている。そして、予測単語テーブルから例えば「おあいう」が読出された場合、「おあいう」の施設名称用の第1スコア値S1は、スコア値S(400)の「40%」の値(即ち、160)に設定され、「おあいう」の住所名称用の第2スコア値S2は、スコア値S(400)の「60%」の値(即ち、240)に設定される。そのため、予測単語テーブルを図17に示すような構成としても、上記第2の実施形態と同等の効果を得ることができる。なお、第3の実施形態の予測単語テーブル(図12)についても、図17に示すテーブルと同様な構成としてもよい。
【0117】
・第3及び第4の各実施形態において、大概念レベルのジャンル名称を細分化してもよい。例えば、大概念レベルのジャンル名称を、「たべる(食べる)」、「あそぶ(遊ぶ)」などの行動に関するジャンル名称と、「レストラン」、「きっさてん(喫茶店)」などの施設に関するジャンル名称とに分類してもよい。この場合、施設に関するジャンル名称が、行動に関するジャンル名称の下位概念の属性に相当する。
【0118】
・各実施形態において、ステップS202で取得した読出し総数PがN未満である場合、読出した全ての登録単語を、予測候補としてディスプレイ13に案内表示させてもよい。
【0119】
・各実施形態において、ステップS201では、確定前の文字列と部分一致する登録単語を予測単語テーブルから読出してもよい。ここでいう「部分一致」とは、前方一致及び後方一致を含んだ概念である。
【0120】
・第1の実施形態において、確定属性と一致する属性を有する登録単語を予測候補としてディスプレイ13に案内表示することを禁止してもよい。例えば、予測単語テーブルから読出した各登録単語に対して個別にフラグを設定し、確定属性と一致する属性を有する登録単語のフラグはオフとする一方、確定属性と一致する属性を有さない登録単語のフラグはオンとする。そして、フラグがオンである登録単語を予測候補としてディスプレイ13に案内表示させてもよい。この場合であっても、フラグがオンとなる登録単語の個数がN個未満であるときには、フラグがオフとなる登録単語を予測候補としてディスプレイ13に案内表示してもよい。
【0121】
・各実施形態において、AND検索時には、確定属性と一致する属性を有さない登録単語のスコア値Sを高くするような補正処理を行ってもよい。例えば、第1の実施形態では、ステップS205の判定結果が否定である場合、M番目の登録単語のスコア値Sを補正値Hで加算し、該加算結果を補正スコア値SH(M)とする。また、ステップS205の判定結果が肯定である場合、M番目の登録単語のスコア値Sを補正スコア値SH(M)とする。
【0122】
・各実施形態では、予測候補としてディスプレイ13で案内表示する登録単語の個数は最大でN個としていたが、確定前の文字列と前方一致する全ての登録単語を、ディスプレイ13に案内表示させてもよい。ただし、補正処理後の優先度(補正スコア値SH)が高い登録単語を、補正処理後の優先度が低い登録単語よりも上位に表示させることが好ましい。
【0123】
・各実施形態において、予測候補としてディスプレイ13に案内表示する登録単語の個数であるNは、1以上の整数であれば「5」以外の任意数(例えば、3)であってもよい。
【0124】
・各実施形態において、予測単語テーブルのスコア値Sを適宜学習させてもよい。例えば、ディスプレイ13に予測候補として案内表示された登録単語が車両の乗員によって選択された場合、当該登録単語のスコア値Sを、予め設定された所定値(例えば、10)だけ大きくしてもよい。このように構成すると、選択された回数の多い登録単語のスコア値Sは、他の登録単語のスコア値Sと比較して高くなる。そのため、車両の乗員の趣向に沿った予測候補をディスプレイ13に案内表示させることができるようになる。
【0125】
・各実施形態において、予測単語テーブルを記憶するテーブル記憶部25を、予測単語テーブルの内容を変更しないのであれば、制御部22のROM22bが兼ねてもよい。すなわち、ROM22bに、予測単語テーブルを記憶させてもよい。この場合、ROM22bが、記憶手段として機能することになる。
【0126】
・各実施形態において、1つ目の単語の入力時においても、予測単語テーブルを用いて予測候補をディスプレイ13に案内表示させてもよい。この場合、入力途中の文字列に前方一致する登録単語を予測単語テーブルから読出し、該読出した登録単語のうち少なくとも一つを、ディスプレイ13の予測単語表示領域46に案内表示させる。そして、予測単語表示領域46に案内表示される各予測候補のうち乗員によって選択された予測候補を、1つ目の単語として選択文字表示領域41に表示させてもよい。このように構成することにより、入力に要する時間の更なる短縮を期待することができる。
【0127】
・本発明の地点検索方法を、3つ以上の任意数(例えば3つ)の単語によるAND検索を行う際に具体化してもよい。例えば、3つの単語でAND検索を行う際には、2つ目の単語の入力時には、1つ目の単語を示す文字列が確定済みの文字列とされ、当該単語の属性が確定属性とされる。そして、予測候補としてディスプレイ13に案内表示する登録単語が、確定属性に基づき選択される。続いて、3つ目の単語の入力時には、1つ目の単語を示す文字列及び2つ目の単語を示す文字列が確定済みの文字列とされ、当該各単語の属性が確定属性とされる。そして、予測候補としてディスプレイ13に案内表示する登録単語が、確定属性に基づき選択される。
【0128】
・各実施形態において、ディスプレイ13に案内表示された予測候補の選択は、車両の乗員によるリモートコントローラーの選択操作であってもよいし、乗員による音声入力を利用した選択であってもよい。
【0129】
・本発明の地点検索装置を、携帯電話などの移動式情報端末に具体化してもよい。この場合、移動式情報端末に、上記各処理ルーチンを実行させるための地点検索用プログラムをインストールさせ、上記各処理ルーチンを適宜実行させる。
【0130】
・また、本発明の地点検索装置を、パーソナルコンピュータなどの情報端末に具体化してもよい。この場合、情報端末に、地点検索プログラムをインストールさせ、上記各処理ルーチンを適宜実行させる。
【0131】
次に、上記各実施形態及び別の実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)入力された複数の文字列で示される条件に合致する地点候補を検索する地点検索装置であって、
複数の登録文字列及び該各登録文字列の属性を示す属性情報を記憶する記憶手段と、
確定済みの文字列に相当する登録文字列が前記記憶手段に記憶される場合に、該登録文字列の属性情報を、確定済みの文字列の属性情報として取得する属性取得手段と、
前記確定済みの文字列に続いて入力される確定前の文字列に少なくとも一部が一致する登録文字列及び該登録文字列の属性情報を前記記憶手段から読出す読出し手段と、
複数の文字列でNOT検索を行う場合に、前記読出し手段によって読出された登録文字列のうち、前記属性取得手段によって取得された属性情報よりも下位概念の属性情報を有する登録文字列を、前記下位概念の属性情報を有さない登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示させる予測表示手段と、
前記予測表示手段によって前記表示画面に表示された予測候補が選択された場合に、前記確定前の文字列を該予測候補に置換えて前記表示画面に表示させる置換え表示手段と、を備えることを特徴とする地点検索装置。
【0132】
(ロ)入力された複数の文字列が示す条件に合致する地点候補を検索させる地点検索方法であって、
複数の登録文字列及び該各登録文字列の属性を示す属性情報を記憶する記憶手段に、確定済みの文字列に相当する登録文字列が記憶される場合に、該登録文字列の属性情報を、確定済みの文字列の属性情報として前記記憶手段から取得させる属性取得ステップと、
前記確定済みの文字列に続いて入力される確定前の文字列に少なくとも一部が一致する登録文字列及び該登録文字列の属性情報を前記記憶手段から読出させる読出しステップと、
複数の文字列でNOT検索を行う場合に、前記読出しステップで読出した登録文字列のうち、前記属性取得ステップで取得した属性情報よりも下位概念の属性情報を有する登録文字列を、前記下位概念の属性情報を有さない登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示させる予測表示ステップと、
前記予測表示ステップで前記表示画面に表示した予測候補をユーザが選択した場合に、前記確定前の文字列を該予測候補に置換えて前記表示画面に表示させる置換え表示ステップと、を有することを特徴とする地点検索方法。
【0133】
(ハ)入力された複数の文字列が示す条件に合致する地点候補の検索を制御装置に実行させるための地点検索プログラムであって、
前記制御装置に、
複数の登録文字列及び該各登録文字列の属性を示す属性情報を記憶する記憶手段と、
確定済みの文字列に相当する登録文字列が前記記憶手段に記憶される場合に、該登録文字列の属性情報を、確定済みの文字列の属性情報として取得する属性取得手段と、
前記確定済みの文字列に続いて入力される確定前の文字列に少なくとも一部が一致する登録文字列及び該登録文字列の属性情報を前記記憶手段から読出す読出し手段と、
複数の文字列でNOT検索を行う場合に、前記読出し手段によって読出された登録文字列のうち、前記属性取得手段によって取得された属性情報の下位概念の属性情報を有する登録文字列を、前記下位概念の属性情報を有さない登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示させる予測表示手段と、
前記予測表示手段によって前記表示画面に表示された予測候補が選択された場合に、前記確定前の文字列を該予測候補に置換えて前記表示画面に表示させる置換え表示手段として機能させることを特徴とする地点検索プログラム。
【符号の説明】
【0134】
12…表示装置、13…表示画面の一例としてのディスプレイ、20…地点検索装置の一例としての制御装置、22…属性取得手段、読出し手段、予測表示手段、置換え表示手段の一例としての制御部、22b…記憶手段の一例としてのROM、25…記憶手段の一例としてのテーブル記憶部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザによって入力された条件に合致する施設などの地点候補を検索する地点検索装置、地点検索方法及び地点検索プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザによって入力された複数のキーワード(文字列)に基づいた施設(地点候補)を検索する装置として、例えば特許文献1に記載の地点検索装置が提案されている。この特許文献1に記載の地点検索装置では、複数のキーワードが入力された場合に、第1のキーワードと第2のキーワードとでAND検索が行われ、該各キーワードで示される条件に合致する施設が検索結果として表示される。
【0003】
こうしたAND検索は、予め設定された所定のルールに従って各キーワードが入力された場合に行われる。例えば、最初に入力される第1のキーワードは、検索対象となる施設を示す文字列又はその一部である一方、後に入力される第2のキーワードは、検索対象となる施設が存在する地域を示す文字列又はその一部である。つまり、第1のキーワードとして「とうきょう」が入力され、第2のキーワードとして「うらや」が入力されると、「うらや」と前方一致する名称の地域(例えば、「浦安市」)が予測される。そして、予測された地域に存在する各施設の中で、「とうきょう」と前方一致する施設(例えば、「トウキョウディズニーランド」)が検索され、該検索結果がディスプレイに表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−266171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の地点検索装置では、複数のキーワードが上記所定のルールに従って入力された場合に、入力や検索に要する時間が短縮できるとされている。その一方で、所定のルールを無視して複数のキーワードを入力する場合には、入力や検索に要する時間の短縮という効果を期待できない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。その目的は、複数の文字列を入力させる際におけるユーザによる文字列の入力に要する時間を短縮させることができる地点検索装置、地点検索方法及び地点検索プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、入力された複数の文字列で示される条件に合致する地点候補を検索する地点検索装置であって、複数の登録文字列及び該各登録文字列の属性を示す属性情報を記憶する記憶手段と、確定済みの文字列に相当する登録文字列が前記記憶手段に記憶される場合に、該登録文字列の属性情報を、確定済みの文字列の属性情報として取得する属性取得手段と、前記確定済みの文字列に続いて入力される確定前の文字列に少なくとも一部が一致する登録文字列及び該登録文字列の属性情報を前記記憶手段から読出す読出し手段と、複数の文字列でAND検索を行う場合に、前記読出し手段によって読出された登録文字列のうち、前記属性取得手段によって取得された属性情報と一致する属性情報を有さない登録文字列を、一致する属性情報を有する登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示させる予測表示手段と、前記予測表示手段によって前記表示画面に表示された予測候補が選択された場合に、前記確定前の文字列を該予測候補に置換えて前記表示画面に表示させる置換え表示手段と、を備えることを要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、確定済みの文字列が存在する場合において次の文字列の入力が開始されたときには、その入力途中の文字列、即ち確定前の文字列の予測候補を表示画面に表示させる。こうした処理を実現させるために、確定済みの文字列に相当する文字列が記憶手段に登録文字列として記憶される場合には、該登録文字列の属性情報が確定済みの文字列の属性情報(以下、「確定属性情報」ともいう。)として読出される。そして、次の文字列の入力が開始されると、その確定前の文字列と少なくとも一部が一致する登録文字列及び該登録文字列の属性情報が、記憶手段から読出される。続いて、読出された各登録文字列のうち少なくとも一つの登録文字列が、確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示される。すなわち、検索を行う場合には、既に確定済みとなった文字列の属性情報に基づき、確定前の文字列の予測候補を設定している。
【0009】
特に、複数の文字列でAND検索を行う場合には、記憶手段から読出された登録文字列のうち、確定属性情報を有さない登録文字列が、確定属性情報を有する登録文字列よりも優先的に予測候補として表示画面に表示される。これは、AND検索を行う場合には、確定済みの文字列の確定属性情報と同一の属性情報を有する文字列が入力される可能性が低いと考えられるためである。そして、表示画面に表示された予測候補のうち、ユーザによって選択された予測候補が、確定前の文字列と置換えられる。したがって、複数の文字列を入力させる際におけるユーザによる文字列の入力に要する時間を短縮させることが可能となる。
【0010】
本発明の地点検索装置において、前記記憶手段は、前記複数の登録文字列と、前記登録文字列毎の属性情報と、前記登録文字列毎に設定された予測の優先度とを互いに関連付けて記憶しており、前記予測表示手段は、複数の文字列でAND検索を行う場合に、前記属性取得手段によって取得された属性情報と一致する属性情報を有する登録文字列の優先度を低くする補正処理を行い、前記読出し手段によって前記記憶手段から読出された登録文字列のうち、前記補正処理後の優先度の高い登録文字列を、前記補正処理後の優先度の低い登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として前記表示画面に表示させる。
【0011】
上記構成によれば、上記確定属性情報を有する登録文字列の優先度は、低く補正される。そして、補正処理後の優先度の高い登録文字列が、補正処理後の優先度の低い登録文字列よりも優先的に確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示される。そのため、入力途中の文字列の予測精度を向上させることができ、ひいては文字列の入力に要する時間の短縮に貢献できる可能性が高められる。
【0012】
本発明の地点検索装置において、前記予測表示手段は、複数の文字列でAND検索を行う場合に、前記属性取得手段によって取得された確定済みの文字列の属性情報よりも上位概念の属性情報を有さない登録文字列を、前記上位概念の属性情報を有する登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として前記表示画面に表示させる。
【0013】
AND検索を行う場合には、確定済みの文字列の上記確定属性情報よりも上位概念の属性情報を有する文字列がユーザによって入力される可能性は低いと考えられる。そこで、本発明では、上記確定属性情報よりも上位概念の属性情報を有する登録文字列は、上位概念の属性情報を有さない登録文字列よりも確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示されにくくなる。そのため、ユーザによって入力される可能性の低い文字列が予測候補として表示画面に表示される可能性を低くできる分、入力途中の文字列の予測精度を向上させることができる。したがって、文字列の入力に要する時間の短縮に貢献できる可能性が高められる。
【0014】
本発明の地点検索装置において、前記予測表示手段は、複数の文字列でAND検索を行う場合において、前記確定済みの文字列の属性情報が地域名称に関する属性情報であると共に、該確定済みの文字列によって示される地域の候補が一箇所であるときには、該地域よりも広範囲の地域の地域名称に関する属性情報を有さない登録文字列を、前記広範囲の地域の地域名称に関する属性情報を有する登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として前記表示画面に表示させる。
【0015】
確定済みの文字列によって示される地域の候補が一箇所である場合には、該地域よりも広範囲を示す地域を示す文字列が入力される可能性が低い。そこで、本発明では、確定済みの文字列によって示される地域の候補が一箇所である場合、該地域よりも広範囲の地域の地域名称に関する属性情報を有さない登録文字列が、上記広範囲の地域の地域名称に関する属性情報を有する登録文字列よりも優先的に予測候補として表示される。そのため、ユーザによって入力される可能性の低い文字列が予測候補として表示される可能性を低くできる分、入力途中の文字列の予測精度を向上させることができる。したがって、文字列の入力に要する時間の短縮に貢献できる可能性が高められる。
【0016】
本発明の地点検索装置において、前記予測表示手段は、複数の文字列でNOT検索を行う場合に、前記読出し手段によって読出された登録文字列のうち、前記属性取得手段によって取得された属性情報よりも下位概念の属性情報を有する登録文字列を、前記下位概念の属性情報を有さない登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として前記表示画面に表示させる。
【0017】
複数の文字列でNOT検索を行う場合には、記憶手段から読出された登録文字列のうち、上記確定属性情報の下位概念の属性情報を有する登録文字列が、下位概念の属性情報を有さない登録文字列よりも優先的に表示画面に表示される。これは、NOT検索を行う場合には、NOT検索の特性上、確定前の文字列の属性情報が上記確定属性情報の下位概念の属性情報である可能性が高いためである。つまり、本発明では、NOT検索を行う場合でも、既に確定済みとなった文字列の属性情報に基づき、確定前の文字列の予測候補が設定される。したがって、複数の文字列を入力させる際におけるユーザによる文字列の入力に要する時間を短縮させることが可能となる。
【0018】
本発明の地点検索装置において、前記記憶手段は、前記複数の登録文字列と、前記登録文字列毎の属性情報と、前記登録文字列毎に設定された予測の優先度とを互いに関連付けて記憶しており、前記予測表示手段は、複数の文字列でNOT検索を行う場合に、前記属性取得手段によって取得された確定済みの文字列の属性情報よりも下位概念の属性情報を有する登録文字列の優先度を低くする補正処理を行い、前記読出し手段によって前記記憶手段から読出された登録文字列のうち、前記補正処理後の優先度の高い登録文字列を、前記補正処理後の優先度の低い登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として前記表示画面に表示させる。
【0019】
上記構成によれば、NOT検索を行う場合、上記確定属性情報よりも下位概念の属性情報を有する登録文字列の優先度は、高く補正される。そして、補正処理後の優先度の高い登録文字列が、補正処理後の優先度の低い登録文字列よりも優先的に確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示される。そのため、NOT検索を行う場合であっても、入力途中の文字列の予測精度を向上させることができ、文字列の入力に要する時間の短縮に貢献できる可能性が高められる。
【0020】
本発明は、入力された複数の文字列が示す条件に合致する地点候補を検索させる地点検索方法であって、複数の登録文字列及び該各登録文字列の属性を示す属性情報を記憶する記憶手段に、確定済みの文字列に相当する登録文字列が記憶される場合に、該登録文字列の属性情報を、確定済みの文字列の属性情報として前記記憶手段から取得させる属性取得ステップと、前記確定済みの文字列に続いて入力される確定前の文字列に少なくとも一部が一致する登録文字列及び該登録文字列の属性情報を前記記憶手段から読出させる読出しステップと、複数の文字列でAND検索を行う場合に、前記読出しステップで読出した登録文字列のうち、前記属性取得ステップで取得した属性情報と一致する属性情報を有さない登録文字列を、一致する属性情報を有する登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示させる予測表示ステップと、前記予測表示ステップで前記表示画面に表示した予測候補をユーザが選択した場合に、前記確定前の文字列を該予測候補に置換えて前記表示画面に表示させる置換え表示ステップと、を有することを要旨とする。
【0021】
上記構成によれば、上記地点検索装置と同等の作用・効果を得ることができる。
本発明は、入力された複数の文字列が示す条件に合致する地点候補の検索を制御装置に実行させるための地点検索プログラムであって、前記制御装置に、複数の登録文字列及び該各登録文字列の属性を示す属性情報を記憶する記憶手段と、確定済みの文字列に相当する登録文字列が前記記憶手段に記憶される場合に、該登録文字列の属性情報を、確定済みの文字列の属性情報として取得する属性取得手段と、前記確定済みの文字列に続いて入力される確定前の文字列に少なくとも一部が一致する登録文字列及び該登録文字列の属性情報を前記記憶手段から読出す読出し手段と、複数の文字列でAND検索を行う場合に、前記読出し手段によって読出された登録文字列のうち、前記属性取得手段によって取得された属性情報と一致する属性情報を有さない登録文字列を、一致する属性情報を有する登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示させる予測表示手段と、前記予測表示手段によって前記表示画面に表示された予測候補が選択された場合に、前記確定前の文字列を該予測候補に置換えて前記表示画面に表示させる置換え表示手段として機能させることを要旨とする。
【0022】
上記構成によれば、上記地点検索装置と同等の作用・効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の地点検索装置を備える車両のナビゲーション装置の一実施形態を説明するブロック図。
【図2】地点候補の検索を行う際のディスプレイの表示態様の一例を示す説明図。
【図3】AND検索によって地点候補の検索を行う際のディスプレイの表示態様の一例を示す説明図。
【図4】AND検索によって地点候補の検索を行う際のディスプレイの表示態様の一例を示す説明図。
【図5】予測単語テーブルの一態様を説明する説明図。
【図6】確定属性判定処理ルーチンを説明するフローチャート。
【図7】AND検索用の予測候補決定処理ルーチンを説明するフローチャート。
【図8】置換え処理ルーチンを説明するフローチャート。
【図9】予測単語テーブルの一態様を説明する説明図。
【図10】確定属性判定処理ルーチンを説明するフローチャート。
【図11】AND検索用の予測候補決定処理ルーチンを説明するフローチャート。
【図12】予測単語テーブルの一態様を説明する説明図。
【図13】確定属性判定処理ルーチンを説明するフローチャート。
【図14】AND検索用の予測候補決定処理ルーチンを説明するフローチャート。
【図15】NOT検索によって地点候補の検索を行う際のディスプレイの表示態様の一例を示す説明図。
【図16】NOT検索用の予測候補決定処理ルーチンを説明するフローチャート。
【図17】予測単語テーブルの一態様を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態について、図1〜図8に従って説明する。
図1に示すように、車両のナビゲーション装置11は、表示装置12と、該表示装置12を制御する地点検索装置の一例としての制御装置20とを備えている。表示装置12には、車両の乗員(ユーザ)に各種情報を視認可能な状態で提供する表示画面の一例としてのディスプレイ13と、該ディスプレイ13の前面に配置される液晶のタッチパネル(入力手段)14とが設けられている。また、表示装置12においてディスプレイ13の側方には、複数種類の操作ボタン(入力手段)15が設けられている。
【0025】
こうした表示装置12は、乗員による操作ボタン15及びタッチパネル14の操作を受付けた場合、その操作内容に応じた信号を制御装置20に送信する。そして、表示装置12は、送信した信号の返答として制御装置20から送信された画像データを受信し、該画像データに基づいた画像をディスプレイ13に表示させる。
【0026】
制御装置20には、車両側I/F21を介して位置検出部30が情報の送受信が可能な状態で接続されている。位置検出部30は、GPS(Global Positioning System )受信部31、車速センサ32及びジャイロセンサ33を有している。制御装置20は、GPS受信部31によって受信された受信信号に基づき、電波航法によって緯度・経度などの絶対位置を検出する。また、制御装置20は、車速センサ32及びジャイロセンサ33からの検出信号に基づき、自律航法を用いて基準位置からの相対位置を算出する。そして、制御装置20は、位置検出部30から出力される絶対位置及び相対位置を組み合わせて自車両の現在地を特定する。
【0027】
制御装置20は、制御部22、画像処理プロセッサ23、情報記憶装置24及び記憶手段の一例としてのテーブル記憶部25などを備えている。制御部22には、CPU22a、ROM22b及びRAM22cなどを有するデジタルコンピュータが設けられている。ROM22bには、乗員によって選択された施設属性に合致する地点候補(例えば、海水浴場やレストラン)を検索するためのプログラム(地点検索プログラム)及び目的地までのルートの探索や案内をするためのプログラムなどが記憶されている。RAM22cには、CPU22aの作業領域及び探索された経路などを記憶する記憶領域が形成される。
【0028】
画像処理プロセッサ23は、制御部22からの制御信号に基づいてディスプレイ13に表示するための各種の画像データを生成し、該生成した画像データを表示装置12に送信する。例えば、自車両の現在位置から目的地までのルートが制御部22で探索された場合、画像処理プロセッサ23は、探索されたルートと、該ルートに沿った案内の開始の許可を求める画面となどを表示させるための画像データを生成し、該画像データに基づく画像をディスプレイ13に表示させる。また、目的とする地点候補が制御部22によって検索された場合、画像処理プロセッサ23は、検索された地点候補の案内するための画像データを生成し、該画像データに基づく画像をディスプレイ13に表示させる。
【0029】
情報記憶装置24は、ハードディスクや光ディスクなどの外部記憶媒体である。こうした情報記憶装置24には、地図データ記憶部24a、探索データ記憶部24b及び施設データ記憶部24cが形成されている。地図データ記憶部24aは、道路地図、住宅地図及び建物形状地図などの地図データを記憶している。探索データ記憶部24bは、所定の地点間の道路及びその道路の交通規制情報、距離及び通行料金といった各種道路情報に関するデータを記憶している。施設データ記憶部24cは、区役所、病院、駅、レストラン、遊園地、駐車場などの各種施設及び該各種施設の住所や電話番号などのデータを記憶している。
【0030】
テーブル記憶部25は、不揮発性のメモリなどによって構築されている。こうしたテーブル記憶部25には、地点候補を検索する際に用いられる図5に示す予測単語テーブルが記憶されている。
【0031】
次に、地点候補を検索する際にディスプレイ13に表示される検索用表示画面の一例について、図2、図3及び図4を参照して説明する。
図2に示すように、ディスプレイ13には、車両の乗員によって選択される文字が表示される入力可能文字領域40と、乗員によって選択された文字で構成される文字列(単語)が表示される選択文字表示領域41とが形成される。入力可能文字領域40において「あ」が表記された領域が選択されると、選択文字表示領域41には「あ」が表示される。また、ディスプレイ13において選択文字表示領域41の右側には、選択した文字を一文字ずつ消去する際に選択される修正用領域42と、検索を実行させる際に選択される検索実行用領域43と、複数の単語でAND検索を行う際に選択されるAND用領域44と、複数の単語でNOT検索を行う際に選択されるNOT用領域45とが順に配置されている。
【0032】
例えば、複数の単語でAND検索を行う場合には、1つ目の単語(この場合、「あいう」)の入力が完了した後に、AND用領域44が選択される。すると、図3に示すように、選択文字表示領域41には、「あいう」という単語に続いて、AND検索用の論理演算子「&」が表示される。すると、1つ目の単語は、「あいう」に確定される。すなわち、論理演算子「&」よりも前(図3では左側)に表示される文字列(この場合、「あいう」)が、確定済みの文字列に相当する。
【0033】
そして、論理演算子「&」に続いて2つ目の単語の入力が開始されると、ディスプレイ13において入力可能文字領域40の右側には、論理演算子「&」の右側に表示される文字列から推測される予測候補が表示される予測単語表示領域46が形成される。このように論理演算子「&」の右側に表示される文字列(図3では、「あ」)が、確定前の文字列に相当する。予測単語表示領域46には、詳しくは後述するが、図5に示す予測単語テーブルに記憶される登録単語のうち、確定前の文字列と前方一致する単語の少なくとも一つが表示される。例えば、確定前の文字列が「あ」である場合、予測単語表示領域46には、「あ」と前方一致する単語が予測候補として表示される。ここで、「あ」に続いて例えば「う」という文字が選択された場合、予測単語表示領域46には、確定前の文字列である「あう」と前方一致する単語が予測候補として表示される。なお、確定前の文字列と前方一致する単語が予測単語テーブルに存在しない場合、ディスプレイ13には予測単語表示領域46が形成されない。
【0034】
そして、図4に示すように、予測単語表示領域46に表示される複数の予測候補のうち何れか一つ(例えば、「アウトレット」)が選択されると、選択文字表示領域41では、確定前の文字列である「あ」が、選択された予測候補(アウトレット)に置換えられる。その結果、選択文字表示領域41には、「あいう & アウトレット」が表示される。この状態で検索実行用領域43が選択されると、1つ目の単語(あいう)と2つ目の単語(アウトレット)とでAND検索が行われる。なお、「AND検索」とは、入力された複数の単語を全て含む検索結果を抽出することである。
【0035】
上述したように、本実施形態のナビゲーション装置11で地点候補の検索を行う場合には、確定前の文字列の予測候補がディスプレイ13に案内表示される。そこで次に、こうした予測候補をディスプレイ13に案内表示する際に使用される予測単語テーブルについて、図5を参照して説明する。
【0036】
図5に示すように、予測単語テーブルは、所定のルール(本実施形態では、五十音順)に沿って並べられた複数の登録単語(登録文字列)と、登録単語毎の属性(属性情報)と、登録単語毎のスコア値Sとを互いに対応付けて記憶している。なお、スコア値Sとは、予測の優先度を示しており、スコア値Sの高い登録単語は、スコア値Sの低い登録単語と比較して、予測候補としてディスプレイ13に表示されやすい。
【0037】
次に、予測単語テーブルに記憶される各登録単語の一部について詳述する。
「あああ」は会社名であるため、「あああ」の属性は施設名称とされ、「あああ」のスコア値Sは「260」とされる。「アイス」はアイスクリームの略称であるため、「アイス」の属性はジャンル名称(食べ物の種類)とされ、「アイス」のスコア値Sは「380」とされる。
【0038】
「あいう」は、「あいう県」という地域を表す際に使用されると共に、例えば「あいう公園」などのように施設名を表す際にも使用される。そのため、「あいう」は、施設名称という属性と住所名称(県)という属性とを有している。こうした「あいう」のスコア値Sは「580」である。「アウトレット」はアウトレットモールの略称であり、アウトレットモールには、ファッション関係の店舗や食事関係の店舗などが出店している。そのため、「アウトレット」は、ジャンル名称(ファッション関係・食事関係)という属性を有しており、「アウトレット」のスコア値Sは「380」である。
【0039】
「いあい」は、「いあい県」という地域を表す際に使用されると共に、例えば「いあい公園」などのように施設名を表す際にも使用される。そのため、「いあい」は、施設名称という属性と住所名称(県)という属性とを有している。こうした「いあい」のスコア値Sは「450」である。「おあいう」は、「おあいう市」という地域を表す際に使用されると共に、例えば「おあいうビル」などのように施設名を表す際にも使用される。そのため、「おあいう」は、施設名称という属性と住所名称(市)という属性とを有している。こうした「おあいう」のスコア値Sは「400」である。
【0040】
「すし(寿司)」は、食べ物を表す単語であるため、「すし」の属性はジャンル名称(食べ物の種類)とされ、「すし」のスコア値Sは「350」とされる。「たたすし」は、寿司を食べることのできる店舗の名称である。そのため、「たたすし」は、施設名称という属性とジャンル名称(食べ物屋)という属性とを有している。こうした「たたすし」のスコア値Sは「200」である。
【0041】
また、図5には図示されていないが、予測単語テーブルには、「たべる(食べる)」、「あそぶ(遊ぶ)」などの動詞も登録単語として記憶されている。こうした動詞に対する属性には、それらの意味する内容に合致した属性が設定されている。例えば、「たべる(食べる)」及び「あそぶ(遊ぶ)」の属性は、ジャンル名称に設定される。
【0042】
次に、車両の乗員が地点候補の検索を行う際に制御部22が実行する処理ルーチンについて、図6、図7及び図8に示すフローチャートに基づき説明する。なお、図6は、確定済みの文字列が示す単語の属性を確定属性として取得するための確定属性判定処理ルーチンを説明するフローチャートである。また、図7は、AND検索用の論理演算子「&」の入力後に入力される単語、即ち確定前の文字列の予測候補をディスプレイ13に案内表示させるための予測候補決定処理ルーチンを説明するフローチャートである。そして、図8は、ディスプレイ13に予測候補が案内表示される際に実行される置換え処理ルーチンを説明するフローチャートである。
【0043】
始めに、確定属性判定処理ルーチンについて、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
この確定属性判定処理ルーチンは、車両の乗員によってAND用領域44又はNOT用領域45(図2参照)が選択されたタイミングで実行される。そして、確定属性判定処理ルーチンにおいて、制御部22は、確定済みの文字列に相当する単語が予測単語テーブルにあるか否かを判定する(ステップS110)。一例として、制御部22は、確定済みの文字列と前方一致する登録単語を予測単語テーブルから検索する。なお、このときの検索は、検索条件が完全一致しない対象を一定のルールに従って抽出する曖昧検索でもよい。そして、検索された登録単語が、「確定済みの文字列に相当する単語」とされる。
【0044】
確定済みの文字列に相当する単語が予測単語テーブルにある場合(ステップS110:YES)、制御部22は、予測単語テーブルから確定済みの文字列に相当する登録単語の属性を読出し、該属性を確定属性として取得する(ステップS111)。例えば、確定済みの文字列に相当する単語が「すし」である場合、制御部22は、「すし」という登録単語の属性として「ジャンル名称(食べ物の種類)」を読出し、「ジャンル名称(食べ物の種類)」を確定属性として取得する(図5参照)。また、確定済みの文字列に相当する単語が「あいう」である場合、制御部22は、「あいう」という登録単語の属性として「施設名称」及び「住所名称(県)」を読出し、「施設名称」及び「住所名称(県)」を確定属性として取得する。したがって、本実施形態では、制御部22が、属性取得手段としても機能する。また、ステップS111が、属性取得ステップに相当する。その後、制御部22は、確定属性判定処理ルーチンを終了する。
【0045】
一方、確定済みの文字列に相当する単語が予測単語テーブルにない場合(ステップS110:NO)、制御部22は、施設名称を確定属性として設定し(ステップS112)、その後、確定属性判定処理ルーチンを終了する。これは、ジャンル名称や住所名称を属性として有する単語よりも施設名称を属性として有する単語のほうが、予測単語テーブルに網羅できていない可能性が高いためである。特に新しいビルなどの名称を示す単語については、予測単語テーブルに記憶されていない可能性が非常に高い。
【0046】
次に、予測候補決定処理ルーチンについて、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
この予測候補決定処理ルーチンは、AND検索用の論理演算子「&」の入力後において、文字が車両の乗員によって選択される毎に実行される。また、予測候補決定処理ルーチンは、修正用領域42が乗員によって操作されたタイミングでも、確定前の文字列が存在する場合には実行される。そして、予測候補決定処理ルーチンにおいて、制御部22は、予測単語テーブルに含まれる各登録単語の中に、確定済みの文字列に続いて入力される確定前の文字列に前方一致する登録単語があるか否かを判定する(ステップS200)。つまり、制御部22は、入力された文字列のうち確定前の文字列があるか否かを判定し、確定前の文字列がある場合には該確定済みの文字列に前方一致する登録単語があるか否かを判定する。確定前の文字列に前方一致する登録単語がない場合(ステップS200:NO)、制御部22は、予測単語テーブルを用いた予測を行うことができないと判断し、予測候補決定処理ルーチンを終了する。このとき、制御部22は、入力された文字列のうち確定前の文字列がない場合も、予測候補決定処理ルーチンを終了する。なお、今回の予測候補決定処理ルーチンの実行開始前に、ディスプレイ13に予測候補を表示させていた場合、制御部22は、ディスプレイ13から予測単語表示領域46(図3参照)を消去させ、その後、予測候補決定処理ルーチンを終了する。
【0047】
一方、確定前の文字列に前方一致する登録単語がある場合(ステップS200:YES)、制御部22は、確定前の文字列と前方一致する登録単語と該登録単語の属性を予測単語テーブルから全て読出す(ステップS201)。例えば、確定前の文字列が「あ」である場合、制御部22は、「あ」と前方一致する登録単語として、「あああ」「アイス」「あいう」「アウトレット」を、それらの属性と共に予測単語テーブルから読出す(図5参照)。また、確定前の文字列が「あい」である場合、制御部22は、「あい」と前方一致する登録単語として、「アイス」「あいう」を、それらの属性と共に予測単語テーブルから読出す(図5参照)。したがって、本実施形態では、制御部22が、読出し手段としても機能する。また、ステップS201が、読出しステップに相当する。
【0048】
続いて、制御部22は、予測単語テーブルから読出した登録単語の総数を読出し総数Pとして取得し(ステップS202)、係数Mに「1」をセットする(ステップS203)。そして、制御部22は、ステップS201で読出した各登録単語を五十音順に並べ、上位からM番目の登録単語のスコア値S(M)を予測単語テーブルから取得する(ステップS204)。続いて、制御部22は、M番目の登録単語の属性が上記ステップS111又はステップS112で設定された確定属性と一致するか否かを判定する(ステップS205)。このとき、確定属性として複数の属性(例えば、施設名称と住所名称(県))が設定される場合、制御部22は、M番目の登録単語の属性が、各確定属性のうち何れか一つと一致するか否かを判定する。なお、本実施形態では、「アイス」と「アウトレット」は、ジャンル名称という同一の属性を有しているものとする。また、「あいう」と「いあい」と「おあいう」は、住所名称という同一の属性を有しているものとする。
【0049】
M番目の登録単語の属性と一致する確定属性がない場合(ステップS205:NO)、制御部22は、M番目の登録単語のスコア値S(M)を、M番目の登録単語の補正スコア値SH(M)とし(ステップS206)、その処理を後述するステップS208に移行する。一方、M番目の登録単語の属性と一致する確定属性がある場合(ステップS205:YES)、制御部22は、M番目の登録単語のスコア値S(M)を低くする補正処理を行う(ステップS207)。本実施形態では、制御部22は、M番目の登録単語のスコア値S(M)を予め設定された補正値H(例えば、50)で減算し、該減算結果を補正スコア値SH(M)とする。その後、制御部22は、その処理を次のステップS208に移行する。なお、補正値Hを、確定済みの文字列に相当する単語のスコア値Sに基づいた値としてもよい。
【0050】
ステップS208において、制御部22は、現時点の係数MがステップS202で取得した読出し総数Pと一致するか否かを判定する。係数Mが読出し総数P未満である場合(ステップS208:NO)、制御部22は、予測単語テーブルから読出した全ての登録単語に関してステップS205の判定処理を行っていないため、係数Mを「1」だけインクリメントし(ステップS209)、その処理を前述したステップS204に移行する。一方、係数Mが読出し総数Pと一致する場合(ステップS208:YES)、制御部22は、予測単語テーブルから読出した全ての登録単語に関してステップS205の判定処理を行ったと判断する。このようにステップS208の判定結果が肯定になった時点では、予測単語テーブルから読出された各登録単語のうち、確定属性と一致する属性を有する登録単語のスコア値(この場合、補正スコア値SH)と確定属性と一致する属性を有さない他の登録単語のスコア値(この場合、補正スコア値SH)との大小関係が変化している。
【0051】
そして、制御部22は、予測単語テーブルから読出された登録単語を補正スコア値SHの大きい順に並べ、上位N個(Nは1以上の整数であって、例えば「5」)の登録単語を抽出する(ステップS210)。続いて、制御部22は、ステップS210で抽出した上位N個の登録単語を、予測候補としてディスプレイ13に案内表示させる予測候補表示処理を行い(ステップS214)、その後、予測候補決定処理ルーチンを終了する。この場合、補正処理後の優先度に相当する補正スコア値SHの高い登録単語が、補正スコア値SHの低い登録単語よりも優先的に予測候補としてディスプレイ13に案内表示される。したがって、本実施形態では、制御部22が、予測表示手段としても機能する。また、ステップS210,S214により、予測表示ステップが構成される。
【0052】
次に、置換え処理ルーチンについて、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
さて、置換え処理ルーチンは、ディスプレイ13に予測候補が表示される間、予め設定された所定周期毎(例えば、0.1秒毎)に実行される。そして、置換え処理ルーチンにおいて、制御部22は、ディスプレイ13に形成された予測単語表示領域46(図3参照)に表示される予測候補が車両の乗員によって選択されたか否かを判定する(ステップS300)。予測候補が選択されていない場合(ステップS300:NO)、制御部22は、置換え処理ルーチンを一旦終了する。
【0053】
一方、予測候補が選択された場合(ステップS300:NO)、制御部22は、選択された予測候補を特定し、置換え処理を行う(ステップS301)。具体的には、制御部22は、ディスプレイ13の選択文字表示領域41に表示される確定前の文字列(例えば、あ)を、選択された予測候補(例えば、アウトレット)に置換えさせる(図3,4参照)。したがって、本実施形態では、制御部22が、置換え表示手段としても機能する。また、ステップS301が、置換え表示ステップに相当する。そして、制御部22は、ディスプレイ13から予測単語表示領域46を消去させ(ステップS302)、その後、置換え処理ルーチンを一旦終了する。
【0054】
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、論理演算子に続いて単語が入力される場合には、入力途中の文字列、即ち確定前の文字列の予測候補がディスプレイ13に案内表示される。そして、案内表示された予測候補が車両の乗員によって選択された場合には、確定前の文字列が、乗員によって選択された予測候補に置換えられる。そして、この状態でディスプレイ13の検索実行用領域43が選択されると、複数の単語を用いた検索が開始される。したがって、予測候補としてディスプレイ13に案内表示された単語を乗員が選択する場合には、入力に要する時間を短縮させることができる。
【0055】
(2)本実施形態では、確定済みの文字列に相当する単語が予測単語テーブルに登録単語として記憶される場合には、該登録単語の属性が確定属性として取得される。そして、AND検索を行うべく論理演算子「&」が選択された状態で、次の単語の入力が開始されると、確定前の文字列と前方一致する登録単語と該登録単語の属性が予測単語テーブルから読出される。そして、読出された登録単語のうち、確定属性と一致する属性を有する登録単語よりも確定属性と一致する属性を有さない登録単語が、確定前の文字列の予測候補として優先的にディスプレイ13に案内表示される。これは、AND検索を行う場合には、同一属性を有する単語が連続して入力される可能性が低いと考えられるためである。すなわち、車両の乗員に選択される可能性の高い予測候補が、精度良くディスプレイ13に案内表示される。したがって、複数の単語を入力させる際における車両の乗員による単語の入力に要する時間を短縮させることが可能となる。
【0056】
(3)本実施形態では、予測単語テーブルから読出された複数の登録単語のうち、確定属性と一致する属性を有する登録文字列の優先度(即ち、補正スコア値SH)は低くされる。一方、確定属性と一致する属性を有さない登録文字列の優先度(即ち、補正スコア値SH)は、補正前の優先度(即ち、スコア値S)に維持される。そして、補正スコア値SHの高い登録単語が、補正スコア値SHの低い登録単語よりも優先的に確定前の文字列の予測候補としてディスプレイ13に案内表示される。そのため、確定前の文字列に対する予測精度を、向上させることができる。
【0057】
(4)また、本実施形態では、確定前の文字列に基づき複数の登録単語が予測単語テーブルから読出された場合、確定属性と一致する属性を有するか否かに基づいたスコア値Sの補正処理が行われる。その後、予測候補として読み出された各登録単語のうち、補正スコア値SHの高い方から上位N個の登録単語が、予測候補としてディスプレイ13に案内表示される。このとき、予測候補として読み出された登録単語の個数がN個よりも多い場合、補正スコア値SHの低い登録単語は、予測候補としてディスプレイ13に案内表示されない。したがって、車両の乗員によって選択される可能性の低い登録単語、即ち確定属性と一致する属性を有する登録単語が、予測候補としてディスプレイ13に案内表示される可能性を低くすることができる。
【0058】
(5)また、論理演算子「&」が入力された段階での確定済みの文字列に相当する単語が予測単語テーブルにない場合、確定属性は施設名称とされる。これにより、確定済みの文字列及び論理演算子「&」に続いて入力される確定前の文字列を、予測単語テーブルを用いて予測することができる。
【0059】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図9〜図11に従って説明する。なお、第2の実施形態は、予測単語テーブルの内容、確定属性判定処理ルーチン及び予測候補決定処理ルーチンの一部が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0060】
まず始めに、本実施形態の予測単語テーブルについて、図9を参照して説明する。
図9に示すように、予測単語テーブルでは、各登録単語に対して、属性毎にスコア値S1,S2,S3が設定されている。具体的には、会社名を表す登録単語の「あああ」は、施設名称という属性を有している。そのため、「あああ」に対する施設名称用の第1スコア値S1は「260」とされる一方、住所名称用の第2スコア値S2及びジャンル名称用の第3スコア値S3は共に「0(零)」とされる。また、アイスクリームの略称である「アイス」は、ジャンル名称(食べ物の種類)という属性を有している。そのため、「アイス」に対する第3スコア値S3は「380」とされる一方、第1スコア値S1及び第2スコア値S2は共に「0(零)」とされる。
【0061】
また、「あいう」は、上述したように、施設名称という属性と住所名称(県)という属性とを有している。そのため、「あいう」に対する第1スコア値S1は「348」とされると共に、第2スコア値S2は「232」とされる一方、第3スコア値S3は「0(零)」とされる。また、アウトレットモールの略称である「アウトレット」は、ジャンル名称(ファッション関係・食事関係)という属性を有している。そのため、「アウトレット」に対する第3スコア値S3は「380」とされる一方、第1スコア値S1及び第2スコア値S2は共に「0(零)」とされる。
【0062】
また、「いあい」は、上述したように、施設名称という属性と住所名称(県)という属性とを有している。そのため、「いあい」に対する第1スコア値S1及び第2スコア値S2は共に「225」とされる一方、第3スコア値S3は「0(零)」とされる。また、「おあいう」は、上述したように、施設名称という属性と住所名称(市)という属性とを有している。そのため、「おあいう」に対する第1スコア値S1は「160」とされると共に、第2スコア値S2は「240」とされる一方、第3スコア値S3は「0(零)」とされる。
【0063】
また、「すし(寿司)」は、ジャンル名称(食べ物の種類)という属性を有している。そのため、「すし」に対する第3スコア値S3は「350」とされる一方、第1スコア値S1及び第2スコア値S2は共に「0(零)」とされる。また、寿司を食べることのできる店舗の名称を表す「たたすし」は、施設名称という属性とジャンル名称(食べ物屋)という属性とを有している。そのため、「たたすし」に対する第1スコア値S1及び第3スコア値S3は共に「100」とされる一方、第2スコア値S2は「0(零)」とされる。
【0064】
次に、本実施形態の確定属性判定処理ルーチンについて、図10に示すフローチャートを参照して説明する。
さて、確定属性判定処理ルーチンにおいて、確定済みの文字列に相当する単語が予測単語テーブルにある場合(ステップS110:YES)、制御部22は、検索された登録単語の第1スコア値S1、第2スコア値S2及び第3スコア値S3を予測単語テーブルから取得する(ステップS121)。例えば、確定済みの文字列に相当する単語が「おあいう」である場合、制御部22は、「おあいう」の第1スコア値S1(160)、第2スコア値S2(240)及び第3スコア値S3(0(零))を取得する。本実施形態では、属性毎にスコア値が設定されている。そのため、条件に合致する登録単語の各スコア値S1,S2,S3を取得することは、当該登録単語の属性(属性情報)を取得したことと等しい。したがって、本実施形態では、ステップS121が、属性取得ステップに相当する。
【0065】
続いて、制御部22は、取得した第1スコア値S1を施設名称用の第1補正値H1に設定すると共に、第2スコア値S2を住所名称用の第2補正値H2に設定し、さらに、第3スコア値S3をジャンル名称用の第3補正値H3に設定する(ステップS122)。その後、制御部22は、確定属性判定処理ルーチンを終了する。
【0066】
一方、確定済みの文字列に相当する単語が予測単語テーブルにない場合(ステップS110:NO)、制御部22は、第1補正値H1、第2補正値H2及び第3補正値H3に「0(零)」を設定し(ステップS123)、その後、確定属性判定処理ルーチンを終了する。
【0067】
次に、本実施形態の予測候補決定処理ルーチンについて、図11に示すフローチャートを参照して説明する。
予測候補決定処理ルーチンにおいて、制御部22は、上記ステップS200,S201,S202,S203の処理と同等の処理を順次実行する。続いて、制御部22は、ステップS201で読出した各登録単語を五十音順に並べ、上位からM番目の登録単語の各スコア値S1(M),S2(M),S3(M)を予測単語テーブルから取得する(ステップS221)。そして、制御部22は、取得したM番目の登録単語の各スコア値S1(M),S2(M),S3(M)に対して、ステップS122又はS123で設定した補正値H1,H2,H3を用いた補正処理を行う(ステップS222)。
【0068】
具体的には、制御部22は、M番目の登録単語の第1スコア値S1(M)から第1補正値H1を減算し、該減算結果を第1補正スコア値SH1(M)とする。また、制御部22は、第2スコア値S2(M)から第2補正値H2を減算し、該減算結果を第2補正スコア値SH2(M)とする。そして、制御部22は、第3スコア値S3(M)から第3補正値H3を減算し、該減算結果を第3補正スコア値SH3(M)とする。なお、上記の演算により、補正スコア値SHが負の値となった場合、当該補正スコア値SHは「0(零)」とされる。
【0069】
続いて、制御部22は、ステップS222で算出した各補正スコア値SH1(M)、SH2(M)、SH3(M)を合算し、該合算結果を合算スコア値SHT(M)とする(ステップS223)。
【0070】
ここで、確定済みの文字列に相当する単語が「あいう」でM番目の登録単語が「たたすし」であった場合を例として説明する。すなわち、上記ステップS122において、第1補正値H1が「348」に設定されると共に、第2補正値H2が「232」とされ、さらに、第3補正値H3が「0(零)」とされる(図9参照)。また、第1スコア値S1(M)及び第3スコア値S3が「100」とされると共に、第2スコア値S2が「0(零)」とされる。すると、ステップS222での補正処理によって、第1補正スコア値SH1(M)は、演算結果((100−348)<0(零))が負の値となるため、「0(零)」となる。また、第2補正スコア値SH2(M)は、演算結果((0(零)−232)<0(零))が負の値となるため、「0(零)」となる。また、第3補正スコア値SH3(M)は、「100」(=100−0(零))となる。そして、合算スコア値SHT(M)は、「100」(=0(零)+0(零)+100)となる。
【0071】
そして、制御部22は、上記ステップS208の判定処理と同様に、現時点の係数Mが上記ステップS202で取得した読出し総数Pと一致するか否かを判定する(ステップS224)。係数Mが読出し総数P未満である場合(ステップS224:NO)、制御部22は、係数Mを「1」だけインクリメントし(ステップS225)、その処理を前述したステップS221に移行する。一方、係数Mが読出し総数Pと一致する場合(ステップS224:YES)、制御部22は、上記ステップS210,S214の各処理を順次実行し、予測候補決定処理ルーチンを終了する。
【0072】
ここで、第1の実施形態の場合と同じように、登録単語のスコア値を属性毎に設定しない場合には、以下に示す問題が発生し得る。なお、前提として、「あいう」と「たたすし」とでAND検索を行うものとする。
【0073】
この場合、1つ目の単語として「あいう」が入力されると、確定属性は施設名称と住所名称とされる(図5参照)。その後、論理演算子「&」の入力後に、「た」が入力されると、予測単語テーブルから「た」と前方一致する登録単語が読出される。このとき、「たたすし」も読出される。しかし、「たたすし」は、確定属性と一致する属性(施設名称)を有している(図5参照)。そのため、「たたすし」に設定されたスコア値は、「あいう」に設定されたスコア値を用いて減算処理される。すると、「たたすし」の補正スコア値は「0(零)」となってしまう。その結果、読出された登録単語がN個以上ある場合、車両の乗員が所望する「たたすし」は、補正スコア値が「0(零)」となるために予測単語テーブルに記憶されているにも拘わらず、予測候補としてディスプレイ13に案内表示されない可能性がある。
【0074】
この点、本実施形態では、登録単語には、図9に示すように、属性毎にスコア値S1,S2,S3が設定されている。そのため、論理演算子「&」の入力後に「た」が入力されたために読出された「たたすし」の各スコア値S1,S2,S3は、「あいう」の各スコア値S1,S2,S3に基づき個別に補正される。このとき、「あいう」と「たたすし」は、施設名称という属性を有する点で一致している。その結果、「たたすし」の第1スコア値S1(100)は、「あいう」の第1スコア値S1(348)で補正される。その一方で、「たたすし」はジャンル名称という属性を有するのに対し、「あいう」はジャンル名称という属性を有していない。その結果、「たたすし」の第3スコア値S3は、実質的には補正されない。
【0075】
すると、各補正スコア値SH1,SH2,SH3を合算した「たたすし」の合算スコア値SHTは、「0(零)」ではない。そのため、読出された登録単語の個数がN個よりも多い場合であっても、合算スコア値SHTが「0(零)」ではないために、車両の乗員が所望する「たたすし」が予測候補としてディスプレイ13に案内表示される可能性が高くなる。
【0076】
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態の効果(1)〜(4)の効果に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(6)本実施形態の予測単語テーブルでは、登録単語には、属性毎のスコア値S1,S2,S3が設定されている。そのため、確定属性と一致する属性を有する登録単語のうち、確定属性と一致しない他の属性も有する登録単語が予測候補としてディスプレイ13に案内表示される可能性を高めることができる。したがって、車両の乗員に選択される可能性のある登録単語を予測候補としてディスプレイ13に案内表示させることにより、入力に要する時間短縮に貢献できる可能性が高くなる。
【0077】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図12〜図14に従って説明する。なお、第3の実施形態は、予測単語テーブルの内容、確定属性判定処理ルーチン及び予測候補決定処理ルーチンの一部が第1及び第2の各実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1及び第2の各実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1及び第2の各実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0078】
図12に示すように、本実施形態のテーブル記憶部25(図1参照)には、2種類の予測単語テーブルが記憶されている。本実施形態では、上記第2の実施形態の場合とは異なり、一部の属性が細かく分類されている。例えば、住所名称は、都道府県レベルの住所名称、市レベルの住所名称、区レベルの住所名称、町村レベルの住所名称に分類されている。これら地域名称に関する属性のうち、町村レベルの住所名称は、他の住所名称と比較して狭い範囲の地域を示す属性であるといえる。区レベルの住所名称は、町村レベルの住所名称よりも広範囲の地域を示す属性であるといえる。市レベルの住所名称は、町村レベル及び区レベルの住所名称よりも広範囲の地域を示す属性であるといえる。そして、都道府県レベルの住所名称は、他の住所名称よりも広範囲の地域を示す属性であるといえる。
【0079】
ジャンル名称は、大概念レベルのジャンル名称、種類レベルのジャンル名称、店名レベルのジャンル名称に分類される。大概念レベルのジャンル名称は、ジャンルを大別するための属性である。こうした大概念レベルのジャンル名称を有する登録単語の一例としては、「アウトレット(アウトレットモール)」、「レストラン」、「あそぶ(遊ぶ)」、「たべる(食べる)」(図示略)などが挙げられる。
【0080】
種類レベルのジャンル名称は、大概念レベルのジャンル名称を下位概念化(具体化)する属性である。「レストラン」や「たべる(食べる)」を下位概念化した登録単語の一例としては、「アイス(アイスクリーム)」、「すし(寿司)」、「ハンバーガー」(図示略)などが挙げられる。また、「あそぶ(遊ぶ)」を下位概念化した登録単語の一例としては、「えいが(映画)」、「ゆうえんち(遊園地)」、「カラオケ」(図示略)などが挙げられる。
【0081】
店名レベルのジャンル名称は、種類レベルのジャンル名称を下位概念化(具体化)する属性である。すなわち、店名レベルのジャンル名称は、具体的な店名や位置などを表す登録単語に設定される。「すし(寿司)」を下位概念化した登録単語の一例としては、「たたすし(食べ物屋)」が挙げられる。
【0082】
始めに、図12の上側に示される第1の予測単語テーブルについて説明する。
第1の予測単語テーブルでは、各登録単語に対して、属性毎にスコア値S1,S21,S22,S23,S24,S31,S32,S33が設定されている。具体的には、会社名を表す登録単語の「あああ」に関して、施設名称用の第1スコア値S1は「260」である一方、その他のスコア値S21〜S24,S31〜S33は「0(零)」である。アイスクリームの略称である「アイス」に関して、種類レベルのジャンル名称用の第32スコア値S32は「380」であり、その他のスコア値S1,S21〜S24,S31,S33は「0(零)」である。また、施設名称又は都道府県レベルの住所名称を表す「あいう」に関して、第1スコア値S1は「348」であると共に、都道府県レベルの住所名称用の第21スコア値S21は「232」である一方、その他のスコア値S22〜S24,S31〜S33は「0(零)」である。
【0083】
アウトレットモールの略称である「アウトレット」に関して、大概念レベルのジャンル名称用の第31スコア値S31は「380」である一方、その他のスコア値S1,S21〜S24,S32,S33は「0(零)」である。施設名称又は都道府県レベルの住所名称を表す「いあい」に関して、第1スコア値S1は「225」であると共に、第21スコア値S21は「225」である一方、その他のスコア値S22〜S24,S31〜S33は「0(零)」である。施設名称又は市レベルの住所名称を表す「おあいう」に関して、第1スコア値S1は「160」であると共に、市レベルの住所名称用の第22スコア値S22は「240」である一方、その他のスコア値S21,S23,S24,S31〜S33は「0(零)」である。
【0084】
食べ物の種類を表す「すし(寿司)」に関して、種類レベルのジャンル名称用の第32スコア値S32は「350」である一方、その他のスコア値S1,S21〜S24,S31,S33は「0(零)」である。店名を表す「たたすし」に関して、第1スコア値S1は「100」であると共に、店名レベルのジャンル名称用の第33スコア値S33は「100」である一方、その他のスコア値S21〜S24,S31,S32は「0(零)」である。町村レベルの住所名称を表す「なにぬ」に関して、町村レベルの住所名称用の第23スコア値S23は「150」である一方、その他のスコア値S1,S21〜S23,S31〜S33は「0(零)」である。
【0085】
なお、本実施形態において、「おあいう(市)」は、該当する地域が日本全国で一箇所しかない市名である一方、「なにぬ(町)」は、該当する地域が日本全国で複数箇所に存在する町名であるものとする。
【0086】
次に、図12の下側に示される第2の予測単語テーブルについて説明する。
確定済みの文字列に相当する登録単語によっては、論理演算子「&」に続いて入力される確定前の文字列に対する予測候補が限定されることがある。例えば、確定済みの文字列に相当する単語が「おあいう(市)」である場合、「おあいう(市)」は全国で一箇所しかない。そのため、論理演算子「&」に続いて都道府県レベルの住所名称を有する単語が入力される可能性は低い。また、確定済みの文字列に相当する単語が「すし(寿司)」である場合、論理演算子(&)に続いて大概念レベルのジャンルを有する単語(例えば、「レストラン」)が入力される可能性は低い。このように確定済みとなった単語によっては、次に入力される単語の予測候補を絞り込むことができる。こうした予測候補を絞り込むために第2の予測単語テーブルが用意されている。
【0087】
図12に示すように、第2の予測単語テーブルでは、各登録単語に対して、属性毎に排他スコア値Z1,Z21,Z22,Z23,Z24,Z31,Z32,Z33が設定されている。具体的には、アイスクリームの略称である「アイス」に関して、大概念レベルのジャンル名称用の第31排他スコア値Z31は「200」であり、その他の排他スコア値Z1,Z21〜Z24,Z32,Z33は「0(零)」である。施設名称又は市レベルの住所名称を表す「おあいう」に関して、都道府県レベル用の第21排他スコア値Z21は「210」である一方、その他の排他スコア値Z1,Z22〜Z24,Z31〜Z33は「0(零)」である。
【0088】
食べ物の種類を表す「すし(寿司)」に関して、大概念レベルのジャンル名称用の第31排他スコア値Z31は「200」である一方、その他の排他スコア値Z1,Z21〜Z24,Z32,Z33は「0(零)」である。店名を表す「たたすし」に関して、大概念レベル及び種類レベルのジャンル名称用の第31排他スコア値Z31及び第32排他スコア値Z32は「100」である一方、その他の排他スコア値Z1,Z21〜Z24,Z33は「0(零)」である。
【0089】
その一方で、他の登録単語の排他スコア値Z1,Z21〜Z24,Z31〜Z33は、全て「0(零)」である。これは、他の登録単語が確定済みの文字列に相当する単語となった場合に、論理演算子「&」に続いて入力される単語の予測候補を、他の登録単語の属性(確定属性)によって排他しなくてもよいためである。
【0090】
次に、本実施形態の確定属性判定処理ルーチンについて、図13に示すフローチャートを参照して説明する。
さて、確定属性判定処理ルーチンにおいて、確定済みの文字列に相当する単語が予測単語テーブルにある場合(ステップS110:YES)、制御部22は、検索した登録単語のスコア値S(S1,S21〜S24,S31〜S33)を第1の予測単語テーブルから取得する(ステップS131)。本実施形態では、第2の実施形態の場合と同様に、属性毎にスコア値が設定されている。そのため、条件に合致する登録単語の各スコア値を取得することは、当該登録単語の属性(属性情報)を取得したことと等しい。したがって、本実施形態では、ステップS131が、属性取得ステップに相当する。
【0091】
続いて、制御部22は、検索した登録単語の排他スコア値Z(Z1,Z21〜Z24,Z31〜Z33)を第2の予測単語テーブルから取得する(ステップS132)。そして、制御部22は、ステップS131,S132で取得したスコア値S及び排他スコア値Zに基づき、属性毎の補正値H(H1,H21,H22,H23,H24,H31,H32,H33)を設定し(ステップS133)、確定属性判定処理ルーチンを終了する。
【0092】
一方、確定済みの文字列に相当する単語が予測単語テーブルにない場合(ステップS110:NO)、制御部22は、属性毎の補正値H(H1,H21,H22,H23,H24,H31,H32,H33)を全て「0(零)」とし(ステップS134)、確定属性判定処理ルーチンを終了する。
【0093】
ここで、補正値Hの設定方法について、確定済みの文字列に相当する単語が「おあいう」である場合を例として説明する。
検索された登録単語が「おあいう」である場合、第1スコア値S1は「160」に、第22スコア値S22は「240」に、他のスコア値S21,S23,S24,S31〜S33は「0(零)」になる(図12参照)。また、第21排他スコア値Z21は「210」に、他の排他スコア値Z1,Z22〜Z24,Z31〜Z33は「0(零)」になる。
【0094】
そして、第1スコア値S1が「160」であると共に第1排他スコア値Z1が「0(零)」であるため、第1補正値H1は「160」とされる。また、第21スコア値S21が「0(零)」であると共に第21排他スコア値Z21が「210」であるため、第21補正値H21は「210」とされる。また、第22スコア値S22が「240」であると共に第22排他スコア値Z22が「0(零)」であるため、第22補正値H22が「240」とされる。また、第23スコア値S23及び第23排他スコア値Z23が共に「0(零)」であるため、第23補正値H23が「0(零)」とされる。同様に、第24補正値H24、第31補正値H31、第32補正値H32及び第33補正値H33は、それぞれ「0(零)」とされる。
【0095】
なお、もし仮に第1スコア値S1が「160(>0(零))」であると共に第1排他スコア値Z1が「100(>0(零))」であったとした場合、第1補正値H1を、第1スコア値S1及び第1排他スコア値Z1のうち大きな方としてもよいし、第1スコア値S1及び第1排他スコア値Z1の平均値としてもよい。
【0096】
次に、本実施形態の予測候補決定処理ルーチンについて、図14に示すフローチャートを参照して説明する。
予測候補決定処理ルーチンにおいて、制御部22は、上記ステップS200,S201,S202,S203の処理と同等の処理を順次実行する。続いて、制御部22は、ステップS201で読出した各登録単語を五十音順に並べ、上位からM番目の登録単語の各スコア値S(M)を予測単語テーブルから取得する(ステップS241)。そして、制御部22は、取得したM番目の登録単語の各スコア値S(M)に対して補正処理を行う(ステップS242)。つまり、制御部22は、スコア値S1(M),S21(M),S22(M),S23(M),S24(M),S31(M),S32(M),S33(M)を、ステップS133又はステップS134で設定した補正値H1,H21〜H24,H31〜H33を用いて補正する。そして、制御部22は、補正結果を補正スコア値SH1(M),SH21(M),SH22(M),SH23(M),SH24(M),SH31(M),SH32(M),SH33(M)とする。第1スコア値S1(M)の補正処理を例として説明すると、制御部22は、第1スコア値S1(M)から補正値H1を減算し、該減算結果を第1補正スコア値SH1(M)とする。
【0097】
続いて、制御部22は、ステップS242で算出した各補正スコア値SH1(M),SH21(M)〜SH24(M),SH31(M)〜SH33(M)を合算し、該合算結果を合算スコア値SHT(M)とする(ステップS243)。そして、制御部22は、上記ステップS208の判定処理と同様に、現時点の係数Mが上記ステップS202で取得した読出し総数Pと一致するか否かを判定する(ステップS244)。係数Mが読出し総数P未満である場合(ステップS244:NO)、制御部22は、係数Mを「1」だけインクリメントし(ステップS245)、その処理を前述したステップS241に移行する。一方、係数Mが読出し総数Pと一致する場合(ステップS244:YES)、制御部22は、上記ステップS210,S214の各処理を順次実行し、予測候補決定処理ルーチンを終了する。
【0098】
上述したように、「おあいう(市)」は、該当する地域が日本全国で一箇所しかない市名であるため、確定済みの文字列に相当する単語が「おあいう」である場合、論理演算子「&」に続いて入力される単語が都道府県名である可能性は低い。本実施形態では、「おあいう」に関して、都道府県レベルの住所名称用の第21排他スコア値Z21が「210」とされている(図12参照)。
【0099】
論理演算子「&」に続いて入力された文字が「あ」であると、「あ」と前方一致する全ての登録単語として「あああ」、「アイス」、「あいう」、「アウトレット」などが読出される。このように読出された各登録単語のうち、「あああ」、「アイス」、「アウトレット」は、都道府県レベルの住所名称を属性として有していない。そのため、これらに設定されるスコア値Sは、「おあいう」の第21排他スコア値Z21(210)によって補正されない。一方、「あいう」は、都道府県レベルの住所名称を属性として有している。そのため、「あいう」に設定される都道府県レベルの住所名称用の第21スコア値S21(225)は、「おあいう」の第21排他スコア値Z21(210)によって補正される。つまり、「あいう」の第21補正スコア値SH21は、「15」(=225−210)となる。
【0100】
すると、「あいう」の合算スコア値SHTは、低くなる。その結果、確定前の文字列「あ」の予測候補として「あいう」がディスプレイ13に案内表示される可能性が低くなる。また、案内表示されたとしても、「あいう」は、他の予測候補よりも下位で案内表示される。
【0101】
また、確定済みの文字列に相当する単語が「たたすし」である場合、論理演算子「&」に続いて入力される単語が、種類レベルのジャンル名称や大概念レベルのジャンル名称の属性を有する単語である可能性は低い。そこで、本実施形態では、「たたすし」に関して、大概念レベルのジャンル名称用の第31排他スコア値Z31が「100」とされると共に、種類レベルのジャンル名称用の第32排他スコア値Z32が「100」とされる(図12参照)。その結果、論理演算子「&」に続いて例えば「す」が入力されたとしても、「すし(寿司)」が確定前の文字列「す」の予測候補としてディスプレイ13に案内表示される可能性は低くなる。また、案内表示されたとしても、「すし」は、他の予測候補よりも下位で案内表示される。
【0102】
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態の効果(1)〜(4)(6)の効果に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(7)AND検索を行う場合には、確定済みの文字列に相当する単語の属性(確定属性)よりも大概念の属性を有する単語が論理演算子「&」に続いて入力される可能性は低いと考えられる。例えば、寿司屋の店名を表す「たたすし」が入力された後に、「すし(寿司)」が入力される可能性は低い。そこで、本実施形態では、各登録単語に対して、排他スコア値Z1,Z21〜Z24,Z31〜Z33が設定されている。そして、この排他スコア値Z1,Z21〜Z24,Z31〜Z33を用いて、確定前の文字列に前方一致する登録単語のスコア値Sが補正される。その結果、確定済みの文字列に相当する単語の属性(確定属性)よりも大概念の属性を有する登録単語が予測候補としてディスプレイ13に案内表示される可能性を低くすることができる。したがって、車両の乗員によって選択される可能性の高い登録単語がディスプレイ13に案内表示される可能性を高くすることができる。
【0103】
(8)また、住所名称(地域名称)を表す登録単語は、該当する地域が複数存在する単語と、該当する地域が一箇所しかない単語とに分類される。そして、該当する地域が日本全国で一箇所しかない地域名に相当する登録単語が確定済みの文字列に相当する単語である場合、該登録単語が示す地域よりも広範囲の地域を表す登録単語が予測候補としてディスプレイ13に案内表示される可能性は低くなる。例えば、確定済みの文字列に相当する単語が「おあいう(市)」である場合、該「おあいう」に関して都道府県レベルの住所名称用の第21排他スコア値Z21が「210」とされる。そのため、都道府県レベルの住所名称を表す登録単語が予測候補としてディスプレイ13に案内表示される可能性は低くなる。したがって、車両の乗員によって選択される可能性の低い登録単語がディスプレイ13に案内表示される可能性を低くすることができる。
【0104】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態を図15及び図16に従って説明する。なお、第4の実施形態では、NOT検索用の予測候補決定処理ルーチンを実行する点が第3の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第3の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第2の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0105】
始めに、NOT検索を行う際にディスプレイ13に表示される検索用表示画面の一例について、図15を参照して説明する。
複数の単語でNOT検索を行う場合には、1つ目の単語(この場合、「すし」)の入力が完了した後に、NOT用領域45が選択される。すると、図15に示すように、選択文字表示領域41には、「すし」という単語に続いて、NOT検索用の論理演算子として「−」が表示される。すると、1つ目の単語は、「すし」に確定される。すなわち、論理演算子「−」よりも前(図15では左側)に表示される文字列(この場合、「すし」)が、確定済みの文字列に相当する。
【0106】
そして、論理演算子「−」に続いて2つ目の単語の入力が開始されると、ディスプレイ13において入力可能文字領域40の右側には、論理演算子「−」の右側に表示される文字列から推測される予測候補が表示される予測単語表示領域46が形成される。このように論理演算子「−」の右側に表示される文字列が、確定前の文字列に相当する。予測単語表示領域46には、図9に示す予測単語テーブルに記憶される登録単語のうち、確定前の文字列と前方一致する単語の少なくとも一つが表示される。例えば、確定前の文字列が「た」である場合、予測単語表示領域46には、「た」と前方一致する単語が予測候補として表示される。
【0107】
そして、予測単語表示領域46に表示される複数の予測候補のうち何れか一つ(例えば、「たたすし」)が選択されると、選択文字表示領域41では、確定前の文字列である「た」が、選択された予測候補(たたすし)に置換えられる。その結果、選択文字表示領域41には、「すし − たたすし」が表示される。この状態で検索実行用領域43が選択されると、1つ目の単語(すし)と2つ目の単語(たたすし)とでNOT検索が行われる。この場合、「たたすし」以外で寿司を提供するお店が検索される。
【0108】
次に、NOT検索時用の確定属性判定処理ルーチンについて、図16に示すフローチャートを参照して説明する。なお、NOT検索時用の確定属性判定処理ルーチンは、確定前の文字列に前方一致する登録単語のスコア値の補正方法以外では、AND検索時用の確定属性判定処理ルーチンとほぼ同等である。そこで、AND検索時の場合とは異なる点を重点的に説明するものとし、それ以外の部分については簡単に説明するものとする。
【0109】
この予測候補決定処理ルーチンは、NOT検索用の論理演算子「−」の入力後において、文字が車両の乗員によって選択される毎に実行される。また、予測候補決定処理ルーチンは、修正用領域42が乗員によって選択されたタイミングでも、確定前の文字列が存在する場合には実行される。そして、予測候補決定処理ルーチンにおいて、予測単語テーブルに含まれる各登録単語の中に、確定前の文字列に前方一致する登録単語がない場合(ステップS400:NO)、制御部22は、予測候補決定処理ルーチンを終了する。一方、確定前の文字列に前方一致する登録単語がある場合(ステップS400:YES)、制御部22は、確定前の文字列と前方一致する登録単語と該登録単語の属性を予測単語テーブルから全て読出す(ステップS401)。したがって、本実施形態では、ステップS401が、読出しステップに相当する。続いて、制御部22は、予測単語テーブルから読出した登録単語の総数を読出し総数Pとして取得し(ステップS402)、係数Mに「1」をセットする(ステップS403)。
【0110】
そして、制御部22は、ステップS401で読出した各登録単語を五十音順に並べ、上位からM番目の登録単語が確定属性の下位概念の属性を有するか否かを判定する(ステップS404)。例えば、住所名称に関する属性には、都道府県レベル、市レベル、区レベル及び町村レベルに分類されている(図12参照)。そして、都道府県レベルの住所名称という属性から見て、市レベル、区レベル及び町村レベルの住所名称という属性は下位概念の属性に該当する。同様に、市レベルの住所名称という属性から見て、区レベル及び町村レベルの住所名称という属性は下位概念の属性に該当する。また、ジャンル名称に関する属性には、大概念レベル、種類レベル及び店名レベルに分類されている。そして、大概念レベルのジャンル名称という属性から見て、種類レベル及び店名レベルのジャンル名称という属性は下位概念の属性に該当する。同様に、種類レベルのジャンル名称という属性から見て、店名レベルのジャンル名称という属性は下位概念の属性に該当する。
【0111】
ステップS404において、例えば確定済みの文字列に相当する単語が「すし(寿司)」である場合、確定属性は種類レベルのジャンル名称である。そして、読出された登録単語が「たたすし」である場合、該「たたすし」は、確定属性の下位概念の属性である店名レベルのジャンル名称という属性を有している。また、例えば確定済みの文字列に相当する単語が「あいう」である場合、確定属性は施設名称及び都道府県レベルの住所名称である。そして、読出された登録単語が「なにぬ」である場合、該「なにぬ」は、確定属性の下位概念の属性である町村レベルの住所名称という属性を有している。
【0112】
そして、M番目の登録単語が確定属性の下位概念の属性を有していない場合(ステップS404:NO)、制御部22は、M番目の登録単語のスコア値S(M)を、M番目の登録単語の補正スコア値SH(M)とし(ステップS405)、その処理を後述するステップS407に移行する。一方、M番目の登録単語が確定属性の下位概念の属性を有する場合(ステップS404:YES)、制御部22は、M番目の登録単語のスコア値S(M)を高くする補正処理を行う(ステップS406)。本実施形態では、制御部22は、M番目の登録単語のスコア値S(M)に予め設定された補正値H(例えば、50)を加算し、該加算結果を補正スコア値SH(M)とする。その後、制御部22は、その処理を次のステップS407に移行する。
【0113】
そして、現時点の係数MがステップS402で取得した読出し総数P未満である場合(ステップS407:NO)、制御部22は、係数Mを「1」だけインクリメントし(ステップS408)、その処理を前述したステップS404に移行する。一方、係数Mが読出し総数Pと一致する場合(ステップS407:YES)、制御部22は、予測単語テーブルから読出した全ての登録単語に関してステップS404の判定処理を行ったと判断する。このようにステップS407の判定結果が肯定になった時点では、予測単語テーブルから読出された各登録単語のうち、確定属性の下位概念の属性を有する登録単語のスコア値(この場合、補正スコア値SH)と確定属性の下位概念の属性を有さない他の登録単語のスコア値(この場合、補正スコア値SH)との大小関係が変化している。
【0114】
そして、制御部22は、予測単語テーブルから読出された登録単語を補正スコア値SHの大きい順に並べ、上位N個の登録単語を抽出する(ステップS409)。続いて、制御部22は、ステップS409で抽出したN個の登録単語を、予測候補としてディスプレイ13に案内表示させる予測候補表示処理を行い(ステップS412)、その後、予測候補決定処理ルーチンを終了する。この場合、予測単語テーブルから読出された各登録単語のうち、確定属性よりも下位概念の属性を有する登録単語が、確定属性よりも下位概念の属性を有さない他の登録単語よりも優先的にディスプレイ13に案内表示される。したがって、本実施形態では、ステップS404〜S412により、予測表示ステップが構成される。
【0115】
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態の効果(1)〜(4)(6)〜(8)の効果に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(9)NOT検索を行う場合、NOT検索用の論理演算子「−」に続いて入力される単語の属性は、確定済みの文字列に相当する単語の属性(確定属性)よりも下位概念の属性となる可能性が高い。そこで、本実施形態では、NOT検索を行う場合、確定属性よりも下位概念の属性を有する登録単語の優先度(この場合、スコア値SH)は高くされる。一方、確定属性よりも下位概念の属性を有さない登録単語の優先度(この場合、スコア値SH)は維持される。このような補正処理を行った後に、読出された各登録単語のうち、優先度の高い登録単語が優先度の低い登録単語よりも優先的に確定前の文字列の予測候補としてディスプレイ13に案内表示される。そのため、NOT検索を行う場合には、入力途中の文字列の予測精度を向上させることができる。したがって、NOT検索を行う場合に、入力に要する時間短縮に貢献できる可能性が高くなる。
【0116】
なお、上記各実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・第2の実施形態において、予測単語テーブルを図17に示すようなテーブルに変更してもよい。すなわち、図17に示すように、各登録単語には、スコア値Sと、属性毎の属性比率(%)とが対応付けられている。そして、予測単語テーブルから例えば「おあいう」が読出された場合、「おあいう」の施設名称用の第1スコア値S1は、スコア値S(400)の「40%」の値(即ち、160)に設定され、「おあいう」の住所名称用の第2スコア値S2は、スコア値S(400)の「60%」の値(即ち、240)に設定される。そのため、予測単語テーブルを図17に示すような構成としても、上記第2の実施形態と同等の効果を得ることができる。なお、第3の実施形態の予測単語テーブル(図12)についても、図17に示すテーブルと同様な構成としてもよい。
【0117】
・第3及び第4の各実施形態において、大概念レベルのジャンル名称を細分化してもよい。例えば、大概念レベルのジャンル名称を、「たべる(食べる)」、「あそぶ(遊ぶ)」などの行動に関するジャンル名称と、「レストラン」、「きっさてん(喫茶店)」などの施設に関するジャンル名称とに分類してもよい。この場合、施設に関するジャンル名称が、行動に関するジャンル名称の下位概念の属性に相当する。
【0118】
・各実施形態において、ステップS202で取得した読出し総数PがN未満である場合、読出した全ての登録単語を、予測候補としてディスプレイ13に案内表示させてもよい。
【0119】
・各実施形態において、ステップS201では、確定前の文字列と部分一致する登録単語を予測単語テーブルから読出してもよい。ここでいう「部分一致」とは、前方一致及び後方一致を含んだ概念である。
【0120】
・第1の実施形態において、確定属性と一致する属性を有する登録単語を予測候補としてディスプレイ13に案内表示することを禁止してもよい。例えば、予測単語テーブルから読出した各登録単語に対して個別にフラグを設定し、確定属性と一致する属性を有する登録単語のフラグはオフとする一方、確定属性と一致する属性を有さない登録単語のフラグはオンとする。そして、フラグがオンである登録単語を予測候補としてディスプレイ13に案内表示させてもよい。この場合であっても、フラグがオンとなる登録単語の個数がN個未満であるときには、フラグがオフとなる登録単語を予測候補としてディスプレイ13に案内表示してもよい。
【0121】
・各実施形態において、AND検索時には、確定属性と一致する属性を有さない登録単語のスコア値Sを高くするような補正処理を行ってもよい。例えば、第1の実施形態では、ステップS205の判定結果が否定である場合、M番目の登録単語のスコア値Sを補正値Hで加算し、該加算結果を補正スコア値SH(M)とする。また、ステップS205の判定結果が肯定である場合、M番目の登録単語のスコア値Sを補正スコア値SH(M)とする。
【0122】
・各実施形態では、予測候補としてディスプレイ13で案内表示する登録単語の個数は最大でN個としていたが、確定前の文字列と前方一致する全ての登録単語を、ディスプレイ13に案内表示させてもよい。ただし、補正処理後の優先度(補正スコア値SH)が高い登録単語を、補正処理後の優先度が低い登録単語よりも上位に表示させることが好ましい。
【0123】
・各実施形態において、予測候補としてディスプレイ13に案内表示する登録単語の個数であるNは、1以上の整数であれば「5」以外の任意数(例えば、3)であってもよい。
【0124】
・各実施形態において、予測単語テーブルのスコア値Sを適宜学習させてもよい。例えば、ディスプレイ13に予測候補として案内表示された登録単語が車両の乗員によって選択された場合、当該登録単語のスコア値Sを、予め設定された所定値(例えば、10)だけ大きくしてもよい。このように構成すると、選択された回数の多い登録単語のスコア値Sは、他の登録単語のスコア値Sと比較して高くなる。そのため、車両の乗員の趣向に沿った予測候補をディスプレイ13に案内表示させることができるようになる。
【0125】
・各実施形態において、予測単語テーブルを記憶するテーブル記憶部25を、予測単語テーブルの内容を変更しないのであれば、制御部22のROM22bが兼ねてもよい。すなわち、ROM22bに、予測単語テーブルを記憶させてもよい。この場合、ROM22bが、記憶手段として機能することになる。
【0126】
・各実施形態において、1つ目の単語の入力時においても、予測単語テーブルを用いて予測候補をディスプレイ13に案内表示させてもよい。この場合、入力途中の文字列に前方一致する登録単語を予測単語テーブルから読出し、該読出した登録単語のうち少なくとも一つを、ディスプレイ13の予測単語表示領域46に案内表示させる。そして、予測単語表示領域46に案内表示される各予測候補のうち乗員によって選択された予測候補を、1つ目の単語として選択文字表示領域41に表示させてもよい。このように構成することにより、入力に要する時間の更なる短縮を期待することができる。
【0127】
・本発明の地点検索方法を、3つ以上の任意数(例えば3つ)の単語によるAND検索を行う際に具体化してもよい。例えば、3つの単語でAND検索を行う際には、2つ目の単語の入力時には、1つ目の単語を示す文字列が確定済みの文字列とされ、当該単語の属性が確定属性とされる。そして、予測候補としてディスプレイ13に案内表示する登録単語が、確定属性に基づき選択される。続いて、3つ目の単語の入力時には、1つ目の単語を示す文字列及び2つ目の単語を示す文字列が確定済みの文字列とされ、当該各単語の属性が確定属性とされる。そして、予測候補としてディスプレイ13に案内表示する登録単語が、確定属性に基づき選択される。
【0128】
・各実施形態において、ディスプレイ13に案内表示された予測候補の選択は、車両の乗員によるリモートコントローラーの選択操作であってもよいし、乗員による音声入力を利用した選択であってもよい。
【0129】
・本発明の地点検索装置を、携帯電話などの移動式情報端末に具体化してもよい。この場合、移動式情報端末に、上記各処理ルーチンを実行させるための地点検索用プログラムをインストールさせ、上記各処理ルーチンを適宜実行させる。
【0130】
・また、本発明の地点検索装置を、パーソナルコンピュータなどの情報端末に具体化してもよい。この場合、情報端末に、地点検索プログラムをインストールさせ、上記各処理ルーチンを適宜実行させる。
【0131】
次に、上記各実施形態及び別の実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)入力された複数の文字列で示される条件に合致する地点候補を検索する地点検索装置であって、
複数の登録文字列及び該各登録文字列の属性を示す属性情報を記憶する記憶手段と、
確定済みの文字列に相当する登録文字列が前記記憶手段に記憶される場合に、該登録文字列の属性情報を、確定済みの文字列の属性情報として取得する属性取得手段と、
前記確定済みの文字列に続いて入力される確定前の文字列に少なくとも一部が一致する登録文字列及び該登録文字列の属性情報を前記記憶手段から読出す読出し手段と、
複数の文字列でNOT検索を行う場合に、前記読出し手段によって読出された登録文字列のうち、前記属性取得手段によって取得された属性情報よりも下位概念の属性情報を有する登録文字列を、前記下位概念の属性情報を有さない登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示させる予測表示手段と、
前記予測表示手段によって前記表示画面に表示された予測候補が選択された場合に、前記確定前の文字列を該予測候補に置換えて前記表示画面に表示させる置換え表示手段と、を備えることを特徴とする地点検索装置。
【0132】
(ロ)入力された複数の文字列が示す条件に合致する地点候補を検索させる地点検索方法であって、
複数の登録文字列及び該各登録文字列の属性を示す属性情報を記憶する記憶手段に、確定済みの文字列に相当する登録文字列が記憶される場合に、該登録文字列の属性情報を、確定済みの文字列の属性情報として前記記憶手段から取得させる属性取得ステップと、
前記確定済みの文字列に続いて入力される確定前の文字列に少なくとも一部が一致する登録文字列及び該登録文字列の属性情報を前記記憶手段から読出させる読出しステップと、
複数の文字列でNOT検索を行う場合に、前記読出しステップで読出した登録文字列のうち、前記属性取得ステップで取得した属性情報よりも下位概念の属性情報を有する登録文字列を、前記下位概念の属性情報を有さない登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示させる予測表示ステップと、
前記予測表示ステップで前記表示画面に表示した予測候補をユーザが選択した場合に、前記確定前の文字列を該予測候補に置換えて前記表示画面に表示させる置換え表示ステップと、を有することを特徴とする地点検索方法。
【0133】
(ハ)入力された複数の文字列が示す条件に合致する地点候補の検索を制御装置に実行させるための地点検索プログラムであって、
前記制御装置に、
複数の登録文字列及び該各登録文字列の属性を示す属性情報を記憶する記憶手段と、
確定済みの文字列に相当する登録文字列が前記記憶手段に記憶される場合に、該登録文字列の属性情報を、確定済みの文字列の属性情報として取得する属性取得手段と、
前記確定済みの文字列に続いて入力される確定前の文字列に少なくとも一部が一致する登録文字列及び該登録文字列の属性情報を前記記憶手段から読出す読出し手段と、
複数の文字列でNOT検索を行う場合に、前記読出し手段によって読出された登録文字列のうち、前記属性取得手段によって取得された属性情報の下位概念の属性情報を有する登録文字列を、前記下位概念の属性情報を有さない登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示させる予測表示手段と、
前記予測表示手段によって前記表示画面に表示された予測候補が選択された場合に、前記確定前の文字列を該予測候補に置換えて前記表示画面に表示させる置換え表示手段として機能させることを特徴とする地点検索プログラム。
【符号の説明】
【0134】
12…表示装置、13…表示画面の一例としてのディスプレイ、20…地点検索装置の一例としての制御装置、22…属性取得手段、読出し手段、予測表示手段、置換え表示手段の一例としての制御部、22b…記憶手段の一例としてのROM、25…記憶手段の一例としてのテーブル記憶部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された複数の文字列で示される条件に合致する地点候補を検索する地点検索装置であって、
複数の登録文字列及び該各登録文字列の属性を示す属性情報を記憶する記憶手段と、
確定済みの文字列に相当する登録文字列が前記記憶手段に記憶される場合に、該登録文字列の属性情報を、確定済みの文字列の属性情報として取得する属性取得手段と、
前記確定済みの文字列に続いて入力される確定前の文字列に少なくとも一部が一致する登録文字列及び該登録文字列の属性情報を前記記憶手段から読出す読出し手段と、
複数の文字列でAND検索を行う場合に、前記読出し手段によって読出された登録文字列のうち、前記属性取得手段によって取得された属性情報と一致する属性情報を有さない登録文字列を、一致する属性情報を有する登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示させる予測表示手段と、
前記予測表示手段によって前記表示画面に表示された予測候補が選択された場合に、前記確定前の文字列を該予測候補に置換えて前記表示画面に表示させる置換え表示手段と、を備えることを特徴とする地点検索装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記複数の登録文字列と、前記登録文字列毎の属性情報と、前記登録文字列毎に設定された予測の優先度とを互いに関連付けて記憶しており、
前記予測表示手段は、
複数の文字列でAND検索を行う場合に、
前記属性取得手段によって取得された属性情報と一致する属性情報を有する登録文字列の優先度を低くする補正処理を行い、
前記読出し手段によって前記記憶手段から読出された登録文字列のうち、前記補正処理後の優先度の高い登録文字列を、前記補正処理後の優先度の低い登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として前記表示画面に表示させることを特徴とする請求項1に記載の地点検索装置。
【請求項3】
前記予測表示手段は、
複数の文字列でAND検索を行う場合に、前記属性取得手段によって取得された確定済みの文字列の属性情報よりも上位概念の属性情報を有さない登録文字列を、前記上位概念の属性情報を有する登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として前記表示画面に表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の地点検索装置。
【請求項4】
前記予測表示手段は、
複数の文字列でAND検索を行う場合において、
前記確定済みの文字列の属性情報が地域名称に関する属性情報であると共に、該確定済みの文字列によって示される地域の候補が一箇所であるときには、該地域よりも広範囲の地域の地域名称に関する属性情報を有さない登録文字列を、前記広範囲の地域の地域名称に関する属性情報を有する登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として前記表示画面に表示させることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の地点検索装置。
【請求項5】
前記予測表示手段は、
複数の文字列でNOT検索を行う場合に、前記読出し手段によって読出された登録文字列のうち、前記属性取得手段によって取得された属性情報よりも下位概念の属性情報を有する登録文字列を、前記下位概念の属性情報を有さない登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として前記表示画面に表示させることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の地点検索装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記複数の登録文字列と、前記登録文字列毎の属性情報と、前記登録文字列毎に設定された予測の優先度とを互いに関連付けて記憶しており、
前記予測表示手段は、
複数の文字列でNOT検索を行う場合に、
前記属性取得手段によって取得された確定済みの文字列の属性情報よりも下位概念の属性情報を有する登録文字列の優先度を低くする補正処理を行い、
前記読出し手段によって前記記憶手段から読出された登録文字列のうち、前記補正処理後の優先度の高い登録文字列を、前記補正処理後の優先度の低い登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として前記表示画面に表示させることを特徴とする請求項5に記載の地点検索装置。
【請求項7】
入力された複数の文字列が示す条件に合致する地点候補を検索させる地点検索方法であって、
複数の登録文字列及び該各登録文字列の属性を示す属性情報を記憶する記憶手段に、確定済みの文字列に相当する登録文字列が記憶される場合に、該登録文字列の属性情報を、確定済みの文字列の属性情報として前記記憶手段から取得させる属性取得ステップと、
前記確定済みの文字列に続いて入力される確定前の文字列に少なくとも一部が一致する登録文字列及び該登録文字列の属性情報を前記記憶手段から読出させる読出しステップと、
複数の文字列でAND検索を行う場合に、前記読出しステップで読出した登録文字列のうち、前記属性取得ステップで取得した属性情報と一致する属性情報を有さない登録文字列を、一致する属性情報を有する登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示させる予測表示ステップと、
前記予測表示ステップで前記表示画面に表示した予測候補をユーザが選択した場合に、前記確定前の文字列を該予測候補に置換えて前記表示画面に表示させる置換え表示ステップと、を有することを特徴とする地点検索方法。
【請求項8】
入力された複数の文字列が示す条件に合致する地点候補の検索を制御装置に実行させるための地点検索プログラムであって、
前記制御装置に、
複数の登録文字列及び該各登録文字列の属性を示す属性情報を記憶する記憶手段と、
確定済みの文字列に相当する登録文字列が前記記憶手段に記憶される場合に、該登録文字列の属性情報を、確定済みの文字列の属性情報として取得する属性取得手段と、
前記確定済みの文字列に続いて入力される確定前の文字列に少なくとも一部が一致する登録文字列及び該登録文字列の属性情報を前記記憶手段から読出す読出し手段と、
複数の文字列でAND検索を行う場合に、前記読出し手段によって読出された登録文字列のうち、前記属性取得手段によって取得された属性情報と一致する属性情報を有さない登録文字列を、一致する属性情報を有する登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示させる予測表示手段と、
前記予測表示手段によって前記表示画面に表示された予測候補が選択された場合に、前記確定前の文字列を該予測候補に置換えて前記表示画面に表示させる置換え表示手段として機能させることを特徴とする地点検索プログラム。
【請求項1】
入力された複数の文字列で示される条件に合致する地点候補を検索する地点検索装置であって、
複数の登録文字列及び該各登録文字列の属性を示す属性情報を記憶する記憶手段と、
確定済みの文字列に相当する登録文字列が前記記憶手段に記憶される場合に、該登録文字列の属性情報を、確定済みの文字列の属性情報として取得する属性取得手段と、
前記確定済みの文字列に続いて入力される確定前の文字列に少なくとも一部が一致する登録文字列及び該登録文字列の属性情報を前記記憶手段から読出す読出し手段と、
複数の文字列でAND検索を行う場合に、前記読出し手段によって読出された登録文字列のうち、前記属性取得手段によって取得された属性情報と一致する属性情報を有さない登録文字列を、一致する属性情報を有する登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示させる予測表示手段と、
前記予測表示手段によって前記表示画面に表示された予測候補が選択された場合に、前記確定前の文字列を該予測候補に置換えて前記表示画面に表示させる置換え表示手段と、を備えることを特徴とする地点検索装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記複数の登録文字列と、前記登録文字列毎の属性情報と、前記登録文字列毎に設定された予測の優先度とを互いに関連付けて記憶しており、
前記予測表示手段は、
複数の文字列でAND検索を行う場合に、
前記属性取得手段によって取得された属性情報と一致する属性情報を有する登録文字列の優先度を低くする補正処理を行い、
前記読出し手段によって前記記憶手段から読出された登録文字列のうち、前記補正処理後の優先度の高い登録文字列を、前記補正処理後の優先度の低い登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として前記表示画面に表示させることを特徴とする請求項1に記載の地点検索装置。
【請求項3】
前記予測表示手段は、
複数の文字列でAND検索を行う場合に、前記属性取得手段によって取得された確定済みの文字列の属性情報よりも上位概念の属性情報を有さない登録文字列を、前記上位概念の属性情報を有する登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として前記表示画面に表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の地点検索装置。
【請求項4】
前記予測表示手段は、
複数の文字列でAND検索を行う場合において、
前記確定済みの文字列の属性情報が地域名称に関する属性情報であると共に、該確定済みの文字列によって示される地域の候補が一箇所であるときには、該地域よりも広範囲の地域の地域名称に関する属性情報を有さない登録文字列を、前記広範囲の地域の地域名称に関する属性情報を有する登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として前記表示画面に表示させることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の地点検索装置。
【請求項5】
前記予測表示手段は、
複数の文字列でNOT検索を行う場合に、前記読出し手段によって読出された登録文字列のうち、前記属性取得手段によって取得された属性情報よりも下位概念の属性情報を有する登録文字列を、前記下位概念の属性情報を有さない登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として前記表示画面に表示させることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の地点検索装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記複数の登録文字列と、前記登録文字列毎の属性情報と、前記登録文字列毎に設定された予測の優先度とを互いに関連付けて記憶しており、
前記予測表示手段は、
複数の文字列でNOT検索を行う場合に、
前記属性取得手段によって取得された確定済みの文字列の属性情報よりも下位概念の属性情報を有する登録文字列の優先度を低くする補正処理を行い、
前記読出し手段によって前記記憶手段から読出された登録文字列のうち、前記補正処理後の優先度の高い登録文字列を、前記補正処理後の優先度の低い登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として前記表示画面に表示させることを特徴とする請求項5に記載の地点検索装置。
【請求項7】
入力された複数の文字列が示す条件に合致する地点候補を検索させる地点検索方法であって、
複数の登録文字列及び該各登録文字列の属性を示す属性情報を記憶する記憶手段に、確定済みの文字列に相当する登録文字列が記憶される場合に、該登録文字列の属性情報を、確定済みの文字列の属性情報として前記記憶手段から取得させる属性取得ステップと、
前記確定済みの文字列に続いて入力される確定前の文字列に少なくとも一部が一致する登録文字列及び該登録文字列の属性情報を前記記憶手段から読出させる読出しステップと、
複数の文字列でAND検索を行う場合に、前記読出しステップで読出した登録文字列のうち、前記属性取得ステップで取得した属性情報と一致する属性情報を有さない登録文字列を、一致する属性情報を有する登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示させる予測表示ステップと、
前記予測表示ステップで前記表示画面に表示した予測候補をユーザが選択した場合に、前記確定前の文字列を該予測候補に置換えて前記表示画面に表示させる置換え表示ステップと、を有することを特徴とする地点検索方法。
【請求項8】
入力された複数の文字列が示す条件に合致する地点候補の検索を制御装置に実行させるための地点検索プログラムであって、
前記制御装置に、
複数の登録文字列及び該各登録文字列の属性を示す属性情報を記憶する記憶手段と、
確定済みの文字列に相当する登録文字列が前記記憶手段に記憶される場合に、該登録文字列の属性情報を、確定済みの文字列の属性情報として取得する属性取得手段と、
前記確定済みの文字列に続いて入力される確定前の文字列に少なくとも一部が一致する登録文字列及び該登録文字列の属性情報を前記記憶手段から読出す読出し手段と、
複数の文字列でAND検索を行う場合に、前記読出し手段によって読出された登録文字列のうち、前記属性取得手段によって取得された属性情報と一致する属性情報を有さない登録文字列を、一致する属性情報を有する登録文字列よりも優先的に前記確定前の文字列の予測候補として表示画面に表示させる予測表示手段と、
前記予測表示手段によって前記表示画面に表示された予測候補が選択された場合に、前記確定前の文字列を該予測候補に置換えて前記表示画面に表示させる置換え表示手段として機能させることを特徴とする地点検索プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−113413(P2012−113413A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260182(P2010−260182)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
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