説明

地磁気センサを搭載した携帯端末、方位検出方法及びプログラム

【課題】ヘディングアップ表示のナビゲーション機能を備えた携帯端末について、一時的な周囲の磁界の変化に基づく影響を軽減することができる携帯端末等を提供する。
【解決手段】全方位を4等分した第1のゾーンと、全方位を4等分し且つ第1のゾーンと45度ずれた第2のゾーンとに区分する。携帯端末は、地磁気センサによって測定された方位情報に基づいて、第1のゾーンの番号及び第2のゾーンの番号からなる方位ゾーン情報を判定し、その方位ゾーン情報に基づいて、16方位の中でいずれの方位であるかを決定する。そのために、2回分の時間的に連続する方位ゾーン情報について、1つのゾーン番号が重複する場合、その重複ゾーンの中心角を方位として決定し、2つのゾーン番号が重複する場合、2つのゾーンの重複範囲の中心角を方位として決定し、重複ゾーンが無い場合、先に決定された方位をそのまま維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地磁気センサを搭載した携帯端末、方位検出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現在地から目的地までの経路を、地図上に表示することによって、端末の所持者を案内するナビゲーション技術がある。端末が固定であれば、ディスプレイに表示される地図の上部が北側を指すように表示制御をすることによって、利用者に理解されやすくなる。一方で、端末が携帯端末であって、利用者によって所持され且つ移動するものである場合、ディスプレイに表示される地図の上部が進行方向を指すように表示制御をすることによって、利用者に理解されやすくなる。利用者の進行方向がディスプレイの上部になるように、地図を回転させる技術は、ヘディングアップ表示技術と称される。
【0003】
ヘディングアップ表示技術として、地磁気センサを用いて方位を測定するナビゲーション機能を備えた携帯電話端末がある(例えば特許文献1参照)。この技術によれば、地磁気センサは、周囲の強い磁界による影響を受けやすい。即ち、携帯電話端末が、地磁気センサを搭載した場合、その周囲に強い磁界を発生する物体が存在すると、利用者の進行方向に対して、ディスプレイに正しい進行方向が表示されないという問題がある。
【0004】
これに対し、携帯端末が、地磁気センサの検出精度が低下しやすい地域である旨の情報を、ネットワークを介して受信する技術がある(例えば特許文献2参照)。この技術によれば、地磁気センサの方位検出結果は、周囲の強い磁界の影響を受けている可能性が高いことが把握できる。この場合、地磁気センサを用いた方位の測定に関しては、周囲の強い磁界を妨げる必要がある。
【0005】
また、地磁気センサによって検出された方位情報を補正する技術として、ジャイロセンサを用いることも考えられる。
【0006】
【特許文献1】特開2004−028837号公報
【特許文献2】特開2005−300896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に記載された技術によれば、携帯端末の周囲における恒常的な磁界の影響が大きいことは知ることができる。しかしながら、携帯端末の周囲における一時的な磁界の変化による方位の誤検出に対して、補正することはできない。例えば、携帯端末を所持する利用者の近くを、トラックが通過する等して磁界が変化した場合、地磁気センサは誤った方位を検出する。このような一時的な磁界の変化に対しては、従来技術によれば、そのまま誤った検出結果を利用することとなる。例えば、ヘディングアップ表示技術によって、携帯端末のディスプレイに地図が表示されている場合、トラックが近くを通過すると、一瞬、全く異なる方位を上部とする地図が表示されることとなる。
【0008】
また、地磁気センサの測定誤差を補正するために、携帯端末にジャイロセンサを搭載することは好ましくない。ジャイロセンサは、サイズが比較的大きく且つコストが比較的高いという理由がある。結局、地磁気センサによって検出された方位情報の誤差は、そのままナビゲーション機能の精度低下につながる。
【0009】
そこで、本発明は、ヘディングアップ表示のナビゲーション機能を備えた携帯端末について、一時的な周囲の磁界の変化に基づく影響を軽減することができる携帯端末、方位検出方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、地磁気センサを搭載した携帯端末において、
全方位を所定数n等分した第1のゾーンと、全方位を所定数n等分し且つ第1のゾーンと360度/(n×2)ずれた第2のゾーンとに区分し、
地磁気センサによって測定された方位情報に基づいて、第1のゾーンの番号及び第2のゾーンの番号からなる方位ゾーン情報を判定する方位ゾーン判定手段と、
方位ゾーン情報に基づいて、いずれの方位であるかを決定する方位決定手段とを有し、
方位決定手段は、2回分の時間的に連続する方位ゾーン情報について、
1つのゾーン番号が重複する場合、その重複ゾーンの中心角を方位として決定し、
2つのゾーン番号が重複する場合、2つのゾーンの重複範囲の中心角を方位として決定し、
重複ゾーンが無い場合、先に決定された方位をそのまま維持する
ように構成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の携帯端末における他の実施形態によれば、n等分は、4等分であり、360度/(n×2)は、45度であり、方位決定手段は、16方位の中のいずれかの方位を決定することも好ましい。
【0012】
本発明の携帯端末における他の実施形態によれば、地磁気センサは、瞬間的な周囲の磁界の変化の影響を軽減するために、1秒間に2回、方位情報を方位ゾーン判定手段へ出力することも好ましい。
【0013】
本発明の携帯端末における他の実施形態によれば、
方位決定手段によって決定された方位に基づいて、ディスプレイに表示された地図情報を回転させる地図情報制御手段を更に有し、
地図情報制御手段は、方位決定手段によって決定された方位が、第1の方位から複数の方位を飛び越えて第2の方位へ遷移する場合、1方位毎に、段階的に第2の方位へ遷移するように、ディスプレイに表示すべき地図情報の回転を制御することも好ましい。
【0014】
本発明によれば、地磁気センサを搭載した携帯端末における方位検出方法において、
全方位を所定数n等分した第1のゾーンと、全方位を所定数n等分し且つ第1のゾーンと360度/(n×2)ずれた第2のゾーンとに区分し、
地磁気センサによって測定された方位情報に基づいて、第1のゾーンの番号及び第2のゾーンの番号からなる方位ゾーン情報を判定する第1のステップと、
方位ゾーン情報に基づいて、いずれの方位であるかを決定する第2のステップとを有し、
第2のステップは、2回分の時間的に連続する方位ゾーン情報について、
1つのゾーン番号が重複する場合、その重複ゾーンの中心角を方位として決定し、
2つのゾーン番号が重複する場合、2つのゾーンの重複範囲の中心角を方位として決定し、
重複ゾーンが無い場合、先に決定された方位をそのまま維持することを特徴とする。
【0015】
本発明の方位検出方法における他の実施形態によれば、n等分は、4等分であり、360度/(n×2)は、45度であり、方位決定手段は、16方位の中のいずれかの方位を決定することも好ましい。
【0016】
本発明の方位検出方法における他の実施形態によれば、地磁気センサは、瞬間的な周囲の磁界の変化の影響を軽減するために、1秒間に2回、方位情報を測定することも好ましい。
【0017】
本発明の方位検出方法における他の実施形態によれば、
第2のステップによって決定された方位に基づいて、ディスプレイに表示された地図情報を回転させる第3のステップを更に有し、
第3のステップは、第2のステップによって決定された方位が、第1の方位から複数の方位を飛び越えて第2の方位へ遷移する場合、1方位毎に、段階的に第2の方位へ遷移するように、ディスプレイに表示すべき地図情報の回転を制御することも好ましい。
【0018】
本発明によれば、地磁気センサを含む携帯端末に搭載されたコンピュータを機能させる方位検出プログラムにおいて、
全方位を所定数n等分した第1のゾーンと、全方位を所定数n等分し且つ第1のゾーンと360度/(n×2)ずれた第2のゾーンとに区分し、
地磁気センサによって測定された方位情報に基づいて、第1のゾーンの番号及び第2のゾーンの番号からなる方位ゾーン情報を判定する方位ゾーン判定手段と、
方位ゾーン情報に基づいて、いずれの方位であるかを決定する方位決定手段と
してコンピュータを機能させ、
方位決定手段は、2回分の時間的に連続する方位ゾーン情報について、
1つのゾーン番号が重複する場合、その重複ゾーンの中心角を方位として決定し、
2つのゾーン番号が重複する場合、2つのゾーンの重複範囲の中心角を方位として決定し、
重複ゾーンが無い場合、先に決定された方位をそのまま維持する
ようにコンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の携帯端末、方位検出方法及びプログラムによれば、ヘディングアップ表示のナビゲーション機能を備えた携帯端末について、一時的な周囲の磁界の変化に基づく影響を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下では、図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0021】
図1は、利用者が所持する携帯端末の向き(進行方向)が変化していることを表す方位図である。
【0022】
図1によれば、利用者は、携帯端末を所持し、時計方向に50度程度から200度程度まで向きを変更し、その後、反時計方向に20度程度まで向きを変更している。以下では、図1のような利用者の向きの変更について、どのように方位を検出するか、について説明する。
【0023】
図2は、本発明に基づく4つの第1のゾーンを表す方位図である。
【0024】
図2によれば、全方位360度が、4つのゾーン1、3、5及び7に等分されている。各方位は、90度ずつ区分されている。ゾーン1は0度〜90度、ゾーン3は90度〜180度、ゾーン5は180度〜270度、ゾーン7は270度〜360度に設定されている。
【0025】
図3は、本発明に基づく4つの第2のゾーンを表す方位図である。
【0026】
図3によれば、全方位360度が、4つの第2のゾーン2、4、6及び8に等分されている。各方位は、90度ずつ区分されている。ここで、第2のゾーンは、第1のゾーンに対して、45度だけ、シフトして配置される。ゾーン2は45度〜135度、ゾーン4は135度〜225度、ゾーン6は225度〜315度、ゾーン8は315度〜45度に設定されている。
【0027】
図4は、本発明に基づく第1のゾーン及び第2のゾーンを表す方位図である。
【0028】
図4によれば、図2の第1のゾーンと、図3の第2のゾーンとが、重畳して表されている。いずれの方位も、(第1のゾーン番号,第2のゾーン番号)によって表される。2つの番号の組合せによって、全方位360度は、8個のゾーンに区分される。即ち、45度単位にゾーンが区分される。
【0029】
本発明によれば、携帯端末が携帯電話機であることを想定しており、16方位、すなわち22.5度単位に方位が検出できれば、利用者に対して十分なナビゲーション機能を提供することができると考えている。
【0030】
前述した図2から図4によれば、全方位を4等分した第1のゾーンと、全方位を4等分し且つ第1のゾーンと45度ずれた第2のゾーンとに区分している。ここで、全方位を所定数n等分した第1のゾーンと、全方位を所定数n等分し且つ第1のゾーンと360度/(n×2)ずれた第2のゾーンとに区分するものであってもよい。
・全方位を3等分した第1のゾーンと、全方位を3等分し且つ第1のゾーンと60度ずれた第2のゾーンとに区分する。
・全方位を6等分した第1のゾーンと、全方位を6等分し且つ第1のゾーンと30度ずれた第2のゾーンとに区分する。
【0031】
図5は、本発明における携帯端末の機能構成図である。
【0032】
図5によれば、携帯端末1は、地磁気センサ部101と、方位ゾーン判定部102と、方位決定部103と、地図情報制御部104と、ディスプレイ部105とを有する。方位ゾーン判定部102と、方位決定部103と、地図情報制御部104とは、携帯端末1に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現することが好ましい。尚、図5に記載された機能構成は、本発明に基づくもののみを記載しており、一般的な携帯端末機能部106を備えていることは勿論である。
【0033】
本発明によれば、携帯端末1は、地磁気センサ(方位センサ)部101となるハードウェアを備えている。地磁気センサとは、地磁気の方向及び大きさを測定するセンサである。地磁気センサとは、磁気の強さによって抵抗値又はインピーダンス値が変化する素子であって、具体的には地磁気の方向とセンサの角度によって値が変化する。抵抗値(インピーダンス値)の変化は、電流の変化として読み取られ、南北の方向との角度に換算される。
【0034】
また、地磁気センサ部101は、例えば、1秒間に2回(2Hz)、方位情報を方位ゾーン判定部102へ出力することも好ましい。この程度の時間間隔であれば、瞬間的な周囲の磁界の変化の影響を軽減することができる。
【0035】
方位ゾーン判定部102は、地磁気センサによって測定された方位情報の結果から、図4に基づく方位ゾーン情報を判定する。方位ゾーン情報は、第1のゾーンの番号及び第2のゾーンの番号からなる。例えば、測定方位が60度である場合、ゾーン(1,2)と判定する。また、測定方位が100度である場合、ゾーン(2,3)と判定する。
【0036】
方位決定部103は、方位ゾーン判定部102から出力された方位ゾーン情報に基づいて、図4の16方位の中でいずれの方位であるかを決定する。勿論、16方位に限られず、ゾーンの区分によって方位数を設定することができる。
【0037】
方位決定部103は、2回分の時間的に連続する方位ゾーン情報に基づいて、方位を決定する。本発明によれば、3つのパターンがある。
[第1のパターン]連続した2回分のゾーンについて、1つが重複する場合、その重複ゾーンの中心角を、方位として決定する。例えば、ゾーン(1,2)及びゾーン(2,3)の場合、ゾーン2が重複しているために、ゾーン2の中心角である90度を方位として決定する。
[第2のパターン]連続した2回分のゾーンについて、2つが重複する場合、2つのゾーンの重複範囲の中心角を、方位として決定する。例えば、ゾーン(1,2)及びゾーン(1,2)の場合、ゾーン1及び2の両方のゾーンが重複している。このとき、ゾーン1とゾーン2の重複範囲の中心角である67.5度を方位として決定する。
[第3のパターン]連続した2回分のゾーンについて、重複ゾーンが無い場合、瞬間的に携帯端末の周囲に磁界の変化が発生したと判断して、先に決定された方位をそのまま維持する。例えば、ゾーン(1,2)及びゾーン(3,4)の場合、重複ゾーンが無いために、先に決定された方位をそのまま維持する。
【0038】
地図情報制御部104は、方位決定部103によって決定された方位に基づいて、ディスプレイに表示すべき地図情報を回転させる機能を有する。地図情報制御部104は、方位決定部103によって決定された方位が、16方位について、第1の方位から複数の方位を飛び越えて第2の方位へ遷移する場合、1方位毎に、段階的に第2の方位へ遷移するように、ディスプレイに表示すべき地図情報の回転を制御する。
【0039】
図6は、図1の方位の変化について、地磁気センサによって検出されたタイミングを表す方位図である。
【0040】
図6によれば、地磁気センサによって、連続して10回の方位が検出されている。方位が検出されたタイミングが、(P1)〜(P10)によって表されている。
【0041】
図7は、図6のタイミングで検出された方位ゾーン情報を表す方位図である。
【0042】
(P1)〜(P10)について、以下のように、2回分の時間的に連続するゾーン番号毎に、方位が決定される。
測定方位(ゾーン番号,ゾーン番号)
(P1) 測定方位( 1 , 2 )
この時点では、方位は決定されない。
(P1) 測定方位( 1 , 2 )
(P2) 測定方位( 2 , 3 )
ゾーン2が重複する。従って、ゾーン2の中心角となる「90度」に決定される。
(P2) 測定方位( 2 , 3 )
(P3) 測定方位( 4 , 5 )
ゾーンは重複しない。従って、前回の方位「90度」をそのまま維持する。
(P3) 測定方位( 4 , 5 )
(P4) 測定方位( 3 , 4 )
ゾーン4が重複する。従って、ゾーン4の中心角となる「180度」に決定される。
(P4) 測定方位( 3 , 4 )
(P5) 測定方位( 3 , 4 )
ゾーン3及び4が重複する。従って、ゾーン3とゾーン4との重複範囲の中心角となる「157.5度」に決定される。
(P5) 測定方位( 3 , 4 )
(P6) 測定方位( 8 , 1 )
ゾーンは重複しない。従って、前回の方位「157.5度」をそのまま維持する。
(P6) 測定方位( 8 , 1 )
(P7) 測定方位( 2 , 3 )
ゾーンは重複しない。従って、前回の方位「157.5度」をそのまま維持する。
(P7) 測定方位( 2 , 3 )
(P8) 測定方位( 1 , 2 )
ゾーン2が重複する。従って、ゾーン2の中心角となる「90度」に決定される。
(P8) 測定方位( 1 , 2 )
(P9) 測定方位( 8 , 1 )
ゾーン1が重複する。従って、ゾーン1の中心角となる「45度」に決定される。
(P9) 測定方位( 8 , 1 )
(P10)測定方位( 8 , 1 )
ゾーン8及び1が重複する。従って、ゾーン8とゾーン1との重複範囲の中心角となる「22.5度」に決定される。
【0043】
このように、検出された方位は、90度→180度→157.5度→90度→45度→22.5度と5回遷移する。本発明の最も特徴ある点は、(P6)の測定方位を、無視することにある。従来技術によれば、地磁気センサ部101によって(P6)が検出された際に、利用者の向きと全く関係ない方向を上部とする地図が表示されることとなる。本発明によれば、このような一時的な周囲の磁界の変化に基づく影響が軽減される。
【0044】
図7によれば、90度→180度へ方位が遷移する場合、112.5度→135度→157.5度が飛び越されている。このとき、地図制御情報部104は、90度→112.5度→135度→157.5度→180度のように、1方位毎に、段階的にディスプレイに表示すべき地図情報を回転させて表示。これにより、利用者は、視覚的に、地図の上部となる進行方向を、滑らかに変更しているように見える。
【0045】
同様に、157.5度→90度へ方位が遷移する場合、157.5度→135度→112.5度→90度のように、1方位毎に、段階的にディスプレイに表示すべき地図情報を回転させて表示する。
【0046】
また、90度→45度へ方位が遷移する場合、90度→67.5度→45度のように、1方位毎に、段階的にディスプレイに表示すべき地図情報を回転させて表示する。
【0047】
以上、詳細に説明したように、本発明の携帯端末、方位検出方法及びプログラムによれば、ヘディングアップ表示のナビゲーション機能を備えた携帯端末について、一時的な周囲の磁界の変化に基づく影響を軽減することができる。
【0048】
前述した本発明における種々の実施形態によれば、本発明の技術思想及び見地の範囲における種々の変更、修正及び省略を、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】利用者が所持する携帯端末の向き(進行方向)が変化していることを表す方位図である。
【図2】本発明に基づく4つの第1のゾーンを表す方位図である。
【図3】本発明に基づく4つの第2のゾーンを表す方位図である。
【図4】本発明に基づく第1のゾーン及び第2のゾーンを表す方位図である。
【図5】本発明における携帯端末の機能構成図である。
【図6】図1の方位の変化について、地磁気センサによって検出されたタイミングを表す方位図である。
【図7】図6のタイミングで検出された方位ゾーン情報を表す方位図である。
【符号の説明】
【0050】
1 携帯端末
101 地磁気センサ部
102 方位ゾーン判定部
103 方位決定部
104 地図情報制御部
105 ディスプレイ部
106 携帯端末機能部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地磁気センサを搭載した携帯端末において、
全方位を所定数n等分した第1のゾーンと、全方位を所定数n等分し且つ第1のゾーンと360度/(n×2)ずれた第2のゾーンとに区分し、
前記地磁気センサによって測定された方位情報に基づいて、第1のゾーンの番号及び第2のゾーンの番号からなる方位ゾーン情報を判定する方位ゾーン判定手段と、
前記方位ゾーン情報に基づいて、いずれの方位であるかを決定する方位決定手段とを有し、
前記方位決定手段は、2回分の時間的に連続する前記方位ゾーン情報について、
1つのゾーン番号が重複する場合、その重複ゾーンの中心角を方位として決定し、
2つのゾーン番号が重複する場合、2つのゾーンの重複範囲の中心角を方位として決定し、
重複ゾーンが無い場合、先に決定された方位をそのまま維持する
ように構成されていることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記n等分は、4等分であり、
前記360度/(n×2)は、45度であり、
前記方位決定手段は、16方位の中のいずれかの方位を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記地磁気センサは、瞬間的な周囲の磁界の変化の影響を軽減するために、1秒間に2回、前記方位情報を前記方位ゾーン判定手段へ出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記方位決定手段によって決定された方位に基づいて、ディスプレイに表示された地図情報を回転させる地図情報制御手段を更に有し、
地図情報制御手段は、前記方位決定手段によって決定された方位が、第1の方位から複数の方位を飛び越えて第2の方位へ遷移する場合、1方位毎に、段階的に第2の方位へ遷移するように、ディスプレイに表示すべき地図情報の回転を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項5】
地磁気センサを搭載した携帯端末における方位検出方法において、
全方位を所定数n等分した第1のゾーンと、全方位を所定数n等分し且つ第1のゾーンと360度/(n×2)ずれた第2のゾーンとに区分し、
前記地磁気センサによって測定された方位情報に基づいて、第1のゾーンの番号及び第2のゾーンの番号からなる方位ゾーン情報を判定する第1のステップと、
前記方位ゾーン情報に基づいて、いずれの方位であるかを決定する第2のステップとを有し、
第2のステップは、2回分の時間的に連続する前記方位ゾーン情報について、
1つのゾーン番号が重複する場合、その重複ゾーンの中心角を方位として決定し、
2つのゾーン番号が重複する場合、2つのゾーンの重複範囲の中心角を方位として決定し、
重複ゾーンが無い場合、先に決定された方位をそのまま維持する
ことを特徴とする方位検出方法。
【請求項6】
前記n等分は、4等分であり、
前記360度/(n×2)は、45度であり、
前記方位決定手段は、16方位の中のいずれかの方位を決定する
ことを特徴とする請求項5に記載の方位検出方法。
【請求項7】
前記地磁気センサは、瞬間的な周囲の磁界の変化の影響を軽減するために、1秒間に2回、前記方位情報を測定することを特徴とする請求項5又は6に記載の方位検出方法。
【請求項8】
第2のステップによって決定された方位に基づいて、ディスプレイに表示された地図情報を回転させる第3のステップを更に有し、
第3のステップは、第2のステップによって決定された方位が、第1の方位から複数の方位を飛び越えて第2の方位へ遷移する場合、1方位毎に、段階的に第2の方位へ遷移するように、ディスプレイに表示すべき地図情報の回転を制御することを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の方位検出方法。
【請求項9】
地磁気センサを含む携帯端末に搭載されたコンピュータを機能させる方位検出プログラムにおいて、
全方位を所定数n等分した第1のゾーンと、全方位を所定数n等分し且つ第1のゾーンと360度/(n×2)ずれた第2のゾーンとに区分し、
前記地磁気センサによって測定された方位情報に基づいて、第1のゾーンの番号及び第2のゾーンの番号からなる方位ゾーン情報を判定する方位ゾーン判定手段と、
前記方位ゾーン情報に基づいて、いずれの方位であるかを決定する方位決定手段と
してコンピュータを機能させ、
前記方位決定手段は、2回分の時間的に連続する前記方位ゾーン情報について、
1つのゾーン番号が重複する場合、その重複ゾーンの中心角を方位として決定し、
2つのゾーン番号が重複する場合、2つのゾーンの重複範囲の中心角を方位として決定し、
重複ゾーンが無い場合、先に決定された方位をそのまま維持する
ようにコンピュータを機能させることを特徴とする方位検出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−275349(P2008−275349A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−116270(P2007−116270)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】