説明

垂直ケーブル管理システム

本発明の一部の実施形態は、ケーブルマネジャーを提供する。該ケーブルマネジャーは、第1の側板、第1の側板から隔置された第2の側板、第1の側板および第2の側板に結合された第1の交差ブレース・ブラケット、ならびに第1の側板および第2の側板に結合され、第1の交差ブレース・ブラケットから隔置された第2の交差ブレース・ブラケットを含む。第1の側板、第2の側板、第1の交差ブレース・ブラケット、および第2の交差ブレース・ブラケットは、第1の複数のケーブルを経路指定するための第1のケーブル通路ならびに第2の複数のケーブルを経路指定するための第2のケーブル通路を画定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般に、本発明は、通信ネットワーク機器ラックのためのケーブル管理装置に関する。具体的には、本発明は、銅ケーブルおよびファイバ・ケーブルの管理のための改良型の垂直ケーブルマネジャーに関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブルマネジャーは、通信機器およびコンピュータなどの電子機器のワイヤおよびケーブルを経路指定することで公知である。これらのワイヤおよびケーブルは、UTPケーブル、ScTPケーブル、データ、音声、映像および/または聴覚情報を送信可能な同軸ケーブルならびに光ファイバ・ケーブルを含む。ネットワーク機器ラックは、通信システム内で電子機器および配線盤を担持することで公知である。ケーブルマネジャーは通常、機器ラックに関連して使用されて、系統的な手法でワイヤおよびケーブルを電子機器および配線盤から受取り及びこれらに対して受取られ、またワイヤおよびケーブルを電子機器および配線盤から経路指定され及びこれらに対して経路指定する。
【0003】
現在のケーブルマネジャーは、完全に組み立てられた状態で輸送され、大きな容器が輸送され設置場で受け取って対処される必要がある。ケーブルマネジャーを含む容器は、実質的な空間容積をケーブルマネジャーを形成する部材の間に含み、これは空間容積を輸送する輸送費を増加する。
【0004】
さらに、通常のケーブルマネジャーは、電子機器および/または配線盤との間のケーブルおよびワイヤを受け取り、かつ経路指定するよう適合された外向きに突出している指状部を含む。一部のケーブルマネジャーでは、指状部がケーブルマネジャー構造物上に固定して装着されており、これは輸送されるケーブルマネジャーの容積が増加し、したがって輸送費が増加する。
【0005】
さらに、現在のケーブルマネジャーは、追加のEIA−310規格寸法の電子機器または他の機器をケーブルマネジャーに装着するためにケーブルマネジャーを利用するように構成されていないため、通信システムの容量が制限される。通常のケーブルマネジャーでは、指状部を担持する側板間の空間は、ケーブルマネジャーを担持する交差ブレース・ブラケットが不規則に離間し、EIA−310規格寸法の機器に対して取り付けサポートして作用できないので、十分に活用されない。
【0006】
また、現在のケーブルマネジャーは、通信システムの高密度スイッチ応用のパッチ領域から経路指定された大量の銅ケーブルに比べて、筐体から経路指定された少量のファイバ・ケーブルに対して別個の垂直経路を画定しない。ファイバ・ケーブルおよび銅ケーブルの通路を分離させることにより、大量のより大きな銅ケーブルで詰まっていない通路でのファイバ・ケーブルの取扱い、および供給がより容易になる。さらに、1つまたは複数の銅ケーブルを同じ通路で操作するときにファイバ・ケーブルを破損する可能性が、非常に減少する。
【0007】
さらに、ケーブルマネジャーを通って銅およびファイバのワイヤおよびケーブルを結束して固定するよう、増強された能力を有するケーブルマネジャーを提供することは有利であろう。垂直ケーブルマネジャーを形成する側板間の空間は、ケーブルおよびワイヤを結束する場所を提供す為に理想的には十分な張力緩和棒材を用意するように適している、
【0008】
また、配線盤および電気コードなどの通常機器ラックに装着されている電子機器は、発熱し、ケーブルマネジャーに設計されたこれらの装置の温度管理を必要とする。ケーブルマネジャーの適切な換気ポートは、ケーブルマネジャー内外の空気循環を可能にするのに役立つことが可能である。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、電子機器に取り付けられたワイヤおよびケーブルを経路指定し保持するための改良型の垂直ケーブルマネジャーに関する。
【0010】
本発明のケーブルマネジャーの一実施形態は、扁平な梱包の選択肢を提供し、それによってケーブルマネジャーは、薄く扁平な構成で輸送でき、輸送費を削減し、設置場で受け取って容易に対処でき、かつケーブルマネジャーをその容器から取り出すときに発生される無駄な梱包材料を削減する。この実施形態では、ケーブルマネジャーの対向する側板間の交差ブレースが、側板に蝶番で連結されて、一方の板によって隣接する他方の板を輸送用に折り畳むことが可能になる。本発明はまた、ケーブルマネジャーが一旦最終ユーザによって設置されると、ケーブルマネジャーが折り畳まれるか、またはつぶれるのを防止する、独自のロッキング・ブラケットも含む。別の実施形態では、修正されたロッキング・ブラケットによって、ケーブルマネジャーおよびロッキング・ブラケットを顧客に輸送する前に、工場組立済みにすることが可能である。
【0011】
別の実施形態では、ケーブルマネジャーの指片部が、指片部を側板にキースロット(keyed slot)に挿入し、指片部を所定の位置に摺動させることにより、ケーブルマネジャー板に除去可能に取り付けられる。本発明のケーブルマネジャーの別の実施形態では、指片部は、各側板の縁端部の周囲を覆い、縁端部上にパチンとはまる。指片部は、ケーブルマネジャーの側面に其の部分をつけるために、指片部の背部に沿ったスナップ構造および溝構造の組合せを含む。指片部はまた、丸みを帯びた縁端部を有し、ケーブルおよびワイヤをケーブルマネジャーに入出させるときに、ケーブルおよびワイヤをマネジャー壁の鋭い金属縁端部から保護する。
【0012】
別の実施形態では、本発明は、ケーブルマネジャー上に所定の間隔で装着された複数の交差ブラケットを含むケーブルマネジャーの設計方法論および構造を含む。各交差ブラケットは通常、ラック用途に使用するケージナットを受け入れるように適合された正方形の取付切欠きの水平直線配列を含む。該切欠きは、EIA−310規格に従って水平に離間される。取付切欠きの底部列の中心線は、交差ブラケットの切欠きの頂部列の中心線から真下に特定の間隔で離間されている。
【0013】
別の実施形態では、本発明は、ケーブルマネジャーの1つまたは複数の指状部に摺動可能に、かつ交換可能に装着されたDリングを含み、大量な銅ケーブルの垂直通路に比べて、独立した垂直通路を通信システムのファイバ・ケーブルのために提供する。Dリングは、ファイバ・ケーブルの入出場所に位置合わせした恣意の位置に、指状部に沿って移動可能である。Dリングは、指状部に180度離れた2か所で装着されるように適合されている。
【0014】
本発明のケーブルマネジャーの別の実施形態は、ケーブルマネジャーの垂直の銅ケーブルおよびファイバ・ケーブルチャンネルに外側に延びる改良型の垂直に装着された張力緩和棒材を含み、ケーブルマネジャー構造にワイヤおよびケーブルの固定取付が適している経路指定されるケーブルを通る空間に追加の場所を提供する。隣接した交差ブレース間のEIA−310の垂直空間により、配線盤および張力緩和棒材などの様々な容量ならびにタイプの付属品が交差ブレース上に装着可能になる。本開示の張力緩和棒材は、大きな束のケーブルおよびワイヤを該マネジャーの交差部材の基幹に固定するのに役立ち、追加のケーブルの束を交差ブレースによって形成された基幹から水平にさらに離れて配置する。エンドユーザは、次に大量の結束した位置を通ってケーブルマネジャーの空間の利点を十分に活用することができ、該マネジャー内の異なる位置に経路指定された異なるタイプのケーブルおよびワイヤを分離させることができる。
【0015】
本発明の別の実施形態では、ケーブルマネジャーの骨組部材は、電子システム部品によって生成された暖気の換気が可能な穿孔の型を含む。本発明は、数タイプの穿孔の型を含む。穿孔によって、様々な電子部品のファンが十分に空気を循環させて、構成部品を過熱から保護できる。ある種の穿孔の選択肢はまた、ケーブルを結束する場所を提供する一方で、依然として十分な換気を提供可能にする。
【0016】
本発明の一部の例は、添付図面に示されている。図面は、必ずしも一定の縮尺ではなく、本発明の理解に必要ない、または理解が困難な他の詳細を表示する詳細は、省略され得ることを理解されたい。本発明は当然のことながら、必ずしも本明細書に示された特定の例に限定されないことも理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】電子機器を担持する、または格納するのに使用する中継ラックに取り付けられた従来技術のケーブルマネジャーの正面および側面の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による蝶番で連結された交差ブレースを有する垂直ケーブルマネジャーの正面および側面の斜視図である。
【図3】図2の3−3線に沿って完全に開いたケーブルマネジャーを示す、図2のケーブルマネジャーの上面断面図である。
【図4】部分的につぶれた位置のケーブルマネジャーの側板、および該マネジャーの各側板に対して部分的に回転させた交差ブレース・ブラケットを示す、図2および図3のケーブルマネジャーの上面断面図である。
【図5】ケーブルマネジャーの側板に対して完全に枢動した交差ブレース部材、および完全につぶれた位置の側板を示す、図2、図3および図4のケーブルマネジャーの上面断面図である。
【図6】図2の蝶番で連結したケーブルマネジャーをその開位置で固定するためのロッキング・ブラケットの正面斜視図である。
【図7】図2の蝶番で連結したケーブルマネジャーの交差ブレース上に組み立てる直前の1対のロッキング・ブラケットの分解詳細斜視図である。
【図8】図6のロッキング・ブラケットの突起部、およびケーブルマネジャーの側板に装着した蝶番部分の対応する開口の詳細斜視図である。
【図9】ケーブルマネジャーの交差ブレースの上端および底端に亘って組み立てられ固定された図6および図7のロッキング・ブラケットの詳細斜視図である。
【図10】本発明のロッキング・ブレースの別の実施形態の詳細斜視図である。
【図11】蝶番で連結した交差ブレースの枢動を制限するタブを含む、交差ブレース上に装着された図10のロッキング・ブレースの詳細斜視組立図である。
【図12A】交差ブレースを本発明のケーブルマネジャー側板に枢動可能に取り付けるのに使用する数種の蝶番の詳細斜視図である。
【図12B】交差ブレースを本発明のケーブルマネジャー側板に枢動可能に取り付けるのに使用する数種の蝶番の詳細斜視図である。
【図12C】交差ブレースを本発明のケーブルマネジャー側板に枢動可能に取り付けるのに使用する数種の蝶番の詳細斜視図である。
【図13】ケーブルマネジャーの側板のキースロットに取り付ける前の指片部を示す、本発明の一実施形態の斜視分解図である。
【図14】指片部がケーブルマネジャーの各側板の縁端部の周囲を覆う、本発明の別の実施形態の斜視分解図である
【図14A】指片部をケーブルマネジャーの側板に取り付ける、本発明の一実施形態で使用する釣り針型スナップの詳細図である。
【図15】指片部をケーブルマネジャーの側板に取り付けるスナップおよび溝のある取付構造の組合せを利用する、本発明の一実施形態の詳細斜視図である。
【図16】ケーブルマネジャーの側板に挿入した指片部の詳細断面図である。
【図17】溝のある指片部取付フランジの丸みを帯びた縁端部の上を通って経路指定されたケーブルを示す、ケーブルマネジャーの側壁に装着された指状部の詳細断面図である。
【図18】規格EIA−310付属構成部品をケーブルマネジャーに装着可能にする所定の距離をとって広げられた交差ブレースを示す、指片部を装着し、蝶番で連結した組み立てられた交差ブレースのケーブルマネジャーの正面斜視図である。
【図19】本発明のケーブルマネジャーの一実施形態の交差ブレース部材の平面図である。
【図20】交差ブレース・ブラケットに隣接する正方形の切欠きの列の間の距離を示す、図18のケーブルマネジャーの詳細立面図である。
【図21】2つの隣接した交差ブレース・ブラケットを組み立て直前の典型的な構成部品板を示す、図18のケーブルマネジャーの詳細斜視分解図である。
【図22】部品ラックの隣に取り付けられた本発明の垂直ケーブルマネジャーを備えた典型的な部品ラックを有し、ラック上に装着した構成部品間のワイヤおよびファイバ・ケーブルの指定経路を示す、本発明の一実施形態の正面立面図である。
【図23】一つの指状部に摺動可能に取り付けられたDリングを使用して銅ケーブルの経路指定および光ファイバ・ケーブルの経路指定のための個別の通路を生成する本発明の一実施形態を示す、23−23線に沿った図22の垂直ケーブルマネジャーの上面断面図である。
【図24】一つの指状部に摺動可能に取り付けられた第1の構成を有するDリングを備えた、図22のケーブルマネジャーの側壁に取り付けられた指片部の詳細斜視図である。
【図25】一つの指状部に摺動可能に取り付けられた第2の構成を有するDリングを備えた、図22のケーブルマネジャーの側壁に取り付けられた指片部の詳細斜視図である。
【図26】図25に示したDリングの詳細斜視図である。
【図27】図26のDリングの上面詳細図である。
【図28】指片部の第1の側面に組み立てられたDリングを概略的に示す、図26のDリングの上面詳細図である。
【図29】指片部の第2の側面に組み立てられたDリングを概略的に示す、図26のDリングの上面詳細図である。
【図30】指片部の第2の側面に装着されたDリングを示し、ファイバ・ケーブルのための指定経路を銅ケーブルから指片部の反対側に生成する、図22のケーブルマネジャーの上面断面図である。
【図31】大量のファイバ・ケーブルの通路を銅ケーブルの指定経路から分離して生成するために単一の指状部に摺動可能に装着された複数のDリングを示す、図22のケーブルマネジャーの上面断面図である。
【図32】2つの軸方向に位置合わせされた指状部に摺動可能に装着された2つのDリングを示す、図22のケーブルマネジャーの上面断面図である。
【図33】通常部品ラックに水平に装着され、ケーブルの結束として使用される従来技術の張力緩和棒材の斜視図である。
【図34】本発明のケーブルマネジャーの2つの隣接する交差ブレース・ブラケットの間に垂直に取り付けられたことを示す、図33の張力緩和棒材の斜視図である。
【図35】本発明に従って構成された張力緩和棒材の一実施形態の詳細斜視図である。
【図36】本発明のケーブルマネジャーの2つの交差ブレース・ブラケットに垂直に装着された、図35の張力緩和棒材を示す斜視詳細図である。
【図37】本発明に従って構成された張力緩和棒材の別の実施形態の斜視図である。
【図38】本発明のケーブルマネジャーの交差ブレース・ブラケットの両側に取り付けられた図37の複数の張力緩和棒材を示す、本発明の一実施形態の正面斜視図である。
【図39】ケーブルマネジャーの交差ブレース・ブラケットに装着された図35および図37の張力緩和棒材を示す、図38のケーブルマネジャー組立体の上面断面図である。
【図40】2つの張力緩和棒材に結束された複数のケーブルを示す、図38に示されたケーブルマネジャー組立体の上面断面図である。
【図41】構成部品なしで示され、ラックの側壁の換気開口部の位置を示す、典型的な部品ラックの正面斜視図である。
【図42】密集した多数の開口部により一実施形態に提供され、かつ換気部に加えて結束機能を提供するU型の切欠きを使用する別の実施形態に提供された換気部を示す、図41のケーブルマネジャーの側面立面図である。
【図43】長方形の切欠きにより一実施形態に提供された、かつ換気部と同様に結束機能も提供する密集した多数の通過開口部により別の実施形態に提供された換気部を示す、図41のケーブルマネジャーの側面立面図である。
【図44】本発明の代替的実施形態によるケーブルマネジャーの斜視図である。
【図45】側板および交差ブレース・ブラケットを示す、図44のケーブルマネジャーの斜視図である。
【図46】ドア・ブラケットの取付けを示す、図45のケーブルマネジャーの詳細斜視図である。
【図47】ドア・ブラケットの取付けを示す、図46のケーブルマネジャーの詳細斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照すると、電子部品ラック12に取り付けられたケーブルマネジャー10の一例が示されている。ラック12は、当業者に公知のWECOおよびEIA規格に従ったラックを含む。ラック12は、垂直部材16に沿った複数のラック装着開口14を備える。ケーブルマネジャー10は、当業者に公知の方法を介してラック12に固定され得る。ケーブルマネジャー10がラック12に装着された後、複数のケーブル128、132(図22)は、電子機器および配線盤から経路指定され及びこれらに対して経路指定する。ケーブル128、132は、以下に説明するように、ケーブルマネジャー10に取り付けられた指状部18によって形成された水平突起の間に見出される開口17を通って経路指定され得る。各指状部18は、指状部18間に形成された開口17にケーブルを保持するのに役立ち、ケーブル128、132が開口17から落ちるまたは外れることを実質的に防止する、垂直に延びるタブ20を含む。
【0019】
図2に示されるように、ケーブルマネジャー10は、複数の交差ブレース・ブラケット26によって結合され且つ対向して広がり垂直に延びる、2つの側板22、24を含み、交差ブレース・ブラケット26は、本発明の一部の実施形態では、以下にさらに詳述するように、各側板22、24の内面に枢動可能に結合される。あるいは、図21および図46に示されるように、交差ブレース・ブラケット26は、側板22、24に剛結合される。外方に突出する指状部18の多数の片部28は、各側板22、24の反対側のサイドフランジ30に取り付けられる。
【0020】
図3は、断面で、完全に開位置にあるケーブルマネジャー10を示す。各側板22は、各ブラケット32に装着された枢動点34を有する、側方に延びる装着ブラケット32を含む。交差ブレース・ブラケット26は、以下に説明の目的で枢動点34での各装着ブラケット32の近傍に枢動可能に取り付けられるが、両端には取付けられない。枢動点34の軸は、ケーブルマネジャー10の側板22、24からずれている。
【0021】
図4は、部分的に折り畳まれた位置にあるケーブルマネジャー10を示す。側板22が側板24に向かって移動すると、交差ブレース・ブラケット26はケーブルマネジャー10が図5に示すようにその完全に折り畳まれた位置に到達するまで、枢動点34を中心に回転する。その折り畳まれた位置では、ケーブルマネジャー10は、側板22、24及び指状部18を相互に平行を保持して、実質的に扁平な特徴を有する。折り畳まれた位置では、ケーブルマネジャー10は、図5に示されるように、交差ブレース・ブラケットの長さに沿って交差ブレース・ブラケット26と接触することになる。
【0022】
エンドユーザがケーブルマネジャー10をその折り畳まれた構造で受け取ると、ユーザはケーブルマネジャーを図3に示したようにその開位置で広げる。各交差ブレース・ブラケット26の端部は、枢動点34を超えて外方に延びる突出部分36を有する。図3に示されるように、ケーブルマネジャー10の完全な開位置では、各突出部分36は、隣接装着ブラケット32の側方に延びる表面に隣接し、したがって各交差ブレース・ブラケット26が側板22、24の平面から90度を超えてさらに回転することを回避させ、その結果交差ブレース・ブラケット26は、各側板22、24および指状部18と垂直になる。
【0023】
ケーブルマネジャー10の折り畳み可能な機能は、上述のように、ケーブルマネジャーをエンドユーザに扁平な容器で輸送が可能になり、そのため1つの荷台に搭載するマネジヤーの数を増加することにより輸送費を削減すること、過剰の梱包材料から無駄を解消すること、および顧客の場所での処理を改善することの利点を提供する。
【0024】
エンドユーザがケーブルマネジャーを開き、ケーブルマネジャーを図3に示した位置に開くと、ケーブルマネジャーは所定の位置にロックされる必要がある。図6に示されたロッキング・ブラケット38は、この目的に適合している。図6に示されたロッキング・ブラケット38の実施形態は、一方の端部44で湾曲した構造で連結しており、開溝46を他方の端部48で提供する2つの相隔たる平行な板40、42を備える。フランジ50は、溝46に以下に説明する目的のための引込線機能を提供する。ロッキング戻り止めまたは突起52は、1つまたは複数の戻り止め52の内面が溝46に延在し、板40、42の一方または両方に形成される。ロッキング・ブラケット38はまた、EIA−310板取付着規格に従った複数の長方形の切欠き54も含む。
【0025】
図7、図8、および図9を参照すると、1対のロッキング・ブラケット38の交差ブレース・ブラケット26への取付けが示されている。図7に示したように、一方のロッキング・ブラケット38は、交差ブレース・ブラケット26に頂部から装着され、第2のロッキング・ブラケット38は、底部から装着される。各ロッキング・ブラケット38の開溝46は、フランジ50によって提供される導入機能の手段により、交差ブレース・ブラケット26の上端および下端を経て所定の位置に誘導される。交差ブレース・ブラケット26の外縁部が開溝46の底部に到達するまで、ロッキング・ブラケット38はブラケット26の上を進み、1つまたは複数の戻り止め52は、装着ブラケット32の開口56に留まり、ケーブルマネジャー10がその開位置に工具を使用することなくロックされる。
【0026】
図8に示されるように、ロッキング・ブラケット38の一部58は装着ブラケット32の縁端部の上に延在し、各ロッキング・ブラケット38が交差ブレース・ブラケット26および装着ブラケット32の両方の上に取り付けられるときに、装着ブラケット32もまた開溝46によって包囲される。説明したように取り付けられると、一部58を伴うロッキング・ブラケット38は、交差ブレース・ブラケット26が装着ブラケット32および側板22、24に対して枢動することを防止し、したがって図9に示されるようにケーブルマネジャー10をその開位置に保持し、ケーブルマネジャー10に剛性を提供する。
【0027】
本発明のロッキング・ブラケットの別の実施形態により、修正されたロッキング・ブラケットをケーブルマネジャー10上に工場組立済みにすることが可能になる。図10および図11を参照すると、修正されたロッキング・ブラケット60は、2つの平行な板62、64を含み、溝66を板の間に確定する。板62、64は、ロッキング・ブラケット60の1つの端部68で連結する。位置決めタブ70は、板62、64から外方に延び、溝66の延長部を位置決めタブ70の間に確定する。戻り止めまたは突起72は、位置決めタブ70の一方または両方に形成され、該1つまたは複数の戻り止めは、該2つの位置決めタブ70の間の溝66に延びる。1つの停止タブ74は、板62の一方の側方端部から外方に延び、第2の停止タブ76は、ロッキング・タブ74と対向する修正されたロッキング・ブラケット60の端部で板64から外方に延びる。EIA−310板装着規格に従う切欠き78はまた、板62および64を通して延在する。
【0028】
図11を参照すると、誘導溝80は、交差ブレース・ブラケット26に形成される。修正されたロッキング・ブラケット60が交差ブレース・ブラケット26の上方縁端部の上を移動するときに、交差ブレース・ブラケットの縁端部は、位置決めタブ70の間の溝66に入る。同時に、戻り止め72は、誘導溝80に沿って進み、停止タブ74、76の底部は、ケーブルマネジャー10の側板22、24に取り付けられた装着ブラケット32の上部に対してひっかかる状態になる。図11は、交差ブレース・ブラケット26の縁端部が位置決めタブ70の間の溝66に引っかかった後だが、修正されたロッキング・ブラケット60が交差ブレース・ブラケット26の上に完全に取り付けられる前の、修正されたロッキング・ブラケット60を示す。この位置で、位置決めタブ70は、切欠き72、誘導溝80および摩擦の支援で、ケーブルマネジャー10がその折り畳まれた位置(図5)で輸送中、修正されたロッキング・ブラケットを図11に示した位置に保持する。エンドユーザが受領時、ケーブルマネジャー10は開き状態であり(図3)、交差ブレース・ブラケット26が溝66にひっかかるまで、修正されたロッキング・ブラケット60がさらに進む。同時に、ロッキング・タブ74および76は、装着ブラケット32に係合して該マネジヤーが交差ブレース・ブラケット26の折り畳まれた位置から90度を超えて回転することを防止することになる。
【0029】
図12A、図12Bおよび図12Cは、装着ブラケット32と交差ブレース・ブラケット26との間の枢動点34を提供する数種の蝶番装置を示す。ケーブルマネジャー10に対して蝶番で動かすことは、びょう、溶接、ねじ、接着剤または他の締め具などの一般に知られている組立方法で取り付け可能な、市販されている蝶番を伴うことができる。図12Aは、装着ブラケット32および交差ブレース・ブラケット26に枢動可能に結合する市販の蝶番82を示す。図12Bでは、蝶番84は、装着ブラケット32および交差ブレース・ブラケット26を形成する一体化の蝶番軸86を備える。ピン88は、蝶番軸86の間に挿入されて、該蝶番をともに保持し、枢動点34を提供する。図12Cは、交差ブレース・ブラケット26の一部として一体に形成された蝶番90を開示する。蝶番90は、一部が開き、装着ブラケット32の溝を通して延在する。図12Cの蝶番90は、ピンまたは追加の締め具を使用しない。当技術分野で公知の蝶番で動かす方法および構造の他の変形形態は、ケーブルマネジャー10の構造で利用され得る。
【0030】
本発明のケーブルマネジャー10は、指状部18の片部28をケーブルマネジャー側板22、24の側部フランジ30に取り付けるための構造の様々な実施形態を含む。図13を参照すると、側板24の両側部フランジ30は、各フランジ30の長さに沿って位置合わせされた、複数のキースロット94を含む。複数の指状部18が取り付けられた片部28は、キースロット94に挿入され、所定の位置に下方に摺動させて片部28を対応する側部フランジ30に適切に装着するように適合された複数のスナップ要素を含む。
【0031】
図14Aは、別の締結する実施形態を示し、片部28上の釣り針型スナップ98がキースロット108に促される。
【0032】
ケーブルマネジャー10の側部フランジ30に締結する指片部28の別の実施形態は、図14に示され、片部28は、複数の指状部18が剛結合された外面102を有する桁100を含む。桁100はまた、対応する側部フランジ30の縁端部106を摩擦で受け取り保持するように適合した溝104を組み込む。図14の実施形態では、桁28もまた、側部フランジ30に形成された溝108に挿入されるように適合された複数のスナップ要素98を含む。各桁100の溝104が側部フランジ30の縁端部106に係合し、側部フランジ30の縁端部106を受取るとき、桁100が完全に取付位置に到達すると、スナップ要素98は溝108にはめ込まれる。
【0033】
図15を参照すると、Tリブと指片部28の桁100に沿った溝機能の組合せは、指片部28として側板22、24の側部フランジ30に堅固に付着する。スナップ機能は、個別の締め具を除去すること、組立時間を改善すること、および材料費を削減することにより、指片部28をケーブルマネジャー10上に取り付ける助けとなる。指片部桁100の背部に沿ったTリブ104は、片部28に強度および剛性を追加し、ケーブルマネジャー10の組立中指片部28を配置する助けとなる。
【0034】
図17を参照すると、桁100の溝のある部分の外側形状は、丸みのある隅部110、111を有して、ケーブルマネジャー10に入出させるときに、ケーブル128、132を側部フランジ30の隣接している鋭い金属縁端部から保護する。
【0035】
図18に示した本発明の実施形態は、Quick Netの配線盤、銅およびファイバ配線盤、温度管理用帰線消去板、Dリングおよび弛みのあるスプール、配電装置、ケーブル管理付属品、その他などの様々なEIA−310付属部品を装着し担持する能力を備えた垂直ケーブルマネジャー10を提供する。これは、図19に示した交差ブレース・ブラケット26の独自の構造、および側板22、24に取り付けられた隣接した交差ブレース・ブラケット26間の特有の間隔によって実現される。
【0036】
図19の交差ブレース・ブラケット26は、該ブラケット26の上端部および底端部に隣接した複数の水平に直線的に位置合わせされた長方形の切欠き112を含む。該長方形の切欠き112は、当技術分野で公知の、現在ラック機器に使用されているケージナットを受け入れるように適合されており、エンドユーザはインチ規格またはメートル規格の締め具を使用できる。切欠き112の間の水平の間隔は、EIA−310規格に従っており、国際取付様式配置を利用している。たとえば、10インチ幅のケーブルマネジャーは、最大5枚のIRU板を受け入れることが可能であり、6インチ幅のケーブルマネジャーは、最大3枚のIRU板、8インチ幅のケーブルマネジャーは、最大4枚のIRU板、12インチ幅のケーブルマネジャーは、最大6枚のIRU板を受け入れることが可能である。図19の交差ブレース・ブラケット26はまた、さらに様々な形状の開口114を含み、弛みのある管理スプールを装着する、またはケーブルを結束する位置を提供する。
【0037】
図20の実施形態に示されるように、該交差ブレース・ブラケットが垂直ケーブルマネジャー10上に組み立てられると、上部交差ブレース・ブラケット26の取付切欠き112の底部列の中心線116は、上部交差ブレース・ブラケット26の真下の交差ブレース・ブラケット26Aの切欠き112の上部列の中心線118から18.31インチ間隔を空けている。中心線116と118との間のこの距離は、19インチのラック機器に対するEIA−310規格に従っている。
【0038】
図21は、電子部品の板120がどのようにして図20のケーブルマネジャー10のブラケット26、26Aに取り付けられるかを示す。板120の上部と下部取付開口122との間の中心線の距離は、EIA−310規格によると18.31インチである。板120は、交差ブレース・ブラケット26、26aに適切な締め具を挿入することによって(図示せず)、位置合わせされている開口122および切欠き112を通って容易に装着されることが可能である。
【0039】
本発明の別の実施形態は、個別の垂直ケーブル通路を、たとえば銅パッチケーブルとファイバ・パッチケーブルとの間などの異なったタイプのケーブルに対して提供するDリング構造のいくつかの実施形態を含む。
【0040】
図22は、部品ラック12に取り付けられた垂直ケーブルマネジャー10を有する通常のネットワーク・スイッチ適用の正面図を示す。図22に示されたラックは、パッチ領域124、ファイバ・ケーブル128に延在する筐体領域126、銅ケーブル132に電気的に接続されるように適合された数個のスイッチ装置130、およびファイバ・ケーブル128に電気的に接続されるように適合された数個のスイッチ装置134を装着する。
【0041】
図22に概略的に示したように、銅ケーブル132は、パッチ領域124からケーブルマネジャー10の隣接する指状部18の間の開口17を横切って水平に延び、次いでケーブルマネジャー10の側板22と側板24との間に延びる容積136(図23)に垂直に延びる。同様の方法で、ファイバ・ケーブル128は、筐体領域126からケーブルマネジャー10の隣接する指状部18の開口17を通って水平に延び、次いで容積136に垂直下方に延びる。
【0042】
銅ケーブル132がケーブルマネジャー10の底部に接近すると、該ケーブル132は、容積136から離れて、指状部18間の隣接する開口17を通ってケーブルマネジャー10から離れて水平に延びる。銅ケーブル132は次に、適切なスイッチ装置130に結合する。ファイバ・ケーブル128がケーブルマネジャー10の底部に接近すると、ファイバ・ケーブル128は、容積136から離れて、指状部18間の隣接する空間を通ってケーブルマネジャー10から離れて水平に延びる。各ファイバ・ケーブルは次いで、スイッチ装置134の適切なファイバ・ポートに結合される。
【0043】
説明したタイプの通常の取付けでは、大量の銅ケーブル132は、パッチ領域124から、ケーブルマネジャー10の容積136を通ってスイッチ装置130上の銅ポートに延びる。一方、通常の装置では、少量のファイバ・ケーブルのみが、筐体126からケーブルマネジャー10の容積136を通って、スイッチ装置134上のファイバ・ポートに延びる。専用のファイバ・ケーブル通路を画定することによって、ケーブルがケーブルマネジャー10の容積136に水平に延びると、少量のファイバ・ケーブル128が大量の束の銅ケーブル132から分離することが望ましいと判明した。
【0044】
図23を参照すると、ケーブルマネジャー10に水平に伸びる容積136の断面図が示されている。容積136は、側板22、24、指状部18および交差ブレース・ブラケット26との間に垂直に延在する。垂直の容積136は、交差ブレース・ブラケット26の両側に延在するが、図23では例示を目的として、容積136は交差ブレース・ブラケット26の片側のみが示されている。銅ケーブル132は、容積136でケーブルマネジャー10に沿って垂直に延在する。以下に説明するスナップ方式の機能140を有するDリング138は、指状部18に摺動可能に装着される。Dリング138は、本発明の一実施形態では、専用で個別の通路142をファイバ・ケーブル128のために容積136に提供する。
【0045】
Dリング138の一実施形態は、図23および図24に示されており、内部領域146を画定する環144、および内部領域146にアクセスを提供する開口148を含む。図23では、Dリング138は、1つ目は側板22に隣接した位置、2つ目は指状部18に沿って摺動して指状部18に隣接した第2の位置の、2つの位置に示されている。図24は、Dリング138をその第1の位置に示す。
【0046】
図25は、Dリング138の別の実施形態を示し、内部領域150は、2つのケーブルの保持領域150Aおよび150Bにケーブル保持腕部152によって分割される。この実施形態では、さらなるケーブル保持がファイバ・ケーブル通路に提供される。
【0047】
図26は、一体化のスナップ方式機能140を備えた図25に示したDリングの詳細図である。スナップ方式機能140は、図24および図25に示した両方のDリング138に共通している。スナップ方式機能140は、Dリング138をケーブルマネジャー10の指状部18のいずれか1つに摺動可能に装着するように適合されている。個別のファイバ・ケーブル通路142は、複数の垂直に位置合わせされたDリング138を数個の指状部18に装着することにより、ケーブルマネジャー10の実質的な垂直寸法に沿って形成されるだろう。
【0048】
図26および図27を参照すると、スナップ方式機能140は、環144と一体に形成されている。スナップ方式機能140は、把持フランジ156を半円形部分154の両端部に有する可撓性の半円形部分154を含む。半円形部分154の湾曲した内面158は、切欠き圧入160、162を備える。対向する実質的に扁平な側壁164、166は、それぞれの圧入160、162から外方に延びる。
【0049】
図28は、ケーブルマネジャー10の半円形フランジ18上に装着されたDリング138の概略図である。スナップ方式機能140は、把持フランジ156が湾曲面168上を屈曲するにつれ、指状部18の湾曲面168上を進む。把持フランジ156が指状部18の端部170に到達すると、フランジ156は、相互に噛み合い、指状部18に係合する。この位置では、指状部18の外面168の中央位置は、スナップ方式機能140の湾曲内面158に隣接する一方で、指状部18の外側部分は、扁平な側壁164、166に隣接する。この手法で、スナップ方式機能140は、Dリング138を指状部18にしっかりと固定し、個別のファイバ・ケーブル通路142を複数の垂直に位置合わせしたDリング138を通って複数の指状部18に同様に装着される。
【0050】
各Dリングおよびスナップ方式機能はまた、図28に示したように指状部18に装着構造から180度回転した位置に係合する。図29を参照すると、Dリング138が、図28に示された連結に対して指状部18の反対側に装着された状態を示す。図29を参照すると、把持フランジ156の傾斜面172は、指状部18の端部170が圧入160、162に格納されるまで、指状部18の端部170および外面168の上を示した位置で進む。把持フランジ156は次に、フランジ156の先端部174が指状部18の外面168と係合するまで、相互に戻って噛み合い、指状部18の端部170を圧入160、162と強固に係合させる。したがって、同一のDリング138およびスナップ方式機能140は、Dリング138が容積136の内部(図23)または容積136の外部(図30)のいずれかに存在するように、Dリング138を指状部18に取り付けることが可能である。
【0051】
図31は、指状部18に装着されたDリング138を示し、該Dリングがどのように指状部18の長さに沿って位置Aと位置Bとの間で摺動可能に調整できるかを示す。図31の位置Aでは、Dリング138は、垂直ケーブルマネジャー10に入る銅パッチケーブル128を有するケーブル管理指状部18付近に配置される。位置Bは、Dリング138がファイバ筐体開口または地域126に位置合わせされたときの、該Dリングの位置である。図31に示されるように、位置Aまたは位置Bのいずれにおいても、ファイバ・ケーブル128は、容積136の大部分を占める銅ケーブル132からの分離が維持される。図31はまた、二つのDリング138が単一の指状部18に装着されて、平行に離れたファイバ・ケーブル通路142を垂直ケーブルマネジャー10を通って提供可能であることを示す。
【0052】
図32は、1対のDリング138がどのように対向して延在する2つの指状部18に摺動可能に取り付けられて、容積136で平行なファイバ・ケーブル通路142を交差ブレース・ブラケット26の両端に形成することができるかを示す。Dリング138は、内方または外方のいずれにも取り付け可能である。
【0053】
本発明の一実施形態は、ケーブル132または128の束をケーブルマネジャー10の多重の深さの容積136に装着するために、また該ケーブル上の張力を軽減させるために、複数のケーブルの結束位置を提供する。図33は、通常、現在のケーブルマネジャーまたは機器ラックに水平に装着されてケーブルを結束する助けとなる張力緩和棒材176を示す。本発明では、図34に示されているように、張力緩和棒材176は、EIA−310規格に従った寸法であり、一端にブラケット177を装着することによって、上部交差ブレース・ブラケット26Aに組み立てられた下部修正されたロッキング・ブラケット60Aに形成された長方形の切欠き78Aに取り付けられている。張力緩和棒材176の他方の端部は、下部交差ブレース・ブラケット26Bに適切な締め具によって組み立てられた上部修正されたロッキング・ブラケット60Bに形成された長方形の切欠き78Bに取り付けられている。垂直にもしくは水平に経路指定された銅ケーブル132またはファイバ・ケーブル128は、当技術分野で公知のように、張力緩和棒材176に結束バンドまたは他の締結装置で取り付け得ることは、明白である。
【0054】
本発明の改良型の張力緩和棒材は、多数の結束位置をケーブルマネジャー10の容積136の横断方向に水平の寸法を提示する。図35に示された張力緩和棒材178は、3つの支柱178A、BおよびCを含む。図36を参照すると、張力緩和棒材178の装着ブラケット177が長方形の切欠き78AおよびBに適切な締め具によって取り付けられると、上部修正された及び下部修正されたロッキング・ブラケット60A及び60Bに、または交差ブレース・ブラケット26AおよびBに取り付けられ、支柱178A,BおよびCは、ケーブルマネジャー10の容積136に側外方向に延びる。図34と図36を比較すると、張力緩和棒材178(図36)は、単一の支柱張力緩和棒材176(図34)より水平方向にさらに外方に延び、ケーブルマネジャー10の容積136を通って経路指定されたケーブル128、132に対して追加された結束位置を提供することは明白である。
【0055】
図3および図23を参照すると、交差ブレース部材26は、側壁22,24に取り付けられた指状部18の間の中心から外れて配置されており、そのため容積136のより大きい部分136Aを交差ブレース・ブラケット26の一方の側に生成し、より小さい容積136Bを交差ブレース・ブラケット26の他方の側に生成する。図36に示された実施形態では、該3つの支柱178A、BおよびCは、容積136のより小さい部分136Bに外方に延び、3つの垂直に延びる結束位置を修正されたロッキング・ブラケット60Aと60Bとの間、および/または隣接する交差ブレース・ブラケット26Aと26Bとの間の容積136の一部136Bを通って延在するケーブル132に対して提供する。
【0056】
図37は、張力緩和棒材176(図33)および178(図35)の代替的実施形態を示す。図37の張力緩和棒材180は、4つの支柱180A、B、C,およびDを備える。張力緩和棒材180は、溶接、ろう付け、または当技術分野で公知の他の適切な取付方法によるなど、支柱180A、B,CおよびDが取り付けられた単一側の棒184、186から作成される。
【0057】
図38および図39に示されるように、複数の張力緩和棒材178および180は、それぞれの修正されたロッキング・ブラケット60および交差ブレース・ブラケット26に装着される。3つの支柱178A、BおよびCを備える張力緩和棒材178は、交差ブレース・ブラケット26からケーブルマネジャー10の容積136のより小さい部分136Bに水平に延びる。4つの支柱180A、B、CおよびDを備える張力緩和棒材180は、交差ブレース・ブラケット26から容積136のより大きい部分136Aに水平に延びる。図38に示したように数個の隣接する交差ブレース・ブラケット26に装着された張力緩和棒材178および180を備えて、ケーブルマネジャー10の容積136を通る経路指定されたケーブルに対して多数の結束位置が提供される。
【0058】
図40を参照すると、複数のケーブルまたはケーブル束132が、張力緩和棒材178、180に結束されて示されている。各ケーブルまたはケーブル束は、ケーブルタイ187または当技術分野で公知の他の適切な取付手段を使用して、垂直に延びる支柱178A、BおよびCならびに180A、B、CおよびDに締結される。ケーブルマネジヤー10の全長に実質的に沿った結束機能(図38)は、ケーブルがケーブルマネジヤー10内で絡み、入り混じるのを防止し、ケーブルおよびケーブル束の追跡可能性ならびに維持マネジヤーの容易さを増加する。
【0059】
本発明はまた、ケーブルマネジヤー10の側板22、24が、部品ラック12、またはケーブルマネジヤー10に装着された電子部品によって発生した温風の換気を提供する、数個の実施形態も含む。図21に概略的に示したように、ケーブルマネジヤー10によって、発熱配線盤および電源コードなどの、図21に板120によって表されているように、EIA−310規格水平機器の恣意的な垂直装着が可能になる。換気による熱管理は、ケーブルマネジヤー10の内外の空気循環を側板22、24の選択された領域で様々な型の穿孔を介して可能になることにより、本発明に提供される。本発明の換気穿孔によって、通常は幅広いケーブルマネジャー側板によって遮断される空気を、部品ラック12に装着された様々な電子部品のファンにケーブルマネジャー10内部の内外に自由に通過させて冷却を促進することが可能になる。
【0060】
図41は、部品を装着していない典型的な部品ラック12を示し、ラック12に装着されるはずの電子部品の換気ファンにほぼ隣接して配置される側壁190に長方形の切欠き188を備えている。図41に示されていないが、ラック12の反対側の側板にもまた、切欠き188と同じ垂直位置に長方形の切欠きを含むはずである。
【0061】
図42は、ケーブルマネジャー10の側板22は、換気開口の2つの実施形態が側板22を通るのを示す。一実施形態では、換気穿孔は、ケーブルマネジャー10の容積136の内外に換気を提供するために近接して隔置された複数の開口192を備える。対向する側板24(図示せず)は、同様に穿孔されている。図42に示された換気穿孔の第2の実施形態では、該穿孔は、側板22を通して延在する複数の近接したU型切欠きまたは開口194を備える。各開口194は、各開口194の中心に延びる舌部196を含む。舌部196はまた、ケーブルの結束も可能にする。対向する側板24(図示せず)もまた、換気のためにU型開口194を含む。
【0062】
図43もまた、ケーブルマネジャー10の側板22を、側板22を通る換気開口の2つのさらなる実施形態を伴って示している。第3の実施形態では、該換気の実施形態は、側板22を通して延在する長方形の切欠き198を備える。この実施形態では、ケーブルマネジャー10の長方形の切欠き198が、部品ラック12の長方形の切欠き188と位置合わせされて(図41)適切な換気を提供することが好ましい。対向する側板24(図示せず)もまた、換気のために同様に配置された長方形の切欠き198を含む
【0063】
図43はさらに、側板22を通して延在する換気開口およびケーブルマネジャー10の対抗する側板24(図示せず)の第4の実施形態を示す。この実施形態では、多数の通過開口200が、側板22と近接して隔置されて強度または剛性および適切な換気を提供する。各開口200の近接はまた、ケーブル128、132をケーブルマネジャー10に固定するためにさらなる結束部を生成する。
【0064】
図42および図43に示された様々な換気の選択肢のみ、または様々な配置の組合せを使用して、適切な換気が提供され得る。さらに、開口192(図42)、U型開口194(図42)および通過開口200(図43)が、部品ラック12の長方形の切欠き188と位置合わせされる(図41)ことも好ましい。
【0065】
本発明の一部の実施形態では、ケーブルマネジャー10は、ドア・ブラケット200a(図38)または200b(図44)を含む。ドア・ブラケット200aまたは200bは、側板22および24に除去可能に結合される。たとえば、図46および図47に示されているように、ドア・ブラケット200bは、側板22の側部フランジ30に保持クリップ201および保持ねじ202で除去可能に結合される。
【符号の説明】
【0066】
10 ケーブルマネジャー
12 ラック
14 ラック装着開口
16 垂直部材
17 開口
18 指状部
20 タブ
22 側板
24 側板
26 交差ブレース・ブラケット
28 片部
30 サイドフランジ
32 ブラケット
34 枢動点
36 突出部分
38 ロッキング・ブラケット
40 板
42 板
44 一方の端部
46 開溝
48 他方の端部
50 フランジ
52 ロッキング戻り止め(突起)
56 開口
58 一部
60 ロッキング・ブラケット
62 板
64 板
66 溝
68 端部
70 位置決めタブ
72 戻り止め(突起)
74 停止タブ
78 切欠き
128 複数のケーブル
132 複数のケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側板と、
前記第1の側板から隔置された第2の側板と、
前記第1の側板および前記第2の側板に回転自在に結合された第1の交差ブレース・ブラケットと、
前記第1の側板および前記第2の側板に回転自在に結合され、前記第1の交差ブレース・ブラケットから隔置された第2の交差ブレース・ブラケットと、を含むケーブルマネジャーであって、
前記第1の側板、前記第2の側板、前記第1の交差ブレース・ブラケット、および前記第2の交差ブレース・ブラケットは、第1の複数のケーブルを経路指定するための第1のケーブル通路ならびに第2の複数のケーブルを経路指定するための第2のケーブル通路を画定する、ケーブルマネジャー。
【請求項2】
前記ケーブルマネジャーは、閉位置から開位置に回転する、請求項1に記載のケーブルマネジャー。
【請求項3】
各交差ブレース・ブラケットに摺動可能に連結されたロッキング・ブラケットをさらに含む、請求項2に記載のケーブルマネジャー。
【請求項4】
前記ロッキング・ブラケットは、前記ケーブルマネジャーを前記閉位置でロックする、請求項3に記載のケーブルマネジャー。
【請求項5】
前記第1の側板に除去可能に結合され、そこから第1の方向に外方に延びる第1の複数の指状部をさらに含む、請求項1に記載のケーブルマネジャー。
【請求項6】
前記第2の側板に除去可能に結合され、そこから前記第1の方向に外方に延びる第2の複数の指状部をさらに含む、ケーブルマネジャーであって、前記第1の複数の指状部および前記第2の複数の指状部は、前記第1のケーブル通路をさらに確定する、請求項5に記載のケーブルマネジャー。
【請求項7】
前記第1の側板に除去可能に結合され、そこから前記第1の方向と対向する第2の方向に外方に延びる第3の複数の指状部をさらに含む、請求項6に記載のケーブルマネジャー。
【請求項8】
前記第2の側板に除去可能に結合され、そこから前記第2の方向に外方に延びる第4の複数の指状部をさらに含む、ケーブルマネジャーであって、前記第3の複数の指状部および前記第4の複数の指状部は、前記第2のケーブル通路をさらに確定する、請求項7に記載のケーブルマネジャー。
【請求項9】
前記側板に除去可能に結合されたドア・ブラケットをさらに含む、請求項1に記載のケーブルマネジャー。
【請求項10】
前記ドア・ブラケットに回転自在に結合されたドアをさらに含む、請求項9に記載のケーブルマネジャー。
【請求項11】
前記交差ブレース・ブラケットは、EIA−310規格に従って隔置された、請求項1に記載のケーブルマネジャー。
【請求項12】
前記交差ブレース・ブラケットに除去可能に結合された板をさらに含む、請求項1に記載のケーブルマネジャー。
【請求項13】
前記交差ブレース・ブラケットに除去可能に結合された多重の深さの張力緩和棒材をさらに含む、請求項1に記載のケーブルマネジャー。
【請求項14】
前記第1の複数の指状部に除去可能に結合されたケーブル・リングをさらに含む、請求項6に記載のケーブルマネジャー。
【請求項15】
前記ケーブル・リングは、第3のケーブル通路を前記第1のケーブル通路内に確定する、請求項14に記載のケーブルマネジャー。
【請求項16】
前記第1のケーブル通路の容積は、前記第2のケーブル通路の容積と等しい、請求項1に記載のケーブルマネジャー。
【請求項17】
前記第1のケーブル通路の容積は、前記第2のケーブル通路の容積より大きい、請求項1に記載のケーブルマネジャー。
【請求項18】
各側板は、複数の切欠きを換気のために備える、請求項1に記載のケーブルマネジャー。
【請求項19】
前記切欠きは、対応する切欠きとラックで位置合わせされている、請求項18に記載のケーブルマネジャー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13】
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【図14】
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【図14A】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【公表番号】特表2012−516575(P2012−516575A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548242(P2011−548242)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/022166
【国際公開番号】WO2010/088232
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(507202736)パンドウィット・コーポレーション (70)
【Fターム(参考)】