説明

基地局装置、チャネル割り当て装置、移動局装置、通信システム及び無線通信方法

【課題】サービスエリアが複数のセルに分割された通信システムにおいて、移動局装置のハンドオーバ処理のために割り当てられる無線リソースを低減する。
【解決手段】通信システム1は、移動局装置4と共に路線2上を移動する移動体3の、路線2上における移動方向を示す情報を含んだ運行情報を記憶する記憶手段と、運行情報、移動局装置4の位置情報、及び移動局装置4と基地局装置との間の無線通信の受信強度に基づいて、移動局装置4のハンドオーバ先のセルを決定するセル決定手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービスエリアが複数のセルに分割され、各通信毎に無線チャネルを割り当てる多元接続方式により基地局装置と移動局装置とが通信する通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多元接続方式は、各通信毎に無線チャネルを割り当て、複数の無線局が無線周波数帯域を共有する通信方式である。このような通信方式には、例えば、周波数分割多元接続方式(FDMA:Frequency Division Multiple Access)、時分割多元接続方式(TDMA:Time Division Multiple-Access)、符号分割多元接続方式(CDMA:Code Division Multiple Access)がある。直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)は、FDMAの一種である。以下、「無線チャネル」を単に「チャネル」と記載することがある。
【0003】
周波数分割多元接続方式では、システムで使用できる無線伝送路を複数の周波数帯域に分割して、複数のチャネルとしてこれら複数の周波数帯域を無線局にそれぞれ割り当てる。時分割多元接続方式では、連続する通信時間を複数のタイムスロットに分割して、複数のチャネルとしてこれら複数のタイムスロットを無線局に割り当てる。符号分割多元接続方式では、複数の拡散符号によってそれぞれ送信信号が拡散される複数の伝送路に無線伝送路が分割され、これら複数の伝送路を複数のチャネルとして無線局に割り当てる。
【0004】
多元接続方式を採用し、かつサービスエリアが複数のセルに分割される通信システムには、各セルにおいて行われる通信のために使用されるチャネルを各セルにそれぞれ割り当て、かつ隣接するセル同士に異なるチャネルを割り当てるものがある。隣接するセル同士に異なるチャネルを割り当てることにより、隣接するセル同士でそれぞれ行われる通信同士の干渉の問題が低減される。
【0005】
以下の説明では、簡単のため、多元接続方式を使用する通信システムの例として、周波数分割多元接続方式を使用する通信システムについて説明する。しかしながら、本発明の範囲は、周波数分割多元接続方式を使用する通信システムに限定されるものではない。本発明は、サービスエリアが複数のセルに分割され、かつ無線伝送路を複数のチャネルに分割して各通信毎に前記チャネルを割り当てる多元接続方式を採用する通信システムに広く適用可能である。
【0006】
なお、無線基地局と無線端末とからなり、各無線通話チャネルのCIR(希望波対干渉波電力比)の値から周辺トラヒック量が推定される無線通信システムが提案されている。この無線通信システムでは、周辺トラヒック量が多いときには、CIRが高い空き無線通話チャネルが選択されて無線端末に割り当てられる。周辺トラヒック量が少ない時には、CIRが低い空き無線通話チャネルを選択されて無線端末に割り当てられる。
【0007】
また、車両の自動走行制御のための通信をゾーン方式で行う車両通信システムが提案されている。このシステムは、道路上の1つのゾーンに対応して設けられ、それぞれチャネル数またはタイムスロット数が決められた2つ以上のエリアの情報トラフィック量を監視する監視手段と、上記2つ以上のエリアのうちの1つのエリアの情報トラフィック量が規定値を越えたとき、この2つ以上のエリアのうちの他のエリアに配分されたチャネルまたはタイムスロットを、上記1つのエリアに再配分する制御を行う制御手段とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−341474号公報
【特許文献2】特開平11−306490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
各セルにおけるトラヒック量はセル間で大きく異なるため、周波数帯域をセルに固定的に割り当てると周波数帯域の利用効率が低下する。
【0010】
本発明は、無線リソースの利用効率を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一形態によれば、サービスエリアが複数のセルに分割され、各通信毎に無線チャネルを割り当てる多元接続方式により基地局装置と移動局装置とが通信する通信システムで使用される基地局装置は、移動局装置と共に所定の路線上を移動する移動体の所定の路線上における移動方向を示す情報を含んだ運行情報、移動局装置の位置情報、及び移動局装置と基地局装置との間の無線通信の受信強度に基づいて、移動局装置のハンドオーバ先のセルを決定するセル決定手段を、備える。なお、運行情報を記憶する記憶部を備え、セル決定手段は、記憶部に記憶された運情報を用いてもよい。
【発明の効果】
【0012】
無線リソースの利用効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例に係る無線通信システムの概略構成図である。
【図2】CPUを用いて実施例に係る移動局装置を実現したハードウエア構成の説明図である。
【図3】実施例に係る移動局装置のブロック図である。
【図4】運行情報の構成例の説明図である。
【図5】CPUを用いて実施例に係る基地局装置を実現したハードウエア構成の説明図である。
【図6】移動局テーブルの構成例の説明図である。
【図7】セルの配置例の説明図である。
【図8】ハンドオーバ判定条件テーブルの構成例の説明図である。
【図9】位置情報テーブルの構成例の説明図である。
【図10】トラヒック変動判定条件テーブルの構成例の説明図である。
【図11】実施例に係る基地局装置のブロック図である。
【図12】CPUを用いて実施例に係るチャネル割り当て装置を実現したハードウエア構成の説明図である。
【図13】トラヒックテーブルの構成例の説明図である。
【図14】移動局テーブルの構成例の説明図である。
【図15】隣接関係テーブルの構成例の説明図である。
【図16】優先順位テーブルの構成例の説明図である。
【図17】(A)及び(B)は、セルグループの設定例の第1例の説明図である。
【図18】実施例に係るチャネル割り当て装置の第1例のブロック図である。
【図19】実施例に係るチャネル割り当て方法の処理の説明図である。
【図20】事前設定処理の説明図である。
【図21】再割り当て要否判定処理の説明図である。
【図22】周波数の割り当て状態の説明図(その1)である。
【図23】各セルのトラヒック量の説明図(その1)である。
【図24】各セルのトラヒック量の説明図(その2)である。
【図25】チャネル割り当て処理における処理の第1例の説明図である。
【図26】割り当てチャネル数の組み合わせパターンの説明図(その1)である。
【図27】各組み合わせパターンについてのトラヒック不足量の説明図(その1)である。
【図28】周波数の割り当て状態の説明図(その2)である。
【図29】周波数の割り当て状態の説明図(その3)である。
【図30】各セルのトラヒック量の説明図(その3)である。
【図31】割り当てチャネル数の組み合わせパターンの説明図(その2)である。
【図32】各組み合わせパターンについてのトラヒック不足量の説明図(その2)である。
【図33】周波数の割り当て状態の説明図(その4)である。
【図34】(A)及び(B)は、セルグループの設定例の第2例の説明図である。
【図35】実施例に係るチャネル割り当て装置の第2構成例のブロック図である。
【図36】(A)〜(C)は、セルグループの設定例の第3例の説明図である。
【図37】チャネル割り当て処理における処理の第2例の説明図である。
【図38】周波数の割り当て状態の説明図(その5)である。
【図39】各セルのトラヒック量の説明図(その4)である。
【図40】割り当てチャネルの組み合わせパターンの説明図である。
【図41】各組み合わせパターンについてのトラヒック不足量の説明図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付する図面を参照して、本発明の実施例について説明する。図1は、実施例としての無線通信システムの概略構成図である。参照符号1は無線通信システムを示し、参照符号2は路線を示し、参照符号3は移動体を示し、参照符号4は移動局装置を示し、参照符号5−0、5−1〜5−nはそれぞれ基地局装置を示す。参照符号6はチャネル割り当て装置を示し、参照符号7は基地局制御装置を示し、参照符号8は通信ネットワークを示し、参照符号C0〜Cmはそれぞれセルを示す。
【0015】
なお、本実施例に関する以下の説明では、周波数分割多元接続方式を使用する無線通信システム1について説明する。しかしながら、本実施例は、周波数分割多元接続方式を使用する通信システムに限定されるものではない。すなわち、本実施例は、サービスエリアが複数のセルに分割され、各通信毎に無線チャネルを割り当てる多元接続方式を採用する他の通信システムに適用可能である。
【0016】
例えば、他の実施例では、連続する通信時間が複数のタイムスロットに分割される。この実施例では、後述するチャネル割り当て装置6は、複数のタイムスロットをそれぞれチャネルとして各セルC0〜Cmに割り当ててよい。また他の実施例では、チャネル割り当て装置6は、異なる拡散符号によって送信信号が拡散される複数の伝送路を、それぞれチャネルとして各セルC0〜Cmに割り当ててよい。
【0017】
無線通信システム1は、線状の所定の路線2上を移動する移動体3と共に移動する移動局装置4と地上との間の通信機能を提供する。移動体3は、例えば、列車や路線バスであってよい。無線通信システム1は、移動局装置4、複数の基地局装置5−0〜5−n、チャネル割り当て装置6及び基地局制御装置7を備える。以下の説明において、移動体3は、所定の鉄道路線である路線2上を移動する列車とする。
【0018】
無線通信システム1のサービスエリアは、複数のセルC0〜Cmに分割されている。各セルC0〜Cmでは、移動局装置4と基地局装置5−0〜5−nのいずれかとの間で通信が行われる。各基地局装置5−0〜5−nは、セルC0〜Cmのうちのいずれか1つ以上のセルをカバーする。以下の説明では、基地局装置5−0〜5−nを総称して「基地局装置5」と記載することがある。
【0019】
チャネル割り当て装置6は、各セルC0〜Cmのそれぞれに対して、そのセルにおける移動局装置4と基地局装置5との間の通信に使用する周波数帯域をチャネルとして割り当てる。基地局制御装置7は、基地局装置5を制御するとともに、基地局装置5から受信した上りリンク信号をネットワーク8へ送信し、ネットワーク8から受信した下りリンク信号を基地局装置5へ送信する。なお、チャネル割り当て装置6は、基地局制御装置7の一部として無線通信システム1に設けられてもよい。
【0020】
図2は、CPUを用いて実施例としての移動局装置4を実現したハードウエア構成の説明図である。参照符号11はCPUを示し、参照符号12はメモリを示し、参照符号13は記憶部を示し、参照符号14は無線通信部を示し、参照符号15は運行情報設定部を示す。参照符号16は位置測定部を示し、参照符号17は受信電力測定部を示し、参照符号18はバスを示し、参照符号20は制御プログラムを示し、参照符号21は運行情報を示す。
【0021】
移動局装置4は、CPU11と、メモリ12と、記憶部13と、無線通信部14と、運行情報設定部15と、位置測定部16と、受信電力測定部17を備える。CPU11は、記憶部13に格納された制御プログラム20を実行することにより、移動局装置4の動作を制御する。メモリ12は、CPU11による制御プログラム20の実行に必要なデータを記憶し、またこれらプログラムの実行の際に生成される一時的なデータを記憶する。
【0022】
記憶部13は、例えばハードディスクや不揮発性メモリなどにより実現される記憶装置である。記憶部13には、制御プログラム20及び運行情報21が記憶される。運行情報21については後述する。無線通信部14は、基地局装置5から移動局装置4へ送信される無線信号を受信し、また移動局装置4から基地局装置5へ送信される無線信号を送信する。
【0023】
運行情報設定部15は、移動局装置4のオペレータにより入力される運行情報に関する設定を受け付け、入力された運行情報を記憶部13に格納する。位置測定部16は、移動局装置4の位置を測定する。位置測定部16は、例えば汎地球測位システム(GPS)によって移動局装置4の位置を測定するGPS受信装置であってよい。または位置測定部16は、列車3が自分の位置を測定するために設けられた列車3の測位装置であってもよい。
【0024】
受信電力測定部17は、基地局装置5から送信される、後述の共通信号を受信した受信電力を、移動局装置4と基地局装置5との間の無線通信の受信強度として測定する。メモリ12、記憶部13、無線通信部14、運行情報設定部15、位置測定部16及び受信電力測定部17は、バス18を介してCPU11に接続される。
【0025】
図3は、実施例としての移動局装置4のブロック図である。参照符号22は運行情報送信部を示し、参照符号23は位置情報送信部を示し、参照符号24は受信電力送信部を示し、参照符号25はトラヒック要求送信部を示す。移動局装置4は、運行情報送信部22と、位置情報送信部23と、受信電力送信部24と、トラヒック要求送信部25を備える。CPU11が制御プログラム20を実行することによって、運行情報送信部22、位置情報送信部23、受信電力送信部24、トラヒック要求送信部25により行われる各処理が実行される。
【0026】
運行情報送信部22は、運行情報設定部15により記憶部13に記憶された運行情報21を、基地局装置5へ送信する。図4は、運行情報21の構成例の説明図である。例えば、運行情報21は、路線名の識別子と、線別の識別子とを備えていてよい。路線名の識別子は、列車3が移動する路線2を識別する識別子である。なお、ハンドオーバ先を判定する際に路線名が関係ない場合には、運行情報21から路線名を省いてもよい。
【0027】
線別の識別子は、線状の路線2を移動する列車3の移動方向が、第1方向であるかこれと反対方向の第2方向であるかを指定する識別子である。線別は、例えば「上り」及び「下り」を識別する識別子であってよい。又は線別は、例えば「内回り」及び「外回り」を識別する識別子であってよい。線別は、例えば「○○方面行き」及び「××方面行き」を識別する識別子であってよい。
【0028】
図3を参照する。位置情報送信部23は、位置測定部16により測定された位置を示す位置情報を基地局装置5へ送信する。受信電力送信部24は、受信電力測定部17により測定された受信電力を示す受信電力情報を基地局装置5へ送信する。なお、後述の通り、移動局装置4と基地局装置5との間の無線通信の受信強度を基地局装置5において測定する場合は、移動局装置4は、受信電力測定部17及び受信電力送信部24を備えていなくてもよい。トラヒック要求送信部25は、移動局装置4が基地局装置5へ送信しようと予定しているデータの送信に必要なトラヒック量を、基地局装置5へ要求する。
【0029】
図5は、CPUを用いて実施例としての基地局装置5を実現したハードウエア構成の説明図である。参照符号31はCPUを示し、参照符号32はメモリを示し、参照符号33は記憶部を示し、参照符号34は第1通信部を示し、参照符号35は第2通信部を示す。参照符号36は受信電力測定部を示し、参照符号37はバスを示し、参照符号40は制御プログラムを示し、参照符号41は移動局テーブルを示し、参照符号42はハンドオーバ判定条件テーブルを示す。参照符号43は位置情報テーブルを示し、参照符号44はトラヒック変動判定条件テーブルを示す。
【0030】
基地局装置5は、CPU31と、メモリ32と、記憶部33と、第1通信部34と、第2通信部35と、受信電力測定部36とを備える。CPU31は、記憶部33に格納された制御プログラム40を実行することにより、基地局装置5の動作を制御する。メモリ32は、CPU31による制御プログラム40の実行に必要なデータを記憶し、またこれらプログラムの実行の際に生成される一時的なデータを記憶する。
【0031】
記憶部33は、例えばハードディスクや不揮発性メモリなどにより実現される記憶装置である。記憶部33には、制御プログラム40、移動局テーブル41、ハンドオーバ判定条件テーブル42、位置情報テーブル43、及びトラヒック変動判定条件テーブル44が記憶される。
【0032】
第1通信部34は、基地局装置5から移動局装置4へ送信される無線信号を送信し、また移動局装置4から基地局装置5へ送信される無線信号を受信する。第2通信部35は、基地局装置5からチャネル割り当て装置6へ送信される信号を送信し、またチャネル割り当て装置6から基地局装置5へ送信される信号を受信する。
【0033】
受信電力測定部36は、移動局装置4から基地局装置5へ送信される無線信号を受信した受信電力を、移動局装置4と基地局装置5との間の無線通信の受信強度として測定する。メモリ32、記憶部33、第1通信部34、第2通信部35、及び受信電力測定部36は、バス37によってCPU31に接続される。
【0034】
図6は、移動局テーブル41の構成例の説明図である。移動局テーブル41は、基地局装置5がカバーするセル内に存在し基地局装置5と接続されている移動局装置4を記憶する。移動局テーブル41は、「移動局ID」フィールド、運行情報を格納する「路線名」フィールド及び「線別」フィールド、位置情報を示す「緯度」フィールド及び「経度」フィールド、並びに「トラヒック」フィールドを含む。
【0035】
「移動局ID」フィールドには、各移動局装置4を識別する識別子が格納される。「路線名」フィールド及び「線別フィールド」には、各移動局装置4から受信した運行情報に含まれる路線名及び線別を指定する識別子が格納される。「緯度」フィールド及び「経度」フィールドには、各移動局装置4から受信した位置情報に含まれる緯度情報及び経度情報が格納される。「トラヒック」フィールドには、各移動局装置4の現在のトラヒック量及び各移動局装置4との間の通信で送信予定のデータについて要求されているトラヒック量について、後述のトラヒック量測定部56が測定したトラヒック測定量が格納される。
【0036】
図6に示す移動局テーブル41の例では、例えば「移動局1」の移動局IDを有する移動局装置4の運行情報の路線名を示す識別子は「○○線」であり、線別を示す識別子は「上り」である。また、この移動局装置4の位置は緯度35.0600度及び経度139.1000度である。この移動局装置4について測定されたトラヒック測定量は12Mbpsである。
【0037】
次に、図5に示すハンドオーバ判定条件テーブル42について説明する。ハンドオーバ判定条件テーブル42は、各移動局装置4がハンドオーバを行うか否かを判定するためのハンドオーバ判定条件を記憶するテーブルである。いま、実施例に関する以下の説明で使用するセルC0〜C6が、図7に説明される通りに配置されているとする。
【0038】
セルC0〜C6は、路線2に沿って連続して、セルC0、C1、C2、C3、C4、C5及びC6の順序で配置されている。路線2上にて運行される列車3は、第1方向とこれと反対の向きの第2方向に移動する。いま第1方向を「上り」とし、第2方向を「下り」とする。現在の列車3の進行方向は下りであるとする。
【0039】
区間B0は、セルC0及びC1との間で移動局装置4がハンドオーバを行うセルC0及びC1の境界区間として指定された区間である。区間B1は、セルC1及びC2との間で移動局装置4がハンドオーバを行うセルC1及びC2の境界区間として指定された区間である。区間B2は、セルC2及びC3との間で移動局装置4がハンドオーバを行うセルC2及びC3の境界区間として指定された区間である。
【0040】
区間B3は、セルC3及びC4との間で移動局装置4がハンドオーバを行うセルC3及びC4の境界区間として指定された区間である。区間B4は、セルC4及びC5との間で移動局装置4がハンドオーバを行うセルC4及びC5の境界区間として指定された区間である。区間B5は、セルC5及びC6との間で移動局装置4がハンドオーバを行うセルC5及びC6の境界区間として指定された区間である。以下の説明において、移動局装置4がハンドオーバを行う2つのセルの境界区間として指定される区間を、単に「境界区間」と記載することがある。
【0041】
図8は、ハンドオーバ判定条件テーブル42の構成例の説明図である。ハンドオーバ判定条件テーブル42は、「条件ID」フィールド、「区間ID」フィールド、運行情報を格納する「路線名」フィールド及び「線別フィールド」、「条件種別」フィールド、並びに「受信電力条件」フィールドを含む。
【0042】
「条件ID」フィールドには、各ハンドオーバ判定条件を識別する識別子が格納される。「区間ID」フィールドには、各ハンドオーバ判定条件が満たされる場合に、移動局装置4が存在すべきセルの境界区間の識別子が格納される。「路線名」フィールド及び「線別フィールド」には、各ハンドオーバ判定条件が満たされる場合の移動局装置4の運行情報が格納される。
【0043】
「条件種別」フィールドには、各ハンドオーバ判定条件により判定される状態が、ハンドオーバが開始するか否かを判定する条件であるのか、ハンドオーバが終了するか否かを判定する条件であるのかを識別する識別子が格納される。「受信電力条件」フィールドには、各ハンドオーバ判定条件を満される場合の、移動局装置4と基地局装置5間の無線通信の受信電力に関する条件が格納される。
【0044】
図8に示すハンドオーバ判定条件テーブル42の例では、例えば「条件B1」の条件IDを有するハンドオーバ判定条件が満たされるのは、移動局装置4が区間B1に存在し、かつ、移動局装置4の運行情報の路線名を示す識別子が「○○線」であり、線別を示す識別子が「上り」であるときである。またこの条件は、ハンドオーバが開始するか否かを判定するための条件であり、ハンドオーバ元のセルからの受信電力が−95dBmよりも小さいときハンドオーバ判定条件が満たされる。
【0045】
また、例えば「条件B2」の条件IDを有するハンドオーバ判定条件が満たされるのは、移動局装置4が区間B1に存在し、かつ、移動局装置4の運行情報の路線名を示す識別子が「○○線」であり、線別を示す識別子が「下り」であるときである。またこの条件は、ハンドオーバが終了するか否かを判定するための条件であり、ハンドオーバ先のセルからの受信電力が−90dBmよりも大きいときハンドオーバ判定条件が満たされる。
【0046】
図9は、位置情報テーブル43の構成例の説明図である。位置情報テーブル43は、ハンドオーバ判定条件テーブル42の「区間ID」フィールドに識別子が格納される各境界区間の位置と、各境界区間がどのセルの境界であるかを記憶する。位置情報テーブル43は、「区間ID」フィールド、位置情報を示す「緯度」フィールド及び「経度」フィールド、並びに各境界区間がどのセルの境界かを示す「第1セル」フィールド及び「第2セル」フィールドを含む。
【0047】
「区間ID」フィールドには、各境界区間を識別する識別子が格納される。位置情報を示す「緯度」フィールド及び「経度」フィールドには、各境界区間が存在する緯度及び経度の範囲が格納される。「第1セル」フィールド及び「第2セル」フィールドには、各境界区間を挟む2つのセルうち、それぞれ第1方向側のセルの識別子と第2方向側のセルの識別子が格納される。
【0048】
図9に示す位置情報テーブル43の例では、区間B1は、緯度35.2000〜35.2020度及び経度139.1000〜139.1500の範囲に存在し、セルC1及びC2の間の境界区間である。
【0049】
図10は、トラヒック変動判定条件テーブル44の構成例の説明図である。トラヒック変動条件判定テーブル44は、トラヒック変動判定条件を記憶する。トラヒック変動判定条件は、基地局装置5がカバーするセルにてトラヒック測定部56が測定したトラヒック測定量に応じて、このセルに割り当てる周波数帯域を変更するための周波数帯域の再割り当て処理を、チャネル割り当て装置6に要求するか否かを判定する条件である。トラヒック変動判定条件テーブル44は、「周波数割当数」フィールドと、「増加要求条件」フィールドと、「減少要求条件」フィールドとを含む。
【0050】
「周波数割当数」フィールドには、各行のトラヒック変動判定条件が満たされるための、セルの現在の周波数帯域の割当数に関する条件が格納される。「増加要求条件」フィールドには、トラヒック変動判定条件が、周波数帯域の割当数を増やすための再割り当て処理を要求するか否かを判定する条件である場合の、セルのトラヒック測定量に関する条件が格納される。また、「減少要求条件」フィールドには、トラヒック変動判定条件が、周波数帯域の割当数を減らすための再割り当て処理を要求するか否かを判定する条件であるときの、セルのトラヒック測定量に関する条件が格納される。
【0051】
本実施例に関する以下の説明では、簡単のため、セルC0〜Cmに割り当てられるように用意されている周波数帯域は、全部で周波数帯域f1〜f5の5つの周波数帯域であると想定する。「増加要求条件」フィールド及び「減少要求条件」フィールドに格納されるトラヒック量に関する条件は、全周波数帯域、すなわち上記5つの周波数帯域に全体に収容可能なトラヒック量に対するセルのトラヒック測定量の割合であるトラヒック量の比にて指定される。
【0052】
図10の例では、セルに対する現在の周波数帯域の割当数が1である場合に、上記トラヒック量の比が25%より大きくなったとき、基地局装置5は、このセルへの周波数帯域の割当数を増加するための再割り当て処理を要求する。また、セルに対する現在の周波数帯域の割当数が2である場合に、上記トラヒック量の比が45%より大きくなったとき、基地局装置5は、このセルへの周波数帯域の割当数を増加するための再割り当て処理を要求する。一方で、セルに対する現在の周波数帯域の割当数が2である場合に、上記トラヒック量の比が15%より小さくなったとき、基地局装置5は、このセルへの周波数帯域の割当数を低減するための再割り当て処理を要求する。
【0053】
図11は、実施例としての基地局装置5のブロック図である。参照符号50は運行情報受信部を示し、参照符号51は受信電力受信部を示し、参照符号52は位置情報受信部を示し、参照符号53はトラヒック要求受信部を示し、参照符号54は共通信号送信部を示す。参照符号55はハンドオーバ判定部を示し、参照符号56はトラヒック量測定部を示し、参照符号57はトラヒック変動判定部を示し、参照符号58は再割り当て要求部を示し、参照符号59はトラヒック量情報送信部を示し、参照符号60は割当チャネル情報受信部を示す。
【0054】
基地局装置5は、運行情報受信部50と、受信電力受信部51と、位置情報受信部52と、トラヒック要求受信部53と、共通信号送信部54と、ハンドオーバ判定部55と、トラヒック量測定部56と、トラヒック変動判定部57とを備える。さらに基地局装置5は、再割り当て要求部58と、トラヒック量情報送信部59と、割当チャネル情報受信部60を備える。
【0055】
図5に示すCPU31が制御プログラム40を実行することによって、運行情報受信部50、受信電力受信部51、位置情報受信部52、トラヒック要求受信部53、共通信号送信部54、及びハンドオーバ判定部55により行われる各処理が実行される。また、CPU31が制御プログラム40を実行することによって、トラヒック量測定部56、トラヒック変動判定部57、及び再割り当て要求部58により行われる各処理が実行される。また、CPU31が制御プログラム40を実行することによって、トラヒック量情報送信部59、及び割当チャネル情報受信部60により行われる各処理が実行される。
【0056】
運行情報受信部50は、移動局装置4から送信された運行情報を受信する。運行情報受信部50は、受信した運行情報を、移動局テーブル41の送信元の移動局装置4に関するレコードに格納する。
【0057】
受信電力受信部51は、移動局装置4から送信された受信電力情報を受信する。受信電力受信部51は、受信した受信電力情報をハンドオーバ判定部55へ入力する。なお、移動局装置4と基地局装置5との間の無線通信の受信強度を受信電力測定部36により測定する場合には、受信電力受信部51を省略してよい。この場合には、受信電力測定部36は、移動局装置4と基地局装置5との間の無線通信の受信強度を測定し、測定された受信強度を示す受信電力情報をハンドオーバ判定部55へ入力する。移動局装置4と基地局装置5との間の無線通信の受信強度を受信電力受信部51にて受信する場合には、受信電力測定部36を省略してよい。
【0058】
位置情報受信部52は、移動局装置4から送信された位置情報を受信する。位置情報受信部52は、受信した位置情報を移動局テーブル41の送信元の移動局装置4に関するレコードに格納する。また位置情報受信部52は、受信した位置情報をハンドオーバ判定部55へ入力する。
【0059】
トラヒック要求受信部53は、移動局装置4のトラヒック要求送信部25から要求された、移動局装置4が基地局装置5へ送信しようと予定しているデータの送信に必要なトラヒック量を示す情報を受信する。またトラヒック要求受信部53は、基地局制御装置7から要求された、基地局制御装置7が移動局装置4へ送信しようと予定しているデータの送信に必要なトラヒック量を示す情報を受信する。
【0060】
共通信号送信部54は、基地局装置5のセル内に存在する全ての移動局装置4が受信できる共通信号を、移動局装置4へ送信する。共通信号は、セル内の移動局装置4によって受信される信号であれば足り、特に割り当てられた周波数帯域を使用しなくてもよい。かかる共通信号を移動局装置4の受信電力測定部17が受信した受信電力に基づいて、ハンドオーバの有無を検出することにより、ハンドオーバ処理のため割り当てる制御信号用の周波数帯域が不要になる。例えば、無線通信システム1が、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)に従った無線通信システムであるとき、共通信号は、フレーム同期のために基地局装置5から移動局装置4へ送信されるプリアンブル信号であってよい。
【0061】
ハンドオーバ判定部55は、移動局装置4について受信した運行情報及び位置情報、並びに、移動局装置4について受信した受信電力情報又は測定した受信電力に応じて、ハンドオーバ判定条件テーブル42に記憶された条件に従って、移動局装置4のハンドオーバの開始及び終了を検出する。ハンドオーバ判定部55は、ハンドオーバの開始及び終了を再割り当て要求部58へ通知する。
【0062】
トラヒック量測定部56は、セル内の各移動局装置4の現在のトラヒック量、並びに各移動局装置4から送信される及び各移動局装置4へ送信される予定のデータについて要求されているトラヒック量に基づいて、セルに発生することが予定されるトラヒック量を測定する。トラヒック変動判定部57は、セルへの現在の周波数帯域の割当数とセルのトラヒック測定量に応じて、トラヒック変動条件判定テーブル44に記憶されたいずれかのトラヒック変動条件が満たされるか否かを判定する。トラヒック変動判定部57は、判定結果を再割り当て要求部58へ通知する。
【0063】
再割り当て要求部58は、ハンドオーバ判定部55によりハンドオーバの開始及び/又は終了を検出したとき、ハンドオーバに伴いトラヒック量が変動するセルへ割り当てる周波数帯域を変更するための、再割り当て要求信号をチャネル割り当て装置6へ送信する。再割り当て要求信号は、ハンドオーバによりトラヒック量が変動するセルを指定する情報と、ハンドオーバに伴ってこのセルで発生するトラヒック量の変動量を指定する情報と、を含む。
【0064】
さらに再割り当て要求信号は、チャネル割り当て装置6による周波数帯域の再割り当て処理において使用される、後述のセルグループが設定される対象セルを指定する対象セル指定情報を含む。ハンドオーバの開始を検出した場合及びハンドオーバの終了を検出した場合のいずれの場合においても、対象セル指定情報はハンドオーバ先のセルを対象セルとして指定する。
【0065】
トラヒック変動条件を満足するとトラヒック変動判定部57が判定したとき、再割り当て要求部58は、トラヒック変動判定条件を満たしたセルへ割り当てる周波数帯域を変更するための、再割り当て要求信号をチャネル割り当て装置6へ送信する。再割り当て要求信号は、トラヒック変動判定条件を満たしたセルを指定する情報と、このセルでのトラヒック量の変動量とを指定する情報を含む。
【0066】
さらに再割り当て要求信号は、チャネル割り当て装置6による周波数帯域の再割り当て処理において使用される、後述のセルグループが設定される対象セルを指定する対象セル指定情報を含む。対象セル指定情報は、トラヒック変動判定条件を満たしたセルを指定する。
【0067】
さらに再割り当て要求部58は、移動局テーブル41を参照し、基地局装置5がカバーするセル内に、基地局装置5と接続された移動局装置4が存在するか否かを判定する。再割り当て要求部58は、移動局装置4が存在するか否かの判定結果を示す情報を、再割り当て要求信号に含めてチャネル割り当て装置6へ送信する。
【0068】
トラヒック量情報送信部59は、トラヒック量測定部56により測定されたセルに発生することが予定されるトラヒック量であるトラヒック測定量をチャネル割り当て装置6へ送信する。
【0069】
割当チャネル情報受信部60は、チャネル割り当て装置6から送信された、割当チャネル情報を受信する。割当チャネル情報は、基地局装置5によりカバーされるセルに割り当てられた周波数帯域を指定する情報である。図5の第1通信部34は、受信した割当チャネル情報に指定される周波数帯域を使用して、移動局装置4との通信を行う。
【0070】
図12は、CPUを用いて実施例としてのチャネル割り当て装置6を実現したハードウエア構成の説明図である。参照符号71はCPUを示し、参照符号72はメモリを示し、参照符号73は記憶部を示し、参照符号74は通信部を示し、参照符号75はバスを示す。参照符号80は制御プログラムを示し、参照符号81はトラヒックテーブルを示し、参照符号82は移動局テーブルを示し、参照符号83は隣接関係テーブルを示し、参照符号84は優先順位テーブルを示し、参照符号85はセルグループ設定情報を示す。
【0071】
チャネル割り当て装置6は、CPU71と、メモリ72と、記憶部73と、通信部74を備える。CPU71は、記憶部73に格納された制御プログラム80を実行することにより、チャネル割り当て装置6の動作を制御する。メモリ72は、CPU71による制御プログラム80の実行に必要なデータを記憶し、またこれらプログラムの実行の際に生成される一時的なデータを記憶する。
【0072】
記憶部73は、例えばハードディスクや不揮発性メモリなどにより実現される記憶装置である。記憶部73には、制御プログラム80と、トラヒックテーブル81と、移動局テーブル82と、隣接関係テーブル83と、優先順位テーブル84と、セルグループ設定情報85が記憶される。通信部74は、チャネル割り当て装置6から基地局装置5へ送信される信号を送信し、また基地局装置5からチャネル割り当て装置6へ送信される信号を受信する。
【0073】
図13は、トラヒックテーブル81の構成例の説明図である。トラヒックテーブル81には、各セルにおいて各セルをカバーするそれぞれの基地局装置5のトラヒック量測定部56により測定された、各セルにて発生することが予定されるトラヒック量であるトラヒック測定量が記憶される。トラヒックテーブル81は、「セルID」フィールドと、「トラヒック量」フィールドとを含む。
【0074】
「セルID」フィールドには、各セルを識別する識別子が格納される。「トラヒック量」フィールドには、各セルにおいてトラヒック量測定部56が測定したトラヒック測定量が格納される。本実施例では、「トラヒック量」フィールドに格納されるトラヒック測定量は、セルC0〜C6に割り当てられるように用意された全周波数帯域に収容可能なトラヒック量に対するセルのトラヒック測定量の割合、すなわち使用率にて表される。
【0075】
図13に示すトラヒックテーブル81の例では、例えばセルC0においてトラヒック量測定部56が測定したトラヒック測定量は、全周波数帯域に収容可能なトラヒック量の10%である。例えばセルC5においてトラヒック量測定部56が測定したトラヒック測定量は、全周波数帯域に収容可能なトラヒック量の90%である。
【0076】
図14は、移動局テーブル82の構成例の説明図である。移動局テーブル82には、再割り当て要求信号に含めて送信された、各セルに移動局装置4が存在するか否かを示す情報が格納される。移動局テーブル82は、「セルID」フィールドと「フラグ」フィールドとを含む。「セルID」フィールドには各セルを識別する識別子が格納される。「フラグ」フィールドには、各セルに各移動局装置4が存在するか否かを示すフラグが格納される。図14に示す移動局テーブル82の例は、例えば「セルC2」には移動局装置4が存在することを示している。一方で「セルC3」には移動局装置4が存在しないことが示されている。
【0077】
図15は、隣接関係テーブル83の構成例の説明図である。隣接関係テーブル83は、各セルC0〜Cmの隣接関係が記憶される。隣接関係テーブル83は、「セルID」フィールドと、「第1方向隣接セル」フィールドと、「第2方向隣接セル」フィールドを含む。
【0078】
「セルID」フィールドには、各セルを識別する識別子が格納される。「第1方向隣接セル」フィールド及び「第2方向隣接セル」フィールドには、各セルから見て、第1方向及び第2方向にある隣接セルの識別子がそれぞれ格納される。図15に示す隣接関係テーブル83の例では、例えばセルC2から見て第1方向にある隣接セルはセルC1であり、セルC2から見て第2方向にある隣接セルはセルC3である。
【0079】
図16は、優先順位テーブル84の構成例の説明図である。優先順位テーブル84は、周波数帯域f1〜f5を、各セルC0〜Cmに割り当てる際の優先順位を記憶する。優先順位テーブル84は、「セルID」フィールドと、「割当チャネル」フィールドとを備える。「セルID」フィールドには各セルの識別子が格納される。「割当チャネル」フィールドには、各周波数帯域f1〜f5毎に、各周波数帯域f1〜f5を各セルに割り当てる優先順位が格納される。
【0080】
図16に示す優先順位テーブル84の例では、例えばセルC0に割り当てる際の各周波数帯域f1〜f5の優先順位はf5、f4、f3、f2及びf1の順に高い。例えばセルC1に割り当てる際の各周波数帯域f1〜f5の優先順位はf1、f2、f3、f4及びf5の順に高い。優先順位テーブル84において、隣接するセル(例えばセルC1とセルC2)に割り当てる周波数帯域f1〜f5の優先順位は、逆の順位となっている。
【0081】
図12の記憶部73に記憶されるセルグループ設定情報85は、各セルC0〜Cmについてそれぞれ設定されるセルグループを記憶する情報である。図17の(A)及び図17の(B)は、セルグループの設定例の第1例の説明図である。参照符号200はセルグループを示し、参照符号201はセルグループが設定される対象セルを示し、参照符号202及び203はセルグループの両端にそれぞれ1つずつ配置される周辺セルを示し、参照符号204及び205は対象セル201と周辺セル202又は203に挟まれる中間セルを示す。
【0082】
対象セル201は、再割り当て要求信号の対象セル指定情報によって指定されたセルである。図17の(A)に示すセルグループ200は、対象セル201であるセルC3について設定されたセルグループであり、図17の(B)に示すセルグループ200は、対象セル201であるセルC4について設定されたセルグループである。セルグループ200は、対象セル201及び周辺セル202及び203を含む、所定のセル数の連続セルであるセル202、204、201、205及び203を含む。
【0083】
本実施例では、周辺セル202及び203は、対象セルの両側にそれぞれ1つずつ配置されている。本実施例は、特許請求の範囲の「第1所定数L」がL=1の場合に相当する。後述するように第1所定数L=1の場合、セルグループ200のセル数は3以上であればよい。したがって中間セル204及び205は必須ではない。
【0084】
本実施例では、各セルC0〜Cmについてそれぞれ設定されるセルグループをセルグループ設定情報85として記憶部73に記憶する。他の実施例においては、対象セル指定情報と、隣接関係テーブル73と、予め記憶したセルグループのセル数の設定値とに従って、周波数帯域の再割り当て処理を行うとき又はそれ以前にセルグループを設定してもよい。
【0085】
図18は、実施例としてのチャネル割り当て装置6の第1例のブロック図である。参照符号90はトラヒック量情報受信部を示し、参照符号91は再割り当て要求受信部を示し、参照符号92はトラヒック量算出部を示し、参照符号93は割当チャネル決定部を示し、参照符号94は割当チャネル情報送信部を示す。参照符号101はチャネル数パターン検索部を示し、参照符号102は第1不足量算出部を示し、参照符号103はチャネル数パターン選択部を示し、参照符号104はチャネル分配部を示す。
【0086】
チャネル割り当て装置6は、トラヒック量情報受信部90と、再割り当て要求受信部91と、トラヒック量算出部92と、割当チャネル決定部93と、割当チャネル情報送信部94を備える。割当チャネル決定部93は、チャネル数パターン検索部101と、第1不足量算出部102と、チャネル数パターン選択部103と、チャネル分配部104を備える。
【0087】
図12に示すCPU71が制御プログラム80を実行することによって、トラヒック量情報受信部90、再割り当て要求受信部91、トラヒック量算出部92、割当チャネル決定部93、及び割当チャネル情報送信部94により行われる各処理が実行される。また、CPU71が制御プログラム80を実行することによって、チャネル数パターン検索部101、第1不足量算出部102、チャネル数パターン選択部103、及びチャネル分配部104により行われる各処理が実行される。
【0088】
トラヒック量情報受信部90は、基地局装置5のトラヒック量情報送信部59から送信された各セルのトラヒック測定量を受信する。トラヒック量情報受信部90は、トラヒックテーブル81に記憶されている各セルのトラヒック測定量を、新たに受信したトラヒック測定量に更新する。
【0089】
再割り当て要求受信部91は、図11に示す再割り当て要求部58から送信された再割り当て要求信号を受信する。再割り当て要求受信部91は、受信した再割り当て要求信号を割当チャネル決定部93へ出力する。また、再割り当て要求受信部91は、再割り当て要求信号に含まれる、トラヒック量が変動するセルを指定する情報と、トラヒックの変動量を指定する情報をトラヒック量算出部92に出力する。
【0090】
さらに、再割り当て要求受信部91は、再割り当て要求信号に含めて送信された、各セルに移動局装置4が存在するか否かを示す情報を移動局テーブル82に格納し、移動局テーブル82の内容を更新する。
【0091】
トラヒック量算出部92は、再割り当て要求受信部91から出力された、トラヒック量が変動するセルとこのセルにおけるトラヒックの変動量の指定情報を受信する。これら指定情報とトラヒックテーブル81に記憶されたトラヒック測定量に従って、トラヒック量算出部92は、指定情報にて指定されたセルについて、トラヒック変動後に発生することが予定されるトラヒック測定量の予定量を決定する。トラヒック量算出部92は、指定情報にて指定されたセルについてトラヒックテーブル81に記憶されるトラヒック測定量を、決定した予定量へ更新する。
【0092】
割当チャネル決定部93は、再割り当て要求信号に含まれる対象セル指定情報にて指定されたセルについて設定されるセルグループ200内における、周波数帯域の再割り当て処理を行う。割当チャネル決定部93は、セルグループ200内の各セルにそれぞれ割り当てた周波数帯域を示す割当チャネル情報を、割当チャネル情報送信部94へ出力する。割当チャネル情報送信部94は、割当チャネル決定部93から受信した割当チャネル情報を基地局装置5へ送信する。
【0093】
割当チャネル決定部93のチャネル数パターン検索部101は、セルグループ200内の各セルにそれぞれ割り当てる周波数帯域の数の組み合わせをそれぞれ示す、組み合わせパターンを検索する。このときチャネル数パターン検索部101は、後述する条件A1〜A4を全て満足する組み合わせパターンを検索する。
【0094】
第1不足量算出部102は、チャネル数パターン検索部101により発見された複数の組み合わせパターンPi(i=1〜k)のそれぞれについて、次式(1)により与えられる所定の不足量ΔTijを、セルグループ200内のセル毎に算出する。
【0095】
【数1】

【0096】
ここで、Capijは、組み合わせパターンPiにおいてセルグループ200内の第j番目のセルに割り当てられた数の周波数帯域に収容できるトラヒック量である。また、Trfjは、トラヒックテーブル81に記憶されている各セルのトラヒック測定量、すなわち各セルに発生すると予定されるトラヒック量である。
【0097】
第1不足量算出部102は、次式(2)により与えられる、組み合わせパターンPi毎の不足量ΔTijの合計Difiを算出する。
【0098】
【数2】

【0099】
チャネル数パターン選択部103は、組み合わせパターンPi毎の合計Difiが最も少ない組み合わせパターンを選択する。チャネル分配部104は、各セルについて、チャネル数パターン選択部103が選択した組み合わせパターンにより指定される数の周波数帯域を、優先順位テーブル84に記憶される優先順位の順序で選ぶ。チャネル分配部104は、各セルについてそれぞれ選んだ周波数帯域を、それぞれのセルに割り当てる。
【0100】
以下、本実施例の無線通信システム1の動作を説明する。(1)基地局装置5のハンドオーバ判定部55がハンドオーバの開始を検出する場合、(2)ハンドオーバ判定部55がハンドオーバの終了を検出する場合、(3)トラヒック変動判定条件が満たされたと基地局装置5のトラヒック変動判定部57が判定する場合、(4)それ以外の場合、のそれぞれにおける動作を説明する。
【0101】
(1)ハンドオーバ判定部55がハンドオーバの開始を検出する場合
図19は、実施例としてのチャネル割り当て方法の処理の説明図である。なお、他の実施の態様においては、下記のオペレーションAA〜AKの各オペレーションはステップであってもよい。
【0102】
オペレーションAAでは、無線通信システム1の事前設定が行われる。図20は、事前設定処理AAの説明図である。なお、他の実施の態様においては、下記のオペレーションBA〜BEの各オペレーションはステップであってもよい。
【0103】
オペレーションBAにおいて、図5の基地局装置5の記憶部33に記憶されるハンドオーバ判定条件テーブル42にハンドオーバ判定条件が設定される。ハンドオーバ判定条件の設定例は、図8のハンドオーバ判定条件テーブル42に示す通りとする。また、ハンドオーバ判定条件にて使用される境界区間の位置の位置情報と、各境界区間を挟むセルの識別子が、記憶部33に記憶される位置情報テーブル43に設定される。位置情報テーブル43の設定例は、図9の位置情報テーブル43に示す通りとする。
【0104】
オペレーションBBにおいて、記憶部33に記憶されるトラヒック変動判定条件テーブル44にトラヒック変動判定条件が設定される。トラヒック変動判定条件の設定例は、図10のトラヒック変動判定条件テーブル44に示す通りとする。
【0105】
オペレーションBCにおいて、図12のチャネル割り当て装置6の記憶部73に記憶される隣接関係テーブル83に、各セルC0〜Cmに関する第1方向隣接セル及び第2方向隣接セルが設定される。隣接関係テーブル83の設定例は、図15の隣接関係テーブル83に示す通りとする。
【0106】
オペレーションBDにおいて、記憶部73に記憶される優先順位テーブル84に、各周波数帯域f1〜f5を各セルC0〜Cmに割り当てる優先順位を設定する。優先順位テーブル84の設定例は、図16の優先順位テーブル84に示す通りとする。
【0107】
オペレーションBEにおいて、各セルについて設定されるセルグループの設定情報であるセルグループ設定情報85を記憶部73に記憶する。本実施例にて設定されるセルグループは、図17の(A)及び図17の(B)に例示したセルグループ200と同様である。セルグループ200は、セルグループ200が設定される対象セル201と、周辺セル202及び203と、対象セル201と周辺セル202に挟まれる中間セル204と、対象セル201と周辺セル203に挟まれる中間セル205の5つのセルを含む。
【0108】
図19を参照する。オペレーションABにおいて移動局装置4の運行情報送信部22は、運行情報21を基地局装置5へ送信する。基地局装置5の運行情報受信部50は、移動局装置4から運行情報21を受信し、運行情報21を移動局テーブル41に格納する。
【0109】
オペレーションACにおいて移動局装置4の位置情報送信部23は、位置測定部16により測定された位置を示す位置情報を基地局装置5へ送信する。基地局装置5の位置情報受信部52は、移動局装置4から送信された位置情報を受信する。位置情報受信部52は、受信した位置情報を移動局テーブル41に格納する。また位置情報受信部52は、受信した位置情報をハンドオーバ判定部55へ入力する。
【0110】
オペレーションADにおいて基地局装置5は、移動局装置4と基地局装置5との間の無線通信の受信強度を取得する。例えば、移動局装置4の受信電力送信部24は、受信電力測定部17により測定された受信電力を示す受信電力情報を基地局装置5へ送信する。基地局装置5の受信電力受信部51は、移動局装置4から送信された受信電力情報を受信する。受信電力受信部51は、受信した受信電力情報をハンドオーバ判定部55へ入力する。また、例えば受信電力測定部36は、移動局装置4と基地局装置5との間の無線通信の受信強度を測定し、測定された受信強度を示す受信電力情報をハンドオーバ判定部55へ入力する。
【0111】
オペレーションAEにおいて基地局装置5のトラヒック量情報送信部59は、トラヒック量測定部56により測定されたセルのトラヒック測定量を、チャネル割り当て装置6へ定期的に送信する。トラヒック測定量を受信したチャネル割り当て装置6のトラヒック量情報受信部90は、トラヒックテーブル81に記憶されているトラヒック測定量を、新たに受信したトラヒック測定量に更新する。
【0112】
オペレーションAFにおいて基地局装置5のハンドオーバ判定部55、トラヒック変動判定部57、及び再割り当て要求部58は、各セルへの周波数帯域の再割り当て処理を行うか否かの判定を行う再割り当て要否判定処理を実行する。図21は、再割り当て要否判定処理AFの説明図である。なお、他の実施の態様においては、下記のオペレーションCA〜CGの各オペレーションはステップであってもよい。
【0113】
オペレーションCAにおいてハンドオーバ判定部55は、基地局装置5がカバーするセルにいるいずれかの移動局装置4が、ハンドオーバ判定条件を満足するか否かを判定する。いま、図22に示す通り移動体3としての列車A、B及びCがセルC1〜C5の区間に存在している場合を想定する。列車A、B及びCは、それぞれ路線名「○○線」の路線2のセルC1、C2及びセル5に存在しており、それぞれ上り方向、下り方向及び下り方向に向かって移動している。列車A内にある移動局装置4に設定される運行情報は路線名「○○線」及び線別「上り」となり、列車B及びC内にある移動局装置4に設定される運行情報は路線名「○○線」及び線別「下り」となる。
【0114】
セルC1には3つの周波数帯域f1〜f3が割り当てられており、セルC2には2つの周波数帯域f4及びf5が割り当てられており、セルC5には5つの周波数帯域f1〜f5が割り当てられている。セルC3及びC4には周波数帯域が割り当てられていない。隣接するC1及びC2には異なる周波数帯域が割り当てられることにより、セルC1及びC2間における干渉が低減されている。
【0115】
各セルC1〜C5におけるトラヒック量を図23に示す。各セルC1〜C5において、基地局装置5のトラヒック測定部56により測定されたトラヒック測定量は、それぞれ、50%、30%、0%、0%及び90%である。トラヒック測定量は、全周波数帯域f1〜f5に収容可能なトラヒック量に対する、各セルC1〜C5におけるトラヒック測定量の割合、すなわち使用率にて表される。
【0116】
列車B内にある移動局装置4が、セルC2からセルC3へハンドオーバする場合を想定する。移動局装置4がセルC2からセルC3へハンドオーバするとき、移動局装置4は、図7に示す区間B2にあり、かつ基地局装置5と移動局装置4との間の無線信号の受信強度が弱まって「−95dBm」より小さくなる。このため、図8に示すハンドオーバ判定条件B3がセルC2において満たされる(図21のオペレーションCA:Y)。
【0117】
ハンドオーバ判定条件が満たされると、ハンドオーバ判定部55は、処理をオペレーションCBへ移行し、ハンドオーバの開始を検出したのか、終了を検出したのかを判定する。ハンドオーバ判定条件B3はハンドオーバの開始の検出条件であるため(オペレーションCB:Y)、ハンドオーバ判定部55はハンドオーバの開始を再割り当て要求部58へ通知する。その後、処理はオペレーションCCへ移行する。
【0118】
オペレーションCCにおいて再割り当て要求部58は、ハンドオーバ判定条件を満足した移動局装置4のトラヒック測定量を移動局テーブル41から取得する。再割り当て要求部58は、取得したトラヒック量をハンドオーバ先のセルC3におけるトラヒック増加量として決定する。
【0119】
オペレーションCEにおいて再割り当て要求部58は、再割り当て要求信号をチャネル割り当て装置6へ送信する。このとき、再割り当て要求信号は、ハンドオーバによりトラヒック量が変動するセルC3を指定する情報と、ハンドオーバに伴ってこのセルC3で発生するトラヒック量の増加量を指定する情報とを含む。また再割り当て要求信号は、セルグループ200が設定される対象セルC3を指定する対象セル指定情報を含む。さらに、再割り当て要求信号は、基地局装置5がカバーするセル内にいずれかの移動局装置4が存在するか否かを示す情報を含む。その後、再割り当て要否判定処理AFが終了する。
【0120】
再割り当て要求信号は、チャネル割り当て装置6の再割り当て要求受信部91に受信される。再割り当て要求受信部91は、受信した再割り当て要求信号を割当チャネル決定部93へ出力する。また、再割り当て要求受信部91は、再割り当て要求信号に含まれる、トラヒック量が変動するセルを指定する情報と、トラヒックの変動量を指定する情報をトラヒック量算出部92に出力する。また、再割り当て要求受信部91は、各セルに移動局装置4が存在するか否かを示す情報を移動局テーブル82に格納する。
【0121】
図19を参照する。オペレーションAGにおいてチャネル割り当て装置6は、再割り当て要求信号が受信されたか否か、すなわち再割り当て要否判定処理AFにて再割り当て処理が必要であると判定されたか否かを判定する。再割り当て処理が必要でない場合(オペレーションAG:N)、その後のオペレーションAH〜AKは行われず、無線通信システム1の処理はオペレーションABへ戻る。再割り当て処理が必要である場合(オペレーションAG:Y)、処理はオペレーションAHへ移行する。
【0122】
オペレーションAHにおいてチャネル割り当て装置6のトラヒック量算出部92は、再割り当て要求受信部91から出力されたトラヒック量が変動するセルとこのセルにおけるトラヒックの変動量の指定情報を受信する。いま、トラヒック量が変動するセルC3であり、セルC3におけるトラヒックの変動量は、移動局装置4のハンドオーバに伴ってこのセルC3で増加したトラヒック量の増加量である。
【0123】
これらの指定情報とトラヒックテーブル81に記憶されたトラヒック測定量に従って、トラヒック量算出部92は、指定情報にて指定されたセルについて、トラヒック変動後に発生することが予定されるトラヒック測定量の予定量を決定する。トラヒック量算出部92は、指定情報にて指定されたセルについてトラヒックテーブル81に記憶されるトラヒック測定量を更新する。図24は、トラヒック量算出部92により更新された後のトラヒックテーブル81に記憶される各セルC1〜C5のトラヒック測定量の説明図である。移動局装置4のセルC2からセルC3へのハンドオーバに伴って、セルC3のトラヒック測定量が0%から30%に増加している。
【0124】
図19を参照する。オペレーションAIにおいて割当チャネル決定部93は、再割り当て要求信号に含まれる対象セル指定情報にて指定されたセルC3について設定されるセルグループ200内の各セルに対して周波数帯域を割り当てを行う、チャネル割り当て処理AIを実行する。図17の(A)に示す通り、セルC3について設定されるセルグループ200はセルC1〜C5を含む。
【0125】
図25は、第1チャネル割り当て処理AIにおける処理の第1例の説明図である。なお、他の実施の態様においては、下記のオペレーションDA〜DJの各オペレーションはステップであってもよい。
【0126】
オペレーションDAにおいてチャネル数パターン検索部101は、セルグループ200の各セルC1〜C5に割り当てる周波数帯域の割り当て数の組み合わせパターンの全てパターンの中から、次の(条件A1)を満たす周波数帯域の割り当て数の組み合わせパターンを選択する。(条件A1)は、「周辺セル202及び203にて割り当てられる周波数帯域が増加しない」という条件である。
【0127】
オペレーションDBにおいてチャネル数パターン検索部101は、オペレーションDAにおいて選択された組み合わせパターンの中から、次の(条件A2)を満たす組み合わせパターンを選択する。(条件A2)は、「トラヒック測定量の予定量がゼロでないセルや移動局装置4が存在しているセルには、すくなくとも1つ以上の周波数帯域を割り当てる」という条件である。
【0128】
オペレーションDCにおいてチャネル数パターン検索部101は、オペレーションDBにおいて選択された組み合わせパターンの中から、次の(条件A3)を満たす組み合わせパターンを選択する。(条件A3)は、「各セルには、そのセルのトラヒック測定量の予定量を収容できる周波数帯域数よりも多い周波数帯域を割り当てない」という条件である。
【0129】
オペレーションDDにおいてチャネル数パターン検索部101は、オペレーションDCにおいて選択された組み合わせパターンの中から、次の(条件A4)を満たす組み合わせパターンを選択する。(条件A4)は、「2つの隣接セルに割り当てる周波数帯域数の合計が、割り当て可能な周波数帯域の最大数5を超えない」という条件である。
【0130】
オペレーションDA〜DDにおいてチャネル数パターン検索部101が選択した周波数帯域の割り当て数の組み合わせパターンの例を図26に示す。組み合わせパターン1では、セルC1〜C5にそれぞれ3、3、2、0及び5個の周波数帯域が割り当てられる。組み合わせパターン2では、セルC1〜C5にそれぞれ3、2、1、0及び5個の周波数帯域が割り当てられる。組み合わせパターン3では、セルC1〜C5にそれぞれ3、1、2、0及び5個の周波数帯域が割り当てられる。
【0131】
図22に示す、ハンドオーバ前の各セルへの割り当て数と比較すると、周辺セルC1及びC5に割り当てる周波数帯域数は変わらないので、組み合わせパターン1〜3はいずれも(条件A1)を満たしている。また図24に示す各セルのトラヒック測定量と比べると、トラヒック測定量が0でないセルC1、C2、C3及びC5に少なくとも1つの周波数帯域が割り当てられているので、組み合わせパターン1〜3はいずれも(条件A2)を満たしている。
【0132】
次に、1つの周波数帯域が収容できるトラヒック量は、各セルC1〜C5に割り当て可能な全周波数帯域f1〜f5に収容できるトラヒック量の20%である。このため、図24に示す各セルC1〜C5のトラヒック測定量を収容できる周波数帯域の最小数は、それぞれ3、2、2、0及び5個となる。組み合わせパターン1〜3によって割り当てられる周波数帯域の割り当て数はこれらの最小数を超えないから、組み合わせパターン1〜3はいずれも(条件A3)を満たしている。組み合わせパターン1〜3において隣接セルに割り当てられる周波数帯域の割り当て数は、割り当て可能な周波数帯域f1〜f5の数「5」を超えないから、組み合わせパターン1〜3はいずれも(条件A4)を満たしている。
【0133】
図25を参照する。第1不足量算出部102は、チャネル数パターン検索部101が選択した各組み合わせパターンPi(i=1〜k)について、オペレーションDE〜DHを繰り返す。
【0134】
オペレーションDFにおいて第1不足量算出部102は、組み合わせパターンPiについて、上記の式(1)により与えられる所定の不足量ΔTijを、各セルC1〜C5について算出する。各組み合わせパターンについての不足量ΔTijを図27に示す。組み合わせパターン1では、いずれのセルC1〜C5においても不足量はゼロである。組み合わせパターン2では、セルC3の不足量が−10%であり、他のセルでは不足量Δは0%である。組み合わせパターン3では、セルC2の不足量が−10%であり、他のセルでは不足量はゼロである。
【0135】
オペレーションDGにおいて第1不足量算出部102は、上記の式(2)により与えられる、組み合わせパターンPi毎の不足量ΔTijの合計Difiを算出する。組み合わせパターン1では不足量の合計は0%であり、組み合わせパターン2及び3では不足量の合計は−10%である。
【0136】
オペレーションDIにおいてチャネル数パターン選択部103は、組み合わせパターンPi毎の合計Difiが最も少ない組み合わせパターンを選択する。不足量の合計が最も少ないのは組み合わせパターン1であるから、チャネル数パターン選択部103は、組み合わせパターン1を選択する。
【0137】
オペレーションDJにおいてチャネル分配部104は、各セルC1〜C5に対して、チャネル数パターン選択部103が選択した組み合わせパターン1により指定される数の周波数帯域を、優先順位テーブル84に記憶される優先順位の順序で選ぶ。セルC1に割り当てられる周波数帯域の数は3であり、セルC1に割り当てる際の各周波数帯域の優先順位はf1、f2、f3、f4及びf5の順に高い。したがって、セルC1には、周波数帯域f1〜f3が割り当てられる。
【0138】
セルC2に割り当てられる周波数帯域の数は2であり、セルC2に割り当てる際の各周波数帯域の優先順位はf5、f4、f3、f2及びf1の順に高い。したがって、セルC2には、周波数帯域f4及びf5が割り当てられる。セルC3に割り当てられる周波数帯域の数は2であり、セルC3に割り当てる際の各周波数帯域の優先順位はf1、f2、f3、f4及びf5の順に高い。したがって、セルC3には、周波数帯域f1及びf2が割り当てられる。セルC5に割り当てられる周波数帯域の数は5であるため、セルC5には、周波数帯域f1〜f5が割り当てられる。周波数の割り当て結果を図28に示す。
【0139】
図19を参照する。オペレーションAJにおいて割当チャネル決定部93は、セルグループ200内の各セルにそれぞれ割り当てた周波数帯域を示す割当チャネル情報を、割当チャネル情報送信部94へ出力する。割当チャネル情報送信部94は、割当チャネル決定部93から受信した割当チャネル情報を基地局装置5へ送信する。
【0140】
オペレーションAKにおいて基地局装置5の割当チャネル情報受信部60は、チャネル割り当て装置6から送信された割当チャネル情報を受信する。第1通信部34は、移動局装置4との通信に使用する使用帯域を、受信した割当チャネル情報に指定される周波数帯域へ変更する。
【0141】
(2)ハンドオーバ判定部55がハンドオーバの終了を検出する場合
次に、列車Bにある移動局装置4が、セルC2からセルC3へのハンドオーバを終了する場合を想定する。図19のオペレーションAA〜AEまで、ハンドオーバの開始を検出する(1)の場合と同様の処理が行われる。
【0142】
再割り当て要否判定処理AFにおける、図21のオペレーションCAにおいてハンドオーバ判定部55は、基地局装置5がカバーするセルにいるいずれかの移動局装置4が、ハンドオーバ判定条件を満足するか否かを判定する。
【0143】
移動局装置4がセルC2からセルC3へハンドオーバするとき、移動局装置4は、図7に示す区間B2にあり、かつセルC3をカバーする基地局装置5と移動局装置4との間の無線信号の受信強度が強くなって「−90dBm」より大きくなる。このため、図8に示すハンドオーバ判定条件B4がセルC3において満たされる(オペレーションCA:Y)。
【0144】
ハンドオーバ判定条件が満たされると、ハンドオーバ判定部55は、処理をオペレーションCBへ移行し、ハンドオーバの開始を検出したのか、終了を検出したのかを判定する。ハンドオーバ判定条件B4はハンドオーバの終了の検出条件であるため(オペレーションCB:N)、ハンドオーバ判定部55はハンドオーバの終了を再割り当て要求部58へ通知する。その後、処理はオペレーションCDへ移行する。
【0145】
オペレーションCDにおいて再割り当て要求部58は、ハンドオーバ判定条件を満足した移動局装置4のトラヒック測定量を移動局テーブル41から取得する。再割り当て要求部58は、取得したトラヒック量をハンドオーバ元のセルC2におけるトラヒック減少量として決定する。
【0146】
オペレーションCEにおいて再割り当て要求部58は、再割り当て要求信号をチャネル割り当て装置6へ送信する。このとき、再割り当て要求信号は、ハンドオーバによりトラヒック量が変動するセルC2を指定する情報と、ハンドオーバに伴ってこのセルC2で発生するトラヒック量の減少量を指定する情報とを含む。また再割り当て要求信号は、セルグループ200が設定される対象セルC3を指定する対象セル指定情報を含む。さらに、再割り当て要求信号は、基地局装置5がカバーするセル内にいずれかの移動局装置4が存在するか否かを示す情報を含む。その後、再割り当て要否判定処理AFが終了する。
【0147】
その後の処理は、ハンドオーバの開始を検出する(1)の場合の処理と同様である。周波数の割り当て結果を図29に示す。移動局装置4がセルC2からセルC3へハンドオーバしたことにより、セルC2にて発生するトラヒックがなくなり、またセルC2内の移動端末装置4が存在しなくなる。この結果セルC2に割り当てられる周波数帯域が無くなる。
【0148】
(3)トラヒック変動判定条件が満たされたと基地局装置5のトラヒック変動判定部57が判定する場合
次に、列車Bにある移動局装置4によりセルC3において発生するトラヒック量が、変動する場合を想定する。変動した各セルのトラヒック測定量を図30に示す。セルC3のトラヒック測定量が、図24の場合のトラヒック測定量30%と比べて、70%まで増加したと想定する。現在割り当てられている各セルC1〜C5の周波数帯域は、図29に示す通りであり、セルC3への周波数割り当て数は2であると想定する。
【0149】
図19のオペレーションAA〜AEまで、ハンドオーバを検出する(1)及び(2)の場合と同様の処理が行われる。再割り当て要否判定処理AFにおける、図21のオペレーションCAにおいてハンドオーバ判定部55は、基地局装置5がカバーするセルにいるいずれかの移動局装置4が、ハンドオーバ判定条件を満足するか否かを判定する。(3)の場合は、いずれの移動局装置4もハンドオーバを行っていないため(オペレーションCA:N)、処理はオペレーションCFへ移行する。
【0150】
オペレーションCFにおいて基地局装置5のトラヒック変動判定部57は、各セルC1〜C5への現在の周波数帯域の割当数とトラヒック測定量に応じて、トラヒック変動条件判定テーブル44に記憶されたトラヒック変動条件が満たされるか否かを判定する。いま、セルC3への周波数割り当て数は2である。また、セルC3のトラヒック測定量は、図10に示すトラヒック変動判定条件における周波数帯域の割り当て数が2のときの増加要求条件「45%」よりも大きい70%である。このためトラヒック変動判定部57は、セルC3についてトラヒック変動条件が満たされたと判定する(オペレーションCF:Y)。その後、トラヒック変動判定部57は、処理をオペレーションCGへ移行する。
【0151】
オペレーションCGにおいて基地局装置5のトラヒック変動判定部57は、セルC3についてトラヒック変動条件が満たされたことを再割り当て要求部58へ通知する。再割り当て要求部58は、トラヒック変動判定条件を満たしたセルC3へ割り当てる周波数帯域を変更するための、再割り当て要求信号をチャネル割り当て装置6へ送信する。再割り当て要求信号は、セルC3を指定する情報と、このセルC3でのトラヒック量の変動量とを指定する情報を含む。また再割り当て要求信号は、セルグループ200が設定される対象セルC3を指定する対象セル指定情報を含む。その後、再割り当て要否判定処理AFが終了する。
【0152】
その後の処理は、ハンドオーバの開始を検出する(1)の場合の処理と同様である。図25のオペレーションDA〜DDにおいてチャネル数パターン検索部101が選択した周波数帯域の割り当て数の組み合わせパターンの例を図31に示す。
【0153】
組み合わせパターン1では、セルC1〜C5にそれぞれ3、0、1、0及び5個の周波数帯域が割り当てられる。組み合わせパターン2では、セルC1〜C5にそれぞれ3、0、2、0及び5個の周波数帯域が割り当てられる。組み合わせパターン3では、セルC1〜C5にそれぞれ3、0、3、0及び5個の周波数帯域が割り当てられる。組み合わせパターン4では、セルC1〜C5にそれぞれ3、0、4、0及び5個の周波数帯域が割り当てられる。
【0154】
オペレーションDFにおいて第1不足量算出部102は、各組み合わせパターンPiについて、上記の式(1)により与えられる所定の不足量ΔTijを、各セルC1〜C5毎に算出する。各組み合わせパターンについての不足量ΔTijを図32に示す。
【0155】
組み合わせパターン1では、セルC3の不足量が−50%であり他のセルはゼロである。組み合わせパターン2では、セルC3の不足量が−30%であり、他のセルでは不足量は0%である。組み合わせパターン3では、セルC3の不足量が−10%であり、他のセルでは不足量はゼロである。組み合わせパターン4では、いずれのセルC1〜C5においても不足量はゼロである。
【0156】
オペレーションDGにおいて第1不足量算出部102は、上記の式(2)により与えられる、組み合わせパターンPi毎の不足量ΔTijの合計Difiを算出する。組み合わせパターン1〜4における不足量の合計は、それぞれ−50%、−30%、−10%呼び0%である。
【0157】
オペレーションDIにおいてチャネル数パターン選択部103は、組み合わせパターンPi毎の合計Difiが最も少ない組み合わせパターン4を選択する。オペレーションDJにおいてチャネル分配部104は、各セルC1〜C5に対して、チャネル数パターン選択部103が選択した組み合わせパターン4により指定される数の周波数帯域を、優先順位テーブル84に記憶される優先順位の順序で選ぶ。周波数の割り当て結果を図33に示す。
【0158】
(4)それ以外の場合
ハンドオーバが検出されず、トラヒック変動判定条件が満たされない場合の処理を以下に説明する。図19のオペレーションAA〜AEまで、(1)〜(3)の場合と同様の処理が行われる。再割り当て要否判定処理AFにおける、図21のオペレーションCAでは、ハンドオーバ判定条件が満たされないから(オペレーションCA:N)、処理はオペレーションCFへ移行する。
【0159】
オペレーションCFにおいて、トラヒック変動判定条件が満たされないから(オペレーションCF:N)、そのまま再割り当て要否判定処理AFが終了する。図19のオペレーションAGでは、再割り当て処理が必要でないと判定され(オペレーションAG:N)、無線通信システム1の処理はオペレーションABへ戻る。
【0160】
本実施例によれば、ハンドオーバが発生する場合には、基地局装置5のハンドオーバ判定部55によってハンドオーバの発生及びハンドオーバ先のセルを判定することができる。このため、ハンドオーバにより到来する移動局装置に備えて、各セルに少なくとも1つの通信用の周波数帯域を予め準備しておく必要がないため、周波数帯域の利用効率が向上する。
【0161】
本実施例では、基地局装置5と、基地局装置5のセル内に存在する移動局装置4との間の無線信号の受信強度に従ってハンドオーバの発生を検出する。すなわち、測定用の無線信号は、セル内の移動局装置4によって受信される信号であれば足りる。このため、ハンドオーバ処理用にセル外の移動局装置4にて受信する制御用信号のために、特に周波数帯域を割り当てる必要がないので、周波数帯域の利用効率が向上する。
【0162】
本実施例では、隣接セルへ割り当てる周波数帯域が重複しないように各セルへ周波数帯域を割り当てる周波数帯域の組み合わせパターンを検索する際に、検索範囲を、所定個の連続セルを含むセルグループの各セルに割り当てる組み合わせパターンに限定する。この結果、検索対象のパターンの母集団が小さくなるので、計算量が軽減される。
【0163】
本実施例では、上記(条件A1)に示すように、セルグループの両端にある周辺セルにて割り当てられる周波数帯域が増加しない組み合わせパターンが検索される。この結果、セルグループの両端にある周辺セルには新たな周波数帯域が割り当てられないので、周辺セルには、セルグループの外側にある隣接セルの使用帯域に重複しないよう周波数帯域を割り当てることができる。このような周波数帯域の割り当て処理を行うことにより、組み合わせパターンの検索範囲をセルグループに割り当てるパターンに限定しても、セルグループの境界の隣接セルにおいて割り当て周波数帯域が重複する不都合を回避することができる。
【0164】
本実施例では、セルグループの各セルに割り当てる周波数帯域の組み合わせパターンを検索する際に、周波数帯域の割り当て数の組み合わせパターンを検索し、前記セルに割り当てるチャネルの優先順位に従って、各セルに割り当てる周波数帯域を決定する。周波数帯域そのものの組み合わせのパターン数よりも、周波数帯域の割り当て数の組み合わせのパターン数の方が少ないから、上記処理によってさらに計算数を軽減することができる。
【0165】
図34の(A)及び図34の(B)は、セルグループ200の第2例の設定例の説明図である。セルグループ200に周辺セル202及び203を設け、上記(条件A1)を満たす組み合わせパターンを検索することにより、セルグループの境界の隣接セルにおいて割り当て周波数帯域が重複する不都合を回避することができる。
【0166】
図34の(A)に示すような、対象セル201とその両側に隣接する周辺セル202及び203を含んだセルグループ200であれば、上記の効果を奏することができる。したがって、セルグループ200は、3つの連続セルによって構成することができる。
【0167】
上記(条件A1)によれば、周辺セル202及び203に割り当てる周波数帯域数を増加させることができない。このため、図34の(B)に示すように、対象セル201と、周辺セル202及び/又は203との間に少なくとも1つの中間セル204を設けてよい。中間セル204を設けることによって、対象セル201について設定されたセルグループ200を用いて組み合わせパターンの検索を行う際に、対象セル201で減らした周波数帯域を中間セル204に割り当てる組み合わせパターンを選択することが可能となる。
【0168】
以上の説明では、2つの隣接セルに割り当てる周波数帯域が重複しないように各セルへ周波数帯域を割り当てる実施例について説明した。以下では、連続する(L+1)個のセルに割り当てる周波数帯域が重複しないように各セルへ周波数帯域を割り当てる実施例について説明する。所定数「L」は、周辺セル202又は203のそれぞれのセル数を定める、上述の第1所定数Lである。
【0169】
図35は、実施例としてのチャネル割り当て装置の第2構成例のブロック図である。図18に記載した第1構成例と同じ構成要素については、同一の参照符号を付する。参照符号105はチャネルパターン検索部を示し、参照符号106は第2不足量算出部を示し、参照符号107はチャネルパターン選択部を示す。割当チャネル決定部93は、チャネルパターン検索部105と、第2不足量算出部106と、チャネルパターン選択部107を備える。
【0170】
図12に示すCPU71が制御プログラム80を実行することによって、チャネルパターン検索部105、第2不足量算出部106、及びチャネルパターン選択部107により行われる各処理が実行される。
【0171】
図36の(A)〜図36の(C)は、セルグループの第3例の設定例の説明図である。連続する(L+1)個の隣接セルに割り当てる周波数帯域が重複しないように各セルへ周波数帯域を割り当てる場合には、図36の(A)に示すように、各周辺セル202及び203のセル数がそれぞれL個以上であればよい。周辺セル202及び203へ新たな周波数低域を割り当てないように周波数帯域の割り当てを決定すれば、セルグループの境界の隣接セルにおいて割り当て周波数帯域が重複する不都合を回避することができる。図36の(A)のセルグループ200の例では、対象セル201と周辺セル202との間にx個の中間セル204を含み、対象セル201と周辺セル205との間にy個の中間セル204を含む。
【0172】
例えば、図36の(B)は、連続する3個の隣接セルに割り当てる周波数帯域が重複しないように各セルへ周波数帯域を割り当てる際に使用できるセルグループ200の例であり、周辺セル202及び203のそれぞれのセル数は2である。また図36の(C)は、連続する4個の隣接セルに割り当てる周波数帯域が重複しないように各セルへ周波数帯域を割り当てる際に使用できるセルグループ200の例であり、周辺セル202及び203のそれぞれのセル数は3である。
【0173】
図35を参照する。割当チャネル決定部93のチャネルパターン検索部105は、セルグループ200内の各セルにそれぞれ割り当てる周波数帯域の組み合わせをそれぞれ示す、組み合わせパターンを検索する。このときチャネルパターン検索部105は、上記A2及びA3、並びに後述の条件B1及びB4を全て満足する組み合わせパターンを検索する。
【0174】
第2不足量算出部106は、チャネルパターン検索部105により発見された複数の組み合わせパターンPi(i=1〜k)のそれぞれについて、上記の式(1)により与えられる所定の不足量ΔTijを、セルグループ200内のセル毎に算出する。但し、ここではCapijは、組み合わせパターンPiにおいてセルグループ200内の第j番目のセルに割り当てられた周波数帯域に収容できるトラヒック量である。
【0175】
第2不足量算出部106は、上記の式(2)により与えられる、組み合わせパターンPi毎の所定の不足量ΔTijの合計Difiを算出する。チャネルパターン選択部107は、組み合わせパターンPi毎の合計Difiが最も少ない組み合わせパターンを、各セルにそれぞれ割り当てる周波数帯域の組み合わせとして選択する。
【0176】
以下、チャネル割り当て装置6の第2構成例によって実行される、図19のチャネル割り当て処理AIについて説明する。図37は、チャネル割り当て処理AIにおける処理の第2例の説明図である。なお、他の実施の態様においては、下記のオペレーションEA〜EIの各オペレーションはステップであってもよい。
【0177】
いまセルグループ200は、セルC0〜C6を含む7つの連続セルであり、セルC3が対象セル、セルC0、C1、C5及びC6が周辺セルである想定する。現在の周波数帯域の割り当て状態を図38に示す。
【0178】
セルC0には2つの周波数帯域f4及びf5が割り当てられており、セルC1には2つの周波数帯域f1及びf2が割り当てられており、セルC2には1つの周波数帯域f3が割り当てられており、セルC3には周波数帯域が割り当てられていない。また、セルC4には1つの周波数帯域f5が割り当てられており、セルC5には2つの周波数帯域f3及びf4が割り当てられており、セル6には2つの周波数帯域f1及びf2が割り当てられている。
【0179】
また、トラヒックテーブル81に記憶された、各セルC0〜C6におけるトラヒック測定量を図39に示す。各セルC0〜C6において測定されたトラヒック測定量は、それぞれ、40%、30%、20%、60%、10%、40%及び30%である。トラヒック測定量は使用率にて表される。
【0180】
図37のオペレーションEAにおいてチャネルパターン検索部105は、セルグループ200の各セルC1〜C5に割り当てる周波数帯域の割り当て数の組み合わせパターンの全てパターンの中から、次の(条件B1)を満たす周波数帯域の割り当て数の組み合わせパターンを選択する。(条件B1)は、「周辺セル202及び203にて新たな周波数帯域が追加して割り当てられない」という条件である。
【0181】
オペレーションEBにおいてチャネルパターン検索部105は、オペレーションEAにおいて選択された組み合わせパターンの中から、上記の(条件A2)と同様の条件を満たす組み合わせパターンを選択する。オペレーションECにおいてチャネルパターン検索部105は、オペレーションECにおいて選択された組み合わせパターンの中から、上記の(条件A3)と同様の条件を満たす組み合わせパターンを選択する。
【0182】
オペレーションEDにおいてチャネルパターン検索部105は、オペレーションECにおいて選択された組み合わせパターンの中から、次の(条件B4)を満たす組み合わせパターンを選択する。(条件B4)は、「(L+1)個の連続セルにおいて、同じ周波数帯域を割り当てない」という条件である。本説明の例では、周辺セルのセル数Lは2個であるから、(条件B4)は、「3個の連続セルにおいて、同じ周波数帯域を割り当てない」という条件になる。
【0183】
オペレーションEA〜EDにおいてチャネルパターン検索部105が選択した周波数帯域の割り当て数の組み合わせパターンの例を図40に示す。例えば、組み合わせパターン1では、セルC0に周波数帯域f4及びf5が割り当てられ、セルC1に周波数帯域f1が割り当てられ、セルC2に周波数帯域f3が割り当てられ、セルC3に周波数帯域f2が割り当てられる。また、セルC4に周波数帯域f5が割り当てられ、セルC5に周波数帯域f3及びf4が割り当てられ、セルC6に周波数帯域f1及びf2が割り当てられる。
【0184】
図38に示す割り当て状態と比較すると、いずれのパターン1〜3においても、周辺セルC0、C1、C5及びC6に新たな周波数帯域が割り当てられていないので、これらのパターンはいずれも(条件B1)を満たす。また図39に示す各セルのトラヒック測定量と比べると、トラヒック測定量が0でないセルC0〜C6に少なくとも1つの周波数帯域が割り当てられているので、組み合わせパターン1〜3はいずれも(条件A2)を満たしている。
【0185】
図39に示す各セルC0〜C6のトラヒック測定量を収容できる周波数帯域の最小数は、それぞれ2、2、1、3、1、2及び2個となる。組み合わせパターン1〜3によって割り当てられる周波数帯域の割り当て数はこれらの最小数を超えないから、組み合わせパターン1〜3はいずれも(条件A3)を満たしている。組み合わせパターン1〜3において3つの連続セルに同じ周波数帯域が割り当てられていないから、組み合わせパターン1〜3はいずれも(条件B4)を満たしている。
【0186】
図37を参照する。第2不足量算出部106は、チャネルパターン検索部105が選択した各組み合わせパターンPi(i=1〜k)について、オペレーションEE〜EHを繰り返す。オペレーションEFにおいて第2不足量算出部106は、組み合わせパターンPiについて、上記の式(1)により与えられる所定の不足量ΔTijを、各セルC0〜C6について算出する。各組み合わせパターンについての不足量ΔTijを図41に示す。組み合わせパターン1では、セルC0〜C6における不足量は、それぞれ0%、−10%、0%、−40%、0%、0%及び0%である。組み合わせパターン2では、セルC0〜C6における不足量は、それぞれ−20%、0%、0%、−40%、0%、−20%及び0%である。組み合わせパターン3では、セルC0〜C6における不足量は、それぞれ0%、−10%、0%、0%、0%、−20%及び−10%である。
【0187】
オペレーションEGにおいて第2不足量算出部106は、上記の式(2)により与えられる、組み合わせパターンPi毎の不足量ΔTijの合計Difiを算出する。組み合わせパターン1では不足量の合計は−50%であり、組み合わせパターン2では不足量の合計は−80%であり、組み合わせパターン3では不足量の合計は−40%である。
【0188】
オペレーションEIにおいてチャネルパターン選択部107は、組み合わせパターンPi毎の合計Difiが最も少ない組み合わせパターンを選択する。不足量の合計が最も少ないのは組み合わせパターン3であるから、チャネルパターン選択部107は、組み合わせパターン3を選択する。この結果、セルC0には周波数帯域f4及びf5が割り当てられ、セルC1には周波数帯域f1が割り当てられ、セルC2には周波数帯域f3が割り当てられる。また、セルC3には周波数帯域f2、f4及びf5が割り当てられ、セルC4には周波数帯域f1が割り当てられ、セルC5には周波数帯域f3が割り当てられ、セルC6には周波数帯域f2が割り当てられる。
【0189】
本実施例によれば、3個以上の連続する複数セルにて同じ周波数帯域を使用しないように、周波数帯域の割り当てを決定することができる。
【0190】
なお、上述の構成はあくまで一つの実施例の例であって、実施例は、上述の構成例に限定されるものではない。例えば、他の実施例においては、図11の基地局装置5が備えるハンドオーバ判定部55、トラヒック量測定部56、トラヒック変動判定部57及び再割り当て要求部58が行う処理の一部又は全部を、チャネル割り当て装置6が実行してよい。このためチャネル割り当て装置6は、移動局装置4が送信する運行情報、受信電力情報、位置情報及びトラヒック要求の一部又は全部を、基地局装置5を経由して受信してよい。また、チャネル割り当て装置6は、移動局テーブル41、ハンドオーバ判定条件テーブル42、位置情報テーブル43及びトラヒック変動判定条件テーブル44の一部又は全部を、記憶部73に記憶してよい。
【0191】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0192】
(付記1)
サービスエリアが複数のセルに分割され、各通信毎に無線チャネルを割り当てる多元接続方式により基地局装置と移動局装置とが通信する通信システムで使用される前記基地局装置であって、
前記移動局装置と共に所定の路線上を移動する移動体の前記所定の路線上における移動方向を示す情報を含んだ運行情報、前記移動局装置の位置情報、及び前記移動局装置と前記基地局装置との間の無線通信の受信強度に基づいて、前記移動局装置のハンドオーバ先のセルを決定するセル決定手段、
を備える基地局装置。
【0193】
(付記2)
付記1に記載の基地局装置と前記移動局装置とが各前記セルにて通信するために使用する前記無線チャネルを、各前記セルにそれぞれ割り当てるチャネル割り当て装置であって、
前記所定の路線は、前記セルが前記所定の路線に沿って一列に並べられた区間を有し、
前記チャネル割り当て装置は、
前記無線チャネルの割り当ての変更を行う前記セルである対象セルと、前記対象セルの両側にそれぞれ第1所定数L個ずつ配置されたセルである周辺セル(Lは自然数)と、を含んだ(2×L+1)個以上の連続セルを含むセルグループの各セルに対して、それぞれ割り当てられる無線チャネルの組み合わせパターンを検索するパターン検索手段を備え、
前記パターン検索手段は、2以上(L+1)以下の整数である第2所定数M個の連続セルに同じ無線チャネルが割り当てられない組み合わせパターンを検索する、
前記チャネル割り当て装置。
【0194】
(付記3)
付記2に記載のチャネル割り当て装置であって、
前記パターン検索手段により発見された複数の組み合わせパターンのそれぞれについて、前記セルグループの各セルにおいて予定されるトラヒック予定量に対する、前記組み合わせパターンにより前記セルグループの各セルにそれぞれ割り当てられる無線チャネルが収容できるトラヒック量の不足量を算出する不足量算出手段と、
前記組み合わせパターン毎の前記不足量の合計値に応じて、前記複数の組み合わせパターンのいずれかを選択するパターン選択手段と、
を備えるチャネル割り当て装置。
【0195】
(付記4)
前記対象セルは、前記セル決定手段により決定されたハンドオーバ先のセルであり、
前記対象セルにおいて予定される前記トラヒック予定量は、前記移動局装置が前記対象セルへハンドオーバすることによって増加したトラヒック量の予定量である、付記3に記載のチャネル割り当て装置。
【0196】
(付記5)
前記対象セルは、前記セル決定手段により決定されたハンドオーバ先のセルであり、
前記移動局装置が前記対象セルへハンドオーバするハンドオーバ元の隣接セルにおいて予定される前記トラヒック予定量は、前記移動局装置が前記対象セルへハンドオーバすることによって減少したトラヒック量の予定量である、付記3に記載のチャネル割り当て装置。
【0197】
(付記6)
前記基地局装置は、前記セルにおけるトラヒックの変動を検出するトラヒック変動検出手段を備え、
前記対象セルは、前記トラヒック変動検出手段によりトラヒック変動が検出されたセルであり、
前記移動局装置が前記対象セルにおいて予定される前記トラヒック予定量は、前記移動局装置が前記対象セルにおいて生じたトラヒックの変動によって変動したトラヒック量の予定量である、付記3に記載のチャネル割り当て装置。
【0198】
(付記7)
付記2に記載のチャネル割り当て装置であって、
前記パターン検索手段は、前記周辺セルへ新たな無線チャネルが割り当てられない無線チャネルの組み合わせパターンを検索する、チャネル割り当て装置。
【0199】
(付記8)
付記7に記載のチャネル割り当て装置であって、
前記セルグループの前記対象セルと前記周辺セルとの間に1つ以上のセルが配置されるチャネル割り当て装置。
【0200】
(付記9)
付記2に記載のチャネル割り当て装置であって、
前記パターン検索手段は、
前記セルグループの各セルに対してそれぞれ割り当てる無線チャネル数の組み合わせパターンを検索するチャネル数パターン検索手段と、
前記セルグループの各セルについて、前記セルに割り当てる無線チャネルの優先順位を記憶する記憶手段と、
前記セルグループの各セルについて、前記チャネル数パターン検索手段により発見された前記無線チャネル数の組み合わせパターンにより指定される数の無線チャネルを前記優先順位の順序で選び、選んだ無線チャネルを各前記セルへ分配する分配手段と、を備え、
前記チャネル数パターン検索手段は、隣接する2個のセルに割り当てる無線チャネルの数が第3所定数Nを超えない無線チャネル数の組み合わせパターンを検索する、チャネル割り当て装置。
【0201】
(付記10)
付記1に記載の基地局装置と通信を行う前記移動局装置であって、
前記運行情報を記憶する記憶手段と、
前記移動局装置の位置を測定する測位手段と、
前記運行情報、及び測定した前記移動局装置の位置を示す位置情報を前記移動局装置へ送信する送信手段と、
を備える移動局装置。
【0202】
(付記11)
サービスエリアが複数のセルに分割され、各通信毎に無線チャネルを割り当てる多元接続方式により基地局装置と移動局装置とが通信する通信システムであって、
前記移動局装置と共に所定の路線上を移動する移動体の前記所定の路線上における移動方向を示す情報を含んだ運行情報、前記移動局装置の位置情報、及び前記移動局装置と前記基地局装置との間の無線通信の受信強度に基づいて、前記移動局装置のハンドオーバ先のセルを決定するセル決定手段、
を備える通信システム。
【0203】
(付記12)
付記11に記載の通信システムであって、
前記所定の路線は、前記セルが前記所定の路線に沿って一列に並べられた区間を有し、
各前記セルに、前記セルにおける前記基地局装置と前記移動局装置との間の通信に使用される前記無線チャネルがそれぞれ割り当てられ、
前記通信システムは、
前記無線チャネルの割り当ての変更を行う前記セルである対象セルと、前記対象セルの両側にそれぞれ第1所定数L個ずつ配置されたセルである周辺セル(Lは自然数)と、を含んだ(2×L+1)個以上の連続セルを含むセルグループの各セルに対して、それぞれ割り当てられる無線チャネルの組み合わせパターンを検索するパターン検索手段を備え、
前記パターン検索手段は、2以上(L+1)以下の整数である第2所定数M個の連続セルに同じ無線チャネルが割り当てられない組み合わせパターンを検索する、
を備える通信システム。
【0204】
(付記13)
付記12に記載の通信システムであって、
前記パターン検索手段により発見された複数の組み合わせパターンのそれぞれについて、前記セルグループの各セルにおいて予定されるトラヒック予定量に対する、前記組み合わせパターンにより前記セルグループの各セルにそれぞれ割り当てられる無線チャネルが収容できるトラヒック量の不足量を算出する不足量算出手段と、
前記組み合わせパターン毎の前記不足量の合計値に応じて、前記複数の組み合わせパターンのいずれかを選択するパターン選択手段と、
を備える通信システム。
【0205】
(付記14)
サービスエリアが複数のセルに分割され、各通信毎に無線チャネルを割り当てる多元接続方式により基地局装置と移動局装置とが通信する無線通信方法であって、
前記移動局装置と共に所定の路線上を移動する移動体の前記所定の路線上における移動方向を示す情報を含んだ運行情報、前記移動局装置の位置情報、及び前記移動局装置と前記基地局装置との間の無線通信の受信強度に基づいて、前記移動局装置のハンドオーバ先のセルを決定する、無線通信方法。
【0206】
(付記15)
付記14に記載の無線通信方法であって、
前記所定の路線は、前記セルが前記所定の路線に沿って一列に並べられた区間を有し、
各前記セルに、前記セルにおける前記基地局装置と前記移動局装置との間の通信に使用される前記無線チャネルがそれぞれ割り当てられ、
前記通信方法は、
前記無線チャネルの割り当ての変更を行う前記セルである対象セルと、前記対象セルの両側にそれぞれ第1所定数L個ずつ配置されたセルである周辺セル(Lは自然数)と、を含んだ(2×L+1)個以上の連続セルを含むセルグループの各セルに対して、それぞれ割り当てられる無線チャネルの組み合わせパターンを検索する検索処理を行い、
前記検索処理において、2以上(L+1)以下の整数である第2所定数M個の連続セルに同じ無線チャネルが割り当てられない組み合わせパターンを検索する、無線通信方法。
【0207】
(付記16)
付記15に記載の無線通信方法であって、
前記検索処理により発見された複数の組み合わせパターンのそれぞれについて、前記セルグループの各セルにおいて予定されるトラヒック予定量に対する、前記組み合わせパターンにより前記セルグループの各セルにそれぞれ割り当てられる無線チャネルが収容できるトラヒック量の不足量を算出し、
前記組み合わせパターン毎の前記不足量の合計値に応じて、前記複数の組み合わせパターンのいずれかを選択する、無線通信方法。
【符号の説明】
【0208】
1 無線通信システム
2 路線
3 移動体
4 移動局装置
5、5−0、5−1…5−n 基地局装置
6 チャネル割り当て装置
7 基地局制御装置
8 ネットワーク
55 ハンドオーバ決定部
C0、C1〜C6、Cm セル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスエリアが複数のセルに分割され、各通信毎に無線チャネルを割り当てる多元接続方式により基地局装置と移動局装置とが通信する通信システムで使用される前記基地局装置であって、
前記移動局装置と共に所定の路線上を移動する移動体の前記所定の路線上における移動方向を示す情報を含んだ運行情報、前記移動局装置の位置情報、及び前記移動局装置と前記基地局装置との間の無線通信の受信強度に基づいて、前記移動局装置のハンドオーバ先のセルを決定するセル決定手段、
を備える基地局装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基地局装置と前記移動局装置とが各前記セルにて通信するために使用する前記無線チャネルを、各前記セルにそれぞれ割り当てるチャネル割り当て装置であって、
前記所定の路線は、前記セルが前記所定の路線に沿って一列に並べられた区間を有し、
前記チャネル割り当て装置は、
前記無線チャネルの割り当ての変更を行う前記セルである対象セルと、前記対象セルの両側にそれぞれ第1所定数L個ずつ配置されたセルである周辺セル(Lは自然数)と、を含んだ(2×L+1)個以上の連続セルを含むセルグループの各セルに対して、それぞれ割り当てられる無線チャネルの組み合わせパターンを検索するパターン検索手段を備え、
前記パターン検索手段は、2以上(L+1)以下の整数である第2所定数M個の連続セルに同じ無線チャネルが割り当てられない組み合わせパターンを検索する、
前記チャネル割り当て装置。
【請求項3】
請求項2に記載のチャネル割り当て装置であって、
前記パターン検索手段により発見された複数の組み合わせパターンのそれぞれについて、前記セルグループの各セルにおいて予定されるトラヒック予定量に対する、前記組み合わせパターンにより前記セルグループの各セルにそれぞれ割り当てられる無線チャネルが収容できるトラヒック量の不足量を算出する不足量算出手段と、
前記組み合わせパターン毎の前記不足量の合計値に応じて、前記複数の組み合わせパターンのいずれかを選択するパターン選択手段と、
を備えるチャネル割り当て装置。
【請求項4】
請求項2に記載のチャネル割り当て装置であって、
前記パターン検索手段は、前記周辺セルへ新たな無線チャネルが割り当てられない無線チャネルの組み合わせパターンを検索する、チャネル割り当て装置。
【請求項5】
請求項1に記載の基地局装置と通信を行う前記移動局装置であって、
前記運行情報を記憶する記憶手段と、
前記移動局装置の位置を測定する測位手段と、
前記運行情報、及び測定した前記移動局装置の位置を示す位置情報を前記移動局装置へ送信する送信手段と、
を備える移動局装置。
【請求項6】
サービスエリアが複数のセルに分割され、各通信毎に無線チャネルを割り当てる多元接続方式により基地局装置と移動局装置とが通信する通信システムであって、
前記移動局装置と共に所定の路線上を移動する移動体の前記所定の路線上における移動方向を示す情報を含んだ運行情報、前記移動局装置の位置情報、及び前記移動局装置と前記基地局装置との間の無線通信の受信強度に基づいて、前記移動局装置のハンドオーバ先のセルを決定するセル決定手段、
を備える通信システム。
【請求項7】
サービスエリアが複数のセルに分割され、各通信毎に無線チャネルを割り当てる多元接続方式により基地局装置と移動局装置とが通信する無線通信方法であって、
前記移動局装置と共に所定の路線上を移動する移動体の前記所定の路線上における移動方向を示す情報を含んだ運行情報、前記移動局装置の位置情報、及び前記移動局装置と前記基地局装置との間の無線通信の受信強度に基づいて、前記移動局装置のハンドオーバ先のセルを決定する、無線通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【公開番号】特開2010−239565(P2010−239565A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−87753(P2009−87753)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】