説明

基地局装置および無線局装置

【課題】プローブ情報を効率的に収集することを課題とする。
【解決手段】基地局装置は、当該基地局装置の通信領域に新たに車両が進入すると、当該車両によって送信される車載機IDを管理し、プローブ情報を収集する場合に、当該プローブ情報に含まれる情報であって、重点的にプローブ情報を収集したい指定エリアに在圏しているか否かを示すエリアフラグに基づいて、指定エリアに在圏する車両に対して十分なリソースを短い送信間隔で割り当てて、非指定エリアに在圏する車両に対して指定エリアのリソース以外のリソースを車両台数に応じた長い送信間隔で割り当てることによりプローブ情報を収集する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置および無線局装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、交差点や特定区域などにおける交通状況を把握するために、通行中の車両からプローブ情報を収集する技術として、例えば、ナビゲーションシステムや信号制御のアプリケーションなどがある。
【0003】
具体的には、ナビゲーションシステムでは、携帯電話機やPHS(Personal Handy phone System)などを用いて、車両によって生成された走行履歴情報(プローブ情報)を数分〜数十分に1回の間隔でセンタに収集して分析し、最新の道路情報や最適移動経路などを車両に配信する。
【0004】
また、信号制御のアプリケーションでは、ある程度長い時間間隔でプローブ情報を収集すれば良いナビゲーションシステムとは異なり、収集されたプローブ情報をリアルタイムにフィードバックさせることが重要となる。そして、交通状況の変化をリアルタイムに把握するためには、プローブ情報の収集周期を短くする必要があるものの、利用できる無線リソースが限られているため、車両の通行台数が多くなると帯域が不足してしまう。
【0005】
そこで、最近では、通行中の車両において、リソースを特に必要とする車両に対して優先的に通信帯域を割り当てたり、基地局がカバーする通信エリア内の車両台数が増えた場合でも、基地局が使用する無線ゾーンの周波数自体をそれぞれ変更したりすることにより帯域を有効利用する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−224505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来技術では、プローブ情報を効率的に収集することができないという課題がある。具体的には、上述した従来技術を適用する場合に、路側に設置したカメラ画像などから車両を特定し、プローブ情報を重点的に収集したい箇所の車両に多くのリソースを割り当てたり、車両の通行台数に応じて基地局の使用周波数帯を変更したりする仕組みを簡便に導入することが困難である。そして、様々な仕組みを導入することにより処理が複雑になる結果、上述した従来技術では、プローブ情報を効率的に収集することができない。
【0008】
そこで、上述した従来技術の課題を解決するために、本発明は、プローブ情報を効率的に収集することが可能である基地局装置および無線局装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、無線通信可能な無線局装置から通知された現在位置情報に基づいて、当該無線局装置の現在位置が予め定められている領域内であるか否かを判定する領域判定手段と、前記領域判定手段によって前記領域内であると判定された場合に、自装置が利用する無線帯に含まれる第一の時間帯を第一の時間間隔で、前記無線局装置が使用する無線時間領域に割り当てる第一の時間帯割当手段と、前記領域判定手段によって前記領域内ではないと判定された場合に、自装置が利用する無線帯に含まれる前記第一の時間帯以外の時間帯である第二の時間帯を前記無線局装置の数に応じて前記第一の時間間隔よりも長い第二の時間間隔で、前記無線局装置が使用する無線時間領域に割り当てる第二の時間帯割当手段と、を有することを要件とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、プローブ情報を効率的に収集することが可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明に係る基地局装置の概要を説明するための図である。
【図2】図2は、実施例1に係る基地局装置の構成例を示す図である。
【図3】図3は、エリア制御部によって保持および制御される地理的情報の例を示す図である。
【図4】図4は、指定エリア内車載機制御部によって保持および制御される情報の例を示す図である。
【図5】図5は、指定エリア内車載機制御部によって保持および制御される情報の例を示す図である。
【図6】図6は、非指定エリア内車載機制御部によって保持および制御される情報の例を示す図である。
【図7】図7は、非指定エリア内車載機制御部によって保持および制御される情報の例を示す図である。
【図8】図8は、通信リソース制御部によって保持および制御される情報の例を示す図である。
【図9】図9は、実施例1に係るフレームのデータ構造の例を説明するための図である。
【図10】図10は、実施例1に係るリソース割当処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】図11は、実施例1に係るメッセージ処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】図12は、実施例1に係る通信リソース制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】図13は、アタッチ、デタッチされるキューのイメージを示す図である。
【図14】図14は、実施例1に係る車載機における処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】図15は、実施例2に係る車載機の構成例を示す図である。
【図16】図16は、実施例2に係るリソース選択処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】図17は、実施例2に係る指定エリア情報の例を示す図である。
【図18】図18は、実施例2に係る車載機における処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】図19は、実施例3に係るフレームのデータ構造の例を説明するための図である。
【図20】図20は、時間帯割当プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【図21】図21は、時間帯選択プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る基地局装置および無線局装置の実施例を説明する。なお、以下の実施例により本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0013】
開示する基地局装置は、例えば、図1に示すように、当該基地局装置の通信領域であって、プローブ情報を重点的に収集する指定エリアと、当該指定エリア以外の非指定エリアとを通行する車両に搭載される車載機からプローブ情報を収集し、収集されたプローブ情報をサーバに対して転送する。なお、図1は、本発明に係る基地局装置の概要を説明するための図である。
【0014】
また、車載機とは、無線通信可能な装置であって、例えば、ナビゲーションシステムや携帯端末装置などである。また、以下では、収集するプローブ情報が車両情報である(車載機を用いた)例を説明するが、人や物などの移動体の情報、すなわちプローブ情報の用途によっては様々な情報がある。
【0015】
上述した構成において、基地局装置は、無線通信可能な無線局装置から通知された現在位置情報に基づいて、当該無線局装置の現在位置が予め定められている領域内であるか否かを判定する。そして、基地局装置は、領域内であると判定された場合に、自装置が利用する無線帯に含まれる第一の時間帯を第一の時間間隔で、無線局装置が使用する無線時間領域に割り当てる。また、基地局装置は、領域内ではないと判定された場合に、自装置が利用する無線帯に含まれる第一の時間帯以外の時間帯である第二の時間帯を無線局装置の数に応じて第一の時間間隔よりも長い第二の時間間隔で、無線局装置が使用する無線時間領域に割り当てる。
【0016】
具体的に説明すると、車載機は、図1の(1)に示すように、GPS(Global Positioning System)衛星などから継続して信号を受信し、自車両の位置を測位する。また、基地局装置は、当該基地局装置の通信領域に在圏する車両に対して指定エリア情報を含む信号を継続して発信している。また、車載機は、指定エリア情報を含む信号を基地局装置から受信する。続いて、車載機は、予め定められている車載機IDを含むリンク確立要求を基地局装置に対して送信する。
【0017】
また、基地局装置は、当該基地局装置の通信領域に新たに車両が進入したことを認識し、車載機IDを含むリンク確立応答を車載機に送信する。そして、基地局装置は、リソースの割当情報を車載機に送信する。この時、車載機は、基地局装置から受信した指定エリア情報の地理的情報により、自車両が非指定エリアに在圏していることを認識すると、自らリソース要求を送信せずに、基地局装置からリソースが割り当てられるのを待つ。なお、例えば、非指定エリアで利用できるリソースは、指定エリアのリソース以外のリソース(残りのリソース)であり、当該リソースが割り当てられる送信間隔は、指定エリアの送信間隔よりも長い若しくは同じになる。
【0018】
また、車載機は、基地局装置から送信されたリソースの割当情報を用いて、自車両が非指定エリアに在圏していることを示すエリアフラグ「OFF」を含む自車両情報を基地局装置に送信する。また、基地局装置は、車載機から受信した車両情報をサーバに送信する。要するに、車載機が非指定エリアに在圏している間(図1の(1)参照)は、非指定エリアにおいて利用できるリソースと、リソース割当の送信間隔とに従って車両情報が送信される。
【0019】
次に、車載機は、図1の(2)に示すように、自車両が指定エリアに在圏することを認識すると、車載機IDを含むリソース割当要求を基地局装置に送信する。また、基地局装置は、車載機IDを含むリソース割当要求を受信すると、当該車載機IDを有する車載機に対してリソースの割当情報を送信する。なお、例えば、指定エリアで利用できるリソースは、非指定エリアのリソースと同様に予め定められており、当該リソースが割り当てられる送信間隔は、非指定エリアの送信間隔よりも短い若しくは同じになる。
【0020】
また、車載機は、基地局装置から送信されたリソースの割当情報を用いて、自車両が指定エリアに在圏していることを示すエリアフラグ「ON」を含む自車両情報を基地局装置に送信する。また、基地局装置は、車載機から受信した車両情報をサーバに送信する。要するに、車載機が指定エリアに在圏している間(図1の(2)参照)は、指定エリアにおいて利用できるリソースと、リソース割当の送信間隔とに従って車両情報が送信される。
【0021】
次に、基地局装置による指定エリアにおけるリソース割当を受信している状態において、車載機は、図1の(3)に示すように、自車両が非指定エリアに在圏することを認識すると、当該自車両が非指定エリアに在圏していることを示すエリアフラグ「OFF」を含む自車両情報を基地局装置に送信する。
【0022】
また、基地局装置は、車載機から受信した車両情報をサーバに送信する。そして、基地局装置は、非指定エリアに在圏する車載機に対して、当該非指定エリアに応じたリソース割当情報を送信する。要するに、車載機が指定エリアから非指定エリアに移動した場合(図1の(3)参照)は、非指定エリアにおいて利用できるリソースと、リソース割当の送信間隔とに従って車両情報が送信される。
【0023】
次に、車載機は、図1の(4)に示すように、基地局装置の通信領域から離脱する際に、車載機IDを含むリンク切断要求を基地局装置に対して送信する。また、リンク切断要求を受信した基地局装置は、該当する車載機IDを有する車載機をリソースの割当対象から除外して、当該車載機に対してリンク切断応答を送信する。
【0024】
つまり、基地局装置は、十分なリソースを割り当てる指定エリアと、当該指定エリアに割り当てるリソース以外のリソースを割り当てる非指定エリアとにおいて、各エリア内に存在することが予想される車両台数に応じて十分なリソースを割り当てるか(指定エリア)否か(非指定エリア)を決定するので、限られたリソースにおいても、プローブ情報を効率的に収集することができる。
【0025】
[基地局装置の構成]
次に、図2を用いて、実施例1に係る基地局装置の構成を説明する。図2は、実施例1に係る基地局装置の構成例を示す図である。
【0026】
図2に示すように、基地局装置100は、制御部110を有し、例えば、接続される無線通信可能な車載機などの無線局装置に対してリソースを割り当てるとともに、当該無線局装置から通知されるプローブ情報をサーバに送信する。
【0027】
制御部110は、制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有するとともに、特に、受信部111と、送信部112と、メッセージ処理部113と、エリア制御部114と、指定エリア内車載機制御部115と、非指定エリア内車載機制御部116と、通信リソース制御部117とを有し、これらによって種々の処理を実行する。
【0028】
受信部111は、例えば、車載機から送信されたリンク確立要求、リソース要求およびリンク切断要求などの各種メッセージと、車両情報などのプローブ情報を受信する。
【0029】
送信部112は、例えば、同期信号、リソース割当情報、リンク確立応答、リソース割当応答およびリンク切断応答などの各種メッセージや各種サービス情報を送信する。また、送信部112は、例えば、車載機からプローブ情報を受信した場合に、当該プローブ情報をサーバに対して送信する。
【0030】
メッセージ処理部113は、例えば、車載機に送信する各種メッセージの生成と、車載機から受信した各種メッセージの処理を行なう。具体的には、メッセージ処理部113は、車載機からのリンク確立要求やリンク切断要求などに従って、リンク確立およびリンク切断に要する処理を実施し、リンク確立応答やリンク切断応答のメッセージを生成する。
【0031】
また、メッセージ処理部113は、車載機からリソース要求を受信した際に、当該車載機を指定エリア内の車載機として管理するために、指定エリア内車載機制御部115に通知し、当該車載機が非指定エリアに在圏する場合に、当該車載機を非指定エリア内の車載機として管理するために、非指定エリア内車載機制御部116に通知する。また、メッセージ処理部113は、車載機から受信したプローブ情報をサーバに送信(転送)したり、サーバから受信した各種情報を車載機に送信(転送)したりする。
【0032】
エリア制御部114は、例えば、指定エリアと非指定エリアとに関する様々な情報を保持および制御する。具体的には、エリア制御部114は、基地局装置100の通信領域における地理的情報として、円形エリアである場合に、「指定エリアID」と、「中心の緯度・経度」と、「半径」とを保持する(図3参照)。図3では、指定エリアが円形である例を示しているが、当該指定エリアは、楕円や多角形などの円形とは異なる形状であっても良い。なお、図3は、エリア制御部114によって保持および制御される地理的情報の例を示す図である。
【0033】
また、エリア制御部114は、例えば、指定エリアと非指定エリアとに在圏する車載機に割り当て可能なリソース配分情報を保持および制御し、指定エリアに在圏する車載機に割り当てるリソースについては、観測された交通量などから当該指定エリアに存在する車両台数を予め求め、リソースを割り当てる周期に従い、必要となるリソースを見積もっておく。なお、非指定エリアの車載機に割り当てるリソースについては、所定量のリソースを確保しておく。
【0034】
また、指定エリアおよび非指定エリアに在圏する車載機にリソースを割り当てる時間間隔であるリソースを割り当てる周期は、指定エリアについては予め定めておき、非指定エリアについては車両台数に基づいて動的に決定される。例えば、指定エリアでは、車両台数が多い場合でも足りる程度のリソースとして100個のリソースが割り当てられており、車両台数が100台である場合には、全ての車両に対してリソースが割り当てられる。また、例えば、非指定エリアでは、リソースとして10個のリソースが割り当てられており、車両台数が100台である場合には、10台の車両に対してリソースが割り当てられて、残りの90台の車両はリソースが割り当てられるのを待つ状態(10回に1回の割合でリソースが割り当てられる)となる。要するに、指定エリアでは、十分なリソースが短い送信間隔で送信される。また、非指定エリアでは、指定エリア以外のリソースを利用し、リソースが割り当てられるのを待つ状態となっている車両台数に応じて、長い送信間隔で送信される。なお、送信間隔については、指定エリアの送信間隔を非指定エリアの送信間隔よりも短くする必要はないが、指定エリアが混雑し、非指定エリアが空いている状態において、非指定エリアに在圏する車両のプローブ情報の送信数が指定エリアに在圏する車両のプローブ情報の送信数を上回るのを防ぐために、指定エリアの送信間隔を非指定エリアの送信間隔よりも短くした方が好ましい。
【0035】
指定エリア内車載機制御部115は、例えば、指定エリアに在圏する車載機のIDを保持および制御する。具体的には、指定エリア内車載機制御部115は、図4に示すように、指定エリアを識別するエリアID毎に、各指定エリアに在圏する車載機IDおよび車載機それぞれにリソースを割り当てた時刻を保持する。なお、各指定エリアに在圏する車載機の数は、指定エリア毎に異なり、例えば、エリアID「1」の指定エリアには、車載機ID「2」および「5」、エリアID「2」の指定エリアには、車載機ID「1」の車載機が在圏している。また、図4は、指定エリア内車載機制御部115によって保持および制御される情報の例を示す図である。
【0036】
また、指定エリア内車載機制御部115によって保持および制御される情報は、図4に示した表形式のものではなく、キュー形式のものであっても良い。例えば、指定エリア内車載機制御部115は、図5に示すように、エリアID「1」の指定エリアに車載機IDが「2」およびリソース割当時刻が「t2」である車載機を管理し、当該車載機ID「2」の後には、車載機ID「5」の車載機が存在する(図示せず)。車載機をキュー形式で管理する場合に、各指定エリアに在圏する車載機の台数(キューの長さ)は、指定エリア毎に異なる。なお、図5は、指定エリア内車載機制御部115によって保持および制御される情報の例を示す図である。
【0037】
非指定エリア内車載機制御部116は、例えば、非指定エリアに在圏する車載機のIDを保持および制御する。具体的には、非指定エリア内車載機制御部116は、図6に示すように、非指定エリアを識別するエリアIDと、非指定エリアに在圏する車載機IDと、車載機それぞれにリソースを割り当てた時刻とを対応付けて保持する。なお、図6では、非指定エリアのエリアIDが「0」である場合を示しており、エリアID「0」の非指定エリアには、車載機ID「51」と「7」との車載機が在圏している。また、図6は、非指定エリア内車載機制御部116によって保持および制御される情報の例を示す図である。
【0038】
また、非指定エリア内車載機制御部116によって保持および制御される情報は、図6に示した表形式のものではなく、キュー形式のものであっても良い。例えば、非指定エリア内車載機制御部116は、図7に示すように、エリアID「0」の指定エリアに車載機IDが「51」およびリソース割当時刻が「t51」である車載機を管理し、当該車載機ID「51」の後には、車載機ID「7」の車載機が存在する(図示せず)。なお、図7は、非指定エリア内車載機制御部116によって保持および制御される情報の例を示す図である。
【0039】
通信リソース制御部117は、例えば、指定エリア内車載機制御部115および非指定エリア内車載機制御部116によって保持される車載機それぞれに割り当てるリソースを、エリア制御部114によって予め定められたリソース量に従って決定し、リソースの割り当て結果を反映したリソース割当情報を生成する。
【0040】
具体的には、通信リソース制御部117は、図8に示すように、エリアIDと決定したリソース数とを対応付けて管理し、指定エリアの地理的情報、リンク確立応答、リンク切断応答およびリソース割当応答などの各種制御メッセージと、プローブ情報の収集と、その他各種サービスとのそれぞれの用途に割り当て可能なリソース量を管理して、それぞれのリソース量に従ってリソースを割り当てる。なお、図8では、非指定エリアのエリアIDが「0」である場合を示しており、リソース数は、1フレーム内においてエリア毎にリソースを割り当て可能な車載機台数を表している。すなわち、1フレームでは、リソース数の総数「r0+r1+・・・+rn」台の車載機に対してリソースの割り当てが可能である。また、図8は、通信リソース制御部117によって保持および制御される情報の例を示す図である。
【0041】
ここで、図9を用いて、上述したフレームのデータ構造を説明する。図9は、実施例1に係るフレームのデータ構造の例を説明するための図である。
【0042】
例えば、図9に示すように、横軸を時間、縦軸を周波数とするフレームは、同期信号と、リソース割当情報と、下り通信用サブフレームと、上り通信用サブフレームとを含む。このフレームは、例えば、基地局装置100によって5msec周期で車載機に送信され、各車載機へのリソースの指定は、2秒間隔で行なわれる。すなわち、車載機は、送信されるフレームに自車両の車載機IDがある場合に、指定されるリソースを用いてプローブ情報を送信し、このリソースの指定(車載機IDが含まれるケース)は、2秒間隔である。
【0043】
同期信号は、フレームの先頭位置を示す信号であり、車載機は、当該同期信号に基づいて内部時刻を合わせる。また、リソース割当情報は、各車載機に対するリソースの割り当て状況を示しており、リソースの割り当て状況としては、少なくとも一つの車載機IDと車載機それぞれに割り当てられた下り或いは上りリソース情報とを含む。
【0044】
また、リソース情報は、車載機それぞれに割り当てられた時間領域(tm〜tn)と周波数領域(fi〜fj)との組で表される。なお、リソース情報は、図9に示した時間領域と周波数領域との組でなくても良く、例えば、時間領域のみ若しくは周波数領域のみであっても良い。また、車載機IDは、予め定められたIDではなく、ブロードキャスト用IDを設定しても良く、ブロードキャスト用IDが設定された場合には、全ての車載機にリソースが割り当てられる。
【0045】
また、下り通信用サブフレームと上り通信用サブフレームとは、基地局装置100と車載機との間の制御信号やプローブ情報などの送受信に利用されるリソースである。なお、上り通信用サブフレームの一部には、制御信号用のリソースとしてランダム・アクセス用リソースが定義されている。このランダム・アクセス用リソースは、全ての車載機によって共有され、制御信号であるリンク確立要求、リンク切断要求およびリソース要求などのメッセージの送信については、基地局装置100から車載機それぞれに対して個別のリソースが割り当てられることなく、車載機によって自律的に選択されたリソース(ランダム・アクセス)によりメッセージが送信される。
【0046】
なお、ここでは、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access:登録商標)におけるフレームの構造例を示したが、符号分割を用いるCDMA(Code Division Multiple Access)など、異なる無線通信方式を利用しても良い。
【0047】
[リソース割当処理フロー]
次に、図10を用いて、実施例1に係るリソース割当処理の流れを説明する。図10は、実施例1に係るリソース割当処理の流れを示すフローチャートである。なお、ここでは、通行する車両が非指定エリア、指定エリア、非指定エリア、そして基地局装置100の通信領域から外れる場合のリソース割当処理を説明する。
【0048】
例えば、図10に示すように、車載機は、GPS衛星などから継続して信号を受信し、自車両の位置を測位する(ステップS101)。また、基地局装置100は、当該基地局装置100の通信領域に在圏する車両に対して指定エリア情報を含む信号を継続して発信している(ステップS102)。なお、指定エリアを示す地理的情報は、システム運用者などによって予め決定される。
【0049】
また、車載機は、指定エリア情報を含む信号を基地局装置100から受信すると、予め定められている車載機IDを含むリンク確立要求を基地局装置100に対して送信する(ステップS103)。なお、車載機IDについては、予め定められたものではなく、基地局装置100の通信領域に車両が進入する度に動的に決定することとしても良い。
【0050】
また、基地局装置100は、車載機からのリンク確立要求により、当該基地局装置100の通信領域に新たに車両が進入したことを認識し、車載機IDを含むリンク確立応答を車載機に送信する(ステップS104)。そして、基地局装置100は、リソースの割当情報を車載機に送信する(ステップS105)。なお、リンク確立応答を受信した車載機は、基地局装置100から受信した指定エリア情報の地理的情報により、自車両が非指定エリアに在圏していることを認識すると、自らリソース要求を送信せずに、基地局装置100からリソースが割り当てられるのを待つ。また、基地局装置100は、車載機が非指定エリアに在圏することを認識すると、当該車載機の車載機IDを非指定エリアに在圏する車載機として管理する。
【0051】
そして、車載機は、基地局装置100から送信されたリソースの割当情報を用いて、自車両が非指定エリアに在圏していることを示すエリアフラグ「OFF」を含むプローブ情報を基地局装置100に対して送信する(ステップS106)。また、基地局装置100は、車載機から受信したプローブ情報をサーバに送信する(ステップS107)。
【0052】
次に、車載機は、自車両が指定エリアに在圏することを認識すると、車載機IDを含むリソース割当要求を基地局装置100に送信する(ステップS108)。また、基地局装置100は、車載機IDを含むリソース割当要求を受信すると、当該車載機IDを有する車載機を指定エリアに応じた短時間周期でのリソース割当対象として管理し、リソース割当応答を車載機に対して送信する(ステップS109)。そして、基地局装置100は、予め定められた短時間周期でリソースを割り当てて、リソースを割り当てたことを示すリソース割当情報を車載機に送信する(ステップS110)。
【0053】
また、車載機は、基地局装置100から送信されたリソースの割当情報を用いて、自車両が指定エリアに在圏していることを示すエリアフラグ「ON」を含むプローブ情報を基地局装置100に対して送信する(ステップS111)。また、基地局装置100は、車載機から受信したプローブ情報をサーバに送信する(ステップS112)。
【0054】
次に、基地局装置100によって指定エリアにおけるリソース割当を受信している状態において(ステップS113)、車載機は、自車両が非指定エリアに在圏することを認識すると、当該自車両が非指定エリアに在圏していることを示すエリアフラグ「OFF」を含むプローブ情報を基地局装置100に送信する(ステップS114)。
【0055】
また、基地局装置100は、車載機から受信したプローブ情報をサーバに送信する(ステップS115)。なお、非指定エリアに在圏していることを示すエリアフラグ「OFF」を含むプローブ情報を車載機から受信した基地局装置100は、当該車載機を非指定エリアに在圏する車載機として管理するとともに、非指定エリア用のリソースを割り当てたことを示すリソース割当情報を車載機に送信する(ステップS116)。
【0056】
次に、車載機は、基地局装置100の通信領域から離脱する際に、車載機IDを含むリンク解放要求(リンク切断要求)を基地局装置100に対して送信する(ステップS117)。また、リンク切断要求を受信した基地局装置100は、該当する車載機IDを有する車載機をリソースの割当対象から除外して、当該車載機に対してリンク解放応答(リンク切断応答)を送信する(ステップS118)。
【0057】
なお、ここでは、車載機が指定エリアからの離脱をフレームのヘッダ部などに定義されるフラグにより基地局装置100に通知する場合を説明したが、指定エリアの離脱を通知するための制御メッセージを用いたり、基地局装置100によって受信されるプローブ情報に含まれる車両の位置情報と指定エリアの地理的情報とを照合することによって基地局装置100により自律的に判定されるようにしたりしても良い。
【0058】
[メッセージ処理]
次に、図11を用いて、実施例1に係るメッセージ処理の流れを説明する。図11は、実施例1に係るメッセージ処理の流れを示すフローチャートである。
【0059】
図11に示すように、例えば、基地局装置100は、メッセージ種別がリンク確立要求である場合に(ステップS201,リンク確立要求)、当該リンク確立要求に含まれる車載機IDを非指定エリアに在圏する車載機として管理し、リンク確立応答を車載機に対して送信する(ステップS202)。
【0060】
また、例えば、基地局装置100は、メッセージ種別がリソース要求である場合に(ステップS201,リソース要求)、当該リソース要求に含まれる車載機IDを非指定エリアから指定エリアに在圏する車載機として管理を切り替えて、リソース割当応答を車載機に対して送信する(ステップS203)。
【0061】
また、例えば、基地局装置100は、メッセージ種別がリンク切断要求である場合に(ステップS201,リンク切断要求)、当該リンク切断要求に含まれる車載機IDを非指定エリア或いは指定エリアに在圏する車載機としての管理から除外して、リンク切断応答を車載機に対して送信する(ステップS204)。
【0062】
また、例えば、基地局装置100は、メッセージ種別がプローブ情報である場合に(ステップS201,プローブ情報)、当該プローブ情報に含まれる車載機IDの管理が最新の在圏エリアであるか否かを判定して、最新の在圏エリアでなければ情報を更新し、プローブ情報をサーバに対して送信する(ステップS205)。なお、在圏エリアが更新された場合には、当該在圏エリアに該当するリソースを割り当てる。
【0063】
[通信リソース制御処理]
次に、図12を用いて、実施例1に係る通信リソース制御処理の流れを説明する。図12は、実施例1に係る通信リソース制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0064】
例えば、図12に示すように、基地局装置100は、未割当のリソースが有る場合に(ステップS301肯定)、キューの先頭のアタッチ時刻が送信間隔を超過したか否かを判定する(ステップS302)。ここで、未割当のリソースとは、割り当てるリソース量よりもリソースを割り当てる車両台数が多い場合に現れるリソース割り当ての待ち状態となる車両があるか否かのことである。指定エリアにおいては、十分なリソース量を割り当てるようにするため、未割当のリソースはほぼ無い状態となる。
【0065】
また、例えば、フレームの送信間隔が5msecであり、車両の混雑がない状態である場合に、5msec間隔でリソースを割り当てたとしても、車両の移動距離が非常に短く、プローブ情報の変化が少なくなるので、100msecに一回などのある程度長い送信間隔でリソースを割り当てるようにする方が好ましく、送信間隔の超過の判定は、プローブ情報の最小送信間隔以上の時間が経過しているか否かを判定する処理である。
【0066】
そして、基地局装置100は、図13に示すキューの先頭のアタッチ時刻が送信間隔を超過している場合に(ステップS302肯定)、キューの先頭から車載機IDをデタッチする(ステップS303)。続いて、基地局装置100は、リソース割当情報を生成し、車載機にプローブ情報送信用の上り通信用リソースを割り当てる(ステップS304)。
【0067】
その後、基地局装置100は、リソースを割り当てた車載機のIDを図13に示すキューの最後尾にアタッチするとともに、リソースを割り当てた時刻情報を付与する(ステップS305)。また、基地局装置100は、未割当のリソースが無い場合(ステップS301否定)、または、送信間隔がプローブ情報の最小送信間隔未満である場合に(ステップS302否定)、フレームにおけるリソースの割り当てを完了し、生成されたリソース割当情報を車載機に送信する(ステップS306)。なお、図13は、アタッチ、デタッチされるキューのイメージを示す図である。
【0068】
[実施例1に係る車載機における処理]
次に、図14を用いて、実施例1に係る車載機における処理の流れを説明する。図14は、実施例1に係る車載機における処理の流れを示すフローチャートである。
【0069】
図14に示すように、例えば、車載機は、基地局装置100の通信領域(路車エリア)に進入した場合に(ステップS401肯定)、リンク確立要求を基地局装置100に対して送信する(ステップS402)。そして、車載機は、指定エリア情報に含まれる地理的情報と、GPS衛星などを用いた測位による自車位置情報とに基づいて、自車両が新たな指定エリアに進入したか否かを判定する(ステップS403)。
【0070】
続いて、車載機は、新たな指定エリアに進入した場合に(ステップS403肯定)、ランダム・アクセス用リソースを用いて、リソース要求を基地局装置100に対して送信する(ステップS404)。その後、車載機は、基地局装置100からリソース割当メッセージを受信し(ステップS405)、プローブ情報を生成して、生成されたプローブ情報を基地局装置100に対して送信する(ステップS406)。
【0071】
そして、車載機は、基地局装置100からの信号を受信しにくくなったり、地理的情報などに従って基地局装置100の通信領域から離脱したりする際に(ステップS407肯定)、当該基地局装置100に対してリンク切断要求を送信する(ステップS408)。なお、車載機は、基地局装置100の通信領域に在圏する場合に(ステップS407否定)、ステップS403の処理を実行する。
【0072】
また、車載機は、自車両が新たな指定エリアに進入していない場合に(ステップS403否定)、非指定エリアに在圏しているため、或いは、既にある指定エリアに在圏しており当該指定エリア進入時にステップS404でリソース要求を基地局装置100に送信済みであるため、基地局装置100からリソースが割り当てられるのを待つ(ステップS409)。そして、車載機は、リソースが割り当てられた場合に(ステップS409肯定)、ステップS406の処理を行い、リソースが割り当てられない場合に(ステップS409否定)、在圏エリアの確認としてステップS403を行なう。
【0073】
[実施例1による効果]
上述したように、基地局装置100は、車載機の現在位置が重点的にプローブ情報を収集したい指定エリアである場合に、十分に多いリソースである指定エリア用リソースを短い送信間隔で割り当てて、非指定エリアである場合に、指定エリア用リソース以外の非指定エリア用リソースを、車両台数に応じて長い送信間隔で割り当てるので、プローブ情報を効率的に収集することができる。
【実施例2】
【0074】
ところで、上記実施例1では、基地局装置がリソースを割り当てる場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、車載機がリソースを選択することもできる。なお、実施例2は、基地局装置によるリソース割り当てを必要としない、例えば、無線LAN(Local Area Network)などの無線通信方式に好適である。
【0075】
そこで、以下の実施例2では、図15〜図19を用いて、車載機がリソースを選択する場合について説明する。
【0076】
[車載機の構成]
まず、図15を用いて、実施例2に係る車載機の構成を説明する。図15は、実施例2に係る車載機の構成例を示す図である。
【0077】
図15に示すように、車載機150は、制御部160を有し、例えば、利用するリソースに従ってプローブ情報を送信する。具体的には、車載機150は、無線通信可能な基地局装置から通知された予め領域が定められている領域情報に基づいて、自装置の現在位置が予め定められている領域内であるか否かを判定する。そして、車載機150は、領域内であると判定された場合に、基地局装置から通知される領域内における時間帯群情報に基づいて、基地局装置が利用する無線帯に含まれる第一の時間帯を第一の時間間隔で、自装置が使用する無線時間領域として選択する。また、車載機150は、領域内ではないと判定された場合に、基地局装置から通知される領域外における時間帯群情報に基づいて、基地局装置が利用する無線帯に含まれる第一の時間帯以外の時間帯である第二の時間帯を第一の時間間隔よりも長い第二の時間間隔で、自装置が使用する無線時間領域として選択する。
【0078】
制御部160は、制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有するとともに、特に、受信部161と、送信部162と、測位処理部163と、エリア制御部164と、メッセージ処理部165とを有し、これらによって種々の処理を実行する。
【0079】
受信部161は、例えば、基地局装置から送信される信号を受信してメッセージ処理部165に通知する。また、送信部162は、例えば、メッセージ処理部165から通知される各種メッセージなどの信号を基地局装置に対して送信する。また、例えば、測位処理部163は、GPS衛星などからの信号を用いて自車両の位置を測位する。
【0080】
エリア制御部164は、例えば、指定エリアの地理的情報を管理する。また、エリア制御部164は、例えば、プローブ情報送信用のリソースを車載機150で自律的に選択する場合に、基地局装置から受信された指定エリアおよび非指定エリアの送信周期、利用可能なリソース群情報を管理する。
【0081】
また、エリア制御部164は、例えば、当該エリア制御部164によって保持される地理的情報と、測位処理部163によって測位された自車両の位置情報とに基づいて、当該自車両が指定エリアに在圏するか否かを判定する。なお、実施例2では、実施例1とは異なり、基地局装置によるリソース割当を行なわないため、必ずしもエリアフラグを設定する必要はない。
【0082】
メッセージ処理部165は、例えば、基地局装置に送信する各種メッセージの生成および基地局装置から送信された各種メッセージの処理を行なう。具体的には、メッセージ処理部165は、基地局装置とのリンクを確立或いは切断する場合に、リンク確立要求或いはリンク切断要求のメッセージを生成する。また、メッセージ処理部165は、リンク確立要求とリンク切断要求とに対する応答であるリンク確立応答とリンク切断応答とのメッセージを処理する。
【0083】
また、メッセージ処理部165は、プローブ情報を生成して送信部162に送信を依頼する。このプローブ情報は、例えば、測位処理部163によって測位された自車両位置(緯度、経度および高度など)、車速、加減速度、移動方向および各種車載装置(図示せず)の作動状態(ワイパーやウインカーなどのON/OFF状態など)などを含み、各種車載装置と接続されている。
【0084】
また、メッセージ処理部165は、エリア制御部164によって管理される送信周期やリソース群情報などに基づいて、プローブ情報送信用リソース群からリソースを選択する。
【0085】
[リソース選択処理]
次に、図16を用いて、実施例2に係るリソース選択処理の流れを説明する。図16は、実施例2に係るリソース選択処理の流れを示すフローチャートである。
【0086】
例えば、図16に示すように、車載機150は、GPS衛星などから継続して信号を受信し、自車両の位置を測位する(ステップS501)。また、基地局装置は、当該基地局装置の通信領域に在圏する車両に対して指定エリア情報を含む信号を継続して発信している(ステップS502)。なお、指定エリアを示す地理的情報は、システム運用者などによって予め決定される。
【0087】
また、指定エリア情報は、図17に示すように、指定エリアおよび非指定エリアに在圏する車両が使用可能なリソース群「t0〜tn」やプローブ情報の送信周期「p0〜pn」などを含んでいる。図17では、非指定エリアをエリアID「0」とし、指定エリアをエリアID「1」〜エリアID「n」として、車載機150は、自車両の在圏するエリアに割り当てられた時間内で、自律的にプローブ情報を送信する。また、図17における矢印は、非指定エリアに在圏する車載機群が割り当てられた時間「t0」〜「t1」においてプローブ情報を送信(送信周期は「p0」)する様子を示している。なお、図17は、実施例2に係る指定エリア情報の例を示す図である。
【0088】
また、車載機150は、車載機IDを含むリンク確立要求を基地局装置に対して送信する(ステップS503)。また、基地局装置は、当該基地局装置の通信領域に車載機150が新たに進入したことを認識すると、車載機150の車載機IDを含むリンク確立応答を車載機150に対して送信する(ステップS504)。
【0089】
また、車載機150は、自車両の位置情報と、基地局装置から通知された指定エリアの地理的情報とに基づいて、自車両が非指定エリアに在圏していることを認識すると、基地局装置から通知された非指定エリア用リソース群からプローブ情報を送信するためのリソースを選択し、選択されたリソースを用いてプローブ情報を基地局装置に対して送信する(ステップS505)。また、基地局装置は、車載機150から受信したプローブ情報をサーバに送信する(ステップS506)。なお、車載機150が非指定エリアに在圏している間は、基地局装置から通知された非指定エリア用のプローブ情報送信周期の経過の度にプローブ情報が送信される。
【0090】
次に、車載機150は、自車両の位置情報と、基地局装置から通知された指定エリアの地理的情報とに基づいて、自車両が指定エリアに在圏していることを認識すると、基地局装置から通知された指定エリア用リソース群からプローブ情報を送信するためのリソースを選択し、選択されたリソースを用いてプローブ情報を基地局装置に対して送信する(ステップS507)。また、基地局装置は、車載機150から受信したプローブ情報をサーバに送信する(ステップS508)。なお、車載機150が指定エリアに在圏している間は、基地局装置から通知された指定エリア用のプローブ情報送信周期の経過の度にプローブ情報が送信される。
【0091】
次に、車載機150は、自車両の位置情報と、基地局装置から通知された指定エリアの地理的情報とに基づいて、自車両が非指定エリアに在圏していることを認識すると、基地局装置から通知された非指定エリア用リソース群からプローブ情報を送信するためのリソースを選択し、選択されたリソースを用いてプローブ情報を基地局装置に対して送信する(ステップS509)。また、基地局装置は、車載機150から受信したプローブ情報をサーバに送信する(ステップS510)。
【0092】
次に、車載機150は、自車両の位置情報と、基地局装置から通知された指定エリアの地理的情報とに基づいて、自車両が基地局装置の通信領域から離脱する際に、リンク解放要求(リンク切断要求)を基地局装置に対して送信する(ステップS511)。また、基地局装置は、車載機150からリンク切断要求を受信すると、当該車載機150の車載機IDをリソース割当対象から除外して、リンク解放応答(リンク切断応答)を車載機150に対して送信する(ステップS512)。
【0093】
[実施例2に係る車載機における処理]
次に、図18を用いて、実施例2に係る車載機150における処理の流れを説明する。図18は、実施例2に係る車載機150における処理の流れを示すフローチャートである。
【0094】
例えば、図18に示すように、車載機150は、基地局装置から信号を正しく受信できるようになり、当該基地局装置の通信領域(路車エリア)に進入した場合に(ステップS601肯定)、リンク確立処理を実施して基地局装置とのリンクを確立する(ステップS602)。
【0095】
そして、車載機150は、指定エリア情報の地理的情報と測位された自車両の位置情報とに基づいて、自車両が指定エリアに在圏しているか否かを判定する(ステップS603)。続いて、車載機150は、自車両が指定エリアに在圏している場合に(ステップS603肯定)、基地局装置から通知された指定エリア用リソース群からプローブ情報の送信に使用するリソースを選択する(ステップS604)。
【0096】
その後、車載機150は、選択されたリソースを用いて、プローブ情報を基地局装置に対して送信する(ステップS605)。そして、車載機150は、基地局装置からの信号を受信しにくくなったり、地理的情報などに従って基地局装置の通信領域から離脱したりする際に(ステップS606肯定)、当該基地局装置に対してリンク切断要求を送信する(ステップS607)。なお、車載機150は、基地局装置の通信領域に在圏する場合に(ステップS606否定)、ステップS603の処理を実行する。
【0097】
また、車載機150は、自車両が非指定エリアに在圏している場合に(ステップS603否定)、基地局装置から通知された非指定エリア用リソース群から、プローブ情報の送信に使用するリソースを選択する(ステップS608)。
【0098】
なお、本実施例では、車載機と基地局装置とがリンクの確立(または切断)手続きを行なうようにしているが、車載機がプローブ情報をブロードキャストし、基地局装置によって当該プローブ情報を受信させるようにすることで、当該リンクの確立(または切断)手続きを省略しても良い。
【0099】
[実施例2による効果]
上述したように、車載機150は、当該車載機150の現在位置が重点的にプローブ情報を収集したい指定エリアである場合に、基地局装置から通知された指定エリア用リソースを選択し、非指定エリアである場合に、基地局装置から通知された非指定エリア用リソースを選択して、プローブ情報を送信するので、プローブ情報を効率的に収集することができる。
【実施例3】
【0100】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも
種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、(1)フレーム構成、(2)基地局装置と車載機との構成、(3)時間帯割当プログラム、(4)時間帯選択プログラム、において異なる実施例を説明する。
【0101】
(1)フレーム構成
上記実施例1および上記実施例2では、プローブ情報の情報源が車両(車載機)全般である場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特殊車両などにも実施することができる。
【0102】
特殊車両のプローブ情報を収集する場合には、例えば、指定エリア内に在圏するか否かに関わらず、予め決められた時間間隔でリソースを割り当てる。具体的には、基地局装置と車両(車載機)とのリンク確立要求時に、一般車両と特殊車両(緊急車両や公共交通車両など)との車載機種別情報を設定しておくことで、基地局装置に車種毎での車載機管理を可能とする。そして、利用されるフレームは、例えば、図19に示すように、特殊車両(特定車両)に対して上りリソースを予め確保しておき、基地局装置からリソースを割り当てる若しくは特殊車両自身でリソースを選択することにより実現する。なお、図19は、実施例3に係るフレームのデータ構造の例を説明するための図である。
【0103】
また、図19に示すように、非指定エリアを複数の小エリアに分割するとともに、当該非指定エリアに割り当てられたリソースを小エリアで分割する構成にしても良い。なお、この場合は、リソースの割り当てが各小エリア単位で行われることとなる。また、小エリアへの分割の適用については、例えば、システム運用者などによって決定される日時に応じて変更したり、観測された交通状況に応じて動的に変更したりしても良い。
【0104】
(2)基地局装置と車載機との構成
また、上記文書中や図面中などで示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメタなどを含む情報(例えば、「指定エリア」や「非指定エリア」の具体的名称など)については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0105】
また、図示した各装置の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は、図示のものに限られず、例えば、受信部111および送信部112、同様に、受信部161および送信部162を、各種メッセージなどを送受信する「送受信部」として統合するなど、その全部または一部を各種の負担や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0106】
(3)時間帯割当プログラム
ところで、上記実施例1では、ハードウェアロジックによって各種の処理を実現する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することによって実現するようにしても良い。そこで、以下では、図20を用いて、上記実施例に示した基地局装置100と同様の機能を有する時間帯割当プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図20は、時間帯割当プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【0107】
図20に示すように、基地局装置としてのコンピュータ11は、バス18で接続されるHDD13、CPU14、ROM15およびRAM16などを有する。
【0108】
ROM15には、上記実施例1に示した基地局装置100と同様の機能を発揮する時間帯割当プログラム、つまり、図20に示すように、領域判定プログラム15aと、第一の時間帯割当プログラム15bと、第二の時間帯割当プログラム15cとが、予め記憶されている。なお、これらのプログラム15a〜プログラム15cについては、図2に示した基地局装置100の各構成要素と同様、適宜統合または分散しても良い。
【0109】
そして、CPU14がこれらのプログラム15a〜プログラム15cをROM15から読み出して実行することで、図20に示すように、プログラム15a〜プログラム15cは、領域判定プロセス14aと、第一の時間帯割当プロセス14bと、第二の時間帯割当プロセス14cとして機能するようになる。なお、プロセス14a〜プロセス14cは、図2に示した、メッセージ処理部113と、エリア制御部114と、指定エリア内車載機制御部115と、非指定エリア内車載機制御部116と、通信リソース制御部117とに対応する。
【0110】
そして、CPU14はRAM16に記録されたデータに基づいて時間帯割当プログラムを実行する。
【0111】
なお、上記各プログラム15a〜プログラム15cについては、必ずしも最初からROM15に記憶させておく必要はなく、例えば、コンピュータ11に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」、またはコンピュータ11の内外に備えられるHDDなどの「固定用の物理媒体」、さらには公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ11に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などに各プログラムを記憶させておき、コンピュータ11がこれから各プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【0112】
(4)時間帯選択プログラム
また、上記実施例2では、ハードウェアロジックによって各種の処理を実現する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することによって実現するようにしても良い。そこで、以下では、図21を用いて、上記実施例に示した車載機150と同様の機能を有する時間帯選択プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図21は、時間帯選択プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【0113】
図21に示すように、車載機としてのコンピュータ22は、バス28で接続されるHDD23、CPU24、ROM25およびRAM26などを有する。
【0114】
ROM25には、上記実施例2に示した車載機150と同様の機能を発揮する時間帯選択プログラム、つまり、図21に示すように、領域判定プログラム25aと、第一の時間帯選択プログラム25bと、第二の時間帯選択プログラム25cとが、予め記憶されている。なお、これらのプログラム25a〜プログラム25cについては、図15に示した車載機150の各構成要素と同様、適宜統合または分散しても良い。
【0115】
そして、CPU24がこれらのプログラム25a〜プログラム25cをROM25から読み出して実行することで、図21に示すように、プログラム25a〜プログラム25cは、領域判定プロセス24aと、第一の時間帯選択プロセス24bと、第二の時間帯選択プロセス24cとして機能するようになる。なお、プロセス24a〜プロセス24cは、図15に示した、測位処理部163と、エリア制御部164と、メッセージ処理部165とに対応する。
【0116】
そして、CPU24はRAM26に記録されたデータに基づいて時間帯選択プログラムを実行する。
【0117】
なお、上記各プログラム25a〜プログラム25cについては、必ずしも最初からROM25に記憶させておく必要はなく、例えば、コンピュータ22に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」、またはコンピュータ22の内外に備えられるHDDなどの「固定用の物理媒体」、さらには公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ22に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などに各プログラムを記憶させておき、コンピュータ22がこれから各プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【0118】
以上の実施例1〜実施例3を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0119】
(付記1)無線通信可能な無線局装置から通知された現在位置情報に基づいて、当該無線局装置の現在位置が予め定められている領域内であるか否かを判定する領域判定手段と、
前記領域判定手段によって前記領域内であると判定された場合に、自装置が利用する無線帯に含まれる第一の時間帯を第一の時間間隔で、前記無線局装置が使用する無線時間領域に割り当てる第一の時間帯割当手段と、
前記領域判定手段によって前記領域内ではないと判定された場合に、自装置が利用する無線帯に含まれる前記第一の時間帯以外の時間帯である第二の時間帯を前記無線局装置の数に応じて前記第一の時間間隔よりも長い第二の時間間隔で、前記無線局装置が使用する無線時間領域に割り当てる第二の時間帯割当手段と、
を有することを特徴とする基地局装置。
【0120】
(付記2)前記領域判定手段は、前記無線局装置から時間帯割当要求を通知された場合に、前記無線局装置から通知された現在位置情報に基づいて、当該無線局装置の現在位置が予め定められている領域内であるか否かを判定することを特徴とする付記1に記載の基地局装置。
【0121】
(付記3)前記無線局装置が予め定められた特定装置である場合に、当該無線局装置に対して、優先して利用可能な時間帯を割り当てる時間帯優先割当手段をさらに有することを特徴とする付記1に記載の基地局装置。
【0122】
(付記4)前記無線局装置からリンク切断要求を受け付けた場合に、当該リンク切断要求に対するリンク切断応答を送信するリンク切断応答送信手段をさらに有することを特徴とする付記1〜付記3のいずれか一つに記載の基地局装置。
【0123】
(付記5)無線通信可能な基地局装置から通知された予め領域が定められている領域情報に基づいて、自装置の現在位置が予め定められている領域内であるか否かを判定する領域判定手段と、
前記領域判定手段によって前記領域内であると判定された場合に、前記基地局装置から通知される前記領域内における時間帯群情報に基づいて、前記基地局装置が利用する無線帯に含まれる第一の時間帯を第一の時間間隔で、自装置が使用する無線時間領域として選択する第一の時間帯選択手段と、
前記領域判定手段によって前記領域内ではないと判定された場合に、前記基地局装置から通知される前記領域外における時間帯群情報に基づいて、前記基地局装置が利用する無線帯に含まれる前記第一の時間帯以外の時間帯である第二の時間帯を前記第一の時間間隔よりも長い第二の時間間隔で、自装置が使用する無線時間領域として選択する第二の時間帯選択手段と、
を有することを特徴とする無線局装置。
【0124】
(付記6)前記領域判定手段は、自装置の現在位置が前記領域内であるか否かを継続して判定することを特徴とする付記5に記載の無線局装置。
【0125】
(付記7)自装置が予め定められた特定装置である場合に、優先して利用可能な時間帯を選択する時間帯優先選択手段をさらに有することを特徴とする付記5に記載の無線局装置。
【0126】
(付記8)前記領域内と領域外とを含む前記基地局装置の通信領域から自装置が外れる際に、リンク切断要求を前記基地局装置に対して送信するリンク切断要求送信手段をさらに有することを特徴とする付記5〜付記7のいずれか一つに記載の無線局装置。
【0127】
(付記9)無線通信可能な無線局装置から通知された現在位置情報に基づいて、当該無線局装置の現在位置が予め定められている領域内であるか否かを判定する領域判定手順と、
前記領域判定手順によって前記領域内であると判定された場合に、自装置が利用する無線帯に含まれる第一の時間帯を第一の時間間隔で、前記無線局装置が使用する無線時間領域に割り当てる第一の時間帯割当手順と、
前記領域判定手順によって前記領域内ではないと判定された場合に、自装置が利用する無線帯に含まれる前記第一の時間帯以外の時間帯である第二の時間帯を前記無線局装置の数に応じて前記第一の時間間隔よりも長い第二の時間間隔で、前記無線局装置が使用する無線時間領域に割り当てる第二の時間帯割当手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする時間帯割当プログラム。
【0128】
(付記10)無線通信可能な無線局装置から通知された現在位置情報に基づいて、当該無線局装置の現在位置が予め定められている領域内であるか否かを判定する領域判定工程と、
前記領域判定工程によって前記領域内であると判定された場合に、自装置が利用する無線帯に含まれる第一の時間帯を第一の時間間隔で、前記無線局装置が使用する無線時間領域に割り当てる第一の時間帯割当工程と、
前記領域判定工程によって前記領域内ではないと判定された場合に、自装置が利用する無線帯に含まれる前記第一の時間帯以外の時間帯である第二の時間帯を前記無線局装置の数に応じて前記第一の時間間隔よりも長い第二の時間間隔で、前記無線局装置が使用する無線時間領域に割り当てる第二の時間帯割当工程と、
を含んだことを特徴とする時間帯割当方法。
【0129】
(付記11)無線通信可能な基地局装置から通知された予め領域が定められている領域情報に基づいて、自装置の現在位置が予め定められている領域内であるか否かを判定する領域判定手順と、
前記領域判定手順によって前記領域内であると判定された場合に、前記基地局装置から通知される前記領域内における時間帯群情報に基づいて、前記基地局装置が利用する無線帯に含まれる第一の時間帯を第一の時間間隔で、自装置が使用する無線時間領域として選択する第一の時間帯選択手順と、
前記領域判定手順によって前記領域内ではないと判定された場合に、前記基地局装置から通知される前記領域外における時間帯群情報に基づいて、前記基地局装置が利用する無線帯に含まれる前記第一の時間帯以外の時間帯である第二の時間帯を前記第一の時間間隔よりも長い第二の時間間隔で、自装置が使用する無線時間領域として選択する第二の時間帯選択手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする時間帯選択プログラム。
【0130】
(付記12)無線通信可能な基地局装置から通知された予め領域が定められている領域情報に基づいて、自装置の現在位置が予め定められている領域内であるか否かを判定する領域判定工程と、
前記領域判定工程によって前記領域内であると判定された場合に、前記基地局装置から通知される前記領域内における時間帯群情報に基づいて、前記基地局装置が利用する無線帯に含まれる第一の時間帯を第一の時間間隔で、自装置が使用する無線時間領域として選択する第一の時間帯選択工程と、
前記領域判定工程によって前記領域内ではないと判定された場合に、前記基地局装置から通知される前記領域外における時間帯群情報に基づいて、前記基地局装置が利用する無線帯に含まれる前記第一の時間帯以外の時間帯である第二の時間帯を前記第一の時間間隔よりも長い第二の時間間隔で、自装置が使用する無線時間領域として選択する第二の時間帯選択工程と、
を含んだことを特徴とする時間帯選択方法。
【符号の説明】
【0131】
100 基地局装置
110 制御部
111 受信部
112 送信部
113 メッセージ処理部
114 エリア制御部
115 指定エリア内車載機制御部
116 非指定エリア内車載機制御部
117 通信リソース制御部
150 車載機
160 制御部
161 受信部
162 送信部
163 測位処理部
164 エリア制御部
165 メッセージ処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信可能な無線局装置から通知された現在位置情報に基づいて、当該無線局装置の現在位置が予め定められている領域内であるか否かを判定する領域判定手段と、
前記領域判定手段によって前記領域内であると判定された場合に、自装置が利用する無線帯に含まれる第一の時間帯を第一の時間間隔で、前記無線局装置が使用する無線時間領域に割り当てる第一の時間帯割当手段と、
前記領域判定手段によって前記領域内ではないと判定された場合に、自装置が利用する無線帯に含まれる前記第一の時間帯以外の時間帯である第二の時間帯を前記無線局装置の数に応じて前記第一の時間間隔よりも長い第二の時間間隔で、前記無線局装置が使用する無線時間領域に割り当てる第二の時間帯割当手段と、
を有することを特徴とする基地局装置。
【請求項2】
前記領域判定手段は、前記無線局装置から時間帯割当要求を通知された場合に、前記無線局装置から通知された現在位置情報に基づいて、当該無線局装置の現在位置が予め定められている領域内であるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
前記無線局装置が予め定められた特定装置である場合に、当該無線局装置に対して、優先して利用可能な時間帯を割り当てる時間帯優先割当手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項4】
無線通信可能な基地局装置から通知された予め領域が定められている領域情報に基づいて、自装置の現在位置が予め定められている領域内であるか否かを判定する領域判定手段と、
前記領域判定手段によって前記領域内であると判定された場合に、前記基地局装置から通知される前記領域内における時間帯群情報に基づいて、前記基地局装置が利用する無線帯に含まれる第一の時間帯を第一の時間間隔で、自装置が使用する無線時間領域として選択する第一の時間帯選択手段と、
前記領域判定手段によって前記領域内ではないと判定された場合に、前記基地局装置から通知される前記領域外における時間帯群情報に基づいて、前記基地局装置が利用する無線帯に含まれる前記第一の時間帯以外の時間帯である第二の時間帯を前記第一の時間間隔よりも長い第二の時間間隔で、自装置が使用する無線時間領域として選択する第二の時間帯選択手段と、
を有することを特徴とする無線局装置。
【請求項5】
前記領域判定手段は、自装置の現在位置が前記領域内であるか否かを継続して判定することを特徴とする請求項4に記載の無線局装置。
【請求項6】
自装置が予め定められた特定装置である場合に、優先して利用可能な時間帯を選択する時間帯優先選択手段をさらに有することを特徴とする請求項4に記載の無線局装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−178296(P2010−178296A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−21723(P2009−21723)
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】