基材結合用の発熱ワイヤ
発熱コード、フォイルまたはリボンが、まず個別の円形のワイヤをカバーガスのもとで構成材料から冷間引抜により製造される。冷間引抜工程により、酸化およびその他の異物がない清浄な表面が生じる。続いて、構成要素であるワイヤは、構成材料の間の密接な接触を示す一体的なコードを作製するため、まとめられてねじられ、冷間引抜、スエージ加工および/または摩擦溶接が行われる。一体的なコードは、直接使用されるか、または所望の形状および/または厚さにさらに成形されることが可能である。構成要素の断面の間の大きさの比率を制御することにより、発熱反応の特性に関して一定の制御を行うことが可能である。一体的なコードは成形されると、続く結合工程を補助するために、ろう付けおよび/または溶剤材料でコーティングされることが可能である。クロス構造を形成するために複数のコードが織られてまとめられることが可能である。発熱アセンブリは、たとえばシリンダヘッドをシリンダブロックの作動位置に固定するように、対向する面を恒久的に固定するためのガスケットの分野において適用可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本発明は、2005年4月4日に出願された米国仮出願第60/667,999号に対して優先権を主張する。
【0002】
発明の背景
発明の技術分野
本発明は、様々な用途の発熱材料の改良された成形方法、およびシリンダヘッドを内燃機関のブロックに対して恒久的に密閉させるために発熱材料を使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術
反応性の多層フォイルおよび塗装は、高温で制御された量の熱を平坦な領域内で発生させる必要がある用途において広く使用されている。このような構造は従来では、基材に支持される一連の層を備え、これは適切な励起により、この層で覆われる領域全体に広がる発熱化学反応を起こし、これにより正確に制御された量の熱を生成する。このような発熱化学材料は、特殊な溶接、はんだ付け、ろう付け用の熱源として特に有用である。しかしながら、これは、たとえば発火装置のプライマのような制御された局所的な熱の発生を要するその他の用途にも使用されることが可能である。
【0004】
反応性多層材料は、制御され、一貫した発熱で、発熱反応を可能にする。このような反応の基本となるのは、原子結合エネルギーの低減である。反応材料が点火されると、個々の層が原子的に混ざり局所的に熱を発する。この熱は、構造の隣接する領域を燃やし、これにより構造の全長に渡って反応が伝わり、材料全体が反応するまで熱を発生させる。
【0005】
反応塗装以外にも、冷間圧延により独立の反応層を開発する努力がなされてきた。ニッケル−アルミニウム多層反応フォイルは、NiおよびAlの二層板を冷間圧延し、次いで繰り返し手動での折畳み加工、および繰り返し冷間圧延が行われることにより形成されてきた。第1の二層板のストリップがその元の厚さの半分に圧延された後に、元の厚さを取り戻して層数を倍増させるために再度折り畳まれる。このプロセスが幾度も繰り返される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
圧延フォイルの製造は時間がかかり、困難である。圧延孔型は潤滑油やその他の混入物質を使用するため、圧延材料の表面を毎回洗浄しなくてはならない。さらに、シート素材の手動での折り畳み加工では、大規模な製造が容易ではない。多数の金属層が一度に圧延されると、これらの層ははね返り、層の分離が生じ、その結果生じるフォイルの劣化の原因となってしまう。このような分離も、層間面の望ましくない酸化を生じさせ、冷間圧接による層間の結合を妨げてしまう。
【0007】
したがって、特に大量生産の用途のために、反応性多層構造の改良された製造方法が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要および長所
本発明は、初期の熱衝撃に対するストランド間の発熱反応を広げる種類のマルチストランド式発熱アセンブリの製造方法を含む。この方法は、それぞれ金属構成材料からなりそれぞれ全体として円形の断面を有する細長い第1および第2ワイヤを設けるステップと、第1および第2ワイヤをそれぞれ圧下金型により無酸化雰囲気で冷間引抜するステップと、第1および第2ワイヤを無酸化雰囲気で相互に接触させるステップと、起因となる熱衝撃に応じた発熱反応を持続的に伝播させることを容易にするために第1および第2ワイヤの表面が押圧されて接触するように、第1および第2ワイヤを同時に塑性変形し一体的なコードにまとめるステップと、を含む。
【0009】
本発明の別の態様に係り、内燃機関においてシリンダブロックにシリンダヘッドを密着させる種類の、1回のみ使用するガスケットが設けられる。1回のみ使用するガスケットは、シート状の本体と、本体内に形成される少なくとも1つのシリンダボア開口部と、本体内に形成される少なくとも1つの流体の流路とを備える。流体の流路は、シリンダボア開口部から隔てられる。本体は、起因となる熱衝撃に応じた発熱反応を伝播させる種類の反応性のマルチストランド発熱アセンブリから製造される。発熱反応中に生じる熱は、シリンダボア開口部と流体流路との間の流体を隔てつつも、シリンダヘッドをシリンダブロックに金属融合させるのに十分な熱である。
【0010】
本発明のさらに別の態様に係り、間に少なくとも2つの個別の流路が形成されている対向する表面間の流体密封シールを確立するための方法が提供される。この方法は、起因となる熱衝撃に応じて発熱反応を伝播させる種類の反応性マルチストランド発熱アセンブリからガスケットを形成するステップと、2つの対向する面の間で流体材料を流すための少なくとも2つの離間し隔離された流路をガスケット内に形成するステップと、ガスケット内の開口部を対向する面内の流路に位置合わせするステップと、対向する面の間でガスケットを押圧するステップと、ガスケット本体内で伝播する発熱反応を生じさせるステップと、対向する面を熱反応中に生じる熱に応じて溶解させるステップと、隔離された流路間の流体の交換を可能にしつつ、対向する面を金属融合させるステップとを含む。
【0011】
これらの様々な方法および装置により説明されてきた本発明は、特に大量生産の用途において実施可能な方法で製造される発熱コード、フォイル、リボンまたはクロスを提供する。市販のワイヤ製品を利用して、本発明は、従来技術による発熱フォイル等に比べて低コストで発熱アセンブリを製造することを可能にする。本発明の方法は、完成品の処理を実質的に速くすることが可能である。構成要素の断面間の大きさの比率を制御することにより、発熱反応の特性に関して一定の制御を行うことが可能であり、これにより特定の用途に適合させることが可能である。したがって、本発明は、溶接、はんだ付け、ろう付けを含むあらゆる公知の用途において使用され、また発火装置用のプライマとして使用される、反応性多層アセンブリを作製するための低コストかつ製造効率が高い技術を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の上述およびその他の特徴および長所ならびに用途が、添付の図面との関連で以下の詳細の説明を参照することによりさらに分かりやすく、明確になる。
【0013】
好適な実施形態の詳細な説明
図面を参照すると、いくつかの図を通して、類似の符号は、類似のまたは対応する部品を示す。図1には、ヘッドボルト14によりシリンダブロック12に固定されるシリンダヘッド10を含む従来技術によるエンジンアセンブリが示される。ヘッド10とブロック12との間にはガスケット16が配置され、ヘッドボルト14からの圧力で締め付けられている。ガスケット16は、漏洩を回避し、燃焼効率を最大にするためにシリンダボア内を循環する流体および内圧を密閉する。
【0014】
特定のエンジンの用途では、シリンダヘッド10をガスケット16を用いずにシリンダブロック12に恒久的に密着させることが望ましいことがある。従来技術による類似のヘッドが固定されたエンジンでは、シリンダヘッドとシリンダブロックが1つの分離できないユニットを形成し、このように形成されるエンジンアセンブリではガスケット16のコストが省略でき、これが時間が経つにつれて漏れ径路となる脆弱性を有さないという長所を有する。しかし、密封されるべき流路17が多数あるため、ガスケット16を用いずにシリンダヘッド10をシリンダブロック12に密着させることは非常に困難である。たとえば、適切な潤滑および冷却のために、液状の冷媒および液状のオイルが、シリンダヘッド10とシリンダブロック12との間の対応する流路17を流れる。また、バルブトレイン部品用に通路が設けられていることもある。シリンダボア自体を流路とみなすことも可能である。これらの通路が個別に、相互に分離されて密閉されない場合には、エンジンから流体が漏れ、各種流体および通路間で異物混入が生じる可能性がある。
【0015】
本発明はこれらの問題を図2および3に示される方法で克服する。ここでは、全体として符号18で示される発熱アセンブリが、様々な通路全てならびに燃焼室の周りに戦略的に取り回される。戦略的に取り回された発熱アセンブリ18は、連続的な、へびのような材料の一連のリボンの形、または最新のガスケット本体の外観と類似のシート状またはクロス状の部材として形成されることが可能である。力の矢印で示されるようにシリンダヘッド10が強く押圧されると、発熱アセンブリ18は点火されてシリンダヘッド10のシリンダブロック12への溶接を行い、これにより完全に密閉された、一体的なエンジンアセンブリがガスケット16を用いずに形成される。図2には、ヘッドボルト14の継続的な使用が示されてはいないが、さらなる一体性のためにヘッドボルト14のいくつか、または全ての使用を維持することが望ましい。
【0016】
図2に示される見本としてのマッチ20のようなエネルギー源が、発熱アセンブリ18の露出したウィック部分21に着火し、これにより間隙層間の発熱反応の伝播を開始させる。マッチ20の代わりに、電気火花発生装置、レーザビーム、または必要な熱衝撃を生じさせることが可能なその他の装置が使用されることが可能である。発熱アセンブリ18は、構成材料(典型的にはNiおよびAl)の交代層の間に大きな界面領域を有するため、炎源20からの着火により構成材料の原子および分子が急速に混合し、高度な発熱反応において結合する。熱が着火点で局所的に生じると、アセンブリ18に沿って伝達され、さらなる混合を開始し、その際に反応を持続させる。反応の先端が進む速度は、構成材料の物理的特性およびその構成に依存する。反応の先端により、原子は層自体に対して垂直に分散し、熱は層に対して平行に伝達される。
【0017】
シリンダヘッド10をブロック12に発熱アセンブリ18を用いて結合する他にも、内燃機関内のその他の構成部品をこれらの技術を用いて密閉することも可能である。たとえば、エンジンの排気ポートが排気マニホールドに恒久的に密着され、吸気ポートが吸気マニホールドに恒久的に密着される、またはあらゆるカバーまたはハウジングが恒久的に密閉された状態で固定されることが可能である。過去にガスケットが使用されてきた場所に、また自動車以外の用途でも、構成部品は発熱アセンブリ18およびここで説明される技術を用いて恒久的に固定および密閉されることが可能である。
【0018】
したがって、エンジン部品を恒久的に密閉するために適用される発熱アセンブリ18は、従来技術の種類の発熱材料を用いて達成可能である。しかし、本発明は、図4に示されるように構成材料からなるバルクワイヤを用いて発熱アセンブリ18を製造する新規な技術も意図する。上述の通り、構成材料はNiおよびAlまたはその合金であることが可能であるが、チタンアルミナイド等を含むその他の材料が使用されることも可能である。実際に、反応性多層フォイルの用途に使用されている現在公知であり利用可能であるあらゆ
る材料が本発明の関連で使用可能である。
【0019】
図4では、たとえば商業用のNi22およびAl24のバルクワイヤが商業的供給源から容易に入手可能である。これらのバルクワイヤ22、24は通常、全体として円形の断面で形成される。これらの市販のワイヤ22、24はまず、圧下金型26を通り冷間引抜される(100℃未満)。バルクワイヤ22、24は任意の総合有効径であることが可能であるが、50ミクロン程度の直径が十分なものであると判明している。この第1の引抜工程は、カバーガス(たとえば窒素またはアルゴン)のもとで行われ、全ての酸化物およびその他の異物をワイヤ22、24から除去し、これにより発熱反応に適した清浄な表面が設けられる。
【0020】
図5に示されるように、第1引抜型26は、単にバルクワイヤの元の直径を減少させ、これより小さい円形の断面を生じさせることが可能である。しかし、金型26は、図5Aに示されるように、ワイヤ22、24に完全なまたは部分的な幾何学的図形を与えることも可能である。この例では、第1金型26は、ワイヤ22、24に六角形の断面を与え、これにより入れ込みを向上させ、点線で示される隣接するワイヤへの接触面を増加させる。当然、その他のワイヤの形状も可能である。
【0021】
第1金型26を通して引抜が行われるとワイヤ22、24は束として、ワイヤ22、24をコード30に圧縮する第2金型28を通され結合および引抜が行われる。ワイヤ22、24の表面が塑性変形により実質的に相互に接触させられ、これにより各ワイヤ22、24の間で大きな界面領域が設けられる。これを示すためにコード30の代表的な断面が図6に示される。当業者であれば、ワイヤ22、24のストランドの数は実質的に異なることが可能であり、図に示される5つのストランドは単に例示的なものであると理解するであろう。最小としては、少なくともこのようなワイヤ22、24が2つなくてはならないが、有効な最大数の制限はない。数十または数百単位の数のストランドを有するワイヤの束が使用されることが可能である。
【0022】
第2引抜型28から出るコード30は、このようにして作製された形で直ちに発熱反応に使用される、または図7に示される構成と類似のリボンを作製するため転造ダイス32によりさらに成形されることが可能である。これに代わり、コード30はその他の設計または構成に成形されることが可能であり、図7に示される平坦なリボン形状に限定されない。同様に、生じる断面が必ずしも連続的である必要はない。したがって、コード30は、当業者に公知のその他の任意の手段により成形可能であり、これにはスタンピング、さらなる引抜、鍛造等が含まれる。
【0023】
図8Aおよび8Bは、炎源20により着火される発熱アセンブリ18を用いて上方の基材34と下方の基材36を溶接する手順を簡易化して示す。ウィック21において着火すると、発熱反応がアセンブリ18に沿って伝播し、これに沿って対向する面を融合させる。
【0024】
図9は、本発明の成形プロセスの補助的な応用技術を示す。この結果生じるのは、若干変更された発熱アセンブリ118である。ここでは、構成要素であるバルクワイヤ122、124は、先の実施形態と同様に第1引抜型126を通して引っ張られ、その後、図4と同様に結合されて第2引抜型128を通して引っ張られる。第2引抜型128から出るコード130は、続いてコーティング工程に向かい、そこでホッパ140内に懸濁液または粉体として含まれているろう付け材138が、後の結合工程のために発熱アセンブリ11’を包み込むためにコード130の外面に塗布される。ろう付け材138に代わって、その他のコーティング、たとえばはんだ、溶剤、またはその他の有用な処理が行われることが可能である。溶射された材料138が十分に固化または乾燥すると、発熱アセンブリ
118はあらゆる可能な用途(すなわち内燃機関に限定されない)において使用されることが可能である。
【0025】
図10は、発熱アセンブリ218のさらに別の成形技術を示す。この場合、バルクワイヤ222、224は、金型226の第1のセットを通り引き抜かれ、続いて全体として242で示されるねじり装置でまとめられる。ねじり装置242は、モータ248を介して歯車246により駆動される枠部244を含む。ねじり工程は、構成要素であるワイヤ222、224の間の良好な界面の接触でバルクの発熱をもたらしてワイヤ222、224を効果的に固くまとめるために、図4および図9の第2の引抜型228の代わりに行われる。この結果生じる、ねじられた構造のコード230は、発熱反応において使用されることが可能である、または先の実施例において説明されたようにろう付け材によりコーティングされることが可能である。または、これにより生じるねじられた構造のコード230は、結果として得られる発熱アセンブリ218の所望の形状を達成するために、図4に示されるような進行するローラを用いて圧延または成形されるか、またはその他の後成形技術により成形されることが可能である。発熱材料によるシートで作業を行うことが有利である場合には、複数の発熱コードを織るまたは縮充することによりクロスを形成することが可能である。
【0026】
図11は、反応物を組み合わせるための回転スエージングの使用を示す。この実施例では、第2金型328は、図12に示されるような密集した状態にワイヤ322、324の束を「ハンマーで打つ」ように個別に作動可能である区分350に分けられて形成される。スエージング型328は、同時に回転されて、生じるコード330にねじれを加えるか、または単にワイヤを平行なままにしておくことが可能である。
【0027】
図13は、反応物を結合するための超音波溶接の使用を示す。ここでは第2金型428は、個別のワイヤ422、424の表面を溶接するために高周波数で振動される。金型428は、先の実施例と同様に、生じるコード430にねじれを生じさせるために回転させられることも可能である。
【0028】
各組立て技術は全て、さらなる混合形を形成するために融合させられることが可能である。こうして生じた発熱アセンブリは、従来技術による反応性多層フォイルおよびコーティングが使用されてきたあらゆる用途において有用である。したがって、本発明は例示的に説明されてきたが、使用された用語は、限定ではなく説明の用語の性質が意図されていることが理解されるべきである。
【0029】
当然、上述の教示に鑑みて、本発明において多様な変更および変形が可能である。したがって、本発明は具体的な説明とは異なる形で実施できることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】シリンダヘッドとシリンダブロックとの間の接合部分に配置される従来式のガスケットを有する従来技術の内燃機関の簡易化した断面図である。
【図2】図1と同様の断面図であるが、シリンダヘッドのシリンダブロックへの恒久的な取付けにより生じる発熱反応に備えるために、従来技術によるガスケットがあった領域に発熱ガスケットアセンブリが配置されている図である。
【図3】図2と同様の図であるが、発熱反応後にシリンダヘッドが恒久的にシリンダブロックに固定されている図を示す。
【図4】バルクワイヤにおける冷間引抜による本発明の発熱アセンブリの形成を示す簡単な概略図である。
【図5】全体として図4の線5−5に沿って切った1つのワイヤの断面図である。
【図5A】擬似的に示す代表的なワイヤ束と共に示す1つのワイヤの別の断面を示す断面図である。
【図6】図4の線6−6に沿って切ったコードの断面図である。
【図7】図4の線7−7に沿って切った、完成した発熱リボンの端面図である。
【図8】AおよびBは2つの基材の間に配置される発熱アセンブリの溶接または結合工程の前およびその最中を順番に示す簡易化した図である。
【図9】図4と同様の簡易化した概略図であるが、後の結合において有利である任意のろう付けまたはその他のコーティング材のコードへの塗布を示す図である。
【図10】図4と同様の概略図であるが、発熱コードを形成するために、ねじり工程によりワイヤを固く束ねるためのさらに別の方法を示す図である。
【図11】回転スエージングによりワイヤを固く束ねるさらに別の方法を示す。
【図12】全体として図11の線12−12に沿って切ったスエージング金型の例示的な断面図である。
【図13】超音波摩擦溶接技術を用いてワイヤを固く結合するさらに別の方法を示す。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本発明は、2005年4月4日に出願された米国仮出願第60/667,999号に対して優先権を主張する。
【0002】
発明の背景
発明の技術分野
本発明は、様々な用途の発熱材料の改良された成形方法、およびシリンダヘッドを内燃機関のブロックに対して恒久的に密閉させるために発熱材料を使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術
反応性の多層フォイルおよび塗装は、高温で制御された量の熱を平坦な領域内で発生させる必要がある用途において広く使用されている。このような構造は従来では、基材に支持される一連の層を備え、これは適切な励起により、この層で覆われる領域全体に広がる発熱化学反応を起こし、これにより正確に制御された量の熱を生成する。このような発熱化学材料は、特殊な溶接、はんだ付け、ろう付け用の熱源として特に有用である。しかしながら、これは、たとえば発火装置のプライマのような制御された局所的な熱の発生を要するその他の用途にも使用されることが可能である。
【0004】
反応性多層材料は、制御され、一貫した発熱で、発熱反応を可能にする。このような反応の基本となるのは、原子結合エネルギーの低減である。反応材料が点火されると、個々の層が原子的に混ざり局所的に熱を発する。この熱は、構造の隣接する領域を燃やし、これにより構造の全長に渡って反応が伝わり、材料全体が反応するまで熱を発生させる。
【0005】
反応塗装以外にも、冷間圧延により独立の反応層を開発する努力がなされてきた。ニッケル−アルミニウム多層反応フォイルは、NiおよびAlの二層板を冷間圧延し、次いで繰り返し手動での折畳み加工、および繰り返し冷間圧延が行われることにより形成されてきた。第1の二層板のストリップがその元の厚さの半分に圧延された後に、元の厚さを取り戻して層数を倍増させるために再度折り畳まれる。このプロセスが幾度も繰り返される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
圧延フォイルの製造は時間がかかり、困難である。圧延孔型は潤滑油やその他の混入物質を使用するため、圧延材料の表面を毎回洗浄しなくてはならない。さらに、シート素材の手動での折り畳み加工では、大規模な製造が容易ではない。多数の金属層が一度に圧延されると、これらの層ははね返り、層の分離が生じ、その結果生じるフォイルの劣化の原因となってしまう。このような分離も、層間面の望ましくない酸化を生じさせ、冷間圧接による層間の結合を妨げてしまう。
【0007】
したがって、特に大量生産の用途のために、反応性多層構造の改良された製造方法が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要および長所
本発明は、初期の熱衝撃に対するストランド間の発熱反応を広げる種類のマルチストランド式発熱アセンブリの製造方法を含む。この方法は、それぞれ金属構成材料からなりそれぞれ全体として円形の断面を有する細長い第1および第2ワイヤを設けるステップと、第1および第2ワイヤをそれぞれ圧下金型により無酸化雰囲気で冷間引抜するステップと、第1および第2ワイヤを無酸化雰囲気で相互に接触させるステップと、起因となる熱衝撃に応じた発熱反応を持続的に伝播させることを容易にするために第1および第2ワイヤの表面が押圧されて接触するように、第1および第2ワイヤを同時に塑性変形し一体的なコードにまとめるステップと、を含む。
【0009】
本発明の別の態様に係り、内燃機関においてシリンダブロックにシリンダヘッドを密着させる種類の、1回のみ使用するガスケットが設けられる。1回のみ使用するガスケットは、シート状の本体と、本体内に形成される少なくとも1つのシリンダボア開口部と、本体内に形成される少なくとも1つの流体の流路とを備える。流体の流路は、シリンダボア開口部から隔てられる。本体は、起因となる熱衝撃に応じた発熱反応を伝播させる種類の反応性のマルチストランド発熱アセンブリから製造される。発熱反応中に生じる熱は、シリンダボア開口部と流体流路との間の流体を隔てつつも、シリンダヘッドをシリンダブロックに金属融合させるのに十分な熱である。
【0010】
本発明のさらに別の態様に係り、間に少なくとも2つの個別の流路が形成されている対向する表面間の流体密封シールを確立するための方法が提供される。この方法は、起因となる熱衝撃に応じて発熱反応を伝播させる種類の反応性マルチストランド発熱アセンブリからガスケットを形成するステップと、2つの対向する面の間で流体材料を流すための少なくとも2つの離間し隔離された流路をガスケット内に形成するステップと、ガスケット内の開口部を対向する面内の流路に位置合わせするステップと、対向する面の間でガスケットを押圧するステップと、ガスケット本体内で伝播する発熱反応を生じさせるステップと、対向する面を熱反応中に生じる熱に応じて溶解させるステップと、隔離された流路間の流体の交換を可能にしつつ、対向する面を金属融合させるステップとを含む。
【0011】
これらの様々な方法および装置により説明されてきた本発明は、特に大量生産の用途において実施可能な方法で製造される発熱コード、フォイル、リボンまたはクロスを提供する。市販のワイヤ製品を利用して、本発明は、従来技術による発熱フォイル等に比べて低コストで発熱アセンブリを製造することを可能にする。本発明の方法は、完成品の処理を実質的に速くすることが可能である。構成要素の断面間の大きさの比率を制御することにより、発熱反応の特性に関して一定の制御を行うことが可能であり、これにより特定の用途に適合させることが可能である。したがって、本発明は、溶接、はんだ付け、ろう付けを含むあらゆる公知の用途において使用され、また発火装置用のプライマとして使用される、反応性多層アセンブリを作製するための低コストかつ製造効率が高い技術を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の上述およびその他の特徴および長所ならびに用途が、添付の図面との関連で以下の詳細の説明を参照することによりさらに分かりやすく、明確になる。
【0013】
好適な実施形態の詳細な説明
図面を参照すると、いくつかの図を通して、類似の符号は、類似のまたは対応する部品を示す。図1には、ヘッドボルト14によりシリンダブロック12に固定されるシリンダヘッド10を含む従来技術によるエンジンアセンブリが示される。ヘッド10とブロック12との間にはガスケット16が配置され、ヘッドボルト14からの圧力で締め付けられている。ガスケット16は、漏洩を回避し、燃焼効率を最大にするためにシリンダボア内を循環する流体および内圧を密閉する。
【0014】
特定のエンジンの用途では、シリンダヘッド10をガスケット16を用いずにシリンダブロック12に恒久的に密着させることが望ましいことがある。従来技術による類似のヘッドが固定されたエンジンでは、シリンダヘッドとシリンダブロックが1つの分離できないユニットを形成し、このように形成されるエンジンアセンブリではガスケット16のコストが省略でき、これが時間が経つにつれて漏れ径路となる脆弱性を有さないという長所を有する。しかし、密封されるべき流路17が多数あるため、ガスケット16を用いずにシリンダヘッド10をシリンダブロック12に密着させることは非常に困難である。たとえば、適切な潤滑および冷却のために、液状の冷媒および液状のオイルが、シリンダヘッド10とシリンダブロック12との間の対応する流路17を流れる。また、バルブトレイン部品用に通路が設けられていることもある。シリンダボア自体を流路とみなすことも可能である。これらの通路が個別に、相互に分離されて密閉されない場合には、エンジンから流体が漏れ、各種流体および通路間で異物混入が生じる可能性がある。
【0015】
本発明はこれらの問題を図2および3に示される方法で克服する。ここでは、全体として符号18で示される発熱アセンブリが、様々な通路全てならびに燃焼室の周りに戦略的に取り回される。戦略的に取り回された発熱アセンブリ18は、連続的な、へびのような材料の一連のリボンの形、または最新のガスケット本体の外観と類似のシート状またはクロス状の部材として形成されることが可能である。力の矢印で示されるようにシリンダヘッド10が強く押圧されると、発熱アセンブリ18は点火されてシリンダヘッド10のシリンダブロック12への溶接を行い、これにより完全に密閉された、一体的なエンジンアセンブリがガスケット16を用いずに形成される。図2には、ヘッドボルト14の継続的な使用が示されてはいないが、さらなる一体性のためにヘッドボルト14のいくつか、または全ての使用を維持することが望ましい。
【0016】
図2に示される見本としてのマッチ20のようなエネルギー源が、発熱アセンブリ18の露出したウィック部分21に着火し、これにより間隙層間の発熱反応の伝播を開始させる。マッチ20の代わりに、電気火花発生装置、レーザビーム、または必要な熱衝撃を生じさせることが可能なその他の装置が使用されることが可能である。発熱アセンブリ18は、構成材料(典型的にはNiおよびAl)の交代層の間に大きな界面領域を有するため、炎源20からの着火により構成材料の原子および分子が急速に混合し、高度な発熱反応において結合する。熱が着火点で局所的に生じると、アセンブリ18に沿って伝達され、さらなる混合を開始し、その際に反応を持続させる。反応の先端が進む速度は、構成材料の物理的特性およびその構成に依存する。反応の先端により、原子は層自体に対して垂直に分散し、熱は層に対して平行に伝達される。
【0017】
シリンダヘッド10をブロック12に発熱アセンブリ18を用いて結合する他にも、内燃機関内のその他の構成部品をこれらの技術を用いて密閉することも可能である。たとえば、エンジンの排気ポートが排気マニホールドに恒久的に密着され、吸気ポートが吸気マニホールドに恒久的に密着される、またはあらゆるカバーまたはハウジングが恒久的に密閉された状態で固定されることが可能である。過去にガスケットが使用されてきた場所に、また自動車以外の用途でも、構成部品は発熱アセンブリ18およびここで説明される技術を用いて恒久的に固定および密閉されることが可能である。
【0018】
したがって、エンジン部品を恒久的に密閉するために適用される発熱アセンブリ18は、従来技術の種類の発熱材料を用いて達成可能である。しかし、本発明は、図4に示されるように構成材料からなるバルクワイヤを用いて発熱アセンブリ18を製造する新規な技術も意図する。上述の通り、構成材料はNiおよびAlまたはその合金であることが可能であるが、チタンアルミナイド等を含むその他の材料が使用されることも可能である。実際に、反応性多層フォイルの用途に使用されている現在公知であり利用可能であるあらゆ
る材料が本発明の関連で使用可能である。
【0019】
図4では、たとえば商業用のNi22およびAl24のバルクワイヤが商業的供給源から容易に入手可能である。これらのバルクワイヤ22、24は通常、全体として円形の断面で形成される。これらの市販のワイヤ22、24はまず、圧下金型26を通り冷間引抜される(100℃未満)。バルクワイヤ22、24は任意の総合有効径であることが可能であるが、50ミクロン程度の直径が十分なものであると判明している。この第1の引抜工程は、カバーガス(たとえば窒素またはアルゴン)のもとで行われ、全ての酸化物およびその他の異物をワイヤ22、24から除去し、これにより発熱反応に適した清浄な表面が設けられる。
【0020】
図5に示されるように、第1引抜型26は、単にバルクワイヤの元の直径を減少させ、これより小さい円形の断面を生じさせることが可能である。しかし、金型26は、図5Aに示されるように、ワイヤ22、24に完全なまたは部分的な幾何学的図形を与えることも可能である。この例では、第1金型26は、ワイヤ22、24に六角形の断面を与え、これにより入れ込みを向上させ、点線で示される隣接するワイヤへの接触面を増加させる。当然、その他のワイヤの形状も可能である。
【0021】
第1金型26を通して引抜が行われるとワイヤ22、24は束として、ワイヤ22、24をコード30に圧縮する第2金型28を通され結合および引抜が行われる。ワイヤ22、24の表面が塑性変形により実質的に相互に接触させられ、これにより各ワイヤ22、24の間で大きな界面領域が設けられる。これを示すためにコード30の代表的な断面が図6に示される。当業者であれば、ワイヤ22、24のストランドの数は実質的に異なることが可能であり、図に示される5つのストランドは単に例示的なものであると理解するであろう。最小としては、少なくともこのようなワイヤ22、24が2つなくてはならないが、有効な最大数の制限はない。数十または数百単位の数のストランドを有するワイヤの束が使用されることが可能である。
【0022】
第2引抜型28から出るコード30は、このようにして作製された形で直ちに発熱反応に使用される、または図7に示される構成と類似のリボンを作製するため転造ダイス32によりさらに成形されることが可能である。これに代わり、コード30はその他の設計または構成に成形されることが可能であり、図7に示される平坦なリボン形状に限定されない。同様に、生じる断面が必ずしも連続的である必要はない。したがって、コード30は、当業者に公知のその他の任意の手段により成形可能であり、これにはスタンピング、さらなる引抜、鍛造等が含まれる。
【0023】
図8Aおよび8Bは、炎源20により着火される発熱アセンブリ18を用いて上方の基材34と下方の基材36を溶接する手順を簡易化して示す。ウィック21において着火すると、発熱反応がアセンブリ18に沿って伝播し、これに沿って対向する面を融合させる。
【0024】
図9は、本発明の成形プロセスの補助的な応用技術を示す。この結果生じるのは、若干変更された発熱アセンブリ118である。ここでは、構成要素であるバルクワイヤ122、124は、先の実施形態と同様に第1引抜型126を通して引っ張られ、その後、図4と同様に結合されて第2引抜型128を通して引っ張られる。第2引抜型128から出るコード130は、続いてコーティング工程に向かい、そこでホッパ140内に懸濁液または粉体として含まれているろう付け材138が、後の結合工程のために発熱アセンブリ11’を包み込むためにコード130の外面に塗布される。ろう付け材138に代わって、その他のコーティング、たとえばはんだ、溶剤、またはその他の有用な処理が行われることが可能である。溶射された材料138が十分に固化または乾燥すると、発熱アセンブリ
118はあらゆる可能な用途(すなわち内燃機関に限定されない)において使用されることが可能である。
【0025】
図10は、発熱アセンブリ218のさらに別の成形技術を示す。この場合、バルクワイヤ222、224は、金型226の第1のセットを通り引き抜かれ、続いて全体として242で示されるねじり装置でまとめられる。ねじり装置242は、モータ248を介して歯車246により駆動される枠部244を含む。ねじり工程は、構成要素であるワイヤ222、224の間の良好な界面の接触でバルクの発熱をもたらしてワイヤ222、224を効果的に固くまとめるために、図4および図9の第2の引抜型228の代わりに行われる。この結果生じる、ねじられた構造のコード230は、発熱反応において使用されることが可能である、または先の実施例において説明されたようにろう付け材によりコーティングされることが可能である。または、これにより生じるねじられた構造のコード230は、結果として得られる発熱アセンブリ218の所望の形状を達成するために、図4に示されるような進行するローラを用いて圧延または成形されるか、またはその他の後成形技術により成形されることが可能である。発熱材料によるシートで作業を行うことが有利である場合には、複数の発熱コードを織るまたは縮充することによりクロスを形成することが可能である。
【0026】
図11は、反応物を組み合わせるための回転スエージングの使用を示す。この実施例では、第2金型328は、図12に示されるような密集した状態にワイヤ322、324の束を「ハンマーで打つ」ように個別に作動可能である区分350に分けられて形成される。スエージング型328は、同時に回転されて、生じるコード330にねじれを加えるか、または単にワイヤを平行なままにしておくことが可能である。
【0027】
図13は、反応物を結合するための超音波溶接の使用を示す。ここでは第2金型428は、個別のワイヤ422、424の表面を溶接するために高周波数で振動される。金型428は、先の実施例と同様に、生じるコード430にねじれを生じさせるために回転させられることも可能である。
【0028】
各組立て技術は全て、さらなる混合形を形成するために融合させられることが可能である。こうして生じた発熱アセンブリは、従来技術による反応性多層フォイルおよびコーティングが使用されてきたあらゆる用途において有用である。したがって、本発明は例示的に説明されてきたが、使用された用語は、限定ではなく説明の用語の性質が意図されていることが理解されるべきである。
【0029】
当然、上述の教示に鑑みて、本発明において多様な変更および変形が可能である。したがって、本発明は具体的な説明とは異なる形で実施できることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】シリンダヘッドとシリンダブロックとの間の接合部分に配置される従来式のガスケットを有する従来技術の内燃機関の簡易化した断面図である。
【図2】図1と同様の断面図であるが、シリンダヘッドのシリンダブロックへの恒久的な取付けにより生じる発熱反応に備えるために、従来技術によるガスケットがあった領域に発熱ガスケットアセンブリが配置されている図である。
【図3】図2と同様の図であるが、発熱反応後にシリンダヘッドが恒久的にシリンダブロックに固定されている図を示す。
【図4】バルクワイヤにおける冷間引抜による本発明の発熱アセンブリの形成を示す簡単な概略図である。
【図5】全体として図4の線5−5に沿って切った1つのワイヤの断面図である。
【図5A】擬似的に示す代表的なワイヤ束と共に示す1つのワイヤの別の断面を示す断面図である。
【図6】図4の線6−6に沿って切ったコードの断面図である。
【図7】図4の線7−7に沿って切った、完成した発熱リボンの端面図である。
【図8】AおよびBは2つの基材の間に配置される発熱アセンブリの溶接または結合工程の前およびその最中を順番に示す簡易化した図である。
【図9】図4と同様の簡易化した概略図であるが、後の結合において有利である任意のろう付けまたはその他のコーティング材のコードへの塗布を示す図である。
【図10】図4と同様の概略図であるが、発熱コードを形成するために、ねじり工程によりワイヤを固く束ねるためのさらに別の方法を示す図である。
【図11】回転スエージングによりワイヤを固く束ねるさらに別の方法を示す。
【図12】全体として図11の線12−12に沿って切ったスエージング金型の例示的な断面図である。
【図13】超音波摩擦溶接技術を用いてワイヤを固く結合するさらに別の方法を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
起因となる熱衝撃に応じてストランド間の発熱反応を伝播させる種類のマルチストランド式発熱アセンブリの製造方法であって、
全体として円形の断面を有する金属構成材料からなる細長い第1ワイヤを設けるステップと、
第1ワイヤとは異なる金属構成材料からなり、全体として円形の断面を有する細長い第2ワイヤを設けるステップと、
第1ワイヤを無酸化雰囲気で圧下金型により冷間引抜するステップと、
第2ワイヤを無酸化雰囲気で圧下金型により冷間引抜するステップと、
第1および第2ワイヤを相互に無酸化雰囲気で接触させるステップと、
第1および第2ワイヤを同時に塑性変形して一体的なコードにし、これにより、起因となる熱衝撃に応じた発熱反応を持続的に伝播させることを容易にするために第1および第2ワイヤの面が接触するよう押圧されるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
第1および第2ワイヤを塑性変形する前記ステップが、第1および第2ワイヤを圧下金型により冷間引抜することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1および第2ワイヤを同時に塑性変形する前記ステップが、第1および第2ワイヤを共に全体として螺旋状のパターンにねじることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1および第2ワイヤを同時に塑性変形する前記ステップが、第1および第2ワイヤを同時に冷間引抜し、共にねじることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第1および第2ワイヤを同時に塑性変形する前記ステップが、スエージングを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第1および第2ワイヤを同時に塑性変形する前記ステップが、全体として螺旋状の構成にワイヤをねじることをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第1および第2ワイヤを同時に塑性変形する前記ステップが、第1および第2ワイヤを相互に超音波溶接することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第1および第2ワイヤを同時に塑性変形する前記ステップが、ワイヤを螺旋状の構成にねじることをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第1および第2ワイヤを同時に塑性変形する前記ステップの後に、一体的なコードにコーティング材を塗布するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
コーティング材を塗布する前記ステップが、一体的なコードをコーティングすることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
複数のコードをクロスに織るステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第1および第2ワイヤを同時に塑性変形する前記ステップの後に、一体的なコードを平坦にするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
平坦にする前記ステップが、一体的なコードを圧延機に通すことをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
内燃機関のシリンダヘッドをシリンダブロックに密着させる種類の一回のみ使用するガスケットであって、
シート状の本体と、
前記本体に形成される少なくとも1つのシリンダボア開口部と、
前記本体に形成される少なくとも1つの流体流路であって、前記シリンダボア開口部から分離している流体流路と、
を備え、前記本体が、起因となる熱衝撃に応じた発熱反応を伝播する種類の反応性のマルチストランド発熱アセンブリから製造され、発熱反応の際に生じる熱は、前記シリンダボア開口部と前記流体流路との間で流体が隔離されていることを維持しつつ、シリンダヘッドをシリンダブロックに金属融合させるのに充分である、ガスケット。
【請求項15】
前記本体が、突起するウィックを含む、請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記マルチストランド発熱アセンブリが、主に第1の金属構成材料と第2の金属構成材料の交互のワイヤから構成され、前記第2の金属構成材料が前記第1の金属構成材料とは異なる、請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記第1の金属構成材料が、主にアルミニウムを基本とする合金から構成される、請求項16に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記第2の金属構成材料が、主にニッケルを基本とする合金から構成される、請求項16に記載のアセンブリ。
【請求項19】
間に少なくとも2つの個別の流路が形成されている対向する面の間の液密シールを形成するための方法であって、
起因となる熱衝撃に応じた発熱反応を伝播する種類の反応性のマルチストランド発熱アセンブリからガスケットを形成するステップと、
流体材料を2つの対向する面の間に流すためにガスケット内に少なくとも2つの離間し、隔離された流路を形成するステップと、
ガスケットの開口部を対向する面の流路と位置合わせするステップと、
対向する面の間でガスケットを押圧するステップと、
ガスケット本体内で発熱反応の伝播を開始するステップと、
発熱反応の際に生じる熱により対向する面を溶解するステップと、
隔離された流路間での流体の交換を可能にしつつ、対向する面を恒久的に密着させるために、流路の周辺の領域で対向する面を金属的に融合するステップと、
を含む方法。
【請求項20】
ガスケットを形成する前記ステップが、全体として円形の断面を有する金属構成材料の細長い第1ワイヤを設けることと、同様に全体として円形の断面を有する、第1ワイヤとは異なる金属構成材料の細長い第2ワイヤを設けることと、第1ワイヤを無酸化雰囲気で圧下金型により冷間引抜することと、第2ワイヤを無酸化雰囲気で圧下金型により冷間引抜することと、無酸化雰囲気で第1および第2ワイヤを相互に接触させることと、第1および第2ワイヤを同時に塑性変形し、一体的なコードにすることとを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項1】
起因となる熱衝撃に応じてストランド間の発熱反応を伝播させる種類のマルチストランド式発熱アセンブリの製造方法であって、
全体として円形の断面を有する金属構成材料からなる細長い第1ワイヤを設けるステップと、
第1ワイヤとは異なる金属構成材料からなり、全体として円形の断面を有する細長い第2ワイヤを設けるステップと、
第1ワイヤを無酸化雰囲気で圧下金型により冷間引抜するステップと、
第2ワイヤを無酸化雰囲気で圧下金型により冷間引抜するステップと、
第1および第2ワイヤを相互に無酸化雰囲気で接触させるステップと、
第1および第2ワイヤを同時に塑性変形して一体的なコードにし、これにより、起因となる熱衝撃に応じた発熱反応を持続的に伝播させることを容易にするために第1および第2ワイヤの面が接触するよう押圧されるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
第1および第2ワイヤを塑性変形する前記ステップが、第1および第2ワイヤを圧下金型により冷間引抜することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1および第2ワイヤを同時に塑性変形する前記ステップが、第1および第2ワイヤを共に全体として螺旋状のパターンにねじることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1および第2ワイヤを同時に塑性変形する前記ステップが、第1および第2ワイヤを同時に冷間引抜し、共にねじることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第1および第2ワイヤを同時に塑性変形する前記ステップが、スエージングを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第1および第2ワイヤを同時に塑性変形する前記ステップが、全体として螺旋状の構成にワイヤをねじることをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第1および第2ワイヤを同時に塑性変形する前記ステップが、第1および第2ワイヤを相互に超音波溶接することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第1および第2ワイヤを同時に塑性変形する前記ステップが、ワイヤを螺旋状の構成にねじることをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第1および第2ワイヤを同時に塑性変形する前記ステップの後に、一体的なコードにコーティング材を塗布するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
コーティング材を塗布する前記ステップが、一体的なコードをコーティングすることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
複数のコードをクロスに織るステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第1および第2ワイヤを同時に塑性変形する前記ステップの後に、一体的なコードを平坦にするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
平坦にする前記ステップが、一体的なコードを圧延機に通すことをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
内燃機関のシリンダヘッドをシリンダブロックに密着させる種類の一回のみ使用するガスケットであって、
シート状の本体と、
前記本体に形成される少なくとも1つのシリンダボア開口部と、
前記本体に形成される少なくとも1つの流体流路であって、前記シリンダボア開口部から分離している流体流路と、
を備え、前記本体が、起因となる熱衝撃に応じた発熱反応を伝播する種類の反応性のマルチストランド発熱アセンブリから製造され、発熱反応の際に生じる熱は、前記シリンダボア開口部と前記流体流路との間で流体が隔離されていることを維持しつつ、シリンダヘッドをシリンダブロックに金属融合させるのに充分である、ガスケット。
【請求項15】
前記本体が、突起するウィックを含む、請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記マルチストランド発熱アセンブリが、主に第1の金属構成材料と第2の金属構成材料の交互のワイヤから構成され、前記第2の金属構成材料が前記第1の金属構成材料とは異なる、請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記第1の金属構成材料が、主にアルミニウムを基本とする合金から構成される、請求項16に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記第2の金属構成材料が、主にニッケルを基本とする合金から構成される、請求項16に記載のアセンブリ。
【請求項19】
間に少なくとも2つの個別の流路が形成されている対向する面の間の液密シールを形成するための方法であって、
起因となる熱衝撃に応じた発熱反応を伝播する種類の反応性のマルチストランド発熱アセンブリからガスケットを形成するステップと、
流体材料を2つの対向する面の間に流すためにガスケット内に少なくとも2つの離間し、隔離された流路を形成するステップと、
ガスケットの開口部を対向する面の流路と位置合わせするステップと、
対向する面の間でガスケットを押圧するステップと、
ガスケット本体内で発熱反応の伝播を開始するステップと、
発熱反応の際に生じる熱により対向する面を溶解するステップと、
隔離された流路間での流体の交換を可能にしつつ、対向する面を恒久的に密着させるために、流路の周辺の領域で対向する面を金属的に融合するステップと、
を含む方法。
【請求項20】
ガスケットを形成する前記ステップが、全体として円形の断面を有する金属構成材料の細長い第1ワイヤを設けることと、同様に全体として円形の断面を有する、第1ワイヤとは異なる金属構成材料の細長い第2ワイヤを設けることと、第1ワイヤを無酸化雰囲気で圧下金型により冷間引抜することと、第2ワイヤを無酸化雰囲気で圧下金型により冷間引抜することと、無酸化雰囲気で第1および第2ワイヤを相互に接触させることと、第1および第2ワイヤを同時に塑性変形し、一体的なコードにすることとを含む、請求項19に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2008−538799(P2008−538799A)
【公表日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505475(P2008−505475)
【出願日】平成18年4月4日(2006.4.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/012573
【国際公開番号】WO2006/108006
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月4日(2006.4.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/012573
【国際公開番号】WO2006/108006
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
【Fターム(参考)】
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