説明

基板の研磨装置および研磨方法

【課題】化学的研磨を行うが、メッキ層の表面が平坦であり、メッキ層の厚さが一定であるうえ、絶縁層に残余メッキ層が残らない基板の研磨装置および研磨方法を提供する。
【解決手段】被研磨基板101が浸漬されるエッチング液入りのエッチング槽102を含む化学的研磨部109と、ブラシ110aを含む機械的研磨部112aとを含むものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の研磨装置および研磨方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体チップの高密度化および信号伝達速度の高速化に対応するための技術として、半導体チップをプリント基板に直接実装する技術に対する要求が大きくなっており、これにより半導体チップの高密度化に対応することが可能な高密度および高信頼性のプリント基板の開発が要求されている。
【0003】
高密度および高信頼性のプリント基板に対する要求仕様は、半導体チップの仕様と密接に連関しており、回路の微細化、高度の電気特性、高速信号伝達構造、高信頼性、高機能性などといった多くの課題がある。このような要求仕様に対応した微細回路パターンおよびマイクロビアホールを形成することが可能なプリント基板技術が求められている。
【0004】
微細回路パターンおよびマイクロビアホールに対する要求に応えて、最近では新しい工法が提案されており、その一つとして、絶縁層上にレーザーでトレンチを形成し、メッキ、研磨、エッチング工程によって回路パターンを製造するLPP(Laser Patterning Process)工法が注目を浴びている。
【0005】
LPP工法において、トレンチにメッキを施した後、過剰メッキ層を研磨する方法に対して、従来では化学的研磨方法が多く用いられている。
【0006】
図1は、従来の技術に係る基板の研磨装置を説明するための図である。次に、図1を参照して従来の技術に係る基板の研磨装置について説明する。
【0007】
図1に示すように、従来の技術に係る基板の研磨装置は、移送部(図示せず)、エッチング槽12、およびエッチング液タンク15から構成される。
【0008】
移送部(図示せず)は、被研磨基板11をエッチング槽12の内部に移送する。エッチング槽12では、被研磨基板11が研磨される。エッチング液タンク15は、エッチング液ポンプ16を介してエッチング槽12内のノズルパイプ13にエッチング液を供給し、ノズルパイプ13は、ノズル14を介して被研磨基板11の表面にエッチング液を噴射する。
【0009】
ところが、従来の技術に係る基板の研磨装置は、化学的研磨のみを施すため、研磨後のメッキ層の表面が平坦ではなく、メッキ層の厚さが一定せず、絶縁層に残余メッキ層が残っているという問題点があった。
【0010】
かかる問題点を解決するために、機械的研磨方法と化学的研磨方法を一つの加工方法で混合したCMP工程が最近行われている。CMP工程は、半導体製造工程で主に使用される方法であって、パッドと被研磨基板とが接触して機械的研磨が行われ、パッドから出てくるスラリー内の化学成分によって化学的研磨が行われる。
【0011】
ところが、CMP工程を用いてメッキ層の表面を平坦化することはできるが、CMP工程は、高価の装備を必要とし、被研磨基板の面積が大きい場合には適切に対応することができないという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、化学的研磨を行うが、メッキ層の表面が平坦であり、メッキ層の厚さが一定であるうえ、絶縁層に残余メッキ層が残らない基板の研磨装置および研磨方法を提供することにある。
【0013】
また、本発明の他の目的は、機械的研磨と化学的研磨を同時に行うが、CMP工程に比べて低価であり、大面積の基板にも使用可能な基板の研磨装置および研磨方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の好適な第1実施例に係る基板の研磨装置は、被研磨基板が浸漬されるエッチング液入りのエッチング槽を含む化学的研磨部と、ブラシを含む機械的研磨部とを含んでなることを特徴とする。
【0015】
ここで、前記機械的研磨部の前記ブラシは、前記被研磨基板に形成されたトレンチの幅より広いブラシ毛材を備えたものであることが好ましい。
【0016】
前記ブラシ毛材は、その直径が、前記被研磨基板の前記トレンチの幅より広いことが好ましく、その側面長さが、前記被研磨基板の前記トレンチの幅より広いことが好ましい。
【0017】
前記ブラシは、ローラータイプで構成されることが好ましい。
【0018】
前記機械的研磨部は、前記ブラシを駆動させる駆動部をさらに含むことが好ましい。
【0019】
前記化学的研磨部は、前記エッチング槽の内部に前記被研磨基板から離隔して設けられ、且つ前記被研磨基板の表面に対してエッチング液を噴射するノズル付きのノズルパイプをさらに含むことが好ましい。
【0020】
本発明の好適な第2実施例に係る基板の研磨装置は、本発明の好適な第1実施例に係る基板の研磨装置において、前記ブラシがフラットタイプで構成されることが好ましい。
【0021】
本発明の好適な第3実施例に係る基板の研磨装置は、本発明の好適な第1実施例に係る基板の研磨装置において、前記ブラシが回転タイプで構成されたものである。
【0022】
尚、本発明の好適な基板の研磨装置は、被研磨基板の表面に対してエッチング液を噴射するノズル付きのノズルパイプを含む化学的研磨部と、およびブラシを含む機械的研磨部とを含んでなることを特徴とする。
【0023】
本発明の好適な第1実施例に係る基板の研磨方法は、(A)エッチング液入りのエッチング槽、およびブラシを準備する段階と、(B)被研磨基板を前記エッチング槽に浸漬しながら、前記ブラシを前記被研磨基板に接触させて前記被研磨基板を研磨する段階とを含んでなることを特徴とする。
【0024】
この際、前記(A)段階で、前記ブラシは、前記被研磨基板に形成されたトレンチの幅より広いブラシ毛材を備えることが好ましい。
【0025】
前記ブラシ毛材は、直径が、前記被研磨基板の前記トレンチの幅より広いことが好ましく、側面長さが、前記被研磨基板の前記トレンチの幅より広いことが好ましい。
【0026】
前記ブラシは、2つのローラータイプで構成されることが好ましい。
【0027】
前記(B)段階で、前記ブラシを往復運動または円運動させて前記被研磨基板を研磨することが好ましい。
【0028】
前記(B)段階で、前記エッチング槽の内部に設けられるノズルパイプのノズルを介してエッチング液を前記被研磨基板の表面に噴射することが好ましい。
【0029】
本発明の好適な第2実施例に係る基板の研磨方法は、本発明の好適な第1実施例に係る基板の研磨方法において、前記ブラシがフラットタイプで構成されることが好ましい。
【0030】
本発明の好適な第3実施例に係る基板の研磨方法は、本発明の好適な第1実施例に係る基板の研磨方法において、前記ブラシが回転タイプで構成されることが好ましい。
【0031】
尚、本発明の好適な基板の研磨方法は、(A)エッチング液が噴射されるノズルを備えたノズルパイプ、およびブラシを準備する段階と、(B)被研磨基板の表面に対して前記ノズルパイプの前記ノズルを介して前記エッチング液を噴射しながら、前記ブラシを前記被研磨基板に接触させて前記被研磨基板を研磨する段階とを含んでなることを特徴とする。
【0032】
本発明の特徴および利点らは、添付図面に基づいた次の詳細な説明からさらに明白になるであろう。
【0033】
これに先立ち、本明細書および請求の範囲に使用された用語または単語は、通常的で辞典的な意味で解釈されてはならず、発明者が自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に基づき、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されなければならない。
【発明の効果】
【0034】
本発明に係る基板の研磨装置および研磨方法は、エッチング液を用いた化学的研磨およびブラシを用いた機械的研磨を同時に実施することにより、メッキ層の表面が平坦であり、メッキ層の厚さが均一であるうえ、絶縁層に残余メッキ層が残らないという利点がある。
また、本発明によれば、機械的研磨のためにブラシを用いるため、CMP工程に比べて低価であり、ブラシの大きさに応じて大面積の基板にも使用することができるという利点がある。
【0035】
また、本発明によれば、ブラシ毛材が被研磨基板のトレンチより広く形成されるため、トレンチ内の回路層の研磨が最小化されるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】従来の技術に係る基板の研磨装置を説明するための図である。
【図2】本発明の好適な第1実施例に係る基板の研磨装置を説明するための図である。
【図3】本発明の好適な第2実施例に係る基板の研磨装置を説明するための図である。
【図4】本発明の好適な第3実施例に係る基板の研磨装置を説明するための図である。
【図5】本発明の好適な第1実施例に係る基板研磨装置のブラシおよび被研磨基板を拡大して示す拡大図(1)である。
【図6】本発明の好適な第1実施例に係る基板研磨装置のブラシおよび被研磨基板を拡大して示す拡大図(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の目的、特定の利点および新規の特徴は、添付図面に連関する以下の詳細な説明と好適な実施例からさらに明白になるであろう。本発明において、各図面の構成要素に参照番号を付加するにおいて、同一の構成要素については、他の図面上に表示されても、出来る限り同一の番号を付することに留意すべきであろう。また、第1、第2などの用語は、多様な構成要素の説明に使用できるが、前記構成要素は、他の構成要素から区別する目的のみで使用される。なお、本発明を説明するにおいて、関連した公知の技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を無駄に乱すおそれがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0038】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0039】
一方、本実施例ではトレンチが形成された基板の研磨過程を説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
【0040】
(基板の研磨装置)
図2は、本発明の好適な第1実施例に係る基板の研磨装置100aを説明するための図である、次に、図2を参照して本実施例に係る基板の研磨装置100aについて説明する。
【0041】
図2に示すように、本実施例に係る基板の研磨装置100aは、被研磨基板101が浸漬されるエッチング槽102を含む化学的研磨部109、およびブラシ110aを含む機械的研磨部112aから構成される。
【0042】
化学的研磨部109は、エッチング液入りのエッチング槽102、およびエッチング槽102にエッチング液を供給するエッチング液タンク105から構成される。
【0043】
エッチング槽102は、被研磨基板101を直接研磨する空間に該当する。
【0044】
ここで、エッチング槽102は、例えば六面体の形状をしてもよく、内部に被研磨基板101および機械的研磨部112aのブラシ110aが挿入されるので、十分な大きさを持つことが好ましい。また、エッチング槽102は、少なくとも一面が透明または半透明に処理され、内部の被研磨基板101の研磨過程が肉眼で確認できることが好ましい。エッチング槽102が透明または半透明に処理されると、基板の研磨装置100aのメンテナンスが便利になる。また、エッチング槽102の内部には、エッチング液を循環させる別途の循環部(図示せず)がさらに備えられてもよい。
【0045】
エッチング液タンク105は、エッチング液を貯留する部材であって、エッチング液をエッチング槽102に供給するものである。
【0046】
ここで、エッチング液タンク105から排出されたエッチング液は、エッチング液ポンプ106を経て第1配管107を介してエッチング槽102に到達することができる。また、エッチング槽102でエッチングを済ませてからエッチング槽102の下部に集まったエッチング液は、第2配管108を介してさらにエッチング液タンク105に流入する。この際、既に使用したエッチング液を再び使用することができるように化学薬品を処理してエッチング液タンク105に流入させることができる。
【0047】
また、エッチング液は、エッチングされる金属によって異なるようにすることができ、例えば塩化銅(CuCl)または塩化鉄(FeCl)である。
【0048】
化学的研磨部109は、被研磨基板101をエッチング槽102に移送させる移送部(図示せず)、およびエッチング槽102の内部にエッチング液を噴射させるノズルパイプ103をさらに備えることができる。
【0049】
ここで、移送部(図示せず)は、例えば、チェーン、ローラーまたはコンベヤベルトなどで構成できる。但し、これに限定されず、エッチング槽102へ被研磨基板101を移送することが可能な他の構成も採用できる。また、移送部(図示せず)には移送される被研磨基板101の落下などを防止するための別途の締結手段(図示せず)が備えられてもよい。
【0050】
ノズルパイプ103は、エッチング液タンク105からエッチング液の供給を受けてノズル104を介して被研磨基板101の表面にエッチング液を噴射する。また、ノズルパイプ103は、被研磨基板101から一定の距離離れるように多数設置され、特に、経済的側面からみて、被研磨基板101が単面基板のときには一方の側面にのみ設置され、被研磨基板101が両面基板のときには両方の側面に設置されることが好ましい。更に、ノズル104は、ノズルパイプ103の一面または両面に等間隔をおいて設置できる。この際、ノズル104は、エッチング液の噴射量、噴射速度および噴射方向が調節できるように構成され、被研磨基板101に最適化されたエッチングを行うことができる。一方、ノズルパイプ103が備えられると、別途のエッチング槽102がない場合でも化学的研磨を行うことができる。
【0051】
機械的研磨部112aは、ブラシ110a、およびブラシ110aを駆動させる駆動部111から構成される。
【0052】
ブラシ110aは、エッチング槽102の内部に形成でき、直接被研磨基板101に接触して被研磨基板101を機械的に研磨する部材である。ここで、ブラシ110aは、ローラータイプで構成される。但し、これに限定されず、被研磨基板101を研磨することが可能ないずれの形態のブラシ110aでも使用可能である。
【0053】
ブラシ110aがローラータイプの場合、ブラシ110aは2つから構成されることが好ましく、ブラシ110a同士の間に被研磨基板101が挿入できる。また、ブラシ110aは、後述する駆動部111によって互いに反対方向に回転でき、これにより、連続的な被研磨基板101の機械的研磨が可能である。この際、ブラシ110aの駆動速度に応じて、ブラシ110aが被研磨基板101に接触する時間を調節することにより、被研磨基板101におけるメッキ層の除去量を調節することができる。また、ブラシ110aの直径によって、一度に接触する被研磨基板101の面積を調節することができる。
【0054】
一方、図2には、ブラシ110aが被研磨基板101の両面に形成されていることを示したが、これは例示的なものに過ぎず、被研磨基板101が単面基板のときには一面にのみブラシ110aを形成することも可能である。但し、このような場合、ブラシ110aの設けられていない被研磨基板101の表面には別途の支持部がさらに構成できる。また、ブラシ110aには、ブラシ毛材113が設けられており、ブラシ毛材113は、被研磨基板101に形成されたトレンチより広いことが好ましい。
【0055】
駆動部111は、ブラシ110aを駆動させる部材である。
【0056】
ここで、駆動部111は、ブラシ110aの回転に駆動力を与えるもので、エッチング槽102に被研磨基板111が位置したか否かに応じて、ブラシ110aを上下に移動させることができる。すなわち、駆動部111は、被研磨基板101がエッチング槽102に位置したときには、ブラシ110aが被研磨基板101の表面に接触するように移動させ、被研磨基板101がエッチング槽102の外部に搬出されたときには、ブラシ110aを外方に移動させることができる。
【0057】
図3は、本発明の好適な第2実施例に係る基板の研磨装置100bを説明するための図である。次に、図3を参照して本実施例に係る基板の研磨装置100bについて説明する。ここで、同じ或いは対応する構成要素については同一の図面符号を示し、第1実施例との重複説明は省略する。
【0058】
図3に示すように、本実施例に係る基板の研磨装置100bは、被研磨基板101が浸漬されるエッチング槽102を含む化学的研磨部109、およびブラシ100bを含む機械的研磨部112bから構成されるが、ブラシ110bがフラットタイプであることを特徴とするものである。
【0059】
ここで、フラットタイプのブラシ110bは、直方体にブラシ毛材113が形成されるように構成できる。ブラシ110bがフラットタイプで構成される場合、長く形成されて被研磨基板101の長手方向を一度に研磨することができる。また、ブラシ110bは、駆動部111によって左右または前後に往復運動することにより被研磨基板101を機械的に研磨することができる。この際、ブラシ110bの大きさおよびブラシ110bの往復運動速度によって、被研磨基板101に形成された過剰メッキ層の除去量を調節することができる。
【0060】
図4は、本発明の好適な第3実施例に係る基板の研磨装置100cを説明するための図である。次に、図4を参照して本実施例に係る基板の研磨装置100cについて説明する。ここで、同じ或いは対応する構成要素については同一の図面符号を示し、第1実施例および第2実施例との重複説明は省略する。
【0061】
図4に示すように、本実施例に係る基板の研磨装置100cは、被研磨基板101が浸漬されるエッチング槽102を含む化学的研磨部109、およびブラシ110cを含む機械的研磨部112cから構成されるが、ブラシ110cは回転タイプであることを特徴とするものである。
【0062】
ここで、回転タイプのブラシ110cは、回転板にブラシ毛材113が形成されるように構成できる。回転タイプで構成されるブラシ110cの場合、駆動部111によって左右または前後に往復運動し、或いは円運動をすることができる。また、ブラシ110c自体は自転をして機械的研磨効果をさらに向上させることができる。この際、ブラシ110cの直径と回転速度によって、被研磨基板101におけるメッキ層の除去量を調節することができる。
【0063】
一方、ブラシ110cの回転板は、円形、楕円形または多角形などの自転可能な構造であればいずれでもよい。
【0064】
(基板の研磨方法)
図5および図6は、本発明の好適な第1実施例に係る基板研磨装置のブラシ110aと被研磨基板101を拡大した図である。次、図2、図5および図6を参照して本発明に係る基板の研磨方法について説明する。
【0065】
まず、化学的研磨のためのエッチング液の入ったエッチング槽102と、機械的研磨のためのブラシ110aを準備する。
【0066】
この際、エッチング槽102の内部には、ノズル104を備えたノズルパイプ103がさらに形成できる。また、ブラシ110aは、ローラータイプで構成される。好ましくは2つのブラシ110aを準備するが、これに限定されない。
【0067】
次いで、エッチング槽102の内部に輸送部(図示せず)によって、被研磨基板101を位置させて化学的研磨を行うと同時に、ブラシ110aを被研磨基板101に接触させて機械的研磨を行う。
【0068】
この際、エッチング槽102内のエッチング液を循環部(図示せず)によって循環させ、このエッチング液をノズル104を介して被研磨基板101の表面に噴射することにより、化学的研磨が行われる。これと同時に、ブラシ110aを被研磨基板101の表面に接触させ、ブラシ110aを互いに反対方向に回転させ、被研磨基板101をブラシ110a同士の間に通過させることにより、機械的研磨が行われる。
【0069】
或いは、バフ(Buff)またはベルト式の研磨機(belt sander)によって機械的研磨をまず行った後、ブラシ110aを用いて微細に機械的研磨を行うことも可能である。
【0070】
この際、図5に示すように、ブラシ毛材13の側面長さがトレンチ114の幅より広いこともある。この場合、ブラシ毛材113の側面がトレンチ114の内部に入り込むことができないため、トレンチ114内の回路層115が機械的に研磨される量は最小化される。一方、ブラシ毛材113の側面が被研磨基板101に接触できるように、ブラシ毛材113は柔軟性のある材質から構成されることが好ましい。
【0071】
また、図6に示すように、ブラシ毛材113の直径がトレンチ114の幅より広いこともある。この場合、ブラシ毛材113がトレンチ114の内部に入り込むことができないため、絶縁層116上の過剰メッキ層117のみが研磨され、トレンチ114内の回路層115は殆ど研磨されない。
【0072】
また、図5および図6に示すように、過剰メッキ層117の表面が均一ではなく凸凹な場合、ブラシ毛材113は突出した表面にさらに多く接触するので、過剰メッキ層117の表面を均一にすることができる。
【0073】
次に、図3を参照して本発明の好適な第2実施例に係る基板の研磨方法について説明する。ここで、同じ或いは対応する構成要素については同一の図面符号を示し、第1実施例との重複説明は省略する。
【0074】
本実施例では、被研磨基板101が研磨されるとき、フラットタイプのブラシ110bが前後または左右に往復運動することにより、機械的研磨が行われ得る。
【0075】
次に、図4を参照して本発明の好適な第3実施例に係る基板の研磨方法について説明する。ここで、同じ或いは対応する構成要素については同一の図面符号を示し、第1実施例および第2実施例との重複説明は省略する。
【0076】
本実施例では、被研磨基板101が研磨されるとき、回転タイプのブラシ110cが前往復運動または回転運動を行い、自転運動を行うことにより、機械的研磨が行われ得る。
【0077】
以上、本発明を具体的な実施例によって詳細に説明したが、これらの実施例は、本発明を具体的に説明するためのものに過ぎない。本発明に係る基板の研磨装置および研磨方法は、これらの実施例に限定されず、当該分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内において多様な変形および改良が可能である。
【0078】
本発明の単純な変形ないし変更はいずれも本発明の領域に属するもので、本発明の具体的な保護範囲は、特許請求の範囲によって明確になるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、CMP工程に比べて低価であり、大面積の基板にも使用可能な基板の研磨装置および研磨方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0080】
101 被研磨基板
102 エッチング槽
103 ノズルパイプ
104 ノズル
105 エッチング液タンク
106 エッチング液ポンプ
107 第1配管
108 第2配管
109 化学的研磨部
110a、110b、110c ブラシ
111 駆動部
112a、112b、112c 機械的研磨部
113 ブラシ毛材
114 トレンチ
115 回路層
116 絶縁層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被研磨基板が浸漬されるエッチング液入りのエッチング槽を含む化学的研磨部と、
ブラシを含む機械的研磨部とを含んでなることを特徴とする基板の研磨装置。
【請求項2】
前記機械的研磨部の前記ブラシが、前記被研磨基板に形成されたトレンチの幅より広いブラシ毛材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の基板の研磨装置。
【請求項3】
前記ブラシ毛材は、直径が前記被研磨基板の前記トレンチの幅より広いことを特徴とする請求項2に記載の基板の研磨装置。
【請求項4】
前記ブラシ毛材は、側面長さが前記被研磨基板の前記トレンチの幅より広いことを特徴とする請求項2に記載の基板の研磨装置。
【請求項5】
前記ブラシが、ローラータイプであることを特徴とする請求項1に記載の基板の研磨装置。
【請求項6】
前記ブラシが、フラットタイプであることを特徴とする請求項1に記載の基板の研磨装置。
【請求項7】
前記ブラシが、回転タイプであることを特徴とする請求項1に記載の基板の研磨装置。
【請求項8】
前記機械的研磨部が、前記ブラシを駆動させる駆動部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板の研磨装置。
【請求項9】
前記化学的研磨部が、前記エッチング槽の内部に前記被研磨基板から離隔して設けられ且つ前記被研磨基板の表面に対してエッチング液を噴射するノズル付きのノズルパイプをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板の研磨装置。
【請求項10】
被研磨基板の表面に対してエッチング液を噴射するノズル付きのノズルパイプを含む化学的研磨部と、
ブラシを含む機械的研磨部とを含んでなることを特徴とする基板の研磨装置。
【請求項11】
(A)エッチング液入りのエッチング槽、およびブラシを準備する段階と、
(B)被研磨基板を前記エッチング槽に浸漬しながら、前記ブラシを前記被研磨基板に接触させて前記被研磨基板を研磨する段階とを含んでなることを特徴とする基板の研磨方法。
【請求項12】
前記(A)段階で、前記ブラシが、前記被研磨基板に形成されたトレンチの幅より広いブラシ毛材を備えることを特徴とする請求項11に記載の基板の研磨方法。
【請求項13】
前記ブラシ毛材は、直径が前記被研磨基板の前記トレンチの幅より広いことを特徴とする請求項12に記載の基板の研磨方法。
【請求項14】
前記ブラシ毛材は、側面長さが前記被研磨基板の前記トレンチの幅より広いことを特徴とする請求項12に記載の基板の研磨方法。
【請求項15】
前記ブラシが、ローラータイプであることを特徴とする請求項11に記載の基板の研磨方法。
【請求項16】
前記ブラシが、フラットタイプであることを特徴とする請求項11に記載の基板の研磨方法。
【請求項17】
前記ブラシが、回転タイプであることを特徴とする請求項11に記載の基板の研磨方法。
【請求項18】
前記(B)段階で、前記ブラシを往復運動または円運動させて前記被研磨基板を研磨することを特徴とする請求項11に記載の基板の研磨方法。
【請求項19】
前記(B)段階で、前記エッチング槽の内部に設けられるノズルパイプのノズルを介してエッチング液を前記被研磨基板の表面に噴射することを特徴とする請求項11に記載の基板の研磨方法。
【請求項20】
(A)エッチング液を噴射するノズル付きのノズルパイプ、およびブラシを準備する段階と、
(B)被研磨基板の表面に前記ノズルパイプの前記ノズルを介して前記エッチング液を噴射しながら、前記ブラシを前記被研磨基板に接触させて前記被研磨基板を研磨する段階とを含んでなることを特徴とする基板の研磨方法。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−109054(P2011−109054A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47001(P2010−47001)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】