基板の製造方法、基板、及び同基板を備えた電子デバイス
【課題】製造する基板が静電気によって破壊されることを防止する、基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一態様の電子デバイス用基板の製造方法は、複数のスイッチング素子、及び該複数のスイッチング素子に電気的に接続された複数の配線(120及び130)を備える基板の製造方法であって、基板(100)に複数の配線(120及び130)を短絡させる短絡配線(150及び160)を形成する短絡工程と、基板(100)に、短絡配線(150及び160)の少なくとも一部を基板(100)から除去して短絡を解除可能な開口または切り欠き(210、220、230、及び240)を形成する短絡解除工程と、を備える。
【解決手段】本発明の一態様の電子デバイス用基板の製造方法は、複数のスイッチング素子、及び該複数のスイッチング素子に電気的に接続された複数の配線(120及び130)を備える基板の製造方法であって、基板(100)に複数の配線(120及び130)を短絡させる短絡配線(150及び160)を形成する短絡工程と、基板(100)に、短絡配線(150及び160)の少なくとも一部を基板(100)から除去して短絡を解除可能な開口または切り欠き(210、220、230、及び240)を形成する短絡解除工程と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る一態様は基板の製造方法であって、特に、基板が備える複数の配線を短絡させる工程の後に該短絡を解除する工程を有することを特徴のひとつとする。
【背景技術】
【0002】
近年、有機トランジスタは以下のような理由から、研究や実用化が盛んに行われている。第1に、有機トランジスタは低温プロセスで製造できるため、基板としてプラスチックやフィルムを用いることができ、これによりフレキシブルで軽量かつ壊れにくい回路基板にすることができる。第2に、有機トランジスタは溶液の塗布や印刷法といった簡単な方法により、短時間で素子形成が可能であり、低コストで回路基板が作成可能である。第3に、有機材料はバリエーションが豊富であり、分子構造や結晶構造の変化により容易に特性の異なる素子を形成可能である。
【0003】
上記の特徴を持つ有機トランジスタは、軽量で、耐衝撃性が強く、曲げ性(可撓性)を有するプラスチック基板に形成する事ができる。そこで、プラスチック基板上に有機トランジスタを画素電極として形成した、電子ペーパーや有機ELディスプレイに代表される表示体が盛んに研究されている。
【0004】
しかしながら、プラスチック基板はガラス基板に比べて帯電を起こしやすく、製造工程中のみならず基板の搬送や、基板が他の物へ接触することによっても、静電気による静電破壊が起きやすいという課題があった。このような静電破壊への対策として、例えば特開2008−83489号公報(特許文献1)、または特開2005−275004号公報(特許文献2)に記載されているように、データライン及びスキャンラインに保護ダイオードを形成するといった方法が提案されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−83489号公報
【特許文献2】特開2005−275004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、基板上に形成されたデータライン及びスキャンラインに保護ダイオードを形成する従来の方法では、工程が複雑になることや、基板サイズが大きくなることといった課題がある。
【0007】
そこで、本発明の一形態では、上記課題を解決可能な基板及び基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するために、本発明の一態様の電子デバイス用基板の製造方法は、複数のスイッチング素子、及び該複数のスイッチング素子に電気的に接続された複数の配線を備える基板の製造方法であって、前記基板に前記複数の配線を短絡させる短絡配線を形成する短絡工程と、前記基板に、前記短絡配線の少なくとも一部を前記基板から除去して前記短絡を解除可能な開口または切り欠きを形成する短絡解除工程と、を備える。
【0009】
かかる方法によれば、基板が帯電することによって発生する静電破壊を、基板の製造工程における簡単な方法で防止することが可能となる。また、静電破壊防止のための構成を基板上に形成することにより基板サイズが大きくなることを防止することもできる。また、開口または切り欠きを形成することで、基板を軽量化することができる。
【0010】
また、前記基板はプラスチック基板であることが好ましい。これによれば、開口または切り欠きを形成する加工を施しやすくなる。
【0011】
また、前記短絡解除工程において、打ち抜き加工によって前記基板に開口または切り欠きを形成することが好ましい。
【0012】
かかる方法によれば、短絡配線をエッチング等で除去する従来方法に比べて基板へのダメージが少なく、また簡単で低コストな方法でかつ、基板ごと配線を削除するために、より確実に歩留まりよく短絡配線による短絡を解除することができる。
【0013】
また、前記スイッチング素子は有機トランジスタであることが好ましい。
【0014】
また、本発明の一態様は、外部接続部品を前記複数の配線と電気的に接続する実装工程をさらに備え、前記実装工程の後に前記短絡解除工程を行うことが好ましい。
【0015】
かかる方法によれば、基板の製造工程における最終工程または最終工程直前の工程で短絡の解除を行うので、該短絡解除工程の後に基板が再度帯電することを防止することができる。さらに、外部接続部品を介して基板内の帯電を除去する事が可能となり、これにより基板の静電破壊を防止する事ができる。
【0016】
または、本発明の一態様は、外部接続部品を前記複数の配線と電気的に接続する実装工程をさらに備え、前記実装工程の前に前記短絡解除工程を行うことができる。
【0017】
かかる方法によれば、短絡解除工程を実装工程の先に行うので、より容易に短絡解除工程を行う事ができる。また、外部接続部品と短絡配線を平面視で重なった状態となるように形成する事ができるため、基板面積を縮小する事が可能となる。
【0018】
また、前記基板が、複数のデータ線、複数のスキャン線、及び共通電極を備えており、前記短絡工程では、前記複数のデータ線、前記複数のスキャン線、及び前記共通電極を短絡させてもよい。
【0019】
また、前記基板が、複数のデータ線、複数のスキャン線、及び共通電極を備えており、前記短絡工程では、前記複数のデータ線及び前記複数のスキャン線のうち少なくとも一方を短絡させてもよい。
【0020】
また、前記基板が、複数のデータ線、複数のスキャン線、及び共通電極を備えており、前記短絡工程では、前記複数のデータ線及び前記複数のスキャン線のうち少なくとも一方と前記共通電極とを短絡させてもよい。
【0021】
また、前記基板が、複数のデータ線、複数のスキャン線、及び共通電極を備えており、前記複数のデータ線及び前記複数のスキャン線は、それぞれの両端または片方の端から引き出された短絡配線によって短絡されてもよい。
【0022】
また、前記短絡解除工程は、複数の前記基板を重ねて配置し、該複数の前記基板に一度に開口または切り欠きを形成することが好ましい。
【0023】
かかる方法によれば、複数の基板に対して一度に短絡解除工程を行うので、製造に要する時間を短縮することができる。
【0024】
また、前記短絡解除工程において、前記基板を折り曲げ可能に構成された折り曲がり部に沿った開口または切り欠きをさらに形成することができる。
【0025】
かかる方法によれば、短絡解除工程と同時に基板に設けられた折り曲がり部に沿った開口または切り欠きを形成することができ、基板の製造に要する時間を短縮することができる。
【0026】
また、本発明は上記いずれかの方法で製造された電子デバイス用基板を含む。
【0027】
また、本発明の一形態である電子デバイス用基板は、複数のスイッチング素子、及び該複数のスイッチング素子に電気的に接続された複数の配線を備える基板であって、前記基板上に開口または切り欠きが設けられており、前記複数の配線の一端はそれぞれ前記開口または前記切り欠きにおいて終端している。
【0028】
かかる構成の基板によれば、帯電した電荷が少なく、基板が静電気により破壊されることを防止することができる。
【0029】
また、本発明の一形態は上記基板を備えた電子デバイスを含む。かかる電子デバイスによれば、静電気により破壊されづらい電子デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施形態における基板の構成例を示す第1の図。
【図2】実施形態における基板の構成例を示す第2の図。
【図3】実施形態における基板の構成例を示す第3の図。
【図4】実施形態における基板の構成例を示す第4の図。
【図5】基板打ち抜き工程後の基板を示す図。
【図6】基板上に設ける開口の第1の構成例を示す図。
【図7】基板上に設ける開口の第2の構成例を示す図。
【図8】基板上に設ける切り欠きの構成例を示す図。
【図9】第1層配線形成工程を示す断面図。
【図10】半導体形成工程を示す断面図。
【図11】ゲート絶縁層形成工程を示す断面図。
【図12】第2層配線形成工程を示す断面図。
【図13】層間絶縁層形成工程を示す断面図。
【図14】コンタクトホール形成工程を示す断面図。
【図15】画素電極形成工程を示す断面図。
【図16】基板に設けられた折り曲がり部の一例を示す図。
【図17】本実施形態の基板を含む電子ブックの構成を示す図。
【図18】本実施形態の基板を含む腕時計の構成を示す図。
【図19】本実施形態の基板を含む電子ペーパーの構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明に係る実施形態について、以下の構成に従って、図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、以下で説明する実施形態はあくまで本発明の一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、各図面において、同一の部品には同一の符号を付しており、その説明を省略する場合がある。
1.定義
2.実施形態1
(1)第1層配線形成工程及び半導体形成工程
(2)第2層配線形成工程(ゲート電極形成工程)
(3)共通電極形成工程
(4)ドライバ実装工程
(5)基板打ち抜き工程
3.各工程における断面についての説明
(1)第1層配線形成工程
(2)半導体形成工程
(3)ゲート絶縁層形成工程
(4)第2層配線形成工程(ゲート電極形成工程)
(5)層間絶縁層形成工程
(6)コンタクトホール形成工程
(7)画素電極形成工程
4.まとめ
5.応用例
【0032】
<1.定義>
まず、本明細書における用語を以下のとおり定義する。
【0033】
「○○部」(○○は任意の語。):電気的な回路または部分を含むがこれに限定されず、当該回路または部分の機能を果たす物理的手段、又はソフトウェアで実現される機能的手段などをも含む。また、1つの回路または部分が有する機能が2つ以上の物理的又は機能的手段により実現されても、2つ以上の回路または部分の機能が1つの物理的又は機能的手段により実現されても良い。
「打ち抜き」:基板の一部をプレス加工などの物理的加工によって除去することを含むが、プレス加工に限定するものではない。すなわち、基板の一部を除去する様々な方法を含む。
「短絡」:電気的にショートさせることを指すが、実施形態においては、基板の一部に集中して荷電することを防止し、電荷を分散させるためにある部分と他の部分とを電気的に接続することを指す。
【0034】
<2.実施形態1>
本発明は、以下で説明する一実施形態に見られるように、基板が備える複数の配線を短絡させる工程の後に、該短絡を解除する工程を有することを特徴のひとつとしている。また、本実施形態で説明する基板は、主にアクティブマトリックスに代表される電子デバイス用の基板として用いられる。以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0035】
<(1)第1層配線形成工程及び半導体形成工程>
図1は、本実施形態において、第1層配線形成工程及び半導体形成工程後の基板を示す図である。図1に示すように、基板100上には、画素110、データ線120、スキャン線(走査線)130、共通電極接続部140、データ線短絡配線150、スキャン線短絡配線160、及び共通電極短絡配線170が形成されている。ただし、スキャン線130は後述する第2層配線形成工程においてゲート絶縁膜上に形成されるスキャン線130とコンタクトホールを通じて接続される事で完成される構成であり、この時点では画素110内のスイッチング素子と接続されていない未完成の状態である。
【0036】
画素110は、表示素子及びスイッチング素子を備えている。該表示素子には、例えば基板が電気泳動表示装置に用いられる場合には電気泳動のカプセル、画素電極、及び該画素電極と対向する共通電極(後述)の一部が含まれる。スイッチング素子は、例えば有機材料によって形成されたトランジスタなどである。データ線120は、基板100上に複数形成されており、これら複数のデータ線120は画素110にそれぞれ電気的に接続されている。また、複数のデータ線120は、図1に示すように、基板100上の、図面上方及び下方において、データ線短絡配線150を介して互いに接続されている。このように複数のデータ線120がデータ線短絡配線150を介して互いに接続させることを、「短絡させる」ともいう。共通電極接続部140は、後に形成される表示素子の共通電極に接続して所定の電圧を供給するために形成されている。また、共通電極接続部140は、共通電極短絡配線170、及び基板100の平面視における周辺部に配置された短絡配線を介して、複数のデータ線120及び複数のスキャン線130に接続されている。
【0037】
<(2)第2層配線形成工程(ゲート電極形成工程)>
図2は、第2層配線形成工程後の基板を示す図である。図2に示すように、基板100上には画素110に含まれるスイッチング素子と接続されたスキャン線130が形成されている。また、第2層配線形成工程では画素110におけるスイッチング素子のゲート電極もあわせて形成される。これによって、複数のスキャン線130は、図2に示すように、図面の左右の部分においてそれぞれスキャン線短絡配線160を介して互いに接続されている。さらに、複数のデータ線120及び複数のスキャン線130はデータ線短絡配線150及びスキャン線短絡配線160を介して互いに接続(短絡)されている。なお、第1層配線形成工程で複数のデータ線120を、第2層配線形成工程で複数のスキャン線130を短絡させているが、これらの工程を短絡工程ともいう。
【0038】
<(3)共通電極形成工程>
図3は、共通電極形成工程後の基板を示す図である。共通電極形成工程においては、基板100上に共通電極180が形成される。その結果、図3に示すように、基板100上には共通電極180が形成される。共通電極180は、平面視において基板100上に形成された画素110を覆うように、画素110の上層に形成され、共通電極接続部140と電気的に接続されている。また、図示していないが、画素110における画素電極と共通電極との間には、電気泳動のカプセルが配されている。
【0039】
<(4)ドライバ実装工程>
図4は、ドライバ実装工程後の基板を示す図である。ドライバ実装工程においては、複数のデータ線120にはドライバCOF(Chip On Film)190が接続され、複数のスキャン線130にはドライバCOF200が接続される。ドライバCOF190は、データ線120を駆動するデータドライバと、該データドライバと複数のデータ線120とを接続するための配線とを有している。ドライバCOF200は、スキャン線130を駆動するスキャンドライバと、該スキャンドライバと複数のスキャン線130とを接続するための配線とを有している。ドライバCOF190及び200は、後の基板打ち抜き工程において打ち抜かれる基板部分を避けて配置される。
【0040】
<(5)基板打ち抜き工程>
図5は、基板打ち抜き工程後の基板を示す図である。基板打ち抜き工程においては、基板100における予め定められた部分を物理的に打ち抜いて除去する。これによって、データ線短絡配線150、スキャン線短絡配線160、及び共通電極短絡配線170によって電気的に接続(短絡)されていた複数のデータ線120、複数のスキャン線130、及び共通電極180との接続を解除する。そこで、この基板打ち抜き工程は「短絡解除工程」とも呼ばれる。
【0041】
図5に示すように、基板の打ち抜きにはいくつかの方法がある。データ線短絡解除部210では、データ線短絡配線150を除去するように基板100の端部を含む基板100の一部を打ち抜くことで、基板100上に切り欠きを形成している。スキャン線短絡解除部220においても同様に、スキャン線短絡配線160を除去するように基板100の端部を含む基板100の一部を打ち抜くことで、基板100上に切り欠きを形成している。共通電極短絡解除部230では、共通電極短絡配線170を含む基板100の一部を打ち抜いて、基板100上に開口を形成している。また、周辺短絡解除部240では、データ線短絡配線150及びスキャン線短絡配線160を除去するように、基板100における2つの端辺をすべて含む切り欠きを形成している。
【0042】
図6乃至図8は、基板100におけるスキャン線130及びスキャン線短絡配線160の周辺を拡大した図である。図6は、基板100上に開口221を設けた例である。図6において、点線で囲まれた部分が開口を設けた箇所であり、該開口部に配されていた配線は除去されるが、説明を容易にするために図中に記載している。図7及び図8においても同様である。図6に示すように、開口221はスキャン線短絡配線160を含む箇所に設けられる。該開口221が設けられることで、スキャン線130の短絡は解除される。図7は、基板100上に複数の開口222を設けた例である。図7に示すように、開口222はスキャン線130とスキャン線短絡配線160との接続間に設けられる。該開口222によって、スキャン線130の短絡は解除される。図8は、基板100上に切り欠き223を設けた例である。図8に示すように、切り欠き223はスキャン線短絡配線160を含む箇所に設けられる。また、切り欠き223を設ける場合、基板100の端辺を含む箇所に形成される。
【0043】
ここで、図6に示すようにひとつの開口221で複数のスキャン線130の相互の短絡を一度に解除する構成は、図7に示す複数の開口222で複数のスキャン線130の相互の短絡を解除する構成と比較して、構成が簡単であり加工もしやすいため好ましい。また、図8に示すように切り欠き223を設ける構成は、さらに加工がしやすく好ましい。
【0044】
なお、基板打ち抜き工程は、必ずしもドライバ実装工程の後に行う必要はなく、ドライバ実装工程の前に行ってもよい。
【0045】
ここでは複数の方法でデータ線短絡配線150、スキャン線短絡配線160、及び共通電極短絡配線170を除去して、複数のデータ線120、複数のスキャン線130、及び共通電極180における短絡を解除する方法を説明したが、この例に限る趣旨ではない。すなわち、複数のデータ線120、複数のスキャン線130、及び共通電極180の短絡を解除可能な方法であれば、上記で示した複数の方法のうちの1つを採用してもよいし、上記以外の方法を採用してもよい。
【0046】
<3.各工程における断面についての説明>
次に、各工程における基板の断面図を示しながら、それぞれの工程が具体的にどのように行われるかを説明していく。
【0047】
<(1)第1層配線形成工程>
図9は、第1層配線形成工程を示す断面図である。図9に示すように、基板300上には導電材料からなる第1層配線310が形成される。第1層配線310には、既に説明したデータ線120、スキャン線130の一部、共通電極接続部140、データ線短絡配線150、スキャン線短絡配線160、共通電極短絡配線170、及び画素110に含まれるスイッチング素子のソース・ドレイン配線が含まれる。
【0048】
<(2)半導体形成工程>
図10は、半導体形成工程を示す断面図である。図10に示すように、基板300上には半導体材料からなる半導体層320が形成される。半導体層320には、画素110の構成のひとつであるスイッチング素子における半導体部分が含まれる。
【0049】
<(3)ゲート絶縁層形成工程>
図11は、ゲート絶縁層形成工程を示す断面図である。図11に示すように、基板300上には、第1層配線310及び半導体層320を覆ってゲート絶縁層330が形成される。ゲート絶縁層330は有機絶縁材料または無機絶縁材料により形成される。
【0050】
<(4)第2層配線形成工程(ゲート電極形成工程)>
図12は、第2層配線形成工程を示す断面図である。図12に示すように、ゲート絶縁層330の上に、導電体からなるゲート電極340が形成される。ゲート電極340は、画素110におけるスイッチング素子の構成の一つである。また、図12の断面図では図示していないが、ゲート電極340と同じ層には、図2において示したスキャン線130も形成される。
【0051】
すなわち、第1層配線形成工程及び第2層配線形成工程において、データ線120、スキャン線130、共通電極接続部140、データ線短絡配線150、スキャン線短絡配線160、共通電極短絡配線170、並びに画素110に含まれるスイッチング素子のソース・ドレイン配線及びゲート電極が形成される。したがって、第1層配線形成工程及び第2層配線形成工程を、短絡工程ともいう。
【0052】
<(5)層間絶縁層形成工程>
図13は、層間絶縁層形成工程を示す断面図である。図13に示すように、ゲート絶縁層330の上層に、ゲート電極340を覆うように層間絶縁層350が形成される。層間絶縁層350は有機絶縁材料または無機絶縁材料により形成される。
【0053】
<(6)コンタクトホール形成工程>
図14は、コンタクトホール形成工程を示す断面図である。図14に示すように、層間絶縁層350及びゲート絶縁層330には、第1層配線310に達する開口(コンタクトホール)が形成される。
【0054】
<(7)画素電極形成工程>
図15は、画素電極形成工程を示す断面図である。図15に示すように、画素電極360はコンタクトホール形成工程で形成された開口(コンタクトホール)及び層間絶縁層350の上層に形成される。画素電極360は、第1層配線310のうちのソース・ドレイン配線に電気的に接続される。また、画素電極360は画素110の構成のひとつである。
【0055】
この後、共通電極形成工程、ドライバ実装工程、及び基板打ち抜き工程を行うが、これらについては既に平面図を用いて説明したため具体的な説明を省略する。
【0056】
<4.まとめ>
以上の各工程によって、本発明の一形態である複数のスイッチング素子及び該複数のスイッチング素子に電気的に接続された複数の配線を備えた基板を製造することができる。
【0057】
本実施形態で説明した基板の製造方法では、基板上の複数の配線を短絡させる短絡配線(150、160、及び170)を基板100(300)に形成する短絡工程と、基板100(300)に、短絡配線(150、160、及び170)の少なくとも一部を基板100(300)から除去して短絡を解除可能な開口または切り欠き(210、220、230、及び240)を形成する短絡解除工程とを備える。なお、短絡工程は実施形態における第1層配線形成工程及び第2層配線形成工程を指し、短絡解除工程は基板打ち抜き工程を指す。
【0058】
かかる方法によれば、基板100(300)が帯電することによって発生する静電破壊を、基板100(300)の製造工程における簡単な方法で防止することが可能となる。また、静電破壊防止のための構成を基板上に形成することにより基板サイズが大きくなることを防止することもできる。また、開口または切り欠き(210、220、230、及び240)を形成することで、基板を軽量化することができる。
【0059】
また、基板100(300)はプラスチック基板であることが好ましい。これによれば、開口または切り欠き(210、220、230、及び240)を形成する加工を施しやすくなる。
【0060】
また、本実施形態における短絡解除工程においては、打ち抜き加工によって基板100(300)に開口または切り欠き(210、220、230、及び240)を形成することが好ましい。これによれば、短絡配線をエッチング等で除去する従来方法に比べて基板へのダメージが少なく、また簡単で低コストな方法でかつ、基板ごと配線を削除するために、より確実に歩留まりよく短絡配線による短絡を解除することができる。
【0061】
また、スイッチング素子は有機トランジスタであることが好ましい。
【0062】
また、本実施形態では、外部接続部品であるドライバCOF190及び200を、データ線120及びスキャン線130と電気的に接続する実装工程をさらに備え、実装工程の後に短絡解除工程を行う。なお、実装工程は実施形態におけるドライバ実装工程を指す。
【0063】
これによれば、基板の製造工程における最終工程または最終工程直前の工程で短絡の解除を行うので、該短絡解除工程の後に基板が再度帯電することを防止することができる。さらに、外部接続部品を介して基板内の帯電を除去する事が可能となり、これにより基板の静電破壊を防止する事ができる。
【0064】
また、本実施形態では、外部接続部品であるドライバCOF190及び200を、データ線120及びスキャン線130と電気的に接続する実装工程をさらに備え、実装工程の前に前記短絡解除工程を行うこともできる。
【0065】
かかる方法によれば、短絡解除工程を実装工程の先に行うので、短絡解除工程がより容易に行う事ができる。また、外部接続部品と短絡配線を平面視で重なった状態となるように形成する事ができるため、基板面積を縮小する事が可能となる。
【0066】
また、本実施形態では基板100(300)が複数のデータ線120、複数のスキャン線130、及び共通電極180を備える表示装置用基板であって、短絡工程では、複数のデータ線120、複数のスキャン線130、及び共通電極180を短絡させてもよい。
【0067】
また、基板100(300)が、複数のデータ線120、複数のスキャン線130、及び共通電極180を備える表示装置用基板であって、短絡工程では、複数のデータ線120及び複数のスキャン線130のうち少なくとも一方を短絡させてもよい。
【0068】
また、基板100(300)が、複数のデータ線120、複数のスキャン線130、及び共通電極180を備える表示装置用基板であって、短絡工程では、複数のデータ線120及び複数のスキャン線130のうち少なくとも一方と共通電極180とを短絡させてもよい。
【0069】
また、基板100(300)が、複数のデータ線120、複数のスキャン線130、及び共通電極180を備える表示装置用基板であって、複数のデータ線120及び複数のスキャン線130は、それぞれの両端または片方の端から引き出された短絡配線によって短絡されてもよい。
【0070】
また、本実施形態における短絡解除工程は、複数の基板100(300)を重ねて配置し、複数の基板100(300)に一度に開口または切り欠きを形成することが可能である。
【0071】
これによれば、複数の基板100(300)に対して一度に短絡解除工程を行うので、製造に要する時間を短縮することができる。
【0072】
また、本実施形態における短絡解除工程において、基板100(300)を折り曲げ可能に構成された折り曲がり部に沿った開口または切り欠きをさらに形成することができる。これは、例えば基板の中央部分などの予め定められた場所である折り曲がり部に開口または切り欠きを直線的に形成することで、該折り曲がり部における折り曲げ性を高めるものである。
【0073】
図16は、基板に設けられた折り曲がり部の一例を示す図である。図16において、基板100は波線aによって示される直線上の折れ曲がり部を有しており、この折れ曲がり部において折り曲げ可能に形成されている。折れ曲がり部には、2つの開口250が形成されており、この折れ曲がり部における基板の折り曲げ性を高めている。
【0074】
上記方法によれば、短絡解除工程と同時に基板に設けられた折り曲がり部に沿った開口または切り欠きを形成することができ、基板の製造に要する時間を短縮することができる。
【0075】
また、本発明は上記いずれかの方法で製造された電子デバイス用基板を含む。
【0076】
また、本実施形態で説明した方法によって製造された基板100(300)は、複数の画素110に含まれる複数のスイッチング素子、及び該複数のスイッチング素子に電気的に接続された、複数のデータ線120及び複数のスキャン線130を備える。そして、図5に示されるように、該基板上には開口または切り欠き(210、220、230、及び240)が設けられており、複数のデータ線120及び複数のスキャン線130の一端はそれぞれ開口または前記切り欠き(210、220、230、及び240)において終端している。
【0077】
これによれば、帯電した電荷が少なく、静電気により破壊されることを防止した基板を提供することができる。
【0078】
<5.応用例>
上記のとおり、本実施形態によれば、帯電した電荷が少なく、静電気により破壊されることを防止した基板を提供することができる。該基板は電子デバイスなどに用いることができ、製造する電子デバイスの歩留りを向上させることなどが可能である。以下、具体例を示しながら、本実施形態の基板を含む電子デバイスの適用例について説明する。
【0079】
図17乃至図19は、本実施形態の基板を含む電子デバイスの具体例を示す図である。図17は、本実施形態の基板を含む電気泳動装置400を、電子ブック500に適用した例である。図17に示すように、電子ブック500は、電気泳動装置400、蓋部501、操作ボタン502、及び外枠部503を含んで構成される。該電子ブック500は、電気泳動装置400にメモを書き込むことが可能である。図18は、本実施形態の基板を含む電気泳動装置400を、腕時計600に適用した例である。図18に示すように、腕時計600は時刻等を表示する表示装置として電気泳動装置400を備えて構成される。図19は、本実施形態の基板を含む電気泳動装置400を、電子ペーパー700に適用した例である。図19に示すように、電子ペーパー700は、電気泳動装置400及び外枠部701を備えて構成される。当該電子ペーパーに用いられる基板は可撓性材料によって形成され、外枠部701も可撓性材料により形成されている。
【符号の説明】
【0080】
100・300……基板、110……画素、120……データ線、130……スキャン線、140……共通電極接続部、150……データ線短絡配線、160……スキャン線短絡配線、170……共通電極短絡配線、180……共通電極、190・200……ドライバCOF、210……データ線短絡解除部、220……スキャン線短絡解除部、221・222……開口、223……切り欠き、230……共通電極短絡解除部、240……周辺短絡解除部、250……開口、310……第1層配線、320……半導体層、330……ゲート絶縁層、340……ゲート電極、350……層間絶縁層、360……画素電極、400……電気泳動装置、500……電子ブック、501……蓋部、502……操作ボタン、503……外枠部、600……腕時計、700……電子ペーパー、701……外枠部
【技術分野】
【0001】
本発明に係る一態様は基板の製造方法であって、特に、基板が備える複数の配線を短絡させる工程の後に該短絡を解除する工程を有することを特徴のひとつとする。
【背景技術】
【0002】
近年、有機トランジスタは以下のような理由から、研究や実用化が盛んに行われている。第1に、有機トランジスタは低温プロセスで製造できるため、基板としてプラスチックやフィルムを用いることができ、これによりフレキシブルで軽量かつ壊れにくい回路基板にすることができる。第2に、有機トランジスタは溶液の塗布や印刷法といった簡単な方法により、短時間で素子形成が可能であり、低コストで回路基板が作成可能である。第3に、有機材料はバリエーションが豊富であり、分子構造や結晶構造の変化により容易に特性の異なる素子を形成可能である。
【0003】
上記の特徴を持つ有機トランジスタは、軽量で、耐衝撃性が強く、曲げ性(可撓性)を有するプラスチック基板に形成する事ができる。そこで、プラスチック基板上に有機トランジスタを画素電極として形成した、電子ペーパーや有機ELディスプレイに代表される表示体が盛んに研究されている。
【0004】
しかしながら、プラスチック基板はガラス基板に比べて帯電を起こしやすく、製造工程中のみならず基板の搬送や、基板が他の物へ接触することによっても、静電気による静電破壊が起きやすいという課題があった。このような静電破壊への対策として、例えば特開2008−83489号公報(特許文献1)、または特開2005−275004号公報(特許文献2)に記載されているように、データライン及びスキャンラインに保護ダイオードを形成するといった方法が提案されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−83489号公報
【特許文献2】特開2005−275004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、基板上に形成されたデータライン及びスキャンラインに保護ダイオードを形成する従来の方法では、工程が複雑になることや、基板サイズが大きくなることといった課題がある。
【0007】
そこで、本発明の一形態では、上記課題を解決可能な基板及び基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するために、本発明の一態様の電子デバイス用基板の製造方法は、複数のスイッチング素子、及び該複数のスイッチング素子に電気的に接続された複数の配線を備える基板の製造方法であって、前記基板に前記複数の配線を短絡させる短絡配線を形成する短絡工程と、前記基板に、前記短絡配線の少なくとも一部を前記基板から除去して前記短絡を解除可能な開口または切り欠きを形成する短絡解除工程と、を備える。
【0009】
かかる方法によれば、基板が帯電することによって発生する静電破壊を、基板の製造工程における簡単な方法で防止することが可能となる。また、静電破壊防止のための構成を基板上に形成することにより基板サイズが大きくなることを防止することもできる。また、開口または切り欠きを形成することで、基板を軽量化することができる。
【0010】
また、前記基板はプラスチック基板であることが好ましい。これによれば、開口または切り欠きを形成する加工を施しやすくなる。
【0011】
また、前記短絡解除工程において、打ち抜き加工によって前記基板に開口または切り欠きを形成することが好ましい。
【0012】
かかる方法によれば、短絡配線をエッチング等で除去する従来方法に比べて基板へのダメージが少なく、また簡単で低コストな方法でかつ、基板ごと配線を削除するために、より確実に歩留まりよく短絡配線による短絡を解除することができる。
【0013】
また、前記スイッチング素子は有機トランジスタであることが好ましい。
【0014】
また、本発明の一態様は、外部接続部品を前記複数の配線と電気的に接続する実装工程をさらに備え、前記実装工程の後に前記短絡解除工程を行うことが好ましい。
【0015】
かかる方法によれば、基板の製造工程における最終工程または最終工程直前の工程で短絡の解除を行うので、該短絡解除工程の後に基板が再度帯電することを防止することができる。さらに、外部接続部品を介して基板内の帯電を除去する事が可能となり、これにより基板の静電破壊を防止する事ができる。
【0016】
または、本発明の一態様は、外部接続部品を前記複数の配線と電気的に接続する実装工程をさらに備え、前記実装工程の前に前記短絡解除工程を行うことができる。
【0017】
かかる方法によれば、短絡解除工程を実装工程の先に行うので、より容易に短絡解除工程を行う事ができる。また、外部接続部品と短絡配線を平面視で重なった状態となるように形成する事ができるため、基板面積を縮小する事が可能となる。
【0018】
また、前記基板が、複数のデータ線、複数のスキャン線、及び共通電極を備えており、前記短絡工程では、前記複数のデータ線、前記複数のスキャン線、及び前記共通電極を短絡させてもよい。
【0019】
また、前記基板が、複数のデータ線、複数のスキャン線、及び共通電極を備えており、前記短絡工程では、前記複数のデータ線及び前記複数のスキャン線のうち少なくとも一方を短絡させてもよい。
【0020】
また、前記基板が、複数のデータ線、複数のスキャン線、及び共通電極を備えており、前記短絡工程では、前記複数のデータ線及び前記複数のスキャン線のうち少なくとも一方と前記共通電極とを短絡させてもよい。
【0021】
また、前記基板が、複数のデータ線、複数のスキャン線、及び共通電極を備えており、前記複数のデータ線及び前記複数のスキャン線は、それぞれの両端または片方の端から引き出された短絡配線によって短絡されてもよい。
【0022】
また、前記短絡解除工程は、複数の前記基板を重ねて配置し、該複数の前記基板に一度に開口または切り欠きを形成することが好ましい。
【0023】
かかる方法によれば、複数の基板に対して一度に短絡解除工程を行うので、製造に要する時間を短縮することができる。
【0024】
また、前記短絡解除工程において、前記基板を折り曲げ可能に構成された折り曲がり部に沿った開口または切り欠きをさらに形成することができる。
【0025】
かかる方法によれば、短絡解除工程と同時に基板に設けられた折り曲がり部に沿った開口または切り欠きを形成することができ、基板の製造に要する時間を短縮することができる。
【0026】
また、本発明は上記いずれかの方法で製造された電子デバイス用基板を含む。
【0027】
また、本発明の一形態である電子デバイス用基板は、複数のスイッチング素子、及び該複数のスイッチング素子に電気的に接続された複数の配線を備える基板であって、前記基板上に開口または切り欠きが設けられており、前記複数の配線の一端はそれぞれ前記開口または前記切り欠きにおいて終端している。
【0028】
かかる構成の基板によれば、帯電した電荷が少なく、基板が静電気により破壊されることを防止することができる。
【0029】
また、本発明の一形態は上記基板を備えた電子デバイスを含む。かかる電子デバイスによれば、静電気により破壊されづらい電子デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施形態における基板の構成例を示す第1の図。
【図2】実施形態における基板の構成例を示す第2の図。
【図3】実施形態における基板の構成例を示す第3の図。
【図4】実施形態における基板の構成例を示す第4の図。
【図5】基板打ち抜き工程後の基板を示す図。
【図6】基板上に設ける開口の第1の構成例を示す図。
【図7】基板上に設ける開口の第2の構成例を示す図。
【図8】基板上に設ける切り欠きの構成例を示す図。
【図9】第1層配線形成工程を示す断面図。
【図10】半導体形成工程を示す断面図。
【図11】ゲート絶縁層形成工程を示す断面図。
【図12】第2層配線形成工程を示す断面図。
【図13】層間絶縁層形成工程を示す断面図。
【図14】コンタクトホール形成工程を示す断面図。
【図15】画素電極形成工程を示す断面図。
【図16】基板に設けられた折り曲がり部の一例を示す図。
【図17】本実施形態の基板を含む電子ブックの構成を示す図。
【図18】本実施形態の基板を含む腕時計の構成を示す図。
【図19】本実施形態の基板を含む電子ペーパーの構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明に係る実施形態について、以下の構成に従って、図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、以下で説明する実施形態はあくまで本発明の一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、各図面において、同一の部品には同一の符号を付しており、その説明を省略する場合がある。
1.定義
2.実施形態1
(1)第1層配線形成工程及び半導体形成工程
(2)第2層配線形成工程(ゲート電極形成工程)
(3)共通電極形成工程
(4)ドライバ実装工程
(5)基板打ち抜き工程
3.各工程における断面についての説明
(1)第1層配線形成工程
(2)半導体形成工程
(3)ゲート絶縁層形成工程
(4)第2層配線形成工程(ゲート電極形成工程)
(5)層間絶縁層形成工程
(6)コンタクトホール形成工程
(7)画素電極形成工程
4.まとめ
5.応用例
【0032】
<1.定義>
まず、本明細書における用語を以下のとおり定義する。
【0033】
「○○部」(○○は任意の語。):電気的な回路または部分を含むがこれに限定されず、当該回路または部分の機能を果たす物理的手段、又はソフトウェアで実現される機能的手段などをも含む。また、1つの回路または部分が有する機能が2つ以上の物理的又は機能的手段により実現されても、2つ以上の回路または部分の機能が1つの物理的又は機能的手段により実現されても良い。
「打ち抜き」:基板の一部をプレス加工などの物理的加工によって除去することを含むが、プレス加工に限定するものではない。すなわち、基板の一部を除去する様々な方法を含む。
「短絡」:電気的にショートさせることを指すが、実施形態においては、基板の一部に集中して荷電することを防止し、電荷を分散させるためにある部分と他の部分とを電気的に接続することを指す。
【0034】
<2.実施形態1>
本発明は、以下で説明する一実施形態に見られるように、基板が備える複数の配線を短絡させる工程の後に、該短絡を解除する工程を有することを特徴のひとつとしている。また、本実施形態で説明する基板は、主にアクティブマトリックスに代表される電子デバイス用の基板として用いられる。以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0035】
<(1)第1層配線形成工程及び半導体形成工程>
図1は、本実施形態において、第1層配線形成工程及び半導体形成工程後の基板を示す図である。図1に示すように、基板100上には、画素110、データ線120、スキャン線(走査線)130、共通電極接続部140、データ線短絡配線150、スキャン線短絡配線160、及び共通電極短絡配線170が形成されている。ただし、スキャン線130は後述する第2層配線形成工程においてゲート絶縁膜上に形成されるスキャン線130とコンタクトホールを通じて接続される事で完成される構成であり、この時点では画素110内のスイッチング素子と接続されていない未完成の状態である。
【0036】
画素110は、表示素子及びスイッチング素子を備えている。該表示素子には、例えば基板が電気泳動表示装置に用いられる場合には電気泳動のカプセル、画素電極、及び該画素電極と対向する共通電極(後述)の一部が含まれる。スイッチング素子は、例えば有機材料によって形成されたトランジスタなどである。データ線120は、基板100上に複数形成されており、これら複数のデータ線120は画素110にそれぞれ電気的に接続されている。また、複数のデータ線120は、図1に示すように、基板100上の、図面上方及び下方において、データ線短絡配線150を介して互いに接続されている。このように複数のデータ線120がデータ線短絡配線150を介して互いに接続させることを、「短絡させる」ともいう。共通電極接続部140は、後に形成される表示素子の共通電極に接続して所定の電圧を供給するために形成されている。また、共通電極接続部140は、共通電極短絡配線170、及び基板100の平面視における周辺部に配置された短絡配線を介して、複数のデータ線120及び複数のスキャン線130に接続されている。
【0037】
<(2)第2層配線形成工程(ゲート電極形成工程)>
図2は、第2層配線形成工程後の基板を示す図である。図2に示すように、基板100上には画素110に含まれるスイッチング素子と接続されたスキャン線130が形成されている。また、第2層配線形成工程では画素110におけるスイッチング素子のゲート電極もあわせて形成される。これによって、複数のスキャン線130は、図2に示すように、図面の左右の部分においてそれぞれスキャン線短絡配線160を介して互いに接続されている。さらに、複数のデータ線120及び複数のスキャン線130はデータ線短絡配線150及びスキャン線短絡配線160を介して互いに接続(短絡)されている。なお、第1層配線形成工程で複数のデータ線120を、第2層配線形成工程で複数のスキャン線130を短絡させているが、これらの工程を短絡工程ともいう。
【0038】
<(3)共通電極形成工程>
図3は、共通電極形成工程後の基板を示す図である。共通電極形成工程においては、基板100上に共通電極180が形成される。その結果、図3に示すように、基板100上には共通電極180が形成される。共通電極180は、平面視において基板100上に形成された画素110を覆うように、画素110の上層に形成され、共通電極接続部140と電気的に接続されている。また、図示していないが、画素110における画素電極と共通電極との間には、電気泳動のカプセルが配されている。
【0039】
<(4)ドライバ実装工程>
図4は、ドライバ実装工程後の基板を示す図である。ドライバ実装工程においては、複数のデータ線120にはドライバCOF(Chip On Film)190が接続され、複数のスキャン線130にはドライバCOF200が接続される。ドライバCOF190は、データ線120を駆動するデータドライバと、該データドライバと複数のデータ線120とを接続するための配線とを有している。ドライバCOF200は、スキャン線130を駆動するスキャンドライバと、該スキャンドライバと複数のスキャン線130とを接続するための配線とを有している。ドライバCOF190及び200は、後の基板打ち抜き工程において打ち抜かれる基板部分を避けて配置される。
【0040】
<(5)基板打ち抜き工程>
図5は、基板打ち抜き工程後の基板を示す図である。基板打ち抜き工程においては、基板100における予め定められた部分を物理的に打ち抜いて除去する。これによって、データ線短絡配線150、スキャン線短絡配線160、及び共通電極短絡配線170によって電気的に接続(短絡)されていた複数のデータ線120、複数のスキャン線130、及び共通電極180との接続を解除する。そこで、この基板打ち抜き工程は「短絡解除工程」とも呼ばれる。
【0041】
図5に示すように、基板の打ち抜きにはいくつかの方法がある。データ線短絡解除部210では、データ線短絡配線150を除去するように基板100の端部を含む基板100の一部を打ち抜くことで、基板100上に切り欠きを形成している。スキャン線短絡解除部220においても同様に、スキャン線短絡配線160を除去するように基板100の端部を含む基板100の一部を打ち抜くことで、基板100上に切り欠きを形成している。共通電極短絡解除部230では、共通電極短絡配線170を含む基板100の一部を打ち抜いて、基板100上に開口を形成している。また、周辺短絡解除部240では、データ線短絡配線150及びスキャン線短絡配線160を除去するように、基板100における2つの端辺をすべて含む切り欠きを形成している。
【0042】
図6乃至図8は、基板100におけるスキャン線130及びスキャン線短絡配線160の周辺を拡大した図である。図6は、基板100上に開口221を設けた例である。図6において、点線で囲まれた部分が開口を設けた箇所であり、該開口部に配されていた配線は除去されるが、説明を容易にするために図中に記載している。図7及び図8においても同様である。図6に示すように、開口221はスキャン線短絡配線160を含む箇所に設けられる。該開口221が設けられることで、スキャン線130の短絡は解除される。図7は、基板100上に複数の開口222を設けた例である。図7に示すように、開口222はスキャン線130とスキャン線短絡配線160との接続間に設けられる。該開口222によって、スキャン線130の短絡は解除される。図8は、基板100上に切り欠き223を設けた例である。図8に示すように、切り欠き223はスキャン線短絡配線160を含む箇所に設けられる。また、切り欠き223を設ける場合、基板100の端辺を含む箇所に形成される。
【0043】
ここで、図6に示すようにひとつの開口221で複数のスキャン線130の相互の短絡を一度に解除する構成は、図7に示す複数の開口222で複数のスキャン線130の相互の短絡を解除する構成と比較して、構成が簡単であり加工もしやすいため好ましい。また、図8に示すように切り欠き223を設ける構成は、さらに加工がしやすく好ましい。
【0044】
なお、基板打ち抜き工程は、必ずしもドライバ実装工程の後に行う必要はなく、ドライバ実装工程の前に行ってもよい。
【0045】
ここでは複数の方法でデータ線短絡配線150、スキャン線短絡配線160、及び共通電極短絡配線170を除去して、複数のデータ線120、複数のスキャン線130、及び共通電極180における短絡を解除する方法を説明したが、この例に限る趣旨ではない。すなわち、複数のデータ線120、複数のスキャン線130、及び共通電極180の短絡を解除可能な方法であれば、上記で示した複数の方法のうちの1つを採用してもよいし、上記以外の方法を採用してもよい。
【0046】
<3.各工程における断面についての説明>
次に、各工程における基板の断面図を示しながら、それぞれの工程が具体的にどのように行われるかを説明していく。
【0047】
<(1)第1層配線形成工程>
図9は、第1層配線形成工程を示す断面図である。図9に示すように、基板300上には導電材料からなる第1層配線310が形成される。第1層配線310には、既に説明したデータ線120、スキャン線130の一部、共通電極接続部140、データ線短絡配線150、スキャン線短絡配線160、共通電極短絡配線170、及び画素110に含まれるスイッチング素子のソース・ドレイン配線が含まれる。
【0048】
<(2)半導体形成工程>
図10は、半導体形成工程を示す断面図である。図10に示すように、基板300上には半導体材料からなる半導体層320が形成される。半導体層320には、画素110の構成のひとつであるスイッチング素子における半導体部分が含まれる。
【0049】
<(3)ゲート絶縁層形成工程>
図11は、ゲート絶縁層形成工程を示す断面図である。図11に示すように、基板300上には、第1層配線310及び半導体層320を覆ってゲート絶縁層330が形成される。ゲート絶縁層330は有機絶縁材料または無機絶縁材料により形成される。
【0050】
<(4)第2層配線形成工程(ゲート電極形成工程)>
図12は、第2層配線形成工程を示す断面図である。図12に示すように、ゲート絶縁層330の上に、導電体からなるゲート電極340が形成される。ゲート電極340は、画素110におけるスイッチング素子の構成の一つである。また、図12の断面図では図示していないが、ゲート電極340と同じ層には、図2において示したスキャン線130も形成される。
【0051】
すなわち、第1層配線形成工程及び第2層配線形成工程において、データ線120、スキャン線130、共通電極接続部140、データ線短絡配線150、スキャン線短絡配線160、共通電極短絡配線170、並びに画素110に含まれるスイッチング素子のソース・ドレイン配線及びゲート電極が形成される。したがって、第1層配線形成工程及び第2層配線形成工程を、短絡工程ともいう。
【0052】
<(5)層間絶縁層形成工程>
図13は、層間絶縁層形成工程を示す断面図である。図13に示すように、ゲート絶縁層330の上層に、ゲート電極340を覆うように層間絶縁層350が形成される。層間絶縁層350は有機絶縁材料または無機絶縁材料により形成される。
【0053】
<(6)コンタクトホール形成工程>
図14は、コンタクトホール形成工程を示す断面図である。図14に示すように、層間絶縁層350及びゲート絶縁層330には、第1層配線310に達する開口(コンタクトホール)が形成される。
【0054】
<(7)画素電極形成工程>
図15は、画素電極形成工程を示す断面図である。図15に示すように、画素電極360はコンタクトホール形成工程で形成された開口(コンタクトホール)及び層間絶縁層350の上層に形成される。画素電極360は、第1層配線310のうちのソース・ドレイン配線に電気的に接続される。また、画素電極360は画素110の構成のひとつである。
【0055】
この後、共通電極形成工程、ドライバ実装工程、及び基板打ち抜き工程を行うが、これらについては既に平面図を用いて説明したため具体的な説明を省略する。
【0056】
<4.まとめ>
以上の各工程によって、本発明の一形態である複数のスイッチング素子及び該複数のスイッチング素子に電気的に接続された複数の配線を備えた基板を製造することができる。
【0057】
本実施形態で説明した基板の製造方法では、基板上の複数の配線を短絡させる短絡配線(150、160、及び170)を基板100(300)に形成する短絡工程と、基板100(300)に、短絡配線(150、160、及び170)の少なくとも一部を基板100(300)から除去して短絡を解除可能な開口または切り欠き(210、220、230、及び240)を形成する短絡解除工程とを備える。なお、短絡工程は実施形態における第1層配線形成工程及び第2層配線形成工程を指し、短絡解除工程は基板打ち抜き工程を指す。
【0058】
かかる方法によれば、基板100(300)が帯電することによって発生する静電破壊を、基板100(300)の製造工程における簡単な方法で防止することが可能となる。また、静電破壊防止のための構成を基板上に形成することにより基板サイズが大きくなることを防止することもできる。また、開口または切り欠き(210、220、230、及び240)を形成することで、基板を軽量化することができる。
【0059】
また、基板100(300)はプラスチック基板であることが好ましい。これによれば、開口または切り欠き(210、220、230、及び240)を形成する加工を施しやすくなる。
【0060】
また、本実施形態における短絡解除工程においては、打ち抜き加工によって基板100(300)に開口または切り欠き(210、220、230、及び240)を形成することが好ましい。これによれば、短絡配線をエッチング等で除去する従来方法に比べて基板へのダメージが少なく、また簡単で低コストな方法でかつ、基板ごと配線を削除するために、より確実に歩留まりよく短絡配線による短絡を解除することができる。
【0061】
また、スイッチング素子は有機トランジスタであることが好ましい。
【0062】
また、本実施形態では、外部接続部品であるドライバCOF190及び200を、データ線120及びスキャン線130と電気的に接続する実装工程をさらに備え、実装工程の後に短絡解除工程を行う。なお、実装工程は実施形態におけるドライバ実装工程を指す。
【0063】
これによれば、基板の製造工程における最終工程または最終工程直前の工程で短絡の解除を行うので、該短絡解除工程の後に基板が再度帯電することを防止することができる。さらに、外部接続部品を介して基板内の帯電を除去する事が可能となり、これにより基板の静電破壊を防止する事ができる。
【0064】
また、本実施形態では、外部接続部品であるドライバCOF190及び200を、データ線120及びスキャン線130と電気的に接続する実装工程をさらに備え、実装工程の前に前記短絡解除工程を行うこともできる。
【0065】
かかる方法によれば、短絡解除工程を実装工程の先に行うので、短絡解除工程がより容易に行う事ができる。また、外部接続部品と短絡配線を平面視で重なった状態となるように形成する事ができるため、基板面積を縮小する事が可能となる。
【0066】
また、本実施形態では基板100(300)が複数のデータ線120、複数のスキャン線130、及び共通電極180を備える表示装置用基板であって、短絡工程では、複数のデータ線120、複数のスキャン線130、及び共通電極180を短絡させてもよい。
【0067】
また、基板100(300)が、複数のデータ線120、複数のスキャン線130、及び共通電極180を備える表示装置用基板であって、短絡工程では、複数のデータ線120及び複数のスキャン線130のうち少なくとも一方を短絡させてもよい。
【0068】
また、基板100(300)が、複数のデータ線120、複数のスキャン線130、及び共通電極180を備える表示装置用基板であって、短絡工程では、複数のデータ線120及び複数のスキャン線130のうち少なくとも一方と共通電極180とを短絡させてもよい。
【0069】
また、基板100(300)が、複数のデータ線120、複数のスキャン線130、及び共通電極180を備える表示装置用基板であって、複数のデータ線120及び複数のスキャン線130は、それぞれの両端または片方の端から引き出された短絡配線によって短絡されてもよい。
【0070】
また、本実施形態における短絡解除工程は、複数の基板100(300)を重ねて配置し、複数の基板100(300)に一度に開口または切り欠きを形成することが可能である。
【0071】
これによれば、複数の基板100(300)に対して一度に短絡解除工程を行うので、製造に要する時間を短縮することができる。
【0072】
また、本実施形態における短絡解除工程において、基板100(300)を折り曲げ可能に構成された折り曲がり部に沿った開口または切り欠きをさらに形成することができる。これは、例えば基板の中央部分などの予め定められた場所である折り曲がり部に開口または切り欠きを直線的に形成することで、該折り曲がり部における折り曲げ性を高めるものである。
【0073】
図16は、基板に設けられた折り曲がり部の一例を示す図である。図16において、基板100は波線aによって示される直線上の折れ曲がり部を有しており、この折れ曲がり部において折り曲げ可能に形成されている。折れ曲がり部には、2つの開口250が形成されており、この折れ曲がり部における基板の折り曲げ性を高めている。
【0074】
上記方法によれば、短絡解除工程と同時に基板に設けられた折り曲がり部に沿った開口または切り欠きを形成することができ、基板の製造に要する時間を短縮することができる。
【0075】
また、本発明は上記いずれかの方法で製造された電子デバイス用基板を含む。
【0076】
また、本実施形態で説明した方法によって製造された基板100(300)は、複数の画素110に含まれる複数のスイッチング素子、及び該複数のスイッチング素子に電気的に接続された、複数のデータ線120及び複数のスキャン線130を備える。そして、図5に示されるように、該基板上には開口または切り欠き(210、220、230、及び240)が設けられており、複数のデータ線120及び複数のスキャン線130の一端はそれぞれ開口または前記切り欠き(210、220、230、及び240)において終端している。
【0077】
これによれば、帯電した電荷が少なく、静電気により破壊されることを防止した基板を提供することができる。
【0078】
<5.応用例>
上記のとおり、本実施形態によれば、帯電した電荷が少なく、静電気により破壊されることを防止した基板を提供することができる。該基板は電子デバイスなどに用いることができ、製造する電子デバイスの歩留りを向上させることなどが可能である。以下、具体例を示しながら、本実施形態の基板を含む電子デバイスの適用例について説明する。
【0079】
図17乃至図19は、本実施形態の基板を含む電子デバイスの具体例を示す図である。図17は、本実施形態の基板を含む電気泳動装置400を、電子ブック500に適用した例である。図17に示すように、電子ブック500は、電気泳動装置400、蓋部501、操作ボタン502、及び外枠部503を含んで構成される。該電子ブック500は、電気泳動装置400にメモを書き込むことが可能である。図18は、本実施形態の基板を含む電気泳動装置400を、腕時計600に適用した例である。図18に示すように、腕時計600は時刻等を表示する表示装置として電気泳動装置400を備えて構成される。図19は、本実施形態の基板を含む電気泳動装置400を、電子ペーパー700に適用した例である。図19に示すように、電子ペーパー700は、電気泳動装置400及び外枠部701を備えて構成される。当該電子ペーパーに用いられる基板は可撓性材料によって形成され、外枠部701も可撓性材料により形成されている。
【符号の説明】
【0080】
100・300……基板、110……画素、120……データ線、130……スキャン線、140……共通電極接続部、150……データ線短絡配線、160……スキャン線短絡配線、170……共通電極短絡配線、180……共通電極、190・200……ドライバCOF、210……データ線短絡解除部、220……スキャン線短絡解除部、221・222……開口、223……切り欠き、230……共通電極短絡解除部、240……周辺短絡解除部、250……開口、310……第1層配線、320……半導体層、330……ゲート絶縁層、340……ゲート電極、350……層間絶縁層、360……画素電極、400……電気泳動装置、500……電子ブック、501……蓋部、502……操作ボタン、503……外枠部、600……腕時計、700……電子ペーパー、701……外枠部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスイッチング素子、及び該複数のスイッチング素子に電気的に接続された複数の配線を備える基板の製造方法であって、
前記基板に前記複数の配線を短絡させる短絡配線を形成する短絡工程と、
前記基板に、前記短絡配線の少なくとも一部を前記基板から除去して前記短絡を解除可能な開口または切り欠きを形成する短絡解除工程と、
を有する電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項2】
前記基板はプラスチック基板である、
請求項1に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項3】
前記短絡解除工程において、打ち抜き加工によって前記基板に開口または切り欠きを形成する、
請求項1または2に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項4】
前記スイッチング素子は有機トランジスタである、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項5】
外部接続部品を前記複数の配線と電気的に接続する実装工程をさらに備え、
前記実装工程の後に前記短絡解除工程を行う、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項6】
外部接続部品を前記複数の配線と電気的に接続する実装工程をさらに備え、
前記実装工程の前に前記短絡解除工程を行う、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項7】
前記基板が、複数のデータ線、複数のスキャン線、及び共通電極を備えており、
前記短絡工程では、前記複数のデータ線、前記複数のスキャン線、及び前記共通電極を短絡させる、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項8】
前記基板が、複数のデータ線、複数のスキャン線、及び共通電極を備えており、
前記短絡工程では、前記複数のデータ線及び前記複数のスキャン線のうち少なくとも一方を短絡させる、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項9】
前記基板が、複数のデータ線、複数のスキャン線、及び共通電極を備えており、
前記短絡工程では、前記複数のデータ線及び前記複数のスキャン線のうち少なくとも一方と前記共通電極とを短絡させる、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項10】
前記基板が、複数のデータ線、複数のスキャン線、及び共通電極を備えており、
前記複数のデータ線及び前記複数のスキャン線は、それぞれの両端または片方の端から引き出された短絡配線によって短絡されている、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項11】
前記短絡解除工程は、複数の前記基板を重ねて配置し、該複数の前記基板に一度に開口または切り欠きを形成する、
請求項3に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項12】
前記短絡解除工程において、前記基板を折り曲げ可能に構成された折り曲がり部に沿った開口または切り欠きをさらに形成する、
請求項2または11に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の電子デバイス用基板の製造方法で製造された電子デバイス用基板。
【請求項14】
複数のスイッチング素子、及び該複数のスイッチング素子に電気的に接続された複数の配線を備える基板であって、
前記基板上に開口または切り欠きが設けられており、
前記複数の配線の一端はそれぞれ前記開口または前記切り欠きにおいて終端している電子デバイス用基板。
【請求項15】
請求項14に記載の基板を備えた電子デバイス。
【請求項1】
複数のスイッチング素子、及び該複数のスイッチング素子に電気的に接続された複数の配線を備える基板の製造方法であって、
前記基板に前記複数の配線を短絡させる短絡配線を形成する短絡工程と、
前記基板に、前記短絡配線の少なくとも一部を前記基板から除去して前記短絡を解除可能な開口または切り欠きを形成する短絡解除工程と、
を有する電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項2】
前記基板はプラスチック基板である、
請求項1に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項3】
前記短絡解除工程において、打ち抜き加工によって前記基板に開口または切り欠きを形成する、
請求項1または2に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項4】
前記スイッチング素子は有機トランジスタである、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項5】
外部接続部品を前記複数の配線と電気的に接続する実装工程をさらに備え、
前記実装工程の後に前記短絡解除工程を行う、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項6】
外部接続部品を前記複数の配線と電気的に接続する実装工程をさらに備え、
前記実装工程の前に前記短絡解除工程を行う、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項7】
前記基板が、複数のデータ線、複数のスキャン線、及び共通電極を備えており、
前記短絡工程では、前記複数のデータ線、前記複数のスキャン線、及び前記共通電極を短絡させる、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項8】
前記基板が、複数のデータ線、複数のスキャン線、及び共通電極を備えており、
前記短絡工程では、前記複数のデータ線及び前記複数のスキャン線のうち少なくとも一方を短絡させる、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項9】
前記基板が、複数のデータ線、複数のスキャン線、及び共通電極を備えており、
前記短絡工程では、前記複数のデータ線及び前記複数のスキャン線のうち少なくとも一方と前記共通電極とを短絡させる、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項10】
前記基板が、複数のデータ線、複数のスキャン線、及び共通電極を備えており、
前記複数のデータ線及び前記複数のスキャン線は、それぞれの両端または片方の端から引き出された短絡配線によって短絡されている、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項11】
前記短絡解除工程は、複数の前記基板を重ねて配置し、該複数の前記基板に一度に開口または切り欠きを形成する、
請求項3に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項12】
前記短絡解除工程において、前記基板を折り曲げ可能に構成された折り曲がり部に沿った開口または切り欠きをさらに形成する、
請求項2または11に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の電子デバイス用基板の製造方法で製造された電子デバイス用基板。
【請求項14】
複数のスイッチング素子、及び該複数のスイッチング素子に電気的に接続された複数の配線を備える基板であって、
前記基板上に開口または切り欠きが設けられており、
前記複数の配線の一端はそれぞれ前記開口または前記切り欠きにおいて終端している電子デバイス用基板。
【請求項15】
請求項14に記載の基板を備えた電子デバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−112869(P2011−112869A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−269101(P2009−269101)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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