説明

基板を介する導電経路を備えたMEMSデバイス

MEMSデバイスは基板(MEMS構造を有する)の上面からその基板の下面へと延びる少なくとも一つの導電経路を有する。少なくとも一つの導電経路は、その基板を介して延び、下面とMEMS構造とを電気的に接続する。本発明が提供するは、例えば、上面および下面を有する基板であって、該上面がMEMS構造を含む、基板と;MEMS構造から該下面まで該基板を介して延びる少なくとも一つの導電経路であって、該少なくとも一つの導電経路は、該MEMS構造と統合され、該MEMS構造と実質的に同じ材料から形成される、少なくとも一つの導電経路とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、一般的にMEMSデバイスに関する。より特定的には、本発明は、MEMSデバイスの電気通信に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
マイクロ電子機械システム(すなわち「MEMS」)は、非常に小型化したデバイスであって、幅広い様々な機能を実行するように構成され得る。例えば、MEMSデバイスは、動く物体の加速度を測定する加速度計として、インプリメントされ得る。MEMS加速度計の一つのタイプは、例えば、加速に応答するサスペンドされた塊(suspended mass)を使用し、その塊は、下にある基板と相対的に動く。こうして、加速度は、サスペンドされた塊の動きの関数として、その下にある基板と相対的に計算され得る。
【0003】
回路網は、MEMS動作の多数の局面を制御する。例えば、上述したサスペンドされた塊は、塊の動きを検出するチップ外の回路網と電気通信中であり得る。このように検出された動きの量に基いて、回路網は、加速度の値を計算し得る。
【0004】
回路網を備えたMEMS構造と電気的に通信するために広く実行されている方法の一つは、ボンドパッドの使用をともなう。具体的には、MEMSデバイスは、MEMS構造から基板上まで、典型的には垂直にスペースを空けられたボンドパッドと接続するリード線を有する。しかしながら、このような配置は、様々な不利な点を有する。とりわけ、ボンドパッドは、基板上で比較的大きな面積を使用し、このため、典型的に高い値段となる。さらに、ボンドパッドおよびそのリード線は、寄生容量を生成することが多い。このため、MEMSデバイスによって生成したベーシックな電気信号が劣化し得る。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一局面に従い、MEMSデバイスは、基板(MEMS構造を有する)の上面からその基板の下面へと延びる少なくとも一つの導電経路を有する。少なくとも一つの導電経路は、その上述したような基板を介して延び、下面とMEMS構造とを電気的に接続する。
【0006】
一部の実施形態は、MEMS構造の少なくとも一部のまわりのキャップを含む。キャップおよび基板は、MEMS構造を少なくとも部分的に含むキャビティを明確に形成する。一部の実施形態において、少なくとも一つの導電経路は、基板の下面と実質的に同一平面であるか、または外向きに延びている。電気接続を容易にするために、はんだボールが、少なくとも一つの導電経路に固定され得る。
【0007】
導電経路は、ポリシリコンなどの多数の異なる材料によって形成され得る。MEMS構造は、ジャイロスコープまたは加速度計において用いられるものなどのような、可動の塊を明示的に有する。さらに、MEMSデバイスはまた、基板によって支持された回路網を有し得る。その回路網は、少なくとも一つの導電経路と明確に電気接続する。そのような場合、その基板はシリコンゲルマニウムを含み得る。
【0008】
本発明の別の局面に従い、MEMSシステムは、(1)回路網およびその回路網へのインターフェースポートを有する第1の基板と、(2)上面および下面を有する第2の基板を有するMEMSデバイス、を有する。その上面はMEMS構造を含む。MEMSデバイスはまた、MEMS構造から下面へと第2の基板を介して延びる導電経路を有する。導電経路は、MEMS構造と回路網とを電気通信するために、第1の基板上においてインターフェースポートに結合される。
【0009】
例示的な実施形態において、MEMSデバイスは回路網を必要としない。さらに、MEMSデバイスは、導電経路と第2の基板の少なくとも一部との間に配置される絶縁体を含み得る。一部の実施形態において、MEMS構造は、第2の基板上の平面の境界(すなわち、第2の基板上の領域)を規定する。導電経路はその平面の境界内にあり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
前述および本発明の利点は、添付の図面を参照し、その以下のさらなる記載からより十分に理解される。
【0011】
例示的実施形態において、MEMSデバイスの基板を介して延びる導電経路(例えば、ビア)は、基板上のMEMS構造を対応する回路網と電気的に結合し得る。MEMS構造の動きを制御および/または検出し得るそのような回路網は、他の基板上またはMEMS構造と同じ基板上にあり得る。ビアがMEMS構造の直下に配置された場合(例えば、平面図において)、追加の基板実装可能面積を必要としない。更に、そのような配置が、ボンドパッドを使用する従来技術配置と比較してより少ない寄生容量を生成するであろうことが想定される。様々な実施形態の詳細は、以下に説明される。
【0012】
図1は、本発明の例示的実施形態に従って構成され得る汎用的なMEMSデバイス10を概略的に示す。示されるMEMSデバイス10は、回路ダイ14と結合されたキャップされたMEMSダイ12を含む。したがって、示されたMEMSダイ12は、回路ダイ14上の回路網によって制御および/またはモニタされた構造を有する。回路ダイ14は、コンピュータのような外部装置と電気的に通信するためにボンドパッド16または他の相互接続器を有する。MEMSデバイス10を環境から更に保護するために、従来の処理は、MEMSデバイス10の全体をパッケージ内に実装され得る。
【0013】
MEMSデバイス10は、慣性センサのような任意の既知のMEMSデバイス10になり得る。例えば、MEMSデバイス10は、ジャイロスコープまたは加速度計になり得る。例示的なMEMSジャイロスコープは、Norwood,MassachusettsのAnalog Devies,Inc.に譲渡されている米国特許第6,505,511号明細書においてより詳細に説明される。例示的なMEMS加速度計は、これもまた、Norwood,MassachusettsのAnalog Devies,Inc.に譲渡されている米国特許第5,939,633号明細書においてより詳細に説明される。米国特許第6,505,511号明細書および米国特許第5,939,633号明細書の開示内容の全ては、本明細書中において参考に援用される
図2は、X−Xラインに沿って図1に示される装置の断面図を概略的に示す。より詳細に、MEMSデバイス10は、上面に取り付けられたシリコンベースのキャップ18を有する上記のMEMSダイ12(例えば、シリコンのようなシリコンベースの材料から成る)およびその底面に取り付けられた上記回路ダイ14を含む。キャップ18は、例示的に、ポリシリコン(または単結晶シリコン)から形成され、内部から延びるキャップリム22によって規定されるキャビティ20を有するようにエッチングされる。キャビティ20は、MEMS機能性を引き起こすためのプライマリ構造24を含むMEMSダイ12の中心部の上に重なる。例えば、MEMSダイ12が加速度計であった場合、構造24は、基板26上にサスペンドされた可動の塊を含み得る。
【0014】
MEMSデバイス10は、MEMSダイ12上のMEMS構造24を外接する導電リム28を形成することが考察される。特に、導電リム28は、MEMS構造24を環境から保護する密閉封止(hermetic seal)を形成し得る。例えば、密閉封止は、構造24を埃、湿気、および汚れから保護し得る。代替の実施形態においては、導電リム28は、非ハーメチックシールをMEMS構造24に提供する。当業者に知られるように、非ハーメチックシールは、MEMS構造24を埃および汚れから保護し得るが、湿気は透過させる。MEMS構造24を密封することに加えて、導電リム28は、キャップ18をMEMSダイ12を介して回路ダイ14と電気的に接続させる。回路ダイ14上の回路網30は、キャップ18の電位を接地または任意の所望の電圧レベルに設定する。
【0015】
本発明の例示的実施形態に従って、MEMSダイ12は、ビア32および、導電リム28からMEMSダイ12/基板26(簡潔性のため、以下は「ダイ12」)を介して回路ダイ14に延びるコンタクト34(例えば、ボールグリッドアレイのボール)を含む。ビア32は、導電リム28と接触しない位置においても、ダイ12を介して形成され得る。ビア32は、例示的に、導電リム28によって規定されるダイ12上のエリア内に形成される。例えば、一部の実施形態においては、MEMS構造24は、ダイ12の表面上に平面投影を形成することが考察される。したがって、ビア32は、ダイ12を介してそのエリア内に形成される。結果的に、ダイ12は、ボンドパッドまたは他の電気的インターフェースを収容するために大きくする必要は無い。代替の実施形態においては、しかしながら、ビア32は、ダイ12を介して導電リム28の外に形成され得る。
【0016】
導電リム28を形成するために、MEMSダイ12は、キャップ18から延びるキャップリム22と完全に結合するポリシリコン材料のリム(基板26から延び、本明細書中に「MEMSリム36」として言及される)を有する。代替として、リムはシリコン、金属、または他の材料から成る。例示的実施形態においては、キャップリム22およびMEMSリム36は、比較的高いケイ素化合物濃度を有する漠然と規定された交差領域38にて合う(図3に関連して下述される)。ケイ素化合物の濃度は、その交差領域38の中心において最も高くなり得、その漠然と規定された端において本質的にゼロに減少され得る。更に、導電リム28(交差領域38、MEMSリム36およびキャップリム22から形成された)は、好ましくは、キャップ18に印加された電位が注意深く制御されていることを保証するために、MEMS構造24から電気的に絶縁される。
【0017】
例示的実施形態においては、MEMSリム36は、センサ要素としても作用する。代替的に、特に、MEMSリム36は、接地平面要素、回路要素、またはダミー機械的構造として作用し得る。
【0018】
図3は、図2に示されるMEMSデバイス10を形成する例示的処理を概略的に示す。この処理の様々なステップが、説明されるものと異なる順序において実行され得ることに留意されたい。加えて、更なるステップが実行され得る一方、他が省略され得ることが当業者に理解されるであろう。
【0019】
ステップ300において、この処理は開始される。ここにおいて、MEMSダイ12は、従来処理(例えば、新しい処理ステップをインプリメントするために表面マイクロマシーニング処理を使用する)によって形成される。絶縁体上シリコン(「SOI」)ダイ12において使用された場合、従来のSOI処理が使用され得る。上記されたように、ダイは、ポリシリコンのようなシリコンベースの材料から形成され得る。代替の実施形態においては、しかしながら、他の種類の材料が使用され得る。例えば、単結晶シリコン、金属、またはシリコンゲルマニウムが、MEMSダイ12の全部分または選択された部分に対して使用され得る。どの場合においても、ビア32、リム36、および他の導電成分の導電率は、満足なレベルに制御されるべきである。必要な場合、適切な導電性質を保証するために一部のドーピングが要求され得る。
【0020】
MEMSダイ12は、従来方法によって少なくとも部分的に形成され得る。例えば、上記および援用された特許出願において説明された方法を参照されたい。ビア32を形成する例示的処理は、図4を参照してより詳細に説明される。
【0021】
キャップ18は次いで、ステップ302において形成される。MEMSダイ12と同様な方法において、キャップ18は、従来処理(例えば、表面マイクロマシーニング処理)に従ってポリシリコンまたは他の材料から形成され得る。キャビティ20およびキャップリム22のサイズは、例示的に、MEMSダイ12に対する十分な明瞭性を保証するために選択される。特に、キャビティ20は、MEMSダイ12上の構造24の動きを妨害しないように十分に大きいべきである。
【0022】
処理は次いで、ステップ304へと続く。ここにおいて、従来処理は回路ダイ14を形成する。所望の機能を実行するように設計された任意の従来回路網が使用され得る。例えば、上記の援用された特許に示される回路網が使用され得る。特に、MEMSデバイス10が加速度計であった場合、米国特許第5,939,633号明細書に示される回路網は、MEMSダイ12における静電変化を感知するために使用され得る。例示的実施形態において、MEMSダイ12、キャップ18、および回路ダイ14の各々が、同等要素のアレイの1つとして単一のウエハ上に形成されることに留意されたい。
【0023】
従来処理は次いで、キャップ18の底面を金属化し得る(ステップ306)。例えば、プラチナ40の層は、キャップ18の底面にスパッタリングで堆積され得る。金属化されたキャップ18は次いで、MEMSダイ12上に配置され得る。それによって、MEMSリム36は、キャップリム22に直接接触する。
【0024】
処理のこの時点において、MEMSダイ12およびキャップ18は、一緒に固定されていない。従って、それらを融合するためにこの中間装置は、交差領域38におけるケイ素化合物ボンドを形成するのに十分である比較的高温および高圧の下に置かれる(ステップ308において)。当業者は、適切な温度および圧力を選択できるであろう。例のみとして、中間装置を約40分から50分の間、約280℃〜約450℃および約2気圧の下に置くことは、満足な結果を提供するであろう。
【0025】
処理のこのステップは、従って、交差領域38内にプラチナ−ケイ素化合物を生成する。当業者に知られるように、プラチナのポリシリコンへの相互拡散のため、2つのリムの外部および2つのリムの間のプラチナは、実質的に一体および導電であるコネクタを形成するために協力する。プラチナの濃度は、従って、交差領域38の中心において最も高く(例えば、プラチナ50%およびポリシリコン50%)ある一方、中心からの距離の関数としてゼロへと減少する。
【0026】
プラチナ以外の材料は、ケイ素化合物ボンドを生成するために使用され得る。例えば、タングステンまたはチタンが使用され得る。そのような上記された材料の使用は、しかしながら、典型的に、それぞれのケイ素化合物ボンドを形成するためにプラチナが必要とする温度より高い温度を必要とする。従って、中間装置上の回路網30を有する実施形態(例えば、下述される図5〜図7を参照)に対するタングステンまたはチタンの使用は、そのような高温が回路網30を逆に影響し得るため、推奨され得ない。言い換えると、ケイ素化合物ボンドを形成するために選択された材料は、回路網30またはMEMSデバイス10の他の温度高感度部を不都合に影響し得る温度より低い温度において相互拡散する(および/または溶融する)べきである。
【0027】
他の種類のボンドも使用され得る。例えば、ケイ素化合物ボンドを形成する代わりに、はんだベースのボンドが使用され得る。この種類のボンドの使用は、しかしながら、更なる処理ステップを必要とする。特に、少なくともキャップリム22を金属化すること(上述されたように)に加えて、MEMSリム36も金属化される。上記の実施例に続いて、キャップリム22と同様な方法において、MEMSリム36も、プラチナまたは他のはんだ可能材料を用いてスパッタリングで堆積され得る。はんだは次いで、比較的低温にて加えられ得、硬化され得る。
【0028】
上記されたように、導電リム28は、例示的に、キャップ18と回路網30との間にハーメチックシールおよび導電経路の両方を提供するためにMEMS構造24を完全に取り囲む。一部の実施形態においては、導電リム28は、構造24の周りに円形リングを形成する。他の実施形態においては、導電リム28は、MEMS構造24の周りに何らかの他の形(例えば、楕円形、長方形、または異形)を形成する。
【0029】
ケイ素化合物ボンドが形成された後、処理はステップ310へと続く。ここにおいて、MEMSダイ12(または場合においては、ウエハになり得る)の底部は、ビア32を露出するシニング処理(例えば、裏面研削(backgrinding)またはエッチバック処理)の下に置かれる。露出された場合、ビア32は、例示的に、実質的に同一平面であるか、またはダイ12の下面から外向きにわずかに延びている。
【0030】
導電コンタクト34(例えば、はんだボール)は、次いで、ビア32の底に取り付けられ得(ステップ312)、次いで、回路ダイ14の上面上の、対応するコンタクトに取り付けられ得る(ステップ314)。はんだボールよりも、一部の実施形態は、メッキされたバンプ、はんだボール、積層されたボンドパッド、または他の導電インターフェースを用いてもよい。ウエハは次いで、ダイシングされ得、そのプロセスを完了する。上述したように、それが十分に形成された後、その結果として得られたMEMSデバイス10はパッケージに実装され得、フリップチップは回路基板上に実装され得(コンタクトが片側の上に形成された後)、または任意の従来の方法において用いられ得る。
【0031】
したがって、図2に示され、上述されたように、キャップ18は、導電リム28、対応するビア32、およびMEMS26基板の底上のボールコンタクト34を介して、回路ダイ14に電気接続される。各ボールコンタクト34とビア32との間におけるコンタクトの表面面積は比較的小さいので、寄生容量は最小化されるはずである。回路ダイ14上の回路網30は、キャップ18の電位を接地または所望の電圧レベルに設定することができる。あるいは、MEMSダイ12を介する導電リム28への導電経路は、外部に接地され得るか、または0.2ボルトなどの任意の所望の電位に設定することができる外部ピンにて終端処理し得る。
【0032】
キャップされたダイ12を用いるよりも、代替的な実施形態は、パッケージダイ12を用いてもよい。特に、ステップ300において、ビア32は完全にダイ12を介して延び、そのMEMSダイ12全体は、従来の集積回路パッケージ(図示されず)内に固定される。したがって、この実施形態において、キャップ18は必要でなくてもよい。当業者は、パッケージ相互接続器が従来の方法において回路基板14に結合され得ることを理解すべきである。同様の方法において、ビア32は、またパッケージ内における相互接続器と結合する。
【0033】
図4は、本発明の例示的な実施形態に従い、任意のビア32を形成するプロセスを示す。そのプロセスはステップ400から始まり、従来のマイクロマシンプロセスは、ダイ12におけるボアを形成する。ボアはダイ12の上表面においては開いているが、ダイ12内では閉じられている。したがって、そのボアはダイ12全体を貫通していない。ボアの幅、形状、および深さは、任意の数の要因に基づいて選択される。特に、それらの要因は、形成される最終のビア32の所望のインピーダンスおよびその最終のビア32の構造的一体化を含み得る。
【0034】
ビアが形成された後、そのボアは熱酸化物または窒化物などの電気的に絶縁材料で内側を覆われる(ステップ402)。そのプロセスのこの時点で、導電ビア32はダイ12を介して形成され得る。これを受けて、内側が覆われたボアは、導電材料(例えば、ドープされたシリコン、導電エポキシ、CVD金属(タングステンまたは白金あるいは他の導電材料)にて満たされ得る。ボアが満たされると(すなわちビア32を形成する)、残りのMEMS構成要素および/または回路網は、ダイ12上に形成され得る。
【0035】
あるいは、図2に示されるように、次の堆積された層は、ビア32および他のMEMS構成要素(すなわち可動部材)の両方を形成し得る。そのような実施形態において、ビア32およびMEMS構成要素は、一体であると考えられる。これらを受けて、ポリシリコン層は堆積され得、ボアの中に延びる(ステップ404)。ポリシリコン層はエッチされ得、さもなければ、MEMS構造24の一部を形成するために処理され得る。上述のように、追加されたポリシリコンはドープされ得、適切な導電を保証する。この場合におけるポリシリコンの使用は多数の利点を有する。とりわけ、それは寄生容量を減少する一方で、製造プロセスにおける工程を減らす。
【0036】
堆積された材料がボアに追加された後、そのプロセスは、ステップ406へと続き、残りのMEMS構造24およびダイ12の他の部分は形成される。図3の処理におけるステップ310において留意されたように、ダイ12は続いて、裏面研削処理に晒され、ビア32を露出する。
【0037】
上述したように、同様のプロセスが実行され得、絶縁体ダイ12上において、シリコンを介してビア32を形成する。他にも方法はあるが、ビア32は、上述したものと同様の方法において、3つのSOI層を介して形成され得る。あるいは、ビア32は、その3つの層が共に固定される前に形成され得る。
【0038】
図5は、MEMSデバイス10の代替的な実施形態を示す。別個の回路ダイ14を有するよりもむしろ、MEMSダイ12は、構造24および回路網30の両方を含み得る。図2に示されるMEMSダイ12と同様の方法において、この実施形態のMEMSダイ12は、表面マイクロマシン加工のような従来のプロセスによって、あるいは、SOIプロセスを用いて独自の処理ステップを実行することなどによって生成され得る。
【0039】
図6は、「スマートキャップ」が用いられる別の実施形態を示す。特に、キャップ18はMEMSダイ12における回路網30を用いる処理を共有または補完する回路網30を有し得る。バイアス電位の代わりに、またはそれに付け加えて、キャップ18とMEMSダイ12との間の導電経路はまた、データメッセージを送信することができる。図7は、2つのMEMSダイが共に実装された、さらなる別の実施形態を示す。図1〜図7において示された様々な実施形態の構成要素は、他の実施形態を形成するために組み合わされ得ることに留意されたい。例えば、集積回路網30を有するMEMSダイ12の代わりに、図6における回路網30は、図2におけるのと同じように、一つ以上の別個の回路ダイ14上に配置され得る。
【0040】
一般的には、本発明の様々な実施形態は、ダイ12を介して、MEMS構造24(ダイ12の上面上において)から延び、ダイ12の底側の上の電気的インターフェースにおいて終端処理される、少なくとも一つのビア32を有する。上述したように、従来技術のダイボンドパッドの解決策と比べ、このアレンジメントは、寄生容量を最小化するはずであり、MEMSデバイスを製造するために必要とするダイ/基板の実装可能面積(real estate)の量を減らすはずである。
【0041】
上記で検討されたものとは異なる材料もまた用いられ得る。さらに、一部の実施形態は、MEMSデバイスとは異なるデバイスに適用可能である。例えば、集積回路および他のタイプのデバイスは、本発明の局面をインプリメントし得る。したがって、MEMSデバイスの検討は例示的なものであり、したがって、本発明のあらゆる実施形態を限定するように意図されてはいない。
【0042】
上述の検討は本発明の様々な例示的な実施形態を開示しているが、当業者は、本発明の真なる範囲から逸脱することなく、本発明の一部の利点を達成する様々な修正をなし得ることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の例示的な実施形態に従い、キャップされ得る電子機器の斜視図を概略的に示す。
【図2】図1において、線X−Xに沿って示される装置の断面図を概略的に示す。ここで、その装置は、本発明の一実施形態に従って構成される。
【図3】本発明の様々な実施形態に従い、図2に示される電子機器を形成するプロセスを示す。
【図4】図3に示されるデバイスの基板を介するビアを形成するプロセスを示す。
【図5】同一のダイ上の回路網および構造を有するMEMSデバイス上にてインプリメントされる本発明の代替的な実施形態の断面図を概略的に示す。
【図6】同一のダイ上の回路網および構造、ならびに、キャップ上の回路網を有するMEMSデバイス上にてインプリメントされる本発明の別の代替的な実施形態の断面図を概略的に示す。
【図7】MEMSデバイス上にてインプリメントされる本発明のさらなる別の代替的な実施形態の断面図を概略的に示す。このキャップが別のMEMSデバイスを効果的に形成する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面および下面を有する基板であって、該上面がMEMS構造を含む、基板と、
該MEMS構造から該下面まで該基板を介して延びる少なくとも一つの導電経路であって、該少なくとも一つの導電経路は、該MEMS構造と統合され、該MEMS構造と実質的に同じ材料から形成される、少なくとも一つの導電経路と
を備える、MEMSデバイス。
【請求項2】
前記MEMS構造の少なくとも一部のまわりのキャップをさらに含む、請求項1に記載のMEMSデバイス。
【請求項3】
前記キャップおよび基板が、前記MEMS構造を少なくとも部分的に含むキャビティを形成する、請求項2に記載のMEMSデバイス。
【請求項4】
前記少なくとも一つの導電経路が、前記基板の下面と実質的に同一平面であるか、または該下面から外向きに延びている、請求項1に記載のMEMSデバイス。
【請求項5】
前記少なくとも一つの導電経路に固定されたはんだ屑、メッキされた隆起部および堆積されたボンドパッド、のうちの少なくとも一つをさらに含む、請求項1に記載のMEMSデバイス。
【請求項6】
前記導電経路がポリシリコンを含む、請求項1に記載のMEMSデバイス。
【請求項7】
前記MEMS構造が可動の塊を含む、請求項1に記載のMEMSデバイス。
【請求項8】
前記基板によって支持される回路をさらに含み、該回路が前記少なくとも一つの導電経路と電気通信し、該基板はシリコンゲルマニウムを含む、請求項1に記載のMEMSデバイス。
【請求項9】
前記少なくとも一つの導電経路はシリコンベースの材料から形成される、請求項1に記載のMEMSデバイス。
【請求項10】
上面および下面を有する基板であって、該上面がMEMS構造を含む、基板と、
該MEMS構造と該下面との間において電気信号を導電する手段であって、該導電する手段は、該MEMS構造から該下面まで該基板を介して延びる、該MEMS構造に統合される、手段と
を備える、MEMSデバイス。
【請求項11】
前記導電する手段がドープされたポリシリコンを含む、請求項10に記載のMEMSデバイス。
【請求項12】
前記MEMS構造の少なくとも一部を収容する手段をさらに備える、請求項10に記載のMEMSデバイス。
【請求項13】
メッキされた隆起部、堆積された接着パッド、および、前記下面表面において、前記導電する手段に固定されたはんだ屑のうちの少なくとも一つをさらに含む、請求項10に記載のMEMSデバイス。
【請求項14】
前記導電する手段が、前記基板の下面と実質的に同一平面であるか、または該仮面から外向きに延びている、請求項10に記載のMEMSデバイス。
【請求項15】
前記MEMS構造が、前記基板の動きを検出する手段を含む、請求項10に記載のMEMSデバイス。
【請求項16】
回路および該回路へのインターフェースポートを有する第1の基板と、
上面および下面を有する第2の基板を有するMEMSデバイスであって、該上面がMEMS構造を含み、該MEMSデバイスは、該MEMS構造から該下面まで該第2の基板を介して延びる導電経路をも有し、該導電経路が該MEMS構造と統合される、MEMSデバイスと
を備えたMEMSデバイスであって、
該導電経路が該第1の基板上の該インターフェースポートと結合され、該MEMS構造を有する該回路と電気接続する、MEMSシステム。
【請求項17】
前記MEMSデバイスは回路を必要としない、請求項16に記載のMEMSシステム。
【請求項18】
前記第2の基板に固定されキャップをさらに含み、該キャップは、前記MEMS構造の少なくとも一部を含む、請求項16に記載のMEMSデバイス。
【請求項19】
前記導電経路とMEMS構造が、同一の材料から形成される、請求項16に記載のMEMSデバイス。
【請求項20】
前記MEMS構造が可動の塊を含む、請求項16に記載のMEMSデバイス。
【請求項21】
前記導電経路と前記第2の基板の少なくとも一部との間に配置された絶縁体をさらに含む、請求項16に記載のMEMSデバイス。
【請求項22】
前記MEMS構造が前記第2の基板上の平面の境界を規定し、該導電経路が該平面の境界内にある、請求項16に記載のMEMSシステム。
【請求項23】
前記MEMSデバイスが回路を含む、請求項16に記載のMEMSシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−532338(P2007−532338A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−509530(P2007−509530)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/012939
【国際公開番号】WO2005/102911
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(505274818)アナログ デバイシス, インコーポレイテッド (40)
【Fターム(参考)】