説明

基板アセンブリー

【課題】 シールドケースのアース配線作業を簡単にできるようにする。
【構成】 同軸ケーブル50の先端部に取り付けられたケーブルコネクタAであって、基板10と、基板10に実装されたコネクタソケット20と、基板10を保持する基板ホルダー40と、基板10及び基板ホルダー40を取り囲むシールドケース30とを備えている。シールドケース30は第1ケース31と第2ケース32との2分割型である。第1ケース31には切片部314を有している。切片部314の先端部分が第2ケース32に形成された端子用切り欠き324を通じてコネクタソケット20のシェル21に面接触する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はEMI(Electro Magnetic Interference) 対策が施されたコネクタ等に使用される基板アセンブリーに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ、冷蔵庫、電子レンジ、パソコン、プリンタ、デジカメ等の電子機器から発せられる電磁波は、通信の障害や他の電子機器の誤動作の原因となるため、世界各国で電磁波に対する基準値が法規制として強化されている。しかも電子機器はさらなる高機能化が進むことで、EMIノイズが増大する傾向にある。
【0003】
高速信号を伝送するワイヤーケーブルに使用されるケーブルコネクターについては、各種メーカーからEMI対策コネクタと称されるものが種々提供されている。同コネクタは何れも対策対象外コネクタに比べてシールド性等が強化されている。
【0004】
例えば、電子部品の内蔵するコネクターについては、基板上に実装された電子部品の全体がシールドケースで覆われている(例えば、特許文献1等)。
【特許文献1】特開平9−35820号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、シールドケースを基板に取り付けるだけでなく、基板上に作製されたアース配線をシールドケースに電気接続することが必要不可欠であり、シールドケースの配線作業が煩わしく、この面で同コネクターの低コスト化を図ることが困難という問題が指摘されている。特に、同軸ケーブル用のコネクターについては、その外側導体を基板上のアース配線に接続することが必要になり、組み立て及び配線作業が一層大変となっている。
【0006】
本発明は上記した背景の下で創作されたものであって、その目的とするところは、シールドケースのアース配線作業を簡単にすることが可能な基板アセンブリーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る基板アセンブリーは、基板と、この基板に実装され且つグランド/アース端子を少なくとも外面に有した部品と、基板の全体を取り囲む又は部品を上から覆うシールドケースとを備えている。この基本的構成は従来と何ら変わりない。本願発明者は、上記目的を達成するためにシールドケースを中心として改良し、シールドケースに部品の外面に接触するコンタクト部という構成を付け加えた。
【0008】
同アセンブリーがケーブルの端部に取り付けられている場合、シールドケースには、ケーブルの先端部を通すためのケーブル用開口を形成すると良い。部品がグランドシェルを有するコネクタソケットであり且つ基板の端部に外向きに配置されている場合、シールドケースには、コネクタソケットと対になったコネクタプラグを出し入れするためのプラグ用開口を正面に形成すると良い。
【0009】
この発明によると、基板及びシールドケースが組み立てられると、シールドケースのコンタクト部と部品の外面との間が接触して導通状態になる。よって、従来とは異なり、シールドケースと部品との間を導通させるための特別なアース配線作業が不要となる。この結果、同アセンブリーの組み立て及び配線作業が従来に比べて簡単になり、低コスト化が図られる。
【0010】
同アセンブリーが同軸ケーブルの端部に取り付けられている場合、シールドケースについては、ケーブル用開口の近くに位置し且つ同軸ケーブルの端部の外側導体に沿って接触する接続片を有することが好ましい。
【0011】
この発明によると、同軸ケーブルの先端部をシールドケースのケーブル用開口に通し、シールドケースの接続片を変形させるだけで同軸ケーブルの外側導体とシールドケースとの間が電気接続される。よって、特別な配線作業が不要となり、同アセンブリーの一層の低コスト化が図られる。
【0012】
シールドケースについては、部品のグランド/アース端子を露出させるために端子用開口を形成し、この端子用開口の縁部に肩持ち梁状の切片部を張り出して設けるようにすると良い。この場合、切片部の先端部分が端子用開口を通じてグランド/アース端子にコンタクト部として接触することになる。切片部の先端部分を変形させて部品のグランド/アース端子に面接触させると良い。
【0013】
この発明によると、シールドケースの切片部の先端部分を変形させることなくシールドケースに凹凸が少ない状態で、シールドケースを干渉なく基板に組み込むことが可能になる。この組み込みが完了した後に、切片部の先端部分を曲げて部品のグランド/アース端子に接触させることが可能になる。よって、組み立て作業が簡単になるだけでなく、シールドケースの作製コストも抑えることができ、同アセンブリーの一層の低コスト化が図られる。
【0014】
端子用開口を有するシールドケースについては、切片部を間隔を開けて配列することが好ましい。
【0015】
この発明によると、シールドケースに端子用開口が形成されているので、電磁ノイズが漏れ易い構造であるが、端子用開口の大部分を複数の切片部で塞くことが可能になることから、電磁ノイズの漏れが少なくなる。
【0016】
コンタクト部と部品のグランド/アース端子との間については、ハンダにより固着するようにすると良い。
【0017】
この発明によると、コンタクト部と部品のグランド/アース端子との間の導通状態が確実となり、より強固なシールド効果が得られる。
【0018】
同アセンブリーにおいて、部品がグランドシェルを有するコネクタソケットであり且つ基板の端部に外向きに配置されている場合、シールドケース内に装着可能であり且つ基板を保持する基板ホルダーを構成的に付加すると良い。
【0019】
この発明によると、基板が基板ホルダーに保持された状態でシールドケースに組み込むことが可能になる。基板上のコネクタソケット等がシールドケースに接触することなく基板をシールドケースに組み込むことができ、組み立て作業が簡単になり、同アセンブリーの一層の低コスト化が図られる。
【0020】
基板ホルダーについては、基板の外形に対応した上方視略凹状の枠体であって開放端側から挿入された基板を保持可能な本体部と、この本体部の開放端側を略直角に短絡する部材であって基板の挿入に障害にならないように本体部とは段差を付けて設けられた連結部と有したものを用いると良い。この場合、連結部にはコネクタソケットを露出させるための切り欠きを形成するようにする。
【0021】
この発明によると、基板及び基板ホルダーを組み合わせると、コネクタソケットが連結部に覆われることなく切り欠きを通じて露出される。この状態で基板ホルダーをシールドケースに組み込むと、シールドケースの正面の裏側を連結部に部分的に接触させることが可能になる。よって、シールドケースの正面側の強度が基板ホルダーの連結部により補強され、特別な補強部材が不要になることから、同アセンブリーの一層の低コスト化が図られる。
【0022】
特に、同アセンブリーがケーブル又は同軸ケーブルの端部に取り付けられている場合、基板ホルダーの本体部には、ケーブル等の端部の内側導体線を案内するための溝を配列すると良い。
【0023】
この発明によると、ケーブル等の先端部から取り出された内側導体線を基板ホルダーの溝に挿入して仮止めされた状態で基板上の部品に配線することが可能になる。よって、配線作業が簡単になり、同アセンブリーの一層の低コスト化が図られる。
【0024】
基板ホルダーを有する基板アセンブリーである場合、シールドケースについては、2分割型であり、基板ホルダー及び基板を挿入するための基板挿入口が形成された第1ケースと、第1ケースの基板挿入口を塞ぐ第2ケースとを有したものを用いると良い。
【0025】
この発明によると、シールドケースの第1ケースに基板挿入口を通じて基板ホルダー及び基板を入れ、この状態で第1ケースと2ケースとを組み合わせることが可能になる。よって、組み立てが簡単になり、同アセンブリーの一層の低コスト化が図られる。
【0026】
同アセンブリーにおいて、部品がグランドシェルを有するコネクタソケットであり且つ基板の端部に外向きに配置されている場合、シールドケースの第1ケースには、基板挿入口、プラグ用開口、端子用開口及び切片部を形成する一方、シールドケースの第2ケースには、第1ケースと第2ケースとが組み合わされた状態で端子用開口の一部を塞ぐ端子カバー部を形成すると良い。端子カバー部には切片部の先端部分を通すための端子用切り欠きを形成するようにする。
【0027】
なお、同アセンブリーがケーブルの端部に取り付けられている場合、第2ケースには、ケーブル用開口を形成すると良い。同軸ケーブルの端部に取り付けられている場合、第2ケースには、ケーブル用開口及び接続片を形成すると良い。
【0028】
この発明によると、第1ケースと第2ケースとを組み合わせると、第1ケースの端子用開口の一部が第2ケースの端子カバー部で塞がれ、第1ケースの切片部の先端部分が第2ケースの端子用切り欠きに位置する。この状態で、切片部の先端部分を曲げて部品のグランド/アース端子に接触させることが可能になる。
【0029】
よって、シールドケースの端子用開口の一部が端子カバー部で塞がれているだ けでなく、少なくとも切片部の基端部が端子カバー部と重なり、その分だけ第1ケースと第2ケースとの間の電気抵抗が小さくなる。よって、電磁ノイズ抑制効が高くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の基板アセンブリーの実施の形態をケーブルコネクタを例にして説明する。図1はケーブルコネクタAの斜視図である。図中10は基板、20はコネクタソケット、30はシールドケース、40は基板ホルダー、50は同軸ケーブルを示している。
【0031】
なお、コネクタソケットAの構成要素と特許請求の範囲に記載された発明特定事項との対応関係については、下記の符号の説明に併せて示している。
【0032】
ケーブルコネクタAは、同軸ケーブル50の先端部に取り付けられた内蔵回路を有したEMI対策コネクタであって、基板10と、基板10に実装されたコネクタソケット20と、基板10を保持する基板ホルダー40と、基板10及び基板ホルダー40を取り囲むシールドケース30とを備えている。
【0033】
基板10は、図2に示すようにバッファ回路、増幅回路、信号変換回路及び/又はフィルター回路等が製作された略正方形のプリント基板である。上記回路を実現するために基板10の表面上には各種の電子部品60が実装されている。上記回路の信号ライン/電源ラインの入出力のためにコネクタソケット20が実装されている他、入力/出力端子11等が作製されている。
【0034】
コネクタソケット20については、基板10の端部a(正面側の端部)の中央部分に外向きに配置されている。入力/出力端子11については、基板10の端部b(背面側の端部)に等ピッチ間隔で配置されている。
【0035】
コネクタソケット20は、外側に金属製の筒状のシェル21を有した高速信号伝送用角型コネクタである。シェル21内には電源用ピン/信号用ピン(図外)が配置されており、基板10の面上に製作された電源ライン/信号ライン(図外)に電気接続されている。コネクタソケット20と対になったプラグ(図示省略)が同ソケットに接続されると、シェル同士が接触して、これに伴って、グランド/アース同士が電気接続される。シャル21自体が導電体であることから、シェル21の外面(本実施形態では外側上面)がグランド/アース端子としての役目を果たすようになっている。
【0036】
基板ホルダー40は、図3に示すようにシールドケース30内に装着可能であり且つ基板10を保持する機能を有した部材である。本体部41と連結部42とを有した樹脂成型体のものを用いている。
【0037】
本体部41は、基板10の外形に対応した上方視略凹状の枠体であって開放端側(正面側)から挿入された基板10を保持可能となっている。本体部41の内側面には基板挿入溝411、411が長さ方向に形成されている。本体部41の開放端側から基板10を挿入すると、基板10の両側端部が基板挿入溝411、411に入り込み、基板挿入溝411、411が基板10を保持するようになっている。
【0038】
本体部41の反開放端側(背面側)には、同軸ケーブル50の先端部の芯線51を案内するための溝412が入力/出力端子11と同一のピッチ間隔で配列されている。基板10及び基板ホルダー40が組み立てられた状態で、基板10の入力/出力端子11と基板ホルダー40の溝412とは互いに対向する位置関係となっている。溝412は断面略U字状に形成され、同軸ケーブル50の先端部の芯線51を案内して仮止め可能になっている。
【0039】
連結部42は、本体部41の開放端側(正面側)を略直角に短絡する断面略凹状の部材であって基板10の挿入に障害にならないように本体部41とは上方向に段差を付けて設けられている。連結部42には、コネクタソケット20のシェル21を露出させるための切り欠き421が形成されている。即ち、基板10及び基板ホルダー40が組み立てられた状態で、基板10上の正面側端部が基板ホルダー40の連結部42により覆われる形になるが、図3に示すとおりコネクタソケット20のシェル21が切り欠き421を通じて露出する。
【0040】
シールドケース30は図1に示すように金属製の成型品であって、第1ケース31と第2ケース32とを有した2分割型のものを用いている。
【0041】
第1ケース31は図4に示すように基板ホルダー40の外形に応じた形状を有しており背面側の上面が開放された箱状体である。第1ケース31の背面側には、基板ホルダー40及び基板10を挿入するための基板挿入口311が切り欠いて形成されている。第1ケース31には、基板挿入口311の他、プラグ用開口312、端子用開口313及び切片部314が形成されている。
【0042】
プラグ用開口312については、第1ケース31の正面中央部に形成され、上記プラグを出し入れするための開口になっている。即ち、上記プラグは第1ケース31のプラグ用開口312を通じて基板10に実装されたコネクタソケット20に接続可能になっている。
【0043】
端子用開口313については、第1ケース31の正面側上面に形成され、基板10に実装されたコネクタソケット20のシェル21を中心とした部分を露出させるための開口になっている。
【0044】
切片部314については、端子用開口313の縁部に張り出して形成された肩持ち梁状の切片である。切片部314の先端部分が折り曲げられ、基板10に実装されたコネクタソケット20のシェル21に接触するコンタクト部となっている。具体的には、切片部314は合計2つ間隔を開けて配列されており、端子用開口313の左側、右側に互い違いにして設けられている。
【0045】
第2ケース32は、図5乃至図7に示すように第1ケース31の基板挿入口311を塞ぐための2面(下面及び正面)が開放された箱状体であって、第1ケース31の上側に重ね合わせて手前にスライドさせることにより第1ケース31に組み合わせ可能になっている。
【0046】
第2ケース32の上面には、第1ケース31と第2ケース32とが組み合わされた状態で端子用開口313(図4参照)の一部を塞ぐ板状の端子カバー部323が張り出して形成されており、端子カバー部323の正面側中央部には、切片部314、314の先端部分を通すための端子用切り欠き324が形成されている。
【0047】
第2ケース32の背面中央部には、同軸ケーブル50の先端部を通すためのU字状のケーブル用開口321が形成されており、ケーブル用開口321の近くには同軸ケーブル50の先端部の編組線52に沿って接触する断面円弧状の接続片322が左右一対相対向して形成されている。即ち、同軸ケーブル50の先端部をケーブル用開口321に通して、接続片322を若干内側に変形させると、編組線52に接続片322が面接触して電気接続される。あるいは編組線52と若干内側に変形された接続片322をハンダ付けしてより強固に電気接続される。
【0048】
上記したケーブルコネクタAの組み立て方法について説明する。まず、図2に示すように電子部品60及びコネクタソケット20が実装された基板10を基板ホルダー40にセットし、同軸ケーブル50の先端部の芯線51を基板10の入力/出力端子11にハンダにより接続する。図3はこの状態を示している。
【0049】
シールドケース30の第1ケース31内に図3に示す基板ホルダー40及び基板10を基板挿入口311を通じて挿入する。図4はこの状態を示している。その後、第1ケース31に第2ケース32を組み合わせる。図5乃至図7はこの状態を示している。この状態では、第2ケース32の端子カバー部323が第1ケース31の上面の下側に入り込んで部分的に重なり合い電気的に接続され、切片部314、314の先端部分が第2ケース32の端子用切り欠き324内に位置する。
【0050】
第1ケース31に第2ケース32を組み合わせれると、同軸ケーブル50の先端部が第2ケース32のケーブル用開口321に通されることから、接続片322、322を内側に若干変形させて、同軸ケーブル50の編組線52と第2ケース32との間を電気的に接続する。あるいは編組線52と若干内側に変形された接続片322をハンダ付けしてより強固に電気接続される。
【0051】
そして、切片部314、314の各先端部分に対して加工を施して折り曲げ、端子用開口323及び端子用切り欠き324を通じてコネクタソケット20のシェル21に各々面接触させる。その後、切片部314、314の各先端部分とコネクタソケット20のシェル21との間をハンダにより固着する。このようにしてケーブルコネクタAが組み立てられる。
【0052】
このように切片部314、314の各先端部分に対し加工を施して折り曲げるだけで、コネクタソケット20のシェル21、シールドケース30及び同軸ケーブル50の編組線52の間が一度に電気接続され、従来に比べて配線作業が格段に簡単になる。しかも切片部314、314の先端部の加工を組み立て後に行なうことから、シールドケース30の第1ケース31内に基板ホルダー40に挿入する際には、第1ケース31の内側に凹凸が全くない状態であり、シールドケース30を干渉なく組み込むことが可能になり、組み立て作業も簡単になる。
【0053】
また、基板10が基板ホルダー40に保持された状態でシールドケース30に組み込まれることから、基板10上のコネクタソケット20、電子部品60等がシールドケース30に接触することなく基板10をシールドケース30に組み込むことができる。この面でも組み立て作業が簡単になる。
【0054】
また、基板10の全体がシールドケース30に収納され、コネクタソケット20のシェル21の一部が露出する端子用切り欠き324の大部分が接続片322、322で覆われていることから、電磁ノイズの漏れが少なく、高いノイズ遮蔽効果も得られる。
【0055】
さらに、シールドケース30の正面の裏側が基板ホルダー40の連結部42に接触していることから、シールドケース30の正面側の強度が補強され、特別な補強部材が不要になる。
【0056】
このようなことから、ケーブルコネクタAの低コスト化及び高性能化の双方を図ることが可能になる。
【0057】
なお、本発明に係る基板アセンブリーは、同軸ケーブルの先端部又は両端部に接続されたケーブルコネクターだけの適用に止まらず、例えば、パソコン、モニター等に備えられた送信側機器、受信側機器その他のシールドケース付き基板であれば上記と同様に適用可能である。同アセンブリーの各構成部の上記以外の形態の例については以下の通りである。
【0058】
基板に関しては、上記実施形態の基板10だけでなく、コネクタや端子等の部品が実装された単なる基板であっても良い。
【0059】
シールドケースに関しては、上記実施形態のシールドケース30ではなく、基板に実装された部品の種類、位置等に応じて形状等を適宜設計変更すれば良い。ハウジングの内面に導電性の薄膜を作成したものを用いてもかまわない。基板の全体を取り囲むのではなく基板に実装された部品の全部又は一部を上から覆う形態でもかまわない。
【0060】
特にコンタクト部については、上記実施形態の接続片322ではなく、シールドケース及び基板が組み立てられた状態で部品のグランド/アース端子に接触する形態である限り、その形状等が問われない。例えば、シールドケースの一部を折り曲げて凸状にしたり、別に作成した金属片をシールドケースの内面に取り付ける形態であっても良い。
【0061】
部品に関しては、上記実施形態のコネクタソケット20ではなく、グランド/アース端子を少なくとも外面に有した部品であれば良い。例えば、高速信号伝送用コネクタ以外にトランジスター等の電子部品、電源用端子等がある。これらの部品については、そのケース自体又はケースの外面に設けられた端子等が何れもグランド/アース端子となっている。グランド/アース端子の接地については、シールドケースを通じて行なう形態だけでなく、基板に設けられたグランド/アースラインを通じて行なう形態であっても良い。この場合、シールドケースが基板部品等を通じて接地されることになる。
【0062】
基板ホルダーに関しては、シールドケースが基板を取り囲むのではなく部品を覆う場合、省略することが可能である。シールドケースが基板を取り囲む場合、上記実施形態の基板ホルダー40ではなく、シールドケース内に装着可能であり且つ基板を保持する構成である限り、同ホルダーの形状、材質等が問われず、部品の種類や位置等に応じて適宜設計変更すれば良い。特に導電性を有した材質のものを使用してもかまわない。
【0063】
ケーブルに関しては、上記実施形態の同軸ケーブル50だけでなく、通常のケーブルを用いることが可能であり、基板に作成された回路の種類によっては省略しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係る基板アセンブリーの実施形態を説明するためのケーブルコネクタの正面側から見た上方視斜視図である。
【図2】同ケーブルコネクタの基板の斜視図である。
【図3】同ケーブルコネクタの基板及び基板ホルダーの斜視図であって、同ケーブルコネクタからシールドケースを取り外した状態を示す図である。
【図4】同ケーブルコネクタの基板、基板ホルダー及びシールドケースの第1ケースの斜視図であって、図3に示された基板及び基板ホルダーを第1ケースに組み込んだ状態を示す図である。
【図5】同ケーブルコネクタの斜視図であって、シールドケースの切片部を折り曲げ加工する前の状態を示す図である。
【図6】同ケーブルコネクタの背面側から見た上方視斜視図であって、シールドケースの切片部を折り曲げ加工する前の状態を示す図である。
【図7】図6に示されたケーブルコネクタの下方視斜視図である。
【符号の説明】
【0065】
A ケーブルコネクタ (基板アセンブリー)
10 基板
20 コネクタソケット(部品)
21 シェル(アース/グランド端子)
30 シールドケース
31 第1ケース
311 基板挿入口
312 プラグ用開口
313 端子用開口
314 切片部(コンタクト部)
32 第2ケース
321 ケーブル用開口
322 接続片
323 端子カバー部
324 端子用切り欠き
40 基板ホルダー
41 本体部
411 基板挿入溝
412 溝
42 連結部
421 切り欠き
50 同軸ケーブル
51 芯線(内側導体線)
52 編組線(外側導体線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、この基板に実装され且つグランド/アース端子を少なくとも外面に有した部品と、前記基板を取り囲む又は前記部品を覆うシールドケースとを備え、前記シールドケースは、前記部品のグランド/アース端子に接触するコンタクト部を有したことを特徴とする基板アセンブリー。
【請求項2】
ケーブルの端部に取り付けられている場合の請求項1記載の基板アセンブリーにおいて、前記シールドケースには、ケーブルの先端部を通すためのケーブル用開口が形成されていることを特徴とする基板アセンブリー。
【請求項3】
前記部品がグランドシェルを有するコネクタソケットであり且つ前記基板の端部に外向きに配置されている場合の請求項1記載の基板アセンブリーにおいて、前記シールドケースには、前記コネクタソケットと対になったコネクタプラグを出し入れするためのプラグ用開口が正面に形成されていることを特徴とする基板アセンブリー。
【請求項4】
同軸ケーブルの端部に取り付けられている場合の請求項1記載の基板アセンブリーにおいて、前記シールドケースは、前記ケーブル用開口の近くに位置し且つ前記同軸ケーブルの端部の外側導体に沿って接触する接続片を有していることを特徴とする基板アセンブリー。
【請求項5】
請求項1記載の基板アセンブリーにおいて、前記シールドケースは、前記部品のグランド/アース端子を露出させるために端子用開口が形成され、この端子用開口の縁部に肩持ち梁状の切片部が張り出して設けられ、この切片部の先端部分が前記端子用開口を通じて前記グランド/アース端子に前記コンタクト部として接触していることを特徴とする基板アセンブリー。
【請求項6】
請求項5記載の基板アセンブリーにおいて、前記切片部の先端部分が折り曲げられ前記部品のグランド/アース端子に面接触していることを特徴とする基板アセンブリー。
【請求項7】
請求項5記載の基板アセンブリーにおいて、前記シールドケースの切片部が間隔を開けて配列されていることを特徴とする基板アセンブリー。
【請求項8】
請求項1記載の基板アセンブリーにおいて、前記コンタクト部と前記部品のグランド/アース端子との間がハンダにより固着されていることを特徴とする基板アセンブリー。
【請求項9】
請求項3記載の基板アセンブリーにおいて、前記シールドケース内に装着可能であり且つ前記基板を保持する基板ホルダーを備えていることを特徴とする基板アセンブリー。
【請求項10】
請求項9記載の基板アセンブリーにおいて、前記基板ホルダーは、前記基板の外形に対応した上方視略凹状の枠体であって開放端側から挿入された当該基板を保持可能な本体部と、この本体部の開放端側を略直角に短絡する部材であって当該基板の挿入に障害にならないように前記本体部とは段差を付けて設けられた連結部と有し、この連結部には、前記コネクタソケットのグランド/アース端子を露出させるための切り欠きが形成されていることを特徴とする基板アセンブリー。
【請求項11】
ケーブル又は同軸ケーブルの端部に取り付けられている場合の請求項10記載の基板アセンブリーにおいて、前記基板ホルダーの本体部には、前記ケーブル又は同軸ケーブルの端部の内側導体線を案内するための溝が配列されていることを特徴とする基板アセンブリー。
【請求項12】
請求項9記載の基板アセンブリーにおいて、前記シールドケースは2分割型であり、前記基板ホルダー及び基板を挿入するための基板挿入口が形成された第1ケースと、第1ケースの前記基板挿入口を塞ぐ第2ケースとを有していることを特徴とする基板アセンブリー。
【請求項13】
請求項12記載の基板アセンブリーにおいて、前記シールドケースの第1ケースには、請求項10の基板挿入口、請求項3のプラグ用開口、請求項5の端子用開口及び切片部が形成され、前記シールドケースの第2ケースには、第1ケースと第2ケースとが組み合わされた状態で前記端子用開口の一部を塞ぐ端子カバー部が形成され、この端子カバー部には前記切片部の先端部分を通すための端子用切り欠きが形成されていることを特徴とする基板アセンブリー。
【請求項14】
ケーブルの端部に取り付けられている場合の請求項12記載の基板アセンブリーにおいて、前記シールドケースの第2ケースには、請求項2のケーブル用開口が形成されていることを特徴とする基板アセンブリー。
【請求項15】
同軸ケーブルの端部に取り付けられている場合の請求項12記載の基板アセンブリーにおいて、前記シールドケースの第2ケースには、請求項2のケーブル用開口及び請求項4の接続片が形成されていることを特徴とする基板アセンブリー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−123500(P2009−123500A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−295676(P2007−295676)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】