説明

基板処理装置、フィルタ洗浄方法、およびフィルタ洗浄装置

【課題】フィルタの寿命を延ばすことができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置1は、基板Wに供給される処理液をろ過するフィルタ16を内部で保持するハウジング17と、ハウジング17に保持されている状態のフィルタ16の温度を変化させるフィルタ洗浄機構22とを含む。フィルタ洗浄機構22は、ハウジング17に保持されているフィルタ16を加熱および/または冷却することにより、フィルタ16の温度を変化させて、フィルタ16に対する異物の結合力を低下させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板処理装置、フィルタ洗浄方法、およびフィルタ洗浄装置に関する。基板処理装置によって処理される基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や液晶表示装置などの製造工程では、半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板などの基板に処理液を供給して、当該基板を処理する基板処理装置が用いられる。
たとえば特許文献1には、複数枚の基板を一括して処理するバッチ式の基板処理装置と、基板を一枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置とが開示されている。各基板処理装置は、基板に供給される処理液を循環させる循環経路を備えている。基板に供給された処理液は、循環経路に介装されたフィルタによってろ過された後、再び基板に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−061034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板に供給された処理液には、異物が含まれている。処理液に含まれる異物は、フィルタによって除去される。したがって、フィルタが、異物によって詰まってしまう場合がある。フィルタが詰まると、処理液がフィルタを通過し難くなるので、循環経路を循環する処理液の圧力が低下してしまう。処理液を送るポンプの出力を増加させれば、圧力の低下を補うことができるが、高負荷でポンプを使用し続けると、ポンプの寿命が短くなる。そのため、定期的にフィルタを交換する必要がある。しかし、フィルタの交換頻度が高いと、基板処理装置のランニングコストが増加してしまう。
【0005】
そこで、この発明の目的は、フィルタの寿命を延ばすことができる基板処理装置を提供することである。
また、この発明の他の目的は、フィルタから異物を除去できるフィルタ洗浄方法およびフィルタ洗浄装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板(W)に供給される処理液をろ過するフィルタ(16)を内部で保持するハウジング(17)と、前記ハウジングに保持されている状態の前記フィルタの温度を変化させて、前記フィルタに対する異物の結合力を低下させる洗浄手段(22)とを含む、基板処理装置(1)である。
この構成によれば、ハウジングに保持されているフィルタが、洗浄手段によって加熱および/または冷却される。これにより、フィルタの温度が変化する。そのため、フィルタに付着している異物の温度も変化する。フィルタおよび異物は、膨張率が異なるから、フィルタの温度が変化すると、フィルタに対する異物の結合力が低下する。これにより、異物をフィルタから離脱させて除去できる。また、異物がフィルタから離脱しなかったとしても、フィルタに対する異物の結合力が低下しているので、液体の供給によって異物を容易に洗い流すことができる。これにより、フィルタから異物を除去できる。したがって、フィルタの目詰まりを軽減して、フィルタの寿命を延ばすことができる。さらに、フィルタがハウジングに保持されている状態で異物を除去できるので、ハウジングからフィルタを取り外すなどの作業が不要である。よって、フィルタの洗浄を簡単に行える。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記洗浄手段は、温度の異なる複数の流体を前記フィルタに順次供給する流体供給手段(23、24、27)を含む、請求項1記載の基板処理装置である。
流体供給手段は、温度の異なる複数の気体をフィルタに順次供給する気体供給手段であってもよいし、温度の異なる複数の液体をフィルタに順次供給する液体供給手段であってもよいし、温度の異なる気体および液体をフィルタに順次供給する気体・液体供給手段であってもよい。気体は、液体の蒸気であってもよいし、ミストであってもよい。
【0008】
この構成によれば、温度の異なる複数の流体がフィルタに順次供給されることにより、フィルタの温度が変化する。これにより、フィルタに対する異物の結合力を低下させることができる。また、流体供給手段が、液体供給手段または気体・液体供給手段である場合には、フィルタに付着している異物を液体で洗い流すことができる。また、流体供給手段が、気体供給手段である場合でも、気体(液体の蒸気)をフィルタの表面で液化させたり、気体としてのミストをフィルタに供給したりすることにより、フィルタに液滴を付着させることができる。これにより、フィルタに付着している異物を液体で洗い流すことができる。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記洗浄手段は、混ざり合うことにより発熱する複数の流体を前記フィルタに順次供給する流体供給手段(23、24、27)を含む、請求項1または2記載の基板処理装置である。
流体供給手段は、混ざり合うことにより発熱する複数の気体をフィルタに順次供給する気体供給手段であってもよいし、混ざり合うことにより発熱する複数の液体をフィルタに順次供給する液体供給手段であってもよいし、混ざり合うことにより発熱する気体および液体をフィルタに順次供給する気体・液体供給手段であってもよい。気体は、液体の蒸気であってもよいし、ミストであってもよい。
【0010】
この構成によれば、混ざり合うことにより発熱する複数の流体がフィルタに順次供給される。したがって、複数の流体がフィルタで混ざり合って、発熱が生じる。そして、この熱がフィルタに加わり、フィルタが加熱される。これにより、フィルタの温度を変化させることができる。また、流体供給手段が、気体供給手段、液体供給手段、および気体・液体供給手段のいずれである場合でも、前述の場合と同様に、フィルタに付着している異物を液体で洗い流すことができる。
【0011】
請求項4記載の発明は、前記洗浄手段は、前記ハウジングに保持されている状態の前記フィルタに液体を供給して、前記フィルタに付着している異物を洗い流す液体供給手段(23、24、27)を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、フィルタに対する異物の結合力が低下している状態で、液体供給手段からの液体がフィルタに供給される。フィルタに対する異物の結合力が低下しているので、フィルタに付着している異物は、液体の供給によって容易に洗い流される。これにより、フィルタから異物を除去して、フィルタの寿命を延ばすことができる。
【0012】
請求項5記載の発明は、前記液体供給手段は、前記フィルタによってろ過すべき処理液と同種の処理液を前記フィルタに供給する同種液供給手段(27)を含む、請求項4項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、フィルタによってろ過すべき処理液と同種の処理液がフィルタに供給される。したがって、洗浄後のフィルタには、この同種の処理液が付着している。そのため、洗浄後のフィルタを使って処理液をろ過したときに、当該処理液とは異なる液体が、ろ過された処理液に混入して、処理液の濃度が変化することを抑制または防止できる。これにより、基板に供給される処理液の濃度変化を抑制または防止できる。
【0013】
請求項6記載の発明は、前記同種液供給手段は、前記フィルタによってろ過すべき処理液を前記ハウジングの内部から回収して、回収した処理液を前記ハウジングの内部に供給する回収液供給手段(27)を含む、請求項5に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、ハウジングの内部から回収された処理液がフィルタに供給され、フィルタに付着している異物が洗い流される。このように、ハウジングの内部から回収した処理液を利用するので、処理液の消費量を低減できる。
【0014】
請求項7記載の発明は、前記基板処理装置は、前記フィルタによってろ過すべき処理液を前記ハウジングの内部に導く上流側配管(18)と、前記上流側配管を流れる処理液を加熱する加熱手段(15)とをさらに含み、前記流体供給手段は、前記上流側配管から前記ハウジングの内部に供給された処理液を回収して、回収した処理液を加熱流体として前記ハウジングの内部に供給する加熱流体供給手段(27)と、前記加熱流体よりも低温の冷却流体を前記ハウジングの内部に供給する冷却流体供給手段(24)とを含む、請求項2に記載の基板処理装置である。
【0015】
この構成によれば、加熱手段によって加熱された処理液が、上流側配管からハウジングの内部に供給される。加熱流体供給手段は、加熱手段によって加熱された処理液をハウジングの内部から回収して、この回収した処理液を加熱流体としてフィルタに供給する。また、冷却流体供給手段は、加熱流体がフィルタに供給される前後の少なくとも一方で、加熱流体より低温の冷却流体をフィルタに供給する。これにより、フィルタを加熱および冷却して、フィルタの温度を変化させることができる。さらに、加熱流体供給手段は、ハウジングから回収した処理液を利用するので、加熱流体の消費量を低減できる。しかも、ハウジングから回収された処理液は、加熱手段によって予め加熱されているので、加熱手段を別途設けなくてもよい。
【0016】
請求項8記載の発明は、前記加熱流体供給手段は、前記フィルタに向けて処理液を吐出する吐出部(30a)を含む、請求項7記載の基板処理装置である。
この構成によれば、加熱流体としての処理液が、フィルタに向けて吐出部から吐出される。吐出部から吐出された処理液は、フィルタに吹き付けられ、フィルタに沿って流れ落ちる。これにより、フィルタ全体に処理液が供給される。吐出部からフィルタに向けて処理液を吐出するので、ハウジングの内部を処理液で満たして、フィルタを浸漬させる場合よりも、少量の処理液でフィルタ全体を洗浄できる。これにより、ハウジングから回収した処理液を効率的に使用できる。
【0017】
請求項9記載の発明は、基板を保持する基板保持手段(4)と、前記基板保持手段に保持されている基板に処理液を供給する処理液供給手段(2)と、前記処理液供給手段と前記ハウジングとを接続しており、基板に供給された処理液を前記ハウジングの内部に導く上流側配管(18)と、前記処理液供給手段と前記ハウジングとを接続しており、前記ハウジングの内部で前記フィルタによってろ過された処理液を前記処理液供給手段に導く下流側配管(19)とをさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
【0018】
この構成によれば、処理液供給手段から基板保持手段に保持されている基板に処理液を供給することにより、基板を処理できる。また、処理液供給手段、上流側配管、ハウジング、および下流側配管が、環状の循環経路を形成しているので、この循環経路で処理液を循環させることができる。これにより、ハウジングの内部でフィルタによってろ過された処理液を再び基板に供給できる。したがって、処理液の消費量を低減できる。さらに、ハウジングから取り外さずにフィルタを洗浄できるので、フィルタの交換により発生する基板処理装置のダウンタイム(休止時間)を低減できる。そのため、基板処理装置の生産性を向上させることができる。
【0019】
請求項10記載の発明は、液体をろ過するフィルタの温度を変化させて、前記フィルタに対する異物の結合力を低下させる洗浄ステップ(S3〜S6)を含む、フィルタ洗浄方法である。この構成によれば、請求項1の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
請求項11記載の発明は、前記洗浄ステップは、温度の異なる複数の流体を前記フィルタに順次供給する流体供給ステップ(S3〜S5)を含む、請求項10に記載のフィルタ洗浄方法である。この構成によれば、請求項2の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0020】
請求項12記載の発明は、前記洗浄ステップは、混ざり合うことにより発熱する複数の流体を前記フィルタに順次供給する流体供給ステップ(S3〜S5)を含む、請求項10または11に記載のフィルタ洗浄方法である。この構成によれば、請求項3の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
請求項13記載の発明は、前記洗浄ステップは、前記フィルタに液体を供給して、前記フィルタに付着している異物を洗い流す液体供給ステップ(S3〜S5)を含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載のフィルタ洗浄方法である。この構成によれば、請求項4の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0021】
請求項14記載の発明は、前記液体供給ステップは、前記フィルタによってろ過すべき液体と同種の液体を前記フィルタに供給する同種液供給ステップ(S4、S5)を含む、請求項13に記載のフィルタ洗浄方法である。この構成によれば、請求項5の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
請求項15記載の発明は、前記同種液供給ステップは、前記フィルタを内部で保持するハウジングの内部に供給された液体を回収し、回収した液体を前記ハウジングの内部に供給する回収液供給ステップ(S4、S5)を含む、請求項14に記載のフィルタ洗浄方法である。この構成によれば、請求項6の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0022】
請求項16記載の発明は、前記流体供給ステップは、加熱手段によって加熱されており、前記フィルタを内部で保持するハウジングの内部に供給された液体を回収し、回収した液体を加熱流体として前記ハウジングの内部に供給する加熱流体供給ステップ(S4、S5)と、前記加熱流体供給ステップが行われる前後の少なくとも一方で、前記加熱流体よりも低温の冷却流体を前記ハウジングの内部に供給する冷却流体供給ステップ(S3、S5)とを含む、請求項11に記載のフィルタ洗浄方法である。この構成によれば、請求項7の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0023】
請求項17記載の発明は、前記加熱流体供給ステップは、前記フィルタに向けて液体を吐出する吐出ステップ(S4、S5)を含む、請求項16に記載のフィルタ洗浄方法である。この構成によれば、請求項8の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
請求項18記載の発明は、前記洗浄ステップが行われる前に、前記フィルタを内部で保持するハウジングの内部を含む環状の循環経路(P1)で液体を循環させる循環ステップと、前記洗浄ステップが行われる前に、前記循環経路での液体の循環を中断させる中断ステップ(S1)と、前記洗浄ステップが行われる前であって、前記中断ステップが行われた後に、前記ハウジングの内部から液体を排出させて、前記ハウジングに保持されている状態の前記フィルタを液体から露出させる排出ステップ(S2)と、前記洗浄ステップが行われた後に、前記循環経路での液体の循環を再開させる再開ステップ(S7)とをさらに含む、請求項10〜17のいずれか一項に記載のフィルタ洗浄方法である。
【0024】
この方法によれば、ハウジングの内部を含む環状の循環経路での液体の循環が中断される。その後、ハウジングの内部から液体が排出され、ハウジングに保持されている状態のフィルタが液体から露出される。その後、フィルタの温度変化によってフィルタが洗浄される。そして、ハウジングの内部に再び液体が供給され、循環経路での液体の循環が再開される。このように、ハウジングに保持されている状態でフィルタを洗浄できるので、フィルタの交換頻度を低下させることができる。したがって、ランニングコストを低減できる。
【0025】
請求項19記載の発明は、液体をろ過するフィルタ(16)が取り付けられ、取り付けられた前記フィルタを内部で保持するハウジング(17)と、前記ハウジングに取り付けられている状態の前記フィルタの温度を変化させて、前記フィルタに対する異物の結合力を低下させる洗浄手段(222)とを含む、フィルタ洗浄装置(201)である。この構成によれば、請求項1の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0026】
請求項20記載の発明は、前記洗浄手段は、温度の異なる複数の流体を前記フィルタに順次供給する流体供給手段(23、24)を含む、請求項19に記載のフィルタ洗浄装置である。この構成によれば、請求項2の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
請求項21記載の発明は、前記洗浄手段は、混ざり合うことにより発熱する複数の流体を前記フィルタに順次供給する流体供給手段(23、24)を含む、請求項19または20に記載のフィルタ洗浄装置である。この構成によれば、請求項3の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0027】
請求項22記載の発明は、前記洗浄手段は、前記ハウジングに保持されている状態の前記フィルタに液体を供給して、前記フィルタに付着している異物を洗い流す液体供給手段(23、24、37)を含む、請求項19〜21のいずれか一項に記載のフィルタ洗浄装置である。この構成によれば、請求項4の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0028】
請求項23記載の発明は、前記液体供給手段は、前記フィルタによってろ過すべき液体と同種の液体を前記フィルタに供給する同種液供給手段(237)を含む、請求項22に記載のフィルタ洗浄装置である。この構成によれば、請求項5の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施形態に係る基板処理装置の概略構成を説明するための模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るフィルタ洗浄機構について説明するための模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る基板処理装置によってフィルタを洗浄するときのフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態に係るフィルタ洗浄装置の概略構成を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
[基板処理装置]
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板処理装置1の概略構成を説明するための模式図である。
基板処理装置1は、たとえば、複数枚の基板Wを一括して処理するバッチ式の基板処理装置である。基板処理装置1は、処理液の一例である薬液を貯留する処理槽2(処理液供給手段)と、処理槽2に薬液を供給する薬液ノズル3と、処理槽2に貯留されている薬液に基板Wを浸漬させるリフター4(基板保持手段)と、処理槽2に貯留されている薬液を循環させる循環機構5と、基板処理装置1に備えられた各機器やバルブを制御する制御装置6とを含む。
【0031】
処理槽2は、上向きに開いた内槽7および外槽8を含む。薬液ノズル3は、薬液バルブ9が介装された薬液配管10に接続されている。制御装置6が薬液バルブ9を開くと、薬液ノズル3から吐出された薬液が、内槽7内に供給される。そして、内槽7から薬液が溢れると、溢れた薬液は、外槽8によって受け止められる。リフター4によって保持されている基板Wは、内槽7に貯留されている薬液に浸漬される。
【0032】
リフター4は、水平に延びる複数の保持棒11を含む。複数枚の基板Wは、複数の保持棒11によって鉛直な姿勢で支持される。リフター4は、図示しない昇降機構を含む。昇降機構は、リフター4に保持されている基板Wが内槽7内に位置する処理位置(図1に示す位置)と、リフター4に保持されている基板Wが内槽7の上方に位置する退避位置との間でリフター4を昇降させる。したがって、昇降機構がリフター4を処理位置に移動させることにより、リフター4に保持されている複数枚の基板Wが薬液に浸漬される。これにより、基板Wが処理される。
【0033】
循環機構5は、処理槽2から排出された薬液を処理槽2に導く循環配管12と、循環配管12に接続された複数の循環ノズル13と、循環配管12から循環ノズル13に薬液を送る循環ポンプ14と、循環配管12を流れる薬液を加熱するヒータ15(加熱手段)とを含む。循環配管12の上流側の端部は、外槽8に接続されており、循環配管12の下流側の端部は、複数の循環ノズル13に接続されている。循環ノズル13は、内槽7に取り付けられている。循環ノズル13は、内槽7内で薬液を吐出する。循環ポンプ14およびヒータ15は、循環配管12に介装されている。また、循環配管12を流れる薬液をろ過するフィルタ16は、循環配管12に介装されている。フィルタ16は、循環配管12に介装された後述するハウジング17(図2参照)の内部で保持されている。
【0034】
基板処理装置1は、処理槽2と、循環配管12と、ハウジング17とを含む環状の循環経路P1を備えている。処理槽2に貯留されている薬液は、この循環経路P1を循環する。具体的には、内槽7から溢れた薬液は、外槽8によって受け止められた後、循環ポンプ14によって循環配管12から循環ノズル13に送られる。これにより、循環ノズル13から薬液が吐出され、内槽7内に薬液が供給される。そのため、内槽7に貯留されている薬液が溢れる。この溢れた薬液は、外槽8によって受け止められた後、循環ポンプ14によって循環配管12から循環ノズル13に送られる。そして、循環ノズル13から薬液が吐出され、内槽7内に薬液が供給される。このようにして、薬液の循環が継続される。
【0035】
薬液が循環配管12を通過することにより、ヒータ15によって薬液が加熱される。したがって、薬液の循環が継続されることにより、処理槽2に貯留されている薬液が高温(室温(20〜30℃)より高い温度)に保たれる。さらに、薬液が循環配管12を通過することにより、フィルタ16によって薬液がろ過される。これにより、薬液に含まれる異物が除去される。また、高温の薬液がフィルタ16に供給されるので、薬液によってフィルタ16が加熱される。したがって、薬液が循環配管12を循環している状態では、フィルタ16が高温に保たれる。
【0036】
図2は、本発明の第1実施形態に係るフィルタ洗浄機構22について説明するための模式図である。
基板処理装置1は、フィルタ16を内部で保持するハウジング17を含む。フィルタ16は、ハウジング17に保持されている。ハウジング17は、開閉可能であり、フィルタ16は、ハウジング17に取り外し可能に取り付けられている。フィルタ16は、たとえば、上端が閉塞された筒状である。ハウジング17の内部は、フィルタ16によって上流側空間X1と下流側空間X2とに仕切られている。上流側空間X1は、ろ過すべき液体が供給されるフィルタ16の外側の空間であり、下流側空間X2は、フィルタ16によってろ過された液体が供給されるフィルタ16の内側の空間である。ハウジング17は、上流側空間X1に連通する流入部17aと、下流側空間X2に連通する流出部17bとを含む。
【0037】
循環配管12は、薬液の流通方向に関してハウジング17より上流側に配置された上流側配管18と、ハウジング17より下流側に配置された下流側配管19とを含む。循環機構5は、上流側配管18に介装された上流側バルブ20と、下流側配管19に介装された下流側バルブ21とをさらに含む。上流側配管18の端部は、ハウジング17の流入部17aに接続されており、下流側配管19の端部は、ハウジング17の流出部17bに接続されている。したがって、上流側配管18内を流れる薬液は、流入部17aを介して、上流側配管18から上流側空間X1に流入する。また、フィルタ16によってろ過された薬液は、流出部17bを介して、下流側空間X2から下流側配管19に流出する。
【0038】
薬液が循環配管12を循環している状態では、ハウジング17の内部が薬液によって満たされている。したがって、この状態では、循環ポンプ14の供給圧が、フィルタ16の表面16aに加わっている。ハウジング17内(上流側空間X1)の薬液は、循環ポンプ14の供給圧によってフィルタ16の表面16aを通過し、ろ過される。これにより、薬液が、上流側空間X1から下流側空間X2に移動する。そして、下流側空間X2に移動した薬液は、流出部17bから下流側配管19に排出され、循環ノズル13に送られる。これにより、ろ過された薬液が、内槽7に供給される。
【0039】
基板処理装置1は、フィルタ16を洗浄するフィルタ洗浄機構22(洗浄手段)を含む。フィルタ洗浄機構22は、前述のハウジング17と、フィルタ16を加熱する加熱流体をハウジング17内に供給する加熱配管23(流体供給手段、液体供給手段)と、フィルタ16を冷却する冷却流体をハウジング17内に供給する冷却配管24(流体供給手段、冷却流体供給手段、液体供給手段)と、加熱配管23に介装された加熱バルブ25と、冷却配管24に介装された冷却バルブ26とを含む。加熱配管23および冷却配管24の端部は、ハウジング17に接続されている。加熱配管23および冷却配管24は、ハウジング17の内部に連通している。加熱バルブ25が開かれると、加熱配管23からハウジング17内に加熱流体が供給される。同様に、冷却バルブ26が開かれると、冷却配管24からハウジング17内に冷却流体が供給される。加熱流体は、液体であってもよいし、気体であってもよい。加熱流体が気体である場合、加熱流体は、蒸気であってもよいし、ミストであってもよい。冷却流体についても同様である。
【0040】
加熱流体および冷却流体は、互いに温度が異なる流体である。加熱流体は、高温流体であり、冷却流体は、高温流体より低温の低温流体である。低温流体が高温流体より低温であれば、低温流体の温度は、室温未満であってもよいし、室温以上であってもよい。また、加熱流体および冷却流体は、混ざり合うことにより発熱する発熱流体であってもよい。この場合、加熱流体は、冷却流体より高温または低温であってもよいし、冷却流体と等しい温度であってもよい。すなわち、加熱流体および冷却流体が発熱流体である場合、加熱流体および冷却流体は、互いに温度が異なる流体でなくてもよい。もちろん、加熱流体および冷却流体が、それぞれ、高温流体および低温流体である共に、発熱流体であってもよい。
【0041】
加熱流体および冷却流体の組み合わせの具体例は、以下の表1に示す通りである。表1に示す加熱流体および冷却流体の組み合わせは、高温流体と低温流体の組み合わせの一例である。表1に示す高温流体は、いずれも室温より高温であり、表1に示す低温流体は、いずれも室温以下である。すなわち、表1に示す低温流体の温度は、室温より低くてもよいし、室温と等しくてもよい。また、表1に示すように、加熱流体が硫酸である場合、冷却流体は、過酸化水素水であってもよいし、水であってもよい。すなわち、加熱流体が硫酸である場合、冷却流体は、水を含む液体であればよい。水を含む液体と硫酸とが混ざり合うと、希釈熱が発生する。したがって、水を含む液体がフィルタ16に付着している状態で、硫酸がフィルタ16に供給されると、フィルタ16が加熱される。硫酸と過酸化水素水との組み合わせ、および硫酸と水との組み合わせは、発熱流体の組み合わせの一例である。加熱流体が硫酸である場合、硫酸は、他の液と混合された状態でフィルタ16に供給されてもよい。
【0042】
【表1】

【0043】
フィルタ洗浄機構22は、ハウジング17内から液体を回収して、回収した液体をハウジング17内に供給する回収機構27(流体供給手段、加熱流体供給手段、液体供給手段、同種液供給手段、回収液供給手段)を含む。回収機構27は、ハウジング17内から排出された液体を貯留するタンク28と、ハウジング17内の液体をタンク28に導く第1回収配管29と、タンク28内の液体をハウジング17内に導く第2回収配管30と、第1回収配管29に介装された回収バルブ31と、第2回収配管30に介装された回収ポンプ32とを含む。第1回収配管29の一端部は、ハウジング17の下端部に接続されており、第1回収配管29の他端部は、タンク28に接続されている。また、第2回収配管30の一端部は、タンク28の下端部に接続されており、第2回収配管30の他端部は、ハウジング17の上端部に接続されている。
【0044】
回収バルブ31が開かれると、ハウジング17内の液体が、第1回収配管29に排出され、タンク28内に供給される。これにより、ハウジング17内の液体が、タンク28に回収される。また、回収ポンプ32が駆動されると、タンク28内の液体が、第2回収配管30を介してハウジング17内に供給される。これにより、ハウジング17から回収された液体が、ハウジング17内に戻される。このように、タンク28、第1回収配管29、および第2回収配管30は、ハウジング17から回収された液体をハウジング17内に戻す回収経路P2を構成している。
【0045】
また、第2回収配管30の他端部は、ハウジング17に保持されているフィルタ16に向けて液体を吐出する吐出部30aを構成している。すなわち、回収ポンプ32が駆動されると、タンク28内の液体が、フィルタ16に向けて吐出部30aから吐出される。そして、吐出部30aから吐出された液体は、フィルタ16の表面16aに吹き付けられ、フィルタ16の上端部からフィルタ16の表面16aに沿って流れ落ちる。これにより、第2回収配管30の吐出部30aから吐出された液体が、フィルタ16の表面16a全域に供給される。
【0046】
フィルタ洗浄機構22は、ハウジング17に接続された排液配管33および大気連通配管34と、排液配管33に介装された排液バルブ35と、大気連通配管34に介装された連通バルブ36とを含む。排液配管33の一端部は、ハウジング17の下端部に接続されており、排液配管33の他端部は、図示しない廃液機構に接続されている。大気連通配管34の一端部は、ハウジング17の上端部に接続されており、大気連通配管34の他端部は、大気に連通している。排液配管33および大気連通配管34は、ハウジング17の内部に連通している。排液バルブ35が開かれると、ハウジング17内の液体が、排液配管33に排出され、図示しない廃液機構に導かれる。また、連通バルブ36が開かれると、ハウジング17の内部が大気に連通する。
【0047】
図3は、本発明の第1実施形態に係る基板処理装置1によってフィルタ16を洗浄するときのフローチャートである。以下では、図2および図3を参照する。
最初に、加熱流体および冷却流体が、それぞれ、水蒸気および液体窒素である場合について説明する。
[水蒸気&液体窒素]
フィルタ16が洗浄されるときには、最初に、循環経路P1での薬液の循環が中断される(S1)。具体的には、制御装置6は、フィルタ洗浄機構22の各バルブ25、26、31、35、36が閉じられている状態で、上流側バルブ20および下流側バルブ21を閉じる。これにより、上流側配管18からハウジング17内への薬液の供給が停止され、循環経路P1での薬液の循環が停止される。薬液が循環配管12を循環している状態では、フィルタ16に一定の圧力(薬液の供給圧)が加わっている。したがって、循環経路P1での薬液の循環が停止されることにより、フィルタ16に加わる液圧が減少する。そのため、薬液の循環が中断される前よりも、異物がフィルタ16から離脱し易い状態になる。
【0048】
次に、ハウジング17内の薬液が排出される(S2)。具体的には、制御装置6は、回収バルブ31および連通バルブ36を開く。これにより、大気連通配管34からハウジング17内に空気が導入されながら、ハウジング17内の薬液が第1回収配管29に排出される。第1回収配管29がタンク28に接続されているので、ハウジング17内の薬液は、タンク28内に回収される。制御装置6は、ハウジング17内の全ての薬液が排出されるまで、すなわち、ハウジング17内が空になるまで、回収バルブ31および連通バルブ36が開いた状態を維持する。そして、ハウジング17内が空になると、制御装置6は、回収バルブ31および連通バルブ36を閉じる。ハウジング17内が空になることにより、フィルタ16は、液体から露出される。
【0049】
次に、冷却流体としての液体窒素によってフィルタ16が冷却される(S3)。具体的には、制御装置6は、冷却バルブ26および連通バルブ36を開く。これにより、ハウジング17内に液体窒素が供給される。制御装置6は、ハウジング17内が液体窒素によって満たされるまで、冷却バルブ26および連通バルブ36が開いた状態を維持する。したがって、フィルタ16は液体窒素に浸漬される。これにより、液体窒素がフィルタ16に供給され、室温よりも低い温度(たとえば、−20℃程度)までフィルタ16が冷却される。制御装置6は、フィルタ16が冷却された後、冷却バルブ26を閉じ、排液バルブ35を開く。これにより、ハウジング17内の液体窒素が、排液配管33に排出される。制御装置6は、ハウジング17内が空になるまで、排液バルブ35および連通バルブ36が開いた状態を維持する。そして、ハウジング17内が空になると、制御装置6は、排液バルブ35および連通バルブ36を閉じる。フィルタ16に付着している異物は、ハウジング17内から排出される液体窒素によって洗い流される。
【0050】
次に、加熱流体としての高温の水蒸気によってフィルタ16が加熱される(S4)。具体的には、制御装置6は、加熱バルブ25および排液バルブ35を開く。これにより、ハウジング17内に水蒸気が供給される。そのため、ハウジング17内の空気が水蒸気に置換され、水蒸気がハウジング17内に充満する。これにより、水蒸気がフィルタ16に供給され、室温よりも高い温度(たとえば、100℃程度)までフィルタ16が加熱される。また、冷却されたフィルタ16に水蒸気が供給されるので、フィルタ16の表面16aで水蒸気の液化が生じ、水滴がフィルタ16の表面16aに付着する。この水滴は、フィルタ16に沿って流れ落ち、排液配管33に排出される。これにより、フィルタ16に付着している異物が洗い流される。制御装置6は、フィルタ16が加熱された後、加熱バルブ25および排液バルブ35を閉じる。
【0051】
次に、フィルタ16の冷却と加熱とが交互に繰り返される(S5)。具体的には、前述の場合と同様に、液体窒素によってフィルタ16が冷却され、その後、前述の場合と同様に、水蒸気によってフィルタ16が加熱される。冷却および加熱の繰り返し回数は、1回であってもよいし、2回以上であってもよい。冷却と加熱とが交互に繰り返されることにより、フィルタ16は、収縮および膨張を交互に繰り返す。また、フィルタ16に付着している異物も冷却および加熱されるから、異物も収縮および膨張を繰り返す。フィルタ16および異物は、膨張率が異なるから、収縮および膨張が繰り返されることにより、異物がフィルタ16から離脱したり、フィルタ16に対する異物の結合力が弱まったりする。そのため、フィルタ16に付着している異物は、液体窒素および水蒸気によって確実に洗い流される。そして、異物を含む液体窒素および水は、排液配管33に排出される。これにより、フィルタ16に対する異物の再付着が抑制または防止される。
【0052】
次に、フィルタ16によってろ過すべき液体と同種の液体、すなわち、薬液による仕上げ洗浄が行われる(S6)。具体的には、制御装置6は、連通バルブ36を開くと共に、回収ポンプ32を駆動する。これにより、タンク28に貯留されている薬液が、第2回収配管30の吐出部30aからハウジング17内に供給される。制御装置6は、ハウジング17内が薬液によって満たされるまで、回収ポンプ32を駆動する。そして、制御装置6は、ハウジング17内が薬液によって満たされた後、回収ポンプ32を停止させる。その後、制御装置6は、連通バルブ36が開かれた状態で、排液バルブ35を開く。これにより、ハウジング17内の薬液が排液配管33に排出される。制御装置6は、ハウジング17内が空になった後、排液バルブ35および連通バルブ36を閉じる。ハウジング17内が薬液によって満たされることにより、薬液がフィルタ16に供給される。したがって、フィルタ16に付着している液体窒素および水が、薬液に置換される。そのため、循環経路P1での薬液の循環が再開されたときに、液体窒素および水が薬液に混入して、基板Wに供給される薬液の濃度が変化することを抑制または防止できる。
【0053】
次に、循環経路P1での薬液の循環が再開される(S7)。具体的には、制御装置6は、フィルタ洗浄機構22の各バルブ25、26、31、35、36が閉じられている状態で、上流側バルブ20および下流側バルブ21を開く。さらに、制御装置6は、薬液ノズル3から内槽7に薬液(未使用の薬液)を吐出させる。これにより、内槽7から薬液が溢れ、外槽8に薬液が供給される。そして、外槽8に供給された薬液は、上流側配管18からハウジング17内に供給される。これにより、ハウジング17内が薬液で満たされ、薬液の供給圧がフィルタ16に加わる。ハウジング17内に供給された薬液は、フィルタ16を通過した後、つまり、フィルタ16によってろ過された後、下流側配管19に排出される。これにより、循環経路P1での薬液の循環が再開される。
【0054】
[硫酸&過酸化水素水]
次に、加熱流体および冷却流体が、それぞれ、硫酸および過酸化水素水であり、薬液がSPM(硫酸と過酸化水素水とを含む混合液)である場合について説明する。ただし、循環経路P1でのSPMの循環が中断され、ハウジング17内のSPMが排出されるまでの動作は前述の動作例(S1〜S2)と同様であるので、それより後に行われる動作から説明する。
【0055】
循環経路P1でのSPMの循環が中断され、ハウジング17内のSPMが排出された後は、冷却流体としての過酸化水素水によってフィルタ16が冷却される(S3)。具体的には、制御装置6は、冷却バルブ26および連通バルブ36を開く。これにより、ハウジング17内に過酸化水素水が供給される。制御装置6は、ハウジング17内が過酸化水素水によって満たされるまで、冷却バルブ26および連通バルブ36が開いた状態を維持する。これにより、フィルタ16が過酸化水素水に浸漬され、過酸化水素水がフィルタ16に供給される。過酸化水素水が供給される前のフィルタ16には硫酸を含むSPMが付着しているので、過酸化水素水がフィルタ16に供給されると、硫酸と過酸化水素水との混合により発熱が生じる。しかし、ハウジング17内が過酸化水素水で満たされるので、発熱量よりも吸熱量の方が大きい。そのため、フィルタ16の温度は、最終的に過酸化水素水が供給される前よりも低下する。制御装置6は、フィルタ16が冷却された後、冷却バルブ26を閉じ、排液バルブ35を開く。これにより、ハウジング17内の過酸化水素水が、排液配管33に排出される。そして、ハウジング17内が空になると、制御装置6は、排液バルブ35および連通バルブ36を閉じる。フィルタ16に付着している異物は、ハウジング17内から排出される過酸化水素水によって洗い流される。
【0056】
次に、加熱流体としての硫酸によってフィルタ16が加熱される(S4)。具体的には、制御装置6は、排液バルブ35を開くと共に、回収ポンプ32を駆動する。これにより、タンク28に貯留されているSPMが、第2回収配管30の吐出部30aからハウジング17内に吐出される。吐出部30aから吐出されたSPMは、フィルタ16の上端部からフィルタ16の表面16aに沿って流れ落ち、排液配管33に排出される。これにより、フィルタ16の表面16a全域にSPMが供給され、フィルタ16に付着している異物が洗い流される。制御装置6は、タンク28に貯留されているSPMの一部をハウジング17内に供給させる。そして、制御装置6は、SPMがハウジング17内に供給された後、排液バルブ35を閉じると共に、回収ポンプ32を停止させる。
【0057】
タンク28内のSPMは、ヒータ15によって加熱された高温のSPMである。したがって、タンク28内のSPMがフィルタ16に供給されることにより、フィルタ16は、SPM自体の熱によって加熱される。さらに、SPMに含まれる硫酸と、フィルタ16に付着している過酸化水素水との混合によって熱が生じるから、フィルタ16は、混合によって生じた熱によっても加熱される。しかも、ハウジング17から回収されたSPMが加熱流体としてフィルタ16に供給されるから、加熱流体の消費量を低減できる。さらに、第2回収配管30の吐出部30aからフィルタ16にSPMを吹き付けるので、フィルタ16をSPM中に浸漬させる場合よりも少量のSPMで、フィルタ16の表面16a全域をSPMで濡らすことができる。これにより、フィルタ16に付着している異物を少量のSPMで洗い流すことができる。
【0058】
次に、フィルタ16の冷却と加熱とが交互に繰り返される(S5)。具体的には、前述の場合と同様に、過酸化水素水によってフィルタ16が冷却され、その後、前述の場合と同様に、つまり、タンク28内に貯留されている残りのSPMによってフィルタ16が加熱される。冷却および加熱の繰り返し回数は、1回であってもよいし、2回以上であってもよい。冷却と加熱とが交互に繰り返されることにより、フィルタ16および異物は、収縮および膨張を交互に繰り返す。フィルタ16および異物は、膨張率が異なるから、収縮および膨張が繰り返されることにより、異物がフィルタ16から離脱したり、フィルタ16に対する異物の結合力が弱まったりする。そのため、フィルタ16に付着している異物は、過酸化水素水および硫酸によって確実に洗い流される。そして、異物を含む過酸化水素水および硫酸は、排液配管33に排出される。これにより、フィルタ16に対する異物の再付着が抑制または防止される。
【0059】
次に、フィルタ16によってろ過すべき液体と同種の液体であるタンク28内のSPMによって仕上げ洗浄が行われた後(S6)、循環経路P1でのSPMの循環が再開される(S7)。具体的には、タンク28内のSPMがハウジング17内に供給された後、制御装置6は、フィルタ洗浄機構22の各バルブ25、26、31、35、36が閉じられている状態で、上流側バルブ20および下流側バルブ21を開く。さらに、制御装置6は、薬液ノズル3から内槽7にSPMを吐出させる。これにより、内槽7から外槽8にSPMが溢れ、この溢れ出たSPMが、上流側配管18からハウジング17内に供給される。そして、ハウジング17内に供給されたSPMは、フィルタ16によってろ過された後、下流側配管19に排出される。これにより、循環経路P1でのSPMの循環が再開される。このように、タンク28内のSPMがフィルタ16に供給された後にSPMの循環が再開されるから、フィルタ16に付着している過酸化水素水が、基板Wに供給されるSPMに混入して、SPMの濃度が変化することを抑制または防止できる。
【0060】
[温水&冷水]
次に、加熱流体および冷却流体が、それぞれ、温水および冷水である場合について説明する。ただし、循環経路P1での薬液の循環が中断され、ハウジング17内の薬液が排出されるまでの動作は前述の動作例(S1〜S2)と同様であるので、それより後に行われる動作から説明する。
【0061】
循環経路P1での薬液の循環が中断され、ハウジング17内の薬液が排出された後は、冷却流体としての冷水によってフィルタ16が冷却される(S3)。具体的には、制御装置6は、冷却バルブ26および連通バルブ36を開く。これにより、ハウジング17内に冷水が供給される。制御装置6は、ハウジング17内が冷水によって満たされるまで、冷却バルブ26および連通バルブ36が開いた状態を維持する。したがって、フィルタ16は冷水に浸漬される。これにより、冷水がフィルタ16に供給され、フィルタ16が冷却される。制御装置6は、フィルタ16が冷却された後、冷却バルブ26を閉じ、排液バルブ35を開く。これにより、ハウジング17内の冷水が、排液配管33に排出される。制御装置6は、ハウジング17内が空になるまで、排液バルブ35および連通バルブ36が開いた状態を維持する。そして、ハウジング17内が空になると、制御装置6は、排液バルブ35および連通バルブ36を閉じる。フィルタ16に付着している異物は、ハウジング17内から排出される冷水によって洗い流される。
【0062】
次に、加熱流体としての温水によってフィルタ16が加熱される(S4)。具体的には、制御装置6は、加熱バルブ25および連通バルブ36を開く。これにより、ハウジング17内に温水が供給される。制御装置6は、ハウジング17内が温水によって満たされるまで、加熱バルブ25および連通バルブ36が開いた状態を維持する。したがって、フィルタ16は温水に浸漬される。これにより、温水がフィルタ16に供給され、フィルタ16が加熱される。制御装置6は、フィルタ16が加熱された後、加熱バルブ25を閉じ、排液バルブ35を開く。これにより、ハウジング17内の温水が、排液配管33に排出される。制御装置6は、ハウジング17内が空になるまで、排液バルブ35および連通バルブ36が開いた状態を維持する。そして、ハウジング17内が空になると、制御装置6は、排液バルブ35および連通バルブ36を閉じる。フィルタ16に付着している異物は、ハウジング17内から排出される温水によって洗い流される。
【0063】
次に、フィルタ16の冷却と加熱とが交互に繰り返される(S5)。具体的には、前述の場合と同様に、冷水によってフィルタ16が冷却され、その後、前述の場合と同様に、温水によってフィルタ16が加熱される。冷却および加熱の繰り返し回数は、1回であってもよいし、2回以上であってもよい。冷却と加熱とが交互に繰り返されることにより、フィルタ16は、収縮および膨張を交互に繰り返す。フィルタ16および異物は、膨張率が異なるから、収縮および膨張が繰り返されることにより、異物がフィルタ16から離脱したり、フィルタ16に対する異物の結合力が弱まったりする。そのため、フィルタ16に付着している異物は、冷水および温水によって確実に洗い流される。そして、異物を含む冷水および温水は、排液配管33に排出される。これにより、フィルタ16に対する異物の再付着が抑制または防止される。
【0064】
次に、フィルタ16によってろ過すべき液体と同種の液体、すなわち、薬液による仕上げ洗浄が行われる(S6)。具体的には、制御装置6は、連通バルブ36を開くと共に、回収ポンプ32を駆動する。これにより、タンク28に貯留されている薬液が、第2回収配管30の吐出部30aからハウジング17内に供給される。制御装置6は、ハウジング17内が薬液によって満たされるまで、回収ポンプ32を駆動する。そして、制御装置6は、ハウジング17内が薬液によって満たされた後、回収ポンプ32を停止させる。その後、制御装置6は、連通バルブ36が開かれた状態で、排液バルブ35を開く。これにより、ハウジング17内の薬液が排液配管33に排出される。制御装置6は、ハウジング17内が空になった後、排液バルブ35および連通バルブ36を閉じる。ハウジング17内が薬液によって満たされることにより、薬液がフィルタ16に供給される。したがって、フィルタ16に付着している冷水および温水が薬液に置換される。そのため、循環経路P1での薬液の循環が再開されたときに、冷水および温水が薬液に混入して、基板Wに供給される薬液の濃度が変化することを抑制または防止できる。
【0065】
次に、循環経路P1での薬液の循環が再開される(S7)。具体的には、制御装置6は、フィルタ洗浄機構22の各バルブ25、26、31、35、36が閉じられている状態で、上流側バルブ20および下流側バルブ21を開く。さらに、制御装置6は、薬液ノズル3から内槽7に薬液を吐出させる。これにより、内槽7から薬液が溢れ、外槽8に薬液が供給される。そして、外槽8に供給された薬液は、上流側配管18からハウジング17内に供給される。これにより、ハウジング17内が薬液で満たされ、薬液の供給圧がフィルタ16に加わる。ハウジング17内に供給された薬液は、フィルタ16を通過した後、つまり、フィルタ16によってろ過された後、下流側配管19に排出される。これにより、循環経路P1での薬液の循環が再開される。
【0066】
[高温窒素ガス&低温窒素ガス]
次に、加熱流体および冷却流体が、それぞれ、高温窒素ガス&低温窒素ガスである場合について説明する。ただし、循環経路P1での薬液の循環が中断され、ハウジング17内の薬液が排出されるまでの動作は前述の動作例(S1〜S2)と同様であるので、それより後に行われる動作から説明する。
【0067】
循環経路P1での薬液の循環が中断され、ハウジング17内の薬液が排出された後は、冷却流体としての低温窒素ガスによってフィルタ16が冷却される(S3)。具体的には、制御装置6は、冷却バルブ26および連通バルブ36を開いて、ハウジング17内に低温窒素ガスを供給させる。これにより、低温窒素ガスがハウジング17内に充満して、フィルタ16が低温窒素ガスに晒される。そのため、低温窒素ガスがフィルタ16に供給され、フィルタ16が冷却される。制御装置6は、フィルタ16が冷却された後、冷却バルブ26および連通バルブ36を閉じて、ハウジング17内への低温窒素ガスの供給を停止させる。
【0068】
次に、加熱流体としての高温窒素ガスによってフィルタ16が加熱される(S4)。具体的には、制御装置6は、加熱バルブ25および連通バルブ36を開いて、ハウジング17内に高温窒素ガスを供給させる。これにより、高温窒素ガスがハウジング17内に充満して、フィルタ16が高温窒素ガスに晒される。そのため、高温窒素ガスがフィルタ16に供給され、フィルタ16が加熱される。制御装置6は、フィルタ16が加熱された後、加熱バルブ25および連通バルブ36を閉じて、ハウジング17内への高温窒素ガスの供給を停止させる。
【0069】
次に、フィルタ16の冷却と加熱とが交互に繰り返される(S5)。具体的には、前述の場合と同様に、低温窒素ガスによってフィルタ16が冷却され、その後、前述の場合と同様に、高温窒素ガスによってフィルタ16が加熱される。冷却および加熱の繰り返し回数は、1回であってもよいし、2回以上であってもよい。冷却と加熱とが交互に繰り返されることにより、フィルタ16は、収縮および膨張を交互に繰り返す。また、フィルタ16に付着している異物も冷却および加熱されるから、異物も収縮および膨張を繰り返す。フィルタ16および異物は、膨張率が異なるから、収縮および膨張が繰り返されることにより、異物がフィルタ16から離脱したり、フィルタ16に対する異物の結合力が弱まったりする。
【0070】
次に、薬液による仕上げ洗浄が行われる(S6)。具体的には、制御装置6は、連通バルブ36を開くと共に、回収ポンプ32を駆動する。これにより、タンク28に貯留されている薬液が、第2回収配管30の吐出部30aからハウジング17内に供給される。制御装置6は、ハウジング17内が薬液によって満たされた後、回収ポンプ32を停止させる。その後、制御装置6は、連通バルブ36が開かれた状態で、排液バルブ35を開く。これにより、ハウジング17内の薬液が排液配管33に排出される。制御装置6は、ハウジング17内が空になった後、排液バルブ35および連通バルブ36を閉じる。ハウジング17内が薬液によって満たされることにより、薬液がフィルタ16に供給される。したがって、収縮および膨張によってフィルタ16に対する結合力が弱められた異物が、薬液によってフィルタ16から洗い流される。そして、異物を含む薬液は、排液配管33に排出される。これにより、フィルタ16に対する異物の再付着が抑制または防止される。
【0071】
次に、循環経路P1での薬液の循環が再開される(S7)。具体的には、制御装置6は、フィルタ洗浄機構22の各バルブ25、26、31、35、36が閉じられている状態で、上流側バルブ20および下流側バルブ21を開く。さらに、制御装置6は、薬液ノズル3から内槽7に薬液を吐出させる。これにより、内槽7から薬液が溢れ、外槽8に薬液が供給される。そして、外槽8に供給された薬液は、上流側配管18からハウジング17内に供給される。これにより、ハウジング17内が薬液で満たされ、薬液の供給圧がフィルタ16に加わる。ハウジング17内に供給された薬液は、フィルタ16を通過した後、つまり、フィルタ16によってろ過された後、下流側配管19に排出される。これにより、循環経路P1での薬液の循環が再開される。
【0072】
以上のように第1実施形態では、ハウジング17に保持されているフィルタ16の温度を変化させて、フィルタ16に対する異物の結合力を低下させる。これにより、フィルタ16から異物を除去することができる。したがって、フィルタ16の寿命を延ばすことができ、フィルタ16の交換頻度を低下させることができる。そのため、基板処理装置1のランニングコストを低減できる。さらに、フィルタ16の目詰まりを抑制できるので、循環ポンプ14の出力を増加させずに、安定した圧力で薬液を循環させることができる。これにより、循環ポンプ14の寿命を延ばすことができる。したがって、基板処理装置1のランニングコストをさらに低減できる。また、ハウジング17から取り外さずにフィルタ16を洗浄できるので、洗浄に伴うフィルタ16の取り外し作業や取り付け作業が不要である。したがって、フィルタ16の交換により発生する基板処理装置1のダウンタイムを低減できる。これにより、基板処理装置1の生産性を向上させることができる。
【0073】
[フィルタ洗浄装置]
図4は、本発明の第2実施形態に係るフィルタ洗浄装置201の概略構成を説明するための模式図である。
フィルタ洗浄装置201は、ハウジング17を含む。フィルタ16は、ハウジング17に取り外し可能に取り付けられる。フィルタ16は、ハウジング17の内部で保持される。フィルタ洗浄装置201は、フィルタ16を洗浄するフィルタ洗浄機構222(洗浄手段)を含む。フィルタ洗浄機構222は、加熱配管23と、冷却配管24と、加熱バルブ25と、冷却バルブ26とを含む。さらに、フィルタ洗浄機構222は、排液配管33および大気連通配管34と、排液バルブ35および連通バルブ36とを含む。フィルタ洗浄装置201は、フィルタ洗浄装置201に備えられた各機器やバルブを制御する制御装置6を含む。
【0074】
フィルタ洗浄機構222は、前述の回収機構27に代えて、新液配管237および新液バルブ238を含む。新液バルブ238は、新液配管237(液体供給手段、同種液供給手段)に介装されている。新液配管237の一端部は、ハウジング17に接続されており、新液配管237の他端部は、フィルタ16によってろ過すべき液体と同種で未使用の液体を新液配管237に供給する液体供給源(図示せず)に接続される。したがって、制御装置6が新液バルブ238を開くと、未使用の液体が、新液配管237からハウジング17内(上流側空間X1)に供給される。
【0075】
フィルタ洗浄装置201によってフィルタ16が洗浄されるときには、フィルタ16がハウジング17に取り付けられる。その後、各バルブ25、26、35、36が制御装置6によって開閉されることにより、図3を参照して説明したフィルタ16の洗浄と同様に、冷却流体および加熱流体が交互にハウジング17内に供給される。これにより、フィルタ16の冷却と加熱とが交互に行われ、フィルタ16の温度が変化する。制御装置6は、フィルタ16の冷却と加熱とを交互に行った後、新液バルブ238を開く。これにより、新液配管237からハウジング17内に未使用の液体が供給される。制御装置6は、ハウジング17内が液体によって満たされた後、新液バルブ238を閉じる。その後、制御装置6は、排液配管33を開く。これにより、ハウジング17内の液体が排液配管33に排出され、ハウジング17内が空になる。これにより、未使用の液体による仕上げ洗浄が行われる。その後、ハウジング17が開かれて、洗浄後のフィルタ16が取り外される。
【0076】
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の第1および第2実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、前述の第1および第2実施形態では、加熱流体および冷却流体の供給によってフィルタ16の温度を変化させる場合について説明したが、ハウジング17の内部または外部に配置されたヒータによってハウジング17に保持されている状態のフィルタ16を加熱してもよい。また、ドライアイスによってハウジング17に保持されている状態のフィルタ16を冷却してもよい。
【0077】
また前述の第1および第2実施形態では、フィルタ16によってろ過すべき液体と同種の液体によって仕上げ洗浄を行う場合について説明したが、仕上げ洗浄において用いられる液体は、フィルタ16によってろ過すべき液体と同種の液体でなくてもよい。たとえば、純水(脱イオン水:Deionzied Water)が仕上げ洗浄で用いられてもよい。
また前述の第1実施形態では、ハウジング17から回収された薬液によって仕上げ洗浄を行う場合について説明したが、未使用の薬液をハウジング17内(上流側空間X1)に供給する新液配管を設けて、未使用の薬液によって仕上げ洗浄を行ってもよい。
【0078】
また前述の第1および第2実施形態では、フィルタ16が洗浄されるときに、ポンプやバルブが制御装置6によって制御される場合について説明したが、ポンプからの送液の開始および停止、ならびにバルブの開閉は、手動操作により行われてもよい。
また前述の第1および第2実施形態では、フィルタ16が筒状である場合について説明したが、フィルタ16は、筒状以外の形状であってもよい。
【0079】
また前述の第1実施形態では、基板処理装置1が、バッチ式の基板処理装置である場合について説明したが、基板処理装置1は、基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 基板処理装置
2 処理槽(処理液供給手段)
4 リフター(基板保持手段)
15 ヒータ(加熱手段)
16 フィルタ
17 ハウジング
18 上流側配管
19 下流側配管
22 フィルタ洗浄機構(洗浄手段)
23 加熱配管(流体供給手段、液体供給手段)
24 冷却配管(流体供給手段、冷却流体供給手段、液体供給手段)
27 回収機構(流体供給手段、加熱流体供給手段、液体供給手段、同種液供給手段、回収液供給手段)
30a 吐出部
201 フィルタ洗浄装置
222 フィルタ洗浄機構(洗浄手段)
237 新液配管(液体供給手段、同種液供給手段)
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に供給される処理液をろ過するフィルタを内部で保持するハウジングと、
前記ハウジングに保持されている状態の前記フィルタの温度を変化させて、前記フィルタに対する異物の結合力を低下させる洗浄手段とを含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記洗浄手段は、温度の異なる複数の流体を前記フィルタに順次供給する流体供給手段を含む、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記洗浄手段は、混ざり合うことにより発熱する複数の流体を前記フィルタに順次供給する流体供給手段を含む、請求項1または2記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記洗浄手段は、前記ハウジングに保持されている状態の前記フィルタに液体を供給して、前記フィルタに付着している異物を洗い流す液体供給手段を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記液体供給手段は、前記フィルタによってろ過すべき処理液と同種の処理液を前記フィルタに供給する同種液供給手段を含む、請求項4項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記同種液供給手段は、前記フィルタによってろ過すべき処理液を前記ハウジングの内部から回収して、回収した処理液を前記ハウジングの内部に供給する回収液供給手段を含む、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記基板処理装置は、前記フィルタによってろ過すべき処理液を前記ハウジングの内部に導く上流側配管と、前記上流側配管を流れる処理液を加熱する加熱手段とをさらに含み、
前記流体供給手段は、前記上流側配管から前記ハウジングの内部に供給された処理液を回収して、回収した処理液を加熱流体として前記ハウジングの内部に供給する加熱流体供給手段と、前記加熱流体よりも低温の冷却流体を前記ハウジングの内部に供給する冷却流体供給手段とを含む、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記加熱流体供給手段は、前記フィルタに向けて処理液を吐出する吐出部を含む、請求項7記載の基板処理装置。
【請求項9】
基板を保持する基板保持手段と、
前記基板保持手段に保持されている基板に処理液を供給する処理液供給手段と、
前記処理液供給手段と前記ハウジングとを接続しており、基板に供給された処理液を前記ハウジングの内部に導く上流側配管と、
前記処理液供給手段と前記ハウジングとを接続しており、前記ハウジングの内部で前記フィルタによってろ過された処理液を前記処理液供給手段に導く下流側配管とをさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
液体をろ過するフィルタの温度を変化させて、前記フィルタに対する異物の結合力を低下させる洗浄ステップを含む、フィルタ洗浄方法。
【請求項11】
前記洗浄ステップは、温度の異なる複数の流体を前記フィルタに順次供給する流体供給ステップを含む、請求項10に記載のフィルタ洗浄方法。
【請求項12】
前記洗浄ステップは、混ざり合うことにより発熱する複数の流体を前記フィルタに順次供給する流体供給ステップを含む、請求項10または11に記載のフィルタ洗浄方法。
【請求項13】
前記洗浄ステップは、前記フィルタに液体を供給して、前記フィルタに付着している異物を洗い流す液体供給ステップを含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載のフィルタ洗浄方法。
【請求項14】
前記液体供給ステップは、前記フィルタによってろ過すべき液体と同種の液体を前記フィルタに供給する同種液供給ステップを含む、請求項13に記載のフィルタ洗浄方法。
【請求項15】
前記同種液供給ステップは、前記フィルタを内部で保持するハウジングの内部に供給された液体を回収し、回収した液体を前記ハウジングの内部に供給する回収液供給ステップを含む、請求項14に記載のフィルタ洗浄方法。
【請求項16】
前記流体供給ステップは、
加熱手段によって加熱されており、前記フィルタを内部で保持するハウジングの内部に供給された液体を回収し、回収した液体を加熱流体として前記ハウジングの内部に供給する加熱流体供給ステップと、
前記加熱流体供給ステップが行われる前後の少なくとも一方で、前記加熱流体よりも低温の冷却流体を前記ハウジングの内部に供給する冷却流体供給ステップとを含む、請求項11に記載のフィルタ洗浄方法。
【請求項17】
前記加熱流体供給ステップは、前記フィルタに向けて液体を吐出する吐出ステップを含む、請求項16に記載のフィルタ洗浄方法。
【請求項18】
前記洗浄ステップが行われる前に、前記フィルタを内部で保持するハウジングの内部を含む環状の循環経路で液体を循環させる循環ステップと、
前記洗浄ステップが行われる前に、前記循環経路での液体の循環を中断させる中断ステップと、
前記洗浄ステップが行われる前であって、前記中断ステップが行われた後に、前記ハウジングの内部から液体を排出させて、前記ハウジングに保持されている状態の前記フィルタを液体から露出させる排出ステップと、
前記洗浄ステップが行われた後に、前記循環経路での液体の循環を再開させる再開ステップとをさらに含む、請求項10〜17のいずれか一項に記載のフィルタ洗浄方法。
【請求項19】
液体をろ過するフィルタが取り付けられ、取り付けられた前記フィルタを内部で保持するハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられている状態の前記フィルタの温度を変化させて、前記フィルタに対する異物の結合力を低下させる洗浄手段とを含む、フィルタ洗浄装置。
【請求項20】
前記洗浄手段は、温度の異なる複数の流体を前記フィルタに順次供給する流体供給手段を含む、請求項19に記載のフィルタ洗浄装置。
【請求項21】
前記洗浄手段は、混ざり合うことにより発熱する複数の流体を前記フィルタに順次供給する流体供給手段を含む、請求項19または20に記載のフィルタ洗浄装置。
【請求項22】
前記洗浄手段は、前記ハウジングに保持されている状態の前記フィルタに液体を供給して、前記フィルタに付着している異物を洗い流す液体供給手段を含む、請求項19〜21のいずれか一項に記載のフィルタ洗浄装置。
【請求項23】
前記液体供給手段は、前記フィルタによってろ過すべき液体と同種の液体を前記フィルタに供給する同種液供給手段を含む、請求項22に記載のフィルタ洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−30690(P2013−30690A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167239(P2011−167239)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】