説明

基板処理装置、基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体

【課題】基板の処理を行う処理部を複数備えた基板処理装置において、複数の基板処理を効率よく行う。
【解決手段】現像装置30は、ウェハWを保持して回転させるスピンチャック210と、ウェハWの側方を囲むように設けられたカップ体220とを備えた処理部130と、ウェハW上に第1の現像液を吐出する第1の現像液ノズル151と、ウェハW上に第2の現像液を吐出する第2の現像液ノズル152と、第1の現像液ノズル151と第2の現像液ノズル152を共に支持する共有アーム150とを有している。第1の現像液ノズル161から斜め下方に吐出される第1の現像液の吐出方向と第2の現像液ノズル162から斜め下方に吐出される第2の現像液の吐出方向は、平面視において、それぞれウェハWの回転方向と同一方向である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置、当該基板処理装置を用いた基板処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばイメージセンサ等の製造工程では、カラーフィルタ用のレジストパターンやマイクロレンズ用のレジストパターンを形成するため、フォトリソグラフィ処理が行われる。フォトリソグラフィ処理では、例えば半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)上にレジストを塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布処理、当該レジスト膜に所定のパターンを露光する露光処理、露光されたレジスト膜を現像する現像処理などが順次行われ、ウェハ上に所定のレジストパターンが形成される。
【0003】
上述した現像処理は、例えば現像装置で行われる。現像装置には、例えば3つの現像処理部が水平方向に並べて配置されている。各現像処理部は、ウェハを保持して回転させるスピンチャックと、スピンチャックに保持されたウェハの側方の周囲に設けられたカップ体とを有している。また、現像装置は、スピンチャックに保持された基板上に現像液を吐出する現像液ノズルと、スピンチャックに保持された基板上に純水等のリンス液を吐出するリンス液ノズルとを有している。現像液ノズルは、例えば複数の現像処理部に共通に設けられ、各現像処理部に移動自在に構成されている。そして、現像液ノズルをウェハの径方向に移動させながら、現像液ノズルからウェハ上に現像液を吐出する。また、リンス液ノズルは、各現像処理部毎に設けられている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−33054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上述したようにイメージセンサ等の製造工程では、カラーフィルタ用のレジストパターンを形成するためのフォトリソグラフィ処理と、マイクロレンズ用のレジストパターンを形成するためのフォトリソグラフィ処理が行われる。すなわち、カラーレジストに対する現像液(以下、「第1の現像液」という場合がある)を用いた現像処理と、マイクロレンズ用レジストに対する現像液(以下、「第2の現像液」という場合がある)を用いた現像処理が行われる。
【0006】
これらの現像処理を効率よく行うためには、上述した現像装置内において、第1の現像液を吐出する現像液ノズル(以下、「第1の現像液ノズル」という場合がある)と、第2の現像液を吐出する現像液ノズル(以下、「第2の現像液ノズル」という場合がある)とを設けるのが好ましい。また、現像装置の簡素化を図るため、各現像処理部に移動自在の共有アームでこれら2つの現像液ノズルを支持するのが好ましい。
【0007】
しかしながら、例えばウェハの径方向に第1の現像液ノズルを移動させながら、ウェハ上に第1の現像液を吐出する場合、第1の現像液ノズルがウェハの外周部上方に位置した際に、第2の現像液ノズルがカップ体と干渉する場合がある。一方、第2の現像液ノズルからウェハ上に第2の現像液を吐出する場合も、第2の現像液ノズルがウェハの外周部上方に位置した際に、第1の現像液ノズルがカップ体と干渉する場合がある。
【0008】
この場合、現像液ノズルと干渉する部分のカップ体を切り欠くことも考えられる。しかしながら、例えばリンス液ノズルからはミスト状のリンス液が吐出されるが、このようにカップ体に切り欠き部が設けられている場合、ミスト状のリンス液が切り欠き部から飛散し、例えば隣接する現像処理部に飛散してしまう。そうすると、この隣接する現像処理部において、ウェハの処理を適切に行うことができない。
【0009】
このように単に現像装置内に2つの現像液ノズルを設けるだけでは、異なる現像処理を効率よく行うには至らなかった。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、基板の処理を行う処理部を複数備えた基板処理装置において、複数の基板処理を効率よく行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するため、本発明は、基板処理装置であって、基板を保持して回転させる回転保持部と、前記回転保持部に保持された基板の側方を囲むように設けられたカップ体とを備えた複数の処理部と、前記回転保持部に保持された基板上に第1の処理液を吐出する第1の処理液ノズルと、前記回転保持部に保持された基板上に第2の処理液を吐出する第2の処理液ノズルと、前記複数の処理部に対して移動自在であり、前記第1の処理液ノズルと前記第2の処理液ノズルを共に支持する支持部材と、を有し、前記第1の処理液ノズルから斜め下方に吐出される第1の処理液の吐出方向と前記第2の処理液ノズルから斜め下方に吐出される第2の処理液の吐出方向は、平面視において、それぞれ前記回転保持部に保持された基板の回転方向と同一方向であることを特徴としている。
【0012】
本発明によれば、例えば第1の処理液を用いて基板の処理を行う場合、回転保持部に保持された基板を回転させると共に、第2の処理液ノズルを第1の処理液ノズルの移動方向前方に位置させた状態で、当該第1の処理液ノズルを基板の径方向に移動させながら、吐出方向が基板の回転方向と同一方向になるように第1の処理液ノズルから基板上に第1の処理液を吐出する。そうすると、第1の処理液ノズルが基板の外周部上方に位置していても、第2の処理液ノズルがカップ体と干渉することがない。また、第1の処理液の吐出方向と基板の回転方向が同一方向であるため、第1の処理液を基板上に円滑に拡散させることができる。一方、例えば第2の処理液を用いて基板の処理を行う場合においても、回転保持部に保持された基板を回転させると共に、第1の処理液ノズルを第2の処理液ノズルの移動方向前方に位置させた状態で、当該第2の処理液ノズルを基板の径方向に移動させながら、吐出方向が基板の回転方向と同一方向になるように第2の処理液ノズルから基板上に第2の処理液を吐出する。そうすると、第2の処理液ノズルが基板の外周部上方に位置していても、第1の処理液ノズルがカップ体と干渉することがない。また、第2の処理液の吐出方向と基板の回転方向が同一方向であるため、第2の処理液を基板上に円滑に拡散させることができる。以上のように、本発明の基板処理装置では、第1の処理液を用いた基板処理と第2の処理液を用いた基板処理を適切に行うことができ、複数の基板処理を効率よく行うことができる。
【0013】
前記第1の処理液の吐出方向と前記第2の処理液の吐出方向が平面視において反対方向になるように、前記第1の処理液ノズルと前記第2の処理液ノズルは前記支持部材に支持され、前記第1の処理液を基板上に吐出する際の基板の回転方向と前記第2の処理液を基板上に吐出する際の基板の回転方向とが同一方向になるように、前記回転保持部材を制御する制御部をさらに有していてもよい。
【0014】
前記第1の処理液の吐出方向と前記第2の処理液の吐出方向が平面視において同一方向になるように、前記第1の処理液ノズルと前記第2の処理液ノズルは前記支持部材に支持され、前記第1の処理液を基板上に吐出する際の基板の回転方向と前記第2の処理液を基板上に吐出する際の基板の回転方向とが反対方向になるように、前記回転保持部材を制御する制御部をさらに有していてもよい。
【0015】
前記回転保持部に保持された基板上にミスト状のリンス液を吐出するリンス液ノズルを有していてもよい。
【0016】
前記処理部は2箇所に設けられ、前記支持部材は当該2箇所の処理部間に配置されていてもよい。
【0017】
前記各処理部が存在する空間内の雰囲気は、それぞれ異なる排気管から排気されるようにしてもよい。
【0018】
前記2箇所の処理部間には、それぞれの処理部が存在する空間を仕切り、且つ前記支持部材が通過可能な隔壁が設けられていてもよい。
【0019】
前記カップ体は、上部カップと下部カップとを有し、前記上部カップは、前記下部カップに対して鉛直方向に移動自在であってもよい。
【0020】
前記下部カップの内側には内部カップが設けられ、前記下部カップと前記内部カップとの間には、前記上部カップが収容される収容空間が形成され、前記内部カップの下部には、前記収容空間内の空気を流通させるための通気孔が形成されていてもよい。
【0021】
前記第1の処理液は、カラーレジストに対して用いられる現像液であり、前記第2の処理液は、マイクロレンズ用のレジストに対して用いられる現像液であってもよい。
【0022】
別な観点による本発明は、基板処理装置を用いた基板処理方法であって、前記基板処理装置は、基板を保持して回転させる回転保持部と、前記回転保持部に保持された基板の側方を囲むように設けられたカップ体とを備えた複数の処理部と、前記回転保持部に保持された基板上に第1の処理液を吐出する第1の処理液ノズルと、前記回転保持部に保持された基板上に第2の処理液を吐出する第2の処理液ノズルと、前記複数の処理部に対して移動自在であり、前記第1の処理液ノズルと前記第2の処理液ノズルを共に支持する支持部材と、を有し、前記基板処理方法は、前記第1の処理液で基板を処理する第1の処理工程と、前記第2の処理液で基板を処理する第2の処理工程と、を有し、前記第1の処理工程では、前記回転保持部に保持された基板を回転させると共に、前記第2の処理液ノズルを前記第1の処理液ノズルの移動方向前方に位置させた状態で、当該第1の処理液ノズルを基板の径方向に移動させながら、平面視において吐出方向が前記基板の回転方向と同一方向になるように前記第1の処理液ノズルから前記基板上に第1の処理液を吐出し、前記第2の処理工程では、前記回転保持部に保持された基板を回転させると共に、前記第1の処理液ノズルを前記第2の処理液ノズルの移動方向前方に位置させた状態で、当該第2の処理液ノズルを基板の径方向に移動させながら、平面視において吐出方向が前記基板の回転方向と同一方向になるように前記第2の処理液ノズルから前記基板上に第2の処理液を吐出することを特徴としている。
【0023】
前記第1の処理液の吐出方向と前記第2の処理液の吐出方向が平面視において反対方向になるように、前記第1の処理液ノズルと前記第2の処理液ノズルは前記支持部材に支持され、前記第1の処理工程における基板の回転方向と前記第2の処理工程における基板の回転方向とは同一方向であってもよい。
【0024】
前記第1の処理液の吐出方向と前記第2の処理液の吐出方向が平面視において同一方向になるように、前記第1の処理液ノズルと前記第2の処理液ノズルは前記支持部材に支持され、前記第1の処理工程における基板の回転方向と前記第2の処理工程における基板の回転方向とは反対方向であってもよい。
【0025】
前記基板処理装置は、前記回転保持部に保持された基板上にミスト状のリンス液を吐出するリンス液ノズルを有し、前記処理部は2箇所に設けられ、前記支持部材は当該2箇所の処理部間に配置され、前記カップ体は、鉛直方向に移動自在の上部カップと、当該上部カップを収容可能な下部カップとを備え、一の前記処理部において、前記上部カップを上昇させた状態で、前記回転保持部に保持された基板を回転させると共に、前記リンス液ノズルを基板の径方向に移動させながら、当該リンス液ノズルから基板上にリンス液を吐出して基板を洗浄している間、他の前記処理部において、前記上部カップを下降させて前記下部カップに収容した状態で、前記第1の工程又は前記第2の工程が行われてもよい。
【0026】
前記第1の処理液は、カラーレジストに対して用いられる現像液であり、前記第2の処理液は、マイクロレンズ用のレジストに対して用いられる現像液であってもよい。
【0027】
また別な観点による本発明によれば、前記基板処理方法を基板処理装置によって実行させるために、当該基板処理装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムが提供される。
【0028】
さらに別な観点による本発明によれば、前記プログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体が提供される。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、基板の処理を行う処理部を複数備えた基板処理装置において、複数の基板処理を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本実施の形態にかかる現像装置を備えた塗布現像処理システムの内部構成の概略を示す平面図である。
【図2】塗布現像処理システムの内部構成の概略を示す側面図である。
【図3】塗布現像処理システムの内部構成の概略を示す側面図である。
【図4】現像装置の構成の概略を示す縦断面図である。
【図5】現像装置の構成の概略を示す横断面図である。
【図6】第1の現像液ノズルと第2の現像液ノズルの構成の概略を示す側面図である。
【図7】第1の現像液ノズルと第2の現像液ノズルの構成の概略を示す側面図である。
【図8】第1のリンス液ノズルと第2のリンス液ノズルの構成の概略を示す側面図である。
【図9】処理部の構成の概略を示す縦断面図である。
【図10】カップ体の一部の構成の概略を示す縦断面図である。
【図11】第1の現像液を用いた現像処理の主な工程においてウェハWを処理する様子を模式的に示した説明図であり、(a)は第1の現像液ノズルからウェハ上に第1の現像液を吐出する様子を示し、(b)は第1のリンス液ノズルからウェハ上にミスト状のリンス液を吐出する様子を示し、(c)第2のリンス液ノズルからウェハ上に液体状のリンス液を吐出する様子を示し、(d)現像処理が終了した様子を示している。
【図12】第1の現像液ノズルからウェハ上に第1の現像液を吐出する様子を示す説明図である。
【図13】第2の現像液を用いた現像処理の主な工程においてウェハWを処理する様子を模式的に示した説明図であり、(a)は第2の現像液ノズルからウェハ上に第2の現像液を吐出する様子を示し、(b)は第1のリンス液ノズルからウェハ上にミスト状のリンス液を吐出する様子を示し、(c)第2のリンス液ノズルからウェハ上に液体状のリンス液を吐出する様子を示し、(d)現像処理が終了した様子を示している。
【図14】第2の現像液ノズルからウェハ上に第2の現像液を吐出する様子を示す説明図である。
【図15】2つの処理部で現像処理を行う様子を示す説明図である。
【図16】他の実施の形態にかかる第1の現像液ノズルと第2の現像液ノズルの構成の概略を示す説明図である。
【図17】他の実施の形態において、第1の現像液ノズルからウェハ上に第1の現像液を吐出する様子を示す説明図である。
【図18】他の実施の形態において、第2の現像液ノズルからウェハ上に第2の現像液を吐出する様子を示す説明図である。
【図19】他の実施の形態にかかる現像装置の構成の概略を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明にかかる基板処理装置としての現像装置を備えた塗布現像処理システム1の内部構成の概略を示す平面図である。図2及び図3は、塗布現像処理システム1の内部構成の概略を示す側面図である。
【0032】
塗布現像処理システム1は、図1に示すように例えば外部との間で複数枚のウェハWを収容したカセットCが搬入出されるカセットステーション2と、フォトリソグラフィ処理の中で枚葉式に所定の処理を施す複数の各種処理装置を備えた処理ステーション3と、処理ステーション3に隣接する露光装置4との間でウェハWの受け渡しを行うインターフェイスステーション5とを一体に接続した構成を有している。
【0033】
カセットステーション2には、カセット載置台10が設けられている。カセット載置台10には、複数、例えば4つのカセット載置板11が設けられている。カセット載置板11は、水平方向のX方向(図1中の上下方向)に一列に並べて設けられている。これらのカセット載置板11には、塗布現像処理システム1の外部に対してカセットCを搬入出する際に、カセットCを載置することができる。
【0034】
カセットステーション2には、図1に示すようにX方向に延びる搬送路20上を移動自在なウェハ搬送装置21が設けられている。ウェハ搬送装置21は、鉛直方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、各カセット載置板11上のカセットCと、後述する処理ステーション3の第3のブロックG3の受け渡し装置との間でウェハWを搬送できる。
【0035】
処理ステーション3には、各種装置を備えた複数、例えば4つのブロックG1、G2、G3、G4が設けられている。例えば処理ステーション3の正面側(図1のX方向負方向側)には、第1のブロックG1が設けられ、処理ステーション3の背面側(図1のX方向正方向側)には、第2のブロックG2が設けられている。また、処理ステーション3のカセットステーション2側(図1のY方向負方向側)には、第3のブロックG3が設けられ、処理ステーション3のインターフェイスステーション5側(図1のY方向正方向側)には、第4のブロックG4が設けられている。
【0036】
例えば第1のブロックG1には、図3に示すように複数の液処理装置が鉛直方向に積層されている。例えばウェハWを現像処理する基板処理装置としての現像装置30、31、ウェハW上に例えばカラーフィルタ用のレジストパターンを形成するためのカラーレジスト(以下、単に「カラーレジスト」という場合がある)や、マイクロレンズ用のレジストパターンを形成するためのレジスト(以下、「レンズ用レジスト」という場合がある)を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布装置32、33、34が下から順に5段に重ねられている。なお、現像装置30、31の詳細な構成については後述する。
【0037】
レジスト塗布装置32、33、34は、処理時にウェハWを収容するカップFを水平方向に複数有し、複数のウェハWを並行して処理することができる。レジスト塗布装置32、33、34は、少なくともいずれかの装置でカラーレジストとレンズ用レジストを塗布すればよい。例えば各レジスト塗布装置32、33、34が、カラーレジストを塗布するレジストノズルとレンズ用レジストを塗布するレジストノズルをそれぞれ有し、各レジスト塗布装置32、33、34においてカラーレジストとレンズ用レジストの両方を塗布可能に構成してもよい。あるいは、例えばレジスト塗布装置32、33がカラーレジストを塗布するレジストノズルを有し、例えばレジスト塗布装置34がレンズ用レジストを塗布するレジストノズルを有していていもよい。
【0038】
なお、第1のブロックG1には、ウェハWのレジスト膜の下層に反射防止膜を形成する下部反射防止膜形成装置や、ウェハWのレジスト膜の上層に反射防止膜を形成する上部反射防止膜形成装置等が配置されていてもよい。
【0039】
例えば第2のブロックG2には、図2に示すようにウェハWの熱処理を行う熱処理装置40や、ウェハWを疎水化処理するアドヒージョン装置41、ウェハWの外周部を露光する周辺露光装置42が鉛直方向と水平方向に並べて設けられている。熱処理装置40は、ウェハWを載置して加熱する熱板と、ウェハWを載置して冷却する冷却板を有し、加熱処理と冷却処理の両方を行うことができる。なお、熱処理装置40、アドヒージョン装置41及び周辺露光装置42の数や配置は、任意に選択できる。
【0040】
例えば第3のブロックG3には、図2及び図3に示すように複数の受け渡し装置50、51、52、53、54、55、56が下から順に設けられている。また、第4のブロックG4には、複数の受け渡し装置60、61、62が下から順に設けられている。
【0041】
図1に示すように第1のブロックG1〜第4のブロックG4に囲まれた領域には、ウェハ搬送領域Dが形成されている。ウェハ搬送領域Dには、例えばウェハ搬送装置70が配置されている。
【0042】
ウェハ搬送装置70は、例えばY方向、X方向、θ方向及び鉛直方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置70は、ウェハ搬送領域D内を移動し、周囲の第1のブロックG1、第2のブロックG2、第3のブロックG3及び第4のブロックG4内の所定の装置にウェハWを搬送できる。
【0043】
ウェハ搬送装置70は、例えば図2に示すように上下に複数台配置され、例えば各ブロックG1〜G4の同程度の高さの所定の装置にウェハWを搬送できる。
【0044】
また、ウェハ搬送領域Dには、第3のブロックG3と第4のブロックG4との間で直線的にウェハWを搬送するシャトル搬送装置80が設けられている。
【0045】
シャトル搬送装置80は、例えばY方向に直線的に移動自在になっている。シャトル搬送装置80は、ウェハWを支持した状態でY方向に移動し、第3のブロックG3の受け渡し装置52と第4のブロックG4の受け渡し装置62との間でウェハWを搬送できる。
【0046】
図1に示すように第3のブロックG3のX方向正方向側の隣には、ウェハ搬送装置90が設けられている。ウェハ搬送装置90は、例えばX方向、θ方向及び鉛直方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置90は、ウェハWを支持した状態で上下に移動して、第3のブロックG3内の各受け渡し装置にウェハWを搬送できる。
【0047】
インターフェイスステーション5には、ウェハ搬送装置100と受け渡し装置101が設けられている。ウェハ搬送装置100は、例えばY方向、θ方向及び鉛直方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置100は、例えば搬送アームにウェハWを支持して、第4のブロックG4内の各受け渡し装置、受け渡し装置101及び露光装置4との間でウェハWを搬送できる。
【0048】
次に、上述した現像装置30、31の構成について説明する。現像装置30は、図4及び図5に示すように内部を密閉することができる処理容器120を有している。処理容器120のウェハ搬送領域D側の側面には、図5に示すようにウェハWの搬入出口121、121が例えば2箇所に形成されている。これら搬入出口121、121は、後述する処理部130、131に対応する位置に形成されている。
【0049】
また、処理容器120の底面には、当該処理容器120内の雰囲気を排気する2本の排気管122、122が接続されている。2本の排気管122は、それぞれ処理容器120内において処理部130、131が存在する空間の雰囲気を排気する。
【0050】
処理容器120の内部には、例えばカラーレジストに対して用いられる第1の処理液としての現像液(以下、「第1の現像液」という場合がある)、又はレンズ用レジストに対して用いられる第2の処理液としての現像液(以下、「第2の現像液」という場合がある)をウェハW上に塗布する2つの処理部130、131が設けられている。処理部130、131は、Y方向負方向(図5の左方向)側からY方向正方向(図5の右方向)側にこの順で並べて配置されている。
【0051】
図5に示すように処理部130、131のX方向負方向(図5の下方向)側には、Y方向(図5の左右方向)に沿って延伸する2本のレール140、141が形成されている。レール140、141は、例えば処理部130のY方向負方向(図5の左方向)側の外方から処理部131のY方向正方向(図5の右方向)側の外方までそれぞれ形成されている。
【0052】
X方向負方向側のレール140には、支持部材としての共有アーム150が取り付けられている。共有アーム150には、第1の現像液を吐出する第1の処理液ノズルとしての第1の現像液ノズル151と、第2の現像液を吐出する第2の処理液ノズルとしての第2の現像液ノズル152とが支持されている。共有アーム150は、ノズル駆動部153により、レール140上を移動自在である。これにより、第1の現像液ノズル151と第2の現像液ノズル152は、処理部130と処理部131との間を移動でき、さらに当該処理部130と処理部131内のウェハWの表面上をウェハWの径方向に移動できる。また、共有アーム150は、ノズル駆動部153によって昇降自在であり、第1の現像液ノズル151と第2の現像液ノズル152の高さを調節できる。
【0053】
処理部130、131間には、第1の現像液ノズル151と第2の現像液ノズル152の待機部154が設けられている。すなわち、現像液ノズル151、152が待機中、共有アーム150は処理部130、131間に配置されている。待機部154は、第1の現像液ノズル151を収容する第1のノズルバス155と、第2の現像液ノズル152を収容する第2のノズルバス156とを有している。第1のノズルバス155と第2のノズルバス156では、それぞれ待機中の第1の現像液ノズル151と第2の現像液ノズル152の洗浄や、第1の現像液ノズル151と第2の現像液ノズル152からの現像液のダミーディスペンス等が行われる。なお、このように待機部154が第1のノズルバス155と第2のノズルバス156に分割されているので、例えば各現像液ノズル151、152のダミーディスペンス時に、現像液が他の現像液ノズル151、152に飛散するのを防止できる。
【0054】
第1の現像液ノズル151と第2の現像液ノズル152は、図6及び図7に示すようにX方向及びY方向にずれて共有アーム150に支持されている。このように第1の現像液ノズル151と第2の現像液ノズル152がずれて配置されることで、各現像液ノズル151、152から吐出される現像液が、他の現像液ノズル151、152に付着するのを防止できる。第1の現像液ノズル151の下端部には、第1の現像液を斜め下方に吐出する第1の吐出口160が形成されている。また、第2の現像液ノズル152の下端部には、第2の現像液を斜め下方に吐出する第2の吐出口161が形成されている。これら第1の吐出口160と第2の吐出口161は、第1の現像液の吐出方向(図7中の矢印)と第2の現像液の吐出方向(図7中の矢印)が平面視において反対方向になるように形成されている。なお、ウェハWはその撥水性が高いため、第1の現像液及び第2の現像液を鉛直下方に吐出すると、ウェハW上で衝突した第1の現像液及び第2の現像液が飛散し易い。このような飛散を抑制するため、第1の現像液ノズル151と第2の現像液ノズル152からそれぞれ第1の現像液と第2の現像液を斜め下方に吐出している。
【0055】
第1の吐出口160は、第1の現像液ノズル151内に形成された流通路162と、共有アーム150の上部に設けられた供給管163とを介して、第1の現像液を貯留する第1の現像液供給源164に連通している。供給管163には、第1の現像液の流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群165が設けられている。この供給機器群165により、第1の現像液供給源164から供給管163と流通路162を介して第1の吐出口160に所定量の第1の現像液が供給される。
【0056】
第2の吐出口161は、第2の現像液ノズル152内に形成された流通路170と、共有アーム150の上部に設けられた供給管171とを介して、第2の現像液を貯留する第2の現像液供給源172に連通している。供給管171には、第2の現像液の流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群173が設けられている。この供給機器群173により、第2の現像液供給源172から供給管171と流通路170を介して第2の吐出口161に所定量の第2の現像液が供給される。
【0057】
図5に示すようにレール141よりY方向正方向側に配置されたレール141には、2本のアーム180、181が取り付けられている。
【0058】
一のアーム180には、ミスト状のリンス液を吐出する第1のリンス液ノズル182と液体状のリンス液を吐出する第2のリンス液ノズル183とが支持されている。アーム180は、ノズル駆動部184により、レール141上を移動自在である。これにより、第1のリンス液ノズル182と第2のリンス液ノズル183は、処理部130のY方向負方向側の外方に設置された待機部185から処理部130内のウェハWの中心部上方まで移動でき、さらに当該ウェハWの表面上をウェハWの径方向に移動できる。また、アーム180は、ノズル駆動部184によって昇降自在であり、第1のリンス液ノズル182と第2のリンス液ノズル183の高さを調節できる。なお、待機部185では、待機中の第1のリンス液ノズル182と第2のリンス液ノズル183の洗浄や、第1のリンス液ノズル182と第2のリンス液ノズル183からのリンス液のダミーディスペンス等が行われる。
【0059】
第1のリンス液ノズル182と第2のリンス液ノズル183は、図8に示すように支持部材186を介してアーム180に支持されている。支持部材186は、アーム180から鉛直下方に延伸して設けられている。
【0060】
第1のリンス液ノズル182には、気液混合部187が設けられている。気液混合部187には、不活性ガス、例えば窒素ガスを供給するガス供給管188と、例えば純水を供給する純水供給管189が接続されている。ガス供給管188は、窒素ガスを貯留するガス供給源190に連通し、当該ガス供給管188には、窒素ガスの流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群191が設けられている。また、純水供給管189は純水を貯留する純水供給源192に連通し、当該純水供給管189には、純水の流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群193が設けられている。そして、ガス供給源190と純水供給源192からそれぞれ供給された窒素ガスと純水は、気液混合部187において混合されてミスト状になり、第1のリンス液ノズル182からミスト状のリンス液が吐出される。
【0061】
なお、第1のリンス液ノズル182から吐出されるリンス液はミスト状であればよく、窒素ガスと純水の混合方法は本実施の形態に限定されない。例えば第1のリンス液ノズルから窒素ガスと純水を同時に吐出し、ミスト状のリンス液を生成してウェハW上に吐出してもよい。あるいは、例えばミスト状のリンス液を貯留するリンス液供給源から第1のリンス液ノズルに直接ミスト状のリンス液を供給してもよい。
【0062】
第2のリンス液ノズル183は、供給管194を介して、例えば純水等の液体状のリンス液を貯留するリンス液供給源195に連通している。供給管194には、液体状のリンス液の流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群196が設けられている。
【0063】
図5に示すように他方のアーム181にも、ミスト状のリンス液を吐出する第1のリンス液ノズル200と液体状のリンス液を吐出する第2のリンス液ノズル201とが支持されている。アーム181は、ノズル駆動部202により、レール141上を移動自在である。これにより、第1のリンス液ノズル200と第2のリンス液ノズル201は、処理部131のY方向正方向側の外方に設置された待機部203から処理部131内のウェハWの中心部上方まで移動でき、さらに当該ウェハWの表面上をウェハWの径方向に移動できる。また、アーム181は、ノズル駆動部202によって昇降自在であり、第1のリンス液ノズル200と第2のリンス液ノズル201の高さを調節できる。なお、待機部203では、待機中の第1のリンス液ノズル200と第2のリンス液ノズル201の洗浄や、第1のリンス液ノズル200と第2のリンス液ノズル201からのリンス液のダミーディスペンス等が行われる。また、アーム181に支持された第1のリンス液ノズル200と第2のリンス液ノズル201の構成は、上述したアーム180に支持された第1のリンス液ノズル182と第2のリンス液ノズル183の構成と同様であるので説明を省略する。
【0064】
処理部130には、図9に示すようにウェハWを保持して回転させる回転保持部としてのスピンチャック210が設けられている。スピンチャック210は、水平な上面を有し、当該上面には、例えばウェハWを吸引する吸引口(図示せず)が設けられている。この吸引口からの吸引により、ウェハWをスピンチャック210上に吸着保持できる。
【0065】
スピンチャック210は、シャフト211に取り付けられている。スピンチャック210の下方には、このシャフト211を介して例えばモータやシリンダなどを備えた回転駆動部212が設けられている。この回転駆動部212により、スピンチャック210は鉛直周りに所定の速度で回転でき、且つ昇降可能になっている。
【0066】
スピンチャック210の下方側には、断面形状が山形、すなわち上方に凸に突出した形状のガイドリング213が設けられている。このガイドリング213の外周部は下方側に屈曲して延伸している。
【0067】
スピンチャック210、スピンチャック210に保持されたウェハW、及びガイドリング213の外側方には、当該スピンチャック210、ウェハW及びガイドリング213を囲むようにカップ体220が設けられている。カップ体220は、内部カップ221、下部カップ222及び上部カップ223を有している。
【0068】
内部カップ221は、スピンチャック210、ウェハW及びガイドリング213を囲むように設けられている。内部カップ221は、ウェハWから飛散又は落下する液体を受け止めることができ、回収することができる。
【0069】
内部カップ221は、上面にスピンチャック210が昇降できるようにウェハWよりも大きい開口部が形成されている。また、内部カップ221の内周側面とガイドリング213の外周縁との間には、排出路をなす隙間224が形成されている。
【0070】
また、内部カップ221の下部には、内部カップ221内の雰囲気を排気すると共に、内部カップ221内の廃液を回収する気液分離部225が環状に形成されている。気液分離部225には、ガイドリング213の外周部と、内部カップ221の底面に設けられた仕切壁226とにより屈曲路が形成されている。そして、この屈曲路により気液分離部225で気体と液体が分離される。気液分離部225の外側領域には、内部カップ221内の廃液を排出する排液管227が接続されている。気液分離部225の内側領域には、内部カップ221内の雰囲気を排気するための排気管228が接続されている。
【0071】
上部カップ223は、例えばシリンダを内蔵した昇降駆動部230によって昇降自在になっている。上部カップ223は、上昇した状態で、例えば第1のリンス液ノズル182から吐出されて飛散するミスト状のリンス液を受け止め、回収することができる。また、上部カップ223は、下降した状態で、内部カップ221と下部カップ222との間に形成された収容空間231に収容される。
【0072】
収容空間231には、上部カップ223内と下部カップ222内の廃液を排出する排液管232が接続されている。また、収容空間231内の雰囲気は、内部カップ221の下部を貫通して形成された通気孔233から排気される。すなわち、図10に示すように収容空間231の雰囲気は、通気孔233及び気液分離部225を通って排気管228から排気される。なお、この収容空間231の排気を効率よく行うため、通気孔233は、内部カップ221の周方向に沿って等間隔に複数形成されているのが好ましい。
【0073】
なお、処理部131の構成については、上述した処理部130と同様であるので説明を省略する。また、現像装置31の構成についても、上述した現像装置30と同様であるので説明を省略する。
【0074】
以上の塗布現像処理システム1には、図1に示すように制御部240が設けられている。制御部240は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、現像装置30、31におけるウェハWの現像処理を実行するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、塗布現像処理システム1におけるウェハ処理を実行するプログラムも格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、その記憶媒体Hから制御部240にインストールされたものであってもよい。
【0075】
次に、以上のように構成された塗布現像処理システム1を用いて行われるウェハWの処理方法について説明する。
【0076】
先ず、複数枚のウェハWを収容したカセットCが、カセットステーション2の所定のカセット載置板11に載置される。その後、ウェハ搬送装置21によりカセットC内の各ウェハWが順次取り出され、処理ステーション3の第3のブロックG3の例えば受け渡し装置54に搬送される。
【0077】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第2のブロックG2の熱処理装置40に搬送され、温度調節される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第2のブロックG2のアドヒージョン装置41に搬送され、アドヒージョン処理される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送され、温度調節される。
【0078】
その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によってレジスト塗布装置32に搬送される。レジスト塗布装置32では、回転中のウェハW上にカラーレジストを塗布し、ウェハW上にレジスト膜が形成される。
【0079】
その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送されて、プリベーク処理される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡し装置55に搬送される。
【0080】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置70によって周辺露光装置42に搬送され、周辺露光処理される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡し装置56に搬送される。
【0081】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置90によって受け渡し装置52に搬送され、シャトル搬送装置80によって第4のブロックG4の受け渡し装置62に搬送される。
【0082】
その後ウェハWは、インターフェイスステーション5のウェハ搬送装置100によって露光装置4に搬送され、露光処理される。
【0083】
次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置100によって露光装置4から第4のブロックG4の受け渡し装置60に搬送される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第2のブロックG2の熱処理装置40に搬送され、露光後ベーク処理される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第1のブロックG1の現像装置30に搬送され、第1の現像液を用いて現像される。なお、この現像装置30におけるウェハWの現像処理については後述する。
【0084】
現像終了後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第2のブロックG2の熱処理装置40に搬送され、ポストベーク処理される。
【0085】
その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡し装置50に搬送され、その後カセットステーション2のウェハ搬送装置21によって所定のカセット載置板11のカセットCに搬送される。こうして、ウェハW上にカラーレジストのレジストパターンが形成され、一連のフォトリソグラフィ処理が終了する。
【0086】
次に、上述した現像装置30において、第1の現像液を用いたウェハWの現像処理(本発明における第1の処理工程)について説明する。図11は、現像処理の主な工程においてウェハWを処理する様子を模式的に示した説明図である。
【0087】
先ず、現像装置30に搬入されたウェハWは、スピンチャック210に吸着保持される。そして、図11(a)に示すように、上部カップ223を下降させて収容空間231に収容した状態で、共有アーム150をウェハWの外周部上方、すなわち図11(a)中のウェハWの右側外周部上方に移動させる。このとき、第1の現像液ノズル151をウェハWの外周部上方に配置する。
【0088】
その後、スピンチャック210に保持されたウェハWを回転させる。同時に、第1の現像液ノズル151をウェハWの外周部から中心部に移動させながら、当該第1の現像液ノズル151からウェハW上に第1の現像液を吐出する。そうすると、第1の現像液ノズル151から帯状に吐出された第1の現像液は、螺旋状にウェハW上に供給され、当該ウェハW全面に拡散する。
【0089】
このとき、図12に示すように第2の現像液ノズル152を第1の現像液ノズル151の移動方向前方に位置させた状態で、第1の現像液ノズル151を移動させる。そして、第1の現像液ノズル151をウェハWの外周部から中心部まで、すなわち図12中のウェハWの右半分でウェハWの径方向(Y方向負方向)に移動させる。また、第1の現像液ノズル151から吐出される第1の現像液の吐出方向(図12中の網掛け矢印)は、平面視においてウェハWの回転方向と同一方向である。このように第1の現像液の吐出方向とウェハWの回転方向を同一方向とすることで、第1の塗布液がウェハW上を円滑に拡散する。
【0090】
所定の時間経過すると、ウェハW上に拡散した第1の現像液によって、ウェハW上のレジスト膜が現像される。その後、図11(b)に示すように第1の現像液ノズル151と第2の現像液ノズル152を待機部154に移動させると共に、アーム180をウェハWの外周部上方に移動させる。このとき、第1のリンス液ノズル182をウェハWの外周部上方に配置する。
【0091】
その後、上部カップ223を上昇させる。このとき、第1のリンス液ノズル182と第2のリンス液ノズル183は、支持部材186によってアーム180に支持されているため、上部カップ223と干渉することなく適切な位置に配置される。その後、スピンチャック210に保持されたウェハWを回転させると共に、第1のリンス液ノズル182をウェハWの外周部から中心部に移動させながら、当該第1のリンス液ノズル182からウェハW上にミスト状のリンス液を吐出する。このとき、ミスト状のリンス液はカップ体220内を飛散するが、上昇した上部カップ223によって捕集され回収される。こうして、ミスト状のリンス液によってウェハWの表面が洗浄される。なお、第1の現像液を用いた現像によって、ウェハW上には所定のレジストパターンが形成されるが、このように第1のリンス液ノズル182からミスト状のリンス液を吐出することによって、レジストパターンの凹部まで適切に洗浄することができる。
【0092】
その後、図11(c)に示すように、さらに第2のリンス液ノズル183をウェハWの外周部から中心部に移動させながら、当該第2のリンス液ノズル183からウェハW上に液体状のリンス液を吐出する。そして、ウェハWの表面がより確実に洗浄させる。
【0093】
第2のリンス液ノズル183からのリンス液の停止後も、引き続きウェハWを回転させ、ウェハWの表面を乾燥させる。その後、図11(d)に示すように上部カップ223を下降させた後、第1のリンス液ノズル182と第2のリンス液ノズル183を待機部185に移動させる。こうして、第1の現像液を用いた一連の現像処理が終了する。
【0094】
以上のような一連のフォトリソグラフィ処理を、例えば緑色のカラーレジスト、赤色のカラーレジスト、青色のカラーレジストに対して行い、ウェハW上に所定のレジストパターンが形成される。そして、ウェハW上にカラーフィルタが形成される。その後、前記カラーフィルタ上にマイクロレンズを形成するためのレジストパターンが形成される。かかるマイクロレンズ用レジストパターンの形成に際しては、ウェハW上にレンズ用レジストのレジスト膜が形成された後、第2の現像液を用いて現像処理が行われる。
【0095】
次に、現像装置30において、上述した第2の現像液を用いたウェハWの現像処理(本発明における第2の処理工程)について説明する。図13は、現像処理の主な工程においてウェハWを処理する様子を模式的にしめした説明図である。なお、第2の現像液を用いた現像処理以外のフォトリソグラフィ処理は、上述した一連のフォトリソグラフィ処理と同様であるので説明を省略する。
【0096】
先ず、現像装置30に搬入されたウェハWは、スピンチャック210に吸着保持される。そして、図13(a)に示すように、上部カップ223を下降させて収容空間231に収容した状態で、共有アーム150をウェハWの外周部上方、すなわち図13(a)中のウェハWの左側外周部上方に移動させる。このとき、第2の現像液ノズル152をウェハWの外周部上方に配置する。
【0097】
その後、スピンチャック210に保持されたウェハWを回転させる。このとき、図14に示すようにウェハWの回転方向は、図12に示した第1の現像液を用いて現像処理を行う際のウェハWの回転方向と同一方向である。そして、ウェハWを回転させると同時に、図13(a)に示すように第2の現像液ノズル152をウェハWの外周部から中心部に移動させながら、当該第2の現像液ノズル152からウェハW上に第2の現像液を吐出する。そうすると、第2の現像液ノズル151から帯状に吐出された第2の現像液は、螺旋状にウェハW上に供給され、当該ウェハW全面に拡散する。
【0098】
このとき、図14に示すように第1の現像液ノズル151を第2の現像液ノズル152の移動方向前方に位置させた状態で、第2の現像液ノズル152を移動させる。そして、第2の現像液ノズル152をウェハWの外周部から中心部まで、すなわち図14中のウェハWの左半分でウェハWの径方向(Y方向正方向)に移動させる。また、第2の現像液ノズル152から吐出される第2の現像液の吐出方向(図14中の網掛け矢印)は、平面視においてウェハWの回転方向と同一方向である。このように第2の現像液の吐出方向とウェハWの回転方向を同一方向とすることで、第2の塗布液がウェハW上を円滑に拡散する。
【0099】
所定の時間経過すると、ウェハW上に拡散した第1の現像液によって、ウェハW上のレジスト膜が現像される。その後、図13(b)に示すように第1の現像液ノズル151と第2の現像液ノズル152を待機部154に移動させると共に、アーム180をウェハWの外周部上方に移動させる。このとき、第1のリンス液ノズル182をウェハWの外周部上方に配置する。
【0100】
その後、上部カップ223を上昇させる。その後、スピンチャック210に保持されたウェハWを回転させると共に、第1のリンス液ノズル182をウェハWの外周部から中心部に移動させながら、当該第1のリンス液ノズル182からウェハW上にミスト状のリンス液を吐出する。こうして、ミスト状のリンス液によってウェハWの表面が洗浄される。
【0101】
その後、図13(c)に示すように、さらに第2のリンス液ノズル183をウェハWの外周部から中心部に移動させながら、当該第2のリンス液ノズル183からウェハW上に液体状のリンス液を吐出する。そして、ウェハWの表面がより確実に洗浄させる。
【0102】
第2のリンス液ノズル183からのリンス液の停止後も、引き続きウェハWを回転させ、ウェハWの表面を乾燥させる。その後、図13(d)に示すように第1のリンス液ノズル182と第2のリンス液ノズル183を待機部185に移動させる。こうして、第2の現像液を用いた一連の現像処理が終了する。
【0103】
なお、上述のように処理部130においてウェハWの現像処理を行っている間、他の処理部131においてもウェハWの現像処理を行ってもよい。具体的には、例えば図15に示すように処理部130上にアーム180を移動させると共に、処理部131上に共有アーム150を移動させる。そして、処理部130において、第1のリンス液ノズル182からのミスト状のリンス液、又は第2のリンス液ノズル183からの液体状のリンス液を用いて、ウェハWの洗浄を行う。この間、処理部131において、第1の現像液ノズル151からの第1の現像液、又は第2の現像液ノズル152からの第2の現像液を用いて、ウェハWの現像を行う。あるいは、図示はしないが、処理部130上に共有アーム150を移動させると共に、処理部131上にアーム181を移動させてもよい。そして、処理部130において第1の現像液又は第2の現像液を用いてウェハWの現像を行う間、処理部131においてリンス液を用いてウェハWを洗浄してもよい。
【0104】
以上の実施の形態によれば、第1の現像液を用いてウェハWの現像処理を行う場合、スピンチャック210に保持されたウェハWを回転させると共に、第1の現像液ノズル151をウェハWの径方向に移動させながら、当該第1の現像液ノズル151からウェハW上に第1の現像液を吐出する。この第1の現像液ノズル151の移動は、第2の現像液ノズル152を第1の現像液ノズル151の移動方向前方に位置させた状態で行われるので、第1の現像液ノズル151がウェハWの外周部上方に位置していても、第2の現像液ノズル152がカップ体220と干渉することがない。また、第1の現像液ノズル151からの第1の現像液の吐出方向とウェハWの回転方向は平面視において同一方向であるため、第1の現像液をウェハW上に円滑に拡散させることができる。
【0105】
一方、第2の現像液を用いてウェハWの現像処理を行う場合においても、スピンチャック210に保持されたウェハWを回転させると共に、第1の現像液ノズル151を第2の現像液ノズル152の移動方向前方に位置させた状態で、当該第2の現像液ノズル152をウェハWの径方向に移動させながら、平面視において吐出方向がウェハWの回転方向と同一方向になるように第2の現像液ノズル152からウェハW上に第2の現像液を吐出する。そうすると、第2の現像液ノズル152がウェハWの外周部上方に位置していても、第1の現像液ノズル151がカップ体220と干渉することがない。また、第2の現像液の吐出方向とウェハWの回転方向は平面視において同一方向であるため、第2の現像液をウェハW上に円滑に拡散させることができる。
【0106】
以上のように、本実施の形態の基板処理装置では、第1の現像液を用いたウェハWの現像処理と第2の現像液を用いた現像処理を適切に行うことができ、複数のウェハ処理を効率よく行うことができる。
【0107】
また、第1の現像液の吐出方向と第2の現像液の吐出方向が平面視において反対方向になるように、第1の現像液ノズル151と第2の現像液ノズル152は共有アーム150に支持されている。これによって、第1の現像液又は第2の現像液の吐出方向とウェハWの回転方向が平面視において同一方向になると共に、第1の現像液ノズル151及び第2の現像液ノズル152とカップ体220との干渉を確実に防止することができる。
【0108】
また、各処理部130、131には、ミスト状のリンス液を吐出する第1のリンス液ノズル182、200がそれぞれ設けられているので、このミスト状のリンス液により、現像処理後、ウェハW上に形成されるレジストパターンの凹部まで適切に洗浄することができる。
【0109】
また、カップ体220の上部カップ223は昇降自在になっているので、第1のリンス液ノズル182、200からウェハW上にミスト状のリンス液が吐出されても、上部カップ223を上昇させることで、飛散するミスト状のリンス液を回収することができる。これによって、リンス液が処理容器120内を飛散するのを防止し、他の処理部でのウェハWの処理を適切に行うことができる。
【0110】
さらに、共有アーム150は処理部130、131間に配置されているので、一の処理部130において上部カップ223が上昇していても、共有アーム150は他の処理部131に移動できる。また、他の処理部131において上部カップ223が上昇していても、共有アーム150は一の処理部130に移動できる。
【0111】
このため、一の処理部130において第1のリンス液ノズル182からのミスト状のリンス液、又は第2のリンス液ノズル183からの液体状のリンス液を用いて、ウェハWの洗浄を行う間、他の処理部131において、第1の現像液ノズル151からの第1の現像液、又は第2の現像液ノズル152からの第2の現像液を用いて、ウェハWの現像を行うことができる。あるいは、一の処理部130において第1の現像液又は第2の現像液を用いてウェハWの現像を行う間、他の処理部131においてリンス液を用いてウェハWを洗浄することができる。
【0112】
また、内部カップ221の下部には通気孔233が形成されているので、収容空間231内の雰囲気を気液分離部225から適切に排気させることができる。このため、収容空間231内に一方向の気流の流れを形成でき、カップ体220内の気流を安定させることができる。
【0113】
また、処理容器120の底面には、各処理部130、131と現像液ノズル151、152の待機部154との間に1本ずつ排気管122、122が接続され、当該処理容器120において各処理部130、131が存在する空間の雰囲気が異なる排気管122から排気される。これによって、処理部130、131間で気流が乱れるのを抑制することができ、例えば一の処理部130の雰囲気が他の処理部131に流入するのを確実に防止することができる。したがって、現像装置30内において、ウェハWの現像処理をより適切に行うことができる。
【0114】
以上の実施の形態では、第1の現像液ノズル151と第2の現像液ノズル152は、第1の現像液の吐出方向と第2の現像液の吐出方向が平面視において反対方向になるように共有アーム150に支持されていたが、図16に示すように、平面視における第1の現像液の吐出方向と第2の現像液の吐出方向を同一方向としてもよい。すなわち、第1の吐出口160と第2の吐出口161が同じ向きになるように、第1の現像液ノズル151と第2の現像液ノズル152は配置される。なお、これら第1の現像液ノズル151と第2の現像液ノズル152の構造自体は、前記実施の形態の第1の現像液ノズル151と第2の現像液ノズル152の構造と同様であるので説明を省略する。
【0115】
かかる場合、第1の現像液を用いてウェハWの現像処理をする場合、図17に示すように第1の現像液ノズル151をウェハWの外周部(図17中の右側外周部)から中心部まで移動させながら、当該第1の現像液ノズル151からウェハW上に第1の現像液を吐出する。このとき、第1の現像液ノズル151から吐出される第1の現像液の吐出方向(図17中の網掛け矢印)は、平面視においてウェハWの回転方向と同一方向である。
【0116】
一方、第2の現像液を用いてウェハWの現像処理をする場合、図18に示すように第2の現像液ノズル152をウェハWの外周部(図18中の左側外周部)から中心部まで移動させながら、当該第2の現像液ノズル152からウェハW上に第2の現像液を吐出する。このとき、ウェハWの回転方向は、上述した第1の現像液を用いた現像処理におけるウェハWの回転方向と反対方向である。そして、第2の現像液ノズル152から吐出される第2の現像液の吐出方向(図18中の網掛け矢印)は、平面視においてウェハWの回転方向と同一方向となっている。
【0117】
以上のように第1の現像液ノズル151からの第1の現像液の吐出方向と第2の現像液ノズル152からの第2の現像液の吐出方向が平面視において同一方向であっても、第1の現像液を用いた現像処理と第2の現像処理を用いた現像処理におけるウェハWの回転方向を反対方向とすることで、第1の現像液の吐出方向及び第2の現像液の吐出方向とウェハWの回転方向が平面視において同一方向となる。したがって、第1の現像液と第2の現像液の両方ともウェハW上に円滑に拡散させることができる。
【0118】
以上の実施の形態の現像装置30において、図19に示すように2つの処理部130、131間に隔壁300が設けられていてもよい。この隔壁300は、処理容器120内において、各処理部130、131が存在する空間を仕切るように配置される。また、隔壁300には、共有アーム150、第1の現像液ノズル151及び第2の現像液ノズル152が通過可能な通過孔301が形成されている。かかる場合、例えば一の処理部130の雰囲気が他の処理部131に流入するのを確実に防止することができる。したがって、現像装置30内において、ウェハWの現像処理をより適切に行うことができる。
【0119】
なお、上記実施の形態では、基板処理装置として現像装置30、31について説明したが、本発明は他の基板処理装置にも適用することができる。例えばリンス液等をミスト状でウェハWに吐出するノズルと、アンモニア過水やフッ酸等の薬液を液体状でウェハWに吐出するノズルとを備えた、洗浄装置やエッチング装置などの基板表面処理装置にも本発明を適用することができる。そして、本発明の基板処理方法も、上記実施の形態の現像処理に限定されず、他の洗浄処理やエッチング処理にも適用することができる。
【0120】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。
【符号の説明】
【0121】
1 塗布現像処理システム
30、31 現像装置
122 排気管
130、131 処理部
150 共有アーム
151 第1の現像液ノズル
152 第2の現像液ノズル
160 第1の吐出口
161 第2の吐出口
182、200 第1のリンス液ノズル
183、201 第2のリンス液ノズル
210 スピンチャック
220 カップ体
221 内部カップ
222 下部カップ
223 上部カップ
230 昇降駆動部
231 収容空間
233 通気孔
240 制御部
300 隔壁
301 通過孔
W ウェハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置であって、
基板を保持して回転させる回転保持部と、前記回転保持部に保持された基板の側方を囲むように設けられたカップ体とを備えた複数の処理部と、
前記回転保持部に保持された基板上に第1の処理液を吐出する第1の処理液ノズルと、
前記回転保持部に保持された基板上に第2の処理液を吐出する第2の処理液ノズルと、
前記複数の処理部に対して移動自在であり、前記第1の処理液ノズルと前記第2の処理液ノズルを共に支持する支持部材と、を有し、
前記第1の処理液ノズルから斜め下方に吐出される第1の処理液の吐出方向と前記第2の処理液ノズルから斜め下方に吐出される第2の処理液の吐出方向は、平面視において、それぞれ前記回転保持部に保持された基板の回転方向と同一方向であることを特徴とする、基板処理装置。
【請求項2】
前記第1の処理液の吐出方向と前記第2の処理液の吐出方向が平面視において反対方向になるように、前記第1の処理液ノズルと前記第2の処理液ノズルは前記支持部材に支持され、
前記第1の処理液を基板上に吐出する際の基板の回転方向と前記第2の処理液を基板上に吐出する際の基板の回転方向とが同一方向になるように、前記回転保持部材を制御する制御部をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1の処理液の吐出方向と前記第2の処理液の吐出方向が平面視において同一方向になるように、前記第1の処理液ノズルと前記第2の処理液ノズルは前記支持部材に支持され、
前記第1の処理液を基板上に吐出する際の基板の回転方向と前記第2の処理液を基板上に吐出する際の基板の回転方向とが反対方向になるように、前記回転保持部材を制御する制御部をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記回転保持部に保持された基板上にミスト状のリンス液を吐出するリンス液ノズルを有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記処理部は2箇所に設けられ、前記支持部材は当該2箇所の処理部間に配置されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記各処理部が存在する空間内の雰囲気は、それぞれ異なる排気管から排気されることを特徴とする、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記2箇所の処理部間には、それぞれの処理部が存在する空間を仕切り、且つ前記支持部材が通過可能な隔壁が設けられていることを特徴とする、請求項5又は6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記カップ体は、上部カップと下部カップとを有し、
前記上部カップは、前記下部カップに対して鉛直方向に移動自在であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記下部カップの内側には内部カップが設けられ、
前記下部カップと前記内部カップとの間には、前記上部カップが収容される収容空間が形成され、
前記内部カップの下部には、前記収容空間内の空気を流通させるための通気孔が形成されていることを特徴とする、請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記第1の処理液は、カラーレジストに対して用いられる現像液であり、
前記第2の処理液は、マイクロレンズ用のレジストに対して用いられる現像液であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項11】
基板処理装置を用いた基板処理方法であって、
前記基板処理装置は、
基板を保持して回転させる回転保持部と、前記回転保持部に保持された基板の側方を囲むように設けられたカップ体とを備えた複数の処理部と、
前記回転保持部に保持された基板上に第1の処理液を吐出する第1の処理液ノズルと、
前記回転保持部に保持された基板上に第2の処理液を吐出する第2の処理液ノズルと、
前記複数の処理部に対して移動自在であり、前記第1の処理液ノズルと前記第2の処理液ノズルを共に支持する支持部材と、を有し、
前記基板処理方法は、前記第1の処理液で基板を処理する第1の処理工程と、前記第2の処理液で基板を処理する第2の処理工程と、を有し、
前記第1の処理工程では、前記回転保持部に保持された基板を回転させると共に、前記第2の処理液ノズルを前記第1の処理液ノズルの移動方向前方に位置させた状態で、当該第1の処理液ノズルを基板の径方向に移動させながら、平面視において吐出方向が前記基板の回転方向と同一方向になるように前記第1の処理液ノズルから前記基板上に第1の処理液を吐出し、
前記第2の処理工程では、前記回転保持部に保持された基板を回転させると共に、前記第1の処理液ノズルを前記第2の処理液ノズルの移動方向前方に位置させた状態で、当該第2の処理液ノズルを基板の径方向に移動させながら、平面視において吐出方向が前記基板の回転方向と同一方向になるように前記第2の処理液ノズルから前記基板上に第2の処理液を吐出することを特徴とする、基板処理方法。
【請求項12】
前記第1の処理液の吐出方向と前記第2の処理液の吐出方向が平面視において反対方向になるように、前記第1の処理液ノズルと前記第2の処理液ノズルは前記支持部材に支持され、
前記第1の処理工程における基板の回転方向と前記第2の処理工程における基板の回転方向とは同一方向であることを特徴とする、請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項13】
前記第1の処理液の吐出方向と前記第2の処理液の吐出方向が平面視において同一方向になるように、前記第1の処理液ノズルと前記第2の処理液ノズルは前記支持部材に支持され、
前記第1の処理工程における基板の回転方向と前記第2の処理工程における基板の回転方向とは反対方向であることを特徴とする、請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項14】
前記基板処理装置は、前記回転保持部に保持された基板上にミスト状のリンス液を吐出するリンス液ノズルを有し、
前記処理部は2箇所に設けられ、前記支持部材は当該2箇所の処理部間に配置され、
前記カップ体は、鉛直方向に移動自在の上部カップと、当該上部カップを収容可能な下部カップとを備え、
一の前記処理部において、前記上部カップを上昇させた状態で、前記回転保持部に保持された基板を回転させると共に、前記リンス液ノズルを基板の径方向に移動させながら、当該リンス液ノズルから基板上にリンス液を吐出して基板を洗浄している間、
他の前記処理部において、前記上部カップを下降させて前記下部カップに収容した状態で、前記第1の工程又は前記第2の工程が行われることを特徴とする、請求項11〜13のいずれかに記載の基板処理方法。
【請求項15】
前記第1の処理液は、カラーレジストに対して用いられる現像液であり、
前記第2の処理液は、マイクロレンズ用のレジストに対して用いられる現像液であることを特徴とする、請求項11〜14のいずれかに記載の基板処理方法。
【請求項16】
請求項11〜15のいずかに記載の基板処理方法を基板処理装置によって実行させるために、当該基板処理装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラム。
【請求項17】
請求項16に記載のプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−15385(P2012−15385A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151568(P2010−151568)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】