説明

基板処理装置及び基板処理装置の制御方法

【課題】基板処理に関するプログラムの編集画面において、編集画面の編集部分を、コンピュータ上のツールで変換することなく編集の内容を一目で理解できるようにする。
【解決手段】 基板処理に関するプログラムの編集画面を表示する表示手段と、編集画面に表示される各種キーの操作をキーログとして収集するキーログ収集入力手段と、キーにより編集された編集画面をキーログに関連付けて記憶手段に保存するキーログ保存手段と、記憶手段に保存された編集手段とキーにより編集された部分の画面表示形式を、区別可能に変更する表示形式変更手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水晶、液晶、半導体等の基板処理装置に関するものであり、特に、キーログによりトラブルの原因を特定するようにした基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、基板処理装置には装置コントローラが接続されており、機械類、熱処理類、原料ガス供給系、真空排気系のアクチュエータをコントローラの制御によって制御する。基板処理装置の装置コントローラのプログラムのパラメータを変更する場合、たとえば、ユーザやメンテナンスエンジニアが、装置コントローラにキー入力装置とモニタとを接続し、モニタにプログラムの設定部分や変更部分を表示させながらプログラムのパラメータを編集する。このとき、ユーザやメンテナンスエンジニアによるプログラムの設定や変更は、装置コントローラの操作部のメモリやハードディスク等の記憶部にキーログとして保存される。なお、装置コントローラは、半導体製造システムにおいて、上位の管理コンピュータから基板処理に関するレシピ等のプログラムを供給されるコンピュータのことである。
【0003】
図19は装置コントローラ300の操作部の機能ブロック図である。ユーザやメンテナンスエンジニアがキー入力装置を用いてプログラムを呼び出し、プログラムのシーケンスやシーケンスの編集部分に、コマンドや数字などのパラメータを入力すると、呼び出しから確定までに操作したキーのキーログがキーログ収集入力モジュール301によって収集される。収集したキーログは、キーログデータSRAM書き込みモジュール302によって収集順にSRAM(図示せず)に書き込まれる。この場合、キーログは、装置コントローラ300の理解できるプログラム言語でSRAMに書き込まれる。装置コントローラ300をシャットダウンし、再度、立ち上げると、シャットダウン後の再立ち上げ処理モジュール303が、SRAMからキーログを読み込んでハードディスク(HD)に追加データとして保存する。
なお、モジュールとは、装置コントローラ300のハードウエア資源を利用するプログラムモジュールのことである。以下、モジュールとは、このような意味で使用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、プログラムの設定や変更に使用されたキーログは、メモリやハードディスクなどの記憶手段に保存されるので、キーログの解析によりトラブルの原因の特定が可能になるが、ハードディスクに最新のキーログが追加されるのは、装置コントローラがシャットダウンされ、再度、立ち上げたときであるので、キーログの解析の際に、装置コントローラのシャットダウンと再立ち上げを実行せずに、ハードディスクのキーログをトラブル解析用のデータに用いる場合には、トラブルの原因を特定することができないという問題がある。
また、前記キーログは、前記装置コントローラが理解できる特別なプログラム言語でハードディスクに書き込まれているので人間が理解できる文字や数字に変換するにはコンピュータ上で特別な編集ツールによってテキストデータに変換することになるがこれに多くの手間と時間が掛ってしまうという問題がある。
さらに、前記編集ツールによって前記キーログのテキストデータに変換しても変換したデータは単なる文字、数字、記号の羅列となってしまうので、解析の完了までには多くの時間が掛ってしまうという問題がある。
【0005】
そこで、編集画面上で、前記キーによって編集される部分(以後、編集部分と称す)を
、コンピュータ上のツールで変換することなく編集の内容を一目で理解できるようにするために解決すべき技術的課題が生じるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、基板処理に関するプログラムの編集画面を表示する表示手段と、前記表示手段に表示されキーにより編集された編集後の編集画面をキーログに関連付けて記憶手段に保存するキーログ保存手段と、前記記憶手段から前記編集後の編集画面を保存順に呼び出す次画面キーと逆順に呼び出す前画面キーと、編集後の編集画面の編集部分のうち前記キーにより編集された部分の画面表示形式を、前記編集画面の他の表示部分と区別可能に変更する表示形式変更手段と、を備えた基板処理装置を提供するものである。ここで、記憶手段とは、メモリやハードディスク等であり、基板処理に関するプログラムとは、基板の受け入れから払い出しまでの基板処理に関するプログラムのことである。また、編集画面とは、何の画面か何を編集するものであるか等の情報を視覚的に表示する情報を持った画面で且つプログラムの設定又は変更のために文字や数字等を入力するセルやダイアログ形式の編集部分(入力部分)が設けられた画面のことであるが、視覚的な理解を促進するために内容に係る文字や図形を表示した画面としてもよい。
請求項1記載の発明において、表示手段に編集画面を呼び出し、キーにより、プログラムのシーケンスの設定部分やパラメータを前記編集画面の編集部分に入力する。
この編集画面を閉じると、編集部分の設定や変更が前記プログラムに反映される。
キーログ保存手段は、編集後の編集画面をキーのキーログに関連付けて前記記憶手段に保存し、表示形式変更手段は、編集後、編集画面の編集部分と他の表示部分とを相互に関連付けて記憶手段に保存する。そして、表示形式変更手段は、前記記憶手段に保存した編集後の編集画面の編集部分のうち前記キーによって編集された部分の画面表示形式を、同じ編集画面の他の表示部分と区別可能に変更する。
編集画面の編集後に、設定や変更によるトラブルが発生し、その原因を特定する際や設定の変更を確認する際は、前記次画面キーと前記前画面キーにより、前記記憶手段から保存後の編集画面を表示手段に表示させる。このとき、編集画面はこの画面が何の編集画面かを表示するための情報を持っており、編集部分は、ユーザやメンテナンスエンジニアが直接理解できる文字や数字として表示手段にビジュアルに表示され、且つ、編集部分のうち、前記キーによって編集された部分の画面表示形式は、同じ編集画面の他の表示部分と区別可能に変更されているので、編集顔面の編集部分を、コンピュータ上のツールで変換することなく編集の内容を一目で理解することができる。
【0007】
第2の発明は、前記表示形式変更手段は、ブリンク表示、色分け表示、反転表示の中から選ばれた一つの表示によって前記編集部分のうち、前記キーによって編集された部分を表示する基板処理装置を提供するものである。いずれの表示形式も編集画面の他の表示部分から編集部分を明確に区別して作業者の視覚を刺激する。
【0008】
さらに、第3の発明は、基板処理に関するプログラムの編集画面を表示させる工程と、前記表示手段に表示されキーにより編集された編集後の編集画面をキーログに関連付けて記憶手段に保存する工程と、前記記憶手段に保存した編集後の編集画面の編集部分のうち前記キーにより編集された部分の画面表示形式を、前記編集画面の他の表示部分と区別可能に変更する工程と、前記編集後の編集画面を保存順又は逆順に呼び出す工程と、を含む基板処理装置のプログラム検定方法を提供するものである。
【0009】
また、第4の発明は、第3の発明において、ブリンク表示、色分け表示、反転表示の中から選ばれた一つの表示によって前記編集部分を変更する工程を含む基板処理のプログラム検定方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
以上、要するにこの発明によれば次の如き優れた効果を発揮する。
(1)請求項1記載の発明によれば、基板処理に関するプログラムの編集後において、設定や変更の内容及び履歴を一目で理解できる。
【0011】
(2)また、編集後の編集画面の編集部分のうちキーにより編集された部分に注意力が集中するので設定や変更の内容及び履歴を把握する際の作業効率が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る基板処理装置を透視法により示した解説図である。
【図2】図1の基板処理装置を側方より見た側断面図である。
【図3】処理装置を自動化するための装置コントローラのブロック図である。
【図4】基板処理に関するプログラムのモニタ画面である。
【図5】ガス一覧モニタ画面を示す解説図である。
【図6】温度メインモニタ画面を示す解説図である。
【図7】圧力モニタ画面を示す解説図である。
【図8】AUX一覧モニタ画面を示す解説図である
【図9】レシピ進捗モニタ画面を示す解説図である。
【図10】操作コントローラの機能構成図である。
【図11】検索キーを利用して前記装置コントローラの記憶手段を検索し、編集後の編集画面の呼び出しに用いるデータログメニュー画面の一例である。
【図12】OUロギングメニュー画面を示す解説図である。
【図13】キーログ解析一覧画面を示す解説図である。
【図14】炉内圧力の圧力編集画面を示す解説図である。
【図15】検索キーに対応する検索画面の解説図である。
【図16】レシピの編集メニュー画面を示す解説図である。
【図17】レシピの編集画面を示す解説図である。
【図18】PMコマンド画面を示す解説図である。
【図19】従来の装置コントローラの操作部の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1乃至図18を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
まず、図1及び図2を参照して本発明に係る基板処理装置の構成と作用を説明する。この実施形態において基板処理装置は、水晶、ガラス、半導体基板などの基板に拡散処理やCVD処理等を行う縦型の基板処理装置(以下、処理装置という)であり、図1は処理装置を透視法により示した解説図、図2は図1の処理装置を側方より見た側断面図である。なお、本実施形態においては、数量、材質は基本的に例示に過ぎず、これによって本発明が限定されるものではない。また、以下に説明するコントローラはコンピュータで構成してもよい。
【0015】
図1に示すように、処理装置90の筐体101の前面には、シリコン等からなるウエハ(基板)200を収容したポッド(基板収容容器)100を、外部から筐体101内に挿入するため、及びその逆に筐体101内から外部へ払い出すためI/Oステージ(保持具授受部材)105が付設される。
【0016】
筐体101内には、前記I/Oステージ(保持具授受部材)105から筐体101内に挿入されたポッド100を保管するためのカセット棚(載置手段)109が敷設される。また、筐体101内には、ウエハ200の搬送エリアであり、後述のボート(基板保持手段)217のローディング、アンローディング空間となるN2パージ室(気密室)102
が設けられる。
【0017】
ウエハ200の処理を行う際は、N2パージ室102の内部は密閉容器となり、ウエハ200の自然酸化膜を防止するためにN2ガスなどの不活性ガスが充満される。
【0018】
前記ポッド100としては、現在FOUPというタイプが主流で使用されており、ポッド100の一側面に設けられた開口部を蓋体(図示せず)で塞ぐことで大気からウエハ200を隔離した状態で搬送することができ、蓋体を取り去ることでポッド100内へウエハ200を入出させることができる。
【0019】
前記ポッド100の蓋体を取り外し、ポッド100内とN2パージ室102内とを連通するため前記N2パージ室102の前面側にはポッドオープナ(開閉手段)108が設けられる。
ポッドオープナ108、カセット棚109、およびI/Oステージ105間のポッド100の搬送は、カセット移載機114によって行われる。このカセット移載機114によるポッド100の搬送空間には、筐体101に設けられたクリーンユニット(図示せず)によって清浄化した空気をフローさせるようにしている。
【0020】
N2パージ室102の内部には、複数のウエハ200を多段に積載するボート217と、ウエハ200のノッチ(又はオリエンテーションフラット)の位置を任意の位置に合わせる基板位置合わせ装置106と、ポッドオープナ108上のポッド100と基板位置合わせ装置106とボート217との間でウエハ200の搬送を行うウエハ移載機(搬送手段)112とが設けられる。
また、N2パージ室102の上部には、ウエハ200を処理するための処理炉202が設けられており、ボート217は、ボートエレベータ(昇降手段)115によって処理炉202へローディング、又は処理炉202からアンローディングされる。
【0021】
次に、図1及び図2を参照して本発明の処理装置90の動作について説明する。
まず、AGVやOHTなどのウエハ移載機(図示せず)により筐体101の外部から搬送されてきたポッド100は、I/Oステージ105に載置される。I/Oステージ105に載置されたポッド100は、カセット移載機114によって、直接、ポッドオープナ108上に搬送されるか、又は、一旦、カセット棚109にストックされた後にポッドオープナ108上に搬送される。
ポッドオープナ108上に搬送されたポッド100は、ポッドオープナ108によってポッド100の蓋体が取外される。このとき、ポッド100内とN2パージ室102とが連通されポッド100内がN2雰囲気に置換される。
【0022】
次に、ウエハ移載機112によって、ポッド100内からウエハ200を取り出す。取り出されたウエハ200は、まず、基板位置合わせ装置106によってノッチ(又はオリエンテーションフラット)を基準に位置合わせをされ、その後、ウエハ移載機(搬送手段)112によってボート217へと搬送される。
【0023】
ボート217へのウエハ200の搬送が完了すると、処理炉202の炉口シャッタ116が開かれ、ウエハ200を搭載したボート217がボートエレベータ115により処理炉202にローディングされる。
ローディング後は、処理炉202でウエハ200にCVD処理や拡散処理等の任意の処理が実施される。ウエハ200の処理後は、前記した手順の逆の手順で、ウエハ200及びポッド100が、筐体101の外部へと払い出される。
【0024】
図3は前記処理装置119を自動化するための装置コントローラのブロック図である。
装置コントローラ220は、操作部221と制御部222とで構成されており、プログラムの設定や変更ための操作コントローラ223は、データ送受信モジュール224を介して制御部222に通信可能に接続される。
前記制御部222は、図3には詳細に示されていないが、熱電対等の加熱装置の加熱温度に基づいて前記ヒータの温度をフィードバック制御する温度コントローラ(図示せず)と、圧力センサの検出温度に基づいて処理炉の圧力をフィードバック制御する圧力コントローラ(図示せず)と、マスフローモニタに基づいて原料ガスの流量をフィードバック制御するマスフローコントローラ(図示せず)と、位置や回転角センサに基づいて各種メカニズムを制御するメカニズムコントローラ(図示せず)とから構成され、これらを管理するためのメインコントローラ(図示せず)と操作部221の操作コントローラ223とに通信可能に接続される。なお、前記メカニズムコントローラは、前記ポッドオープナ(開閉手段)108、前記カセット移載機114、前記基板位置合わせ装置106、前記基板位置合わせ装置106、前記ウエハ移載機(搬送手段)112、前記ボートエレベータ(昇降手段)115等のアクチュエータ(駆動部)を制御するコントローラであり、制御のためのシーケンス(プログラムシーケンス)やパラメータは、たとえば、操作コントローラ223のメモリ225やハードディスク226等の記憶手段から読み込まれる。また、操作コントローラ223には、前記処理装置90の基板処理に関するプログラムのシーケンスやパラメータの設定や変更のためのユーザインターフェイスとしてモニタ(表示手段)227とキー入力装置228とが備えられる。
【0025】
前記キー入力装置228は、モニタ(表示手段)225に表示する複数のプログラムボタンで構成されている。ここで、「プログラムボタン」とは、モニタ(表示手段)227の画面に表示され、指やペンによってタッチされることによってプログラムの起動、終了を切り替えるソフトウエア上のキーのことである。なお、以下に説明するボタンやキーは、全てソフトウエアで構成されたキーを意味するものとする。
【0026】
図4は基板処理に関するプログラムのモニタ画面であり、PMメインモニタ画面と呼ばれる画面である。なお、図4はPMボタン1をタッチしたときの画面である。図示されるように、PMメインモニタ画面30aの画面下部の操作パネル8には、呼び出しキーとしてPMボタン1、システムボタン2、戻るボタン3、進むボタン4、編集ボタン5、データログボタン6、セットアップボタン7等の操作ボタンが配置される。操作パネル8の上方側には、ガスパネル9、温度パネル10、圧力パネル11、AUXパネル12、レシピパネル13の合計五枚のパネルが表示される。各パネル9〜13には、後述する編集キー14によって編集する編集部分としてそれぞれセル(後述する)が表示される。なお、図4は編集前の段階なので各セル(後述する)には、ゼロが表示されている。
前記ガスパネル9、前記温度パネル10、前記圧力パネル11、前記AUXパネル12、前記レシピパネル13には、それぞれパネルの内容を視覚的に補完する情報として文字やアイコンが表示される。これらのパネル9〜13又はパネル上のアイコンは、指やペンによりタッチされると、画面を関連画面に切り替えるプログラムキーとなっている。
原料ガス流量のモニタ画面であるガスパネル9には、セル15を挟んで一方側と他方側にマスフローコントローラの略語(mfc)、配置先を示す番号を表示するボタン16、流量の単位を示す文字(slm)が表示される。
炉内温度のモニタ画面である温度パネル10には、前記ガスパネル9と同様に、前記処理炉202の構造を示す図形表示17を挟んで一方側に前記処理炉202における炉内温度の温度ゾーンu、cu、c、cl、lが縦一列に配置され、他方側にu、cu、c、cl、lの各温度ゾーンの炉内温度を表示するためのセル18が縦一列に配置される。また、この温度パネル10には、温度の制御モードを表示するためのセル19が設けられる。
【0027】
炉内圧力のモニタ画面である圧力パネル11には、前記処理炉202の炉内圧力を表示するためのセル20と、制御方式やコマンドを表示するためのセル21,22が表示され
る。
【0028】
圧力パネルの制御方式をモニタするセル21には、「APCバルブ制御」が、コマンドのセル22には「圧力設定」が表示される。なお、APCバルブ制御とは、炉内圧力を検知し、炉内圧力が設定圧力に自動的に保持される圧力制御バルブ(ピラニ計)の開度をフィードバック制御する制御方式のことである。
【0029】
前記レシピパネル13には、現在使用しているカレントレシピを表示するセル23と、残時間を示すセル24と、ホールド時間を示すセル25と、開示時刻を示すセル26と、終了時刻を示すセル27等が設けられる。
AUXパネル12は基板処理の補完用のパネルであり、たとえば、外部燃焼による水蒸気の流量等をモニタするためのパネルである。このAUXパネル12にも複数の設定点をモニタするため複数のセル80が設けられている。
【0030】
図5はガス一覧モニタ画面28、図6は温度メインモニタ画面29、図7は圧力モニタ画面30、図8はAUX一覧モニタ画面31、図9はレシピ進捗モニタ画面32であり、ガスパネル9、温度パネル10、圧力パネル11、AUXパネル12、レシピパネル13又はこれらパネルのアイコンのタッチによって前記モニタ227に出現する画面である。なお、レシピパネル13、ガスパネル9、温度パネル10、圧力パネル11、AUXパネル12、ガス一覧モニタ画面28、温度メインモニタ画面29、圧力モニタ画面30、AUX一覧モニタ画面31、レシピ進捗モニタ画面32は、たとえば、前記操作部221のメモリ225又はハードディスク226に保存されている。
【0031】
図5のガス一覧モニタ画面28、図6の温度メインモニタ画面29、図7の圧力モニタ画面30、図8のAUX一覧モニタ画面31、図9のレシピ進捗モニタ画面32には、前記PMメインモニタ画面33と同様に、画面下部に前記操作パネル8が表示される。
操作パネル8の編集ボタン5は、タッチすると前記編集キー14による編集部分の編集を可能にするボタンである。
編集キー14は、たとえば、画面上部に設けられた文字/数字テーブルからなり、最初にセルを指定し、続いて、文字/数字テーブルに表示されている複数の文字や数字にタッチすることによって文字や数字を前記した各セルに入力するものである。
文字/数字テーブルから選択した文字や数字は、先に指定したセルの設定又は変更データとなり、それぞれシーケンスの設定、又は変更、又はパラメータとして基板処理に関するプログラムに反映される。
従って、これらのガス一覧モニタ画面28、温度メインモニタ画面29、圧力モニタ画面30、AUX一覧モニタ画面31、レシピ進捗モニタ画面32は、前記編集キー14がタッチされた段階でこれらの画面は、基板処理に関するプログラムの編集画面となり、各画面のセルはユーザやプログラムエンジニアの実施する設定又は変更の対象となる編集部分となる。もちろん、編集部分にはセルに限らずダイアログやポップアップウインドウも含まれる。
【0032】
図5のガス一覧モニタ画面においては、マスフローコントローラ(mfc07〜mfc13)の流量(slm)を設定するための設定値のセル37が編集部分に該当し、図6の温度メインモニタ画面29においては、u、cu、c、cl、lの各ゾーンの炉内温度を設定するためのセル38及びランプレートを設定するためのセル39が編集部分に該当する。
また、図7の圧力モニタ画面30においては、制御方式のセル40、制御モードモニタのセル41、設定42、圧力コマンドのセル43が編集部分に該当し、図8のAUX一覧モニタ画面31においては、たとえば、AUX07〜AUX12までの水素と酸素の流量(slm)を設定するためのセル44が編集部分に該当する。ここで水素と酸素とは、ア
ニールのための水蒸気生成用として用いられるものである。
【0033】
また、図9のレシピ進捗モニタ画面においては、例えば、ステップ名称、ステップ残時間を設定するためのセルやレシピの開始時刻、スキップ時間、ホールド時間を設定するためのセルが編集部分となる。
【0034】
次に、図3、図10を参照して前記操作コントローラ223の構成について説明する。
図3に示すように、操作コントローラ223には、キーログを収集するキーログ収集入力モジュール50と、キーログデータメモリ内書き込みモジュール51と、メモリ→HD(ハードディスク)書き込みモジュール52と、キーログデータと画面ファイルリンク表示モジュール54と、キーログデータ検索モジュール55とが備えられる。
ここで、図10に示すように、キーログ収集入力モジュール50は、前記編集画面の呼び出しキーのキーログを順次収集するモジュールであり、キーログデータメモリ内書き込みモジュール51は、前記キーログ収集入力モジュール50が収集したキーログを順次メモリに書き込んで保存するメモリ内キーログ収集処理を実行するモジュールである。また、メモリ→HD(ハードディスク)書き込みモジュール53は、前記メモリ225に書き込まれたキーログをこのメモリ225から読み込んでこれをハードディスク226に順次書き込んで保存する処理を実行するモジュールであり、キーログデータと画面ファイルリンク表示モジュール54は、キーログのデータに前記処理装置の編集後の編集画面を結合するため相互に関連付けて保存するモジュールである。また、キーログデータ検索モジュール55は、後述する検索キーによってキーログのデータを検索し、このデータに関連付けられた編集画面のデータを呼び出すモジュールである。
例えば、前記キーログには、前記操作パネル8に配置される各ボタンや、前記ガスパネル9、温度パネル10、圧力パネル11、AUXパネル12、レシピパネル13又はアイコン等を呼び出しキーとして操作したキーログが該当し、編集画面には、例えば、前記ガス一覧モニタ画面28、前記温度メインモニタ画面29、前記圧力モニタ画面30、前記AUX一覧モニタ画面31、及び前記レシピ進捗モニタ画面32等が該当する。
このため、キーログデータメモリ内書き込みモジュール52と、メモリ→HD(ハードディスク)書き込みモジュール53からなるキーログ保存手段は、ガスパネル9、温度パネル10、圧力パネル11、AUXパネル12、レシピパネル13又はアイコン等(図4参照)を呼び出しキーとするキーログに、それぞれ編集後のガス一覧モニタ画面28(図5)、温度メインモニタ画面29(図6)、圧力モニタ画面30(図7)、AUX一覧モニタ画面31(図8)、レシピ進捗モニタ画面32(図9)を関連付けて前記操作コントローラ223の記憶手段(メモリ225、ハードディスク226)に保存し、表示形式変更手段としてのキーログデータと画面ファイルリンク表示モジュール54は、前記メモリ225やハードディスク226に編集後の編集画面を保存した後に、編集後の編集画面の編集部分(セル)の画面表示形式を、各編集画面の他の表示部分と区別可能に変更する。
この場合、表示形式の変更の態様には、ブリンク表示、色分け表示、又は反転表示が好ましいが、編集部分の周囲を枠状に囲んで太く強調表示したり、パラメータやコマンドをボールド表示として周囲の部分と区別して表示するようにしてもよい。
このように表示形式が変更されると、ユーザやメンテナンスエンジニアの視覚的な注意力が編集部分に自然に集中するのでトラブルの原因を短時間で特定することができる。
また、本実施形態に係る操作コントローラ223は、常に、編集後の編集画面を、前記パネル9〜13又は各パネル9〜13のアイコンを呼び出しキーとしたキーログに関連付けてハードディスク226に保存するので、従来のように解析の対象から最新のキーログが外れてしまうこともない。
さらに、ユーザやメンテナンスエンジニアの注意力が編集部分に集まるので、後述する検索キーを使用せずに、プレビューキー(前画面キー)やネクストキー(次画面キー)を使用して編集後の編集画面を呼び出す場合でもトラブルの原因を短時間で特定することができる。
【0035】
また、検索キーにより検索可能なデータベースを記憶手段としてのハードディスク226に構築するので、たとえば、日付検索、人名(ユーザ又はメンテナンスエンジニア)を検索キーとする検索によって得られた結果を、さらに、ガスや温度等で検索して絞り込むとトラブル等の原因をさらに短時間で特定することができる。
図11は前記検索キーを利用して前記装置コントローラ220の記憶手段を検索し、編集後の編集画面の呼び出しに用いるデータログメニュー画面の一例である。
なお、このデータログメニュー画面60は、図4で説明したPMモニタメイン画面30aのデータログボタン6をタッチしたときに前記装置コントローラ220と一体又は別体のモニタ227に表示される画面である。
データログメニュー画面60でOUロギング情報ボタン61をタッチすると、モニタ227の画面が図12に示すOUロギングメニュー画面62に切り替わる。そして、OUロギングメニュー画面62でキーログボタン63をタッチするとモニタ227の画面が図13に示すキーログ解析一覧画面64に切り替わる。
なお、この画面において、Mon¥MonPMMainPressは画面を前記圧力モニタ画面に、Mon¥MonPMMainAUXSmallPanelは画面を前記AUX一覧モニタ画面に、また、Mon¥MonPMMainRcpProgressは画面を前記レシピ進捗モニタ画面に、Mon¥MonPMMainMFCLは画面を前記ガス一覧モニタ画面に、Mon¥MonPMMainTempTCMon5Zは画面を温度メインモニタ画面に切り替えるデータベースファイルである。
たとえば、MonPMMainPressにカーソルバーを移動し、同画面のログ解析ボタン65をタッチするとモニタ227の画面が図1で説明したPMモニタメイン画面30aの圧力パネル11に対応する圧力編集画面に切り替わる。
図14はこの圧力編集画面68である。圧力編集画面68の下部には、Prevキー(前画面キー)69、Closeキー(終了ボタン)70及びNextキー(次画面キー)71が設けられており、Prevキー(前画面キー)69をタッチするごとに前記操作コントローラ223のハードディスク226に保存されていた過去の圧力編集画面68が保存順と逆順に表示され、Nextキー(次画面キー)71をタッチするごとにハードディスク226に保存されていた過去の圧力編集画面68が保存順に表示される。このように、圧力、温度といったカテゴリ別に検索可能なデータベースを構築すると、トラブルの原因を推定できる場合において、使い勝手がよくなるので、原因の特定を短時間で終了することができる。
図15は図13に示す検索キー73に対応する検索画面72である。このように、操作コントローラ223に検索画面72を格納し、操作コントローラ223に発生日時(年月日、時間)や作業者名を検索キーとするデータベースを構築してカテゴリ別に編集画面を検索するように構成した場合には、トラブルの原因の特定等に対する作業の短縮化を図ることができる。
次に、本実施形態に係る処理装置90による操作例を説明する。
例えば、プロセス実行後に、顧客(ユーザ)の成膜条件が合わない場合に、レシピ(基板処理に用いるプロセスプログラム)の温度設定、圧力設定、原料ガスの流量等の設定をキーログによってどのように変更したので条件に合わなくなったかを調べる一つの手段に使用する。つまり、レシピの何処のどの部分をどのように変更したことがわかれば、条件に合わなくなったことの原因を特定することができる。
より具体的に説明すると、図4のPMモニタメイン画面4から編集ボタン5をタッチして図16の編集メニュー画面に移る。そしてプロセスレシピボタン81をタッチして図17のプロセスレシピ編集画面に移る。この画面上で、レシピの温度設定(炉内温度設定)や原料ガスの温度設定等を行う。そして、図4のPMモニタメイン画面30に戻ってPMボタン1をタッチすると、図18に示すPMコマンド画面83が現れる。この画面で、IDEL→STANBY→RUN→ENDの順でモード遷移を実施し、各モードでコマンド等を入力する。前記したように、これらの画面で編集した編集画面は、キーログに関連さ
せて画面と同じイメージでハードディスク226に保存される。
レシピの編集後に、例えば、炉内圧力をチェックするときには、図4で説明したPMモニタメイン画面30aのデータログボタン6をタッチして図11のデータログメニュー画面60を表示させ、この画面でOUロギング情報ボタン61をタッチして図12に示すOUロギングメニュー画面62に切り替える。そして、OUロギングメニュー画面62でキーログボタン63をタッチして図13に示すキーログ解析一覧画面64に切り替える。
次に、MonPMMainPressにカーソルバーを移動し、同画面のログ解析ボタン65をタッチして図14の圧力編集画面に切り替える。この画面で、Prevキー(前画面キー)69又はNextキー(次画面キー)71を用い先のキー操作により前記ハードディスク226に保存された圧力編集画面68を表示させ、設定又は変更した炉内圧力が適正かどうかをチェックする。この場合、図15の検索画面を表示させ、例えば、発生日時(年月日、時間)や作業者名を検索キーとして検索した場合には、トラブルの原因の特定に対する作業時間の短縮化が図られ、トラブルの原因を効率的に特定することができる。従って、作業効率が改善されユーサーやメンテナンスエンジニアの負担を大幅に改善することが可能となる。
このように本実施形態によれば、エラーとして検出されないエンジニアの設定ミスを容易に発見し確認することができる。また、設定ミスによる事故を未然に防止できると共に、生産性の向上に寄与できる。
【0036】
なお、本実施の形態では、操作コントローラ223のハードディスク226に保存するデータ数を極力少なくするため、圧力パネル11等の呼び出しキーのキーログに関連付けて圧力モニタ画面30等の編集画面を保存する説明をしたが、大容量のハードディスク226を用いる場合は、呼び出しキーだけでなく、編集キー14のキーログに関連付けて圧力モニタ画面30等の編集画面をハードディスク226に保存するようにしてもよい。更に、全てのキーログに関連付けて、編集画面をハードディスク226に保存して、図14上のPrevキー69(もしくはNextキー71)を用い、図13に示すキーログ解析一覧画面64で表示されているキーログ情報を逐次画面表示させるようにしてもよい。
また、本実施形態の説明において、本発明を縦型の処理装置に適用する説明をしたが、横型の処理装置にも適用が可能であり、枚葉装置に適用することも可能である。さらに、本発明に係る諸装置は、CVD、酸化、アニール等の基板の処理に適用できるし、処理対象とする基板も水晶、液晶、半導体等の種々の基板を対象とする。
このように本発明は種々の改変が可能であり、本発明がこの改変された発明に及ぶことは当然である。
【符号の説明】
【0037】
10 温度パネル(呼び出しキー)
11 圧力パネル(呼び出しキー)
12 AUXパネル(呼び出しキー)
13 レシピパネル(呼び出しキー)
14 編集キー
28 ガス一覧モニタ画面(編集画面)
29 温度メインモニタ画面(編集画面)
30 圧力モニタ画面(編集画面)
31 AUX一覧モニタ画面(編集画面)
32 レシピ進捗モニタ画面(編集画面)
52 キーログデータメモリ内書き込みモジュール(キーログ保存手段)
53 メモリ→HD(ハードディスク)書き込みモジュール(キーログ保存手段)
54 キーログデータと画面ファイルリンク表示モジュール(表示形式変更手段)
226 ハードディスク(記憶手段)
227 メモリ(記憶手段)
69 Prevキー(前画面キー)
71 Nextキー(次画面キー)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理に関するプログラムの編集画面を表示する表示手段と、
前記編集画面に表示される各種キーの操作をキーログとして収集するキーログ収集入力手段と、
前記キーにより編集された前記編集画面を前記キーログに関連付けて記憶手段に保存するキーログ保存手段と、
前記記憶手段に保存された前記編集手段と前記キーにより編集された部分の画面表示形式を、区別可能に変更する表示形式変更手段と、
を備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
基板処理に関するプログラムの編集画面に表示された各種キーの操作をキーログとして収集する工程と、
前記キーにより編集された前記編集画面を前記キーログに関連づけて保存する工程と、
前記編集画面と前記キーにより編集された部分の画面表示形式を区別可能に変更する工程と、
を有することを特徴とする基板処理装置の制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図10】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−3914(P2011−3914A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170128(P2010−170128)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【分割の表示】特願2005−38797(P2005−38797)の分割
【原出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】