説明

基板実装型の光コネクタ

【課題】実装するために必要なスペースを大きくすることなく、回路基板との接続状態を電子部品や電気部品などが実装される側から検査できる基板実装型の光コネクタを提供すること。
【解決手段】他の回路基板5に実装して用いられる基板実装型の光コネクタであって、他の回路基板5に実装された状態において他の回路基板5に対向する側には、他の回路基板5に当接する部分を有する第一の面1116と、他の回路基板5から離間する第二の面1117とを有する第一のサブハウジング11と、第二の面から突出する部分を有する端子金具16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板実装型の光コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両の内部には、各種所定の電装機器が搭載される。そして、電装機器どうしは、ワイヤーハーネスによって接続される。一般に、電装機器は、所定の電子部品や電気部品などが実装されるとともに、外部と信号を送受信するためのコネクタが実装される。そして、回路基板に実装されるコネクタ(=基板実装型のコネクタ)と、ワイヤーハーネスの電線に装着されるコネクタとが接続されることによって、電装機器どうしの間で、信号が送受信可能となる。
【0003】
なお、自動車などの車両においては、搭載される電装機器の増加に伴い、車両内部での情報通信量が増加してきている。そこで、ワイヤーハーネスに、電線に比較して多量の信号を高速に伝送できる光ファイバーケーブルが適用されるようになってきている。このため、光ファイバーケーブルが適用されたワイヤーハーネスよって信号を送受信するため、自動車に搭載される電装機器の回路基板に実装されるコネクタには、光コネクタ(=基板実装型の光コネクタ)が適用される。
【0004】
一般的な回路基板の表面には、回路パターン(配線パターンとも称する)が形成されるとともに、所定の電子部品や電気部品が実装される。そして、これら所定の電子部品や電気部品は、ハンダ付けによって、回路パターンに電気的に接続されるとともに物理的に固定される。
【0005】
また、一般的な基板実装型の光コネクタは、コネクタハウジングとコネクタハウジングから突出するピン状の端子をと有する。そして、ピン状の端子が回路基板に形成される回路パターンにハンダ付けされることによって、基板実装型の光コネクタが回路基板の回路パターンに電気的に接続される。
【0006】
しかしながら、このような構成の基板実装型の光コネクタは、次のような問題を有する。
【0007】
基板実装型の光コネクタを回路基板に実装するためには、回路基板に形成される貫通孔に、コネクタハウジングから突出するピン状の端子を挿入して反対側から突出させる。そして、ピン状の端子を突出させた側からハンダ付けを行う。このような構成であると、回路基板に形成される貫通孔の入口のうち、光コネクタが実装される側の入口は、コネクタハウジングにより覆われて見えない。このため、光コネクタの端子のハンダ付けの状態を確認するためには、回路基板を反転させる必要がある。このため、回路基板の検査に手間を要する。また、回路基板に形成される貫通孔の入口がコネクタハウジングに塞がれて見えないから、ハンダが確実に流れているか否かを確認することが困難である。
【0008】
なお、これらのような問題を解決するため、たとえば、端子をコネクタハウジングの横方向に突出させ、コネクタハウジングで覆われない位置で、端子を回路基板にハンダ付けする構成が適用できる。しかしながら、このような構成では、光コネクタを回路基板に実装するために必要なスペースが大きくなるという問題を有する。自動車などの車両の内部スペースは限られているため、車両に搭載される各種電装機器は、小型化が要求されている。このため、電装機器に設けられる回路基板も、小型化する必要がある。端子を横方向に突出させる構成では、光コネクタを実装するために必要なスペースが大きくなるから、回路基板を大型化する必要がある(または、小型化することが困難となる)。
【0009】
また、前記構成を有する基板実装型の光コネクタは、回路基板の一方の面にコネクタハウジングが配設され、他方の面においてハンダ付けされる。すなわち、前記構成を有する光コネクタは、回路基板の回路パターンが形成される面とは反対側の面に実装される。このような構成であると、光コネクタ以外の電子部品や電気部品が表面実装型(=回路基板の回路パターンが形成される側の面に実装される電子部品や電気部品)であると、光コネクタを、電子部品や電気部品が実装される面と同じ面に実装できない。このため、実装作業において、回路基板を反転させる必要があり、実装作業に手間を要している。
【0010】
このような問題を解決するための構成としては、前記同様に、端子をコネクタハウジングの横方向に突出させ、コネクタハウジングの周囲の位置で、端子を回路基板にハンダ付けする構成が適用できる。しかしながら、このような構成であれば、前記同様の問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2002−82258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記実情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、実装するために必要なスペースを大きくすることなく、回路基板との接続状態を電子部品や電気部品などが実装される側から検査できる基板実装型の光コネクタを提供すること、または、実装するために必要なスペースを大きくすることなく、表面実装型の電子部品や電気部品が実装される側と同じ側に実装できる基板実装型の光コネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
他の回路基板に実装して用いられる基板実装型の光コネクタであって、前記他の回路基板に実装された状態において前記他の回路基板に対向する側には、前記他の回路基板に当接する部分を有する第一の面と、前記他の回路基板から離間する第二の面とを有するコネクタハウジングと、前記第二の面から突出する部分を有する端子とを備えることを要旨とするものである。
【0014】
前記コネクタハウジングの前記第一の面と前記第二の面とは段差面となっている構成が適用できる。
【0015】
前記コネクタハウジングには前記端子を係止可能な係止孔が形成され、前記端子は前記係止孔に圧入されている構成であることが好ましい。
【0016】
前記コネクタハウジングには、前記端子が配設されるとともに前記第一の面と前記第二の面が形成される第一の部分と、他の光コネクタと結合するための第二の部分と、前記第一の部分と前記第二の部分との間に設けられ前記第一の部分および前記第二の部分よりも変形容易な第三の部分とが設けられる構成であることが好ましい。
【0017】
前記コネクタハウジングの前記第三の部分は、前記第一の部分および前記第二の部分よりも厚さが薄い構成が適用できる。
【0018】
前記コネクタハウジングの内部には、前記端子に結合される回路基板と、電気信号と光信号とを互いに変換する機能を有する光素子モジュールとが配設され、前記回路基板と前記光素子モジュールとが前記回路基板および前記光素子モジュールよりも変形容易な可撓性配線により電気的に接続されている構成であることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明にかかる基板実装型の光コネクタは、他の回路基板に実装された状態において、コネクタハウジングの第一の面が他の回路基板の表面に当接し、第二の面が他の回路基板の表面から離間している。このため、他の回路基板の表面と、コネクタハウジングの第二の面との間に、隙間が形成される。端子は第二の面から突出しているから、端子が視認可能に露出する。このような構成であると、本発明にかかる基板実装型の光コネクタのコネクタハウジングが実装される側から、端子と他の回路基板との結合状態を確認することができる。このため、他の回路基板の検査のために、他の回路基板を反転させる必要がなくなる。したがって、他の回路基板の検査の手間を省略することができ、検査時間の短縮を図ることができる。
【0020】
また、本発明にかかる基板実装型の光コネクタは、他の回路基板の表面のうち、他の所定の電子部品や電気部品と同じ側に実装することができる。このため、他の回路基板に本発明にかかる基板実装型の光コネクタを含む所定の電子機器や電気機器を実装する工程において、他の回路基板を反転させる必要がなくなる。すなわち、他の回路基板の一方の表面に、本発明にかかる基板実装型の光コネクタを含む各種電子機器や電機器を配設し、これら電子機器や電機器が配設される面の側から、本発明にかかる基板実装型の光コネクタを含む各種電子機器や電機器を、他の回路基板に設けられる配線や端子に電気的に接続すること(たとえば、ハンダ付けすること)ができる。したがって、他の回路基板を反転させる必要がなくなり、本発明にかかる基板実装型の光コネクタが実装された他の回路基板の製造時間の短縮や、締造工程の単純化を図ることができる。
【0021】
そして、このような構成によれば、本発明にかかる基板実装型の光コネクタを他の回路板に実装するために必要なスペースを小さくすることができる(または、大きくしなくてもよい)。すなわち、本発明にかかる基板実装型の光コネクタによれば、上側または下側から見ると、端子がコネクタハウジングの輪郭からはみ出さないようにできる。このため、他の回路基板に、コネクタハウジングを配設するスペースがあれば、本発明にかかる基板実装型の光コネクタを他の回路板に実装することができる。
【0022】
このように、本発明にかかる基板実装型の光コネクタは、他の回路基板との接続状態を、他の所定の電子部品や電気部品などが実装される側から検査できる。さらに、本発明にかかる基板実装型の光コネクタは、表面実装型の電子部品や電気部品が実装される側と同じ側に実装できる。そして、このような作用効果を奏するために、本発明にかかる基板実装型の光コネクタを大型化する必要がない(=実装するために必要なスペースを大きくする必要がない)。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態にかかる基板実装型の光コネクタの構成を模式的に示した分解斜視図であり、下側から見た図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる基板実装型の光コネクタの構成を模式的に示した分解斜視図であり、上側から見た図である。
【図3】本発明の実施形態にかかる基板実装型の光コネクタの第一のサブハウジングの構成を模式的に示した図であり、(a)は横方向から見た平面図、(b)は横方向から見た断面図である。
【図4】(a)は、本発明の実施形態にかかる基板実装型の光コネクタの端子金具の構成を模式的に示した外観斜視図であり、(b)は端子金具が第一のサブハウジングに組み付けられた状態を模式的に示した断面図である。
【図5】本発明の実施形態にかかる基板実装型の光コネクタが他の回路基板に実装された状態を模式的に示した平面図であり、(a)は、端子金具の外側端部を他の回路基板を貫通させる構成を示した図、(b)は、端子金具の外側端部を他の回路基板を貫通させない構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の実施形態にかかる基板実装型の光コネクタについて、図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
本発明の実施形態にかかる基板実装型の光コネクタ1は、回路基板などに実装されて使用される光コネクタであり、光ファイバーケーブルの端部に装着された光コネクタと結合することができる。そして、本発明の実施形態にかかる基板実装型の光コネクタ1は、光ファイバーケーブルを通じて外部から伝送された光信号を電気信号に変換することと、電気信号を光信号に変換して光ファイバーケーブルを通じて外部に伝送することができる。
【0026】
なお、説明の便宜上、『本発明の実施形態にかかる基板実装型の光コネクタ1』を、『本光コネクタ1』と称することがある。また、本発明の実施形態にかかる基板実装型の光コネクタ1が実装される回路基板(=本発明の実施形態にかかる基板実装型の光コネクタ1を実装できる回路基板)を、『他の回路基板』と称し、光ファイバーケーブルの端部に装着され本発明の実施形態にかかる基板実装型の光コネクタ1と結合できる光コネクタを、『他の光コネクタ』と称する。そして、本発明の実施形態にかかる基板実装型の光コネクタ1のうち、他の回路基板に組み付けられる側を「下側」と称し、その反対側を「上側」称する。また、他の光コネクタと接続する側を「前端側」と称し、その反対側を「後端側」と称する。本発明の実施形態にかかる光コネクタ1を構成する部材や機器についても同様とする。
【0027】
図1は、本光コネクタ1の構成を模式的に示した分解斜視図であり、下側から見た図である。図2は、本光コネクタ1の構成を模式的に示した分解斜視図であり、上側から見た図である。図1と図2のそれぞれに示すように、本光コネクタ1は、第一のサブハウジング11と、第二のサブハウジング12と、光素子モジュール14と、回路基板13と、可撓性配線15と、端子金具16と、遮蔽部材17とを備える。
【0028】
本光コネクタ1の全体的な構成は、次のとおりである。第一のサブハウジング11と第二のサブハウジング12とが結合して、一個の筐体(すなわち、一個のコネクタハウジング)を形成する。そして、光素子モジュール14と回路基板13とが、コネクタハウジングの内部(=第一のサブハウジング11と第二のサブハウジング12との結合体の内部)に組み付けられる。光素子モジュール14と回路基板13とは、可撓性配線15により、互いに信号を送受信可能に接続される。さらに、所定の数の端子金具16が、コネクタハウジングの内部と外部との間を連通して設けられる。各端子金具16の一端は、回路基板13に電気的に接続される。一方、各端子金具16の他端は、他の回路基板に電気的に接続できるように、コネクタハウジングから外部に突出する。そして、コネクタハウジングの外部を覆うように、遮蔽部材17が取り付けられる。
【0029】
本光コネクタ1を構成する部材や機器の構成は、次のとおりである。
【0030】
第一のサブハウジング11は、第二のサブハウジング12とともに本光コネクタ1の筐体(=コネクタハウジング)となる部材である。第一のサブハウジング11は、たとえば樹脂材料などにより一体に成形される。図3(a)は、第一のサブハウジング11を図1の矢印Aの方向から見た平面図、図3(b)は、第一のサブハウジング11を図1の矢印Aの方向から見た断面図である。図1〜図3のそれぞれに示すように、第一のサブハウジング11は、第一の部分111と、第二の部分112と、第三の部分113とを有する。
【0031】
第一の部分111は、光素子モジュール14と回路基板13と可撓性配線15が収容されるとともに、端子金具16が組み付けられる部分である。第一の部分111は、内部が空洞で、上側および前端側が開放する略箱状の構成を有する。そして、第一の部分の下側(=他の回路基板5に対向する側)には、第一の面1116と第二の面1117とが形成される。さらに第一の部分111には、端子金具係止部1113と、光素子モジュール係止部1115とが設けられる。
【0032】
第一の部分111の第一の面1116は、本光コネクタ1が他の回路基板5に実装された状態において、他の回路基板5に当接する面(または当接する部分を有する面)である。第一の部分111の第二の面1117は、本光コネクタ1が他の回路基板5に実装された状態において、他の回路基板5と離間する面である。第一の部分111の第一の面1116と第二の面1117とは、段差となっており、第二の面1117は第一の面1116よりも上側に位置する。
【0033】
端子金具係止部1113は、端子金具16が組み付けられる部分である。端子金具係止部1113は、第一の部分111の後端側であって、第二の面1117の上側に設けられる。端子金具係止部1113の底面1112は、他の部分の底面1111よりも上側に位置している。このため、第一の部分111には、上下方向位置が互いに異なる段差状の底面1111,1112が形成される。
【0034】
端子金具係止部1113には、端子金具16の数に応じた数の端子金具係止孔1114が形成される。端子金具係止孔1114は、軸線が略上下方向を向く貫通孔であり、第一の部分111の内側と外側とを連通する。このため、端子金具係止孔1114の下側の開口部(=入口、または出口)は、第一の部分111の第二の面1117に形成される。
【0035】
端子金具係止孔1114は、端子金具16を圧入することにより、端子金具16を第一のサブハウジング11(すなわち、本光コネクタのコネクタハウジング)に固定するための孔である。このため、端子金具係止孔1114は、端子金具16の外側端部161(後述)を貫通可能で被係止部163(後述)を圧入可能な寸法および形状に形成される。換言すると、端子金具係止孔1114は、端子金具16の被係止部163を『締まり嵌め』できる寸法および形状に形成される。たとえば、端子金具16の被係止部163に設けられる係止爪1631(後述)の先端どうしの距離(=背中合わせとなる係止爪1631の先端どうしの間の寸法)と略同じ断面形状および寸法を有するか、または、それよりも小さい寸法を有する。
【0036】
端子金具係止部1113の肉厚(=上下方向寸法。すなわち、端子金具係止孔1114の軸線方向寸法)は、端子金具16の固定に必要な寸法に設定される。すなわち、端子金具係止部1113の肉厚を厚くすると、端子金具16と第一のサブハウジング11との結合強度が高くなる(=端子金具16が端子金具係止孔1114から抜けにくくなる)。このため、図1〜図3に示すように、端子金具係止部1113の肉厚が、他の部分の肉厚よりも大きい構成であることが好ましい。
【0037】
光素子モジュール係止部1115は、光素子モジュール14を位置決めする機能を有する部分である。光素子モジュール係止部1115の形状および寸法は、光素子モジュール14の形状および寸法に応じて設定される。光素子モジュール係止部1115は、光素子モジュール14に係止することにより位置決めできる構成であればよく、具体的な構成は限定されない。
【0038】
第一のサブハウジング11の第二の部分112は、他の光コネクタと係合することができる部分である。第二の部分112は、前後方向に貫通する筒状の構成を有する。換言すると、第二の部分112は、他の光コネクタの前端部を挿入できる貫通孔が形成される部分である。このため、第二の部分112は、第一の部分とは異なり、上側が開放していない。また、第二の部分112の内周面には、他の光コネクタを係止できる突起状の係止部1121が形成される。この係止部1121が、他の光コネクタに係止する(具体的には、引っ掛かる)ことにより、本光コネクタ1と他の光コネクタとが結合した状態に維持される。
【0039】
第一のサブハウジング11の第三の部分113は、第一の部分111と第二の部分112との間に形成される部分である。第三の部分113は、第二の部分112に加わった外力を緩和して第一の部分111に伝わらないようにする(または、第一の部分111に伝わる力を弱める)機能を有する。このため、第三の部分113は、第一の部分111および第二の部分112に比較して撓み変形しやすい構成を有する。具体的には、第三の部分113は、第一の部分111および第二の部分112に比較して肉厚が薄い構成を有する。第一のサブハウジング11が樹脂材料により一体に形成される構成であれば、相対的に肉厚が薄い部分は、相対的に肉厚が厚い部分よりも撓み変形しやすくなる。このため、第三の部分113が、第一の部分111および第二の部分112に比較して肉厚が薄く形成されると、第三の部分113は第一の部分111および第二の部分112よりも撓み変形しやすくなる。
【0040】
第二のサブハウジング12は、第一のサブハウジング11ともに本光コネクタ1の筐体となる部材であり、第一のサブハウジング11の上側を塞ぐ蓋となる部材である。第二のサブハウジング12には、光素子モジュール係止部121が設けられる。第二のサブハウジング12の光素子モジュール係止部121は、第一のサブハウジング11の光素子モジュール係止部1115と同様の機能と構成を有する。なお、第二のサブハウジング12の構成は、特に限定されるものではなく、第一のサブハウジング11の構成に応じた構成を有する。要は、第二のサブハウジング12は、第一のサブハウジング11に結合することができ、結合した状態において、第一のサブハウジング11の上側を塞ぐとともに、それらの内部に光素子モジュール14と回路基板13と可撓性配線15を収容できる構成であればよい。
【0041】
光素子モジュール14は、電気信号を光信号に変換する機能と、光信号を電気信号に変換する機能とを有する(=電気信号と光信号と互いに変換する機能を有する)モジュール(=電気機器)である。このため、光素子モジュール14は、光信号を電気信号に変換する素子(たとえば、フォトトランジスタやフォトダイオードなど)と、電気信号を光信号に変換する素子(たとえば、LEDなどの各種発光素子)とを有する。なお、本光コネクタ1の光素子モジュール14には、従来公知の光素子モジュールが適用できる。したがって、説明は省略する。
【0042】
回路基板13は、他の回路基板から伝送された電気信号を光素子モジュール14に伝送する機能と、光素子モジュール14から伝送された電気信号を他の回路基板に伝送する機能とを有する。回路基板13には、端子金具16の内側端部162(後述)を挿入可能な貫通孔131が形成される。なお、本光コネクタ1の回路基板13には、公知の各種回路基板が適用できる。したがって説明は省略する。
【0043】
可撓性配線15は、光素子モジュール14と回路基板13とを信号を送受信可能に接続する配線である。可撓性配線15は、可撓性を有する(換言すると、変形容易な)回路基板(たとえば、FPC)や電線が適用される。要は、可撓性配線15は、光素子モジュール14および回路基板13よりも変形容易であればよい。換言すると、光素子モジュール14と回路基板13とは、それらよりも変形しやすい可撓性配線15によって信号を送受信可能に接続される。光素子モジュール14と回路基板13とが可撓性配線15により接続される構成であると、光素子モジュール14と回路基板13とに外力が加わった場合や、光素子モジュール14と回路基板13との相対的な位置関係が変化した場合において、可撓性配線15が変形することによって、光素子モジュール14および回路基板13に無理な力が掛からない(たとえば、破損等しない)ようにできる。
【0044】
端子金具16は、回路基板13と他の回路基板とを、電気信号を送受信可能に結合する機能を有する。また、端子金具16は、本光コネクタ1を他の回路基板に物理的に固定する機能を有する(=本光コネクタ1と他の回路基板との結合強度の一部を担う)。
【0045】
図4(a)は、端子金具16の構成を模式的に示した外観斜視図である。図4(b)は、端子金具16が第一のサブハウジング11に組み付けられた状態を模式的に示した断面図である。
【0046】
図4(a)に示すように、端子金具16は、導体からなる略棒状の部材である(換言すると、略ピン状の部材である)。そして、端子金具16には、外側端部161と、内側端部162と、被係止部163と、係止部164とが設けられる。さらに、被係止部163には、係止突起1631が設けられる。
【0047】
端子金具16の外側端部161は、他の回路基板に設けられる配線や端子に電気的に接続されるとともに物理的に結合される部分である。図4(b)に示すように、外側端部161は、第一のサブハウジング11に組み付けられた状態において、第一のサブハウジング11の外側(=下側)に突出する。外側端部161は、第一のサブハウジング11の端子金具係止部1113の端子金具係止孔114を貫通可能な断面寸法および形状を有する。たとえば、外側端部161の断面寸法は、端子金具係止孔1114の断面寸法よりも小さく形成される。
【0048】
端子金具16の内側端部162は、回路基板13に設けられる配線や端子に電気的に接続されるとともに、物理的に結合される部分である。図4(b)に示すように、内側端部162は、端子金具16が第一のサブハウジング11に組み付けられた状態において、第一のサブハウジング11の内側に収まる部分であり、第一のサブハウジング11の端子金具係止部1113の上側に突出する部分である。
【0049】
端子金具16の被係止部163は、端子金具16が第一のサブハウジング11に組み付けられた状態において、端子金具係止孔1114に係止することにより、端子金具16を第一のサブハウジング11に固定する部分である。被係止部163は、第一のサブハウジング11の端子金具係止孔1114に『締まり嵌め』できる構成を有する(換言すると、圧入することができる構成を有する)。たとえば、被係止部163の断面寸法は、端子金具係止孔1114の断面寸法と略同じか、またはそれよりも大きくされる。
【0050】
係止爪1631は、端子金具16と第一のサブハウジング11との結合強度の向上を図る機能を有する部分である(=端子金具16が端子金具係止孔1114から抜けにくくする機能を有する部分)である。係止爪16は、被係止部163の外周面から軸線方向に対して横方向に突出し、先細り形状を有する。このような構成であると、被係止部163が第一のサブハウジング11の端子金具係止孔1114に圧入されると、係止爪1631が端子金具係止孔1114の内周面に食い込む。そして、係止爪163が端子金具係止孔1114の内周面に食い込むことによって、端子金具16と第一のサブハウジング11との結合強度が向上する。
【0051】
端子金具16の係止部164は、端子金具16を第一のサブハウジング11に組み付ける際に、第一のサブハウジング11に対する端子金具16の軸線方向の位置決めをする機能を有する部分である。さらに、係止部164は、端子金具16が第一のサブハウジング11に組み付けられた状態において、端子金具16が第一のサブハウジング11から抜けることを防止する機能を有する。係止部164は、内側端部162と被係止部163との間に設けられ、軸線方向に対して横方向に突出する部分である(換言すると、横方向に張り出す部分である)。係止部164は、第一のサブハウジング11に形成される端子金具係止孔1114に嵌り込むことができない寸法および形状に形成される。たとえば、係止部164の断面寸法は、端子金具係止孔1114の断面寸法よりも大きく形成される。
【0052】
遮蔽部材17は、外部からのノイズを遮断する機能と、不要輻射を遮断する機能を有する部材である。遮蔽部材17は、内部が空洞で下側と前端側が開放する略箱状の部材(=略シェル状の部材)であり、導体により形成される。たとえば、遮蔽部材17は、金属板からなり、プレス加工により形成される。
【0053】
本光コネクタ1の組み付け構造は、次のとおりである。図5は、本光コネクタ1が組み付けられて、他の回路基板5に実装された状態を、模式的に示した断面図である。それぞれ、図5(a)は、端子金具16が他の回路基板5を貫通する構成を示し、図5(b)は、端子金具16が他の回路基板5を貫通しない構成を示す。図5を参照して説明する。
【0054】
端子金具16が、第一のサブハウジング11の端子金具係止部1113に設けられる端子金具係止孔1114に圧入される。具体的には、端子金具16の外側端部161を、第一のサブハウジング11の上側から端子金具係止孔1114に挿入して貫通させ、端子金具16の被係止部163を端子金具係止孔1114に圧入する。端子金具16の外側端部161の断面寸法は、端子金具係止孔1114の断面寸法よりも小さいから容易に貫通する。そして、端子金具16の被係止部163が、端子金具係止孔1114の内部に収まる。この状態で、端子金具16の被係止部163に設けられる係止爪1631が、端子金具係止孔1114の内周面に食い込む。このため、端子金具16は、端子金具係止孔1114から抜脱困難となる。
【0055】
そして、端子金具16の係止部164を第一のサブハウジング11の端子金具係止部1113の底面1112に当接させる。これにより、端子金具16が第一のサブハウジング11に対して位置決めされる(=軸線方向の位置が確定する)。さらに、端子金具16の係止部164は、端子金具係止孔1114を通過することができないから、端子金具16に第一のサブハウジング11の外部から引っ張り力が加わった場合であっても、端子金具16が第一のサブハウジング11から抜けることが防止される。
【0056】
端子金具係止孔1114の下側の開口部は、第一の部分111の第二の面1117に形成される。このため、端子金具16の外側端部161は、第一の部分111の第二の面1117(すなわち、他の回路基板5に実装された状態において、他の回路基板5から離間する面)から下側に向かって(=他の回路基板5の側に向かって)突出する。
【0057】
光素子モジュール14と回路基板13と可撓性配線15との組立体が、第一のサブハウジング11の第一の部分111に収容される。回路基板13には、端子金具16の内側端部162を挿通可能な貫通孔131が形成されており、回路基板13が第一のサブハウジング11に組み付けられると、端子金具16の内側端部162が、回路基板13の貫通孔131を貫通して上側に突出する。そして、回路基板13に設けられる配線や端子と端子金具16とを電気的に接続するとともに、物理的に結合する。たとえば、第一のサブハウジング11の上側から、端子金具16の内側端部162を回路基板13に設けられる配線や端子にハンダ付けをする。端子金具16は第一のサブハウジング11に固定されているから、回路基板13に端子金具16が固定されると、回路基板13は第一のサブハウジング11に対しても位置決めされて固定される。
【0058】
第二のサブハウジング12が第一のサブハウジング11に結合されると、光素子モジュール14と回路基板13と可撓性配線15の組立体が、第一のサブハウジング11と第二のサブハウジング12との結合体の内部に収容される。そして、光素子モジュール14は、第一のサブハウジング11および第二のサブハウジング12の光素子モジュール係止部1115,121により、第一のサブハウジング11と第二のサブハウジング12の結合体の内部に位置決めされる。
【0059】
さらに、遮蔽部材17が、第一のサブハウジング11と第二のサブハウジング12の結合体の外部を覆うように装着される。
【0060】
本光コネクタ1を他の回路基板5に実装する構成は、次のとおりである。図5(a)に示すように、本光コネクタ1を他の回路基板5の一方の面に配設する。そして、端子金具16の外側端部161を、他の回路基板5に形成される貫通孔52に挿入して他方の表面から突出させる。そして、突出させた端子金具16の外側端部161を、他の回路基板5に電気的に接続するとともに、物理的に結合する。たとえば、他の回路基板5の他方の表面から、端子金具16の外側端部161を、他の基板5に設けられる配線や端子51にハンダ付けする。また、図5(b)に示すように、端子金具16の外側端部161を曲げ、本光コネクタ1を他の回路基板5の一方の面に配設する。そして、他の回路基板5の一方の表面の側から、端子金具16の外側端部161を、他の回路基板5の一方の表面に設けられる配線や端子51にハンダ付けをする。このように、本光コネクタ1は、他の回路基板5の配線や端子51が設けられる側の表面と、設けられない側の表面のいずれにも実装することができる。
【0061】
このように、本光コネクタ1の第一サブハウジング11と第二のサブハウジング12の結合体(=本光コネクタ1のコネクタハウジング)のうち、他の回路基板5に対向する側には、他の回路基板5に実装された状態において、他の回路基板5に当接する(または当接する部分を有する)第一の面1116と、他の回路基板5から離間する第二の面1117が形成される。そして、端子金具16の外側端部161は、第二の面1117から下側に向かって(=他の回路基板5の側に向かって)突出する。このため、たとえば、第一の面1116と第二の面1117との間には段差が形成される。
【0062】
本光コネクタ1は、次のような作用効果を奏する。
【0063】
第一のサブハウジング11には、第一の部分111と第二の部分112との間に、変形しやすい第三の部分113が設けられる。このため、第二の部分112に加わった外力が第一の部分111に伝わることを防止または抑制できる。そして、第一の部分111に外力がかかることを防止または抑制できるから、たとえば、端子金具16と他の回路基板5との結合部分(たとえば、ハンダ付けされた部分)に負荷がかかることを防止または抑制できる。この結果、本光コネクタ1が他の回路基板5から剥離することや、本光コネクタ1と他の回路基板5との結合部分が損傷することを防止または抑制できる。
【0064】
たとえば、ワイヤーハーネスを車両などの内部に配索する作業において、本光コネクタ1と他の回路基板5との結合部分が破損や損傷することが防止または抑制される。ワイヤーハーネスに設けられる他の光コネクタを本光コネクタ1に接続する際に、本光コネクタ1に外力が加わる。また、本光コネクタ1に他の光コネクタを接続した後、他の光コネクタが装着されるワイヤーハーネスに引っ張り力などが加えられると、本光コネクタ1にも引っ張り力が伝達される。このように、ワイヤーハーネスを自動車などの内部に配索する作業において、第一のサブハウジング11の第一の部分111に、大きな外力が加わることがある。本光コネクタ1においては、第一のサブハウジング1の第二の部分112に加わった外力は、第三の部分113で緩和される。たとえば、本光コネクタのコネクタハウジングの第二の部分に、他の回路基板から引き剥がされるように力が加わった場合であっても、第三の部分が変形することによって、第一の部分に他の回路基板から引き剥がすような力が加わることを防止または抑制できる。このため、第一の部分に直接的に外力がかかることや、大きな力が掛かることが防止または抑制される。
【0065】
このほか、車両などの使用中には、他の回路基板5や光ファイバーケーブルが振動することがある。第一のサブハウジング11の第一の部分111は他の回路基板5に結合しており、第二の部分112は他の光コネクタと結合しているから、他の回路基板5と光ファイバーケーブルの振動の態様(たとえば、振動の向きや周波数や振幅)が互いに相違すると、第一のサブハウジング11の第一の部分111と第二の部分112には、互いに異なる態様で変位するような力が加わる。このような場合であっても、第三の部分113が変形することによって、第一の部分111と第二の部分112との振動の態様の相違が吸収される。したがって、特に第一の部分111に、他の基板5から引き剥がされるような力が加わることや、端子金具16と他の基板5との結合箇所が損傷するような力が掛かることが防止または抑制される。
【0066】
このように、本光コネクタ1が破損することや、本光コネクタが他の回路基板から引き剥がされることや、本光コネクタと他の回路基板との結合部分が破損することが防止または抑制される。
【0067】
そして、本光コネクタ1は、第一のサブハウジング11に、第一の部分111および第二の部分112よりも変形しやすい第三の部分113を設け、第三の部分113を変形させることによって、第一の部分111や第二の部分112に大きな負荷がかかることが防止される構成である。このため、第一の部分111および第二の部分112の強度を向上させなくても、第一の部分111および第二の部分112が損傷することや、第一の部分111に対して他の基板5から分離するような力が掛かることや、本光コネクタ1と他の回路基板5との結合箇所が損傷することを、防止もしくは抑制できる。したがって、本光コネクタ1を大型化することなく、本光コネクタ1の損傷や、本光コネクタ1が他の回路基板5から分離することを防止または抑制することができる。すなわち、本光コネクタ1の強度の向上のためや、本光コネクタ1と他の回路基板5との結合箇所の結合強度の向上を図るために、本光コネクタ1を大型化する必要がない。
【0068】
また、光素子モジュール14と回路基板13とは、可撓性配線15によって結合されるから、本光コネクタ1に外力が加わって光素子モジュール14と回路基板13との相対的な位置関係が変化した場合であっても、光素子モジュール14と回路基板13との損傷を防止または抑制できる。さらに、光素子モジュール14に外力が加わった場合であっても、回路基板13には外力が伝わらないから、回路基板13と端子金具16との結合部分に負荷が加わらないようにできる。このため、回路基板13と端子金具16との間の電気的な接続や物理的な結合が破壊されることが防止または抑制される。
【0069】
また、本光コネクタ1においては、端子金具16は第一のサブハウジング11端子の金具係止孔1114に圧入されて固定されている。このため、端子金具16に外力が加わった場合であっても、端子金具16と回路基板5との結合箇所に外力が伝達することが防止され、破損することが防止される。たとえば、本光コネクタに、他の回路基板から引き剥がすような力が加わると、端子金具16の外側端部161には、引っ張り力や曲げ力などがかかることがある。端子金具16の外側端部161に加わる外力は、端子金具16の被係止部163や係止部164を通じて第一のサブハウジング11に伝達されるから(第一のサブハウジング11が外力を負担するから)、内側端部162には伝達されない。したがって、端子金具16と回路基板5との結合箇所に外力が伝達されることが防止され、損傷することが防止される。
【0070】
また、端子金具16が第一のサブハウジング11の端子金具係止孔1114に圧入される構成であると、本光コネクタ1を製造する際に、端子金具16の位置決めが容易となる。すなわち、端子金具16を端子金具係止孔1114に圧入するだけで、端子金具16が第一のサブハウジング11に位置決めされて固定される。このように、端子金具16の組付けの手間を省略することができる。
【0071】
さらに、端子金具16が第一のサブハウジング11の端子金具係止孔1114に圧入される構成であると、端子金具16を第一のサブハウジング11に強固に固定することができる一方で、回路基板13と端子金具16との結合部分には負荷が加わらないようにできる。このため、端子金具16に、本光コネクタ1と他の回路基板5とを物理的に結合するための部材としての機能を持たせることができる。換言すると、端子金具16に、本光コネクタ1と他の回路基板5とを物理的に結合するための部材としての機能を持たせても、端子金具16と回路基板13との結合部分には負荷がかからないようにできる。したがって、本光コネクタ1を他の回路基板5に固定するための構成の単純化を図ることができる。
【0072】
このように、本光コネクタ1によれば、外力が加わった場合であっても、端子金具16が第一のサブハウジング11と第二のサブハウジング12の結合体(本光コネクタ1のコネクタハウジング)から外れることや、端子金具16と他の回路基板5との結合が損傷することを防止できる。さらに、本光コネクタによれば、端子金具16の組付けを容易としつつ、端子金具16とコネクタハウジングとの結合強度の向上を図ることができる。
【0073】
また、図5(a),(b)に示すように、本光コネクタ1は、他の回路基板5に実装された状態において、第一のサブハウジング11の第一の部分111に設けられる端子金具係止部1113の下側の面と、他の回路基板5との間に、隙間が形成される。このため、端子金具16の外側端部161が視認可能に露出する。
【0074】
このような構成であると、第一のサブハウジング11および第二のサブハウジング12(=本光コネクタ1のコネクタハウジング)が実装される側から、端子金具16のハンダ付けの状態を確認することができる。このため、他の回路基板5の検査のために、他の回路基板5を反転させる必要がなくなる。したがって、他の回路基板5の検査の手間を省略することができ、検査時間の短縮を図ることができる。
【0075】
また、このような構成であると、端子金具16と他の回路基板5との接続状態を確実に検査することができる。すなわち、他の回路基板5に形成される貫通孔52の一方の表面側の開口部が視認可能に露出する。このため、図5(a)に示すように、他の回路基板5の他方の表面からハンダ付けを行う場合、ハンダ8が、他の回路基板5の一方の表面の側に染み出ているか否かを目視検査できる。したがって、たとえば、ハンダ8が染み出ている場合にはハンダ付けが充分であり、ハンダ8が染み出てない場合にはハンダ付けが不充分であると判定できる。
【0076】
さらに、このような構成であると、本光コネクタ1の実装状態の確認の手間を削減することができる。たとえば、一般的な回路基板は、一方の面に電子機器や電気機器が実装される構成を有する。他の回路基板5においては、各種電子機器や電機器が実装される面と同じ側の面に、本光コネクタ1が実装されることがある。本光コネクタ1においては、端子金具16の外側端部161と他の回路基板5に形成される貫通孔52の一方の表面側の開口部が視認可能に露出するから、各種電子機器や電機器が実装される面の側から、端子金具16の外側端部161と他の回路基板5との結合状態を視認することができる。このため、他の回路基板5に実装される電子機器や電機器の検査において、他の回路基板5を反転させる必要がなくなる。したがって、検査の手間を削減することや、検査時間の短縮を図ることができる。
【0077】
また、図5(b)に示すように、端子金具16の外側端部161を、他の回路基板5の本光コネクタ1が実装される側の面に結合する構成であると、他の回路基板5に実装される所定の電子部品や電気部品と同じ側に、本光コネクタ1を実装することができる。このため、他の回路基板5に本光コネクタ1を含む所定の電子機器や電気機器を実装する工程において、他の回路基板5を反転させる必要がなくなる。すなわち、他の回路基板5の一方の表面に、本光コネクタ1を含む各種電子機器や電機器を配設し、これら電子機器や電機器が配設される面の側から、本光コネクタ1を含む各種電子機器や電機器を、他の回路基板5に設けられる配線や端子51に電気的に接続すること(たとえば、ハンダ付けすること)ができる。したがって、他の回路基板5を反転させる必要がなくなり、本光コネクタ1が実装された他の回路基板5の製造時間の短縮や、締造工程の単純化を図ることができる。
【0078】
そして、このような構成によれば、本光コネクタ1を他の回路板5に実装するために必要なスペースを小さくすることができる(または、大きくしなくてもよい)。すなわち、本光コネクタ1によれば、上側または下側から見ると、端子金具16が第一のサブハウジング11および第二のサブハウジング12の結合体(=本光コネクタ1のコネクタハウジング)の輪郭からはみ出さないようにできる。このため、他の回路基板5に、本光コネクタ1のコネクタハウジングを配設するスペースがあれば、本光コネクタ1を他の回路板に実装することができる。
【0079】
このように、本光コネクタ1は、大型化することなく(=他の回路基板5に実装するために必要なスペースを大きくすることなく)、外力が加わった場合であっても、コネクタハウジングの損傷や、他の回路基板5との結合部分に大きな負荷がかかることや、他の回路基板5との結合部分が損傷することを防止もしくは抑制できる。さらに、本光コネクタ1は、大型化することなく(=実装するために必要なスペースを大きくすることなく)、他の回路基板5との接続状態を電子部品や電気部品などが実装される側から検査できる。また、本光コネクタ1は、大型化することなく(=実装するために必要なスペースを大きくすることなく)、表面実装型の電子部品や電気部品が実装される側と同じ側に実装できる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上、本発明の各実施形態について詳細に説明したが、本発明は、前記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変が可能である。
【0081】
たとえば、前記実施形態においては、第一のサブハウジングの第一の部分に形成される第一の面と第二の面との間に、段差が形成される構成を示したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。たとえば、第二の面が第一の面に対して傾斜する面であってもよい。また、第二の面は平面である必要はなく、曲面であってもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 本発明の実施形態にかかる基板実装型の光コネクタ
11 第一のサブハウジング
111 第一の部分
1111 端子金具係止部以外の部分(=その他の部分)の底面
1112 端子金具係止部の底面
1113 端子金具係止部
1114 端子金具係止孔
1115 光素子モジュール係止部
1116 第一の面
1117 第二の面
112 第二の部分
1121 係止部
113 第三の部分
12 第二のサブハウジング
121 光素子モジュール係止部
13 回路基板
131 貫通孔
14 光素子モジュール
15 可撓性配線
16 端子金具
161 外側端部
162 内側端部
163 被係止部
1631 係止爪
164 係止部
17 遮蔽部材
5 他の回路基板
51 配線や端子
52 貫通孔
8 ハンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の回路基板に実装して用いられる基板実装型の光コネクタであって、
前記他の回路基板に実装された状態において前記他の回路基板に対向する側には、前記他の回路基板に当接する部分を有する第一の面と、前記他の回路基板から離間する第二の面と、を有するコネクタハウジングと、
前記第二の面から突出する部分を有する端子と、
を備えることを特徴とする基板実装型の光コネクタ。
【請求項2】
前記コネクタハウジングの前記第一の面と前記第二の面とは段差面となっていることを特徴とする請求項1に記載の基板実装型の光コネクタ。
【請求項3】
前記コネクタハウジングには前記端子を係止可能な係止孔が形成され、前記端子は前記係止孔に圧入されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基板実装型の光コネクタ。
【請求項4】
前記コネクタハウジングには、前記端子が配設されるとともに前記第一の面と前記第二の面が形成される第一の部分と、他の光コネクタと結合するための第二の部分と、前記第一の部分と前記第二の部分との間に設けられ前記第一の部分および前記第二の部分よりも変形容易な第三の部分とが設けられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の基板実装型の光コネクタ。
【請求項5】
前記コネクタハウジングの前記第三の部分は、前記第一の部分および前記第二の部分よりも厚さが薄いことを特徴とする請求項4に記載の基板実装型の光コネクタ。
【請求項6】
前記コネクタハウジングの内部には、前記端子に結合される回路基板と、電気信号と光信号とを互いに変換する機能を有する光素子モジュールとが配設され、前記回路基板と前記光素子モジュールとが前記回路基板および前記光素子モジュールよりも変形容易な可撓性配線により電気的に接続されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の基板実装型の光コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−53246(P2012−53246A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195263(P2010−195263)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】