説明

基板搬送装置

【課題】被処理基板を浮上させた状態で平流し搬送する基板搬送装置であって、特に、浮上搬送される前記基板の下面に帯電している電荷を除去する。
【解決手段】浮上ステージ2A,2Cは、ガス噴射孔2aに隣設され、前記ガス噴射孔から噴射されたガスを排気するガス抜き孔16と、前記ガス噴射孔と前記ガス抜き孔との間に設けられ、前記基板に帯電する電荷を中和させるイオンを発生するイオン発生手段17とを備え、前記イオン発生手段は、所定の電圧が印加されることにより放電を発生させる針電極18と、前記針電極に所定の電圧を供給する給電ケーブル20とを有し、前記針電極は前記ガス噴射孔の中に配置され、前記給電ケーブルは前記ガス抜き孔から前記浮上ステージ外へ引き出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理基板を浮上させた状態で平流し搬送する基板搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、FPD(フラットパネルディスプレイ)の製造においては、いわゆるフォトリソグラフィ工程により回路パターンを形成することが行われている。
具体的には、ガラス基板等の被処理基板に所定の膜を成膜した後、処理液であるフォトレジスト(以下、レジストと呼ぶ)を塗布してレジスト膜を形成し、回路パターンに対応してレジスト膜を露光し、これを現像処理するものである。
【0003】
ところで近年、このフォトリソグラフィ工程では、スループット向上の目的により、被処理基板を略水平姿勢の状態で搬送しながら、その被処理面に対しレジストの塗布、乾燥、加熱、冷却処理等の各処理を施す構成が多く採用されている。
前記基板搬送の構成としては、基板支持部材のレジスト塗布面への転写を防止するため、基板を略水平姿勢の状態で所定の高さに浮上させ、基板搬送方向に搬送する浮上搬送が注目されている。
【0004】
この浮上搬送を用いた基板搬送装置は、例えばレジスト塗布処理装置に採用されている。その一般的な構成について図13に基づいて説明する。
例えば、図13の基板搬送装置200は、被処理基板であるLCD基板(液晶ディスプレイ基板)Gを浮上搬送するための浮上ステージ201と、浮上ステージ201の左右両側に敷設された一対のレール202と、基板Gの左右両側を保持し、レール202上をスライド移動するスライダ203とを備えている。
【0005】
また、浮上ステージ201上で浮上搬送されるLCD基板Gの表面にレジスト液を供給するレジストノズル204を備え、このレジストノズル204には、基板幅方向に長いスリット状の吐出口(図示せず)が設けられている。
また、浮上ステージ201の前段及び後段には、複数の搬送コロ206,207が回転可能に設けられ、基板Gは搬送コロ206によって浮上ステージ201に搬入され、浮上搬送後の基板Gは前記搬送コロ207によって搬出される構成となされている。
【0006】
また、浮上ステージ201の上面には、上方(Z方向)に向かって不活性ガスを噴射するための多数のガス噴射孔201aと、吸気を行うための多数の吸気孔201bとが夫々、X方向とY方向に一定間隔で交互に設けられている。そして、ガス噴射孔201aから噴射されるガス噴射量と吸気孔201bからの吸気量との圧力負荷を一定とすることによって、基板Gを浮上ステージ201の表面から一定の高さに浮上させるように構成されている。
【0007】
この構成により、レジスト液の塗布処理に際しては、浮上ステージ201上の基板Gは、レール202上をスライド移動するスライダ203により左右両端が保持され、X軸方向に移動する。そして、基板Gがレジストノズル204の下方を移動する際、スリット状の吐出口(図示せず)よりレジスト液が帯状に供給され、レジスト液が基板Gに塗布される。
【0008】
ところで、この基板搬送装置200において、浮上ステージ201に搬入された基板Gにあっては、浮上する基板Gの下面と浮上ステージ201の上面とを一対の極板として、その間に静電容量が形成される。
このため、前記レジスト液を基板G上に塗布する際、レジスト液が基板Gに接触することによって生じた電荷が基板Gに帯電しやすく、基板Gに塵埃等が付着したり、配線パターンが破損する虞があった。
【0009】
このような課題に対し、従来は、図示するように浮上ステージ201の後端部上方に、棒状のイオナイザ(イオン発生器)208を配置し、下方を搬送される帯電した基板に対しイオンを供給し、帯電を中和させて除電するようになされている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2011−29318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、浮上ステージ201上の基板Gには、前記したレジスト液の塗布中に生じた帯電だけではなく、浮上ステージ201への搬入前において搬送コロ206との接触により生じた電荷が基板Gの下面に帯電する。
しかしながら、図13に示す構成にあっては、基板Gの上面に対してイオンを供給するものであるため、基板Gの下面に帯電した電荷は除去することができなかった。
このため、基板Gは、帯電が残った状態で搬送コロ207に搬出され、その後端部が浮上ステージ上から搬送コロに移動する瞬間に、基板とステージとの間に形成された静電容量が突然に無くなり(急激に減少し)、基板電圧が突発的に上昇することがあった。そして、基板電圧が突発的に上昇すると、除電されずに残留していた電荷が放電され、それが配線パターンの破損や断線等の原因となるという課題があった。
【0012】
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、被処理基板を浮上させた状態で平流し搬送する基板搬送装置であって、特に、浮上搬送される前記基板の下面に帯電している電荷を除去することのできる基板搬送装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記した課題を解決するために、本発明に係る基板搬送装置は、基板搬送路を形成すると共に、上面に形成された複数のガス噴射孔からのガス噴射により被処理基板を浮上させる浮上ステージと、前記浮上ステージ上に浮上する前記基板の幅方向両端を保持し、基板搬送路に沿って移動することにより前記基板を平流し搬送する基板搬送手段とを具備する基板搬送装置であって、前記浮上ステージは、前記ガス噴射孔に隣設され、前記ガス噴射孔から噴射されたガスを排気するガス抜き孔と、前記ガス噴射孔と前記ガス抜き孔との間に設けられ、前記基板に帯電する電荷を中和させるイオンを発生するイオン発生手段とを備え、前記イオン発生手段は、所定の電圧が印加されることにより放電を発生させる針電極と、前記針電極に所定の電圧を供給する給電ケーブルとを有し、前記針電極は前記ガス噴射孔の中に配置され、前記給電ケーブルは前記ガス抜き孔から前記浮上ステージ外へ引き出されることに特徴を有する。
このように構成することにより、放電針の周りに発生したイオンをガス噴射孔から噴射したガスと共に基板下面に吹き付けることができる。このため、浮上ステージに搬入された基板の下面に帯電している電荷をステージ搬送の間に除電することができる。
【0014】
また、前記イオン発生手段は、一端から前記針電極を突出させた状態で保持すると共に、他端部から前記給電ケーブルが引き出された電極保持部を有し、前記浮上ステージにおいて、前記イオン発生手段が設けられる前記ガス噴射孔と前記ガス抜き孔との間には溝部が形成され、前記電極保持部が前記溝部に嵌合し、前記浮上ステージの上面と前記電極保持部の上面とが面一となされることが望ましい。
このように前記浮上ステージの上面と前記電極保持部の上面とが面一となされることにより、ガス噴射孔から噴射されたガスの乱流発生を抑制することができる。
【0015】
或いは、前記した課題を解決するために、本発明に係る基板搬送装置は、基板搬送路を形成すると共に、上面に形成された複数のガス噴射孔からのガス噴射により被処理基板を浮上させる浮上ステージと、前記浮上ステージ上に浮上する前記基板の幅方向両端を保持し、基板搬送路に沿って移動することにより前記基板を平流し搬送する基板搬送手段とを具備する基板搬送装置であって、前記浮上ステージは、該ステージ上面にライン状に穿設され、前記ガス噴射孔から噴射されたガスを排気する複数のガス抜き孔と、前記ガス抜き孔の一部領域を塞ぐように設けられ、前記基板に帯電する電荷を中和させるイオンを発生するイオン発生手段とを備え、前記イオン発生手段は、所定の電圧が印加されることにより放電を発生させる針電極と、前記針電極に所定の電圧を供給する給電ケーブルと、前記針電極を突出させた状態で保持すると共に、前記給電ケーブルが引き出された電極保持部とを有し、前記電極保持部が前記ガス抜き孔に嵌合することにより、前記電極保持部における前記針電極が設けられた面が前記ガス抜き孔の前記一部領域を塞ぎ、前記針電極が上方に臨んで配置されることに特徴を有する。
このように構成することにより、放電針の周りに発生したイオンを、噴射したガスと共に電極保持部の上面に沿って流し、基板の下面に接触させることができる。このため、浮上ステージに搬入された基板の下面に帯電している電荷をステージ搬送の間に除電することができる。
【0016】
また、前記電極保持部が前記ガス抜き孔に嵌合された状態で、該電極保持部の前記針電極が設けられた面は、前記浮上ステージの上面よりも低く配置されることが望ましい。
このように構成することで、電極保持部の上面とガス抜き孔の側面とによりガス流路を形成し基板下面に対し効率的にイオンを接触させることができる。
【0017】
また、前記イオン発生手段は、少なくとも基板幅方向に複数配置されていることが望ましく、それにより基板搬送に伴い、基板下面全体にイオンを供給することができる。
【0018】
或いは、前記した課題を解決するために、本発明に係る基板搬送装置は、基板搬送路を形成すると共に、上面に形成された複数のガス噴射孔からのガス噴射により被処理基板を浮上させる浮上ステージと、前記浮上ステージ上に浮上する前記基板の幅方向両端を保持し、基板搬送路に沿って移動することにより前記基板を平流し搬送する基板搬送手段とを具備する基板搬送装置であって、前記浮上ステージは、該ステージ内に形成され、前記複数のガス噴射孔にガスを供給するマニホールドと、前記マニホールド内に設けられ、前記基板に帯電する電荷を中和させるイオンを発生するイオン発生手段とを備えることに特徴を有する。
尚、前記イオン発生手段は、所定の電圧が印加されることにより放電を発生させる針電極と、前記針電極に所定の電圧を供給する給電ケーブルと、前記針電極を突出させた状態で保持すると共に、前記給電ケーブルが引き出された電極保持部とを有し、少なくとも前記針電極が前記マニホールド内に配置されていることが望ましい。
また、前記マニホールドの内面と前記ガス噴射孔の内面には、絶縁層が形成されていることが望ましい。
【0019】
このように構成することにより、マニホールド内にイオンを発生させることができ、マニホールドをガスと共に流れるイオンを、マニホールドに連通する複数のガス噴射孔から噴射し、基板の下面に吹き付けることができる。
これにより、基板の下面に帯電している電荷の大部分を、吹き付けたイオンによって中和し除電することができる。
即ち、この構成によれば、1つのイオン発生手段により発生させたイオンを複数のガス噴射孔から噴射させることができる。このため、例えば、全てのガス噴射孔からイオンを噴射させたい場合には、ガス噴射孔の数に対して大幅に少ない数のイオン発生手段の配置により対応することができる。
また、マニホールド底面側から針電極がマニホールド内に突出するように電極保持部を配置すれば、気流が形成されるステージ上面を加工形成する必要がなく、比較的容易に構成することができる。
【0020】
尚、前記浮上ステージの後端部上方に、下方を搬送される前記基板の表面に対し基板上の電荷を中和するためのイオンを供給する第2のイオン供給手段を備えることが望ましい。
このようにステージ後端において基板上面にイオンを供給する第2のイオン発生手段を設けることにより、浮上ステージから基板を搬出する際に、基板上面に帯電する電荷を除電することができる。
即ち、基板の上下面に対し除電することができるため、浮上ステージからの基板搬出時における基板電圧の突発的上昇を抑制し、パターン形成に係る不具合発生を防止することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、被処理基板を浮上させた状態で平流し搬送する基板搬送装置であって、特に、浮上搬送される前記基板の下面に帯電している電荷を除去することのできる基板搬送装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明にかかる一実施形態の全体概略構成を示す平面図である。
【図2】図2は、図1のレジスト塗布処理ユニット(基板搬送装置)のA−A矢視断面図である。
【図3】図3は、図1のレジスト塗布処理ユニット(基板搬送装置)の基板搬入部(及び基板搬出部)の第一の実施形態の平面図である。
【図4】図4は、図3の基板搬入部(及び基板搬出部)のB−B矢視断面図である。
【図5】図5は、基板搬入部(及び基板搬出部)に設けられた除電プローブの断面図及び平面図である。
【図6】図6は、図5の断面図において、除電プローブを設ける方法を説明するための断面図である。
【図7】図7は、図1のレジスト塗布処理ユニットにおける基板搬送処理の流れを示すフローである。
【図8】図8は、図1のレジスト塗布処理ユニットの基板搬送方向に沿った概略断面図である。
【図9】図9は、図1のレジスト塗布処理ユニット(基板搬送装置)の基板搬入部(及び基板搬出部)の第二の実施形態の平面図である。
【図10】図10は、図9の基板搬入部(及び基板搬出部)のC−C矢視断面図である。
【図11】図11は、図1のレジスト塗布処理ユニット(基板搬送装置)の基板搬入部(及び基板搬出部)の第二の実施形態の変形例を示す平面図である。
【図12】図12は、図1のレジスト塗布処理ユニット(基板搬送装置)の基板搬入部(及び基板搬出部)の第三の実施形態の断面図である。
【図13】図13は、従来の基板搬送装置(レジスト塗布処理ユニット)の概略構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の基板搬送装置にかかる第一の実施形態を、図面に基づき説明する。尚、この実施形態にあっては、本発明に係る基板搬送装置が、被処理基板であるガラス基板を浮上搬送しながら、前記基板に対し処理液であるレジスト液の塗布処理を行うレジスト塗布処理ユニットにおいて適用される場合を例にとって説明する。
図1は、本発明の基板搬送装置が適用されるレジスト塗布ユニットの平面図であり、図2は、図1のA−A矢視断面図である。
【0024】
図1、図2に示すように、このレジスト塗布処理ユニット1は、ガラス基板Gを枚様式に一枚ずつ浮上搬送するための浮上ステージ2(基板搬送路)を備え、基板Gが所謂平流し搬送されるように構成されている。
浮上ステージ2は、基板搬送方向(X軸方向)に沿って、基板搬入部2Aと、塗布処理部2Bと、基板搬出部2Cとが順に配置され構成されている。基板搬入部2A及び基板搬出部2Cの上面には、図1に示すように多数のガス噴射孔2aがX方向とY方向に一定間隔で設けられ、ガス噴射孔2aからの不活性ガスの噴射による圧力負荷によって、ガラス基板Gを浮上させている。
【0025】
また、塗布処理部2Bの上面には、多数のガス噴射孔2aとガス吸気孔2bとがX方向とY方向に一定間隔で交互に設けられている。そして、この塗布処理部2Bにおいては、ガス噴射孔2aからの不活性ガスの噴射量と、ガス吸気孔2bからの吸気量との圧力負荷を一定とすることによって、ガラス基板Gをよりステージに近接させた状態で浮上させている。
【0026】
また、浮上ステージ2の幅方向(Y軸方向)の左右側方には、X軸方向に平行に延びる一対のガイドレール5が設けられている。この一対のガイドレール5には、基板搬送方向(X軸方向)に移動可能に取り付けられたスライダ6(基板搬送手段)が設けられている。スライダ6には、ガラス基板Gの端部を下方から吸着保持する基板保持部7が設けられ、2つの基板保持部7により基板Gの幅方向両端部が保持されている。
【0027】
各基板保持部7は、図2に示すように、基板Gの下面に対し吸引動作により吸着可能な吸着部材7aと、吸着部材7aを昇降移動させる昇降駆動部7bとを有する。
尚、吸着部材7aには、吸引ポンプ(図示せず)が接続され、基板Gとの接触領域の空気を吸引して真空状態に近づけることにより、基板Gに吸着するようになされている。
【0028】
また、塗布処理部2Bの上方には、基板Gにレジスト液を吐出するノズル11が設けられている。ノズル11は、基板幅方向(Y方向)に向けて長い略直方体形状に形成され、基板幅よりも長く形成されている。
また、図2に示すようにノズル11の下端部には、スリット状の吐出口11aが形成され、このノズル11には、レジスト液供給源(図示せず)からレジスト液が供給され、前記吐出口11aからレジスト液が吐出されるようになされている。
【0029】
また、図1に示すようにノズル11の両側には、X方向に延びる第2のガイドレール8が設けられている。ノズル11は、第2のガイドレール8上を移動するノズルアーム9によって保持されている。このノズル11は、ノズルアーム9が有する駆動機構により、第2のガイドレール8に沿ってX方向に移動可能となされている。
また、ノズルアーム9には、昇降機構が設けられており、ノズル11は、所定の高さに昇降可能である。かかる構成により、ノズル11は、ガラス基板Gにレジスト液を吐出する吐出位置と、それより上流側にあるプライミングローラ10及び待機部12との間を移動可能となされている。
【0030】
前記プライミングローラ10は、洗浄タンク27内に軸周りに回転可能に収容されている。基板Gへの塗布処理前においては、プライミングローラ10の最上部にノズル11の吐出口11aが近接され、プライミングローラ10に対し所定量のレジスト液が吐出される。そして、プライミングローラ10が所定方向に回転され、ノズル11の吐出口11aにおけるレジスト液の付着状態が整えられるようになっている。
また、プライミングローラ10のさらに上流側には,ノズル11の待機部12が設けられている。この待機部12には、ノズル11を洗浄するノズル洗浄部12aとノズル11の乾燥防止部12bとが設けられ、基板Gへの塗布処理後に、ノズル洗浄部12aによりノズル先端が洗浄される。また、長時間、ノズル11を使用しないときには、ノズル先端が乾燥防止部12bに挿入され、ノズル内の乾燥が防止されるようになっている。
【0031】
また、基板搬出部2Cの後端部上方には、基板搬送路の幅方向に沿って取り付けられ、下方を搬送されるガラス基板Gの表面にイオンを供給する棒状のイオナイザ15が設けられている。
即ち、レジスト塗布に伴い電荷が帯電した基板Gの上面に対し、イオナイザ15からイオンが供給され、このイオンによって電荷が中和され、除電されるようになっている。
尚、このイオナイザ15は、例えば軟X線の照射により雰囲気をイオン化させる方式、あるいは、コロナ放電により発生させたイオンを基板Gに吹き付ける方式を用いることができる
【0032】
また、浮上ステージ2の後段には、コロ搬送部3が設けられている。このコロ搬送部3においては、浮上ステージ2の後段に、コロ駆動部30によって軸周りに回転可能となされた複数本のコロ軸31が並列に設けられている。各コロ軸31には、複数の搬送コロ32が取り付けられ、これら搬送コロ32の回転によって基板Gを搬送する構成となされている。
【0033】
続いて、前記浮上ステージ2の基板搬入部2A及び基板搬出部2Cの構成について、図3、図4に基づき詳しく説明する。尚、基板搬入部2Aと基板搬出部2Cとは、基本的に同じ構成であるため、共通の図面として説明する。
図3は、基板搬入部2A(基板搬出部2C)の平面図であり、図4は、図3のB−B矢視断面図である。
前記したように基板搬入部2A及び基板搬出部2Cの上面には、多数のガス噴射孔2aがX軸方向とY軸方向に一定間隔で設けられ、ガス噴射孔2aからの不活性ガスの噴射による圧力負荷によって、ガラス基板Gを浮上させるようになっている。
【0034】
また、図3に示すように、ステージ上面には、前記ガス噴射孔2aからステージ上に噴射されたガスを排気するためのライン状のガス抜き孔16が複数形成されている。これら複数のガス抜き孔16は、この実施形態においてはX軸方向(基板搬送方向)及びY軸方向(基板幅方向)に対して斜めに延びる方向に形成され、それらは互いに平行に配置されている。
尚、ガス抜き孔16の配置パターンは、図示したものに限定されず、各ガス抜き孔16は、Y軸方向(基板幅方向)、或いはX軸方向(基板搬送方向)に沿って平行に形成されていてもよい。
このガス抜き孔16がステージ上に設けられることにより、ガス噴射孔2aから噴射されたガスがステージ上において整流され、基板Gを安定して浮上させることができる。
【0035】
また、図示するように、ガス噴射孔2aは、前記ガス抜き孔16に沿って配列されている。本実施形態にあっては、それぞれ隣り合うガス抜き孔16の間の領域に、2列に配列された複数のガス噴射孔2aを設けているが、これは1列、或いは3列以上であってもよい。
また、図4の断面図に示すように、基板搬入部2A(基板搬出部2C)は、例えばSUSにより形成されたステージ本体23を有し、このステージ本体23に前記ガス噴射孔2aとこれに連通する正圧マニホールド24が形成されている。前記正圧マニホールド24には、板状の基材25を介して圧縮ガスを該正圧マニホールド24に送り込むための圧縮ガス供給管26が接続されている。
【0036】
また、図3に示すように、ステージ上には、イオン発生手段としての除電プローブ17が複数設置されている。これら複数の除電プローブ17は、少なくとも基板幅方向に複数配置され、好ましくは、図示するように、基板搬送方向に対し千鳥配置される。尚、この複数の除電プローブ17の配置は、千鳥配置に限定されるものではなく、碁盤目状に配置してもよい。
各除電プローブ17は、図5(a)の断面図、図5(b)の平面図に示すように、イオンを発生するための放電針18(針電極)と、放電針18に高電圧を印加する給電ケーブル20とを備える。放電針18は、給電ケーブル20の先端部20aを覆う絶縁部材19によって保持され、さらに絶縁部材19は、ステージ本体23と同材質(例えばSUS)の板部材21により覆われている。
尚、絶縁部材19と板部材21とにより電極保持部28が構成され、この電極保持部28の一端において、放電針18が突出させた状態で保持され、他端部から前記給電ケーブル20が引き出されている。
【0037】
また、この除電プローブ17は、図6の断面図に示すようにガス抜き孔16とガス噴射孔2aとの間に形成された溝部22に嵌合し、放電針18がガス噴射孔2a内に位置するように配置されている。また、板部材21には螺子留め孔21aが形成され、これを利用してステージ本体に螺子固定されるようになされている。また、除電プローブ17は、溝部22に固定されると、図4に示すように、その上面がステージ面と面一となり、また、その側面と溝部22の側面との間には隙間が生じないように形成されている。これにより、ガス噴出口2aから噴射された不活性ガスの乱流発生が抑制される。
また、電極保持部28の後端から引き出された給電ケーブル20は、ガス抜き孔16からステージ下方に引き出され、電圧印加手段(図示せず)に接続されるようになされている。
【0038】
この構成において、給電ケーブル20から、前記電圧印加手段により放電針18に対し所定の高電圧(例えば、AC7KV)が印加されると、放電針18からコロナ放電が発生し、それにより空気がイオン化され、発生したイオンがガス噴射孔2aから噴射する不活性ガスと共に基板Gの下面に吹き付けられるようになっている。
【0039】
続いて、このように構成されたレジスト塗布処理ユニット1における基板搬送の一連の流れについて図7、図8を用いて説明する。
レジスト塗布処理ユニット1において、基板搬入部2Aに搬入されたガラス基板Gは、その幅方向両端が基板保持部7によって保持され、スライダ6の移動により基板搬入部2A上を搬送される(図7のステップS1)。この基板搬入部2Aにおける基板搬送時には、そのステージ上においてガス噴射孔2aより不活性ガスが噴射され、この不活性ガスが基板下面に当たった後にガス抜き孔16から排気される気流が形成される。即ち、ガス抜き孔16によって、不活性ガスの逃げ道が確保されるため、ステージ上で乱流が生じることが無く、基板Gは安定して浮上した状態となされる。
【0040】
また、除電プローブ17が配置された複数箇所のガス噴射孔2aにおいては、給電ケーブル20から放電針18に対し所定の高電圧が印加され、放電針18の周りにコロナ放電により発生したイオンが、ガス噴射孔2aから噴射する不活性ガスと共に基板Gの下面に吹き付けられる。
これにより、搬入された基板Gの下面に帯電している電荷の大部分が、吹き付けられたイオンによって中和され除電される。
また、基板搬送により基板Gの先端が、塗布処理部2Bにおける塗布開始位置に達すると、スライダ6の移動が停止される。
【0041】
また、一方でプライミングローラ10によりプライミング処理が施されたノズル11は、その先端(吐出口11a)が基板先端に近接される。
そして、吐出口11aからレジスト液Rが基板上に吐出されると共に、スライダ6が再びレール5に沿って塗布処理部2Bを移動開始し、これにより搬送される基板Gの上面にレジスト液Rが塗布される(図7のステップS2)。
尚、この塗布処理部2Bにおける基板搬送にあっては、ガス噴射孔2aから噴射したガスがガス吸気孔2bから吸引されるため、図8に示すようにガス吸気孔2bからの吸引力により基板Gはステージ面に近接された状態となり、基板Gの平面度がより安定した状態となされる。
【0042】
レジスト液の塗布が終了した基板Gは、基板搬出部2C上を搬送される(図7のステップS3)。ここでは、基板搬入部2Aと同様に、そのステージ上においてガス噴射孔2aより不活性ガスが噴射され、この不活性ガスが基板下面に吹き付けられてガス抜き孔16から排気される気流が形成される。
そして、除電プローブ17により発生されたイオンがガス噴射孔2aから噴射される不活性ガスと共に基板下面に吹き付けられ、これにより基板下面に残る電荷が略全て除電される。
さらに基板Gは、イオナイザ15の下方を通過しながら基板搬出部2Cから搬出される。ここで、イオナイザ15からは基板Gの上面にイオンが供給され、レジスト塗布処理によって基板Gに帯電していた電荷の大部分が中和され、除電される。
【0043】
また、浮上ステージ2上から搬出される基板Gは、その前端側から搬送コロ32上に載置され、搬送コロ32の回転によって搬送される(図7のステップS4)。この浮上ステージ2からの搬出工程にあっては、浮上搬送からコロ搬送に次第に切り替わるため、基板Gの下面に対向していた面の面積(対向面積)が基板Gの移動と共に急激に減少していく。
しかしながら、前記のように基板下面に帯電する電荷は、除電プローブ17から発生するイオンにより除電され、基板上面に帯電する電荷は、イオナイザ15から発生するイオンにより除電されるため、基板下面とステージ面との間に形成されていた静電容量が急激に減少しても、基板電圧の突発的な上昇が抑制される。
【0044】
以上のように、本発明に係る第一の実施形態によれば、浮上ステージ2の基板搬入部2Aと基板搬出部2Cとにおいて、複数の除電プローブ17がステージ上に配置され、それらプローブ先端の放電針18の周りに発生したイオンがガス噴射孔2aから噴射する不活性ガスと共に基板下面に吹き付けられる構成となされる。このため、浮上ステージ2に搬入された基板Gの下面に帯電している電荷をステージ搬送の間に除電することができる。
また、ステージ後端において基板上面にイオンを供給するイオナイザ15を設けることにより、ステージ2から基板Gを搬出する際に、基板上面に帯電する電荷を除電することができる。
即ち、基板Gの上下面に対し除電することができるため、浮上ステージ2からの基板搬出時における基板電圧の突発的上昇を抑制し、パターン形成に係る不具合発生を防止することができる。
【0045】
続いて、本発明の基板搬送装置にかかる第二の実施形態について図9、図10に基づき説明する。図9は、基板搬入部2A(基板搬出部2C)の第二の実施形態の平面図であり、図10は、図9のC−C矢視断面図である。
この第二の実施形態にあっては、前記第一の実施形態における除電プローブ17に代えて除電プローブ35が設けられる。この除電プローブ35は、図10に示すようにイオンを発生するための放電針36(針電極)と、放電針36に高電圧を印加する給電ケーブル38とを備える。放電針36は、給電ケーブル38の先端部38aを覆う絶縁部材37によって保持され、さらに絶縁部材37は、ステージ本体23と同材質(例えばSUS)の板部材39により覆われている。
尚、絶縁部材17と板部材39とにより直方体形状の電極保持部40が構成され、この電極保持部40の上面において、放電針36が突出させた状態で保持され、下面側から前記給電ケーブル38が引き出されている。
【0046】
また、図示するように除電プローブ35は、ガス抜き孔16の一部領域を塞ぐように配置され、図9の例では基板幅方向(Y軸方向)に複数の除電プローブ35が一列に配置されている。
各除電プローブ35は、図10に示すようにガス抜き孔16の下端から嵌め込まれ(嵌合し)、電極保持部40に形成されたフランジ40aがガス抜き孔16の下端部に係止して設けられている。このとき、上方に臨むプローブ上面35a(電極保持部40の上面)は、ステージ本体23の上面よりも低い位置となり、ガス抜き孔16の側壁16aと共に横方向のガス流路を形成している。
また、前記上方に臨むプローブ上面35aは、ガス抜き孔16の長手方向に沿って長い方形状に形成され、その中央に放電針36が配置されている。
また、図9に示すように複数の除電プローブ35は、各プローブ上面35aのY軸方向成分を連結することにより基板幅方向長さを略カバーするように配置されている。
【0047】
尚、この第二の実施形態にあっては、前記第一の実施形態とは除電プローブ35の設置箇所が異なるため、図6に示した溝部22をステージ本体23に形成する必要はない。即ち、ガス抜き孔16を利用して除電プローブ35を設置することができる。
また、本実施形態にあっては、それぞれ隣り合うガス抜き孔16の間の領域に、1列に配列された複数のガス噴射孔2aを設けているが、これは2列以上であってもよい。
【0048】
この構成により給電ケーブル38から、電圧印加手段(図示せず)により放電針36に対し所定の高電圧(例えば、AC7KV)が印加されると、放電針36からコロナ放電が発生し、それにより空気がイオン化される。
一方、ガス噴射孔2aから噴射された不活性ガスは、基板下面に吹き付けられた後、プローブ上面35aに沿って流れ、ガス抜き孔16から排気される。このため、放電針36の周りに発生したイオンは、前記不活性ガスと共にプローブ上面35aに沿って流れ、その間に基板Gの下面に接触する。ここで、前記したように各プローブ上面35aのY軸方向成分により基板幅方向長さが略カバーされるため、基板Gが搬送されることによって、前記発生したイオンを基板下面全体に供給することができる。
したがって、前記した第一の実施形態と同様に、浮上ステージ2に搬入された基板Gの下面に帯電している電荷をステージ搬送の間に除電することができる。
【0049】
尚、前記除電プローブ35は、ガス抜き孔16に嵌め込むことにより設置可能であるため、その位置を適宜変更することができる。
また、図9の例では、複数の除電プローブ35をY軸方向(基板幅方向)に沿って1列に配列するものとしたが、図11に示すように複数の除電プローブ35をステージ面において千鳥状に配置してもよい。
【0050】
続いて、本発明の基板搬送装置にかかる第三の実施形態について図12に基づき説明する。図12は、基板搬入部2A(基板搬出部2C)の第三の実施形態の一部拡大断面図である。
この第三の実施形態にあっては、前記第一の実施形態における除電プローブ17の配置が異なり、図12に示すように、除電プローブ17は、その放電針18が正圧マニホールド24内に位置するように配置される。
また、マニホールド24及びガス噴射孔2aの内面には、除電プローブ17により発生されたイオンが帯電しないよう、絶縁層29がコーティングされて形成されている。
【0051】
この構成により、給電ケーブル20から放電針18に対し所定の高電圧が印加されると、放電針18の周りに発生したイオンは、正圧マニホールド24を流れる。正圧マニホールド24を不活性ガスと共に流れるイオンは、マニホールド24に連通する複数のガス噴射孔2aから噴射され、基板Gの下面に吹き付けられる。
これにより、搬入された基板Gの下面に帯電している電荷の大部分が、吹き付けられたイオンによって中和され除電される。
即ち、この構成によれば、1つの除電プローブ17により発生させたイオンを複数のガス噴射孔2aから噴射させることができる。このため、例えば、全てのガス噴射孔2aからイオンを噴射させたい場合には、ガス噴射孔2aの数に対して大幅に少ない数の除電プローブ17の配置により対応することができる。
また、図示するように正圧マニホールド24の底面側から放電針18がマニホールド内に突出するように電極保持部28を配置すれば、気流が形成されるステージ上面を加工形成する必要がなく、比較的容易に構成することができる。
【0052】
尚、前記第一乃至第三の実施形態にあっては、基板搬入部2A(基板搬出部2C)において、浮上搬送される基板Gの下面にイオンを吹き付けて除電するものとしたが、その形態に限定されるものではない。例えば、基板搬入部2A(基板搬出部2C)において、基板Gを搬送停止の状態で保持し、停止している基板Gの下面にイオンを所定時間吹き付けて除電するようにしてもよい。
また、前記第一乃至第三の実施形態にあっては、本発明にかかる基板搬送装置をレジスト塗布処理ユニットに適用した場合を例にとって説明したが、塗布処理ユニットに限定されることなく、他の基板処理ユニット等においても好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0053】
1 レジスト塗布処理ユニット(基板搬送装置)
2 浮上ステージ(基板搬送路)
2A 基板搬入部(浮上ステージ)
2C 基板搬出部(浮上ステージ)
2a ガス噴射孔
6 スライダ(基板搬送手段)
11 ノズル
11a 吐出口
16 ガス抜き孔
17 除電プローブ(イオン発生手段)
18 放電針(針電極)
20 給電ケーブル
28 電極保持部
G ガラス基板(被処理基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板搬送路を形成すると共に、上面に形成された複数のガス噴射孔からのガス噴射により被処理基板を浮上させる浮上ステージと、前記浮上ステージ上に浮上する前記基板の幅方向両端を保持し、基板搬送路に沿って移動することにより前記基板を平流し搬送する基板搬送手段とを具備する基板搬送装置であって、
前記浮上ステージは、
前記ガス噴射孔に隣設され、前記ガス噴射孔から噴射されたガスを排気するガス抜き孔と、前記ガス噴射孔と前記ガス抜き孔との間に設けられ、前記基板に帯電する電荷を中和させるイオンを発生するイオン発生手段とを備え、
前記イオン発生手段は、
所定の電圧が印加されることにより放電を発生させる針電極と、前記針電極に所定の電圧を供給する給電ケーブルとを有し、
前記針電極は前記ガス噴射孔の中に配置され、前記給電ケーブルは前記ガス抜き孔から前記浮上ステージ外へ引き出されることを特徴とする基板搬送装置。
【請求項2】
前記イオン発生手段は、一端から前記針電極を突出させた状態で保持すると共に、他端部から前記給電ケーブルが引き出された電極保持部を有し、
前記浮上ステージにおいて、前記イオン発生手段が設けられる前記ガス噴射孔と前記ガス抜き孔との間には溝部が形成され、
前記電極保持部が前記溝部に嵌合し、前記浮上ステージの上面と前記電極保持部の上面とが面一となされることを特徴とする請求項1に記載された基板搬送装置。
【請求項3】
基板搬送路を形成すると共に、上面に形成された複数のガス噴射孔からのガス噴射により被処理基板を浮上させる浮上ステージと、前記浮上ステージ上に浮上する前記基板の幅方向両端を保持し、基板搬送路に沿って移動することにより前記基板を平流し搬送する基板搬送手段とを具備する基板搬送装置であって、
前記浮上ステージは、
該ステージ上面にライン状に穿設され、前記ガス噴射孔から噴射されたガスを排気する複数のガス抜き孔と、前記ガス抜き孔の一部領域を塞ぐように設けられ、前記基板に帯電する電荷を中和させるイオンを発生するイオン発生手段とを備え、
前記イオン発生手段は、
所定の電圧が印加されることにより放電を発生させる針電極と、前記針電極に所定の電圧を供給する給電ケーブルと、前記針電極を突出させた状態で保持すると共に、前記給電ケーブルが引き出された電極保持部とを有し、
前記電極保持部が前記ガス抜き孔に嵌合することにより、前記電極保持部における前記針電極が設けられた面が前記ガス抜き孔の前記一部領域を塞ぎ、前記針電極が上方に臨んで配置されることを特徴とする基板搬送装置。
【請求項4】
前記電極保持部が前記ガス抜き孔に嵌合された状態で、該電極保持部の前記針電極が設けられた面は、前記浮上ステージの上面よりも低く配置されることを特徴とする請求項3に記載された基板搬送装置。
【請求項5】
前記イオン発生手段は、少なくとも基板幅方向に複数配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された基板搬送装置。
【請求項6】
基板搬送路を形成すると共に、上面に形成された複数のガス噴射孔からのガス噴射により被処理基板を浮上させる浮上ステージと、前記浮上ステージ上に浮上する前記基板の幅方向両端を保持し、基板搬送路に沿って移動することにより前記基板を平流し搬送する基板搬送手段とを具備する基板搬送装置であって、
前記浮上ステージは、
該ステージ内に形成され、前記複数のガス噴射孔にガスを供給するマニホールドと、
前記マニホールド内に設けられ、前記基板に帯電する電荷を中和させるイオンを発生するイオン発生手段とを備えることを特徴とする基板搬送装置。
【請求項7】
前記イオン発生手段は、
所定の電圧が印加されることにより放電を発生させる針電極と、前記針電極に所定の電圧を供給する給電ケーブルと、前記針電極を突出させた状態で保持すると共に、前記給電ケーブルが引き出された電極保持部とを有し、
少なくとも前記針電極が前記マニホールド内に配置されていることを特徴とする請求項6に記載された基板搬送装置。
【請求項8】
前記マニホールドの内面と前記ガス噴射孔の内面には、絶縁層が形成されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載された基板搬送装置。
【請求項9】
前記浮上ステージの後端部上方に、下方を搬送される前記基板の表面に対し基板上の電荷を中和するためのイオンを供給する第2のイオン供給手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載された基板搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−195362(P2012−195362A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56724(P2011−56724)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】