説明

基板支持ユニット及びこれを有する基板加工装置

基板処理装置の基板支持ユニットは、第1支持部材、第2支持部材、緩衝部材、及びチューブを含む。第1支持部材は内部に電極及び発熱体を有し、基板を支持する。第2支持部材は第1支持部材の下部に備えられ、これを支持する。緩衝部材は第1支持部材と第2支持部材との間に備えられ、第1支持部材と第2支持部材との間で空隙を形成し、両者間の熱伝達を減少させる。チューブは第2支持部材を貫通して第1支持部材の下部面と接続し、電極及び発熱体に電源を印加するための配線を受容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板支持ユニット及びこれを有する基板加工装置に関する。より詳しくは、基板の加工のための前記基板を支持及び加熱する基板支持ユニット及びこれを有する基板加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、真空チャンバ内の基板支持ユニットにシリコンウエハー及びガラス基板のような基板を固定した状態で半導体素子または平板表示素子などを製造するための多様な工程が行われる。前記基板支持ユニットの種類としては、機械的な力を用いるクランプ、真空力を用いる真空チャック、静電気力を利用する静電チャックなどを挙げることができる。
【0003】
前記クランプは構造が複雑であり、前記工程が行われる間に汚染または変形されやすい。前記真空チャックは、前記基板が吸着される表面部位が容易に変形されることができ、真空環境において使用するには適していない。
【0004】
前記静電チャックは構造が簡単であり、前記基板の変形無しで前記基板を固定することができる。また、前記静電チャックは、前記基板の加工性を向上させるために前記基板を加熱する発熱体を備えるのに容易である。
【0005】
前記発熱体を備える基板支持ユニットに関する一例は、特許文献1(issued to You Wang,et al.)に開示されている。
【0006】
図1は、従来の技術による基板支持ユニットを説明するための断面図である。
【0007】
図1を参照すると、基板支持ユニット1は、基板Sを支持し電極12を含む誘電層10、前記誘電層10の下部に備えられ発熱体22を含むベース20、前記ベース20の下部に備えられ前記ベース20を支持する支持部30を含む。第1接着層40は、前記誘電層10と前記ベース20を接着し、第2接着層42は、前記ベース20と前記支持部30を接着する。封止部材50は、前記支持部30とチャンバ60との間を通じて真空が漏洩されることを防ぐ。
【0008】
前記誘電層10と前記ベース20が熱伝達の優秀なセラミック材質を含むため、前記発熱体22から発生した熱が前記誘電層10と前記ベース20を介して、支持部30を通じてチャンバ60の外部に伝達される。従って、前記発熱体22から発生した熱が損失されて前記誘電層10に置かれた基板Sが不均一に加熱されることができる。
【0009】
また、前記第1接着層40及び第2接着層42が金属材質を含んでいるため、前記基板Sを加工するための工程ガスと反応することができる。前記工程ガスと前記第1接着層40または第2接着層42の反応によって金属不純物が発生することができ、前記基板Sを汚染させることができる。
【0010】
金属材質を含む支持部30は、セラミックを含むベース20と互いに異なる熱膨張係数を有する。従って、前記発熱体22によって前記ベース20と前記支持部30が高温で加熱される場合、前記ベース20と前記支持部30に熱変形が発生することがある。
【0011】
前記支持部30を通じての熱損失を防ぐために、前記支持部30は、空洞32を含む。
しかし、前記空洞32は、前記チャンバ60への熱伝達を充分に防ぐことができず、これによって、前記支持部30を通じて伝達された熱によって前記封止部材50が劣化することができる。従って、前記支持部30と前記チャンバ60との間を通じて真空が漏洩されることができる。
【0012】
従って、前記基板支持ユニット1は、発熱体22から発生した熱の損失によって前記基板Sが不均一に加熱されるか、または、前記金属パーティクルによって前記基板Sが汚染されるか、或いは、前記支持部30とベース20の熱膨張係数の差によって前記ベース基板20と前記支持部30に熱変形が発生するか、または前記封止部材50の劣化によって真空が漏洩されるなどの問題点が発生することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第6,538,872号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は熱損失を減少させて基板を均一に加熱できる基板支持ユニットを提供する。
【0015】
本発明は前記基板支持ユニットを有する基板加工装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一側面による基板支持ユニットは、電極及び発熱体を有し、基板を支持する第1支持部材と、前記第1支持部材の下部に具備され、前記第1支持部材を支持する第2支持部材、及び前記第1支持部材と前記第2支持部材との間に具備され、前記第1支持部材と第2支持部材との間においての熱伝達を減少させるために前記第1支持部材と第2支持部材との間にエアギャップを形成する緩衝部材を含む。
【0017】
本発明の一実施形態によると、前記基板支持ユニットは、前記第2支持ユニットを貫通して前記第1支持部材の下部面と接続され、前記電極及び発熱体に電源を印加するための配線を受容するチューブをさらに含むことができる。
【0018】
前記基板支持ユニットは、前記第2支持部材と前記チューブとの間を封止するための封止部材をさらに含むことができる。前記基板支持ユニットは、前記封止部材と隣接する第2支持部材の内部に具備され、前記封止部材を冷却するための冷却ラインをさらに含むことができる。
【0019】
前記チューブは前記第1支持部材と同一材質を含むことができる。
【0020】
本発明の他の実施形態によると、前記基板支持ユニットは、第2支持部材の内部に具備され、前記第2支持部材を冷却するための冷却ラインをさらに含むことができる。
【0021】
本発明のまた他の実施形態によると、前記第1支持部材は、セラミック材質であることができる。
【0022】
本発明のさらに他の実施形態によると、前記第1支持部材と前記第2支持部材との間のエアギャップは、0.1mm〜0.5mmであることができる。
【0023】
本発明のさらに他の実施形態によると、前記緩衝部材と前記第1支持部材との接触面積と前記第1支持部材の下部面の面積の比率は0.05〜0.9:1であることができる。
【0024】
本発明のさらに他の実施形態によると、前記緩衝部材は、1〜30W/(m・K)の熱伝達係数を有することができる。
【0025】
本発明のさらに他の実施形態によると、前記熱伝達緩衝部材は、石英、Al、Y
、ZnO、SiOなどを含むことができる。これらは、単独或いは混合物の形態で使用することができる。
【0026】
本発明の他の側面による基板加工装置は、チャンバと、基板支持ユニットと、ガス提供部を含むことができる。前記チャンバは基板加工工程を遂行する空間を提供することができ、前記ガス提供部は、前記ガス提供部は、前記基板を加工するために、前記基板上に工程ガスを供給することができる。前記基板支持ユニットは、電極及び発熱体を有し、基板を支持する第1支持部材、前記第1支持部材の下部に具備され前記第1支持部材を支持する第2支持部材、及び前記第1支持部材と前記第2支持部材との間に具備され、前記第1支持部材と第2支持部材との間においての熱伝達を減少させるために前記第1支持部材と第2支持部材との間にエアギャップとを形成する緩衝部材を含むことができる。
【発明の効果】
【0027】
上述のような本発明の実施形態によると、第1支持部材は、基板を加工するために前記基板を支持することができ、前記基板を加熱するためにヒーターを有することができる。第2支持部材は、前記第1支持部材を支持することができる。前記第1支持部材と第2支持部材との間には緩衝部材が介在されることができ、前記緩衝部材によって前記第1支持部材と第2支持部材との間にエアギャップが形成されることができる。
【0028】
従って、前記第1支持部材と第2支持部材との間においての熱伝達は、前記エアギャップによって減少することができ、これによって、前記基板を効果的かつ均一的に加熱することができる。
【0029】
第1支持部材の下部面には第2支持部材を通じて延伸するチューブが接続されることができる。前記ヒーターは、前記チューブを通じて延伸する配線を通じて電源と接続することができる。つまり、前記チューブを利用して前記配線を前記ヒーターに容易に接続することができる。
【0030】
また、前記第2支持部材と前記チューブとの間には封止部材が介在されることができ、前記第2支持部材内には冷却ラインが配置されることができる。結果的に前記冷却ラインは、前記緩衝部材を通じての熱伝達による前記第2支持部材の熱的変形及び前記封止部材の劣化を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】従来技術による基板支持ユニットを説明するための断面図である。
【図2】本発明の一実施形態による基板支持ユニットを説明するための断面図である。
【図3】図2に示す基板支持ユニットを含む基板加工装置を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明は本発明の実施形態を見せる添付図面を参照してさらに詳細に説明する。しかし、本発明は下記で説明する実施形態に限定した通りに構成されなければならないのではなく、これと異なる色々な形態で具体化してもよい。下記の実施形態は本発明が全て完成できるようにするために提供するというよりは本発明の技術分野において熟練された
当業者に本発明の範囲を十分に伝達するために提供される。
【0033】
一つの要素が他の一つの要素または層上に配置または接続されることとして説明され
る場合、上記要素は上記他の一つの要素上に直接的に配置または接続されることもでき、他の要素または層がこれらの間に介在されることもできる。これと異なって、一つの要素が他の一つの要素上に直接的に配置または接続されることとして説明される場合、これらの間には、また他の要素が存在することはできない。類似する要素らに対しては、全体的に類似する参照符号が使用され、また、「及び/または」というの用語は、関連項目のうちの何れかの一つまたはそれ以上の組み合わせを含む。
【0034】
多様な要素、組成、領域、層、及び/または部分のような多様な項目を説明するために第1、第2、第3等の用語を使うことができるが、上記項目はこれらの用語によって限定されない。これらの用語は、単に他の要素から一つの要素を区別するために使われるのである。従って、下記で説明する第1要素、組成、領域、層、または部分は本発明の範囲内で第2要素、組成、領域、層、または部分として表現することができる。
【0035】
空間的に相対的な用語、例を挙げると、「下部」または「底」そして「上部」等の用語は、図面にて説明した通りに他の要素に対して一要素の関係を説明するために使用することができる。相対的な用語は、図面に示した方位に加えて装置の他の方位を含むことができる。例を挙げると、図面のうちの何れかの一つで装置の方向が変わるならば、他の要素の下部側にあると説明した要素が上記他の要素の上部側にあることと整合される。従って、「下部」という典型的な用語は、図面の特定方位に対して「下部」及び「上部」方位ともを含むことができる。これと類似に、図面のうちの何れかの一つで装置の方向が変わるならば、他の要素の「下」または「真下」として説明した要素は、上記他の要素の「上」として整合される。従って、「下」または「真下」という典型的な用語は「下」と「上」の方位ともを含むことができる。
【0036】
下記で使われた専門用語は単に特定実施形態を説明するための目的で使われることであって、本発明を限定するためのものではない。下記で使われた通り、単数の形態で表示するのは特別に明確に指示しない以上、複数の形態も含む。また、「有する」または「含む」という用語が使われる場合、これは言及された形態、領域、完全体、段階、作用、要素、及び/または成分の存在を特徴づけることであり、他の一つ以上の形態、領域、完全体、段階、作用、要素、成分、及び/またはこれらのグループの追加を排除するのではない。
【0037】
別に限定しない以上、技術及び科学用語を含む全ての用語らは本発明の技術分野で通常の知識を有する当業者に理解できる同一意味を有する。通常の辞書で限定されるのと同一の上記用語は関連技術と本発明の説明の文脈においてそれらの意味と一致する意味を有すると解釈するべきであり、明確に限定しない限り理想的または過度に外形的な直感で解釈しないべきである。
【0038】
本発明の実施形態は、本発明の理想的な実施形態の概略的な図面である断面図を参照して説明する。これによって、前記図面の形状からの変化、例えば、製造方法及び/または許容誤差の変化は予想できるものである。従って、本発明の実施形態は図面にて説明した領域の特定形状に限定した通りに説明されるのではなく、形状においての偏差を含むことである。例えば、平らなものと説明した領域は、一般的に凹凸及び/または非線形的な形態を有することもできる。また、図面にて説明した尖った角は丸まった形態になることもできる。従って、図面にて説明した領域は、全体的に概略的であり、これらの形状は領域の正確な形状を説明するためのものではなく、なお、本発明の範囲を限定するためのものでもない。
【0039】
図2は、本発明の一実施形態による基板支持ユニットを説明するための断面図である。
【0040】
図2を参照すると、本発明の一実施形態による基板支持ユニット100は、第1支持部材110、第2支持部材120、緩衝部材130、チューブ140、封止部材150、冷却ライン160などを含むことができる。
【0041】
前記第1支持部材110は、円板形態を有する。前記第1支持部材110の大きさは、半導体素子または平板表示素子を形成するための基板Sの大きさと同一であるか、または前記基板Sの大きさより大きいことができる。前記第1支持部材110は、基板Sを支持する。
【0042】
前記第1支持部材110は、燒結セラミックを含む。前記燒結セラミックを形成するセラミックの例としては、Al、Y、 ZrO、AlC、TiN、AlN、
TiC,MgO、CaO、CeO、TiO、B、BN、SiO、SiC、YAG、Mullite、AlFなどを挙げることができる。これらは、単独或いは複合的に使用することができる。
【0043】
前記第1支持部材110は、内部に電極112及び発熱体114を含む。
【0044】
図2に示すように、前記電極112は、前記第1支持部材110の上部面に近く配置することができる。本発明の実施形態によると、前記電極112は、1つであることができる。一例として、前記電極112は、直流電源と接続することができる。従って、前記電極112は、前記基板Sを吸着するための静電気力を発生することができる。他の例として、前記電極112は、高周波電源と接続することができる。従って、前記電極112は、前記基板Sを加工するために真空チャンバ60内で発生されたプラズマを前記基板Sに誘導することができる。さらに、他の例として、前記電極112は、前記直流電源及び前記高周波電源と同時に接続することができる。前記直流電源及び前記高周波電源は、個別的または組み合わせの形態で前記電極112と接続することができる。この場合、直流パワー及び高周波パターが選択的に前記電極112に印加されることができる。
【0045】
本発明の他の実施形態によると、前記電極112は、2つ、つまり第1電極及び第2電極を含むことができる。前記第1電極と前記第2電極は互いに接続せず、互いに異なる直流電源と接続することができる。例えば、前記第1電極には正のパワーが印加されることができ、前記第2電極には負のパワーが印加されることができる。
【0046】
一方、前記高周波電源は、LPF(low pass filter)、HPF(high pass filter)、BPF(band pass filter)、及びBRF(band rejection filter)のような帯域フィルタ(band filter)を含むことができる。
【0047】
前記電極112は、電気抵抗が小さく、熱膨張率の低い金属材質を含む。前記金属の例としては、タングステンW、モリブデンMo、銀Ag、金Au、またはこれらの合金を挙げることができる。
【0048】
前記発熱体114は、前記第1支持部材110の内部で前記電極112の下に配置されることができる。前記発熱体114は、電源と接続されることができ、前記基板Sを加熱するために使用することができる。前記基板Sの加熱温度は、約250〜350℃であることができる。前記発熱体114は、電気抵抗の小さい金属材質を含む。前記金属の例としては、タングステンW、モリブデンMo、タンタルTa、またはこれらの合金を挙げる
ことができる。
【0049】
前記第2支持部材120は、円板形態を有する。前記第2支持部材120は、前記第1支持部材110の下部に具備される。前記第2支持部材120は、金属を含むことができる。
【0050】
前記緩衝部材130は、前記第1支持部材110と前記第2支持部材120との間に具備される。特に、前記緩衝部材130は、前記第2支持部材120上に配置されることができ、前記第1支持部材110と部分的に支持することができる。前記第1支持部材110は、前記緩衝部材130によって前記第2支持部材120から離隔されることができる。一例として、前記緩衝部材130は、リング形態を有することができる。他の例として、前記緩衝部材130は、前記第1支持部材110を支持するための複数のブロックを含むことができる。前記緩衝部材130は、前記第1支持部材110及び第2支持部材120との間の熱伝達を減少させるために具備することができる。
【0051】
前記緩衝部材130は、前記第1支持部材110及び第2支持部材120と部分的に接触することができる。特に、前記第1支持部材110と前記緩衝部材130との間の接触面積と前記第1支持部材110の下部面の面積の第1比率は、約0.05〜0.9:1程度であることができる。
【0052】
前述のように、前記第2支持部材120が前記第1支持部材110に直接接触せず、前記緩衝部材が前記第1支持部材110と部分的に接触するため、前記第1支持部材110と第2支持部材120との間においての熱伝達が減少することができる。結果的に、前記第2支持部材120を通じての熱損失が減少することができる。
【0053】
一方、前記緩衝部材130と前記第2支持部材120との間の接触面積と前記第2支持部材120の上部面の面積の第2比率は、約0.05〜0.9:1程度であることができる。
【0054】
前記第1比率が0.05未満である場合、前記第1支持部材110が前記緩衝部材130によって安定的に支持されにくく、前記第1比率が0.9を超過する場合、前記第2支持部材を通じての熱損失を効果的に減少させることが難しい。
【0055】
また、前記第2比率が0.05未満である場合、前記第1支持部材110と前記緩衝部材130が不安定になることがあり、前記第2比率が0.9を超過する場合、前記第2支持部材を通じての熱損失を効果的に減少させることが難しい。
【0056】
前記第1支持部材110と前記第2支持部材120が互いに離隔されるため、前記第1支持部材110と前記第2支持部材120との間にエアギャップ132が形成される。前記エアギャップ132は、前記第1支持部材110と前記第2支持部材120との間の熱伝達を減少させて前記第2支持部材120を通じての熱の損失を減らすことができる。
【0057】
前記第1支持部材110と前記第2支持部材120との間のエアギャップ132は、約0.1〜5mmであることができる。
【0058】
前記エアギャップ132が、約0.1mm未満である場合、前記第1支持部材110と第2支持部材120との間で熱伝達を充分に減少させることができず、前記エアギャップ132が、約5mmを超過する場合、前記第1支持部材110と前記第2支持部材120との間の熱伝達を充分に減少させることができるが、前記基板支持ユニット100のサイズが大きいことがある。
【0059】
前記第1支持部材110と第2支持部材120は、前記緩衝部材130が挿入される第1溝と第2溝をそれぞれ有することができる。前記第1溝の幅は、前記第1支持部材110及び前記緩衝部材130の熱膨張を考慮して前記緩衝部材130の幅に対して約0.2〜1%の公差を有する。前記第2溝の幅は、前記第2支持部材120及び前記緩衝部材130の熱膨張を考慮して前記緩衝部材130の幅に対して約0.2〜2%の公差を有する。
【0060】
前記緩衝部材130は、熱衝撃に耐え、熱伝達係数が小さい物質からなる。例えば、前記緩衝部材130は、約1〜30W/(m・K)程度の熱伝達係数を有することができる。従って、前記緩衝部材130と第2支持部材120を通じての熱損失が減少することができる。
【0061】
前記緩衝部材130の熱伝達係数が約30W/(m・K)を超過する場合、前記緩衝部材130及び前記第2支持部材120を通じての熱損失が充分に減少しない場合がある。
【0062】
前記緩衝部材130の例としては、石英、Al、Y、ZnO、SiOなどを含むことができる。これらは、単独或いは混合物の形態で使用することができる。
【0063】
前記緩衝部材130及び前記エアギャップ132は、前記発熱体114から発生した熱が前記第2支持部材120に伝達することを減少させることができ、これによって、前記第2支持部材120を通じての熱損失が減少することができる。
【0064】
前記チューブ140は、前記第1支持部材110の下部面と接続することができ、前記第2支持部材120を通じて延伸することができる。前記チューブ140は、前記第1支持部材110と同一のセラミック材質を含む。
【0065】
前記チューブ140は、セラミック接合剤(ceramic binder)を通じての燒結及び金属充填剤(metal filler)を利用したろう付け(brazing)を通じて前記第1支持部材110と接合する。従って、前記基板支持ユニット100が前記基板Sを加工するための真空チャンバ60の内部に具備される場合、前記第1支持部材110と前記チューブ140との間を通じての真空の漏洩を防ぐことができる。
【0066】
前記チューブ140は空洞形態を有するため、前記チューブ140を通じて前記第1支持部材110の熱が損失することを減らすことができる。
【0067】
図示はしていないが、前記電極112及び前記発熱体114に電源を印加するための配線が前記チューブ140内に受容されることができ、前記チューブ140を通じて前記電極112及び前記発熱体114と接続される。また、前記第1支持部材110の温度を測定するための温度センサー(図示せず)及び前記温度センサーに接続された信号ラインが前記チューブ140内に配置されることができる。従って、前記チューブ140を通じて前記配線を前記電極112及び前記発熱体114に容易に接続することができ、前記温度センサーを前記第1支持部材に容易に装着することができる。
【0068】
前記封止部材150は、第1封止部材152及び第2封止部材154を含む。
【0069】
前記第1封止部材152は、前記第2支持部材120と前記チューブ140との間に具備される。従って、前記第2支持部材120と前記チューブ140との間を通じての真空漏洩を防ぐことができる。前記第2封止部材154は、前記第2支持部材120と前記真空チャンバ60との間に具備される。従って、前記第2支持部材120と前記真空チャンバ
60との間を通じての真空の漏洩を防ぐことができる。前記第1封止部材152及び第2封止部材154の例としてはOリング(O−ring)を挙げることができる。
【0070】
前記冷却ライン160は、前記第1冷却ライン162及び第2冷却ライン164を含む。
【0071】
前記第1冷却ライン162は、前記第2支持部材120の内部に配置されて前記第2支持部材120を冷却する。特に、前記第1冷却ライン162は、前記第2支持部材120の内部で前記緩衝部材130と隣接するように配置されることができる。前記第1冷却ライン162は、前記緩衝部材130を通じて伝達された熱によって前記第2支持部材120が変形されることを防ぐために提供されることができる。
【0072】
前記第2冷却ライン164は、前記第2支持部材120の内部に前記第1封止部材152と隣接するように具備されて前記第1封止部材152を冷却する。前記チューブ140を通じて伝達された熱によって前記第1封止部材152が劣化することを防ぐことができる。
【0073】
一例として、前記第1冷却ライン162と前記第2冷却ライン164は、互いに分離されることができる。他の例として、前記第1冷却ライン162と前記第2冷却ライン164は、互いに接続されることができる。
【0074】
図3は、本発明の図2に示す基板支持ユニットを含む基板加工装置200を説明するための断面図である。
【0075】
図3を参照すると、前記基板加工装置200は、チャンバ210、基板支持ユニット220、保護部材230、及びガス提供部240を含む。
【0076】
前記チャンバ210は、前記基板Sを加工するための空間を提供する。前記チャンバ210は、反応副産物及び/または工程ガスを排出するために前記チャンバ210の下部の一側に具備される排出口212を有することができる。前記チャンバ210は、開口を有する。前記開口214は、前記チャンバ210の下部中央に具備され、後述する基板支持ユニット220と接続する配線及び/または信号ラインが通る通路である。
【0077】
前記基板支持ユニット220は、前記チャンバ210内に配置されることができる。特に、前記基板支持ユニット220は、前記チャンバ210の下部中央で前記開口214を覆うように配置されることができる。前記基板支持ユニット220は、第1支持部材、第2支持部材、緩衝部材、チューブ、封止部材、及び冷却ラインを含む。
【0078】
前記第1支持部材、第2支持部材、緩衝部材、チューブ、封止部材、及び冷却ラインに対する具体的な説明は、前記要素が図2を参照して既に説明した第1支持部材110、第2支持部材120、緩衝部材130、チューブ140、封止部材150、及び冷却ライン160と類似するため省略する。
【0079】
前記保護部材230は、リング形態を有し、前記基板支持ユニット220の側面をカバーする。前記保護部材230は、前記基板Sを加工するための工程ガスが前記基板支持ユニット220の内部に浸透することを防いで前記基板支持ユニット220を保護する。前記保護部材230は、前記工程ガスと反応しないセラミック材質を含むことができる。
【0080】
前記ガス提供部240は、前記基板支持ユニット220に支持された基板Sを加工するための工程ガスを前記チャンバ210の内部に提供する。一例として、前記ガス提供部2
40は、前記チャンバ210内で前記基板支持ユニット220の上部に具備されるシャワーヘッドを含むことができる。前記シャワーヘッドには前記工程ガスをプラズマ状態に形成するための高周波電源が接続されることができる。前記工程ガスは、前記基板S上に膜を形成するためのソースガス、前記基板S上に形成された膜をエッチングするためのエッチングガス、または、前記基板S及び/または前記チャンバ210の内側表面を洗浄するための洗浄ガスであることができる。
【符号の説明】
【0081】
100 基板支持ユニット
110 第1支持部材
112 電極
114 発熱体
120 第2支持部材
130 熱伝達緩衝部材
132 エアギャップ
140 チューブ
150 封止部材
152 第1封止部材
154 第2封止部材
160 冷却ライン
162 第1冷却ライン
164 第2冷却ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極及び発熱体を有し、基板を支持する第1支持部材と、
前記第1支持部材の下部に具備され、前記第1支持部材を支持する第2支持部材と、
前記第1支持部材と前記第2支持部材との間に具備され、前記第1支持部材と第2支持部材との間においての熱伝達を減少させるために前記第1支持部材と第2支持部材との間にエアギャップを形成する緩衝部材と、を含むことを特徴とする基板支持ユニット。
【請求項2】
前記第2支持部材を貫通して前記第1支持部材の下部面と接続し、前記電極及び発熱体に電源を印加するための配線を受容するチューブをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板支持ユニット。
【請求項3】
前記第2支持部材と前記チューブとの間を封止するための封止部材をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の基板支持ユニット。
【請求項4】
前記封止部材と隣接する第2支持部材の内部に具備され、前記封止部材を冷却するための冷却ラインをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の基板支持ユニット。
【請求項5】
前記チューブは、前記第1支持部材と同一材質を含むことを特徴とする請求項2に記載の基板支持ユニット。
【請求項6】
第2支持部材の内部に具備され、前記第2支持部材を冷却するための冷却ラインをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板支持ユニット。
【請求項7】
前記第1支持部材は、セラミック材質であることを特徴とする請求項1に記載の基板支持ユニット。
【請求項8】
前記第1支持部材と前記第2支持部材との間のエアギャップは、0.1mm〜5mmであることを特徴とする請求項1に記載の基板支持ユニット。
【請求項9】
前記緩衝部材と前記第1支持部材との間の接触面積と前記第1支持部材の下部面の面積の比率は0.05〜0.9:1であることを特徴とする請求項1に記載の基板支持ユニット。
【請求項10】
前記緩衝部材は、1〜30W/(m・K)の熱伝達係数を有することを特徴とする請求項1に記載の基板支持ユニット。
【請求項11】
前記緩衝部材は、石英、Al、Y、ZnO、及びSiOからなる群から選択される何れかの1つであることを特徴とする請求項1に記載の基板支持ユニット。
【請求項12】
基板加工工程を遂行する空間を提供するチャンバと、
前記チャンバ内部に配置し、電極及び発熱体を有し基板を支持する第1支持部材と、前記第1支持部材の下部に具備され、前記第1 支持部材を支持する第2支持部材、及び前記第1支持部材と前記第2支持部材との間に具備され前記第1支持部材と第2支持部材との間においての熱伝達を減少させるために前記第1支持部材と第2支持部材との間にエアギャップを形成する緩衝部材とを含む基板支持ユニットと、
前記基板に前記基板を加工するための工程ガスを提供するガス提供部と、を含むことを特徴とする基板加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−537446(P2010−537446A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522803(P2010−522803)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【国際出願番号】PCT/KR2008/005015
【国際公開番号】WO2009/031783
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(502394184)コミコ株式会社 (12)
【住所又は居所原語表記】79,Sinmosan−dong,Anseong−si,Gyeonggi−do,Korea
【Fターム(参考)】