基板移送装置
【課題】基板移送装置を提供する。
【解決手段】地面に対して平行に配される基板の少なくとも一領域を把持して、基板を強制に移送させる把持移送ユニットと、把持移送ユニットに隣接して配されて、基板を移送可能に支持する補助移送ユニットと、を含むことを特徴とする基板移送装置。本発明によれば、ノイズ発生及びパーティクルの発生を減らし、従来より効率的な構造で製作することができ、また基板に対する高速移送が可能である。
【解決手段】地面に対して平行に配される基板の少なくとも一領域を把持して、基板を強制に移送させる把持移送ユニットと、把持移送ユニットに隣接して配されて、基板を移送可能に支持する補助移送ユニットと、を含むことを特徴とする基板移送装置。本発明によれば、ノイズ発生及びパーティクルの発生を減らし、従来より効率的な構造で製作することができ、また基板に対する高速移送が可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板移送装置に係り、より詳細には、ノイズ発生及びパーティクル(particle)の発生を減らし、従来より効率的な構造で製作することができ、また基板に対する高速移送が可能な基板移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に基板とは、プラズマディスプレイ(PDP、Plasma Display Panel)、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)及び有機EL(OLED、Organic Light Emitting Diodes)のような平板表示素子(FPD、Flat Panel Display)、半導体用ウエーハ(wafer)、フォトマスク用ガラス(glass)などを示す。
【0003】
平板表示素子(FPD)としての基板と、半導体用ウエーハとしての基板は、互に材質的な面や、用途などで差があるが、基板に対する一連の処理工程、例えば、露光、現象、エッチング、ストリップ、リンス、洗浄などの工程は、実質的に非常に似ており、この工程が順次に進められることによって基板が製造される。以下、平板表示素子(FPD)のうち、特に、LCD基板を例として説明する。
【0004】
LCD基板は、大きくTFT工程、セル工程及びモジュール工程を通じて製品として販売される。
【0005】
TFT工程は、半導体製造工程と非常に類似しているが、蒸着(Deposition)、フォトリソグラフィー(Photo lithography)、エッチングを反復して、ガラス基板上に薄膜トランジスタを配列する工程である。
【0006】
セル工程は、TFT工程によって製造されたTFT下板と、カラーフィルターである上板に液晶がよく整列されるように配向膜を形成し、スペーサを散布してシール印刷をして上下板を合着する工程である。
【0007】
そして、モジュール工程は、完成されたLCDパネルに偏光板を付着して集積回路(Drive−IC)を実装した後、PCB(Printed Circuit Board)と組み立てた後、その背面にバックライトユニットと器具物とを組み立てる一連の段階を示す。
【0008】
このような工程、またはこれら工程内の各工程が順次に進められるように各工程を連結するライン間には、前工程から基板を伝達されて、後工程に基板を移送するための基板移送装置が設けられる。一例として、モジュール工程中には、偏光板を保護するために偏光板に付着されている保護フィルム(Protecting Film)を剥離した後、保護フィルムが剥離された偏光板を基板の表面に付着させる偏光板付着工程が進められるが、このような偏光板付着工程が進められる偏光板付着装置にも基板を移送する基板移送装置が設けられる。
【0009】
既存に広く知られた基板移送装置のほとんどは、基板を水平状態で寝かして基板を移送させる水平型基板移送装置である。水平型基板移送装置の種類には、代表的にコンベヤータイプの基板移送装置と、ローラータイプの基板移送装置とが知られている。
【0010】
このような基板移送装置のうち、工程でよく使われているローラータイプの基板移送装置は、モータと傘歯車などの組み合わせによってローラーが結合された回転軸を回動させる接触式と、マグネットの磁力による非接触式によってローラーが結合された回転軸を回動させる非接触式とが知られている。後者の非接触式は、前者の接触式よりノイズ発生及びパーティクルの発生を減らすことができる利点がある。
【0011】
ところが、従来の技術のうち、マグネチックを利用した非接触式の基板移送装置の場合には、マグネチックが高価であるために全般的に基板移送装置の製作コストが増加し、特に、高価のマグネチックによる非接触式を適用しているにもかかわらず、工程で要求されるほど基板に対する高速移送が難しく、また基板の荷重によって回転軸が垂れる場合、基板の移送時に基板の前方端部が隣接した回転軸のローラーに衝突して基板が破損されるという問題点がある。
【0012】
すなわち、最近には、横/縦の長さがほぼ3m内外の11世代用基板を製造する多様な設備が現場に適用予定にある点を勘案する時、このような大面積基板を当該設備に移送するための基板移送装置の場合、基板の重量によって基板を支持したローラーあるいは回転軸が垂れることがあるが、このように回転軸が垂れるようになれば、基板の移送途中、前方の回転軸のローラーに基板の前方端部が衝突されることによって基板の破損につながることができるので、基板の高速移送のための研究時、これについての研究がともに進められなければならないと予想される。
【0013】
一方、基板移送装置には、前述した水平型基板移送装置とは異なって、基板を垂直方向に立てて(実際としては、ほぼ65°ないし75°程度に斜めに移送させる)移送させる垂直型基板移送装置がある。
【0014】
垂直型基板移送装置によれば、11世代用基板のように基板の面積が実質的に巨大であるとしても、基板を立てて移送させるためにクリーンルーム内の限定された空間での装備に対するフットプリント(foot print)を減らしうる。それだけではなく、基板を立てて移送させる場合、立てられた基板の両面で作業が可能であるために作業効率が高くなるが、特に、基板の両面に偏光板を付着させなければならない偏光板付着工程などの場合には、基板移送装置がさらに効果的に使われると予想されるので、これについての研究が要求される。
【0015】
一方、水平型あるいは垂直型基板移送装置のうち、特に、マグネチックを利用した非接触式の基板移送装置の場合には、前述した問題点が予想されるので、基板に対する高速移送のために、空気浮上モジュールを適用して基板を一定の高さ浮上させた後に基板を移送する基板移送装置が提案されている。
【0016】
このような基板移送装置は、基板を移送させるための多数の空気浮上モジュールを備えているが、空気浮上モジュールの表面には、空気が噴射される多数の空気噴射孔が形成されており、空気浮上モジュールの表面には、基板にスクラッチが発生しないようにするコーティング層が形成されている。コーティング層には、空気噴射孔と同じサイズに形成され、空気噴射孔と一つずつ対応しながら連通される多数の連通口が形成されている。これにより、空気浮上モジュールの内側で供給された空気は、空気浮上モジュールの表面に形成された空気噴射孔に噴射された後にコーティング層に形成された連通孔を通じて外部に噴射されることによって、基板を一定の高さ浮上させうる。
【0017】
ところが、このような方式の基板移送装置においては、前述した構造の空気噴射孔から噴射された空気で基板を浮上させるためには、モータの容量が相対的に大きくなければならないが、基板のサイズが大きくなるほどモータの容量はさらに大きくならなければならない問題点があり、このように基板を浮上させる空気の噴射のためのモータの容量が大きな場合には、いろいろ複雑な問題が発生するので、結局、容量が大きなモータを実際使うことが難しいという問題点がある。それにしても、基板を浮上させるのに十分な容量のモータを使わないとすれば、基板が所望の高さに浮き上がらないために、モータの容量を従来と比べて大きくしないながらも、基板を浮上させるためのさらに効率的な構造が必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、ノイズ発生及びパーティクルの発生を減らし、従来より効率的な構造で製作することができ、また基板に対する高速移送が可能な基板移送装置を提供することである。
【0019】
本発明の他の目的は、装置に対するフットプリントを減少させ、ノイズ発生及びパーティクルの発生を減らし、また効率的な構造で製作することができ、基板に対する高速移送も可能な基板移送装置を提供することである。
【0020】
本発明のまた他の目的は、簡単かつ単純な構造を有し、従来に比べてモータ容量の顕著な増加なしに基板浮上の効率を高めることができ、さらに基板に対する高速移送が可能な基板移送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記目的は、本発明によって、地面に対して平行に配される基板の少なくとも一領域を把持して、前記基板を強制に移送させる把持移送ユニットと、前記把持移送ユニットに隣接して配されて、前記基板を移送可能に支持する補助移送ユニットと、を含むことを特徴とする基板移送装置によって達成される。
【0022】
前記目的は、本発明によって、地面に対して立設される基板の少なくとも一領域を把持して、前記基板を強制に移送させる把持移送ユニットと、前記把持移送ユニットに隣接して配されて、前記基板を移送可能に支持する補助移送ユニットと、を含むことを特徴とする基板移送装置によっても達成される。
【0023】
前記目的は、本発明によって、基板を浮上させるための空気が噴射される多数の空気噴射孔が表面に貫通形成される空気浮上モジュールと、前記空気浮上モジュールの表面に設けられて、前記基板を保護する基板保護層と、を含み、前記基板保護層には、前記空気浮上モジュールの空気噴射孔と連通されるが、前記空気噴射孔のサイズよりは相対的にさらに大きく拡張されて、前記空気噴射孔から前記基板に向ける空気の噴射断面積を増大させる拡張ホールが形成されることを特徴とする基板移送装置によっても達成される。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、従来より遥かに低コストで製作することができ、基板に対する高速移送が可能であり、また基板の移送途中で、従来のように基板がローラーや回転軸などに衝突して破損される現象を予防することができる。
【0025】
本発明によれば、装置に対するフットプリントを減少させ、ノイズ発生及びパーティクルの発生を減らし、また効率的な構造で製作することができ、基板に対する高速移送も可能である。
【0026】
本発明によれば、簡単かつ単純な構造を有し、従来に比べてモータ容量の顕著な増加なしに基板浮上の効率を高めることができ、さらに基板に対する高速移送が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態による基板移送装置の斜視図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】把持移送ユニットの部分分解斜視図である。
【図4】把持移送ユニットの概略的な断面図である。
【図5】把持移送ユニットの動作を示した図1の側面図である。
【図6】把持移送ユニットの動作を示した図1の側面図である。
【図7】(a)ないし(c)は、図1に示された基板移送装置の動作を概略的に示した図である。
【図8】本発明の第2実施形態による基板移送装置で把持移送ユニットの概略的な断面図である。
【図9】図8の作動状態の断面図である。
【図10】図9の要部拡大図である。
【図11】本発明の第3実施形態による基板移送装置の平面図である。
【図12】本発明の第4実施形態による基板移送装置で把持移送ユニットに対する部分斜視図である。
【図13】図12の分解斜視図である。
【図14】本発明の第5実施形態による移送装置の概略的な斜視図である。
【図15】本発明の第6実施形態による基板移送装置の側面図である。
【図16】本発明の第7実施形態による基板移送装置の概略的な斜視図である。
【図17】図16のA−A線による断面図である。
【図18】本発明の第8実施形態による基板移送装置の概略的な斜視図である。
【図19】図18のB−B線による断面図である。
【図20】本発明の第9実施形態による基板移送装置の部分平面図である。
【図21】本発明の第10実施形態による基板移送装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明と本発明の動作上の利点及び本発明の実施によって達成される目的を十分に理解するためには、本発明の望ましい実施形態を例示する添付図面及び添付図面に記載の内容を参照しなければならない。
【0029】
以下、添付図面を参照して、本発明の望ましい実施形態を説明することによって、本発明を詳しく説明する。各図面に付された同じ参照符号は、同じ部材を表わす。
【0030】
図1は、本発明の第1実施形態による基板移送装置の斜視図であり、図2は、図1の平面図であり、図3は、把持移送ユニットの部分分解斜視図であり、図4は、把持移送ユニットの概略的な断面図であり、図5及び図6は、それぞれ把持移送ユニットの動作を示した図1の側面図であり、図7の(a)ないし(c)は、図1に示された基板移送装置の動作を概略的に示した図である。
【0031】
これら図面に示されたように、本実施形態による基板移送装置は、水平型基板移送装置である。このような基板移送装置は、水平型に、すなわち、地面に対して平行に配される基板の少なくとも一領域を把持して、基板を強制に移送させる把持移送ユニット100と、把持移送ユニット100に隣接して配されて、基板を移送可能に支持する補助移送ユニット200とを含む。
【0032】
まず、補助移送ユニット200について説明すれば、本実施形態で補助移送ユニット200は、多数の空気浮上モジュール210によって基板を所定の高さ浮上させる非接触式の非接触式補助移送ユニットに設けられる。
【0033】
すなわち、図1及び図2に示されたように、多数の空気浮上モジュール210は、装置本体220上で互に離隔されて平行に配されて、その上面にローディング(loading)された基板を所定の高さ浮上させる役割を果たす。
【0034】
このために、空気浮上モジュール210の表面には、多数の通孔211が形成されている。多数の通孔211を通じて装置本体220側から提供された空気が吐き出されることによって、基板を所定の高さ浮上させうる。図面を見れば、装置本体220上に6つの空気浮上モジュール210が設けられているが、これらの個数が本発明の権利範囲を制限するものではない。また、空気浮上モジュール210の離隔間隔も必ずしも等間隔である必要はない。
【0035】
把持移送ユニット100は、空気浮上モジュール210の間の領域のうち選択された領域に設けられる。本実施形態の場合、空気浮上モジュール210の中央領域に空気浮上モジュール210と平行な状態で1つの把持移送ユニット100が設けられているが、必ずしもそうである必要はない。
【0036】
把持移送ユニット100は、空気浮上モジュール210によって所定の高さ浮き上がった基板に直接接触されて基板を実質的に移送させる役割を果たすが、このような把持移送ユニット100は、内部に空気流動空間111が形成されるユニット本体110と、強制移送ベルト120とを備える。
【0037】
ユニット本体110は、当該位置で固定される部分であるのに比べて、強制移送ベルト120は、実質的に基板に直接接触されて基板を移送させる役割を果たす。このような強制移送ベルト120は、ユニット本体100の上部でユニット本体100に対して基板の移送方向に沿って相対移動可能に結合される。
【0038】
そして、強制移送ベルト120の表面には、基板の真空吸着のためにユニット本体100の空気流動空間111と連通される多数の真空ホール121が形成される。多数の真空ホール121は、強制移送ベルト120の長手方向に沿って互に等間隔を有して配されるが、必ずしも等間隔である必要はない。
【0039】
真空ホール121の動作と関連して、表面が空気浮上モジュール210と同一高さをなすか、それともそれより低く位置した把持移送ユニット100の強制移送ベルト120が、空気浮上モジュール210から所定の高ささらに浮き上がった基板の下面に接触されて基板を真空吸着するためには、移送動作時に強制移送ベルト120が基板の下面に接触されるように把持移送ユニット100がアップ(up)されなければならない。
【0040】
このために、把持移送ユニット100に連結されて把持移送ユニット100をアップ/ダウン(up/down)駆動させるアップ/ダウン駆動部140がさらに設けられる。すなわち、把持移送ユニット100は、図5のような待機状態で基板の移送作業が進行すれば、図6のように、アップ/ダウン駆動部140によって空気浮上モジュール210よりさらにアップされて、強制移送ベルト120をして基板を吸着支持させる。このようなアップ/ダウン駆動部140は、シリンダー(cylinder)やリニアモータ(linear motor)などで適用可能である。
【0041】
このような強制移送ベルト120は、通常のコンベヤーベルトのように閉ループ状を有するが、強制移送ベルト120が回転しながら基板を強制に移送させるように、把持移送ユニット100は、図7に示されたように、強制移送ベルト120の一側の内部に配される駆動滑車131と、強制移送ベルト120の他側の内部に配される従動滑車132と、駆動滑車132に結合されて強制移送ベルト120の回転動力を提供する駆動モータ133とを備える。
【0042】
ユニット本体110の上面には、強制移送ベルト120に形成された多数の真空ホール121と連通される真空スロット112が形成されている。真空スロット112は、ユニット本体110の上面から下方に低く段付けられた段差部114に形成されている。そして、真空スロット112と対向したユニット本体110の下面には、空気循環通路113が形成されている。
【0043】
本実施形態の場合には、図3に示されたように、ユニット本体110内の空気流動空間111が互に個別的に真空が形成される多数のゾーンZ1、Z2、Z3(zone)に区画されているが、真空スロット112は、各ゾーンZ1、Z2、Z3に一つずつ対応してユニット本体110の上面に形成される。
【0044】
このように、ユニット本体110内の空気流動空間111が互に個別的に真空が形成される多数のゾーンZ1、Z2、Z3に形成され、各ゾーンZ1、Z2、Z3に一つずつ対応して真空スロット112が分割されて形成される場合、ある一ゾーンZ1、Z2、Z3に真空のリーク(leak)が発生するとしても、他のゾーンZ1、Z2、Z3を通じて真空が提供されることができるために、強制移送ベルト120と基板との間の真空吸着が解除されて基板の移送が失敗となる現象を予防させうる。
【0045】
しかし、本発明の権利範囲がこれに制限される必要はないので、図3とは異なって、真空スロット112は、強制移送ベルト120の長手方向に沿ってユニット本体110の上面で連続的に形成されても良く、また、ユニット本体110内の空気流動空間111も必ずしも個別的に真空が形成される多数のゾーンZ1、Z2、Z3に形成される必要はない。
【0046】
これにより、装置本体220の内部に配された真空ポンプ(図示せず)が動作されれば、図4の矢印方向のように、真空ホール121の外部で真空ホール121及び真空スロット112を経由して、ユニット本体100内の空気流動空間111及び空気循環通路113側に真空が形成されることによって、強制移送ベルト120の表面で基板は真空で吸着される。実際に実験を実施すれば、横/縦の長さが3m内外の巨大な11世代用基板であっても、強制移送ベルト120による真空吸着力が強くて基板を高速で移送させるのに何らの無理もないと確認された。
【0047】
このような構成を有する基板移送装置の動作について図7を参照して説明すれば、次の通りである。
【0048】
まず、移送対象の基板が、本実施形態の基板移送装置に供給されれば、これと同時に装置本体220側から提供された空気が空気浮上モジュール210の表面に形成された多数の通孔211を通じて吐き出されることによって、基板は図7の(a)のような状態で所定の高さ浮き上がる。
【0049】
基板が浮き上がれば、把持移送ユニット100が動作される。すなわち、図5のように、その上面が空気浮上モジュール210の上面と同一であるか、それとも少し低く位置されて待機していた把持移送ユニット100は、図6のように、アップ/ダウン駆動部140の動作によって空気浮上モジュール210よりさらにアップされて、強制移送ベルト120をして基板を下面に接触させる。
【0050】
引き続き、装置本体220の内部に配された真空ポンプ(図示せず)が動作されれば、図4の矢印方向のように、真空ホール121の外部で真空ホール121及び真空スロット112を経由して、ユニット本体100内の空気流動空間111及び空気循環通路113側に真空が形成されることによって、強制移送ベルト120の表面で基板は真空で吸着される(図7の(b)参照)。
【0051】
強制移送ベルト120が基板を真空で吸着すれば、駆動モータ133が動作されて駆動滑車132と従動滑車132とに閉ループ状に巻かれている強制移送ベルト120を回転させることによって、空気浮上モジュール210によって既に所定の高さ浮き上がった状態の基板は、強制移送ベルト120によって図7の(c)のように移送されることができる。
【0052】
このように、本実施形態によれば、従来のようにマグネットなどの高価部品が使われる必要なしに空気浮上モジュール210と把持移送ユニット100という簡単な構成だけでも製作が可能であるために、従来より遥かに低コストで基板移送装置を製作することができる利点がある。
【0053】
また、なによりも、空気浮上モジュール210によって浮き上がった基板を把持移送ユニット100の強制移送ベルト120が強制に連れて行きながら移送させる構造であるために、ノイズ発生及びパーティクルの発生を減らし、基板の移送速度が従来より非常に早くなることができて、基板に対する高速移送が可能となる利点がある。このように、基板に対する高速移送が可能となれば、それほど基板に対する多様な工程の処理速度が早くなることができるために、収率及び生産性向上に寄与できるようになる。
【0054】
また、本実施形態の場合には、基板が空気浮上モジュール210によって浮き上がった状態で移送される方式であるために、基板の移送途中で、従来のように基板がローラー(図示せず)や回転軸(図示せず)などに衝突して破損される現象を予防させうる。
【0055】
図8は、本発明の第2実施形態による基板移送装置で把持移送ユニットの概略的な断面図であり、図9は、図8の作動状態の断面図であり、図10は、図9の要部拡大図である。
【0056】
本実施形態の把持移送ユニット100aは、前述した実施形態の把持移送ユニット100とその機能は同一であるが、多少異なる構成を有する。
【0057】
これについて説明すれば、まず、ユニット本体110aの形態が異なる。もちろん、ユニット本体110aの形態が本発明の権利範囲を制限するものではないが、本実施形態のような形態のユニット本体110aは、圧出成形などによって容易に製作することができ、また、その側部に他の装置との組み立てのための組立部110bなどが形成されることができて、移送装置の組み立てに便宜性を増大させうる。
【0058】
本実施形態の把持移送ユニット100aの場合、強制移送ベルト120の表面には、基板にスクラッチの発生を沮止しながら基板の下面を実質的に接触支持する真空パッド151がさらに設けられている。
【0059】
真空パッド151は、示されたように、別途に製作されて強制移送ベルト120の表面に結合される形態になっても良く、それとも強制移送ベルト120の表面にコーティング膜を塗布する形態になっても良い。如何なる場合でも、強制移送ベルト120の表面には、強制移送ベルト120に形成された多数の真空ホール121と連通される連通ホール152が形成されなければならず、そうすると、連通ホール152及び真空ホール121、そして、後述する空気循環ライン153を通じる空気の流れが形成されて基板を真空で吸着させうる。
【0060】
一方、把持移送ユニット100aによる真空効率を極大化させるため、言い換えれば、工程ラインに沿って長く設けられる把持移送ユニット100a上で実質的に基板が接触支持された把持移送ユニット100aの一領域にのみ真空を形成させて、不要な部分まで真空が形成されることによって惹起される損失または真空のリーク問題を解決するため、本実施形態の把持移送ユニット100aには、チェック弁154がさらに設けられる。
【0061】
チェック弁154は、真空パッド151の連通ホール152の領域に結合されて、真空パッド151の表面に対する基板の接触如何に基づいて、連通ホール152を通じる真空の流れを選択的に開閉する役割を果たす。
【0062】
このようなチェック弁154は、連通ホール152の領域から上下方向に配される軸部154aと、軸部154aの上端部を形成し、真空パッド151の表面に露出されるように設けられるヘッド部154bと、ヘッド部154bと対向した軸部154aの下端部に設けられて、連通ホール152の一区間を選択的に開閉するホール開閉部154cと、軸部154aに結合されてヘッド部154bが真空パッド151の表面に露出される方向に付勢する弾性部材154dとを備える。示されたように、ホール開閉部154cは、ボール(ball)タイプとして、そして、弾性部材154dは、圧縮バネとして適用可能であるが、必ずしもそういうことではない。
【0063】
これにより、図8のように、基板が真空パッド151の表面に接触されていない状態で図9及び図10のように、基板が真空パッド151の表面に接触支持されて真空パッド151に設けられたチェック弁154のヘッド部154bを加圧すれば、基板の重量によってヘッド部154b、軸部154a及びホール開閉部154cが下方に下がることによって連通ホール152の一区間に開放されて、図9の矢印のような空気の流れが形成される。したがって、基板は、真空パッド151の表面に吸着支持されるようになる。この場合、弾性部材154dは、圧縮された状態になる。
【0064】
しかし、図8のように、基板が真空パッド151の表面から離隔した状態であれば、圧縮された弾性部材154dが原状に膨脹されることによって、ヘッド部154b、軸部154a及びホール開閉部154cは、元の位置に復帰され、したがって、ホール開閉部154cが連通ホール152の一区間を遮蔽することによって、空気の流れは遮断される。
【0065】
このような構造及び動作を有するチェック弁154を真空パッド151に適用して、基板が実質的に接触された状態でのみ真空を形成させることによって、前述したように、不要に真空が形成されることによる損失問題、また、真空のリーク問題などを効果的に解消させうる。
【0066】
本実施形態の場合、真空パッド151は、超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE、Ultra High Molecular Weight−PolyEthylene)材質で、そして、チェック弁154は、ピーク(Peek)材質で製作されているが、その事項が本発明の権利範囲を制限するものではない。例えば、真空パッド151は、フッ素ゴムなどで製作が可能である。
【0067】
そして、本実施形態の把持移送ユニット100aは、強制移送ベルト120を挟んで、強制移送ベルト120の両側の上部領域を覆う形態でユニット本体110aに設けられて、基板の移送時に発生可能なパーティクルの飛散を防止する飛散防止用シールド155をさらに備える。
【0068】
飛散防止用シールド155は、別途に製作されて、ユニット本体110aに結合されても良く、それとも本実施形態のように、ユニット本体110aの製作時に飛散防止用シールド155が一体に形成させることもできる。
【0069】
但し、このような飛散防止用シールド155を形成するに当って、飛散防止用シールド155が基板の下面に接触されればならないので、飛散防止用シールド155の上端部の高さH1は、真空パッド151の表面H2より低い位置を有するようにしなければならない。もし、真空パッド151が設けられない第1実施形態の場合であれば、飛散防止用シールド155の上端部の高さH1は、強制移送ベルト120の表面より低い位置を有していなければならない。
【0070】
そして、本実施形態の把持移送ユニット100aの場合、空気循環ライン153の領域にフィルター(図示せず)がさらに設けられる。このように、空気循環ライン153の領域にフィルターを設ければ、作業空間の環境を清潔に維持するのに良く、また把持移送ユニット100aによって吸入される空気を循環させて空気浮上モジュール210の側に再使用するに当って、空気内の異物を除去することができるために有利である。参考までに、空気循環ライン153の後端には、空気の吸い込みのためのブロワー(blower)が設けられるが、このようなブロワーの入口端に着脱可能にフィルターを組み立てば、それで十分である。
【0071】
図11は、本発明の第3実施形態による基板移送装置の平面図である。
【0072】
前述した第1実施形態では、6つの空気浮上モジュール210の間に一つの把持移送ユニット100が基板の移送方向に沿って長く設けられた。
【0073】
前述したように、把持移送ユニット100は、多数の空気浮上モジュール210の間の領域のうちある一領域(中央領域でも良く、端領域でも良い)に一つ設けられても良く、あるいは多数個設けられても良い。
【0074】
但し、基板が移送されなければならない距離が長い場合には、無限定に長さが長い空気浮上モジュール210や把持移送ユニット100を製作することができないという点を勘案する時、空気浮上モジュール210や把持移送ユニット100は、基板が移送される方向であるX軸方向に沿って組み立てられて使われるのが普通であるが、この場合、把持移送ユニット(図示せず)は、X軸方向に沿って連続的に連結されて使われるか、あるいは図11のように、把持移送ユニット100bは、空気浮上モジュール210の合間でジグザグ方式で配列された後にX軸方向に沿って配列されて使われる。
【0075】
後者の場合、図11に示されたように、ジグザグ方式で配列される把持移送ユニット100bの間には、Y軸方向に沿って相互重畳される重畳区間Oが存在することが望ましく、そうすると、基板の移送途中にもしも惹起されることができる基板の破損問題を解消することができる。もちろん、重畳区間Oは、必ずしも存在しなければならないものではない。
【0076】
図12は、本発明の第4実施形態による基板移送装置で把持移送ユニットに対する部分斜視図であり、図13は、図12の分解斜視図である。
【0077】
これら図面に示されたように、本実施形態の把持移送ユニット100cは、前述した実施形態の把持移送ユニット100、100a、100bとその機能及び役割は同一であるが、その構造が一部異なるように設けられる。特に、本実施形態の把持移送ユニット100cは、前述した第2実施形態の把持移送ユニット100aとその構造が類似しているので、第2実施形態の把持移送ユニット100aに基づいて、対比して説明する。
【0078】
まず、本実施形態の把持移送ユニット100cの場合、第2実施形態の把持移送ユニット100aと同様に真空パッド151を備えているが、真空パッド151の上部には、第2実施形態とは異なって、載置支持羽根部151aがさらに設けられる。
【0079】
このような載置支持羽根部151aは、基板が実質的に載置支持される部分であって、基板に対する接触面積が増大するように内面が凹状に形成されながら弾性を有する弾性材質で製作される。
【0080】
このように、載置支持羽根部151aを設ける場合には、たとえ基板が載置支持羽根部151aの表面で完全に水平状態で配されることができず、若干傾いて配されるとしても弾性材質の載置支持羽根部151aがそれに対応して変形されながら基板を載置支持することができて、基板との間にリークが発生する現象を減らしうる。
【0081】
本実施形態の場合、効率を考慮して載置支持羽根部151aをほぼ楕円状に製作しながら、その内部の連通ホール152bを長孔で形成しているが、本発明の権利範囲がこれに制限される必要はない。
【0082】
そして、本実施形態の把持移送ユニット100cにも、真空パッド151の領域に、基板が接触支持された把持移送ユニット100cの一領域にのみ真空を形成させて、不要な部分まで真空が形成されることによって惹起される損失または真空のリーク問題を解決するための手段としてチェック弁154が設けられているが、チェック弁154の構造及び機能は、第2実施形態と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0083】
一方、本実施形態の場合、ユニット本体110cの表面には、互に離隔されて平行に突出される一対のレール115が形成されており、強制移送ベルト120cの内面には、一対のレール115の外側でユニット本体110cの表面に接触される多数のレールブロック125が形成されている。
【0084】
一対のレール115及び多数のレールブロック125が相互レール式で噛み合うことによって、ユニット本体110cに対して強制移送ベルト120cは回転しながら基板を強制に移送させるようになる。
【0085】
このような構造で、強制移送ベルト120cの多数のレールブロック125の間には、把持移送ユニット100c周辺の空気を吸い込む側面吸入部126がさらに形成される。側面吸入部126は、多数のレールブロック125を凹凸状に製作することによって多数のレールブロック125の間で自然に形成されるが、このような側面吸入部126が形成されることによって、基板の移送中に発生可能な異物やパーティクルをユニット本体110cの内部に吸い込ませて装置の外部に排出させることができる利点がある。
【0086】
図14は、本発明の第5実施形態による移送装置の概略的な斜視図である。
【0087】
この図面を参照すれば、本実施形態による基板移送装置1は、垂直型基板移送装置1である。このような基板移送装置1は、垂直型に、すなわち、地面に対して立設される基板の少なくとも一領域を把持して、基板を強制に移送させる把持移送ユニット100と、把持移送ユニット100に隣接して配されて、基板を移送可能に支持する補助移送ユニット200とを含む。
【0088】
参考までに、地面に対して立設されるという意味は、地面に対してほぼ80°内外の角度で基板が斜めに配されるということを意味するが、必ずしもそういうことではない。
【0089】
把持移送ユニット100と補助移送ユニット200との具体的な構造については、図1ないし図13を参照して説明された前述した説明に代替する。
【0090】
一方、第1ないし第4実施形態で説明した水平型基板移送装置とは異なって、本実施形態の基板移送装置1の場合には、前述したように、基板をほぼ65°ないし75°程度に斜めに立てて移送させる構造を有するために、もし、異常原因によって把持移送ユニット100が動作が解除される場合、言い換えれば、把持移送ユニット100が基板の把持を解除した場合には、基板が当該経路上で墜落されることができるために損失及び安全事故の発生の恐れがある。
【0091】
これにより、本実施形態では、このような現象を予防するため、図14に示されたように、墜落防止ユニット300が設けられる。
【0092】
墜落防止ユニット300の形態は、多様に具現可能であるが、本実施形態で適用している墜落防止ユニット300は、垂直型に配される基板の下端部が接触支持される接触支持ローラー310と、接触支持ローラー310を支持するローラー支持ブラケット320と、ローラー支持ブラケット320に結合されて接触支持ローラー310とローラー支持ブラケット320とを所定距離動作させるアクチュエータ330とを備える。
【0093】
接触支持ローラー310は、所定距離ほど墜落された基板が接触支持される部分であるので、基板に損傷を与えない、例えば、シリコンやウレタンのように一定の弾性を有する材質で製作されることが望ましい。図14の場合には、側面図であるために、接触支持ローラー310が一つ示されたように見えるが、実際に、接触支持ローラー310は、基板の下部領域で基板の面積によって適切に多数個設けられる。
【0094】
シリンダーとして適用可能であるアクチュエータ330は、選択的に動作されて接触支持ローラー310とローラー支持ブラケット320とを上昇させて基板が墜落したほど再び基板を原位置に復帰させる役割を果たす。
【0095】
このような構造によれば、平常時に基板と接触支持ローラー310との間には、一定の離隔間隔、例えば、数ないし数十mm離隔しているが、もし、異常原因によって把持移送ユニット100が動作が解除される場合、言い換えれば、把持移送ユニット100が基板の把持を解除した場合には、基板が当該経路上で墜落するようになっても、基板は弾性を保有した接触支持ローラー310に接触されることができるために、破損されなくなる。接触支持ローラー310によって墜落が防止されれば、アクチュエータ330は、選択的に動作されて接触支持ローラー310とローラー支持ブラケット320とを上昇させて基板が墜落したほど再び基板を原位置に復帰させれば良い。
【0096】
一方、本実施形態の場合には、前述したような構造の墜落防止ユニット300を使っているが、前述した構造とは異なって、垂直型に配される基板の下端部が部分的に収容されながら支持されるVブロック(図示せず)を使うこともできる。すなわち、このようにVブロックを使う場合、基板の移送途中あるいは移送のための準備途中などの多様な状況下で異常原因によって移送ユニット100が基板の把持を解除するとしても、基板がVブロックに収容されながら支持されることができるために、損失及び安全事故の発生を解消させうる。
【0097】
図15は、本発明の第6実施形態による基板移送装置の側面図である。
【0098】
前述したように、本実施形態の基板移送装置1aは、基板が立てられた状態、すなわち、ほぼ80°内外に立てられた状態で基板を移送させる装置であるので、初期に基板を立てるための、言い換えれば、基板をティルティングさせるためのティルティングユニット400と連結されて使われる。このために、ティルティングユニット400が提案される。
【0099】
本実施形態のティルティングユニット400は、図15に示されたように、一端が外郭フレーム221にピボット支持されるシリンダー本体410と、シリンダー本体410に対して長さ延長及び縮小可能に結合され、端部が装置本体220に回動可能に連結されるシリンダーロッド420とを含みうる。言い換えれば、本実施形態のティルティングユニット400は、空圧や油圧、あるいは油空圧複合シリンダーとして適用可能である。
【0100】
このような構造のティルティングユニット400が適用される場合、図15の二点鎖線で実線のように、把持移送ユニット100と補助移送ユニット200とを支持している装置本体220をほぼ80°内外に立てることができるために、手作業の限界を乗り越えて基板移送での効率を高めることができる利点があるということに違いはない。
【0101】
図16は、本発明の第7実施形態による基板移送装置の概略的な斜視図であり、図17は、図16のA−A線による断面図である。
【0102】
これら図面に示されたように、本実施形態による基板移送装置は、基板を浮上させるための空気が噴射される多数の空気噴射孔Hが表面に貫通形成される空気浮上モジュール510と、空気浮上モジュール510の表面に設けられて基板を保護する基板保護層550とを備える。
【0103】
空気浮上モジュール510は、図1に示されたように、内部に空気が噴射されるように一定の空間を有する桶状を有する。
【0104】
本実施形態の場合、空気浮上モジュール510が長方形の桶状に製作されているが、空気浮上モジュール510の形状は、図面に制限される必要はない。また、図面には示されていないが、空気浮上モジュール510には、空気浮上モジュール510の空気噴射孔Hに空気を供給するための手段、例えば、空気噴射用ポンプやモータ、またはノズルなどがさらに結合される。
【0105】
このような空気浮上モジュール510の表面を形成する上部壁511には、多数の空気噴射孔Hが形成されている。空気噴射孔Hは、円状の形態として空気浮上モジュール510の上部壁511に多数個設けられる。図面を見れば、多数の空気噴射孔Hが示されてはいるが、実際の製品には数えにくい程度に、また非常に直径が小さくて細密な無数の空気噴射孔Hが形成される。
【0106】
基板保護層550は、空気噴射孔Hの表面に設けられて基板を保護する役割を果たす。前述した空気浮上モジュール510が金属材質で製作されているために、基板保護層550なしに空気浮上モジュール510のみを用いて基板を浮上させようとする場合、もし基板が浮き上がらずに空気浮上モジュール510に接触すれば、ガラス材質の基板が空気浮上モジュール510の表面に接触されて損傷されることがある。したがって、このような場合を備えて空気浮上モジュール510の表面に基板保護層550をさらに設けることによって、もし分からない基板の損傷を予防している。
【0107】
このような基板保護層550は、たとえ基板が接触されても、基板にスクラッチや損傷を与えない材質中で選択されるが、本実施形態の場合、空気浮上モジュール510の表面に塗布されるコーティング層で設けられる。すなわち、ウレタンなどの物質で作られたコーティング液をスプレー噴射方式やまたはロール塗布方式によって空気浮上モジュール510の表面に塗布して硬化させることによって、簡便に基板保護層550を製作することができる。
【0108】
一方、このような基板保護層550には、空気浮上モジュール510の空気噴射孔Hと連通されるが、空気噴射孔Hのサイズ、すなわち、直径よりは相対的にさらに大きく拡張されて空気噴射孔Hから基板に向ける空気の噴射断面積を増大させる拡張ホール551が形成されている。
【0109】
拡張ホール551は、空気浮上モジュール510の表面に基板保護層550としてのコーティング層を塗布した後、コーティング層を穿孔することで容易に製作することができる。
【0110】
このような拡張ホール551は、前述したように、空気噴射孔Hのサイズよりは相対的にさらに大きく拡張されて空気噴射孔Hから基板に向ける空気の噴射断面積を増大させる役割を果たすが、本実施形態の場合、拡張ホール551は、空気噴射孔Hの一つ当たり一つずつ対応して配される。
【0111】
このように、空気噴射孔Hの一つ当たり一つずつの拡張ホール551を基板保護層550に形成するが、空気噴射孔Hより拡張ホール551のサイズをさらに大きく形成することによって、基板の浮上のために空気噴射孔Hを通じて噴射された空気は拡張ホール551でその噴射断面積が増大しながら、すなわち、拡張されながら基板に向けるようになる。このような構造があらゆる空気噴射孔Hに形成されていれば、それほど基板に向ける空気の噴射断面積が増加する効果を提供するために、従来のようにモータの容量を著しく増加させないとしても、基板浮上の効率を従来より高めうる。
【0112】
一方、図17には、空気の移動経路が矢印で示されているが、図17の矢印のように柔軟に空気が流動せず、空気噴射孔Hの領域で渦流を発生させれば、基板の浮上効率が減少することもある。
【0113】
このような現象を予防するため、本実施形態の空気噴射孔Hは、拡張ホール551に行くほど開口面積が漸増するように設けられる。このような構造によって空気噴射孔Hから拡張ホール551に向ける空気が渦流なしに容易に流動されて基板を浮上させるのに使われる。
【0114】
このように、本実施形態によれば、簡単かつ単純な構造を有し、従来に比べてモータ容量の顕著な増加なしに基板浮上の効率を高めうる。特に、基板の浮上効率が高くなれば、それほど基板を移送させるのに有利であるので、結果的に基板に対する高速移送が可能となる。基板に対する高速移送については、下記の実施形態で詳しく説明する。
【0115】
図18は、本発明の第8実施形態による基板移送装置の概略的な斜視図であり、図19は、図18のB−B線による断面図である。
【0116】
これら図面を参照すれば、本実施形態による基板移送装置の空気浮上モジュール520にも、その表面を形成する上部壁521に多数の空気噴射孔Hが形成されており、このような点では、図17の実施形態と同様である。
【0117】
但し、本実施形態の場合、空気浮上モジュール520の表面に塗布されて基板を保護する基板保護層560に形成された拡張ホール561の形態が、図17の実施形態とは異なる。
【0118】
本実施形態で、基板保護層560に形成された拡張ホール561は、空気噴射孔Hの多数個当たり一つずつ対応して配される多数の単位拡張ホール561に設けられる。すなわち、本実施形態の場合には、9つの空気噴射孔Hの当たり一つずつの単位拡張ホール561が設けられる。
【0119】
このような場合、基板の浮上のために空気噴射孔Hを通じて噴射された空気は、拡張ホール551でその噴射断面積がさらに増大しながら、すなわち、拡張されながら基板に向けるようになるために、従来のようにモータの容量を著しく増加させないとしても、基板浮上の効率を従来より高めうる。
【0120】
本実施形態の図面に示された9つの空気噴射孔Hの当たり一つずつの単位拡張ホール561は、一実施形態であり、このような事項が本発明の権利範囲を制限するものではない。
【0121】
図20は、本発明の第9実施形態による基板移送装置の部分平面図である。
【0122】
この図面を参照すれば、本実施形態による基板移送装置の場合、図18の実施形態のような形態として空気浮上モジュール530の表面に塗布された基板保護層570上に空気噴射孔Hの多数個当たり一つずつ対応して配される多数の単位拡張ホール571(円状の点線参照)が形成されるが、この単位拡張ホール571は、またいくつずつグループ(group)単位のゾーン(Z1、Z2、Z3...)に区画される。言い換えれば、図20で9つの空気噴射孔Hの当たり一つずつ対応して配された多数の単位拡張ホール571は、また3つずつグループ単位のゾーン(Z1、Z2、Z3...)に区画される。このような場合、図20で円状の点線で示された単位拡張ホール571は、実際の製品には表われない。
【0123】
本実施形態で、多数の単位拡張ホール571を区画するための区画方向は、基板移送方向である空気浮上モジュール530の長手方向に交差される方向になっているが、必要によって基板移送方向に区画されることもできる。
【0124】
このように必要によって多数の単位拡張ホール571をまたいくつずつグループ単位のゾーン(Z1、Z2、Z3...)に区画して使う場合、基板に向ける空気の噴射断面積をさらに高めることができる利点とともに、各ゾーン(Z1、Z2、Z3...)の内の空気噴射流れを選択的にオン/オフ(on/off)させることができて、動力消耗量を減らすことができる利点がある。すなわち、図20のような場合には、基板が実質的に配されて移送されるゾーン(Z1、Z2、Z3...)領域の空気のみを噴射させ、残りは空気の流れを遮断させる制御が可能であるために、それほど空気噴射による動力消耗量を減らしうる。
【0125】
本実施形態のようであるとしても、簡単かつ単純な構造を有し、従来に比べてモータ容量の顕著な増加なしに基板浮上の効率を高めることができ、さらに基板に対する高速移送が可能であるという本発明の効果を提供するのには何らの問題もない。
【0126】
図21は、本発明の第10実施形態による基板移送装置の斜視図である。
【0127】
この図面に示されたように、本実施形態の基板移送装置は、基板を浮上させる多数の空気噴射モジュール540と、水平型に、すなわち、地面に対して平行に配される基板の少なくとも一領域を把持して、基板を強制に移送させる把持移送ユニット100とを備える。
【0128】
多数の空気噴射モジュール540は、前述した実施形態で説明された空気噴射モジュール510、520、530とその形態またはサイズのみが異なるだけであり、機能と役割とは同一である。すなわち、空気噴射モジュール540の表面に基板保護層580が形成され、基板保護層580に形成された拡張ホール581は、空気噴射モジュール540の表面に形成された空気噴射孔Hのより大きく形成される。また、拡張ホール581は、空気噴射孔Hの多数個当たり一つずつ対応して配される。このような形態として空気噴射モジュール540が多数個設けられ、これを通じて基板を浮上させるようになれば、所望の高さに、また従来のような大容量のモータ使用なしに効果的に基板を浮上させうる。図面を見れば、装置本体501上に6つの空気浮上モジュール540が設けられているが、これらの個数が本発明の権利範囲を制限するものではない。また、空気浮上モジュール540の離隔間隔も必ずしも等間隔である必要はない。
【0129】
把持移送ユニット100は、多数の空気噴射モジュール540によって浮き上がった基板を実質的に移送させる役割を果たす。このような把持移送ユニット100は、空気浮上モジュール540の間の領域のうち選択された領域に設けられる。本実施形態の場合、空気浮上モジュール540の中央領域に空気浮上モジュール540と平行な状態で1つの把持移送ユニット100が設けられているが、必ずしもそうである必要はない。一方、把持移送ユニット100に対する一連の構造と役割、そして、機能は、図1ないし図13を通じて説明された前述した実施形態の説明に代替させる。
【0130】
このように本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を外れずに多様に修正及び変形できるということは、当業者に自明である。したがって、そのような修正例または変形例は、本発明の特許請求の範囲に属すると理解しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明は、基板移送装置関連の技術分野に適用可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板移送装置に係り、より詳細には、ノイズ発生及びパーティクル(particle)の発生を減らし、従来より効率的な構造で製作することができ、また基板に対する高速移送が可能な基板移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に基板とは、プラズマディスプレイ(PDP、Plasma Display Panel)、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)及び有機EL(OLED、Organic Light Emitting Diodes)のような平板表示素子(FPD、Flat Panel Display)、半導体用ウエーハ(wafer)、フォトマスク用ガラス(glass)などを示す。
【0003】
平板表示素子(FPD)としての基板と、半導体用ウエーハとしての基板は、互に材質的な面や、用途などで差があるが、基板に対する一連の処理工程、例えば、露光、現象、エッチング、ストリップ、リンス、洗浄などの工程は、実質的に非常に似ており、この工程が順次に進められることによって基板が製造される。以下、平板表示素子(FPD)のうち、特に、LCD基板を例として説明する。
【0004】
LCD基板は、大きくTFT工程、セル工程及びモジュール工程を通じて製品として販売される。
【0005】
TFT工程は、半導体製造工程と非常に類似しているが、蒸着(Deposition)、フォトリソグラフィー(Photo lithography)、エッチングを反復して、ガラス基板上に薄膜トランジスタを配列する工程である。
【0006】
セル工程は、TFT工程によって製造されたTFT下板と、カラーフィルターである上板に液晶がよく整列されるように配向膜を形成し、スペーサを散布してシール印刷をして上下板を合着する工程である。
【0007】
そして、モジュール工程は、完成されたLCDパネルに偏光板を付着して集積回路(Drive−IC)を実装した後、PCB(Printed Circuit Board)と組み立てた後、その背面にバックライトユニットと器具物とを組み立てる一連の段階を示す。
【0008】
このような工程、またはこれら工程内の各工程が順次に進められるように各工程を連結するライン間には、前工程から基板を伝達されて、後工程に基板を移送するための基板移送装置が設けられる。一例として、モジュール工程中には、偏光板を保護するために偏光板に付着されている保護フィルム(Protecting Film)を剥離した後、保護フィルムが剥離された偏光板を基板の表面に付着させる偏光板付着工程が進められるが、このような偏光板付着工程が進められる偏光板付着装置にも基板を移送する基板移送装置が設けられる。
【0009】
既存に広く知られた基板移送装置のほとんどは、基板を水平状態で寝かして基板を移送させる水平型基板移送装置である。水平型基板移送装置の種類には、代表的にコンベヤータイプの基板移送装置と、ローラータイプの基板移送装置とが知られている。
【0010】
このような基板移送装置のうち、工程でよく使われているローラータイプの基板移送装置は、モータと傘歯車などの組み合わせによってローラーが結合された回転軸を回動させる接触式と、マグネットの磁力による非接触式によってローラーが結合された回転軸を回動させる非接触式とが知られている。後者の非接触式は、前者の接触式よりノイズ発生及びパーティクルの発生を減らすことができる利点がある。
【0011】
ところが、従来の技術のうち、マグネチックを利用した非接触式の基板移送装置の場合には、マグネチックが高価であるために全般的に基板移送装置の製作コストが増加し、特に、高価のマグネチックによる非接触式を適用しているにもかかわらず、工程で要求されるほど基板に対する高速移送が難しく、また基板の荷重によって回転軸が垂れる場合、基板の移送時に基板の前方端部が隣接した回転軸のローラーに衝突して基板が破損されるという問題点がある。
【0012】
すなわち、最近には、横/縦の長さがほぼ3m内外の11世代用基板を製造する多様な設備が現場に適用予定にある点を勘案する時、このような大面積基板を当該設備に移送するための基板移送装置の場合、基板の重量によって基板を支持したローラーあるいは回転軸が垂れることがあるが、このように回転軸が垂れるようになれば、基板の移送途中、前方の回転軸のローラーに基板の前方端部が衝突されることによって基板の破損につながることができるので、基板の高速移送のための研究時、これについての研究がともに進められなければならないと予想される。
【0013】
一方、基板移送装置には、前述した水平型基板移送装置とは異なって、基板を垂直方向に立てて(実際としては、ほぼ65°ないし75°程度に斜めに移送させる)移送させる垂直型基板移送装置がある。
【0014】
垂直型基板移送装置によれば、11世代用基板のように基板の面積が実質的に巨大であるとしても、基板を立てて移送させるためにクリーンルーム内の限定された空間での装備に対するフットプリント(foot print)を減らしうる。それだけではなく、基板を立てて移送させる場合、立てられた基板の両面で作業が可能であるために作業効率が高くなるが、特に、基板の両面に偏光板を付着させなければならない偏光板付着工程などの場合には、基板移送装置がさらに効果的に使われると予想されるので、これについての研究が要求される。
【0015】
一方、水平型あるいは垂直型基板移送装置のうち、特に、マグネチックを利用した非接触式の基板移送装置の場合には、前述した問題点が予想されるので、基板に対する高速移送のために、空気浮上モジュールを適用して基板を一定の高さ浮上させた後に基板を移送する基板移送装置が提案されている。
【0016】
このような基板移送装置は、基板を移送させるための多数の空気浮上モジュールを備えているが、空気浮上モジュールの表面には、空気が噴射される多数の空気噴射孔が形成されており、空気浮上モジュールの表面には、基板にスクラッチが発生しないようにするコーティング層が形成されている。コーティング層には、空気噴射孔と同じサイズに形成され、空気噴射孔と一つずつ対応しながら連通される多数の連通口が形成されている。これにより、空気浮上モジュールの内側で供給された空気は、空気浮上モジュールの表面に形成された空気噴射孔に噴射された後にコーティング層に形成された連通孔を通じて外部に噴射されることによって、基板を一定の高さ浮上させうる。
【0017】
ところが、このような方式の基板移送装置においては、前述した構造の空気噴射孔から噴射された空気で基板を浮上させるためには、モータの容量が相対的に大きくなければならないが、基板のサイズが大きくなるほどモータの容量はさらに大きくならなければならない問題点があり、このように基板を浮上させる空気の噴射のためのモータの容量が大きな場合には、いろいろ複雑な問題が発生するので、結局、容量が大きなモータを実際使うことが難しいという問題点がある。それにしても、基板を浮上させるのに十分な容量のモータを使わないとすれば、基板が所望の高さに浮き上がらないために、モータの容量を従来と比べて大きくしないながらも、基板を浮上させるためのさらに効率的な構造が必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、ノイズ発生及びパーティクルの発生を減らし、従来より効率的な構造で製作することができ、また基板に対する高速移送が可能な基板移送装置を提供することである。
【0019】
本発明の他の目的は、装置に対するフットプリントを減少させ、ノイズ発生及びパーティクルの発生を減らし、また効率的な構造で製作することができ、基板に対する高速移送も可能な基板移送装置を提供することである。
【0020】
本発明のまた他の目的は、簡単かつ単純な構造を有し、従来に比べてモータ容量の顕著な増加なしに基板浮上の効率を高めることができ、さらに基板に対する高速移送が可能な基板移送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記目的は、本発明によって、地面に対して平行に配される基板の少なくとも一領域を把持して、前記基板を強制に移送させる把持移送ユニットと、前記把持移送ユニットに隣接して配されて、前記基板を移送可能に支持する補助移送ユニットと、を含むことを特徴とする基板移送装置によって達成される。
【0022】
前記目的は、本発明によって、地面に対して立設される基板の少なくとも一領域を把持して、前記基板を強制に移送させる把持移送ユニットと、前記把持移送ユニットに隣接して配されて、前記基板を移送可能に支持する補助移送ユニットと、を含むことを特徴とする基板移送装置によっても達成される。
【0023】
前記目的は、本発明によって、基板を浮上させるための空気が噴射される多数の空気噴射孔が表面に貫通形成される空気浮上モジュールと、前記空気浮上モジュールの表面に設けられて、前記基板を保護する基板保護層と、を含み、前記基板保護層には、前記空気浮上モジュールの空気噴射孔と連通されるが、前記空気噴射孔のサイズよりは相対的にさらに大きく拡張されて、前記空気噴射孔から前記基板に向ける空気の噴射断面積を増大させる拡張ホールが形成されることを特徴とする基板移送装置によっても達成される。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、従来より遥かに低コストで製作することができ、基板に対する高速移送が可能であり、また基板の移送途中で、従来のように基板がローラーや回転軸などに衝突して破損される現象を予防することができる。
【0025】
本発明によれば、装置に対するフットプリントを減少させ、ノイズ発生及びパーティクルの発生を減らし、また効率的な構造で製作することができ、基板に対する高速移送も可能である。
【0026】
本発明によれば、簡単かつ単純な構造を有し、従来に比べてモータ容量の顕著な増加なしに基板浮上の効率を高めることができ、さらに基板に対する高速移送が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態による基板移送装置の斜視図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】把持移送ユニットの部分分解斜視図である。
【図4】把持移送ユニットの概略的な断面図である。
【図5】把持移送ユニットの動作を示した図1の側面図である。
【図6】把持移送ユニットの動作を示した図1の側面図である。
【図7】(a)ないし(c)は、図1に示された基板移送装置の動作を概略的に示した図である。
【図8】本発明の第2実施形態による基板移送装置で把持移送ユニットの概略的な断面図である。
【図9】図8の作動状態の断面図である。
【図10】図9の要部拡大図である。
【図11】本発明の第3実施形態による基板移送装置の平面図である。
【図12】本発明の第4実施形態による基板移送装置で把持移送ユニットに対する部分斜視図である。
【図13】図12の分解斜視図である。
【図14】本発明の第5実施形態による移送装置の概略的な斜視図である。
【図15】本発明の第6実施形態による基板移送装置の側面図である。
【図16】本発明の第7実施形態による基板移送装置の概略的な斜視図である。
【図17】図16のA−A線による断面図である。
【図18】本発明の第8実施形態による基板移送装置の概略的な斜視図である。
【図19】図18のB−B線による断面図である。
【図20】本発明の第9実施形態による基板移送装置の部分平面図である。
【図21】本発明の第10実施形態による基板移送装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明と本発明の動作上の利点及び本発明の実施によって達成される目的を十分に理解するためには、本発明の望ましい実施形態を例示する添付図面及び添付図面に記載の内容を参照しなければならない。
【0029】
以下、添付図面を参照して、本発明の望ましい実施形態を説明することによって、本発明を詳しく説明する。各図面に付された同じ参照符号は、同じ部材を表わす。
【0030】
図1は、本発明の第1実施形態による基板移送装置の斜視図であり、図2は、図1の平面図であり、図3は、把持移送ユニットの部分分解斜視図であり、図4は、把持移送ユニットの概略的な断面図であり、図5及び図6は、それぞれ把持移送ユニットの動作を示した図1の側面図であり、図7の(a)ないし(c)は、図1に示された基板移送装置の動作を概略的に示した図である。
【0031】
これら図面に示されたように、本実施形態による基板移送装置は、水平型基板移送装置である。このような基板移送装置は、水平型に、すなわち、地面に対して平行に配される基板の少なくとも一領域を把持して、基板を強制に移送させる把持移送ユニット100と、把持移送ユニット100に隣接して配されて、基板を移送可能に支持する補助移送ユニット200とを含む。
【0032】
まず、補助移送ユニット200について説明すれば、本実施形態で補助移送ユニット200は、多数の空気浮上モジュール210によって基板を所定の高さ浮上させる非接触式の非接触式補助移送ユニットに設けられる。
【0033】
すなわち、図1及び図2に示されたように、多数の空気浮上モジュール210は、装置本体220上で互に離隔されて平行に配されて、その上面にローディング(loading)された基板を所定の高さ浮上させる役割を果たす。
【0034】
このために、空気浮上モジュール210の表面には、多数の通孔211が形成されている。多数の通孔211を通じて装置本体220側から提供された空気が吐き出されることによって、基板を所定の高さ浮上させうる。図面を見れば、装置本体220上に6つの空気浮上モジュール210が設けられているが、これらの個数が本発明の権利範囲を制限するものではない。また、空気浮上モジュール210の離隔間隔も必ずしも等間隔である必要はない。
【0035】
把持移送ユニット100は、空気浮上モジュール210の間の領域のうち選択された領域に設けられる。本実施形態の場合、空気浮上モジュール210の中央領域に空気浮上モジュール210と平行な状態で1つの把持移送ユニット100が設けられているが、必ずしもそうである必要はない。
【0036】
把持移送ユニット100は、空気浮上モジュール210によって所定の高さ浮き上がった基板に直接接触されて基板を実質的に移送させる役割を果たすが、このような把持移送ユニット100は、内部に空気流動空間111が形成されるユニット本体110と、強制移送ベルト120とを備える。
【0037】
ユニット本体110は、当該位置で固定される部分であるのに比べて、強制移送ベルト120は、実質的に基板に直接接触されて基板を移送させる役割を果たす。このような強制移送ベルト120は、ユニット本体100の上部でユニット本体100に対して基板の移送方向に沿って相対移動可能に結合される。
【0038】
そして、強制移送ベルト120の表面には、基板の真空吸着のためにユニット本体100の空気流動空間111と連通される多数の真空ホール121が形成される。多数の真空ホール121は、強制移送ベルト120の長手方向に沿って互に等間隔を有して配されるが、必ずしも等間隔である必要はない。
【0039】
真空ホール121の動作と関連して、表面が空気浮上モジュール210と同一高さをなすか、それともそれより低く位置した把持移送ユニット100の強制移送ベルト120が、空気浮上モジュール210から所定の高ささらに浮き上がった基板の下面に接触されて基板を真空吸着するためには、移送動作時に強制移送ベルト120が基板の下面に接触されるように把持移送ユニット100がアップ(up)されなければならない。
【0040】
このために、把持移送ユニット100に連結されて把持移送ユニット100をアップ/ダウン(up/down)駆動させるアップ/ダウン駆動部140がさらに設けられる。すなわち、把持移送ユニット100は、図5のような待機状態で基板の移送作業が進行すれば、図6のように、アップ/ダウン駆動部140によって空気浮上モジュール210よりさらにアップされて、強制移送ベルト120をして基板を吸着支持させる。このようなアップ/ダウン駆動部140は、シリンダー(cylinder)やリニアモータ(linear motor)などで適用可能である。
【0041】
このような強制移送ベルト120は、通常のコンベヤーベルトのように閉ループ状を有するが、強制移送ベルト120が回転しながら基板を強制に移送させるように、把持移送ユニット100は、図7に示されたように、強制移送ベルト120の一側の内部に配される駆動滑車131と、強制移送ベルト120の他側の内部に配される従動滑車132と、駆動滑車132に結合されて強制移送ベルト120の回転動力を提供する駆動モータ133とを備える。
【0042】
ユニット本体110の上面には、強制移送ベルト120に形成された多数の真空ホール121と連通される真空スロット112が形成されている。真空スロット112は、ユニット本体110の上面から下方に低く段付けられた段差部114に形成されている。そして、真空スロット112と対向したユニット本体110の下面には、空気循環通路113が形成されている。
【0043】
本実施形態の場合には、図3に示されたように、ユニット本体110内の空気流動空間111が互に個別的に真空が形成される多数のゾーンZ1、Z2、Z3(zone)に区画されているが、真空スロット112は、各ゾーンZ1、Z2、Z3に一つずつ対応してユニット本体110の上面に形成される。
【0044】
このように、ユニット本体110内の空気流動空間111が互に個別的に真空が形成される多数のゾーンZ1、Z2、Z3に形成され、各ゾーンZ1、Z2、Z3に一つずつ対応して真空スロット112が分割されて形成される場合、ある一ゾーンZ1、Z2、Z3に真空のリーク(leak)が発生するとしても、他のゾーンZ1、Z2、Z3を通じて真空が提供されることができるために、強制移送ベルト120と基板との間の真空吸着が解除されて基板の移送が失敗となる現象を予防させうる。
【0045】
しかし、本発明の権利範囲がこれに制限される必要はないので、図3とは異なって、真空スロット112は、強制移送ベルト120の長手方向に沿ってユニット本体110の上面で連続的に形成されても良く、また、ユニット本体110内の空気流動空間111も必ずしも個別的に真空が形成される多数のゾーンZ1、Z2、Z3に形成される必要はない。
【0046】
これにより、装置本体220の内部に配された真空ポンプ(図示せず)が動作されれば、図4の矢印方向のように、真空ホール121の外部で真空ホール121及び真空スロット112を経由して、ユニット本体100内の空気流動空間111及び空気循環通路113側に真空が形成されることによって、強制移送ベルト120の表面で基板は真空で吸着される。実際に実験を実施すれば、横/縦の長さが3m内外の巨大な11世代用基板であっても、強制移送ベルト120による真空吸着力が強くて基板を高速で移送させるのに何らの無理もないと確認された。
【0047】
このような構成を有する基板移送装置の動作について図7を参照して説明すれば、次の通りである。
【0048】
まず、移送対象の基板が、本実施形態の基板移送装置に供給されれば、これと同時に装置本体220側から提供された空気が空気浮上モジュール210の表面に形成された多数の通孔211を通じて吐き出されることによって、基板は図7の(a)のような状態で所定の高さ浮き上がる。
【0049】
基板が浮き上がれば、把持移送ユニット100が動作される。すなわち、図5のように、その上面が空気浮上モジュール210の上面と同一であるか、それとも少し低く位置されて待機していた把持移送ユニット100は、図6のように、アップ/ダウン駆動部140の動作によって空気浮上モジュール210よりさらにアップされて、強制移送ベルト120をして基板を下面に接触させる。
【0050】
引き続き、装置本体220の内部に配された真空ポンプ(図示せず)が動作されれば、図4の矢印方向のように、真空ホール121の外部で真空ホール121及び真空スロット112を経由して、ユニット本体100内の空気流動空間111及び空気循環通路113側に真空が形成されることによって、強制移送ベルト120の表面で基板は真空で吸着される(図7の(b)参照)。
【0051】
強制移送ベルト120が基板を真空で吸着すれば、駆動モータ133が動作されて駆動滑車132と従動滑車132とに閉ループ状に巻かれている強制移送ベルト120を回転させることによって、空気浮上モジュール210によって既に所定の高さ浮き上がった状態の基板は、強制移送ベルト120によって図7の(c)のように移送されることができる。
【0052】
このように、本実施形態によれば、従来のようにマグネットなどの高価部品が使われる必要なしに空気浮上モジュール210と把持移送ユニット100という簡単な構成だけでも製作が可能であるために、従来より遥かに低コストで基板移送装置を製作することができる利点がある。
【0053】
また、なによりも、空気浮上モジュール210によって浮き上がった基板を把持移送ユニット100の強制移送ベルト120が強制に連れて行きながら移送させる構造であるために、ノイズ発生及びパーティクルの発生を減らし、基板の移送速度が従来より非常に早くなることができて、基板に対する高速移送が可能となる利点がある。このように、基板に対する高速移送が可能となれば、それほど基板に対する多様な工程の処理速度が早くなることができるために、収率及び生産性向上に寄与できるようになる。
【0054】
また、本実施形態の場合には、基板が空気浮上モジュール210によって浮き上がった状態で移送される方式であるために、基板の移送途中で、従来のように基板がローラー(図示せず)や回転軸(図示せず)などに衝突して破損される現象を予防させうる。
【0055】
図8は、本発明の第2実施形態による基板移送装置で把持移送ユニットの概略的な断面図であり、図9は、図8の作動状態の断面図であり、図10は、図9の要部拡大図である。
【0056】
本実施形態の把持移送ユニット100aは、前述した実施形態の把持移送ユニット100とその機能は同一であるが、多少異なる構成を有する。
【0057】
これについて説明すれば、まず、ユニット本体110aの形態が異なる。もちろん、ユニット本体110aの形態が本発明の権利範囲を制限するものではないが、本実施形態のような形態のユニット本体110aは、圧出成形などによって容易に製作することができ、また、その側部に他の装置との組み立てのための組立部110bなどが形成されることができて、移送装置の組み立てに便宜性を増大させうる。
【0058】
本実施形態の把持移送ユニット100aの場合、強制移送ベルト120の表面には、基板にスクラッチの発生を沮止しながら基板の下面を実質的に接触支持する真空パッド151がさらに設けられている。
【0059】
真空パッド151は、示されたように、別途に製作されて強制移送ベルト120の表面に結合される形態になっても良く、それとも強制移送ベルト120の表面にコーティング膜を塗布する形態になっても良い。如何なる場合でも、強制移送ベルト120の表面には、強制移送ベルト120に形成された多数の真空ホール121と連通される連通ホール152が形成されなければならず、そうすると、連通ホール152及び真空ホール121、そして、後述する空気循環ライン153を通じる空気の流れが形成されて基板を真空で吸着させうる。
【0060】
一方、把持移送ユニット100aによる真空効率を極大化させるため、言い換えれば、工程ラインに沿って長く設けられる把持移送ユニット100a上で実質的に基板が接触支持された把持移送ユニット100aの一領域にのみ真空を形成させて、不要な部分まで真空が形成されることによって惹起される損失または真空のリーク問題を解決するため、本実施形態の把持移送ユニット100aには、チェック弁154がさらに設けられる。
【0061】
チェック弁154は、真空パッド151の連通ホール152の領域に結合されて、真空パッド151の表面に対する基板の接触如何に基づいて、連通ホール152を通じる真空の流れを選択的に開閉する役割を果たす。
【0062】
このようなチェック弁154は、連通ホール152の領域から上下方向に配される軸部154aと、軸部154aの上端部を形成し、真空パッド151の表面に露出されるように設けられるヘッド部154bと、ヘッド部154bと対向した軸部154aの下端部に設けられて、連通ホール152の一区間を選択的に開閉するホール開閉部154cと、軸部154aに結合されてヘッド部154bが真空パッド151の表面に露出される方向に付勢する弾性部材154dとを備える。示されたように、ホール開閉部154cは、ボール(ball)タイプとして、そして、弾性部材154dは、圧縮バネとして適用可能であるが、必ずしもそういうことではない。
【0063】
これにより、図8のように、基板が真空パッド151の表面に接触されていない状態で図9及び図10のように、基板が真空パッド151の表面に接触支持されて真空パッド151に設けられたチェック弁154のヘッド部154bを加圧すれば、基板の重量によってヘッド部154b、軸部154a及びホール開閉部154cが下方に下がることによって連通ホール152の一区間に開放されて、図9の矢印のような空気の流れが形成される。したがって、基板は、真空パッド151の表面に吸着支持されるようになる。この場合、弾性部材154dは、圧縮された状態になる。
【0064】
しかし、図8のように、基板が真空パッド151の表面から離隔した状態であれば、圧縮された弾性部材154dが原状に膨脹されることによって、ヘッド部154b、軸部154a及びホール開閉部154cは、元の位置に復帰され、したがって、ホール開閉部154cが連通ホール152の一区間を遮蔽することによって、空気の流れは遮断される。
【0065】
このような構造及び動作を有するチェック弁154を真空パッド151に適用して、基板が実質的に接触された状態でのみ真空を形成させることによって、前述したように、不要に真空が形成されることによる損失問題、また、真空のリーク問題などを効果的に解消させうる。
【0066】
本実施形態の場合、真空パッド151は、超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE、Ultra High Molecular Weight−PolyEthylene)材質で、そして、チェック弁154は、ピーク(Peek)材質で製作されているが、その事項が本発明の権利範囲を制限するものではない。例えば、真空パッド151は、フッ素ゴムなどで製作が可能である。
【0067】
そして、本実施形態の把持移送ユニット100aは、強制移送ベルト120を挟んで、強制移送ベルト120の両側の上部領域を覆う形態でユニット本体110aに設けられて、基板の移送時に発生可能なパーティクルの飛散を防止する飛散防止用シールド155をさらに備える。
【0068】
飛散防止用シールド155は、別途に製作されて、ユニット本体110aに結合されても良く、それとも本実施形態のように、ユニット本体110aの製作時に飛散防止用シールド155が一体に形成させることもできる。
【0069】
但し、このような飛散防止用シールド155を形成するに当って、飛散防止用シールド155が基板の下面に接触されればならないので、飛散防止用シールド155の上端部の高さH1は、真空パッド151の表面H2より低い位置を有するようにしなければならない。もし、真空パッド151が設けられない第1実施形態の場合であれば、飛散防止用シールド155の上端部の高さH1は、強制移送ベルト120の表面より低い位置を有していなければならない。
【0070】
そして、本実施形態の把持移送ユニット100aの場合、空気循環ライン153の領域にフィルター(図示せず)がさらに設けられる。このように、空気循環ライン153の領域にフィルターを設ければ、作業空間の環境を清潔に維持するのに良く、また把持移送ユニット100aによって吸入される空気を循環させて空気浮上モジュール210の側に再使用するに当って、空気内の異物を除去することができるために有利である。参考までに、空気循環ライン153の後端には、空気の吸い込みのためのブロワー(blower)が設けられるが、このようなブロワーの入口端に着脱可能にフィルターを組み立てば、それで十分である。
【0071】
図11は、本発明の第3実施形態による基板移送装置の平面図である。
【0072】
前述した第1実施形態では、6つの空気浮上モジュール210の間に一つの把持移送ユニット100が基板の移送方向に沿って長く設けられた。
【0073】
前述したように、把持移送ユニット100は、多数の空気浮上モジュール210の間の領域のうちある一領域(中央領域でも良く、端領域でも良い)に一つ設けられても良く、あるいは多数個設けられても良い。
【0074】
但し、基板が移送されなければならない距離が長い場合には、無限定に長さが長い空気浮上モジュール210や把持移送ユニット100を製作することができないという点を勘案する時、空気浮上モジュール210や把持移送ユニット100は、基板が移送される方向であるX軸方向に沿って組み立てられて使われるのが普通であるが、この場合、把持移送ユニット(図示せず)は、X軸方向に沿って連続的に連結されて使われるか、あるいは図11のように、把持移送ユニット100bは、空気浮上モジュール210の合間でジグザグ方式で配列された後にX軸方向に沿って配列されて使われる。
【0075】
後者の場合、図11に示されたように、ジグザグ方式で配列される把持移送ユニット100bの間には、Y軸方向に沿って相互重畳される重畳区間Oが存在することが望ましく、そうすると、基板の移送途中にもしも惹起されることができる基板の破損問題を解消することができる。もちろん、重畳区間Oは、必ずしも存在しなければならないものではない。
【0076】
図12は、本発明の第4実施形態による基板移送装置で把持移送ユニットに対する部分斜視図であり、図13は、図12の分解斜視図である。
【0077】
これら図面に示されたように、本実施形態の把持移送ユニット100cは、前述した実施形態の把持移送ユニット100、100a、100bとその機能及び役割は同一であるが、その構造が一部異なるように設けられる。特に、本実施形態の把持移送ユニット100cは、前述した第2実施形態の把持移送ユニット100aとその構造が類似しているので、第2実施形態の把持移送ユニット100aに基づいて、対比して説明する。
【0078】
まず、本実施形態の把持移送ユニット100cの場合、第2実施形態の把持移送ユニット100aと同様に真空パッド151を備えているが、真空パッド151の上部には、第2実施形態とは異なって、載置支持羽根部151aがさらに設けられる。
【0079】
このような載置支持羽根部151aは、基板が実質的に載置支持される部分であって、基板に対する接触面積が増大するように内面が凹状に形成されながら弾性を有する弾性材質で製作される。
【0080】
このように、載置支持羽根部151aを設ける場合には、たとえ基板が載置支持羽根部151aの表面で完全に水平状態で配されることができず、若干傾いて配されるとしても弾性材質の載置支持羽根部151aがそれに対応して変形されながら基板を載置支持することができて、基板との間にリークが発生する現象を減らしうる。
【0081】
本実施形態の場合、効率を考慮して載置支持羽根部151aをほぼ楕円状に製作しながら、その内部の連通ホール152bを長孔で形成しているが、本発明の権利範囲がこれに制限される必要はない。
【0082】
そして、本実施形態の把持移送ユニット100cにも、真空パッド151の領域に、基板が接触支持された把持移送ユニット100cの一領域にのみ真空を形成させて、不要な部分まで真空が形成されることによって惹起される損失または真空のリーク問題を解決するための手段としてチェック弁154が設けられているが、チェック弁154の構造及び機能は、第2実施形態と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0083】
一方、本実施形態の場合、ユニット本体110cの表面には、互に離隔されて平行に突出される一対のレール115が形成されており、強制移送ベルト120cの内面には、一対のレール115の外側でユニット本体110cの表面に接触される多数のレールブロック125が形成されている。
【0084】
一対のレール115及び多数のレールブロック125が相互レール式で噛み合うことによって、ユニット本体110cに対して強制移送ベルト120cは回転しながら基板を強制に移送させるようになる。
【0085】
このような構造で、強制移送ベルト120cの多数のレールブロック125の間には、把持移送ユニット100c周辺の空気を吸い込む側面吸入部126がさらに形成される。側面吸入部126は、多数のレールブロック125を凹凸状に製作することによって多数のレールブロック125の間で自然に形成されるが、このような側面吸入部126が形成されることによって、基板の移送中に発生可能な異物やパーティクルをユニット本体110cの内部に吸い込ませて装置の外部に排出させることができる利点がある。
【0086】
図14は、本発明の第5実施形態による移送装置の概略的な斜視図である。
【0087】
この図面を参照すれば、本実施形態による基板移送装置1は、垂直型基板移送装置1である。このような基板移送装置1は、垂直型に、すなわち、地面に対して立設される基板の少なくとも一領域を把持して、基板を強制に移送させる把持移送ユニット100と、把持移送ユニット100に隣接して配されて、基板を移送可能に支持する補助移送ユニット200とを含む。
【0088】
参考までに、地面に対して立設されるという意味は、地面に対してほぼ80°内外の角度で基板が斜めに配されるということを意味するが、必ずしもそういうことではない。
【0089】
把持移送ユニット100と補助移送ユニット200との具体的な構造については、図1ないし図13を参照して説明された前述した説明に代替する。
【0090】
一方、第1ないし第4実施形態で説明した水平型基板移送装置とは異なって、本実施形態の基板移送装置1の場合には、前述したように、基板をほぼ65°ないし75°程度に斜めに立てて移送させる構造を有するために、もし、異常原因によって把持移送ユニット100が動作が解除される場合、言い換えれば、把持移送ユニット100が基板の把持を解除した場合には、基板が当該経路上で墜落されることができるために損失及び安全事故の発生の恐れがある。
【0091】
これにより、本実施形態では、このような現象を予防するため、図14に示されたように、墜落防止ユニット300が設けられる。
【0092】
墜落防止ユニット300の形態は、多様に具現可能であるが、本実施形態で適用している墜落防止ユニット300は、垂直型に配される基板の下端部が接触支持される接触支持ローラー310と、接触支持ローラー310を支持するローラー支持ブラケット320と、ローラー支持ブラケット320に結合されて接触支持ローラー310とローラー支持ブラケット320とを所定距離動作させるアクチュエータ330とを備える。
【0093】
接触支持ローラー310は、所定距離ほど墜落された基板が接触支持される部分であるので、基板に損傷を与えない、例えば、シリコンやウレタンのように一定の弾性を有する材質で製作されることが望ましい。図14の場合には、側面図であるために、接触支持ローラー310が一つ示されたように見えるが、実際に、接触支持ローラー310は、基板の下部領域で基板の面積によって適切に多数個設けられる。
【0094】
シリンダーとして適用可能であるアクチュエータ330は、選択的に動作されて接触支持ローラー310とローラー支持ブラケット320とを上昇させて基板が墜落したほど再び基板を原位置に復帰させる役割を果たす。
【0095】
このような構造によれば、平常時に基板と接触支持ローラー310との間には、一定の離隔間隔、例えば、数ないし数十mm離隔しているが、もし、異常原因によって把持移送ユニット100が動作が解除される場合、言い換えれば、把持移送ユニット100が基板の把持を解除した場合には、基板が当該経路上で墜落するようになっても、基板は弾性を保有した接触支持ローラー310に接触されることができるために、破損されなくなる。接触支持ローラー310によって墜落が防止されれば、アクチュエータ330は、選択的に動作されて接触支持ローラー310とローラー支持ブラケット320とを上昇させて基板が墜落したほど再び基板を原位置に復帰させれば良い。
【0096】
一方、本実施形態の場合には、前述したような構造の墜落防止ユニット300を使っているが、前述した構造とは異なって、垂直型に配される基板の下端部が部分的に収容されながら支持されるVブロック(図示せず)を使うこともできる。すなわち、このようにVブロックを使う場合、基板の移送途中あるいは移送のための準備途中などの多様な状況下で異常原因によって移送ユニット100が基板の把持を解除するとしても、基板がVブロックに収容されながら支持されることができるために、損失及び安全事故の発生を解消させうる。
【0097】
図15は、本発明の第6実施形態による基板移送装置の側面図である。
【0098】
前述したように、本実施形態の基板移送装置1aは、基板が立てられた状態、すなわち、ほぼ80°内外に立てられた状態で基板を移送させる装置であるので、初期に基板を立てるための、言い換えれば、基板をティルティングさせるためのティルティングユニット400と連結されて使われる。このために、ティルティングユニット400が提案される。
【0099】
本実施形態のティルティングユニット400は、図15に示されたように、一端が外郭フレーム221にピボット支持されるシリンダー本体410と、シリンダー本体410に対して長さ延長及び縮小可能に結合され、端部が装置本体220に回動可能に連結されるシリンダーロッド420とを含みうる。言い換えれば、本実施形態のティルティングユニット400は、空圧や油圧、あるいは油空圧複合シリンダーとして適用可能である。
【0100】
このような構造のティルティングユニット400が適用される場合、図15の二点鎖線で実線のように、把持移送ユニット100と補助移送ユニット200とを支持している装置本体220をほぼ80°内外に立てることができるために、手作業の限界を乗り越えて基板移送での効率を高めることができる利点があるということに違いはない。
【0101】
図16は、本発明の第7実施形態による基板移送装置の概略的な斜視図であり、図17は、図16のA−A線による断面図である。
【0102】
これら図面に示されたように、本実施形態による基板移送装置は、基板を浮上させるための空気が噴射される多数の空気噴射孔Hが表面に貫通形成される空気浮上モジュール510と、空気浮上モジュール510の表面に設けられて基板を保護する基板保護層550とを備える。
【0103】
空気浮上モジュール510は、図1に示されたように、内部に空気が噴射されるように一定の空間を有する桶状を有する。
【0104】
本実施形態の場合、空気浮上モジュール510が長方形の桶状に製作されているが、空気浮上モジュール510の形状は、図面に制限される必要はない。また、図面には示されていないが、空気浮上モジュール510には、空気浮上モジュール510の空気噴射孔Hに空気を供給するための手段、例えば、空気噴射用ポンプやモータ、またはノズルなどがさらに結合される。
【0105】
このような空気浮上モジュール510の表面を形成する上部壁511には、多数の空気噴射孔Hが形成されている。空気噴射孔Hは、円状の形態として空気浮上モジュール510の上部壁511に多数個設けられる。図面を見れば、多数の空気噴射孔Hが示されてはいるが、実際の製品には数えにくい程度に、また非常に直径が小さくて細密な無数の空気噴射孔Hが形成される。
【0106】
基板保護層550は、空気噴射孔Hの表面に設けられて基板を保護する役割を果たす。前述した空気浮上モジュール510が金属材質で製作されているために、基板保護層550なしに空気浮上モジュール510のみを用いて基板を浮上させようとする場合、もし基板が浮き上がらずに空気浮上モジュール510に接触すれば、ガラス材質の基板が空気浮上モジュール510の表面に接触されて損傷されることがある。したがって、このような場合を備えて空気浮上モジュール510の表面に基板保護層550をさらに設けることによって、もし分からない基板の損傷を予防している。
【0107】
このような基板保護層550は、たとえ基板が接触されても、基板にスクラッチや損傷を与えない材質中で選択されるが、本実施形態の場合、空気浮上モジュール510の表面に塗布されるコーティング層で設けられる。すなわち、ウレタンなどの物質で作られたコーティング液をスプレー噴射方式やまたはロール塗布方式によって空気浮上モジュール510の表面に塗布して硬化させることによって、簡便に基板保護層550を製作することができる。
【0108】
一方、このような基板保護層550には、空気浮上モジュール510の空気噴射孔Hと連通されるが、空気噴射孔Hのサイズ、すなわち、直径よりは相対的にさらに大きく拡張されて空気噴射孔Hから基板に向ける空気の噴射断面積を増大させる拡張ホール551が形成されている。
【0109】
拡張ホール551は、空気浮上モジュール510の表面に基板保護層550としてのコーティング層を塗布した後、コーティング層を穿孔することで容易に製作することができる。
【0110】
このような拡張ホール551は、前述したように、空気噴射孔Hのサイズよりは相対的にさらに大きく拡張されて空気噴射孔Hから基板に向ける空気の噴射断面積を増大させる役割を果たすが、本実施形態の場合、拡張ホール551は、空気噴射孔Hの一つ当たり一つずつ対応して配される。
【0111】
このように、空気噴射孔Hの一つ当たり一つずつの拡張ホール551を基板保護層550に形成するが、空気噴射孔Hより拡張ホール551のサイズをさらに大きく形成することによって、基板の浮上のために空気噴射孔Hを通じて噴射された空気は拡張ホール551でその噴射断面積が増大しながら、すなわち、拡張されながら基板に向けるようになる。このような構造があらゆる空気噴射孔Hに形成されていれば、それほど基板に向ける空気の噴射断面積が増加する効果を提供するために、従来のようにモータの容量を著しく増加させないとしても、基板浮上の効率を従来より高めうる。
【0112】
一方、図17には、空気の移動経路が矢印で示されているが、図17の矢印のように柔軟に空気が流動せず、空気噴射孔Hの領域で渦流を発生させれば、基板の浮上効率が減少することもある。
【0113】
このような現象を予防するため、本実施形態の空気噴射孔Hは、拡張ホール551に行くほど開口面積が漸増するように設けられる。このような構造によって空気噴射孔Hから拡張ホール551に向ける空気が渦流なしに容易に流動されて基板を浮上させるのに使われる。
【0114】
このように、本実施形態によれば、簡単かつ単純な構造を有し、従来に比べてモータ容量の顕著な増加なしに基板浮上の効率を高めうる。特に、基板の浮上効率が高くなれば、それほど基板を移送させるのに有利であるので、結果的に基板に対する高速移送が可能となる。基板に対する高速移送については、下記の実施形態で詳しく説明する。
【0115】
図18は、本発明の第8実施形態による基板移送装置の概略的な斜視図であり、図19は、図18のB−B線による断面図である。
【0116】
これら図面を参照すれば、本実施形態による基板移送装置の空気浮上モジュール520にも、その表面を形成する上部壁521に多数の空気噴射孔Hが形成されており、このような点では、図17の実施形態と同様である。
【0117】
但し、本実施形態の場合、空気浮上モジュール520の表面に塗布されて基板を保護する基板保護層560に形成された拡張ホール561の形態が、図17の実施形態とは異なる。
【0118】
本実施形態で、基板保護層560に形成された拡張ホール561は、空気噴射孔Hの多数個当たり一つずつ対応して配される多数の単位拡張ホール561に設けられる。すなわち、本実施形態の場合には、9つの空気噴射孔Hの当たり一つずつの単位拡張ホール561が設けられる。
【0119】
このような場合、基板の浮上のために空気噴射孔Hを通じて噴射された空気は、拡張ホール551でその噴射断面積がさらに増大しながら、すなわち、拡張されながら基板に向けるようになるために、従来のようにモータの容量を著しく増加させないとしても、基板浮上の効率を従来より高めうる。
【0120】
本実施形態の図面に示された9つの空気噴射孔Hの当たり一つずつの単位拡張ホール561は、一実施形態であり、このような事項が本発明の権利範囲を制限するものではない。
【0121】
図20は、本発明の第9実施形態による基板移送装置の部分平面図である。
【0122】
この図面を参照すれば、本実施形態による基板移送装置の場合、図18の実施形態のような形態として空気浮上モジュール530の表面に塗布された基板保護層570上に空気噴射孔Hの多数個当たり一つずつ対応して配される多数の単位拡張ホール571(円状の点線参照)が形成されるが、この単位拡張ホール571は、またいくつずつグループ(group)単位のゾーン(Z1、Z2、Z3...)に区画される。言い換えれば、図20で9つの空気噴射孔Hの当たり一つずつ対応して配された多数の単位拡張ホール571は、また3つずつグループ単位のゾーン(Z1、Z2、Z3...)に区画される。このような場合、図20で円状の点線で示された単位拡張ホール571は、実際の製品には表われない。
【0123】
本実施形態で、多数の単位拡張ホール571を区画するための区画方向は、基板移送方向である空気浮上モジュール530の長手方向に交差される方向になっているが、必要によって基板移送方向に区画されることもできる。
【0124】
このように必要によって多数の単位拡張ホール571をまたいくつずつグループ単位のゾーン(Z1、Z2、Z3...)に区画して使う場合、基板に向ける空気の噴射断面積をさらに高めることができる利点とともに、各ゾーン(Z1、Z2、Z3...)の内の空気噴射流れを選択的にオン/オフ(on/off)させることができて、動力消耗量を減らすことができる利点がある。すなわち、図20のような場合には、基板が実質的に配されて移送されるゾーン(Z1、Z2、Z3...)領域の空気のみを噴射させ、残りは空気の流れを遮断させる制御が可能であるために、それほど空気噴射による動力消耗量を減らしうる。
【0125】
本実施形態のようであるとしても、簡単かつ単純な構造を有し、従来に比べてモータ容量の顕著な増加なしに基板浮上の効率を高めることができ、さらに基板に対する高速移送が可能であるという本発明の効果を提供するのには何らの問題もない。
【0126】
図21は、本発明の第10実施形態による基板移送装置の斜視図である。
【0127】
この図面に示されたように、本実施形態の基板移送装置は、基板を浮上させる多数の空気噴射モジュール540と、水平型に、すなわち、地面に対して平行に配される基板の少なくとも一領域を把持して、基板を強制に移送させる把持移送ユニット100とを備える。
【0128】
多数の空気噴射モジュール540は、前述した実施形態で説明された空気噴射モジュール510、520、530とその形態またはサイズのみが異なるだけであり、機能と役割とは同一である。すなわち、空気噴射モジュール540の表面に基板保護層580が形成され、基板保護層580に形成された拡張ホール581は、空気噴射モジュール540の表面に形成された空気噴射孔Hのより大きく形成される。また、拡張ホール581は、空気噴射孔Hの多数個当たり一つずつ対応して配される。このような形態として空気噴射モジュール540が多数個設けられ、これを通じて基板を浮上させるようになれば、所望の高さに、また従来のような大容量のモータ使用なしに効果的に基板を浮上させうる。図面を見れば、装置本体501上に6つの空気浮上モジュール540が設けられているが、これらの個数が本発明の権利範囲を制限するものではない。また、空気浮上モジュール540の離隔間隔も必ずしも等間隔である必要はない。
【0129】
把持移送ユニット100は、多数の空気噴射モジュール540によって浮き上がった基板を実質的に移送させる役割を果たす。このような把持移送ユニット100は、空気浮上モジュール540の間の領域のうち選択された領域に設けられる。本実施形態の場合、空気浮上モジュール540の中央領域に空気浮上モジュール540と平行な状態で1つの把持移送ユニット100が設けられているが、必ずしもそうである必要はない。一方、把持移送ユニット100に対する一連の構造と役割、そして、機能は、図1ないし図13を通じて説明された前述した実施形態の説明に代替させる。
【0130】
このように本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を外れずに多様に修正及び変形できるということは、当業者に自明である。したがって、そのような修正例または変形例は、本発明の特許請求の範囲に属すると理解しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明は、基板移送装置関連の技術分野に適用可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に対して平行に配される基板の少なくとも一領域を把持して、前記基板を強制に移送させる把持移送ユニットと、
前記把持移送ユニットに隣接して配されて、前記基板を移送可能に支持する補助移送ユニットと、
を含むことを特徴とする基板移送装置。
【請求項2】
地面に対して立設される基板の少なくとも一領域を把持して、前記基板を強制に移送させる把持移送ユニットと、
前記把持移送ユニットに隣接して配されて、前記基板を移送可能に支持する補助移送ユニットと、
を含むことを特徴とする基板移送装置。
【請求項3】
垂直型に配される前記基板の下部領域に設けられて、前記把持移送ユニットが前記基板の把持を解除した場合、前記基板の当該経路上での墜落を防止する墜落防止ユニットをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の基板移送装置。
【請求項4】
前記墜落防止ユニットは、
垂直型に配される前記基板の下端部が接触支持される接触支持ローラーと、
前記接触支持ローラーを支持するローラー支持ブラケットと、
前記ローラー支持ブラケットに結合されて、前記接触支持ローラーと前記ローラー支持ブラケットとを所定距離動作させるアクチュエータと、
を含むことを特徴とする請求項3に記載の基板移送装置。
【請求項5】
前記把持移送ユニットと前記補助移送ユニットとを支持する装置本体と、
前記装置本体に部分的に連結されて、前記装置本体をティルティングさせるティルティングユニットと、
をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の基板移送装置。
【請求項6】
前記ティルティングユニットは、
一端が外郭フレームにピボット支持されるシリンダー本体と、
前記シリンダー本体に対して長さ延長及び縮小可能に結合され、端部が前記装置本体に回動可能に連結されるシリンダーロッドと、
を含むことを特徴とする請求項5に記載の基板移送装置。
【請求項7】
基板を浮上させるための空気が噴射される多数の空気噴射孔が表面に貫通形成される空気浮上モジュールと、
前記空気浮上モジュールの表面に設けられて、前記基板を保護する基板保護層と、を含み、
前記基板保護層には、前記空気浮上モジュールの空気噴射孔と連通されるが、前記空気噴射孔のサイズよりは相対的にさらに大きく拡張されて、前記空気噴射孔から前記基板に向ける空気の噴射断面積を増大させる拡張ホールが形成されることを特徴とする基板移送装置。
【請求項8】
前記拡張ホールは、
前記空気噴射孔の一つ当たり一つずつ対応して配されることを特徴とする請求項7に記載の基板移送装置。
【請求項9】
前記拡張ホールは、
前記空気噴射孔の多数個当たり一つずつ対応して配される多数の単位拡張ホールであることを特徴とする請求項7に記載の基板移送装置。
【請求項10】
前記空気噴射孔は、
前記拡張ホールに行くほど開口面積が漸増するように設けられることを特徴とする請求項7に記載の基板移送装置。
【請求項11】
前記空気浮上モジュールは、金属材質で製作され、前記基板保護層は、コーティング層で設けられ、
前記拡張ホールは、前記空気浮上モジュールの表面に前記コーティング層を塗布した後、前記コーティング層を穿孔して製作されることを特徴とする請求項7に記載の基板移送装置。
【請求項12】
前記基板保護層を備えた前記空気浮上モジュールは、互に離隔されて平行に配される多数の空気浮上モジュールであり、
多数の空気浮上モジュールの間の領域のうち少なくとも何れか一領域に設けられ、前記多数の空気浮上モジュールによって前記基板が浮き上がった状態で前記基板の表面に一領域が接触されて、前記基板を強制に移動させる把持移送ユニットをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の基板移送装置。
【請求項13】
前記補助移送ユニットは、少なくとも一つの空気浮上モジュールによって前記基板を所定距離離隔させる非接触式の非接触式補助移送ユニットであり、
前記把持移送ユニットは、前記補助移送ユニットによって所定距離離隔した基板の少なくとも一領域を把持して、前記基板を強制に移送させることを特徴とする請求項1または2に記載の基板移送装置。
【請求項14】
前記補助移送ユニットは、互に離隔されて平行に配される多数の空気浮上モジュールによって設けられ、
前記把持移送ユニットは、多数の空気浮上モジュールの間の領域のうち少なくとも何れか一領域に設けられることを特徴とする請求項13に記載の基板移送装置。
【請求項15】
前記把持移送ユニットは、
内部に空気流動空間が形成されるユニット本体と、
前記ユニット本体の上部で前記ユニット本体に対して前記基板の移送方向に沿って相対移動可能に結合され、前記基板の真空吸着のために、前記ユニット本体の空気流動空間と連通される多数の真空ホールが形成される強制移送ベルトと、
を含むことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項7のうち何れか一項に記載の基板移送装置。
【請求項16】
前記ユニット本体の上面には、
前記強制移送ベルトに形成された前記多数の真空ホールと連通される真空スロットが形成されることを特徴とする請求項15に記載の基板移送装置。
【請求項17】
前記真空スロットは、
前記強制移送ベルトの長手方向に沿って前記ユニット本体の上面で区間別に分割されて形成されるか、連続的に形成されることを特徴とする請求項16に記載の基板移送装置。
【請求項18】
前記ユニット本体内の空気流動空間は、
互に個別的に真空が形成される多数のゾーンに区画されることを特徴とする請求項15に記載の基板移送装置。
【請求項19】
前記強制移送ベルトの表面に結合されて、前記基板の下面を実質的に接触支持し、表面に前記強制移送ベルトに形成された多数の真空ホールと連通される連通ホールが形成される真空パッドをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の基板移送装置。
【請求項20】
前記真空パッドは、
前記基板が実質的に載置支持されるが、前記基板に対する接触面積が増大するように内面が凹状に形成される載置支持羽根部をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の基板移送装置。
【請求項21】
前記載置支持羽根部は、弾性を有する弾性材質で製作され、
前記連通ホールは、長孔で形成されることを特徴とする請求項20に記載の基板移送装置。
【請求項22】
前記ユニット本体の表面には、互に離隔されて平行に突出される一対のレールが形成され、前記強制移送ベルトの内面には、前記一対のレールの外側で前記ユニット本体の表面に接触される多数のレールブロックが形成され、
前記多数のレールブロックの間には、前記把持移送ユニット周辺の空気を吸い込む側面吸入部がさらに形成されることを特徴とする請求項15に記載の基板移送装置。
【請求項23】
前記真空パッドの連通ホール領域に結合され、前記真空パッドの表面に対する前記基板の接触如何に基づいて、前記連通ホールを通じる真空の流れを選択的に開閉するチェック弁をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の基板移送装置。
【請求項24】
前記チェック弁は、
前記連通ホール領域から上下方向に配される軸部と、
前記軸部の上端部を形成し、前記真空パッドの表面に露出されるように設けられるヘッド部と、
前記ヘッド部と対向した前記軸部の下端部に設けられて、前記連通ホールの一区間を選択的に開閉するホール開閉部と、
前記軸部に結合されて、前記ヘッド部が前記真空パッドの表面に露出される方向に付勢する弾性部材と、
を含むことを特徴とする請求項23に記載の基板移送装置。
【請求項25】
前記真空パッドは、超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE、Ultra HighMolecular Weight−PolyEthylene)材質で製作され、前記チェック弁は、ピーク(Peek)材質で製作されることを特徴とする請求項23に記載の基板移送装置。
【請求項26】
前記把持移送ユニットは、前記強制移送ベルトを挟んで、前記強制移送ベルトの両側の上部領域を覆う形態で前記ユニット本体に設けられて、前記基板の移送時に発生したパーティクルの飛散を防止する飛散防止用シールドをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の基板移送装置。
【請求項27】
前記飛散防止用シールドの上端部は、
前記真空パッドの表面より低い位置を有することを特徴とする請求項26に記載の基板移送装置。
【請求項28】
前記ユニット本体の一側には、空気循環ラインがさらに形成され、
前記空気循環ラインの領域には、前記ユニット本体から排出される空気内の異物を除去するフィルターがさらに設けられることを特徴とする請求項15に記載の基板移送装置。
【請求項29】
前記把持移送ユニットは、前記基板が移送される方向であるX軸方向に沿って配される多数の単位移送ユニットを含み、
前記多数の単位移送ユニットは、前記X軸方向に沿って連続的に配されるか、ジグザグ(zigzag)方式で配されることを特徴とする請求項15に記載の基板移送装置。
【請求項30】
前記ジグザグ方式で配される前記多数の単位移送ユニットの間には、前記X軸方向に交差される方向であるY軸方向に沿って相互重畳される重畳区間がさらに設けられることを特徴とする請求項29に記載の基板移送装置。
【請求項31】
前記強制移送ベルトは、閉ループ状を有し、
前記把持移送ユニットは、
前記強制移送ベルトの一側の内部に配される駆動滑車と、
前記強制移送ベルトの他側の内部に配される従動滑車と、
前記駆動滑車に結合されて、前記強制移送ベルトの回転動力を提供する駆動モータと、
をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の基板移送装置。
【請求項32】
前記把持移送ユニットに連結されて、前記把持移送ユニットを移送対象の基板に対して接近及び離隔駆動させる駆動部をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の基板移送装置。
【請求項1】
地面に対して平行に配される基板の少なくとも一領域を把持して、前記基板を強制に移送させる把持移送ユニットと、
前記把持移送ユニットに隣接して配されて、前記基板を移送可能に支持する補助移送ユニットと、
を含むことを特徴とする基板移送装置。
【請求項2】
地面に対して立設される基板の少なくとも一領域を把持して、前記基板を強制に移送させる把持移送ユニットと、
前記把持移送ユニットに隣接して配されて、前記基板を移送可能に支持する補助移送ユニットと、
を含むことを特徴とする基板移送装置。
【請求項3】
垂直型に配される前記基板の下部領域に設けられて、前記把持移送ユニットが前記基板の把持を解除した場合、前記基板の当該経路上での墜落を防止する墜落防止ユニットをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の基板移送装置。
【請求項4】
前記墜落防止ユニットは、
垂直型に配される前記基板の下端部が接触支持される接触支持ローラーと、
前記接触支持ローラーを支持するローラー支持ブラケットと、
前記ローラー支持ブラケットに結合されて、前記接触支持ローラーと前記ローラー支持ブラケットとを所定距離動作させるアクチュエータと、
を含むことを特徴とする請求項3に記載の基板移送装置。
【請求項5】
前記把持移送ユニットと前記補助移送ユニットとを支持する装置本体と、
前記装置本体に部分的に連結されて、前記装置本体をティルティングさせるティルティングユニットと、
をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の基板移送装置。
【請求項6】
前記ティルティングユニットは、
一端が外郭フレームにピボット支持されるシリンダー本体と、
前記シリンダー本体に対して長さ延長及び縮小可能に結合され、端部が前記装置本体に回動可能に連結されるシリンダーロッドと、
を含むことを特徴とする請求項5に記載の基板移送装置。
【請求項7】
基板を浮上させるための空気が噴射される多数の空気噴射孔が表面に貫通形成される空気浮上モジュールと、
前記空気浮上モジュールの表面に設けられて、前記基板を保護する基板保護層と、を含み、
前記基板保護層には、前記空気浮上モジュールの空気噴射孔と連通されるが、前記空気噴射孔のサイズよりは相対的にさらに大きく拡張されて、前記空気噴射孔から前記基板に向ける空気の噴射断面積を増大させる拡張ホールが形成されることを特徴とする基板移送装置。
【請求項8】
前記拡張ホールは、
前記空気噴射孔の一つ当たり一つずつ対応して配されることを特徴とする請求項7に記載の基板移送装置。
【請求項9】
前記拡張ホールは、
前記空気噴射孔の多数個当たり一つずつ対応して配される多数の単位拡張ホールであることを特徴とする請求項7に記載の基板移送装置。
【請求項10】
前記空気噴射孔は、
前記拡張ホールに行くほど開口面積が漸増するように設けられることを特徴とする請求項7に記載の基板移送装置。
【請求項11】
前記空気浮上モジュールは、金属材質で製作され、前記基板保護層は、コーティング層で設けられ、
前記拡張ホールは、前記空気浮上モジュールの表面に前記コーティング層を塗布した後、前記コーティング層を穿孔して製作されることを特徴とする請求項7に記載の基板移送装置。
【請求項12】
前記基板保護層を備えた前記空気浮上モジュールは、互に離隔されて平行に配される多数の空気浮上モジュールであり、
多数の空気浮上モジュールの間の領域のうち少なくとも何れか一領域に設けられ、前記多数の空気浮上モジュールによって前記基板が浮き上がった状態で前記基板の表面に一領域が接触されて、前記基板を強制に移動させる把持移送ユニットをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の基板移送装置。
【請求項13】
前記補助移送ユニットは、少なくとも一つの空気浮上モジュールによって前記基板を所定距離離隔させる非接触式の非接触式補助移送ユニットであり、
前記把持移送ユニットは、前記補助移送ユニットによって所定距離離隔した基板の少なくとも一領域を把持して、前記基板を強制に移送させることを特徴とする請求項1または2に記載の基板移送装置。
【請求項14】
前記補助移送ユニットは、互に離隔されて平行に配される多数の空気浮上モジュールによって設けられ、
前記把持移送ユニットは、多数の空気浮上モジュールの間の領域のうち少なくとも何れか一領域に設けられることを特徴とする請求項13に記載の基板移送装置。
【請求項15】
前記把持移送ユニットは、
内部に空気流動空間が形成されるユニット本体と、
前記ユニット本体の上部で前記ユニット本体に対して前記基板の移送方向に沿って相対移動可能に結合され、前記基板の真空吸着のために、前記ユニット本体の空気流動空間と連通される多数の真空ホールが形成される強制移送ベルトと、
を含むことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項7のうち何れか一項に記載の基板移送装置。
【請求項16】
前記ユニット本体の上面には、
前記強制移送ベルトに形成された前記多数の真空ホールと連通される真空スロットが形成されることを特徴とする請求項15に記載の基板移送装置。
【請求項17】
前記真空スロットは、
前記強制移送ベルトの長手方向に沿って前記ユニット本体の上面で区間別に分割されて形成されるか、連続的に形成されることを特徴とする請求項16に記載の基板移送装置。
【請求項18】
前記ユニット本体内の空気流動空間は、
互に個別的に真空が形成される多数のゾーンに区画されることを特徴とする請求項15に記載の基板移送装置。
【請求項19】
前記強制移送ベルトの表面に結合されて、前記基板の下面を実質的に接触支持し、表面に前記強制移送ベルトに形成された多数の真空ホールと連通される連通ホールが形成される真空パッドをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の基板移送装置。
【請求項20】
前記真空パッドは、
前記基板が実質的に載置支持されるが、前記基板に対する接触面積が増大するように内面が凹状に形成される載置支持羽根部をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の基板移送装置。
【請求項21】
前記載置支持羽根部は、弾性を有する弾性材質で製作され、
前記連通ホールは、長孔で形成されることを特徴とする請求項20に記載の基板移送装置。
【請求項22】
前記ユニット本体の表面には、互に離隔されて平行に突出される一対のレールが形成され、前記強制移送ベルトの内面には、前記一対のレールの外側で前記ユニット本体の表面に接触される多数のレールブロックが形成され、
前記多数のレールブロックの間には、前記把持移送ユニット周辺の空気を吸い込む側面吸入部がさらに形成されることを特徴とする請求項15に記載の基板移送装置。
【請求項23】
前記真空パッドの連通ホール領域に結合され、前記真空パッドの表面に対する前記基板の接触如何に基づいて、前記連通ホールを通じる真空の流れを選択的に開閉するチェック弁をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の基板移送装置。
【請求項24】
前記チェック弁は、
前記連通ホール領域から上下方向に配される軸部と、
前記軸部の上端部を形成し、前記真空パッドの表面に露出されるように設けられるヘッド部と、
前記ヘッド部と対向した前記軸部の下端部に設けられて、前記連通ホールの一区間を選択的に開閉するホール開閉部と、
前記軸部に結合されて、前記ヘッド部が前記真空パッドの表面に露出される方向に付勢する弾性部材と、
を含むことを特徴とする請求項23に記載の基板移送装置。
【請求項25】
前記真空パッドは、超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE、Ultra HighMolecular Weight−PolyEthylene)材質で製作され、前記チェック弁は、ピーク(Peek)材質で製作されることを特徴とする請求項23に記載の基板移送装置。
【請求項26】
前記把持移送ユニットは、前記強制移送ベルトを挟んで、前記強制移送ベルトの両側の上部領域を覆う形態で前記ユニット本体に設けられて、前記基板の移送時に発生したパーティクルの飛散を防止する飛散防止用シールドをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の基板移送装置。
【請求項27】
前記飛散防止用シールドの上端部は、
前記真空パッドの表面より低い位置を有することを特徴とする請求項26に記載の基板移送装置。
【請求項28】
前記ユニット本体の一側には、空気循環ラインがさらに形成され、
前記空気循環ラインの領域には、前記ユニット本体から排出される空気内の異物を除去するフィルターがさらに設けられることを特徴とする請求項15に記載の基板移送装置。
【請求項29】
前記把持移送ユニットは、前記基板が移送される方向であるX軸方向に沿って配される多数の単位移送ユニットを含み、
前記多数の単位移送ユニットは、前記X軸方向に沿って連続的に配されるか、ジグザグ(zigzag)方式で配されることを特徴とする請求項15に記載の基板移送装置。
【請求項30】
前記ジグザグ方式で配される前記多数の単位移送ユニットの間には、前記X軸方向に交差される方向であるY軸方向に沿って相互重畳される重畳区間がさらに設けられることを特徴とする請求項29に記載の基板移送装置。
【請求項31】
前記強制移送ベルトは、閉ループ状を有し、
前記把持移送ユニットは、
前記強制移送ベルトの一側の内部に配される駆動滑車と、
前記強制移送ベルトの他側の内部に配される従動滑車と、
前記駆動滑車に結合されて、前記強制移送ベルトの回転動力を提供する駆動モータと、
をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の基板移送装置。
【請求項32】
前記把持移送ユニットに連結されて、前記把持移送ユニットを移送対象の基板に対して接近及び離隔駆動させる駆動部をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の基板移送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
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【図16】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2010−123970(P2010−123970A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−264038(P2009−264038)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(508292327)エスエフエー エンジニアリング コーポレーション (4)
【氏名又は名称原語表記】SFA ENGINEERING CORP.
【住所又は居所原語表記】166,Sinhang−ri,Dunpo−myeon,Asan−si,Chungcheongnam−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(508292327)エスエフエー エンジニアリング コーポレーション (4)
【氏名又は名称原語表記】SFA ENGINEERING CORP.
【住所又は居所原語表記】166,Sinhang−ri,Dunpo−myeon,Asan−si,Chungcheongnam−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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